JP2005011028A - 会話装置、会話プログラム及び会話プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力文章に含まれている用語の中から選択した用語が示す概念及び文章性格に対応する概念文章を出力する(ステップS7)。概念文章を出力した後、概念文章の内容が入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力されると、ステップS7、S8の処理を繰り返す。一方、概念文章の内容が入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されると、判別した概念に対応する生活シーンを判別し(ステップS14)、判別した生活シーンの中から1つ生活シーンを選択し、選択した生活シーンを構成する生活シーン因子の中から1つの生活シーン因子を選択し、選択した生活シーン因子に対応し、複数の生活シーン因子性格の中から任意に選択した生活シーン因子性格に対応する生活シーン因子文章を出力する(ステップS15)。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間と会話する会話装置、コンピュータに人間と会話させる会話プログラム、コンピュータに人間と会話させる会話プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の生活環境の複雑化や仕事内容の高度化等に伴い、自分の立場を見失い、孤立感にとらわれて人間の精神が不安定になりがちである。
これを解決する一つの方法として、他人と会話する方法がある。他人との会話を通して他人の考えを聞くことによって、問題解決の糸口を見つけ出すことができれば、精神の安定を得ることができる。また、それに至らなくても、他人との日常的な会話を通して自分の立場、感情を客観的に整理することによって、問題解決に自然体で対照することができれば、精神の安定を得ることができる。あるいは、他人との日常的な会話を通して自分の立場、感情に同情を得ることによって、孤立感から脱却することができれば、精神の安定を得ることができる。
この最後の会話が、日常会話のいわゆる[おしゃべり]である。この種の会話は、正確に意思を伝達することよりも、互いに情緒的満足を得ることを目的とし、物事や事象に対するイメージを共有することによって一体感が醸成される。
しかしながら、会話をしたい時に常に話し相手がいるわけではなく、また、話相手や話の内容によっては一層精神が不安定になることもある。
そこで、コンピュータに人間と会話させる会話装置(NENE、ACRE等)が開発されている。(非特許文献1参照)
この従来の会話装置では、コンピュータに、人間が話す言葉の内容を解釈させ、また、出力する言葉も判断させるものであるため、コンピュータの負担が大きく、また、自然さ、複雑さに欠け、完成度も低い。
このため、本発明者は、入力する言葉の解釈や出力された言葉の解釈、判断を人間に行わせることにより、コンピュータの負担を軽減するとともに、自然さ、複雑さに富んだ会話を行うことができる会話装置を提案した。(特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−340266号公報
【非特許文献1】
「情報処理ハンドブック」(平成7年、株式会社オーム社発行、頁1182頁〜頁1183、頁1532〜頁1558)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−340266号公報に記載の会話装置は、ユーザー(利用者)が[場所]、[時期]、[頻度]、[できごとの種類]、[できごとの内容]([どのような](形容詞)、[何(だれ)](主語)、[どのように](副詞)、[どうし(され)た](述語)等)を入力する必要があるため、ユーザーの入力操作が面倒である。また、[できごとの内容]で入力された言葉を使用している文章を検索して出力するため、ユーザーが興味を持っている話題に関する文章が出力されない場合がある。この場合には、ユーザーは、会話の続行に興味を示さなくなる可能性がある。
そこで、本発明は、コンピュータの負担が軽く、ユーザーの入力操作が簡単であり、ユーザーが興味を持っている話題に関する文章を出力することができる、人間と会話する会話装置、コンピュータに人間と会話させる会話プログラム、コンピュータに人間と会話させる会話プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの会話装置である。
請求項1に記載の会話装置では、処理手段は、入力手段より入力文章が入力されると、入力された入力文章に含まれている用語の中から1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から選択した概念に対応する概念文章を出力する。本発明では、ユーザーの入力操作が容易であり、また、処理手段の処理負担が軽い。また、入力文章に含まれている用語の中から選択したキーワードが示す概念に対応する概念文章(例えば、キーワードから想起される概念に関連する概念文章、あるいはキーワードから想起される概念に関連し、キーワードが有している概念性格と同じ性格を有する概念文章等)を出力するため、ユーザーが興味を持っている話題に関する文章を出力することができ、ユーザーは、会話の続行に対する興味を持ち易くなる。
入力文章に含まれている用語の中から1つの用語をキーワードとして選択する方法としては、予め定められている優先順位に基づいて1つの用語を選択する方法を用いるのが好ましい。予め定められている優先順位に基づいて1つの用語を選択する方法を用いることにより、ユーザーが意図している入力文章の主旨を確実に、短時間で判別することができる。なお、入力文章に1つの用語しか含まれていない場合には、その1つの用語が、入力文章に含まれている用語の中から選択した1つの用語に対応する。
また、キーワードが示す概念の中から1つの概念を選択する方法としては、予め定められている優先順位に基づいて1つの概念を選択する方法を用いるのが好ましい。予め定められている優先順位に基づいて1つの概念を選択する方法を用いることにより、ユーザーが意図している入力文章の主旨をより確実に、短時間で判別することができる。なお、キーワードが示す概念が1つしか存在しない場合には、その概念が、キーワードが示す概念の中から選択した1つの概念に対応する。
また、概念文章を所定回数(1回を含む)出力した場合に1会話単位を終了させるのが好ましい。これにより、会話が単調になるのを防止することができる。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの会話装置である。
請求項2に記載の会話装置では、処理手段は、概念文章を出力した後、概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力されると、先に選択したキーワードが示す概念の中から未選択の1つの概念を選択し、選択した概念に対応する概念文章を、あるいは入力文章に含まれている用語の中から未選択の1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択するとともに、選択した概念に対応する概念文章を出力する。このように、ユーザーからの応答情報に基づいて、入力文章に含まれているキーワードが示す概念を選択することにより(ユーザーが意図する入力文章の主旨を判別することにより)、処理手段に負担をかけることなく、利用が興味を持っている話題に関する文章を確実に出力することができる。なお、先に選択したキーワードが示す概念の中に未選択の概念がなくなった場合に、入力文章に含まれている用語の中から未選択の1つの用語をキーワードとして選択する方法を用いるのが好ましい。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの会話装置である。
請求項3に記載の会話装置では、処理手段は、概念文章を出力した後、概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されると、最新に選択した概念に対応し、出力手段から出力していない概念文章を出力する。これにより、ユーザーが興味を持っている話題に関する内容の文章を続けて出力するため、ユーザーに、会話の続行に対する興味を持たせることができる。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの会話装置である。
請求項4に記載の会話装置では、キーワードが示す概念及び概念性格に対応する概念文章を出力する。これにより、概念性格(価値判断)を持たせた概念文章を出力することができるため、より日常の会話に近い文章を出力することができる。
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの会話装置である。
請求項5に記載の会話装置では、処理手段は、入力された入力文章に含まれている用語の中から1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から選択した1つの概念に対応する概念文章を出力し、概念文章を出力した後、概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されると、選択した概念が示す生活シーンの中から1つの生活シーンを選択するとともに、選択した生活シーンを構成する複数の生活シーン因子の中から1つの生活シーン因子を選択し、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を出力する。本発明では、ユーザーの入力操作が容易であり、処理手段の処理負担が軽い。また、入力文章に含まれている用語の中から選択したキーワードが示す概念に対応する概念文章(例えば、キーワードから想起される概念に関連する概念文章、あるいはキーワードから想起される概念に関連し、キーワードが有している概念性格と同じ性格を有する概念文章等)の出力とユーザーの応答情報によって、ユーザーが興味を持っている話題に関連する概念を判別するため、ユーザーが興味を持っている話題を確実に判別することができる。また、抽象的な内容の概念文章を出力した後、生活シーン因子に関連する具体的な内容の生活シーン因子文章を出力するため、ユーザーは、日常会話に近い形態で会話を行うことができる。入力文章に含まれている用語の中から1つの用語をキーワードとして選択する方法や、キーワードが示す概念の中から1つの概念を選択する方法については、第1発明と同様の方法を用いるのが好ましい。
また、本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの会話装置である。
請求項6に記載の会話装置では、処理手段は、概念文章を出力した後、概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力されると、先に選択したキーワードに対応する概念の中から未選択の1つの概念を選択し、選択した概念に対応する概念文章を、あるいは入力文章に含まれている用語の中から未選択の1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択するとともに、選択した概念に対応する概念文章を出力する。これにより、ユーザーが興味を持っている話題をより確実に判別することができる。
