JP2005003596A - 抵抗測定装置、抵抗測定用集積回路及び抵抗測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をIC内部に形成しても高精度に抵抗測定を行うことができる抵抗測定装置、抵抗測定用集積回路及び抵抗測定方法を提供する。
【解決手段】通常時は、負荷接続用スイッチSW1がオン、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2がオフとなっており、このとき、スイッチSW1とサーミスタ1の接続点P1の電圧がA/D変換器7のチャンネルCH1に入力され、プルアップ抵抗R1の抵抗値補正時には、負荷接続用スイッチSW1がオフ、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2がオンとなり、このとき、スイッチSW2とリファレンス抵抗4の接続点P2の電圧がA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力される。そして、これらの電圧値を演算することにより、プルアップ抵抗R1の抵抗値のばらつき、温度特性による抵抗値変化があってもサーミスタ1の抵抗値を高精度に求めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】通常時は、負荷接続用スイッチSW1がオン、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2がオフとなっており、このとき、スイッチSW1とサーミスタ1の接続点P1の電圧がA/D変換器7のチャンネルCH1に入力され、プルアップ抵抗R1の抵抗値補正時には、負荷接続用スイッチSW1がオフ、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2がオンとなり、このとき、スイッチSW2とリファレンス抵抗4の接続点P2の電圧がA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力される。そして、これらの電圧値を演算することにより、プルアップ抵抗R1の抵抗値のばらつき、温度特性による抵抗値変化があってもサーミスタ1の抵抗値を高精度に求めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度センサとして用いられるサーミスタ等の可変抵抗器の抵抗値を測定する抵抗測定装置、抵抗測定用集積回路及び抵抗測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを用いた温度センサが知られており、このような温度センサを用いて温度を測定する場合には、一端が所定電圧のプルアップ用電源に接続されたプルアップ抵抗の他端をサーミスタに接続し、プルアップ抵抗とサーミスタの接続点に生じる電圧値をA/D変換器に入力することにより、接続点の電圧値を検出し、この検出値からサーミスタの抵抗値を算出して、温度を測定している。
【0003】
しかしながら、従来の抵抗測定装置では、プルアップ抵抗の抵抗値のばらつきに応じて、プルアップ抵抗とサーミスタとの接続点の電圧値もばらつくため、プルアップ抵抗として公差の小さい高精度の抵抗器を使用しなければならず、特にサーミスタが複数ある場合には、コストが大きくなってしまうという問題があった。
【0004】
一方、装置を小型化するために、複数のプルアップ抵抗をA/D変換器とともに集積化することが行われている。この集積回路に内蔵する抵抗としてはポリシリコン抵抗や拡散抵抗があるが、これらの抵抗は±30%程度の製造ばらつきと±0〜30%程度の温度依存性を持っているため、抵抗値のばらつきや温度依存性が大きすぎ、プルアップ抵抗を集積化した場合、温度を正確に検出することができない。
【0005】
この抵抗値のばらつきを抑えるため、複数のプルアップ抵抗をIC化した場合に、その各抵抗値をレーザトリミングの技術によって個々に調整することも可能であるが、この場合には、製造コストや製造工数の増加を招いてしまうという問題が生じる。
このため、IC外に高精度の基準抵抗を設け、この基準抵抗に接続されるプルアップ抵抗を別途形成することにより、他のプルアップ抵抗の抵抗値を推定することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−29463号公報
【0007】
図11は外部に高精度の基準抵抗を設けた従来の抵抗測定装置を示す図である。
図11に示すように、プルアップ抵抗R1〜R3の一端がプルアップ用電源6に接続され、他端がサーミスタ1〜3に接続されるとともに、プルアップ抵抗R’の一端が同様にプルアップ用電源6に接続され、他端が高精度のリファレンス抵抗4に接続されている。そして、各プルアップ抵抗R1〜R3とサーミスタ1〜3との接続点及びプルアップ抵抗R’とリファレンス抵抗4との接続点の電圧をA/D変換器7の入力チャンネルCH1〜CH3及びCHrefに入力して、それぞれの電圧値を検出する。
【0008】
上記したように、IC内部に抵抗を形成した場合の抵抗値の絶対精度は±30%と外付けの抵抗器に比べて劣るものの、同時に抵抗器を作ることにより、抵抗器相互間の相対精度を±5%以内に収めることができ、プルアップ抵抗R1〜R3及びR’は非常に小さい範囲内に同じ工程で各抵抗器を形成することにより、ばらつきを抑えることができる。したがって、上記A/D変換器7のCHrefに入力された電圧値と電源6の電圧値及びリファレンス抵抗4の抵抗値からプルアップ抵抗R’の抵抗値を求めることができ、この抵抗値からプルアップ抵抗R1〜R3の抵抗値を推定することができるので、A/D変換器7のCH1〜CH3に入力された電圧の値から各サーミスタ1〜3の抵抗値を測定することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の抵抗測定装置は上記のように構成されているが、上記の従来の抵抗測定装置では、プルアップ抵抗R’とプルアップ抵抗R1〜R3とが精度、温度依存性ともに酷似した特性であることを前提条件としており、これらの回路がチップの広範囲にまたがる場合や、IC内部の抵抗作成時にそれらの抵抗相互間の抵抗値誤差が生じた場合には、正確な抵抗値測定を行うことができない。
【0010】
また、サーミスタ1〜3の抵抗値が大きく異なっている場合、高精度の測定を行うためには、プルアップ抵抗R1〜R3のそれぞれの抵抗値をサーミスタ1〜3の抵抗値に合わせて異ならせる必要があるが、上記の従来の抵抗測定装置では、プルアップ抵抗R1〜R3の抵抗値をプルアップ抵抗R’の抵抗値と同じ値にしなくてはならず、サーミスタ1〜3の抵抗値が大きく異なっていても、プルアップ抵抗1〜3の抵抗値を変えることができず、高精度の測定を行うことができないという問題も有った。
【0011】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をIC内部に形成しても高精度に抵抗測定を行うことができるとともに、測定ICに接続される複数の被測定抵抗の抵抗値が大きく異なっていても、抵抗測定を高精度に行うことができる抵抗測定装置、抵抗測定用集積回路及び抵抗測定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明に係る抵抗測定装置(1)は、
被測定抵抗をプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗に接続し、接続点の電圧を検出することにより被測定抵抗の抵抗値を測定する抵抗測定装置において、
リファレンス抵抗と、
プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗と上記リファレンス抵抗との間で切替える切替手段とを備え、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧により上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る抵抗測定装置(1)によれば、切替手段、例えば切替スイッチにより、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値を検出し、この抵抗値の変動による誤差を補正することができるので、例えば、温度変動の影響等によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値が変動しても、被測定抵抗を精度よく測定することが出来る。
【0014】
また、本発明に係る抵抗測定装置(2)は、抵抗測定装置(1)において、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を複数個備え、上記リファレンス抵抗を複数個のプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用したことを特徴とする。この抵抗測定装置(2)によれば、被測定抵抗の入力チャンネル数が増えても、リファレンス抵抗の本数を少なくすることができる。
【0015】
また、本発明に係る抵抗測定装置(3)は、抵抗測定装置(1)において、プルアップ抵抗とプルダウン抵抗の両方を備え、上記リファレンス抵抗をプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用したことを特徴とする。この抵抗測定装置(3)によれば、プルアップ抵抗を備えたチャンネルとプルダウン抵抗を備えたチャンネルの両方がある場合にも、一つのリファレンス抵抗で両者の測定を行うことができる。
【0016】
また、本発明に係る抵抗測定装置(4)は、抵抗測定装置(1)において、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続するスイッチ手段と、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を上記リファレンス抵抗に接続するスイッチ手段とを備え、上記両者のスイッチ手段の特性を同一としたことを特徴とする。この抵抗測定装置(4)によれば、スイッチ手段のオン抵抗の影響をキャンセルすることができるので、高精度な抵抗測定を行うことができる。
【0017】
また、本発明に係る抵抗測定装置(5)は、抵抗測定装置(1)において、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗として被測定抵抗接続用抵抗とリファレンス抵抗接続用抵抗をそれぞれ設けたことを特徴とする。この抵抗測定装置(5)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時に、外部負荷としての被測定抵抗を切り離す必要がなく、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるので、負荷の一時的なオープンが問題となるようなシステムに有効である。
【0018】
また、本発明に係る抵抗測定装置(6)は、抵抗測定装置(5)において、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備え、上記リファレンス抵抗接続用抵抗を複数のチャンネルで兼用したことを特徴とする。この抵抗測定装置(6)によれば、リファレンス抵抗接続用抵抗を複数のチャンネルで兼用することができるので、装置を集積化する場合に、チップ面積を縮小することができる。
【0019】
また、本発明に係る抵抗測定装置(7)は、抵抗測定装置(1)において、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗がダミー抵抗を有し、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続時に、上記ダミー抵抗を被測定抵抗に接続することを特徴とする。この抵抗測定装置(7)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時には、被測定抵抗にダミー抵抗が接続されるので、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるとともに、被測定抵抗の測定及びプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に同じ抵抗を使用するため、測定精度を高くすることができる。
【0020】
また、本発明にかかる抵抗測定装置(8)は、抵抗測定装置(7)において、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備え、上記ダミー抵抗を複数のチャンネルで兼用したことを特徴とする。この抵抗測定装置(8)によれば、ダミー抵抗を複数のチャンネルで兼用することができるので、装置を集積化する場合に、チップ面積を縮小することができる。
【0021】
また、本発明に係る抵抗測定装置(9)は、抵抗測定装置(1)において、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備えるとともに、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個備えたことを特徴とする。この抵抗測定装置(9)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が各チャンネル毎に異なっている場合にも、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗に応じた抵抗値のリファレンス抵抗を使用することができるので、測定精度を向上させることができる。
【0022】
