JP2005003009A - 磁気軸受機構および膨張タービン - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受部の機能を低下するのを防ぐことができる磁気軸受機構および膨張タービンを提供する。
【解決手段】スラスト軸受部86とラジアル軸受部のうち少なくとも一方に用いられ、電磁石85aの吸引力を制御することにより回転軸を支持する磁気軸受機構であって、回転軸53に面する軸受部材82bと、軸受部材82bに設けられた電磁石85aとを備え、電磁石85aと回転軸53との間に、電磁石85aの少なくとも一部を覆う保護部材90が設けられている。この保護部材90によって、電磁石85aが損傷を受けるのを防ぎ、軸受部の機能低下を防止する。
【選択図】 図2
【解決手段】スラスト軸受部86とラジアル軸受部のうち少なくとも一方に用いられ、電磁石85aの吸引力を制御することにより回転軸を支持する磁気軸受機構であって、回転軸53に面する軸受部材82bと、軸受部材82bに設けられた電磁石85aとを備え、電磁石85aと回転軸53との間に、電磁石85aの少なくとも一部を覆う保護部材90が設けられている。この保護部材90によって、電磁石85aが損傷を受けるのを防ぎ、軸受部の機能低下を防止する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気液化分離装置などに用いられる磁気軸受機構およびこれを用いた膨張タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気を液化し、酸素、窒素等をこれらの沸点の差異を利用して分離する空気液化分離装置や、ヘリウム液化機などでは、圧縮気体を膨張させて極低温(−50℃以下)を得るため、膨張タービンが使用されている(特許文献1を参照)。
以下、図1を利用して、従来の5軸制御磁気軸受式膨張タービンの一例を説明する。
膨張タービン80は、軸受部ハウジング51内に、回転軸53と、回転軸53の軸方向の力を支持するスラスト軸受部86と、回転軸53の半径方向の力を支持するラジアル軸受部83と、タッチダウン軸受部88とを備えている。
回転軸53の両端53a、53bには、それぞれタービンインペラ54と圧縮機インペラ55が設けられている。
タービンインペラ54は、気体流通ハウジング56の膨張室Ex内に設けられている。圧縮機インペラ55は、気体流通ハウジング57の圧縮室Cp内に気体を送り込むようになっている。
【0003】
スラスト軸受部86には、電磁石の吸引力を制御することにより回転軸53を支持する吸引制御型磁気軸受機構BMが用いられている。
スラスト軸受部86は、スラスト円板84に面したスラスト軸受部材82bと電磁石85aとを備え、電磁石85aの吸引力により回転軸53の軸方向変位量を制御することができるようになっている。
ラジアル軸受部83にも、吸引制御型磁気軸受機構BMが採用されている。ラジアル軸受部83は、回転軸53に面したラジアル軸受部材82aと電磁石85x、85y、85p、85yaとを備え、電磁石85x、85y、85p、85yaの吸引力により回転軸53の半径方向変位量を制御することができるようになっている。
タッチダウン軸受部88は、電磁石の吸引力を制御する磁気軸受コントローラの故障等により吸引制御型磁気軸受機構BMが機能しなくなった場合に、回転軸53と軸受部86、83が接触する前に回転軸53を支持し、回転軸53と軸受部86、83との接触による損傷を防止することができるようになっている。
【0004】
膨張タービン80では、高圧の被膨張気体Zを導入管58より膨張室Exに導入し、タービンインペラ54を回転させるとともに被膨張気体Zを膨張させる。これによって、低圧かつ低温の膨張後気体Z0が開口56aより導出される。タービンインペラ54の回転により、回転軸53と圧縮機インペラ55も回転する。
被圧縮気体Xを開口57aから気体流通ハウジング57に導入すると、圧縮機インペラ55が被圧縮気体Xを圧縮して、高圧の圧縮後気体Xpが圧縮室Cpから導出管59を通して導出される。
【0005】
図6は、ラジアル軸受部に、吸引制御型磁気軸受機構BMに代えて動圧気体軸受機構BDを採用したハイブリッド軸受式膨張タービンの一例を示す構造図である(特許文献1を参照)。
ここに示す膨張タービン20では、スラスト軸受部16に吸引制御型磁気軸受機構BMが採用され、ラジアル軸受部13に動圧気体軸受機構BDが採用されている。ラジアル軸受部13は、パッド状のラジアル軸受部材12を備え、このラジアル軸受部材12は、軸受部ハウジング51内に設けられた軸受部材11に、バネ部材17を備えたボルト18を介して懸吊されている。
ラジアル軸受部13は、ラジアル軸受部材12と回転軸53が面する間隙tを、回転軸53の回転により昇圧することによって、回転軸53とラジアル軸受部材12との間隔を適切に保つことができるようになっている。
なお、2bはスラスト軸受部材を示し、7はスラスト円板を示し、8a、8bは電磁石を示し、9はスラスト軸受用センサを示す。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−120402号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
