JP2005006017A - 光無線通信システムおよびこの光無線通信システムで用いられる光受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送信信号I1〜Inを要素として配列したベクトルIと、受光信号S1〜Smを要素として配列したベクトルSとを、信号処理部22における伝達係数行列Hを用いてS=H*Iなる式により互いに関係づける。また、受信信号O1〜Onを要素として配列したベクトルOとベクトルSとを、送信部12から受信部21に伝達される伝達係数行列Φを用いてO=Φ*Sなる式により互いに関係づける。そして、O=Φ*H*Iなる式においてΦ*Hを対角化することにより、空間を介して伝送される光信号の空間的な重なりをキャンセルし、各光信号から受信信号O1〜Onを独立して再生する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームにより自由空間を介して情報を伝送する光無線通信システムと、この光無線通信システムで用いられる光受信装置に関する。特に本発明は、空間分割多重技術を応用する光無線通信システムおよび光受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自由空間を介して光信号を送受信する光無線通信システム(または光無線)は、局開設免許が不要である。このため変調帯域を自由に設定することができ、大容量データを無線により高速に伝送するための有効な手段であると考えられている。また光無線は見通し通信であり、電波で問題となる盗聴が困難であるため、セキュアな通信が可能である。
【0003】
屋内における光無線として良く知られているものに、家庭用オーディオ・ビデオ機器の制御、テレビ受像機のチャネル選択などのリモートコントロール装置がある。この種の装置に必要とされるデータ伝送速度は1Mbit/s以下と比較的低速であるため、送信装置から送出される光ビームの広がり角度を広くしても、受信側で十分なSN比を保つことが可能である。
【0004】
ところで、近年の光無線通信システムにおいてはデータ伝送の大容量化のニーズが有る。例えば、チューナ部と表示部とが別体である壁掛けテレビジョンにおいてチューナ部から表示部に映像データを送信するといったアプリケーションにおいては、100Mbit/s程度の伝送容量が必要となる。
【0005】
伝送容量は、受信側で確保し得るSN比(Signal to Noise Ratio)に主に左右される。SN比を確保するためには受信光電力を大きくできれば良く、最も簡単な方法は光送信出力電力を大きくすることと言える。しかしながら光送信出力電力はユーザの安全を確保するために厳しく制限されており、IECやJISなどから頒布される安全基準に、その上限が厳格に定められている。よって既存の大容量型光無線通信システムでは、送信光ビーム広がり角度を小さくして受信側での光パワー密度を稼ぐことにより高SN比を得て、伝送速度を高めるようにしている。
【0006】
しかしながら光ビーム広がり角度を小さくすると、送信装置と受信器との間の光軸を厳密に合わせることが求められる。また、高速伝送用の光受光素子はその寄生容量を小さくする必要が有るために受光部の口径を大きくとることができない。これらのことから、光送信出力電力を抑えつつ高速大容量通信を実現するためには、送信装置から出力される光ビームの方向と光受信器の受光部の方向とを微妙に調整し、調整後の状態を保つことが要求される。
【0007】
この要求は、特に家庭用の用途においては、達成することが困難である。例えばユーザの歩行で生じる振動により、簡単に伝送不能に陥る。光軸の自動調整機構をシステム内に盛り込むことでこのような事態に対処し得るが、構成が非常に複雑となるため、コストアップに繋がる懸念が有る。さらに、光軸合わせにシビアな精度を求められることは、送信装置および光受信器の設置位置が制限されることを意味する。このことも、家庭用の用途においては好ましくない。
【0008】
なおこの種のシステムに関連する技術が、下記特許文献1に開示されている。この文献には、偏波多重による空間分割多重伝送方式において、複数の信号に重み付け処理を施すことによりクロスチャネル干渉を除去し、伝送の信頼性を向上させた多重偏波センシティブ検出構成が記載されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−75138号公報(段落番号[0007]〜[0011]、図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように既存の光無線通信システムには、光送信出力電力の制限のもとでは、送信装置〜光受信器間の光軸調整の困難さ、および、コストの面の制約などから、高速かつ大容量の通信を実現することが困難であるという不具合がある。