また、本発明に係る抵抗測定装置(10)は、抵抗測定装置(9)において、上記複数のリファレンス抵抗を直列接続したことを特徴とする。この抵抗測定装置(10)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続する抵抗値補正時のリファレンス電圧の読取り箇所を少なくすることができ、A/D変換器の入力チャンネル数を減らすことができる。
【0023】
一方、本発明に係る抵抗測定用集積回路(1)は、抵抗測定装置(1)〜(10)のいずれかに記載の抵抗測定装置に用いる抵抗測定用集積回路であって、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びスイッチ手段を集積化したことを特徴とする。この抵抗測定用集積回路(1)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びスイッチ手段のみを集積化するので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値を変更する場合には、被測定抵抗の入力チャンネルにあらかじめプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とスイッチ手段の対を複数用意し、スイッチ経路を切り換えることで容易に対応することができる。
【0024】
また、本発明に係る抵抗測定用集積回路(2)は、抵抗測定用集積回路装置(1)において、上記リファレンス抵抗も内蔵したことを特徴とする。この抵抗測定用集積回路(2)によれば、外付けのリファレンス抵抗を削除することができ、部品点数を削減することができる。
【0025】
さらに、本発明に係る抵抗測定装置(11)は、抵抗測定用集積回路(1)または(2)と、A/D変換手段と、上記A/D変換手段の出力が入力されるとともに、上記抵抗測定用集積回路を制御する制御手段とよりなることを特徴とする。この抵抗測定装置(11)によれば、抵抗測定用集積回路、A/D変換手段及び制御手段をそれぞれ別々に設計、製造することができ、設計変更が容易になるとともに、被測定抵抗の抵抗値の相違によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が異なる場合や、異なるA/D変換精度が必要な場合にも、適宜対応することができる。
【0026】
また、本発明に係る抵抗測定装置(12)は、抵抗測定装置(11)において、上記制御手段が、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続を間歇的に実施することを特徴とする。この抵抗測定装置(12)によれば、抵抗値補正頻度を低減するとともに、後段の処理負荷を軽減することができる。
【0027】
また、本発明に係る抵抗測定装置(13)は、抵抗測定装置(11)において、上記制御手段が、集積回路チップ温度の急激な変化時には、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続を行わないことを特徴とする。この抵抗測定装置(13)によれば、チップの温度が急激に上昇するようなモードではプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行わないので、処理負荷を軽減するとともに、誤った抵抗値補正を行うことを防止することができる。
【0028】
さらに、本発明に係る抵抗測定方法(1)は、被測定抵抗をプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗に接続し、接続点の電圧を検出することにより被測定抵抗の抵抗値を測定する抵抗測定方法において、
プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗とリファレンス抵抗との間で切替え、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続した時の接続点の電圧と、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧とを用いて、被測定抵抗を求めることを特徴とする。
【0029】
本発明の抵抗測定方法(1)によれば、上記の抵抗測定装置(1)と同様に、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値を検出し、この抵抗値の変動による誤差を補正することができるので、例えば、温度変動の影響等によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値が変動しても、被測定抵抗を精度よく測定することが出来る。
【0030】
また、本発明に係る抵抗測定方法(2)は、抵抗測定方法(1)において、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びリファレンス抵抗の電源側あるいは接地側の電圧を検出し、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続した時の接続点の電圧と、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧と、上記電源側あるいは接地側の電圧とを用いて、被測定抵抗を求めることを特徴とする。この抵抗測定方法(2)によれば、抵抗の電源側あるいは接地側の電圧も測定するので、集積回路内部での電圧ドロップや浮きがあっても補正を行うことができ、電源電圧や接地レベルが集積回路内部でずれても高精度に被測定抵抗を測定することができる。
【0031】
また、本発明に係る抵抗測定方法(3)は、抵抗測定方法(2)において、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びリファレンス抵抗に任意の電圧を加えることを特徴とする。抵抗測定方法(2)では、電源電圧あるいは接地レベルを測定するので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗あるいはレファレンス抵抗の接続先が電源電圧や接地レベルに限られず、任意の電圧を使用することができ、本発明に係る抵抗測定方法(3)によれば、システムの自由度を向上させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の抵抗測定装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1はプルアップ抵抗を用いた抵抗測定装置の実施の形態を示す図であり、1は温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1はプルアップ抵抗、SW1は負荷接続用スイッチ、SW2はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、負荷接続用スイッチSW1はプルアップ抵抗R1をサーミスタ1に接続し、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2はプルアップ抵抗R1をリファレンス抵抗4に接続するためのものである。
【0033】
図1の抵抗測定装置の動作を説明すると、通常時は、負荷接続用スイッチSW1がオン、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2がオフとなっており、このとき、スイッチSW1とサーミスタ1の接続点P1の電圧V1がA/D変換器7のチャンネルCH1に入力され、プルアップ抵抗の抵抗値補正時には、負荷接続用スイッチSW1がオフ、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2がオンとなり、このとき、スイッチSW2とリファレンス抵抗4の接続点P2の電圧VrefがA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力される。
【0034】
プルアップ抵抗R1の抵抗値をRpup、スイッチSW1、SW2のスイッチオン抵抗をそれぞれRsw1、Rsw2、リファレンス抵抗4の抵抗値をRref、サーミスタ1の抵抗値をRs、プルアップ電源用6の電圧値を5Vとすると、
V1=5V・Rs/(Rs+Rsw1+Rpup)・・・(1)
Vref=5V・Rref/(Rref+Rsw2+Rpup)・・・(2)
となるので、(1)式、(2)式より、
Rpup+Rsw1=Rs{(5V/V1)−1}・・・(3)
Rpup+Rsw2=Rref{(5V/Vref)−1}・・・(4)
であり、スイッチSW1とSW2の特性が同一でRsw1=Rsw2とすると、(3)式、(4)式よりサーミスタ1の抵抗値Rsは、
Rs=Rref{(5V/Vref)−1}/{(5V/V1)−1}
により求めることができ、プルアップ抵抗の抵抗値変動があっても高精度にサーミスタ1の抵抗値Rs求めることができる。
【0035】
なお、上記の実施の形態では、スイッチSW1とSW2の特性を同一としたが、例えば、プルアップ抵抗R1の抵抗値Rpupが100kΩ、スイッチSW1、SW2のオン抵抗Rsw1、Rsw2が10Ωというように、その比が0.01%と、スイッチのオン抵抗が誤差要因とならない程度に小さい場合には、スイッチSW1、SW2のスイッチ特性をマッチングさせる必要はなく、LSI設計の容易化、簡素化を図ることができる。
【0036】
次に、プルダウン抵抗を用いた抵抗測定装置の実施の形態を図2により説明する。図2おいて、1は温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R11はプルダウン抵抗、SW11は負荷接続用スイッチ、SW12はリファレンス抵抗接続用スイッチ、8はプルダウン用電源、7はA/D変換器であり、プルダウン用電源8はサーミスタ1及びリファレンス抵抗4に加えられている。
【0037】
そして、図1と同様に、通常時は、負荷接続用スイッチSW11がオン、リファレンス抵抗接続用スイッチSW12がオフとなっており、スイッチSW11とサーミスタ1の接続点P11の電圧V11がA/D変換器7のチャンネルCH1に入力され、プルダウン抵抗R11の抵抗値補正時には、負荷接続用スイッチSW11がオフ、リファレンス抵抗接続用スイッチSW12がオンとなり、スイッチSW12とリファレンス抵抗4の接続点P12の電圧VrefがA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力される。
したがって、図1と同様に、プルダウン抵抗11の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1の抵抗値を高精度に測定することができる。
【0038】
次に、サーミスタを複数個備え、プルアップ抵抗が複数チャンネルある場合の実施の形態について、図3により説明する。
図3において、1、2、3は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1、R2、R3はプルアップ抵抗、SW1、SW3、SW5は負荷接続用スイッチ、SW2、SW4、SW6はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、このA/D変換器7はサーミスタ1〜3の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2、CH3とリファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCHrefの4つの電圧入力チャンネルを備え、リファレンス抵抗4は複数チャンネルのプルアップ抵抗に対して兼用して使用している。
【0039】
そして、プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値補正時には、負荷接続用スイッチSW1、SW3、SW5をオフし、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW4、SW6を順次オンすることにより、プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値をA/D変換器7のチャンネルCHrefへの入力電圧から求めることができ、プルアップ抵抗1、R2、R3の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1、2、3の抵抗値を高精度に測定することができる。
【0040】
また、本発明の抵抗測定装置は、サーミスタを複数個備え、プルダウン抵抗とプルアップ抵抗の両方を備えた抵抗測定装置にも適用することができ、図4はこのようにサーミスタを複数個備え、プルダウン抵抗とプルアップ抵抗の両方を備えた抵抗測定装置を示す図である。
図4において、1、2は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1はプルアップ抵抗、R11はプルダウン抵抗、SW1、SW11は負荷接続用スイッチ、SW2、SW12はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器、8はプルダウン用電源、SW7はプルアップ測定とプルダウン測定の切替えスイッチであり、A/D変換器7はサーミスタ1、2の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2とリファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCHrefの3つの電圧入力チャンネルを備え、リファレンス抵抗4はプルアップ抵抗R1及びプルダウン抵抗R11に対して兼用して使用している。
【0041】
