JP2005010428A - 潜像担持体および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置の内部を汚すことなく潜像担持体の表面温度の上昇を抑止するとともに、潜像担持体の振動を防止すること。
【解決手段】潜像担持体として機能する感光体ドラムの内部へ、その感光体ドラムの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成されたヒートシンクであって、該円筒体の回転軸と略平行に該円筒体の側壁を切断する1つのスリットが該側壁に設けられているとともに、該回転軸に向かって突出するフィンが該円筒体の内側に設けられているヒートシンクを挿入する。
【選択図】 図1
【解決手段】潜像担持体として機能する感光体ドラムの内部へ、その感光体ドラムの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成されたヒートシンクであって、該円筒体の回転軸と略平行に該円筒体の側壁を切断する1つのスリットが該側壁に設けられているとともに、該回転軸に向かって突出するフィンが該円筒体の内側に設けられているヒートシンクを挿入する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜像担持体およびこれを用いる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、例えば、電子写真方式のプリンタなど、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置の構成を示す図である。図8において、感光体ドラム10は円筒体状に形成されており、その外周表面には感光層が設けられている。この感光体ドラム10は、図示しない駆動機構によって矢印方向に所定のプロセススピードで回転駆動され、以下に説明するように、電子写真技術により形成される静電潜像を担持する潜像担持体として機能する。帯電装置20は、感光体ドラム10を一様に帯電させるために交流電圧を印加するものであり、感光体ドラム10の外周表面に接触するような位置に配置されている。この帯電装置20のドラム回転方向下流側には、LEDヘッドなどの露光手段を含む露光装置30が配置されている。この露光装置30は、帯電装置20によって一様に帯電された感光体ドラム10の表面に画像を露光する。これにより、感光体ドラム10の外周表面に静電潜像が形成される。このようにして形成された静電潜像は、現像装置40によって現像されてトナー像となる。このトナー像は、転写ロール50から感光体ドラム10方向の押圧力によって、用紙トレイ60から供給される転写用紙70に転写される。このようにしてトナー画像を転写された転写用紙70は定着装置80によって加熱される。このような加熱が施されると、転写用紙70に転写されたトナー画像を形成しているトナー粉が融解し、転写用紙70に定着する。この後、クリーニングブレードを有するクリーナ90によって感光体ドラム10の外周表面から残留トナーや紙粉等が除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。なお、図8に示す画像形成装置において、両面印刷を行う場合には、まず、転写用紙70の一方の面に対して上述した画像形成工程が施されたのち、この転写用紙70は、図8において点線で示す経路で運搬され、その他方の面に対して上述した画像形成工程を施され、両面印刷が完了する。
【0003】
図8に示す画像形成装置においては、帯電装置20によって印加される交流電圧によって感光体ドラム10が共振し、その振動により騒音が発生するといった問題点がある。この問題点を解決するための技術としては、特許文献1や特許文献2に開示された技術が挙げられる。
【0004】
特許文献1に開示された技術では、所定の充填物を感光体ドラムの内部に挿入しておくことにより、感光体ドラムの全体積に対する重さを所定の値以上にし、その振動を防止している。なお、特許文献1では、上記所定の充填物として、以下に述べる3種類のものが例示されている。第1に、C字形状の断面を有しその外周表面が感光体ドラムの内周表面に圧接するようなものである。第2に、液体、粉体、および液体と粉体との混合物である。そして、第3に、上記潜像担持体の基体の内周表面と接する外周表面を備えたコイルバネである。
【0005】
また、特許文献2に開示されている技術では、図9に示すように、上記潜像担持体として機能する感光体ドラム10の内部からその側壁を裏打ちする裏打ち部材11をその感光体ドラム10の内部へ挿入しておくことにより、潜像担持体の振動を防止している。
【0006】
ところで、従来の画像形成装置においては、上述した潜像担持体の振動の他にも、前述した両面印刷を行う場合に以下に述べるような問題が発生する。前述したように、両面印刷を行う場合には、まず、転写用紙の一方の面に対して画像形成工程を施す。画像形成工程においては、転写用紙にトナー画像を定着させるために、その転写用紙に熱が加えられる。このようにして加えられた熱が放熱しきっていない状態で、転写用紙の他方の面に画像形成工程を施してしまうと、転写用紙が帯びている熱によって、感光体ドラムが加熱されてしまう。感光体ドラムが加熱されその表面温度が上昇してしまうと、その電気的特性が変化したり、その光学特性が変化したりしてしまい、感光体ドラム上に形成される静電潜像の質が劣化してしまう虞がある。このように質が劣化した静電潜像を現像したとしても、画質の劣化した画像しか得ることができない。また、感光体ドラムの表面温度がトナー粉の融解温度を超えてしまうと、感光体ドラムの外周表面にトナー粉が融着してしまい、感光体ドラムそのものを毀損してしまうといった問題点もある。このようなことを回避するため、転写用紙の一方の面に対して画像形成工程を施した後に、充分な時間が経過し、その転写用紙に加えられた熱が充分に放熱しきるまで、他方の面に対して画像形成工程を施さないようにすることも考えられるが、両面印刷を行う場合の処理速度が低下してしまい好ましくない。上記問題点を、処理速度の低下を招くことなく解決する技術としては、特許文献3に開示されている技術が挙げられる。
【0007】
