JP2005000996A - 材料のねじり据え込み側方押出し法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属や高分子などの固体状の材料および粉末材料に非常に大きいねじりひずみを加え材料の内部組織を微細にする方法。
【解決手段】 貫通した内面溝を有する中空コンテナーのダイスと接する下端の面が該コンテナーの中心軸と直角をなす平面であり、該コンテナーの下端の面と、上部および一つの側方部がそれぞれ上方およびそれと直角をなす方向の空間に解放された溝であり、かつ上面が平面になるように形成されている該ダイスの上面を、お互いに接し、また、お互いの該溝部がつながるように配置し、材料をコンテナ入り口部に配置したプッシャーで該コンテナーの中心軸方向に該ダイス溝部内に押し込むことにより、該中心軸と直角をなす側方に該ダイス溝部から材料を押出す加工を、ダイスを架台に回転しないように固定し、コンテナーを押し込み軸の周りに回転しながら行うねじり側方押出し加工法
【選択図】 図5

Description

本発明は、微細な内部組織、結晶組織や非結晶組織を有する材料(金属、高分子、木材など)あるいは超微細な第2相を分散させた材料を製造するために、固体状の材料、固体状の複合材料、粉末材料、異種金属の混合体あるいは金属とセラミックスの混合体に熱間あるいは冷間で非常に大きな加工ひずみを加える方法に関する。
通常、金属材料は原料を溶解精錬しこれを鋳造し、さらに加工成形することにより最終製品形状にする。これには、大別して2種類あり、熱間加工後冷却して製品とする熱間加工製品と、これをさらに冷間で加工成形した冷間加工製品である。
熱間加工とは、絶対温度で、再結晶温度以上融点以下での加工である。冷間加工とは再結晶温度以下での加工をさす。室温(20℃±20℃程度)での加工が多い。
これらのいずれの方法においても、金属材料に加えられる加工量は製品の材質に大きく影響することが知られている。圧延、鍛造などの加工は、特に、結晶粒などのミクロ組織を微細にする上で有効であり、鉄鋼材料、アルミニウム材料など多くの金属材料でこの方法が使用されている。これは、金属材料の結晶粒が微細であるほど優れた機械的性質が得られるからである。
熱間加工製品においては、高温で加工した場合、加工ひずみ速度を大きくし大きなひずみを加えることにより金属材料は動的再結晶状態になり、ひずみ速度が大きいほど結晶粒が小さくなる。低温(再結晶温度よりは高い)で加工した場合は、セル状に転位が堆積し、転位の再配列により微細な結晶粒になる。また、冷間加工製品では冷間(再結晶温度以下)における加工量が大きいほどその後に続く焼鈍を行った場合の再結晶粒の大きさを小さくできる。加工温度が融点の90%以上になると加工ひずみの影響が材料に残存しないので、加工ひずみを残存させたい場合には、融点の90%未満の温度で加工することが望ましい。
一方、粉末材料には物理的、化学的に高機能を持っているものが多いが、これらを工業的に利用するためには、固体状、望ましくは相対密度が100%に近いことが要請されている。そのために、室温よりも高い高温で圧密加工を行うことができるHIP(Hot Isostatic Pressing)やホットプレスが多用されている。
しかし、より高密度化するためにはより高温で加工することが必要であるが、その場合、材料の性質が変化することが多く、機能性を損なわないで、100%に近い相対密度が達成されている例は少ないようである。特に、MA(Mechanical Alloying)粉のように粒内の結晶粒サイズがミクロン以下のレベルにまで微細化された粉末はきわめて固化しにくく、低温での固化技術が開発されることが強く望まれている。このためにもせん断ひずみなどの大ひずみを加えることが有効であると思われる。
さらに、MAの一種であるが、2種以上の任意組成のバルク状の金属あるいは金属粒子の混合体に対して非常に大きい変形を加えるとこれらが混合され、異種金属同士がナノメータのオーダーにまで近づくことが可能になる。金属粒子の混合の場合は空隙部体積が0に近づくまで加工を続けるとバルク状の固体材料となり、新規な合金(超微細粒合金やアモルファス合金など)の製造につながる。
あるいは、大きいひずみを金属と超微細セラミックス粒の混合体に加えることにより、超微細粒を金属中に均一に分散させることが可能になる。
また、金属中の析出物などを粉砕し均一微細に分散させることも可能になる。
高分子材料においても高圧で大きいねじりをくわえることにより微細な内部組織を持つ材料を得ることができる。
以上のように、大ひずみを加える手段は金属内部組織の微細化、非結晶化、粉末材料の固化、異種金属の混合、金属と超微細粒の混合、あるいはその他の物質の微細組織化に対して有効であるが、従来の加工手段、例えば圧延や鍛造あるいはHIPやホットプレスのみではその加え得る変形量に限界があった。
たとえば、圧延法で板材を加工する場合、板幅は大きくは変化しないので、これは板幅
