JP2005006086A - 位置検出システム及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移動通路8に利用者の移動方向に沿って端末識別コード読取装置9−1,9−2を離間して設ける。利用者が所持する無線通信端末6に端末識別コード#Aを発信する発信装置7を装着する。利用者が階段8−1を降りると、最初に端末識別コード読取装置9−1が端末識別コード#Aを読み取り、次に端末識別コード読取装置9−2が端末識別コード#Aを読み取る。読み取った端末識別コード#A、読取時刻t1,t2、地点識別コード#1,#2に基づいて利用者の現在位置を検出する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、公共施設の構内などにおける移動体の位置を検出する位置検出システム及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の位置検出システムとして、図5にその概略を示すような位置検出システムがある(例えば、特許文献1、2参照)。同図において、1は公共施設であり、その構内には部屋2や廊下3などがある。この公共施設1の部屋2や廊下3には、固有の識別コード(地点識別コード)を発信する地点識別コード送信装置4が設けられている。
【0003】
このシステムにおいて、利用者(移動体)は地点識別コード読取装置5を所持し、公共施設1の構内を移動する。地点識別コード読取装置5が地点識別コード送信装置4に接近すると、すなわち地点識別コード送信装置4の通信エリアに入ると、地点識別コード送信装置4が発信する地点識別コードを地点識別コード読取装置5が読み取る。
【0004】
地点識別コード読取装置5は、読み取った地点識別コードを携帯電話等のネットワークを通してセンタ(図示せず)に通知する。センタでは、通知された地点識別コードに基づいて地点識別コード読取装置5を所持している利用者の現在位置を検出し、この検出した現在位置を各種のサービス(例えば、次の位置への順路情報の提供)に役立てる。また、通知された地点識別コードを時刻を付して記憶しておくことにより、指定された時刻における利用者の所在位置を検出し、この検出した指定時刻の所在位置を各種のサービス(例えば、落とし物情報の提供)に役立てる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−136562号公報
【特許文献2】
特開2002−024983号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような位置検出システムにおいて、利用者の現在位置を常に特定することができるようにするためには、公共施設1の構内(サービス提供エリア)に地点識別コード送信装置4を高密度で配置しなければならず、地点識別コード送信装置4の敷設に多大なコストがかかってしまうという問題があった。
【0007】
例えば、今、図6に示すように、地点識別コード読取装置5が地点識別コード送信装置4−2の通信エリアS2にあるものとする。この状態から、利用者の移動によって地点識別コード読取装置5が地点識別コード送信装置4−2の通信エリアS2から外れ、廊下3におけるどの地点識別コード送信装置4の通信エリアにも属さない領域に位置したとする。この場合、センタでは、利用者が廊下3側の領域に位置しているのか、部屋2−1側の領域(部屋2−1におけるどの地点識別コード送信装置4の通信エリアにも属さない領域)に位置しているのかを特定することができない。
【0008】
したがって、従来の位置検出システムにおいて、識別コード読取装置5を所持している利用者の位置を常に特定することができるようにするためには、地点識別コード送信装置4を公共施設1の構内に高密度で配置しなければならず、地点識別コード送信装置4の敷設に多大なコストがかかってしまう。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、位置検出のために必要な装置をサービス提供エリアに高密度に配置することなく、移動体の位置をおおまかではあるが常に特定することができる位置検出システム、およびこの位置検出システムを用いて情報サービスを行う位置検出システムの使用方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1発明(請求項1に係る発明)は、固有の識別コードを端末識別コードとして発信する発信装置と、この発信装置を所持する移動体の移動通路にその移動体の移動方向に沿って離間して設けられ、接近する発信装置からその発信装置が発信する端末識別コードを読み取る複数の端末識別コード読取装置を1組の読取装置とし、この読取装置を移動体の移動通路に複数組配置した読取装置群と、この読取装置群の読取装置の各端末識別コード読取装置が読み取った端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置に割り当てられている地点識別コードを記憶するデータベースと、このデータベースに記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段とを設けたものである。
