JP2005007321A - 複合多層膜およびその製造方法および電子部品 - Google Patents

複合多層膜およびその製造方法および電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた低透湿性、透明性、耐屈曲性、耐熱性を兼ね備え、非常に簡易的な手法で製造することができる複合多層膜、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】フッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層と無機酸化物を含んで構成される層が交互に周期的に積層し、フッ素化された炭化水素鎖が無機酸化物を構成する原子と共有結合していることを特徴とする複合多層膜、またフッ素化された炭化水素鎖を有するケイ素系化合物を含有する溶液を基板上に塗布し、次いで溶媒を揮発除去させることを特徴とする前記複合多層膜の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層と無機酸化物を含んで構成される層から成る複合多層膜およびその製造方法、およびこの複合多層膜を用いた電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐透湿性に優れた透明で耐屈曲性を有する材料は、食品包装分野や表示装置分野において重要な役割を果たしてきている。特に近年、有機ELディスプレイ分野において、フィルム状のディスプレイの開発が盛んになっており(例えば日本経済新聞2003年4月18日付朝刊17頁)、この分野においては特に従来に比べて格段に高度な耐透湿性が求められている。
【0003】
これらの要求特性を満たすべく開発が盛んに行われており、特にアルミナやシリカなどの無機酸化物を中心とした素材を樹脂フィルムなどに真空蒸着した材料の開発が中心となっている。これら無機酸化物膜を蒸着したフィルムの水蒸気透過率は、無機酸化物膜の厚さが数百ナノメートルから数ミクロンメートルと極めて薄いにも関わらず、0.5〜2g/m・day・atm(40℃、90%RHの場合)程度と優れたものであり、また透明性も良好である。しかし、無機酸化物の薄膜を製造する過程においては、通常0.01パスカル程度の高度な真空状態が不可欠であり、高価で大掛かりな真空装置を必要とし、製造方法が煩雑で高コストであるという課題を抱えている。
【0004】
一方、フッ素化炭化水素は表面自由エネルギーが小さいため、フッ素樹脂は水蒸気と馴染みにくく、樹脂単体では三フッ素化塩化エチレン樹脂PCTFEが最も水蒸気透過性が低い材料として知られており、例えばダイキン工業株式会社より商品名ネオフロンとして上市されている。しかしながら水蒸気透過率は、厚さが100ミクロンとかなり肉厚の場合で0.08g/m・day・atm(40℃、90%RHの場合)であり、十分な性能を有しておらず、また結晶性樹脂であるために、透明性が十分ではない。
【0005】
また夏場の車内や種々の加工条件を勘案し、100℃以上の耐熱性も兼ね備えていることが望ましい。
【0006】
従って、優れた低透湿性、透明性、耐屈曲性、耐熱性を兼ね備え、さらには高価で大掛かりな装置などを用いることなく簡易的に製造することができる材料の開発が望まれてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、優れた低透湿性、透明性、耐屈曲性、耐熱性を兼ね備え、高価で大掛かりな装置などを用いることなく簡易的に製造することができる材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、フッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層と無機酸化物を含んで構成される層が交互に周期的に積層した膜であり、フッ素化された炭化水素鎖が無機酸化物を構成する原子と共有結合している複合多層膜が、優れた低透湿性、透明性、耐屈曲性、耐熱性を兼ね備えた材料であり、また、フッ素化された炭化水素基を有するアルコキシシラン化合物を溶媒中で加水分解し、次いで得られる溶液を基板上に塗布して溶媒を揮発除去させることにより、本発明の複合多層膜を高価で大掛かりな装置などを用いることなく簡易的に製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]に記載した事項により特定される。
【0010】
[1] フッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層と無機酸化物を含んで構成される層が交互に周期的に積層し、フッ素化された炭化水素鎖が無機酸化物を構成する原子と共有結合していることを特徴とする複合多層膜。
