以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る気象情報通知システムの第1実施形態に係るシステム構成図であり、図2は第1実施形態に係る気象予報システムと気象情報通知システムの要部の処理動作を示すフローチャートであり、図3はユーザ端末の表示画面を示す図であり、図4は気象情報予測通知システムの構成を示すブロック図であり、図5は本実施形態の気象予報システムの特徴を示す説明図である。図3において、(a)はユーザ通知情報の登録を行う時に表示される画面を表し、(b)〜(e)は気象情報表示時の画面をそれぞれ示している。
図1において、気象予報システム1は、当該気象予報システム1を利用する多数のユーザのそれぞれのユーザ端末2から送信される登録用通知情報Cを受信し、登録用通知情報Cにより設定・登録される地点における気象条件が気象予報システム1の予測した気象予報と一致したときに、各ユーザ端末2へ通知するように構成されている。上記の構成において、多数のユーザの各々は、好ましくは、気象予報システム1を利用する権利を有する登録会員となっている。
図1において、気象予報システム1は、インターネット通信網NETを介して多数のユーザ端末2と接続されている。気象予報システム1はインターネット通信網NETを経由して多数のユーザ端末2のそれぞれと相互に通信可能である。気象予報システム1はインターネット通信網NETに直接接続される。各ユーザ端末2は電話回線を通じインターネットプロバイダを経由してインターネットと接続される。なお、ユーザ端末2は、ケーブルテレビジョンに用いられる光ファイバケーブルを通じてインターネットプロバイダと接続されるよう形成してもよい。
気象予報システム1と各ユーザ端末2との接続については、例えば、電話回線、携帯電話回線、データ放送、ケーブルテレビジョン通信、双方向で情報送受信可能なテレビジョン通信、イントラネット、パソコン通信、衛星通信など、インターネット通信網NET以外の通信網によって接続されてもよい。
気象予報システム1は、図1に示すように、気象情報予測および気象情報通知を行う気象情報予測通知システム3と、ユーザ端末2からの登録用通知情報Cの登録要求を受け付けて処理するユーザ登録システム4と、登録されるユーザ端末2からの登録用通知情報C等を記憶するデータベース5とから構成される。気象予報システム1は、ユーザ端末2から、通知を希望する気象条件である登録用通知情報Cをインターネット通信網NETを経由して受信し、予報資料Mのデータを提供する気象庁A、および実況値Dのデータを提供する複数の観測所Bとインターネット通信網NETを経由して接続され、予報資料Mおよび実況値Dの各データを受信する。さらに予報した気象予報WFをユーザ端末2へ送信することができる。
気象情報予測通知システム3は、原則的に、外部から与えられる予報資料Mおよび実況値Dの各データを受信し、これらのデータに基づいて気象予報WFを行い、さらに、予測で得られた気象予報WFが既に受信されている登録用通知情報Cで設定された条件と一致した場合に、ユーザ端末2へ一致した旨を通知するように、構成されている。
気象情報予測通知システム3がユーザ端末2へ予報を通知するか否かを判断するための登録用通知情報Cは、ユーザ登録システム4が予めユーザ端末2から受信する。受信した登録用通知情報Cはデータベース5へ記憶される。データベース5は、登録用通知情報Cによって指示される種々の情報をこれら情報の登録を行ったユーザ端末2に対応させて記憶し、気象情報予測通知システム3から読出しを希望された場合には、記憶した情報を気象情報予測通知システム3に対して出力する。
データベース5には各地の地形に関する情報が予め記憶されている。データベース5は、気象情報予測通知システム3へ通知を希望する地点の情報を出力する場合に、通知希望地点周辺の地形に関する情報も出力する。
以下、気象予報システム1で用いられる予報資料Mと実況値Dの内容、登録用通知情報Cの内容について説明する。
予報資料Mは気象予報を行うための資料データである。予報資料Mは、気象庁Aまたは気象に関する情報を作成する機関、法人、並びに個人等の外部から提供される。例えば気象庁から提供される予報資料Mは、測定された気象に関する各種要素の観測数値に基づいて行う数値予報の結果求められた気象要素や物理量(渦度、鉛直速度など)の予測値をいう。この予測値は、各地点における各気象要素の数値情報に基づいて、その地点における各気象要素の推移を予想した情報である。当該予測値は、例えば、気象レーダー観測データを解析して得た値から予測する解析雨量・降水短時間予報・ガイダンス予報等である。上記の予報資料Mは、51時間先までの3時間毎の時刻における各種気象要素の予測値として気象庁Aから提供される。
実況値Dは、各観測地点において観測された各気象要素の観測データ、および、観測結果を解析した解析データである。実況値Dは、気象庁Aまたは気象に関する情報を作成する機関、法人、並びに個人等の外部から提供される。例えば気象庁Aから提供される実況値Dは、降水量、風速、気温、日照、気象衛星による観測値等の気象の現況を表す気象要素の数値あるいは気象要素から導き出される物理量である。実況値Dは、主に、日本各地に約20Km間隔で設置された観測施設における観測時刻の観測値として気象庁Aの観測所Bから提供される。実況値Dは、予報資料Mと対をなして使用される。この実施形態では、実況値Dは、気象庁Aが設けた気象台等の観測所Bからのデータとするが、気象に拘わる各種情報配信施設等の観測所Bからも受信可能に形成してもよい。さらにこの実施形態では、実況値Dは10分ごとに観測所Bから受信するよう形成するが、観測所Bの観測した実況値Dが常時送信される場合には、実況値Dは常時入力され、この結果、リアルタイムでの気象予報を行うことが可能となる。
登録用通知情報Cは、ユーザ端末2の利用者が、通知を希望する気象条件を含む情報であり、気象予報システム1においてユーザ登録システム4を経由して利用者登録データベース5に登録される。登録用通知情報Cは、通知を希望する地点に関する利用登録地点情報と、降水情報、気温情報、風速情報、湿度情報、波浪情報、花粉情報、紫外線情報、大気汚染情報、通知時刻情報等の気象条件に係る情報を含んでいる。かかる登録用通知情報Cは、予めこれらの情報が気象予報システム1に通知され、上記のごとく登録される。
上記の「利用登録地点情報」は、通知を希望する地点に関する情報であり、住所を入力することで通知希望地点を特定する。この場合には、利用登録地点情報は固定地点となる。この利用登録地点情報は、気象予報システム1へ通知して登録される必須の情報である。
また利用登録位置情報は、ユーザが自動車で移動する場合などには、出発地点、出発時刻、到着地点、移動速度を指定すると共に、表示される地図に移動ルート上の地点を指示することで移動ルートを指定して行い、出発時刻から移動速度によって算出される移動ルート上の地点としてもよい。この場合には、利用登録位置情報は、常に変化しており固定地点ではなく移動地点となる。利用登録位置情報が移動地点である場合に関する例については後述される。以下、利用登録位置情報の指示する地点は「通知希望地点」ともいう。なおユーザ端末2がGPS等の測位システムを備え、移動して変化するユーザ端末2の地点が随時通知される場合には、随時新たな位置である現在地点情報として認識されデータベース5へ記憶される。
上記の「降水情報」は、降水量レベルと近接距離との情報であり、降水量レベルは1時間当たりの降水量(mm)を指示し、近接距離の情報は降水量レベルの予報降水域が通知希望地点に近接した時に通知を希望する距離の情報である。従って、
降水量レベル=1mm/時
近接距離 =20Km
であれば、降水量が1時間に1mm以上の降水域が通知希望地点から半径20Km以内になった場合に通知を希望することを指示する降水情報である。降水情報では、近接距離を指定しない場合には、降水量レベルの降水域が通知希望地点に到達した時に通知を希望することを指示する。また降水情報は、通知を希望しない場合には、設定せずともよい。
上記の「気温情報」は、気温上限と気温下限との情報であり、気温上限は、通知希望地点の予想気温が、指示する温度以上となった場合に通知を希望する気温を表し、例えば30℃というように温度で指示し、この場合には通知希望地点の予想気温が30℃以上となった場合に通知を希望することを表す。同様に、気温下限は、通知希望地点の気温が指示する温度を以下となった場合に通知を希望する気温を表し、例えば5℃というように温度で指示し、この場合には通知希望地点の予想気温が5℃以下となった場合に通知を希望することを表す。気温情報は、例えば、
気温上限=30℃
気温下限= 5℃
というように設定する。なお気温情報は、上限或いは下限の何れかを設定するだけでもよく、また通知を希望しない場合には設定せずともよい。
上記の「風速情報」は、風速上限と風速下限との情報であり、気温情報と同様に通知希望地点における予想風速が風速上限以上となった場合、および、予想風速が風速下限以下となった場合に通知を希望することを表し、風速(m/sec)で指示する。例えば、
風速上限=15m/sec
風速下限= 3m/sec
というように設定する。この場合には、通知希望地点における風速が15m/sec以上或いは3m/sec以下の場合に通知を希望することを意味する。なお、風速情報も気温情報同様に上限或いは下限の何れかを設定するだけでもよく、また通知を希望しない場合には設定せずともよい。
上記の「湿度情報」は、湿度に関する情報であり、気温情報同様、通知を希望する湿度の下限および上限を、例えば、
湿度上限=85%
湿度下限=30%
というように設定する。この場合には、通知希望地点における湿度の予報が85%以上或いは30%以下の場合に通知を希望することを意味する。湿度情報も気温情報同様に予想湿度の上限或いは下限の何れかを設定するだけでもよく、また通知を希望しない場合には設定せずともよい。
上記の「波浪情報」も気温情報同様、通知希望地点における波高の上限および下限を、例えば、
波高上限=5.5m
波高下限=1.0m
というように設定する。この場合には、通知希望地点における波高が5.5m以上或いは1.0m以下の場合に通知を希望することを意味する。波浪情報も、上限或いは下限の何れかを設定するだけでもよく、また通知を希望しない場合には設定せずともよい。
上記の「花粉情報」は、花粉飛散量に関する条件であり、花粉飛散量の上限と下限を設定する。花粉飛散量は単位面積当たりの花粉個数で表し、例えば、
花粉飛散量上限=10個/cm2/日
花粉飛散量下限= 5個/cm2/日