【0011】
この発明によれば、移動通路に複数組配置された読取装置の1つを移動体が通過すると、その読取装置の各端末識別コード読取装置が移動体が所持している発信装置から端末識別コードを読み取る。なお、本発明において、発信装置としては無線タグを使用することができ、読取装置を構成する端末識別コード読取装置としては無線タグリーダを使用することができる。
【0012】
ここで、例えば、読取装置の端末識別コード読取装置を2つとし、第1の端末識別コード読取装置は移動体が近づいてくる側に、第2の端末識別コード読取装置は移動体が離れて行く側に配置されているものとすると、第1の端末識別コード読取装置が先に発信装置から端末識別コード(#A)を読み取り、その後に第2の端末識別コード読取装置が発信装置から端末識別コード(#A)を読み取る。そして、第1の端末識別コード読取装置が読み取った端末識別コード(#A)と、その端末識別コードの読取時刻(t1)と、その端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置に割り当てられている地点識別コード(#1)がデータベースに記憶される。同様にして、第2の端末識別コード読取装置が読み取った端末識別コード(#A)と、その端末識別コードの読取時刻(t2)と、その端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置に割り当てられている地点識別コード(#2)がデータベースに記憶される。
【0013】
このようにして、移動体がその移動体の移動通路に配置された読取装置を通過する毎に、その読取装置の各端末識別コード読取装置が読み取った端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置に割り当てられている地点識別コードがデータベースに記憶されて行く。
【0014】
現在位置検出手段は、データベースに記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて移動体の現在位置を検出する。
例えば、端末識別コード#Aについて、最後に読み取られた地点識別コードが#1,#2であり、その地点識別コード#1,#2の読取時刻がt1,t2であったとすれば、この読取時刻t1,t2の順序により移動体が最後に通過した読取装置の設置地点における通過方向を知ることができ、この通過方向から移動体の現在位置を特定することができる。
これにより、例えば、公共施設の部屋と廊下との境に最後に通過した読取装置が配置されていた場合、移動体(利用者)が廊下側の領域に位置しているのか、部屋側の領域に位置しているのかを特定することができ、大まかではあるが移動体の現在位置を知ることができる。
【0015】
第2発明(請求項2に係る発明)は、第1発明における現在位置検出手段に代えて、問い合わされた指定時刻における移動体の所在位置を検出する所在位置検出手段を設けたものである。
この発明において、所在位置検出手段は、データベースに記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて、問い合わされた指定時刻における移動体の所在位置を検出する。
【0016】
例えば、端末識別コード#Aについて、時刻t1,t2で読み取られた地点識別コードが#1,#2であり、時刻t3,t4で読み取られた地点識別コードが#3,#4であり、指定時刻が時刻t2とt3との間の時刻T1であったとすると、地点識別コードを#1,#2とする端末識別コード読取装置を組とする読取装置の設置地点と地点識別コードを#3,#4とする端末識別コード読取装置を組とする読取装置の設置地点との間の位置を指定時刻T1における所在位置として特定することが可能である。
【0017】
これにより、例えば、地点識別コードを#1,#2とする端末識別コード読取装置を組とする読取装置が「部屋▲1▼」に、地点識別コードを#3,#4とする端末識別コード読取装置を組とする読取装置が「廊下」を隔てた「部屋▲2▼」に設置されていた場合、指定時刻T1において移動体が「部屋▲1▼」と「部屋▲2▼」との間の「廊下」に位置していたことを特定することができ、おおまかではあるが指定時刻における移動体の所在位置を知ることができる。これにより、例えば、落とし物などをしたような場合、時刻を指定して利用者がどこにいたかを知ることが可能となる。
【0018】
第3発明(請求項3に係る発明)は、第1発明の位置検出システムによって検出された移動体の現在位置に応じたサービス情報を取得し、この取得したサービス情報を移動体が所持している無線通信端末へ提供するようにしたものである。
この発明によれば、第1発明の位置検出システムによって移動体の現在位置が検出されると、この検出された移動体の現在位置に応じたサービス情報(例えば、次の位置への順路情報)が移動体が所持している無線通信端末(例えば、携帯電話機)へ提供される。
【0019】
