JP2005004559A - トラックボール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、小さな回転操作力でボールを回転させることができると共に、適正なクリック感を操作者に伝達できる、操作性に優れたトラックボール装置を提供すること。
【解決手段】本発明のトラックボール装置は、回転操作可能なボール8と、このボール8の下方に所定寸法の隙間を有して配設されたローラ7とを備え、ローラ7は、所定のクリック感を発生可能なクリック発生手段9に回転可能に支持され、ボール8は、回転操作することにより下方に押し下げられてローラ7に当接可能とされ、ボール8が当接して回転するローラ7を介してクリック発生手段からのクリック感がボール8に伝達される。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のトラックボール装置は、回転操作可能なボール8と、このボール8の下方に所定寸法の隙間を有して配設されたローラ7とを備え、ローラ7は、所定のクリック感を発生可能なクリック発生手段9に回転可能に支持され、ボール8は、回転操作することにより下方に押し下げられてローラ7に当接可能とされ、ボール8が当接して回転するローラ7を介してクリック発生手段からのクリック感がボール8に伝達される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトラックボール装置に係わり、特に、ボールを回転操作することにより電子機器に所望の情報を入力可能なトラックボール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のトラックボール装置としては、特開2002−14016号公報に記載されたトラックボール装置が知られている。
この従来トラックボール装置は、図7〜図9に示すように、ボール21は、底板23と蓋板24とを有するケース22に収納されている。そして、ボール21は、ケース22の内部に90°間隔で設けられた4箇所の支持部22A〜22Dの面により、中心より若干下方の位置の外周面が回転自在に支持されると共に、蓋板24中央の丸孔24Aから上端部が露出している。
【0003】
また、ボール21は、着磁されてない磁性材料からなる3本の棒体26、27、28を互いに直交する三軸上に配置・結合した可動磁性体25を、各棒体26、27、28の両端部26A、26B、27A、27B、28A、28Bが、それぞれ表面近傍まで達するように樹脂部29内に内蔵され、その全表面は、硬くてなめらかな絶縁膜30で覆われている。
【0004】
また、ケース22には、2対(4個)の固定磁性部材31〜34が装着・固定されている。この固定磁性部材31〜34は、いずれもボール21の中心に対して同極性(例えばN極)を有するように着磁されて、ボール21に内蔵された3本の棒体26〜28のそれぞれの両端部と磁気結合するようになっている。
従って、通常状態において、図12に示すように、ボール21は、内蔵した3本の棒体26〜28の内の、2本の両端部がそれぞれ1対ずつ固定磁性部材(31、33)および(32、34)に強く吸引されて、互いが最も接近した状態で対峙する位置で停止している。
【0005】
また、底板23上には、FPC(フレキシブルプリント基板)等からなる配線基板35が貼付され、その上面の配線部には、2対の固定磁性部材31〜34の下方位置、即ち直交する二軸方向それぞれに、1対ずつのホール素子(36A、36B)および(37A、37B)が、それぞれの検出位置をずらせるように、中心から距離をちがえて装着されている。
【0006】
このような従来のトラックボール装置の動作について説明すると、図7に示す通常状態におけるボール21を、図8に示す矢印方向に回転操作すると、棒体26の両端部26A、26Bに対する固定磁石部材31、33の吸引力に逆らって回転する。そして、その回転角度が棒体26と27の中間角度位置である略45°の位置を過ぎると、棒体28の両端部28A、28Bが固定磁性部材33、31にそれぞれ吸引される力が強くなりボール21は、左方向略90°の位置まで回転する。
【0007】
引き続きボール21に回転力を加えると、同様に90°毎に安定位置となる回転を繰り返す。
そのために、ボール21は、90°回転毎に回転が重くなったり軽くなったりしてクリック感が発生するようになっていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−140160号公報
特開2001−290596号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来のトラックボール装置は、ケース22の内部に90°間隔で4箇所に設けられた支持部22A〜22Dの面に、ボール21の外周面が支持されているが、ボール21の外周面と4箇所の支持部22A〜22Dの面との接触面積が大きくなる。そのために、ボール21の回転操作力が大きくなり、ボール21の回転操作性が悪くなるおそれがあった。
また、ボールをスムーズに90°回転させるのが難しいために、適正なクリック感が発生しなくなるおそれがあった。
【0010】
また、ボール21には、互いに直交する三軸上に配置・結合した磁性材料からなる3本の棒体26、27、28を内蔵しているので、ボール21の製造が複雑となり、コストアップになる問題があった。
本発明は、前述したしたような課題を解決して、小さな回転操作力でボールを回転させることができると共に、適正なクリック感を操作者に伝達できる、操作性に優れたトラックボール装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段として本発明のトラックボール装置は、回転操作可能なボールと、このボールの下方に所定寸法の隙間を有して配設されたローラとを備え、前記ローラは、所定のクリック感を発生可能なクリック発生手段に回転可能に支持され、前記ボールは、回転操作することにより下方に押し下げられて前記ローラに当接可能とされ、
