JP2005008204A - 二重構造エアゾール容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性、内容物の充填量、噴射物の温度低下による冷害、および噴射剤の圧力低下による噴射量の悪化等の問題を解決する二重構造エアゾール容器を提供する。
【解決手段】噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器であって、外筒缶1と該外筒缶の中に収納される内容物充填用のインナーバッグ2との間に、噴射剤と吸着材を充填し、該吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
【選択図】 図1
【解決手段】噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器であって、外筒缶1と該外筒缶の中に収納される内容物充填用のインナーバッグ2との間に、噴射剤と吸着材を充填し、該吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重構造エアゾール容器に関し、より詳しくは、エアゾール内容物の噴射に伴うエアゾール容器内部の噴射圧力低下の抑制が可能であり、さらに内容物の充填量を多くできる二重構造エアゾール容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアゾール製品には、噴射剤として、液化ガスを用いたものと、二酸化炭素等の圧縮ガスを用いたものが存在する。
【0003】
噴射剤として液化ガスを用いたものは、液化ガスが気化する膨張比率が高いため、エアゾール内容物の噴射が相当程度継続した場合においても、エアゾール容器内の圧力は均一に保たれ、圧力降下を生じることは少ない。しかしながら、LPG、DME等の可燃物を用いるために安全性の問題、多量の液化ガスが必要であるので内容物の充填量が少なくなるという問題、さらに液化ガスが気化する際の気化熱により噴射物の温度が下がるという問題がある。また、温度に対する内圧変化が大きく、制御しにくいという問題がある。
【0004】
一方、噴射剤として二酸化炭素等の圧縮ガスを用いる場合には、エアゾール容器の使用開始初期においては、強い圧力でエアゾール内容物の噴射を行うことができる。しかしながら、噴射の継続によって、圧縮ガスが内容物とともに外部に排出されると、エアゾール容器内の圧力は急激に減少する。すると、エアゾール容器内の圧力の減少に比例して、エアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量も減少し、使用開始初期と使用継続後におけるエアゾール内容物の単位時間当たりの噴出量に大きな変化が生じ、使用上好ましくないものとなる。
【0005】
そこで、液化ガスの安全性の問題および内容物の充填量の問題を解決する目的で提案されたものに、噴射剤と内容物が隔離されて収納されている二重構造エアゾール容器がある(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。すなわち、内容物はインナーバッグに収納され、該インナーバッグとエアゾール缶内壁との間に形成される空間に加圧用ガスが充填され、バルブを解放した時に、加圧用ガス(噴射剤)の圧力により、インナーバッグを圧縮変形させ、インナーバッグ内に収容されている内容物が外部に噴射される技術である。該加圧用ガスとしては、フロン、LPG、二酸化炭素、窒素ガスなどが利用可能である。噴射剤が内容物と分離されているため、内容物のみを噴射することができて安全であり、温度低下の問題も解決できる。しかしながら、噴射剤として液化ガスを用いた場合には、廃棄時の安全性の問題が残る。一方、噴射剤として圧縮ガスを用いた場合には、使用時および廃棄時の安全性の問題はないが、使用にともなう圧力の低下による噴射量の悪化の問題がある。
【0006】
圧力低下による噴射量の変化に対する改善は、特許文献2に示されており、エアゾール内容物の噴射開始の初期においては、エアゾール内容物の流通路の直径を小さくし、噴射継続後の噴射終期になるに従って、その流通路の直径を大きくする。すなわち、噴射剤の高圧時には流通路の直径を小さくし、噴射剤の低圧時には流通路の直径を大きくすることにより、結果的に、単位時間当たりのエアゾール内容物の噴出量を均一にしようとするものである。
【0007】
また、特許文献3に示す発明においても、同様の提案がなされている。すなわち、エアゾール内容物の噴出通路に、ニードルバルブを進退可能に挿入し、噴射の初期の高圧時には、ニードルバルブの噴出通路への挿入量を大きくして流通路の直径を小さいものとすることにより、エアゾール内容物の噴出量を抑制する。また、エアゾール容器内が低圧となる噴射の後期においては、ニードルバルブを流通路から抜出すことにより、流通路の直径を大きくし、エアゾール容器の噴出量を多くしようとするものである。すなわち、噴射剤の高圧時には流通路の直径を小さくし、噴射剤の低圧時には流通路の直径を大きくすることにより、結果的に、単位時間当たりのエアゾール内容物の噴出量を均一にしようとするものである。
【0008】
上述の従来例は、いずれもエアゾール内容物の流通路の直径を、噴射の初期においては小さく調整し、噴射の後期においては大きく調整して、エアゾール内容物の流通量を調整しようとするものである。しかしながら、その流通路に高圧がかかっている場合、その流通路の直径を微妙に調整しても、流通量の調整とはならない場合が多く、従来公知の方法は、流通量の調整には適さないものである。
【0009】
また、従来例は、流通路に強い流通圧力がかかると、ニードルバルブまたはピストン等の作動を不安定とし、これらのバルブ機構に脈動を生じ、噴射に脈動現象を生じるような場合が多く、流通量の調整上好ましくない問題を生じていた。
【0010】
【非特許文献1】
小林陽明著,「エアゾール包装技術」,エアゾール産業新聞社,1998年第1版
【0011】
【特許文献1】
特公昭45−37340号公報
【0012】
【特許文献2】
特公平2−12628号公報
【0013】
【特許文献3】
特表昭59−502061号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、二重構造容器にしても、安全性、内容物の充填量、噴射物の温度低下による冷害、および噴射剤の圧力低下による噴射量の悪化等の問題を解決することはできなかった。
【0015】
本発明の目的は、安全性、内容物の充填量、噴射物の温度低下による冷害、および噴射剤の圧力低下による噴射量の悪化等の問題を解決する二重構造エアゾール容器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の如き課題を解決するため、鋭意検討した結果、二重構造エアゾール容器において、噴射剤を特定の吸着材に吸着貯蔵することにより、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、下記に示すとおりの二重構造エアゾール容器および該容器に用いられる吸着材を提供するものである。