第4発明(請求項4に係る発明)は、第2発明の位置検出システムによって検出された指定時刻における移動体の所在位置に応じたサービス情報を取得し、この取得したサービス情報を問い合わせ元へ提供するようにしたものである。
この発明によれば、第2発明の位置検出システムによって指定時刻における移動体の所在位置が検出されると、この検出された指定時刻における移動体の所在位置に応じたサービス情報(例えば、落とし物情報)が問い合わせ元へ提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明に係る位置検出システムの一実施の形態を示すシステム構成図である。
【0021】
同図において、6は利用者(移動体)が所持する無線通信端末、7は無線通信端末6に装着された発信装置である。この実施の形態では、無線通信端末6としてセル方式の携帯電話機を使用している。また、発信装置7として無線タグを使用し、無線通信端末6に対して着脱可能にセットしている(図2参照)。
【0022】
なお、無線タグには、電池を内蔵するアクティブタグと、電池を内蔵せずに無線タグリーダからの非接触電力供給により動作するパッシブタグがある。この実施の形態では、電池を内蔵した無線通信端末6に発信装置(無線タグ)7を装着していることから、アクティブ,パッシブいずれの電力供給形態でも適用可能である。また、セル方式の携帯電話機の場合、屋内であっても基地局との間で通信路を構成でき、構内に位置する利用者に対しても情報提供が可能である。
【0023】
発信装置7と無線通信端末6との間は外部ピンを介して電気的に接続されており、この外部ピンを介するデータ通信によって、無線通信端末6に割り当てられている固有の識別コードが端末識別コードとして発信装置7のメモリに書き込まれる。すなわち、無線通信端末6の識別コードを#Aとした場合、無線通信端末6に発信装置7をセットすることによって、発信装置7の端末識別コードが無線通信端末6の識別コードと同じ#Aとされ、無線通信端末6の識別コードと発信装置7の端末識別コードとが同一とされている。
【0024】
8は構内を移動する利用者の移動通路の一部である。この例において、移動通路8は階段8−1,8−2と、階段8−1と8−2との間に位置する平坦な領域8−3とから構成されている。階段8−1には、利用者の移動方向(図に示すA,B方向)に沿って離間して、端末識別コード読取装置9−1と9−2が設けられている。階段8−2には、利用者の移動方向(図に示すC,D方向)に沿って離間して、端末識別コード読取装置9−3と9−4が設けられている。
【0025】
この実施の形態では、端末識別コード読取装置9(9−1〜9−4)として無線タグリーダを使用しており、端末識別コード読取装置9−1と9−2との間、端末識別コード読取装置9−3と9−4との間の離間距離は50cm〜100cmとしている。また、図3に示すように、端末識別コード読取装置9−3の通信エリアSR1と端末識別コード読取装置9−4の通信エリアSR2とは隣接しているが、互いに重ならないようにされている。端末識別コード読取装置9は、周囲数メートルの近接通信により、接近する発信装置7からその発信装置7が発信する端末識別コードを読み取る。
【0026】
また、この実施の形態では、端末識別コード読取装置9−1と9−2との組を第1の読取装置10−1とし、端末識別コード読取装置9−3と9−4との組を第2の読取装置10−2としている。すなわち、この実施の形態では、移動通路8に2組の読取装置10を配置している。
【0027】
端末識別コード読取装置9−1〜9−4には固有の識別コードとして地点識別コードが割り当てられている。この例では、端末識別コード読取装置9−1に地点識別コード#1が、端末識別コード読取装置9−2に地点識別コード#2が、端末識別コード読取装置9−3に地点識別コード#3が、端末識別コード読取装置9−4に地点識別コード#4が割り当てられている。
【0028】
端末識別コード読取装置9−1〜9−4は、有線あるいは無線によって、センタ100側に設けられている位置情報判定サーバ11と接続されている。なお、図1には端末識別コード読取装置9−1〜9−4しか示していないが、利用者の移動通路に同様にして読取装置10が配置されており、この配置された読取装置10の各端末識別コード読取装置9が位置情報判定サーバ11に接続されている。
【0029】
位置情報判定サーバ11には、端末識別コード読取装置9に割り当てられている地点識別コードと端末識別コード読取装置9の設置位置との関係を記憶したデータベース11−1が設けられている。また、位置情報判定サーバ11には、端末識別コード読取装置9から送られてくるその端末識別コード読取装置9が読み取った端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置9に割り当てられている地点識別コードを記憶するデータベース11−2が設けられている。
【0030】