また、本発明の第7発明は、請求項7に記載されたとおりの会話装置である。
請求項7に記載の会話装置では、処理手段は、生活シーン因子文章を出力した後、生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されると、選択した生活シーン因子に対応し、出力手段から出力していない生活シーン因子文章を出力する。これにより、ユーザーが興味を持っている話題(生活シーン因子)に関する具体的な生活シーン因子文章を続けて出力するため、会話を継続することができる。
また、本発明の第8発明は、請求項8に記載されたとおりの会話装置である。
請求項8に記載の会話装置では、処理手段は、生活シーン因子文章を出力した後、生活シーン因子文章の内容が、ユーザーの意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力されると、選択した生活シーンを構成する複数の生活シーン因子の中から未選択の1つの生活シーン因子を選択し、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を出力する。これにより、ユーザーが興味を持っている話題(生活シーン因子)をより確実に判別することができる。
また、本発明の第9発明は、請求項9に記載されたとおりの会話装置である。
請求項9に記載の会話装置では、概念性格を持たせた概念文章や、生活シーン因子性格を持たせた生活シーン因子文章を出力する。これにより、より日常の会話に近い文章を出力することができる。
また、本発明の第10発明は、請求項10に記載されたとおりの会話装置である。
請求項10に記載の会話装置では、処理手段は、入力文章とともに入力手段から入力された、入力文書の性格判断及び程度のレベルを示すレベルに対応する合いの手文章を出力する。これにより、ユーザーの状態に応じた合いの手文章を出力することができ、会話としての形態を整えることができる。
また、本発明の第11発明は、請求項11に記載されたとおりの会話装置である。
請求項11に記載の会話装置では、処理手段は、出力した概念文章の概念性格あるいは生活シーン因子文章の生活シーン因子性格の履歴パターンに対応する結論文章を出力する。これにより、ユーザーは、1会話単位が終了したことを判別することができ、次の会話に移ることができる。
また、請求項1〜請求項11に記載されている処理手段の処理をコンピュータに実行させる会話プログラム及びこの会話プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いることにより、第1〜第11発明の効果を有する会話装置を容易に構成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、本明細書で用いる用語を説明する。
本明細書中に記載の[会話]は、日常会話のいわゆる[おしゃべり]を意味する。
一般的な意味での会話は、以下の3種類に大別される。
1つには、相談等に見られる対話時の会話で、論理的展開を順次質疑応答の形で行うことが多い。この種の会話をコンピュータにより可能にしたシステムとしては、エキスパートシステムが知られている。
もう1つには、作業等における意思伝達の会話で、具体的な操作を順序正しく正確に表現しなければならない。この種の会話をコンピュータにより可能にしたシステムは、例えば、特開2002−236681号公報に記載されている。
これらの会話を行うシステムでは、予め記憶されている文章例の中から選択した文章例を出力する方法を用いた場合には、膨大な数の文章例を記憶させる必要があり、現実的でないため、用語や単位状況表現のみを記憶させておき、細かな状況の差異や進展等に合わせて用語や単位状況表現を選択して組み合わせることによって文書を構成する方法が用いられている。
最後の1つが、本発明の対象とする日常会話のいわゆる[おしゃべり]である。この種の会話は、正確に意思を伝達することよりも、互いに情緒的満足を得ることを目的とし、物事や事象に対するイメージを共有することによって一体感が醸成される。
このためには、心理的状況のパターンが同じである必要があり、細かな状況の差や順序は大きな問題ではない。したがって、この種の会話をコンピュータにより実行させる場合には、細かな状況の差異や進展に対応させた文章を記憶させる必要はなく、心理的状況のパターンに対応した文章を記憶させるだけでよい。また、合いの手を入れたり、価値判断を加えることも大切であるため、合いの手の文章や、価値判断を加えた文章を記憶させることが好ましい。
[概念]は、文章に用いられるキーワード(用語)(好ましくは、名詞)から想起される実体、事象等を共通の観念で表したものである。通常、ある特定の[概念]に属するキーワード(用語)は複数存在する。例えば、図3に示すように、概念[ペット]は、犬、猫、鳥等のキーワード(用語)の共通の観念を要約したものであり、概念[野生動物]は、狐、狸、猿等のキーワード(用語)の共通の観念を要約したものであり、概念[自然の植生]は、松、竹、梅等のキーワード(用語)の共通の観念を要約したものであり、概念[友人]は、友、知人、同級生等のキーワード(用語)の共通の観念を要約したものである。また、1つのキーワード(用語)から複数の概念が想起される場合もある。すなわち、多義性を有しているキーワード(用語)が存在する。例えば、「鯛」や「雑魚」というキーワード(用語)からは、「食べ物」や「魚類」等の概念が想起される。また、「バッティング」というキーワード(用語)からは、「運動」や「結果」等の概念が想起される。
キーワード(用語)と[概念]との対応関係を示す概念辞書としては、例えば、「EDR電子化辞書」(日本電子化辞書研究所)が知られている。
「概念文章」は、その概念が持つ第一義の意味(その概念が持つ意味として最も一般的に知られている意味)を大略説明した文章で、生活上の種々の具体的シーンを伴わない文章である。例えば、概念「ペット」は、第一義に「可愛がって飼う動物」という意味を持ち、第二義に「お気に入り」という意味を持ち、第三義に「年下の愛人」という意味を持っている。また、概念「自然の植生」は、第一義に「自生している植物」という意味を持ち、第二義に「多種多様の植物群」という意味を持っている。また、概念「友人」は、第1義に「親しく交わっている人」という意味を持っている。そして、このような各概念が持つ第一義の意味を表し、生活シーンに関連しない抽象的な内容の文章を概念文章とする。
【0007】
[性格]は、文章あるいはキーワード(用語)等に対して設定される一般的な価値判断である。例えば、文章やキーワード等が前向きの(助長する)内容や意味、良い内容や意味、好きな内容や意味等を示している場合には性格を[+]に設定し、後向きの(抑制する)内容や意味、悪い内容や意味、嫌いな内容や意味等を示している場合には性格を[−]に設定し、中間的な(助長も抑制もしない)内容や意味、どちらでもない内容や意味等を示している場合には性格を[=]に設定する。文章の価値判断(文章の性格)に関しては、例えば、「認知言語学原理」(山梨正明著,2000年4月25日,くろしお出版発行,p154−p155)に記載されている。
[生活シーン]は、日常の生活場所や生活状態等を表したものである。本発明では、例えば、図4に示すように、キーワード(用語)が示す概念と生活シーンを対応させている。[生活シーン]は、複数の生活シーン因子によって構成されている。例えば、生活シーン[家庭]は、「親」、「子供」、「ペット」等の生活シーン因子によって構成され、生活シーン[学校]は、「先生」、「生徒」、「校舎」等の生活シーン因子によって構成され、生活シーン「会社」は、「同僚」、「上司」等の生活シーン因子によって構成されている。
なお、生活シーンが、異なる概念に対応することがある。この場合、生活シーンを構成する生活シーン因子が、対応する概念によって異なることもある。例えば、図4に示すように、生活シーン「自然」は、概念「ペット」に対応しているとともに、概念「自然の植生」にも対応している。この場合、概念「ペット」に対応する生活シーン「自然」は、生活シーン因子「動物」等によって構成され、概念「自然の植生」に対応する生活シーン「自然」は、生活シーン因子「季節」や生活シーン因子「植物」等によって構成される。
生活シーンや生活シーンを構成する生活シーン因子が、概念と同じ場合もある。
「生活シーン因子文章」は、生活因子に関連する生活上の様々なシーンを具体的に表現した文章である。
【0008】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、本実施の形態の概略動作を説明する。
本実施の形態では、処理手段が判別した入力文章の主旨を、入力文章に含まれている用語の中から選択したキーワードが示す概念に対応する概念文章によって表し、ユーザーが、処理手段が判別した入力文章の主旨が、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していると判断した場合に、判別した入力文章の主旨(キーワードが示す概念)に関連する生活シーンを構成する生活シーン因子におけるより具体的な生活シーン因子文章を出力する。
概念文章の役割は、荒い概括的な概念文章を出力することによって、まず、ユーザーが入力した入力文章の主旨を大枠で確認することである。また、生活シーン因子文章の役割は、概念文章によって大枠の入力文章の主旨を確認した後、その枠内もしくはそこから発展させた関連性のある枠内で、より細かな具体的な内容を有する生活シーン因子文章を出力することにより、文意の混乱を回避し、ユーザーにとって興味ある展開とすることである。なお、生活シーン因子文章として、ニュアンス、リズム、スムースさに富んだ文章を出力することによって、文章の混乱を回避し、ユーザーにとって興味ある展開とすることができる。
本実施の形態では、キーワード(入力文章に含まれている用語の中から選択した1つの用語)と概念との対応関係、概念に対応する少なくとも1つの概念文章を記憶する概念文章テーブル、概念と生活シーン及びその生活シーンを構成する生活シーン因子との対応関係、生活シーン因子に対応する少なくとも1つの生活シーン因子文章を記憶する生活シーン因子文章テーブルを記憶手段に記憶している。
処理手段は、以下のような処理を実行する。
【0009】
(1)入力手段から入力文章が入力されると、処理手段は、入力文章に含まれている用語を抽出し、抽出した用語の中から1つの用語(本実施の形態では、名詞)をキーワードとして選択する。これにより、入力文章の主旨(入力文章の内容)、すなわち、ユーザーが興味を持っている話題を判別する。
入力文章の長さは、入力文章に含まれている用語の抽出処理を容易とするために短い方が好ましい。例えば、後述する文章入力画面では、100字以内の字数の入力文章を入力可能に構成する。また、入力文章の主旨を確実に判別できるようにするために、予め定められている優先順位に基づいて用語を選択するのが好ましい。例えば、名詞に続く助詞の種類に基づいた優先順位(例えば、格助詞の前の名詞の優先順位を高くする)、入力文章中の用語の位置に基づいた優先順位(例えば、入力文章が短い場合は前側位置の優先順位を高くする、あるいは、入力文章が長い場合は後側位置の優先順位を高くする)により用語を選択する。
【0010】
(2)次に、処理手段は、概念文章テーブルに記憶されている概念文章の中から、選択したキーワードが示す概念に対応する概念文章を選択して出力する。