前記ボールが前記当接して回転する前記ローラを介して前記クリック発生手段からの前記クリック感が前記ボールに伝達されることを特徴とする。
【0012】
また、前記課題を解決するための第2の手段として、前記ローラは、前記ボールの水平方向における直径寸法の外周縁部より下方側で、前記直径寸法より内側の位置に、前記ボールとの間に隙間を設けて90°の等間隔の位置に配設されていることを特徴とする。
【0013】
また、前記課題を解決するための第3の手段として、前記ボールは、バネ部材で上方に弾性付勢されて前記ローラとの間に前記隙間が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のトラックボール装置。
【0014】
また、前記課題を解決するための第4の手段として、前記上方に弾性付勢される前記ボールは、カバーに支持されて前記隙間が所定寸法に設定されていることを特徴とする。
【0015】
また、前記課題を解決するための第5の手段として、前記ボールは、前記カバーに形成した開口部から外周面の一部が露出しており、この露出部分を回転操作することにより前記バネ部材の付勢力に抗して前記下方に押し下げられて、前記ローラに当接するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、前記課題を解決するための第6の手段として、前記クリック発生手段には、前記ローラの一端部側を回転可能に支持すると共に回転円周上に複数のカム山が形成された回転体と、前記複数のカム山に弾性付勢して係脱可能な係合部材とが配設され、前記ボールを回転操作することにより前記ローラを介して前記回転体が回転すると、前記係合部材が前記カム山を係脱して前記クリック感が発生するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、前記課題を解決するための第7の手段として、前記クリック発生手段には、前記ボールの回転に対応して前記回転体が回転することにより、第1の入力が可能な第1の入力部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、前記課題を解決するための第8の手段として、前記第1の入力部は、前記ボールの回転に連動して前記回転体が回転すると、その回転量を第1の出力信号として出力可能なロータリーエンコ−ダーからなることを特徴とする。
【0019】
また、前記課題を解決するための第9の手段として、前記ボールの下部には、前記ボールを垂直方向に押圧操作することにより第2の入力が可能な第2の入力部が設けられていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトラックボール装置を図1〜図6に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図であり、図5は本発明に係わる第1の入力部の側面断面図であり、図6は本発明に係わる第1の入力部の正面図である。
【0021】
まず、本発明の1実施の形態のトラックボール装置を、図1〜図4に基づいて説明すると、最下部には板状で矩形状の基台1が配設されている。前記基台1には、後述する第1〜第4ベース部材2〜5を90°の等間隔の4箇所の位置に位置決め可能な位置決め孔1aが所定の大きさで貫通形成されている。
また、4箇所の位置決め孔1aに囲まれた基台1の中央部には、所定高さで円筒状のバネ支持壁1bが形成され、バネ支持壁1bの内周部に所定の穴径のバネ支持穴1cが形成され、このバネ支持穴1cの中央部の基台1に支持ピン1dが圧入等により固着されている。
前記基台1の表面には、位置決め孔1aに位置決めされた第1〜第4ベース部材2〜5が90°の等間隔で4箇所の位置にそれぞれ取り付けられている。
【0022】
前記第1〜第4ベース部材2〜5は、材質が樹脂材料等からなり、それぞれが同形状に形成されているので、第1ベース部材2だけを詳細に説明して、第2〜第4のベース部材3〜5の説明は省略する。
前記第1ベース部材2には、基台1の表面に載置可能な底壁2aが形成され、この底壁2aには、基台1の位置決め孔1aに挿入して位置決め可能な位置決め突部2bが突出形成されている。
また、底壁2aの上部には、後述するローラ支持部材6を取り付けるための所定深さの支持溝2cが形成された支持部2dが所定高さで形成されている。
そして、第1ベース部材2は、位置決め突部2bが基台1の位置決め孔1aに挿入されると共に底壁2aが基台1にネジ止め、あるいは接着剤等により固着されている。
【0023】
また、第1〜第4ベース部材2〜5の支持溝2c、3c、4c、5cには、ローラ支持部材6がそれぞれ配設され、このローラ支持部材6のそれぞれに円柱状のローラ7が回転自在に支持されている。
即ち、それぞれのローラ支持部材6に支持されたローラ7は、基台1の表面から所定高さで、90°の等間隔で4箇所の位置に配設されている。前記ローラ7は、円柱状の外周面が、例えばゴム等の高摩擦部材で被覆されて、後述するボール8との摩擦抵抗が大きくなるようになっている。
【0024】
また、図3に示すように、4個のローラ7に囲まれた基台1のバネ支持壁1b上で、ローラ7との間に所定寸法の隙間が形成されるように、後述するバネ部材17に弾性付勢されたボール8が配設されている。
前記ボール8は、互いに対向するローラ7、7間の寸法より直径寸法Aが大きく形成され、鋼球あるいはプラスチック、または鋼球をインサートして外周部がプラスチック等の材質で形成されている。
【0025】
また、ローラ支持部材6にローラ7を支持する支持方法を、図2に示す左側に位置する第1ベース部材2で説明すると、ローラ7の回転中心から図示下方の一端部側から、断面形状が例えば6角形状に形成された回転軸(図示せず)が突出形成され、この6角形状の回転軸が、クリック発生手段9に支持されている。このクリック発生手段9は、ローラ支持部材6に接着剤等で固着されている。
前記クリック発生手段9は、図5、図6の拡大図に示すように、外周部がケース9aで覆われており、このケース9a内部に回転体10が配設されている。