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、光送信出力電力の制限のもとで情報伝送の高速化を図り得る光無線通信システムおよびこの光無線通信システムで用いられる光受信装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、伝送情報をそれぞれn(nは2以上の自然数)系統の送信信号に分配する分配手段(例えば分配処理部11)と、前記n系統の送信信号をそれぞれ電気/光変換して互いに同じ波長のn系統の光信号を空間に送出する送信手段(例えば送信部12)と、前記n系統の光信号を光/電気変換してm(mは2以上の自然数)系統の受光信号を生成する受光手段(例えば受信部21)と、前記m系統の受光信号からn系統の受信信号を生成する信号処理手段(例えば信号処理部22)と、前記n系統の受信信号から前記伝送情報を再生する再生手段(例えば再生処理部23)と、前記n系統の送信信号を要素として配列したベクトルをIとし前記m系統の受光信号を要素として配列したベクトルをSとした場合にS=H*Iなる式によりベクトルIおよびベクトルSを互いに関係づける行列Hと、前記n系統の受信信号を要素として配列したベクトルをOとした場合にO=Φ*Sなる式によりベクトルOおよび前記ベクトルSを互いに関係づける行列Φとを定義した場合に、O=Φ*H*Iなる式により表される前記ベクトルOを、行列Φ*Hを対角化して前記ベクトルIから算出する演算手段(例えば演算処理部24a)とを具備する。
【0012】
このような手段を講じることにより、例えば100Mbit/sの伝送速度を持つ伝送情報は、それぞれ10Mbit/sの伝送速度を持つ10(=n)系統の送信信号に分配され、それぞれ同じ波長の光信号として空間に送出される。この10系統の光信号は、例えば12(=m)個の受光素子を備える受光手段の各受光素子のそれぞれに到来し、各系統の光信号が混在する状態の信号が各受光素子において光電変換される。すなわち12系統の受光信号が生成され、信号処理手段によりこれらの受光信号から10系統の受信信号が生成される。そして、これらの受信信号から伝送情報が再生手段により再生される。
【0013】
その際、10系統の送信信号を要素として配列したベクトルIと12系統の受光信号を要素として配列したベクトルSとをS=H*Iなる式により互いに関係づける行列Hと、10系統の受信信号を要素として配列したベクトルOとベクトルSとをO=Φ*Sなる式により互いに関係づける行列Φとを定義すると、ベクトルOはO=Φ*H*Iなる式により表される。ベクトルIは既知であるので、Φ*Hを対角化することによりベクトルO、すなわち10系統の受信信号を生成できるはずであり、この処理が演算手段により実施される。なお行列Φは送信手段から受光手段に伝達される伝達係数行列であり、行列Hは信号処理手段における伝達係数行列である。
【0014】
Φ*Hを対角化することにより、空間を介して伝送される10系統の光信号の空間的な重なりがキャンセルされる。従って空間分割多重伝送が実現される。その際、各光信号のビットレートは伝送すべき伝送情報の1/nとなる。nを増やすほどに、各光信号のビットレートを自在に低下させることが可能になる。これにより、光軸合わせなどに関する諸要求を緩和しつつも信号伝送に係わるSN比を向上させることが可能となる。従って、光送信出力電力の制限のもとで情報伝送の高速化を図ることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に関わる光無線通信システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。このシステムは、送信装置10と、送信装置から空間を介して送信される光信号を受信する受信装置20と、送信装置10および受信装置20との間の各種制御情報の授受を仲介するデータリンク処理部30とを備える。
【0016】
図1において、送信装置10に導入される伝送情報は、分配処理部11により複数系統の送信信号に分配される。分配された各送信信号のビットレートは伝送情報のそれよりも低い。各送信信号は送信部においてそれぞれ光電変換され、互いに同じ波長の光信号として空間に送出される。
【0017】
各光信号は受信装置の受信部21に到来し、光/電気変換されて受光信号が生成される。受光信号は信号処理部22に導入され、複数系統の受信信号が生成される。この受信信号は再生処理部23に入力され、伝送情報が再生される。
【0018】
送信装置10において、送信制御部13により分配処理部11、および送信部12に対する各種制御が実施される。また受信装置20において、受信制御部24により受信部21、信号処理部22、および再生処理部23に対する各種制御が実施される。送信制御部13および受信制御部24は、データリンク処理部30を介して互いに情報を授受し合う。
【0019】
ところで、受信制御部24は演算処理部24aを備える。演算処理部24aは、受信部21からの受光信号から受信信号を分離するための係数を算出する。すなわち演算処理部24aは、送信部12から受信部21に伝達される伝達係数行列Φと、信号処理部22における伝達係数行列Hとの行列積Φ*Hを対角化するための行列Φの各要素を算出する。
【0020】
図2は、図1の送信装置10および受信装置20の要部構成を示すブロック図である。図1の分配処理部11により生成されるn(nは自然数)系統の送信信号I1〜Inは、それぞれ光源101、103、105により光信号に変換される。光源としては、LED(発光ダイオード)あるいはLD(半導体レーザ)を使用でき、印加電流をオン/オフすることにより、論理2値の電気信号が光信号に変換される。なおLDはレーザ発振しきい値を有するので、適切なバイアス電流を予め流すようにする。各光源101、103、105から送出される光信号は、自由空間に放射される。なおレンズを用いて放射角度を小さくするようにしても良い。
