JP2005011651A - 面状発熱体、この面状発熱体を用いた暖房装置及び面状発熱体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも発熱体シート2,絶縁層42及び均熱板43が、この順で積層された面状発熱体1であって、均熱板43上に積層された外装絶縁層44と、均熱板43の端面を封止するPET粘着テープ6とを具備した構成としてある。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、面状発熱体、この面状発熱体を用いた暖房装置及び面状発熱体の製造方法に関し、特に、均熱板に外装絶縁層を積層し、均熱板端面を封止絶縁体で封止した面状発熱体、この面状発熱体を用いた暖房装置及び面状発熱体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、面状発熱体は、加熱面内の場所に応じて昇温条件や放熱条件が異なるために、発熱させても加熱面は均一な温度とはならず、場所によって温度差が生じる。この温度差を小さくするために、面状発熱体の加熱面側に、均熱板が積層されている。
この均熱板は、アルミニウムや銅等の熱伝導率の大きい金属からなり、面状発熱体の加熱面を、ほぼ均一な温度とすることができる。
【0003】
ところで、面状発熱体は、線状発熱体に比べて発熱体シートの表面積が大きいため、発熱体シート上に絶縁層を介して導電性の均熱板が積層されると、コンデンサを構成する。このため、発熱体シートに直流電流が通電されると帯電量が大きくなり、また、発熱体シートに交流電流が通電されると、均熱板に誘導電荷が流れ、周辺の導電性物質に触れると、導通して漏電ブレーカが誤作動するといった問題があった。
【0004】
(従来例)
上記問題を解決する技術として、通電発熱用の発熱体シートと均熱板との間の絶縁フィルムの厚さを500μm〜5mmとし、好ましくは、絶縁フィルムを誘電率3.5以下のプラスチック材料とした面状発熱体の技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
この技術は、絶縁フィルムの誘電率を小さくするか、絶縁フィルムを厚くする(発熱体シートと均熱板の距離を大きくする)ことにより、誘導電流を抑制していた。そして、この面状発熱体によれば、伝熱特性をほとんど損なうことなく、発生する誘導電流値を低下させることができ、漏電ブレーカ付きサーキットブレーカの一個当たりの発熱体接続数を増やすことができた。
【0005】
【特許文献1】
特開平08−17560号公報 (請求項1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記面状発熱体は、誘電率が絶縁フィルムの材質で決まるため、誘電率を小さくするには限界があった。また、絶縁フィルムを厚くすると、使用する材料が増えるため製造原価が高くなるといったコストの問題や、発熱体シートの熱が加熱面まで伝わりにくくなるといった発熱効率の問題があった。
さらに、絶縁フィルムを加熱融着ラミネート加工により一体化する場合、絶縁フィルムが厚いと熱容量が大きくなるため、生産ラインの速度を遅くするか、あるいは、加熱ロール温度を高くする必要があった。このため、生産効率が低下するといった問題や、加熱ロール温度を発熱体シートや絶縁フィルムなどの耐熱温度以上にして加熱すると、断線や絶縁不良などが発生する心配があった。
【0007】
本発明は上記の問題点にかんがみてなされたもので、均熱板を接地しなければ誘導電流が大きくならないことに注目し、均熱板が表面に出ないように絶縁材で封止することにより、絶縁層を厚くしなくても漏洩電流の発生を防止でき、かつ、製造コストを低減することの可能な面状発熱体、この面状発熱体を用いた暖房装置及び面状発熱体の製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を達成するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の面状発熱体は、発熱体部の加熱面側に、絶縁層及び均熱板が積層された面状発熱体であって、少なくとも、前記均熱板上に積層された外装絶縁層と、前記均熱板の端面を封止する封止絶縁体とを具備した構成としてある。
このようにすると、金属からなる均熱板に発生する誘導電流が、外部に漏電するのを防ぐことができ、漏電ブレーカが誤作動してしまうといった不具合を防止することができる。
【0009】