特許文献3には、潜像担持体の表面上に形成されたトナー画像が転写され、このトナー画像を転写用紙に熱的に転写し定着させる中間転写ドラムを有する画像形成装置において、この中間転写ドラムから熱を加えられることにより、潜像担持体の表面温度が上昇することを防止する技術が開示されている。具体的には、中間転写ドラムに冷気を吹き付ける冷却ファンなどの冷却手段を設け、中間転写ドラムを冷却することにより、潜像担持体が中間転写ドラムから加熱されることを防止している。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−19377号公報
【特許文献2】
特開平2002−244488号公報
【特許文献3】
特開平9−258570号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3に開示されている技術によれば、上記冷却手段により画像形成装置内部に空気の流れが生じ、この空気の流れによって上記画像形成工程に用いられているトナー粉が舞い飛び、画像形成装置の内部が汚れてしまうといった新たな問題を引き起してしまう虞があり好ましくない。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、画像形成装置の内部を汚すことなく潜像担持体の表面温度の上昇を防止するとともに、潜像担持体の振動を防止する技術を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、電子写真により形成される潜像を担持するための感光体ドラムであって、円筒体状に形成されその外周表面に感光層が設けられている感光体ドラムと、前記感光体ドラムの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、該円筒体の回転軸と略平行に該円筒体の側壁を切断する1つのスリットが該側壁に設けられているとともに、該回転軸に向かって突出するフィンが該円筒体の内側に設けられているヒートシンクとを備え、前記感光体ドラムの内部には、前記スリットの幅を狭めるように円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されていることを特徴とする潜像担持体と、該潜像担持体を有する画像形成装置とを提供する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明は、電子写真により形成される潜像を担持するための感光体であって、帯状に形成された感光体と、前記感光体を担持し摺動させる円筒体と、前記円筒体の内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成されたヒートシンクであって、回転軸と略平行に側壁を切断する1つのスリットが設けられているとともに、該回転軸に向かって突出するフィンが内壁面に設けられているヒートシンクとを備え、前記円筒体の内部には、前記スリットの幅を狭めるように円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されていることを特徴とする潜像担持体と、該潜像担持体を有する画像形成装置とを提供する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明は、電子写真により形成される潜像を担持するための感光体ドラムであって、円筒体状に形成されその外周表面に感光層が設けられている感光体ドラムと、前記感光体ドラムの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、その側壁が円周方向に山谷を繰り返す蛇腹状に形成されているヒートシンクとを備え、前記感光体ドラムの内部には、前記蛇腹状に形成された側壁を円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されていることを特徴とする潜像担持体と、該潜像担持体を有する画像形成装置とを提供する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明は、電子写真により形成される潜像を担持するための感光体であって、帯状に形成された感光体と、前記感光体を担持し摺動させる円筒体と、前記円筒体の内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、その側壁が円周方向に山谷を繰り返す蛇腹状に形成されているヒートシンクとを備え、前記円筒体の内部には、前記蛇腹状に形成された側壁を円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されていることを特徴とする潜像担持体と、該潜像担持体を有する画像形成装置とを提供する。
【0015】
このような潜像担持体および画像形成装置によれば、上述した如く表面積が大きくなるように形成されたヒートシンクが上記感光体ドラムの内側からその側壁に圧接され、その感光体ドラムの振動が防止されるとともに、その感光体ドラムに加えられた熱を放熱させ易くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
[1.第1実施形態]
本実施形態に係る画像形成装置の構成は、潜像担持体を除いて、図8に示す画像形成装置の構成と同一であるため、以下ではその相違点である潜像担持体を中心とした説明を行う。
【0018】
図1は、本実施形態に係る潜像担持体をその回転軸に垂直な平面で切断した場合の断面図である。図1に示されているように、本実施形態に係る潜像担持体は、中空円筒形状に形成されその外周表面上に感光層が設けられている感光体ドラム10と、この感光体ドラム10の内部に挿入されているヒートシンク110aとを有している。このヒートシンク110aは、例えば、アルミニウムや銅などの熱伝導率の高い金属で円筒形状に形成された本体を有しており、上記感光体ドラム10と略同じ全長を有している。図2は、本実施形態に係るヒートシンク110aの斜視図であり、図2に示すように、ヒートシンク110aの本体の壁面には、その壁面を切断し回転軸に略平行なスリット111が形成されている。このようなスリット111が設けられているため、スリット111の幅を狭めるようにヒートシンク110aの本体を円周方向に撓ませ弾性変形させることができる。さらに、このヒートシンク110aの本体の内周表面には、回転軸に向かって半径方向に突出し該回転軸に平行に延在する6枚のフィン112が上記スリット111とは異なる位置に円周方向に等間隔で設けられている。このようなフィン112をヒートシンク110aの内周表面に設ける理由は、ヒートシンク110aの表面積を大きくし、このヒートシンク110aに加えられた熱を放熱し易くするためである。なお、本実施形態においては、ヒートシンク110aの内周表面に6枚のフィンが形成されている場合について説明するが、フィンの枚数は6枚に限定されるものではない。また、本実施形態では、複数のフィンが円周方向に等間隔で設けられている場合について説明するが、等間隔に設置されていなくても良いことは勿論である。要は、スリット111aが設けられている位置と異なる位置であれば、どのような位置にフィンが設けられていても良い。
