JP2005002185A - 親水化処理された屋外用樹脂板 - Google Patents

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Shinsuke Ochiai
伸介 落合
Hiroshi Sasaki
佐々木  洋
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Abstract

【課題】親水性の持続性に優れ、透明性の持続性にも優れる親水膜を有する屋外用途の樹脂板を提供する。
【解決手段】樹脂基板の表面に、無機酸化物からなり、空隙を有する親水膜を形成して、これを屋外用途の樹脂板に用いる。この親水膜の体積に占める空隙の体積の割合は2〜14%とするのが好ましい。また、この親水膜の形成は、樹脂基板の表面に、該樹脂のガラス転移温度±20℃の温度にて紫外光を照射した後、無機酸化物を含む塗料を塗布し、次いで塗膜を加熱により硬化させて行うのが望ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂基板の表面に親水膜が形成された屋外用途の樹脂板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外用途に使用される樹脂板として、汚れの付着防止や汚れの容易な除去のために、親水膜を有するものが提案されている。例えば、特開平7−299890号公報(特許文献1)には、屋外用騒音遮蔽板として、樹脂基板の表面に無機親水性コロイド物質含有層を有するフッ素樹脂フィルムを接着したものが提案されている。また、特開平8−3478号公報(特許文献2)には、道路用側壁板として、樹脂基板の表面に無機コロイドゾルにより水接触角50°以下の被覆層を形成したものが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−299890号公報
【特許文献2】特開平8−3478号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の屋外用途の樹脂板は、親水膜の耐久性が必ずしも十分でないため、使用時間の経過につれて親水性が低下して、汚れが付着し易くなったり、汚れが除去され難くなったりすることがあった。また、親水膜が透明である場合、その透明性の低下が問題となることがあった。そこで、本発明の目的は、親水性の持続性に優れ、透明性の持続性にも優れる親水膜を有する屋外用途の樹脂板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究を行った結果、樹脂基板の表面に特定の親水膜を形成し、これを屋外用途に採用することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、樹脂基板の表面に、無機酸化物からなり、空隙を有する親水膜が形成されてなる屋外用樹脂板を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂板は、樹脂基板の表面に無機酸化物からなる親水膜が形成されたものであり、この親水膜は空隙を有している。このように無機酸化物からなる親水膜中に空隙を存在させることにより、親水性の持続性を高めることができ、また透明性の持続性を高めることができる。さらに、親水膜の硬度を高めて、耐擦傷性を向上させることもできる。
【0007】
親水膜を構成する無機酸化物としては、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、チタン、ジルコニウム、クロムなどの無機元素の酸化物ないし複合酸化物を挙げることができる。
【0008】
親水膜の空隙は、その断面写真により確認することができる。図1に、透過型電子顕微鏡(TEM)による本発明の樹脂板の一例の断面写真を示す。ポリメチルメタクリレート樹脂板1の表面にシリカからなる親水膜2が形成されており、この親水膜2中、電子密度が低いため白く見える島状部分3が空隙である。なお、カーボンの保護膜4は、断面写真撮影用のサンプルを作製する際、保護のために形成したものであり、本発明の樹脂板に必須のものではない。
【0009】
島状部分3を含む領域と島状部分3を含まない領域の元素の存在強度を、エネルギー分散X線分光分析(EDX)により測定した結果を、図2に示す。島状部分3を含む領域は、島状部分3を含まない領域に比べて、親水膜2を構成するシリカに由来するケイ素及び酸素の存在強度が小さく、島状部分3が空隙であることが確認される。
【0010】
親水膜の空隙率、すなわち親水膜の体積に占める空隙の体積の割合は、親水性及び透明性の持続性の点から、2%以上であるのが好ましく、また、膜の強度の点から、14%以下であるのが好ましい。親水膜の空隙率は、図1に示すような断面写真において、各空隙の面積の合計を親水膜の面積(空隙を含む全面積)で除することにより、求めることができる。なお、空隙の径は通常20〜200nm程度である。
【0011】