【0011】
[2] フッ素化された炭化水素鎖を有するケイ素系化合物を含有する溶液を基板上に塗布し、次いで溶媒を揮発除去させることを特徴とする請求項1記載の複合多層膜の製造方法。
【0012】
[3] [2]記載の方法により製造される複合多層膜。
【0013】
[4] [1]または[3]記載の複合多層膜を含んで構成される電子部品。
【0014】
[5] 表示装置であることを特徴とする[4]記載の電子部品。
【0015】
[6] 有機EL表示装置であることを特徴とする[5]記載の表示装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の複合多層膜は、フッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層と無機酸化物を含んで構成される層が交互に周期的に積層し、フッ素化された炭化水素鎖が無機酸化物を構成する原子と共有結合していることを特徴とする複合多層膜である。
【0017】
本発明の複合多層膜におけるフッ素化された炭化水素鎖は、一部または全てがフッ素によって置換された炭化水素鎖である。フッ素による置換は、個々の炭化水素鎖内において均質にフッ素化されていることが好ましく、またフッ素化されている割合は高い方が好ましい。炭化水素鎖における炭素数は、2〜30の範囲が好ましく、4〜20の範囲がより好ましく、6〜14の範囲が更に好ましい。炭化水素鎖の形状は特に規定されるものではないが、分岐型よりも直鎖型であることが好ましい。また、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、炭素、水素、フッ素以外の他の元素が含まれていてもよく、例えば塩素、窒素、ケイ素、硫黄などが挙げられる。フッ素化された炭化水素鎖の種類数は特に限定されるものではないが、多種類で構成されると本発明の効果が十分に得られなくなる恐れがあるため、通常は1種類または2種類を用いることが好ましい。
【0018】
本発明において好適に用いられるフッ素化された炭化水素鎖としては、例えば化学式(1)または化学式(2)で表されるものを挙げられるが、これらに限定されるものではない。但し、化学式(1)においてaおよびbは整数であり、2≦a≦14、0≦b≦10である。また化学式(2)においてc、dおよびeは整数であり、0≦c≦20、2≦d≦20、0≦e≦20である。
【0019】
【化式1】
Figure 2005007321
【0020】
【化式2】
Figure 2005007321
【0021】
本発明の複合多層膜におけるフッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層とは、上述のフッ素化された炭化水素鎖を主に含んで構成される層である。層内におけるフッ素化された炭化水素鎖の割合は特に規定されるものではないが、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが更に好ましい。本発明の効果を損なわない範囲であれば、例えば、フッ素化されていない炭化水素鎖、塩素などの他の元素によって置換された炭化水素鎖、無機系元素などを含んでいても良い。一層当たりの厚さは、0.5〜50ナノメートルの範囲であることが好ましく、1〜20ナノメートルの範囲であることがより好ましく、1〜10ナノメートルの範囲であることが更に好ましい。一層当たりの厚さが200ナノメートルを越えると、透明性に影響がでる恐れがあるために、その範囲は避けることが望ましい。全ての層の厚さが同一である必要はないが、より同様であることが好ましい。
【0022】
本発明の複合多層膜における無機酸化物の種類は特に規定されるものではなく、例えばシリカ、アルミナ、チタニア等を好適に挙げることができ、更にはこれらが複合したものであってもよい。また、窒素や炭素、水素などの有機系の原子が一部含まれていても良い。本発明においては、シリカを好適に用いることが出来るが、これに限定されるものではない。また、無機酸化物は完全に酸化物の形態となっている必要はなく、例えば一部が加水分解されたヒドロキシ基を含む状態でも良い。
【0023】
