JP2005003746A - 表示装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング素子にTFTが用いられている表示装置では、装置の駆動に伴い当該TFTの閾値電圧が徐々に低下し、保持期間中のドレイン電位が変動する。そのドレイン電位の変動に起因する表示不良を防止する。
【解決手段】画像が非表示状態のときに表示装置を駆動させる画像非表示期間用駆動回路1000を設ける。画像非表示期間中、画像非表示期間用駆動回路1000は、絵素TFTのゲート電極にソース電極よりも十分に高い電圧が印加されるよう、電圧信号を出力する。これにより、画像非表示期間中に絵素TFTのId−Vg特性がプラス方向へシフトし、絵素TFTの閾値電圧は高くなる。絵素TFTの閾値電圧が高くなることにより、当該絵素TFTに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生が防止される。
【選択図】 図1
【解決手段】画像が非表示状態のときに表示装置を駆動させる画像非表示期間用駆動回路1000を設ける。画像非表示期間中、画像非表示期間用駆動回路1000は、絵素TFTのゲート電極にソース電極よりも十分に高い電圧が印加されるよう、電圧信号を出力する。これにより、画像非表示期間中に絵素TFTのId−Vg特性がプラス方向へシフトし、絵素TFTの閾値電圧は高くなる。絵素TFTの閾値電圧が高くなることにより、当該絵素TFTに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生が防止される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に関し、特にアクティブマトリクス型表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)を備えているアクティブマトリクス型液晶表示装置が知られている。この液晶表示装置は、互いに対向する2枚の絶縁性の基板から構成される液晶パネルを備えている。液晶パネルの一方の基板には、走査配線(ゲートバスライン)と信号配線(ソースバスライン)とが格子状に設けられ、走査配線と信号配線との交差部近傍にTFTが設けられている。TFTは、走査配線から分岐しているゲート電極、信号配線から分岐しているソース電極、および画像を形成するために当該基板上にマトリクス状に配置されている絵素電極と接続されているドレイン電極とから構成される。また、液晶パネルの他方の基板には、絵素電極との間に電圧を印加するための電極(以下「対向電極」という)が設けられている。そして、それぞれの絵素は、走査配線からアクティブな走査信号を受けたときに、信号配線から受けた画像信号によって絵素電極と対向電極との間に電圧が印加されることにより駆動される。
【0003】
図9は、上記従来技術による液晶表示装置の駆動波形図である。以下、図9を参照しつつ、この液晶表示装置の駆動方法について説明する。なお、この液晶表示装置では、スイッチング素子としてTFTが用いられている。図9には、この液晶表示装置の駆動中における、TFTのゲート電極の電位(ゲート電位)4002と、ソース電極の電位(ソース電位)4001と、ドレイン電極の電位(ドレイン電位)4004の変化が示されている。この液晶表示装置の走査配線は複数で構成されており、各走査配線には、選択されている状態を表わす信号(以下、「オン信号」という)が1本ずつ順に与えられる。これにより、オン信号が与えられた走査配線と接続されているゲート電極には、そのオン信号に基づいて電圧が印加される。このとき、ソース電極には、絵素電極に印加すべき電圧に応じて信号配線から与えられた画像信号に基づいて電圧が印加される。ここで、オン信号が表わす電圧値は、ソース電位4001よりも十分に高いものとされている。このため、ゲート電極にオン信号が入力されると、そのゲート電極を含むTFTは導通状態となり、ドレイン電位4004とソース電位4001とが等しくなるように、ソース電極からドレイン電極に電流が流れる。これにより図9に示すようにドレイン電位4004が変化し、このドレイン電位4004に基づいて、絵素電極と対向電極との間に電圧が印加される。
【0004】
或る走査配線へのオン信号の入力が終了すると、当該走査配線が再度選択されるまでの期間(以下「保持期間」という)、当該走査配線のゲート電極にはソース電位4001よりも十分に低い値の電圧信号(以下、「オフ信号」という)が与えられる。また、液晶には一方向に電圧を印加し続けると劣化するという性質があり、その劣化を防止するとともに表示品位を向上するために、図9に示すように、走査配線が1本ずつ選択される毎にソース電極に印加する電圧は反転されている。そして、保持期間中、ゲート電位4002はソース電位4001よりも十分に低い状態が保持され、TFTは非導通状態となり、ドレイン電位4004は保持される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−305735号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、TFTには、ゲート電位4002がソース電位4001よりも低い状態が続くと、当該TFTのId−Vg(ドレイン電流−ゲート電圧)特性が以下のように変化し、閾値電圧(ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れはじめるゲート電圧)が低下するという性質がある。図10は、液晶表示装置を長期使用した場合におけるTFTのId−Vg特性の変化を示す図である。図10において、横軸はTFTのゲート電圧を表わし、縦軸はTFTのドレイン電流を表わしている。初期のId−Vg曲線と長期使用後のId−Vg曲線とを比較すると、TFTに等しいゲート電圧を与えた場合、初期のリーク電流よりも長期使用後のリーク電流の方が大きくなっている。オフ信号を示すゲート電圧を図10ではXで示しているが、初期においてIoff1であったリーク電流が、長期使用後はIoff2に増加している。なお、TFTのId−Vg特性を示す図において、当該特性を示す曲線が左方向へ移動することを「マイナス方向へのシフト」といい、右方向へ移動することを「プラス方向へのシフト」という。
【0007】
上述のようにTFTのリーク電流が増加すると、ドレイン電位は保持期間中に徐々に低下する。図11は、保持期間中のドレイン電位の低下を示す図である。図11において、横軸は保持期間中の経過時間を表わし、縦軸はドレイン電位を表わしている。また、Vd1はリーク電流がIoff1のときのドレイン電位の低下を示し、Vd2はリーク電流がIoff2のときのドレイン電位の低下を示している。図11に示すように、リーク電流のIoff1からIoff2への増加に伴い、ドレイン電位はVd1からVd2へと大きく低下している。このようにドレイン電位の低下が大きくなると、絵素電極と対向電極との間に印加すべき電圧が正しく印加されなくなる。このため、その絵素は表示不良として視認されるようになる。
【0008】
そこで本発明では、TFTに流れるリーク電流を抑制し、表示不良の発生を防止できる表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置であって、
前記画像が非表示であるときに前記走査配線に第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に第2の所定電圧を供給する画像非表示期間用駆動回路を更に備え、
前記画像非表示期間用駆動回路は、前記第1の所定電圧の値を前記第2の所定電圧の値よりも大きくすることを特徴とする。
このような第1の発明によれば、画像非表示期間中に、画像非表示期間用駆動回路によって、走査配線に信号配線よりも大きい値の電圧が供給される。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、
前記画像非表示期間用駆動回路は、外部から与えられる信号に基づき前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを当該所定信号が示しているときに、前記走査配線に前記第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に前記第2の所定電圧を供給することを特徴とする。
