JP2005007259A - 酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの製法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガス流路の入口開孔端から流入した排ガスを酸化触媒成分を担持した多孔質隔壁からなる濾材の細孔を経て隣接するガス流路に導入し、該隣接ガス流路の出口開孔端から流出させる酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの製法であって、前記濾材を触媒スラリ中に含浸、液切りした後、排ガスの流れ方向の上流側となる濾過面から濾材に熱風を通気させて乾燥することを特徴とする酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの製法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル排ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を除去するためのフィルタの製法に係り、特に重油などの灰分や硫黄分の多い燃料を使用した場合に用いる酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル排ガスの浄化方法については多くの研究がなされているが、特に、排ガスに含まれる粒子状物質(PM)を効率よく除去するために、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFともいう)を用いる技術が開発されている。
【0003】
DPFは、ハニカム状の多孔質隔壁で形成された多数のガス流路の入口開孔端から流入した排ガスを、隔壁の細孔を通過させて隣接するガス流路に導入し、ガス中のPMを除去した後、該隣接ガス流路の出口開孔端から流出させるものである。ここで入口開孔端および出口開孔端を有するガス流路の他の開孔端部は栓詰めされている。
【0004】
DPFを用いたガス浄化方法として、DPFに酸化触媒を担持し、コンパクトな1つの装置で下記(1) 式および(2) 式の反応を同時に行う技術、および浄化効率を上げるために、触媒スラリの浸漬時間を調整することにより、排ガス入口である上流側に下流側に較べて触媒物質を多く分布させた排ガス浄化方法が開示されている(特許文献1)。
【0005】
NO + 1/2O2 → NO2 … (1)
C + 2NO2 → CO2 + 2NO … (2)
また、関連技術としてDPFに酸化触媒を担持し、捕集したPMを酸化燃焼させて再生する技術(特開昭60−235620号公報)や、再生温度の低温化、圧力損失の増加防止、SO2の酸化防止、NOxの吸脱着やフィルタの損傷防止を目的とした触媒の担持技術(特開2002−339728号公報、特開昭61−149221号公報、特開平07−332065号公報など)が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−207836号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術の多くは多孔質なDPFのフィルタによるものであり、捕集したPMは酸化分解され、細孔径より微粒子化されたものはそのまま排出される。このため、重油などの灰分や硫黄分が多い燃料を用いた場合、排出されるPMの絶対量が多くなるので、今後の規制強化に対してさらに対応する必要がある。
【0008】
一方で、濾材のガス流れに対して上流となる表面での濾過を特徴とした緻密なDPFの場合、捕集したPMは逆洗により回収除去されるため環境面では優れている反面、重油などの燃料においてはDPFで捕集されるPM量は増加し、回収除去のための逆洗回数も増加することが問題となる。この問題に対して、DPFを触媒化することによりPMを燃焼させることで蓄積するPM量を低減し、逆洗回数も減少可能と考えられるが、触媒によるPMの酸化分解は濾過面での接触反応となるため、効率よく接触酸化を行うことが課題とされる。
【0009】
これには、上記した緻密なDPFの触媒化において、触媒スラリにより担持することで触媒成分が濾過され、PMとの接触面に高活性な触媒を担持することで可能となるが、逆洗による触媒の剥離が懸念される。
また特許文献1のように触媒の担持において、触媒スラリの浸漬時間を調整して排ガス入口側の触媒濃度を出口側より高める方法は、浸漬操作や浸漬時間の調整が厄介であるという問題がある。
【0010】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消し、高い捕集率でPMを除去可能な緻密質なDPFの触媒化を簡単な操作で効率よく行うことができる酸化触媒担持DPFの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)ガス流路の入口開孔端から流入した排ガスを酸化触媒成分を担持した多孔質隔壁からなる濾材の細孔を経て隣接するガス流路に導入し、該隣接ガス流路の出口開孔端から流出させる酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの製法であって、前記濾材を触媒スラリ中に含浸、液切りした後、排ガスの流れ方向の上流側となる濾過面から濾材に熱風を通気させて乾燥することを特徴とする酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの製法。
【0012】
(2)前記触媒スラリの第1成分として、チタニア、アルミナ、セリア及びシリカのなかから選ばれた1つ以上の酸化物のゾルまたは溶液を用い、次いで第2成分としてPt、Pd、Ir及びRhから選ばれた1つ以上の貴金属成分を含む液を用いることを特徴とする(1)記載の方法。
〔作用〕
緻密な細孔分布により表面での濾過を特徴としたDPFではPMは細孔内部まで侵入しない。このためDPFを触媒化してPMを酸化分解するためにはPMとの接触面すなわち濾過面に高活性な触媒を担持することが有効となる。しかしながら、濾過面への触媒担持は表層部に担持したのでは逆洗により剥離することが懸念されるため、細孔内部に担持され、且つPMとの接触反応に有効な濾過面に担持されることが必要とされる。そこで細孔内部に担持可能なゾルまたは硝酸溶液などにより触媒を担持し、DPF濾材のガス流れに対して上流側となる面、すなわちPMの濾過面から熱風で通気乾燥することにより、触媒成分をその反対側の乾燥面に移動させることが可能となり、特に、活性成分である貴金属を乾燥面側に高濃度で分散担持できることで、酸化活性を大きく向上することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施例によりさらに詳細に説明する。