ユーザーは、出力手段から出力される概念文章の内容によって、処理手段が判別している入力文章の主旨を判断することができる。
ここで、用語の多義性により、キーワードが示す概念が複数存在する場合がある。このような場合には、キーワードが示す概念の中から1つの概念を選択し、選択した概念に対応する概念文章を出力する。複数の概念の中から1つの概念を選択する方法としては、あらかじめ定められている優先順位に基づいて選択する方法を用いるのが好ましい。例えば、そのキーワードを、その概念の意味として用いる頻度が高い順に概念を選択する。キーワードが示す概念が1つしかない場合には、その概念が、キーワードが示す概念の中から選択した概念に対応する。
【0011】
(3)出力された概念文章の内容、すなわち、選択したキーワードが示す概念の中から選択した概念が、ユーザーが意図する入力文章の主旨(ユーザーが興味を持っている話題)と一致していない場合には、処理手段は、異なる概念に対応する概念文章を出力する。
例えば、ユーザーは、出力された概念文章の内容が、自己が意図する入力文章の主旨(ユーザが興味を持っている話題)と一致していない場合には、処理手段が判別した概念が自己が意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報を入力手段より入力する。
処理手段は、判別した概念が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力されると、異なる概念に対応する概念文章を出力する。例えば、選択したキーワードが示す概念の中からシソーラス等を使用して未選択の1つの概念を選択し、選択した概念に対応する概念文章を出力する。選択したキーワードが示す概念の中に未選択の概念が存在しない場合には、入力文章から抽出した用語の中から未選択の1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択し、選択した概念に対応する概念文章を出力する。
【0012】
(4)出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨(ユーザーが興味を持っている話題)と一致する場合には、処理手段は、生活シーン因子文章テーブルに記憶されている生活シーン因子文章の中から、判別した概念に関連する、より具体的な生活シーン因子文章を選択して出力する。これにより、ユーザーが興味を持っている話題(入力文章の主旨)に関連する一般的な会話文章が出力される。
生活シーン因子文章テーブルに拠らず、判別した概念からシソーラス等を用い、用語の類似性から生活シーン因子文章を検索し、出力することもできる。この場合には、上位の概念における話題の関連性を保ちながら話を広げていくという作用が低減する。
例えば、ユーザーは、出力された概念文章の内容が、自己が意図する入力文章の主旨(ユーザが興味を持っている話題)と一致している場合には、処理手段が判別した概念が、自己が意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報を入力手段より入力する。
処理手段は、判別した概念が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されると、判別した概念が示す生活シーンを判別し、判別した生活シーンを構成する生活シーン因子の中から、任意の1つの生活シーン因子を選択する。そして、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を出力する。
【0013】
(5)出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨(ユーザーが興味を持っている生活シーン因子)と一致していない場合には、処理手段は、他の生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を出力する。
例えば、ユーザーは、出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨(ユーザーが興味をもっている生活シーン因子)と一致していない場合には、生活シーン因子が、自己が意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報を入力手段より入力する。
処理手段は、生活シーン因子が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力されると、異なる生活シーン因子を選択する。例えば、選択した生活シーンを構成する複数の生活シーン因子の中から未選択の1つの生活シーン因子を選択する。そして、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を出力する。
【0014】
(6)出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨(ユーザが興味を持っている生活シーン因子)と一致する場合には、処理手段は、選択した生活シーン因子に対応する他の生活シーン因子文章を出力する。
例えば、ユーザーは、出力された生活シーン因子文章の内容が、自己が意図する入力文章の主旨と一致している場合には、生活シーン因子が、自己が意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報を入力手段より入力する。
処理手段は、生活シーン因子が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されると、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章の中から、未選択の1つの生活シーン因子文章を選択して出力する。
【0015】
さらに、本実施の形態では、出力する概念文章や生活シーン因子文章に性格(価値判断)を持たせている。このように、出力する概念文書や生活シーン因子文章に、予め設定したあるいは任意に設定した性格(価値判断)をもたせることにより、より日常会話に近い会話を行うことができる。
また、会話が単調になるのを防ぐため、入力文章が入力されてからの経過時間が設定値に達した時点、あるいは文章を出力した回数が設定回数に達した時点で1会話単位を終了し、ユーザに対して次の入力文章の入力を促すように構成している。例えば、同じ生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を2回出力した時点で1会話単位を終了する。
また、会話の形態を整えるために、合いの手文章や結論文章を出力するように構成している。
【0016】
本発明の会話装置の一実施の形態の概略構成図を図1に示す。本実施の形態の会話装置は、処理手段(CPU)1、入力手段2、記憶手段3、表示手段4、音声出力手段5等により構成されている。
入力手段2は、キーボード、マウス、マイク(音声入力手段)等により構成され、入力文章、応答情報等を入力する時に用いられる。
記憶手段3は、ROM、RAM、CD−ROM等により構成され、[概念文章テーブル]、[生活シーン因子文章テーブル]、[つなぎ文章テーブル]、[結論文章テーブル]、会話プログラム等を記憶している。
表示手段4は、液晶表示装置やCRT等により構成され、[文章入力画面]、[概念文章出力画面]、[生活シーン因子文章出力画面]、[つなぎ文章出力画面]、[結論文章出力画面]等を表示する。
音声出力手段5は、スピーカ等によって構成され、概念文章、生活シーン文章、つなぎ文章、結論文章等を音声で出力する。
処理手段1は、入力手段2より入力された入力文章や応答情報、記憶手段3に記憶されている各テーブルや会話プログラム等に基づいて表示手段4や音声出力手段5を制御する。
本実施の形態では、表示手段4や音声出力手段5等が本発明の出力手段に対応する。出力手段は、1つだけ設けてもよいし、複数設けてもよい。
【0017】
記憶手段3に記憶されている[概念文章テーブル]、[生活シーン因子文章テーブル]、[つなぎ文章テーブル]、[結論文章テーブル]について説明する。
[概念文章テーブル]の1例を図3に示す。
図3に示す[概念文章テーブル]には、キーワード(用語)と概念(用語から連想される概念)及び概念性格(キーワード(用語)が示す概念において、そのキーワードが有する一般的な価値判断を定めたもの)との対応関係が記憶されている。概念性格としては、例えば、キーワード(用語)が示す概念において、キーワードが有する価値判断が前向き等の価値判断である場合には[+]が、中間等の価値判断である場合には[=]が、後向き等の価値判断である場合には[−]が設定される。例えば、キーワード「愛犬」は、概念「ペット」及び概念性格[+]に対応し、キーワード「飼犬」は、概念「ペット」及び概念性格[=]に対応し、キーワード「駄犬」は、概念「ペット」及び概念性格[‐]に対応していることが記憶される。
そして、各概念の各概念性格に対応させて、各概念に関連し、概念性格(一般的な価値判断)を有する内容の概念文章が記憶されている。例えば、キーワード「愛犬」、すなわち、概念「ペット」及び概念性格[+]に対応させて、概念文章「ペットには、ほんとうに心が慰められます。」が記憶されている。「概念文章」としては、前述したように、その概念が持つ第一義の意味を大略説明した文章で、生活上の種々の具体的シーンを伴わない文章を用いるのが好ましい。例えば、入力文章に含まれている用語が示す概念が持つ第一義の意味を説明し、生活上の具体的シーンを伴わない文章を概念文章として用いることにより、ユーザーが興味を持っている話題を短時間で、個別の事象・事情に囚われることなく、確実に判別することができる。また、概念として広く入力文章を受けているので、概念文章が入力文章に対する相槌として機能する。
【0018】
[生活シーン因子文章テーブル]の1例を図4に示す。図4に示す[生活シーン因子文章テーブル]には、概念に対応する生活シーンと、その生活シーンを構成する生活シーン因子が記憶されている。例えば、概念「ペット」は、生活シーン「家庭」、「自然」等が対応することが記憶されている。また、生活シーン「家庭」は、生活シーン因子「子供」、「親」、「ペット」等によって構成され、生活シーン「自然」は、生活シーン因子「動物」等によって構成されていることが記憶されている。
なお、生活シーン、生活シーン因子と概念が同じ場合もある。
また、異なる概念に同じ生活シーンが対応する場合でも、両生活シーンを構成する生活シーン因子が異なることもある。例えば、概念「ペット」に対応する生活シーン「自然」は、生活シーン因子「動物」等によって構成されるが、概念「自然の植生」に対応する生活シーン「自然」は、生活シーン因子「季節(春)」、「植物」等によって構成される。
そして、各生活シーン因子の各生活シーン因子性格(生活シーン因子における価値判断)に対応させて、生活シーン因子文章が記憶されている。例えば、生活シーン因子「子供」及び生活シーン因子性格[+]に対応させて、生活シーン因子文章「未来を心配しないで明日を待てるのが、子供の特徴だな。」が記憶されている。生活シーン因子性格としては、生活シーン因子に関連する前向きの価値判断を有する内容の生活シーン因子文章に対して[+]が、中間の価値判断を有する内容の生活シーン因子文章に対して[=]が、後向きの価値判断を有する内容の生活シーン因子文章に対して[−]が設定される。