軸受部ハウジング51には、被膨張気体Zと圧縮後気体Xpのうちいずれか圧力が高い方が流れ込むことがあり、この気体の中に、配管中の金属粉等が含まれていると、この金属粉等によって軸受部86、83、16の電磁石が損傷を受けて軸受部86、83、16の機能が低下するおそれがある。
【0008】
膨張タービン80において、磁気軸受コントローラの故障等により、軸受部86、83の吸引制御型磁気軸受機構BMが機能しなくなった場合には、タッチダウン軸受部88によって回転軸53が支持されるが、タッチダウン軸受部88と回転軸53との接触によって金属粉が発生すると、この金属粉によって電磁石が損傷を受け、軸受部86、83の機能が低下するおそれがあった。
さらに、タッチダウン軸受部88が何らかの原因(例えば疲労破壊等)で機能しなくなると、軸受部86、83と回転軸53とが接触し、金属粉が発生し、この金属粉によって電磁石が損傷を受け、軸受部86、83の機能が低下するおそれがあった。
【0009】
また、吸引制御型磁気軸受機構BMの電磁石では、ジュール熱が発生するため高温となることがある。また、回転軸53の回転数が大きい場合には、間隙tに存在する流体の摩擦熱により電磁石が高温になることがある。
特に、膨張タービンを空気液化分離装置に用いる場合には、被膨張気体Zや圧縮後気体Xpは空気よりも酸素濃度が高くなるため、これが軸受部ハウジング51内に流れ込むと電磁石は高温、高酸素濃度雰囲気にさらされる。
このため、電磁石の絶縁被覆が自然発火することによる軸受部の機能低下を防ぐことが要望されている。
また、塵、埃、金属粉等が含まれている気体が軸受部ハウジング51内に流れ込んだ場合に、これらが高温、高酸素濃度雰囲気下で自然発火することにより電磁石が損傷を受けるのを防ぐ必要がある。
また、軸受部86、83、16、88と回転軸53とが接触すると、金属粉が発生することがあるため、これが高温、高酸素濃度雰囲気下で自然発火し電磁石の絶縁被覆が燃焼するのを防ぐ必要がある。また軸受部86、83、16、88と回転軸53とが接触すると、スパークが発生するおそれがあるため、このスパークにより電磁石の絶縁被覆が燃焼するのを防ぐ必要がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、軸受部の機能を低下するのを防ぐことができる磁気軸受機構および膨張タービンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気軸受機構は、回転軸の軸方向の力を支持するスラスト軸受部と、回転軸の半径方向の力を支持するラジアル軸受部のうち少なくとも一方に用いられ、電磁石の吸引力を制御することにより回転軸を支持する磁気軸受機構であって、回転軸に面する軸受部材と、軸受部材に設けられた電磁石とを備え、前記電磁石と回転軸との間に、電磁石の少なくとも一部を覆う保護部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の磁気軸受機構は、前記電磁石が、軸受部材に形成された収容部内に収容され、保護部材が、収容部の開口を塞ぐように形成されている構成を採用することができる。
前記保護部材は、非磁性金属からなる構成とすることができる。
前記保護部材は、酸素指数が19.5以上である難燃性合成樹脂からなる構成とすることができる。
前記保護部材は、酸素指数が19.5以上である難燃性合成樹脂からなり、収容部に充填されている構成とすることができる。
本発明の磁気軸受機構は、雰囲気ガスが、酸素濃度20vol%以上、圧力0.92MPaG以下、温度−200〜100℃の範囲にあり、保護部材と回転軸との隙間が、0.1〜1mmである構成とすることができる。
本発明の膨張タービンは、上記磁気軸受機構が用いられていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の膨張タービンの一実施形態を示すもので、ここに示す膨張タービン80は、軸受部ハウジング51内に、回転軸53と、回転軸53の軸方向の力を支持するスラスト軸受部86と、回転軸53の半径方向の力を支持するラジアル軸受部83と、タッチダウン軸受部88とを備えている。
回転軸53の両端53a、53bには、それぞれタービンインペラ54と圧縮機インペラ55が設けられている。
タービンインペラ54は、気体流通ハウジング56の膨張室Ex内に設けられている。圧縮機インペラ55は、気体流通ハウジング57の圧縮室Cp内に気体を送り込むようになっている。
回転軸53は、回転軸本体53cと、回転軸本体53cに対し垂直に設けられたスラスト円板84とを備えている。
【0013】
スラスト軸受部86には、電磁石の吸引力を制御することにより回転軸53を支持する吸引制御型磁気軸受機構BMが採用されている。
すなわち、スラスト軸受部86は、スラスト円板84の両面に面したスラスト軸受部材82bと、スラスト軸受部材82bに設けられた電磁石85aとを備え、電磁石85aの吸引力により回転軸53の軸方向変位量を制御することができるようになっている。