というように設定する。この場合には、通知希望地点における花粉飛散量が10個/cm2/日以上か5個/cm2/日以下の場合に通知を希望することを意味する。花粉情報も気温情報同様、上限或いは下限の何れかを設定するだけでもよく、また通知を希望しない場合には設定せずともよい。
上記の「紫外線情報」は、通知希望地点に照射される紫外線の量に関する情報であり、やはり上限および下限の紫外線量を設定して行う。紫外線量は、単位Cal/cm2によって表し、例えば、
紫外線量上限=1.0Cal/cm2
紫外線量下限=0.5Cal/cm2
というように設定する。この場合には、通知希望地点における紫外線量が1.0Cal/cm2以上の場合か0.5Cal/cm2以下の場合に通知を希望することを表す。紫外線情報も、上限或いは下限の何れかを設定するだけでもよく、また通知を希望しない場合には設定しなくてもよい。
上記の「大気汚染情報」は、大気中の窒素酸化物の拡散に関する情報であり、通知希望地点において大気中の窒素酸化物の濃度の上限を設定する。例えば、
窒素酸化物濃度=30ppb
というように設定する。この場合には、通知希望地点における大気中の窒素酸化物濃度が30ppb以上となった場合に通知を希望することを表す。大気汚染情報も、通知を希望しない場合には設定しなくてもよい。
上記の「通知時刻情報」は、気温情報・降水量情報等の各情報によって設定した条件と合致する気象予報が発生した場合に、通知希望地点に発生すると予想される時刻の何時間前に通知を希望するかという情報であり、
通知希望時刻=1時間前
というように設定する。この場合には、例えば、気温情報によって、気温上限が30℃以上と設定されており、通知希望地点の気象予報では最高気温が30℃以上になる時刻が午後3時と予報されたならば、午後3時の1時間前、すなわち、午後2時に『1時間後に最高気温30℃』となる旨を通知する。通知時刻情報の指定がなければ、通知希望地点に気温情報等で設定した条件と合致する気象予報が発生した場合に、その時刻と予報とを通知する。
なお、通知を希望する気象に関する条件は、降水情報、気温情報、風速情報、湿度情報、波浪情報、花粉情報、紫外線情報、大気汚染情報として説明したが、これらの他に、降雪量情報、水質情報、土壌情報等の観測値を伴う気象や環境に関する情報等を含めてもよい。
また、気象予報システム1は、詳細な説明は行わないが、CPUとモニタとメモリとハードディスク等の記憶装置とで構成されるコンピュータシステムから構成される。気象予報システム1は、気象予報システム1が扱うユーザ端末2の数や気象予報を行う範囲等に応じて、複数のコンピュータシステムによって構成されてもよい。
ユーザ端末2は、入力部、情報処理部、および出力表示用ディスプレイからなるコンピュータシステムから構成される。ユーザ端末2は、インターネット通信網NETに接続される。ユーザ端末2は、気象予報システム1に気象予報WFの通知を依頼する場合には、登録用通知情報Cを、気象予報システム1へインターネット通信網NETを介して送信する。ユーザ端末2が送信する登録用通知情報Cによって、上記の通知希望地点、降水情報、気温情報、風速情報、湿度情報、波浪情報、花粉情報、紫外線情報、大気汚染情報、通知時刻情報の中からユーザが希望する条件を通知する。
ユー端末2による登録用通知情報Cによって設定・登録される一例を図3(a)に表す。図3(a)に表す画面は、ユーザ端末2が気象予報システム1へインターネット通信網NETを経由して接続し、ユーザ端末2を識別するためのユーザID等を登録するための手続時にユーザ端末2のディスプレイ(図示せず)に表示される例である。この表示例によれば、ユーザが気象情報の通知を希望する地点を「位置登録」の入力欄51に、通知を希望する降水域接近距離を「降水接近通知の距離登録」の入力欄52に、降水域接近距離に接近したときに通知を希望する降水量を「通知降水強度レベル登録」の入力欄53に、通知を希望する上限の気温を「気温通知上限」の入力欄54に、通知を希望する下限の気温を「気温通知下限」の入力欄55に、それぞれ入力して気象予報システム1へ送信することで、気象予報システム1が登録用通知情報Cを受領する。
図3(a)に表す条件は、気象予報システム1によって通知可能な情報のうち、通知地点における接近降水域距離および降水量、上限の気温、下限の気温を通知を希望する条件として例示したが、通知点における降水情報、気温情報、風速情報、湿度情報、波浪情報、花粉情報、紫外線情報、大気汚染等種々の条件を設定するように形成してもよい。
図3(b)乃至(e)はそれぞれ気象予報システム1がユーザ端末2へ気象予報WFを通知したときにユーザ端末2に表示される画面を表し、図3(b)は、登録地点に降水が予想されたときに表示させる情報を表し、図3(c)は「通知降水強度レベル登録」した情報に一致する予報がなされたときに表示させる情報を表し、図3(d)は登録地点における風速が20m/sec以上になると予想された場合に表示させる情報を表し、図3(e)は登録地点における気温通知上限が30℃以上になると予想されたときに表示させる情報を表している。
この実施形態では、ユーザ端末2をコンピュータシステムとして説明するが、ユーザ端末2は、気象予報システム1と接続する通信網に接続可能であって、気象予報システム1に対して登録用通知情報Cを送信することが可能であり、さらに気象予報システム1から気象予報WFを受信可能であれば、ファクシミリ、双方向通信可能なテレビジョンシステム、携帯電話等他の手段によって形成してもよい。
次に気象予報システム1をさらに詳しく説明する。
気象予報システム1は、前述の通り、気象情報予測通知システム3とユーザ登録システム4と利用者登録データベース5とから構成される。気象情報予測通知システム3の構成をさらに詳しく示すと、図4に示すごとく、実況値データ/予報資料データ監視予測部101と、気象情報予測処理部102と、ユーザ別情報処理部103と、情報通知処理部104とからなる。これらの構成要素の各々の働きに関しては、図2に示すごとく、実況値データ/予報資料データ監視予測部101は、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31を実施し、気象情報予測処理部102は気象情報予測処理工程32を実施し、ユーザ別情報処理部103はユーザ別情報処理工程33を実施し、情報通知処理部104は情報通知処理工程34を実施する。
図2において、ユーザ登録システム4で実施される登録工程は、登録受付判断ステップ4aと、個別情報作成ステップ4bと、ユーザ情報登録ステップ4cとからなる。ユーザ登録システム4の登録受付判断ステップ4aは、ユーザから登録用通知情報Cの受付けがあるか否かを監視するステップであり、登録用通知情報Cの受付けがあった場合には個別情報作成ステップ4bを実行し、受付けがなかった場合には再び登録受付判断ステップ4aを実行し、常に受付けがあるか否かを監視する。個別情報作成ステップ4bは、ユーザ端末2から通知希望地点、通知を希望する条件、ユーザ端末2への通知方法、ID情報からなる登録用通知情報Cを受付けて個別情報を作成するステップである。ユーザ情報登録ステップ4cは、個別情報作成ステップ4bによって作成された個別情報を、ユーザ端末2に対応してデータベース5へ記憶する。
データベース5は、個別情報作成ステップ4bによって作成された個別情報を保存する。この実施形態では、通知希望地点について通知を希望する気象条件と気象予報とが一致した場合にユーザ端末2に通知が行われるように構成されているので、登録用通知情報Cは通知を希望する気象条件に関する情報を含んでいるが、通知希望地点に関する気象予報WFを常に通知するように構成する場合には、登録用通知情報Cに通知を希望する条件に関する情報を含まなくてよい。従って、気象予報システム1がユーザ端末2へ通知する形態によって、登録用通知情報Cの形態も異なる。
次に気象情報予測通知システム3による各工程での動作を説明する。
実況値データ/予報資料データ監視予測工程31は、実況値データ受信確認ステップ31aと、実況値データ受信処理ステップ31bと、実況値データ解析ステップ31cと、実況値データ予測ステップ31d、予報資料データ受信確認ステップ31eと、予報資料データ受信処理ステップ31fと、予報資料データ解析ステップ31gと、予報資料データ予測ステップ31hとからなる。ステップ31a,31b,31c,31dは実況値Dのデータに関するステップである。ステップ31e,31f,31g,31hは予報資料Mのデータに関するステップである。
実況値データ受信確認ステップ31aは、実況値Dに係るデータの受信があったか否かを判断するステップであり、受信があった場合には実況値データ受信処理ステップ31aを実行し、受信がなかった場合には実況値データ予測ステップ31dを実行する。
実況値データ受信処理ステップ31bは、実況値データ受信確認ステップ31aが実況値Dに係るデータの受信を確認すると実行され、送信された実況値Dのデータを受信して記憶部(図示せず)に一時的に記憶する。
実況値データ解析ステップ31cは、受信処理ステップ31bに続けて実行され、実況値データ受信処理ステップ31bで受信した実況値Dのデータを気象情報予測処理工程32で行う予測の資料として使用できるようにデータ処理するステップである。ステップ31cで解析された実況値Dの解析データは、記憶部に記憶される。このとき解析された解析データは、データベース5に記憶してもよく、また、他に設ける記憶部(図示せず)に記憶してもよい。そして、記憶された実況値Dのデータは、受信した時刻と共に記憶されており、後に既に記憶した実況値Dのデータとして使用することが可能である。
実況値データ予測ステップ31dは、実況値データ受信確認ステップ31aが実況値Dのデータの受信を確認しなかった場合に、当該受信のタイミングに応じて、受信確認ステップ31aに続けて実行される。実況値データ予測ステップ31dでは、既に受信し記憶装置に記憶された実況値Dのデータから現在時刻における実況値Dを予測するステップである。実況値データ予測ステップ31dで行われる実況値Dの予測は、最後に受信した実況値Dのデータとさらにそれ以前に受信した一連の実況値Dとに基づいて、予測処理時刻における実況値Dを予測する。従って、予測される実況値Dは、各データの要素を経時的に処理して求める。すなわち、時系列的傾向(トレンド)に基づいて実況値データが予測される。このとき予測で得られた実況値データは、データベース5に記憶してもよく、また、他に設ける記憶部に記憶してもよい。
