JP2005010399A - 画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置において、2台の画像表示プロジェクタによる画像を素早く切替えて表示する。
【解決手段】スクリーン装置1の画像表示面3は、縦横に配列された多数の光反射素子により構成されている。各光反射素子の光反射面は、光反射面と画像表示面3との成す角度が略30°の状態に画像表示面3の正面方向Cを基準として右方向R又は左方向Lへ選択的に傾けられる。2台の画像表示プロジェクタ2A,2Bを用いて右方向R及び左方向Lから画像表示面3との成す角度が略30°で画像投射光20a,20bを投射し、画像表示面3を構成する各光反射素子の光反射面を右方向R又は左方向Lに選択的に傾けることにより、画像表示プロジェクタ2A,2Bの何れか一方の画像投射光20a,20bを画像表示面3の正面方向に反射させて、その画像を表示できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示プロジェクタから投射される画像投射光を反射して画像を表示する画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、パソコンやビデオカメラ等からの画像データを基に、ランプから出射される光を用いて画像形成素子により画像を形成し、その形成画像を投射してスクリーンに表示させるプロジェクタがある。このようなプロジェクタに用いられるプロジェクタ用のスクリーンは、プロジェクタから投射される画像が照射されて画像を表示する画像表示面を有している。画像表示面は、一般に、表面が白色に着色されている。プロジェクタ用のスクリーンは、プロジェクタから投射される画像投射光を画像表示面で反射することにより、その画像投射光による画像を画像表示面に映し出して表示するようになっている。
【0003】
また、2台のプロジェクタを用いてスクリーンに対して左右両斜め方向から同じ画像を投射し、それら同じ画像をスクリーン上で一致させて重ね合わせて表示することにより、観客に対して視野を妨害することなく、また、スクリーン上の画像の明るさを均一にする投影装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、複数のプロジェクタを用いて、スクリーンに表示される画像を合成したり、スクリーンに表示される画像の配置や大きさを自在に変えるようにしたマルチプロジェクションシステムが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、液晶プロジェクタの液晶パネル位置制御装置に関し、反射角度の調整が可能な2分割ミラーを用いて3原色の3枚の液晶パネルの角度を観察することにより、これら3枚の液晶パネルの配列調整を一度に正確に行えるようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−43874号公報
【特許文献2】
特開平10−301202号公報
【特許文献3】
特開平10−161238号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、1つのスクリーンに対して2台のプロジェクタを設置し、2台のプロジェクタによる画像を1つのスクリーンに交互に表示させるような場合がある。このような例としては、プロジェクタが正常に画像を投射するか否かを検査するために、2台のプロジェクタによる画像を1つのスクリーンに交互に表示させて、これら2つの画像を見較べて評価する場合である。このような画像表示プロジェクタの画像の検査は、人の脳裏に一方の画像の残像感があるうちに素早く他方の画像を表示させる必要がある。
【0006】
ところが、上述した従来のプロジェクタ用のスクリーンにおいては、2台のプロジェクタから同時に画像を投射すると、2台のプロジェクタからの画像が重ね合わさった状態に表示されてしまう。従って、2台のプロジェクタによる画像を1つのスクリーンに交互に表示させるには、2台の画像表示プロジェクタを各々画像の投射状態と非投射状態とに切替える必要がある。しかしながら、画像を非投射状態から投射状態に切替えて投射させるには、時間を要し、2台のプロジェクタによる画像を素早く切替えて表示することができない。このため、例えば上記の画像表示プロジェクタの画像を検査する場合には、一方の画像の残像感が消えてしまって、2つの画像を見較べることによる画像の検査を精度よく行うことができなかった。