JP2005002848A - 水平軸型風力発電機及びその方向陀取付方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水平軸型風力発電機10は回転翼11と本体部13と本体支持軸15と連結尾翼16を備えている。連結尾翼16はヒンジ軸が下方に傾く1個又は2個以上のヒンジヒンジ21及び22から成る連結部17を介して常時回動自在な状態で本体部13に連結されている。無風時において連結尾翼16は自重で垂れ下がり回転翼軸12の延長線を含む鉛直面を形成し、微風の方向変化に容易に追従して本体部13の姿勢を風向に正対させる。突発的乱流における回転翼面の不規則運動に対しては連結尾翼16が反作用動作により不規則動作を抑制する。回転翼の回転中もほぼ同様であり、過回転を起こさせず常に回転翼面を最適方向に維持する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平軸型風力発電機及びその方向陀取付方法に係わり、更に詳しくは本体の姿勢を風向方向に追従的に効率良く合わせることができる水平軸型風力発電機及びその方向陀取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、 従来、風力発電装置には様々な形式のものがある。例えば風力発電装置を、風車を支持する軸の取り付け方向により分類すれば、その軸の取り付け方向が垂直である垂直軸型とその軸の取り付け方向が水平である水平軸型とに分類される。垂直軸型には、サボニウス型、ダリウス型などがあり、水平軸型には、プロペラ型などがある。
【0003】
また、風力発電装置を、風車を回転させるトルクとして抗力又は揚力のいずれが支配的に作用するかによって分類すれば、抗力が主である形状のものを抗力型、揚力が主である形状のものを揚力型、抗力と揚力とが同程度に作用する形状のものを抗力/揚力併用型として分類することができる。例えば、上記のサボニウス型は抗力型に属し、上記のダリウス型やプロペラ型は揚力型に属している。
【0004】
抗力型の風車は例えば微風といわれる低速の風においても風車が良く回転するから低速の風でも発電できるという利点があるが、大電力を発電しようとすると、その構造上から装置が大型化して経済的でないという不利な点のほうが目立つようになる。
【0005】
また、抗力型の風車は、低風速でも回転が開始できるようにと羽根面積を大きくすると、強風時には羽根の回転方向から当る風力が減速抵抗となって羽根の面積を大きくした分だけこの減速抵抗が大きく、このため発電効率が低下するという問題を引き起こしてしまう。
【0006】
これに対し、揚力型の風車は、その構造上、小電力の発電だけでなく大電力の発電にも容易に対応できる利点があるばかりでなく、例えば、ものによっては小型ながら風速12.5m/秒の風で400Wもの電力を発生させることができるという利点を有している。
【0007】
そのような揚力型の風車を備えた典型的な水平軸型風力発電機においては、本体の姿勢を風向方向に追従的に合わせるための姿勢制御の方法として、風向センサと姿勢制御用駆動装置とを用いた積極的な方法と、本体後方に取り付けた方向舵による受動的な方法がある。
【0008】
しかし、上記の風向センサと姿勢制御用駆動装置とを用いる方法は、構造が複雑となり製造コストも高くなるという理由で、採用される割合が少ない。そして、より一般的には、構造が簡単で製造コストも比較的低くて済むという理由で、本体後方に方向舵を取り付けた受動的な方法が多用されている。
【0009】
図3は、そのような本体後方に方向舵を備えた水平軸型風力発電機の一例を示す斜視図である。同図に示すように、水平軸型風力発電機1は、風圧によりほぼ鉛直面に沿って回転する複数枚(同図の例では3枚)の回転翼2と、この回転翼2の回転軸の回転により発電する本体部3と、この本体部3をほぼ水平面に沿って回転自在に支持する支持軸4と、本体部3の回転翼2の配設側と対峙する側に本体部3と一体に固設して配置された方向陀5とを備えている。
【0010】
上記の方向陀5は、風見鶏の尾と同様の機能を持っており、無風状態から風力が生じたとき、その風向き方向に本体部3の姿勢を追従させて回転翼2を風向き上流側に向ける働きを持っている。そして、風力により回転翼2が回転を始めると、今度は回転翼2自身がその回転によって風向き方向に追従する働き、すなわち自己風向追従性を発揮する。
【0011】
一般に、風車は風に正対している状態が最も性能を発揮する。この風車が風向きに正対することを「ヨー追従」という。通常、水平軸型風力発電機1の回転翼2は、上記の自己風向追従性によるヨー追従性を備えている。