また、本発明の面状発熱体は、発熱体部の加熱面側に、絶縁層及び均熱板が積層された面状発熱体であって、少なくとも、前記均熱板の全面を外装絶縁層及び前記絶縁層で覆った構成としてある。
このようにしても、金属からなる均熱板が露出しないので、均熱板を介して誘導電流が外部に漏洩するのを防止できる。
【0010】
また、本発明の面状発熱体は、前記封止絶縁体をホットメルト及び/又は絶縁テープとした構成としてある。
このようにすると、露出した均熱板の端面を、容易にかつ確実に絶縁することができる。
【0011】
また、本発明の面状発熱体は、前記均熱板が、前記発熱体部をラミネートするラミネートフィルムに積層してある。
このようにすると、各層を一層ずつ発熱体シートに積層する代わりに、三層をまとめて積層することができるので、生産性を大幅に向上させることができる。
【0012】
また、本発明の面状発熱体は、前記絶縁層及び前記外装絶縁層の厚さを、20μm〜200μm、より好ましくは、20μm〜100μmとした構成としてある。
このようにすると、絶縁性を確保するとともに、生産性を低下させずに、かつ、材料費のコストダウンを図ることができる。
【0013】
また、本発明の暖房装置は、上記請求項1〜5のいずれかに記載の面状発熱体を用いた構成としてある。
このようにすると、接地工事を行なわなくてもすむので、設置工事の生産性を向上させることができるとともに、アース線等の部品費のコストダウンを図ることができる。
【0014】
また、本発明の面状発熱体の製造方法は、上記請求項1〜5のいずれかに記載の面状発熱体の製造方法であって、前記発熱体部に電極線を接続する工程と、接着層,前記絶縁層,前記均熱板及び前記外装絶縁層を積層し、ラミネートフィルムを作成する工程と、前記発熱体部及び電極線に対して、加熱した少なくとも一枚の前記ラミネートフィルムを融着してラミネート加工する工程と、前記ラミネート加工後、前記均熱板の露出している端面を封止絶縁体で封止する端面封止工程と、を有する方法としてある。
このようにすると、発熱体シートにラミネートフィルムを加熱融着ラミネート加工することにより、接着層,絶縁層,均熱板及び外装絶縁層をまとめて積層できるので、生産性を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[面状発熱体の実施形態]
図1は、本発明の面状発熱体の実施形態にかかり、その構成を説明するための概略断面図を示している。
同図において、面状発熱体1は、発熱体シート2,電極3,ラミネートフィルム4,5及びポリエチレン樹脂(適宜、PETと略称する。)粘着テープ6とからなっている。
【0016】
発熱体部である発熱体シート2は、抵抗発熱体として導電性樹脂組成物又は金属箔のいずれか一方が用いられるが、抵抗発熱体の特性に応じて、導電性樹脂組成物及び金属箔を組み合わせて用いてもよい。このように組み合わせて用いることにより、選択肢を増やすことができ、顧客の色々な暖房条件を満足することができる。
【0017】
導電性樹脂組成物は、樹脂に導電性粒子を含有させたものであり、抵抗発熱体として機能し、通電することにより発熱する。
これら樹脂としては、たとえば、HDPE(高密度ポリエチレン樹脂),LDPE(低密度ポリエチレン樹),LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン樹),EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂),EVA(エチレンビニルアセテート),PP(ポリプロピレン)などのポリオレフィン,パラフィン,ポリエチレングリコール等や、ゴムなども用いられるが、結晶性樹脂がより好ましい。
導電性粒子は、一般的に、たとえば、カーボンブラック,グラファイト,金属粉体,金属酸化物粉体などおよびこれらの混合物が用いられるが、これらのものに限定されるものではない。
また、樹脂組成物は、温度が上がると電気抵抗が増加し、通電量が減少する温度抵抗変化特性(PTC特性)を有していると、過熱防止制御を自動的に行なうことができるので好適である。ただし、温度コントローラによっても過熱防止制御を行なうことができるので、PTC特性を有していなくてもよい。
【0018】
本実施形態では、発熱体部として発熱体シート2を使用しているが、これに限定されるものではなく、たとえば、線状や繊維状の樹脂を組み合わせた構成の発熱部材を使用してもよい。
なお、発熱体シート2の形状は、特に限定されるものではなく、たとえば、設置場所に応じた形状とすることができる。