電磁石85aは、スラスト円板84に対向して配設されている。
【0014】
ラジアル軸受部83にも、吸引制御型磁気軸受機構BMが採用されている。
ラジアル軸受部83は、回転軸53に面したラジアル軸受部材82aと、X軸変位用電磁石85x、Y軸変位用電磁石85y、ピッチング変位用電磁石85p、ヨーイング変位用電磁石85yaとを備え、これら電磁石85x、85y、85p、85yaは、回転軸53の外周面に対向して配設されている。
ラジアル軸受部83は、回転軸53と直交するX軸、Y軸に沿った変位量、X軸周りの回転(ピッチング(P))による変位量、およびY軸周りの回転(ヨーイング(Ya))による変位量を制御するようになっている。
【0015】
スラスト軸受部86およびラジアル軸受部83は、回転軸53の位置を、前記5種類の変位量制御の種類に応じて配置された5つのセンサ、すなわちスラスト軸受用センサ87a、およびラジアル軸受用センサ87x、87y、87p、87yaによって検出し、この検出値に基づいて、スラスト軸受用の電磁石85a、およびラジアル軸受用の電磁石85x、85y、85p、85yaの吸引力を制御して回転軸53の変位量を調節することができるようになっている。
タッチダウン軸受部88は、電磁石の吸引力を制御する磁気軸受コントローラの故障等により吸引制御型磁気軸受機構BMが機能しなくなった場合に、回転軸53と軸受部86、83が接触する前に回転軸53を支持し、回転軸53と軸受部86、83の接触による損傷を防止することができるようになっている。
【0016】
図2に示すように、スラスト軸受部86では、スラスト円板84に対向する面のスラスト軸受部材82bに、電磁石85aを収容する凹部である電磁石収容部89が形成されている。
【0017】
スラスト軸受部材82bには、電磁石収容部89の開口89aを塞ぐ保護部材90が設けられている。
保護部材90は、金属粉等の異物が電磁石85aに接触するのを防ぐためのもので、板状とされ、電磁石85aの少なくとも一部を覆うように形成されている。
保護部材90は、非磁性金属から構成されている。非磁性金属としては、アルミニウム、銅を挙げることができる。
保護部材90は、電磁石収容部89の開口89aを気密に閉止するように構成するのが好ましい。
【0018】
膨張タービン80では、高圧の被膨張気体Zを導入管58より膨張室Exに導入し、タービンインペラ54を回転させるとともに被膨張気体Zを膨張させる。これによって、低圧かつ低温の膨張後気体Z0が開口56aより導出される。タービンインペラ54の回転により、圧縮機インペラ55も回転する。
被圧縮気体Xを開口57aから気体流通ハウジング57に導入すると、圧縮機インペラ55が被圧縮気体Xを圧縮して、高圧の圧縮後気体Xpが圧縮室Cpから導出管59を通して導出される。
【0019】
スラスト軸受部86では、電磁石85aの少なくとも一部を覆う保護部材90が設けられているので、金属粉等の異物が軸受部ハウジング51内に流入または発生した場合でも、これが電磁石収容部89内の電磁石85aに接触するのを防ぐことができる。
従って、電磁石85aが損傷を受けるのを防ぎ、スラスト軸受部86の機能低下を防ぐことができる。
また、軸受部ハウジング51内に流入または発生した異物(塵、埃、金属粉等)が発火した場合や、軸受部86、83、88と回転軸53との接触によりスパークが発生した場合でも、炎やスパークが電磁石収容部89内に入り込むのを防ぎ、電磁石85aの絶縁被覆が発火するのを防ぐことができる。
【0020】
また、電磁石85aが電磁石収容部89内に収容され、保護部材90が電磁石収容部89の開口89aを塞ぐように形成されているので、金属粉等の異物が電磁石収容部89内に入り込んで電磁石85aに接触するのを確実に防ぐことができる。
【0021】
また、保護部材90を非磁性金属で構成するので、電磁石85aによる制御に悪影響が及ぶことがない。
また、保護部材90を、電磁石収容部89の開口89aを気密に閉止するように構成することによって、軸受部ハウジング51内が高酸素濃度雰囲気となった場合でも、電磁石収容部89内の酸素濃度を低く維持し、電磁石85aの絶縁被覆が発火するのを確実に防ぐことができる。
【0022】
膨張タービン80では、スラスト軸受部86だけでなく、ラジアル軸受部83にも保護部材を形成することができる。
すなわち、ラジアル軸受部83のラジアル軸受部材82aに、電磁石85x、85y、85p、85yaを収容する凹部である電磁石収容部(図示略)を形成し、ラジアル軸受部材82aに、電磁石85x、85y、85p、85yaの少なくとも一部を覆うように(好ましくは電磁石収容部の開口を塞ぐように)保護部材を設けることができる。
これによって、ラジアル軸受部83においても、電磁石85x、85y、85p、85yaが異物により損傷を受けるのを防ぐことができる。また、電磁石85x、85y、85p、85yaの絶縁被覆が発火するのを防ぐことができる。
【0023】
図3に示すように、本発明では、非磁性金属からなる保護部材90に代えて、難燃性合成樹脂からなる板状の保護部材91を用いることもできる。
保護部材91を構成する難燃性合成樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルを挙げることができる。
