JP2005004682A - 座標入力装置用入力ペン - Google Patents

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Abstract

【課題】入力面に指示具や指によって指示して座標を入力することにより、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられる入力装置用のペンに関し、より軽荷重で動作するペンダウン検出スイッチを構成することで操作性の良い座標入力用入力ペンを実現すること。
【解決手段】軽荷重、小ストロークで動作するスイッチ手段を安価に実現する構成であって、導電性を有する導電性シート、円環状のスペーサ部材、基板、及びそれらを一体に構成する手段を有するシリンダ手段から構成される。シリンダ手段には、位置決め手段となる複数の基準ピンが、また対応する位置に導電性シート、円環状のスペーサ部材、基板のそれぞれに位置決め用の貫通穴が設けられ、前記4者の位置決めを容易に行う事で、安価でしかも安定した性能を有するスイッチが構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、座標入力装置、より詳しくは、入力面に指示具や指によって指示して座標を入力することにより、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられる入力装置用のペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種の座標入力装置であって、座標入力面を指、あるいは指示具等でタッチする事によってその指示座標を算出する各種方式のタッチパネルが提案、または製品化されており、特殊な器具などを用いずに、画面上でPCなどの操作が簡単にできるため、広く用いられている。
【0003】
方式としては、抵抗膜を用いたもの、また、超音波を用いたものなど、さまざまなものがあるが、光を用いたものとして特許文献1などに見られるように、座標入力面外側に再帰性反射シートを設け、光を照明する手段からの光を再帰反射シートで反射し、受光手段により光量分布を検出する構成において、入力領域内にある、指などで遮蔽された領域の角度を検出し、遮蔽位置つまり入力位置の座標を決定するものが、知られている。
【0004】
また、国内件においても特許文献2や、特許文献3などにあるように、再帰反射部材を入力領域周辺に構成し、再帰反射光が遮光される部分の座標を検出する装置が開示されている。
【0005】
これらの装置において、例えば特許文献2では、微分などの波形処理演算によって遮光部分のピークを検出することにより、遮光部分の角度を検出し、また、特許文献3では、特定のレベルパターンとの比較によって遮光部位の一方の端と他方の端を検出しそれらの座標の中心を検出する構成が示されている。
【0006】
また、先の特許文献1においては、RAMイメージャーの各画素を読み出し、コンパレータで比較する事で、遮光部分を検出し、一定幅以上の遮光部位があった場合に、その両端の画素の中心(1/2位置)を検出する検知方式が示されている。
【0007】
またタッチパネルとして動作させるためには、指等の指示具が座標入力面をタッチしたかどうかを判定しなければならない。先に述べた抵抗膜方式は入力面をタッチする事で電気的な抵抗値の変化を検出するものであり、また超音波方式は入力面をタッチする事によって、入力面中を伝播している超音波振動が減衰する現象を観測してタッチ位置を検出するものであるので、指等の指示具が座標入力面をタッチしたかどうかの判定は容易である。しかしながら、光の遮光に基づき遮光位置を検出する方式にあっては、入力面より高さh1を有する位置に検出用の光束を設け、その光束を遮蔽物により遮蔽する事で、その遮蔽位置を検出する事から、必ずしも、座標入力面をタッチしていなくても、座標値を検出、出力してしまう。この点を鑑み成された発明として、例えば特許文献4、或いは特許文献5に示されるように、遮光した光の量に対する複数の閾値を設け、より座標入力面に近いところで座標入力動作が行われた場合に座標値を出力するような構成が開示されている。
【0008】
また一方で、専用の指示具であるところの座標入力ペンを用いて、高精度に位置座標を算出する事ができる各種方式の座標入力装置が提案、または製品化されて実用に供されている。具体的には特許文献6、特許文献7に示されるように、専用タブレットに内蔵されたループコイルと座標入力ペンに内蔵されたコイル間の電磁結合を利用して、座標入力ペンの位置座標を検出する方式や、特許文献8に示されているような静電結合を利用する方式、さらには、特許文献9、特許文献10に示されているように、座標入力ペンから空中に放射された超音波が複数のセンサに到達する到達時間を計測する事によって座標入力ペンの位置座標を検出する方式が知られている。
【0009】
これら、各種方式の専用指示具は、座標入力面に指示具の先端部を押圧する事によって、専用指示具に内蔵されたスイッチ手段を動作させ、指示具の先端部を押圧されたことを示す信号を生成することができるので、指示具が座標入力面をタッチしたかどうかの判定は容易に可能となる。
【0010】
【特許文献1】
米国特許USP4507557
【特許文献2】
特許公開番号2000−105671
【特許文献3】
特許公開番号2001−1472642
【特許文献4】
特許公開番号2001−147776
【特許文献5】
特許公開番号2001−84106
【特許文献6】
特許公開番号H02−96825
【特許文献7】
特許公開番号H04−96212
【特許文献8】
特許公開番号H02−254520
【特許文献9】
米国特許USP6111565
【特許文献10】
特許公開番号2002−132436
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
さて、『座標入力面をタッチしたかどうかの判定』の正確さが、座標入力装置を操作する操作者の操作性にどの様に影響するかを考えてみる。
【0012】
まず指等により光を遮蔽する事によって、その位置を検出する座標入力装置(タッチパネル)について考えてみる。
【0013】
図18−2は正面方向からのみた配置図であり、例えば、座標入力有効領域の左下隅部にスイッチ領域を設置した場合の例である。つまり、操作者が指等で、その領域を指示することによって、スイッチのオン/オフ相当の制御をできる様に意図した構成であって、例えば、有る特定の領域を指示する事によって、特定のアプリケーションを起動できるようにしたものである。図18−1は図18−2におけるA−A断面の概略を示すものである。9は座標入力有効領域であるところの平面部材であって、表示装置の表示面をも兼ねる。センサユニット20中の投光手段で照明された光束は、略表示装置の表面に平行に放射され、再帰反射手段22によって再帰反射され、センサユニット20中の検出手段にて検知される。この光束は図18−1に示すが如く表示面からの高さh1〜h2の範囲に設定(再帰反射手段22の設置範囲に相当)されるが、h1≒h2とし、かつ高さh1を『0』に設定する事は、次の理由により困難である。
【0014】
一般に大型の表示装置、特に大勢の参加者が表示装置を用いて会議を行う会議システムにあっては、その表示サイズは対角60インチ〜100インチ程度、或いはそれ以上の大きさの表示装置が要求される。さらには、表示装置の表面を座標入力面としている事から、指等によって押圧されてもその表示面は『たわまない』事が要求される。従って、剛性を有する素材で表示面を製作する事になるが、その表示領域が大きい事、透明性が必要である事を考慮して、例えばガラスを用いるものとすれば、その板厚はかなり厚いものが要求され、重量の大きな装置とならざるを得ない。
【0015】
さらには、現状の大型表示装置として用いられるリアプロジェクタ方式の表示装置にあっては、その表示面はフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学特性を有する透明な樹脂板で構成されるのが通例であり、板厚増は重量の増大のみならず、光透過率等が悪化し、表示装置としての機能を低下させる事になる。
【0016】
そこで通常行われる対策としては、わずかながらでも表示面に曲率を設け、剛性を増す方法が実施される。今仮に表示面の中央部を凸となるように構成した場合、表示領域中央部でのh1を限りなく『0』に設定する事は可能となるが、表示領域周辺部では、表示面が凸となっている事で、光束が表示面によって遮断されるので、少なくともそのふくらみ高さ分だけh1を設定しなければならないので、h1を『0』に設定する事はできない(図19−1参照。具体的に表示面のふくらみを、周辺部より中央部でたとえば5mm高くすると、周辺部でのh1は少なくとも5mmと言う事になる)。逆に、表示面の中央部を凹賭した場合であっても、今度は表示領域周辺部でほぼ『0』に設定する事は可能であるが、表示領域中央部ではそうならない。
【0017】
以上剛性と言う観点で説明したが、仮に十分な剛性が得られたとしても、このh1を『0』に設定する事は困難である。具体的な数字を持って説明するほうがイメージしやすいので、仮に表示サイズが対角70インチ、縦横比3:4の表示装置があるとすると、表示領域の大きさは、約1060mm×1420mm程度で、面積としては約1.5mに相当する。表示面の素材の平面度、取り付け面の平面度、或いは熱膨張の影響とかを考慮して、この表示面を装置に組み込んだ状態で、その表示面の平面度をほぼ『0』に維持する事は不可能であるし、たとえその値が±1mm程度で有ったとしても、産業上大きな困難が伴なう。ましてやその状況で、h1≒h2に設定すれば、座標入力の際の座標入力面の歪みによって、光束が遮断されてしまい、本来検出しなければならない指示位置の検出に大きな誤差を含んだり、座標検出そのものが不能となる致命的な障害が発生する可能性が高くなる。h1≒h2、h1≒0に設定する事は事実上不可能と言える。