【0019】
金属箔の材料としては、アルミニウムやステンレス等が用いられ、パターン成形されている。
なお、金属箔のパターン形状や厚さ等は、特に限定されるものではなく、仕様に応じて様々な形状や厚さとすることができる。
【0020】
また、発熱体部には導電性塗料が用いられており、この導電性塗料は、導電性樹脂組成物,金属箔や電極部の基材に塗布したり印刷され、導電性樹脂組成物や金属箔を電極部と電気的に接続する。
なお、導電性塗料は、一般的に、導電性樹脂とバインダーからなり、バインダーとしては、合成樹脂,天然樹脂,パラフィンなどが用いられ、溶剤としては、MEK(メチルエチルケトン)やトルエンなどが用いられるが、これらのものに限定されるものではない。
【0021】
電極3は、銅その他の良導電性材料からなる電極であり、一般的に、銅線やめっき銅線が用いられる。
また、図示してないが、電極3は、一般的に、複数本の電線を平行に配設したり、櫛歯状に配設した構造としてあるが、この構造に限定されるものではなく、たとえば、シート面の表裏に金属箔を配設した構造であってもよい。
【0022】
ラミネートフィルム4,5は、発熱体シート2及び電極3を挟むように積層されており、発熱体シート2及び電極3を外部から絶縁する。
このラミネートフィルム4,5は、同じ多層構造を有するフィルムとしてあり、ラミネートフィルム4は、発熱体シート2の加熱面側に積層され、ラミネートフィルム5は、発熱体シート2の設置面側に積層される。
図2は、実施形態にかかる面状発熱体のラミネートフィルムの構成を説明するための概略断面図を示している。
同図において、ラミネートフィルム4(5)は、接着層41,絶縁層42,均熱板43及び外装絶縁層44が積層された構成としてある。
【0023】
接着層41はポリオレフィンシール層としてあり、厚さを、たとえば、50μmとしてある。
接着層41の材料は上記ポリオレフィンに限定されるものではなく、発熱体シート2を構成する導電性樹脂組成物(熱可塑性樹脂)や金属箔との接着性に優れる材料を用いることができる。たとえば、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系の場合、ポリエチレン系共重合体,ポリプロピレン系共重合体やその変性樹脂などが好ましい。
【0024】
絶縁層42はポリエチレン樹脂層としてあり、厚さを、たとえば、38μmとしてある。また、外装絶縁層44もポリエチレン樹脂層としてあり、厚さを、たとえば、50μmとしてある。
また、絶縁層42及び外装絶縁層44は、上記厚さに限定されるものではなく、好ましくは、20μm〜200μmの厚さとするとよい。厚さを20μm以上とすることにより、絶縁性を確保するとともに、薄くしすぎて取り扱いにくくなるといった生産性を低下させる不具合を回避することができる。また、厚さを200μm以下とすることにより、材料の使用量を低減でき、材料費のコストダウンを図ることができる。さらに好ましくは、厚さを100μm以下とすることにより、材料の使用量をより低減でき、材料費のコストダウンをさらに図ることができる。
絶縁層42及び外装絶縁層44には、合成樹脂フィルムが用いられ、材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ナイロン,ポリカーボネート,ポリプロピレン,ポリエチレン等が用いられる。
【0025】
均熱板43はアルミ層であり、厚さを、たとえば、100μmとしてある。
なお、均熱板43の材料は、上記アルミニウムに限定されるものではなく、たとえば、銅などの熱伝導率の高い金属を用いることもできる。
また、均熱板43は、接着層41,絶縁層42及び外装絶縁層44と、接着,粘着,ホットメルトなどによって一体化されている。このように、均熱板43をドライラミネート化することにより、製造コストを低減することができる。
【0026】
図3は、実施形態の面状発熱体において、発熱体シートに絶縁層,均熱板及び外装絶縁層を積層した状態を説明するための概略拡大断面図を示している。
同図において、ラミネートフィルム4は、発熱体シート2の加熱面側に、接着層41を介して加熱融着ラミネート加工によって接着され、また、ラミネートフィルム5は、発熱体シート2の設置面側に、同様に接着されている。
ところで、この段階では、面状発熱体1´は、ラミネートフィルム4,5の均熱板43の端面が外部に露出しているので、均熱板43に発生した誘導電流が均熱板43の端面から外部に漏洩する危険性がある。
【0027】