このような第2の発明によれば、外部から与えられる信号に基づいて、画像非表示期間中に、画像非表示期間用駆動回路によって、走査配線に信号配線よりも大きい値の電圧が供給される。
【0011】
第3の発明は、複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置であって、
前記走査配線駆動回路は、前記画像が非表示であるときに、前記走査配線に第1の所定電圧を供給し、
前記信号配線駆動回路は、前記画像が非表示であるときに、前記信号配線に前記第1の所定電圧よりも小さい値の第2の所定電圧を供給することを特徴とする。
このような第3の発明によれば、画像非表示期間中に、走査配線駆動回路と信号配線駆動回路とによって、走査配線に信号配線よりも大きい値の電圧が供給される。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、
前記走査配線駆動回路は、外部から与えられる信号に基づき前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを当該所定信号が示しているときに、前記走査配線に前記第1の所定電圧を供給し、
前記信号配線駆動回路は、前記所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを前記所定信号が示しているときに、前記信号配線に前記第2の所定電圧を供給することを特徴とする。
このような第4の発明によれば、外部から与えられる信号に基づいて、画像非表示期間中に、走査配線駆動回路と信号配線駆動回路とによって、走査配線に信号配線よりも大きい値の電圧が供給される。
【0013】
第5の発明は、複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置の駆動方法であって、
前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取るステップと、
前記画像が非表示であることを前記所定信号が示しているときに、前記走査配線に第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に第2の所定電圧を供給するステップとを備え、
前記第1の所定電圧の値は前記第2の所定電圧の値よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
<1 第1の実施形態>
<1.1 全体構成>
図1は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置の構成を示すブロック図である。この液晶表示装置は、液晶コントローラ800と、液晶パネル100と、走査配線駆動回路200と、信号配線駆動回路300と、共通電極駆動回路400と、画像非表示期間用駆動回路1000と、検査信号入力用パッド700と、電源回路900とを備えている。
【0015】
液晶コントローラ800は、外部からの画像信号等を受け取り、液晶パネル100に画像を表示するための画像信号やタイミング信号を出力し、この表示装置の表示制御手段として機能する。走査配線駆動回路200、信号配線駆動回路300、共通電極駆動回路400および画像非表示期間用駆動回路1000は、液晶コントローラ800が出力した信号に基づいて、液晶パネル100に電圧を印加するための信号を出力する。なお、この動作についての詳細は後述する。
【0016】
検査信号入力用パッド700は、この液晶表示装置の製造時における検査用の信号線が接続されているパッドであり、画像非表示期間用駆動回路1000と接続されている。また、検査信号入力用パッド700には、検査用スイッチTFTゲート入力パッド73と検査用ゲート信号入力パッド71と検査用ソース信号入力パッド72とが含まれている。
【0017】
電源回路900は、液晶表示装置の電源スイッチがオンであるかオフであるかの状態を示す信号を出力し、液晶コントローラ800は、その信号に基づいて画像を表示するか非表示にするかを決定している。本説明においては、液晶表示装置に通常の画像が表示される期間を「通常表示期間」といい、通常の画像が表示されない期間を「画像非表示期間」という。
【0018】
図2は、本実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネル100内の等価回路図である。この液晶パネル100は、互いに対向する2枚の絶縁性の基板から構成され、それら2枚の基板の間には液晶が封入されている。それらの2枚の基板のうち一方の基板(以下、「TFT基板」という)には、絵素TFT10と、走査配線51と、信号配線52と、保持容量配線53と、検査用スイッチTFT40と、検査用ゲート信号入力配線61と、検査用ソース信号入力配線62と、検査用スイッチTFTゲート入力配線63と、保持容量(補助容量)20と、保持容量配線53とが設けられている。走査配線51と信号配線52とは互いに格子状に設けられており、走査配線51と信号配線52とで囲まれた位置には絵素電極が設けられている。絵素TFT10は、走査配線51から分岐しているゲート電極1と、信号配線52から分岐しているソース電極2と、絵素電極と接続しているドレイン電極3とから構成される。また、上記2枚の基板のうち他方の基板(以下、「対向基板」という)には、絵素電極との間に電圧を印加するための対向電極が設けられている。
【0019】
走査配線51の一端は、走査配線駆動回路200に接続されており、他端は、検査用スイッチTFT40のドレイン電極と接続されている。信号配線52の一端は、信号配線駆動回路300に接続されており、他端は、検査用スイッチTFT40のドレイン電極と接続されている。検査用スイッチTFT40のゲート電極は、検査用ゲート信号入力配線61と接続されており、検査用スイッチTFT40のソース電極は、検査用ゲート信号入力配線61もしくは検査用ソース信号入力配線62と接続されている。そして、検査用スイッチTFT40にオン信号が与えられると、走査配線51と検査用ゲート信号入力配線61とが導通し、また、信号配線52と検査用ソース信号入力配線62とが導通する構成となっている。検査用スイッチTFTゲート入力配線63、検査用ゲート信号入力配線61および検査用ソース信号入力配線62は、それぞれ、検査用スイッチTFTゲート入力パッド73、検査用ゲート信号入力パッド71および検査用ソース信号入力パッド72と接続されている。
【0020】
また、絵素電極と対向電極との間には液晶容量30が設けられ、その液晶容量30と並列に保持容量(補助容量)20が設けられている。絵素TFT10のゲート電極1にオン信号が与えられると、当該絵素TFT10が導通し、液晶容量30に画像信号が書き込まれる。また、保持容量20は、良好な表示品質を保持するために設けられたものである。そして、その保持容量20を介して絵素電極と反対側に配置された電極が、保持容量配線53と接続されている。
【0021】
なお、上記構成において、検査用スイッチTFT40、検査用ゲート信号入力配線61、検査用ソース信号入力配線62、検査用スイッチTFTゲート入力配線63、検査用ゲート信号入力パッド71、検査用ソース信号入力パッド72、検査用スイッチTFTゲート入力パッド73、および検査信号入力用パッド700は、従来、製造時における検査用のために設けられているものである。
【0022】
<1.2 動作>
<1.2.1 通常表示期間の動作>
次に、本実施形態に係る液晶表示装置の通常表示期間の動作について説明する。液晶コントローラ800は、パソコン等の外部装置から画像信号を受け取り、液晶パネル100に表示するための画像信号や同期を取るためのタイミング信号を出力する。走査配線駆動回路200は、液晶コントローラ800が出力したタイミング信号を受け取り、走査配線51を1つずつ選択するために各走査配線51に供給すべき走査信号を出力する。信号配線駆動回路300は、液晶コントローラ800が出力した画像信号とタイミング信号とを受け取り、液晶パネル100を駆動するための画像信号を出力する。共通電極駆動回路400は、液晶コントローラ800が出力したタイミング信号を受け取り、対向電極に印加すべき信号を出力する。そして、それぞれの絵素は、上記のようにして生成された走査信号と画像信号とに基づいて、当該絵素の絵素電極と対向電極との間に電圧が印加されることにより駆動される。