【0021】
各光信号は、受光器102、104、106により電気信号S1、S2、〜、Smに変換される。本実施形態では、受光器の数を、nよりも多い自然数であるm個とする。受光器102、104、106は、フォトダイオード、なだれ増倍フォトダイオード、あるいは、フォトコンダクターなど、光信号を電気信号に変換できるものであればどのようなものでも良い。
【0022】
m個の受光器からそれぞれ出力される受光信号S1、S2、〜、Smは、信号処理部22に入力される。信号処理部22は、光源の数と同数のn系統の受信信号O1、O2、〜、Onを出力する。
【0023】
図2において、n個の光源に入力される送信信号I1、I2、〜、Inと、m個の受光器から出力される受光信号S1、S2、〜、Smとの関係は、h11〜hmnを要素とする行列Hを用いて次式(1)のように示すことができる。
【数1】
【0024】
式(1)の左辺のベクトルは、S1、S2、〜、Smを要素として配列したベクトルであり、これをSで示す。右辺のベクトルは、I1、I2、〜、In要素として配列したベクトルであり、これをIで示す。
【0025】
また、信号処理部22に入力されるm個の受光信号S1、S2、〜、Smと、信号処理部22から出力されるn個の受信信号O1、O2、〜、Onとの関係は、φ11〜φnmを要素とする行列Φを用いて次式(2)のように示すことができる。
【数2】
【0026】
式(2)の左辺のベクトルは、O1、O2、〜、Onを要素として配列したベクトルであり、これをOで示す。
【0027】
従って、受信信号O1、O2、〜、Onと送信信号I1、I2、〜、Inとの関係は、次式(3)で示される。
【数3】
【0028】
すなわち、O=Φ*H*Iと書くことができる。式(3)の右辺Φ*Hは、n行n列の正方行列となり、行列Φを適切に決めることにより対角化することが可能である。すなわち、送信部12から受信部21に伝達される伝達係数行列Φと、信号処理部22における伝達係数行列Hとの行列積Φ*Hを、行列Φの各要素φ11〜φnmを適切に決めることにより対角化することができる。
【0029】
以下に、Φを求める手順の例につき説明する。行列Φの要素φ11〜φnmの値はそれぞれ制御することができる。そこで、まず、信号処理部22の伝達行列Hの要素を、次式(4)に示すように、要素φi,j=1(i=j)で、φi,j=0(i≠j)となるように設定する。また、送信側の送信信号Ii(i=1…n)を、一つを残してすべてゼロになるように設定する。
【0030】
【数4】
【0031】
式(4)においては、送信信号I1以外が全てゼロである場合を示す。式(4)から、hi,1=Oi/I1(i=1…n)を求めることができる。次に、送信信号I2以外をゼロとすることにより、hi,2=Oi/I2(i=1…n)を求めることができる。これを繰り返すことにより、最終的にhi,j=Oi/Ij(i=1…n,j=1…n)を求めることができる。
【0032】
次に、hi,j(i=n+1…m,j=1…n)を求めるには、φi,j=1{(i=1,j=n+1),(i=2,j=n+2)…(i=m−n,j=m)}、かつ、φi,j=0{その他}とし、送信信号Iを、一つを残してすべてゼロになるように設定すればよい。その結果、hn+i,j=Oi/Ij(i=1…m−n,j=1…n)を得ることができる。
【0033】
以上より、信号処理部22の伝達行列Hを特定の値とし、さらに、送信信号Iを一つを除きゼロに設定することにより、送信装置10から光受信部へ伝達される伝達係数行列Φの各要素を算出することができる。
【0034】
次に、行列Φと行列Hとの行列積は正方行列である。従って逆行列が存在し、これを(Φ・H)−1・(Φ・H)=Eと書くことができる。なお行列Eは単位行列である。従って、(Φ・H)−1・Φを新しくΨと書くことにより、Ψ・H=Eとすることができる。すなわち、O=Ψ・H・I=E・Iであり、送信装置10から受信装置20に伝達される伝達係数行列Φに依存せず、各送信信号I1〜Inを完全に独立した状態で伝送することが可能となる。
行列Ψを求めるには、Φを仮に設定し、Φ・Hの逆行列を求める。求めた逆行列とΦとの行列積を取ることで、(Φ・H)−1・Φを求めることができる。
【0035】
図3は、図2の構成をより詳細に示すブロック図である。図3に示されるように、送信部12(図1)はそれぞれ送信信号I1〜I4が入力される光源201、203、205、207と、各光源ごとに設けられるレンズ202、204、206、208とを備える。各光源とレンズとの組を、投光器と称する。各レンズは各光源から出力される光信号を集束させる。
【0036】
受信部21は、空間を介して到来する複数系統の光信号を集光するレンズ209と、集積化された6個のフォトダイオード210、211、212、213、214、215とを備える。各フォトダイオードから出力される受光信号S1〜S6は信号処理部22に入力され、4系統の受信信号O1〜O4が出力される。
【0037】