本発明の複合多層膜における無機酸化物を含んで構成される層とは、上述の無機酸化物を主に含んで構成される層である。層内における無機酸化物の割合は、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが更に好ましい。本発明の効果を損なわない範囲であれば、例えば、フッ素化された炭化水素鎖やフッ素化されていない炭化水素鎖などの有機物、金属などを含んでいても良い。一層当たりの厚さは、0.5〜50ナノメートルの範囲であることが好ましく、1〜20ナノメートルの範囲であることがより好ましく、1〜10ナノメートルの範囲であることが更に好ましい。一層当たりの厚さが200ナノメートルを越えると、透明性に影響がでる恐れがあるために、その範囲は避けることが望ましい。全ての層の厚さが同一である必要はないが、より同様であることが好ましい。
【0024】
本発明の複合多層膜が交互に周期的に積層していることは、例えばX線回折法により容易に確認することができる。この場合、両層の一層当たりの厚さの和が、回折ピークとして発現する。また、透過型電子顕微鏡によっても、確認することができる。多層に積層している層の総数に関して、特に規定するものではないが、少なくとも2層以上であることが好ましく、5層以上であることがより好ましい。層数の上限は、本発明の効果に特に影響しないが、用途によってはあまり厚いものは好ましくないことを考慮し、10万層程度以下とすることが好ましい。
【0025】
本発明の複合多層膜は、フッ素化された炭化水素鎖が無機酸化物を構成する原子と共有結合している。無機酸化物を構成する原子と共有結合しているフッ素化された炭化水素鎖の割合は特に規定されるものではないが、無機酸化物を構成する原子と共有結合している炭素原子の割合が、本発明の複合多層膜を構成する全炭素原子に対して0.1原子%以上90原子%以下であることが好ましく、0.5原子%以上70原子%以下であることがより好ましく、2原子%以上50原子%以下であることが更に好ましい。無機酸化物を構成する原子、例えばケイ素やチタンなどの原子と共有結合している炭素原子の割合を決定する解析手法としては、例えば核磁気共鳴法を好適に挙げることができる。
【0026】
本発明の複合多層膜の厚さは、用途ならびに必要とされる性能によって調節することが出来るが、通常は10ナノメートル以上200ミクロンメートル以下とすることが好ましく、30ナノメートル以上10ミクロンメートル以下とすることがより好ましく、50ナノメートル以上5ミクロンメートル以下とすることが更に好ましい。
【0027】
本発明の複合多層膜において、フッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層におけるフッ素化された炭化水素鎖は、より規則的に配列していることが好ましい。規則性の程度は特に規定されるものではないが、例えば、その規則性がX線解析法や赤外分光法などによって観察される程度であることが好ましい。解析手法の詳細は、フッ素樹脂ハンドブック(里川孝臣編、日刊工業新聞社、1990年)などに記載されている。例えば、結晶化したポリテトラフルオロエチレンは、X線回折法にて約0.5ナノメートルに相当するところにピークが発現することが明記されており、テトラフルオロエチレン鎖が規則性を持って配列している場合には、X線回折法においてこの付近にピークが発現することが分かる。また、赤外分光法においても、結晶化の程度に応じてポリテトラフルオロエチレンの吸収プロファイルが変化することが明記されており、テトラフルオロエチレン鎖の規則性を観察できる。なお、両手法においても、ポリテトラフルオロエチレンの規則的配列性に関してのみ解析が出来るわけではなく、通常のポリエチレンなどの規則的配列性の解析も可能であり、本発明の複合多層膜の解析に適した手法である。規則性の方向性について特に限定されるものではないが、フッ素化された炭化水素鎖が層に対して水平方向よりも垂直方向に規則性を有していることが好ましい。
【0028】
本発明の複合多層膜の製造方法としては、フッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物を含有する溶液を基板上に塗布し、次いで溶媒を揮発除去させる方法を好適に用いることができる。
【0029】
本発明の複合多層膜の製造方法におけるフッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物としては、好適には化学式(3)または化学式(4)で表されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
【化式3】
Figure 2005007321
【0031】
ここでfとgは整数であり、2≦f≦14、0≦g≦10を満たす。
【0032】
【化式4】
Figure 2005007321
【0033】
ここでh、iおよびjは整数であり、0≦h≦20、2≦i≦20、0≦j≦20である。
