JP2005010122A - オーバーコアリング式応力解放法による応力測定方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量コンパクトな市販コアドリル装置を利用し、オーバーコアリング中においても経時変化を計測できるオーバーコアリング式応力解放法による応力測定方法およびその装置を提供すること。
【解決手段】ドリル軸(C1)に対しモーター回転軸(C2)が同軸心にないコアドリル装置(M)を準備し、測定位置にそのコアドリル装置(M)を設置し、カットボーリングを行い、ボーリングカッター(10)を後退させそのボーリング孔(B)内にひずみゲージ(30)を貼付してそのリード線(20)を外部に設置した計測器(K)にドリル軸(C1)内を貫通して接続し、オーバーコアリングを行ってその前後を通してひずみを計測し応力測定を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】ドリル軸(C1)に対しモーター回転軸(C2)が同軸心にないコアドリル装置(M)を準備し、測定位置にそのコアドリル装置(M)を設置し、カットボーリングを行い、ボーリングカッター(10)を後退させそのボーリング孔(B)内にひずみゲージ(30)を貼付してそのリード線(20)を外部に設置した計測器(K)にドリル軸(C1)内を貫通して接続し、オーバーコアリングを行ってその前後を通してひずみを計測し応力測定を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば岩盤等の応力をオーバーコアリング式応力解放法によって計測する応力測定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、既設のトンネルまたは地下空洞の背面地山、あるいは既設コンクリート構造物に対する応力測定の手法としては、オーバーコアリング式応力解放法が岩盤を対象に実績がある。
そのオーバーコアリング式応力解放法は、応力を受けている岩盤をボーリングし、そのボーリング孔を利用してひずみゲージを接着し、その部分を含む岩盤をオーバーコアリングすることで応力を解放し、その際に生じるひずみの測定によって2次元ないし3次元的な地圧を計測する手法である。
【0003】
このオーバーコアリング式応力解放法には大きく分けて下記の3種類がある。
1.孔径変化法
2.孔壁ひずみ法
3.孔底ひずみ法
【0004】
上記孔径変化法は、削孔されたボーリング孔の中に孔径の変化を測定するための計器を設置し、オーバーコアリングによる応力解放時のボーリング孔径を測定してそれより初期地圧を計測する。
また、孔壁ひずみ法は、応力開放時のボアホール壁面のひずみを測定し、それより初期地圧を計測する。孔壁面へのひずみゲージの直接貼付は難しいので、ボアホール内に満たされた接着剤の中にモールドゲージを挿入する方法が開発されている。
そして、孔底ひずみ法は、削孔されたボーリング孔の孔底を平面・球面・円錐などに整形し、そこにひずみゲージを貼り付けて応力解放した際のひずみ変化を測定することで初期地圧を計測する。孔底の形状により、平面孔底ひずみ法、球面孔底ひずみ法、円錐孔底ひずみ法とそれぞれ呼ばれている。
【0005】
次に、岩盤応力測定を目的とした上記種々のオーバーコアリング式応力解放法の中で円錐孔底ひずみ法を例に、その手順を以下図14〜図20を参照して説明する。
まず、図14に示すように岩盤に対向して(大型)ボーリングマシンM1をコンクリート基礎1A上に設置する。そして、カットボーリングを行い(図15)、円錐ビット12Aによって孔底の整形・洗浄を行う(図16)。さらに、アセトン付布31で孔底の洗浄を行って(図17)、ひずみゲージセル30Aの接着を行う(図18)。そして、図19に示すように、オーバーコアリングの準備作業としてゲージセル30Aからのリード線20をスイベル32の後方から出し、データロガーKに結線をする。次に、ひずみゲージセル30Aを含む部分をオーバーコアリング(33)し、その時のひずみの経時変化データを取得する(図20)。
この後に、ひずみ値を応力に換算するため、同ボーリング孔のコアを用いて室内3軸圧縮試験を行い、弾性係数を求めておき、以上の3次元的に設置されたひずみゲージによるひずみ値と弾性係数とから3次元的な応力状態を算出する。
【0006】
また、図21はオーバーコアリングによる解法ひずみ曲線の一例で、横軸のオーバーコアリング深度に対する測定値が示されており、これらの経時変化曲線を観察し、ひずみデータの有効・棄却の判断をする。
【0007】
一方、トンネル覆工コンクリートを対象にした場合など比較的に浅層におけるオーバーコアリングでは、上記のようなボーリングマシンM1ではなく、軽量コンパクトな従来のコアドリルを用いることができれば、その測定法の方が有利である。