項1. 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器であって、外筒缶と該外筒缶の中に収納される内容物充填用のインナーバッグとの間に、噴射剤と吸着材を充填し、該吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
項2. 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器であって、噴射剤および吸着材がフリーピストンにより内容物と気密に区画され、該フリーピストンが容器内を上下方向に摺動し得る構造を有し、該吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
項3. 298K、10気圧における二酸化炭素の吸着量が100ml/g以上である吸着材を用いることを特徴とする項1または2に記載の二重構造エアゾール容器。
項4. 298K、10気圧における二酸化炭素の吸着量と298K、3気圧における二酸化炭素の吸着量との差が30ml/g以上である吸着材を用いることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
項5. 吸着材が、活性炭および金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項1〜4のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
項6. 噴射剤が圧縮ガスであることを特徴とする項1〜5のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
項7. 圧縮ガスが、二酸化炭素または二酸化炭素と窒素との混合ガスまたは二酸化炭素と空気との混合ガスであることを特徴とする項6に記載の二重構造エアゾール容器。
項8. インナーバッグが、外部と内部の圧力差により変形・伸縮可能であることを特徴とする項1および3〜7のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
項9. 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器に用いられる吸着材であって、該二重構造エアゾール容器の外筒缶と該外筒缶の中に収納される内容物充填用のインナーバッグとの間に、噴射剤とともに充填され、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器用吸着材。
項10. 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器に用いられる吸着材であって、該容器内を上下方向に摺動し得るフリーピストンにより内容物と気密に区画されて噴射剤とともに収納され、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器用吸着材。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の二重構造エアゾール容器は、二重構造型のエアゾール容器を用いる。
【0019】
従来の二重構造型のエアゾール容器は、外筒缶からなる容器内にインナーバッグを設けて二重構造とし、インナーバッグ内に内容物を封入し、インナーバッグと外筒缶との間の空隙に、噴射剤を封入したものであり、噴射剤の圧力でインナーバッグが圧迫されて内容物が噴射用バルブから噴射されるものである。この従来の二重構造容器と本発明の二重構造エアゾール容器との相違点は、本発明の二重構造エアゾール容器が、インナーバッグと外筒缶との間の空隙に、噴射剤用の特定の吸着材を充填している点である。
【0020】
また、本発明の二重構造エアゾール容器は、容器内を上下方向に摺動し得るフリーピストンにより、噴射剤および吸着材が内容物と気密に区画されて容器内に収納されてなり、噴射剤の圧力でフリーピストンが上昇し、圧迫された内容物が噴射用バルブから噴射されるものである。
【0021】
このような二重構造エアゾール容器の構造は、特に限定されないが、例えば、アジア金属工業(株)製ピストン缶タイプ(特開平5−254575号公報)、バッグ−イン−カン(Bag−in−Can)タイプのUCB容器、P型二重構造のような基本構造を有するものが好ましく用いられる。
【0022】
さらに、具体的には、バッグ−イン−カン型のものとして、内容物を外容器のビートあるいは目金巻き締め部に垂下するタイプ、内容器の「ひだ」を縦にしたバッグ−イン−カンタイプ、内容器をバルブのハウジング下端部に垂下するタイプなどが挙げられる。
【0023】
インナーバッグとしては、特に限定されず、従来より二重構造容器で使用されている樹脂膜、金属膜または金属酸化物膜の使用が可能である。インナーバッグに用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の単層または積層構造のものが挙げられ、これらの樹脂を2種以上複合させたものや一部アルミニウムを使用したものでもよい。
【0024】
本発明の二重構造エアゾール容器に用いられる噴射剤としては、公知のものでよく、圧縮ガスが好ましく用いられる。具体的には、窒素、二酸化炭素、空気または亜酸化窒素の単体またはこれらの混合ガスなどが、好ましく用いられ、二酸化炭素または二酸化炭素と窒素との混合ガスまたは二酸化炭素と空気との混合ガスが、より好ましい。圧縮ガスは、安全性が高く、温度変化に対して圧力変化が少なく、価格が安いという点で好ましい。圧縮ガスの貯蔵圧力としては、特に制限されないが、0.15〜1.0MPaGが好ましく、0.25〜0.9MPaGがより好ましい。
【0025】
本発明の二重構造エアゾール容器に用いられるバルブとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、原液の物理特性、噴射剤の種類、原液と噴射剤の比率、内容物中の溶剤とバルブ構成部品である有機材料(樹脂やゴム材質)との適合性(膨潤や劣化など)を考慮して、選択するのが好ましい。
【0026】
本発明の二重構造エアゾール容器に用いられるアクチュエーターとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、具体的には、公知の噴射用ボタン式、泡沫用スパウト式、および長口ノズル付、連続噴射型等の特殊タイプのアクチュエーターを用いることができる。
【0027】
本発明の二重構造エアゾール容器に用いられるキャップとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、次のようなものが挙げられる。
(1)カバーキャップエアゾール製品用容器と着脱自在で、バルブおよびアクチュエーターを保護する目的のキャップであり、材質は、耐溶剤性、耐クラック性、耐衝撃性、寸法安定性、成形性等から、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
(2)アクチュエーターキャップエアゾール製品用容器に合し、使用時にも離脱する必要がないもので、アクチュエーターが一体で成形されているか、あるいはキャップ内に組み込まれているものであり、例えば、ワンタッチキャップ、チャイルドプルーキャップなどが用いられる。
【0028】
