JP2005008565A - 痩身化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】トウキンセンカ抽出物を含有する化粧料を塗布することにより、痩身作用,セルライト改善作用,むくみ改善作用を有する化粧料に関するものであり、さらに詳しくは、痩身作用,セルライト改善作用,むくみ改善作用を有する痩身化粧料を提供することを課題とする。
【解決手段】トウキンセンカ抽出物を配合した場合に、肥満、セルライト、むくみを改善することができる。また本発明によれば、トウキンセンカ抽出物と他の特定の成分とを有効成分として配合する痩身化粧料が提供される。
【選択図】なし
【解決手段】トウキンセンカ抽出物を配合した場合に、肥満、セルライト、むくみを改善することができる。また本発明によれば、トウキンセンカ抽出物と他の特定の成分とを有効成分として配合する痩身化粧料が提供される。
【選択図】なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トウキンセンカ抽出物を配合した痩身化粧料に関し、さらに詳しくは、痩身作用,セルライト改善作用,むくみ改善作用の期待できる化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
トウキンセンカは南ヨーロッパ(地中海沿岸)原産のキク科植物で、花壇や切花用に盛んに栽培される1年草または越年草である。分岐した枝の先端に淡黄色か濃橙黄色の頭花をつける。トウキンセンカの花は黄色染料が含有され、染料や料理用ハーブとして西洋で利用されており、メーキャップ化粧料として、あるいは止血薬、抗炎症薬として用いられていたが、皮膚への痩身効果を目的とする例はなかった。
【0003】
身体局所、たとえば腹部や脚は、体脂肪がつきやすい部位である。体脂肪は消費エネルギーに対し摂取エネルギーが過剰である場合、脂肪細胞の中性脂肪として蓄積し、その結果皮下脂肪が肥厚していく。原則として、肥厚が著しい場合とは肥満状態を示し、多くの人、特に女性の場合、外観上すなわち美容上好ましくないものであった。さらに、肥満は動脈硬化などのあらゆる疾病の原因となると報告されている。また、女性の身体の内、太もも,尻,下腹などは、特に脂肪が蓄積しやすい。これらの部位は脂肪細胞に水分,老廃物が貯留し、皮膚表面の凹凸になるセルライトが発生することが明らかになってきた。セルライトは通常の運動や単なる食事制限では改善されにくく、美しい肌やボディラインが損なわれるだけでなく、さらに悪化すると静脈瘤などを導く可能性が高い。このように肥満は美容上好ましくないばかりでなく、様々な疾病を引き起こすなど問題が多い。しかしながら、現代社会において食生活の変化、慢性的な運動不足、ストレスの増加などによる諸要因によって、肥満が増加していると報告されている。
このような背景のなか、現代人、特に女性は外見上からもスリムな引き締まった体を切望する傾向にあり、顔や体の余分な脂肪を減らし、引き締まった体を保つために、各種運動や食事制限に加え、脂肪分解剤や血行促進剤を配合したマッサージ用ジェル、クリーム等の化粧料を用いることが知られている。
【0004】
従って、上記の痩身効果に優れる有効素材が望まれており、その探求が行われてきた。例えば、脂肪分解剤としてカフェインおよびそれらの誘導体や茶抽出物などが用いられてきた。しかしながら、従来用いられていた上記成分には、皮膚への刺激の強いものが多く、また作用も十分といえるほどのものはなかった。
【0005】
【特許文献1】
【0006】
【問題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、前記問題点を解決するために鋭意検討した結果、キク科に属するトウキンセンカ(Calendula officinalis L.)の抽出物が痩身作用,セルライト改善作用,むくみ改善作用に優れ、しかも化粧料に添加した場合に保存安定性、皮膚の安全性に優れていることを見出した。さらに、特定の成分と組み合わせることによりそれら効果が相乗的に高まることを発見し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、トウキンセンカ抽出物を含有する皮膚外用剤を提供するものである。
【0007】
本発明に使用されるトウキンセンカの抽出部位は、特に限定されない。花弁、葉、茎、根、種子、果実等或いは、全草を生のまま或いは乾燥,粉砕などの処理したものを用いて抽出することも出来る。
【0008】
本発明で使用される抽出物は各種溶媒にて抽出することが可能である。水のみを用いる場合のほかに、水と混和する極性溶媒を単独で用いることもできる。極性溶媒としてエタノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどを用いることが可能であるが極性溶媒であれば、その限りではない。更に、エタノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールの1種又は2種以上の混合溶媒を用いることができる。
【0009】
抽出時間・抽出温度は、特に限定されない。水による抽出であれば、通常60℃下において、3〜4時間抽出を行い、エタノールなどの低沸点溶媒を使用する場合は還流器付きの抽出装置を使用する。抽出した溶液は、冷却後、ろ過をすることによって抽出液を得ることができる。更に、活性炭やその他樹脂などを用いて脱臭・脱色などを行うこともできる。必要に応じて加熱等の方法により溶媒をなくし、抽出物(乾燥物)としても利用が可能である。
【0010】
本発明にかかる配合量は、特に限定されない。原則的には、有効量存在すれば良いことになり、組成物中乾燥重量0.00001〜100重量%が利用できる。なお、一般的には他の製剤との組み合せなどにより0.001〜5重量%が好ましく、なかでも0.01〜0.5重量%が最適である。しかしながら、用時調製の皮膚外用剤などは、この本願発明にかかるトウキンセンカ抽出物のみを利用することも出来る。
【0011】