この回転体10の外周面には、コードパターン10aおよび共通パターン10bが形成され、前記コードパターン10aには、一対の第1摺動子11、11が摺接可能に配設されている。
また、回転体10の図示右側側面の共通パターン10bには、第2摺動子12が摺接可能に配設され、第1、第2摺動子11、12は、基板13に埋設支持されている。
【0026】
前記回転体10には、図5に示す左側の側面外周部に、凹凸状のカム山10cが等間隔に複数形成され、このカム山10cに係脱可能な係合部材14が基板13に支持されている。
また、基板13の下部からは、外部端子15a、15b、15cが引き出し形成され、この外部端子15a、15b、15cがローラ支持部材6を介してそれぞれのベース部材2〜5に引き出されている。
【0027】
また、回転体10には、ローラ7の一端部から突出する、6角形状の回転軸(図示せず)より若干大きめの6角状の多角孔10dが貫通形成されている。そして、多角孔10dにローラ7の回転軸が挿通されて支持されている。
そして、ボール8の回転が伝達されてローラ7が回転すると、回転体10が回転可能になっている。
また、クリック発生手段9は、回転体10のカム山10cに係合部材14を係合させた状態で、回転体10を回転させると、係合部材14がカム山10cを係脱することにより、クリック感が発生し、このクリック感がローラ7を介してボール8に伝達されるようになっている。
【0028】
また、クリック発生手段9は、第2摺動子12が共通パターン10bに常時弾接されて、回転体10を回転させて、一対の第1摺動子11、11がコードパターン10aを摺接することにより、回転体10の回転に連動して第1摺動子11、11が位相差を持ってコードパターン10aに接離する。
そして、所定のパルス数(例えば、1回転あたり6パルス)からなる第1の出力信号(図示せず)が出力されるようになっている。
【0029】
前記出力されるパルス数を制御部(図示せず)で累積加算することにより、回転体10の回転量が検出されると共に、コードパターン10aの位相差によって、回転方向を検出することが可能になっている。
即ち、クリック発生手段9は、コードパターン10a、共通パターン10b、第1、第2摺動子11、12が形成された第1の入力部を有するロータリーエンコーダからなり、回転体10の回転に連動して第1の入力部によって第1の出力信号が出力され、この第1の出力信号に対応して第1の入力が可能になっている。
【0030】
また、図2に示す第1ベース部材2に支持されたローラ7の図示上部の他端部からは、円柱状の回転軸(図示せず)が突出形成され、この回転軸が、軸受け部材16に支持されて回転自在になっている。前記軸受け部材16は、ローラ支持部材6に接着剤等で固着されている。
そして、クリック発生手段9と軸受け部材16とに回転自在にローラ7を支持したローラ支持部材6が、第1〜第4ベース部材2〜5に接着剤等で固着されている。
【0031】
また、図3に示すボール8は、基台1の支持ピン1dに下端部が支持されてバネ支持穴1c内に位置するコイルバネからなるバネ部材17によって、上方に弾性付勢されて、4個のローラ7との間にそれぞれ所定の隙間が形成されている。即ち、ローラ6は、図3に示すように、バネ部材17で上方に弾性付勢されるボール8の水平方向における直径寸法Aの外周縁部より下方側で、直径寸法Aより内側の位置に、ボール8と所定の間隔を設けて90°の等間隔の位置に配設されている。
【0032】
また、ボール8の上方には、所定厚さのカバー18が配設され、このカバー18の略中央部に開口部18aが形成されている。
そして、バネ部材17で上方に弾性付勢されるボール8は、水平方向の直径寸法Aの外周縁部より上方の外周面が開口部18aに支持されて、ローラ7との間の隙間が所定寸法に設定されている。
また、ボール8は、図示上方の外周面の一部がカバー18の開口部18aから所定量露出しており、この露出部分が操作者の指等により回転操作及び押圧操作可能になっている。
また、カバー18は、4箇所の隅部が支柱19を介して基台1にネジ(図示せず)等により固定されている。
【0033】
このような構成の本発明の1実施の形態のトラックボール装置の操作を、例えば、将来、地上波放送においてデジタル放送が開始されるテレビ等の情報家電のリモコン(図示せず)に用いたもので説明する。
まず、テレビのディスプレイ(図示せず)上には、複数のメニュウおよびこのメニュウ上を移動操作可能なカーソルが表示されている。
そして、所望するメニュウ位置にカーソルを移動させるには、ボール8を例えば図3に示す矢印Bの反時計回り方向に回転操作すると、ボール8は、開口部18aの内周面をボール8の外周面が擦りながら、バネ部材17の付勢力に抗して若干下方に沈み込むと共に、ボール8が図示左側の第1ベース部材2に支持したローラ7に当接する。
【0034】
すると、ローラ7は、ボール8の矢印B方向の回転が伝達されて時計回り方向に回転する。このローラ7の回転で、クリック発生手段9の回転体10が回転してクリック感が発生し、このクリック感がローラ7を介してボール8に伝達されて、操作者がクリック感を感じることができる。
また、ローラ7が回転することで、クリック発生手段9内のロータリエンコーダからなる第1の入力部から第1の出力信号が出力され、この第1の出力信号に対応して、ディスプレイ上のカーソルを所望のメニュウ位置に移動させる第1の入力を行うことができる。
【0035】
また、ボール8と下部の支持ピン1dとの間には、押し釦スイッチ等からなる第2の入力部(図示せず)が、バネ部材17に囲まれた部分に配設することにより、ボール8の下方側への押圧操作で第2の入力を行うようにすることも可能である。
このような第2の入力によって、第1の入力で選択されたメニュウを確定することができる。
【0036】
前述したような本発明のトラックボール装置は、ボール8を回転操作するときに、バネ部材17の付勢力に抗して下方に若干押し下げられるので、ボール8の外周面とカバー18の開口部18aの内周面との間の摩擦抵抗が小さくなり、小さな操作力でボール8を回転させることができる。