図3において、光源201、203、205、207から出力される光信号はレンズ202,204,206,208によりその出力光ビーム広がり角を小さくされ、レンズ209に到達する。レンズ209は受信した光ビームをフォトダイオード上に集光させる。各フォトダイオード210、211、212,213、214、215の受光信号S1〜S6は、信号処理部22に入力される。
【0038】
図3に示すように、4個の光源から出力された光ビームは、それぞれフォトダイオード211、212、213、214により電気信号に変換される。フォトダイオード210、215上には、殆ど光信号が集光しないものとする。
【0039】
フォトダイオード210、215に光信号が入力されない場合には、伝達係数行列Hを次式(5)のように記すことができる。
【数5】
【0040】
式(5)は、それぞれ4つの投光器からの光信号が、独立にフォトダイオードに入力されたという仮定に基づく。
【0041】
次に、信号処理部22の伝達係数行列Hは、式(6)に示すようにΦを設定することにより行列Φとの行列積が単位行列になることが容易に分かる。
【数6】
【0042】
行列Hと行列Φとの行列積を式(7)に示す。
【数7】
【0043】
式(7)に示されるように、Oi=Ii(i=1,2,3,4)となり、信号処理部22の処理により、送信信号I1〜I4を受信装置20側においてそれぞれ独立して再現できることが分かる。
【0044】
図4は、図3の受信装置20が一方の方向(図中上方向)に傾いた状態を示す図である。図4に示すように、レンズ209を含む受信装置20全体が上向きに傾いた場合を考える。この場合、レンズ209により絞り込まれた光ビームは、フォトダイオード210、211、212、213で受光され、フォトダイオード214、215には光が入射されない。この場合、伝達係数行列Hは次式(8)のように表すことができる。
【0045】
【数8】
【0046】
すなわち、この場合も、それぞれ4つの投光器からの光信号が独立にフォトダイオードに入力されたことになる。ただし、フォトダイオードに入射する光ビームが図3に比べて一つずつずれたことが示される。
【0047】
次に、信号処理部22の伝達係数行列Hは、式(9)に示すようにΦを設定することにより行列Φとの行列積を単位行列とすることができる。
【数9】
【0048】
行列Hと行列Φの行列積を次式(10)に示す。
【数10】
【0049】
式(10)に示されるように、Oi=Ii(i=1,2,3,4)となり、信号処理部22の処理により、送信信号I1〜I4を受信装置20側においてそれぞれ独立して再現できることが分かる。また受信装置20が上向きに傾いていても、信号処理部22の出力Oi(i=1,2,3,4)には、受信装置20が傾いていない場合(図3)と同じ信号が出力されることが分かる。
【0050】
図5は、図3の受信装置が他方の方向(図中下方向)に傾いた状態を示す図である。図5に示すように、レンズ209を含む受信装置20全体が下向きに傾いた場合を考える。この場合、レンズ209により絞り込まれた光ビームは、フォトダイオード212、213、214、215で受光され、フォトダイオード210、211には光が入射されない。この場合、伝達係数行列Hは次式(11)のように表すことができる。
【0051】
【数11】
【0052】
すなわち、この場合も、それぞれ4つの投光器からの光信号が独立にフォトダイオードに入されたことになる。ただし、フォトダイオードに入射する光ビームが、図4から逆方向に一つずれたことを示している。
【0053】
次に、信号処理部22の伝達係数行列Hは、式(12)に示すようにΦを設定することにより行列Φとの行列積を単位行列とすることができる。
【数12】
【0054】
行列Hと行列Φとの行列積を式(13)に示す。
【数13】
【0055】
式(13)に示されるように、Oi=Ii(i=1,2,3,4)となり、信号処理部22の処理により、送信信号I1〜I4を受信装置20側においてそれぞれ独立して再現できることが分かる。また受信装置20が下向きに傾いていても、信号処理部22の出力Oi(i=1,2,3,4)には、受信装置20が傾いていない場合(図3)と同じ信号が出力されることが分かる。
【0056】
図3〜図5においては、送信装置10から送出される光信号が受信装置20のフォトダイオードにおいて独立して受信される場合が示される。このほか各フォトダイオードには、送信装置10の複数の投光器出力が混在して入力される場合もある。このような場合でも信号処理部22は、送信装置10入力信号を独立して再現することができる。
【0057】
図6は、信号処理部22の一構成例を示す図である。図6において、受光信号S1〜S6はそれぞれ4系統に分岐され、いずれも乗算器301により行列Φの要素φij(i=1…4,j=1…6)と個別に乗算されたのち、系統ごとに加算器302により互いに加算される。このような構成により行列演算が実施される。
【0058】
このように本実施形態では、送信信号I1〜Inを要素として配列したベクトルIと、受光信号S1〜Smを要素として配列したベクトルSとを、信号処理部22における伝達係数行列Hを用いてS=H*Iなる式により互いに関係づける。また、受信信号O1〜Onを要素として配列したベクトルOとベクトルSとを、送信部12から受信部21に伝達される伝達係数行列Φを用いてO=Φ*Sなる式により互いに関係づける。そして、O=Φ*H*Iなる式においてΦ*Hを対角化することにより、空間を介して伝送される光信号の空間的な重なりをキャンセルし、各光信号から受信信号O1〜Onを独立して再生するようにしている。