【0018】
さて図18−2の様に、座標入力有効領域4内に図示するが如くスイッチ領域を複数設定するものとする。この時操作者が例えばスイッチ2(SW2)を動作させて、所望のアプリケーションを実行させようとした場合を考える。操作者の手/指は、表示面に垂直な方向のみの移動を意識してスイッチ動作(図18−2のSW2領域を触る行為)するのではなく、『表示面をまさに触った点がちょうどSW2領域にある』と言う事以外、手/指の移動軌跡は意識しないのが普通であり、例えば図18−1中の太い矢印で示された軌跡で動作が行われる。
【0019】
この移動動作に伴ない、座標入力装置が判定する動作について説明すると、まず操作者がSW2領域に割り付けられた制御を実行させようとして、SW2領域をタッチするために、表示面9に略平行に設定された光束を遮り始め、▲1▼の位置まで指/手を移動させたとする。光束を遮り始めた時点で、その遮光位置の座標を出力し始めるが、操作者はまだ表示面9を触れていないので、スイッチを動作させたつもりには至っていない。従って操作者は、▲2▼の位置(表示面9に接触した位置)でSW2領域を押圧する事によって、スイッチ動作をさせたと認知する事になる。操作者はスイッチ動作をさせたと言う目的を達成して、▲3▼の位置に指/手を移動させることになるが、▲3▼の位置にあっても、座標入力装置は座標値を出力し続け、そして▲4▼の位置を経て光束を遮る事が無くなった所で、座標出力を停止する事になる。
【0020】
さて、ここで問題となるのが、操作者が認知したのは、▲2▼の状態で『SW2領域を押圧した』と言う点だけであるのに対し、座標入力装置は▲4▼の状態まで座標値を出力している点である。
【0021】
つまり、一連の操作者の移動動作によって、最後に出力された座標値が、SW3領域にある場合には、操作者は確実にSW2領域を押圧したにもかかわらず、SW3領域に割り付けられた実行命令が実行されてしまうことになる。これは、操作者に狼狽を与えるばかりでなく、実行命令の内容によっては、修復不可能な状態を招く重大な恐れが生じることになる。
【0022】
その対策としては、例えばSW1領域とSW2領域の間(隙間)を十分に大きくとる、或いは、ダウンフラグがセットされている時の座標値を連続的に監視し、例えばその期間中に出力された座標値の中心を確定値とする等の手段も考えられるが、前者は、スイッチ間が大きく、操作性が悪い、或いは領域の大きさ制限により多数のスイッチを配置できない等の課題が新たに生じるし、後者は、例えば『間違った領域を指し示してしまったけど、▲2▼の状態のまま指を移動させて、正しい位置で指を離す事によって、目的を達成する』等の動作は良く行われるので、必ずしも中心位置が操作者が意図した正しい位置とは限らないのである。
【0023】
以上、表示画面上に表示されているアイコンをタッチする事によって、所望のアプリケーション等を実行させようとする場合に、座標入力装置が操作者のタッチ動作を正確に検知できない場合に発生する弊害について説明したが、もう一つの具体的な症例について説明する。
【0024】
今操作者が『あ』と言う文字を入力するために、指示具を図20−1に示すが如く移動動作させた場合を想定するとすれば、操作者は図20−1における実線部分を入力面にタッチして指示具を移動させ、図20−1における破線部分を入力面をタッチすることなく指示具を移動させることになる。つまり操作者は、『入力面をタッチ』する事を認知して筆跡を残すことを想定し、図20−1の実線部分の筆跡が画面い残ることを意図している。ここで先にも説明した様に、座標入力面をタッチしていないにも関わらず、座標入力装置が指示具等により座標入力動作が行われていると誤検出している様な状態にあっては、表示される文字情報は図20−2の様になる。つまり『あ』と言う文字を入力したにもかかわらず、入力面をタッチする直前/直後において、余分な軌跡が表示され、操作者が意図した軌跡とは異なる表示が得られることになる。この現象を以後『尾引き』と称するが、尾引きの発生により、操作者の意図する情報が表示されずに、『見にくい』『小さい字は書けない』『細かい図形情報は描けない』等の問題が発生する。
【0025】
一方、仮に座標入力面をタッチしているにも関わらず、座標入力装置が指示具等により座標入力動作は行われていないと誤検出する様な状態にあっては、表示される文字情報は図20−3の様になる。つまり『あ』と言う文字を入力したにもかかわらず、入力面をタッチする直前/直後において、本来表示されるべき軌跡情報が欠落し、操作者が意図した軌跡とは異なる状態となってしまう。これらの現象を回避するために検討した結果、指示具の先端が座標入力面に接触して、押圧する際に、そのことを検知するためのスイッチ手段の仕様が、限りなく動作ストロークが『ゼロ』に近く、願わくば0.1mm以下であって、しかもその時の動作荷重は限りなく『ゼロ』に近い状態、願わくば30g以下程度である事が望ましいことが解った。
【0026】
現状技術において、動作ストローク0.2mm、動作ON荷重100g、動作OFF荷重50g、動作寿命100万回なるスイッチ手段は市販されており、指示具の先端部を座標入力面に押圧する事でスイッチ手段が動作するように構成(以後、このスイッチ手段をペンダウン検出スイッチと称す)すると、動作ストローク0.2mm、動作荷重60g(指示具の先端部をバネ部材等を用いてスイッチ手段が動作する方向に与圧する。例えば与圧40gに設定すれば、スイッチ手段は60gをさらに負荷すれば動作する。なお、この与圧によりスイッチ手段と指示具先端部の機械的な隙間は『セロ』になるので、ストロークは、スイッチ手段のストローク0.2mmと同等となる)なる。しかしながら、より動作荷重を軽くしようとして与圧を60gに設定すれば、このスイッチ手段の動作OFF荷重は50gであるので、スイッチ手段は常にON状態となり、スイッチ手段としての作用しなくなる、つまりより軽荷重で動作するペンダウン検出スイッチを構成することが困難となる課題が生じる。
【0027】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本願発明の座標入力装置用入力ペンは、ペン先端部が、座標入力面を押圧する事によって動作するペンダウン検出用のスイッチ手段を内蔵し、ペン先端部が座標入力面を押圧することによって、前記スイッチ手段を押圧する押圧手段を所定方向に変位させるシリンダ手段と、少なくともその片面に導電性部材を設けた導電性シート部材と、電極パターンを施した基板と、前記基板と前記導電性シートのギャップを保持するための円環状のスペーサ部材とを有し、前記シリンダ手段、導電性シート部材、スペーサ部材、基板を順に一体に構成したスイッチ手段を搭載することで、小ストローク、かつ軽荷重でスイッチ手段が動作するように構成した。さらには、前記シリンダ手段に複数のピンを設け、前記導電性シート部材、スペーサ部材、基板の各々に設けられた貫通穴に前記ピンを挿入し、前記シリンダ手段、前記導電性シート部材、スペーサ部材、基板の位置関係を決定する位置決め手段を設けたので、シリンダ部材のシリンダ軸、円盤状の導電性シート部材の軸、円管状のスペーサ部材の軸を容易に一致することができる様に構成した。さらには、そのピンの先端部を熱変形させることによって、シリンダ手段、導電性シート、スペーサシート、基板の位置決めをしつつ、その4者を一体に固定できる様に構成した。
【0028】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係る座標入力装置用入力ペンの概略構成について図1をいて詳細に説明する。入力ペンは電池8、電池電圧を昇圧するためのコンバータ7、ペン内に内蔵されたペン先スイッチ1、及びペンサイドに設けられたペンサイドスイッチ5の動作状態を検知して、その検知結果を外部機器等に伝達するための信号を生成するペン制御回路6、生成された信号を光信号として放射するための発光手段4を備える。
【0029】
前記ペン先スイッチ1は、座標入力ペンのペン先端部であるところのペン先2が、座標入力面9を押圧して、操作者による筆記動作が行われているかを検知するためのスイッチ手段であり、操作者がペン先2を座標入力面を押圧(以後、この押圧を操作者が入力ペン等の指示具を操作することによって生じる筆圧と称す)に応じて、ペン先2、及びスライド部材3を介してスイッチ手段1にその力が伝達される。言い換えれば、筆圧に応じて、スライド部材が変位して、スイッチ手段のON/OFFを実現するように構成し、スイッチ手段がON状態にある時に、ペン制御回路6は後述するペンダウン信号を発生するように構成されている。
【0030】
また、前記ペンサイドスイッチ5は、例えばペンサイドスイッチ5が動作(ON状態)となる事で、その信号を前記発光手段より放射する事で、その信号を受けた本体側で例えば特定のアプリケーションを起動したり、あるいは通常のマウス右ボタンと同様に表示画面上にメニュを表示できるように構成したものであり、用途に応じてその数が複数有っても、又は、ペンサイドスイッチ5が無くてもかまわない。
【0031】
また本願発明にあっては、ペン先スイッチ1、ペンサイドスイッチ5の動作状態を検知して、その検知結果を発光手段4により光信号として発光し、受光手段によりその信号を検知して、特定の処理を実行できるように構成しているが、その伝達媒体は光である必要は無く、例えば電波、超音波であっても良い。さらには、入力ペンに信号ケーブルを設け、信号ケーブルを介して信号を伝送しても良い。無論この場合には、入力ペンはケーブルでつながれる事になるので、作業性、操作性が低下するが、ケーブルを介して電源を供給できるようになり、電池8が不要となり軽量化が図られる他、常時使用(長時間使用)する様な用途、つまり電池寿命を気にする様な用途には好適な構成となり得る。
【0032】