【0019】
このヒートシンク110aは、上記スリット111の幅の分だけその外径が上記感光体ドラム10の内径よりも大きく形成されており、このスリット111の幅を狭めるようにヒートシンク110aの本体を円周方向に撓ませることによって上記感光体ドラム10の内部へ挿入できるようになっている。このようにして感光体ドラム10の内部に挿入されたヒートシンク110aは、その弾性によって円周方向の撓みを解消しようとし、感光体ドラム10の円周表面を内部から押圧する。
【0020】
このようなヒートシンク110aが挿入されているため、本実施形態に係る潜像担持体は、以下に述べる2つの特徴を有している。すなわち、第1の特徴は、ヒートシンク110aによって感光体ドラム10の側壁が内側から押圧されているため、その側壁が振動しにくくなっていることである。このため、感光体ドラム10を一様帯電させる際にその側壁の振動による騒音の発生が防止されるといった効果を奏する。
【0021】
また、本実施形態に係る潜像担持体の有する第2の特徴は、熱伝導率の高い材料を用いて表面積が大きくなるように形成されたヒートシンク110aが感光体ドラム10の側壁に圧接しているため、感光体ドラム10に加えられた熱を放熱し易くなっていることである。このため、感光体ドラム10の外周表面に冷気を吹き付けるなどの冷却を施さなくても、感光体ドラム10に加えられた熱が放熱されその表面温度の上昇が防止される。このため、印刷画像の画質の劣化が防止されるといった効果を奏する。
【0022】
さらに、本実施形態に係る潜像担持体によれば、感光体ドラム10の表面温度の上昇が防止されるため、両面印刷を行う際の処理速度を向上させることが可能になるといった効果も奏する。
【0023】
なお、上述した実施形態では、ヒートシンク110aの円周方向の弾性によりヒートシンク110aを感光体ドラム10の内周表面に圧接させる場合について説明したが、酸化アルミニウムや酸化銀などの熱伝導酸化金属が配合された熱伝導グリスなどを感光体ドラム10の内周表面に塗布しておき、感光体ドラム10の内周表面とヒートシンク110aとの間に隙間が生じないようにするとしても勿論良い。
【0024】
また、プラスチックやエラストマなどの弾性材料を図3上側に示すような形状に成型した弾性部材120をヒートシンク110aの内部に挿入するとしても勿論良い(図3下側参照)。図3上側に示されるように、弾性部材120は、回転軸に略平行なスリット121で側壁が切断された欠円筒形状を有し、ヒートシンク110aのフィン112と嵌合するスリット122がその側壁に形成されている。この弾性部材120は、その外径がスリット121の幅の分だけヒートシンク110aの内径よりも大きく形成されており、スリット121の幅が狭くなるように円周方向に撓ませることによって、ヒートシンク110aの内部へ挿入することができる。このようにすると、ヒートシンク110aの弾性力に加え、この充填物120の弾性力によってヒートシンク110aが感光体ドラム10の側壁により強く圧接される。このため、感光体ドラム10がさらに振動しにくくなるとともに、感光体ドラム10に加えられた熱をさらに放熱させ易くなるといった効果を奏する。なお、このような弾性部材によってヒートシンクを感光体ドラムの側壁へ圧接する場合には、ヒートシンクがその円周方向に弾性を有していなくても良いことは勿論である。
【0025】
[2.第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態に係る潜像担持体について、図面を参照しつつ説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る潜像担持体を回転軸に垂直な断面で切断した場合の断面図であり、この潜像担持体が図1に示す潜像担持体と異なっている点は、ヒートシンク110aに替えてヒートシンク110bを有している点のみである。以下ではその相違点であるヒートシンク110bを中心とした説明を行う。
【0026】
図5は、ヒートシンク110bの斜視図である。ヒートシンク110bがヒートシンク110aと異なっている点は、図5に示すように、壁面が円周方向に山谷を繰り返す蛇腹状に形成されている点と、その壁面にスリット111が設けられていない点とである。つまり、ヒートシンク110bでは、壁面を蛇腹状に形成することによって、その表面積を大きくしているとともに、その蛇腹によって円周方向の弾性変形を可能にしている。ヒートシンク110bは、その外径が感光体ドラム10の内径よりも大きくなるように形成されており、上記蛇腹状に形成された側壁を円周方向に撓ませることによって、感光体ドラム10の内部へ挿入することができる。
【0027】
このようなヒートシンク110bが感光体ドラム10の内部に挿入されているため、本実施形態に係る潜像担持体も、前述した第1実施形態における潜像担持体と同一の特徴を有しており、その効果も同一である。
【0028】
[3.変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で様々な変形が可能である。なお、変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
【0029】
(3−1:変形例1)