本発明においてはトウキンセンカから抽出された抽出物と、他の特定の成分とを併用することにより、脂質分解促進効果はより高められる。かかる成分としては、キサンチン誘導体、海藻抽出物、βアドレナリン作用興奮薬、α2アドレナリン作用抑制薬、茶抽出物、ショウブ抽出物、サイコ抽出物、ラレア抽出物から選ばれる一種または二種以上が好ましい。
【0014】本発明で用いられるキサンチン誘導体としては、例えば、キサンチン、アミノフィリン、テオフィリン、コリンテオフィリン、カフェイン、テオブロミン、1,7−ジメチルキサンチン、オクストリフィン、ジプロフィリン、プロキシフィリン等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのキサンチン誘導体は、合成または茶葉等の植物から実質的に単離されたものを使用することができる。
【0015】本発明で用いられるβアドレナリン作用興奮剤は特に限定されず、例えばイソプロテレノール、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドブタミン、ドパミン、ブトパミン、サルブタモール、テルブタリン、イソエタリン、プロトキロール、フェノテロール、メタプロテレノール、クロルプレナリン、ヘキソプレナリン、トリメトキノール、塩酸プロカテロール、プレナルテロール、フォルスコリン、ジソジウム(R,R)−5−〔2−〔〔2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル〕−アミノ〕プロピル〕−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボキシレート、(R,R)−4−〔2−({2−〔(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル〕アミノ}プロピル)フェニル〕フェノキシ酢酸、{2−ヒドロキシ−5−〔2−({2−ヒドロキシ−3−〔4−(1−メチル−4−トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル〕フェノキシ}プロピル)アミノ〕エトキシ}−ベンズアミドモノメタンスルフォネート、エリスロ−DL−1−(7−メチルインダン−4−イロキシ)−3−イソプロピルアミノブタン−2−オールおよびこれらの薬理的に許容される塩等が挙げられる。薬理的に許容される塩としては、薬理的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。本発明においては、イソプロテレノール、ドブタミン、サルブタモールおよびこれらの薬理的に許容される塩からなる群から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、この場合の塩としては塩酸塩や硫酸塩が好ましい。
【0016】本発明で用いられるα2アドレナリン作用抑制剤は特に限定されず、例えばヨヒンビン、フェントラミン、フェノキシベンザミン、トラゾリン、エルゴタミン、エルゴトキシン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、ジヒドロエルゴトキシン、ラウオルシン、ピペロキサンおよびこれらの薬理的に許容される塩等が挙げられる。薬理的に許容される塩としては、上記と同様のものが挙げられる。本発明においては、ヨヒンビン、フェントラミン、エルゴタミンおよびこれらの薬理的に許容される塩からなる群から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、この場合の塩としてはメシル酸塩や酒石酸塩、塩酸塩が好ましい。
【0017】サイコとしては、ミシマサイコ、マンシュウミシマサイコ、ダフリカサイコ等が挙げられ、茶としては、緑茶、烏龍茶等が挙げられる。ショウブはショウブ(Acorus)属に属する植物、ショウブ(Acorus calamus L.)が挙げられ、ラレアはラレア属(Larrea)属する植物、Larreatridentataが挙げられる。これら植物の抽出に使用する部位は特には限定されない。花弁、葉、根、茎、種子、果実等或は、全草を生のまま或は乾燥したものを用いて抽出することもできる。抽出方法は特に限定されるものではなく、例えば水、アルコール等の親水性有機溶剤、あるいはそれらの混合液、またはグリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、あるいは水と多価アルコールとの混合液により抽出される。これらは適宜濃縮、精製、滅菌、乾燥等を施して使用される。
【0018】本発明で用いられる海藻抽出物は褐藻類、紅藻類、緑藻類の全藻から抽出されるものであり、抽出方法は特に限定されるものではなく、例えば水、アルコール等の親水性有機溶剤、あるいはそれらの混合液、またはグリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、あるいは水と多価アルコールとの混合液により抽出される。
【0019】
たとえば、本発明にかかる有効成分を各種の外用製剤類(動物用に使用する製剤も含む)全般において利用でき、具体的にはアンプル、粉末、顆粒、固形、液体、ゲル又は気泡状の1)医薬品、2)医薬部外品、3)局所用又は全身用の皮膚用化粧料(例えば、クリーム、乳液、化粧水、パック剤、洗顔料などの各種基礎化粧料など)、4)衛生用品などが挙げられる。
【0020】
以下、本発明による試験実施例を示すとともに、本発明の素材を利用した化粧料の処方例での利用例を示すが、ここに記載された実施例に限定されるものではない。
【0021】
試料溶液の調製
調製例1(水抽出物)
トウキンセンカ乾燥物を100gとり、1000mLの精製水を加え、60℃下において3時間抽出を行った。冷却後、ろ過を行い、ろ液を得た。ろ液を減圧下濃縮し、十分乾燥させ、水抽出物を8g得た。
【0022】
調製例2(エチルアルコール抽出物)
トウキンセンカ乾燥物を10gとり、ソックスレー抽出器を用いてエチルアルコールにて5時間抽出を行った。冷却後、ろ過を行い、ろ液を得た。ろ液を減圧下濃縮し、十分乾燥させ、エチルアルコール抽出物を0.7g得た。
【0023】
調製例3(エチルアルコール水混液抽出物)