さて、光信号として放射されるスイッチ信号は、外乱などの影響を受けにくいように、所定の周波数fで変調されている。図21はその一例を示すもので、スタートビットとペン先1が動作した時に発生するペンダウンスイッチ信号S0、及びペンサイドスイッチ5が動作した時に発生するペンサイドスイッチ信号S1、データの正当性を判定するために、S0,S1信号の反転信号/S0./S1、信号の終わりを示すストップ信号からなっており、それぞれ周波数fで変調されている。この変調光は、図22に示すように受光IC25によって復調され、ビット列として本体制御回路(詳細は後述するが、座標入力装置の演算/制御を実行するための本体制御回路を指す)に出力し、本体制御回路中の例えばCPUにより判定が成される。前記CPUは、先頭のスタートビットが検出されると、一定周期でのサンプリングを行い、各ビット位置の1,0を判定し、S0,/S0などの論値があっているか、また、ストップビットまで検出できたかなどの判断を行い、論理が間違っていた場合には、そのデータを破棄し、再度検出を行うように構成されている。
【0033】
図2は、本願発明の座標入力装置用入力ペン内に内蔵されているペン先スイッチ1のより詳細な構造を説明するための説明図であり、101は、スライド部材の軸方向へ、スライド部材が繰り返しスライドできる様にスライド部材3を保持するシリンダ部材であって、102は少なくともその片面に導電性部材が施された導電性シート部材、103は円環状のスペーサ部材、104は電極パターンが設けられた基板である。105、106は電極リード部材であって、その一方の電極リード部材105は、導電性シート部材102と電気的に接続され、もう一方の電極リード部材106は基板104上に設けられた電極パターンに電気的に接続されている。107はペン先端部を構成する筐体であり、LED4からの放射光を透過するため光透過部材からなる。108はペン制御回路等を保持する筐体である。
【0034】
さて、操作者が座標入力ペンを操作する際に、ペン先2を座標入力面9の押圧する事によって、スライド部材3がスライドし、スライド部材3の底部が導電性シート部材102を変形させ、導電性シート部材102が基板104の電極パターンと接触する事で、電極リード部材105、及び106間が、電気的に接続されることになる。その結果、ペン制御回路6はペンダウン信号S0を生成する。また、操作者の操作によって、筆圧が除去されると、歪んでいた導電性シート部材103が元の状態に戻り、ペンダウン信号S0の生成が中断される。
【0035】
なお本願発明の場合、導電性シート部材102は厚さ75μのPETフィルムが用いられており、その片面には、銀ベース、あるいはカーボンベースの導電性塗料が印刷されている。またスペーサ部材103は厚さ50μのPETフィルムであり、ドーナッツ状(円環状)の形状をしており、導電性シート部材102と基板104の隙間を保持するように構成される。したがって、このペン先スイッチ1の動作ストロークは、スペーサ部材103の厚みに等しく、本願発明のペン先スイッチのストロークは50μと言える。
【0036】
一方、ペン先スイッチ1が動作するための動作荷重は、本願発明の構成にあっては、導電性シート部材102の材質、シート厚、及び円環状スペーサ部材103の内径寸法に依存する。本願発明においては、導電性シート部材102は厚さ75μのPETフィルムであり、円環状スペーサ部材103の内径寸法を約4mmに設定する事で、動作荷重約25gを実現している。
【0037】
さて、スライド部材3の底部が導電性シート部材102を変形させ、導電性シート部材102が基板104の電極パターンと接触する事でスイッチ手段を構成しているので、スイッチの動作荷重25gを安定して実現するためには、円環状スペーサ部材103の中心軸と、スライド部材3の底部の突起部が一致している事が好ましい。この一致の条件が崩れると、動作荷重がより重くなるので、大量に生産する場合には、その管理は重要である。
【0038】
図3は、図2に示したペン先スイッチ1を説明するための斜視図であり、図3−1、図3−2で組立て手順を、図3−3で固定手順を、図3−4で接点接続方法を説明する。図3−2に示すようにシリンダ部材101には、本願発明の場合、4本の突起部101(a)、101(b)、101(c)、101(d)が設けられており、導電性シート部材102、円環状シート部材103、基板104には相応する位置に貫通穴が設けられている。シリンダ部材101の突起部101(a)〜(d)に導電性シート部材102、円環状シート部材103、基板104を通す事によって、シリンダ部材101の円柱軸、円盤状導電性シート部材102の円盤軸、円環状シート部材103の円管軸、円盤状基板の円盤軸が一致するように構成され、軸ずれによって生じる動作荷重のばらつきを抑制している。
【0039】
図3−3は、その4者を一体にした時の斜視図であり、本願発明にあっては、先に説明したシリンダ部材101に設けられた突起部101(a)〜(d)の先端部を熱変形させる事で、シリンダ部材101、導電性シート部材102、スペーサ部材103、基板104が固定される。なお図3−3において、突起部101(d)のみが既に熱変形した形状を示しており、突起部101(a)〜(c)を順次熱変形させる事で、固定が完了することになる。
【0040】
さて導電性シート部材102は一方の電極リード部材105と電気的に接続しておかなければならない。本願発明に有っては円盤状導電性シート部材102の外形部分に突起部102(a)を設けてあり(図3−1参照)、その突起部には導電性塗料の上に、さらに熱溶融製の接着剤を印刷しておく。突起部101(a)〜(d)の熱変形(熱かしめ)を終えた後、図3−4にて102(a)の部分に熱を加えて、導電性シート部材102と基板104の電極パターン(電極リード部材105と電気的に接続されている電極パターン)との電気的接続を行い、ペン先スイッチ1の組立てを完了する。なおこの電気的接続は、導電性接着剤を用いて行っても良いことは言うまでもない。
【0041】
図4は、本願発明の第二の実施例を示す説明図であり、シリンダ部材101には、第一の実施例で説明した4本の突起部101(a)〜(d)に加えて、5本目の突起部101(e)が設けられている。導電性シート部材102の突起部102(a)及び、基板104の相応する位置には、同様に貫通穴が設けられ、シリンダ部材101(e)の突起部にまず、厚さtを有する円環状のゴム部材109を通した後、導電性シート部材102、円管状スペーサ部材、基板を先の第一の実施例と同様に配置し、突起部101(a)〜(e)の先端部を熱変形させる事で、組立てを完了する。この時、厚さtを有するゴム部材は、シリンダ部材、及び導電性シート部材102を介して基板104とサンドイッチされた構造となり、ゴム部材109は押しつぶされて変形する。その結果、導電性シート部材102と基板104の電極パターン(電極リード部材105と電気的に接続されている電極パターン)が圧接され、電気的接続が確保できるように構成されている。したがって、スイッチの組立てが一方向から行え、組立て作業性が大幅に改善される。
【0042】
この実施例の変形として、厚さtを有する円環状の導電性ゴム部材(例えば異方性導電ゴム等)を導電性シート部材と基板間に配置し、前述の如く熱かしめにより一体に固定する事で導電性ゴムが変形し、導電性シート部材102と基板104の電極パターンとの電気的接続が確保できるように構成しても良い。
【0043】
図5は、本願発明の第三の実施例を示す説明図であり、図5−1には、先の導電性シート部材102と同様に、PETフィルムの少なくとも片面に導電性塗料が印刷されている積層形導電性シート部材110の形状を示している。この積層形導電性シート部材110は、円管状の形状を有する部分110(a)と110(b)、及び円盤状の形状を有する部分110(c)がつながった形状となっている。このつなぎめ部分(図5−1に示される2箇所の破線部分)で積層形導電性シート部材を折り曲げ場合の様子を模式的に示したのが図5−2である。図中、シートの片面に施されている太線は、電極面である事を示し、図示のごとく折り重ねて基板に配置すれば、そのシートの電極面は、一方の電極リード部材105と接続された基板104上の電極パターンと接触、導通が得られる様になっている。そして、スライド部材3の変位により積層形導電性シート部材110が変形し、電極リード部材105と電極リード部材106の導通が得られる様に構成されている。
【0044】
さて、本願第三の実施例においても、図5−1に示すように、積層形導電性シート部材102を折り曲げて、ペン先スイッチ1を組み立てる場合、積層形導電性シート部材102にはシリンダ部材101の突起部101(a)〜(d)貫通させるための勘合穴が設けられている。従って、組立て時には、円環部110(a)と円環部110(b)の内径が一致するように構成されているので、大量に生産した場合で得あっても、動作荷重が安定したスイッチを構成することができる利点がある。
【0045】
さらに本願発明の第三の実施例は、シリンダ部材101、積層形導電性シート部材110、基板104を、シリンダ部材101の突起部101(a)〜(d)を利用して熱かしめする事で一体にする事により、電気的接続が全て行われる事から、部品点数が少ないばかりか、組立て工数も削減でき、生産コストが最も有利な構成となり得る。ただし、動作ストロークを決定するスペーサ部分(110(a)、及び110(b)の部分)が2層になってしまう事、及び、第一実施例、第二実施例の様に、導電性シート部材102とスペーサ部材103の厚みをそれぞれ適宜設定できないということから、動作ストロークが大きめ、あるいは動作荷重の設定の制約が生じる。つまりより動作荷重が低いスイッチを実現しようとするならば、第3の実施例においては、より薄い厚みの積層形導電性シート部材110を選択するとともに、より円環部の内径を大きくする事によって実現できるが、その結果、円環部の外形が大きくなり、スイッチの形状が大きくなる弊害が発生する。また、薄い厚みに設定する事で繰り返しスライド部材3で押圧する事によるスイッチの耐久性が低下するので、これらの点を鑑み、どの実施形態を採用するかを決めれば良い。