【0023】
次に、液晶パネル100内の各電極に与えられる電圧について図3を参照しつつ説明する。図3は、本実施形態に係る液晶表示装置の通常表示期間の駆動波形図である。絵素TFT10のゲート電極1には、当該ゲート電極1を含む走査配線51を選択状態にするときには12.5Vの電圧Vghが印加され、非選択状態にするときには−9.5±3.5Vの電圧Vglが印加される。絵素TFT10のソース電極2には、表示すべき画像の当該ソース電極2を含む絵素部分に応じて、0.5Vから4.5Vまでの電圧Vsが印加される。対向電極にはPP値(ピークピーク値)を3.5Vとする所定の電圧Vcomが印加される。検査用スイッチTFT40のゲート電極4には、通常表示期間中は常に−9.5Vの電圧Vswが印加され、検査用スイッチTFT40が導通することはない。なお、前述のとおり液晶の劣化を防止するとともに表示品位を向上するため、走査配線51が1本ずつ選択される毎に、各電極に印加する電圧は反転される。
【0024】
ゲート電極1に12.5Vの電圧Vghが印加されているとき、当該ゲート電極1を含む絵素TFT10は導通状態となる。そして、そのときソース電極2に印加されている電圧Vsに応じて、当該ソース電極2からドレイン電極3に電流が流れる。これにより、ドレイン電位はソース電位と同電位となるように変化し、このドレイン電位に基づいて、絵素電極と対向電極との間に電圧が印加される。
【0025】
一方、ゲート電極1に−9.5±3.5Vの電圧信号Vglが印加されているとき、当該ゲート電極1を含む絵素TFT10は非導通状態となる。このとき、絵素TFT10が導通している期間に液晶容量30及び保持容量20に蓄積された画像信号により、ドレイン電位は保持される。但し、前述のとおりTFTのId−Vg特性がマイナス方向へシフトして閾値電圧が低下するので、リーク電流の増加に応じたドレイン電位の変動がある。
【0026】
<1.2.2 画像非表示期間の動作>
次に、本実施形態に係る液晶表示装置の画像非表示期間の動作について説明する。この液晶表示装置の電源スイッチがオフにされると、電源回路900から当該電源スイッチがオフにされた旨を表わす信号(以下、「電源オフ信号」という)が出力される。液晶コントローラ800は、その電源オフ信号を受け取り、液晶パネル100に印加すべき信号や同期を取るためのタイミング信号を出力する。画像非表示期間用駆動回路1000は、液晶コントローラ800が出力した信号とタイミング信号とを受け取り、液晶パネル100を駆動するための電圧信号を出力する。
【0027】
次に、液晶パネル100内の各電極に与えられる電圧を図2および図4を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態に係る液晶表示装置の画像非表示期間の駆動波形図である。全ての検査用スイッチTFT40のゲート電極4には、図4に示すように、画像非表示期間中12.5Vの電圧Vswが印加される。これにより、全ての検査用スイッチTFT40は導通する。すなわち、図2で右端に配置されている全ての検査用スイッチTFT40において、走査配線51と検査用ゲート信号入力配線61とが導通し、図2で下端に配置されている全ての検査用スイッチTFT40において、信号配線52と検査用ソース信号入力配線62とが導通する。このため、絵素TFT10のゲート電極1には、検査用ゲート信号入力配線61から送られた信号が与えられ、絵素TFT10のソース電極2には、検査用ソース信号入力配線62から送られた信号が与えられる。
【0028】
また、全ての検査用ゲート信号入力配線61には、画像非表示期間中12.5Vの電圧信号が与えられる。一方、全ての検査用ソース信号入力配線62には、画像非表示期間中0Vの電圧信号が与えられる。また、対向電極には、画像非表示期間中0Vの電圧信号Vcomが与えられる。これにより、図4に示すとおり、画像非表示期間中、絵素TFT10のゲート電極1には12.5Vの電圧Vgが印加され、絵素TFTのソース電極2には0Vの電圧Vsが印加される。このとき、ソース電極2と対向電極との電位差は0Vとなるので、例えばノーマリホワイト型の液晶表示装置であれば、全面白色の単色表示となる。
【0029】
ここで、TFTのゲート電極にソース電極よりも高い電圧を与えると、前述したTFTのId−Vg特性がプラス方向へシフトすることが知られている。本実施形態においては、上述のように、画像非表示期間中、ゲート電位は12.5Vとなりソース電位は0Vとなる。このため、当該期間中、TFTのId−Vg特性はプラス方向へシフトする。
【0030】
<1.3 TFTの閾値電圧の改善>
以上のように、本実施形態においては、画像非表示期間中に、液晶パネル100が備える絵素TFT10のゲート電極1にはソース電極2よりも高い電圧が印加される。これにより、画像非表示期間中に絵素TFT10のId−Vg特性がプラス方向へシフトする。このため、絵素TFT10の閾値電圧は高くなる。図5は、絵素TFT10の閾値電圧の変化を示す図である。従来の液晶表示装置では、時間の経過とともに、絵素TFT10の閾値電圧は低下している。本実施形態に係る液晶表示装置では、絵素TFT10の閾値電圧は、液晶パネル100駆動中(通常表示期間)には低下するが、画像非表示期間中には上昇している。これにより、長期使用後における閾値電圧が、従来のように低下することはない。このため、絵素TFT10に流れるリーク電流が少なくなるので、ドレイン電位の変動が抑制され、ドレイン電位の変動に起因する表示不良が防止される。
【0031】
<2 第2の実施形態>
<2.1 全体構成>
図6は、本発明の第2の実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置の構成を示すブロック図である。この液晶表示装置は、液晶コントローラ800と、液晶パネル100と、走査配線駆動回路200と、信号配線駆動回路300と、共通電極駆動回路400と、電源回路900とを備えている。また、図7は、本実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネル100内の等価回路図である。なお、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0032】
第1の実施形態と同様、この液晶表示装置の液晶パネル100は、TFT基板と対向基板とから構成されている。TFT基板には、走査配線51と信号配線52とが格子状に設けられている。走査配線51と信号配線52とで囲まれた位置に絵素電極が設けられ、この絵素電極は、走査配線51と信号配線52との交差部近傍に設けられた絵素TFT10と接続されている。TFT基板と対向する位置には対向基板が設けられ、TFT基板に設けられた絵素電極と対向基板に設けられた対向電極との間に液晶容量30が形成される。また、液晶容量30と並列に保持容量20が形成され、TFT基板には保持容量配線53が設けられている。そして、保持容量20を介して絵素電極と反対側に配置された電極が保持容量配線53と接続されている。
【0033】
<2.2 動作>
次に、本実施形態に係る液晶表示装置の動作について説明する。
従来より、電力の消費を抑制するために省電力モードの機能を有している表示装置がある。省電力モードとは、入力の無い状態が一定時間継続したときに、電力の供給を抑制し、画面を非表示状態にする機能である。このとき、表示装置は待機状態になっており、操作者により再度入力操作が行われると、電力が通常通り供給され、画面が表示状態となる。本実施形態では、この省電力モードにより画面が非表示になっているときを前述の画像非表示期間とし、通常表示期間とは異なる動作が行われる。なお、本実施形態において、通常表示期間中の動作は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0034】
この液晶表示装置では、入力の無い状態が一定時間継続すると、省電力モードになった旨を表わす信号が、パソコン等の外部装置から液晶コントローラ800を介して、走査配線駆動回路200と信号配線駆動回路300と共通電極駆動回路400とに与えられる。走査配線駆動回路200と信号配線駆動回路300と共通電極駆動回路400とは、その省電力モードになった旨を表わす信号に基づいて、画像非表示期間中、後述のように液晶パネル100に一定の電圧が印加されるよう電圧信号を出力する。