ポリエチレン樹脂粘着テープ6は、ラミネートフィルム4,5の均熱板43の端面を封止する封止絶縁体である。これにより、均熱板43に発生した誘導電流が外部に漏洩することを防止でき、均熱板43を接地しなくてもすむとともに、漏電ブレーカが誤作動するといった不具合を防止することができる。
なお、本実施形態では、封止絶縁体として、ポリエチレン樹脂粘着テープ6を用いているが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、図4に示すように、ホットメルト61を用いて、均熱板43の端面を封止してもよい。ホットメルト61を用いることにより、製造費用のコストダウンを図ることができる。
【0028】
このように、本実施形態の面状発熱体1,1aによれば、上述した従来例の面状発熱体のように絶縁層42を厚くしなくても、均熱板43に発生した誘導電流が外部に漏洩することを防止することができる。
また、絶縁層42を薄くすることにより、絶縁材料の使用量を大幅に削減でき、製造コストを削減することができるとともに、資源を有効に活用することができる。
【0029】
次に、本実施形態の面状発熱体の実施例及び比較例について説明する。
<第一実施例>
第一実施例にかかる面状発熱体では、まず、電極線幅235mm×長さ1500mmの発熱シートの幅方向両端に電極線を取り付けた。
次に、この発熱体シートの両面に、外装絶縁層(PET層)50μm/均熱板(アルミ層)100μm/絶縁層(PET層)38μm/接着層(ポリオレフィンシール層)50μm(数字はそれぞれ厚さを表している。)からなるラミネートフィルムを加熱融着ラミネート加工にて積層成形した。
続いて、均熱板の露出した外周部端面に封止絶縁体として、PET粘着テープ(厚さ12μm、幅20mm)を貼り付けて封止加工を行なった(図1参照)。
【0030】
<第二実施例>
また、第二実施例にかかる面状発熱体では、PET粘着テープの代わりに、ホットメルト塗布機により、均熱板の露出した外周部端面にほぼ均一にホットメルトを塗布し封止加工を行なった(図4参照)。
【0031】
<第一比較例>
第一比較例にかかる面状発熱体は、第一実施例で用いた、PET粘着テープを使用しないで、均熱板の外周部端面が露出した状態とした(図3参照)。
【0032】
<第二比較例>
図5は、第二比較例にかかる面状発熱体の構成を説明するための概略断面図を示している。
同図において、面状発熱体10では、第一実施例と同様に、発熱シート2の幅方向両端に、電極線3を取り付けた。
次に、この発熱体シート2及び電極線3に、均熱板143(アルミ層)100μm/絶縁層142(PET層)500μm(数字はそれぞれ厚さを表している。)からなるラミネートフィルム104を両面から加熱融着ラミネート加工にて積層成形した。
【0033】
表1は、上記第一実施例,第二実施例,第一比較例及び第二比較例にかかる面状発熱体の漏洩電流測定結果を示している。
【表1】
同表において、上記各面状発熱体にAC100Vを印加しながら、接地した水中に浸し、そのときの漏洩電流を測定した。
【0034】
第一比較例の漏洩電流測定値が3.2mAであるのに対し、第一実施例の漏洩電流測定値が0.2mAであることから、均熱板の露出した外周部端面に封止絶縁体として、PET粘着テープを貼り付けて封止加工すると、大幅に漏洩電流を低減できることが判明した。
なお、双方の面状発熱体は、厚さ38μmの絶縁層に、約3.2mAの誘導電流が発生した。そして、第一比較例の面状発熱体は、絶縁層に積層された良導体である均熱板の端面が水と接しているために、発生した誘導電流のほとんどが均熱板を介して水中に漏洩した。これに対し、第一実施例の面状発熱体は、絶縁層に発生した誘導電流が、絶縁層を介して水中に漏洩するだけなので、漏洩電流を大幅に低減することができた。
【0035】
また、第二実施例の漏洩電流測定値が0.2mAであることから、封止絶縁体として、PET粘着テープの代わりにホットメルトを塗布しても、第一実施例の面状発熱体と同等の漏洩電流低減効果を生じることが判明した。
さらに、絶縁層142に発生する誘導電流自体を低減した第二比較例の漏洩電流測定値が0.2mAであることから、第一実施例及び第二実施例の面状発熱体は、第二比較例の面状発熱体10と同等の漏洩電流低減効果を生じることが判明した。すなわち、面状発熱体10は、PET層の厚さを500μmと厚くしているにもかかわらず、漏洩電流測定結果は、第一実施例及び第二実施例の面状発熱体と同じであった。
