JP2005010341A - ブレーズド型回折格子からなる光学シート - Google Patents

ブレーズド型回折格子からなる光学シート Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ブレーズド型回折格子の傾斜角を変化させることで光の射出角度を選択的に決定し、複数の異なる角度に光を射出することが可能で、射出光の角度や光量を制御することで、絵柄や文字、記号などのパターンを表示できる光学シートを提供することを目的とする。
【解決手段】基板表面上にブレーズド型回折格子が形成され配置された光学シートにおいて、空間周波数が同一と見なせるブレーズド型回折格子の傾斜角が均一でなく、部分的に異なることを特徴とするブレーズド型回折格子からなる光学シートである。
【選択図】図8

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ブレーズド型回折格子からなる光学シートに係り、更に詳しくは、複数の観察領域に選択的に光を射出する機能を有する光学シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
回折格子を基板表面上に構成した光学シートは、光の回折機能を利用して光の射出方向を任意に制御することができ、指向性のある光沢を表現することが可能であるためディスプレイの用途や偽造防止を目的としたセキュリティ用途、電子表示機器の光制御フィルム等に広く用いられている。このような回折格子による光学シートに用いられるバイナリ型回折格子はその断面が矩形状もしくは正弦波状であり、典型的な格子ピッチは0.5〜2μm程度、格子深さは0.1〜1μm程度である。矩形状もしくは正弦波状の断面形状を有するバイナリ型回折格子に対して垂直に光を入射した場合、その回折光は図1及び図2にそれぞれ示すように+n次の方向及び−n次の方向にほぼ均等に分布し、±1次回折光の光量がもっとも多く、次数が増えるに従い光量は減少していく。
【0003】
これまで、回折格子による光学シートとしてはこのバイナリ型回折格子を用いたものが一般的であったが、バイナリ型回折格子では十分な回折効率が得られないことや、多くの回折光が様々な方向に射出されてしまうことが問題であった。
【0004】
一方、図3のようにブレーズド型回折格子は、典型的な格子ピッチや格子深さはバイナリ型回折格子と同等であるが、その断面形状がのこぎり刃状であり、垂直方向からの入射光に対し回折角度と傾斜面による光の反射角とが一致した場合、その方向に非常に強い回折光が生じ、それ以外の方向には回折光がほとんどあらわれないという光学作用がある。すなわち、ブレーズド型回折格子は、バイナリ型回折格子と比較して非常に高い回折効率を得ることができ、また光の進行角度を厳密に制御できるという特徴をもっている。
【0005】
ブレーズド型回折格子のパラメータとして、
(1)回折格子の空間周波数(格子線のピッチ)
(2)回折格子の方向(格子線の方向)
(3)回折格子の傾斜角
の3つがあり、
(1)に応じて、定点に対してその回折格子が光って見える色が変化し、
(2)に応じて、その回折格子が光って見える方向が変化し、
(3)に応じて、その回折格子が光って見える角度が変化する。
【0006】
また図4のように断面形状が片側のみ階段状となっているブレーズド型回折格子でも鋸刃状の断面形状をもつブレーズド型回折格子よりは光の利用効率はやや劣るが同様に高い回折効率を有する回折光を得ることができる。
【0007】
従来のブレーズド型回折格子を利用した発明としては、空間周波数及び/または方向を様々に変化させたブレーズド型回折格子を配置したディスプレイが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0008】
上記特許文献1では、ブレーズド型回折格子の構成として、空間周波数及び/または方向を変化させているため、ブレーズド型回折格子が配置されたディスプレイを観察した際に色や光る方向等が変化し絵柄を表現することなどが可能であるが、ブレーズド型回折格子の傾斜角に関しては述べられていない。
【0009】
一般に、ブレーズド型回折格子に関わらず、バイナリ型回折格子であっても、それらの回折格子に光が入射した場合、回折格子の格子線ピッチ(空間周波数の逆数)によって決定される回折角度に合わせて複数の角度に光が射出され、それらの射出光は回折角度や入射光との向きをもとに±1,2,・・・,n次回折光と呼称される。
【0010】
ブレーズド型回折格子を構成する際には、図5に示したように、回折格子の空間周波数に基づいて決定される+1次回折光の射出される角度と傾斜面による反射光の射出角が同一となるように傾斜角θを決定することで、理論的には100%の回折効率を得ることができる。従来、ブレーズド型回折格子を作製する際には、最大の回折効率が得られるよう、このように+1次回折光の射出角に傾斜面による反射光の射出角を一致させることが一般的であるが、図6に示したように、+2次回折光の射出角度に合わせて傾斜角をθとしたり、さらに高次の回折光の射出角度に傾斜面による反射光の射出角を一致させることで+1次回折光の射出角とは異なる角度に高い回折効率をもつ光を射出することができる。また、回折光の射出角に反射光の射出角が一致しない方向に傾斜面を向けることでも光の射出角度を変化させることが可能である。