上述した第1および第2実施形態では、円筒体状に形成されその外周表面に感光層が設けられている感光体ドラムを潜像担持体として有する画像形成装置に本発明を適用する場合について説明した。しかしながら、帯状に形成された感光体(以下、「感光体ベルト」と呼ぶ)とその感光体ベルトを担持し摺動させる円筒体とを潜像担持体として有する画像形成装置に対して、本発明を適用することも可能である。具体的には、上記円筒体の内部にヒートシンク110a或いは110bを挿入することにより係る画像形成装置に本発明を適用することが可能である。このようにすると、上記感光体ベルトに加えられた熱をヒートシンク110a或いは110bによって放熱させ易くすることができるとともに、その感光体ベルトに加えられた熱を放熱させ易い位置にその感光体ベルトを取り回すことができ、感光体ベルトに加えられた熱をさらに放熱させ易くすることができるといった効果を奏する。
【0030】
(3−2:変形例2)
上述した第1実施形態では、ヒートシンク110aの内周表面に板状のフィン(図6左側参照)を設けておくことにより、その表面積を大きくする場合について説明した。しかしながら、表面積を大きくするためのフィンの形状は、係る板形状に限定されるものではない。例えば、図6右側に示す様に、回転軸に向かって突出する突起形状であっても勿論良い。要は、ヒートシンクの表面積を大きくすることができる形状であれば、いずれであっても良い。
【0031】
(3−3:変形例3)
上述した実施形態では、表面積が大きくなるように形成されたヒートシンクを潜像担持体の内壁に密着させることによって、この潜像担持体が印刷用新から受け取る熱を放熱し易いようにする場合について説明した。しかしながら、このようなヒートシンクを有する潜像担持体の内部に、例えば外気などの冷媒を流入させて、さらに冷却効果を向上させるとしても勿論良い。具体的には、図7に示すような機構を有する画像形成装置130を用いることにより、以上に説明したことが達成される。図7に示す画像形成装置130においては、吸気口130aから吸入された外気は、本発明に係る潜像担持体の内部に流し込まれ、前述したヒートシンクから放熱される熱を吸収し潜像担持体を冷却しつつ排気ダクト130bを経て排気ファン130cにより画像形成装置130の機外へ排出される。なお、潜像担持体の内部へ流入させる冷媒は、外気などの気体に限定されるものではなく液体であっても良いことは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、画像形成装置の内部を汚すことなく潜像担持体の表面温度の上昇を防止し印刷画像の画質の劣化を防ぐとともに、潜像担持体の振動を防止し騒音の発生を防止することができるといった効果を奏する。
【0033】
また、本発明によれば、両面印刷を行う際にその処理速度を向上させることが可能になるといった効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る潜像担持体を回転軸に垂直な断面で切断した場合の断面図である。
【図2】同感光体ドラム10に挿入されているヒートシンク110aの斜視図である。
【図3】同ヒートシンク110aの内部に挿入される弾性部材120の斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る潜像担持体を回転軸に垂直な断面で切断した場合の断面図である。
【図5】同感光体ドラム10に挿入されているヒートシンク110bの斜視図である。
【図6】変形例1に係るヒートシンクを説明するための図である。
【図7】変形例2に係る画像形成装置の構成を説明するための図である。
【図8】従来の画像形成装置の構成例を示す図である。
【図9】潜像担持体の振動を防止する従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
10…感光体ドラム、20…帯電装置、30…露光装置、40…現像装置、50…転写ロール、60…用紙トレイ、70…転写用紙、80…定着装置、90…クリーナ、110a、110b…ヒートシンク、111、121、122…スリット、112…フィン、120…弾性部材、130a…吸気口、130b…排気ダクト、130c…排気ファン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜像担持体およびこれを用いる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、例えば、電子写真方式のプリンタなど、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置の構成を示す図である。図8において、感光体ドラム10は円筒体状に形成されており、その外周表面には感光層が設けられている。この感光体ドラム10は、図示しない駆動機構によって矢印方向に所定のプロセススピードで回転駆動され、以下に説明するように、電子写真技術により形成される静電潜像を担持する潜像担持体として機能する。帯電装置20は、感光体ドラム10を一様に帯電させるために交流電圧を印加するものであり、感光体ドラム10の外周表面に接触するような位置に配置されている。この帯電装置20のドラム回転方向下流側には、LEDヘッドなどの露光手段を含む露光装置30が配置されている。この露光装置30は、帯電装置20によって一様に帯電された感光体ドラム10の表面に画像を露光する。これにより、感光体ドラム10の外周表面に静電潜像が形成される。このようにして形成された静電潜像は、現像装置40によって現像されてトナー像となる。このトナー像は、転写ロール50から感光体ドラム10方向の押圧力によって、用紙トレイ60から供給される転写用紙70に転写される。このようにしてトナー画像を転写された転写用紙70は定着装置80によって加熱される。このような加熱が施されると、転写用紙70に転写されたトナー画像を形成しているトナー粉が融解し、転写用紙70に定着する。この後、クリーニングブレードを有するクリーナ90によって感光体ドラム10の外周表面から残留トナーや紙粉等が除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。なお、図8に示す画像形成装置において、両面印刷を行う場合には、まず、転写用紙70の一方の面に対して上述した画像形成工程が施されたのち、この転写用紙70は、図8において点線で示す経路で運搬され、その他方の面に対して上述した画像形成工程を施され、両面印刷が完了する。