そして、通常時は、負荷接続用スイッチSW1、SW11がオン、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW12がオフとなっており、サーミスタ1、2の電圧がA/D変換器7のチャンネルCH1、CH2に入力されている。一方、プルアップ抵抗R1の抵抗値補正時には、スイッチSW2がオン、スイッチSW1、SW11、SW12がオフ、切替えスイッチSW7が接地側に切替えられ、また、プルダウン抵抗R11の抵抗値補正時には、スイッチSW12がオン、スイッチSW1、SW2、SW11がオフ、スイッチSW7がプルダウン電源8側に切替えられ、スイッチSW2、SW12とリファレンス抵抗4の接続点の電圧がA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力される。これにより、プルアップ抵抗R1、プルダウン抵抗11の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1、2の抵抗値を高精度に測定することができる。
【0042】
一方、大規模LSIの場合、電源、接地ラインは長い距離引き回されることが多いので、端子付近では電圧がドロップ、もしくは浮いている可能性がある。この電源電圧のドロップ、接地ラインの浮きによる検出精度の悪化を防止するため、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の電源あるいは接地側の電位も測定し、これを抵抗値計算時に使用することにより、高精度に測定を行うことができる。
【0043】
図5はこのように電源電圧のドロップの影響を除去する抵抗測定装置の実施の形態を示す図であり、図1と同様に、1は温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1はプルアップ抵抗、SW1は負荷接続用スイッチ、SW2はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器、ΔVは電源電圧の電源ドロップであり、A/D変換器7はサーミスタ1、リファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCH1、CHrefと電源電圧が入力されるチャンネルCHvの3つの電圧入力チャンネルを備えている。
【0044】
この実施の形態では、A/D変換器7のチャンネルCHvに入力された電圧をA/D変換した値をプルアップ電源の電圧値として計算を行うことにより、電源電圧のドロップの影響を除去することができる。同様に、プルダウン抵抗の接地電圧を検出するチャンネルをA/D変換器7に設ければ、接地が浮いている場合にも、同様に補正を行うことができる。
このように電源電圧あるいは接地電圧を検出するようにすれば、プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗の接続先やリファレンス抵抗の接続先に電源、接地以外の任意の電圧を使用することができ、システムの自由度を向上させることができる。
【0045】
以上の実施の形態では、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時に、外部のサーミスタを切り離したが、このようにサーミスタを切り離した状態では、A/D変換器の入力電圧が異常になり、一時的にでも負荷がオープンになる状態が問題となるシステムには使用することができない。このため、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗として負荷接続用プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を設け、サーミスタにプルアップ抵抗を常時接続すれば、上記の不具合を防止することができる。
【0046】
図6は上記のように、サーミスタにプルアップ抵抗を常時接続するようにした抵抗測定装置の実施の形態を示す図であり、図6において、1、2、3は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1、R2、R3は負荷接続用プルアップ抵抗、R4、R5、R6はリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗、SW1、SW3、SW5は負荷接続用スイッチ、SW2、SW4、SW6はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、このA/D変換器7はサーミスタ1〜3の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2、CH3とリファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCHrefの4つの電圧入力チャンネルを備え、リファレンス抵抗4は複数チャンネルのプルアップ抵抗に対して兼用して使用している。また、負荷接続用スイッチSW1、SW3、SW5は常時オンとなっており、リファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗R4、R5、R6はそれぞれプルアップ抵抗R1、R2、R3と酷似した特性を有する抵抗であり、リファレンス抵抗を接続するための専用抵抗である。
【0047】
そして、プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値補正時には、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW4、SW6を順次オンすることにより、リファレンス接続用プルアップ抵抗R4、R5、R6が順次リファレンス抵抗4に接続され、負荷接続用プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値とほぼ等しい抵抗値に応じた電圧がA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力されるので、負荷接続用プルアップ抵抗1、R2、R3の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1、2、3の抵抗値を高精度に測定することができる。このように、負荷接続用プルアップ抵抗1、R2、R3が常にサーミスタ1〜3に接続されているため、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるので、一時的な負荷オープンが問題となるようなシステムに使用することができる。
【0048】
なお、上記の実施の形態では、負荷接続用プルアップ抵抗R1、R2、R3に負荷接続用スイッチSW1、SW3、SW5を接続し、常時オンにして使用したが、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW4、SW6のスイッチオン抵抗が十分に小さく、無視できるような場合には、負荷接続用スイッチSW1、SW3、SW5を設けず、ショートさせてもよい。また、上記の実施の形態では、負荷接続用プルアップ抵抗R1、R2、R3のそれぞれにリファレンス抵抗接続用抵抗R4、R5、R6を設けたが、複数チャンネルのプルアップ抵抗がチップ上で近接して配置されている場合には、複数チャンネル分のリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗を一つのリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗で兼用することもでき、このようにリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗を複数チャンネル分兼用すれば、チップ面積を縮小することが可能である。
【0049】
さらに、図6の実施の形態では、リファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗R4、R5、R6を用いて、プルアップ抵抗の抵抗値補正を行ったが、プルアップ抵抗の抵抗値補正時にサーミスタに接続するダミー抵抗を設け、プルアップ抵抗自体を用いてプルアップ抵抗の抵抗値補正を行うことも可能である。
【0050】
図7は、サーミスタに接続するダミー抵抗を設けた実施の形態を示す図であり、図7において、1、2、3は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1、R2、R3はプルアップ抵抗、R7、R8、R9はプルアップ抵抗補正時にサーミスタに接続するダミー抵抗、SW8、SW9、SW10は切替えスイッチ、SW2、SW4、SW6はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、このA/D変換器7はサーミスタ1〜3の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2、CH3とリファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCHrefの4つの電圧入力チャンネルを備え、リファレンス抵抗4は複数チャンネルのプルアップ抵抗に対して兼用して使用している。また、切替えスイッチSW8、SW9、SW10は負荷測定時にはサーミスタ1、2、3をプルアップ抵抗R1、R2、R3に接続し、プルアップ抵抗の抵抗値補正時には、サーミスタ1〜3をダミー抵抗R7、R8、R9に接続するようにスイッチの接点を切替え、ダミー抵抗R7、R8、R9は図6と同様に、プルアップ抵抗R1、R2、R3と酷似した特性を有する抵抗である。
【0051】
そして、プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値補正時には、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW4、SW6が順次オンされるとともに、スイッチSW2、SW4、SW6のオン動作に同期して切替えスイッチSW8、SW9、SW10の接点が順次ダミー抵抗R7、R8、R9側に切替えられる。これにより、プルダウン抵抗R1、R2、R3の抵抗値に応じた電圧がA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力されるので、プルアップ抵抗1、R2、R3の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1、2、3の抵抗値を高精度に測定することができる。このように、プルアップ抵抗の抵抗値補正時に、ダミー抵抗をサーミスタに接続することにより、負荷オープンの状態を避けることができるとともに、プルアップ抵抗R1、R2、R3自体を用いて抵抗値補正を行うので、検出精度を高くすることができる。
【0052】
なお、上記の実施の形態では、プルアップ抵抗R1、R2、R3のそれぞれにダミー抵抗R7、R8、R9を設けたが、ダミー抵抗はプルアップ抵抗の抵抗値補正には使用していないので、複数チャンネル分のダミー抵抗を一つのダミー抵抗で兼用することができ、このようにダミー抵抗を複数チャンネル分兼用すれば、チップ面積を縮小することが可能である。
【0053】
一方、高精度の抵抗測定を行うためには、サーミスタの抵抗値に応じてプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値を変更する必要が有り、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値に差がある場合には、各チャンネルでリファレンス抵抗を兼用すると、リファレンス抵抗の検出誤差が悪化する。すなわち、リファレンス抵抗の抵抗値とプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値はほぼ等しくするのが望ましく、その差が大きいと誤差が大きくなる。このため、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値に差がある場合には、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個使用することが好ましい。
【0054】
図8は上記のように、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個使用した抵抗測定装置の実施の形態を示す図であり、図8において、1、2、3は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4、5は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1、R2、R3はプルアップ抵抗、SW1、SW3、SW5は負荷接続用スイッチ、SW2、SW4、SW6はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、このA/D変換器7はサーミスタ1〜3の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2、CH3とリファレンス抵抗4、5の電圧が入力されるチャンネルCHref1、CHref2の5つの電圧入力チャンネルを備えている。そして、リファレンス抵抗4の抵抗値は100kΩであり、抵抗値100kΩのプルアップ抵抗R1の抵抗値補正時にプルアップ抵抗R1に接続され、リファレンス抵抗5の抵抗値は50kΩであり、抵抗値50kΩのプルアップ抵抗R2、R3の抵抗値補正時にプルアップ抵抗R2、R3に接続される。
このように、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の大、小に応じて異なるリファレンス抵抗を用いることにより、検出精度の悪化を防止することができる。