「生活シーン因子文章」としては、前述したように、生活シーン因子に関連する、生活上の様々なシーンを具体的に表現した文章を用いるのが好ましい。入力文章に含まれている用語が示す概念に対応する生活上のシーンを構成する生活シーン因子を具体的に表現した文章を生活シーン因子文章として用いることにより、細かな具体的内容を有する文章が出力されるため、会話の継続が容易となる。
【0019】
[つなぎ文章テーブル]の1例を図5に示す。図5に示す[つなぎ文章テーブル]には、つなぎ文章の出力条件、各出力条件に対応する(各出力条件が満足された時に出力される)つなぎ文章が記憶されている。つなぎ文章としては、例えば、入力文章が入力された時、出力した文章に対する応答情報が入力された時等に出力する合いの手文章、入力文章や応答情報が入力されない時、会話単位が終了した時等に出力する進行ガイド文章等が記憶されている。
【0020】
文章入力時の合いの手文章が記憶されている[合いの手文章テーブル]を図6に示す。図6に示す[合いの手文章テーブル]には、後述する文章入力画面で入力される[性格判断]及び[程度]に応じた合いの手文章のセットが記憶されている。
例えば、[程度]として「少し」あるいは「不定」が入力された場合の合いの手文章のセット[01]〜[10]と、[程度]として「とても」が入力された場合の合いの手文章のセット[11]〜[13]が記憶されている。また、各セット[01]〜[13]には、入力される[性格判断]に対応させて合いの手文章が記憶されている。すなわち、[性格判断]として「嬉しい」([+])が入力された場合に対応する合いの手文章、「不定」([=])が入力された場合に対応する合いの手文章、「困った」([‐])が入力された場合に対応する合いの手文章が記憶されている。例えば、[性格判断]として「嬉しい」が入力され、[程度]として「すこし」が入力され、セット[01]が選択された場合には、合いの手文章「ほおう。」が出力される。
なお、[程度]が「とても」、[性格判断]が「不定」に対応する合いの手文章は記憶されていない。
【0021】
[結論文章テーブル]の1例を図2に示す。図2に示す[結論文章テーブル]には、出力した文章の性格(例えば、概念文章の概念性格、生活シーン因子文章の生活シーン因子性格)の履歴パターンに対応させて結論文章が記憶されている。履歴パターンとしては、本実施の形態では、最後に出力した2つの文章の性格の履歴パターンが用いられる。
例えば、最後に出力した2つの生活シーン因子文章の生活シーン因子性格が[+]、[+]であった場合には、結論文章「さすが、ですねえ。」が出力される。
【0022】
次に、本実施の形態の会話装置の動作を図7に示すフローチャート図により説明する。図7に示す処理は、処理手段1が実行する。
会話動作が開始すると(例えば、メニュー画面で会話動作の実行が指示されると)、ステップS1で、性格(例えば、生活シーン因子性格)の比率(重み)を設定する。ステップS1で設定された性格の比率(重み)は、複数の性格([+]、[=]、[−])の中から任意の性格を選択する時に用いられる。
性格([+]、[=]、[−])の比率(重み)は、種々設定することができる。例えば、ユーザー(利用者)がこの会話装置を初めて使用する時には([+]:[=]:[−]=5:3:2)の比率に設定し、以後、ユーザーがその日に初めて使用する時には([+]:[=]:[−]=2:3:5)の比率に設定している。あるいは、[+]と[−]の比率を前回と逆の比率に設定する。例えば、前回では([+]:[=]:[−]=2:3:5)の比率に設定した場合には、今回は([+]:[=]:[−]=5:3:2)の比率に設定する。あるいは、その日の2回目以降の使用時には、前回の結論文章に対して「はい」を示す応答情報が入力された場合には、[+]と[−]の比率が前回の比率と同じである比率(例えば、[+]:[=]:[−]=2:3:5)を設定し、前回の結論文章に対して「いいえ」を示す応答情報が入力された場合には、[+]と[−]の比率が前回の比率と逆である比率(例えば、[+]:[=]:[−]=5:3:2)を設定する。あるいは、会話単位毎に[+]と[−]の比率を逆に設定する。勿論、会話動作を開始する毎に、ランダムに比率を設定してもよい。
本実施の形態では、上記のように、会話に微妙な変化をもたせるために、生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を選択する時に、性格の比率(重み)を用いて会話単位毎に性格を変化させて会話を構成することができるが、それ以外に、話し相手としての積極的な性格づくりをすることも可能である。
例えば、常に楽観的ないし肯定的な話をさせる場合には、常に生活シーン因子性格を[+]に設定する。あるいは、常に悲観的ないし否定的な話をさせる場合には、常に生活シーン因子性格を[−]に設定する。また、中間的な話をさせる場合には、[=]に設定したり、[+]と[−]の比率を変える。
さらに、ユーザーの入力や応答を参照しながらこの積極的な性格づくりを行えば、自然さを感じさせる人間的なやりとりに近い会話を構成することができる。
例えば、ユーザーからの[性格判断]の入力として[−](「いいえ」)が続く場合には、積極的な話をしてなぐさめ、逆に、[+](「はい」)が続く場合には、否定的な話を交えて戒めることができる。
以上のように、生活シーン因子性格を恣意的に変えることによって、出力する生活シーン因子文章の性格を任意に制御し、ユーザーに対し会話中に統一的な性格の傾向及び親近感を感じさせる応答とすることができる。
【0023】
ステップS2では、例えば、図8に示すような[文章入力画面]を表示手段4に表示する。図8に示す[文章入力画面]では、「何が(は)」(主語)、「どうした」(述語)、「コメント」を入力可能である。また、ユーザーの「程度」及び「性格判断」の状態(レベル)を入力可能である。図8に示す[文章入力画面]では、[玄関に、子猫を抱いた不安そうな女の子が、立っていた。]という入力文章が入力され、[程度]として「すこし」、[性格判断]として「困った」が入力されている。入力を間違えた場合等には、クリア処理(例えば、[文章入力画面]上の[クリア]部を選択する)を行って再入力する。
入力が終了したら、入力終了処理(例えば、[文章入力画面]上の[OK]部を選択する)を行う。
なお、入力文章の入力形式が異なっていても、得られた入力文章に対する処理は同じである。例えば、音声入力方法を用いる場合でも、音声認識処理によって得られた入力文章に対する処理は同じである。
ステップS3では、文章入力(入力文章の入力)が終了したか否(例えば、入力終了処理が行われたか否か)を判断する。文章入力が終了していない場合にはステップS4に進み、文章入力が終了した場合にはステップS5に進む。
ステップS4では、文章入力の経過時間(例えば、[文章入力画面]が表示手段4に表示されてからの経過時間)が設定時間T1以上であるか否かを判断する。設定時間T1未満である場合にはステップS3に戻り、設定時間T1以上である場合にはステップS22に進む。
【0024】
ステップS5では、ステップS2で入力された入力文章に含まれている用語を形態素解析等を用いて抽出する。例えば、図8に示す入力文章が入力された場合には、用語として、入力文章に含まれている用語「玄関」、「子猫」、「不安」、「女の子」等を抽出する。
ステップS6では、入力文章の主旨(入力文章の内容)を判別するために、ステップS5で抽出した用語の中から1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念及び概念性格を、図3に示す[概念文章テーブル]を用いて判別する。
ここで、入力文章に含まれている用語の中から1つの用語をキーワードとして選択する方法としては、予め定められている優先順位に基づいて、最も優先順位の高い用語を選択する。入力文章に1つの用語しか含まれていない場合には、その用語を最も優先順位が高い用語として選択する。用語を選択する優先順位は、任意に設定可能である。例えば、用語が意味する内容に基づいて優先順位を設定する方法、入力文章中の用語の位置に基づいて優先順位を設定する方法等を用いることができる。
本実施の形態では、入力文章中に含まれている名詞であって、格助詞の前の名詞の優先順位を高くし、入力文章中の前側に配置されている用語の優先順位を高く設定している。また、格助詞の前に配置されている用語が複数存在する場合には、主語を表す格助詞「が」の前に配置されている用語の優先順位を高く設定している。図8に示す入力文章が入力された場合には、抽出した用語「玄関」、「子猫」、「不安」、「女の子」の中から、まず、名詞「玄関」、「子猫」、「女の子」を選択し、次に、格助詞の前に配置されている名詞「子猫」、「女の子」を選択し、さらに、主語を表す格助詞の前に配置されている名詞「子猫」を最も優先順位が高い用語として選択し、キーワードとする。そして、選択したキーワード「子猫」が示す概念「ペット」及び概念性格[=]を、概念文章テーブルに基づいて判別する。
【0025】
ステップS7では、ステップS6で判別(選択)したキーワード(用語)が示す概念及び文章性格に対応する概念文章を選択して出力する。例えば、図3に示す[概念文書テーブル]に記憶されている、キーワード[子猫]が示す概念「ペット」及び概念性格[=]に対応する概念文章の中から、任意に1つの概念文章を選択する。そして、選択した概念文章を読み出して表示手段4に表示するとともに、音声出力手段5から音声で出力する。表示手段4あるいは音声出力手段の一方のみから出力してもよい。
なお、用語の多義性により、用語が示す概念及び概念性格が複数存在する場合がある。このような場合には、用語が示す概念及び概念性格の中から1つの概念及び概念性格を選択し、選択した概念及び概念性格に対応する概念文章を選択する。複数の概念及び概念性格の中から1つの概念及び概念性格を選択する方法としては、例えば、そのキーワード(用語)がその概念を示すものとして用いられる可能性が高い順に概念を選択する方法を用いるのが好ましい。
[概念文章出力画面]の1例を図10に示す。図10に示す[概念文章出力画面]は、例えば、ステップS6で、キーワード[子猫]が示す概念[ペット]及び概念性格[=]が判別され、ステップS7で、[概念文章テーブル]に記憶されている、概念[ペット]及び概念性格[=]に対応する概念文章の中から、概念文章[ペットを飼うのは、面倒見がいい人でないと…。]が選択された場合を示している。
【0026】
なお、ステップS2で入力文章が入力されてから、ステップS7で概念文章を選択出力するまでの間に、入力文章の入力に対して、つなぎ文章としての合いの手文章を出力するのが好ましい。
つなぎ文章は、例えば、図8に示した文章入力画面で入力された[程度]及び[性格判断]の状態(レベル)に基づいて出力される。
例えば、図6に示す[合いの手文書テーブル]に記憶されているセットの中から、図8に示す文章入力画面で入力された[程度]のレベルに対応するセットの1つを任意に選択する。例えば、[程度]のレベルが「すこし」あるいは「不定」の場合にはセット[01]〜[10]の中から、[程度]のレベルが「とても」の場合にはセット[11]〜[13]の中から任意の1つのセットを選択する。そして、選択したセットに対応する合いの手文章の中から、文章入力画面で入力された[性格判断]のレベルに対応する合いの手文章を選択する。例えば、[性格判断]のレベルが「嬉しい」の場合には[+]、[性格判断]のレベルが「不定」の場合には[=]、[性格判断]のレベルが「困った」の場合には[−]に対応する合いの手文章を選択する。