【0011】
このように、同一の空間周波数を有するブレーズド型回折格子であっても傾斜面の向きを任意に変化させることで光の射出角度及びその光量を選択的に決定することができる。
【0012】
このようなブレーズド型回折格子の作製方法としては、電子ビーム露光装置を用い、且つ、コンピュータ制御により、ステージ上に載置された平面状の基板にブレーズド型回折格子の形状を構成していく方法が知られている。例えば、ポジ型の感光材料に電子ビームを照射すると凹の形状が得られるが、電子ビームの照射時間を長くしたり、強度を高めることでより深い加工ができ、反対に電子ビームの照射時間を短くしたり、強度を下げることで浅い加工ができる。このような方法により、加工される溝の深さを任意に調節することでブレーズド型回折格子の形状を得ることができる。また、他にも複数枚のマスクパターンを用いてイオンビームによりエッチングする方法等が知られている。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−39508号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のようにブレーズド型回折格子の傾斜角を変化させることで光の射出角度を選択的に決定し、複数の異なる角度に光を射出することが可能である光学シートを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、
請求項1に記載の発明は、
基板表面上にブレーズド型回折格子が形成され配置された光学シートにおいて、空間周波数が同一と見なせるブレーズド型回折格子の傾斜角が均一でなく、部分的に異なることを特徴とするブレーズド型回折格子からなる光学シートである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、
前記ブレーズド型回折格子の傾斜面で反射する光の射出角とn次回折光(nは1以上の整数)の射出角のいずれかが一致していることを特徴とする請求項1記載のブレーズド型回折格子からなる光学シートである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、
前記ブレーズド型回折格子の傾斜角が、基板表面上にマトリクス状に複数個配置されたセル毎に変化していることを特徴とする請求項1乃至2記載のブレーズド型回折格子からなる光学シートである。
【0018】
請求項4に記載の発明は、
前記傾斜角が異なるブレーズド型回折格子を基板上に配置することで、絵柄や記号、文字等のパターンが表現されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブレーズド型回折格子からなる光学シートである。
【0019】
請求項5に記載の発明は、
前記傾斜角が異なるブレーズド型回折格子毎に、別々に絵柄や記号、文字等のパターンが表現されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブレーズド型回折格子からなる光学シートである。
【0020】
請求項6に記載の発明は、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のブレーズド型回折格子からなる光学シートを、液晶パネルの光制御シートとして用いることを特徴とするブレーズド型回折格子からなる光学シートである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図7は傾斜角が一定であるブレーズド型回折格子による光学シートの例である。ここで、説明を容易にするため基板表面上に配置されたブレーズド型回折格子の空間周波数及び方向は同一であると仮定する。ブレーズド型回折格子の空間周波数、方向及び傾斜角がいずれも同一である場合、図7のように垂直方向から光が入射した際の回折光の射出角度は一意に定まり、この回折光が観察される領域では高い光量が得られるがそれ以外の領域においてはほとんど射出光を得ることはできない。
【0022】
図8は請求項1記載の光学シートの構成例を示す説明図である。ここでも、基板表面上に配置されたブレーズド型回折格子の空間周波数及び方向は同一であるとする。請求項1記載のブレーズド型回折格子では空間周波数が同一であっても傾斜角が様々な値をとることが特徴である。図8のように場所に応じて3種類の傾斜角を有するブレーズド型回折格子を配置すれば回折光の射出角度も3通りにすることができる。図8のブレーズド型回折格子Aは傾斜角が浅く、入射光に近い角度θに光を射出し、Cは傾斜角が深く、入射光から離れた角度θに光を射出する。BはA及びCの中間的な角度θが光の射出角度となる。このような機能により、複数の観察角度に対し選択的に回折光を分配することが可能である。