なお、本発明において、難燃性とは、酸素指数(JIS−K7201に準拠)が19.5以上であることを指す。酸素指数とは、所定量の材料が燃焼し尽くすため、あるいは継続的に燃焼するために必要な雰囲気中の酸素の限界濃度(vol%)を示す。本発明では、酸素指数が30以上(好ましくは40以上)である難燃性樹脂を用いることもできる。酸素指数については、例えば須藤:プラスチックス、44(9)、18、1993(ポリマーデータブック、p.91)に記載されている。
【0024】
図4に示すように、本発明では、板状の保護部材91に代えて、上記合成樹脂を電磁石収容部89に充填した保護部材92を設けることもできる。保護部材92は、電磁石85aを覆うように形成されている。
【0025】
これらの例においても、保護部材91、92を設けることによって、電磁石85aが異物により損傷を受けるのを防ぐことができる。また、電磁石85aの絶縁被覆が発火するのを防ぐことができる。
保護部材91、92は、スラスト軸受部86だけでなく、ラジアル軸受部83の電磁石収容部にも設けることができる。
【0026】
保護部材91、92は、スラスト円板84との距離を最適化することによって、保護部材91、92が燃焼するのを確実に防ぐことができる。
保護部材91、92と回転軸53(スラスト円板84)との隙間は、雰囲気ガスが、酸素濃度20vol%以上、圧力0.92MPaG以下、温度−200〜100℃の範囲にあるときに、0.1〜1mmであることが好ましい。
上記隙間がこの範囲を下回ると、保護部材91、92が回転軸53に接触しやすくなり、上記隙間が上記範囲を越えると、保護部材91、92が燃焼しやすくなる。
【0027】
エポキシ樹脂からなる保護部材91、92の燃焼性を調べるため、次に示す試験を行った。
エポキシ樹脂からなる保護部材を、回転軸に近接した位置に設置し、圧力0.92MPaG、温度23℃の条件において、酸素濃度を50vol%または60vol%として、保護部材が燃焼するかどうかを確認した。
【0028】
図5に示すように、酸素濃度60vol%の条件においては、保護部材と回転軸との隙間を1mm以下とすることによって、保護部材の燃焼を防ぐことができたことがわかる。
なお、参考のため、エポキシ樹脂よりも燃焼しやすいポリエチレンを用いた場合の試験結果を図5に併せて示す。
すなわち、ポリエチレンからなる保護部材を用い、保護部材が燃焼しない範囲における上記隙間の最大値を、各圧力条件ごとに実線、破線、一点鎖線で示した。
この図より、圧力が比較的低い場合には、隙間を大きくしても燃焼しにくくなることがわかる。また、酸素濃度が比較的低い場合には、隙間を大きくしても燃焼しにくくなることがわかる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の磁気軸受機構では、電磁石の少なくとも一部を覆う保護部材が設けられているので、金属粉等の異物が電磁石に接触するのを防ぐことができる。
従って、電磁石が損傷を受けたり、絶縁被覆が発火するのを防ぎ、軸受部の機能低下を防ぐことができる。
また、電磁石が収容部内に収容され、保護部材が収容部の開口を塞ぐように形成された構成によって、金属粉等の異物が収容部内に入り込むのを防ぎ、電磁石に接触するのを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気軸受機構の一実施形態を用いた膨張タービンを示す断面図である。
【図2】図1に示す磁気軸受機構の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の磁気軸受機構の他の例の要部を示す断面図である。
【図4】本発明の磁気軸受機構のさらに他の例の要部を示す断面図である。
【図5】試験結果を示すグラフである。
【図6】従来の磁気軸受機構の一例を用いた膨張タービンを示す断面図である。
【符号の説明】
85a、85x、85y、85p、85ya・・・電磁石
86・・・スラスト軸受部
83・・・ラジアル軸受部
89・・・電磁石収容部
89a・・・開口
90、91、92・・・保護部材
82a・・・ラジアル軸受部材
82b・・・スラスト軸受部材
BM・・・吸引制御型磁気軸受機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気液化分離装置などに用いられる磁気軸受機構およびこれを用いた膨張タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気を液化し、酸素、窒素等をこれらの沸点の差異を利用して分離する空気液化分離装置や、ヘリウム液化機などでは、圧縮気体を膨張させて極低温(−50℃以下)を得るため、膨張タービンが使用されている(特許文献1を参照)。
以下、図1を利用して、従来の5軸制御磁気軸受式膨張タービンの一例を説明する。
膨張タービン80は、軸受部ハウジング51内に、回転軸53と、回転軸53の軸方向の力を支持するスラスト軸受部86と、回転軸53の半径方向の力を支持するラジアル軸受部83と、タッチダウン軸受部88とを備えている。