【0046】
また本願発明に有っては、シリンダ部材101の突起部101(a)〜(d)、及び101(e)を用いて熱かしめにより各部品を一体に構成しているが、これに限定されるものでなく、ネジによる締結、止め輪等を利用する方法であっても良い。
【0047】
以上説明した様に、本願発明の座標入力装置用入力ペンには、小ストローク、軽荷重で動作するペン先スイッチ1が内蔵されており、そのペン先スイッチは、主にシリンダ部材101、導電性シート部材102、スペーサ部材103、基板104で構成され、かつシリンダ部材101の突起部101(a)〜(d)を利用してその4者の軸が一致するように、導電性シート部材102、スペーサ部材103、基板104には相応の位置に貫通穴が設けられている。従って、装置を大量に生産する場合であっても、動作荷重のバラツキが少ない小ストローク、軽動作荷重なるスイッチを実現でき、その結果として操作性の良い入力ペンを提供できるようになった。
【0048】
さて、この座標入力装置用入力ペンを、座標入力装置に適用した場合について説明する。先にも説明した通り、抵抗膜方式のタッチパネル、あるいは入力面に超音波を伝播させ、その減衰によって指示具の位置座標を検出する座標入力装置にあっては、入力面を触らなければ座標算出は行われないので、『座標算出』可能と言う事は、指示具がペンダウン状態に有る事と等価であり、ペンダウンを正確に検知しているのと同等である。しかしながら電磁的、静電的結合を利用して指示具の位置座標を検出する方式、さらには、後述する光を遮光することによってその位置を検出する座標入力装置にあっては、座標検知とペンダウンは等価とならない。逆に等価とならない事を利用して、近接入力(プロキシミティー)を実現し、指示具が入力面の近くにある状態で、その指示具が位置している座標を検出、そのエコーバックとしてカーソルが移動するように構成されているのが通例である。そして、ペン先スイッチが動作する事によってペンダウン信号を生成し、そのカーソル移動の軌跡が、表示面に筆跡として記録されるようになる。
【0049】
そこで、本願発明では、光の遮光を利用した座標入力装置に、本願発明の座標入力用入力ペンを適用した場合を想定して、その作用効果について説明する。
【0050】
図6は遮光方式の座標入力装置の全体概略を説明する説明図であって、図中20L、20Rは投光手段および検出手段を有するセンサユニット20であり、本実施例の場合、図示の如く座標入力有効面9のX軸に平行に、かつY軸に対称な位置に所定距離離れて配置されている。センサユニット20は制御・演算ユニット21に接続され、制御信号を制御・演算ユニット21から受け取ると共に、検出した信号を制御・演算ユニット21に送信する。22は入射光を到来方向に反射する再帰反射面を有する再帰反射手段であり、左右それぞれのセンサユニット20から略90°範囲に投光された光を、センサユニット20に向けて再帰反射する。再帰反射手段22は、ミクロ的に見て3次元的な構造を有し、現在では主にビーズタイプの再帰反射テープ、或いはコーナキューブを機械加工等により規則正しく配列する事で再帰現象を起こす再帰反射テープが知られている。再帰反射部材22で再帰反射された光は、集光光学系とラインCCD等によって構成されたセンサユニット20の検出手段によって1次元的に検出され、その光量分布が制御・演算ユニットに送られる。
【0051】
前述した座標入力有効領域9は、PDPやリアプロジェクタ、LCDパネルなどの表示装置の表示画面で構成することで、インタラクティブな入力装置として、利用可能となる。
【0052】
このように構成することで、入力領域に指などによる入力指示がなされると、上記投光手段から投光された光が、指等の指示手段によって遮られ、センサユニット20の検出手段ではその部位のみの光(再帰反射による反射光)を検出する事ができなくなり、その結果、どの方向からの光が検出できなかったかを判別することが可能となる。つまり制御・演算ユニット21の演算制御手段は、左右のセンサユニット20の光量変化から入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲の情報から遮光位置の方向(角度)をそれぞれ導出する。さらに、前記導出された方向(角度)、及びセンサユニット20L、及び20R間の距離情報等から、入力エリア上の座標位置を算出すると共に、表示装置に接続されているPCなどに、USBなどのインタフェースを経由して座標値を出力する。
【0053】
このようにして、指等の指示具によって、画面上に線を描画したり、表示画面上のアイコン操作によりPCの制御等が可能となる。
【0054】
以降、各部分毎にその構成、動作について詳細説明を行う。
【0055】
〈センサユニット20の詳細説明〉
図7はセンサユニット20中における投光手段の構成例を示したものである。
【0056】
図7−1は投光手段を正面方向(座標入力面に対し垂直方向)から見た図であり、図中31は赤外光を発する赤外LEDであり、発光した光は投光レンズ32によって、略90°範囲に光を投光する。一方、図3−2は同じ構成を横から見た側面図であり(入力面に対し水平方向)、この方向では、赤外LED31からの光は上下方向に制限された光束として投光され、主に、再帰反射手段22に対して光が投光されるように構成されている。
【0057】
図8はセンサユニット20中における検出手段を図示したのものであり、図7と同様に、図8−1は正面方向(座標入力面に対して垂直方向)から、また図8−2はその側面図である。なお正面図8−1中の破線部分は、側面図8−2に示される前述したセンサユニット20中の投光手段の配置を示すものである。本実施例の場合、投光手段と検出手段を重ねて配置しており、その距離Lは、投光手段から再帰反射手段22までの距離に比べて十分に小さな値であり、距離Lを有していても十分な再帰反射光を検出手段で検知することが可能な構成となっている。
【0058】
また、図8−2において本願発明の検出手段は、1次元のラインCCD41および集光光学系としてのレンズ42,43および、入射光の入射方向を制限する絞り44、可視光など余分な光の入射を防止する赤外フィルター45からなり、投光手段で投光された光は、再帰反射手段22によって反射され、前述赤外フィルター45、絞り44を抜けて集光用レンズ42,43によって、CCDの検出面上に集光される。
【0059】
同様に図8−1において説明を加えると、前述した略90°方向に投光された投光手段の光は、再帰反射手段22によって反射され、前述赤外フィルター45、絞り44を抜けて集光用レンズ42,43によって、反射光の入射角に応じたCCD41の画素上に結像することになる。従って、CCD41の出力信号は、反射光の入射角に応じた光量分布を出力することになるので、CCD41画素番号が角度情報を示すことになる。
【0060】
〈制御・演算ユニット21の説明〉
図6の制御・演算ユニット21とセンサユニット20L、 センサユニット20Rの間では、CCDの制御信号、CCD用クロック信号、CCDの出力信号、および、LEDの駆動信号がやり取りされている。
【0061】
図9は制御・演算ユニットのブロック図である。CCD制御信号は、ワンチップマイコンなどで構成される演算制御回路83から出力されており、CCDのシャッタタイミングや、データの出力制御などをおこなっている。CCD用のクロックはクロック発生回路87からセンサユニットに送られると共に、CCDとの同期をとって、各種制御を行うために、演算制御回路83にも入力されている。
【0062】
LED駆動信号は演算制御回路83からLED駆動回路84L、84Rをへて、センサユニット20中の赤外LED31に供給されている。
【0063】
センサユニット20の検出手段であるCCD41からの検出信号は、制御・演算ユニット21中のADコンバータ81L、81Rに入力され、演算制御回路83からの制御によって、デジタル値に変換される。変換されたデジタル値は必要に応じてメモリ82に記憶され、後述する方法で角度算出、さらには座標値が求められ、その結果を外部PCなどにシリアルインタフェース88などを介して出力される。
【0064】
〈光量分布検出の説明〉
図10は制御信号のタイミングチャートである。
【0065】
91,92,93がCCD制御用の制御信号であり、91SH信号の間隔で、CCDのシャッタ解放時間が決定される。92、93はそれぞれ左右のセンサへのゲート信号であり、CCD内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送する信号である。
【0066】
94、95は左右のLEDの駆動信号であり、SHの最初の周期で一方のLED(センサユニット20L中のLED)を点灯するために94の駆動信号がLED駆動回路(この場合LED駆動回路84L)を経てLEDに供給される。次の周期でもう一方のLED(この場合、センサユニット20R中のLED)が駆動される。双方のLEDの駆動が終了した後に、CCDの信号が左右のセンサから読み出される。
【0067】
読み出される信号は、例えば指、或いは指示具等による入力がない場合、つまり遮光部分が無い場合には、それぞれのセンサからの出力として、図11−1のような光量分布が得られる。もちろん、このような分布がどのシステムでも必ず得られるわけではなく、再帰反射シートの特性(前述した再帰反射部材の入射角による再帰反射特性)やLEDを含む投光手段の特性、また、経時変化(反射面の汚れなど)によって、この分布は変化する。
【0068】
図11−1において、Aのレベルが最大光量を検出した時のレベルであり、Bのレベルが最低レベルであるものとし、従って、反射光のない状態では、得られるレベルはB付近になり、反射光量が増えるほどAのレベルに近づく事になる。この様にCCDから出力されたデータは、逐次AD変換されCPUにデジタルデータとして取り込まれる。