親水膜の厚さは、親水性の点から、0.01μm以上であるのが好ましく、また、膜に亀裂が生じ難くするため、10μm以下であるのが好ましい。また、親水膜の水に対する接触角は30°以下であるのが望ましい。
【0012】
樹脂基板を構成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、セルロース樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。中でもポリメチルメタクリレート樹脂は耐候性に優れるため、本発明に適している。ポリメチルメタクリレート樹脂は、メチルメタクリレートの単独重合体であってもよいし、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体であってもよく、また、耐衝撃性改良のためのゴムなどの粒子が含まれていてもよい。なお、樹脂基板の厚さは適宜選択されるが、通常1〜50mm程度である。
【0013】
親水膜の形成は、樹脂基板の表面に、無機酸化物を含む塗料を塗布し、次いで形成された塗膜を加熱により硬化させて行うのが有利である。この塗膜の加熱を速やかに行うことにより、親水膜中に空隙を形成することができる。これは、塗膜の速やかな加熱により、塗膜の表面近傍が速やかに硬化して、塗膜内部の塗料由来の溶媒が一旦塗膜内部に閉じ込められ、塗膜内部で気化して空隙を形成した後、気体状態で抜けていくためと考えられる。
【0014】
上記塗料は通常、親水材料、これを保持するための保持体材料、及び溶媒から構成される。親水材料としては通常、無機酸化物粒子が使用され、これにより、親水膜を無機酸化物からなるものとすることができる。中でも、親水膜が水と長期間接触しても、親水膜から溶け出し難いという点で、シリカ粒子やアルミナ粒子が好ましい。無機酸化物微粒子には、溶媒に分散された形で市販されているものもあり、その例としては、日産化学工業(株)製の“コロイダルシリカIPA−ST”(イソプロピルアルコール溶媒)や“コロイダルシリカMEK−ST”(メチルエチルケトン溶媒)などを挙げることができる。
【0015】
保持体材料としては、通常、加熱により硬化して保持体となる材料が使用され、中でも、親水膜が水と長期間接触しても、該保持体が親水膜から溶け出し難いという点で、加水分解性有機ケイ素化合物や加水分解性有機チタン化合物、又はそれらの縮合物が好ましく、特に加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物が好ましい。
【0016】
加水分解性有機ケイ素化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのアルコキシシランを挙げることができる。また、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、又はそれらのオリゴマーのような、アミノ基を有するアルコキシシランを用いることにより、親水膜にアミノ基を存在させることができ、これを酸性雰囲気に晒してアンモニウム塩構造とすることにより、親水性をさらに向上させることができる。
【0017】
アミノ基を有するアルコキシシランの市販品の例としては、それぞれチッソ(株)製の“サイラエースS310”(N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)、“サイラエースS320”(N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、“サイラエースS330”(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、“サイラエースS360”(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、“サイラエースオリゴマーMS3201”(N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランのオリゴマー)、“サイラエースオリゴマーMS3301”(3−アミノプロピルトリエトキシシランのオリゴマー)が挙げられる。
【0018】
加水分解性有機チタン化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラステアリルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、テトラオクチレングリコールチタネートなどを挙げることができる。
【0019】
加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物は、加水分解性有機ケイ素化合物を、塩酸、硝酸、リン酸などで酸性とした水又は水−アルコール混合液中で加熱して、分子量数千程度に加水分解縮合させることにより、調製することができる。同様に、加水分解性有機チタン化合物の縮合物は、加水分解性有機チタン化合物を酸性液中で加水分解縮合させることにより、調製することができる。