【0035】
次に、液晶パネル100内の各電極に与えられる電圧について説明する。走査配線駆動回路200は、省電力モードになった旨を表わす信号を受け取ると、12.5Vの電圧信号を出力する。これにより、全ての走査配線51には、画像非表示期間中12.5Vの電圧信号が与えられる。一方、信号配線駆動回路300は、省電力モードになった旨を表わす信号を受け取ると、0Vの電圧信号を出力する。これにより、全ての信号配線52には、画像非表示期間中0Vの電圧信号が与えられる。一方、共通電極駆動回路400は、省電力モードになった旨を表わす信号を受け取ると、0Vの電圧信号を出力する。これにより、全ての対向電極配線54には、画像非表示期間中0Vの電圧信号が与えられる。このため、画像非表示期間中、全ての絵素TFT10のゲート電極1には、12.5Vの電圧が印加され、全ての絵素TFT10のソース電極2には0Vの電圧が印加される。
【0036】
このように、本実施形態においても第1の実施形態と同様、画像非表示期間中、絵素TFT10のゲート電極1にソース電極2よりも高い電圧が与えられる。これにより、絵素TFT10の閾値電圧は高くなり、当該絵素TFT10に流れるリーク電流が少なくなる。このため、ドレイン電位の低下が抑制され、ドレイン電位の低下に起因する表示不良が防止される。
【0037】
<3 変形例など>
図8は、上記第1の実施形態の変形例における画像非表示期間の駆動波形図である。本変形例においては、画像非表示期間中、検査用ソース信号入力配線62には、−5.5Vから+5.5Vの電圧信号が与えられる。このため、絵素TFT10のソース電極2には、−5.5Vから+5.5Vの電圧Vsが印加される。これにより、表示装置の画面を白と黒との中間色にすることができる。なお、前述のとおり液晶の劣化を防止するため、1フレーム毎にソース電極2に印加する電圧は反転される。
【0038】
また、上記各実施形態では、アクティブマトリクス型の液晶表示装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。アクティブマトリクス型の有機EL、アクティブマトリクス型の無機ELなどnチャネル型TFTを備えるアクティブマトリクス型の表示装置に適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
第1の発明によれば、画像非表示期間中に、薄膜トランジスタのゲート電極にはソース電極よりも高い電圧が印加される。これにより、通常表示期間中にマイナス方向にシフトした薄膜トランジスタのId−Vg特性は、画像非表示期間中ではプラス方向へシフトして戻るため、薄膜トランジスタの閾値電圧は高く維持される。薄膜トランジスタの閾値電圧が高く維持されることにより、当該薄膜トランジスタに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生を防止できる表示装置が実現される。
【0040】
第2の発明によれば、外部から与えられる信号に基づいて、画像非表示期間中に、薄膜トランジスタのゲート電極にはソース電極よりも高い電圧が印加される。これにより、通常表示期間中にマイナス方向にシフトした薄膜トランジスタのId−Vg特性は、画像非表示期間中ではプラス方向へシフトして戻るため、薄膜トランジスタの閾値電圧は高く維持される。薄膜トランジスタの閾値電圧が高く維持されることにより、当該薄膜トランジスタに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生を防止できる表示装置が実現される。
【0041】
第3の発明によれば、第1の発明と同様、画像非表示期間中に、薄膜トランジスタのゲート電極にはソース電極よりも高い電圧が印加される。これにより、通常表示期間中にマイナス方向にシフトした薄膜トランジスタのId−Vg特性は、画像非表示期間中ではプラス方向へシフトして戻るため、薄膜トランジスタの閾値電圧は高く維持される。薄膜トランジスタの閾値電圧が高く維持されることにより、当該薄膜トランジスタに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。また、従来の表示装置に、新たな別の回路を設ける必要がない。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生を防止できる表示装置が容易に実現される。
【0042】
第4の発明によれば、第2の発明と同様、外部から与えられる信号に基づいて、画像非表示期間中に、薄膜トランジスタのゲート電極にはソース電極よりも高い電圧が印加される。これにより、通常表示期間中にマイナス方向にシフトした薄膜トランジスタのId−Vg特性は、画像非表示期間中ではプラス方向へシフトして戻るため、薄膜トランジスタの閾値電圧は高く維持される。薄膜トランジスタの閾値電圧が高く維持されることにより、当該薄膜トランジスタに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。また、従来の表示装置に、新たな別の回路を設ける必要がない。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生を防止できる表示装置が容易に実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネル内の等価回路図である。
【図3】上記実施形態に係る液晶表示装置の通常表示期間の駆動波形図である。
【図4】上記実施形態に係る液晶表示装置の画像非表示期間の駆動波形図である。
【図5】上記実施形態における絵素TFTの閾値電圧の変化を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】上記第2の実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネル内の等価回路図である。。
【図8】上記各実施形態の変形例における画像非表示期間の駆動波形図である。
【図9】従来技術による液晶表示装置の駆動波形図である。
【図10】TFTのId−Vg特性の変化を示す図である。
【図11】従来技術による液晶表示装置の保持期間中のドレイン電位の変動を示す図である。
【符号の説明】
1…ゲート電極
2…ソース電極
3…ドレイン電極
10…絵素TFT
40…検査用スイッチTFT
51…走査配線
52…信号配線
61…検査用ゲート信号入力配線
62…検査用ソース信号入力配線
63…検査用スイッチTFTゲート入力配線
100…液晶パネル
200…走査配線駆動回路
300…信号配線駆動回路
800…液晶コントローラ
1000…画像非表示期間用駆動回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に関し、特にアクティブマトリクス型表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)を備えているアクティブマトリクス型液晶表示装置が知られている。この液晶表示装置は、互いに対向する2枚の絶縁性の基板から構成される液晶パネルを備えている。液晶パネルの一方の基板には、走査配線(ゲートバスライン)と信号配線(ソースバスライン)とが格子状に設けられ、走査配線と信号配線との交差部近傍にTFTが設けられている。TFTは、走査配線から分岐しているゲート電極、信号配線から分岐しているソース電極、および画像を形成するために当該基板上にマトリクス状に配置されている絵素電極と接続されているドレイン電極とから構成される。また、液晶パネルの他方の基板には、絵素電極との間に電圧を印加するための電極(以下「対向電極」という)が設けられている。そして、それぞれの絵素は、走査配線からアクティブな走査信号を受けたときに、信号配線から受けた画像信号によって絵素電極と対向電極との間に電圧が印加されることにより駆動される。
【0003】