前記水抽出物における抽出法において水の代わりに50%エチルアルコール50%水混液を使用した。抽出物は可能な限り溶媒を除去、濃縮した後、十分乾燥させ、50%エチルアルコール抽出物を7.8g得た。
【0024】
前記植物抽出物を50%エチルアルコールに1.0%濃度になるように溶解後、0.2μmメンブレンフィルターにてろ過滅菌し、各植物抽出液とした。
【0025】脂肪細胞の脂肪分解能の測定
(1)10容量%CS含有DMEM培地、(2)分化誘導培地を調製する。
(1)10容量%CS含有DMEM培地:DMEM培地(ICNBiomedicals 社製)13.48gに蒸留水1L加え、それぞれ終濃度10容量%CS (CALF BOVINE SERUM)、0.1重量%炭酸水素ナトリウム、70mg/Lストレプトマイシン硫酸塩および70mg/Lベンジルペニシリンカリウムを添加して調製する。
(2)分化誘導培地:DMEM培地(ICNBiomedicals 社製)13.48gに蒸留水1L加え、それぞれ終濃度10容量%CS (CALF BOVINE SERUM)、10μg/mLインシュリン、0.5mM1−メチル−3−イソブチルキサンチン(MIX)、0.25μM デキサメサゾン、0.1重量%炭酸水素ナトリウム、100mg/Lストレプトマイシン硫酸塩および70mg/Lベンジルペニシリンカリウムを添加して調製する。
【0026】マウス由来の前駆脂肪細胞3T3−L1を6穴マルチプレートを用いて10%FCを含むDMEMで37℃で培養した。なお、培地は2〜3日毎に交換した。Confluent後、培養液を吸引除去し、PBS(−)で細胞を1回洗浄した後、分化誘導培地を加え、2日間分化誘導/培養し、脂肪細胞へと分化させた。
その後は元の培地で培養を続けた。約1週間後、脂肪細胞へ分化した3T3−L1細胞に各試料を最終濃度0.05〜0.025%となるように添加し培養、1日(24時間)後に培地中のグリセロール量を脂肪分解の指標として定量した。培地中に遊離したグリセロール量を酵素法(ベーリンガー・マンハイム社製F−キット;グリセロール)にて測定する。ブランクとして10容量%CS含有DMEM、陽性対照としてカフェイン(純分約0.01mg/mL)を試験に用いた。この発明にかかる各種抽出物の脂肪分解促進効果は、数1により脂肪分解促進率(%)を算出して表した。結果は表1に示した。
【0027】
【数1】
【0028】
【表1】脂肪分解促進率
【0029】表1からトウキンセンカには脂質分解を促進する効果があり、さらに本抽出物とその他成分を2種以上の組み合わせによりさらに脂質分解が促進されることがわかる。
【0030】コラーゲンゲル収縮促進能の測定
線維芽細胞のコラーゲンゲル収縮度を測定した。皮膚線維芽細胞(3T3−Swiss−Albino)を10cmシャーレに10%FBSのDMEM培地にて培養後、トリプシン溶液にて剥離し細胞液を作成する。氷冷下コラーゲンゲル溶液(新田ゼラチン社製、tapeI−A(3.0mg/ml,pH=3)に、10%FBSのDMEM培地、DMEM5倍濃縮溶液、FBSを添加し、最後に皮膚線維芽細胞(3T3−Swiss−Albino)の懸濁液を加え十分に攪拌し、気泡を取り除いた後、6穴プレートに添加し十分に攪拌した後、各試料を最終濃度0.05%となるように添加し、最後に皮膚線維芽細胞(3T3−Swiss−Albino)の懸濁液を加え十分に攪拌し、気泡を取り除いた後、6穴プレートに各穴5mlずつ注入し、直ちに37℃でゲル化させた。6穴プレートは0.2%アルブミン−PBS(−)液を添加し一晩37℃でインキュベートし、テスト前に溶液を除去しておいた。コラーゲンゲル培養2時間後にゲルの周囲をメスにて剥離した後、培養した。
ゲル直径計測は、方眼紙上で直径を3方向から測定し、コントロール区に対する値を算出した。結果を表2に示す。
【0031】
【数2】
【0032】
【表2】コラーゲンゲル収縮率(%)
【0033】表2より明らかなように、トウキンセンカ抽出物の作用により、コラーゲンゲルの直径がコントロールと比較し小さくなり、コラーゲンゲルの収縮が促進されている。
【0034】細胞増殖性の評価
各種植物抽出液の細胞増殖性をCell Counting Kit(同仁)を用いて評価を行った。細胞は正常ヒト2倍体線維芽細胞HFSKF‐II(理化学研)を培地はHam−F12にFBSを15%になるように添加した培地を用いた。線維芽細胞を24Well Plateに培養し24時間後、FBS5%のHam−F12に培地交換し、各試料を最終濃度0.001から0.05%となるように添加した。コントロールとして試料の溶媒、陽性対象としてアスコルビン酸リン酸マグネシウム溶液を使用した。さらに48時間培養後にCell Counting Kit 試薬を50μl添加し混合し、呈色反応2時間行った。反応後、96Well Plateに培養液を100μlづつ移し、マイクロプレートレーダーを用い412nmにて測定した。本試験では、ブランクとしてPBS(−)を用いた。結果を吸光度値よりブランクを差し引きコントロールを100%としたときの細胞増殖率(%)を算出して表3に示した。
【0035】
【数3】
【0036】
【表3】細胞増殖率(%)
【0037】
表3に示した結果のように、トウキンセンカ抽出物においても高い線維芽細胞増殖効果が認められた。相対的にコラーゲン産生能が高まることにより皮下脂肪の肥厚やセルライトでハリの低下した肌のハリ改善効果が期待できることがわかる。
【0038】化粧料の使用による全身の痩身効果、むくみ改善効果の測定
さらに、本発明にかかる化粧料を用いて、実際に使用した場合の効果について検討を行った。肥満に悩む40〜50代の女性60名に3ヶ月間連続で一日2回(朝・夕)塗布してもらい連用試験を行った。被験者を無作為に10名ずつの群に分け、表4の処方の軟膏を腹部、足に塗布してもらい、痩身効果、むくみ改善効果を評価した。評価方法は開始時と塗布3ヶ月後にウエスト周囲を測定し開始時からの減少値の平均を求め評価した。さらに、使用後の実感度を被験者に4段階評価してもらった。結果を表4,5に示す。また、使用期間中に肌の異常を訴えた被験者はいなかった。
【0039】判定基準