【0003】
図8に示す画像形成装置においては、帯電装置20によって印加される交流電圧によって感光体ドラム10が共振し、その振動により騒音が発生するといった問題点がある。この問題点を解決するための技術としては、特許文献1や特許文献2に開示された技術が挙げられる。
【0004】
特許文献1に開示された技術では、所定の充填物を感光体ドラムの内部に挿入しておくことにより、感光体ドラムの全体積に対する重さを所定の値以上にし、その振動を防止している。なお、特許文献1では、上記所定の充填物として、以下に述べる3種類のものが例示されている。第1に、C字形状の断面を有しその外周表面が感光体ドラムの内周表面に圧接するようなものである。第2に、液体、粉体、および液体と粉体との混合物である。そして、第3に、上記潜像担持体の基体の内周表面と接する外周表面を備えたコイルバネである。
【0005】
また、特許文献2に開示されている技術では、図9に示すように、上記潜像担持体として機能する感光体ドラム10の内部からその側壁を裏打ちする裏打ち部材11をその感光体ドラム10の内部へ挿入しておくことにより、潜像担持体の振動を防止している。
【0006】
ところで、従来の画像形成装置においては、上述した潜像担持体の振動の他にも、前述した両面印刷を行う場合に以下に述べるような問題が発生する。前述したように、両面印刷を行う場合には、まず、転写用紙の一方の面に対して画像形成工程を施す。画像形成工程においては、転写用紙にトナー画像を定着させるために、その転写用紙に熱が加えられる。このようにして加えられた熱が放熱しきっていない状態で、転写用紙の他方の面に画像形成工程を施してしまうと、転写用紙が帯びている熱によって、感光体ドラムが加熱されてしまう。感光体ドラムが加熱されその表面温度が上昇してしまうと、その電気的特性が変化したり、その光学特性が変化したりしてしまい、感光体ドラム上に形成される静電潜像の質が劣化してしまう虞がある。このように質が劣化した静電潜像を現像したとしても、画質の劣化した画像しか得ることができない。また、感光体ドラムの表面温度がトナー粉の融解温度を超えてしまうと、感光体ドラムの外周表面にトナー粉が融着してしまい、感光体ドラムそのものを毀損してしまうといった問題点もある。このようなことを回避するため、転写用紙の一方の面に対して画像形成工程を施した後に、充分な時間が経過し、その転写用紙に加えられた熱が充分に放熱しきるまで、他方の面に対して画像形成工程を施さないようにすることも考えられるが、両面印刷を行う場合の処理速度が低下してしまい好ましくない。上記問題点を、処理速度の低下を招くことなく解決する技術としては、特許文献3に開示されている技術が挙げられる。
【0007】
特許文献3には、潜像担持体の表面上に形成されたトナー画像が転写され、このトナー画像を転写用紙に熱的に転写し定着させる中間転写ドラムを有する画像形成装置において、この中間転写ドラムから熱を加えられることにより、潜像担持体の表面温度が上昇することを防止する技術が開示されている。具体的には、中間転写ドラムに冷気を吹き付ける冷却ファンなどの冷却手段を設け、中間転写ドラムを冷却することにより、潜像担持体が中間転写ドラムから加熱されることを防止している。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−19377号公報
【特許文献2】
特開平2002−244488号公報
【特許文献3】
特開平9−258570号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3に開示されている技術によれば、上記冷却手段により画像形成装置内部に空気の流れが生じ、この空気の流れによって上記画像形成工程に用いられているトナー粉が舞い飛び、画像形成装置の内部が汚れてしまうといった新たな問題を引き起してしまう虞があり好ましくない。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、画像形成装置の内部を汚すことなく潜像担持体の表面温度の上昇を防止するとともに、潜像担持体の振動を防止する技術を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、電子写真により形成される潜像を担持するための感光体ドラムであって、円筒体状に形成されその外周表面に感光層が設けられている感光体ドラムと、前記感光体ドラムの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、該円筒体の回転軸と略平行に該円筒体の側壁を切断する1つのスリットが該側壁に設けられているとともに、該回転軸に向かって突出するフィンが該円筒体の内側に設けられているヒートシンクとを備え、前記感光体ドラムの内部には、前記スリットの幅を狭めるように円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されていることを特徴とする潜像担持体と、該潜像担持体を有する画像形成装置とを提供する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明は、電子写真により形成される潜像を担持するための感光体であって、帯状に形成された感光体と、前記感光体を担持し摺動させる円筒体と、前記円筒体の内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成されたヒートシンクであって、回転軸と略平行に側壁を切断する1つのスリットが設けられているとともに、該回転軸に向かって突出するフィンが内壁面に設けられているヒートシンクとを備え、前記円筒体の内部には、前記スリットの幅を狭めるように円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されていることを特徴とする潜像担持体と、該潜像担持体を有する画像形成装置とを提供する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明は、電子写真により形成される潜像を担持するための感光体ドラムであって、円筒体状に形成されその外周表面に感光層が設