図9は、上記従来技術による液晶表示装置の駆動波形図である。以下、図9を参照しつつ、この液晶表示装置の駆動方法について説明する。なお、この液晶表示装置では、スイッチング素子としてTFTが用いられている。図9には、この液晶表示装置の駆動中における、TFTのゲート電極の電位(ゲート電位)4002と、ソース電極の電位(ソース電位)4001と、ドレイン電極の電位(ドレイン電位)4004の変化が示されている。この液晶表示装置の走査配線は複数で構成されており、各走査配線には、選択されている状態を表わす信号(以下、「オン信号」という)が1本ずつ順に与えられる。これにより、オン信号が与えられた走査配線と接続されているゲート電極には、そのオン信号に基づいて電圧が印加される。このとき、ソース電極には、絵素電極に印加すべき電圧に応じて信号配線から与えられた画像信号に基づいて電圧が印加される。ここで、オン信号が表わす電圧値は、ソース電位4001よりも十分に高いものとされている。このため、ゲート電極にオン信号が入力されると、そのゲート電極を含むTFTは導通状態となり、ドレイン電位4004とソース電位4001とが等しくなるように、ソース電極からドレイン電極に電流が流れる。これにより図9に示すようにドレイン電位4004が変化し、このドレイン電位4004に基づいて、絵素電極と対向電極との間に電圧が印加される。
【0004】
或る走査配線へのオン信号の入力が終了すると、当該走査配線が再度選択されるまでの期間(以下「保持期間」という)、当該走査配線のゲート電極にはソース電位4001よりも十分に低い値の電圧信号(以下、「オフ信号」という)が与えられる。また、液晶には一方向に電圧を印加し続けると劣化するという性質があり、その劣化を防止するとともに表示品位を向上するために、図9に示すように、走査配線が1本ずつ選択される毎にソース電極に印加する電圧は反転されている。そして、保持期間中、ゲート電位4002はソース電位4001よりも十分に低い状態が保持され、TFTは非導通状態となり、ドレイン電位4004は保持される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−305735号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、TFTには、ゲート電位4002がソース電位4001よりも低い状態が続くと、当該TFTのId−Vg(ドレイン電流−ゲート電圧)特性が以下のように変化し、閾値電圧(ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れはじめるゲート電圧)が低下するという性質がある。図10は、液晶表示装置を長期使用した場合におけるTFTのId−Vg特性の変化を示す図である。図10において、横軸はTFTのゲート電圧を表わし、縦軸はTFTのドレイン電流を表わしている。初期のId−Vg曲線と長期使用後のId−Vg曲線とを比較すると、TFTに等しいゲート電圧を与えた場合、初期のリーク電流よりも長期使用後のリーク電流の方が大きくなっている。オフ信号を示すゲート電圧を図10ではXで示しているが、初期においてIoff1であったリーク電流が、長期使用後はIoff2に増加している。なお、TFTのId−Vg特性を示す図において、当該特性を示す曲線が左方向へ移動することを「マイナス方向へのシフト」といい、右方向へ移動することを「プラス方向へのシフト」という。
【0007】
上述のようにTFTのリーク電流が増加すると、ドレイン電位は保持期間中に徐々に低下する。図11は、保持期間中のドレイン電位の低下を示す図である。図11において、横軸は保持期間中の経過時間を表わし、縦軸はドレイン電位を表わしている。また、Vd1はリーク電流がIoff1のときのドレイン電位の低下を示し、Vd2はリーク電流がIoff2のときのドレイン電位の低下を示している。図11に示すように、リーク電流のIoff1からIoff2への増加に伴い、ドレイン電位はVd1からVd2へと大きく低下している。このようにドレイン電位の低下が大きくなると、絵素電極と対向電極との間に印加すべき電圧が正しく印加されなくなる。このため、その絵素は表示不良として視認されるようになる。
【0008】
そこで本発明では、TFTに流れるリーク電流を抑制し、表示不良の発生を防止できる表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置であって、
前記画像が非表示であるときに前記走査配線に第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に第2の所定電圧を供給する画像非表示期間用駆動回路を更に備え、
前記画像非表示期間用駆動回路は、前記第1の所定電圧の値を前記第2の所定電圧の値よりも大きくすることを特徴とする。
このような第1の発明によれば、画像非表示期間中に、画像非表示期間用駆動回路によって、走査配線に信号配線よりも大きい値の電圧が供給される。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、
前記画像非表示期間用駆動回路は、外部から与えられる信号に基づき前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを当該所定信号が示しているときに、前記走査配線に前記第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に前記第2の所定電圧を供給することを特徴とする。
このような第2の発明によれば、外部から与えられる信号に基づいて、画像非表示期間中に、画像非表示期間用駆動回路によって、走査配線に信号配線よりも大きい値の電圧が供給される。
【0011】
第3の発明は、複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置であって、
前記走査配線駆動回路は、前記画像が非表示であるときに、前記走査配線に第1の所定電圧を供給し、
前記信号配線駆動回路は、前記画像が非表示であるときに、前記信号配線に前記第1の所定電圧よりも小さい値の第2の所定電圧を供給することを特徴とする。
このような第3の発明によれば、画像非表示期間中に、走査配線駆動回路と信号配線駆動回路とによって、走査配線に信号配線よりも大きい値の電圧が供給される。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、
前記走査配線駆動回路は、外部から与えられる信号に基づき前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを当該所定信号が示しているときに、前記走査配線に前記第1の所定電圧を供給し、
前記信号配線駆動回路は、前記所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを前記所定信号が示しているときに、前記信号配線に前記第2の所定電圧を供給することを特徴とする。
このような第4の発明によれば、外部から与えられる信号に基づいて、画像非表示期間中に、走査配線駆動回路と信号配線駆動回路とによって、走査配線に信号配線よりも大きい値の電圧が供給される。
【0013】
第5の発明は、複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置の駆動方法であって、
前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取るステップと、
前記画像が非表示であることを前記所定信号が示しているときに、前記走査配線に第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に第2の所定電圧を供給するステップとを備え、
前記第1の所定電圧の値は前記第2の所定電圧の値よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
<1 第1の実施形態>
<1.1 全体構成>
図1は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置の構成を示すブロック図である。この液晶表示装置は、液晶コントローラ800と、液晶パネル100と、走査配線駆動回路200と、信号配線駆動回路300と、共通電極駆動回路400と、画像非表示期間用駆動回路1000と、検査信号入力用パッド700と、電源回路900とを備えている。