また化学式(3)および化学式(4)において、Xはケイ素原子と結合する官能基であり、ヒドロキシ基(−OH)、ハロゲン基、メトキシ基(―OCH)、エトキシ基(−OC)、プロポキシ基(−OC)、ブトキシ基(−OC)、ペントキシ基(−OC11)から選ばれる基である。ヒドロキシ基の状態で溶液を基板に塗布することが好ましいため、ハロゲン基やメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基を用いた場合には、事前に水などを加えて加水分解することが好ましい。この際には、必要に応じて酸やアルカリなどの触媒を用いることもできる。
【0034】
化学式(3)または化学式(4)で表されるフッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物は、例えば従来技術であるヒドロシリル化反応を用いることにより合成することができる。具体的には、塩化白金酸触媒を用い、オレフィン部分にシラン化合物を付加させる反応(実験化学講座、日本化学会編、丸善などを参照)により、合成することができる。
【0035】
本発明の複合多層膜の製造方法におけるフッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物を含有する溶液に用いる溶媒は、特に限定されるものではないが、沸点が200℃以下であり、フッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物が会合や析出、縮合することなく、均質に溶液状態となっていることが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル化合物などを好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。また、一部水などが添加されたものでもよい。
【0036】
本発明の複合多層膜の製造方法におけるフッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物を含有する溶液において、テトラアルコキシシラン、テトラハロゲン化シランまたはこれらの加水分解物が含まれていることが好ましい。本発明においては、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランを好適に用いることができる。含有量は特に規定されるものではないが、フッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物に対して、モル基準で0.2〜30倍が好ましく、1〜20倍がより好ましく、2〜10倍が更に好ましい。これらの化合物は、一部が縮合したものであってもよい。また、アルコキシ基やハロゲン基の一部が、メチル基やエチル基など、加水分解性を持たない基で置換されていてもよい。
【0037】
本発明の複合多層膜の製造方法におけるフッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物を含有する溶液において、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の化合物を含有していてもよい。
【0038】
本発明の複合多層膜の製造方法におけるフッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物を含有する溶液の濃度は特に規定されるものではないが、フッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物に対する溶媒の量は、モル基準で1〜1000倍が好ましく、2〜500倍がより好ましく、3〜200倍が更に好ましい。
【0039】
本発明の複合多層膜の製造方法において、フッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物を含有する溶液中のケイ素系化合物は、加水分解されていることが好ましい。これは、フッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物のみを対象とせず、含有していることが好ましいテトラアルコキシシランまたはテトラハロゲン化シランにも該当する。加水分解させる方法としては、水と触媒として酸またはアルカリを添加する方法が好適に挙げることができる。加える水の量は、用いる溶媒の種類などの他の条件によって最適な範囲が異なるが、加水分解反応の量論に対して0.1倍から10倍の範囲が好適に用いられ、0.3倍から5倍の範囲がより好適に用いられ、0.5倍から2倍の範囲が更に好適に用いられる。また触媒の量も最適な範囲は条件によって異なるが、加える水の0.00001〜0.1モル倍の範囲が好適に用いられる。