【0059】
このようにしたので、受信装置20側において伝送信号を完全に再生することができ、しかも、伝送信号を分配した光信号のビットレートをもとの伝送信号よりも遅くすることができる。従って、伝送すべき伝送情報のビットレートが比較的高速であっても、送信ビームの広がり角度を大きくすることができるとともに、受信装置20の方向精度を緩和することが可能となる。すなわち、高速信号を複数の光源を用いて並列に伝送することにより光ビーム1本あたりの伝送データ速度を低速とし、所定の受信SN比を得る受光電力を下げることができ、これにより送信装置10からの出力ビーム広がりを大きくすることができる。従って、光送信出力電力の制限のもとで情報伝送の高速化を図り得る光無線通信システムおよびこの光無線通信システムで用いられる光受信装置を提供することができる。
【0060】
(第2の実施形態)
図7は、本発明に関わる光無線通信システムの第2の実施の形態における要部構成を示すブロック図である。図7においては、信号処理部22が送信装置10側に設置される。図7において、n系統の送信信号I1〜Inは信号処理部22に入力され、m系統の送信信号S1〜Smが生成される。各送信信号S1〜Smは、それぞれ光源402,404,406により光信号に変換される。各光源402,404,406から送出される光信号は、自由空間に放射されたのちn個の受光器403、405、407に到達し、受光信号O1、O2、〜、Onに変換される。
【0061】
図7において、送信信号S1、S2、〜、Smと、受光信号O1、O2、〜、Onとの関係は次式(14)のように示すことができる。
【数14】
【0062】
また、信号処理部22に関わるn個の送信信号I1、I2、〜、Inと、m個の送信信号S1、S2、〜、Smとの関係とから、受信装置20における出力信号O1、O2、〜、Onと送信装置10における入力信号I1、I2、〜、Inとの関係は、次式(15)で示される。
【数15】
【0063】
すなわち、第1の実施形態と同様に、行列式によりO=H*Φ*Iと書くことができる。式(15)の右辺H*Φは、n行n列の正方行列となり、行列Φを適切に決めることにより、H*Φを対角化することが可能である。
【0064】
以下に、本実施形態においてΦを求める手順の例につき説明する。行列Φの要素φ11〜φnmの値はそれぞれ制御することができる。そこで、まず、信号処理部22の伝達行列Hの要素を、次式(16)に示すように、要素φi,j=1(i=j)で、φi,j=0(i≠j)となるように設定する。また、送信側の送信信号Ii(i=1…n)を、一つを残してすべてゼロになるように設定する。
【0065】
【数16】
【0066】
式(16)においては、送信信号I1以外が全てゼロである場合を示す。式(16)より、hi,1=Oi/I1(i=1…n)を求めることができる。次に、送信信号I2以外をゼロとすることにより、hi,2=Oi/I2(i=1…n)を求めることができる。これを繰り返すことにより、最終的にhi,j=Oi/Ij(i=1…n,j=1…n)を求めることができる。
【0067】
次に、hi,j(i=1…n,j=n+1…m)を求めるには、φi,j=1{(i=n+1,j=1),(i=n+2,j=2)…(i=m,j=m−n)}、かつ、φi,j=0{その他}とし、送信信号Iを、一つを残してすべてゼロになるように設定すればよい。その結果、hi,n+j=Oi/Ij(i=1…n,j=1…m−n)を得ることができる。
【0068】
以上より、信号処理部22の伝達行列Hを特定の値とし、さらに、送信信号Iを一つを除きゼロに設定することにより、送信装置10から光受信部へ伝達される伝達係数行列Φの各要素を算出することができる。
【0069】
次に、行列Φと行列Hとの行列積は正方行列である。従って逆行列が存在し、これを(H・Φ)・(H・Φ)−1=Eと書くことができる。よってΦ・(H・Φ)−1=ξと置くと、H・ξ=Eとすることができる。すなわち、O=H・ξ・I=E・Iであり、送信装置10から受信装置20に伝達される伝達係数行列Φに依存せず、各送信信号I1〜Inを完全に独立した状態で伝送することが可能となる。
【0070】
行列ξを求めるには、Φを仮に設定し、H・Φの逆行列を求める。求めた逆行列とΦとの行列積を取ることで、ξ=Φ・(H・Φ)−1から求めれば良い。
【0071】
図8は、図7の構成をより詳細に示すブロック図である。図8に示されるように、送信信号I1、I2は信号処理部22により処理され、送信信号S1、S2、S3、S4が生成出力される。各送信信号S1、S2、S3、S4は、光源502、504、506、508とレンズ503、505、507、509とをそれぞれ組み合わせた投光器により光信号に変換され、送信装置10から出力される。
【0072】
送信装置10から出力された光ビームはレンズ510により集光され、フォトダイオード511、512により受光信号O1、O2に変換される。受信装置20における受信信号O1、O2と、送信装置10における送信信号I1、I2との関係を式(17)に示す。
【数17】
【0073】