【0015】
液晶コントローラ800は、外部からの画像信号等を受け取り、液晶パネル100に画像を表示するための画像信号やタイミング信号を出力し、この表示装置の表示制御手段として機能する。走査配線駆動回路200、信号配線駆動回路300、共通電極駆動回路400および画像非表示期間用駆動回路1000は、液晶コントローラ800が出力した信号に基づいて、液晶パネル100に電圧を印加するための信号を出力する。なお、この動作についての詳細は後述する。
【0016】
検査信号入力用パッド700は、この液晶表示装置の製造時における検査用の信号線が接続されているパッドであり、画像非表示期間用駆動回路1000と接続されている。また、検査信号入力用パッド700には、検査用スイッチTFTゲート入力パッド73と検査用ゲート信号入力パッド71と検査用ソース信号入力パッド72とが含まれている。
【0017】
電源回路900は、液晶表示装置の電源スイッチがオンであるかオフであるかの状態を示す信号を出力し、液晶コントローラ800は、その信号に基づいて画像を表示するか非表示にするかを決定している。本説明においては、液晶表示装置に通常の画像が表示される期間を「通常表示期間」といい、通常の画像が表示されない期間を「画像非表示期間」という。
【0018】
図2は、本実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネル100内の等価回路図である。この液晶パネル100は、互いに対向する2枚の絶縁性の基板から構成され、それら2枚の基板の間には液晶が封入されている。それらの2枚の基板のうち一方の基板(以下、「TFT基板」という)には、絵素TFT10と、走査配線51と、信号配線52と、保持容量配線53と、検査用スイッチTFT40と、検査用ゲート信号入力配線61と、検査用ソース信号入力配線62と、検査用スイッチTFTゲート入力配線63と、保持容量(補助容量)20と、保持容量配線53とが設けられている。走査配線51と信号配線52とは互いに格子状に設けられており、走査配線51と信号配線52とで囲まれた位置には絵素電極が設けられている。絵素TFT10は、走査配線51から分岐しているゲート電極1と、信号配線52から分岐しているソース電極2と、絵素電極と接続しているドレイン電極3とから構成される。また、上記2枚の基板のうち他方の基板(以下、「対向基板」という)には、絵素電極との間に電圧を印加するための対向電極が設けられている。
【0019】
走査配線51の一端は、走査配線駆動回路200に接続されており、他端は、検査用スイッチTFT40のドレイン電極と接続されている。信号配線52の一端は、信号配線駆動回路300に接続されており、他端は、検査用スイッチTFT40のドレイン電極と接続されている。検査用スイッチTFT40のゲート電極は、検査用ゲート信号入力配線61と接続されており、検査用スイッチTFT40のソース電極は、検査用ゲート信号入力配線61もしくは検査用ソース信号入力配線62と接続されている。そして、検査用スイッチTFT40にオン信号が与えられると、走査配線51と検査用ゲート信号入力配線61とが導通し、また、信号配線52と検査用ソース信号入力配線62とが導通する構成となっている。検査用スイッチTFTゲート入力配線63、検査用ゲート信号入力配線61および検査用ソース信号入力配線62は、それぞれ、検査用スイッチTFTゲート入力パッド73、検査用ゲート信号入力パッド71および検査用ソース信号入力パッド72と接続されている。
【0020】
また、絵素電極と対向電極との間には液晶容量30が設けられ、その液晶容量30と並列に保持容量(補助容量)20が設けられている。絵素TFT10のゲート電極1にオン信号が与えられると、当該絵素TFT10が導通し、液晶容量30に画像信号が書き込まれる。また、保持容量20は、良好な表示品質を保持するために設けられたものである。そして、その保持容量20を介して絵素電極と反対側に配置された電極が、保持容量配線53と接続されている。
【0021】
なお、上記構成において、検査用スイッチTFT40、検査用ゲート信号入力配線61、検査用ソース信号入力配線62、検査用スイッチTFTゲート入力配線63、検査用ゲート信号入力パッド71、検査用ソース信号入力パッド72、検査用スイッチTFTゲート入力パッド73、および検査信号入力用パッド700は、従来、製造時における検査用のために設けられているものである。
【0022】
<1.2 動作>
<1.2.1 通常表示期間の動作>
次に、本実施形態に係る液晶表示装置の通常表示期間の動作について説明する。液晶コントローラ800は、パソコン等の外部装置から画像信号を受け取り、液晶パネル100に表示するための画像信号や同期を取るためのタイミング信号を出力する。走査配線駆動回路200は、液晶コントローラ800が出力したタイミング信号を受け取り、走査配線51を1つずつ選択するために各走査配線51に供給すべき走査信号を出力する。信号配線駆動回路300は、液晶コントローラ800が出力した画像信号とタイミング信号とを受け取り、液晶パネル100を駆動するための画像信号を出力する。共通電極駆動回路400は、液晶コントローラ800が出力したタイミング信号を受け取り、対向電極に印加すべき信号を出力する。そして、それぞれの絵素は、上記のようにして生成された走査信号と画像信号とに基づいて、当該絵素の絵素電極と対向電極との間に電圧が印加されることにより駆動される。
【0023】
次に、液晶パネル100内の各電極に与えられる電圧について図3を参照しつつ説明する。図3は、本実施形態に係る液晶表示装置の通常表示期間の駆動波形図である。絵素TFT10のゲート電極1には、当該ゲート電極1を含む走査配線51を選択状態にするときには12.5Vの電圧Vghが印加され、非選択状態にするときには−9.5±3.5Vの電圧Vglが印加される。絵素TFT10のソース電極2には、表示すべき画像の当該ソース電極2を含む絵素部分に応じて、0.5Vから4.5Vまでの電圧Vsが印加される。対向電極にはPP値(ピークピーク値)を3.5Vとする所定の電圧Vcomが印加される。検査用スイッチTFT40のゲート電極4には、通常表示期間中は常に−9.5Vの電圧Vswが印加され、検査用スイッチTFT40が導通することはない。なお、前述のとおり液晶の劣化を防止するとともに表示品位を向上するため、走査配線51が1本ずつ選択される毎に、各電極に印加する電圧は反転される。
【0024】
ゲート電極1に12.5Vの電圧Vghが印加されているとき、当該ゲート電極1を含む絵素TFT10は導通状態となる。そして、そのときソース電極2に印加されている電圧Vsに応じて、当該ソース電極2からドレイン電極3に電流が流れる。これにより、ドレイン電位はソース電位と同電位となるように変化し、このドレイン電位に基づいて、絵素電極と対向電極との間に電圧が印加される。
【0025】
一方、ゲート電極1に−9.5±3.5Vの電圧信号Vglが印加されているとき、当該ゲート電極1を含む絵素TFT10は非導通状態となる。このとき、絵素TFT10が導通している期間に液晶容量30及び保持容量20に蓄積された画像信号により、ドレイン電位は保持される。但し、前述のとおりTFTのId−Vg特性がマイナス方向へシフトして閾値電圧が低下するので、リーク電流の増加に応じたドレイン電位の変動がある。
【0026】
<1.2.2 画像非表示期間の動作>
次に、本実施形態に係る液晶表示装置の画像非表示期間の動作について説明する。この液晶表示装置の電源スイッチがオフにされると、電源回路900から当該電源スイッチがオフにされた旨を表わす信号(以下、「電源オフ信号」という)が出力される。液晶コントローラ800は、その電源オフ信号を受け取り、液晶パネル100に印加すべき信号や同期を取るためのタイミング信号を出力する。画像非表示期間用駆動回路1000は、液晶コントローラ800が出力した信号とタイミング信号とを受け取り、液晶パネル100を駆動するための電圧信号を出力する。
【0027】