(被験者の痩身度判定基準)
顕著に有効:脂肪、むくみが顕著に減少し痩身効果が顕著である
有効 :脂肪、むくみが減少し痩身効果がある
やや有効 :脂肪、むくみがやや減少し痩身効果がややある
無効 :開始時と比較して変化なし
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
表4、5の結果から、トウキンセンカのみでも、ウエスト周囲長の減少は見られたが、トウキンセンカ抽出物及び他の成分を組み合わせることにより、飛躍的に高い痩身効果がみられることがわかる。被験者の実感効果も高く、本発明の有効成分により、肥満が改善されたことがわかる。
【0042】化粧料の使用によるセルライト改善効果の測定
さらに、本発明にかかる化粧料を用いて、実際に使用した場合の効果について検討を行った。肥満に悩む40〜50代の女性20名に3ヶ月間連続で一日2回(朝・夕)塗布してもらい連用試験を行った。被験者の左足に処方例3、右足には処方例3よりトオキンセンカを除いた比較例を塗布してもらい、セルライトの改善度を評価した。セルライト部位のハリ,弾力改善度をCutomater SEM474(Curage and Khazaka)を用い評価した。Cutomaterにて皮膚の弾力回復率を測定し、塗布後の弾力回復率から開始時の弾力回復率を差し引き評価した。さらに、使用後の実感度を被験者にセルライト改善度,および皮膚のハリ改善度に関して4段階評価してもらった。結果を表6に示す。また、使用期間中に肌の異常を訴えた被験者はいなかった。
【0043】皮膚弾力性
Cutomaterの陰圧吸引により伸びた皮膚の高さを伸展長(mm)とし、陰圧開放後に吸引前の状態に戻らず盛り上がったままの皮膚の高さを非退縮長(mm)とする。
【0044】
【数3】
【0045】判定基準
(弾力回復率判定基準)
5:弾力回復率30%以上
4:弾力回復率20〜30%以上
3:弾力回復率10〜20%
2:弾力回復率0〜10%
1:弾力回復率0%以下
(被験者のハリ度判定基準)
顕著に有効:ハリがかなりでてきた
有効:開始時と比較してがハリがでてきた
やや有効:開始時と比較してややハリがでてきた
無効:開始時と比較して同じ
(被験者の痩身度判定基準)
顕著に有効:セルライトが顕著に減少し痩身効果が顕著である
有効 :セルライトが減少し痩身効果がある
やや有効 :セルライトがやや減少し痩身効果がややある
無効 :開始時と比較して変化なし
【0046】
【表6】
【0047】
表6の結果から、比較例を塗布した右足に比べ実施例を塗布した左足がセルライトおよび皮膚のハリとも改善は顕著であり、被験者の実感効果も高く、トウキンセンカ抽出物により、セルライトが改善されたことがわかる。
【0048】
本発明に基づき化粧料の処方例を示すが、本発明はかかる処方例のみに限定されるものではない。
【0049】処方例1
(1)軟膏(重量%)
a) トウキンセンカ抽出物…0.1
b)酸化防止剤…適量
c)ワセリン…残部
製法a)〜c)までを加え、40℃に加温し、十分に混合する。
【0064】処方例2
(2)クリーム状化粧料
a)ミツロウ …2.0
b)ステアリルアルコール…5.0
c)ステアリン酸…8.0
d)スクワラン…10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート…3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)…1.0
g) トウキンセンカ抽出物…0.5
h) 1,3−ブチレングリコール…5.0
i)水酸化カリウム…0.3
j)防腐剤・酸化防止剤…適量
k)精製水…残部
製法a)〜f)、j)を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。h)、i)、k)を混合し80℃に保ち水相とする。油相に水相を加え乳化する。乳化後、攪拌しながら冷却し60℃になったらg)を加え40℃になったら取りだしクリーム状外用剤を得る。
【0050】処方例3
(3)乳液状化粧料(重量%)
a)ミツロウ…0.5
b)ワセリン…2.0
c)スクワラン…8.0
d)ソルビタンセスキオレエート…0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.)…1.2
f) トウキンセンカ抽出物…0.1
g)1,3−ブチレングリコール…7.0
h)カルボキシビニルポリマー…0.2
i)水酸化カリウム…0.1
j)精製水…残部
k)防腐剤・酸化防止剤…適量
l)エタノール…7.0
製法a)〜e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)〜k)までを加熱溶解し、 80℃に保ち、a)〜e)に加えて乳化し60℃でf)を加え、50℃まで撹拌しながら冷却する。50℃でl)を添加し、40℃まで冷却し、乳液状外用剤を得る。
【0051】処方例4
(4)化粧水(重量%)
a) トウキンセンカ抽出物…0.005
b)グリセリン…5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)…1.0
d)エタノール…6.0
e)香料…適量
f)防腐剤・酸化防止剤…適量
g)精製水…残部
製法a)〜g)までを随時加え混合し、均一に溶解する。
【0052】
【発明の効果】
本発明のトウキンセンカ抽出物を皮膚外用剤に配合することによって、痩身作用,セルライト改善作用,むくみ改善作用効果の期待できる化粧料の提供が可能となった。
【産業上の利用分野】本発明は、トウキンセンカ抽出物を配合した痩身化粧料に関し、さらに詳しくは、痩身作用,セルライト改善作用,むくみ改善作用の期待できる化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
トウキンセンカは南ヨーロッパ(地中海沿岸)原産のキク科植物で、花壇や切花用に盛んに栽培される1年草または越年草である。分岐した枝の先端に淡黄色か濃橙黄色の頭花をつける。トウキンセンカの花は黄色染料が含有され、染料や料理用ハーブとして西洋で利用されており、メーキャップ化粧料として、あるいは止血薬、抗炎症薬として用いられていたが、皮膚への痩身効果を目的とする例はなかった。