【0069】
図11−2は指などで入力を行った、つまり、反射光を遮った場合の出力の例である。Cの部分が指などで反射光が遮られたため、その部分のみ光量が低下している。
【0070】
検出は、この光量分布の変化を検知して行うものであり、具体的に説明すれば、まず図11−1のような入力の無い初期状態(以後、初期状態で得られたデータを初期データと言う)を予めメモリ82に記憶しておき、それぞれのサンプル期間で得られるデータとあらかじめ記憶しておいた初期データとの差分を算出する事で、図11−2のような変化があるかどうかを判別する。
【0071】
〈角度計算の説明〉
角度計算にあたっては、まず、遮光範囲を検出する必要がある。
【0072】
先にも述べた用に、光量分布は経時変化などで一定ではないため、システムの起動時などに前述した初期データを記憶する事が望ましい。つまり、工場等の出荷時に初期データを設定し、そのデータの更新が、逐次行われなければ、例えば所定の位置の再帰反射面にゴミが付着した場合、その部分での再帰反射効率が低下するので、あたかもその位置(センサから見た方向)で座標入力動作が行われた、すなわち誤検出してしまうと言う重大な結果を引き起こす。従って、システムの起動時などに前述した初期データを記憶する事で、再帰反射面が経時的にほこり等で汚れて再帰反射効率が落ちていても、その状態を初期状態として設定しなおすことができるので、誤動作をする事が無くなると言う優れた利点が得られる様になる。
【0073】
さて、電源投入時、入力の無い(遮光部分が無い)状態で、まず投光手段から照明すること無しにCCDの出力をAD変換して、これをBas_data[N]として、メモリ82に記憶する。これは、CCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図11−1のBのレベル付近のデータとなる。ここで、Nは画素番号であり、有効な入力範囲に対応する画素番号が用いられる。次に、投光手段から照明した状態での光量分布を記憶する。図11−1の実線で表されたデータであり、Ref_data[N]とし、初期データの記憶を完了する。
【0074】
これらのデータを用いてまずは入力が成されたか、遮光範囲があるかどうかの判定を行う。あるサンプル期間のデータをNorm_data[N]とする。まず遮光範囲を特定するために、データの変化の絶対量によって、有無を判定する。これは、ノイズなどによる誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出するためである。変化の絶対量を各々の画素において以下の計算を行い、予め決定してある閾値Vthaと比較する。
【0075】
Norm_data_a[N] = Norm_data[N] − Ref_data[N] (1)
従って、Norm_data_a[N]は各画素における絶対変化量に相当する事になる。
【0076】
この処理は、差をとり比較するだけなので、処理時間をさほど使わないので、入力の有無の判定を高速に行う事が可能である。
【0077】
Vthaを初めて超えた画素が所定数を超えて検出されたときに入力があったと判定する。
【0078】
次により高精度に検出するために、変化の比を計算して入力点の決定を行う。図12で121を再帰反射面とする。ここでα領域が汚れなどにより反射率が低下していたとすると、このときのRef _data[N]の分布は、図13−1のように、領域αの反射光量が少なくなる。この状態で、図12のように指などの指示具26が挿入され、ほぼ再帰反射部材の半分を覆ったとすると、反射光量は略半分となるため、図13−2の太線で示した分布Norm_data[N]が観測される。この状態に対して、式(1)を適用すると、図14−1のようになる。ここで、縦軸は初期状態との差分電圧になっている。
【0079】
このデータに対して、閾値Vthaと比較すると、本来の入力範囲をはずれてしまうような場合(図14−1の破線領域)がある。もちろん、閾値Vthaをより小さな値に設定する事で、ある程度の検出は可能となるが、ノイズなどの影響を受ける可能性が大きくなり、座標算出性能を劣化させると言う弊害が発生する。そこで、指示具によって遮られる光量は、α領域、β領域ともに最初の半分(α領域ではV1レベル相当、β領域ではレベルV2相当)であるので、次式で変化の比を計算する。
【0080】
Norm_data_r[N] = Norm_data_a[N] / (Bas_data[N] − Ref_data[N]) (2)
この計算結果を示すと、図14−2のようになり、変動比であらわされるため、反射率が異なる場合でも、等しく扱う事が可能になり、このデータに対して、閾値Vthrを別途設定して、その立ち上がり部と立下り部の画素番号から、例えば両者の中央を入力画素として、高精度に画素情報が取得可能となる。
【0081】
ところで、図14−2は説明のために模式的に描いたものであり、実際の検出信号波形は詳細に表示すると、図15の様になる。いま閾値Vthrと比較して遮光領域の立ちあがり部分は、Nr番目の画素で閾値Vthrを越えたとし、Nf番の画素で閾値Vthrを下まわったと仮定する。この時、出力すべきCCDの画素番号Npを、先に説明した様に、立ち上がり部と立下り部の画素番号の中央値として
Np = Nr + (Nf−Nr)/2 (3)
のように計算してもよいが、そうすると、CCDの画素間隔が出力画素番号の分解能になる。そこで、より高分解能に検出するために、画素の出力レベル情報を用いて演算を行う。
【0082】
図15において、画素番号NrのCCD出力レベルをLr 画素番号Nr−1の出力レベルをLr−1とする。同様に、画素番号Nfの出力レベルをLf、画素番号Nf−1の出力レベルをLf−1とする。このとき検出すべき画素番号を、それぞれのNrv、Nfvとすれば、
Nrv = Nr−1 + ( Vthr − Lr−1 ) / ( Lr − Lr−1 ) (4)
Nfv = Nf−1 + ( Vthr − Lf−1 ) / ( Lf − Lf−1 ) (5)
と計算すれば、出力レベルに応じた仮想の画素番号、つまりCCDの画素番号よりも細かい画素番号を取得でき、出力される仮想中心画素Npvは、
Npv = Nrv + (Nfv−Nrv)/2 (6)
で決定される。
【0083】
このように、画素番号とその画素の出力レベルから仮想的な画素番号を計算することで、より分解能の高い検出が可能となる。
【0084】
〈CCD画素情報から角度情報への変換〉
さて、得られた中央画素番号から、実際の座標値を計算するためには、前述の画素番号を角度情報に変換する必要がある。
【0085】
図16は得られた画素番号と角度Θの関係をプロットしたものである。この関係の近似式
Θ=f(N) (7)
を求め、この近似式よりデータの変換を行う。本願発明では、1次近似式を用いて近似できる様に、先に説明したセンサユニット20中の検出手段のレンズ群を構成するが、レンズの光学的収差等により、より高次な近似式を用いたほうが、より高精度に角度情報を得る事が可能となる場合がある。どのようなレンズ群を採用するかは、製造コストと密接に関連し、レンズ群の製造原価を下げる事によって一般的に発生する光学的な歪を、より高次の近似式を用いて補正する場合には、それなりの演算能力(演算速度)を要求されるので、目的とする製品に要求される座標算出精度を鑑みながら、その両者を適宜設定すれば良い。
【0086】
一方、後述する方法で角度情報から座標値を算出する場合には、得られた画素番号から角度そのものを算出するよりも、その角度における正接(tangent)の値を求めるほうが、三角関数の演算を省略する事が可能となるので都合が良い。そこで、画素番号に対するtanθの関係を求めて、近似式を導出し、その近似式を用いて画素番号からtanθ値への変換を行う。例えば、近似式として5次多項式を用いる場合には、係数が6個必要になるので、出荷時などにこのデータを不揮発性メモリーなどに記憶する。今5次多項式の係数をL5,L4,L3,L2,L1,L0とした時、tanθは
tanθ=(L5 *Npr + L4) *Npr + L3) *Npr + L2) *Npr + L1) *Npr + L0 (8)
で得られる。同様な演算を各々のセンサに対して行えば、それぞれの角度データを決定できる。
【0087】
〈座標計算方法の説明〉
図17は画面座標との位置関係を示す図である。座標入力有効エリア9の水平方向にX軸、垂直方向にY軸を、そして座標入力有効エリア9の中央を原点位置に配置するものとし、入力範囲9の上辺左右にセンサユニット20L、及びセンサユニット20RをY軸に対称に取り付け、そのセンサユニット間の距離をDsとする。また図示されている様に、センサユニット20のCCDの受光面は、その法線方向がX軸と45°の角度を成すように配置され、その法線方向を0°と定義する。この時角度の符号は、左側に配置されたセンサユニット20Lの場合には、時計回りの方向を『+』方向に、また右側に配置されたセンサユニット20Rの場合には、反時計回りの方向を『+』方向と定義する。さらには、図中P0は前述した各センサの法線方向の交点位置であり、Y軸方向の原点からの距離をP0yと定義する。この時、それぞれのセンサユニット20で得られた角度をθL、θRとして、検出すべき点Pの座標P(x,y)は、
【外1】
Figure 2005004682
【0088】
で得られる。
【0089】
以上述べたように、指等による指示具により遮光された部位の位置座標を算出する座標入力装置ついて説明したが、ここで座標入力装置と大型の表示機とを一体に構成した入出力一体型装置の具体的使用例、操作例について検討してみる。
【0090】