しかしながらコアドリルは通常、ドリル軸の延長上にモーターが設置される構造であるため、オーバーコアリング中に計測するためのリード線(信号線)を取り出すことができず、したがって経時的な連続測定をすることができなかった。
【0008】
従来のコアドリルを用いた場合のひずみ測定を図22〜図25を参照して説明する。
まず、コアドリルMを所定位置に設置してカットボーリングを行い(図22)、次にヘッド3Aを取り外し、孔底にゲージ30を接着して計測器Kとリード線20で結線し、オーバーコアリング前のひずみを測定する(図23)。
そして、図24に示すように、リード線20を一旦計測器Kから外して孔内にまとめ、ヘッド3Aを取り付けてオーバーコアリングを行う。オーバーコアリング修了後にはヘッド3Aを再び取り外し、リード線20を結線して測定を行う(図25)。
【0009】
図26は、横軸に掘進深度を採り、縦軸にはひずみを示しており、図中の符号Aはオーバーコアリング前の測定区間、符号Bはオーバーコアリング中の未測定区間、符号Cはオーバーコアリング後の測定区間を示している。図示B区間においては、符号aで示す経過なのか、あるいは符号bで示す経過か、ひずみの経時挙動は不明である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽量コンパクトな市販コアドリル装置を利用し、オーバーコアリング中においても経時変化を計測できるオーバーコアリング式応力解放法による応力測定方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の応力測定方法は、オーバーコアリング式応力解放法によって計測する応力測定方法において、ドリル軸に対しモーター回転軸が同軸心にはないコアドリル装置を準備し、測定位置にそのコアドリル装置を設置し、カットボーリングを行い、ボーリングカッターを後退させそのボーリング孔内にひずみゲージを貼付してそのリード線を外部に設置した計測器にドリル軸内を貫通して接続し、オーバーコアリングを行ってその前後を通してひずみを計測し応力測定を行う。
【0012】
また、本発明のコアドリル装置は、オーバーコアリング式応力解放法によって応力を計測するためのコアドリル装置であって、駆動モーターをその回転軸とドリル軸とが同軸心でない位置に設け伝動手段を介してドリル軸を駆動し、オーバーコアリング用カッター装着時にひずみゲージのリード線がそのドリル軸内を貫通して計測器に接続されるように構成する。
【0013】
上記伝動手段としては、例えば直交型として傘歯車による駆動、平行型として歯車あるいはベルトによる駆動等を用いるのが好ましい。
【0014】
このように、本発明によれば、駆動モーター回転軸とドリル軸とが同一軸心にないので、ドリル軸内を通るリード線はモーターを通らずに容易に貫通でき、かつ回転に影響されないのでオーバーコアリングの前後を通してボーリング孔内のひずみを連続して計測できる。そして、その装置として、従来のようにボーリングマシンを使わず、例えば、市販のコアドリルを利用し、それを改造することで容易、かつ安価に準備することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1および図2は本発明によるコアドリル装置Mの側面図および上面図である。地盤上にアンカー5によって固定された台座1上には支柱2が立設されており、モーター部3がその支柱2に上下移動可能に支持されている。そのモーター部3には回転軸を水平にモーター7(図6参照)が設けられており、傘歯車8、9を介してボーリングを行うコアドリル10が駆動されている。なお、符号4は昇降ハンドルを示す。
【0016】
コアドリル10は、軸の先端にカッタービット(ボーリングカッターやオーバーコアリングカッター)12を取り付けた削孔部10Aと、その削孔部10Aを支え、かつ前記モーター7の回転力をドリル軸に伝える駆動部10Bと、後部のスイベル部10Cとで構成されている。
そして、その削孔部10Bは、駆動部10B側から下方にロッド12、コアチューブ11、そして前記カッタービット12とで構成されており、またスイベル部10Cには給水口18が設けられている。
【0017】
図1は、削孔されたボーリング孔Bにひずみゲージ30を接着した状態を示しており、そのひずみゲージ30からは、リード線20がドリル軸内を上方へ貫通し、図示しない計測器に接続されている。
【0018】
図3〜図5には、同軸心にないドリル軸C1とモーター回転軸C2との伝動手段の例が示されている。
図3は、ドリル軸C1とモーター軸C2とが直交配置で傘歯車(8、9:図1方式)を用いた例、図4は、平行配置で平歯車(8A、9A)を用いた例、図5は、平行配置でプーリー(8B、9B)によりベルト駆動した例を示す。この他にも種々の伝動手段があり、それらを用いても良い。
