JP2005006906A - 耳装着型の体調測定装置 - Google Patents

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宏昭 岡田
Hirobumi Fujio
博文 藤生
Hiroko Kawakura
裕子 川倉
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Abstract

【課題】血液循環により生じる脈波を耳たぶで測定し、該測定値を表示部に表示する体調測定装置を、より正確な測定ができ、しかも、使用しやすい測定装置に構成する。
【解決手段】体調測定装置1を、耳たぶに圧着状に装着して脈波を実測し、実測信号を出力するセンサ部2と、該センサ部2からの実測信号を処理して得られたデータ信号を出力する本体部3と、該本体部3から入力されたデータ信号を処理して測定値として表示する表示部4とを備え、本体部2はセンサ部3ととともに耳介の外周に装着支持される耳掛け体5に設けられたセンサユニットUに構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間の耳に装着して体調を測定して表示する耳装着型の体調測定装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種脈拍や血圧等の体調を測定する体調測定装置のなかには、ランニングマシーン使用時等のように、継続的に脈拍を測定する場合に用いられるものがあり、このものでは、身体の一部に固定状に装着して体調の測定をするようにしている。このようなものにおいて、体調測定装置を耳に取付けて脈拍を測定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−360529号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記特許文献1の体調測定装置は脈拍を測定する装置であって、耳たぶに装着して脈拍を実際に実測して実測信号を出力するセンサ部と、該センサ部からの実測信号を処理して得られた測定信号を出力する本体部と、該本体部から入力された測定信号を処理して表示する表示部とを備えて構成され、そして、センサ部は耳に装着され、表示部はランニングマシーンに設けられ、表示部に測定信号を送信するための本体部は耳とは離れた胴体部に装着する構成となっている。このため、センサ部と本体部とのあいだには依然として信号送信用の配線がなされており、身体運動とともに配線が揺れて正確な検出ができないという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
一方、近年、体調を判定するための要素として、脈拍にあわせて血圧や体温等をあわせて測定し、これらの測定値から体調を総合的に判定することが試みられている。この場合、測定数が多くなる分、センサ部と本体部とのあいだの配線数が多くなり、このようなものを前記特許文献1のような構成で実施しようとした場合では、センサ部と本体部とのあいだの配線が太くなって邪魔になるばかりでなく、身体運動に伴う信号の歪みが大きくなって正確性が低下するという問題があり、ここにも本発明が解決しようとする課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、血液循環により生じる脈波を耳たぶで測定し、該測定値を表示部に表示する体調測定装置を、耳たぶに圧着状に装着され脈波を実測し、該実測信号を出力するセンサ部と、該センサ部からの実測信号を処理して得られたデータ信号を出力する本体部と、該本体部から入力されたデータ信号を処理して測定値として表示する表示部とを備えて構成するにあたり、本体部はセンサ部ととともに耳部に装着支持されるように構成されているものである。
そして、このようにすることにより、センサ部と本体部とのあいだの信号線が短くなって、信号線自体の振動により正確な測定を損なうような不具合を解消することができる。
このものにおいて、本発明の本体部は、耳介に装着支持される耳掛け体に設けられてユニット化されているものとすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明の本体部と表示部とのあいだは、無線信号による送信がなされるように構成されているものとすることができ、センサ部付きの本体部と表示部とのあいだの配線がなくなって、使用感がよく、かつ、使いやすい体調測定装置とすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第一の実施の形態を図1〜図4の図面に基づいて説明する。