【0023】
図8においては回折光の射出角度が3通りとなる例を示したが、傾斜角を様々に変化させたブレーズド型回折格子を多数構成し、それらを隣接して配置することで広い観察領域で途切れることなく回折光を得ることもできる。逆に、基板上の領域毎に傾斜角を変化させることである観察領域に対する回折光の射出量を変え、明暗の変化を表現することも可能である。
【0024】
これまでに説明したように、ブレーズド型回折格子の傾斜角を変化させることにより回折光の射出角度を制御することができる。この際に、図6に示したようにブレーズド型回折格子の傾斜面による反射光の角度をn次回折光(nは1以上の整数)の射出角のいずれかにほぼ一致させることで、その角度に対し、高い回折効率を有する射出光を得ることができる。通常、ブレーズド型回折格子の傾斜角度を決定する際は、その回折格子からの射出光の回折効率を可能な限り高くする(100%に近づける)ために、図5のように+1次回折光の射出角度を基準とするが、他の高次(2次以上)回折光の射出角度にブレーズド型回折格子の傾斜面の反射角度を合わせることで、+1次の角度に一致させた場合よりは劣るが、その角度に高い回折効率をもつ回折光を射出させることができるのである。このように、回折格子の空間周波数により一意に決定される回折光の射出角度と傾斜面による反射光の角度を一致させ、図8に示したような光学シートを構成すると、傾斜面の反射光の角度を一致させていない場合と比較して高い回折効率を得ることが可能である(請求項2)。
【0025】
図9は請求項3記載の光学シートの構成例を示す説明図である。基板表面上にマトリクス状に領域分割されたセルに各々空間周波数や方向を変化させたブレーズド型回折格子を構成し、それらのブレーズド型回折格子の傾斜角度を任意に変化させることで、セル毎に回折光の射出角度を制御することができる。基板上をセル単位に分割し、その内部のブレーズド型回折格子はセル毎に固有の空間周波数、方向、傾斜角度を有するものとすることで、基板上の領域毎にブレーズド型回折格子のパラメータを取り扱うことができ、設計や作製が容易になるといった効果が得られる。尚、基板上のセルは全てが同じ大きさ(面積)である必要はなく、それぞれ固有の大きさや形状、面積とすることができる。ここで、セル面積を変化させることで回折格子の構成面積を変え、射出光の光量を増減することも可能である。図9においては、セルがそれぞれ長方形であり、上下方向にセルの長さを変化させた例を示した。
【0026】
また、本発明の傾斜角を任意に選択できるブレーズド型回折格子を用いれば、基板上で様々な角度、方向に、様々な色の回折光を射出できることから、定点から観察した際に絵柄や文字、記号等を知覚させるパターンを実現できることも明らかである(請求項4)。
【0027】
例えば図10に示すように、基板上を10(横)×5(縦)のマトリクス状に配置されたセルに分割し、空間周波数及び方向が異なるブレーズド型回折格子により文字「T」が表現されているとする。ここで、同一の空間周波数及び方向をもち、且つ傾斜面による反射光角度がそれぞれ+1次回折光の角度、及び+2次回折光の角度に一致しているブレーズド型回折格子セルが左右に対になって配置されているとする。このような光学シートを観察した場合、+1次回折光を観察できる領域でも+2次回折光を観察できる領域でも文字「T」を知覚することができる。通常の+1次回折光の角度のみに傾斜面の反射光角度が一致しているブレーズド型回折格子では観察する角度が変わると絵柄の明るさが大きく変化してしまうが、傾斜面が複数の角度を成しているブレーズド型回折格子を用いることでこれまでは不可能であった、複数の次数の回折光が射出される角度で絵柄を観察することが可能となる。尚、図10においては、+1次回折光に傾斜面による反射光角度が一致している回折格子を白色、+2次回折光に一致している回折格子を灰色で示した。また、図10においては、簡単化のため、計50個のセルで文字「T」を表現したが、より小さいセルを多数用いたほうが、観察時により高品質で解像度の高い文字が表現できる。
【0028】
また、請求項5により実現される光学シートの実施例を図11に示す。図11に示すように基板上に小円(内側)を表現するブレーズド型回折格子と大円(外側)を表現するブレーズド型回折格子が配置されているとする。小円を表現するブレーズド型回折格子は+1次回折光の射出角度に傾斜面による反射光角度が一致しており、一方、大円のブレーズド型回折格子は+2次回折光の射出角度に傾斜面による反射光角度が一致している構成であるとする。このような光学シートを観察すると、+1次回折光の観察領域では小円が明るく観察され、一方、+2次回折光の観察領域では大円が明るく観察される。通常のバイナリ型回折格子では、双方からの射出光が混ざってしまい片方の円だけを観察することは不可能であり、また、+1次回折光の角度のみに傾斜面による反射光角度が一致しているブレーズド型回折格子では+2次回折光は射出されないため上記のような角度に依存して別々の絵柄を表示する機能を実現することはできない。