次に、液晶パネル100内の各電極に与えられる電圧を図2および図4を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態に係る液晶表示装置の画像非表示期間の駆動波形図である。全ての検査用スイッチTFT40のゲート電極4には、図4に示すように、画像非表示期間中12.5Vの電圧Vswが印加される。これにより、全ての検査用スイッチTFT40は導通する。すなわち、図2で右端に配置されている全ての検査用スイッチTFT40において、走査配線51と検査用ゲート信号入力配線61とが導通し、図2で下端に配置されている全ての検査用スイッチTFT40において、信号配線52と検査用ソース信号入力配線62とが導通する。このため、絵素TFT10のゲート電極1には、検査用ゲート信号入力配線61から送られた信号が与えられ、絵素TFT10のソース電極2には、検査用ソース信号入力配線62から送られた信号が与えられる。
【0028】
また、全ての検査用ゲート信号入力配線61には、画像非表示期間中12.5Vの電圧信号が与えられる。一方、全ての検査用ソース信号入力配線62には、画像非表示期間中0Vの電圧信号が与えられる。また、対向電極には、画像非表示期間中0Vの電圧信号Vcomが与えられる。これにより、図4に示すとおり、画像非表示期間中、絵素TFT10のゲート電極1には12.5Vの電圧Vgが印加され、絵素TFTのソース電極2には0Vの電圧Vsが印加される。このとき、ソース電極2と対向電極との電位差は0Vとなるので、例えばノーマリホワイト型の液晶表示装置であれば、全面白色の単色表示となる。
【0029】
ここで、TFTのゲート電極にソース電極よりも高い電圧を与えると、前述したTFTのId−Vg特性がプラス方向へシフトすることが知られている。本実施形態においては、上述のように、画像非表示期間中、ゲート電位は12.5Vとなりソース電位は0Vとなる。このため、当該期間中、TFTのId−Vg特性はプラス方向へシフトする。
【0030】
<1.3 TFTの閾値電圧の改善>
以上のように、本実施形態においては、画像非表示期間中に、液晶パネル100が備える絵素TFT10のゲート電極1にはソース電極2よりも高い電圧が印加される。これにより、画像非表示期間中に絵素TFT10のId−Vg特性がプラス方向へシフトする。このため、絵素TFT10の閾値電圧は高くなる。図5は、絵素TFT10の閾値電圧の変化を示す図である。従来の液晶表示装置では、時間の経過とともに、絵素TFT10の閾値電圧は低下している。本実施形態に係る液晶表示装置では、絵素TFT10の閾値電圧は、液晶パネル100駆動中(通常表示期間)には低下するが、画像非表示期間中には上昇している。これにより、長期使用後における閾値電圧が、従来のように低下することはない。このため、絵素TFT10に流れるリーク電流が少なくなるので、ドレイン電位の変動が抑制され、ドレイン電位の変動に起因する表示不良が防止される。
【0031】
<2 第2の実施形態>
<2.1 全体構成>
図6は、本発明の第2の実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置の構成を示すブロック図である。この液晶表示装置は、液晶コントローラ800と、液晶パネル100と、走査配線駆動回路200と、信号配線駆動回路300と、共通電極駆動回路400と、電源回路900とを備えている。また、図7は、本実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネル100内の等価回路図である。なお、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0032】
第1の実施形態と同様、この液晶表示装置の液晶パネル100は、TFT基板と対向基板とから構成されている。TFT基板には、走査配線51と信号配線52とが格子状に設けられている。走査配線51と信号配線52とで囲まれた位置に絵素電極が設けられ、この絵素電極は、走査配線51と信号配線52との交差部近傍に設けられた絵素TFT10と接続されている。TFT基板と対向する位置には対向基板が設けられ、TFT基板に設けられた絵素電極と対向基板に設けられた対向電極との間に液晶容量30が形成される。また、液晶容量30と並列に保持容量20が形成され、TFT基板には保持容量配線53が設けられている。そして、保持容量20を介して絵素電極と反対側に配置された電極が保持容量配線53と接続されている。
【0033】
<2.2 動作>
次に、本実施形態に係る液晶表示装置の動作について説明する。
従来より、電力の消費を抑制するために省電力モードの機能を有している表示装置がある。省電力モードとは、入力の無い状態が一定時間継続したときに、電力の供給を抑制し、画面を非表示状態にする機能である。このとき、表示装置は待機状態になっており、操作者により再度入力操作が行われると、電力が通常通り供給され、画面が表示状態となる。本実施形態では、この省電力モードにより画面が非表示になっているときを前述の画像非表示期間とし、通常表示期間とは異なる動作が行われる。なお、本実施形態において、通常表示期間中の動作は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0034】
この液晶表示装置では、入力の無い状態が一定時間継続すると、省電力モードになった旨を表わす信号が、パソコン等の外部装置から液晶コントローラ800を介して、走査配線駆動回路200と信号配線駆動回路300と共通電極駆動回路400とに与えられる。走査配線駆動回路200と信号配線駆動回路300と共通電極駆動回路400とは、その省電力モードになった旨を表わす信号に基づいて、画像非表示期間中、後述のように液晶パネル100に一定の電圧が印加されるよう電圧信号を出力する。
【0035】
次に、液晶パネル100内の各電極に与えられる電圧について説明する。走査配線駆動回路200は、省電力モードになった旨を表わす信号を受け取ると、12.5Vの電圧信号を出力する。これにより、全ての走査配線51には、画像非表示期間中12.5Vの電圧信号が与えられる。一方、信号配線駆動回路300は、省電力モードになった旨を表わす信号を受け取ると、0Vの電圧信号を出力する。これにより、全ての信号配線52には、画像非表示期間中0Vの電圧信号が与えられる。一方、共通電極駆動回路400は、省電力モードになった旨を表わす信号を受け取ると、0Vの電圧信号を出力する。これにより、全ての対向電極配線54には、画像非表示期間中0Vの電圧信号が与えられる。このため、画像非表示期間中、全ての絵素TFT10のゲート電極1には、12.5Vの電圧が印加され、全ての絵素TFT10のソース電極2には0Vの電圧が印加される。
【0036】
このように、本実施形態においても第1の実施形態と同様、画像非表示期間中、絵素TFT10のゲート電極1にソース電極2よりも高い電圧が与えられる。これにより、絵素TFT10の閾値電圧は高くなり、当該絵素TFT10に流れるリーク電流が少なくなる。このため、ドレイン電位の低下が抑制され、ドレイン電位の低下に起因する表示不良が防止される。
【0037】
<3 変形例など>
図8は、上記第1の実施形態の変形例における画像非表示期間の駆動波形図である。本変形例においては、画像非表示期間中、検査用ソース信号入力配線62には、−5.5Vから+5.5Vの電圧信号が与えられる。このため、絵素TFT10のソース電極2には、−5.5Vから+5.5Vの電圧Vsが印加される。これにより、表示装置の画面を白と黒との中間色にすることができる。なお、前述のとおり液晶の劣化を防止するため、1フレーム毎にソース電極2に印加する電圧は反転される。
【0038】
また、上記各実施形態では、アクティブマトリクス型の液晶表示装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。アクティブマトリクス型の有機EL、アクティブマトリクス型の無機ELなどnチャネル型TFTを備えるアクティブマトリクス型の表示装置に適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
第1の発明によれば、画像非表示期間中に、薄膜トランジスタのゲート電極にはソース電極よりも高い電圧が印加される。これにより、通常表示期間中にマイナス方向にシフトした薄膜トランジスタのId−Vg特性は、画像非表示期間中ではプラス方向へシフトして戻るため、薄膜トランジスタの閾値電圧は高く維持される。薄膜トランジスタの閾値電圧が高く維持されることにより、当該薄膜トランジスタに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生を防止できる表示装置が実現される。