また、第一実施例及び第二実施例の面状発熱体は、面状発熱体10と比較すると、材料費は約1/3であり、さらに、加工に要する時間は約2/3であった。
【0036】
上記測定結果から、本発明にかかる面状発熱体が、従来例にかかる発生する誘導電流自体を低減した面状発熱体と同等の漏洩電流低減効果を発揮できることを実証できた。
すなわち、本発明の面状発熱体は、絶縁材料の使用量を大幅に削減できるので、製造費及び加工費のコストダウンを図ることができるとともに、資源を有効に利用することができる。
【0037】
[暖房装置の実施形態]
図6は、本発明にかかる暖房装置の実施形態にかかり、その構成を説明するための概略斜視図を示している。
同図において、暖房装置7は、上記複数の面状発熱体1とこれら面状発熱体1を制御する制御部70とからなっている。
暖房装置7は、制御部70が面状発熱体1及び配電盤(図示せず)と接続されており、配電盤から受電し、面状発熱体1に交流電流を供給する。
また、図示してないが、制御部70は、一般的に、運転スイッチ,温度調整手段,タイマー,リレー及び過熱防止手段等とからなっている。
【0038】
面状発熱体1は、上述したように、均熱板43が外部と絶縁されているので、通電中に絶縁層42に誘導電流が発生しても、漏洩電流として外部にほとんど流れない。したがって、複数の暖房装置7を同時に作動させても配電盤の漏電リレーが作動することはない。このため、暖房装置7は、均熱板43を接地させない構成としてある。
このように、本発明の暖房装置7によれば、接地工事を行なわなくてもすむので、設置工事の生産性を向上させることができるとともに、アース線等の部品費のコストダウンを図ることができる。
【0039】
[面状発熱体の製造方法の実施形態]
また、本発明は、面状発熱体の製造方法の発明としても有効であり、次に、この製造方法について、図面を参照して説明する。
図7は、本発明にかかる面状発熱体の製造方法の実施形態を説明するための概略フローチャート図を示している。
同図において、面状発熱体の製造方法は、上述した面状発熱体1の製造方法であって、まず、発熱体シート2に電極線3を接続し(ステップS1)、また、接着層41,絶縁層42,均熱板43及び外装絶縁層44を積層し、ラミネートフィルム4,5を作成する(ステップS2)。
【0040】
次に、発熱体シート2及び電極線3に対して、ラミネートフィルム4,5を加熱融着ラミネート加工し(ステップS3)、続いて、均熱板43の端面をPET粘着テープ6で封止する(ステップS4)。
このようにすると、発熱体シート2にラミネートフィルム4,5を加熱融着ラミネート加工することにより、接着層41,絶縁層42,均熱板43及び外装絶縁層44をまとめて積層できるので、生産性を向上させることができる。
【0041】
なお、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態により何ら限定されるものではない。
例えば、本発明にかかる面状発熱体の漏洩電流低減効果は、絶縁層に発生した誘導電流を、均熱板を介して外部にダイレクトに漏洩させないことによって実現される。このため、本発明にかかる面状発熱体は、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば、均熱板が露出しないように覆い隠す外装絶縁層及び/又は絶縁層を具備した構成としてもよい。
【0042】
図8は、本発明にかかる面状発熱体の他の実施形態にかかり、その要部の構成を説明するための概略拡大断面図を示している。
同図において、面状発熱体1bは、第一実施形態の面状発熱体1におけるラミネートフィルム4,5の代わりに、均熱板43bを完全に覆ったラミネートフィルム4bと、断熱層45bを積層したラミネートフィルム5bを使用した構成としてある。
なお、その他の構成は、上記面状発熱体1とほぼ同様としてある。
【0043】
ラミネートフィルム4bは、フィルム単体の状態で、均熱板43bが端面をも含めて露出しないように、外装絶縁層44及び絶縁層42で覆われた構成としてある。このようにすると、発熱体シート2へ加熱融着ラミネート加工にて積層成形した後に、均熱板43bの端面を封止絶縁体で封止しなくてもすみ、生産性を向上させることができるとともに、均熱板43bの絶縁をより確実に行なうことができる。
【0044】
また、ラミネートフィルム5bは、ラミネートフィルム4bにおいて、均熱板43bの代わりに、セラミック粉や石膏粉などからなる断熱層45bを積層した構成としてある。このようにすると、面状発熱体の熱効率を向上させることができる。なお、ラミネートフィルム5bの代わりに、断熱層45bを積層せず、接着層41と絶縁層42とからなるラミネートフィルムを使用してもよく、このようにすると、製造費用のコストダウンを図ることができる。