本発明に使用される吸着材は、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上である。BET比表面積は窒素ガス吸着BET法により測定し、全細孔容積は窒素ガス吸着法により相対圧0.99での窒素吸着量をもとに算出し、平均細孔径は窒素ガス吸着tプロット法により測定することができる。これらのうち、BET比表面積としては700〜3300m2/gのものが好ましく、全細孔容積としては0.3〜1.3cm3/gのものが好ましく、平均細孔径が7〜15Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の80%以上である吸着材が好ましい。
【0029】
本発明に使用される吸着材の物性の中で、二酸化炭素の吸着量は、エアゾール容器の性能に大きく関係する。この二酸化炭素の吸着量は、298K、10気圧の状態で100ml/g以上であるのが好ましく、120ml/g以上であるのがより好ましい。さらに、エアゾール噴射前と噴射後の内部圧力の低下に関連するファクターである、298K、10気圧の状態における二酸化炭素の吸着量と298K、3気圧の状態における二酸化炭素の吸着量との差が、30ml/g以上であるのが好ましく、40ml/g以上であるのがより好ましい。吸着材の充填密度は、0.3〜1g/mlであるのが好ましく、0.4〜1g/mlであるのがより好ましい。
【0030】
本発明に使用される吸着材としては、噴射剤を吸着貯蔵し得るものであれば特に限定されないが、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、金属錯体等の多孔体等が例示される。
【0031】
本発明に吸着材として使用される活性炭は、炭化物を破砕または成型した炭素質材料を、水蒸気雰囲気中、二酸化炭素雰囲気中、水蒸気と二酸化炭素との混合雰囲気中、または水蒸気と二酸化炭素と窒素との混合雰囲気中で、600〜1200℃の温度で賦活することにより製造することができる。好ましくは水蒸気3〜30容量%、二酸化炭素15〜80容量%および残余ガスが窒素である雰囲気中で、より好ましくは水蒸気3〜20容量%、二酸化炭素15〜60容量%および残余ガスが窒素である雰囲気中で、600〜1200℃の温度で賦活する。炭素質材料としては、やしがら、パームやしがら等の植物系原料、石炭系原料、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成原料が使用できる。特に、やしがら原料が好ましい。
【0032】
金属錯体(有機金属錯体)としては、例えば、フマル酸銅、スチルベンジカルボン酸銅、テレフタル酸銅、ターフェニルジカルボン酸銅、ビフェニルジカルボン酸銅等の二次元錯体、フマル酸銅またはテレフタル酸銅またはシンナミックジカルボン酸銅またはビフェニルジカルボン酸銅とトリエチレンジアミン等の二座配位可能な有機物との三次元錯体等が例示できる。
【0033】
これらの吸着材は、1種単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。
【0034】
本発明に使用される吸着材としては、単一粒度分布を有する吸着材でもよいし、複数の異なる粒径の吸着材を組み合わせてもよい。単一粒度分布を有する吸着材の場合は、粒径が1〜1000μmでメディアン径が5〜100μmのものが好ましい。複数の異なる粒径の吸着材を組み合わせて使用する場合には、粒径が0.2〜4mmでメディアン径が0.8〜3mmの大粒径のものと、粒径が1〜1000μmでメディアン径が5〜500μmの小粒径のものとを混合することが好ましい。それらの重量比での混合割合は、大粒径:小粒径=30〜70:70〜30であるのが好ましい。
【0035】
吸着材の形状としては、特に限定されないが、粉末、粒状、成型物等が使用できる。
【0036】
上述した二重構造エアゾール容器、噴射剤、バルブ、アクチュエーターおよびキャップを用いて、二重構造容器のインナーバッグと容器(外筒缶)との間の空隙に噴射剤用の吸着材を充填する工程が入る以外は、本発明に係る二重構造エアゾール製品は、公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。具体的には、本発明の二重構造エアゾール容器は、通常、内容物調合工程→内容物充填工程→吸着材充填工程→噴射剤充填工程→包装工程の順、または、内容物調合工程→吸着材充填工程→内容物充填工程→噴射剤充填工程→包装工程の順で製造することができる。
【0037】
内容物調合工程は、各種エアゾール製品に応じた調製方法で行われる。バッグ−イン−カンタイプの二重構造エアゾール容器(例えば、図1参照)への吸着材の充填は、インナーバッグを容器内に挿入する前に行う場合には容器上部から所定量を充填し、またインナーバッグを容器内に挿入した後に行う場合にはインナーバッグと容器との隙間から充填することができる。ピストン缶タイプの二重構造エアゾール容器(例えば、図2参照)への吸着材の充填は、フリーピストンにより仕切られる底部の部屋に吸着材を充填して底蓋を固着するか、または胴部と底部の一体型タイプの場合には底部への逆止弁等の固定用の孔より吸着材を充填して逆止弁等にて密閉する。
【0038】
噴射剤の充填工程は、吸着材の充填終了後に行う。噴射剤の充填方法は、従来法である圧縮ガス充填方法と液化ガス充填方法のいずれでも可能である。圧縮ガス充填方法には、例えば、サチュレーター方法による充填方法、スルーバルブ方式によるインパクト充填方法、アンダーカップ方式によるインパクト充填方法およびガッサーシェーカー方式による充填方法等がある。液化ガス充填方法には、例えば、二酸化炭素等の冷却充填法、圧力充填方法等がある。
【0039】
包装工程は、公知の方法に従って行うことができる。
【0040】
本発明の二重構造エアゾール容器の適用先は、特に限定されないが、例えば、殺虫剤、ガラスクリーナー、消臭剤除菌スプレー等の家庭用品、ヘアースプレー、染毛剤、泡状ヘアーケアー、育毛トニック、制汗消臭剤、泡状除毛剤等の人体用品、喘息薬、水虫、皮膚疾患剤等の医薬品、防錆潤滑剤、離型剤、接着剤等の工業品、くもり止め、自動車用ガラス磨き、エアコン消臭剤等の自動車用品等に使用できる。
【0041】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
【0042】
実施例1(バッグ−イン−カンタイプの二重構造エアゾール容器の製造)
バッグ−イン−カン(Bag−in−Can)タイプの二重構造エアゾール容器を製造し、内容物の噴射に伴なう噴射剤の内圧変化の測定を行った。但し、内容物としては、エアゾールによく使用される溶剤であるエタノールを用いた。また、製造した二重構造エアゾール容器には、内部圧力を測定するために特別に圧力計を取り付けた。製造に際しては、従来公知のバッグ−イン−カンタイプの二重構造容器を用いた。製造方法としては、まず内容物(エタノール)を調合し、次いで吸着材(活性炭または金属錯体)を二重構造容器に充填し、次いで内容物(エタノール)を充填し、次いでサチュレーター方法により噴射剤(二酸化炭素)を充填し、次いでクリンチャーによる包装にて製造した。
【0043】