また、ボール8を上方に弾性付勢するバネ部材17は、コイル状に巻回した上端部でボール8の外周面を支持しているので、ボール8の外周面とバネ部材17との間の摩擦抵抗を小さくできる。そのために、ボール8の回転操作力を更に小さくできる。
尚、ボール8は、バネ部材17上に保持部材(図示せず)を介して支持するようにしても良い。
【0037】
また、回転操作するボール8は、ゴム等の高摩擦部材で被覆されたローラ7に当接するので、ボール8とローラ7とがスリップすることなく、ローラ7を確実に回転させて第1の入力を高精度に行うことができる。
また、同時に、回転体10で発生するクリック感をローラ7を介して確実にボール8に伝達することができる。
尚、本実施の形谷おいては、第1〜第4ベース部材2〜5を基台1に形成した位置決め孔1aに挿入して固定する構造であったが、第1〜第4ベース部材2〜5を基台1に一体形成したものでも良い。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように本発明は、ボールは、回転操作することにより下方に押し下げられてローラに当接可能とされ、ボールが当接して回転するローラを介してクリック発生手段からのクリック感がボールに伝達されるので、ボールの小さな回転操作力でローラを確実に回転させて第1の入力を行うことができ、操作性に優れたトラックボール装置を提供できる。
また、ボールを回転操作する操作者がクリック感を感じることができ、更に操作性が良い。
【0039】
また、ローラは、ボールの水平方向における直径寸法の外周縁部より下方側で、直径寸法より内側の位置に、ボールと所定の間隔を設けて90°の等間隔の位置に配設されているので、回転操作によって下方に押し下げられたボールが確実にローラに当接してローラを回転させることができる。
また、本発明のトラックボール装置を例えばテレビ等のリモコンに用いた場合に、ディスプレイ上のカーソルを90°間隔の4方向に確実に移動操作することができ、操作性が良い。
【0040】
また、ボールは、バネ部材で上方に弾性付勢されてローラとの間に隙間が形成されているので、回転操作するボールをバネ部材の付勢力に抗して下方に押し下げ、ローラとの間の隙間を移動させて、ボールを確実にローラに当接させて回転させることができる。
【0041】
また、上方に弾性付勢されるボールは、カバーに支持されて隙間が所定寸法に設定されているので、ボールの押し下げ寸法をバラツキのない一定にすることができる。
【0042】
また、ボールは、カバーに形成した開口部から外周面の一部が露出しており、この露出部分を回転操作することによりバネ部材の付勢力に抗して下方に押し下げられて、ローラに当接するようにしたので、ボールの回転操作が容易である。
【0043】
また、ボールを回転操作することにより、ローラを介してクリック発生手段に配設した回転体が回転すると、係合部材がカム山を係脱してクリック感が発生するようにしたので、発生するクリック感をローラを介してボールに確実に伝達することができる。
【0044】
また、クリック発生手段には、ボールの回転に対応して回転体が回転することにより、第1の入力が可能な第1の入力部が設けられているので、クリック数に連動して第1の入力を行うことができ、更に操作性がよくすることができる。
【0045】
また、第1の入力部は、ボールの回転に連動して回転体が回転すると、その回転量を第1の出力信号として出力可能なロータリーエンコ−ダーからなるので、従来のような磁石等の高価な部材が不要となりコストダウンが可能である。
【0046】
また、ボールの下部には、ボールを垂直方向に押圧操作することにより第2の入力が可能な第2の入力部が設けられているので、少ない部品点数で第1と第2の入力とを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図である。
【図5】本発明に係わる第1の入力部の側面断面図である。
【図6】本発明に係わる第1の入力部の正面図である。
【図7】従来のトラックボール装置を説明する図である。
【図8】従来のトラックボール装置を説明する図である。
【図9】従来のトラックボール装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 基台
1a 位置決め孔
1b バネ支持壁
1c バネ支持穴
1d 支持ピン
2 第1ベース部材
2a 底壁
2b 位置決め突部
2c 支持溝
2d 支持部
3 第2ベース部材
4 第3ベース部材
5 第4ベース部材
6 ローラ支持部材
7 ローラ
8 ボール
9 クリック発生手段
10 回転体
16 軸受け部材
17 バネ部材
18 カバー
19 支柱
【発明の属する技術分野】
本発明はトラックボール装置に係わり、特に、ボールを回転操作することにより電子機器に所望の情報を入力可能なトラックボール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のトラックボール装置としては、特開2002−14016号公報に記載されたトラックボール装置が知られている。
この従来トラックボール装置は、図7〜図9に示すように、ボール21は、底板23と蓋板24とを有するケース22に収納されている。そして、ボール21は、ケース22の内部に90°間隔で設けられた4箇所の支持部22A〜22Dの面により、中心より若干下方の位置の外周面が回転自在に支持されると共に、蓋板24中央の丸孔24Aから上端部が露出している。
【0003】
また、ボール21は、着磁されてない磁性材料からなる3本の棒体26、27、28を互いに直交する三軸上に配置・結合した可動磁性体25を、各棒体26、27、28の両端部26A、26B、27A、27B、28A、28Bが、それぞれ表面近傍まで達するように樹脂部29内に内蔵され、その全表面は、硬くてなめらかな絶縁膜30で覆われている。
【0004】
また、ケース22には、2対(4個)の固定磁性部材31〜34が装着・固定されている。この固定磁性部材31〜34は、いずれもボール21の中心に対して同極性(例えばN極)を有するように着磁されて、ボール21に内蔵された3本の棒体26〜28のそれぞれの両端部と磁気結合するようになっている。