【0055】
図8の実施の形態では、複数個のリファレンス抵抗を用いているので、A/D変換器のリファレンス抵抗接続用のチャンネルが複数個必要となったが、リファレンス抵抗の接続方法を工夫することにより、A/D変換器の測定用チャンネルの数を減らすことができ、図9はこのようにリファレンス抵抗の接続方法を工夫した抵抗測定装置の実施の形態を示す図である。
【0056】
図9に示すように、この実施の形態では、リファレンス抵抗4とリファレンス抵抗5はそれぞれ50kΩの抵抗値を有し、直列接続されており、リファレンス抵抗4とリファレンス抵抗5の接続点がリファレンス抵抗接続用スイッチSW4、SW6に接続され、リファレンス抵抗4の他方の一端がリファレンス抵抗接続用スイッチSW2に接続されている。したがって、プルアップ抵抗R1の抵抗値補正時にはリファレンス抵抗4、5が直列接続された抵抗、すなわち、100kΩの抵抗が接続され、プルアップ抵抗R2、R3の抵抗値補正時にはリファレンス抵抗5のみ、即ち50kΩの抵抗が接続されることになり、A/D変換器のレファレンス電圧測定用の一つのチャンネルCHrefで抵抗値の異なる複数のプルアップ抵抗の抵抗値補正を行うことができる。
【0057】
図10は本発明の抵抗測定装置の全体回路のブロック図の一例を示す図であり、プルアップ抵抗R1、スイッチSW1、SW2がIC化された集積回路9、A/D変換器7及びCPU10よりなり、CPU10はA/D変換器7の出力が入力され、上記で説明した抵抗値演算を実施するとともに、抵抗測定用集積回路9のスイッチSW1、SW2を切替え制御する。このように、プルアップ抵抗R1、スイッチSW1、SW2をIC化することにより、抵抗測定用集積回路、A/D変換器及びCPUをそれぞれ別々に設計、製造することができ、設計変更が容易になるとともに、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が異なる場合や、異なる精度のA/D変換精度が必要な場合にも、適宜対応することが容易になる。
【0058】
一方、プルアップ抵抗の抵抗値補正は装置の温度変化スピードに対し、速い速度で更新できればよいので、プルアップ抵抗の抵抗値補正を常時実施する必要はなく、上記CPU10が、例えば、100ms程度の間隔でプルアップ抵抗をリファレンス抵抗に接続するようにスイッチSW1、SW2を制御すればよい。
また、大電流ドライブ時、クランプ回路動作時等、過渡的な温度上昇が起きる場合のように、チップの温度が急激に上昇するようなモードでは、CPUがスイッチSW1、SW2を切替え制御しないようにすることにより、温度急変時の誤測定を防止することができる。なお、この場合、スイッチSW1、SW2の切替え制御を行わないのではなく、A/D変換器による測定を行わない、あるいは、CPUへの信号取り込みを行わないようにすることも可能である。
【0059】
また、図10で説明した集積回路9ではプルアップ抵抗R1とスイッチSW1、SW2のみをIC化したが、集積回路9にリファレンス抵抗4を内蔵することも可能であり、このようにすれば外付けのリファレンス抵抗を削除することができ、部品点数を削減することができる。この場合、IC製造後、リファレンス抵抗の抵抗値をレーザトリミングの技術によって調整することにより、高精度のリファレンス抵抗を内蔵させることができる。
【0060】
なお、以上の実施の形態では、本発明の抵抗測定装置を温度測定用サーミスタに適用した例を説明したが、本発明の抵抗測定装置は圧力センサ等様々な抵抗の抵抗値測定に適用することができる。
また、図10に示した全体回路ブロック図の集積回路は図1の回路をIC化した例を示す図であるが、図2〜図9に示した回路のスイッチ及びプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗、あるいはダミー抵抗も同様に集積回路化することが可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る抵抗測定装置によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値を検出し、この抵抗値の変動による誤差を補正することができるので、例えば、温度変動の影響等によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値が変動しても、被測定抵抗を精度よく測定することが出来る。
【0062】
また、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を複数個備え、リファレンス抵抗を複数個のプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用すれば、被測定抵抗の入力チャンネル数が増えても、リファレンス抵抗の本数を少なくすることができ、プルアップ抵抗とプルダウン抵抗の両方を備え、リファレンス抵抗をプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用すれば、プルアップ抵抗を備えたチャンネルとプルダウン抵抗を備えたチャンネルの両方がある場合にも、リファレンス抵抗の数を少なくすることができる。さらに、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続するスイッチ手段と、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続するスイッチ手段とを設け、両者のスイッチ手段の特性を同一とすれば、スイッチ手段のオン抵抗の影響をキャンセルすることができるので、高精度な抵抗測定を行うことができる。
【0063】
また、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗として被測定抵抗接続用抵抗とリファレンス抵抗接続用抵抗をそれぞれ設ければ、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時に、外部負荷としての被測定抵抗を切り離すことがなく、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるので、負荷の一時的なオープンが問題となるようなシステムに有効であり、リファレンス抵抗接続用抵抗を複数のチャンネルで兼用すれば、装置を集積化する場合に、チップ面積を縮小することができる。
【0064】
また、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗にダミー抵抗を設け、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時に、ダミー抵抗を被測定抵抗に接続すれば、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるとともに、被測定抵抗の測定及びプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に同じ抵抗を使用するため、測定精度を高くすることができ、さらに、ダミー抵抗を複数のチャンネルで兼用すれば、装置を集積化する場合に、チップ面積を縮小することができる。
【0065】
また、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備える場合に、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個設ければ、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が各チャンネル毎に異なっている場合にも、各チャンネルに応じた抵抗値のリファレンス抵抗を使用することができるので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とリファレンス抵抗の抵抗値の差による誤差を防止し、測定精度を向上させることができ、また、上記複数のリファレンス抵抗を直列接続すれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続する抵抗値補正時のリファレンス電圧の読取り箇所を少なくすることができる。
【0066】
一方、本発明に係る抵抗測定用集積回路によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びスイッチ手段のみを集積化するので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値を変更する必要がある場合には、被測定抵抗の入力チャンネルにあらかじめプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とスイッチ手段の対を複数用意し、スイッチ経路を切り換えることで容易に対応することができ、また、リファレンス抵抗も内蔵すれば、外付けのリファレンス抵抗を削除することができ、部品点数を削減することができる。
【0067】
さらに、本発明に係る抵抗測定装置を、抵抗測定用集積回路と、A/D変換手段と、A/D変換手段の出力が入力されるとともに、上記抵抗測定用集積回路を制御する制御手段とより構成すれば、抵抗測定用集積回路、A/D変換手段及び制御手段をそれぞれ別々に設計、製造することができ、設計変更が容易になるとともに、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が異なる場合や、異なるA/D変換精度が必要な場合にも、適宜対応することが可能である。また、上記制御手段が、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続を間歇的に実施すれば、抵抗値補正頻度を低減するとともに、後段の処理負荷を軽減することができ、上記制御手段が、チップ温度の急激な変化時には、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行わないようにすれば、処理負荷を軽減するとともに、誤った抵抗値補正を行うことを防止することができる。
【0068】
一方、本発明の抵抗測定方法によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行うことができるので、例えば、温度変動の影響等によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値が変動しても、被測定抵抗を精度よく測定することができ、また、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びリファレンス抵抗の電源側あるいは接地側の電圧も検出すれば、集積回路内部での電圧ドロップや浮きがあっても補正することができるので、電源電圧や接地レベルが集積回路内部でずれても高精度に被測定抵抗を測定することができ、この場合、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗あるいはレファレンス抵抗の接続先が電源電圧や接地レベルに限られないので、任意の電圧を使用することができ、システムの自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図10】本発明の抵抗測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【図11】従来の抵抗測定装置を示す図である。
【符号の説明】
1〜3 サーミスタ
4、5 リファレンス抵抗
6 プルアップ用電源
7 A/D変換器
8 プルダウン用電源
9 集積回路
10 CPU
R1〜R3 プルアップ抵抗
R11 プルダウン抵抗
R4〜R6 リファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗
R7〜R9 ダミー抵抗
SW1、SW3、SW5、SW11 負荷接続用スイッチ
SW2、SW4、SW6、SW12 リファレンス抵抗接続用スイッチ
SW7、SW8、SW9、SW10 切り替えスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度センサとして用いられるサーミスタ等の可変抵抗器の抵抗値を測定する抵抗測定装置、抵抗測定用集積回路及び抵抗測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを用いた温度センサが知られており、このような温度センサを用いて温度を測定する場合には、一端が所定電圧のプルアップ用電源に接続されたプルアップ抵抗の他端をサーミスタに接続し、プルアップ抵抗とサーミスタの接続点に生じる電圧値をA/D変換器に入力することにより、接続点の電圧値を検出し、この検出値からサーミスタの抵抗値を算出して、温度を測定している。
【0003】
しかしながら、従来の抵抗測定装置では、プルアップ抵抗の抵抗値のばらつきに応じて、プルアップ抵抗とサーミスタとの接続点の電圧値もばらつくため、プルアップ抵抗として公差の小さい高精度の抵抗器を使用しなければならず、特にサーミスタが複数ある場合には、コストが大きくなってしまうという問題があった。
【0004】
一方、装置を小型化するために、複数のプルアップ抵抗をA/D変換器とともに集積化することが行われている。この集積回路に内蔵する抵抗としてはポリシリコン抵抗や拡散抵抗があるが、これらの抵抗は±30%程度の製造ばらつきと±0〜30%程度の温度依存性を持っているため、抵抗値のばらつきや温度依存性が大きすぎ、プルアップ抵抗を集積化した場合、温度を正確に検出することができない。
【0005】
この抵抗値のばらつきを抑えるため、複数のプルアップ抵抗をIC化した場合に、その各抵抗値をレーザトリミングの技術によって個々に調整することも可能であるが、この場合には、製造コストや製造工数の増加を招いてしまうという問題が生じる。