けられている感光体ドラムと、前記感光体ドラムの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、その側壁が円周方向に山谷を繰り返す蛇腹状に形成されているヒートシンクとを備え、前記感光体ドラムの内部には、前記蛇腹状に形成された側壁を円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されていることを特徴とする潜像担持体と、該潜像担持体を有する画像形成装置とを提供する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明は、電子写真により形成される潜像を担持するための感光体であって、帯状に形成された感光体と、前記感光体を担持し摺動させる円筒体と、前記円筒体の内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、その側壁が円周方向に山谷を繰り返す蛇腹状に形成されているヒートシンクとを備え、前記円筒体の内部には、前記蛇腹状に形成された側壁を円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されていることを特徴とする潜像担持体と、該潜像担持体を有する画像形成装置とを提供する。
【0015】
このような潜像担持体および画像形成装置によれば、上述した如く表面積が大きくなるように形成されたヒートシンクが上記感光体ドラムの内側からその側壁に圧接され、その感光体ドラムの振動が防止されるとともに、その感光体ドラムに加えられた熱を放熱させ易くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
[1.第1実施形態]
本実施形態に係る画像形成装置の構成は、潜像担持体を除いて、図8に示す画像形成装置の構成と同一であるため、以下ではその相違点である潜像担持体を中心とした説明を行う。
【0018】
図1は、本実施形態に係る潜像担持体をその回転軸に垂直な平面で切断した場合の断面図である。図1に示されているように、本実施形態に係る潜像担持体は、中空円筒形状に形成されその外周表面上に感光層が設けられている感光体ドラム10と、この感光体ドラム10の内部に挿入されているヒートシンク110aとを有している。このヒートシンク110aは、例えば、アルミニウムや銅などの熱伝導率の高い金属で円筒形状に形成された本体を有しており、上記感光体ドラム10と略同じ全長を有している。図2は、本実施形態に係るヒートシンク110aの斜視図であり、図2に示すように、ヒートシンク110aの本体の壁面には、その壁面を切断し回転軸に略平行なスリット111が形成されている。このようなスリット111が設けられているため、スリット111の幅を狭めるようにヒートシンク110aの本体を円周方向に撓ませ弾性変形させることができる。さらに、このヒートシンク110aの本体の内周表面には、回転軸に向かって半径方向に突出し該回転軸に平行に延在する6枚のフィン112が上記スリット111とは異なる位置に円周方向に等間隔で設けられている。このようなフィン112をヒートシンク110aの内周表面に設ける理由は、ヒートシンク110aの表面積を大きくし、このヒートシンク110aに加えられた熱を放熱し易くするためである。なお、本実施形態においては、ヒートシンク110aの内周表面に6枚のフィンが形成されている場合について説明するが、フィンの枚数は6枚に限定されるものではない。また、本実施形態では、複数のフィンが円周方向に等間隔で設けられている場合について説明するが、等間隔に設置されていなくても良いことは勿論である。要は、スリット111aが設けられている位置と異なる位置であれば、どのような位置にフィンが設けられていても良い。
【0019】
このヒートシンク110aは、上記スリット111の幅の分だけその外径が上記感光体ドラム10の内径よりも大きく形成されており、このスリット111の幅を狭めるようにヒートシンク110aの本体を円周方向に撓ませることによって上記感光体ドラム10の内部へ挿入できるようになっている。このようにして感光体ドラム10の内部に挿入されたヒートシンク110aは、その弾性によって円周方向の撓みを解消しようとし、感光体ドラム10の円周表面を内部から押圧する。
【0020】
このようなヒートシンク110aが挿入されているため、本実施形態に係る潜像担持体は、以下に述べる2つの特徴を有している。すなわち、第1の特徴は、ヒートシンク110aによって感光体ドラム10の側壁が内側から押圧されているため、その側壁が振動しにくくなっていることである。このため、感光体ドラム10を一様帯電させる際にその側壁の振動による騒音の発生が防止されるといった効果を奏する。
【0021】
また、本実施形態に係る潜像担持体の有する第2の特徴は、熱伝導率の高い材料を用いて表面積が大きくなるように形成されたヒートシンク110aが感光体ドラム10の側壁に圧接しているため、感光体ドラム10に加えられた熱を放熱し易くなっていることである。このため、感光体ドラム10の外周表面に冷気を吹き付けるなどの冷却を施さなくても、感光体ドラム10に加えられた熱が放熱されその表面温度の上昇が防止される。このため、印刷画像の画質の劣化が防止されるといった効果を奏する。
【0022】
さらに、本実施形態に係る潜像担持体によれば、感光体ドラム10の表面温度の上昇が防止されるため、両面印刷を行う際の処理速度を向上させることが可能になるといった効果も奏する。
【0023】
なお、上述した実施形態では、ヒートシンク110aの円周方向の弾性によりヒートシンク110aを感光体ドラム10の内周表面に圧接させる場合について説明したが、酸化アルミニウムや酸化銀などの熱伝導酸化金属が配合された熱伝導グリスなどを感光体ドラム10の内周表面に塗布しておき、感光体ドラム10の内周表面とヒートシンク110aとの間に隙間が生じないようにするとしても勿論良い。
【0024】