製造したバッグ−イン−カンタイプの二重構造エアゾール容器を、図1を用いて詳説する。アルミニウム製の耐圧容器本体(外筒缶)1に、噴出用バルブ5を備えた金属性のマウンテンキャップ6が、インナーバッグ2を間に介在してクリンチされて、密封構造を形成している。インナーバッグ2は、ポリエチレン樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、およびポリエチレン樹脂の多層樹脂からなる。クリンチ部は、インナーバッグ2と容器本体(外筒缶)1とを密封している。耐圧容器本体1とインナーバッグ2との間の空隙部3には、噴射剤(二酸化炭素)と吸着材(活性炭または金属錯体)が充填されている。一方、インナーバッグ2には、噴射される内容物4であるエタノールが充填されている。製造した容器のトータルの内容積は500mlで、インナーバッグ2と容器本体(外筒缶)1との間の空隙の噴射剤(圧縮二酸化炭素)部の容積は100mlであった。従って、初期のインナーバッグ2の容積は400mlであった。アクチュエーターとしてのトップボタン7を押し下げてバルブ5を開口すると、空隙部3内の圧縮ガスの圧力によりインナーバッグ2が内方へ押され、内容物4を外部に押し出して噴射することができるようになっている。また、クリンチ部の内側をシールすることにより、空隙部3の圧縮ガスが経時により漏洩することが防止された。
【0044】
実施例2
水蒸気15容量%、二酸化炭素20容量%および窒素65容量%の雰囲気中、860℃で80分間賦活を行なって、BET比表面積が1121m2/gで、全細孔容積が0.465cm3/gで、平均細孔径が9Åで、粒子径が0.212〜4.00mm(平均粒子径:0.5mm)で、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が0.437cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が176ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が50ml/gで、充填密度が0.71g/mlである椰子殻活性炭を得た。この椰子殻活性炭を吸着材として用いて、二重構造エアゾール容器を製造した。
【0045】
インナーバッグ2と容器本体(外筒缶)1との間の空隙部3に、該椰子殻活性炭を70g、噴射剤である二酸化炭素を0.8MPaGの圧力になるように充填した。この状態から内容物(エタノール)を噴射すると、噴射量に従って、インナーバッグ2と容器本体(外筒缶)1との間の空隙部3の容積が大きくなる。その際の空隙部(圧縮ガス部)3の容積と内部圧力を測定した。その結果を図3に示す。
【0046】
実施例3
CuSO4・5H2O(64g)のメタノール溶液1000ml、テレフタル酸42gおよびギ酸64mlのDMF溶液1200mlを混合撹拌し、65℃で撹拌しながら6時間反応させた。その後、沈殿物を吸引濾過し、その沈殿物を、トリエチレンジアミン(Teda)14gのメタノール2400ml溶液および上記反応溶液800mlの混合溶液に加え、オートクレーブにて170℃で1時間反応させた。その後、沈殿物を吸引ろ過し、メタノールで洗浄し、真空下110℃で約2時間加熱乾燥し、目的物であるテレフタル酸銅金属錯体を63.2g得た。生成物のBET比表面積は1905cm2/gで、全細孔容積が0.73cm3/gで、平均細孔径が7.4Åで、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が0.73cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が273ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が97ml/gで、充填密度が0.6g/mlであった。吸着材としてこの粉末状のテレフタル酸銅金属錯体60gを用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0047】
実施例4
実施例3と同様の公知方法により、ビフェニルジカルボン酸銅金属錯体を得た。生成物のBET比表面積は3265m2/gで、全細孔容積が1.18cm3/gで、平均細孔径が10.8Åで、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が1.18cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が289ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が190ml/gで、充填密度が0.4g/mlであった。吸着材としてこのビフェニルジカルボン酸銅金属錯体40gを用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0048】
比較例1
吸着材を充填していない二重構造エアゾール容器を用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0049】
図3から明らかなように、吸着材を充填することにより、圧力の低下が大幅に改善され、内容物が少なくなってきても良好な噴射状態が維持できることがわかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の二重構造エアゾール容器によれば、噴射剤が特定の吸着材に吸着されているので、噴射を継続しても、エアゾール容器内の圧力の急激な低下が発生せず、エアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量の減少を防ぐことができる。従って、使用開始初期と使用継続後におけるエアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量に大きな変化が生じない。
【0051】
また、噴射剤が特定の吸着材に吸着されているので、使用開始前における噴射剤の容積を容器全体の容積に比較してかなり小さくすることができ、内容物の充填量を多くすることができる。
【0052】
しかも、従来の二重構造エアゾール容器の長所も備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す概略断面図である。
【図3】実施例と比較例における圧縮ガス部の容積と内部圧力を示す図である。
【符号の説明】
1 容器本体(外筒缶)
2 インナーバッグ
3 空隙部(圧縮ガス部)
4 内容物
5 バルブ
6 マウンテンキャップ
7 トップボタン
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重構造エアゾール容器に関し、より詳しくは、エアゾール内容物の噴射に伴うエアゾール容器内部の噴射圧力低下の抑制が可能であり、さらに内容物の充填量を多くできる二重構造エアゾール容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアゾール製品には、噴射剤として、液化ガスを用いたものと、二酸化炭素等の圧縮ガスを用いたものが存在する。
【0003】
噴射剤として液化ガスを用いたものは、液化ガスが気化する膨張比率が高いため、エアゾール内容物の噴射が相当程度継続した場合においても、エアゾール容器内の圧力は均一に保たれ、圧力降下を生じることは少ない。しかしながら、LPG、DME等の可燃物を用いるために安全性の問題、多量の液化ガスが必要であるので内容物の充填量が少なくなるという問題、さらに液化ガスが気化する際の気化熱により噴射物の温度が下がるという問題がある。また、温度に対する内圧変化が大きく、制御しにくいという問題がある。