従って、通常状態において、図12に示すように、ボール21は、内蔵した3本の棒体26〜28の内の、2本の両端部がそれぞれ1対ずつ固定磁性部材(31、33)および(32、34)に強く吸引されて、互いが最も接近した状態で対峙する位置で停止している。
【0005】
また、底板23上には、FPC(フレキシブルプリント基板)等からなる配線基板35が貼付され、その上面の配線部には、2対の固定磁性部材31〜34の下方位置、即ち直交する二軸方向それぞれに、1対ずつのホール素子(36A、36B)および(37A、37B)が、それぞれの検出位置をずらせるように、中心から距離をちがえて装着されている。
【0006】
このような従来のトラックボール装置の動作について説明すると、図7に示す通常状態におけるボール21を、図8に示す矢印方向に回転操作すると、棒体26の両端部26A、26Bに対する固定磁石部材31、33の吸引力に逆らって回転する。そして、その回転角度が棒体26と27の中間角度位置である略45°の位置を過ぎると、棒体28の両端部28A、28Bが固定磁性部材33、31にそれぞれ吸引される力が強くなりボール21は、左方向略90°の位置まで回転する。
【0007】
引き続きボール21に回転力を加えると、同様に90°毎に安定位置となる回転を繰り返す。
そのために、ボール21は、90°回転毎に回転が重くなったり軽くなったりしてクリック感が発生するようになっていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−140160号公報
特開2001−290596号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来のトラックボール装置は、ケース22の内部に90°間隔で4箇所に設けられた支持部22A〜22Dの面に、ボール21の外周面が支持されているが、ボール21の外周面と4箇所の支持部22A〜22Dの面との接触面積が大きくなる。そのために、ボール21の回転操作力が大きくなり、ボール21の回転操作性が悪くなるおそれがあった。
また、ボールをスムーズに90°回転させるのが難しいために、適正なクリック感が発生しなくなるおそれがあった。
【0010】
また、ボール21には、互いに直交する三軸上に配置・結合した磁性材料からなる3本の棒体26、27、28を内蔵しているので、ボール21の製造が複雑となり、コストアップになる問題があった。
本発明は、前述したしたような課題を解決して、小さな回転操作力でボールを回転させることができると共に、適正なクリック感を操作者に伝達できる、操作性に優れたトラックボール装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段として本発明のトラックボール装置は、回転操作可能なボールと、このボールの下方に所定寸法の隙間を有して配設されたローラとを備え、前記ローラは、所定のクリック感を発生可能なクリック発生手段に回転可能に支持され、前記ボールは、回転操作することにより下方に押し下げられて前記ローラに当接可能とされ、
前記ボールが前記当接して回転する前記ローラを介して前記クリック発生手段からの前記クリック感が前記ボールに伝達されることを特徴とする。
【0012】
また、前記課題を解決するための第2の手段として、前記ローラは、前記ボールの水平方向における直径寸法の外周縁部より下方側で、前記直径寸法より内側の位置に、前記ボールとの間に隙間を設けて90°の等間隔の位置に配設されていることを特徴とする。
【0013】
また、前記課題を解決するための第3の手段として、前記ボールは、バネ部材で上方に弾性付勢されて前記ローラとの間に前記隙間が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のトラックボール装置。
【0014】
また、前記課題を解決するための第4の手段として、前記上方に弾性付勢される前記ボールは、カバーに支持されて前記隙間が所定寸法に設定されていることを特徴とする。
【0015】
また、前記課題を解決するための第5の手段として、前記ボールは、前記カバーに形成した開口部から外周面の一部が露出しており、この露出部分を回転操作することにより前記バネ部材の付勢力に抗して前記下方に押し下げられて、前記ローラに当接するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、前記課題を解決するための第6の手段として、前記クリック発生手段には、前記ローラの一端部側を回転可能に支持すると共に回転円周上に複数のカム山が形成された回転体と、前記複数のカム山に弾性付勢して係脱可能な係合部材とが配設され、前記ボールを回転操作することにより前記ローラを介して前記回転体が回転すると、前記係合部材が前記カム山を係脱して前記クリック感が発生するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、前記課題を解決するための第7の手段として、前記クリック発生手段には、前記ボールの回転に対応して前記回転体が回転することにより、第1の入力が可能な第1の入力部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、前記課題を解決するための第8の手段として、前記第1の入力部は、前記ボールの回転に連動して前記回転体が回転すると、その回転量を第1の出力信号として出力可能なロータリーエンコ−ダーからなることを特徴とする。
【0019】
また、前記課題を解決するための第9の手段として、前記ボールの下部には、前記ボールを垂直方向に押圧操作することにより第2の入力が可能な第2の入力部が設けられていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトラックボール装置を図1〜図6に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図であり、図5は本発明に係わる第1の入力部の側面断面図であり、図6は本発明に係わる第1の入力部の正面図である。