【0020】
塗料の溶媒としては、親水材料や保持体材料の分散性や相溶性の点から、アルコール溶媒を使用するのが好ましい。溶媒に使用されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどが挙げられる。中でも、塗膜の加熱硬化の際に容易に揮発させて、空隙を効果的に形成するためには、沸点が100℃以下のアルコールを使用するのが好ましい。沸点があまり高いものを使用すると、親水膜の空隙率が大きくなりすぎて、硬度が低下することがある。
【0021】
また、基板と親水膜との密着性を高めるために、基板を構成する樹脂を溶解する溶媒を塗料中に存在させてもよい。この溶剤は樹脂の種類によって異なるが、例えば樹脂がポリメチルメタクリレート樹脂である場合には、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。樹脂を溶解する溶媒を塗料中に存在させる場合、その量は、溶媒全体を基準として通常40重量%以下である。この溶媒の量をあまり多くすると、親水膜の空隙率が大きくなりすぎて、硬度が低下することがある。
【0022】
塗料中に含まれる溶媒の量を調整することにより、親水膜の膜厚を制御することができる。塗料中の溶媒の量は、固形分100重量部に対し通常400〜100000重量部である。また、製膜性の点からは、表面張力が比較的低い、例えば20〜30mN/m程度の溶媒を使用するのが好ましい。
【0023】
塗料には、必要に応じて、親水材料、保持体材料及び溶媒以外の成分を添加してもよい。例えば、潤滑材を添加することにより、親水膜の潤滑性が向上し、結果的に親水膜の耐擦傷性を向上させることができる。潤滑材を添加する場合、その量は、固形分全体を基準として通常0.01〜5重量%である。この潤滑材の量をあまり多くすると、親水膜の親水性が低下することがある。潤滑材としてはシリコーン系のものが好ましく、その市販品の例としては、BYK−Chemie製の“BYK−370”や“BYK−310”などを挙げることができる。なお、潤滑材としては、塗料の溶媒に溶解するものが望ましいが、溶解しなくても均一に分散させることができれば、好適に使用される。
【0024】
以上のような塗料を、樹脂基板に塗布して、塗料の塗膜を形成させるが、その塗布方法としては、例えば、ディップコート、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、フローコート、バーコーターでの塗布など、通常の塗布方法を用いることができる。
【0025】
塗料を塗布する前に、樹脂基板の表面を前処理して塗料に対する濡れ性を高めておくことにより、樹脂基板と親水膜との密着性を高めることができる。この前処理方法としては、樹脂基板に紫外光を照射する方法、樹脂基板に酸素プラズマを照射する方法、樹脂基板を酸素プラズマ雰囲気に放置する方法、樹脂基板をオゾン雰囲気に放置する方法などを挙げることができる。紫外光照射は、DeepUVランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプなどを使用して行うことができるが、中でも、DeepUVランプや低圧水銀ランプが、254nmや185nmといったオゾンを発生し易い紫外光を照射することができて好ましい。また、樹脂基板が平板である場合は、紫外光を照射する方法や酸素プラズマを照射する方法が有利であり、樹脂基板が表面に凹凸形状を有する場合は、酸素プラズマ雰囲気に放置する方法やオゾン雰囲気に放置する方法が有利である。この前処理の条件は、樹脂基板の種類により適宜設定されるが、例えば、樹脂基板がポリメチルメタクリレート樹脂板やポリカーボネート樹脂板であれば、通常、処理後の水に対する接触角が50°以下になるように設定され、また、樹脂基板がポリエチレン樹脂板やポリプロピレン樹脂板のようなハイドロカーボン系の樹脂板であれば、通常、処理後の接触角が70°以下になるように設定される。
【0026】
上記前処理を紫外光の照射により行う場合、樹脂基板の加熱を併せて行うことにより、その表面に形成される親水膜の硬度を向上させることができる。この加熱の温度は、樹脂基板を構成する樹脂のガラス転移温度の近傍、具体的にはガラス転移温度±20℃に設定するのが、より強固な親水膜を形成できて好ましく、例えばガラス転移温度が100℃の樹脂の場合は80℃〜120℃、ガラス転移温度が110℃の樹脂の場合は90℃〜130℃というように設定する。樹脂基板の加熱を樹脂のガラス転移温度以上で行う場合には、加熱時間を短くすることで、樹脂基板の変形を防ぐことができる。
【0027】
樹脂基板上に形成された塗料の塗膜を加熱して硬化させることにより、親水膜を形成することができる。この加熱温度は、塗料の組成などによって適宜設定されるが、通常、樹脂基板を構成する樹脂のガラス転移温度−40℃以上であり、また該樹脂のガラス転移温度以下である。また、前記のとおり、この加熱を速やかに行うことにより、形成される親水膜中に空隙を発生させることができるが、このためには、所定温度に保持された容器中に、樹脂基板を塗料の塗布後、速やかに導入するなどの処方が採用される。また、必要に応じて、段階的な加熱を行うことにより、親水膜の空隙率を制御することもできる。