【0004】
一方、噴射剤として二酸化炭素等の圧縮ガスを用いる場合には、エアゾール容器の使用開始初期においては、強い圧力でエアゾール内容物の噴射を行うことができる。しかしながら、噴射の継続によって、圧縮ガスが内容物とともに外部に排出されると、エアゾール容器内の圧力は急激に減少する。すると、エアゾール容器内の圧力の減少に比例して、エアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量も減少し、使用開始初期と使用継続後におけるエアゾール内容物の単位時間当たりの噴出量に大きな変化が生じ、使用上好ましくないものとなる。
【0005】
そこで、液化ガスの安全性の問題および内容物の充填量の問題を解決する目的で提案されたものに、噴射剤と内容物が隔離されて収納されている二重構造エアゾール容器がある(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。すなわち、内容物はインナーバッグに収納され、該インナーバッグとエアゾール缶内壁との間に形成される空間に加圧用ガスが充填され、バルブを解放した時に、加圧用ガス(噴射剤)の圧力により、インナーバッグを圧縮変形させ、インナーバッグ内に収容されている内容物が外部に噴射される技術である。該加圧用ガスとしては、フロン、LPG、二酸化炭素、窒素ガスなどが利用可能である。噴射剤が内容物と分離されているため、内容物のみを噴射することができて安全であり、温度低下の問題も解決できる。しかしながら、噴射剤として液化ガスを用いた場合には、廃棄時の安全性の問題が残る。一方、噴射剤として圧縮ガスを用いた場合には、使用時および廃棄時の安全性の問題はないが、使用にともなう圧力の低下による噴射量の悪化の問題がある。
【0006】
圧力低下による噴射量の変化に対する改善は、特許文献2に示されており、エアゾール内容物の噴射開始の初期においては、エアゾール内容物の流通路の直径を小さくし、噴射継続後の噴射終期になるに従って、その流通路の直径を大きくする。すなわち、噴射剤の高圧時には流通路の直径を小さくし、噴射剤の低圧時には流通路の直径を大きくすることにより、結果的に、単位時間当たりのエアゾール内容物の噴出量を均一にしようとするものである。
【0007】
また、特許文献3に示す発明においても、同様の提案がなされている。すなわち、エアゾール内容物の噴出通路に、ニードルバルブを進退可能に挿入し、噴射の初期の高圧時には、ニードルバルブの噴出通路への挿入量を大きくして流通路の直径を小さいものとすることにより、エアゾール内容物の噴出量を抑制する。また、エアゾール容器内が低圧となる噴射の後期においては、ニードルバルブを流通路から抜出すことにより、流通路の直径を大きくし、エアゾール容器の噴出量を多くしようとするものである。すなわち、噴射剤の高圧時には流通路の直径を小さくし、噴射剤の低圧時には流通路の直径を大きくすることにより、結果的に、単位時間当たりのエアゾール内容物の噴出量を均一にしようとするものである。
【0008】
上述の従来例は、いずれもエアゾール内容物の流通路の直径を、噴射の初期においては小さく調整し、噴射の後期においては大きく調整して、エアゾール内容物の流通量を調整しようとするものである。しかしながら、その流通路に高圧がかかっている場合、その流通路の直径を微妙に調整しても、流通量の調整とはならない場合が多く、従来公知の方法は、流通量の調整には適さないものである。
【0009】
また、従来例は、流通路に強い流通圧力がかかると、ニードルバルブまたはピストン等の作動を不安定とし、これらのバルブ機構に脈動を生じ、噴射に脈動現象を生じるような場合が多く、流通量の調整上好ましくない問題を生じていた。
【0010】
【非特許文献1】
小林陽明著,「エアゾール包装技術」,エアゾール産業新聞社,1998年第1版
【0011】
【特許文献1】
特公昭45−37340号公報
【0012】
【特許文献2】
特公平2−12628号公報
【0013】
【特許文献3】
特表昭59−502061号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、二重構造容器にしても、安全性、内容物の充填量、噴射物の温度低下による冷害、および噴射剤の圧力低下による噴射量の悪化等の問題を解決することはできなかった。
【0015】
本発明の目的は、安全性、内容物の充填量、噴射物の温度低下による冷害、および噴射剤の圧力低下による噴射量の悪化等の問題を解決する二重構造エアゾール容器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の如き課題を解決するため、鋭意検討した結果、二重構造エアゾール容器において、噴射剤を特定の吸着材に吸着貯蔵することにより、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、下記に示すとおりの二重構造エアゾール容器および該容器に用いられる吸着材を提供するものである。
項1. 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器であって、外筒缶と該外筒缶の中に収納される内容物充填用のインナーバッグとの間に、噴射剤と吸着材を充填し、該吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
項2. 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器であって、噴射剤および吸着材がフリーピストンにより内容物と気密に区画され、該フリーピストンが容器内を上下方向に摺動し得る構造を有し、該吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
項3. 298K、10気圧における二酸化炭素の吸着量が100ml/g以上である吸着材を用いることを特徴とする項1または2に記載の二重構造エアゾール容器。
項4. 298K、10気圧における二酸化炭素の吸着量と298K、3気圧における二酸化炭素の吸着量との差が30ml/g以上である吸着材を用いることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
項5. 吸着材が、活性炭および金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項1〜4のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
項6. 噴射剤が圧縮ガスであることを特徴とする項1〜5のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
項7. 圧縮ガスが、二酸化炭素または二酸化炭素と窒素との混合ガスまたは二酸化炭素と空気との混合ガスであることを特徴とする項6に記載の二重構造エアゾール容器。
項8. インナーバッグが、外部と内部の圧力差により変形・伸縮可能であることを特徴とする項1および3〜7のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