図1は、本発明に用いるディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)の概念図、図2は、本発明に用いる酸化触媒担持DPFの乾燥装置の説明図である。図1において、DPF1は、ガス入口側と対向する端部が閉塞されたハニカムセル2を形成する多孔質隔壁と、該隔壁の両側に配置され、ガス出口側(例えば図面の紙面上方)に開放端を有するスリット3とから構成される。排ガスは、セル2入口に導入され、多孔質隔壁の細孔を通過する間に粒子状物質が除去され、その後、浄化ガスはスリット3の前記開放端から外部に排出される。
【0014】
本発明の酸化触媒担持DOFは、図1のDOFのセル2を触媒スラリに浸漬し、液切りしてセル2に触媒成分を付着させた後、図2に示すように熱風乾燥機5の出口に乾燥用治具4を介して図1のセル2を取り付け、セル2の管状ガス流路の出口側を栓で塞いだ状態とし、次いでセル2の排ガス入口側から熱風を吹きつけることにより触媒スラリを乾燥させ、触媒成分を付着させる。
【0015】
図1の構造を持つDPFでは、図2のようにジグを組んで排ガスの流入部であるセル2内部に熱風を通気する方法を用いることができるが、隣り合うセルの流入部と流出部が交互に栓した構造をもつDPFの場合、流出部側のみ栓をした状態で熱風を通気する方法などが可能である。
【0016】
このとき、触媒成分の含浸担持には第1成分としてチタニア、アルミナ、セリア及びシリカのなかから選ばれた1つ以上の酸化物のゾルまたは溶液、さらに第2成分としてPt、Pd、Ir及びRhのなかから選ばれた1つ以上の貴金属を含んだ硝酸溶液などを用いることができ、これらの溶液を含浸後に熱風乾燥することで乾燥面に高濃度で担持することが可能となる。第1成分は細孔内部に担持され、逆洗による剥離が無いことが必要とされ、担持による圧損の増加は少ない方が好ましいため低濃度での担持が好ましい。勿論、緻密な細孔よりも微粒子の触媒スラリを用いることも可能であるが、粒子が大きいと乾燥面への移動が少なくなるため、ゾルまたは硝酸溶液や水溶液などが好ましい。
【0017】
【実施例】
実施例1
アルミナゾル(日産化学社製、アルミナゾル520)とセリウムゾル(多木化学社製、ニードラールU−15)を重量比2:1で混合した含浸液を調製した。これにディーゼルパティキュレートフィルタ(旭硝子社製、セラミック系コージェライトDPF、□50×50mm)のセルを含浸し、遠心分離により液切り後、図2に示すようにジグ4に入れて150℃で熱風乾燥した。500℃で2時間焼成後、ジニトロジアンミン白金硝酸液に含浸し、同様に乾燥後、550℃で2時間焼成を行い、酸化触媒担持DPF(担持量:Al2O3・CeO2=26g/L、Pt=1.6g/L)を得た。
2セル×50mmL×3枚のサンプルを切り出し、セル内部にのみ模擬ガスが流れるように反応管に充填し、表1に示す条件で試験を行い、各酸化率を測定した。
【0018】
【表1】
【0019】
比較例1
実施例1における乾燥が熱風乾燥しないで通常の乾燥器により150℃で乾燥した以外は同様な条件で酸化触媒担持DPFを調製し、同様の反応試験を行い、HC、COおよびNOの各酸化率を測定した。
実施例1及び比較例1における反応温度と各酸化率の関係を図3〜5に示す。いずれの酸化反応においても実施例のDPFが比較例よりも高活性であることが分る。
【0020】
【発明の効果】
請求項1および2記載の発明によれば、触媒の多孔質隔壁の濾過面側よりもその反対側の乾燥面側に選択的に触媒を付着させることにより、重油などの灰分や硫黄分を多く含んだ燃料においても、高効率でPMを除去することが可能となり、PM及びその他の有害物質の酸化分解を効率良く行うことができ、また逆洗による再生回数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるディーゼルパティクレートフィルタ(DPF)の要部概念図。
【図2】本発明に用いる酸化触媒担持DPFセルの乾燥装置の説明図。
【図3】実施例及び比較例における炭化水素分解反応(HC酸化率)の温度分布を示す図。
【図4】実施例及び比較例におけるCO酸化率の温度分布を示す図。
【図5】実施例及び比較例におけるNO酸化率の温度分布を示す図。
【符号の説明】
1…ディーゼルパティキュレートフィルタ、2…DPFセル、3…DPFスリット、
4…乾燥用ジグ、5…熱風発生器
Claims (2)
- ガス流路の入口開孔端から流入した排ガスを酸化触媒成分を担持した多孔質隔壁からなる濾材の細孔を経て隣接するガス流路に導入し、該隣接ガス流路の出口開孔端から流出させる酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの製法であって、前記濾材を触媒スラリ中に含浸、液切りした後、排ガスの流れ方向の上流側となる濾過面から濾材に熱風を通気させて乾燥することを特徴とする酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの製法。
- 前記触媒スラリの第1成分として、チタニア、アルミナ、セリア及びシリカのなかから選ばれた1つ以上の酸化物のゾルまたは溶液を用い、次いで第2成分としてPt、Pd、Ir及びRhから選ばれた1つ以上の貴金属成分を含む液を用いることを特徴とする請求項1記載の方法。
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JP2003173017A JP2005007259A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 酸化触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの製法 |
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Cited By (2)
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-
2003
- 2003-06-18 JP JP2003173017A patent/JP2005007259A/ja active Pending
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EP2596845A1 (en) * | 2006-09-20 | 2013-05-29 | Johnson Matthey Public Limited Company | Washcoated particulate filter substrate |
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