なお、上述した特許文献1乃至特許文献3に開示の内容を適用したとしても、上記の課題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、2台の画像表示プロジェクタによる画像を素早く切替えて表示することが可能な画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、画像表示プロジェクタから投射される画像投射光を反射することにより該画像投射光による画像を表示する画像表示面を備えた画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置において、画像表示面を構成する、画像投射光を反射する縦横に配列された多数の光反射素子と、各光反射素子を支持する支持板とを備え、各光反射素子は、画像投射光を反射する白色の光反射面と、光反射面が画像表示面の正面方向を基準として右方向及び左方向に傾き得るように支持板に回動自在に係合される光反射面の背後側に設けられた係合部と、光反射面を傾けるための磁力の作用を受ける光反射面の背後側に設けられた磁性体とを有し、支持板は、各光反射素子の係合部が回動自在に係合される各光反射素子に対応して設けられた多数の係合部と、各光反射素子の磁性体に磁力を作用させて、各光反射素子を画像表示面の正面方向を基準として右方向及び左方向に回動させる各光反射素子に対応して各係合部の右側及び左側に設けられた多数の電磁石と、電磁石の磁力による光反射素子の右方向及び左方向への回動時に光反射素子の背後側に当接して、光反射面と画像表示面との成す角度が略30°の状態に光反射面が右方向及び左方向へ傾くように、光反射素子の回動動作を規制する係合部の右側及び左側に設けられた規制部とを有し、光反射面と画像表示面との成す角度が略30°の状態に光反射面を右方向又は左方向へ傾けることにより、右方向及び左方向から画像表示面との成す角度が略30°で画像表示面に投射される2台の画像表示プロジェクタからの画像投射光のうちの何れか一方を選択的に各光反射素子により画像表示面の略正面方向に反射して、該画像投射光による画像を画像表示面に表示可能としたものである。
【0009】
この構成においては、画像表示面を構成する各光反射素子は、各光反射素子に対応して設けられた電磁石の磁力により、係合部を軸にして画像表示面の正面方向を基準として係合部を軸に右方向及び左方向に回動される。このとき、各光反射素子の光反射面は、各光反射素子の背後側が規制部に当接することにより、光反射面と画像表示面との成す角度が略30°で右方向及び左方向へ傾けられた状態となる。そして、各光反射素子の光反射面が右方向へ傾けられた状態では、右方向から画像表示面との成す角度が略30°で画像表示面に投射される光は、光反射面で画像表示面の正面方向に反射され、逆に、左方向から画像表示面との成す角度が略30°で画像表示面に投射される光は、光反射面と平行となるため光反射面で反射されない。一方、各光反射素子の光反射面が左方向へ傾けられた状態では、右方向から画像表示面との成す角度が略30°で画像表示面に投射される光は、光反射面と平行となるため光反射面で反射されず、逆に、左方向から画像表示面との成す角度が略30°で画像表示面に投射される光は、光反射面で画像表示面の正面方向に反射される。
【0010】
従って、画像表示プロジェクタを画像表示面の正面の右側又は左側に設置し、右方向又は左方向から画像表示面との成す角度が略30°で画像投射光を画像表示面に投射すれば、各光反射素子の光反射面の向きを右方向と左方向とに選択的に変えることにより、画像表示面に画像が表示される表示状態と画像が表示されない非表示状態とを素早く切替えることができる。このとき、画像表示面との成す角度が略30°で投射される画像投射光は、画像表示面の正面方向に反射される状態と画像表示面から反射されない状態とに切替えられるため、画像の表示状態と非表示状態とが確実に切替えられる。
【0011】
また、例えば、2台の画像表示プロジェクタを画像表示面の正面の左右両側に設置して右方向及び左方向から画像表示面との成す角度が略30°で同時に画像投射光を投射すれば、各光反射素子の光反射面の向きを右方向と左方向とに選択的に変えることにより、2台の画像表示プロジェクタからの画像投射光のうちの何れか一方を選択的に反射させて、2台の画像表示プロジェクタによる画像を素早く切替えて表示することができる。このとき、一方の画像表示プロジェクタから投射される画像投射光は画像表示面の正面方向に反射される状態となり、他方のプロジェクタから投射される画像投射光は、画像表示面から反射されない状態となるため、2台のプロジェクタによる画像は、交じり合うことがなく確実に切り替えられると共に、画像表示面の正面に向けて最も明るく表示される。
【0012】