その第一の使い勝手は、本願発明の座標入力装置が例えば特定の領域の座標値(特定の領域とは、例えばある座標値を中心とした半径Rの領域、或いは、ある座標値を重心とした多角形等の意味で、ある面積を有する特定の場所)を出力した場合に、その特定領域に割り付けられた動作を実行するように構成したものである。つまり、前述した特定領域に相当する部位に、表示装置によりスイッチを示すアイコンを表示させ、操作者がそのアイコンをタッチ(クリック)する事によって、その領域内のいずれかの座標値を本願発明の座標入力装置が出力し、スイッチに割り付けられた動作を実行するように構成したものである。
【0091】
第二の使い勝手は、操作者による指、指示具等の移動動作に伴ない、その移動に応じた検出座標値を連続的に出力して、その座標情報に基づきあたかも『鉛筆と紙』の様な関係で、表示装置により前述指、指示具等の移動軌跡(以後筆跡と称す)を表示させる事である。表示装置と座標入力装置を一体に組み合わせた装置をこの様に構成する事で、周知の『インクペンを用いたホワイトボード』と同様に、文字や図形の入力がダイレクトに行える利点が得られる。
【0092】
第三の使い勝手は、操作者による指、指示具等のタップ動作、つまり、指により例えば連続的に表示スクリーンを2回タッチすることによって、現状、特にパーソナルコンピュータのマウス動作で周知されている『ダブルクリック』を実現する使い勝手である。具体的に述べれば、通常の座標入力装置は、所定周期毎に座標値を出力(例えば、100点/秒の座標検出サンプリングレートであれば、5msec毎に座標を出力する能力を有する)することができるので、座標出力タイミングとその時出力される座標値で、つまり、ある時間に座標値Aが出力され、次の座標サンプリングで座標値が検出されない(例えば100点/秒の座標検出サンプリングレートの時、5msec時間が経過しても座標値が検出されない)状態にあって、次に出力された座標値Bが、座標値Aが出力された時間から所定時間以内で、かつ座標値Aと座標値Bが略等しい場合に、ダブルクリック動作が行われたかどうかを判断する。
【0093】
この様に、座標入力装置と表示装置を組み合わせて入出力一体の装置を構成する場合の課題について説明する。図18は課題を説明するための説明図であって、図18−2は正面方向からのみた配置図であり、例えば、座標入力有効領域の左下隅部にスイッチ領域を設置した場合の例である。つまり、操作者が指等の指示具で、その領域を指示することによって、スイッチのオン/オフ相当の制御をできる様に意図した構成であって、例えば、有る特定の領域を指示する事によって、特定のアプリケーションを起動できるようにしたものである。図18−1は図18−2におけるA−A断面の概略を示すものである。9は座標入力有効面を含む平面部材であって、表示装置の表示面を兼ねる。センサユニット20中の投光手段で照明された光束は、略表示装置の表面に平行に放射され、再帰反射手段22によって再帰反射されセンサユニット20中の検出手段にて検知される。この光束は図18−1に示すが如く表示面からの高さh1〜h2の範囲に設定(再帰反射手段22の設置範囲に相当)されるが、この高さh1を『0』に設定する事は、さらにはh1≒h2とする事は、次の理由により困難である。
【0094】
一般に大型の表示装置、特に大勢の参加者が表示装置を用いて会議を行う会議システムにあっては、その表示サイズは対角60インチ〜100インチ程度、或いはそれ以上の大きさの表示装置が要求される。さらには、表示装置の表面を座標入力面としている事から、指等によって押圧されてもその表示面はたわまない事が要求される。従って、剛性を有する素材で表示面を製作する事になるが、その表示領域が大きい事、透明性が必要である事を考慮して、例えばガラスを用いるものとすれば、その板厚はかなり厚いものが要求され、重量の大きな装置とならざるを得ない。
【0095】
さらには、現状の大型表示装置として用いられるリアプロジェクタ方式の表示装置にあっては、その表示面はフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学特性を有する透明な樹脂板で構成されるのが通例であり、板厚増は重量の増大のみならず、光透過率等が悪化し、表示装置としての機能を低下させる事になる。
【0096】
そこで通常行われる対策としては、わずかながらでも表示面に曲率を設け、剛性を増す方法が実施される。今仮に図19−1の如く表示面の中央部を凸となるように構成した場合、表示領域中央部でのh1を限りなく『0』に設定する事は可能となるが、表示領域周辺部では、表示面が凸となっている事で、光束が表示面によって遮断されるので、少なくともそのふくらみ高さ分だけh1を設定しなければならず、h1を『0』に設定する事はできない(具体的に表示面のふくらみを、周辺部より中央部でたとえば5mm高くすると、周辺部でのh1は少なくとも5mmと言う事になる)。逆に、表示面の中央部を凹とした場合であっても、今度は表示領域周辺部でほぼ『0』に設定する事は可能であるが、表示領域中央部ではそうならない。
【0097】
以上剛性と言う観点で説明したが、仮に十分な剛性が得られたとしても、このh1を『0』に設定する事は困難である。具体的な数字を持って説明するほうがイメージしやすいので、仮に表示サイズが対角70インチ、縦横比3:4の表示装置があるとすると、表示領域の大きさは、約1060mm×1420mm程度で、面積としては約1.5mに相当する。表示面の素材の平面度、取り付け面の平面度、或いは熱膨張の影響とかを考慮して、この表示面を装置に組み込んだ状態で、その表示面の平面度をほぼ『0』に維持する事は不可能であるし、たとえその値が±1mm程度で有ったとしても、産業上大きな困難が伴なう。従って、h1の値を『0』に設定する事は困難と言えるのである。
【0098】
さて以上述べたような状況において、先に述べた第一の操作例にて説明をさらに加えるものとし、図18−2の様に、座標入力有効領域9内に図示するが如くスイッチ領域を複数設定するものとする。この時操作者が例えばスイッチ2(SW2)を動作させて、所望のアプリケーションを実行させようとした場合を考える。操作者の手/指は、表示面に垂直な方向のみの移動を意識してスイッチ動作(図18−2のSW2領域を触る行為)するのではなく、『表示面をまさに触った点がちょうどSW2領域にある』と言う事以外、手/指の移動軌跡は意識しないのが普通であり、例えば図18−1中の太い矢印で示された軌跡で動作が行われる。
【0099】
この移動動作に伴ない、座標入力装置が判定する動作について説明すると、まず操作者がSW2領域に割り付けられた制御を実行させようとして、SW2領域をタッチするために、表示面9に略平行に設定された光束を遮り始め、▲1▼の位置まで指/手を移動させたとする。光束を遮り始めた時点で、本願発明の座標入力装置は、その遮光位置の座標を出力し始め、▲1▼の状態になった時には、ダウンフラグをセットする。このダウンフラグは、操作者が座標入力面をタッチしたかを判定するために、座標値と共に出力される判定フラグであり、遮られた光がどの程度であるか(先に説明した通り、光束の何%を遮光したかを判断できる)を判定して決定される。その判定閾値をどのレベルに設定するかで、フラグがセットされる位置は変化するが、少なくとも▲1▼の状態は光束のほぼ全てを遮っているため、ダウンフラグセット状態となる。この時点では、操作者はまだ表示面9を触れていないので、スイッチを動作させたつもりには至っていないが、▲2▼の位置(表示面9に接触した位置)でSW2領域を押圧、つまりスイッチ動作をさせたと認知する事になる。操作者はスイッチ動作をさせたと言う目的を達成して、▲3▼の位置に指/手を移動させることになるが、▲3▼の位置にあっても、座標入力装置はダウンフラグをセットしたまま(光束のほぼ全てが遮られているため)、座標値を出力し続けている。そして▲4▼の位置に移動するにつれて、座標値は連続的に出力しているものの、遮られる光の量がだんだんと減り、判定閾値の値に応じた位置でダウンフラグが解除され、やがて光束を遮る事が無くなった所で、座標出力を停止する事になる。
【0100】
さて、ここで問題となるのが、操作者が認知したのは、▲2▼の状態で『SW2領域を押圧した』と言う点だけであるのに対し、本願発明の座標入力装置は、図18−1に示されるダウンフラグと書かれた領域で、座標値と共にダウンフラグセット信号を出力している点である。
【0101】
つまり、一連の操作者の移動動作によって、ダウンフラグがセットされた状態で最後に出力された座標値が、SW3領域にある場合には、操作者は確実にSW2領域を押圧したにもかかわらず、SW3領域に割り付けられた実行命令が実行されてしまうことになる。これは、操作者に狼狽を与えるばかりでなく、実行命令の内容によっては、修復不可能な状態を招く重大な恐れが生じることになる。
【0102】
その対策としては、例えばSW1領域とSW2領域の間(隙間)を十分に大きくとる、或いは、ダウンフラグがセットされている時の座標値を連続的に監視し、例えばその期間中に出力された座標値の中心を確定値とする等の手段も考えられるが、前者は、スイッチ間が大きく、操作性が悪い、或いは限られた領域に多数のスイッチを配置できない等の課題が新たに生じるし、後者は、例えば『間違った領域を指し示してしまったけど、▲2▼の状態のまま指を移動させて、正しい位置で指を離す事によって、目的を達成する』等の動作は良く行われるので、必ずしも中心位置が操作者が意図した正しい位置とは限らないのである。
【0103】