図4(a),(b) は、ヨー追従の状態を模式的に示す図である。なお、同図(a),(b) には、図3と同一の構成部分には図3と同一の番号を付与して示している。また、以下の説明では、風向の変化を、その主流の速度Uと時間を表す添字tiで示す矢印の向きで示すことにする。iは時間の順序を示し、その番号が増える矢印の示す方向に風向きと風速が変化するものとする。
【0012】
図4(a) は、風向と風速Ut0で示す最初の風向きに水平軸型風力発電機1の風車(回転翼2)が正対している。そして、同図(b) に実線で示すように、風向きが風向と風速Uti(i=1、2、3、・・・)で示す風向きに変化すると、その風向きに回転翼2が追従して、回転翼2が風向きに正対するように水平軸型風力発電機1の姿勢が変化する。
【0013】
図5(a),(b),(c) は、上記の回転翼2によるヨー追従(自己風向追従)の力学的メカニズムについて説明する図であ。同図(a) は水平軸型風力発電機1を正面から見た図であり、説明の便宜上、3枚の回転翼2(2−1、2−2、2−3)のみを示している。今、3枚の回転翼2は、風向きに正対しているものとし、その風圧により矢印ωで示す反時計回り方向に回転しているものとする。
【0014】
同図(b) は、同図(a) に示す回転翼2−1のA−A´矢視断面図であり、同図(c) は、その回転翼2−1が正反対の位置すなわち回転翼2−2と回転翼2−3の中間に来たときの同じくA−A´矢視断面図である。ヨー追従の力学的メカニズムを分かり易く説明するために、回転している回転翼2が上記のように回転翼2−1の位置とその正反対の位置に在る時に風圧による力の作用が以下に働くかを同図(b),(c) により説明する。
【0015】
図5(b),(c) に示すように、風速Uと、この風速Uが回転翼2の面に当ることによて生じる回転気流rωとの合成力の方向(図の破線6で示す方向)に生じる力として抗力Dが発生し、この合成力Dの方向と直角の方向に揚力Lが発生する。そして、これら抗力Dと揚力Lの合成力が回転翼2に作用する力Fとなる。
【0016】
この回転翼2に作用する力Fの分力として、トルクFtと圧力Fnが回転翼2に作用する。圧力Fnは回転翼2を風向の下流側に押す力であり、トルクFtは回転翼2を回転順方向に回転させる力である。3枚の回転翼2は、このトルクFtによって回転する。
【0017】
図6(a),(b) は、風向(風速)が変化したときに、その風向に回転翼2が追従するヨー追従の原理を簡単に説明する図である。図6(a) は図5(b) に示す位置にある回転翼2に加わる風向の変化した向きとその力の作用を示し、図6(b) は図5(c) に示す位置にある回転翼2に加わる風向の変化した向きとその力の作用を示している。いずれも回転翼2を図5(a) の上方又は下方から見た横断面図であり、したがって、回転翼2に当る変化した風速と風向きU1の向きは、図6(a),(b) に示すように同一の向きである。
【0018】
図6(a),(b) に示すように、風向が図5(b),(c) に示した最初の風向と風速Uから反時計回り方向の角度で図6(a),(b) の実線矢印で示す風向と風速U1に変化したものとすると、回転気流とrωの方向も反時計回り方向に変化するから、結果として、変化した風向U1と回転気流との合成力の方向も、図5(b),(c) に示した方向(図6(a),(b) の破線6で示す方向)から図6(a),(b) の実線7で示す方向に、つまり反時計回り方向に変化する。
【0019】
この合成力の方向の変化に伴って、つまり破線6で示す方向から実線7で示す方向に変換した角度の分だけ、図5(b),(c) に示した抗力D、揚力L、これらの合力として回転翼に作用する力F、その分力としてのトルクFt及び圧力Fnで示される全てのベクトルの方向が反時計回り方向に変化する。
【0020】
この変化によって回転翼2には、図6(a),(b) の矢印Bで示す反時計回り方向に回転させる(この場合は回転翼を捻る)ように作用する応力が発生する。この応力の捻り作用に従って回転翼2は風向き対向(追従)するように姿勢を変化させる。すなわち、図4(b) に示したように、水平軸型風力発電機1が変化した風向きと風向Uti方向に追従して姿勢を変える。
【0021】
回転翼2の位置が図5(b) の位置にあるときは、図6(a) に示すように回転翼を捻る(風向に追従させる)力は強く、回転翼2の位置が図5(c) の位置にあるときは、図6(b) に示すように回転翼を捻る(風向に追従させる)力は比較的弱いが、いずれにしても、回転翼を捻る(風向に追従させる)力となることにおいて変わりはない。
【0022】