このように、ドリル軸C1からモーター7を外すことで、ドリル軸内にモーターを通らず容易にひずみゲージ30からのリード線30を貫通させることができ、オーバーコアリングと計測とを同時に行うことができる。
【0019】
図6〜図8には直交配置の(傘)歯車方式による本発明のコアドリル装置Mの一例を示す。
前記図1に示した実施形態による例で、同一の符号を付してある。コアドリル部10は、モーター部3と共に昇降ハンドル4により支柱に沿って上下移動する。
【0020】
次に、図9〜図12を参照して本発明のオーバーコアリング式応力解放法による応力の測定手順を説明する。
まず、本発明によるコアドリル装置Mを所定位置に設置し、カットボーリングを行う(図9)。
次に、コアチューブ11を上昇させ、ボーリング孔Bの孔底にひずみゲージ30を接着し、そのリード線20を、コアドリル10軸内を通して計測器(データロガー)Kに結線する。そして、オーバーコアリング前のデータを取得する(図10)。
次に、オーバーコアリングを行い、オーバーコアリング中のひずみ測定(図11)と、オーバーコアリング終了後のひずみ測定(図12)とを継続して行う。
このようにして、図13に示すように、オーバーコアリング前(A)、オーバーコアリング中(B)、そしてオーバーコアリング修了後(C)におけるひずみデータが連続して取得できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成され、以下に示す効果を奏する。
(1) 計測ケーブル(信号線)がコアドリル内を貫通し外部に配線できる構造であり、オーバーコアリング中にひずみのデータを連続して測定できる。
(2) 従来の大型ボーリングマシンを利用した初期地圧測定法と同等の精度で簡易に応力測定が可能。
(3) 適用対象としては、浅部の岩盤応力測定やコンクリート応力測定に適用できる。
(4) 従来のボーリングマシンを利用したオーバーコアリング法による初期地圧測定としての孔径変化法・孔壁ひずみ法・孔底ひずみ法のいずれに対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコアドリル装置の概要を示す側面図。
【図2】図1の主要部の平面図。
【図3】直交型の伝動手段としての傘歯車駆動を示す斜視図。
【図4】平行型の伝動手段としての平歯車駆動を示す斜視図。
【図5】平行型の伝動手段としてのベルト駆動を示す図。
【図6】本発明による直交型のコアドリル装置の一例を示す斜視図。
【図7】図6の上面図。
【図8】図6の側面図。
【図9】本発明のカットボーリング工程を説明する図。
【図10】ひずみゲージの貼付、ひずみ測定の工程を説明する図。
【図11】オーバーコアリング中のひずみ測定工程を説明する図。
【図12】オーバーコアリング終了後のひずみ測定工程を説明する図。
【図13】オーバーコアリングによる解放ひずみが連続して取得されるのを示すグラフ。
【図14】従来のボーリングマシンによる応力測定法におけるボーリングマシン設置工程を示す図。
【図15】図14の次工程のカットボーリング工程を示す図。
【図16】図15の次工程の孔底の整形・洗浄工程を示す図。
【図17】図16の次工程の孔底の洗浄工程を示す図。
【図18】図17の次工程のひずみゲージの接着工程を示す図。
【図19】図18の次工程のオーバーコアリング準備工程を示す図。
【図20】図19の次工程のオーバーコアリング測定工程を示す図。
【図21】解放ひずみ曲線の一例を示すグラフ。
【図22】従来の市販コアドリルによるカットボーリング工程を示す図。
【図23】ひずみゲージ貼付・ひずみ測定工程を示す図。
【図24】オーバーコアリング工程を示す図。
【図25】オーバーコアリング終了後のひずみ測定工程を示す図。
【図26】従来のコアドリルによるひずみの測定値のグラフ。
【符号の説明】
1・・・台座
2・・・支柱
3・・・モーター部
7・・・モーター
8、9・・・歯車
10・・・コアドリル装置
11・・・コアチューブ
12・・・ビット
13・・・ロッド
20・・・リード線
30・・・ひずみゲージ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば岩盤等の応力をオーバーコアリング式応力解放法によって計測する応力測定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、既設のトンネルまたは地下空洞の背面地山、あるいは既設コンクリート構造物に対する応力測定の手法としては、オーバーコアリング式応力解放法が岩盤を対象に実績がある。
そのオーバーコアリング式応力解放法は、応力を受けている岩盤をボーリングし、そのボーリング孔を利用してひずみゲージを接着し、その部分を含む岩盤をオーバーコアリングすることで応力を解放し、その際に生じるひずみの測定によって2次元ないし3次元的な地圧を計測する手法である。