図面において、1は体調測定装置であって、該体調測定装置1は、耳たぶに圧着状に装着されて脈波を実測して実測信号を出力するセンサ部2と、該センサ部2からの実測信号を処理して得られた測定信号を出力する本体部3と、該本体部3から入力された測定信号を処理して表示する表示部4とを備えて構成されている。そして、これら部材装置2、3、4のうち、センサ部2と本体部3とはセンサユニットUとして耳掛け状に構成され、測定箇所である耳介に装着されるように設定されている。
【0007】
5は、センサユニットUを構成する耳掛け体であって、該耳掛け体5は、樹脂材等の可撓性のある部材により、耳介の外周に装着支持されるよう湾曲状に形成されており、僅かな弾性変形をさせながら耳介の外周に装着することで、耳介に保持状(脱落防止状)に支持されるように設定されている。そして、前記耳掛け体5の上部には、外方に変位する状態で取付け片5aが形成されており、該取付け片5aに、体調測定装置1の本体部3を構成するケーシング6が一体的に固定するように設定されている。
前記ケーシング6は扁平状の円筒形状に形成され、後述する各種部材装置が収容されているものであるが、一側面6aの外周側縁部の上方部位が、前記耳掛け体5の取付け片5aに対して固定ピン6bを介して止着されている。そして、耳掛け体5を耳介に装着したとき、ケーシング一側面6aが耳甲介孔を塞ぐ状態で装着されるように設定されている。
【0008】
そして、ケーシング6の下方側外周面から、短い信号線7で接続される状態でセンサ部2が引出されており、該センサ部2が耳たぶに装着される構成となっている。つまり、センサ部2は、U字状に折曲加工された弾性を備えた材料で構成されたセンサ取付け片8の、近接対向する両先端部8a、8bのうちの一方側先端部8aに設けられており、センサ取付け体8の両先端部8a、8bを、取付け体8自体が備える弾性に抗して拡開して測定者の耳たぶに装着することで、耳たぶに圧着状態(脱落防止状態)で取付けられるように設定されている。尚、センサ取付け体8の他方側先端部8bにはクッション材8cが設けられており、耳たぶへの圧着が快適、かつ、確実になるようにしている。
【0009】
さて、前記センサ部2は血液循環によって生じる脈波を、酸素担持のヘモグロビンと酸素非担持のヘモグロビンとの各流量に基づいて実測するように構成されており、図3に示すように、酸素担持のヘモグロビンと酸素非担持のヘモグロビンとにそれぞれ反射する光を発光する二個の発光体(発光素子であって発光ダイオードが用いられている)2a、2bと、これら発光体2a、2bのあいだに間隙を存して配され、該発光体2a、2bからの発光を受光する一個の受光体(受光素子)2cとを直線状に備えて構成されている。そして、センサ部2は、各発光体2a、2bの発光を受光した受光体2cの実測値を実測信号として、信号線7を介して本体部3側に出力するように設定されている。
【0010】
一方、前記本体部3は、ケーシング6内に収容される矩形状の本体収容部3aに内装されており、該本体収容部3aに固定された基板3bに必要な回路構成等を組込むことで構成されている。そして、センサ部2からの実測信号が信号線7を介して入力される基板3bには、前記入力された実測信号を増幅した後、所定の処理をしてデジタル信号に変換する信号処理部9、該信号処理部9によりデジタル化された信号に基づいて脈拍値と血圧値とを算出するデータ算出部10、該データ算出部10により算出された算出データをデータ信号として表示部4に対して出力するデータ出力部11の他、バッテリ12等の必要な部材が設けられている。
因みに、本実施の形態の体調測定装置1は、脈拍値と血圧値とを測定するものとなっているが、これらの他に、体温の測定や、疲労度等の体調を判別するための基準値となる脈波の高低ピーク値の差(脈圧値)等を測定するように構成することも可能であり、このようにすることにより、被測定者の体調を広範にわたって測定することができる。そして、この場合、センサ部2と本体部3とのあいだの信号線7が増加することが想定されるが、センサ部2と本体部3とはともに耳掛け体5に取付けられて近接した状態となっているので、信号線7を可及的に短くなし得て、信号線7が邪魔になったり、信号線7に振動による不具合が生じることがないようにしている。
【0011】
前記表示部4は、耳たぶに装着したセンサユニットUにより測定、算出された脈圧値と血圧値(本発明の測定値に相当する)とを、本体部3を構成するデータ出力部11から出力されるデータ信号を入力することに基づいて、ディスプレー4aに表示するように構成されるものである。因みに、本実施の形態では、図4に示すように、携帯電話あるいは専用の表示装置等に表示される構成となっており、センサユニットU側のデータ出力部11からのデータ信号を入力して表示可能な構成であれば携帯電話やパーソナルコンピュータ、例えばランニングマシーンに取付けられた専用の表示装置等、使用目的、使用場所等に基づいて適宜表示部4を選択して採用することができる。