予報資料データ受信確認ステップ31eは、予報資料Mに係るデータの受信があったか否かを判断するステップであり、受信があった場合には予報資料データ受信処理ステップ31fを実行し、受信がなかった場合には予報資料データ予測ステップ31hを実行する。
予報資料データ受信処理ステップ31fは、受信確認ステップ31eが予報資料Mのデータの受信を確認すると実行され、送信される予報資料Mのデータを受信して記憶部に一時的に記憶する。
予報資料データ解析ステップ31gは、受信処理ステップ31fに続けて実行され、受信処理ステップ31fで受信した予報資料Mのデータを気象情報予測処理工程32で行う予測の資料として使用できるようにデータ処理するステップである。予報資料データ解析ステップ31gで解析された予報資料Mの解析データは、図示しない記憶部に記憶され、実況値データ解析ステップ31cでの実況値Dの解析データ同様、データベース5に記憶してもよく、また、他に設ける記憶部に記憶してもよい。そして、記憶された予報資料Mに係るデータは、受信した時刻と共に記憶されており、後に既に記憶した予報資料Mのデータとして使用することが可能である。
予報資料データ予測ステップ31hは、予報資料データ受信確認ステップ31eが予測資料Mのデータの受信を確認しない場合に、受信のタイミングに合わせて実行される。予報資料データ予測ステップ31hでは、既に受信した予報資料Mのデータから現在時刻における予報資料Mを予測するステップである。予報資料データ予測ステップ31hで行われる予報資料Mの予測は、最後に受信した予報資料Mのデータとそれ以前に受信した予報資料Mのデータとに基づいて、予測処理する時刻における予報資料を予測する。従って、予測される予報資料Mは、各データの要素を経時的に処理して求められる。すなわち、時系列的傾向(トレンド)に基づいた予報資料データの予測である。このとき予測で得られたデータは、データベース5に記憶してもよく、また他に設ける記憶部に記憶してもよい。
上記の実施形態では、図2に示す気象情報予測通知システム3のフローチャートが終了すると、直ちに再び同フローチャートが実行される。従って、一定のタイミングで常時新たな予報資料Mのデータと実況値Dのデータを受信するか、あるいは、予報資料Mのデータと実況値Dのデータの両方またはいずれか一方(「予報資料データおよび/または(and/or)実況値データ」とも記す)を受信しなかったときに、当該受信タイミングで、受信しなかったデータについて、時系列的傾向に基づいて予測を行って予測データを得ている。
また予報資料データおよび/または実況値データを受信しなかったときの予報資料Mと実況値Dの各データの予測を、例えば5分毎等所定間隔毎に行うよう構成してもよい。この場合には、前述した受信確認ステップ31a,31eが、本来的に外部(気象庁A等)から提供される予報資料Mのデータまたは実況値Dのデータの未受信状態経過時間を監視し、所定時間経過後に実況値データ予測ステップ31dを実行し、さらに続けて予報資料データ予測ステップ31fを実行するよう形成すればよい。
また未受信状態が5分未満に間に、実況値Dのデータを受信したときには、受信処理ステップ31b以下の処理を行い、未受信状態の監視時間を0からカウントし、同様に未受信状態が5分未満に予報資料Mのデータを受信したときには、データ予測ステップ31dを実行し、続けて受信確認ステップ31e乃至データ解析ステップ31gを実行する。
以上のごとく、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31によれば、気象予報を常時(任意の時間間隔または任意の設定時刻)に行えるようにするべく、外部から提供される気象予報基礎データを適宜なタイミングで監視し、任意の設定時刻に予報資料データ(M)および/または実況値データ(D)が受信(入力)されるようにし、予報資料データおよび/または実況値データが受信されないときには、受信されなかったデータ(欠落データ)について予測データを生成するようにしている。
次に気象情報予測処理工程32が実施される。この気象情報予測処理工程32は、監視位置読込ステップ32a、解析処理ステップ32b、気象予測ステップ32c、予報情報作成ステップ32dとからなる。
監視位置読込ステップ32aは、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31に続けて実行される。監視位置読込ステップ32aは、気象予測可能な全ての地点の情報およびこれら地点の地形に関する情報(以下「地形情報」という)を取得する。この時に取得する監視可能な全ての地点の情報および地形情報は、データベース5に予め記憶されており、データベース5から取得する。なお監視可能な全ての地点の情報および地形情報は、データベース5以外に設けた記憶部から取得するように構成してもよい。
解析処理ステップ32bは、監視位置読込ステップ32aに続けて実行され、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31で取得された予報資料データ(M)および実況値データ(D)と、既に取得されている過去の予報資料データおよび実況値データとに基づいて、例えば51時間先までの気象変化傾向(この場合の「気象変化傾向」とは、連続的に監視している気象実況値のみの時系列的変化と量的変化をいう)を算出した気象変化傾向データを作成する。実況値データ/予報資料データ監視予測工程31で取得された予報資料データおよび実況値データは、前述した通り、受信された予報資料データおよび/または実況値データと、受信されなかったデータに関して予測によって得られた予報資料データおよび/または実況値データとからなる。
解析処理ステップ32bでは、気象予報システム1の予報可能なすべての地点についての気象変化傾向データが作成される。気象予報システム1の予報可能な地点は、この実施形態では日本全土であり、日本各地を緯度および経度の方向に例えば約20Km毎に格子状に分割した際の緯度と経度の格子点について気象変化傾向データを作成する。これらデータは、1台のコンピュータによってすべての領域について作成してもよく、また、複数用意するコンピュータ毎に地域を割当て分割処理させて作成してもよく、あるいは、求める地点を複数のコンピュータに順次割当て作成させてもよく、地域全体のデータが作成可能であればどのような手段によってもよい。さらに、気象変化傾向データを求める地域は、日本全土ではなく、例えば関東地方等狭い地域でもよく、全世界であってもよい。
次に気象予測ステップ32cは、解析処理ステップ32bに続けて実行され、上記の各格子点の表す地点における気象の時系列的変化および量的変化を、解析処理ステップ32bで作成した気象変化傾向データと、予報資料Mおよび実況値Dの各データとに基づいて予測する。ここで「予報資料Mおよび実況値Dの各データ」は、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31で取得された予報資料データおよび実況値データである。これは、前述した通り、受信された予報資料データおよび/または実況値データと、受信されなかったデータに関しては予測によって得られた予報資料データおよび/または実況値データである。気象予測ステップ32cによって予測されるデータは、気象予報システム1の予報可能な全地域の上記格子点の地点について予測された気象の時系列的変化および量的変化であり、日本各地を緯度および経度の方向に約20Km毎に格子状に分割した際の緯度と経度の格子点における気象予報データとなる。
気象予測ステップ32cで行われる気象予測の詳細は次の通りである。
気象情報予測通知システム3の実況値データ/予報資料データ監視予測工程31に予報資料Mのデータと実況値Dのデータの両方が入力されるときには、気象予測ステップ32cでは、実況値データ解析ステップ31cによって解析されかつ記憶された実況値データ(D)と、予報資料データ解析ステップ31gによって解析されかつ記憶された予報資料データ(M)と、以前に入力して記憶した(または「既に入力して記憶している」、以下同じ)予報資料Mおよび実況値Dの各データとによって解析処理を行う。
気象情報予測通知システム3の実況値データ/予報資料データ監視予測工程31に予報資料Mのデータのみが入力されるときには、気象予測ステップ32cでは、実況値データ予測ステップ31dによって予測され記憶された実況値データと、予報資料データ解析ステップ31gによって解析され記憶された予報資料データと、以前に入力して記憶した予報資料Mおよび実況値Dの各データとによって解析処理を行う。
気象情報予測・通知システム3の実況値データ/予報資料データ監視予測工程31に実況値Dのデータのみが入力されるときには、気象予測ステップ32cでは、実況値データ解析ステップ31cで解析され記憶された実況値データと、予報資料データ予測ステップ31hによって予測された予報資料データと、以前に入力して記憶した予報資料Mおよび実況値Dの各データとによって解析処理を行う。
さらに、気象情報予測通知システム3の実況値データ/予報資料データ監視予測工程31に予報資料Mおよび実況値Dの両方のデータの入力がない場合には、気象予測ステップ32cでは、実況値データ予測ステップ31dと予報資料データ予測ステップ31hによって予測された実況値データおよび予報資料データと、以前に入力して記憶した予報資料Mおよび実況値Dの各データとによって解析処理を行う。
気象予測ステップ32cによる気象予測処理は、次のように変更することができる。
予報資料Mおよび実況値Dの各データを新たに入力した場合に、新たに入力した予報資料Mおよび実況値Dのデータのみによって解析処理するように構成してもよい。同様に、実況値Dのデータのみ新たに入力した場合には新たに入力した実況値Dのデータと予測した予報資料Mのデータとのみによって解析処理するように構成することもできる。同様に、予報資料Mのデータのみ新たに入力した場合には、新たに入力した予報資料Mのデータと予測した実況値Dのデータとのみによって解析処理するように構成してもよい。同様に、予報資料Mおよび実況値Dの各データを入力しなかった場合には、予測した予報資料Mおよび実況値Dのデータのみによって解析処理するように構成してもよい。以上のように、以前に入力して記憶した予報資料Mおよび実況値Dのデータを気象予測ステップ32cでの解析処理に併用しないこともできる。これにより、短時間で解析処理を行うことが可能となり、気象予報システム1を利用するユーザ端末2が大量になった場合でも現行の気象予報システム1で対応できる。