【0003】
このオーバーコアリング式応力解放法には大きく分けて下記の3種類がある。
1.孔径変化法
2.孔壁ひずみ法
3.孔底ひずみ法
【0004】
上記孔径変化法は、削孔されたボーリング孔の中に孔径の変化を測定するための計器を設置し、オーバーコアリングによる応力解放時のボーリング孔径を測定してそれより初期地圧を計測する。
また、孔壁ひずみ法は、応力開放時のボアホール壁面のひずみを測定し、それより初期地圧を計測する。孔壁面へのひずみゲージの直接貼付は難しいので、ボアホール内に満たされた接着剤の中にモールドゲージを挿入する方法が開発されている。
そして、孔底ひずみ法は、削孔されたボーリング孔の孔底を平面・球面・円錐などに整形し、そこにひずみゲージを貼り付けて応力解放した際のひずみ変化を測定することで初期地圧を計測する。孔底の形状により、平面孔底ひずみ法、球面孔底ひずみ法、円錐孔底ひずみ法とそれぞれ呼ばれている。
【0005】
次に、岩盤応力測定を目的とした上記種々のオーバーコアリング式応力解放法の中で円錐孔底ひずみ法を例に、その手順を以下図14〜図20を参照して説明する。
まず、図14に示すように岩盤に対向して(大型)ボーリングマシンM1をコンクリート基礎1A上に設置する。そして、カットボーリングを行い(図15)、円錐ビット12Aによって孔底の整形・洗浄を行う(図16)。さらに、アセトン付布31で孔底の洗浄を行って(図17)、ひずみゲージセル30Aの接着を行う(図18)。そして、図19に示すように、オーバーコアリングの準備作業としてゲージセル30Aからのリード線20をスイベル32の後方から出し、データロガーKに結線をする。次に、ひずみゲージセル30Aを含む部分をオーバーコアリング(33)し、その時のひずみの経時変化データを取得する(図20)。
この後に、ひずみ値を応力に換算するため、同ボーリング孔のコアを用いて室内3軸圧縮試験を行い、弾性係数を求めておき、以上の3次元的に設置されたひずみゲージによるひずみ値と弾性係数とから3次元的な応力状態を算出する。
【0006】
また、図21はオーバーコアリングによる解法ひずみ曲線の一例で、横軸のオーバーコアリング深度に対する測定値が示されており、これらの経時変化曲線を観察し、ひずみデータの有効・棄却の判断をする。
【0007】
一方、トンネル覆工コンクリートを対象にした場合など比較的に浅層におけるオーバーコアリングでは、上記のようなボーリングマシンM1ではなく、軽量コンパクトな従来のコアドリルを用いることができれば、その測定法の方が有利である。
しかしながらコアドリルは通常、ドリル軸の延長上にモーターが設置される構造であるため、オーバーコアリング中に計測するためのリード線(信号線)を取り出すことができず、したがって経時的な連続測定をすることができなかった。
【0008】
従来のコアドリルを用いた場合のひずみ測定を図22〜図25を参照して説明する。
まず、コアドリルMを所定位置に設置してカットボーリングを行い(図22)、次にヘッド3Aを取り外し、孔底にゲージ30を接着して計測器Kとリード線20で結線し、オーバーコアリング前のひずみを測定する(図23)。
そして、図24に示すように、リード線20を一旦計測器Kから外して孔内にまとめ、ヘッド3Aを取り付けてオーバーコアリングを行う。オーバーコアリング修了後にはヘッド3Aを再び取り外し、リード線20を結線して測定を行う(図25)。
【0009】
図26は、横軸に掘進深度を採り、縦軸にはひずみを示しており、図中の符号Aはオーバーコアリング前の測定区間、符号Bはオーバーコアリング中の未測定区間、符号Cはオーバーコアリング後の測定区間を示している。図示B区間においては、符号aで示す経過なのか、あるいは符号bで示す経過か、ひずみの経時挙動は不明である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽量コンパクトな市販コアドリル装置を利用し、オーバーコアリング中においても経時変化を計測できるオーバーコアリング式応力解放法による応力測定方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の応力測定方法は、オーバーコアリング式応力解放法によって計測する応力測定方法において、ドリル軸に対しモーター回転軸が同軸心にはないコアドリル装置を準備し、測定位置にそのコアドリル装置を設置し、カットボーリングを行い、ボーリングカッターを後退させそのボーリング孔内にひずみゲージを貼付してそのリード線を外部に設置した計測器にドリル軸内を貫通して接続し、オーバーコアリングを行ってその前後を通してひずみを計測し応力測定を行う。
【0012】