【0003】
身体局所、たとえば腹部や脚は、体脂肪がつきやすい部位である。体脂肪は消費エネルギーに対し摂取エネルギーが過剰である場合、脂肪細胞の中性脂肪として蓄積し、その結果皮下脂肪が肥厚していく。原則として、肥厚が著しい場合とは肥満状態を示し、多くの人、特に女性の場合、外観上すなわち美容上好ましくないものであった。さらに、肥満は動脈硬化などのあらゆる疾病の原因となると報告されている。また、女性の身体の内、太もも,尻,下腹などは、特に脂肪が蓄積しやすい。これらの部位は脂肪細胞に水分,老廃物が貯留し、皮膚表面の凹凸になるセルライトが発生することが明らかになってきた。セルライトは通常の運動や単なる食事制限では改善されにくく、美しい肌やボディラインが損なわれるだけでなく、さらに悪化すると静脈瘤などを導く可能性が高い。このように肥満は美容上好ましくないばかりでなく、様々な疾病を引き起こすなど問題が多い。しかしながら、現代社会において食生活の変化、慢性的な運動不足、ストレスの増加などによる諸要因によって、肥満が増加していると報告されている。
このような背景のなか、現代人、特に女性は外見上からもスリムな引き締まった体を切望する傾向にあり、顔や体の余分な脂肪を減らし、引き締まった体を保つために、各種運動や食事制限に加え、脂肪分解剤や血行促進剤を配合したマッサージ用ジェル、クリーム等の化粧料を用いることが知られている。
【0004】
従って、上記の痩身効果に優れる有効素材が望まれており、その探求が行われてきた。例えば、脂肪分解剤としてカフェインおよびそれらの誘導体や茶抽出物などが用いられてきた。しかしながら、従来用いられていた上記成分には、皮膚への刺激の強いものが多く、また作用も十分といえるほどのものはなかった。
【0005】
【特許文献1】
【0006】
【問題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、前記問題点を解決するために鋭意検討した結果、キク科に属するトウキンセンカ(Calendula officinalis L.)の抽出物が痩身作用,セルライト改善作用,むくみ改善作用に優れ、しかも化粧料に添加した場合に保存安定性、皮膚の安全性に優れていることを見出した。さらに、特定の成分と組み合わせることによりそれら効果が相乗的に高まることを発見し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、トウキンセンカ抽出物を含有する皮膚外用剤を提供するものである。
【0007】
本発明に使用されるトウキンセンカの抽出部位は、特に限定されない。花弁、葉、茎、根、種子、果実等或いは、全草を生のまま或いは乾燥,粉砕などの処理したものを用いて抽出することも出来る。
【0008】
本発明で使用される抽出物は各種溶媒にて抽出することが可能である。水のみを用いる場合のほかに、水と混和する極性溶媒を単独で用いることもできる。極性溶媒としてエタノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどを用いることが可能であるが極性溶媒であれば、その限りではない。更に、エタノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールの1種又は2種以上の混合溶媒を用いることができる。
【0009】
抽出時間・抽出温度は、特に限定されない。水による抽出であれば、通常60℃下において、3〜4時間抽出を行い、エタノールなどの低沸点溶媒を使用する場合は還流器付きの抽出装置を使用する。抽出した溶液は、冷却後、ろ過をすることによって抽出液を得ることができる。更に、活性炭やその他樹脂などを用いて脱臭・脱色などを行うこともできる。必要に応じて加熱等の方法により溶媒をなくし、抽出物(乾燥物)としても利用が可能である。
【0010】
本発明にかかる配合量は、特に限定されない。原則的には、有効量存在すれば良いことになり、組成物中乾燥重量0.00001〜100重量%が利用できる。なお、一般的には他の製剤との組み合せなどにより0.001〜5重量%が好ましく、なかでも0.01〜0.5重量%が最適である。しかしながら、用時調製の皮膚外用剤などは、この本願発明にかかるトウキンセンカ抽出物のみを利用することも出来る。
【0011】
本発明においてはトウキンセンカから抽出された抽出物と、他の特定の成分とを併用することにより、脂質分解促進効果はより高められる。かかる成分としては、キサンチン誘導体、海藻抽出物、βアドレナリン作用興奮薬、α2アドレナリン作用抑制薬、茶抽出物、ショウブ抽出物、サイコ抽出物、ラレア抽出物から選ばれる一種または二種以上が好ましい。
【0014】本発明で用いられるキサンチン誘導体としては、例えば、キサンチン、アミノフィリン、テオフィリン、コリンテオフィリン、カフェイン、テオブロミン、1,7−ジメチルキサンチン、オクストリフィン、ジプロフィリン、プロキシフィリン等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのキサンチン誘導体は、合成または茶葉等の植物から実質的に単離されたものを使用することができる。