請求項2の発明は、画像表示プロジェクタから投射される画像投射光を反射することにより該画像投射光による画像を表示する画像表示面を備えた画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置において、画像表示面を構成する、画像投射光を反射する縦横に配列された多数の光反射素子を備え、各光反射素子の画像投射光を反射する光反射面が、画像表示面の正面方向を基準として任意の方向に傾き得るものである。
【0013】
この構成においては、画像表示プロジェクタを画像表示面の正面の横側に設置して画像投射光を画像表示面に対して斜めに投射し、画像表示面を構成する各光反射素子の光反射面を画像表示プロジェクタの設置側に傾けると、画像投射光は各光反射素子にて反射されて画像表示面に画像が表示される。また、各光反射素子の光反射面を画像表示プロジェクタの設置側と反対側に傾けると、画像投射光は各光反射素子にて反射されず、画像表示面には画像が表示されない。従って、光反射素子の光反射面の向きを変えることにより、画像表示プロジェクタから画像投射光を投射したままの状態で、画像が表示される表示状態と画像が表示されない非表示状態とを素早く切替えることができる。また、例えば、2台の画像表示プロジェクタを画像表示面の正面の左右両側に設置して2台の画像表示プロジェクタから同時に画像投射光を投射すれば、各光反射素子の光反射面の向きを2台の画像表示プロジェクタの設置側に選択的に変えることにより、2台の画像表示プロジェクタによる画像を素早く切替えて表示することができる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置において、各光反射素子は、光反射面が画像表示面の正面方向を基準として右方向及び左方向に傾き得るものであり、光反射面は、光反射面と画像表示面との成す角度が略30°の状態に右方向及び左方向へ選択的に傾けられるものである。
【0015】
この構成においては、画像表示面を構成する各光反射素子の光反射面が右方向へ傾けられた状態では、右方向から画像表示面との成す角度が略30°で投射される画像投射光は、光反射面で画像表示面の正面方向に反射され、左方向から画像表示面との成す角度が略30°で投射される画像投射光は、光反射面と平行となるため光反射面で反射されない。逆に、各光反射素子の光反射面が左方向へ傾けられた状態では、右方向から画像表示面との成す角度が略30°で投射される画像投射光は、光反射面と平行となるため光反射面で反射されず、左方向から画像表示面との成す角度が略30°で投射される画像投射光は、光反射面で画像表示面の正面方向に反射される。
【0016】
従って、右方向又は左方向から画像表示面との成す角度が略30°で画像投射光を投射すれば、各光反射素子の光反射面の向きを右方向と左方向とに選択的に変えることにより、画像の表示状態と非表示状態とが確実に切替えられる。また、2台の画像表示プロジェクタを用いて右方向及び左方向から画像表示面との成す角度が略30°で同時に画像投射光を投射すれば、各光反射素子の光反射面の向きを右方向と左方向とに選択的に変えることにより、2台のプロジェクタによる画像は、交じり合うことがなく確実に切り替えられると共に、画像表示面の正面に向けて最も明るく表示される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図2において、画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置1は、画像表示プロジェクタ2A,2Bから投射される画像投射光20a,20bによる画像を画像表示面3に表示するものであり、縦横に配列された多数の光反射素子4と、これら多数の光反射素子4を支持する支持板5とを備えており、縦横に配列された多数の光反射素子4により画像表示面3が構成されている。画像表示プロジェクタ2A,2Bは、各々、パソコンやビデオカメラ等からの画像データを基に、内蔵のランプ(不図示)から出射される光を用いて内蔵の画像形成素子(不図示)により画像を形成し、その画像を画像投射光20a,20bとして画像投射口21a,21bから投射する。
【0018】
スクリーン装置1は、画像表示プロジェクタ2A,2Bから投射される画像投射光20a,20bを画像表示面3(すなわち縦横に配列された多数の光反射素子4)で反射することにより、その画像投射光20a,20bによる画像を画像表示面3に映し出して表示する。また、このスクリーン装置1は、各光反射素子4の向きを変えることにより、画像表示プロジェクタ2A,2Bから、スクリーン装置1の正面(すなわち画像表示面3の正面)方向Cを基準として右方向R及び左方向Lから画像投射光軸22a,22bと画像表示面3との成す角度が略30°で同時に投射される画像の何れか一方を選択的に表示することを可能にしている。
【0019】