第1の実施形態と同様に、Hは送信装置10から受信装置20への伝達係数行列、Φは信号処理部22の伝達係数行列である。式(17)に示すようにΦを設定することにより、O1=I1、O2=I2が得られる。
【0074】
図9は、図8の受信装置20が一方の方向(図中上方向)に傾いた状態を示す図である。図9に示すように、レンズ510を含む受信装置20全体が上向きに傾いた場合を考える。この場合、図8の状態から行列Hが変化する。しかしながらこの場合においても、式(18)に示すように行列Φを変化させることにより、O1=I1、O2=I2なる結果を得られる。
【数18】
【0075】
図10は、図8の受信装置20が他方の方向(図中下方向)に傾いた状態を示す図である。この場合においても、行列Hは図8の状態から変化する。しかしながらこの場合においても、式(19)に示すように行列Φを変化させることにより、O1=I1、O2=I2なる結果を得られる。
【数19】
【0076】
式(17)、式(18)、式(19)に示すように、受信装置20が送信装置10からの光ビームの光軸に対して傾いていても、信号処理部22の伝達係数行列Φを変化させることにより、受信装置20おいて同一の受信信号を得ることができる。
【0077】
図11は、本実施形態に関わる信号処理部22の構成例を示す図である。この構成においては、各送信信号I1,I2ごとに4系統のスイッチ601を設ける。そして、受信装置20の傾きに応じて各スイッチ601を切り替えることにより、各送信信号I1,I2ごとに適用すべき伝達係数行列Φの要素φij(i=1…4,j=1…2)を変化させるようにしている。各送信信号I1,I2は各要素ごとに乗算されたのち加算器602において加算され、送信信号S1〜S4が得られる。なおスイッチ601をどのような切替状態に設定するかは、送信装置10と受信装置20との間でのデータリンク処理部30(図1)を介した情報の授受により決定される。このような構成においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
(第3の実施の形態)
図12は、本発明に関わる光無線通信システムの第3の実施の形態における要部構成を示すブロック図である。図12においては、信号処理部が送信装置10側と受信装置20側とに設置される。図12において、n系統の送信信号I1〜Inは信号処理部701に入力され、p系統の送信信号S1〜Spが生成される。ここではpをn以上の自然数とする。送信信号S1〜Spは光源702,704,706により光信号に変換される。各光源702,704,706から送出される光信号は、自由空間に放射されたのちm個の受光器703、705、707に到達し、受光信号T1、T2、〜、Tmに変換される。ここでは、mをn以上の自然数とする。受光信号T1、T2、〜、Tmは第2の信号処理部708に入力され、n個の受信信号O1、O2、〜、Onが生成出力される。
【0079】
図12において、送信信号S1〜Spと受光信号T1〜Tmとの関係は、式(20)のように示すことができる。
【数20】
【0080】
また、信号処理部701に入力されるn個の送信信号I1、I2、〜、Inと、p個の出力信号とS1、S2、〜、Spとの関係、および、信号処理部708に入力される受光信号T1、T2、〜、Tmとn個の受信信号O1、O2、〜、Onとの関係とから、受信信号O1、O2、〜、Onと、送信信号I1、I2、〜、Inとの関係は次式(21)で示される。
【数21】
【0081】
すなわち、行列式によりO=α*H*β*Iと書くことができる。行列αはα11〜αnmを要素とする行列であり、行列βはβ11〜βpnを要素とする行列である。式(21)の右辺α*H*βはn行n列の正方行列となり、行列αとβを適切に決めることにより、α*H*βを対角化することが可能である。ここで、行列αは第2の信号処理部708の伝達係数行列であり、行列βは第1の信号処理部701の伝達係数行列である。
【0082】
行列βの要素が、βi,j=1(i=j){i=1…p,j=1…n,p>=n}の場合と、βi,j=0{i,jはその他}の場合と、βi,j=1(i=j+p−n){i=p−n+1…p,j=1…n,p>=n}の場合と、βi,j=0{i,jはその他}の場合とに分け、対角成分のみが1でありそれ以外の要素が0であるとすると、第1の実施の形態と同様に考えることができる。
【0083】
第2の実施例にも記したように、送信側に配置される信号処理部は、その伝達係数行列の要素が対角成分のみ1となる場合のみを考えればよい。すなわち、送信側の第1の信号処理部701に入力される入力信号同士を合成すると、光信号が電力加算される。電力加算された光信号は、受信側で分離することは困難である。これは、光信号に生じる干渉を考慮しないことによる。逆に言えば、複数の光源で干渉を起こすことは避けるようにする必要がある。具体的には、複数の光源の波長をそれぞれ分離したり、LEDなどのコヒーレンシーの低い光源を使う必要がある。以下に、その具体例につき説明する。
【0084】
図13は、図12の構成をより詳細に示すブロック図である。図13に示されるように、送信信号I1、I2は信号処理部801により処理され、送信信号S1、S2、S3、S4が生成出力される。各送信信号S1、S2、S3、S4は、光源802、804、806、808とレンズ803、805、807、809とをそれぞれ組み合わせた投光器により光信号に変換され、送信装置10から出力される。