回転軸53の両端53a、53bには、それぞれタービンインペラ54と圧縮機インペラ55が設けられている。
タービンインペラ54は、気体流通ハウジング56の膨張室Ex内に設けられている。圧縮機インペラ55は、気体流通ハウジング57の圧縮室Cp内に気体を送り込むようになっている。
【0003】
スラスト軸受部86には、電磁石の吸引力を制御することにより回転軸53を支持する吸引制御型磁気軸受機構BMが用いられている。
スラスト軸受部86は、スラスト円板84に面したスラスト軸受部材82bと電磁石85aとを備え、電磁石85aの吸引力により回転軸53の軸方向変位量を制御することができるようになっている。
ラジアル軸受部83にも、吸引制御型磁気軸受機構BMが採用されている。ラジアル軸受部83は、回転軸53に面したラジアル軸受部材82aと電磁石85x、85y、85p、85yaとを備え、電磁石85x、85y、85p、85yaの吸引力により回転軸53の半径方向変位量を制御することができるようになっている。
タッチダウン軸受部88は、電磁石の吸引力を制御する磁気軸受コントローラの故障等により吸引制御型磁気軸受機構BMが機能しなくなった場合に、回転軸53と軸受部86、83が接触する前に回転軸53を支持し、回転軸53と軸受部86、83との接触による損傷を防止することができるようになっている。
【0004】
膨張タービン80では、高圧の被膨張気体Zを導入管58より膨張室Exに導入し、タービンインペラ54を回転させるとともに被膨張気体Zを膨張させる。これによって、低圧かつ低温の膨張後気体Z0が開口56aより導出される。タービンインペラ54の回転により、回転軸53と圧縮機インペラ55も回転する。
被圧縮気体Xを開口57aから気体流通ハウジング57に導入すると、圧縮機インペラ55が被圧縮気体Xを圧縮して、高圧の圧縮後気体Xpが圧縮室Cpから導出管59を通して導出される。
【0005】
図6は、ラジアル軸受部に、吸引制御型磁気軸受機構BMに代えて動圧気体軸受機構BDを採用したハイブリッド軸受式膨張タービンの一例を示す構造図である(特許文献1を参照)。
ここに示す膨張タービン20では、スラスト軸受部16に吸引制御型磁気軸受機構BMが採用され、ラジアル軸受部13に動圧気体軸受機構BDが採用されている。ラジアル軸受部13は、パッド状のラジアル軸受部材12を備え、このラジアル軸受部材12は、軸受部ハウジング51内に設けられた軸受部材11に、バネ部材17を備えたボルト18を介して懸吊されている。
ラジアル軸受部13は、ラジアル軸受部材12と回転軸53が面する間隙tを、回転軸53の回転により昇圧することによって、回転軸53とラジアル軸受部材12との間隔を適切に保つことができるようになっている。
なお、2bはスラスト軸受部材を示し、7はスラスト円板を示し、8a、8bは電磁石を示し、9はスラスト軸受用センサを示す。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−120402号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
軸受部ハウジング51には、被膨張気体Zと圧縮後気体Xpのうちいずれか圧力が高い方が流れ込むことがあり、この気体の中に、配管中の金属粉等が含まれていると、この金属粉等によって軸受部86、83、16の電磁石が損傷を受けて軸受部86、83、16の機能が低下するおそれがある。
【0008】
膨張タービン80において、磁気軸受コントローラの故障等により、軸受部86、83の吸引制御型磁気軸受機構BMが機能しなくなった場合には、タッチダウン軸受部88によって回転軸53が支持されるが、タッチダウン軸受部88と回転軸53との接触によって金属粉が発生すると、この金属粉によって電磁石が損傷を受け、軸受部86、83の機能が低下するおそれがあった。
さらに、タッチダウン軸受部88が何らかの原因(例えば疲労破壊等)で機能しなくなると、軸受部86、83と回転軸53とが接触し、金属粉が発生し、この金属粉によって電磁石が損傷を受け、軸受部86、83の機能が低下するおそれがあった。
【0009】
また、吸引制御型磁気軸受機構BMの電磁石では、ジュール熱が発生するため高温となることがある。また、回転軸53の回転数が大きい場合には、間隙tに存在する流体の摩擦熱により電磁石が高温になることがある。
特に、膨張タービンを空気液化分離装置に用いる場合には、被膨張気体Zや圧縮後気体Xpは空気よりも酸素濃度が高くなるため、これが軸受部ハウジング51内に流れ込むと電磁石は高温、高酸素濃度雰囲気にさらされる。
このため、電磁石の絶縁被覆が自然発火することによる軸受部の機能低下を防ぐことが要望されている。
また、塵、埃、金属粉等が含まれている気体が軸受部ハウジング51内に流れ込んだ場合に、これらが高温、高酸素濃度雰囲気下で自然発火することにより電磁石が損傷を受けるのを防ぐ必要がある。