また、位置情報判定サーバ11は、現在位置検出部11−3と所在位置検出部11−4を有している。現在位置検出部11−3は、データベース11−1に記憶されている地点識別コードと端末識別コード読取装置9の設置位置との関係を参照し、データベース11−2に記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて利用者の現在位置を検出する。
【0031】
所在位置検出部11−4は、データベース11−1に記憶されている地点識別コードと端末識別コード読取装置9の設置位置との関係を参照し、データベース11−2に記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて、問い合わされた指定時刻における利用者の所在位置を検出する。指定時刻における利用者の所在位置の問い合わせについては後述する。
【0032】
センタ100には、位置情報判定サーバ11に加え、情報&無線通信サーバ12が設けられている。情報&無線通信サーバ12は、位置情報判定サーバ11が検出した利用者の現在位置を受信し、受信した現在位置に応じたサービス情報を取得する。また、位置情報判定サーバ11から現在位置とともに送られてくる端末識別コードから利用者の所持している携帯無線端末6を特定し、その特定した携帯無線端末6へ宛てて取得したサービス情報を送信する。この携帯無線端末6へのサービス情報の送信は、携帯電話のネットワーク200を介し、最寄りの基地局300を経由して行われる。
【0033】
また、情報&無線通信サーバ12は、ネットワーク200を介する無線通信端末6からの識別コードを含む時刻を指定しての問い合わせを受信し、受信した問い合わせを位置情報判定サーバ11へ送る。また、位置情報判定サーバ11が検出した利用者の指定時刻における所在位置を受信し、受信した指定時刻における所在位置に応じたサービス情報を取得し、取得したサービス情報を受信した識別コードによって特定される問い合わせ元の携帯無線端末6へ宛てて送信する。
【0034】
なお、位置情報判定サーバ11や情報&無線通信サーバ12における処理動作は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。また、プログラムは媒体に記憶された形で提供され、ハードウェアシステムに組み込まれている記憶装置、例えばハードディスク装置にインストールされることによって実行される。
【0035】
〔現在位置の検出〕
次に、図1において、発信装置7が装着された無線通信端末6を所持する利用者が階段8−1を降りて領域8−3に向かう場合を例にとって、位置情報判定サーバ11における利用者の現在位置の検出処理について説明する。
【0036】
利用者が階段8−1を降り始め、無線通信端末6に装着された発信装置7が読取装置10−1の端末識別コード読取装置9−1の通信エリアSR1に入ると、発信装置7が端末識別コード読取装置9−1に向けてメモリに記憶されている端末識別コード#Aを所定の手順に従って発信する。
【0037】
端末識別コード読取装置9−1は、発信装置7が発信する端末識別コード#Aを読み取り、この読み取った端末識別コード#Aと、この端末識別コード#Aの読取時刻t1と、この端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9−1に割り当てられてられている地点識別コード#1とを位置情報判定サーバ11へ送る。
【0038】
位置情報判定サーバ11は、端末識別コード読取装置9−1から送られてくる端末識別コード#A、この端末識別コード#Aの読取時刻t1およびこの端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9−1に割り当てられている地点識別コード#1をデータベース11−2に記憶する。
【0039】
利用者がさらに階段8−1を降り、無線通信端末6に装着された発信装置7が読取装置10−1の端末識別コード読取装置9−2の通信エリアSR2に入ると、発信装置7が端末識別コード読取装置9−2に向けてメモリに記憶されている端末識別コード#Aを所定の手順に従って発信する。
【0040】
端末識別コード読取装置9−2は、発信装置7が発信する端末識別コード#Aを読み取り、この読み取った端末識別コード#Aと、この端末識別コード#Aの読取時刻t2と、この端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9−2に割り当てられてられている地点識別コード#2とを位置情報判定サーバ11へ送る。
【0041】
位置情報判定サーバ11は、端末識別コード読取装置9−2から送られてくる端末識別コード#A、この端末識別コード#Aの読取時刻t2およびこの端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9−2に割り当てられている地点識別コード#2をデータベース11−2に記憶する。ここで、端末識別コード読取装置9−1と9−2との離間距離は50cm〜100cmとされているので、利用者の移動速度によって多少異なるが、1秒程度の差が生じる。
【0042】