勿論、風向きの変化した方向が、図6(a),(b) の場合とは反対に、破線で示す前の風向と風向Uよりも図の左側から吹くように変化したときは、回転翼2の位置が図5(c) の位置にあるときのほうが、図6(a) に示した場合と同様に回転翼を捻る(この場合は時計回り方向に捻って風向に追従させる)力は強く、図5(b) の位置にあるときのほうでは、図6(b) に示した場合と同様に回転翼を時計回り方向に捻る力は比較的弱い。しかし、この場合も、いずれもそれらの力が回転翼を風向方向に捻る力となることにおいて変わりはない。
【0023】
このように、水平軸型風力発電機1は、その回転翼2が風力により回転しているときは、常にヨー追従するように姿勢を変化させる。この姿勢の変化つまり首振りには慣性を伴うから、通常は首を振りすぎて風向に正対する位置を通り過ぎる。そうすると、行き過ぎた位置から今度は逆のヨー追従性によって、元に戻るつまり風向に正対する位置に戻る力が働く。これにも慣性力が働くから上記のような首振りが弱いながらも発生する。これを繰り返して最終的に首振り運動が風向き方向に収束されてヨー追従が完成する。
【引用文献なし】
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図6(a),(b) に示した風向と風速U1の変化量がヨー追従に適正な範囲の変化量であれば良いが、変化の角度が急すぎたり、風速が強く変化しすぎたり、風向の変化が頻繁に起こるような場合には、上記の首振りの慣性力が大きく働いて、過回転を引き起こし、ヨー追従がなかなか出来ず、せっかくの強風にも効率よく風車機能を発揮することができず、発電効率が著しく低下するという問題が起きる。
【0025】
また、そればかりでなく、発電機本体部自体が水平方向への過回転を伴った強い首振り運動が継続することによって、方向舵が破損するなどの問題も生じている。また、最初の強い首振りで本体部が反転し、回転翼面が風向きの下流側を向いてしまうなどということも稀れではない。
【0026】
前述したように揚力型の風車を備えた受動的制御型の水平軸型風力発電機は、装置が簡単で姿勢制御に際しての電力消費がないなど経済的であり、弱風でも発電機能を発揮できて通常では発電効率も良いが、上記のような不具合な点も有しており、これらの不具合の改善が、これまで長い間望まれながら、その解決が見られなかったものである。
【0027】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、風向変化の激しい風況環境においても優れた風向追従性を有して高い発電効率を発揮する水平軸型風力発電機及びその方向陀取付方法を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
以下に、本発明に係わる水平軸型風力発電機及びその方向陀取付方法の構成を述べる。
先ず、請求項1記載の発明の水平軸型風力発電機は、風圧によりほぼ鉛直面に沿って回転する複数の回転翼を有する回転翼軸の回転により発電する本体部と、該本体部をほぼ水平面に沿って回転自在に支持する支持軸と、上記本体部の上記回転翼の配設側と対峙する側に設けられた方向陀と、を備えた水平軸型風力発電機において、上記方向陀は、上記本体部に対し連結部を介して常時回動自在な状態で連結され、無風時において上記連結部と自由端部を結ぶ線が上記回転翼軸を含む平面内に配置されるように構成されている。
【0029】
上記連結部は、例えば請求項2記載のように、1個又は2個以上のヒンジを有して構成され、無風時において上記ヒンジのヒンジ軸の軸線は上記回転翼軸を含む鉛直平面内に配置されるように形成されている。
そして、上記ヒンジは、例えば請求項3記載のように、ヒンジ軸の下端部と交わる鉛直線に対し上記ヒンジ軸の上端部が上記方向陀側に傾いて形成されて配置されるように構成される。
【0030】
次に、請求項4記載の発明の水平軸型風力発電機の方向陀取付方法は、水平軸型風力発電機において、支持軸によりほぼ水平面に沿って回転自在に支持され、風圧によりほぼ垂直面に沿って回転する複数の回転翼を有する回転翼軸の回転により発電する本体部の、上記回転翼の配設側と対峙する側に配置される方向陀の上記本体部への取り付け方法であって、上記方向陀は、ヒンジ軸の下端部と交わる鉛直線に対し上記ヒンジ軸の上端部が上記方向陀側に傾いて形成された少なくとも1個のヒンジを有する連結部により上記本体部に対し常時回動自在な状態で連結される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態に係わる水平軸型風力発電機を模式的に示す側面図である。同図に示すように、水平軸型風力発電機10は、風圧によりほぼ鉛直面に沿って回転する複数の回転翼11と、この回転翼11の回転翼軸12の回転により発電する本体部13と、この本体部13を回転支持部14によりほぼ水平面に沿って回転自在に支持する支持軸15と、本体部13の回転翼11の配設側と対峙する側に設けられた方向陀としての連結尾翼16とを備えている。