また、軸受部86、83、16、88と回転軸53とが接触すると、金属粉が発生することがあるため、これが高温、高酸素濃度雰囲気下で自然発火し電磁石の絶縁被覆が燃焼するのを防ぐ必要がある。また軸受部86、83、16、88と回転軸53とが接触すると、スパークが発生するおそれがあるため、このスパークにより電磁石の絶縁被覆が燃焼するのを防ぐ必要がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、軸受部の機能を低下するのを防ぐことができる磁気軸受機構および膨張タービンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気軸受機構は、回転軸の軸方向の力を支持するスラスト軸受部と、回転軸の半径方向の力を支持するラジアル軸受部のうち少なくとも一方に用いられ、電磁石の吸引力を制御することにより回転軸を支持する磁気軸受機構であって、回転軸に面する軸受部材と、軸受部材に設けられた電磁石とを備え、前記電磁石と回転軸との間に、電磁石の少なくとも一部を覆う保護部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の磁気軸受機構は、前記電磁石が、軸受部材に形成された収容部内に収容され、保護部材が、収容部の開口を塞ぐように形成されている構成を採用することができる。
前記保護部材は、非磁性金属からなる構成とすることができる。
前記保護部材は、酸素指数が19.5以上である難燃性合成樹脂からなる構成とすることができる。
前記保護部材は、酸素指数が19.5以上である難燃性合成樹脂からなり、収容部に充填されている構成とすることができる。
本発明の磁気軸受機構は、雰囲気ガスが、酸素濃度20vol%以上、圧力0.92MPaG以下、温度−200〜100℃の範囲にあり、保護部材と回転軸との隙間が、0.1〜1mmである構成とすることができる。
本発明の膨張タービンは、上記磁気軸受機構が用いられていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の膨張タービンの一実施形態を示すもので、ここに示す膨張タービン80は、軸受部ハウジング51内に、回転軸53と、回転軸53の軸方向の力を支持するスラスト軸受部86と、回転軸53の半径方向の力を支持するラジアル軸受部83と、タッチダウン軸受部88とを備えている。
回転軸53の両端53a、53bには、それぞれタービンインペラ54と圧縮機インペラ55が設けられている。
タービンインペラ54は、気体流通ハウジング56の膨張室Ex内に設けられている。圧縮機インペラ55は、気体流通ハウジング57の圧縮室Cp内に気体を送り込むようになっている。
回転軸53は、回転軸本体53cと、回転軸本体53cに対し垂直に設けられたスラスト円板84とを備えている。
【0013】
スラスト軸受部86には、電磁石の吸引力を制御することにより回転軸53を支持する吸引制御型磁気軸受機構BMが採用されている。
すなわち、スラスト軸受部86は、スラスト円板84の両面に面したスラスト軸受部材82bと、スラスト軸受部材82bに設けられた電磁石85aとを備え、電磁石85aの吸引力により回転軸53の軸方向変位量を制御することができるようになっている。
電磁石85aは、スラスト円板84に対向して配設されている。
【0014】
ラジアル軸受部83にも、吸引制御型磁気軸受機構BMが採用されている。
ラジアル軸受部83は、回転軸53に面したラジアル軸受部材82aと、X軸変位用電磁石85x、Y軸変位用電磁石85y、ピッチング変位用電磁石85p、ヨーイング変位用電磁石85yaとを備え、これら電磁石85x、85y、85p、85yaは、回転軸53の外周面に対向して配設されている。
ラジアル軸受部83は、回転軸53と直交するX軸、Y軸に沿った変位量、X軸周りの回転(ピッチング(P))による変位量、およびY軸周りの回転(ヨーイング(Ya))による変位量を制御するようになっている。
【0015】
スラスト軸受部86およびラジアル軸受部83は、回転軸53の位置を、前記5種類の変位量制御の種類に応じて配置された5つのセンサ、すなわちスラスト軸受用センサ87a、およびラジアル軸受用センサ87x、87y、87p、87yaによって検出し、この検出値に基づいて、スラスト軸受用の電磁石85a、およびラジアル軸受用の電磁石85x、85y、85p、85yaの吸引力を制御して回転軸53の変位量を調節することができるようになっている。
タッチダウン軸受部88は、電磁石の吸引力を制御する磁気軸受コントローラの故障等により吸引制御型磁気軸受機構BMが機能しなくなった場合に、回転軸53と軸受部86、83が接触する前に回転軸53を支持し、回転軸53と軸受部86、83の接触による損傷を防止することができるようになっている。
【0016】
図2に示すように、スラスト軸受部86では、スラスト円板84に対向する面のスラスト軸受部材82bに、電磁石85aを収容する凹部である電磁石収容部89が形成されている。
【0017】
スラスト軸受部材82bには、電磁石収容部89の開口89aを塞ぐ保護部材90が設けられている。
保護部材90は、金属粉等の異物が電磁石85aに接触するのを防ぐためのもので、板状とされ、電磁石85aの少なくとも一部を覆うように形成されている。
保護部材90は、非磁性金属から構成されている。非磁性金属としては、アルミニウム、銅を挙げることができる。
保護部材90は、電磁石収容部89の開口89aを気密に閉止するように構成するのが好ましい。