なお、データベース11−2には、利用者が読取装置10−1を通過した場合と同様にして、この移動通路8に至るまでの移動通路に配置された読取装置10を通過したときの端末識別コード#A、この端末識別コード#Aの読取時刻、この端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9に割り当てられてられている地点識別コードが記憶されている。
【0043】
位置情報判定サーバ11において、現在位置検出部11−3は、データベース11−1に記憶されている地点識別コードと端末識別コード読取装置9の設置位置との関係を参照し、データベース11−2に記憶された端末識別コード#A、その端末識別コード#Aの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置9の地点識別コードに基づいて利用者の現在位置を検出する。
【0044】
この場合、現在位置検出部11−3は、端末識別コード#Aについて、最後に読み取られた地点識別コードが#1,#2であり、その地点識別コード#1,#2の読取時刻がt1,t2であり、読取時刻t1がt2よりも早いので、最後に通過した読取装置10−1の設置地点における利用者の通過方向をA方向と判定する。
【0045】
また、現在位置検出部11−3は、データベース11−1に記憶されている地点識別コードと端末識別コード読取装置9の設置位置との関係から、地点識別コードを#1,#2とする端末識別コード読取装置9−1,9−2を組とする読取装置10−1の設置地点が移動通路8における階段8−1であることを認識する。そして、この読取装置10−1の設置地点をA方向へ通過した位置で、かつ読取装置10−2の設置地点にはまだ至っていない位置を利用者の現在位置として特定する。この例では、階段8−1と階段8−2との間に位置する領域8−3が利用者の現在位置として特定される。
【0046】
このようにして、本実施の形態では、最後に通過した読取装置10の設置地点とその設置地点における通過方向によって、おおまかではあるが利用者の現在位置が検出される。この場合、移動通路8における領域8−3にはどの端末識別コード読取装置9の通信エリアにも属さない領域が存在するが、それにも拘わらず利用者が領域8−3に位置していることを検出することができている。すなわち、端末識別コード読取装置9を高密度に配置することなく、利用者の現在位置を検出することができている。
【0047】
これにより、サービス提供エリアに配置する端末識別コード読取装置9の数を少なくし、端末識別コード読取装置9の敷設にかかるコストを低減することができる。また、端末識別コード読取装置9の通信エリアは狭くてよいので、端末識別コード読取装置9として安価な装置を利用して、システム全体のコスト低減を図ることができる。
【0048】
〔現在位置に応じたサービス情報の提供〕
位置情報判定サーバ11において検出された利用者の現在位置は情報&無線通信サーバ12へ送られる。情報&無線通信サーバ12は、位置情報判定サーバ11が検出した利用者の現在位置を受信し、受信した利用者の現在位置に応じたサービス情報を取得する。
【0049】
この場合、利用者の現在位置として領域8−3が送られてくるので、領域8−3に応じたサービス情報を取得する。例えば、領域8−3に応じたサービス情報として、次の位置への順路情報を取得する。
【0050】
位置情報判定サーバ11からの現在位置には端末識別コード#Aが付加されている。情報&無線通信サーバ12は、この現在位置に付加されている端末識別コード#Aから利用者の所持している携帯無線端末6を特定し、この特定した携帯無線端末6へ宛てて取得したサービス情報を送信する。
【0051】
このサービス情報の送信は、携帯電話のネットワーク200を介し、最寄りの基地局300を経由して行われる。これにより、携帯無線端末6のディスプレイ上に、情報&無線通信サーバ12から送られてくるサービス情報が表示される。したがって、利用者は、階段8−1を降りて領域8−3に位置すると、現在位置している領域8−3に応じたサービス情報の提供を自動的に受けることになる。この結果、適時,適所の情報サービスが利用者に提供され、利便性が高められる。
【0052】
〔時刻を指定しての利用者の所在位置の問い合わせ〕
例えば、落とし物などをしたような場合、落とし物をした時刻に利用者がどこにいたかを知りたいことがある。この場合、利用者は、無線通信端末6よりセンタ100へ時刻を指定して、どこにいたかを問い合わせる。この無線通信端末6からの時刻を指定しての問い合わせは、最寄りの基地局300を介し、ネットワーク200を通して情報&無線通信サーバ12へ送られる。この際、無線通信端末6のメモリに記憶されている識別コード#Aも情報&無線通信サーバ12へ送られる。
【0053】
情報&無線通信サーバ12は、利用者からの問い合わせ(指定時刻、識別コード#A)を受信し、この問い合わせを位置情報判定サーバ11へ送る。情報&無線通信サーバ12からの問い合わせは位置情報判定サーバ11の所在位置検出部11−4へ送られる。
【0054】