以上のごとく、気象予測ステップ32c(気象情報予測手段)によれば、受信手段で入力された最新の予報資料データおよび/または実況値データと、予測データ生成手段で生成された最新の予測データとを利用して、気象(気象情報データ)を予測して生成される。すなわち、入力された最新の予報資料データおよび/または実況値データと、入力されなかったデータに関する最新の予測データとを用いて、気象予報を常時行えるように構成されている。このような構成によって、リアルタイムの気象予報を行うことができる。
さらにリアルタイムの気象予報を行えるシステムとしては、一般的な構成として、上記の気象予測ステップにおいて、入力した、または記憶している予報資料データ、実況値データ、予測で得た予測データのうち少なくとも1つのデータを用いて、これを予測解析の基礎資料として、適宜な組み合わせの下で、解析処理を行い、気象情報を常時作成することが可能である。本来外部から所定時刻で提供されるべき予報資料データと実況値データのうち両方またはいずれか一方が受信されない場合にのみに当該受信されないデータを予測するのではなく、受信とは関係なく、必要なデータを予測解析することにより予測データとして作成して用意することも可能である。以上によって、図5に示すように、リアルタイムにて気象予報の情報を作成を行うことができる。
気象予測ステップ32cでは、各基礎資料に基づいて可能な任意な組合せ(256通りの組合せが想定される)によって解析処理を行うことが可能である。例えば実況値データ予測ステップ31dと予報資料データ予測ステップ31hの両方またはいずれか一方で予測処理したときのみ、既に入力して記憶した情報を併用するようにすることもできる。これによって解析時間を短くし、解析精度を高めてリアルタイムによる気象予報を行うことができる。
予測情報作成ステップ32dは、気象予測ステップ32cで作成された全地域の気象予測データから、通知希望地点の気象予測データを作成する。すなわち、予測情報作成ステップ32dで作成される気象予測データは、既に作成された上記格子点における気象予測データから、ユーザ端末2が通知希望する地点(格子地点に限らない)の気象予測データを、通知希望地点に関するデータおよびその周辺の地形に関するデータ、さらには、通知希望地点の周辺地点の気象予測データに基づいて、上記格子状に分割した際の緯度と経度の格子点から位置的に補間作成する通知位置気象予測データである。このように求められる通知位置気象予測データは、データベース5に登録された全ての登録用通知情報Cが指示する地点について作成される。従って予測情報作成ステップ32dで作成された通知位置気象予測データはユーザ端末2が所望する地点の気象予測データである。
ユーザ別情報処理工程33は、通知情報読込ステップ33a、通知判断ステップ33b、通知情報作成ステップ33cとからなる。
通知情報読込ステップ33aは、データベース5に記憶された登録用通知情報Cを読込む。すなわち、通知情報読込ステップ33aでは、各ユーザ端末2によってデータベース5に登録された全ての登録用通知情報Cによって指示される通知希望地点における各情報(降水情報、気温情報、風速情報、湿度情報、波浪情報、花粉情報、紫外線情報、大気汚染情報、通知時刻情報)を読込む。
通知判断ステップ33bは、予測情報作成ステップ32dで作成した通知位置気象予測データと、通知情報読込ステップ33aによって読み込まれた登録用通知情報Cの指示する通知希望地点における降水情報、気温情報、風速情報、湿度情報、波浪情報、花粉情報、紫外線情報、大気汚染情報、通知時刻情報とを比較し、前者の気象予測データと、同地点についての登録用通知情報Cが指示する降水情報等の各種情報の何れかとが一致するか否かを判断する。そして判断結果が一致していれば、続けて通知情報作成ステップ33cを実行し、一致していなければ、再び実況値データ/予報資料データ監視予測工程31に戻る。通知判断ステップ33bが、一致しないと判断する限りは、実況データ/予報資料データ監視予測工程31、気象情報予測処理工程32、通知情報読込ステップ33a、通知判断ステップ33bの処理を繰返すこととなる。通知判断ステップ33bは、この実施形態では、各種情報の何れかが一致したか否かを判断するように形成したが、各種情報のいくつかが一致したか否かを判断可能に形成してもよい。
通知判断ステップ33bでは、相対的に短い時間間隔で頻繁に気象予報が行われるので、気象予報を行う度に登録用通知情報Cと気象予報との一致が続きユーザ端末2への通知が頻繁に行われてしまわないように、通知判断の結果を各ユーザ端末2毎に記憶しておき、通知判断を行った結果が前回通知判断を行った結果と一致した場合にも通知しないと判断するよう構成される。従って、通知判断の結果、気象条件と気象予報とが一致したユーザ端末2でも、前回の判断結果が一致していた場合には、このユーザ端末2に対しては気象予報WFを通知しないと判定する。また、通知判断の結果、気象条件と気象予報とが一致しなくても、前回の判断結果が一致していた場合には、気象予報が気象条件と異なり、通知が解除された旨を通知するように判断できる。通知が解除された旨の通知を行うと判断した場合には、その旨をユーザ端末2に対応させて一時記憶させておく。この記憶のための領域はデータベース5でもよく、一時的に記憶可能な記憶部を別途設けてもよい。
通知情報作成ステップ33cは、通知判断ステップ33bが一致すると判断した場合、あるいは、通知判断結果が一致していないものの前回一致していた場合に、通知判断ステップ33bに続けて実行され、登録用通知情報Cに一致する予測情報作成ステップ32dで作成された通知位置気象予測データから、ユーザ端末2へ実際に通知するユーザ通知情報を作成する。また通知判断結果が一致していないものの前回一致していた場合には通知状態が解除された旨を通知可能である。
通知情報作成ステップ33cで作成されるユーザ通知情報は、ユーザ端末2に対して通知する気象予報WFであり、図6に示すように、ユーザの指定した登録用通知情報Cに関するデータをユーザが理解しやすい情報として表示する画面を形成可能である。図6に示すユーザ通知情報は、ユーザの指定した登録用通知情報Cが、通知希望地点(登録地点)における降水量が5mm以上の場合に気象情報を通知する画面で、ユーザ端末2が携帯電話である場合を想定して作成された画面であり、通知位置「成田空港」、降水量「5mm」以上の場合に通知される。図6に示す表示画面では、これら情報以外に、予報に用いた実況値の時間や、通知希望地点(登録地点)における各時刻の天気・気温・降水量を順次表示するよう形成した例である。図6の示す表示画面例は、ユーザ端末2所定の操作ボタンを操作することによって図中左の画面から右の画面へと表示画面を順次に変化させて表示する。また、通知状態が解除された旨を通知する場合や気象条件と一致する降水があった場合などには、晴れること或いは降水があることを表すマーク等画像によって通知してもよく、解除報告を文章にして通知してもよく、画像および文章によって通知してもよい。
情報通知処理工程34は、データベース5を参照し、通知情報作成ステップ33cで作成されたユーザ通知情報を、ユーザの指定する通知先へ通知する工程である。情報通知処理工程34による処理後は、再び実況データ/予報資料データ監視予測工程31に戻る。情報通知処理工程34では、通知すべきユーザ端末2および通知すべき情報が複数存在した場合には、それらのユーザ通知情報をユーザ端末2へ通知する。情報通知処理工程34は、ユーザ情報読込ステップ34a、通知方法判定ステップ34b、通知処理ステップ34cとからなる。
ユーザ情報読込ステップ34aは、通知情報作成ステップ33cで作成されたユーザ通知情報を通知するユーザ端末2の登録情報をデータベース5から参照して読込む。すなわちユーザ情報読込ステップ34aでは、データベース5からユーザ通知情報を送信するユーザ端末2への送信先についての情報を読込む。ユーザ情報読込ステップ34aでは、登録したユーザ端末2の希望する通信方法、すなわち、ユーザ端末2がインターネット通信網NETに接続されており、ユーザ端末2が情報の送信を希望するのか、気象予報システム1に開設する気象予報ウェブサイトへユーザ端末2が閲覧に来るのか、ユーザ端末2が携帯電話でありユーザ端末2の携帯電話へ携帯電話データ通信回線を通じての送信を希望するのか、ユーザ端末2である携帯電話へ或いはユーザ端末2の指定する携帯電話あるいは通常電話へその音声通信回線を通じて送信を希望するのかを、読込むことができる。なお、ユーザの携帯電話またはユーザが指定する携帯電話もしくは通常電話へ音声通信回線を通じて送信を行う場合には、ユーザの方から電話をかけて気象情報の音声による通知を求める場合も含まれる。ユーザの方からかけられる電話に対しては、気象予報システムでは、自動音声システム或いはコールセンタによって応答する。
通知方法判定ステップ34bは、ユーザ情報読込ステップ34aによって読込まれたユーザ端末2への通信方法がどのような方法によるかを判定するステップである。
本実施形態では、図3(b)乃至(e)で説明したように、ユーザ端末2がインターネット通信網NETに接続されたパーソナルコンピュータであり、ユーザ端末2への通知を気象予報システム1がインターネット通信網NETによって送信する場合を例にして説明する。
通知処理ステップ34cは、ユーザ通知情報(ユーザ端末2に対する気象予報WF)を、通知方法判定ステップ34bによって判定された通知方法によって配信する処理を行うステップである。この実施形態では、通知処理ステップ34cでは、ユーザ端末2のインターネットアドレスへ図3(b)乃至(e)に例示するような通知画面を形成するユーザ通知情報を送信する。
なおユーザ端末2が携帯電話であり、ユーザ端末2の携帯電話が気象予報システム1の提供する気象予報ウェブサイトへ接続してユーザ通知情報(ユーザ端末2に対する気象予報WF)を閲覧することによって気象予報の通知を受けることも可能である。このことは、前述のごとく、登録したユーザ端末2の希望する通信方法としてユーザ自身が望むことができる。このような場合には、好ましくは、図6に示すユーザ端末2の携帯電話に表示される画面に例示するような通知画面を、気象予報システム1の提供するウェブサイトに、データベース5にユーザ端末2と対応して記憶された携帯電話の番号等のID情報をキーに閲覧表示可能にウェブ頁を設けておき、ユーザ端末2である携帯電話がウェブサイトに接続してきたときには、携帯電話の電話番号等のID情報をキーに閲覧させるように構成される。勿論、閲覧のID情報をインターネット通信網NETに接続されたパーソナルコンピュータからなるユーザ端末2に対応させてデータベース5に記憶しておくことで、パーソナルコンピュータからなるユーザ端末2に対しても、パーソナルコンピュータからなるユーザ端末2に対応するウェブ頁の閲覧ができるようにしてもよい。