触媒として用いる酸またはアルカリとしては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを好適に挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本発明の複合多層膜の製造方法におけるフッ素化された炭化水素基を有するケイ素系化合物を含有する溶液を基板上に塗布する方法は、特に限定されるものではないが、スピンコート法、ディップコート法が好適な方法として挙げることができる。スピンコート法の場合、溶液の粘度や形成させたい複合多層膜の厚さによって最適な条件は異なるが、200〜10000rpmの範囲が好適である。塗布する際の温度は、用いる炭化水素基を有するケイ素系化合物の種類や溶媒の種類などによって最適な条件範囲が異なり、それに応じて適宜選定する必要がある。
【0041】
本発明の複合多層膜の製造方法において用いる基板の種類は特に限定されるものではないが、塗布表面にシラノール基や水酸基などの極性基が適度に存在していることが好ましく、水酸基を有する樹脂を母体とする基板、あらかじめゾルゲル法やスパッタ法、CVD法などを活用してシリカやアルミナ、チタニアなどの酸化物薄膜やシリコンなどの金属薄膜を表面に形成した基板などを好適に用いることができる。
【0042】
本発明の複合多層膜の製造方法において用いる基板の表面性は特に限定されるものではないが、塗布表面はより平滑であることが好ましく、必要に応じて研磨平滑化や熱硬化樹脂などを用いた平滑化などの従来技術を好適に用いることができる。
【0043】
塗布操作一回で、通常は数十〜数百層から成る複合多層膜を自発的に形成することができる。用いる炭化水素基を有するケイ素系化合物の種類や溶液中における濃度などによって、一回の塗布操作によって自己組織的に形成される層の数は変化するが、従来のLB膜や単分子膜、交互積層膜(layer by layer膜)のように、一回の操作で一層が形成され、それらの操作を複数回続けることで多層化するのではなく、多層を一度の操作で形成できる。必要に応じて複数回の塗布操作を行うことにより、より多層化した膜を形成することもできる。なお本発明の複合多層膜は、従来技術であるLB膜や単分子膜、交互積層膜(layer by layer膜)で作成することは、実質的に不可能である。
【0044】
塗布操作に次いで行われる溶媒を揮発除去させる方法についても特に規定されるものではないが、複合多層膜の厚さは通常100ミクロン以下と薄いため、コート作業中に大半が揮発することが多い。必要に応じて、乾燥炉などを用いて溶媒を除去してもよい。
【0045】
本発明の複合多層膜は、その形態は限定されるものではなく、樹脂フィルムなどの基板上に膜を作製した形態、基板上に作製した膜を剥離して複合多層膜のみの形態など、いずれの形態をも用いることができる。また、本発明の複合多層膜を覆う形で、保護などを目的として樹脂層を設けても良い。
【0046】
本発明の複合多層膜は、優れた低透湿性、透明性、耐屈曲性、耐熱性を兼ね備え、高価で大掛かりな装置などを用いることなく、スピンコート法などで溶液を基板上にコートするという非常に簡易的な手法で製造することができる材料であり、電子部品用途および光学部品用途などとして有用な材料である。特に表示装置に関わる部品として好適に用いることができ、有機EL表示装置に関わる部品としてより好適に用いることができる。
【0047】
有機EL表示装置に関わる部品としては、湿度に極めて脆弱な有機EL素子を挟みこむフィルムとして好適に用いることができる。具体的には、PET樹脂などの従来公知である樹脂フィルム上に本発明の複合膜を形成させ、そのフィルムで有機EL素子を挟み込む。現状では、透湿性の問題からガラス基板を用いて挟み込む方法が採られているが、これを置き換えることにより、より薄く軽量で、曲げることができる柔軟性と強度がある表示装置を実現することができる。特に耐透湿性が要求される有機EL表示装置に好適に用いることができるが、それらに限定されず、液晶表示装置やプラズマ表示装置など、表示装置に関わる部品として好適に用いることができる。
【0048】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、実施例等における諸物性等の測定は、以下の方法により行った。
・透明性:分光光度計を用い、波長420〜800ナノメートルの範囲での全光線透過率を測定した。
・耐屈曲性:ASTM―F392に基づき、被試験体を23℃、50%RHの環境かで24時間エージングした後、恒温槽付きゲルボフレックステスター(テスター産業社製)にてねじり角度440度にて100回の屈曲処理を行った。
・耐熱性:空気流通下、100℃にて2時間熱処理を行った。