【0045】
【発明の効果】
上述したように、本発明にかかる面状発熱体、この面状発熱体を用いた暖房装置及び面状発熱体の製造方法は、絶縁層を厚くしなくても、漏洩電流を低減することができ、かつ、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の面状発熱体の実施形態にかかり、その構成を説明するための概略断面図を示している。
【図2】図2は、実施形態にかかる面状発熱体のラミネートフィルムの構成を説明するための概略断面図を示している。
【図3】図3は、実施形態の面状発熱体において、発熱体シートに絶縁層,均熱板及び外装絶縁層を積層した状態を説明するための概略拡大断面図を示している。
【図4】図4は、本発明にかかる面状発熱体の実施形態の応用例にかかり、その構成を説明するための概略断面図を示している。
【図5】図5は、第二比較例にかかる面状発熱体の構成を説明するための概略断面図を示している。
【図6】図6は、本発明にかかる暖房装置の実施形態にかかり、その構成を説明するための概略斜視図を示している。
【図7】図7は、本発明にかかる面状発熱体の製造方法の実施形態を説明するための概略フローチャート図を示している。
【図8】図8は、本発明にかかる面状発熱体の他の実施形態にかかり、その要部の構成を説明するための概略拡大断面図を示している。
【符号の説明】
1,1´,1a,1b,10 面状発熱体
2 発熱体シート
3 電極
4,4b ラミネートフィルム
5,5b ラミネートフィルム
6 ポリエチレン樹脂粘着テープ
7 暖房装置
41 接着層
42 絶縁層
43,43b 均熱板
44 外装絶縁層
45b 断熱層
61 ホットメルト
70 制御部
104 ラミネートフィルム
142 絶縁層
143 均熱板
Claims (7)
- 発熱体部の加熱面側に、少なくとも、絶縁層及び均熱板が積層された面状発熱体であって、
前記均熱板上に積層された外装絶縁層と、
前記均熱板の端面を封止する封止絶縁体と
を具備したことを特徴とする面状発熱体。 - 発熱体部の加熱面側に、少なくとも、絶縁層及び均熱板が積層された面状発熱体であって、
前記均熱板の全面を外装絶縁層及び前記絶縁層で覆ったことを特徴とする面状発熱体。 - 前記封止絶縁体をホットメルト及び/又は絶縁テープとしたことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
- 前記均熱板が、前記発熱体部をラミネートするラミネートフィルムに積層してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の面状発熱体。
- 前記絶縁層及び前記外装絶縁層の厚さを、20μm〜200μmとしたことを特徴とする請求項4記載の面状発熱体。
- 上記請求項1〜5のいずれかに記載の面状発熱体を用いたことを特徴とする暖房装置。
- 上記請求項1〜5のいずれかに記載の面状発熱体の製造方法であって、
前記発熱体部に電極線を接続する工程と、
接着層,前記絶縁層,前記均熱板及び前記外装絶縁層を積層し、ラミネートフィルムを作成する工程と、
前記発熱体部及び電極線に対して、加熱した少なくとも一枚の前記ラミネートフィルムを融着してラミネート加工する工程と、
前記ラミネート加工後、前記均熱板の露出した端面を封止絶縁体で封止する端面封止工程と、
を有することを特徴とする面状発熱体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003173872A JP2005011651A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 面状発熱体、この面状発熱体を用いた暖房装置及び面状発熱体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003173872A JP2005011651A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 面状発熱体、この面状発熱体を用いた暖房装置及び面状発熱体の製造方法 |
Publications (1)
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