項9. 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器に用いられる吸着材であって、該二重構造エアゾール容器の外筒缶と該外筒缶の中に収納される内容物充填用のインナーバッグとの間に、噴射剤とともに充填され、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器用吸着材。
項10. 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器に用いられる吸着材であって、該容器内を上下方向に摺動し得るフリーピストンにより内容物と気密に区画されて噴射剤とともに収納され、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器用吸着材。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の二重構造エアゾール容器は、二重構造型のエアゾール容器を用いる。
【0019】
従来の二重構造型のエアゾール容器は、外筒缶からなる容器内にインナーバッグを設けて二重構造とし、インナーバッグ内に内容物を封入し、インナーバッグと外筒缶との間の空隙に、噴射剤を封入したものであり、噴射剤の圧力でインナーバッグが圧迫されて内容物が噴射用バルブから噴射されるものである。この従来の二重構造容器と本発明の二重構造エアゾール容器との相違点は、本発明の二重構造エアゾール容器が、インナーバッグと外筒缶との間の空隙に、噴射剤用の特定の吸着材を充填している点である。
【0020】
また、本発明の二重構造エアゾール容器は、容器内を上下方向に摺動し得るフリーピストンにより、噴射剤および吸着材が内容物と気密に区画されて容器内に収納されてなり、噴射剤の圧力でフリーピストンが上昇し、圧迫された内容物が噴射用バルブから噴射されるものである。
【0021】
このような二重構造エアゾール容器の構造は、特に限定されないが、例えば、アジア金属工業(株)製ピストン缶タイプ(特開平5−254575号公報)、バッグ−イン−カン(Bag−in−Can)タイプのUCB容器、P型二重構造のような基本構造を有するものが好ましく用いられる。
【0022】
さらに、具体的には、バッグ−イン−カン型のものとして、内容物を外容器のビートあるいは目金巻き締め部に垂下するタイプ、内容器の「ひだ」を縦にしたバッグ−イン−カンタイプ、内容器をバルブのハウジング下端部に垂下するタイプなどが挙げられる。
【0023】
インナーバッグとしては、特に限定されず、従来より二重構造容器で使用されている樹脂膜、金属膜または金属酸化物膜の使用が可能である。インナーバッグに用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の単層または積層構造のものが挙げられ、これらの樹脂を2種以上複合させたものや一部アルミニウムを使用したものでもよい。
【0024】
本発明の二重構造エアゾール容器に用いられる噴射剤としては、公知のものでよく、圧縮ガスが好ましく用いられる。具体的には、窒素、二酸化炭素、空気または亜酸化窒素の単体またはこれらの混合ガスなどが、好ましく用いられ、二酸化炭素または二酸化炭素と窒素との混合ガスまたは二酸化炭素と空気との混合ガスが、より好ましい。圧縮ガスは、安全性が高く、温度変化に対して圧力変化が少なく、価格が安いという点で好ましい。圧縮ガスの貯蔵圧力としては、特に制限されないが、0.15〜1.0MPaGが好ましく、0.25〜0.9MPaGがより好ましい。
【0025】
本発明の二重構造エアゾール容器に用いられるバルブとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、原液の物理特性、噴射剤の種類、原液と噴射剤の比率、内容物中の溶剤とバルブ構成部品である有機材料(樹脂やゴム材質)との適合性(膨潤や劣化など)を考慮して、選択するのが好ましい。
【0026】
本発明の二重構造エアゾール容器に用いられるアクチュエーターとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、具体的には、公知の噴射用ボタン式、泡沫用スパウト式、および長口ノズル付、連続噴射型等の特殊タイプのアクチュエーターを用いることができる。
【0027】
本発明の二重構造エアゾール容器に用いられるキャップとしては、一般的にエアゾール容器に用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、次のようなものが挙げられる。
(1)カバーキャップエアゾール製品用容器と着脱自在で、バルブおよびアクチュエーターを保護する目的のキャップであり、材質は、耐溶剤性、耐クラック性、耐衝撃性、寸法安定性、成形性等から、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
(2)アクチュエーターキャップエアゾール製品用容器に合し、使用時にも離脱する必要がないもので、アクチュエーターが一体で成形されているか、あるいはキャップ内に組み込まれているものであり、例えば、ワンタッチキャップ、チャイルドプルーキャップなどが用いられる。
【0028】
本発明に使用される吸着材は、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上である。BET比表面積は窒素ガス吸着BET法により測定し、全細孔容積は窒素ガス吸着法により相対圧0.99での窒素吸着量をもとに算出し、平均細孔径は窒素ガス吸着tプロット法により測定することができる。これらのうち、BET比表面積としては700〜3300m2/gのものが好ましく、全細孔容積としては0.3〜1.3cm3/gのものが好ましく、平均細孔径が7〜15Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の80%以上である吸着材が好ましい。
【0029】
本発明に使用される吸着材の物性の中で、二酸化炭素の吸着量は、エアゾール容器の性能に大きく関係する。この二酸化炭素の吸着量は、298K、10気圧の状態で100ml/g以上であるのが好ましく、120ml/g以上であるのがより好ましい。さらに、エアゾール噴射前と噴射後の内部圧力の低下に関連するファクターである、298K、10気圧の状態における二酸化炭素の吸着量と298K、3気圧の状態における二酸化炭素の吸着量との差が、30ml/g以上であるのが好ましく、40ml/g以上であるのがより好ましい。吸着材の充填密度は、0.3〜1g/mlであるのが好ましく、0.4〜1g/mlであるのがより好ましい。
【0030】
本発明に使用される吸着材としては、噴射剤を吸着貯蔵し得るものであれば特に限定されないが、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、金属錯体等の多孔体等が例示される。
【0031】