また、プラスチックやエラストマなどの弾性材料を図3上側に示すような形状に成型した弾性部材120をヒートシンク110aの内部に挿入するとしても勿論良い(図3下側参照)。図3上側に示されるように、弾性部材120は、回転軸に略平行なスリット121で側壁が切断された欠円筒形状を有し、ヒートシンク110aのフィン112と嵌合するスリット122がその側壁に形成されている。この弾性部材120は、その外径がスリット121の幅の分だけヒートシンク110aの内径よりも大きく形成されており、スリット121の幅が狭くなるように円周方向に撓ませることによって、ヒートシンク110aの内部へ挿入することができる。このようにすると、ヒートシンク110aの弾性力に加え、この充填物120の弾性力によってヒートシンク110aが感光体ドラム10の側壁により強く圧接される。このため、感光体ドラム10がさらに振動しにくくなるとともに、感光体ドラム10に加えられた熱をさらに放熱させ易くなるといった効果を奏する。なお、このような弾性部材によってヒートシンクを感光体ドラムの側壁へ圧接する場合には、ヒートシンクがその円周方向に弾性を有していなくても良いことは勿論である。
【0025】
[2.第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態に係る潜像担持体について、図面を参照しつつ説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る潜像担持体を回転軸に垂直な断面で切断した場合の断面図であり、この潜像担持体が図1に示す潜像担持体と異なっている点は、ヒートシンク110aに替えてヒートシンク110bを有している点のみである。以下ではその相違点であるヒートシンク110bを中心とした説明を行う。
【0026】
図5は、ヒートシンク110bの斜視図である。ヒートシンク110bがヒートシンク110aと異なっている点は、図5に示すように、壁面が円周方向に山谷を繰り返す蛇腹状に形成されている点と、その壁面にスリット111が設けられていない点とである。つまり、ヒートシンク110bでは、壁面を蛇腹状に形成することによって、その表面積を大きくしているとともに、その蛇腹によって円周方向の弾性変形を可能にしている。ヒートシンク110bは、その外径が感光体ドラム10の内径よりも大きくなるように形成されており、上記蛇腹状に形成された側壁を円周方向に撓ませることによって、感光体ドラム10の内部へ挿入することができる。
【0027】
このようなヒートシンク110bが感光体ドラム10の内部に挿入されているため、本実施形態に係る潜像担持体も、前述した第1実施形態における潜像担持体と同一の特徴を有しており、その効果も同一である。
【0028】
[3.変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で様々な変形が可能である。なお、変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
【0029】
(3−1:変形例1)
上述した第1および第2実施形態では、円筒体状に形成されその外周表面に感光層が設けられている感光体ドラムを潜像担持体として有する画像形成装置に本発明を適用する場合について説明した。しかしながら、帯状に形成された感光体(以下、「感光体ベルト」と呼ぶ)とその感光体ベルトを担持し摺動させる円筒体とを潜像担持体として有する画像形成装置に対して、本発明を適用することも可能である。具体的には、上記円筒体の内部にヒートシンク110a或いは110bを挿入することにより係る画像形成装置に本発明を適用することが可能である。このようにすると、上記感光体ベルトに加えられた熱をヒートシンク110a或いは110bによって放熱させ易くすることができるとともに、その感光体ベルトに加えられた熱を放熱させ易い位置にその感光体ベルトを取り回すことができ、感光体ベルトに加えられた熱をさらに放熱させ易くすることができるといった効果を奏する。
【0030】
(3−2:変形例2)
上述した第1実施形態では、ヒートシンク110aの内周表面に板状のフィン(図6左側参照)を設けておくことにより、その表面積を大きくする場合について説明した。しかしながら、表面積を大きくするためのフィンの形状は、係る板形状に限定されるものではない。例えば、図6右側に示す様に、回転軸に向かって突出する突起形状であっても勿論良い。要は、ヒートシンクの表面積を大きくすることができる形状であれば、いずれであっても良い。
【0031】
(3−3:変形例3)
上述した実施形態では、表面積が大きくなるように形成されたヒートシンクを潜像担持体の内壁に密着させることによって、この潜像担持体が印刷用新から受け取る熱を放熱し易いようにする場合について説明した。しかしながら、このようなヒートシンクを有する潜像担持体の内部に、例えば外気などの冷媒を流入させて、さらに冷却効果を向上させるとしても勿論良い。具体的には、図7に示すような機構を有する画像形成装置130を用いることにより、以上に説明したことが達成される。図7に示す画像形成装置130においては、吸気口130aから吸入された外気は、本発明に係る潜像担持体の内部に流し込まれ、前述したヒートシンクから放熱される熱を吸収し潜像担持体を冷却しつつ排気ダクト130bを経て排気ファン130cにより画像形成装置130の機外へ排出される。なお、潜像担持体の内部へ流入させる冷媒は、外気などの気体に限定されるものではなく液体であっても良いことは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、画像形成装置の内部を汚すことなく潜像担持体の表面温度の上昇を防止し印刷画像の画質の劣化を防ぐとともに、潜像担持体の振動を防止し騒音の発生を防止することができるといった効果を奏する。
【0033】
また、本発明によれば、両面印刷を行う際にその処理速度を向上させることが可能になるといった効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る潜像担持体を回転軸に垂直な断面で切断した場合の断面図である。
【図2】同感光体ドラム10に挿入されているヒートシンク110aの斜視図である。
【図3】同ヒートシンク110aの内部に挿入される弾性部材120の斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る潜像担持体を回転軸に垂直な断面で切断した場合の断面図である。
【図5】同感光体ドラム10に挿入されているヒートシンク110bの斜視図である。