【0018】
膨張タービン80では、高圧の被膨張気体Zを導入管58より膨張室Exに導入し、タービンインペラ54を回転させるとともに被膨張気体Zを膨張させる。これによって、低圧かつ低温の膨張後気体Z0が開口56aより導出される。タービンインペラ54の回転により、圧縮機インペラ55も回転する。
被圧縮気体Xを開口57aから気体流通ハウジング57に導入すると、圧縮機インペラ55が被圧縮気体Xを圧縮して、高圧の圧縮後気体Xpが圧縮室Cpから導出管59を通して導出される。
【0019】
スラスト軸受部86では、電磁石85aの少なくとも一部を覆う保護部材90が設けられているので、金属粉等の異物が軸受部ハウジング51内に流入または発生した場合でも、これが電磁石収容部89内の電磁石85aに接触するのを防ぐことができる。
従って、電磁石85aが損傷を受けるのを防ぎ、スラスト軸受部86の機能低下を防ぐことができる。
また、軸受部ハウジング51内に流入または発生した異物(塵、埃、金属粉等)が発火した場合や、軸受部86、83、88と回転軸53との接触によりスパークが発生した場合でも、炎やスパークが電磁石収容部89内に入り込むのを防ぎ、電磁石85aの絶縁被覆が発火するのを防ぐことができる。
【0020】
また、電磁石85aが電磁石収容部89内に収容され、保護部材90が電磁石収容部89の開口89aを塞ぐように形成されているので、金属粉等の異物が電磁石収容部89内に入り込んで電磁石85aに接触するのを確実に防ぐことができる。
【0021】
また、保護部材90を非磁性金属で構成するので、電磁石85aによる制御に悪影響が及ぶことがない。
また、保護部材90を、電磁石収容部89の開口89aを気密に閉止するように構成することによって、軸受部ハウジング51内が高酸素濃度雰囲気となった場合でも、電磁石収容部89内の酸素濃度を低く維持し、電磁石85aの絶縁被覆が発火するのを確実に防ぐことができる。
【0022】
膨張タービン80では、スラスト軸受部86だけでなく、ラジアル軸受部83にも保護部材を形成することができる。
すなわち、ラジアル軸受部83のラジアル軸受部材82aに、電磁石85x、85y、85p、85yaを収容する凹部である電磁石収容部(図示略)を形成し、ラジアル軸受部材82aに、電磁石85x、85y、85p、85yaの少なくとも一部を覆うように(好ましくは電磁石収容部の開口を塞ぐように)保護部材を設けることができる。
これによって、ラジアル軸受部83においても、電磁石85x、85y、85p、85yaが異物により損傷を受けるのを防ぐことができる。また、電磁石85x、85y、85p、85yaの絶縁被覆が発火するのを防ぐことができる。
【0023】
図3に示すように、本発明では、非磁性金属からなる保護部材90に代えて、難燃性合成樹脂からなる板状の保護部材91を用いることもできる。
保護部材91を構成する難燃性合成樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルを挙げることができる。
なお、本発明において、難燃性とは、酸素指数(JIS−K7201に準拠)が19.5以上であることを指す。酸素指数とは、所定量の材料が燃焼し尽くすため、あるいは継続的に燃焼するために必要な雰囲気中の酸素の限界濃度(vol%)を示す。本発明では、酸素指数が30以上(好ましくは40以上)である難燃性樹脂を用いることもできる。酸素指数については、例えば須藤:プラスチックス、44(9)、18、1993(ポリマーデータブック、p.91)に記載されている。
【0024】
図4に示すように、本発明では、板状の保護部材91に代えて、上記合成樹脂を電磁石収容部89に充填した保護部材92を設けることもできる。保護部材92は、電磁石85aを覆うように形成されている。
【0025】
これらの例においても、保護部材91、92を設けることによって、電磁石85aが異物により損傷を受けるのを防ぐことができる。また、電磁石85aの絶縁被覆が発火するのを防ぐことができる。
保護部材91、92は、スラスト軸受部86だけでなく、ラジアル軸受部83の電磁石収容部にも設けることができる。
【0026】
保護部材91、92は、スラスト円板84との距離を最適化することによって、保護部材91、92が燃焼するのを確実に防ぐことができる。
保護部材91、92と回転軸53(スラスト円板84)との隙間は、雰囲気ガスが、酸素濃度20vol%以上、圧力0.92MPaG以下、温度−200〜100℃の範囲にあるときに、0.1〜1mmであることが好ましい。
上記隙間がこの範囲を下回ると、保護部材91、92が回転軸53に接触しやすくなり、上記隙間が上記範囲を越えると、保護部材91、92が燃焼しやすくなる。
【0027】
エポキシ樹脂からなる保護部材91、92の燃焼性を調べるため、次に示す試験を行った。
エポキシ樹脂からなる保護部材を、回転軸に近接した位置に設置し、圧力0.92MPaG、温度23℃の条件において、酸素濃度を50vol%または60vol%として、保護部材が燃焼するかどうかを確認した。
【0028】
図5に示すように、酸素濃度60vol%の条件においては、保護部材と回転軸との隙間を1mm以下とすることによって、保護部材の燃焼を防ぐことができたことがわかる。