この現象を、先に述べた第二の操作例で説明すれば、今操作者が『あ』と言う文字を入力するために、指もしくは指示具相当のものを図20−1に示すが如く移動動作させた場合を想定する。操作者は図21−1に示すが如く『あ』と言う文字を想定して、図21−1における実線部分を入力面にタッチして操作し、図21−1に擱ける破線部分を入力面をタッチすることなく移動動作を実行することになる。つまり操作者は、『入力面をタッチ』する事を認知して筆跡を残すことを想定するが、実際には入力面をタッチする直前/直後において『入力面をタッチ』していないにも関わらずダウンフラグがセットされ、実際に表示される文字情報は図20−2の様になる。つまり『あ』と言う文字を入力したにもかかわらず、入力面をタッチする直前/直後において、余分な軌跡が表示され、操作者が意図した軌跡とは異なる表示が得られる様になる。この現象を以後『尾引き』と称するが、尾引きの発生により、操作者の意図する情報が表示されずに、『見にくい』『小さい字は書けない』『細かい図形情報は描けない』等の問題が発生する。
【0104】
さらに、先に述べた第三の操作例で説明すれば、操作者がダブルクリック動作を実現しようとする場合、上述した通り操作者に認識できるのは、『入力面をタッチしたか、しないか』だけであり、一連の動作『入力面をタッチ(1回目)』『離す』『入力面をタッチ(2回目)』において『離す』の動作の際に、ペンダウン信号がリセットされなければ、操作者が『ダブルクリック実行』と認識しているにも関わらず、座標入力装置は、その間ペンダウン信号を生成しているので、操作者の意図に反する動作を実行してしまう。この問題を解決し、確実にダブルクリック動作を実現するためには、『十分なストローク』を持って『離す』動作をしなければならず、しかも操作者はその『十分なストローク』がどの程度かを即座に認知する事ができないので、オーバーアクションをせざるを得ない。つまり操作性に優れた装置とは言う事ができないのである。
【0105】
従って、操作者が何ら違和感を感じること無く、細かい文字を入力したりできる様にするためには、この種の座標入力装置にあっては、指示具が座標入力面を押圧しているかを検出する検知手段は重要な構成となる。また課題の項でも述べた通り、その一方で指示具が座標入力面を押圧しているにもかかわらず、そのことが検出されないと、どのような現象が発生するかについて述べれば、再び図20に戻って、操作者がペン先スイッチ1を内蔵した指示具を用いて図20−1の様な動作を行ったと仮定する。操作者は指示具を▲1▼から▲2▼へと移動させる際に、指示具の先端部を座標入力面に接触、押圧させたが、例えば▲1▼の位置近傍においては十分な筆圧を負荷しておらず、指示具の移動に伴ない筆圧が上昇し、そして▲2▼の位置においてまた筆圧が低下してしまったとする。この時、▲1▼及び▲2▼の位置付近で筆圧が軽いために、指示具に内蔵されているペン先スイッチ1がON状態とならない可能性があり、その結果としてペンダウン信号が生成されなければ、図20−3に示すが如く、文字を書く際のストローク毎に、そのストロークの書き始めと、書き終わりの位置の筆跡が表示されなくなる欠点が露見する。
【0106】
従ってこの観点で言えば、ペン先スイッチの動作荷重はできるだけ小さいのが好ましく、さらには、ペン先スイッチの動作ストロークもできるだけ小さくする事が求められる。一方において、ペン先スイッチの動作荷重を小さくする事の弊害として考えられるのが、ペン先2、及びスライド部材3の質量である。両者の質量が例えば併せて2g程度でると仮定し、動作ON荷重1g、動作OFF荷重1gのスイッチであれば、指示具の姿勢にもよるがスイッチ自身の復元力よりも両者の質量が大きくなり、スイッチとして機能を失う可能性が高くなる(一度ON状態になると、負荷を除去しても両者の重量によりスイッチがOFF状態とならない)。さらには、指示具であることを考慮すると、操作者の動作により発生する加速度、つまり操作者がある目的で表示領域の端から端まで高速で指示具を移動するような場合、ペン先端部がどこにも接触していなくても、スイッチが動作してしまう事が起こりえる。測定の結果、この種の用途では重力加速度の10倍程度を見込めば、この様な誤動作は発生しないので、例えば、ペン先2、及びスライド部材3の質量が併せて2g程度であれば、ペン先スイッチ1の動作荷重を20g以上とするのが好ましい形態と言える。以上を鑑み、本願発明の座標入力装置用入力ペンのペン先スイッチ1は、動作ストローク50μ、動作荷重25gになるように構成され、操作性の良い指示具を実現している。
【0107】
さて、本願発明の様に指示具の状態を光信号として放射するような入力ペンを、先に説明した様に、光の遮光によりその遮光位置を算出する座標入力装置に適用する場合、実際の動作では、座標取得のための発光(図9において、CPU83の制御に基づき動作するLED駆動回路84、及びLED駆動回路84によって駆動されるセンサユニット20中のLED31)と、ペン信号の発光とは同期が取れていないため、座標取得のための発光と、ペン発光が重なる場合が生じる。図23はそのような場合を示したものであり、上段がペン発光信号、下段が座標取得のためのLEDの発光信号94、95(図10参照)である。図23において、ペン発光信号がAの場合には、ペン発光と座標用発行のタイミングが確実にずれているため問題はないが、同図Bの場合にはペン発光の一部が、またCでは全部の発光が重なっている。このような重なりがあると座標取得用の信号に飽和が生じたり、あるいは、波形変形を引き起こし検出誤差の原因となりかねない。そこで、両者の発光が重ならないよう制御する必要がある。
【0108】
図24はその一例を示すものである。図中510は受光IC8の出力、511はこの信号がアクティブの時には座標取得を禁止する座標取得禁止信号で、CPU83によって先頭の受光があってから一定時間アクティブ(この場合はLOW)となる。512、513は座標取得用の発光信号である。まず、制御ユニット2中のCPU83は、ある一定時間毎に座標取得をするために発光を行うが、その発光の前に入力ペンの発光がないか調べる動作を行う。座標取得禁止信号511を監視し、これがアクティブでなければ、座標取得動作用発光を開始するが、座標取得禁止信号511がアクティブの場合には、座標取得禁止信号が非アクティブになるまで待ってから(図中A点)座標取得を行う。
【0109】
一方、座標取得のための発光中に仮にペン発光がなされ、座標取得禁止信号511がアクティブになる場合がある。そのときには図24−2のように、座標取得禁止信号511は非アクティブなので、座標取得のための発光動作を開始するが、その発光動作中に座標取得禁止信号511がアクティブになるので、この場合には得られたデータを無効にし、座標取得禁止信号511が非アクティブになるのを待って、もう一度取得動作をやりなおすことにする。本実施例では、座標取得禁止信号511がアクティブとなる時間は、座標取得用発光時間より長く設定してあるので、座標取得のための発光を開始する直前、及びその直後に座標取得禁止信号511を監視すれば、両者が同時に発光することが無いように構成できる。さらには、先にも説明した様に、本願発明の座標入力装置は一定周期で座標を検出するように構成されているので、ペン発光が検知されない場合には、その所定周期で座標入力用の発光が行われる。そしてペンによる発光が検知され、その両者が重なった場合には、座標の読み込みが再度行われ、あたかもその再読みこのタイミングをトリガとして、所定周期毎に座標出力が行われるようになる。従って、座標取得発光の際に禁止信号511をチェックするだけで、発光の重複を回避することが可能になり、精度の低下等を防止する事が可能となる。
【0110】
上記実施例では、座標取得用発光期間よりも長い時間、座標取得禁止信号511をアクティブに保持していたが、演算制御手段の処理に余裕があるような場合、つまり、常に禁止信号をモニタできるような構成の場合には禁止信号511は発光にかかる時間だけアクティブにすればよい。例えば、図21のような信号構成であればスタートビットからストップビットの発光が終了するまでの時間、禁止するように構成することが可能となる。
【0111】
さて、図25はデータ取得から座標計算までの工程を示したフローチャートであり、本願発明の座標入力装置の一連の処理工程を詳述する。
【0112】
まずS101で電源投入が行われると、S102で演算制御回路などのポート設定、タイマ設定などさまざまな初期化が行われる。S103は立ち上げ時のみに行う不要電荷除去のための準備である。CCDなどの光電変換素子においては、動作させていない時に不要な電荷が蓄積している場合があり、そのデータをそのままリファレンスデータとして用いると、検出不能、あるいは誤検出の原因となる。それを避けるために、前述した投光手段の照明無しの状態で、CCDからのデータをS103で予め設定された回数読み出す(S104)ことにより、CCDに蓄積されていた不要電荷の除去を行っている。S105は所定回数繰り返すための判断文である。S106は投射手段の照明無しの状態でのデータの取り込みであり、リファレンスデータとして上述したBas_data[N]の取得に相当し、S107にてメモリに記憶され、以降の計算に用いられる。
【0113】
S108では、投射手段で照明したときの初期光量分布に相当するリファレンスデータRef_data[N]の取り込みを行い、S109にて同様にメモリーに記憶する。
【0114】
以上のステップまでが、電源投入時の初期設定動作と言う事になるが、この初期設定動作は、リセットスイッチ等により操作者の意図によって動作するように構成しても良い事は言うまでも無く、この初期設定動作を経て、通常の取り込み動作状態に移行することになる。
【0115】
まずS121にて、入力ペンの発光の有無を示す座標取得禁止信号511をチェックする。この信号がアクティブであれば非アクティブになるまでチェックを繰り返し、非アクティブになったらS110に進み、光量分布を取り込む。取り込んだあとに再び座標取得禁止信号をチェックし(S122)、非アクティブであれば次にすすみ、そうでなければS121に戻る。
【0116】
信号が正常に取得できたら、S111でRef_dataとの差分値で遮光部分の有無を判定する。無いと判定されたときには、S110にもどりまた取り込みを行う。
【0117】