次いで、上記の構成を有する本実施形態に係る気象予報システムおよび気象情報通知システムの作用および使用方法を説明する。
以下の例では、ユーザ端末2はパーソナルコンピュータからなり、インターネット通信網NETによって気象予報システム1へ接続する場合であり、気象予報システム1からユーザ端末2へのユーザ通知情報の通知を、インターネット通信網NETによって送信する場合を例に説明する。また、ユーザ端末2が通知を希望する気象予報は、図3(a)に示すように、通知地点「東京都練馬区桜台」における接近降水域距離「20km」および降水量「30mm/h」、上限の気温「30°C」、下限の気温「5°C」を例に説明する。
ユーザ端末2は、気象予報システム1へ接続し登録用通知情報Cを登録する。すなわち、ユーザ端末2がインターネット通信網NETを経由して気象予報システム1に接続すると、ユーザ登録システム4に接続される。ユーザ登録システム4では、ユーザ端末2から登録用通知情報Cの受付けがあったので、登録受付判断ステップ4aが、「受付け有り(ユーザアクセス有り)」と判断し、続けて個別情報作成ステップ4bが実行される。個別情報作成ステップ4bでは、ユーザ端末2からの登録用通知情報Cを受付け、ユーザ端末2が通知を希望する条件、ユーザ端末2への通知方法、ID情報をユーザ端末2に対応してデータベース5へ記憶させる。すなわち、ユーザ端末2へ、図3(a)に表す画面の情報を送信してユーザ端末2へ表示させ、ユーザ端末2では同画面内の所定箇所に通知地点「東京都練馬区桜台」、接近降水域距離「20km」、降水量「30mm/h」、上限の気温「30°C」、下限の気温「5°C」を入力し、ユーザ端末2が通知を希望する通信方法とユーザ端末2を識別するインターネットメールアドレス等のID情報と共に気象予報システム1へ送信する。すると、個別情報作成ステップ4bでは、これら情報を受信し、受付けたユーザ端末2に対応させて、通知方法(この実施形態ではインターネットメールによる通知)、メールアドレス、通知地点「東京都練馬区桜台」、接近降水域距離「20km」、降水量「30mm/h」、上限の気温「30°C」、下限の気温「5°C」である個別情報を作成する。次いで、ユーザ情報登録ステップ4cが、データベース5へ、個別情報作成ステップ4bで作成した個別情報を記憶させる。
ユーザ端末2からのユーザの登録用通知情報Cの受付けは、随時行われており、複数のユーザ端末2を通して複数のユーザの各々は登録されることとなる。
一方、気象情報予測・通知システム3では、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31の受信確認ステップ31aが、実況値Dのデータの受信を監視しており、実況値Dが送信されてくると、受信があった旨を判断して、受信処理ステップ31bを実行する。受信処理ステップ31bでは、送信される実況値Dのデータを受信して一時的に記憶し、次いでデータ解析ステップ31cが実行される。データ解析ステップ31cでは、受信処理ステップ31bで受信した実況値Dのデータを、気象情報予測処理工程32で行う予測資料として使用できるようにデータ処理する。
また、実況値Dの受信がない旨を判断した場合には、実況値データ予測ステップ31dを実行する。予測ステップ31dでは、既に受信した予報資料M或いは実況値Dから現在時刻における実況値Dを予測する。データ予測ステップ31dで行われる実況値Dの予測は、最後に受信した予報資料Mおよび実況値Dのデータとそれ以前に受信した予報資料Mおよび実況値Dのデータとに基づいて、予測処理する時刻における予測である。従って、予測される実況値Dのデータは、時系列的傾向(トレンド)に基づいて予測される。予測ステップ31dが終了すると、続けて受信確認ステップ31eを実行する。
受信確認ステップ31aでは、予報資料Mのデータの受信を監視しており、予報資料Mのデータが送信されると、受信があった旨を判断して、受信処理ステップ31fを実行する。受信処理ステップ31fでは、送信される予報資料Mのデータを受信して一時的に記憶し、次いでデータ解析ステップ31gが実行される。データ解析ステップ31gでは、受信処理ステップ31fで受信した予報資料Mのデータを気象情報予測処理工程32で行う予測の資料として使用できるようにデータ処理する。
また、予報資料Mのデータの受信がない旨を判断した場合には、予報資料データ予測ステップ31hを実行する。予測ステップ31hでは、既に受信した予報資料M或いは実況値Dのデータから現在時刻における予報資料Mを予測する。予測ステップ31hで行われる予報資料Mの予測は、最後に受信した予報資料Mおよび実況値Dのデータとそれ以前に受信した予報資料Mおよび実況値Dのデータとに基づいて、予測処理する時刻における予測である。従って、予測される予報資料Mのデータは、時系列的傾向(トレンド)に基づいて予測される。
次いで、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31に続けて、気象予報予測処理工程32の監視位置読込ステップ32aを実行する。監視位置読込ステップ32aでは、データベース5からユーザ端末2が登録した通知希望地点情報、および同地点周辺の地形情報を全て読込む。続けて、解析処理ステップ32bが実行される。解析処理ステップ32bでは、新たに取得した予報資料M或いは実況値Dのデータと、既に取得している過去の予報資料Mおよび実況値Dのデータから気象変化傾向データを作成する。
続けて気象予測ステップ32cが実行される。気象予測ステップ32cで行われる気象予報の詳細は前述した通りである。要約的に述べると、[1]予報資料Mおよび実況値Dの各データを新たに入力した場合、[2]予報資料Mのデータのみを新たに入力し実況値Dのデータは入力しなかった場合、[3]実況値Dのデータのみを新たに入力し予報資料Mのデータは入力しなかった場合、[4]予報資料Mおよび実況値Dのデータを新たに入力しなかった場合の各々で使用する解析資料は、前述のごとく所定数の組合せパターンから予め選択して気象予報システム1に設定しておき、気象予測ステップ32cが、それぞれの場合に設定された解析資料を使用して解析処理を行う。
続けて予報情報作成ステップ32dが実行される。予報情報作成ステップ32dでは、登録されたユーザ端末2が通知を希望する地点の情報をデータベース5から取得し、通知希望地点に関するデータおよびその周辺の地形に関するデータと、気象予測ステップ32cで既に作成された気象予測データとに基づいて、位置的に補間し、同地点における通知位置気象予測データを作成する。
気象予報予測処理工程32での処理が終了すると、ユーザ別情報処理工程33が実行される。先ず、通知情報読込ステップ33aが実行される。通知情報読込ステップ33aでは、データベース5に記憶されている全ての登録用通知情報Cによって指示された降水情報、気温情報、風速情報、湿度情報、波浪情報、花粉情報、紫外線情報、大気汚染情報、通知時刻情報等の気象条件を読込む。
次に通知判断ステップ33bが実行される。通知判断ステップ33bでは、予報情報作成ステップ32dで作成した通知位置気象予測データと通知情報読込ステップ33aによって読み込まれた気象条件である各情報とを比較判断し、通知位置気象予測データと読込んだ各情報とを判断した結果少なくとも1つが一致していれば、続けて気象予報作成ステップ33cを実行し、一致していなければ、再び実況値データ/予報資料データ監視予測工程31を実行する。比較した結果一致した気象条件(例えば降水量に関する降水情報)について、この実施形態では、図3に表す地点における通知位置気象予測データが、降水量が30mm/h以上と予想されたので、通知位置気象予測データと読込んだ降水情報とが一致すると判断して降水情報が一致したことを記憶部(図示せず)に記憶し、続けて気象予報作成ステップ33cを実行する。従って通知判断ステップ33bでは、比較した結果、気象条件の各情報が通知位置気象予報データと一致した場合には、一致したことおよびその気象条件である情報を記憶手段に記憶する。なお、上記の一致がなかった場合には通知しないと判断し、再び実況値データ/予報資料データ監視予測工程31へ戻り、受信確認ステップ31aを実行する。
また通知判断ステップ33bでは、通知判断を行った結果、気象条件の情報が一致していても、前回の判断時に同じ気象条件の情報(例えば降水情報)が一致していると判断した場合にも通知しないと判断し、一致しなかった場合と同様に再び受信確認ステップ31aを実行する。従って、通知判断の結果、気象条件の情報と気象予報とが一致したユーザ端末2でも、前回の同情報の判断結果が一致していた場合には、このユーザ端末2には気象予報を通知しないと判断する。また、通知判断の結果、気象条件と気象予報とが一致しなくても、前回の判断結果が一致していた場合には、気象予報が気象条件と異なり、ユーザ端末2に通知が解除された旨を通知するように判断する。通知が解除された旨の通知を行うと判断した場合には、その旨をユーザ端末2に対応させて一時記憶させる。
通知判断ステップ33bが一致すると判断した場合、或いは、通知判断結果が一致していないものの前回一致していた場合には続けて気象予報作成ステップ33cを実行する。気象予報作成ステップ33cでは、予報情報作成ステップ32dで作成された通知位置気象予測データのうち一致する通知位置気象予測データから、ユーザ端末2へ実際に通知するユーザ通知情報、或いは、通知判断結果が一致していないものの前回一致していた場合には通知状態が解除された旨を通知するユーザ通知情報を作成する。この実施形態では、図3(c)に表す情報を作成する。
次いで、情報通知処理工程34のユーザ情報読込ステップ34aが実行される。ユーザ情報読込ステップ34aでは、データベース5からユーザ通知情報を送信するユーザ端末2への送信先についての情報を読込む。この実施形態では、ユーザ端末2にはインターネットメールでユーザ通知情報を送信するので、送信先のインターネットメールアドレスを読込む。
続けて、通知方法判定ステップ34bが実行される。通知方法判定ステップ34bでは、ユーザ端末2への通信方法がインターネットメールアドレスへ送信する方法であると判断する。
続けて、通知処理ステップ34cが実行される。通知処理ステップ34cでは、通知方法判定ステップ34bがインターネットメールアドレスへの送信によって送信すると判断したので、ユーザ通知情報を送信するユーザ端末2のインターネットメールアドレスへ、図3(c)に例示する通知画面をユーザ端末2が表示できるユーザ通知情報を作成して送信する。