なお、参考のため、エポキシ樹脂よりも燃焼しやすいポリエチレンを用いた場合の試験結果を図5に併せて示す。
すなわち、ポリエチレンからなる保護部材を用い、保護部材が燃焼しない範囲における上記隙間の最大値を、各圧力条件ごとに実線、破線、一点鎖線で示した。
この図より、圧力が比較的低い場合には、隙間を大きくしても燃焼しにくくなることがわかる。また、酸素濃度が比較的低い場合には、隙間を大きくしても燃焼しにくくなることがわかる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の磁気軸受機構では、電磁石の少なくとも一部を覆う保護部材が設けられているので、金属粉等の異物が電磁石に接触するのを防ぐことができる。
従って、電磁石が損傷を受けたり、絶縁被覆が発火するのを防ぎ、軸受部の機能低下を防ぐことができる。
また、電磁石が収容部内に収容され、保護部材が収容部の開口を塞ぐように形成された構成によって、金属粉等の異物が収容部内に入り込むのを防ぎ、電磁石に接触するのを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気軸受機構の一実施形態を用いた膨張タービンを示す断面図である。
【図2】図1に示す磁気軸受機構の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の磁気軸受機構の他の例の要部を示す断面図である。
【図4】本発明の磁気軸受機構のさらに他の例の要部を示す断面図である。
【図5】試験結果を示すグラフである。
【図6】従来の磁気軸受機構の一例を用いた膨張タービンを示す断面図である。
【符号の説明】
85a、85x、85y、85p、85ya・・・電磁石
86・・・スラスト軸受部
83・・・ラジアル軸受部
89・・・電磁石収容部
89a・・・開口
90、91、92・・・保護部材
82a・・・ラジアル軸受部材
82b・・・スラスト軸受部材
BM・・・吸引制御型磁気軸受機構
Claims (7)
- 回転軸の軸方向の力を支持するスラスト軸受部と、回転軸の半径方向の力を支持するラジアル軸受部のうち少なくとも一方に用いられ、電磁石の吸引力を制御することにより回転軸を支持する磁気軸受機構であって、
回転軸に面する軸受部材と、軸受部材に設けられた電磁石とを備え、
前記電磁石と回転軸との間に、電磁石の少なくとも一部を覆う保護部材が設けられていることを特徴とする磁気軸受機構。 - 前記電磁石が、軸受部材に形成された収容部内に収容され、
保護部材が、収容部の開口を塞ぐように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気軸受機構。 - 前記保護部材は、非磁性金属からなることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気軸受機構。
- 前記保護部材は、酸素指数が19.5以上である難燃性合成樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気軸受機構。
- 前記保護部材は、酸素指数が19.5以上である難燃性合成樹脂からなり、収容部に充填されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気軸受機構。
- 請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の磁気軸受機構において、雰囲気ガスが、酸素濃度20vol%以上、圧力0.92MPaG以下、温度−200〜100℃の範囲にあり、保護部材と回転軸との隙間が、0.1〜1mmであることを特徴とする磁気軸受機構。
- 請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の磁気軸受機構が用いられていることを特徴とする膨張タービン。
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JP2003163713A JP2005003009A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 磁気軸受機構および膨張タービン |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107387562A (zh) * | 2017-08-29 | 2017-11-24 | 南京磁谷科技有限公司 | 一种推力磁轴承同轴电磁铁结构 |
US11143238B2 (en) | 2017-07-28 | 2021-10-12 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Bearing structure |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003163713A patent/JP2005003009A/ja active Pending
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