また、本発明のコアドリル装置は、オーバーコアリング式応力解放法によって応力を計測するためのコアドリル装置であって、駆動モーターをその回転軸とドリル軸とが同軸心でない位置に設け伝動手段を介してドリル軸を駆動し、オーバーコアリング用カッター装着時にひずみゲージのリード線がそのドリル軸内を貫通して計測器に接続されるように構成する。
【0013】
上記伝動手段としては、例えば直交型として傘歯車による駆動、平行型として歯車あるいはベルトによる駆動等を用いるのが好ましい。
【0014】
このように、本発明によれば、駆動モーター回転軸とドリル軸とが同一軸心にないので、ドリル軸内を通るリード線はモーターを通らずに容易に貫通でき、かつ回転に影響されないのでオーバーコアリングの前後を通してボーリング孔内のひずみを連続して計測できる。そして、その装置として、従来のようにボーリングマシンを使わず、例えば、市販のコアドリルを利用し、それを改造することで容易、かつ安価に準備することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1および図2は本発明によるコアドリル装置Mの側面図および上面図である。地盤上にアンカー5によって固定された台座1上には支柱2が立設されており、モーター部3がその支柱2に上下移動可能に支持されている。そのモーター部3には回転軸を水平にモーター7(図6参照)が設けられており、傘歯車8、9を介してボーリングを行うコアドリル10が駆動されている。なお、符号4は昇降ハンドルを示す。
【0016】
コアドリル10は、軸の先端にカッタービット(ボーリングカッターやオーバーコアリングカッター)12を取り付けた削孔部10Aと、その削孔部10Aを支え、かつ前記モーター7の回転力をドリル軸に伝える駆動部10Bと、後部のスイベル部10Cとで構成されている。
そして、その削孔部10Bは、駆動部10B側から下方にロッド12、コアチューブ11、そして前記カッタービット12とで構成されており、またスイベル部10Cには給水口18が設けられている。
【0017】
図1は、削孔されたボーリング孔Bにひずみゲージ30を接着した状態を示しており、そのひずみゲージ30からは、リード線20がドリル軸内を上方へ貫通し、図示しない計測器に接続されている。
【0018】
図3〜図5には、同軸心にないドリル軸C1とモーター回転軸C2との伝動手段の例が示されている。
図3は、ドリル軸C1とモーター軸C2とが直交配置で傘歯車(8、9:図1方式)を用いた例、図4は、平行配置で平歯車(8A、9A)を用いた例、図5は、平行配置でプーリー(8B、9B)によりベルト駆動した例を示す。この他にも種々の伝動手段があり、それらを用いても良い。
このように、ドリル軸C1からモーター7を外すことで、ドリル軸内にモーターを通らず容易にひずみゲージ30からのリード線30を貫通させることができ、オーバーコアリングと計測とを同時に行うことができる。
【0019】
図6〜図8には直交配置の(傘)歯車方式による本発明のコアドリル装置Mの一例を示す。
前記図1に示した実施形態による例で、同一の符号を付してある。コアドリル部10は、モーター部3と共に昇降ハンドル4により支柱に沿って上下移動する。
【0020】
次に、図9〜図12を参照して本発明のオーバーコアリング式応力解放法による応力の測定手順を説明する。
まず、本発明によるコアドリル装置Mを所定位置に設置し、カットボーリングを行う(図9)。
次に、コアチューブ11を上昇させ、ボーリング孔Bの孔底にひずみゲージ30を接着し、そのリード線20を、コアドリル10軸内を通して計測器(データロガー)Kに結線する。そして、オーバーコアリング前のデータを取得する(図10)。
次に、オーバーコアリングを行い、オーバーコアリング中のひずみ測定(図11)と、オーバーコアリング終了後のひずみ測定(図12)とを継続して行う。
このようにして、図13に示すように、オーバーコアリング前(A)、オーバーコアリング中(B)、そしてオーバーコアリング修了後(C)におけるひずみデータが連続して取得できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成され、以下に示す効果を奏する。
(1) 計測ケーブル(信号線)がコアドリル内を貫通し外部に配線できる構造であり、オーバーコアリング中にひずみのデータを連続して測定できる。
(2) 従来の大型ボーリングマシンを利用した初期地圧測定法と同等の精度で簡易に応力測定が可能。
(3) 適用対象としては、浅部の岩盤応力測定やコンクリート応力測定に適用できる。
(4) 従来のボーリングマシンを利用したオーバーコアリング法による初期地圧測定としての孔径変化法・孔壁ひずみ法・孔底ひずみ法のいずれに対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコアドリル装置の概要を示す側面図。