上述のように、第1の実施形態では、ユーザ端末2が現在地点等特定の一地点における気象予報WFの通知を、通知を希望する条件と一致するか否かを判断して通知する場合の例であるが、ユーザ端末2が指定する地点の気象情報を、通知を希望する条件と一致するか否かの判断をせずに通知してもよい。すなわち、登録用通知情報Cが地点に関する情報と予報希望時刻に関する情報のみからなる場合である。この場合には、ユーザ端末2が、通知を希望する通知希望気象条件を設定しない登録用通知情報Cを気象予報システム1へ通知し、気象予報システム1では、通知判断ステップ33bを設けず、全ての通知希望地点について通知するように形成する。従って、この場合には通知希望地点の気象予報をユーザ通知情報としてユーザ端末2へ通知できる。なお通知希望地点の通知希望気象条件を、例えば降水量0mm/hというように緩やかなものとして、常に通知されるように登録用通知情報Cを作成することによってもよく、或いは、ユーザ端末2が登録用通知情報Cを通知する際に、降水量等種々の条件とは別に、通知希望地点における気象予報WFの通知を常に希望する指示情報を含むことによって通知判断ステップ33bが通知すると判断するようにしてもよい。
また第1の実施形態では、ユーザ端末2が現在地点等の特定の一地点における気象予報WFの通知を希望する場合の例であるが、ユーザ端末2が複数地点について、通知を希望する気象条件に一致した場合に気象予報WFの通知を希望する場合も、第1の実施の形態同様であり、図6に表すように、ユーザ端末2が気象予報システム1へ送信する登録用通知情報Cに、通知を希望する地点を複数記載することで実施できる。この場合には、通知を希望する各地点毎に、通知を希望する気象条件を変えて登録用通知情報Cとすることも可能であり、このように各地点における通知希望気象条件を変えることで、例えば、帰省時等には、希望するルート上の地点の気象予報が悪い結果の時に通知するようにしておけば、希望するルート上の地点の気象予報が悪いときには他のルートを通るようにルートを変更可能となる。
さらにまた、複数地点について通知を希望するが、通知を希望する気象条件を設定せずに、各地点での気象予報を所定の時刻毎に通知するよう希望することも可能で、この場合には、ユーザ端末2が、通知を希望する地点のみ設定し、通知を希望する通知希望気象条件を設定しない登録用通知情報Cを気象予報システム1へ通知し、気象予報システム1では、通知判断ステップ33bを設けず、全ての通知希望地点について通知するように形成すればよい。従って、この場合には全ての通知希望地点の気象予報がユーザ通知情報としてユーザ端末2へ通知されることとなる。なお、各地点の通知希望気象条件をとても緩やかなものとして、常に通知されるように登録用通知情報Cを作成することによってもよく、或いは登録用通知情報Cに全ての地点における気象予報WFの通知を希望する指示情報を含むことによって通知判断ステップ33bが通知すると判断するようにしてもよい。
第1の実施形態においてユーザ端末2から指示される通知希望地点の情報は、ユーザ端末2から町名までの情報として受領したときには、同町名の代表地点(例えば同町の中心部)を通知希望地点として処理し、さらに同町名の番地までの情報として受領した場合には同番地の代表地点を通知希望地点として処理するが、緯度経度によって厳密に指示された場合には、その地点を通知希望地点として処理する。従って、気象予報システム1は、これら代表地点はデータベース5或いは他の記憶部に予め記憶されており、ユーザ端末2から受領した情報をその代表地点として処理するよう形成する。また、通知地点の指示は「町名まで指示する」というように定められた指示方法によって通知希望地点の指示が行われるようにしておき、指示された町名の代表地点を採用するように予め形成しておいてもよい。従って、ユーザから指示される地点(通知希望地点)は、緯度および経度によって厳密に定められる位置または少なくとも緯度経度にて示される位置地点を含む日本或いは世界各地の特定の領域をいい、例えば、関東地方などの地方、東京都などの都道府県、千代田区などの市区町村、大手町などの地域を特定するとして採用すればよい。
次に本発明の第2の実施形態を説明する。第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ユーザ端末2が気象予報システム1に登録した登録用通知情報Cに基づいて、気象予報システム1は、当該ユーザ端末2に対して気象予報WFを提供する。第2実施形態では、特に、ユーザ端末2から通知される通知希望地点の情報について、ユーザ端末2の存在する現在地点が現在地点情報として提供される。第2実施形態では、ユーザ端末2が移動し、現在位置が変わることを前提としている。ユーザ端末2が移動するということは、ユーザ端末2がモバイル装置であり、ユーザ自身が移動することを意味している。
第2実施形態では、ユーザ端末2は自身の現在位置(地点)を認識できるように構成されている。ユーザ端末は2は、自身が備える測位システム、または他の測位システムによって、自身の位置を認識する。前述の図1に示したシステム構成において、ユーザ端末2は、気象予報システム1に対して、登録用通知情報Cと共に、現在地点情報を送信する。ユーザ端末2の測位システムまたは他の測位システムは、緯度・経度を測位でき、緯度・経度に基づいて自身の現在地点に係る情報を取得する。従って第2の実施形態における登録用通知情報Cには通知希望地点の情報は含まなくてよい。通知希望地点の情報は、側位システムによる測位で得られた現在地点の情報である。またユーザ端末2は、登録用通知情報Cを送信した後には、通知を希望する気象条件に変更がない限り、現在地点情報を気象予報システム1へ送信する。これは、ユーザ端末2が移動した後、その現在地点における気象予報が、通知を希望する気象条件となった場合に、通知を受けるためである。
第2実施形態に係る気象予報システム1の処理工程を図8に示す。図8において、前述の第1実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。第2実施形態の気象予報システム1は、気象情報予測通知システム3を形成する実況値データ/予報資料データ監視予測工程31、気象情報予測処理工程32、ユーザ別情報処理工程33、情報通知処理工程34と、ユーザ登録システム4の登録工程とから構成されている。第2実施形態で、ユーザ登録システム4の登録工程は固有の特徴を有している。気象情報予測通知システム3は原則的に第1実施形態で説明したシステムと同じであるが、ユーザ登録システムの工程変更に伴ってその一部が変更されている。
第2実施形態におけるユーザ登録システム4の登録工程を説明する。ユーザ登録システム4の登録工程は、登録受付判断ステップ4a、個別情報作成ステップ4b、ユーザ情報登録ステップ4c、位置情報判断ステップ4d、およびユーザ位置登録ステップ4eとからなる。ユーザ登録システム4は、ユーザ端末2から登録用通知情報Cを受け付けてデータベース5へ登録する。第2実施形態では、ユーザ端末2から気象予報システム1へユーザ端末2の現在地点が通知されてくるので、登録用通知情報Cと共に、または登録用通知情報Cとは別に、ユーザ端末2に係る現在地点情報が送信される。
登録受付判断ステップ4aはユーザ端末2からの登録用通知情報Cの登録受付けを監視するステップであるが、第1実施形態とは異なり、登録の受付けがない場合には、続けてユーザ位置登録ステップ4eを実行する。
個別情報作成ステップ4bおよびユーザ情報登録ステップ4cは、共に第1実施形態の場合と同じである。ただし第2実施形態では、登録用通知情報Cには通知希望地点の情報は含まれないので、個別情報作成ステップ4bおよびユーザ情報登録ステップ4cでは通知希望地点に関する処理は行わない。これは、第2実施形態では、現在地点情報が通知希望地点となるからである。
位置情報判断ステップ4dは、ユーザ情報登録ステップ4c或いは登録受付判断ステップ4aに続けて実行され、ユーザ端末2からの現在地点情報の受信の有無を監視する。位置情報判断ステップ4dで現在地点情報の受付けがあった場合には続けてユーザ位置登録ステップ4eを実行し、同情報の受付けがなかった場合には、再び登録受付判断ステップ4aを実行する。
ユーザ位置登録ステップ4eは、ユーザ端末2から受信した現在地点情報をユーザ端末2に対応させてユーザ端末2の現在位置としてデータベース5へ記憶させるステップである。従って、ユーザ登録システム4は、ユーザ端末2からの登録用通知情報C或いは現在地点情報の受信を監視し、受信した場合にはそれぞれの情報をデータベース5へ登録する。
気象情報通知予測システム3を説明する。気象情報通知予測システム3の実況値データ/予報資料データ監視予測工程31は、第1実施形態と同じである。気象情報予測処理工程32では、予測情報作成ステップ32dが、第1実施形態とは異なり、ユーザ端末2から送信されてデータベース5に記憶された現在地点情報を通知希望地点として取得する。その他の点は第1実施形態の場合と同じである。ユーザ別情報処理工程33では、第1実施形態とは異なり、通知情報読込ステップ33aが登録用通知情報Cの通知希望地点に代わりユーザ端末2の現在地点情報を読込む。その他の点は第1実施形態の場合と同じである。情報通知処理工程34の各ステップは、第1実施形態の場合と同じである。
第2実施形態による気象予報システム1の動作(働き)を説明する。
第2実施形態では、ユーザ端末2からの情報受付けは第1施形態と同様に行うが、受け付ける情報は第1実施形態と異なり、登録用通知情報Cおよび現在地点情報を受け付ける。登録用通知情報Cは、第1実施形態では通知希望地点の情報を含んだが、第2実施形態では通知希望地点の情報はユーザ(またはユーザ端末)の現在地点情報となる。
ユーザ端末2は、登録用通知情報Cを送信すると共に現在地点情報を気象予報システム1へ送信する。
ユーザ登録システム4では、ユーザ端末2からの受付けを登録受付判断ステップ4aが監視し、ユーザ端末2からの登録用通知情報Cおよび現在地点情報を受信すると、個別情報作成ステップ4bが受付けたユーザ端末2の登録用通知情報Cから個別に情報を作成してデータベース5へ記憶させる。ユーザ端末2からの登録用通知情報Cの受付けがない場合または個別情報作成ステップ4bに続けてユーザ情報登録ステップ4cが実行された場合には、位置情報判断ステップ4dが実行され、既にデータベース5へ登録されたユーザ端末2から現在地点情報の受付けを監視する。ユーザ端末2から現在地点情報の受信があると、ユーザ位置登録ステップ4eが実行されて受信した現在地点をユーザ端末2の通知希望地点としてデータベース5へ記憶させる。