このため、IC外に高精度の基準抵抗を設け、この基準抵抗に接続されるプルアップ抵抗を別途形成することにより、他のプルアップ抵抗の抵抗値を推定することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−29463号公報
【0007】
図11は外部に高精度の基準抵抗を設けた従来の抵抗測定装置を示す図である。
図11に示すように、プルアップ抵抗R1〜R3の一端がプルアップ用電源6に接続され、他端がサーミスタ1〜3に接続されるとともに、プルアップ抵抗R’の一端が同様にプルアップ用電源6に接続され、他端が高精度のリファレンス抵抗4に接続されている。そして、各プルアップ抵抗R1〜R3とサーミスタ1〜3との接続点及びプルアップ抵抗R’とリファレンス抵抗4との接続点の電圧をA/D変換器7の入力チャンネルCH1〜CH3及びCHrefに入力して、それぞれの電圧値を検出する。
【0008】
上記したように、IC内部に抵抗を形成した場合の抵抗値の絶対精度は±30%と外付けの抵抗器に比べて劣るものの、同時に抵抗器を作ることにより、抵抗器相互間の相対精度を±5%以内に収めることができ、プルアップ抵抗R1〜R3及びR’は非常に小さい範囲内に同じ工程で各抵抗器を形成することにより、ばらつきを抑えることができる。したがって、上記A/D変換器7のCHrefに入力された電圧値と電源6の電圧値及びリファレンス抵抗4の抵抗値からプルアップ抵抗R’の抵抗値を求めることができ、この抵抗値からプルアップ抵抗R1〜R3の抵抗値を推定することができるので、A/D変換器7のCH1〜CH3に入力された電圧の値から各サーミスタ1〜3の抵抗値を測定することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の抵抗測定装置は上記のように構成されているが、上記の従来の抵抗測定装置では、プルアップ抵抗R’とプルアップ抵抗R1〜R3とが精度、温度依存性ともに酷似した特性であることを前提条件としており、これらの回路がチップの広範囲にまたがる場合や、IC内部の抵抗作成時にそれらの抵抗相互間の抵抗値誤差が生じた場合には、正確な抵抗値測定を行うことができない。
【0010】
また、サーミスタ1〜3の抵抗値が大きく異なっている場合、高精度の測定を行うためには、プルアップ抵抗R1〜R3のそれぞれの抵抗値をサーミスタ1〜3の抵抗値に合わせて異ならせる必要があるが、上記の従来の抵抗測定装置では、プルアップ抵抗R1〜R3の抵抗値をプルアップ抵抗R’の抵抗値と同じ値にしなくてはならず、サーミスタ1〜3の抵抗値が大きく異なっていても、プルアップ抵抗1〜3の抵抗値を変えることができず、高精度の測定を行うことができないという問題も有った。
【0011】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をIC内部に形成しても高精度に抵抗測定を行うことができるとともに、測定ICに接続される複数の被測定抵抗の抵抗値が大きく異なっていても、抵抗測定を高精度に行うことができる抵抗測定装置、抵抗測定用集積回路及び抵抗測定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明に係る抵抗測定装置(1)は、
被測定抵抗をプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗に接続し、接続点の電圧を検出することにより被測定抵抗の抵抗値を測定する抵抗測定装置において、
リファレンス抵抗と、
プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗と上記リファレンス抵抗との間で切替える切替手段とを備え、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧により上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る抵抗測定装置(1)によれば、切替手段、例えば切替スイッチにより、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値を検出し、この抵抗値の変動による誤差を補正することができるので、例えば、温度変動の影響等によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値が変動しても、被測定抵抗を精度よく測定することが出来る。
【0014】
また、本発明に係る抵抗測定装置(2)は、抵抗測定装置(1)において、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を複数個備え、上記リファレンス抵抗を複数個のプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用したことを特徴とする。この抵抗測定装置(2)によれば、被測定抵抗の入力チャンネル数が増えても、リファレンス抵抗の本数を少なくすることができる。
【0015】
また、本発明に係る抵抗測定装置(3)は、抵抗測定装置(1)において、プルアップ抵抗とプルダウン抵抗の両方を備え、上記リファレンス抵抗をプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用したことを特徴とする。この抵抗測定装置(3)によれば、プルアップ抵抗を備えたチャンネルとプルダウン抵抗を備えたチャンネルの両方がある場合にも、一つのリファレンス抵抗で両者の測定を行うことができる。
【0016】
また、本発明に係る抵抗測定装置(4)は、抵抗測定装置(1)において、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続するスイッチ手段と、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を上記リファレンス抵抗に接続するスイッチ手段とを備え、上記両者のスイッチ手段の特性を同一としたことを特徴とする。この抵抗測定装置(4)によれば、スイッチ手段のオン抵抗の影響をキャンセルすることができるので、高精度な抵抗測定を行うことができる。
【0017】
また、本発明に係る抵抗測定装置(5)は、抵抗測定装置(1)において、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗として被測定抵抗接続用抵抗とリファレンス抵抗接続用抵抗をそれぞれ設けたことを特徴とする。この抵抗測定装置(5)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時に、外部負荷としての被測定抵抗を切り離す必要がなく、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるので、負荷の一時的なオープンが問題となるようなシステムに有効である。
【0018】
また、本発明に係る抵抗測定装置(6)は、抵抗測定装置(5)において、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備え、上記リファレンス抵抗接続用抵抗を複数のチャンネルで兼用したことを特徴とする。この抵抗測定装置(6)によれば、リファレンス抵抗接続用抵抗を複数のチャンネルで兼用することができるので、装置を集積化する場合に、チップ面積を縮小することができる。
【0019】
また、本発明に係る抵抗測定装置(7)は、抵抗測定装置(1)において、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗がダミー抵抗を有し、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続時に、上記ダミー抵抗を被測定抵抗に接続することを特徴とする。この抵抗測定装置(7)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時には、被測定抵抗にダミー抵抗が接続されるので、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるとともに、被測定抵抗の測定及びプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に同じ抵抗を使用するため、測定精度を高くすることができる。
【0020】
また、本発明にかかる抵抗測定装置(8)は、抵抗測定装置(7)において、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備え、上記ダミー抵抗を複数のチャンネルで兼用したことを特徴とする。この抵抗測定装置(8)によれば、ダミー抵抗を複数のチャンネルで兼用することができるので、装置を集積化する場合に、チップ面積を縮小することができる。
【0021】
また、本発明に係る抵抗測定装置(9)は、抵抗測定装置(1)において、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備えるとともに、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個備えたことを特徴とする。この抵抗測定装置(9)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が各チャンネル毎に異なっている場合にも、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗に応じた抵抗値のリファレンス抵抗を使用することができるので、測定精度を向上させることができる。
【0022】
また、本発明に係る抵抗測定装置(10)は、抵抗測定装置(9)において、上記複数のリファレンス抵抗を直列接続したことを特徴とする。この抵抗測定装置(10)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続する抵抗値補正時のリファレンス電圧の読取り箇所を少なくすることができ、A/D変換器の入力チャンネル数を減らすことができる。
【0023】
一方、本発明に係る抵抗測定用集積回路(1)は、抵抗測定装置(1)〜(10)のいずれかに記載の抵抗測定装置に用いる抵抗測定用集積回路であって、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びスイッチ手段を集積化したことを特徴とする。この抵抗測定用集積回路(1)によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びスイッチ手段のみを集積化するので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値を変更する場合には、被測定抵抗の入力チャンネルにあらかじめプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とスイッチ手段の対を複数用意し、スイッチ経路を切り換えることで容易に対応することができる。
【0024】
また、本発明に係る抵抗測定用集積回路(2)は、抵抗測定用集積回路装置(1)において、上記リファレンス抵抗も内蔵したことを特徴とする。この抵抗測定用集積回路(2)によれば、外付けのリファレンス抵抗を削除することができ、部品点数を削減することができる。
【0025】
さらに、本発明に係る抵抗測定装置(11)は、抵抗測定用集積回路(1)または(2)と、A/D変換手段と、上記A/D変換手段の出力が入力されるとともに、上記抵抗測定用集積回路を制御する制御手段とよりなることを特徴とする。この抵抗測定装置(11)によれば、抵抗測定用集積回路、A/D変換手段及び制御手段をそれぞれ別々に設計、製造することができ、設計変更が容易になるとともに、被測定抵抗の抵抗値の相違によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が異なる場合や、異なるA/D変換精度が必要な場合にも、適宜対応することができる。
【0026】
また、本発明に係る抵抗測定装置(12)は、抵抗測定装置(11)において、上記制御手段が、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続を間歇的に実施することを特徴とする。この抵抗測定装置(12)によれば、抵抗値補正頻度を低減するとともに、後段の処理負荷を軽減することができる。
【0027】
また、本発明に係る抵抗測定装置(13)は、抵抗測定装置(11)において、上記制御手段が、集積回路チップ温度の急激な変化時には、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続を行わないことを特徴とする。この抵抗測定装置(13)によれば、チップの温度が急激に上昇するようなモードではプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行わないので、処理負荷を軽減するとともに、誤った抵抗値補正を行うことを防止することができる。
【0028】
さらに、本発明に係る抵抗測定方法(1)は、被測定抵抗をプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗に接続し、接続点の電圧を検出することにより被測定抵抗の抵抗値を測定する抵抗測定方法において、
プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗とリファレンス抵抗との間で切替え、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続した時の接続点の電圧と、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧とを用いて、被測定抵抗を求めることを特徴とする。