図8に示す[文章入力画面]では、[程度]として「すこし」が入力されているため、図6に示す[合いの手文章テーブル]に記憶されている、程度「少し」に対応するセット[01]〜[10]の中から任意のセットを選択する。例えば、セット[03]を選択する。また、図8に示す[文章入力画面]では、[性格判断]として「困った」が入力されているため、選択したセット[03]に対応する合いの手文章の中から、性格判断「困った」に対応する「−」の合いの手文章「まずいですねえ。」を選択し、表示手段4に図9に示す[合いの手文章出力画面]を表示する。
【0027】
なお、[文章入力画面]で[程度]や[性格判断]のレベルが入力されなかった場合にも、入力文章の入力に対する合いの手文章を出力するのが好ましい。
例えば、[文章入力画面]で、[程度]のレベルは入力されたが、[性格判断]のレベルが入力されなかった場合には、[程度]のレベルに対応するセットの中から1つのセットを選択し、選択したセットに対応する合いの手文章の中から、ステップS6で判別したキーワードが示す概念性格([+]、[=]、[−])に対応する性格判断の合いの手文章を選択する。
あるいは、[程度]のレベルに対応するセットの中から1つのセットを選択し、選択したセットに対応する合いの手文章の中から、予め定められている性格判断のレベル([+]、[=]、[−]のいずれか)に対応する合いの手文章を選択する。
また、[文章入力画面]で、[性格判断]のレベルは入力されたが、[程度]のレベルが入力されなかった場合には、予め定められている[程度]のレベル、例えば、「すこし」あるいは「不定」が入力されたものとして1つのセットを選択し、選択したセットに対応する合いの手文章の中から、[性格判断]のレベルに対応する合いの手文章を出力する。
なお、合いの手文章テーブルに、各セットの各性格判断に対応させて複数の合いの手文章を記憶させておき、複数の合いの手文章の中から任意の合いの手文章を選択するようにしてもよい。
また、合いの手文章の内容や出力方法は、以上の方法に限定されず種々の方法を用いることができる。
【0028】
ステップS8では、ステップS7で概念文章を選択出力した後、応答が有ったか否か(応答情報が入力されたか否か)を判断する。応答が無い場合にはステップS9に進み、応答が有った場合にはステップS10に進む。
例えば、図10に示す[概念文章出力画面]が表示手段4に表示された場合には、ユーザーは、[概念文章出力画面]に表示されている[はい]、[ちがう]、[なんとも]、[意味不明]、[文章入力]のいずれかを選択することができる。
例えば、ユーザーは、出力された概念文章の内容(話題)に興味がある時や同意する時等には[はい]を選択し、興味がない時や反対(同意できない)の時には[ちがう]を選択し、どちらでもない(同意でも反対でもない)時には[なんとも]を選択する。ユーザーが[はい]、[ちがう]、[なんとも]を選択すると、それぞれ出力された文章の内容に同意の感想を示す応答情報、反対の感想を示す応答情報、どちらでもない感想を示す応答情報が入力される。これらの[はい]、[ちがう]、[なんとも]に対応する応答情報は、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す(判別している概念に基づいて会話を行うことを示す)応答情報として扱われる。
また、ユーザーは、出力された概念文章の内容(話題)を理解できない時や興味がない時等には、[意味不明]を選択する。ユーザーが[意味不明]を選択すると、出力された概念文章の内容(意味)が不明であることを示す応答情報が入力される。この[意味不明]に対応する応答情報は、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す(他の概念を判別することを要求する)応答情報として扱われる。
また、ユーザーは、例えば、入力文章を変更して会話の話題を変える場合には、[文章入力]を選択する。ユーザーが[文章入力]を選択すると、文章入力要求を示す応答情報が入力される。
ステップS8では、いずれかの応答情報が入力されたか否かを判断する。
ステップS9では、概念文章を出力してからの経過時間が設定時間T2以上であるか否かを判断する。経過時間が設定時間T2未満である場合にはステップS8に戻り、設定時間T2以上である場合にはステップS22に進む。
【0029】
ステップS10では、入力された応答情報が、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報([はい]、[ちがう]、[なんとも]に対応する応答情報)であるか否かを判断する。出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報でない場合にはステップS11に進み、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報である場合にはステップS13に進む。
ステップS11では、同じ入力文章に対して、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力された回数が設定回数N1(例えば、3回)以上であるか否かを判断する。
出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力された回数が設定回数N1未満である場合には、ステップS6に戻る。ステップS11からステップS6に戻った場合には、先にステップS6で選択したキーワードが示す概念及び概念性格の中から未選択の概念及び概念性格に対応する概念文章を出力する。あるいは、先にステップS5で抽出した用語の中から、未選択で、次に優先順位の高い用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念及び概念性格に対応する概念文章を出力する。
図8に示す入力文章が入力された場合には、格助詞の前の名詞であって、用語[子猫]の次に優先順位が高い用語[女の子]をキーワードとして選択する。そして、選択した次に優先順位が高いキーワード(この場合、用語[女の子])が示す概念及び概念性格に対応する概念文章を出力する。
【0030】
出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報の入力回数が設定回数N1以上である場合には、ステップS12に進む。
ステップS12では、例えば、図5に示す[つなぎ文章テーブル]からつなぎ文章(この場合には、入力文章の入力を促す進行ガイド文章「なにか、お話がありますか?」)を読み出し、表示手段4に表示するとともに、音声出力手段5から音声で出力する。[つなぎ文章出力画面](この場合には、[進行ガイド文章出力画面])の1例を図14に示す。ユーザーが図14に示す[つなぎ文章出力画面]上の[文章入力]を選択し、文章入力要求を示す応答情報が入力されると、ステップS2に戻り、例えば、図8に示す[文章入力画面]を表示手段4に表示する。
【0031】
ステップS13では、入力された応答情報が文章入力要求を示す応答情報であるか否かを判断する。応答情報が文章入力要求を示す応答情報でない場合(すなわち、応答情報が、同意の感想を示す応答情報、反対の感想を示す応答情報、どちらでもない感想を示す応答情報等の、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報である場合)にはステップS14に進み、文章入力要求を示す応答情報である場合にはステップS2に戻り、例えば、図8に示す[文章入力画面]を表示手段4に表示する。
【0032】
ステップS14では、ステップS6で最新に判別した概念(選択したキーワードが示す概念の中から選択した1つの概念)が示す生活シーンを、例えば、図4に示す[生活シーン因子文章テーブル]に基づいて判別する。
例えば、ステップS6で、1番目に選択したキーワード「子猫」が示す概念及び概念性格に対応する概念文章の出力に対して、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力された場合には、キーワード「子猫」が示す概念を最新に判別した概念とする。あるいは、1番目に選択したキーワード「子猫」が示す概念及び概念性格に対応する概念文章の出力に対して、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力され、2番目に選択したキーワード「女の子」が示す概念及び概念性格に対応する概念文章の出力に対して、出力された概念文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力された場合には、2番目に選択したキーワード「女の子」が示す概念を指針に判別した概念とする。
例えば、最新に判別した概念が、キーワード「子猫」が示す概念「ペット」である場合には、図4に示す[生活シーン因子文章テーブル]から、概念「ペット」が示す生活シーン「家庭」、「自然」等を判別する。
【0033】
ステップS15では、ステップS14で判別した生活シーンの中から選択した1つの生活シーンと、その生活シーンを構成する生活シーン因子と、生活シーン因子性格に基づいて、生活シーン因子文章を、記憶手段3に記憶されている[生活シーン因子文章テーブル](図4参照)より読み出し、表示手段4に表示するとともに、音声出力手段5から音声で出力する。
例えば、図4に示す[生活シーン因子文章テーブル]に記憶されている、ステップS14で判別した概念が示す生活シーンの中から、抽選等によって任意の1つの生活シーンを選択する。
次に、選択した生活シーンを構成する生活シーン因子の中から抽選等によって任意の1つの生活シーン因子を選択する。
さらに、生活シーン因子性格([+]、[=]、[−])の中から1つの生活シーン因子性格を選択する。例えば、ステップS1で設定した性格の比率(重み)に基づいて生活シーン因子性格([+]、[=]、[−])に対する乱数に重みを付与して抽選を行い、抽選結果に基づいて1つの生活シーン因子性格を選択する。そして、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章の中から、選択した生活シーン因子性格に対応する生活シーン因子文章を出力する。生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章が複数記憶されている場合には、さらに抽選等を行って1つの生活シーン因子文章を選択する。
【0034】
[生活シーン因子文章出力画面]の1例を図11に示す。図11に示す[生活シーン因子文章出力画面]は、例えば、ステップS6で、最新に選択したキーワード「子猫」が示す概念「ペット」が判別され、ステップS14で、概念「ペット」が示す生活シーン「家庭」、「自然」等が判別され、ステップS15で、概念「ペット」が示す生活シーン「家庭」、「自然」等の中から生活シーン「家庭」が選択され、生活シーン「家庭」を構成する生活シーン因子「子供」、「親」、「ペット」等の中から生活シーン因子「子供」が選択され、さらに、生活シーン因子性格の中から生活シーン因子性格[+]が選択されることによって、図4に示す[生活シーン因子文章テーブル]から、生活シーン因子文章「未来を心配しないで明日を待てるのが、子供の特徴だな。」が選択された場合を示している。
【0035】