ユーザ位置登録ステップ4eの実行が終了するか或いは位置情報判断ステップ4dが現在地点情報を受信しない場合には再び登録受付判断ステップ4aを実行する。従ってユーザ登録システム4は、常にユーザ端末2からの情報の受付けを監視する。
気象情報予測通知システム3は、通知希望地点が常にユーザ端末2の現在地点情報の表す現在地点となること以外は、第1実施形態の場合と同じである。ユーザ端末2におけるユーザ通知情報の登録画面、および、ユーザへの通知画面も、第1実施形態の場合と同じである。
なお、ユーザ端末2からの現在地点情報の送信は、ユーザ端末2が任意の時刻に行ってもよく、また、所定時刻毎或いは15分おき等所定時間経過毎に行ってもよい。さらにまた、第2の実施の形態では、ユーザ端末2の現在地点における気象条件と同地点における気象情報通知システム3の予報した気象予報との少なくとも1つが一致した場合に通知するように形成したが、気象情報予測通知システム3が気象予報するたびにユーザ端末2が通知を希望する地点の気象予報をユーザ端末2へ通知するように形成してもよい。この場合には、第1実施形態と同様に、ユーザ端末2が、現在地点のみを設定し通知を希望する通知希望気象条件を設定しない登録用通知情報Cを気象予報システム1へ通知し、気象予報システム1では、通知判断ステップ33bを設けず、全ての通知希望地点について通知するように形成する。なお通知希望地点の通知希望気象条件を緩やかなものとして、常に通知されるように登録用通知情報Cを作成することによってもよく、或いは、登録用通知情報Cに全ての地点における気象予報WFの通知を希望する指示情報を含むことによって通知判断ステップ33bが通知すると判断するようにしてもよい。
さらに、上記の第2実施形態ではユーザ端末2からは地点情報としてユーザ端末2の現在地点を示す現在地点情報のみが通知される場合を説明したが、ユーザ端末2が、現在地点情報の他にも通知を希望する地点情報を、登録用通知情報Cによって、通知希望地点情報として通知希望する気象情報と共に送信するようにし、気象情報予測通知システム3では現在地点情報に関する気象情報を通知すると共に他の通知希望地点の気象情報も通知するように形成してもよい。この場合には、ユーザ登録システム4の個別情報作成ステップ4bがデータベース5へ他の通知希望地点を記憶する。また気象情報予測通知システム3でも、予報情報作成ステップ32d、通知情報読込ステップ33aが、ユーザ端末2の現在地点の情報と共に他の通知希望地点の情報も読込むようにする。さらに通知判断ステップ33bでも、通知するか否かの判断を現在地点および他の通知希望地点について行い、通知希望気象条件の少なくとも1つが一致した地点があった場合には気象予報作成ステップ33cがその地点について通知を行う情報を作成するように形成し、以下情報通知処理部34でも一致した地点における気象予報をユーザ端末2へ通知するよう形成する。なお一致した地点があった場合のユーザ端末2への通知は、一致した地点の気象予報だけではなく、一致した地点が存在したユーザ端末2が希望する他の通知希望地点および現在地点の気象情報を通知するように形成してもよい。
第2実施形態においてユーザ端末2から指示される通知希望地点の情報は、ユーザ端末2から町名までの情報として受領したときには、同町名の代表地点(例えば同町の中心部)を通知希望地点として処理し、さらに同町名の番地までの情報として受領した場合には同番地の代表地点を通知希望地点として処理するが、緯度経度によって厳密に指示された場合には、その地点を通知希望地点として処理する。現在地点の情報も、通知希望地点と同様に、ユーザ端末2からの受領形態によってそれぞれの処理を行い、ユーザ端末2が現在位置を通知するための測位システムによっては現在地点の情報形態も変わるので、それぞれの形態に対応するよう形成する。第2実施形態では、現在地点の情報は、ユーザ端末2から測位システムによって測位された経度および緯度の情報として受領するものとして説明した。従って気象予報システム1では、これら代表地点がデータベース5或いは他の記憶部に予め記憶されており、ユーザ端末2から受領した情報をその代表地点として処理するように形成する。また通知地点の指示は「町名まで指示する」というように定められた指示方法によって行われるようにしておき、指示された町名の代表地点を採用するように予め形成しておいてもよい。従ってユーザから指示される地点(通知希望地点)は、緯度および経度によって厳密に定められる位置または少なくとも緯度・経度にて示される位置を含む日本或いは世界各地の特定の領域をいい、例えば、関東地方などの地方、東京都などの都道府県、千代田区などの市区町村、大手町などの地域を特定するとして採用すればよい。勿論、緯度および経度による指示を採用してもよい。
次に図9を参照して本発明に係る第3実施形態を説明する。第3実施形態は、ユーザ端末2が、気象予報システム1へ通知希望する気象条件と共に、測位システムを搭載したカーナビゲーションシステム等によって自動的に定まるユーザ端末2の現在地点情報と到着目的地までの移動ルートの情報とを通知可能な場合の例であり、気象予報システム1がユーザ端末2の移動ルート上の現在地点情報から到着目的地までの他の通知希望地点の情報を通知する場合の例である。また移動ルートも測位システムによって得られる現在地点と到着目的地点とから複数設定され、各移動ルート上の所定地点が通知される。
気象予報システム1は、気象情報予測通知システム3およびユーザ登録システム4からなり、図9に示される処理工程が実施される。
気象情報予測通知システム3は、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31と、気象情報予測処理工程32と、ユーザ別情報処理工程33と、情報通知処理工程34とからなる。気象情報予測処理工程32の予報情報作成ステップ32dで、通知希望地点の気象を予測して作成される気象予測データは、ユーザ端末2の現在地点および現在地点より先の移動ルート上の地点(到着地点側)について作成される。同様に通知情報読込ステップ33aによって読込まれ、通知判断ステップ33bによって判断する際の通知希望地点の情報も、ユーザ端末2の現在地点および現在地点より先の移動ルート上の地点(到着地点側)である。勿論、移動ルート上の地点は現在地点より先(到着地点側)に限らない移動ルート上の地点としてもよい。
ユーザ登録システム4の登録工程は、登録受付判断ステップ4a、個別情報作成ステップ4b、ユーザ情報登録ステップ4c、位置情報判断ステップ4d、ユーザ位置登録ステップ4e、ルート情報処理ステップ4fからなる。登録工程は、登録受付判断ステップ4a、個別情報作成ステップ4b、ルート情報処理ステップ4f、ユーザ情報登録ステップ4c、位置情報判断ステップ4d、ユーザ位置登録ステップ4eの順に実行される。従って第3実施形態のユーザ登録システム4では、第2実施形態の登録工程での個別情報作成ステップ4bとユーザ情報登録ステップ4cの間に、ルート情報処理ステップ4fが追加される。ルート情報処理ステップ4fは、ユーザ端末2から送信される登録用通知情報Cからルート情報を読取る。読み取ったルート情報は、ユーザ情報登録ステップ4cによってデータベース5に記憶される。
ユーザ端末2は、第1および第2の実施形態の場合とは異なり、カーナビゲーションシステムの機能を有して車載され、情報処理部およびディスプレイ部を有している。この実施形態では、ユーザ端末2は、車載システムとして構成され、現在地点の緯度および経度を衛星からの電波を受信することで測位する測位システムの機能を有し、ナビゲーションシステムの機能を有する携帯可能な端末である。ユーザ端末2は、その現在地点を測位でき、かつ現在地点情報と登録用通知情報Cとを気象予報システム1へ送信できる。かかる機能を有するならば、どのようなシステムからなるユーザ端末2であってもよい。またユーザ端末2は、気象予報システム1との通信できないカーナビゲーションシステムに気象予報システム1と通信可能な携帯情報端末を接続して形成する等の複数の装置から形成して用いてもよい。ユーザ端末2は、登録用通知情報Cおよび現在地点情報を気象予報システム1へ通知する。
ユーザ端末2が気象予報システム1へ送信する登録用通知情報Cは、ユーザ端末2利用者が通知を希望する気象条件であり、利用登録位置情報、降水情報、気温情報、風速情報、湿度情報、波浪情報、花粉情報、紫外線情報、大気汚染情報、通知時刻情報等である。これらの情報は、予め、気象予報システム1に通知される。登録用通知情報Cは移動ルート情報を含む。移動ルート情報は、現在地点から到着地点までの経路上の主要地点と、これら地点への到達予定時刻である。ルート情報が気象予報システム1へ通知されることで、気象予報システム1では、予報情報作成ステップ32dが、ルート情報によって通知された現在地点から到着地点までの経路上の主要地点を通知希望地点とし、希望地点への到達予定時刻の気象を予測して通知位置気象予測データを作成することが可能となる。また移動ルートは、複数想定し、複数の移動経路上の主要地点を設定することができる。複数の移動ルートを設定することにより、移動途中にどちらの移動ルートにするかを選択できる。
登録用通知情報Cに含まれるルート情報は、現在の時刻である指示時刻と、現在地点および到着地点と、現在地点から到着地点までの経路上の主要地点と、ユーザ端末2の予想移動速度からなる情報とすることもできる。この場合に、主要地点が通知希望地点である。気象予報システム1では、予報情報作成ステップ32dが、ルート情報によって指示された時刻と予想移動速度とによって、主要地点への到着時刻を算出し、主要地点の到着時刻における気象を予測して通知位置気象予測データを作成する。さらにルート情報は、現在の時刻である指示時刻と、現在地点から到着地点までの移動経路と、予想移動速度とから構成してもよい。この場合には、気象予報システム1が気象予報可能な全ての地域において主要地点を予め定めて情報として記憶しておく。予報情報作成ステップ32dでは、指示時刻と現在時刻とから移動経路上の予め定められた主要地点への予想到着時刻を算出し、気象予報システム1が予め定める主要地点の予想到着時刻における気象を予測して通知位置気象予測データを作成する。さらにはルート情報処理ステップ4fがこれら全ての機能を有するように形成してもよい。そして、予め定める主要地点の情報は、データベース5へ記憶しておいてもよく、また他の記憶部に記憶しておいてもよい。このように、気象予報システム1側で、主要地点の情報を予め定めて記憶して対応することで、ユーザ端末2が主要地点の通知をできなくても、気象予報システム1が気象予報を提供可能となる。