次に、上記光反射素子4及び支持板5の構成について、図3(a)(b)を参照して説明する。光反射素子4は、上記画像投射光20a,20bを反射するものであり、光反射面41と、軸支孔(係合部)42と、磁性体43とを備えている。この光反射素子4は、上述のように多数のものが縦横に配列されて支持板5に支持されている。
【0020】
光反射面41は、上記画像投射光20a,20bを反射する面であり、磁性体43の表面に白色の塗料が塗布されて形成されている。光反射面41は、例えば、一辺が4〜5[mm]程度の矩形状をしている。軸支孔42は、光反射面41がスクリーン装置1の正面方向Cを基準として右方向R及び左方向Lに傾き得るように、光反射素子4を水平面内で回動自在に支持板5の支持軸51に係合するものである。軸支孔42は、光反射面41の背後側に設けられており、鉛直方向に開口されている。磁性体43は、光反射素子4を回動させる(従って光反射面41を傾ける)ための磁力の作用を受けるものであり、水平面と平行な断面が軸支孔42を頂点とする略二等辺三角形をした略三角柱の形状をしている。この磁性体43の水平面と平行な断面における二等辺三角形の底辺と二等辺との成す角度は略30°となっている。
【0021】
支持板5は、各光反射素子4を支持するものであり、基板部51と、支持軸(係合部)52と、電磁石53a,53bと、規制部54a,54bとを備えている。基板部51は、樹脂やセラミック等の非磁性材料により形成されている。支持軸52は、各光反射素子4の軸支孔42が係合されるものであり、各光反射素子4に対応して多数のものが縦横に配列して設けられている。支持軸52は、鉛直方向に伸びている。電磁石53a,53bは、各光反射素子4の磁性体43に磁力を作用させて、光反射素子4を回動させるものであり、各光反射素子4に対応して各支持軸52の右側及び左側に設けられている。電磁石53a,53は、その一部が基板部51から露出するように支持板5に埋め込まれており、図示省略の通電部により通電制御されるようになっている。
【0022】
規制部54a,54bは、電磁石53a,53bの磁力による光反射素子4の回動動作時に、光反射素子4の回動動作を規制するために光反射素子4の背後側に当接される部位である。規制部54a,54bは、各光反射素子4に対応して各支持軸52の右側及び左側に設けられており、基板部51の表面の一部及び電磁石53a,53bの基板部51からの露出部により構成されている。
【0023】
次に、上記スクリーン装置1の光反射素子4による光反射動作について、図4(a)(b)を参照して説明する。スクリーン装置1は、図4(a)に示すように、各電磁石53aが通電されると、各光反射素子4が各電磁石53aの発生する磁力により画像表示面3(光反射素子4の配列面)の正面方向Cを基準として右方向Rに回動される。このとき、光反射素子4の背面は、規制部54aに当接される。規制部54aの表面(光反射素子4の背面が当接される面)は、画像表示面3と略平行でかつ支持軸51を通る平面となっている。従って、各光反射素子4が各電磁石53aの磁力により右方向Rに回動されると、各光反射素子4の背面が規制部54aの表面に当接して、光反射面41と画像表示面3との成す角度が略30°で光反射面41が右方向Rを向いて傾いた状態となる。
【0024】
このように各光反射素子4の光反射面41が右方向Rを向いた状態では、右方向Rから画像表示面3との成す角度が30°で投射される光Aは、各光反射素子4の光反射面41の法線Nに対して30°で入射し、各光反射素子4の光反射面41にて画像表示面3の正面方向に反射されることになる。また、この状態では、左方向Lから画像表示面3との成す角度が略30°で投射される光Bは、各光反射素子4の光反射面41と平行となるため、光反射面41で反射されない。
【0025】
一方、スクリーン装置1は、図4(b)に示すように、各電磁石53bが通電されると、各光反射素子4が各電磁石53bの発生する磁力により画像表示面3の正面方向Cを基準として左方向Lに回動される。このとき、光反射素子4の背面は、規制部54bに当接される。規制部54bの表面は、画像表示面3と略平行でかつ支持軸51を通る平面となっている。従って、各光反射素子4が各電磁石53bの磁力により右方向Lに回動されると、各光反射素子4の背面が規制部54bの表面に当接して、光反射面41と画像表示面3との成す角度が略30°で光反射面41が左方向Lを向いて傾いた状態となる。
【0026】
このように各光反射素子4の光反射面41が左方向Lを向いた状態では、右方向Rから画像表示面3との成す角度が30°で投射される光Aは、各光反射素子4の光反射面41と平行となるため、光反射面41で反射されない。また、この状態では、左方向Lから画像表示面3との成す角度が略30°で投射される光Bは、各光反射素子4の光反射面41の法線Nに対して30°で入射し、各光反射素子4の光反射面41にて画像表示面3の正面方向に反射されることになる。