所在位置検出部11−4は、データベース11−1に記憶されている地点識別コードと端末識別コード読取装置9の設置位置との関係を参照し、データベース11−2に記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて、指定された時刻における利用者の所在位置を検出する。
【0055】
例えば、端末識別コード#Aについて、時刻t1,t2で読み取られた地点識別コードが#1,#2であり、時刻t3,t4で読み取られた地点識別コードが#3,#4であり、指定時刻が時刻t2とt3との間の時刻T1であったとする。この場合、所在位置検出部11−4は、地点識別コードを#1,#2とする端末識別コード読取装置9−1,9−2を組とする読取装置10−1の設置地点と地点識別コードを#3,#4とする端末識別コード読取装置9−3,9−4を組とする読取装置10−2の設置地点との間に位置する領域8−3を指定時刻T1における利用者(識別コード#Aの無線通信端末6を所持している人)の所在位置として特定する。
【0056】
位置情報判定サーバ11は、所在位置検出部11−4で検出した指定時刻T1における利用者の所在位置を情報&無線通信サーバ12へ送る。情報&無線通信サーバ12は、位置情報判定サーバ11からの指定時刻T1における利用者の所在位置を受信し、受信した指定時刻T1における利用者の所在位置に応じたサービス情報(この例では、落とし物情報)を取得する。
【0057】
この場合、指定時刻T1における利用者の所在位置として領域8−3が送られてくるので、位置情報判定サーバ11は領域8−3における落とし物情報を取得する。この落とし物情報には指定時刻T1における利用者の所在位置も含まれている。情報&無線通信サーバ12は、この指定時刻T1における利用者の所在位置を含む落とし物情報を、受信した識別コード#Aによって特定される問い合わせ元の携帯無線端末6へ送信する。
【0058】
このサービス情報の送信は、携帯電話のネットワーク200を介し、最寄りの基地局300を経由して行われる。これにより、携帯無線端末6のディスプレイ上に、情報&無線通信サーバ12から送られてくる指定時刻T1における利用者の所在位置を含む落とし物情報が表示される。したがって、利用者は、時刻を指定してどこにいたかを無線通信端末6からセンタ100へ問い合わせるだけで、その指定時刻における利用者の所在位置とその所在位置における落とし物情報を得ることができる。
【0059】
〔列車案内サービスに適用した事例〕
図4に上述した位置検出システムを駅構内の列車案内サービスに適用した事例を示す。駅構内の通路(移動通路)13−1〜13−12には、東口改札13−1と東口ロビー13−3との間の改札通路13−2に端末識別コード読取装置9−1,9−2を組とする読取装置10−1が、東口ロビー13−3とホーム(3−4番ホーム)13−5との間の階段13−4に端末識別コード読取装置9−3,9−4を組とする読取装置10−2が設けられている。
【0060】
また、ホーム(3−4番ホーム)13−5と西口ロビー13−7との間の階段13−6に端末識別コード読取装置9−5,9−6を組とする読取装置10−3が設けられており、東口ロビー13−3とホーム(1−2番ホーム)13−9との間の階段13−8に端末識別コード読取装置9−7,9−8を組とする読取装置10−4が設けられている。以下同様にして、ホーム13−9と西口ロビー13−7との間の階段13−10に読取装置10−5が、西口ロビー13−7と通路13−12との間の階段13−11に読取装置10−6が設けられている。
【0061】
この例は、移動体に相当する利用者が東口改札13−1から入札し、ホーム13−5にて列車を待つといった事例を示している。利用者は、あらかじめ契約している無線通信端末サービスの一つとして、目的地までの列車案内サービスを購読しているものとする。この列車案内サービスは、自宅から目的地に至るまでの間の乗車すべき列車をリアルタイムで案内するサービスであり、契約をした無線通信端末6から利用することができる。
【0062】
図4において、発信装置7が装着された無線通信端末6を所持している利用者が例えば13時10分に東口改札13−1から入札すると、改札通路13−2に配置された端末識別コード読取装置9−1,9−2に発信装置7が接近し、端末識別コード読取装置9−1,9−2の順で発信装置7のメモリに記憶されている端末識別コード#Aを読み取る。
【0063】
これにより、端末識別コード読取装置9−1は、発信装置7から読み取った端末識別コード#Aと、この端末識別コード#Aの読取時刻t1と、この端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9−1に割り当てられてられている地点識別コード#1を位置情報判定サーバ11へ送る。
【0064】
また、端末識別コード読取装置9−2も、端末識別コード読取装置9−1と同様にして、発信装置7から読み取った端末識別コード#Aと、この端末識別コード#Aの読取時刻t2と、この端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9−2に割り当てられてられている地点識別コード#2を位置情報判定サーバ11へ送る。