本発明に吸着材として使用される活性炭は、炭化物を破砕または成型した炭素質材料を、水蒸気雰囲気中、二酸化炭素雰囲気中、水蒸気と二酸化炭素との混合雰囲気中、または水蒸気と二酸化炭素と窒素との混合雰囲気中で、600〜1200℃の温度で賦活することにより製造することができる。好ましくは水蒸気3〜30容量%、二酸化炭素15〜80容量%および残余ガスが窒素である雰囲気中で、より好ましくは水蒸気3〜20容量%、二酸化炭素15〜60容量%および残余ガスが窒素である雰囲気中で、600〜1200℃の温度で賦活する。炭素質材料としては、やしがら、パームやしがら等の植物系原料、石炭系原料、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成原料が使用できる。特に、やしがら原料が好ましい。
【0032】
金属錯体(有機金属錯体)としては、例えば、フマル酸銅、スチルベンジカルボン酸銅、テレフタル酸銅、ターフェニルジカルボン酸銅、ビフェニルジカルボン酸銅等の二次元錯体、フマル酸銅またはテレフタル酸銅またはシンナミックジカルボン酸銅またはビフェニルジカルボン酸銅とトリエチレンジアミン等の二座配位可能な有機物との三次元錯体等が例示できる。
【0033】
これらの吸着材は、1種単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。
【0034】
本発明に使用される吸着材としては、単一粒度分布を有する吸着材でもよいし、複数の異なる粒径の吸着材を組み合わせてもよい。単一粒度分布を有する吸着材の場合は、粒径が1〜1000μmでメディアン径が5〜100μmのものが好ましい。複数の異なる粒径の吸着材を組み合わせて使用する場合には、粒径が0.2〜4mmでメディアン径が0.8〜3mmの大粒径のものと、粒径が1〜1000μmでメディアン径が5〜500μmの小粒径のものとを混合することが好ましい。それらの重量比での混合割合は、大粒径:小粒径=30〜70:70〜30であるのが好ましい。
【0035】
吸着材の形状としては、特に限定されないが、粉末、粒状、成型物等が使用できる。
【0036】
上述した二重構造エアゾール容器、噴射剤、バルブ、アクチュエーターおよびキャップを用いて、二重構造容器のインナーバッグと容器(外筒缶)との間の空隙に噴射剤用の吸着材を充填する工程が入る以外は、本発明に係る二重構造エアゾール製品は、公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。具体的には、本発明の二重構造エアゾール容器は、通常、内容物調合工程→内容物充填工程→吸着材充填工程→噴射剤充填工程→包装工程の順、または、内容物調合工程→吸着材充填工程→内容物充填工程→噴射剤充填工程→包装工程の順で製造することができる。
【0037】
内容物調合工程は、各種エアゾール製品に応じた調製方法で行われる。バッグ−イン−カンタイプの二重構造エアゾール容器(例えば、図1参照)への吸着材の充填は、インナーバッグを容器内に挿入する前に行う場合には容器上部から所定量を充填し、またインナーバッグを容器内に挿入した後に行う場合にはインナーバッグと容器との隙間から充填することができる。ピストン缶タイプの二重構造エアゾール容器(例えば、図2参照)への吸着材の充填は、フリーピストンにより仕切られる底部の部屋に吸着材を充填して底蓋を固着するか、または胴部と底部の一体型タイプの場合には底部への逆止弁等の固定用の孔より吸着材を充填して逆止弁等にて密閉する。
【0038】
噴射剤の充填工程は、吸着材の充填終了後に行う。噴射剤の充填方法は、従来法である圧縮ガス充填方法と液化ガス充填方法のいずれでも可能である。圧縮ガス充填方法には、例えば、サチュレーター方法による充填方法、スルーバルブ方式によるインパクト充填方法、アンダーカップ方式によるインパクト充填方法およびガッサーシェーカー方式による充填方法等がある。液化ガス充填方法には、例えば、二酸化炭素等の冷却充填法、圧力充填方法等がある。
【0039】
包装工程は、公知の方法に従って行うことができる。
【0040】
本発明の二重構造エアゾール容器の適用先は、特に限定されないが、例えば、殺虫剤、ガラスクリーナー、消臭剤除菌スプレー等の家庭用品、ヘアースプレー、染毛剤、泡状ヘアーケアー、育毛トニック、制汗消臭剤、泡状除毛剤等の人体用品、喘息薬、水虫、皮膚疾患剤等の医薬品、防錆潤滑剤、離型剤、接着剤等の工業品、くもり止め、自動車用ガラス磨き、エアコン消臭剤等の自動車用品等に使用できる。
【0041】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
【0042】
実施例1(バッグ−イン−カンタイプの二重構造エアゾール容器の製造)
バッグ−イン−カン(Bag−in−Can)タイプの二重構造エアゾール容器を製造し、内容物の噴射に伴なう噴射剤の内圧変化の測定を行った。但し、内容物としては、エアゾールによく使用される溶剤であるエタノールを用いた。また、製造した二重構造エアゾール容器には、内部圧力を測定するために特別に圧力計を取り付けた。製造に際しては、従来公知のバッグ−イン−カンタイプの二重構造容器を用いた。製造方法としては、まず内容物(エタノール)を調合し、次いで吸着材(活性炭または金属錯体)を二重構造容器に充填し、次いで内容物(エタノール)を充填し、次いでサチュレーター方法により噴射剤(二酸化炭素)を充填し、次いでクリンチャーによる包装にて製造した。
【0043】
製造したバッグ−イン−カンタイプの二重構造エアゾール容器を、図1を用いて詳説する。アルミニウム製の耐圧容器本体(外筒缶)1に、噴出用バルブ5を備えた金属性のマウンテンキャップ6が、インナーバッグ2を間に介在してクリンチされて、密封構造を形成している。インナーバッグ2は、ポリエチレン樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、およびポリエチレン樹脂の多層樹脂からなる。クリンチ部は、インナーバッグ2と容器本体(外筒缶)1とを密封している。耐圧容器本体1とインナーバッグ2との間の空隙部3には、噴射剤(二酸化炭素)と吸着材(活性炭または金属錯体)が充填されている。一方、インナーバッグ2には、噴射される内容物4であるエタノールが充填されている。製造した容器のトータルの内容積は500mlで、インナーバッグ2と容器本体(外筒缶)1との間の空隙の噴射剤(圧縮二酸化炭素)部の容積は100mlであった。従って、初期のインナーバッグ2の容積は400mlであった。アクチュエーターとしてのトップボタン7を押し下げてバルブ5を開口すると、空隙部3内の圧縮ガスの圧力によりインナーバッグ2が内方へ押され、内容物4を外部に押し出して噴射することができるようになっている。また、クリンチ部の内側をシールすることにより、空隙部3の圧縮ガスが経時により漏洩することが防止された。
【0044】
実施例2
水蒸気15容量%、二酸化炭素20容量%および窒素65容量%の雰囲気中、860℃で80分間賦活を行なって、BET比表面積が1121m2/gで、全細孔容積が0.465cm3/gで、平均細孔径が9Åで、粒子径が0.212〜4.00mm(平均粒子径:0.5mm)で、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が0.437cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が176ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が50ml/gで、充填密度が0.71g/mlである椰子殻活性炭を得た。この椰子殻活性炭を吸着材として用いて、二重構造エアゾール容器を製造した。