ステップS16では、ステップS15で生活シーン因子文章を出力した後、応答が有ったか否か(応答情報が入力されたか否か)を判断する。応答が無い場合にはステップS17に進み、応答が有った場合にはステップS18に進む。
例えば、ステップS8と同様に、図11に示す[生活シーン因子文章出力画面]を表示手段4に表示している状態で、ユーザーが[はい]、[ちがう]、[なんとも]、[意味不明]、[文章入力]のいずれかを選択することによって、出力した生活シーン因子文章の内容(意味)に対して同意の感想を示す応答情報、反対の感想を示す応答情報、どちらでもない感想を示す応答情報等(出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報)、出力した生活シーン因子文章の内容(意味)が不明であることを示す応答情報(出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報)、文章入力要求を示す応答情報のいずれかが入力されたか否かを判断する。
ステップS17では、生活シーン因子文章を出力してからの経過時間が設定時間T3以上であるか否かを判断する。経過時間が設定時間T3未満である場合にはステップS16に戻り、設定時間T3以上である場合にはステップS22に進む。
【0036】
ステップS18では、出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報であるか否かを判断する。出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報である場合にはステップS15に戻り、出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報である場合にはステップS19に進む。
ステップS18からステップ15に戻った場合の、生活シーン因子文章の選択方法としては種々の方法を用いることができる。
例えば、ステップS15で選択した生活シーン「家庭」を構成する生活シーン因子の中から、未選択の生活シーン因子を選択する。そして、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章の中から、ステップS1で設定した性格の比率に基づいて選択した生活シーン因子性格に対応する生活シーン因子文章を選択する。例えば、生活シーン「家庭」を構成する生活シーン因子「子供」、「親」、「ペット」等の中から、先に選択した生活シーン因子「子供」以外の生活シーン因子「親」を選択する。そして、選択した生活シーン因子性格「親」に対応する生活シーン因子文書の中から、ステップS1で設定した性格の比率に基づいて選択した生活シーン因子性格「=」に対応する生活シーン因子文章「知らぬは、親ばかりなり、です。」を選択する。
あるいは、ステップS14で判別した、概念が示す生活シーンの中から未選択の1つの生活シーンを選択し、選択した生活シーンに対して生活シーン因子文章の選択を行う。例えば、概念「ペット」が示す生活シーン「家庭」、「自然」等の中から、先に選択した生活シーン「家庭」を除く生活シーン「自然」を選択する。
なお、ステップ18で、出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報であると判断した場合には、ステップS6に戻って概念の選択からやり直す方法を用いることもできる。
ステップS19では、入力された応答情報が文章入力要求を示す応答情報であるか否かを判断する。応答情報が文章入力要求を示す応答情報でない場合(すなわち、同意の感想を示す応答情報、反対の感想を示す応答情報、どちらでもない感想を示す応答情報等の、出力された生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図する入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報である場合)にはステップS20に進み、文章入力要求を示す応答情報である場合にはステップS2に戻り、例えば、図8に示す[文章入力画面]を表示手段4に表示する。
【0037】
ステップS20では、同じ入力文章に対する生活シーン因子文章の出力回数が設定回数N2(例えば、3回)以上であるか否かを判断する。出力回数が設定回数N2未満である場合にはステップS15に戻り、設定回数N2以上である場合にはステップS21に進む。
ステップS20からステップS15に戻った場合の生活シーン因子文章の出力方法としては種々の方法を用いることができる。
例えば、ステップS15で選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章の中から、ステップS1で設定した性格の比率に基づいて選択した生活シーン因子に対応し、未選択(出力されていない)の1つの生活シーン因子文章を[生活シーン因子文章テーブル]から読み出して出力する。
あるいは、ステップS15で選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章の中から、ステップS15で選択した生活シーン因子を除く生活シーン因子に対応し、未選択(出力されていない)の1つの生活シーン因子文章を[生活シーン因子文章テーブル]から読み出して出力する。
あるいは、ステップS15で選択した生活シーン因子及び生活シーン因子性格に対応する生活シーン因子文章の中から、未選択(出力されていない)の1つの生活シーン因子文章を選択して出力する。
図12に、2回目の生活シーンを出力する[生活シーン因子文章出力画面]を示す。図12に示す[生活シーン因子文章出力画面]は、ステップS15で選択された生活シーン及び生活シーン因子性格に対応する生活シーン因子文章、例えば、生活シーン因子「家庭」及び生活シーン因子性格[+]に対応する生活シーン因子文章の中から、未選択の生活シーン因子文章「子供は、大人の弱点をしっかりと見てますよ。」が選択された場合を示している。
【0038】
ステップS21では、1会話単位が終了したことを示す結論文章を表示手段4に表示するとともに、音声出力手段5から音声で出力する。例えば、出力した文章の性格の履歴パターンに対応する結論文章を出力する。
本実施の形態では、ステップS15で出力した生活シーン因子文章の生活シーン因子性格の履歴パターンに対応する結論文章を出力する。例えば、図2に示すような、出力した生活シーン因子文章の生活シーン因子性格の履歴パターンに対応する結論文章を記憶している[結論文章テーブル]を用いる。図2に示す[結論文章テーブル]には、直前に出力した2つの生活シーン因子文章の生活シーン因子性格の履歴パターンに対応する結論文章が記憶されている。例えば、直前に出力した生活シーン因子文章の生活シーン因子性格のパターン([+]→[+])に対応させて結論文章「さすが、ですねえ。」が記憶され、パターン([+]→[−])に対応させて結論文章「世の中、楽あれば苦あり。」が記憶されている。
[結論文章出力画面]の1例を図13に示す。図13に示す[結論文章出力画面]は、直前の2つの生活シーン因子文章の生活シーン因子性格の履歴パターンが([+]→[+])であり、結論文章として「さすが、ですねえ。」が選択された場合を示している。
【0039】
ステップS21で結論文章を出力した後、ユーザーが[はい]、[ちがう]、[なんとも]、[意味不明]のいずれかを選択した時あるいは所定時間経過した時には、ステップS22に進む。
この時、ユーザーが[はい]あるいは[ちがう]を選択した場合には、これを記憶しておき、会話を次に会話単位で続行する場合あるいは次回に本会話装置を使用する場合に用いることもできる。例えば、[結論文章]に対して[はい]を選択した場合には、前回設定した性格の比率(例えば、[+]:[=]:[−]=2:3:5)を用い、[いいえ]を選択した場合には、前回設定した性格の比率と逆の比率(例えば、[+]:[=]:[−]=5:3:2)を用いる。
【0040】
ステップS22では、つなぎ文章(この場合には、入力文章の入力を促す進行ガイド文章「なにか、お話がありますか?」)を表示手段4に表示するとともに、音声出力手段5から音声で出力する。ユーザーは、会話を続行する場合には、例えば、図14に示す[進行ガイド文章出力画面]上の[文章入力]を選択し、文章入力要求を示す応答情報を入力する。
ステップS23では、文章入力要求を示す応答情報が入力されたか否かを判断する。文章入力要求を示す応答情報が入力された場合には、ステップS2に戻り、例えば、図8に示す[文章入力画面]を表示手段4に表示する。文章入力要求を示す応答情報が入力されない場合あるいは進行ガイド文章を出力して所定時間以上経過した場合には、処理を終了する。
【0041】
なお、図7のフローチャート図には示していないが、入力文章が入力されてからの経過時間が設定時間T4以上であるか否かを判断するステップが設けられている。このステップで、入力文章が入力されてからの経過時間が設定時間T4以上であることを判断した場合には、ステップS21に進み、1会話単位が終了したことを報知する。
また、[文章入力画面]、[概念文章出力画面]、[生活シーン因子文章出力画面]等を表示した時、図5に示す[つなぎ文章テーブル]に記憶されている出力条件が満足された場合に、出力条件に対応するつなぎ文章を出力することもできる。例えば、各画面において、[意味不明]が選択され、意味不明を示す応答情報が入力された時には、合いの手文章「あれ変なこと言いましたか?」を出力する。
また、ユーザーは、図7に示すフローチャート図のいずれかのステップにおいて終了操作を行うことにより、適宜処理を終了させることができる。
また、概念文章、生活シーン因子文章、合いの手文章等を個別の表示画面で表示する方法を用いたが、各文章を1つの表示画面に順に書き加えて表示する方法を用いてもよい。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態の会話装置では、ユーザー(利用者)は、入力文章や応答情報を入力する操作等を行えばよいため、ユーザーの入力操作が容易である。
また、処理手段は、入力文章に含まれている用語を抽出する用語抽出処理、抽出した用語の中から1つの用語をキーワードとして選択するキーワード選択処理、[概念文章テーブル]に基づいて、選択したキーワードが示す概念及び概念性格を判別する概念判別処理、判別した概念及び概念性格に対応する概念文章を出力する概念文章出力処理、[生活シーン因子文章テーブル]に基づいて、判別した概念が示す生活シーンの中から1つの生活シーンを選択する生活シーン選択処理、選択した生活シーンを構成する生活シーン因子の中から1つの生活シーン因子を選択する生活シーン因子選択処理、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章の中から、選択した生活シーン因子性格に対応する生活シーン因子文章を出力する生活シーン因子文章出力処理等を実行すればよいため、処理手段の負担を軽減することができる。
また、ユーザーの応答を確認しながら入力文章の主旨(ユーザーが興味がある話題)に対応した概念や生活シーン(生活シーン因子)を判別するため、ユーザーが興味を持っている話題に関する文章を確実に出力することができる。さらに、出力する文章に性格(価値判断)を持たせるため、より日常の会話に近い文章を出力することができる。
また、同じ入力文章に関する生活シーン因子文章の出力回数が設定回数となった時あるいは同じ入力文章に対する処理を設定時間実行した時に1会話単位を終了させるため、会話が単調になることを防止することができる。