【0040】
第2の発明によれば、外部から与えられる信号に基づいて、画像非表示期間中に、薄膜トランジスタのゲート電極にはソース電極よりも高い電圧が印加される。これにより、通常表示期間中にマイナス方向にシフトした薄膜トランジスタのId−Vg特性は、画像非表示期間中ではプラス方向へシフトして戻るため、薄膜トランジスタの閾値電圧は高く維持される。薄膜トランジスタの閾値電圧が高く維持されることにより、当該薄膜トランジスタに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生を防止できる表示装置が実現される。
【0041】
第3の発明によれば、第1の発明と同様、画像非表示期間中に、薄膜トランジスタのゲート電極にはソース電極よりも高い電圧が印加される。これにより、通常表示期間中にマイナス方向にシフトした薄膜トランジスタのId−Vg特性は、画像非表示期間中ではプラス方向へシフトして戻るため、薄膜トランジスタの閾値電圧は高く維持される。薄膜トランジスタの閾値電圧が高く維持されることにより、当該薄膜トランジスタに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。また、従来の表示装置に、新たな別の回路を設ける必要がない。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生を防止できる表示装置が容易に実現される。
【0042】
第4の発明によれば、第2の発明と同様、外部から与えられる信号に基づいて、画像非表示期間中に、薄膜トランジスタのゲート電極にはソース電極よりも高い電圧が印加される。これにより、通常表示期間中にマイナス方向にシフトした薄膜トランジスタのId−Vg特性は、画像非表示期間中ではプラス方向へシフトして戻るため、薄膜トランジスタの閾値電圧は高く維持される。薄膜トランジスタの閾値電圧が高く維持されることにより、当該薄膜トランジスタに流れるリーク電流の増加が抑制され、ドレイン電位の変動が抑制される。また、従来の表示装置に、新たな別の回路を設ける必要がない。このため、ドレイン電位の変動に起因する表示不良の発生を防止できる表示装置が容易に実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネル内の等価回路図である。
【図3】上記実施形態に係る液晶表示装置の通常表示期間の駆動波形図である。
【図4】上記実施形態に係る液晶表示装置の画像非表示期間の駆動波形図である。
【図5】上記実施形態における絵素TFTの閾値電圧の変化を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】上記第2の実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネル内の等価回路図である。。
【図8】上記各実施形態の変形例における画像非表示期間の駆動波形図である。
【図9】従来技術による液晶表示装置の駆動波形図である。
【図10】TFTのId−Vg特性の変化を示す図である。
【図11】従来技術による液晶表示装置の保持期間中のドレイン電位の変動を示す図である。
【符号の説明】
1…ゲート電極
2…ソース電極
3…ドレイン電極
10…絵素TFT
40…検査用スイッチTFT
51…走査配線
52…信号配線
61…検査用ゲート信号入力配線
62…検査用ソース信号入力配線
63…検査用スイッチTFTゲート入力配線
100…液晶パネル
200…走査配線駆動回路
300…信号配線駆動回路
800…液晶コントローラ
1000…画像非表示期間用駆動回路
Claims (5)
- 複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置であって、
前記画像が非表示であるときに前記走査配線に第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に第2の所定電圧を供給する画像非表示期間用駆動回路を更に備え、
前記画像非表示期間用駆動回路は、前記第1の所定電圧の値を前記第2の所定電圧の値よりも大きくすることを特徴とする、表示装置。 - 前記画像非表示期間用駆動回路は、外部から与えられる信号に基づき前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを当該所定信号が示しているときに、前記走査配線に前記第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に前記第2の所定電圧を供給することを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
- 複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置であって、
前記走査配線駆動回路は、前記画像が非表示であるときに、前記走査配線に第1の所定電圧を供給し、
前記信号配線駆動回路は、前記画像が非表示であるときに、前記信号配線に前記第1の所定電圧よりも小さい値の第2の所定電圧を供給することを特徴とする、表示装置。 - 前記走査配線駆動回路は、外部から与えられる信号に基づき前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを当該所定信号が示しているときに、前記走査配線に前記第1の所定電圧を供給し、
前記信号配線駆動回路は、前記所定信号を受け取り、前記画像が非表示であることを前記所定信号が示しているときに、前記信号配線に前記第2の所定電圧を供給することを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。 - 複数の走査配線と複数の信号配線とが格子状に配置された第1の基板と、前記第1の基板上において前記走査配線と前記信号配線とによって囲まれた領域に配置された絵素電極と、前記走査配線と接続されたゲート電極と、前記信号配線と接続されたソース電極と、前記絵素電極と接続されたドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極と前記ドレイン電極とを含む薄膜トランジスタと、前記第1の基板と対向して配置された第2の基板と、前記絵素電極との間に電圧を印加するために前記第2の基板上に設けられた対向電極と、前記走査配線に走査信号を供給する走査配線駆動回路と、前記信号配線に画像を表わす画像信号を供給する信号配線駆動回路とを備えた表示装置の駆動方法であって、
前記画像が非表示であるか否かを示す所定信号を受け取るステップと、
前記画像が非表示であることを前記所定信号が示しているときに、前記走査配線に第1の所定電圧を供給するとともに前記信号配線に第2の所定電圧を供給するステップとを備え、
前記第1の所定電圧の値は前記第2の所定電圧の値よりも大きいことを特徴とする、表示装置の駆動方法。
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JP2003164290A JP2005003746A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 表示装置およびその駆動方法 |
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JP2005274868A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Casio Comput Co Ltd | 液晶表示装置及び液晶表示装置の駆動方法 |
CN1296405C (zh) * | 2002-08-05 | 2007-01-24 | 昭和高分子株式会社 | 聚羧酸树脂、聚羧酸树脂组合物及其固化物 |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003164290A patent/JP2005003746A/ja active Pending
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