さらに、本実施の形態のものでは、データ出力部11から表示部4への送信を、ブルートゥース(Bluetooth)モジュールを介して行うことにより、無線(ワイヤレス)信号による送信ができるように構成されており、これによって、センサユニットUと表示部4とのあいだの信号線が不要となって、測定値の信頼性を高めることができるうえ、被測定者の使用感を向上させることができるように構成されている。
【0012】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、体調測定装置1は、実際に脈波を測定する耳たぶに設けられ、実測信号を出力するセンサ部2と、該センサ部2からの実測信号を処理する本体部3とが一つのセンサユニットUに構成されており、該センサユニットUの耳掛け体5を耳介に掛け回して装着することで、センサ部2と本体部3との両者がともに耳部に設けられるようになっている。そして、従来の体調測定装置のように、センサ部は耳に装着されるが、センサ部からの実測信号を処理する本体部が耳とは離れた胴体部に装着される構成とは異なり、センサ部2と本体部3とが隣接(近接)して設けられる結果、センサ部2と本体部3とのあいだの信号線7を極めて短いものにすることができる。これによって、信号線7が邪魔になってしまうことがないうえ、身体運動とともに信号線7が揺れてしまうような不具合がなくなり、信号線7の振動により生じる信号の歪みがなく、正確、かつ、安定した測定がなされて、信頼性の高い体調測定装置1を提供することができる。
【0013】
しかも、本実施の形態の体調測定装置1は、脈拍値と血圧値とが測定されるものであり、このため、センサ部2と本体部3とのあいだの信号線数が多くなって太くなるが、この場合に、センサ部2と本体部3とのあいだの信号線は前述したように短くてよいため邪魔になることがない。従って、体調測定装置1のセンサ部2により複数種類の体調を測定できる体調測定装置とするため、信号線を太くするような場合であっても、邪魔になることなく、しかも、正確な測定を実現させることができる。
【0014】
さらに、本発明が実施されたものにおいては、センサ部2付きの本体部3が耳部に装着される耳掛け体5に一体的に取付けられて、ユニット化されたものに構成されているため、耳部にセンサユニットUを簡単に装着することができて、操作性に優れたものにできる。
【0015】
さらに、このものにおいて、本体部3と表示部4とのあいだは、無線信号による送信がなされるように構成されているので、センサユニットUと表示部4とのあいだの配線がなくなって、さらに使用感のよい体調測定装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】体調測定装置の使用状態を説明する側面図である。
【図2】図2(A)、(B)はそれぞれセンサユニットの側面図、正面図である。
【図3】センサ部を説明する断面図である。
【図4】図4(A)、(B)、(C)は体調測定装置の本体部の側面断面図、正面断面図、横断面図である。
【図5】体調測定装置の構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 体調測定装置
2 センサ部
3 本体部
4 表示部
5 耳掛け体
6 ケーシング
7 信号線
8 センサ取付け片
9 信号処理部
11 データ出力部
U センサユニット

Claims (3)

  1. 血液循環により生じる脈波を耳たぶで測定し、該測定値を表示部に表示する体調測定装置を、耳たぶに圧着状に装着され脈波を実測し、該実測信号を出力するセンサ部と、該センサ部からの実測信号を処理して得られたデータ信号を出力する本体部と、該本体部から入力されたデータ信号を処理して測定値として表示する表示部とを備えて構成するにあたり、本体部はセンサ部ととともに耳部に装着支持されるように構成されている耳装着型の体調測定装置。
  2. 請求項1において、本体部は、耳介に装着支持される耳掛け体に設けられてユニット化されている耳装着型の体調測定装置。
  3. 請求項1または2において、本体部と表示部とのあいだは、無線信号による送信がなされるように構成されている耳装着型の体調測定装置。
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