【0015】本発明で用いられるβアドレナリン作用興奮剤は特に限定されず、例えばイソプロテレノール、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドブタミン、ドパミン、ブトパミン、サルブタモール、テルブタリン、イソエタリン、プロトキロール、フェノテロール、メタプロテレノール、クロルプレナリン、ヘキソプレナリン、トリメトキノール、塩酸プロカテロール、プレナルテロール、フォルスコリン、ジソジウム(R,R)−5−〔2−〔〔2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル〕−アミノ〕プロピル〕−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボキシレート、(R,R)−4−〔2−({2−〔(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル〕アミノ}プロピル)フェニル〕フェノキシ酢酸、{2−ヒドロキシ−5−〔2−({2−ヒドロキシ−3−〔4−(1−メチル−4−トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル〕フェノキシ}プロピル)アミノ〕エトキシ}−ベンズアミドモノメタンスルフォネート、エリスロ−DL−1−(7−メチルインダン−4−イロキシ)−3−イソプロピルアミノブタン−2−オールおよびこれらの薬理的に許容される塩等が挙げられる。薬理的に許容される塩としては、薬理的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。本発明においては、イソプロテレノール、ドブタミン、サルブタモールおよびこれらの薬理的に許容される塩からなる群から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、この場合の塩としては塩酸塩や硫酸塩が好ましい。
【0016】本発明で用いられるα2アドレナリン作用抑制剤は特に限定されず、例えばヨヒンビン、フェントラミン、フェノキシベンザミン、トラゾリン、エルゴタミン、エルゴトキシン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、ジヒドロエルゴトキシン、ラウオルシン、ピペロキサンおよびこれらの薬理的に許容される塩等が挙げられる。薬理的に許容される塩としては、上記と同様のものが挙げられる。本発明においては、ヨヒンビン、フェントラミン、エルゴタミンおよびこれらの薬理的に許容される塩からなる群から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、この場合の塩としてはメシル酸塩や酒石酸塩、塩酸塩が好ましい。
【0017】サイコとしては、ミシマサイコ、マンシュウミシマサイコ、ダフリカサイコ等が挙げられ、茶としては、緑茶、烏龍茶等が挙げられる。ショウブはショウブ(Acorus)属に属する植物、ショウブ(Acorus calamus L.)が挙げられ、ラレアはラレア属(Larrea)属する植物、Larreatridentataが挙げられる。これら植物の抽出に使用する部位は特には限定されない。花弁、葉、根、茎、種子、果実等或は、全草を生のまま或は乾燥したものを用いて抽出することもできる。抽出方法は特に限定されるものではなく、例えば水、アルコール等の親水性有機溶剤、あるいはそれらの混合液、またはグリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、あるいは水と多価アルコールとの混合液により抽出される。これらは適宜濃縮、精製、滅菌、乾燥等を施して使用される。
【0018】本発明で用いられる海藻抽出物は褐藻類、紅藻類、緑藻類の全藻から抽出されるものであり、抽出方法は特に限定されるものではなく、例えば水、アルコール等の親水性有機溶剤、あるいはそれらの混合液、またはグリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、あるいは水と多価アルコールとの混合液により抽出される。
【0019】
たとえば、本発明にかかる有効成分を各種の外用製剤類(動物用に使用する製剤も含む)全般において利用でき、具体的にはアンプル、粉末、顆粒、固形、液体、ゲル又は気泡状の1)医薬品、2)医薬部外品、3)局所用又は全身用の皮膚用化粧料(例えば、クリーム、乳液、化粧水、パック剤、洗顔料などの各種基礎化粧料など)、4)衛生用品などが挙げられる。
【0020】
以下、本発明による試験実施例を示すとともに、本発明の素材を利用した化粧料の処方例での利用例を示すが、ここに記載された実施例に限定されるものではない。
【0021】
試料溶液の調製
調製例1(水抽出物)
トウキンセンカ乾燥物を100gとり、1000mLの精製水を加え、60℃下において3時間抽出を行った。冷却後、ろ過を行い、ろ液を得た。ろ液を減圧下濃縮し、十分乾燥させ、水抽出物を8g得た。
【0022】
調製例2(エチルアルコール抽出物)
トウキンセンカ乾燥物を10gとり、ソックスレー抽出器を用いてエチルアルコールにて5時間抽出を行った。冷却後、ろ過を行い、ろ液を得た。ろ液を減圧下濃縮し、十分乾燥させ、エチルアルコール抽出物を0.7g得た。
【0023】
調製例3(エチルアルコール水混液抽出物)
前記水抽出物における抽出法において水の代わりに50%エチルアルコール50%水混液を使用した。抽出物は可能な限り溶媒を除去、濃縮した後、十分乾燥させ、50%エチルアルコール抽出物を7.8g得た。
【0024】
前記植物抽出物を50%エチルアルコールに1.0%濃度になるように溶解後、0.2μmメンブレンフィルターにてろ過滅菌し、各植物抽出液とした。
【0025】脂肪細胞の脂肪分解能の測定
(1)10容量%CS含有DMEM培地、(2)分化誘導培地を調製する。
(1)10容量%CS含有DMEM培地:DMEM培地(ICNBiomedicals 社製)13.48gに蒸留水1L加え、それぞれ終濃度10容量%CS (CALF BOVINE SERUM)、0.1重量%炭酸水素ナトリウム、70mg/Lストレプトマイシン硫酸塩および70mg/Lベンジルペニシリンカリウムを添加して調製する。
(2)分化誘導培地:DMEM培地(ICNBiomedicals 社製)13.48gに蒸留水1L加え、それぞれ終濃度10容量%CS (CALF BOVINE SERUM)、10μg/mLインシュリン、0.5mM1−メチル−3−イソブチルキサンチン(MIX)、0.25μM デキサメサゾン、0.1重量%炭酸水素ナトリウム、100mg/Lストレプトマイシン硫酸塩および70mg/Lベンジルペニシリンカリウムを添加して調製する。
【0026】マウス由来の前駆脂肪細胞3T3−L1を6穴マルチプレートを用いて10%FCを含むDMEMで37℃で培養した。なお、培地は2〜3日毎に交換した。Confluent後、培養液を吸引除去し、PBS(−)で細胞を1回洗浄した後、分化誘導培地を加え、2日間分化誘導/培養し、脂肪細胞へと分化させた。