【0043】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されることなく、種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、図7に示したフローチャート図では、出力した概念文章の内容が、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力された後に、生活シーン因子文章の出力処理を実行したが、ユーザーからの応答情報を待つことなく生活シーン因子文章の出力処理を実行することもできる。
例えば、入力文章に含まれている用語の中から1つの用語(例えば、予め設定されている優先順位が最も高い1つの用語)をキーワードとして選択し、選択したキーワードに対応する概念を判別する方法を用いる場合には、選択したキーワードに対応する概念が、ユーザーが意図している入力文章の主旨(ユーザーが興味をもっている話題)と一致している可能性が高い。このため、処理手段が判別した概念に対する(概念文章の出力に対する)ユーザーからの応答情報を待つことなく次の処理を実行しても会話を行うことができる。処理手段が判別した概念に対するユーザーからの応答情報を待つことなく生活シーン因子文章の出力処理を実行する方法を用いると、処理手段の負担が軽減されるとともに、処理時間が短縮される。また、ユーザーによる応答情報の入力操作が不要となり、ユーザーの操作が簡略化される。
【0044】
この場合、処理手段が判別した概念をユーザーに報知してもよいし、報知しなくてもよい。処理手段が判別した概念をユーザーに報知する場合には、例えば、入力文章に含まれている用語の中の、最も優先順位が高い用語(キーワード)に対応する概念文章を出力した後、生活シーン因子文章の出力処理を実行する。概念文章を出力することによって処理手段が判別した概念を報知する方法を用いる場合には、日常会話の形態に近くなるため、ユーザーの会話の続行に対する興味が高まる。
一方、処理手段が判別した概念をユーザーに報知しない場合(例えば、入力文章に含まれている用語の中の、最も優先順位が高い用語(キーワード)を判別し、概念文章を出力することなく、判別した概念に基づいて生活シーン因子文章の出力処理を実行する場合)には、概念文章の記憶処理や、概念文章の選択及び出力処理が不要となるため、記憶手段の容量を低減することができるとともに、処理手段の負担を軽減することができる。
生活シーン因子文章のみを出力する場合には、例えば、図7に示すフローチャート図のステップS6〜S14を、入力文章に含まれている用語の中から1つの用語(好ましくは、予め定められている優先順位が最も高い用語)をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択するステップに変更する。なお、ステップS18で、出力した生活シーン因子文章の内容が、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力されたことを判別した場合には、選択したキーワードが示す概念の中から未選択の1つの概念を選択し、あるいは、入力文章に含まれている用語の中から未選択の1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択する処理を実行するように構成することもできる。
処理手段が判別した概念に対するユーザーからの応答情報を待つことなく生活シーン因子文章の出力処理を実行する方法は、ユーザーが入力する入力文章に含まれる用語がある程度定まっていて、概念による確認が不必要な用途、例えば、自動販売機、観光案内、展示案内等の用途に、人間的な情緒付与を行う場合に好適に用いることができる。
【0045】
この場合、例えば、「(態様1)処理手段と、記憶手段と、入力手段と、出力手段を備え、記憶手段には、キーワードと概念との対応関係、概念と生活シーンとの対応関係及びその生活シーンと生活シーン因子との対応関係が記憶されているとともに、各生活シーン因子に対応して少なくとも1つの生活シーン因子文章が記憶されており、処理手段は、入力手段より入力文章が入力されると、入力文章に含まれている用語の中から1つの用語をキーワードとして選択するとともに、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択し、選択した概念に対応する生活シーンの中から1つの生活シーンを選択するとともに、選択した生活シーンを構成する複数の生活シーン因子の中から1つの生活シーン因子を選択し、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力する、会話装置。」として構成することができる。
また、「(態様2)態様1の会話装置であって、記憶手段には、各概念に対応して少なくとも1つの概念文章が記憶されており、処理手段は、選択した概念に対応する概念文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力した後、応答情報の入力を待つことなく、選択した概念に対応する生活シーンの中から1つの生活シーンを選択する、会話装置。」として構成することもできる。
【0046】
また、入力文章の入力に応答して、概念文章を出力した後、生活シーン因子文章を所定回数出力したが、出力する文章の種類や回数等はこれに限定されず種々変更可能である。
例えば、日常の会話では、概念的な内容の会話から日常生活シーンの内容の会話に移行することが多いが、概念的な内容の会話のみが行われる場合や生活シーンの内容の会話のみが行われる場合もある。このため、概念文章のみあるいは生活シーン因子文章のみを出力するように構成しても。ユーザーは会話を行うことができる。
概念文章のみを出力する場合には、例えば、図7に示すフローチャート図のステップS14〜S19を省略し、ユーザーが、概念文章の内容が、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報を入力した場合には、その概念及び概念性格に対応する概念文章を所定回数出力した時あるいは入力文章に対する処理を設定時間行った時にステップS21に進むように構成する。
この場合でも、入力文章に含まれている用語の中から選択した1つのキーワードに基づいて概念を判別するため、ユーザーが興味をもっている話題に関連する概念文章を出力することができ、ユーザーは会話を継続することができる。入力文章に含まれている用語の中から、予め設定されている優先順位に基づいて1つのキーワードを選択する方法を用いると、ユーザーが興味を持っている話題をより確実に判別することができる。
なお、前述したように、処理手段が判別した概念に対するユーザーからの応答情報の入力を省略することもできる。
【0047】
また、概念文章を出力する際、概念及び概念性格に基づいて概念文章を選択したが、概念のみに基づいて概念文章を選択することもできる。例えば、キーワードと概念との対応関係及び概念に対応する概念文章を記憶手段に記憶させておき、入力文章に含まれている用語の中から選択したキーワードに対応する概念を判別し、判別した概念に対応する概念文章を出力するように構成する。この場合、例えば、概念に対応させて、種々の概念性格の概念文章を記憶手段に記憶させておき、キーワードに対応する概念を判別し、判別した概念に対応する概念文章の中から1つの概念文章を選択する。
また、生活シーン因子文章を出力する際、生活シーン因子及び生活シーン因子性格に基づいて生活シーン因子文章を選択したが、生活シーン因子のみに基づいて生活シーン因子文章を選択することもできる。例えば、生活シーン因子に対応させて、種々の生活シーン因子性格の生活シーン因子文章を記憶手段に記憶させておき、生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章の中から1つの生活シーン因子文章を選択する。
【0048】
また、概念文章あるいは生活シーン因子文章の出力に対して、処理手段が判別した概念あるいは処理手段が判別した生活シーン因子が、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報あるいは一致していないことを示す応答情報のいずれが入力されたかを判断したが、いずれかの応答情報が入力されたか否かのみを判断するように構成してもよい。例えば、概念文章の出力に対して、処理手段が判別した概念が、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されたか否かを判断し、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されると、他の概念文章あるいは生活シーン因子文章を出力するように構成する。この場合には、例えば、処理手段が判別した概念が、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が、概念文章を出力してから所定時間経過しても入力されないと、つなぎ文章等を出力する処理を実行するように構成するのが好ましい。
【0049】
また、出力する文章の種類や回数等は適宜変更可能である。
例えば、概念文章を出力した後、生活シーン因子文章を所定回数(例えば、1回あるいは2回)出力し、その後概念文章を出力して1会話単位を終了するように構成することもできる。生活シーン因子文章を所定回数出力した後に出力する概念文章としては、例えば、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力された概念文章と同じ概念を有し、出力手段から出力されていない概念文章を用いる。さらに、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力された概念文章と同じ概念で、異なる概念性格を有し、出力手段から出力されていない概念文章を用いるのが好ましい。例えば、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力された概念文章の概念性格が[+]であった場合には、概念性格が、[+]と異なる[=]あるいは[−]である概念文章を出力する。この場合、乱数等を用いた抽選によって、概念性格[=]あるいは[−]を選択することができる。この方法を用いると、生活シーンに関連する具体的な内容を有する生活シーン因子文章が出力された後に、概念に関連する抽象的な内容を有する概念文章が出力される。このため、生活シーン因子文章の後に出力される概念文章が、前述した結論文章と同じように作用する。この場合、前述した結論文章の出力を省略することができ、結論文章の記憶処理等が不要となる。
【0050】
さらに、1会話単位の概念文章や生活シーン因子文章の出力回数は、種々変更可能である。
また、出力した概念文章の内容が、ユーザーが意図している入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力されたことによって概念文章の出力から生活シーン因子文章の出力に切り換えたが、出力文章の種類を切り換える条件としては種々の条件を用いることができる。例えば、概念文章の出力回数や経過時間等を用いることもできる。