【0029】
本発明の抵抗測定方法(1)によれば、上記の抵抗測定装置(1)と同様に、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値を検出し、この抵抗値の変動による誤差を補正することができるので、例えば、温度変動の影響等によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値が変動しても、被測定抵抗を精度よく測定することが出来る。
【0030】
また、本発明に係る抵抗測定方法(2)は、抵抗測定方法(1)において、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びリファレンス抵抗の電源側あるいは接地側の電圧を検出し、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続した時の接続点の電圧と、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧と、上記電源側あるいは接地側の電圧とを用いて、被測定抵抗を求めることを特徴とする。この抵抗測定方法(2)によれば、抵抗の電源側あるいは接地側の電圧も測定するので、集積回路内部での電圧ドロップや浮きがあっても補正を行うことができ、電源電圧や接地レベルが集積回路内部でずれても高精度に被測定抵抗を測定することができる。
【0031】
また、本発明に係る抵抗測定方法(3)は、抵抗測定方法(2)において、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びリファレンス抵抗に任意の電圧を加えることを特徴とする。抵抗測定方法(2)では、電源電圧あるいは接地レベルを測定するので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗あるいはレファレンス抵抗の接続先が電源電圧や接地レベルに限られず、任意の電圧を使用することができ、本発明に係る抵抗測定方法(3)によれば、システムの自由度を向上させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の抵抗測定装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1はプルアップ抵抗を用いた抵抗測定装置の実施の形態を示す図であり、1は温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1はプルアップ抵抗、SW1は負荷接続用スイッチ、SW2はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、負荷接続用スイッチSW1はプルアップ抵抗R1をサーミスタ1に接続し、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2はプルアップ抵抗R1をリファレンス抵抗4に接続するためのものである。
【0033】
図1の抵抗測定装置の動作を説明すると、通常時は、負荷接続用スイッチSW1がオン、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2がオフとなっており、このとき、スイッチSW1とサーミスタ1の接続点P1の電圧V1がA/D変換器7のチャンネルCH1に入力され、プルアップ抵抗の抵抗値補正時には、負荷接続用スイッチSW1がオフ、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2がオンとなり、このとき、スイッチSW2とリファレンス抵抗4の接続点P2の電圧VrefがA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力される。
【0034】
プルアップ抵抗R1の抵抗値をRpup、スイッチSW1、SW2のスイッチオン抵抗をそれぞれRsw1、Rsw2、リファレンス抵抗4の抵抗値をRref、サーミスタ1の抵抗値をRs、プルアップ電源用6の電圧値を5Vとすると、
V1=5V・Rs/(Rs+Rsw1+Rpup)・・・(1)
Vref=5V・Rref/(Rref+Rsw2+Rpup)・・・(2)
となるので、(1)式、(2)式より、
Rpup+Rsw1=Rs{(5V/V1)−1}・・・(3)
Rpup+Rsw2=Rref{(5V/Vref)−1}・・・(4)
であり、スイッチSW1とSW2の特性が同一でRsw1=Rsw2とすると、(3)式、(4)式よりサーミスタ1の抵抗値Rsは、
Rs=Rref{(5V/Vref)−1}/{(5V/V1)−1}
により求めることができ、プルアップ抵抗の抵抗値変動があっても高精度にサーミスタ1の抵抗値Rs求めることができる。
【0035】
なお、上記の実施の形態では、スイッチSW1とSW2の特性を同一としたが、例えば、プルアップ抵抗R1の抵抗値Rpupが100kΩ、スイッチSW1、SW2のオン抵抗Rsw1、Rsw2が10Ωというように、その比が0.01%と、スイッチのオン抵抗が誤差要因とならない程度に小さい場合には、スイッチSW1、SW2のスイッチ特性をマッチングさせる必要はなく、LSI設計の容易化、簡素化を図ることができる。
【0036】
次に、プルダウン抵抗を用いた抵抗測定装置の実施の形態を図2により説明する。図2おいて、1は温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R11はプルダウン抵抗、SW11は負荷接続用スイッチ、SW12はリファレンス抵抗接続用スイッチ、8はプルダウン用電源、7はA/D変換器であり、プルダウン用電源8はサーミスタ1及びリファレンス抵抗4に加えられている。
【0037】
そして、図1と同様に、通常時は、負荷接続用スイッチSW11がオン、リファレンス抵抗接続用スイッチSW12がオフとなっており、スイッチSW11とサーミスタ1の接続点P11の電圧V11がA/D変換器7のチャンネルCH1に入力され、プルダウン抵抗R11の抵抗値補正時には、負荷接続用スイッチSW11がオフ、リファレンス抵抗接続用スイッチSW12がオンとなり、スイッチSW12とリファレンス抵抗4の接続点P12の電圧VrefがA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力される。
したがって、図1と同様に、プルダウン抵抗11の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1の抵抗値を高精度に測定することができる。
【0038】
次に、サーミスタを複数個備え、プルアップ抵抗が複数チャンネルある場合の実施の形態について、図3により説明する。
図3において、1、2、3は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1、R2、R3はプルアップ抵抗、SW1、SW3、SW5は負荷接続用スイッチ、SW2、SW4、SW6はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、このA/D変換器7はサーミスタ1〜3の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2、CH3とリファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCHrefの4つの電圧入力チャンネルを備え、リファレンス抵抗4は複数チャンネルのプルアップ抵抗に対して兼用して使用している。
【0039】
そして、プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値補正時には、負荷接続用スイッチSW1、SW3、SW5をオフし、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW4、SW6を順次オンすることにより、プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値をA/D変換器7のチャンネルCHrefへの入力電圧から求めることができ、プルアップ抵抗1、R2、R3の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1、2、3の抵抗値を高精度に測定することができる。
【0040】
また、本発明の抵抗測定装置は、サーミスタを複数個備え、プルダウン抵抗とプルアップ抵抗の両方を備えた抵抗測定装置にも適用することができ、図4はこのようにサーミスタを複数個備え、プルダウン抵抗とプルアップ抵抗の両方を備えた抵抗測定装置を示す図である。
図4において、1、2は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1はプルアップ抵抗、R11はプルダウン抵抗、SW1、SW11は負荷接続用スイッチ、SW2、SW12はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器、8はプルダウン用電源、SW7はプルアップ測定とプルダウン測定の切替えスイッチであり、A/D変換器7はサーミスタ1、2の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2とリファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCHrefの3つの電圧入力チャンネルを備え、リファレンス抵抗4はプルアップ抵抗R1及びプルダウン抵抗R11に対して兼用して使用している。
【0041】
そして、通常時は、負荷接続用スイッチSW1、SW11がオン、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW12がオフとなっており、サーミスタ1、2の電圧がA/D変換器7のチャンネルCH1、CH2に入力されている。一方、プルアップ抵抗R1の抵抗値補正時には、スイッチSW2がオン、スイッチSW1、SW11、SW12がオフ、切替えスイッチSW7が接地側に切替えられ、また、プルダウン抵抗R11の抵抗値補正時には、スイッチSW12がオン、スイッチSW1、SW2、SW11がオフ、スイッチSW7がプルダウン電源8側に切替えられ、スイッチSW2、SW12とリファレンス抵抗4の接続点の電圧がA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力される。これにより、プルアップ抵抗R1、プルダウン抵抗11の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1、2の抵抗値を高精度に測定することができる。
【0042】
一方、大規模LSIの場合、電源、接地ラインは長い距離引き回されることが多いので、端子付近では電圧がドロップ、もしくは浮いている可能性がある。この電源電圧のドロップ、接地ラインの浮きによる検出精度の悪化を防止するため、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の電源あるいは接地側の電位も測定し、これを抵抗値計算時に使用することにより、高精度に測定を行うことができる。
【0043】
図5はこのように電源電圧のドロップの影響を除去する抵抗測定装置の実施の形態を示す図であり、図1と同様に、1は温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1はプルアップ抵抗、SW1は負荷接続用スイッチ、SW2はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器、ΔVは電源電圧の電源ドロップであり、A/D変換器7はサーミスタ1、リファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCH1、CHrefと電源電圧が入力されるチャンネルCHvの3つの電圧入力チャンネルを備えている。
【0044】
この実施の形態では、A/D変換器7のチャンネルCHvに入力された電圧をA/D変換した値をプルアップ電源の電圧値として計算を行うことにより、電源電圧のドロップの影響を除去することができる。同様に、プルダウン抵抗の接地電圧を検出するチャンネルをA/D変換器7に設ければ、接地が浮いている場合にも、同様に補正を行うことができる。
このように電源電圧あるいは接地電圧を検出するようにすれば、プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗の接続先やリファレンス抵抗の接続先に電源、接地以外の任意の電圧を使用することができ、システムの自由度を向上させることができる。
【0045】
以上の実施の形態では、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時に、外部のサーミスタを切り離したが、このようにサーミスタを切り離した状態では、A/D変換器の入力電圧が異常になり、一時的にでも負荷がオープンになる状態が問題となるシステムには使用することができない。このため、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗として負荷接続用プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を設け、サーミスタにプルアップ抵抗を常時接続すれば、上記の不具合を防止することができる。
【0046】