その後は元の培地で培養を続けた。約1週間後、脂肪細胞へ分化した3T3−L1細胞に各試料を最終濃度0.05〜0.025%となるように添加し培養、1日(24時間)後に培地中のグリセロール量を脂肪分解の指標として定量した。培地中に遊離したグリセロール量を酵素法(ベーリンガー・マンハイム社製F−キット;グリセロール)にて測定する。ブランクとして10容量%CS含有DMEM、陽性対照としてカフェイン(純分約0.01mg/mL)を試験に用いた。この発明にかかる各種抽出物の脂肪分解促進効果は、数1により脂肪分解促進率(%)を算出して表した。結果は表1に示した。
【0027】
【数1】
【0028】
【表1】脂肪分解促進率
【0029】表1からトウキンセンカには脂質分解を促進する効果があり、さらに本抽出物とその他成分を2種以上の組み合わせによりさらに脂質分解が促進されることがわかる。
【0030】コラーゲンゲル収縮促進能の測定
線維芽細胞のコラーゲンゲル収縮度を測定した。皮膚線維芽細胞(3T3−Swiss−Albino)を10cmシャーレに10%FBSのDMEM培地にて培養後、トリプシン溶液にて剥離し細胞液を作成する。氷冷下コラーゲンゲル溶液(新田ゼラチン社製、tapeI−A(3.0mg/ml,pH=3)に、10%FBSのDMEM培地、DMEM5倍濃縮溶液、FBSを添加し、最後に皮膚線維芽細胞(3T3−Swiss−Albino)の懸濁液を加え十分に攪拌し、気泡を取り除いた後、6穴プレートに添加し十分に攪拌した後、各試料を最終濃度0.05%となるように添加し、最後に皮膚線維芽細胞(3T3−Swiss−Albino)の懸濁液を加え十分に攪拌し、気泡を取り除いた後、6穴プレートに各穴5mlずつ注入し、直ちに37℃でゲル化させた。6穴プレートは0.2%アルブミン−PBS(−)液を添加し一晩37℃でインキュベートし、テスト前に溶液を除去しておいた。コラーゲンゲル培養2時間後にゲルの周囲をメスにて剥離した後、培養した。
ゲル直径計測は、方眼紙上で直径を3方向から測定し、コントロール区に対する値を算出した。結果を表2に示す。
【0031】
【数2】
【0032】
【表2】コラーゲンゲル収縮率(%)
【0033】表2より明らかなように、トウキンセンカ抽出物の作用により、コラーゲンゲルの直径がコントロールと比較し小さくなり、コラーゲンゲルの収縮が促進されている。
【0034】細胞増殖性の評価
各種植物抽出液の細胞増殖性をCell Counting Kit(同仁)を用いて評価を行った。細胞は正常ヒト2倍体線維芽細胞HFSKF‐II(理化学研)を培地はHam−F12にFBSを15%になるように添加した培地を用いた。線維芽細胞を24Well Plateに培養し24時間後、FBS5%のHam−F12に培地交換し、各試料を最終濃度0.001から0.05%となるように添加した。コントロールとして試料の溶媒、陽性対象としてアスコルビン酸リン酸マグネシウム溶液を使用した。さらに48時間培養後にCell Counting Kit 試薬を50μl添加し混合し、呈色反応2時間行った。反応後、96Well Plateに培養液を100μlづつ移し、マイクロプレートレーダーを用い412nmにて測定した。本試験では、ブランクとしてPBS(−)を用いた。結果を吸光度値よりブランクを差し引きコントロールを100%としたときの細胞増殖率(%)を算出して表3に示した。
【0035】
【数3】
【0036】
【表3】細胞増殖率(%)
【0037】
表3に示した結果のように、トウキンセンカ抽出物においても高い線維芽細胞増殖効果が認められた。相対的にコラーゲン産生能が高まることにより皮下脂肪の肥厚やセルライトでハリの低下した肌のハリ改善効果が期待できることがわかる。
【0038】化粧料の使用による全身の痩身効果、むくみ改善効果の測定
さらに、本発明にかかる化粧料を用いて、実際に使用した場合の効果について検討を行った。肥満に悩む40〜50代の女性60名に3ヶ月間連続で一日2回(朝・夕)塗布してもらい連用試験を行った。被験者を無作為に10名ずつの群に分け、表4の処方の軟膏を腹部、足に塗布してもらい、痩身効果、むくみ改善効果を評価した。評価方法は開始時と塗布3ヶ月後にウエスト周囲を測定し開始時からの減少値の平均を求め評価した。さらに、使用後の実感度を被験者に4段階評価してもらった。結果を表4,5に示す。また、使用期間中に肌の異常を訴えた被験者はいなかった。
【0039】判定基準
(被験者の痩身度判定基準)
顕著に有効:脂肪、むくみが顕著に減少し痩身効果が顕著である
有効 :脂肪、むくみが減少し痩身効果がある
やや有効 :脂肪、むくみがやや減少し痩身効果がややある
無効 :開始時と比較して変化なし
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
表4、5の結果から、トウキンセンカのみでも、ウエスト周囲長の減少は見られたが、トウキンセンカ抽出物及び他の成分を組み合わせることにより、飛躍的に高い痩身効果がみられることがわかる。被験者の実感効果も高く、本発明の有効成分により、肥満が改善されたことがわかる。
【0042】化粧料の使用によるセルライト改善効果の測定
さらに、本発明にかかる化粧料を用いて、実際に使用した場合の効果について検討を行った。肥満に悩む40〜50代の女性20名に3ヶ月間連続で一日2回(朝・夕)塗布してもらい連用試験を行った。被験者の左足に処方例3、右足には処方例3よりトオキンセンカを除いた比較例を塗布してもらい、セルライトの改善度を評価した。セルライト部位のハリ,弾力改善度をCutomater SEM474(Curage and Khazaka)を用い評価した。Cutomaterにて皮膚の弾力回復率を測定し、塗布後の弾力回復率から開始時の弾力回復率を差し引き評価した。さらに、使用後の実感度を被験者にセルライト改善度,および皮膚のハリ改善度に関して4段階評価してもらった。結果を表6に示す。また、使用期間中に肌の異常を訴えた被験者はいなかった。
【0043】皮膚弾力性