【0027】
従って、例えば、図1に示すように、2台の画像表示プロジェクタ2A,2Bを画像表示面3の正面の左右両側に設置して、右方向R及び左方向Lから画像投射光軸22a,22bと画像表示面3との成す角度が略30°で画像投射光20a,20bを投射し、この状態で各光反射素子4の光反射面41を右方向Rに傾けたとする。すると、画像表示プロジェクタ2Aの画像投射光20aは、各光反射素子4の光反射面41で反射され、これにより、画像表示プロジェクタ2Aによる画像が画像表示面3に表示される。このとき、画像投射光20aは、概ね画像表示面3の正面方向Cに反射されるため、画像表示プロジェクタ10Aによる画像は、画像表示面3の正面方向Cに向けて最も明るく表示される。一方、画像表示プロジェクタ2Bの画像投射光20bは、各光反射素子4の光反射面41で殆ど反射されず、画像表示プロジェクタ2Bによる画像は画像表示面3に表示されない。
【0028】
また、このような画像表示プロジェクタ2A,2Bからの画像投射光20a,20bの投射状態で、各光反射素子4の光反射面41を左方向Lに傾けたとする。すると、画像表示プロジェクタ2Aの画像投射光20aは、各光反射素子4の光反射面41で殆ど反射されず、画像表示プロジェクタ2Aによる画像は画像表示面3に表示されない。一方、画像表示プロジェクタ2Bの画像投射光20bは、各光反射素子4の光反射面41で反射され、これにより、画像表示プロジェクタ2Bによる画像が画像表示面3に表示される。このとき、画像投射光20bは、概ね画像表示面3の正面方向Cに反射されるため、画像表示プロジェクタ2Bによる画像は、画像表示面3の正面方向Cに向けて最も明るく表示される。
【0029】
これにより、上記のように2台の画像表示プロジェクタ2A,2Bを画像表示面3の正面の左右両側に設置して、右方向R及び左方向Lから画像投射光軸22a,22bと画像表示面3との成す角度が略30°で画像投射光20a,20bを投射すれば、各光反射素子4の光反射面41の向きを右方向Rと左方向Lとに選択的に変えることにより、画像表示プロジェクタ2A,2Bによる画像を選択的に切替えて表示することができる。このようにすれば、各光反射素子4の光反射面41の向きを変える動作時間は、プロジェクタ2A,2Bを画像の非投射状態から投射状態に切替える動作時間よりも早いため、画像表示プロジェクタ2A,2Bによる画像を素早く瞬時に切替えて表示することができる。
【0030】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態において、光反射素子の光反射面の大きさは、画像表示プロジェクタの画像解像度等に応じて適宜の大きさのものでよく、光反射面の形状は、矩形状に限られず、例えば三角形や六角形等であってもよい。また、光反射素子は、磁性体の表面に光反射面を形成した構造に限られず、例えば白色の樹脂成形体の表面を光反射面とし、その樹脂成形体に磁性体を埋め込んだ構造であってもよい。光反射素子の回動方向は、左右方向(水平面内の回動)に限らず、他の方向に回動するものであってもよい。また、2台の画像表示プロジェクタに限らず、1台の画像表示プロジェクタを画像表示面3の正面の周囲に設置し、画像投射光を画像表示面3に対して斜めに投射して画像を表示させてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、画像表示面を構成する各光反射素子の光反射面が、光反射面と画像表示面との成す角度が略30°の状態に画像表示面の正面方向を基準として右方向及び左方向へ傾けられるため、2台の画像表示プロジェクタを画像表示面の正面の左右両側に設置して、各光反射素子の光反射面の向きを右方向又は左方向に変えることにより、2台の画像表示プロジェクタによる画像を瞬時に切替えて表示することができる。しかも、これらの画像を画像表示面の正面に向けて最も明るく表示することができる。また、2台の画像表示プロジェクタを画像表示面の正面の左右両側に設置することにより、画像表示面の正面を画像を見るための視野スペースとして使用できる。
【0032】
請求項2の発明によれば、画像表示面を構成する各光反射素子の光反射面が画像表示面の正面方向を基準として任意の方向に傾き得るため、2台の画像表示プロジェクタを画像表示面の正面の左右両側に設置して、各光反射素子の光反射面の向きを変えることにより、2台の画像表示プロジェクタによる画像を瞬時に切替えて表示することができる。また、2台の画像表示プロジェクタを画像表示面の正面の左右両側に設置することにより、画像表示面の正面を画像を見るための視野スペースとして使用できる。
【0033】