【0028】
以上のようにして形成することができる、無機酸化物からなり、空隙を有する親水膜は、その親水性の持続性に優れることから、長期間に渡って、水滴跡の汚れが付き難く、また、帯電し難いので、塵や埃などが付着し難く、さらに、汚れが付いても、水で容易に洗い流すことができる。このように汚れが付着し難く、また汚れが除去され易い親水膜を有する本発明の樹脂板は、汚れ易い環境で使用される屋外用途の樹脂板として好適である。さらに、この親水膜は透明性の持続性にも優れることから、親水膜の透明性が要求される屋外用途の樹脂板として特に好適である。
【0029】
本発明の樹脂板が適用される屋外用途としては、例えば、看板、カーポートの屋根などに使用される屋根材、道路や線路の測壁板などに使用される遮音板を挙げることができる。中でも遮音板用途に好適である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、例中、水に対する接触角は、接触角計(協和界面化学(株)製、CA−X)を用いて5回測定し、最小値〜最大値の幅で表記した。また、全光線透過率(Tt)及びヘイズは、透過率計((株)村上色彩技術研究所製、HR−100)を用いて、JIS K 7105に準拠して測定した。
【0031】
実施例1
(樹脂基板の前処理)
縦100mm、横100mm、厚さ2mmの透明なポリメチルメタクリレート樹脂板(住友化学工業(株)製、スミペックスE;ガラス転移温度100℃)を、90℃のホットプレート上に置いて加熱した後、速やかに、低圧水銀ランプにより、照射光量10mWの紫外光を5分間照射した。この紫外光の照射により、ポリメチルメタクリレート樹脂板表面の水に対する接触角は、90〜95°から20〜30°に低減された。
【0032】
(親水膜の形成)
コロイダルシリカが30重量%の濃度でイソプロピルアルコール中に分散している分散液(日産化学工業(株)製、コロイダルシリカIPA−ST)2重量部、加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物がリン酸酸性の水/エタノール=2/8(重量比)の混合液中に6重量%の濃度で溶解している溶液1重量部、及びエタノール15重量部を混合して、塗料を調製した。この塗料を、先に前処理した樹脂板の表面にスピンコート法により、回転数1200rpm、回転時間25秒間の条件で塗布した後、速やかに100℃の恒温槽中に入れて10分間保持し、塗膜を硬化させて親水膜を形成した。この親水膜付き樹脂板の断面写真をTEMにより撮影した結果、親水膜中に20〜200nmの空隙が確認され、また親水膜の空隙率は9〜11%であった。
【0033】
(耐久性試験)
得られた親水膜付き樹脂板の耐久性試験を、サンシャインウェザーオーメーターにより、ブラックパネル温度63℃、シャワー18分/120分、照射時間3000時間の条件で行った。経過時間毎の水に対する接触角、全光線透過率、及びヘイズを表1に示す。水に対する接触角の低さ、すなわち親水性と、全光線透過率の高さ及びヘイズの低さ、すなわち透明性が、長期間に渡って維持されているのが分かる。
【0034】
【表1】
Figure 2005002185
【0035】
【発明の効果】
本発明の屋外用樹脂板は、親水性の持続性に優れる親水膜を有しており、防汚性に優れている。また、この親水膜は透明性の持続性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂板の一例の断面写真である。
【図2】親水膜の断面における元素の存在強度をエネルギー分散X線分光分析により測定したチャートの例であって、(A)は親水膜の島状部分(空隙)を含む領域の元素の存在強度を示し、(B)は親水膜の島状部分(空隙)を含まない領域の元素の存在強度を示す。
【符号の説明】
1・・・ポリメチルメタクリレート樹脂板、 2・・・親水膜、 3・・・島状部分(空隙)、 4・・・保護膜

Claims (5)

  1. 樹脂基板の表面に、無機酸化物からなり、空隙を有する親水膜が形成されてなることを特徴とする屋外用樹脂板。
  2. 親水膜の体積に占める空隙の体積の割合が2〜14%である請求項1に記載の屋外用樹脂板。
  3. 樹脂基板の表面に、該樹脂のガラス転移温度±20℃の温度にて紫外光を照射した後、無機酸化物を含む塗料を塗布し、次いで塗膜を加熱により硬化させることで、親水膜が形成されてなる請求項1又は2に記載の屋外用樹脂板。
  4. 樹脂基板がポリメチルメタクリレート樹脂板である請求項1〜3のいずれかに記載の屋外用樹脂板。
  5. 用途が看板、屋根材又は遮音板である請求項1〜4のいずれかに記載の屋外用樹脂板。
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