【0021】
まず、本発明の1実施の形態のトラックボール装置を、図1〜図4に基づいて説明すると、最下部には板状で矩形状の基台1が配設されている。前記基台1には、後述する第1〜第4ベース部材2〜5を90°の等間隔の4箇所の位置に位置決め可能な位置決め孔1aが所定の大きさで貫通形成されている。
また、4箇所の位置決め孔1aに囲まれた基台1の中央部には、所定高さで円筒状のバネ支持壁1bが形成され、バネ支持壁1bの内周部に所定の穴径のバネ支持穴1cが形成され、このバネ支持穴1cの中央部の基台1に支持ピン1dが圧入等により固着されている。
前記基台1の表面には、位置決め孔1aに位置決めされた第1〜第4ベース部材2〜5が90°の等間隔で4箇所の位置にそれぞれ取り付けられている。
【0022】
前記第1〜第4ベース部材2〜5は、材質が樹脂材料等からなり、それぞれが同形状に形成されているので、第1ベース部材2だけを詳細に説明して、第2〜第4のベース部材3〜5の説明は省略する。
前記第1ベース部材2には、基台1の表面に載置可能な底壁2aが形成され、この底壁2aには、基台1の位置決め孔1aに挿入して位置決め可能な位置決め突部2bが突出形成されている。
また、底壁2aの上部には、後述するローラ支持部材6を取り付けるための所定深さの支持溝2cが形成された支持部2dが所定高さで形成されている。
そして、第1ベース部材2は、位置決め突部2bが基台1の位置決め孔1aに挿入されると共に底壁2aが基台1にネジ止め、あるいは接着剤等により固着されている。
【0023】
また、第1〜第4ベース部材2〜5の支持溝2c、3c、4c、5cには、ローラ支持部材6がそれぞれ配設され、このローラ支持部材6のそれぞれに円柱状のローラ7が回転自在に支持されている。
即ち、それぞれのローラ支持部材6に支持されたローラ7は、基台1の表面から所定高さで、90°の等間隔で4箇所の位置に配設されている。前記ローラ7は、円柱状の外周面が、例えばゴム等の高摩擦部材で被覆されて、後述するボール8との摩擦抵抗が大きくなるようになっている。
【0024】
また、図3に示すように、4個のローラ7に囲まれた基台1のバネ支持壁1b上で、ローラ7との間に所定寸法の隙間が形成されるように、後述するバネ部材17に弾性付勢されたボール8が配設されている。
前記ボール8は、互いに対向するローラ7、7間の寸法より直径寸法Aが大きく形成され、鋼球あるいはプラスチック、または鋼球をインサートして外周部がプラスチック等の材質で形成されている。
【0025】
また、ローラ支持部材6にローラ7を支持する支持方法を、図2に示す左側に位置する第1ベース部材2で説明すると、ローラ7の回転中心から図示下方の一端部側から、断面形状が例えば6角形状に形成された回転軸(図示せず)が突出形成され、この6角形状の回転軸が、クリック発生手段9に支持されている。このクリック発生手段9は、ローラ支持部材6に接着剤等で固着されている。
前記クリック発生手段9は、図5、図6の拡大図に示すように、外周部がケース9aで覆われており、このケース9a内部に回転体10が配設されている。
この回転体10の外周面には、コードパターン10aおよび共通パターン10bが形成され、前記コードパターン10aには、一対の第1摺動子11、11が摺接可能に配設されている。
また、回転体10の図示右側側面の共通パターン10bには、第2摺動子12が摺接可能に配設され、第1、第2摺動子11、12は、基板13に埋設支持されている。
【0026】
前記回転体10には、図5に示す左側の側面外周部に、凹凸状のカム山10cが等間隔に複数形成され、このカム山10cに係脱可能な係合部材14が基板13に支持されている。
また、基板13の下部からは、外部端子15a、15b、15cが引き出し形成され、この外部端子15a、15b、15cがローラ支持部材6を介してそれぞれのベース部材2〜5に引き出されている。
【0027】
また、回転体10には、ローラ7の一端部から突出する、6角形状の回転軸(図示せず)より若干大きめの6角状の多角孔10dが貫通形成されている。そして、多角孔10dにローラ7の回転軸が挿通されて支持されている。
そして、ボール8の回転が伝達されてローラ7が回転すると、回転体10が回転可能になっている。
また、クリック発生手段9は、回転体10のカム山10cに係合部材14を係合させた状態で、回転体10を回転させると、係合部材14がカム山10cを係脱することにより、クリック感が発生し、このクリック感がローラ7を介してボール8に伝達されるようになっている。
【0028】
また、クリック発生手段9は、第2摺動子12が共通パターン10bに常時弾接されて、回転体10を回転させて、一対の第1摺動子11、11がコードパターン10aを摺接することにより、回転体10の回転に連動して第1摺動子11、11が位相差を持ってコードパターン10aに接離する。
そして、所定のパルス数(例えば、1回転あたり6パルス)からなる第1の出力信号(図示せず)が出力されるようになっている。
【0029】
前記出力されるパルス数を制御部(図示せず)で累積加算することにより、回転体10の回転量が検出されると共に、コードパターン10aの位相差によって、回転方向を検出することが可能になっている。
即ち、クリック発生手段9は、コードパターン10a、共通パターン10b、第1、第2摺動子11、12が形成された第1の入力部を有するロータリーエンコーダからなり、回転体10の回転に連動して第1の入力部によって第1の出力信号が出力され、この第1の出力信号に対応して第1の入力が可能になっている。
【0030】
また、図2に示す第1ベース部材2に支持されたローラ7の図示上部の他端部からは、円柱状の回転軸(図示せず)が突出形成され、この回転軸が、軸受け部材16に支持されて回転自在になっている。前記軸受け部材16は、ローラ支持部材6に接着剤等で固着されている。