【0032】
連結尾翼16は、本体部13に対し連結部17を介して常時同図の手前側と奥側に回動自在な状態で連結されている。連結部17は、1個又は2個以上のヒンジを有して構成される。同図に示す例ではヒンジ21とヒンジ22の2個のヒンジを有して構成されている。
【0033】
そして、この連結尾翼16は、無風時においては、連結部17と自由端部を結ぶ線18が、回転翼軸12を含む平面内に配置されるように形成されている。連結尾翼16にそのような作用を持たせるために、上記のヒンジ21及び22は、そのヒンジ軸の下端部と交わる鉛直線23及び24に対し、ヒンジ軸の上端部21−1及び22−1が連結尾翼16側に所定の角度θ及びδでそれぞれ傾いて形成されている。
【0034】
これにより、無風時においては、連結尾翼16は自重によりヒンジ21及び22を介してやや下方に鉛直に垂れ下がる状態で静止する。これにより、ヒンジ21及び22のヒンジ軸の軸線21−1及び22−1は回転翼軸12を含む鉛直平面内に配置され、連結尾翼16の連結部17と自由端部を結ぶ線18が上記のように回転翼軸12を含む平面内に配置される。
【0035】
図2(a) 〜(e) は、連結尾翼16によるヨー追従メカニズムを模式的に示す図である。なお、ここでは、図1に示す回転翼11が回転していない場合のメカニズムを示している。また、図2(a) 〜(e) には、図1の構成と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与してい示している。
【0036】
まず、回転翼11が回転しない微風時には、回転翼11が回転を開始する以前に連結尾翼16が本体部13より軽量であるため風向の変化に対して動きやすい。すなわち、同図(a) に示すように、風向U1が角度θ1だけ変化すると、連結尾翼16に迎角がつき、揚力L1と抗力D1が発生する。このとき、連結尾翼16の作用点25には、揚力L1と抗力D1の合力F1が作用する。
【0037】
続いて、同図(b) に示すように、合力F1の回転方向の分力F1nと伸ばし方向の分力F1tのうち回転方向の分力F1nにより、支点A(支持軸15)及び支点B(連結部17)の周りに回転力が発生する。
これにより、同図(c) に示すように、その回転力により支点A及びBの周りで、それぞれ回転速度差による角度θA 及び角度θB の角変化が発生し、また、その回転速度差により作用力F3n及び反作用力F2nが発生する。「初期回転力+F2n」の合力で、支点Aの周りに、回転中の連結尾翼16には更にこの時点における流体力が作用する。
【0038】
そして、この力により、同図(d),(e) に示すように、連結尾翼16及び本体部13は、最終的に風向きに正対するように制御される。このように、水平軸型風力発電機10を容易に風向方向に正対させることができることにより、回転翼11の回転開始を容易にし、微風領域でのスタートアップが改善される。
【0039】
この連結尾翼16は、回転翼11が回転していないときに、正対すべき強風が吹いた場合にも、従来のような尾翼固定式の形式であれば「風車の回転力+尾翼の制御効果」で過回転してしまうが、本例では、連結部17に作用する図2(c) に示した反作用力F2nにより形成される最後の安定制御機構が付加されていることによって、過回転を容易に防止することができる。
【0040】
また、同様の作用で、回転翼11が回転中には、不安定方向へ変化しようとする回転動作へのブレーキを、連結尾翼16によって与えることができる。
一般に、風力が増し回転翼11の回転数が増加するにつれて、回転翼11の受風面積が増加する。この場合、回転翼面における平均的な空気圧力が最大となる方向に回転翼面を正対させることにより最大の発電電力が得られる。
【0041】
ここで、回転翼11が回転中に最大電力が得られる回転翼面方向と、連結尾翼16が捉える風向とは一致しない場合が生じる。すなわち、例えば回転翼面における左右の風圧差が生じた場合、風向が同じであっても回転翼面の最適角度は風向に対して直角ではない。
【0042】
従来の方向陀が本体部に固定されて形式の場合では、方向陀を通過する風向を優先して捉えるから、最終的に制御される姿勢は本来必要とする回転翼面の平均最大圧力方向とは一致しないという欠点があったが、本例では、回転翼の回転開始後は、回転翼面で最適方向を捉えるために連結尾翼16の左右方向の抵抗を最小化して回転翼面の左右運動を妨げないようにすることができる。