次に第3実施形態の作用を説明する。ユーザ端末2は、第2実施形態と同様に、気象予報システム1に登録用通知情報Cおよび現在地点情報をインターネット通信網NETを経由して送信する。この時、送信する登録用通知情報Cには、通知を希望する気象条件と共に、ユーザ端末2の移動先到着地点である到着地点情報、現在地点から到着地点までの移動ルート、移動ルート上に指定する複数の地点を指定した通知希望地点の情報を含む。従ってユーザ端末2が到着する地点と現在地点から到着地点までの移動ルートが気象予報システム1へ通知され、さらに移動ルート上の複数地点が通知希望地点として通知される。また同時にユーザ端末2は、通知を希望する地点である現在地点情報も気象予報システム1へ送信する。なお現在地点情報は、ユーザ端末2が移動することで現在地点も変化するので、変化した現在地点に関して所定間隔の時刻毎に気象予報システム1へ送信される。この時、通知を希望する気象条件に変化がない場合は、現在地点情報のみを送信する。このように移動した位置を順次に送信することで、気象予報システム1はユーザ端末2の移動した先である現在地点を取得することになる。
気象予報システム1では、ユーザ端末2から送信があると、送信された登録用通知情報Cおよび現在地点情報を受け付ける。すなわち、ユーザ登録システム4の登録工程における登録受付判断ステップ4aが、登録用通知情報Cの受信があったと判断し、続けて個別情報作成ステップ4bを実行する。
個別情報作成ステップ4bでは、ユーザ端末2からの登録用通知情報Cを受付け、ユーザ端末2が通知を希望する条件、ユーザ端末2への通知方法、およびユーザのID情報を、ユーザ端末2に対応してデータベース5へ記憶させる。
次いでルート情報処理ステップ4fを実行する。ルート情報処理ステップ4fでは、受信した登録用通知情報Cによって通知された情報から移動ルートに関する情報を生成する。その後、ユーザ情報登録ステップ4cが実行され、生成した情報をユーザ端末2に対応させてデータベース5へ記憶させる。このとき記憶されるルート情報は、現在地点から到着地点までの経路上の主要地点と、これら地点への到達予定時刻である。また、登録用通知情報Cが、現在の時刻である指示時刻と、現在地点および到着地点と、現在地点から到着地点までの経路上の主要地点と、ユーザ端末2の予想移動速度とからなる場合には、これらの情報をデータベース5へ記憶する。さらにまたルート情報が、現在の時刻である指示時刻と、現在地点から到着地点までの移動経路と、予想移動速度とからなる場合には、これら情報をデータベース5へ記憶する。なお予想移動速度は、予め気象予報システム1に時速40km等の初期設定値を設けておき、ユーザ端末2から予想移動速度の入力がなくても、初期設定値によって自動的に算出できるようにしておく。
次いで位置情報判断ステップ4dが実行される。位置情報判断ステップ4dでは、登録用通知情報Cと共に現在地点情報がユーザ端末2からユーザ登録システム4へ送信されてきたので、続けてユーザ位置登録ステップ4eを実行する。ユーザ位置登録ステップ4eでは、受信したユーザの現在地点情報によって表される現在地点をユーザ端末2に対応させてデータベース5へ記憶させる。ユーザ位置登録ステップ4eの処理が終了すると、再び登録受付判断ステップ4aを実行する。
またユーザ端末2から現在地点情報のみが送信された場合には、登録受付判断ステップ4aはユーザ端末2から登録用通知情報Cの受信がないので、続けて位置情報判断ステップ4dを実行する。位置情報判断ステップ4dでは、現在地点情報がユーザ端末2から送信されてきたので、受信有りと判断し、ユーザ位置登録ステップ4eを実行する。
ユーザ位置登録ステップ4eでは、前述したのと同様に、ユーザ端末2の現在地点をデータベース5へユーザ端末2に対応させて記憶させる。この時、新たに生成した現在地点を既に記憶されていた現在地点と書換えて記憶してもよく、また、次受信するたびに、既に受付けた現在地点とは別に最新の現在地点として記憶してもよい。現在地点の記憶が終了すると、再び登録受付判断ステップ4aを実行する。
なおユーザ端末2から情報を受け付けない場合には、ユーザ登録システム4では、登録受付判断ステップ4aが登録用通知情報Cの受信なしと判断して、次いで位置情報判断ステップ4dを実行し、位置情報判断ステップ4dでも現在地点情報の受付なしと判断して再び登録受付判断ステップ4aを実行するので、常に登録用通知情報Cまたは現在地点情報の受付けを監視することとなる。
一方、気象情報通知システム1では、実況値データ/予報資料データ監視予測工程31が、前述した実施形態の場合と同様に、予報資料M、実況値Dの各データの受信を監視している。実況値データ/予報資料データ監視予測工程での作用は、第2実施形態等と同じである。
気象情報予測処理工程32での作用は、原則的に第2実施形態と同じである。予報情報作成ステップ32dでは、データベース5から登録されたユーザ端末2が通知を希望する地点であるユーザの現在地点情報およびルート情報によって指示される通知希望地点の情報とを取得し、通知希望地点に関するデータおよびその周辺の地形に関するデータと、気象予測ステップ32cで既に作成された気象予測データとに基づいて位置的に補間し、同地点における通知位置気象予測データを作成する。すなわち、予報情報作成ステップ32dでは、ルート情報によって通知された現在地点から到着地点までの経路上の主要地点を通知希望地点とし、希望地点への到達予定時刻の気象を予測して通知位置気象予測データを作成する。同様に、ルート情報が、現在の時刻である指示時刻と、現在地点および到着地点と、現在地点から到着地点までの経路上の主要地点と、ユーザ端末2の予想移動速度とからなる場合には、予報情報作成ステップ32dは、ルート情報によって指示された時刻と予想移動速度とによって、主要地点への到着時刻を算出し、主要地点の到着時刻における気象を予測して通知位置気象予測データを作成する。さらに同様に、ルート情報が、現在の時刻である指示時刻と、現在地点から到着地点までの移動経路と、予想移動速度とからなる場合には、データベース5或いは他の記憶部に記憶された予め定められた主要地点の情報から移動経路上の主要地点の情報を取得し、指示時刻と現在時刻とから移動経路上の予め定められた主要地点への予想到着時刻を算出し、気象予報システム1が予め定める主要地点の予想到着時刻における気象を予測して通知位置気象予測データを作成する。同様に、ユーザ別情報処理工程33も、通知希望地点の情報を現在地点情報とルート情報によって指示される地点として処理する。その他の第3実施形態の作用は、第1実施形態と同じである。
第3実施形態によれば、ユーザ端末2では、通常行われるカーナビゲーションシステム等の到着地点および移動ルート等の設定条件と測位システムによって得られる現在地点情報とが、ユーザ端末2が気象予報システム1へ送信する登録用通知情報Cとして使用できるようになるので、通知を希望する気象条件の設定を行うだけで、他のシステムの使用情報である現在地点および移動ルート上の各地点の情報を利用して、同地点における気象情報を得ることができる。
また第3実施形態でも、通知希望地点の気象予報と通知を希望する気象条件との一致判断をせずに、現在地点および移動ルート上の各地点に関する気象予報WFを通知してもよい。さらにまた移動ルートを複数設定するよう形成してもよく、この場合にはよりよい気象条件のルートを選択可能となる。
第3実施形態において、ユーザ端末2から指示される移動ルート情報の指示する通知希望地点は、ユーザ端末2から緯度および経度の情報として受領するので、その地点の情報として処理するが、ユーザ端末2から移動ルート上の町名等で受領した場合には、同町名の代表地点(例えば同町の中心部)を移動ルート上の情報として処理し、さらに同町名の番地までの情報として受領した場合には同番地の代表地点を通知希望地点として処理する。交差点名によって指示されたときも同様である。また現在地点の情報も同様である。これら地点に関する情報は、ユーザ端末2に備えた測位システムによって異なるため、種々の情報形態に対応可能に形成する。従って気象予報システム1では、これら代表地点がデータベース5或いは他の記憶部に予め記憶されており、ユーザ端末2から受領した情報をその代表地点として処理するように形成する。また通知地点の指示を「町名まで指示する」というように定められた指示方法によって行われるようにしておき、指示された町名の代表地点を採用するように予め形成しておいてもよい。従ってユーザから指示される地点(通知希望地点)は、緯度および経度によって厳密に定められる位置または少なくとも緯度・経度にて指示される位置を含む日本或は世界各地の特定の領域をいい、例えば、関東地方などの地方、東京都などの都道府県、千代田区などの市区町村、大手町などの地域を特定して採用すればよい。勿論、緯度および経度による指示を採用してもよい。
なお第1乃至第3の実施形態に表す気象予報システム1では、ユーザ端末2から受領する地点の情報が代表地点を採用するような情報であった場合には、ユーザ登録システム4によって代表地点を生成し、気象情報通知システム3が気象予報を行う際には代表地点の情報として読出し可能としてもよい。また、気象情報通知システム3が通知希望地点を読出した時に気象情報通知システム3によって代表地点の情報を生成するようにしてもよい。
なお各実施形態では、気象予報システム1の気象情報予測通知システム3は、最良な構成として、登録用通知情報Cを登録したユーザ端末2に対して予報結果を通知するよう形成するように説明した。上記通知システム3は、ユーザが通知した条件に合致したときに気象予報を通知するように構成されたが、この構成の適用は、本実施形態に係るリアルタイムでの気象予報を行う気象予報システム1に限定されない。また通知の仕方としては、例えば、気象予報システム1への登録用通知情報Cの登録をユーザが使用しているパーソナルコンピュータを利用して行い、気象予報システム1から通知される予報結果は、ユーザの使用しているファクシミリによって提供を受けるというように、登録用通知情報Cを気象予報システム1に登録する端末と気象予報システム1から通知を受ける端末とを異ならせて実施することも可能である。この場合には、ユーザ端末2が気象予報システム1に登録する登録用通知情報Cに、通知希望する端末の種類や電話番号等の通知に必要な情報を予め含めて気象予報システム1に登録し、気象予報システム1では、通知方法判定ステップ34bによって通知方法を判定し、通知処理ステップ34cによって所望の通知方法によって通知するよう処理可能に形成すればよい。