そして、クリック発生手段9と軸受け部材16とに回転自在にローラ7を支持したローラ支持部材6が、第1〜第4ベース部材2〜5に接着剤等で固着されている。
【0031】
また、図3に示すボール8は、基台1の支持ピン1dに下端部が支持されてバネ支持穴1c内に位置するコイルバネからなるバネ部材17によって、上方に弾性付勢されて、4個のローラ7との間にそれぞれ所定の隙間が形成されている。即ち、ローラ6は、図3に示すように、バネ部材17で上方に弾性付勢されるボール8の水平方向における直径寸法Aの外周縁部より下方側で、直径寸法Aより内側の位置に、ボール8と所定の間隔を設けて90°の等間隔の位置に配設されている。
【0032】
また、ボール8の上方には、所定厚さのカバー18が配設され、このカバー18の略中央部に開口部18aが形成されている。
そして、バネ部材17で上方に弾性付勢されるボール8は、水平方向の直径寸法Aの外周縁部より上方の外周面が開口部18aに支持されて、ローラ7との間の隙間が所定寸法に設定されている。
また、ボール8は、図示上方の外周面の一部がカバー18の開口部18aから所定量露出しており、この露出部分が操作者の指等により回転操作及び押圧操作可能になっている。
また、カバー18は、4箇所の隅部が支柱19を介して基台1にネジ(図示せず)等により固定されている。
【0033】
このような構成の本発明の1実施の形態のトラックボール装置の操作を、例えば、将来、地上波放送においてデジタル放送が開始されるテレビ等の情報家電のリモコン(図示せず)に用いたもので説明する。
まず、テレビのディスプレイ(図示せず)上には、複数のメニュウおよびこのメニュウ上を移動操作可能なカーソルが表示されている。
そして、所望するメニュウ位置にカーソルを移動させるには、ボール8を例えば図3に示す矢印Bの反時計回り方向に回転操作すると、ボール8は、開口部18aの内周面をボール8の外周面が擦りながら、バネ部材17の付勢力に抗して若干下方に沈み込むと共に、ボール8が図示左側の第1ベース部材2に支持したローラ7に当接する。
【0034】
すると、ローラ7は、ボール8の矢印B方向の回転が伝達されて時計回り方向に回転する。このローラ7の回転で、クリック発生手段9の回転体10が回転してクリック感が発生し、このクリック感がローラ7を介してボール8に伝達されて、操作者がクリック感を感じることができる。
また、ローラ7が回転することで、クリック発生手段9内のロータリエンコーダからなる第1の入力部から第1の出力信号が出力され、この第1の出力信号に対応して、ディスプレイ上のカーソルを所望のメニュウ位置に移動させる第1の入力を行うことができる。
【0035】
また、ボール8と下部の支持ピン1dとの間には、押し釦スイッチ等からなる第2の入力部(図示せず)が、バネ部材17に囲まれた部分に配設することにより、ボール8の下方側への押圧操作で第2の入力を行うようにすることも可能である。
このような第2の入力によって、第1の入力で選択されたメニュウを確定することができる。
【0036】
前述したような本発明のトラックボール装置は、ボール8を回転操作するときに、バネ部材17の付勢力に抗して下方に若干押し下げられるので、ボール8の外周面とカバー18の開口部18aの内周面との間の摩擦抵抗が小さくなり、小さな操作力でボール8を回転させることができる。
また、ボール8を上方に弾性付勢するバネ部材17は、コイル状に巻回した上端部でボール8の外周面を支持しているので、ボール8の外周面とバネ部材17との間の摩擦抵抗を小さくできる。そのために、ボール8の回転操作力を更に小さくできる。
尚、ボール8は、バネ部材17上に保持部材(図示せず)を介して支持するようにしても良い。
【0037】
また、回転操作するボール8は、ゴム等の高摩擦部材で被覆されたローラ7に当接するので、ボール8とローラ7とがスリップすることなく、ローラ7を確実に回転させて第1の入力を高精度に行うことができる。
また、同時に、回転体10で発生するクリック感をローラ7を介して確実にボール8に伝達することができる。
尚、本実施の形谷おいては、第1〜第4ベース部材2〜5を基台1に形成した位置決め孔1aに挿入して固定する構造であったが、第1〜第4ベース部材2〜5を基台1に一体形成したものでも良い。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように本発明は、ボールは、回転操作することにより下方に押し下げられてローラに当接可能とされ、ボールが当接して回転するローラを介してクリック発生手段からのクリック感がボールに伝達されるので、ボールの小さな回転操作力でローラを確実に回転させて第1の入力を行うことができ、操作性に優れたトラックボール装置を提供できる。
また、ボールを回転操作する操作者がクリック感を感じることができ、更に操作性が良い。
【0039】
また、ローラは、ボールの水平方向における直径寸法の外周縁部より下方側で、直径寸法より内側の位置に、ボールと所定の間隔を設けて90°の等間隔の位置に配設されているので、回転操作によって下方に押し下げられたボールが確実にローラに当接してローラを回転させることができる。
また、本発明のトラックボール装置を例えばテレビ等のリモコンに用いた場合に、ディスプレイ上のカーソルを90°間隔の4方向に確実に移動操作することができ、操作性が良い。
【0040】
また、ボールは、バネ部材で上方に弾性付勢されてローラとの間に隙間が形成されているので、回転操作するボールをバネ部材の付勢力に抗して下方に押し下げ、ローラとの間の隙間を移動させて、ボールを確実にローラに当接させて回転させることができる。
【0041】
また、上方に弾性付勢されるボールは、カバーに支持されて隙間が所定寸法に設定されているので、ボールの押し下げ寸法をバラツキのない一定にすることができる。
【0042】
また、ボールは、カバーに形成した開口部から外周面の一部が露出しており、この露出部分を回転操作することによりバネ部材の付勢力に抗して下方に押し下げられて、ローラに当接するようにしたので、ボールの回転操作が容易である。
【0043】