【0065】
位置情報判定サーバ11は、端末識別コード#Aでインデックスされるファイルに、端末識別コード読取装置9−1から送られてくる端末識別コード#Aの読取時刻t1およびこの端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9−1に割り当てられている地点識別コード#1を記憶する。同様にして、端末識別コード読取装置9−2から送られてくる端末識別コード#Aの読取時刻t2およびこの端末識別コード#Aを読み取った端末識別コード読取装置9−2に割り当てられている地点識別コード#2を記録する。
【0066】
位置情報判定サーバ11は、端末識別コード#Aでインデックスしたファイルに基づき、このファイル中の読取時刻t1とt2との時間差から利用者の通過方向を認識する。この例では、端末識別コード読取装置9−1における端末識別コード#Aの読取時刻t1を「13:10:30」、端末識別コード読取装置9−2における端末識別コード#Aの読取時刻t2を「13:10:31」としており、この読取時刻t1とt2との時間差から利用者の通過方向を東口改札13−1から東口ロビー13−3へ向かう「N方向」と判定する。そして、読取装置10−1の設置地点とその設置地点における利用者の通過方向とから、東口ロビー13−3を利用者の現在位置として特定する。そして、この特定した利用者の現在位置に端末識別コード#Aを付加し、情報&無線通信サーバ12へ送る。
【0067】
情報&無線通信サーバ12は、位置情報判定サーバ11から送られてくる端末識別コード#Aから利用者を特定し、この特定した利用者の現在位置に応じたサービス情報を列車案内サービスより取得する。例えば、サービス情報として、ホーム(3−4番ホーム)13−5へ向かう旨の案内を取得する。そして、この取得したサービス情報を利用者が所持している無線通信端末6へ送り、そのディスプレイ上に表示する。
【0068】
なお、上述した実施の形態では、端末識別コード読取装置9を2個1組として読取装置10を構成したが、読取装置10を構成する端末識別コード読取装置9は2個に限られるものではなく、さらにその数を増やしてもよい。
【0069】
また、上述した実施の形態では、無線通信端末6の識別コードと発信装置7の端末識別コードとを同一としたが、必ずしも同一としなくてもよい。すなわち、、無線通信端末6の識別コードと発信装置7の端末識別コードとを異なるものとしてよく、この場合、情報&無線通信サーバ12に発信装置7の端末識別コードから無線通信端末6の識別コードへの変換テーブルを設けるなどすれば、無線通信端末6へのサービス情報の提供が可能である。
【0070】
また、上述した実施の形態では、検出した利用者の位置(現在位置、指定時刻における所在位置)に応じたサービス情報を無線通信端末6に送るようにしたが、検出した利用者の位置のみを送るようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、利用者が所持している無線通信端末6から時刻を指定してどこにいたかを問い合わせるようにしたが、帰宅後、自宅に据え置かれたパーソナルコンピュータから問い合わせるようにしてもよい。
【0071】
また、上述した実施の形態では、発信装置7を無線通信端末6と組み合わせて使用するようにしたが、発信装置7だけを単独で使用するようにしてもよい。すなわち、利用者に発信装置7だけを所持させ、利用者の現在位置を位置情報判定サーバ11で検出するのみとしてもよい。このような位置検出システムでは、発信装置7は発信機能のみで受信機能を必要としないので、発信装置7の小型・軽量化を図ることができ、シシテム全体の低コスト化を促進することができる。
【0072】
また、上述した実施の形態では、無線通信端末6に着脱可能に発信装置7を装着するようにしたが、発信装置7を無線通信端末6に内蔵するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、移動体を利用者としたが、移動体は必ずしも人間でなくてもよく、動物やロボットなどを移動体としてもよい。
【0073】
また、上述した実施の形態では、利用者が所持している無線通信端末6から時刻を指定してどこにいたかを問い合わせるようにしたが、時刻範囲を指定してその時刻範囲における移動経路を問い合わせるようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明の位置検出システムによれば、移動体の移動方向に沿って離間して設けた複数の端末識別コード読取装置を1組の読取装置とし、この読取装置を移動体の移動通路に複数組配置し、この読取装置の各端末識別コード読取装置が読み取った端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置に割り当てられている地点識別コードをデータベースに記憶し、このデータベースに記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて移動体の現在位置や指定時刻における位置を検出するようにしたので、端末識別コード読取装置をサービス提供エリアに高密度に配置することなく、移動体の位置をおおまかではあるが常に特定することができるようになり、端末識別コード読取装置の敷設にかかるコストを低減することができるようになる。