【図6】変形例1に係るヒートシンクを説明するための図である。
【図7】変形例2に係る画像形成装置の構成を説明するための図である。
【図8】従来の画像形成装置の構成例を示す図である。
【図9】潜像担持体の振動を防止する従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
10…感光体ドラム、20…帯電装置、30…露光装置、40…現像装置、50…転写ロール、60…用紙トレイ、70…転写用紙、80…定着装置、90…クリーナ、110a、110b…ヒートシンク、111、121、122…スリット、112…フィン、120…弾性部材、130a…吸気口、130b…排気ダクト、130c…排気ファン。
Claims (7)
- 電子写真により形成される潜像を担持するための感光体ドラムであって、円筒体状に形成されその外周表面に感光層が設けられている感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、該円筒体の回転軸と略平行に該円筒体の側壁を切断する1つのスリットが該側壁に設けられているとともに、該回転軸に向かって突出するフィンが該円筒体の内側に設けられているヒートシンクと
を備え、
前記感光体ドラムの内部には、前記スリットの幅を狭めるように円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されている
ことを特徴とする潜像担持体。 - 電子写真により形成される潜像を担持するための感光体であって、帯状に形成された感光体と、
前記感光体を担持し摺動させる円筒体と、
前記円筒体の内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成されたヒートシンクであって、回転軸と略平行に側壁を切断する1つのスリットが設けられているとともに、該回転軸に向かって突出するフィンが内壁面に設けられているヒートシンクと
を備え、
前記円筒体の内部には、前記スリットの幅を狭めるように円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されている
ことを特徴とする潜像担持体。 - 前記ヒートシンクの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成された弾性部材であって、該円筒体の回転軸と略平行に該円筒体の側壁を切断する第1のスリットが該側壁に設けられているとともに、前記フィンと嵌合し該フィンを該弾性部材の内周表面から突出させる第2のスリットが該側壁に設けられている弾性部材を備え、
前記ヒートシンクの内部には、前記第1のスリットの幅を狭めるように円周方向に撓ませた前記弾性部材が挿入されている
ことを特徴とする請求項1乃至2の何れか1に記載の潜像担持体。 - 電子写真により形成される潜像を担持するための感光体ドラムであって、円筒体状に形成されその外周表面に感光層が設けられている感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、その側壁が円周方向に山谷を繰り返す蛇腹状に形成されているヒートシンクと
を備え、
前記感光体ドラムの内部には、前記蛇腹状に形成された側壁を円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されている
ことを特徴とする潜像担持体。 - 電子写真により形成される潜像を担持するための感光体であって、帯状に形成された感光体と、
前記感光体を担持し摺動させる円筒体と、
前記円筒体の内径よりも大きな外径を有する円筒体状に形成され、その側壁が円周方向に山谷を繰り返す蛇腹状に形成されているヒートシンクと
を備え、
前記円筒体の内部には、前記蛇腹状に形成された側壁を円周方向に撓ませた前記ヒートシンクが挿入されている
ことを特徴とする潜像担持体。 - 請求項1乃至5の何れか1に記載の潜像担持体を有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記ヒートシンクの内部に冷媒を流入させ該ヒートシンクを冷却する冷却手段を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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JP2003173995A JP2005010428A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 潜像担持体および画像形成装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009037796A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-02-19 | Toshiba Lighting & Technology Corp | 光源および照明装置 |
JP2014181082A (ja) * | 2013-03-18 | 2014-09-29 | Seiko Epson Corp | 画像記録装置 |
CN105301926A (zh) * | 2014-06-23 | 2016-02-03 | 富士施乐株式会社 | 接触部件、图像承载体和图像形成装置 |
-
2003
- 2003-06-18 JP JP2003173995A patent/JP2005010428A/ja active Pending
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US9471025B2 (en) | 2014-06-23 | 2016-10-18 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Contact member, image carrier, and image forming apparatus |
CN105301926B (zh) * | 2014-06-23 | 2018-05-18 | 富士施乐株式会社 | 接触部件、图像承载体和图像形成装置 |
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