このとき、この繰り返し周期を10[msec]程度に設定すれば、100回/秒のサンプリングになる。
【0118】
S112で遮光領域が有りと判定されたら、S113で式(2)の処理により比を計算する。S114にて、得られた比に対して閾値で立ち上がり部、立下り部を決定し、(4)、(5)、(6)式で画素番号を計算する。得られた画素番号から近似多項式より例えばTanθを算出し(S115)、左右のセンサユニットでのTanθ値からx、y座標を(9)、(10)式を用いて算出する(S116)。
【0119】
次にS117にて指等の指示具が座標入力面をタッチしているかの判定を行う。先に説明した通り、入力ペンからの発光があるか否かを判定する事は受光IC8の出力を監視することで容易に判定でき、入力ペンからの発光がある場合には、スイッチ信号を復調する事によって、ペン先スイッチ1が動作している状態か否かを判定できるので、ペン先部材2が入力面を押圧してペン先スイッチ1が動作している状態を示すダウンフラグをセットし(S118)、そうでない場合にはダウンフラグをリセットする(S119)。
【0120】
一方、入力ペンからの発光が無い場合には、指等の指示手段により座標入力が行われている物と判断できるので、この場合のダウンフラグの判定は、次の様に行う。すでに図12、図13を用いて説明した様に、指等の指示具が完全に光を遮光、つまり座標入力面をタッチする事によって、完全に光がさえぎられるようになると、その部分で検出される画素の出力によって得られる比の値(図14−2参照)は1に近づくので(先に説明した様に、半分程度が遮光されるとその値は0.5)、この値を監視することによって、指等の指示具が座標入力面をタッチしているかどうかを判別することが可能となり、ダウンフラグのセット(S118)あるいはリセット(S119)を行う。無論、指等による座標入力は、以上説明してきた専用の指示具を用いた入力に比べ、例えば操作者の意図する軌跡を忠実に残す事はできないが、道具を用いることなく座標入力が行えると言う利点は有するので、操作の目的に応じてアプリケーションを切り替えれば良い。
【0121】
さて、この様に構成する事で、表示画面上のカーソルを移動させることができる状態と、指示具を移動させることによって、表示画面上のカーソル移動が筆跡となって表示される状態(通常良く知られているマウスで説明すれば、マウス左ボタンを押した状態でマウスを操作することに相当)を作り出す事ができる。S120では、座標値とダウン状態が決定されたので、そのデータをホストPCへ送信する。これは、USB、RS232などのシリアル通信で送っても良いし、任意のインタフェースで送れば良い。送られたPC側では、ドライバーがデータを解釈し、カーソルの移動、マウスボタン状態の変更などを座標値、フラグなどを参照しておこなう事で、PC画面の操作が可能になる。S120の処理が終了したら、S110の動作に戻り、以降電源OFF、もしくは、操作者の意図によってリセット状態が設定されるまで、この処理を繰り返す事になる。
【0122】
さて、本願発明の第二の実施例が如く、指示具の先端が座標入力面とどのような位置関係にあるかを正確に判定するペン先スイッチ1を設ける事で、先に説明した『尾引き』等の障害、あるいは操作性の低下等を回避することが可能となる。この様な専用の筆記具を用いた場合には、次のように構成する事で、新たな利点を得る事が可能となる。図19で説明した通り、指等の遮蔽物によって座標入力を行う場合には、ダウンフラグの設定の制約によりh1あるいはh2の値をできるだけ小さくするのが好ましいとされた。しかしながら専用の筆記具を用いる場合には、別の手段によってダウンフラグの設定は容易に行えるので、この制約が無くなる。従って、図19−2に示すが如く意図的にh1の値を設定し、座標入力面より離れた位置にあっても座標入力を行えるように構成できる。使い勝手としては、座標入力面より離れた位置にあっても指示具の位置を検出できるので、その座標検出値に例えば表示されているカーソルを移動することで、指示具の位置を表示画面上で確認できるようになり、表示画面上の所望の位置を正確に指示することができる優れた利点が得られるようになる。この離れた位置でも座標入力が行える機能は、一般に『近接入力』と称され、近接入力を実現するために図19−2に示すが如く意図的にh1の値を設定し、h1の値を設定する事で生じる各種障害をペン先スイッチ1の状態を検知する事で解消している。
【0123】
従って、ペンによる座標入力、及び指等の任意の遮蔽物による座標入力のどちらをも実現できる座標入力装置にあっては、任意の遮蔽物による座標入力の際には、h1の値をできるだけ小さく、逆にペンによって座標入力が行われる際には、h1の値をできるだけ大きく設定するように構成するのが好ましい。
【0124】
【発明の効果】
以上述べたように本願発明では、50μ程度のストロークで、しかも25g程度と言う軽荷重で動作するスイッチ手段を実現する事で、操作性の良い座標入力用入力ペンを実現した。さらには、そのスイッチ手段を大量に生産する場合であっても、その性能のばらつきが小さく安定した性能を有するので、信頼性向上に寄与するとともに、簡単な製造工程で生産できるので、安価に供給することができる優れた利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の座標入力ペンの概略構成図
【図2】座標入力ペンのペン先部の断面図
【図3】ペン先スイッチ1の第一実施例を説明する説明図
【図4】ペン先スイッチ1の第二実施例を説明する説明図
【図5】ペン先スイッチ1の第三実施例を説明する説明図
【図6】遮光式座標入力装置の概略項製図
【図7】座標検出用の投光手段の説明図
【図8】座標検出用の検出手段の説明図
【図9】制御・演算ユニット21のブロック図
【図10】発光のタイミングチャート
【図11】検出手段で検出される光量分布の一例
【図12】経時変化の例の説明図
【図13】光量変化の説明図
【図14】光量変化量と光量変化率の説明図
【図15】遮光範囲検出の説明図
【図16】画素番号Nと角度Θの関係の説明図
【図17】座標値算出の説明図
【図18】課題を説明するための説明図
【図19】光束と座標入力面の位置関係を説明する説明図
【図20】文字入力の際に発生する不具合を説明する説明図
【図21】入力ペンの発光信号
【図22】信号伝送の説明図
【図23】入力ペンの発光により発生する障害を説明する説明図
【図24】障害を回避するためのタイミングチャート
【図25】制御のフローチャート
【符号の説明】
1 ペン先スイッチ
2 ペン先
3 スライド部材
4 発光LED
9 座標入力有効領域(座標入力面)
20L,20R センサユニット
21 制御ユニット
22 再帰反射部材
101 シリンダ部材
102 導電性シート部材
103 スペーサ部材
104 基板

Claims (6)

  1. 座標入力装置用ペンのペン先端部が、座標入力面を押圧する事によって動作するペンダウン検出用のスイッチ手段であって、
    前記スイッチ手段を押圧する押圧手段を所定方向に変位させるシリンダ手段と、
    少なくともその片面に導電性部材を設けた導電性シート部材と、
    電極パターンを施した基板と、
    前記基板と前記導電性シートのギャップを保持するための円環状のスペーサ部材を有し、
    前記シリンダ手段、導電性シート部材、スペーサ部材、基板を順に一体に構成したスイッチ手段を搭載したことを特徴とする座標入力装置用入力ペン。
  2. 前記第一項記載の座標入力装置用入力ペンであって、
    前記シリンダ手段に複数のピンを設け、前記導電性シート部材、スペーサ部材、基板の各々に設けられた貫通穴に前記ピンを挿入し、前記シリンダ手段、前記導電性シート部材、スペーサ部材、基板の位置関係を決定する位置決め手段を有するスイッチ手段を搭載した事を事を特徴とする座標入力用入力ペン。
  3. 前記第一項、第二項記載の座標入力装置用入力ペンであって、
    前記シリンダ手段の複数のピンを用いて、シリンダ手段、導電性シート、スペーサシート、基板の位置関係を決定後、ピン先端部を熱変形させる事によって、その4者を一体に固定したスイッチ手段を搭載した事を特徴とする座標入力用入力ペン。
  4. 前記第一項記載の座標入力装置用入力ペンであって、
    円盤状の外周の一部に突起部を有する前記導電性シート部材と、前記突起部が対向する位置に設けられた前記基板上の電極パターンとの電気的接続を得るために、前記導電性シート部材の突起部には熱溶融性の接着層が設けられ、前記シリンダ手段、前記導電性シート部材、スペーサ部材、基板を一体に構成した後に、熱溶融製接着剤により電気的接続を行うスイッチ手段を搭載した事を特徴とする座標入力用入力ペン。
  5. 前記第一項記載の座標入力装置用入力ペンであって、
    円盤状の外周の一部に突起部を有する前記導電性シート部材と、前記突起部が対向する位置に設けられた前記基板上の電極パターンとの電気的接続を得るために、前記導電性シート部材と前記基板上の電極パターン間に、導電性ゴム手段を設け、前記シリンダ手段、前記導電性シート部材、スペーサ部材、基板を一体に構成する際に前記導電性ゴム手段が変形し、前記導電性シート部材と基板間の電気的接続を行うスイッチ手段を搭載した事を特徴とする座標入力用入力ペン。
  6. 前記第一項記載の座標入力装置用入力ペンであって、
    円盤状の外周の一部に突起部を有する前記導電性シート部材と、前記突起部が対向する位置に設けられた前記基板上の電極パターンとの電気的接続を得るために、前記シリンダ部材と導電性シート部材の間に、ゴム手段を設け、前記シリンダ手段、前記導電性シート部材、スペーサ部材、基板を一体に構成する際に前記ゴム手段が変形し、前記導電性シート部材と基板間の電気的接続を行うスイッチ手段を搭載した事を特徴とする座標入力用入力ペン。
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