【0043】
これにより、本例の水平軸型風力発電機10は、乱流の多い風況でも持続的かつ高回転が可能となり発電効率を著しく増加させることが可能となる。
さらに、突発的乱流により回転翼面が不規則な運動を起こす場合には、連結尾翼16が反作用動作を生じ上記の不規則動作を抑制する。
【0044】
このように、連結尾翼16に自由な動きを与えることにより、風向の変化に対する追従性が改善され、回転翼面の不規則運動による回転翼11の停止頻度が最小化され、積算発電量を増加させることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、水平軸型風力発電機の方向陀を下方に傾斜するヒンジを介して回動自在に本体部に取り付けるので、回転翼が回転を開始する以前の微風時に回転翼面を風向に合わせる姿勢制御と、回転翼の回転中に回転翼面を最適な風向方向に合わせる姿勢制御と、突発的な風向の乱れに対して本体部の水平方向の過渡的な反転反応を抑制する姿勢制御とを、それぞれの場合において作用させることができ、これにより、回転翼面に当る風量を増加させ発電効率を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係わる水平軸型風力発電機を模式的に示す側面図である。
【図2】(a) 〜(e) は連結尾翼によるヨー追従メカニズムを模式的に示す図である。
【図3】従来の本体後方に方向舵を備えた水平軸型風力発電機の一例を示す斜視図である。
【図4】(a),(b) は従来の水平軸型風力発電機のヨー追従の状態を模式的に示す図である。
【図5】(a),(b),(c) は水平軸型風力発電機の回転翼によるヨー追従(自己風向追従)の力学的メカニズムについて説明する図であ。
【図6】(a),(b) は風向(風速)が変化したときにその風向に回転翼が追従するヨー追従の原理を簡単に説明する図である。
【符号の説明】
1 水平軸型風力発電機
2(2−1、2−2、2−3) 回転翼
3 本体部
4 支持軸
5 方向陀
Ut0 最初の風向きと風速
Uti(i=1、2、3、・・・) 時間iのときの風向きと風速
U 風速
rω 回転気流
6 最初の風速と回転気流との合成力の方向
7 変化した風速と回転気流との合成力の方向
D 抗力
L 揚力
F 抗力と揚力とによって回転翼に作用する力
Ft 回転翼に作用する力の分力としてのトルク
Fn 回転翼に作用する力の分力としての圧力
10 水平軸型風力発電機
11 回転翼
12 回転翼軸
13 本体部
14 回転支持部
15 支持軸
16 連結尾翼
17 連結部
21、22 ヒンジ
21−1、22−1 ヒンジ軸上端部
23、24 ヒンジ軸下端部と交わる鉛直線
Claims (4)
- 風圧によりほぼ鉛直面に沿って回転する複数の回転翼を有する回転翼軸の回転により発電する本体部と、該本体部をほぼ水平面に沿って回転自在に支持する支持軸と、前記本体部の前記回転翼の配設側と対峙する側に設けられた方向陀と、を備えた水平軸型風力発電機において、
前記方向陀は、
前記本体部に対し連結部を介して常時回動自在な状態で連結され、
無風時において前記連結部と自由端部を結ぶ線が前記回転翼軸を含む平面内に配置されるように構成されている、
ことを特徴とする水平軸型風力発電機。 - 前記連結部は、1個又は2個以上のヒンジを有して構成され、無風時において前記ヒンジのヒンジ軸の軸線は前記回転翼軸を含む鉛直平面内に配置されるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の水平軸型風力発電機。
- 前記ヒンジは、ヒンジ軸の下端部と交わる鉛直線に対し前記ヒンジ軸の上端部が前記方向陀側に傾いて形成されて配置されることを特徴とする請求項2記載の水平軸型風力発電機。
- 水平軸型風力発電機において、支持軸によりほぼ水平面に沿って回転自在に支持され、風圧によりほぼ垂直面に沿って回転する複数の回転翼を有する回転翼軸の回転により発電する本体部の、前記回転翼の配設側と対峙する側に配置される方向陀の前記本体部への取り付け方法であって、
前記方向陀は、ヒンジ軸の下端部と交わる鉛直線に対し前記ヒンジ軸の上端部が前記方向陀側に傾いて形成された少なくとも1個のヒンジを有する連結部により前記本体部に対し常時回動自在な状態で連結される、ことを特徴とする水平軸型風力発電機の方向陀取付方法。
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