・水蒸気透過性(耐透湿性):水蒸気透過率測定装置(モダンコントロール株式会社製)を用い 、40℃、90%RHの条件で測定した。
・交互積層性:透過型電子顕微鏡による膜断面、およびX線回折法による構造規則性を観察した 。
【0049】
(実施例1)
テトラメトキシシラン、水、HClを、モル基準で1:10:0.001の比で混合し、25℃で2時間かくはんした。次いで厚さ50ミクロンのPETフィルム(テイジンテトロンフィルム、帝人製)上に室温25℃の条件でスピンコート法(回転数3000rpm)により製膜し、その後100℃で2時間乾燥させて、基板となるフィルムを作成した。このフィルムの水蒸気透過率は42g/m・day・atm(40℃、90%RHの場合)であった。
【0050】
化学式(5)で示されるパーフルオロデシルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、エタノール、水、HClを、モル基準で1:4:50:19:0.03の比で混合し、次いで40℃で60分かくはん混合した。反応液をすぐに25℃に冷却した後、室温25℃の条件でスピンコート法(回転数3000rpm)により、前述の基板フィルム上に製膜し、その後60℃で2時間乾燥させた。
【0051】
【化式5】
Figure 2005007321
【0052】
本発明の複合多層膜が形成されたこのフィルムについて、複合多層膜の面に対してX線を照射させて厚さ方向のX線回折法にて評価したところ、フィルムの厚さ方向の規則構造に帰属される鋭利なピークが観察され、その規則構造の大きさは3.53ナノメートルに相当した。X線回折プロファイルを図1に示す。これは、電子密度が異なる層が3.53ナノメートルの周期で規則的に多層化していることを裏付ける。また、フィルム断面方向、すなわち本発明の複合多層膜の断面方向についても同様にX線を照射させてX線回折法にて評価したところ、フィルム面に沿った方向の規則構造に帰属されるピークが観察され、その規則構造の大きさは0.52ナノメートルに相当した。X線回折プロファイルを図2に示す。この値は、結晶化したポリテトラフルオロエチレン鎖の規則構造(X線回折法にて約0.5ナノメートル、フッ素樹脂ハンドブック、里川孝臣編、日刊工業新聞社、1990年)に相当し、本発明の複合多層膜において、フッ素化された炭化水素鎖が膜面に対して垂直な方向に規則的にパッキングされた構造であることが分かる。
【0053】
また、フィルム断面方向、すなわち本発明の複合多層膜の断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、図3に示すように多層の規則的な層状構造が観察され、その層の大きさはおよそ3.5ナノメートルであり、X線回折法の結果と一致した。また複合多層膜全体の厚さは、650ナノメートルであった。以上の結果、また化学式(5)で示されるパーフルオロデシルトリエトキシシランのエトキシ基が加水分解したパーフルオロデシルトリヒドロキシシラン分子の大きさが約1.5ナノメートルであることから、本発明の複合多層膜は、図4に模式的に示したような、フッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層と無機酸化物を含んで構成される層が交互に積層し、フッ素化された炭化水素鎖が無機酸化物を構成する原子と共有結合している複合多層膜であり、さらにはフッ素化された炭化水素鎖は、膜面に対して垂直な方向に規則的にパッキングされた構造であることが分かった。
【0054】
上述の操作に次いで、基板フィルム上に本発明の複合多層膜を製膜した後、1重量%濃度のポリカーボネート樹脂のジクロロメタン溶液を、室温25℃の条件でスピンコート法(回転数3000rpm)により、本発明の複合多層膜上に製膜し、その後60℃で2時間乾燥させた。この様にして作成された複合フィルムは、無色透明であり、全体の厚さは70ミクロンメートルであった。
【0055】
この複合フィルムの評価を行ったところ、波長420〜800ナノメートルの範囲での全光線透過率は90%、水蒸気透過率は0.4g/m・day・atm、熱処理後の水蒸気透過率は0.4g/m・day・atm、耐屈曲性試験後は0.7g/m・day・atmで良好であった。また、高価で大掛かりな真空装置などを用いることなく、常温常圧でのスピンコート法という極めて簡便な方法で製造することが出来た。
【0056】
(比較例1)
化学式(6)で示されるパーフルオロデシルトリクロロシラン、テトラメトキシシランを、モル基準で1:4の比で混合し、次いで40℃で60分かくはん混合した。反応液をすぐに25℃に冷却した後、室温25℃の条件でスピンコート法(回転数3000rpm)により、実施例と同様に基板フィルム上に製膜し、その後90℃、RH90%の条件で24時間静置した。