【0085】
送信装置10から出力された光ビームはレンズ810により集光され、フォトダイオード811、812、813、814により受光信号T1、T2、T3、T4に変換されて出力される。受光信号T1〜T4は信号処理部815により処理されて受信信号O1、O2が生成出力される。受信装置20の受信信号O1、O2と、送信装置10の送信信号I1、I2との関係を式(22)に示す。
【数22】
【0086】
式(22)において、行列Hは送信装置10から受信装置20への伝達係数行列、行列αは第2の信号処理部815の伝達係数行列、βは第1の信号処理部801の伝達係数行列である。式(22)に示すように、αとβとを適切に設定することにより、O1=I1、O2=I2が得られる。
【0087】
図14は、図13の受信装置20が一方の方向(図中上方向)に傾いた状態を示す図である。この場合、図13の状態から行列Hが変化する。しかしながらこの場合においても、式(23)に示すように行列αを変化させることにより、O1=I1、O2=I2なる結果を得られる。
【0088】
【数23】
【0089】
一方、式(24)に示すように、行列αは変化させずに行列βを変化させることにより、O1=I1、O2=I2なる関係を得ることも可能である。
【0090】
【数24】
【0091】
図15は、図13の受信装置20が他方の方向(図中下方向)に傾いた状態を示す図である。この場合においても、式(23)または式(24)に示すように行列αまたは行列βを変化させることにより、O1=I1、O2=I2なる結果を得ることができる。
【0092】
以上のように本実施形態においても、式(22)、式(23)、式(24)に示されるように各信号処理部の伝達係数行列を変化させることにより、受信装置20において同一の受信結果を得ることができる。従って本実施形態においても第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
なお本発明は、上記第1〜第3の実施形態そのままに限定されるものではない。例えば上記各実施形態においては、光源とレンズとを組み合わせたものを投光器とした。すなわち光源ごとに個別にレンズ用意したが、これに代えて、複数の光源からの光ビームを一つのレンズにより集束させるようにしても良い。また、受信装置20において一つのレンズと複数の受光器の構成を示したが、複数のレンズと複数の受光器により受信装置20を構成することも可能である。さらに信号処理部の例として乗算器と加算器とを備える構成を記したが、これに代えて、例えばディジタル処理を用いるなどの種々の変形例が考えられる。
【0094】
また本発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0095】
【発明の効果】
以上詳しく述べたように本発明によれば、光送信出力電力の制限のもとで情報伝送の高速化を図り得る光無線通信システムおよびこの光無線通信システムで用いられる光受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる光無線通信システムの第1の実施の形態を示すブロック図。
【図2】図1の送信装置10および受信装置20の要部構成を示すブロック図。
【図3】図2の構成をより詳細に示すブロック図。
【図4】図3の受信装置が一方の方向(図中上方向)に傾いた状態を示す図。
【図5】図3の受信装置が他方の方向(図中下方向)に傾いた状態を示す図。
【図6】信号処理部22の一構成例を示す図。
【図7】本発明に関わる光無線通信システムの第2の実施の形態における要部構成を示すブロック図。
【図8】図7の構成をより詳細に示すブロック図。
【図9】図8の受信装置20が一方の方向(図中上方向)に傾いた状態を示す図。
【図10】図8の受信装置20が他方の方向(図中下方向)に傾いた状態を示す図。
【図11】信号処理部22の他の構成例を示す図。
【図12】本発明に関わる光無線通信システムの第3の実施の形態における要部構成を示すブロック図。
【図13】図12の構成をより詳細に示すブロック図。
【図14】図13の受信装置20が一方の方向(図中上方向)に傾いた状態を示す図。
【図15】図13の受信装置20が他方の方向(図中下方向)に傾いた状態を示す図。
【符号の説明】
10…送信装置、11…分配処理部、12…送信部、13…送信制御部、20…受信装置、21…受信部、22…信号処理部、23…再生処理部、24…受信制御部、24a…演算処理部、30…データリンク処理部、100…送信装置、101,103…光源、102,104…受光器、201,203…光源、202,204,209…レンズ、210〜215…フォトダイオード、301…乗算器、302…加算器、402,404…光源、403,405…受光器、502,504…光源、503,505,510…レンズ、511,512…フォトダイオード、601…スイッチ、602…加算器、701…第1の信号処理部、702,704…光源、703,705…受光器、708…第2の信号処理部、801…第1の信号処理部、802,804…光源、803,805,810…レンズ、811,812…フォトダイオード、815…第2の信号処理部