【0075】
また、本発明の位置検出システムの使用方法によれば、検出された移動体の現在位置に応じたサービス情報を取得し、この取得したサービス情報を移動体が所持している無線通信端末へ提供するようにしたので、適時,適所の情報サービスを利用者に提供し、利便性を高めることができる。
また、本発明の位置検出システムの使用方法によれば、検出された指定時刻における移動体の所在位置に応じたサービス情報を取得し、この取得したサービス情報を問い合わせ元へ提供するようにしたので、落とし物情報などを利用者に提供し、利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位置検出システムの一実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】この位置検出システムに用いる無線通信端末への発信装置の装着状況を示す図である。
【図3】この位置検出システムに用いる読取装置を構成する1組の端末識別コード読取装置の通信エリアを示す図である。
【図4】この位置検出システムを駅構内の列車案内サービスに適用した事例を示す図である。
【図5】従来の位置検出システムの概略を説明する図である。
【図6】従来の位置検出システムにおいて利用者の位置を特定できない場合を説明する図である。
【符号の説明】
6…無線通信端末、7…発信装置(無線タグ)、8…移動通路、8−1,8−2…階段、8−3…領域、9(9−1〜9−11)…端末識別コード読取装置(無線タグリーダ)、10(10−1〜10−6)…読取装置、11…位置情報判定サーバ、11−1,11−2…データベース、11−3…現在位置検出部、11−4…所在位置検出部、12…情報&無線通信サーバ、13−1〜13−12…駅構内の通路(移動通路)、SR1,SR2…通信エリア。
Claims (4)
- 固有の識別コードを端末識別コードとして発信する発信装置と、
この発信装置を所持する移動体の移動通路にその移動体の移動方向に沿って離間して設けられ、接近する前記発信装置からその発信装置が発信する端末識別コードを読み取る複数の端末識別コード読取装置を1組の読取装置とし、この読取装置を前記移動体の移動通路に複数組配置した読取装置群と、
この読取装置群の読取装置の各端末識別コード読取装置が読み取った端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置に割り当てられている地点識別コードを記憶するデータベースと、
このデータベースに記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて前記移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と
を備えたことを特徴とする位置検出システム。 - 固有の識別コードを端末識別コードとして発信する発信装置と、
この発信装置を所持する移動体の移動通路にその移動体の移動方向に沿って離間して設けられ、接近する前記発信装置からその発信装置が発信する端末識別コードを読み取る複数の端末識別コード読取装置を1組の読取装置とし、この読取装置を前記移動体の移動通路に複数組配置した読取装置群と、
この読取装置群の読取装置の各端末識別コード読取装置が読み取った端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置に割り当てられている地点識別コードを記憶するデータベースと、
このデータベースに記憶された端末識別コード、その端末識別コードの読取時刻およびその端末識別コードを読み取った端末識別コード読取装置の地点識別コードに基づいて、問い合わされた指定時刻における前記移動体の所在位置を検出する所在位置検出手段と
を備えたことを特徴とする位置検出システム。 - 請求項1に記載された位置検出システムによって検出された移動体の現在位置に応じたサービス情報を取得し、この取得したサービス情報を前記移動体が所持している無線通信端末へ提供するようにしたことを特徴とする位置検出システムの使用方法。
- 請求項2に記載された位置検出システムによって検出された指定時刻における移動体の所在位置に応じたサービス情報を取得し、この取得したサービス情報を問い合わせ元へ提供するようにしたことを特徴とする位置検出システムの使用方法。
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JP2009113601A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Mitsubishi Electric Corp | 案内情報配信システム |
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