また、ボールを回転操作することにより、ローラを介してクリック発生手段に配設した回転体が回転すると、係合部材がカム山を係脱してクリック感が発生するようにしたので、発生するクリック感をローラを介してボールに確実に伝達することができる。
【0044】
また、クリック発生手段には、ボールの回転に対応して回転体が回転することにより、第1の入力が可能な第1の入力部が設けられているので、クリック数に連動して第1の入力を行うことができ、更に操作性がよくすることができる。
【0045】
また、第1の入力部は、ボールの回転に連動して回転体が回転すると、その回転量を第1の出力信号として出力可能なロータリーエンコ−ダーからなるので、従来のような磁石等の高価な部材が不要となりコストダウンが可能である。
【0046】
また、ボールの下部には、ボールを垂直方向に押圧操作することにより第2の入力が可能な第2の入力部が設けられているので、少ない部品点数で第1と第2の入力とを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態のトラックボール装置を説明する図である。
【図5】本発明に係わる第1の入力部の側面断面図である。
【図6】本発明に係わる第1の入力部の正面図である。
【図7】従来のトラックボール装置を説明する図である。
【図8】従来のトラックボール装置を説明する図である。
【図9】従来のトラックボール装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 基台
1a 位置決め孔
1b バネ支持壁
1c バネ支持穴
1d 支持ピン
2 第1ベース部材
2a 底壁
2b 位置決め突部
2c 支持溝
2d 支持部
3 第2ベース部材
4 第3ベース部材
5 第4ベース部材
6 ローラ支持部材
7 ローラ
8 ボール
9 クリック発生手段
10 回転体
16 軸受け部材
17 バネ部材
18 カバー
19 支柱
Claims (9)
- 回転操作可能なボールと、このボールの下方に所定寸法の隙間を有して配設されたローラとを備え、前記ローラは、所定のクリック感を発生可能なクリック発生手段に回転可能に支持され、前記ボールは、回転操作することにより下方に押し下げられて前記ローラに当接可能とされ、
前記ボールが前記当接して回転する前記ローラを介して前記クリック発生手段からの前記クリック感が前記ボールに伝達されることを特徴とするトラックボール装置。 - 前記ローラは、前記ボールの水平方向における直径寸法の外周縁部より下方側で、前記直径寸法より内側の位置に、前記ボールとの間に隙間を設けて90°の等間隔の位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載のトラックボール装置。
- 前記ボールは、バネ部材で上方に弾性付勢されて前記ローラとの間に前記隙間が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のトラックボール装置。
- 前記上方に弾性付勢される前記ボールは、カバーに支持されて前記隙間が所定寸法に設定されていることを特徴とする請求項3記載のトラックボール装置。
- 前記ボールは、前記カバーに形成した開口部から外周面の一部が露出しており、この露出部分を回転操作することにより前記バネ部材の付勢力に抗して前記下方に押し下げられて、前記ローラに当接するようにしたことを特徴とする請求項4記載のトラックボール装置。
- 前記クリック発生手段には、前記ローラの一端部側を回転可能に支持すると共に回転円周上に複数のカム山が形成された回転体と、前記複数のカム山に弾性付勢して係脱可能な係合部材とが配設され、前記ボールを回転操作することにより前記ローラを介して前記回転体が回転すると、前記係合部材が前記カム山を係脱して前記クリック感が発生するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトラックボール装置。
- 前記クリック発生手段には、前記ボールの回転に対応して前記回転体が回転することにより、第1の入力が可能な第1の入力部が設けられていることを特徴とする請求項5記載のトラックボール装置。
- 前記第1の入力部は、前記ボールの回転に連動して前記回転体が回転すると、その回転量を第1の出力信号として出力可能なロータリーエンコ−ダーからなることを特徴とする請求項7記載のトラックボール装置。
- 前記ボールの下部には、前記ボールを垂直方向に押圧操作することにより第2の入力が可能な第2の入力部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトラックボール装置。
Priority Applications (1)
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JP2005004559A true JP2005004559A (ja) | 2005-01-06 |
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Family Applications (1)
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JP2003168544A Withdrawn JP2005004559A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | トラックボール装置 |
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JP (1) | JP2005004559A (ja) |
-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003168544A patent/JP2005004559A/ja not_active Withdrawn
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