請求項3の発明によれば、各光反射素子の光反射面が光反射面と画像表示面との成す角度が略30°の状態に右方向及び左方向へ選択的に傾けられるため、2台の画像表示プロジェクタを用いて画像表示面に対して略30°の角度で右方向及び左方向から画像投射光を投射することにより、2台の画像表示プロジェクタによる画像を瞬時に切替えて表示できることに加え、それらの画像を画像表示面の正面から見て最も効果的に明るく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置の使用例を概略説明図。
【図2】同スクリーン装置の概略構成を示す斜視図。
【図3】(a)は同スクリーン装置の光反射素子及び支持板の構成を示す斜視図、(b)は(a)のP−P断面図。
【図4】(a)は同スクリーン装置の光反射素子による光反射動作を説明する光反射素子を右方向に回動させた状態の断面図、(b)は同光反射素子を左方向に回動させた状態の断面図。
【符号の説明】
1 画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置
2A,2B 画像表示プロジェクタ
3 画像表示面
4 光反射素子
5 支持板
41 光反射面
42 軸支孔(係合部)
43 磁性体
51 基板部
52 支持軸(係合部)
53a,53b 電磁石
54a,54b 規制部

Claims (3)

  1. 画像表示プロジェクタから投射される画像投射光を反射することにより該画像投射光による画像を表示する画像表示面を備えた画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置において、
    前記画像表示面を構成する、前記画像投射光を反射する縦横に配列された多数の光反射素子と、前記各光反射素子を支持する支持板とを備え、
    前記各光反射素子は、
    前記画像投射光を反射する白色の光反射面と、
    前記光反射面が前記画像表示面の正面方向を基準として右方向及び左方向に傾き得るように前記支持板に回動自在に係合される前記光反射面の背後側に設けられた係合部と、
    前記光反射面を傾けるための磁力の作用を受ける前記光反射面の背後側に設けられた磁性体とを有し、
    前記支持板は、
    前記各光反射素子の係合部が回動自在に係合される前記各光反射素子に対応して設けられた多数の係合部と、
    前記各光反射素子の磁性体に磁力を作用させて、前記各光反射素子を前記画像表示面の正面方向を基準として右方向及び左方向に回動させる前記各光反射素子に対応して前記各係合部の右側及び左側に設けられた多数の電磁石と、
    前記電磁石の磁力による前記光反射素子の前記右方向及び左方向への回動時に前記光反射素子の背後側に当接して、前記光反射面と前記画像表示面との成す角度が略30°の状態に前記光反射面が前記右方向及び左方向へ傾くように、前記光反射素子の回動動作を規制する前記係合部の右側及び左側に設けられた規制部とを有し、
    前記光反射面と前記画像表示面との成す角度が略30°の状態に前記光反射面を前記右方向又は左方向へ傾けることにより、前記右方向及び左方向から前記画像表示面との成す角度が略30°で前記画像表示面に投射される2台の画像表示プロジェクタからの画像投射光のうちの何れか一方を選択的に前記各光反射素子により前記画像表示面の略正面方向に反射して、該画像投射光による画像を前記画像表示面に表示可能としたことを特徴とする画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置。
  2. 画像表示プロジェクタから投射される画像投射光を反射することにより該画像投射光による画像を表示する画像表示面を備えた画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置において、
    前記画像表示面を構成する、前記画像投射光を反射する縦横に配列された多数の光反射素子を備え、
    前記各光反射素子の前記画像投射光を反射する光反射面が、前記画像表示面の正面方向を基準として任意の方向に傾き得るものであることを特徴とする画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置。
  3. 前記各光反射素子は、前記光反射面が前記画像表示面の正面方向を基準として右方向及び左方向に傾き得るものであり、
    前記光反射面は、前記光反射面と前記画像表示面との成す角度が略30°の状態に前記右方向及び左方向へ選択的に傾けられるものである請求項2に記載の画像表示プロジェクタ用のスクリーン装置。
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