Claims (6)
- 伝送情報をn(nは2以上の自然数)系統の送信信号に分配する分配手段と、
前記n系統の送信信号をそれぞれ電気/光変換してn系統の光信号を空間に送出する送信手段と、
前記n系統の光信号を光/電気変換してm(mは2以上の自然数)系統の受光信号を生成する受光手段と、
前記m系統の受光信号からn系統の受信信号を生成する信号処理手段と、
前記n系統の受信信号から前記伝送情報を再生する再生手段と、
前記n系統の送信信号を要素として配列したベクトルをIとし、前記m系統の受光信号を要素として配列したベクトルをSとした場合にS=H*Iなる式によりベクトルIおよびベクトルSを互いに関係づける行列Hと、前記n系統の受信信号を要素として配列したベクトルをOとした場合にO=Φ*Sなる式によりベクトルOおよび前記ベクトルSを互いに関係づける行列Φとを定義した場合に、O=Φ*H*Iなる式により表される前記ベクトルOを、行列Φ*Hを対角化して前記ベクトルIから算出する演算手段とを具備することを特徴とする光無線通信システム。 - 前記送信手段は、
前記n系統の送信信号をそれぞれ電気/光変換するn個の光源と、
これらのn個の光源から出力される光信号を平行化するレンズとを備えることを特徴とする請求項1に記載の光無線通信システム。 - 前記受光手段は、
前記空間を介して到来する前記n系統の光信号を集光するレンズと、
このレンズにより集光された前記n系統の光信号をそれぞれ光/電気変換するm個の受光素子と備えることを特徴とする請求項1に記載の光無線通信システム。 - 送信装置と受信装置との間で光信号を空間分割多重して伝送する光無線通信システムであって、
前記送信装置は、
伝送情報をn(nは2以上の自然数)系統の送信信号に分配する分配手段と、
前記n系統の送信信号をそれぞれ電気/光変換してn系統の光信号を空間に送出する送信手段とを備え、
前記受信装置は、
前記空間を介して到来する前記n系統の光信号を光/電気変換してm(mは2以上の自然数)系統の受光信号を生成する受光手段と、
前記m系統の受光信号からn系統の受信信号を生成する信号処理手段と、
前記n系統の受信信号から前記伝送情報を再生する再生手段と、
前記n系統の送信信号を要素として配列したベクトルをIとし前記m系統の受光信号を要素として配列したベクトルをSとした場合にS=H*Iなる式によりベクトルIおよびベクトルSを互いに関係づける行列Hと、前記n系統の受信信号を要素として配列したベクトルをOとした場合にO=Φ*Sなる式によりベクトルOおよび前記ベクトルSを互いに関係づける行列Φとを定義した場合に、O=Φ*H*Iなる式により表される前記ベクトルOを、行列Φ*Hを対角化して前記ベクトルIから算出する演算手段とを備えることを特徴とする光無線通信システム。 - 送信装置と受信装置との間で光信号を空間分割多重して伝送する光無線通信システムであって、
前記送信装置は、
伝送情報をn(nは2以上の自然数)系統の分配信号に分配する分配手段と、
前記n系統の分配信号からm(mは2以上の自然数)系統の送信信号を生成する信号処理手段と、
前記m系統の送信信号をそれぞれ電気/光変換してm系統の光信号を空間に送出する送信手段とを備え、
前記受信装置は、
前記空間を介して到来する前記m系統の光信号を光/電気変換してn系統の受光信号を生成する受光手段と、
前記n系統の受信信号から前記伝送情報を再生する再生手段と、
前記n系統の分配信号を要素として配列したベクトルをIとし前記m系統の送信信号を要素として配列したベクトルをSとした場合にS=H*Iなる式によりベクトルIおよびベクトルSを互いに関係づける行列Hと、前記n系統の受信信号を要素として配列したベクトルをOとした場合にO=Φ*Sなる式によりベクトルOおよび前記ベクトルSを互いに関係づける行列Φとを定義した場合に、O=Φ*H*Iなる式により表される前記ベクトルOを、行列Φ*Hを対角化して前記ベクトルIから算出する演算手段とを備えることを特徴とする光無線通信システム。 - 光信号を空間分割多重して伝送する光無線通信システムに用いられ、伝送情報をn(nは2以上の自然数)系統の送信信号に分配する分配手段と、前記n系統の送信信号をそれぞれ電気/光変換してn系統の光信号を空間に送出する送信手段とを備える光送信装置から出力される前記n系統の光信号を受信する光受信装置であって、
前記n系統の光信号を光/電気変換してm(mは2以上の自然数)系統の受光信号を生成する受光手段と、
前記m系統の受光信号からn系統の受信信号を生成する信号処理手段と、
前記n系統の受信信号から前記伝送情報を再生する再生手段と、
前記n系統の送信信号を要素として配列したベクトルをIとし、前記m系統の受光信号を要素として配列したベクトルをSとした場合にS=H*Iなる式によりベクトルIおよびベクトルSを互いに関係づける行列Hと、前記n系統の受信信号を要素として配列したベクトルをOとした場合にO=Φ*Sなる式によりベクトルOおよび前記ベクトルSを互いに関係づける行列Φとを定義した場合に、O=Φ*H*Iなる式により表される前記ベクトルOを、行列Φ*Hを対角化して前記ベクトルIから算出する演算手段とを具備することを特徴とする光受信装置。
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