Cutomaterの陰圧吸引により伸びた皮膚の高さを伸展長(mm)とし、陰圧開放後に吸引前の状態に戻らず盛り上がったままの皮膚の高さを非退縮長(mm)とする。
【0044】
【数3】
【0045】判定基準
(弾力回復率判定基準)
5:弾力回復率30%以上
4:弾力回復率20〜30%以上
3:弾力回復率10〜20%
2:弾力回復率0〜10%
1:弾力回復率0%以下
(被験者のハリ度判定基準)
顕著に有効:ハリがかなりでてきた
有効:開始時と比較してがハリがでてきた
やや有効:開始時と比較してややハリがでてきた
無効:開始時と比較して同じ
(被験者の痩身度判定基準)
顕著に有効:セルライトが顕著に減少し痩身効果が顕著である
有効 :セルライトが減少し痩身効果がある
やや有効 :セルライトがやや減少し痩身効果がややある
無効 :開始時と比較して変化なし
【0046】
【表6】
【0047】
表6の結果から、比較例を塗布した右足に比べ実施例を塗布した左足がセルライトおよび皮膚のハリとも改善は顕著であり、被験者の実感効果も高く、トウキンセンカ抽出物により、セルライトが改善されたことがわかる。
【0048】
本発明に基づき化粧料の処方例を示すが、本発明はかかる処方例のみに限定されるものではない。
【0049】処方例1
(1)軟膏(重量%)
a) トウキンセンカ抽出物…0.1
b)酸化防止剤…適量
c)ワセリン…残部
製法a)〜c)までを加え、40℃に加温し、十分に混合する。
【0064】処方例2
(2)クリーム状化粧料
a)ミツロウ …2.0
b)ステアリルアルコール…5.0
c)ステアリン酸…8.0
d)スクワラン…10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート…3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)…1.0
g) トウキンセンカ抽出物…0.5
h) 1,3−ブチレングリコール…5.0
i)水酸化カリウム…0.3
j)防腐剤・酸化防止剤…適量
k)精製水…残部
製法a)〜f)、j)を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。h)、i)、k)を混合し80℃に保ち水相とする。油相に水相を加え乳化する。乳化後、攪拌しながら冷却し60℃になったらg)を加え40℃になったら取りだしクリーム状外用剤を得る。
【0050】処方例3
(3)乳液状化粧料(重量%)
a)ミツロウ…0.5
b)ワセリン…2.0
c)スクワラン…8.0
d)ソルビタンセスキオレエート…0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.)…1.2
f) トウキンセンカ抽出物…0.1
g)1,3−ブチレングリコール…7.0
h)カルボキシビニルポリマー…0.2
i)水酸化カリウム…0.1
j)精製水…残部
k)防腐剤・酸化防止剤…適量
l)エタノール…7.0
製法a)〜e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)〜k)までを加熱溶解し、 80℃に保ち、a)〜e)に加えて乳化し60℃でf)を加え、50℃まで撹拌しながら冷却する。50℃でl)を添加し、40℃まで冷却し、乳液状外用剤を得る。
【0051】処方例4
(4)化粧水(重量%)
a) トウキンセンカ抽出物…0.005
b)グリセリン…5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)…1.0
d)エタノール…6.0
e)香料…適量
f)防腐剤・酸化防止剤…適量
g)精製水…残部
製法a)〜g)までを随時加え混合し、均一に溶解する。
【0052】
【発明の効果】
本発明のトウキンセンカ抽出物を皮膚外用剤に配合することによって、痩身作用,セルライト改善作用,むくみ改善作用効果の期待できる化粧料の提供が可能となった。
Claims (4)
- トウキンセンカ(Calendula officinalis L.)抽出物を含有することを特徴とする痩身化粧料。
- トウキンセンカ(Calendula officinalis L.)抽出物を含有することを特徴とするセルライト改善化粧料。
- 海藻抽出物、βアドレナリン作用興奮薬、α2アドレナリン作用抑制薬、茶抽出物、ショウブ抽出物、サイコ抽出物、ラレア抽出物から選ばれる一種または二種以上とを有効成分として配合することを特徴とする請求項1記載の化粧料。
- 海藻抽出物、βアドレナリン作用興奮薬、α2アドレナリン作用抑制薬、茶抽出物、ショウブ抽出物、サイコ抽出物、ラレア抽出物から選ばれる一種または二種以上とを有効成分として配合することを特徴とする請求項2記載の化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174685A JP2005008565A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 痩身化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003174685A JP2005008565A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 痩身化粧料 |
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JP (1) | JP2005008565A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009503074A (ja) * | 2005-08-02 | 2009-01-29 | セラムオプテック インダストリーズ インコーポレーテッド | セルライトに対する光力学療法および美容法 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174685A patent/JP2005008565A/ja active Pending
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