図6は上記のように、サーミスタにプルアップ抵抗を常時接続するようにした抵抗測定装置の実施の形態を示す図であり、図6において、1、2、3は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1、R2、R3は負荷接続用プルアップ抵抗、R4、R5、R6はリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗、SW1、SW3、SW5は負荷接続用スイッチ、SW2、SW4、SW6はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、このA/D変換器7はサーミスタ1〜3の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2、CH3とリファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCHrefの4つの電圧入力チャンネルを備え、リファレンス抵抗4は複数チャンネルのプルアップ抵抗に対して兼用して使用している。また、負荷接続用スイッチSW1、SW3、SW5は常時オンとなっており、リファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗R4、R5、R6はそれぞれプルアップ抵抗R1、R2、R3と酷似した特性を有する抵抗であり、リファレンス抵抗を接続するための専用抵抗である。
【0047】
そして、プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値補正時には、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW4、SW6を順次オンすることにより、リファレンス接続用プルアップ抵抗R4、R5、R6が順次リファレンス抵抗4に接続され、負荷接続用プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値とほぼ等しい抵抗値に応じた電圧がA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力されるので、負荷接続用プルアップ抵抗1、R2、R3の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1、2、3の抵抗値を高精度に測定することができる。このように、負荷接続用プルアップ抵抗1、R2、R3が常にサーミスタ1〜3に接続されているため、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるので、一時的な負荷オープンが問題となるようなシステムに使用することができる。
【0048】
なお、上記の実施の形態では、負荷接続用プルアップ抵抗R1、R2、R3に負荷接続用スイッチSW1、SW3、SW5を接続し、常時オンにして使用したが、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW4、SW6のスイッチオン抵抗が十分に小さく、無視できるような場合には、負荷接続用スイッチSW1、SW3、SW5を設けず、ショートさせてもよい。また、上記の実施の形態では、負荷接続用プルアップ抵抗R1、R2、R3のそれぞれにリファレンス抵抗接続用抵抗R4、R5、R6を設けたが、複数チャンネルのプルアップ抵抗がチップ上で近接して配置されている場合には、複数チャンネル分のリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗を一つのリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗で兼用することもでき、このようにリファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗を複数チャンネル分兼用すれば、チップ面積を縮小することが可能である。
【0049】
さらに、図6の実施の形態では、リファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗R4、R5、R6を用いて、プルアップ抵抗の抵抗値補正を行ったが、プルアップ抵抗の抵抗値補正時にサーミスタに接続するダミー抵抗を設け、プルアップ抵抗自体を用いてプルアップ抵抗の抵抗値補正を行うことも可能である。
【0050】
図7は、サーミスタに接続するダミー抵抗を設けた実施の形態を示す図であり、図7において、1、2、3は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1、R2、R3はプルアップ抵抗、R7、R8、R9はプルアップ抵抗補正時にサーミスタに接続するダミー抵抗、SW8、SW9、SW10は切替えスイッチ、SW2、SW4、SW6はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、このA/D変換器7はサーミスタ1〜3の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2、CH3とリファレンス抵抗4の電圧が入力されるチャンネルCHrefの4つの電圧入力チャンネルを備え、リファレンス抵抗4は複数チャンネルのプルアップ抵抗に対して兼用して使用している。また、切替えスイッチSW8、SW9、SW10は負荷測定時にはサーミスタ1、2、3をプルアップ抵抗R1、R2、R3に接続し、プルアップ抵抗の抵抗値補正時には、サーミスタ1〜3をダミー抵抗R7、R8、R9に接続するようにスイッチの接点を切替え、ダミー抵抗R7、R8、R9は図6と同様に、プルアップ抵抗R1、R2、R3と酷似した特性を有する抵抗である。
【0051】
そして、プルアップ抵抗R1、R2、R3の抵抗値補正時には、リファレンス抵抗接続用スイッチSW2、SW4、SW6が順次オンされるとともに、スイッチSW2、SW4、SW6のオン動作に同期して切替えスイッチSW8、SW9、SW10の接点が順次ダミー抵抗R7、R8、R9側に切替えられる。これにより、プルダウン抵抗R1、R2、R3の抵抗値に応じた電圧がA/D変換器7のチャンネルCHrefに入力されるので、プルアップ抵抗1、R2、R3の抵抗値の値に関わらず、サーミスタ1、2、3の抵抗値を高精度に測定することができる。このように、プルアップ抵抗の抵抗値補正時に、ダミー抵抗をサーミスタに接続することにより、負荷オープンの状態を避けることができるとともに、プルアップ抵抗R1、R2、R3自体を用いて抵抗値補正を行うので、検出精度を高くすることができる。
【0052】
なお、上記の実施の形態では、プルアップ抵抗R1、R2、R3のそれぞれにダミー抵抗R7、R8、R9を設けたが、ダミー抵抗はプルアップ抵抗の抵抗値補正には使用していないので、複数チャンネル分のダミー抵抗を一つのダミー抵抗で兼用することができ、このようにダミー抵抗を複数チャンネル分兼用すれば、チップ面積を縮小することが可能である。
【0053】
一方、高精度の抵抗測定を行うためには、サーミスタの抵抗値に応じてプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値を変更する必要が有り、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値に差がある場合には、各チャンネルでリファレンス抵抗を兼用すると、リファレンス抵抗の検出誤差が悪化する。すなわち、リファレンス抵抗の抵抗値とプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値はほぼ等しくするのが望ましく、その差が大きいと誤差が大きくなる。このため、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値に差がある場合には、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個使用することが好ましい。
【0054】
図8は上記のように、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個使用した抵抗測定装置の実施の形態を示す図であり、図8において、1、2、3は温度に応じて抵抗値が変化する複数のサーミスタ、4、5は高精度な抵抗値を有するリファレンス抵抗、R1、R2、R3はプルアップ抵抗、SW1、SW3、SW5は負荷接続用スイッチ、SW2、SW4、SW6はリファレンス抵抗接続用スイッチ、6はプルアップ用電源、7はA/D変換器であり、このA/D変換器7はサーミスタ1〜3の電圧が入力されるチャンネルCH1、CH2、CH3とリファレンス抵抗4、5の電圧が入力されるチャンネルCHref1、CHref2の5つの電圧入力チャンネルを備えている。そして、リファレンス抵抗4の抵抗値は100kΩであり、抵抗値100kΩのプルアップ抵抗R1の抵抗値補正時にプルアップ抵抗R1に接続され、リファレンス抵抗5の抵抗値は50kΩであり、抵抗値50kΩのプルアップ抵抗R2、R3の抵抗値補正時にプルアップ抵抗R2、R3に接続される。
このように、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の大、小に応じて異なるリファレンス抵抗を用いることにより、検出精度の悪化を防止することができる。
【0055】
図8の実施の形態では、複数個のリファレンス抵抗を用いているので、A/D変換器のリファレンス抵抗接続用のチャンネルが複数個必要となったが、リファレンス抵抗の接続方法を工夫することにより、A/D変換器の測定用チャンネルの数を減らすことができ、図9はこのようにリファレンス抵抗の接続方法を工夫した抵抗測定装置の実施の形態を示す図である。
【0056】
図9に示すように、この実施の形態では、リファレンス抵抗4とリファレンス抵抗5はそれぞれ50kΩの抵抗値を有し、直列接続されており、リファレンス抵抗4とリファレンス抵抗5の接続点がリファレンス抵抗接続用スイッチSW4、SW6に接続され、リファレンス抵抗4の他方の一端がリファレンス抵抗接続用スイッチSW2に接続されている。したがって、プルアップ抵抗R1の抵抗値補正時にはリファレンス抵抗4、5が直列接続された抵抗、すなわち、100kΩの抵抗が接続され、プルアップ抵抗R2、R3の抵抗値補正時にはリファレンス抵抗5のみ、即ち50kΩの抵抗が接続されることになり、A/D変換器のレファレンス電圧測定用の一つのチャンネルCHrefで抵抗値の異なる複数のプルアップ抵抗の抵抗値補正を行うことができる。
【0057】
図10は本発明の抵抗測定装置の全体回路のブロック図の一例を示す図であり、プルアップ抵抗R1、スイッチSW1、SW2がIC化された集積回路9、A/D変換器7及びCPU10よりなり、CPU10はA/D変換器7の出力が入力され、上記で説明した抵抗値演算を実施するとともに、抵抗測定用集積回路9のスイッチSW1、SW2を切替え制御する。このように、プルアップ抵抗R1、スイッチSW1、SW2をIC化することにより、抵抗測定用集積回路、A/D変換器及びCPUをそれぞれ別々に設計、製造することができ、設計変更が容易になるとともに、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が異なる場合や、異なる精度のA/D変換精度が必要な場合にも、適宜対応することが容易になる。
【0058】
一方、プルアップ抵抗の抵抗値補正は装置の温度変化スピードに対し、速い速度で更新できればよいので、プルアップ抵抗の抵抗値補正を常時実施する必要はなく、上記CPU10が、例えば、100ms程度の間隔でプルアップ抵抗をリファレンス抵抗に接続するようにスイッチSW1、SW2を制御すればよい。
また、大電流ドライブ時、クランプ回路動作時等、過渡的な温度上昇が起きる場合のように、チップの温度が急激に上昇するようなモードでは、CPUがスイッチSW1、SW2を切替え制御しないようにすることにより、温度急変時の誤測定を防止することができる。なお、この場合、スイッチSW1、SW2の切替え制御を行わないのではなく、A/D変換器による測定を行わない、あるいは、CPUへの信号取り込みを行わないようにすることも可能である。
【0059】
また、図10で説明した集積回路9ではプルアップ抵抗R1とスイッチSW1、SW2のみをIC化したが、集積回路9にリファレンス抵抗4を内蔵することも可能であり、このようにすれば外付けのリファレンス抵抗を削除することができ、部品点数を削減することができる。この場合、IC製造後、リファレンス抵抗の抵抗値をレーザトリミングの技術によって調整することにより、高精度のリファレンス抵抗を内蔵させることができる。
【0060】
なお、以上の実施の形態では、本発明の抵抗測定装置を温度測定用サーミスタに適用した例を説明したが、本発明の抵抗測定装置は圧力センサ等様々な抵抗の抵抗値測定に適用することができる。
また、図10に示した全体回路ブロック図の集積回路は図1の回路をIC化した例を示す図であるが、図2〜図9に示した回路のスイッチ及びプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗、あるいはダミー抵抗も同様に集積回路化することが可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る抵抗測定装置によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値を検出し、この抵抗値の変動による誤差を補正することができるので、例えば、温度変動の影響等によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値が変動しても、被測定抵抗を精度よく測定することが出来る。
【0062】