【0029】
尚、これまでの説明では入射光が基板の表面で反射する、反射型のブレーズド型回折格子による原理や実施例を示したが、入射光が基板を透過する、透過型のブレーズド型回折格子についても同様の効果が実現できる。反射型のブレーズド型回折格子を作製するには、格子形状の表面にAl(アルミ)やAg(銀)を蒸着もしくはスパッタリングしたり、または、金属で格子形状そのものを作製する方法がある。一方、透過型のブレーズド型回折格子を作製するには、加工後も光透過性のある熱可塑性の樹脂や、紫外線硬化性の樹脂により格子形状を作製する方法がある。
【0030】
また、ブレーズド型回折格子として、直線状のものを例示してきたが、曲線状のものであってもよい。
【0031】
図12は、本発明による光学シートを反射体として用いて、透過型液晶パネルの背面に配置した場合の構成例を示す断面図である。 図12に示すように、周辺環境光などの外光15は、透過型液晶パネル10を通過した後、その背面に配置された光学シート20のブレーズド型回折格子12上の反射面14で回折反射した光16が、透過型液晶パネル10を再度照明することにより、画像表示光として射出し、パターンの表示を行なう。
【0032】
図13は、本発明による光学シートを透過体(または、半透過体)として用いて、反射型液晶パネル(透過型液晶パネルの背面に光反射層を設けた構成)の前面に配置した場合の構成の一例を示す断面図である。このように、光学シートを透過体(または、半透過体)として用いる場合には、光反射層が全反射性であると、背面の液晶パネル側には至らずにディスプレイとして機能しないため、光反射層としては透過性を持たせる必要があり、光学シートには光反射層を形成しないか、または半透過性(反射/透過の双方の特性を持つ)の光反射層が形成される。
図13に示すように、ブレーズド型回折格子12の透過面18を透過し、反射型液晶パネル11を照明する外光15が外部に反射することで、パターンの表示を行なうことができる。
【0033】
図12、13に示すように、本発明のブレーズド型回折格子からなる光学シートを液晶パネルに用いると回折光を広範囲に射出する機能があるので視域を拡大、制御することができる。
【0034】
以上、光学的な側面について実施の形態を説明した。以下には、材料面、製造方法面での実施の形態を説明する。下記する例は、本発明の実施の形態の一部であって、現在公知の様々な実施の形態で代わるものを適宜選択できるのはもちろんである。
【0035】
本発明のディスプレイにおいて、基材としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)などのプラスチックフィルムを用いることができる。但し、本発明の効果を奏すれば、これらに限らない。
【0036】
これらの基材に本発明の回折格子を形成する際には、この回折格子の凹凸の逆型が形成された金型を用いてエンボスすればよい。金型を使わずに、基材に直接に電子ビームにより露光し凹凸の溝を形成してもよい。
【0037】
金型でエンボスする場合、基材が回折構造の成形性が充分でない場合には、基材に回折格子形成層を追加することができる。材料としては、2液硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化性樹脂などを用いることができる。
【0038】
回折格子形成層の上から金型でエンボスし、エンボスされた凹凸面に金属反射層を設ける。すなわち、層構成としては、基材/回折格子形成層/金属反射層の順番になる。
【0039】
意匠性を上げるために、金属反射層を一部、パターン状に除去することなどによって、金属反射面が複雑な形状(たとえば、穴が空いている形状など)をした構成とすることもできる。
【0040】
次に、本発明のディスプレイをシート状媒体に付した構成について実施の形態を説明する。シート状媒体としては、転写箔形態にしたもの、ステッカー形態にしたものや、紙やプラスチックカードに付した形態などがある。
【0041】
本発明のディスプレイを転写箔として用いることについて説明する。その場合の層構成は、支持体/剥離保護層/回折格子形成層/金属反射層/接着層となる。この層構成のどこかの層に、支持体が剥がされた後の強度を保持するために基材を設けてもよい。
【0042】
本発明のディスプレイをステッカーとして用いることもできる。その場合の層構成は、基材/回折格子形成層/金属反射層/粘着層となる。
【0043】
上記した転写箔や、ステッカーは何らかの物品に貼ることによりその物品のセキュリティ性を高めたり意匠性を高めたりすることができる。例えば、物品がパソコンなどの高価な商品を収める箱などに適用可能である。この場合、本発明のディスプレイがあるかないかで、パソコン・箱が本物であるか偽物であるかを判定するのに使える。
【0044】
【発明の効果】
本発明によるブレーズド型回折格子からなる光学シートは以上説明したような構成により、以下に示すような効果を奏する。