【0045】
インナーバッグ2と容器本体(外筒缶)1との間の空隙部3に、該椰子殻活性炭を70g、噴射剤である二酸化炭素を0.8MPaGの圧力になるように充填した。この状態から内容物(エタノール)を噴射すると、噴射量に従って、インナーバッグ2と容器本体(外筒缶)1との間の空隙部3の容積が大きくなる。その際の空隙部(圧縮ガス部)3の容積と内部圧力を測定した。その結果を図3に示す。
【0046】
実施例3
CuSO4・5H2O(64g)のメタノール溶液1000ml、テレフタル酸42gおよびギ酸64mlのDMF溶液1200mlを混合撹拌し、65℃で撹拌しながら6時間反応させた。その後、沈殿物を吸引濾過し、その沈殿物を、トリエチレンジアミン(Teda)14gのメタノール2400ml溶液および上記反応溶液800mlの混合溶液に加え、オートクレーブにて170℃で1時間反応させた。その後、沈殿物を吸引ろ過し、メタノールで洗浄し、真空下110℃で約2時間加熱乾燥し、目的物であるテレフタル酸銅金属錯体を63.2g得た。生成物のBET比表面積は1905cm2/gで、全細孔容積が0.73cm3/gで、平均細孔径が7.4Åで、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が0.73cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が273ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が97ml/gで、充填密度が0.6g/mlであった。吸着材としてこの粉末状のテレフタル酸銅金属錯体60gを用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0047】
実施例4
実施例3と同様の公知方法により、ビフェニルジカルボン酸銅金属錯体を得た。生成物のBET比表面積は3265m2/gで、全細孔容積が1.18cm3/gで、平均細孔径が10.8Åで、細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が1.18cm3/gで、298K、10気圧での二酸化炭素の吸着量が289ml/gで、298K、10気圧と3気圧における二酸化炭素の吸着量の差が190ml/gで、充填密度が0.4g/mlであった。吸着材としてこのビフェニルジカルボン酸銅金属錯体40gを用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0048】
比較例1
吸着材を充填していない二重構造エアゾール容器を用いた以外は実施例2と同様に行った。その結果を図3に示す。
【0049】
図3から明らかなように、吸着材を充填することにより、圧力の低下が大幅に改善され、内容物が少なくなってきても良好な噴射状態が維持できることがわかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の二重構造エアゾール容器によれば、噴射剤が特定の吸着材に吸着されているので、噴射を継続しても、エアゾール容器内の圧力の急激な低下が発生せず、エアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量の減少を防ぐことができる。従って、使用開始初期と使用継続後におけるエアゾール内容物の単位時間当たりの噴射量に大きな変化が生じない。
【0051】
また、噴射剤が特定の吸着材に吸着されているので、使用開始前における噴射剤の容積を容器全体の容積に比較してかなり小さくすることができ、内容物の充填量を多くすることができる。
【0052】
しかも、従来の二重構造エアゾール容器の長所も備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す概略断面図である。
【図3】実施例と比較例における圧縮ガス部の容積と内部圧力を示す図である。
【符号の説明】
1 容器本体(外筒缶)
2 インナーバッグ
3 空隙部(圧縮ガス部)
4 内容物
5 バルブ
6 マウンテンキャップ
7 トップボタン
Claims (10)
- 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器であって、外筒缶と該外筒缶の中に収納される内容物充填用のインナーバッグとの間に、噴射剤と吸着材を充填し、該吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
- 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器であって、噴射剤および吸着材がフリーピストンにより内容物と気密に区画され、該フリーピストンが容器内を上下方向に摺動し得る構造を有し、該吸着材のBET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
- 298K、10気圧における二酸化炭素の吸着量が100ml/g以上である吸着材を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の二重構造エアゾール容器。
- 298K、10気圧における二酸化炭素の吸着量と298K、3気圧における二酸化炭素の吸着量との差が30ml/g以上である吸着材を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
- 吸着材が、活性炭および金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
- 噴射剤が圧縮ガスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
- 圧縮ガスが、二酸化炭素または二酸化炭素と窒素との混合ガスまたは二酸化炭素と空気との混合ガスであることを特徴とする請求項6に記載の二重構造エアゾール容器。
- インナーバッグが、外部と内部の圧力差により変形・伸縮可能であることを特徴とする請求項1および3〜7のいずれかに記載の二重構造エアゾール容器。
- 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器に用いられる吸着材であって、該二重構造エアゾール容器の外筒缶と該外筒缶の中に収納される内容物充填用のインナーバッグとの間に、噴射剤とともに充填され、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器用吸着材。
- 噴射剤と内容物が隔離されて収納されてなる二重構造エアゾール容器に用いられる吸着材であって、該容器内を上下方向に摺動し得るフリーピストンにより内容物と気密に区画されて噴射剤とともに収納され、BET比表面積が500〜3500m2/gで、全細孔容積が0.3〜2cm3/gで、平均細孔径が7〜20Åで、且つ細孔径が20Å以下の細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器用吸着材。
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