また、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を複数個備え、リファレンス抵抗を複数個のプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用すれば、被測定抵抗の入力チャンネル数が増えても、リファレンス抵抗の本数を少なくすることができ、プルアップ抵抗とプルダウン抵抗の両方を備え、リファレンス抵抗をプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用すれば、プルアップ抵抗を備えたチャンネルとプルダウン抵抗を備えたチャンネルの両方がある場合にも、リファレンス抵抗の数を少なくすることができる。さらに、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続するスイッチ手段と、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続するスイッチ手段とを設け、両者のスイッチ手段の特性を同一とすれば、スイッチ手段のオン抵抗の影響をキャンセルすることができるので、高精度な抵抗測定を行うことができる。
【0063】
また、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗として被測定抵抗接続用抵抗とリファレンス抵抗接続用抵抗をそれぞれ設ければ、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時に、外部負荷としての被測定抵抗を切り離すことがなく、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるので、負荷の一時的なオープンが問題となるようなシステムに有効であり、リファレンス抵抗接続用抵抗を複数のチャンネルで兼用すれば、装置を集積化する場合に、チップ面積を縮小することができる。
【0064】
また、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗にダミー抵抗を設け、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正時に、ダミー抵抗を被測定抵抗に接続すれば、負荷がオープン処理される期間をなくすことができるとともに、被測定抵抗の測定及びプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に同じ抵抗を使用するため、測定精度を高くすることができ、さらに、ダミー抵抗を複数のチャンネルで兼用すれば、装置を集積化する場合に、チップ面積を縮小することができる。
【0065】
また、複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備える場合に、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個設ければ、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が各チャンネル毎に異なっている場合にも、各チャンネルに応じた抵抗値のリファレンス抵抗を使用することができるので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とリファレンス抵抗の抵抗値の差による誤差を防止し、測定精度を向上させることができ、また、上記複数のリファレンス抵抗を直列接続すれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続する抵抗値補正時のリファレンス電圧の読取り箇所を少なくすることができる。
【0066】
一方、本発明に係る抵抗測定用集積回路によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びスイッチ手段のみを集積化するので、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値を変更する必要がある場合には、被測定抵抗の入力チャンネルにあらかじめプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とスイッチ手段の対を複数用意し、スイッチ経路を切り換えることで容易に対応することができ、また、リファレンス抵抗も内蔵すれば、外付けのリファレンス抵抗を削除することができ、部品点数を削減することができる。
【0067】
さらに、本発明に係る抵抗測定装置を、抵抗測定用集積回路と、A/D変換手段と、A/D変換手段の出力が入力されるとともに、上記抵抗測定用集積回路を制御する制御手段とより構成すれば、抵抗測定用集積回路、A/D変換手段及び制御手段をそれぞれ別々に設計、製造することができ、設計変更が容易になるとともに、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の設定値が異なる場合や、異なるA/D変換精度が必要な場合にも、適宜対応することが可能である。また、上記制御手段が、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続を間歇的に実施すれば、抵抗値補正頻度を低減するとともに、後段の処理負荷を軽減することができ、上記制御手段が、チップ温度の急激な変化時には、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行わないようにすれば、処理負荷を軽減するとともに、誤った抵抗値補正を行うことを防止することができる。
【0068】
一方、本発明の抵抗測定方法によれば、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行うことができるので、例えば、温度変動の影響等によりプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値が変動しても、被測定抵抗を精度よく測定することができ、また、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びリファレンス抵抗の電源側あるいは接地側の電圧も検出すれば、集積回路内部での電圧ドロップや浮きがあっても補正することができるので、電源電圧や接地レベルが集積回路内部でずれても高精度に被測定抵抗を測定することができ、この場合、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗あるいはレファレンス抵抗の接続先が電源電圧や接地レベルに限られないので、任意の電圧を使用することができ、システムの自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る抵抗測定装置を示す図である。
【図10】本発明の抵抗測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【図11】従来の抵抗測定装置を示す図である。
【符号の説明】
1〜3 サーミスタ
4、5 リファレンス抵抗
6 プルアップ用電源
7 A/D変換器
8 プルダウン用電源
9 集積回路
10 CPU
R1〜R3 プルアップ抵抗
R11 プルダウン抵抗
R4〜R6 リファレンス抵抗接続用プルアップ抵抗
R7〜R9 ダミー抵抗
SW1、SW3、SW5、SW11 負荷接続用スイッチ
SW2、SW4、SW6、SW12 リファレンス抵抗接続用スイッチ
SW7、SW8、SW9、SW10 切り替えスイッチ
Claims (18)
- 被測定抵抗をプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗に接続し、接続点の電圧を検出することにより被測定抵抗の抵抗値を測定する抵抗測定装置において、
リファレンス抵抗と、
プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗と上記リファレンス抵抗との間で切替える切替手段とを備え、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧により上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正を行うことを特徴とする抵抗測定装置。 - 上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を複数個備え、
上記リファレンス抵抗を複数個のプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用したことを特徴とする請求項1に記載の抵抗測定装置。 - プルアップ抵抗とプルダウン抵抗の両方を備え、
上記リファレンス抵抗をプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の抵抗値補正に兼用したことを特徴とする請求項1に記載の抵抗測定装置。 - 上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続するスイッチ手段と、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を上記リファレンス抵抗に接続するスイッチ手段とを備え、
上記両者のスイッチ手段の特性を同一としたことを特徴とする請求項1に記載の抵抗測定装置。 - 上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗として被測定抵抗接続用抵抗とリファレンス抵抗接続用抵抗をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1に記載の抵抗測定装置。
- 複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備え、上記リファレンス抵抗接続用抵抗を複数のチャンネルで兼用したことを特徴とする請求項5に記載の抵抗測定装置。
- 上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗がダミー抵抗を有し、
プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続時に、上記ダミー抵抗を被測定抵抗に接続することを特徴とする請求項1に記載の抵抗測定装置。 - 複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備え、
上記ダミー抵抗を複数のチャンネルで兼用したことを特徴とする請求項7に記載の抵抗測定装置。 - 複数チャンネルのプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を備えるとともに、絶対値の異なるリファレンス抵抗を複数個備えたことを特徴とする請求項1に記載の抵抗測定装置。
- 上記複数のリファレンス抵抗を直列接続したことを特徴とする請求項9に記載の抵抗測定装置。
- 上記請求項1〜10のいずれかに記載の抵抗測定装置に用いる抵抗測定用集積回路であって、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及び上記スイッチ手段を集積化したことを特徴とする抵抗測定用集積回路。 - 上記リファレンス抵抗も内蔵したことを特徴とする請求項11に記載の抵抗測定用集積回路。
- 請求項11または請求項12に記載された抵抗測定用集積回路と、
A/D変換手段と、
上記A/D変換手段の出力が入力されるとともに、上記抵抗測定用集積回路を制御する制御手段とよりなることを特徴とする抵抗測定装置。 - 上記制御手段が、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続を間歇的に実施することを特徴とする請求項13に記載の抵抗測定装置。
- 上記制御手段が、集積回路チップ温度の急激な変化時には、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗のリファレンス抵抗への接続を行わないことを特徴とする請求項14に記載の抵抗測定装置。
- 被測定抵抗をプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗に接続し、接続点の電圧を検出することにより被測定抵抗の抵抗値を測定する抵抗測定方法において、
プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗とリファレンス抵抗との間で切替え、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続した時の接続点の電圧と、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧とを用いて、被測定抵抗を求めることを特徴とする抵抗測定方法。 - プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びリファレンス抵抗の電源側あるいは接地側の電圧を検出し、
上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を被測定抵抗に接続した時の接続点の電圧と、上記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗をリファレンス抵抗に接続した時の接続点の電圧と、上記電源側あるいは接地側の電圧とを用いて、被測定抵抗を求めることを特徴とする請求項16に記載の抵抗測定方法。 - プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗及びリファレンス抵抗に任意の電圧を加えることを特徴とする請求項17に記載の抵抗測定方法。
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