(1)同一の空間周波数を有するブレーズド型回折格子の傾斜面が、異なる角度を向くように傾斜角を任意に変化させることで、射出光の角度を制御することができる。
(2)同一の空間周波数を有するブレーズド型回折格子の傾斜面による反射光角度を、n次回折光(nは1以上の整数)の射出角度と一致させることで、その角度に高い回折効率をもつ光を射出させることができる。
(3)基板表面上にマトリクス状に複数個配置されたセル毎に、ブレーズド型回折格子の傾斜角を変化させることで、ブレーズド型回折格子のパラメータ(空間周波数、方向、傾斜角)を基板上の領域毎に取り扱うことができ、設計や作製が容易になる。
(4)ブレーズド型回折格子の傾斜角を変化させ、射出光の角度や光量を制御することで、絵柄や文字、記号などのパターンを表示する光学シートを実現できる。
(5)また、本発明のブレーズド型回折格子からなる光学シートを光制御シートとして用いた液晶パネルは、従来のブレーズド型回折格子を用いた場合に比較して、視域を拡大、制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】矩形状断面をもつバイナリ型回折格子に光が入射した際の回折光分布の様子を示す概念図。
【図2】正弦波状断面をもつバイナリ型回折格子に光が入射した際の回折光分布の様子を示す概念図。
【図3】のこぎり刃状断面をもつブレーズド型回折格子に光が入射した際の回折光分布の様子を示す概念図。
【図4】階段状断面をもつブレーズド型回折格子に光が入射した際の回折光分布の様子を示す概念図。
【図5】+1次回折光の射出される角度と傾斜面による反射光角度が同一である通常のブレーズド型回折格子の断面図。
【図6】+2次回折光の射出される角度と傾斜面による反射光角度が同一であるブレーズド型回折格子の断面図。
【図7】全てのブレーズド型回折格子の傾斜角が同一である光学シートの概念図。
【図8】場所に応じて3種類の傾斜角を有するブレーズド型回折格子からなる光学シートの実施例。
【図9】セル毎に異なるパラメータをもつブレーズド型回折格子を配置した光学シートの実施例。
【図10】異なる傾斜角を有するブレーズド型回折格子により、別々に同一の絵柄を表現し、異なる観察角度から同一の絵柄の観察を可能にした光学シートの実施例。
【図11】異なる傾斜角を有するブレーズド型回折格子により、別々に絵柄を表現し、異なる観察領域で別々の絵柄の観察を可能にした光学シートの実施例。
【図12】本発明の光学シートを、透過型液晶パネルの前面に配置した場合のディスプレイの構成例を示す断面図。
【図13】本発明の光学シートを、反射型液晶パネルの前面に配置した場合のディスプレイの構成例を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・矩形状断面のバイナリ型回折格子
2・・・正弦波状断面のバイナリ型回折格子
3・・・のこぎり刃状断面のブレーズド型回折格子
4・・・階段状断面のブレーズド型回折格子
10・・・透過型液晶パネル
11・・・反射型液晶パネル
12・・・ブレーズド型回折格子
13・・・バックライト
14・・・ブレーズド型回折格子の反射面
15・・・周辺環境光
16・・・周辺環境光による照明光
17・・・バックライトによる照明光
18・・・ブレーズド型回折格子の透過面
20・・・光学シート
D・・・ブレーズド型回折格子を構成する急峻な射面

Claims (6)

  1. 基板表面上にブレーズド型回折格子が形成され配置された光学シートにおいて、空間周波数が同一と見なせるブレーズド型回折格子の傾斜角が均一でなく、部分的に異なることを特徴とするブレーズド型回折格子からなる光学シート。
  2. 前記ブレーズド型回折格子の傾斜面で反射する光の射出角とn次回折光(nは1以上の整数)の射出角のいずれかが一致していることを特徴とする請求項1記載のブレーズド型回折格子からなる光学シート。
  3. 前記ブレーズド型回折格子の傾斜角が、基板表面上にマトリクス状に複数個配置されたセル毎に変化していることを特徴とする請求項1又は2記載のブレーズド型回折格子からなる光学シート。
  4. 前記傾斜角が異なるブレーズド型回折格子を基板上に配置することで、絵柄や記号、文字等のパターンが表現されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブレーズド型回折格子からなる光学シート。
  5. 前記傾斜角が異なるブレーズド型回折格子毎に、別々に絵柄や記号、文字等のパターンが表現されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブレーズド型回折格子からなる光学シート。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のブレーズド型回折格子からなる光学シートを、液晶パネルの光制御シートとして用いることを特徴とするブレーズド型回折格子からなる光学シート。
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