【図2】図1の主要部の平面図。
【図3】直交型の伝動手段としての傘歯車駆動を示す斜視図。
【図4】平行型の伝動手段としての平歯車駆動を示す斜視図。
【図5】平行型の伝動手段としてのベルト駆動を示す図。
【図6】本発明による直交型のコアドリル装置の一例を示す斜視図。
【図7】図6の上面図。
【図8】図6の側面図。
【図9】本発明のカットボーリング工程を説明する図。
【図10】ひずみゲージの貼付、ひずみ測定の工程を説明する図。
【図11】オーバーコアリング中のひずみ測定工程を説明する図。
【図12】オーバーコアリング終了後のひずみ測定工程を説明する図。
【図13】オーバーコアリングによる解放ひずみが連続して取得されるのを示すグラフ。
【図14】従来のボーリングマシンによる応力測定法におけるボーリングマシン設置工程を示す図。
【図15】図14の次工程のカットボーリング工程を示す図。
【図16】図15の次工程の孔底の整形・洗浄工程を示す図。
【図17】図16の次工程の孔底の洗浄工程を示す図。
【図18】図17の次工程のひずみゲージの接着工程を示す図。
【図19】図18の次工程のオーバーコアリング準備工程を示す図。
【図20】図19の次工程のオーバーコアリング測定工程を示す図。
【図21】解放ひずみ曲線の一例を示すグラフ。
【図22】従来の市販コアドリルによるカットボーリング工程を示す図。
【図23】ひずみゲージ貼付・ひずみ測定工程を示す図。
【図24】オーバーコアリング工程を示す図。
【図25】オーバーコアリング終了後のひずみ測定工程を示す図。
【図26】従来のコアドリルによるひずみの測定値のグラフ。
【符号の説明】
1・・・台座
2・・・支柱
3・・・モーター部
7・・・モーター
8、9・・・歯車
10・・・コアドリル装置
11・・・コアチューブ
12・・・ビット
13・・・ロッド
20・・・リード線
30・・・ひずみゲージ
Claims (2)
- オーバーコアリング式応力解放法によって計測する応力測定方法において、ドリル軸に対しモーター回転軸が同軸心にないコアドリル装置を準備し、測定位置にそのコアドリル装置を設置し、カットボーリングを行い、ボーリングカッターを後退させそのボーリング孔内にひずみゲージを貼付してそのリード線を外部に設置した計測器にドリル軸内を貫通して接続し、オーバーコアリングを行ってその前後を通してひずみを計測し応力測定を行うことを特徴とする応力測定方法。
- オーバーコアリング式応力解放法によって応力を計測するためのコアドリル装置であって、駆動モーターをその回転軸とドリル軸とが同軸心でない位置に設け伝動手段を介してそのドリル軸を駆動し、オーバーコアリング用カッター装着時にひずみゲージのリード線がそのドリル軸内を貫通して計測器に接続されるように構成したことを特徴とするコアドリル装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003177610A JP2005010122A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | オーバーコアリング式応力解放法による応力測定方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003177610A JP2005010122A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | オーバーコアリング式応力解放法による応力測定方法およびその装置 |
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---|---|
JP2005010122A true JP2005010122A (ja) | 2005-01-13 |
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ID=34100121
Family Applications (1)
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JP2003177610A Pending JP2005010122A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | オーバーコアリング式応力解放法による応力測定方法およびその装置 |
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2003
- 2003-06-23 JP JP2003177610A patent/JP2005010122A/ja active Pending
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