また、入力文章に含まれている用語の中から選択したキーワードが示す概念を判別する方法、入力文章に含まれている用語に対応する生活シーンを判別する方法は、実施の形態で説明した方法に限定されない。例えば、キーワード(用語)と概念との対応関係及び概念と生活シーンとの対応関係等を記憶手段に記憶させることによって、入力文章に含まれている用語から選択したキーワードに対応する生活シーンを判別したが、キーワードと生活シーンとの対応関係を記憶手段に記憶させることによって、入力文章に含まれている用語に対応する生活シーンを判別することもできる。あるいは、キーワードと生活シーン因子との対応関係を記憶させることによって、入力文章中に含まれている用語に対応する生活シーン因子を判別することもできる。
また、キーワードと概念との対応関係、概念と生活シーンとの対応関係等を記憶手段に記憶させることによって、キーワードに対応する概念、概念に対応する生活シーン等を検索可能としたが、キーワードに対応する概念、概念に対応する生活シーン等を検索可能とする方法はこれに限定されない。例えば、キーワードや概念を含む生活シーン因子文章を検索する方法を用いることができる。あるいは、シソーラス等を用い、キーワードや概念に類似するキーワードや概念を含む生活シーン因子文章を検索する方法を用いることもできる。
また、概念、生活シーン、生活シーン因子、概念性格、生活シーン因子性格等の設定方法は、実施の形態で説明した方法に限定されない。
また、キーワードに対応する概念文章、生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章の内容や数等は種々変更可能である。
また、概念文章や生活シーン因子文章を選択する際における概念性格や生活シーン因子性格の選択方法としては種々の方法を用いることができる。
また、つなぎ文章の種類や出力条件は適宜設定することができる。
また、1会話単位を決定する条件は適宜変更可能である。
また、本発明は、会話プログラムを記憶した記憶手段を有する中央装置を設け、端末装置から中央装置にアクセスすることによって会話を行う会話装置として構成することもできる。この場合には、中央装置あるいは端末装置に設けられている処理手段が本発明の処理手段に対応し、中央装置に設けられている記憶手段が本発明の記憶手段に対応し、端末装置に設けられている入力手段や出力手段が本発明の入力手段や出力手段に対応する。
また、本発明は、実施の形態で説明した会話装置を構成する処理手段の処理をコンピュータにより実行する会話方法、会話プログラム、会話プログラムを記録した記録媒体、として構成することもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜請求項11に記載の会話装置、請求項12に記載の会話プログラム、請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いれば、コンピュータの負担が軽く、ユーザーの入力操作が容易であり、ユーザーに興味がある話題に対応した文章を出力することができる会話装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の会話装置の一実施の形態の概略構成図である。
【図2】[結論文章テーブル]の1例を示す図である。
【図3】[概念文章テーブル]の1例を示す図である。
【図4】[生活シーン因子文章テーブル]の1例を示す図である。
【図5】[つなぎ文章テーブル]の1例を示す図である。
【図6】合いの手文章テーブルの1例を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態の動作(処理手段の処理)を示すフローチャート図である。
【図8】[文章入力画面]の1例を示す図である。
【図9】[合いの手文章出力画面]の1例を示す図である。
【図10】[概念文章出力画面]の1例を示す図である。
【図11】[生活シーン因子文章出力画面(1回目)]の1例を示す図である。
【図12】[生活シーン因子文章出力画面(2回目)]の1例を示す図である。
【図13】[結論文章出力画面]の1例を示す図である。
【図14】[進行ガイド文章出力画面]の1例を示す図である。
【符号の説明】
1 処理手段(CPU)
2 入力手段
3 記憶手段
4 表示手段
5 音声出力手段
Claims (13)
- 処理手段と、記憶手段と、入力手段と、出力手段を備え、
記憶手段には、各キーワードと概念との対応関係が記憶されているとともに、各概念に対応して少なくとも1つの概念文章が記憶されており、
処理手段は、入力手段より入力文章が入力されると、入力文章に含まれている用語の中から1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択するとともに、選択した概念に対応する概念文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項1に記載の会話装置であって、
処理手段は、概念文章を出力手段から出力した後、概念が入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力手段より入力されると、先に選択したキーワードに対応する概念の中から未選択の1つの概念を選択し、選択した概念に対応する概念文章を、あるいは入力文章に含まれている用語の中から未選択の1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択するとともに、選択した概念に対応する概念文章を、記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項1または2に記載の会話装置であって、
処理手段は、概念文章を出力手段から出力した後、概念文章の内容が入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力手段より入力されると、最新に選択した概念に対応し、出力手段から出力していない概念文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の会話装置であって、
記憶手段には、各キーワードと概念及び概念性格との対応関係が記憶されているとともに、概念文章が各概念の各概念性格に対応して記憶されており、
処理手段は、選択したキーワードが示す概念及び概念性格に対応する概念文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 処理手段と、記憶手段と、入力手段と、出力手段を備え、
記憶手段には、キーワードと概念との対応関係が記憶され、概念と生活シーンとの対応関係及びその生活シーンと生活シーン因子との対応関係が記憶されているとともに、各概念に対応して少なくとも1つの概念文章が、各生活シーン因子に対応して少なくとも1つの生活シーン因子文章が記憶されており、
処理手段は、入力手段より入力文章が入力されると、入力文章に含まれている用語の中から1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択するとともに、選択した概念に対応する概念文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力し、概念文章を出力手段から出力した後、概念が入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力手段より入力されると、選択した概念に対応する生活シーンの中から1つの生活シーンを選択するとともに、選択した生活シーンを構成する生活シーン因子の中から1つの生活シーン因子を選択し、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項5に記載の会話装置であって、
処理手段は、概念文章を出力手段から出力した後、概念文章の内容が入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力手段より入力されると、先に選択したキーワードに対応する概念の中から未選択の1つの概念を選択し、選択した概念に対応する概念文章を、あるいは入力文章に含まれている用語の中から未選択の1つの用語をキーワードとして選択し、選択したキーワードが示す概念の中から1つの概念を選択するとともに、選択した概念に対応する概念文章を、記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項5または6に記載の会話装置であって、
処理手段は、生活シーン因子文章を出力手段から出力した後、生活シーン因子が入力文章の主旨と一致していることを示す応答情報が入力手段より入力されると、選択した生活シーン因子に対応し、出力手段から出力していない生活シーン因子文章を、記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項5〜7のいずれかに記載の会話装置であって、
処理手段は、生活シーン因子文章を出力手段から出力した後、生活シーン因子が入力文章の主旨と一致していないことを示す応答情報が入力手段より入力されると、選択した生活シーンを構成する複数の生活シーン因子の中から未選択の1つの生活シーン因子を選択し、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項5〜8のいずれかに記載の会話装置であって、
記憶手段には、キーワードと概念及び概念性格との対応関係が記憶されているとともに、各概念の各概念性格に対応して少なくとも1つの概念文章が、また、各生活シーン因子の各生活シーン因子性格に対応して少なくとも1つの生活シーン因子文章が記憶されており、
処理手段は、選択したキーワードが示す概念及び概念性格に対応する概念文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力し、選択した生活シーン因子に対応する生活シーン因子文章であって、複数の生活シーン因子性格の中から選択した1つの生活シーン因子性格に対応する生活シーン因子文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の会話装置であって、
記憶手段には、入力文章の性格判断及び程度のレベルに対応して合いの手文章が記憶されており、
処理手段は、入力手段より入力文章とともに、入力文書の性格判断及び程度のレベルを示すレベル情報が入力されると、入力されたレベル情報で示されている性格判断及び程度のレベルに対応する合いの手文章を、記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項3、4、7〜10のいずれかに記載の会話装置であって、
記憶手段には、出力手段から出力した概念文章の概念性格あるいは生活シーン因子文章の生活シーン因子性格の履歴パターンに対応して結論文章が記憶されており、
処理手段は、概念文章あるいは生活シーン因子文章を出力手段から所定回数出力した場合には、出力手段から出力した概念文章の概念性格あるいは生活シーン因子文章の生活シーン因子性格の履歴パターンに対応する結論文章を記憶手段より読み出して出力手段から出力する、
会話装置。 - 請求項1〜11のいずれかに記載されている処理手段の処理をコンピュータに実行させる会話プログラム。
- 請求項1〜11のいずれかに記載されている処理手段の処理をコンピュータに実行させる会話プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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