【0057】
【化式6】
Figure 2005007321
【0058】
形成されたこのフィルムについて、実施例と同様にフィルム平面およびフィルム断面方向にX線を照射させてX線回折法にて評価したが、規則構造に起因するピークは全く観察されなかった。フィルム断面方向の透過型電子顕微鏡観察からも、層状構造は確認されなかった。
【0059】
実施例と同様に、上述の操作に次いで、基板フィルム上に本発明の複合多層膜を製膜した後、1重量%濃度のポリカーボネート樹脂のジクロロメタン溶液を、室温25℃の条件でスピンコート法(回転数3000rpm)により、本発明の複合多層膜上に製膜し、その後60℃で2時間乾燥させた。この様にして作成された複合フィルムは、無色透明であり、全体の厚さは76ミクロンメートルであった。
【0060】
この複合フィルムの評価を行ったところ、波長420〜800ナノメートルの範囲での全光線透過率は88%、水蒸気透過率は32g/m・day・atm、熱処理後の水蒸気透過率は33g/m・day・atm、耐屈曲性試験後は37g/m・day・atmであった。
【0061】
(比較例2)
テトラメトキシシラン、エタノール、水、HClを、モル基準で1:100:10:0.001の比で混合し、25℃で2時間かくはんして作成した溶液1、化学式(7)で示されるパーフルオロアルコール、エタノールを、モル基準で1:100の比で混合した溶液2を準備し、実施例と同様にして作成した基板フィルム上に、両液を用いて交互に、合計10回ずつ室温25℃の条件でスピンコート法(回転数3000rpm)により製膜し、その後60℃で2時間乾燥させた。
【0062】
【化式7】
Figure 2005007321
【0063】
形成されたこのフィルムについて、実施例と同様にフィルム断面方向について透過型電子顕微鏡観察したところ、およそ20ナノメートルのシリカ層とおよそ15ナノメートルのパーフルオロアルコール層が交互に多層化した構造が確認できた。また、C−NMRにより炭素原子とシリコン原子の結合について評価したところ、想定通りシリコン原子に共有結合した炭素原子は観察されなかった。
【0064】
実施例1と同様に、上述の操作に次いで、基板フィルム上に本発明の複合多層膜を製膜した後、1重量%濃度のポリカーボネート樹脂のジクロロメタン溶液を、室温25℃の条件でスピンコート法(回転数3000rpm)により、本発明の複合多層膜上に製膜し、その後60℃で2時間乾燥させた。この様にして作成された複合フィルムは、無色透明であり、全体の厚さは76ミクロンメートルであった。
【0065】
この複合フィルムの評価を行ったところ、波長420〜800ナノメートルの範囲での全光線透過率は88%、水蒸気透過率は23g/m・day・atm、熱処理後の水蒸気透過率は49g/m・day・atm、耐屈曲性試験後は47g/m・day・atmであった。
【0066】
【発明の効果】
本発明の複合多層膜は、優れた低透湿性、透明性、耐屈曲性、耐熱性を兼ね備え、高価で大掛かりな装置などを用いることなく、スピンコート法などで溶液を基板上にコートするという非常に簡易的な手法で製造することができる材料であり、電子部品用途および光学部品用途などとして有用な材料である。特に表示装置に関わる部品として好適に用いることができ、有機EL表示装置に関わる部品としてより好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の複合多層膜の厚さ方向のX線回折プロフィールである。
【図2】実施例の複合多層膜の面内方向のX線回折プロフィールである。
【図3】実施例の複合多層膜の透過型電顕写真である。
【図4】実施例の複合多層膜の模式図である。

Claims (6)

  1. フッ素化された炭化水素鎖を含んで構成される層と無機酸化物を含んで構成される層が交互に周期的に積層し、フッ素化された炭化水素鎖が無機酸化物を構成する原子と共有結合していることを特徴とする複合多層膜。
  2. フッ素化された炭化水素鎖を有するケイ素系化合物を含有する溶液を基板上に塗布し、次いで溶媒を揮発除去させることを特徴とする請求項1記載の複合多層膜の製造方法。
  3. 請求項2記載の方法により製造される複合多層膜。
  4. 請求項1または請求項3記載の複合多層膜を含んで構成される電子部品。
  5. 表示装置であることを特徴とする請求項4記載の電子部品。
  6. 有機EL表示装置であることを特徴とする請求項5記載の電子部品。
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