Figure 2005000996
式のようになる。
Figure 2005000996
ここで、tは素材厚さ、tは製品厚さである。
なお、相当ひずみとはひずみ比が異なる変形のひずみを相対比較できる量であり、金属学的には転位密度に相当するものである。相当ひずみの定義式はたとえば「金属塑性加工の力学」(コロナ社)など普通の塑性力学の教科書に記載されている。
(1)式からわかるように圧延の場合の相当ひずみは素材厚さと製品厚さの比で決まる。したがって、圧延によって加えることのできるひずみ量には限界がある。たとえば、板厚が1/100になったとしても、相当ひずみは5.32程度である。また、鍛造の場合、ひずみ状態は単軸圧縮変形と平面ひずみ圧縮変形の間にある。
単軸圧縮変形の場合の相当ひずみは次式のようになる。
Figure 2005000996
ここで、hは素材暑さ、hは製品厚さである。
この場合でも相当ひずみは素材厚さが1/100になったとしても4.61程度であり、オーダーは平面ひずみの場合と同じである。したがって、鍛造の場合でも加えることのできるひずみ量には限界がある。
なお、通常の熱間加工製品の場合、このひずみは圧延や鍛造などの加工により圧下を何回かに分けて与えられ、その加工と加工の間に加熱、冷却などが加わり、その間で回復や再結晶が起こるため、加熱や冷却を繰り返すことなく一度に加工して(1)式や(2)式のひずみを加えた場合に比べて、得られる結晶粒は一般的には大きくなる。
押出し加工は金属材料の量産プロセスとしてよく用いられている。この場合は1パスで大ひずみを達成することができるのが利点である。相当ひずみは(2)式のhを素材長さ、hを製品長さに置き換えれば、この式がそのまま使える。しかし、この方法でも伸び(圧減比)はやはり100程度が限界であり、相当ひずみは4.61程度である。この押出し法は粉末の圧密固化に対しても有効なプロセスである。
ところで、量産プロセスではないが、非常に大きいひずみを加えた少量サンプルを作成する方法として、圧縮ねじり法がある。これは図1に示したように、円筒状のコンテナー3に高さの低い円柱試料1を装入し、上部から円柱形状の上パンチ4−1で大きい圧縮力Pを加えながらトルクTrを加え回転させる方法である。
下パンチ4−2は固定されているが、上パンチ4−1と反対方向に回転させてもよい。この方法を固体状の材料や粉末材料に適用した場合の詳細が、下記非特許文献1および2などに記載されている。
Valiev, Ret al :Mat. Sci. and Eng., A137(1991),35 金武ほか:43回塑加連講演(1992)、73
この方法によれば、たとえばアルミニウムの場合、μmオーダーの結晶粒径が得られるとされている。また、アルミニウムの粉末材料であれば真密度に近い値になるといわれている。しかし、ねじり変形の特徴として材料の外周部では大きいひずみが生じるが、中心部のひずみは小さいとされている。
また、この方法では、たとえば通常のビレット(数10mm径×数m長さ)のように長いサイズの材料を製造することは不可能である。それは、材料1が長くなると上下パンチ面で発生させたトルクがコンテナー内面と材料外面の摩擦のため材料の長さ方向中央部(両端部を除く部分)にまでは伝わらず、材料全長にわたって大きいねじりひずみを加えることができないからである。
最近、大きい素材に対して繰り返しせん断変形を加えることにより、大ひずみを達成することができる新しいプロセスが開発されている(非特許文献3)。
Segal,V.M.:Mat.,Sci,and Eng,,A197(1995),157
このプロセスの原理を図2に示した。上方から正方形断面の角ビレット1−1を押し込み軸bの方向にプッシャー4により圧力Pで押し込み、側方aへ材料を押し出す。素材1−1と成品1−2の断面寸法は同じである。この際、図中斜めの太線で示した線状の領域Nを材料が通過するときせん断変形を受ける。押し込み軸付近の材料の押し出し変形に伴う軌跡(流線)を太い点線で図中に示した。S点の材料は変形の途中でせん断帯Nを通過し方向をφだけ変え押出し方向aに沿って進む。
φが90°の場合、相当ひずみは1.15である。通常これを10回程度繰り返すので、得られるひずみは11.5程度である。
筆者は、従来のひずみを大幅に超える大ひずみを達成する手段として、押出し加工とねじり加工を組み合わせたねじり押出し法をすでに開発している(特許文献1、2、3)。
特願2003−174091 特願2003−405169 特願2003−405170
その方法の原理を以下で説明する。
その方法は、図3に示したように、コンテナー3内に装填された材料1をプッシャー4で押し込み、ダイス2で変形させる前方押出し法において、コンテナー3あるいはダイス2の一方を固定し、他方を押し出し軸aの周りに回転させながらプッシャーにより押出し加工を行うねじり前方押出し加工法である。図3はダイス2を回転させる場合である。材料部分1−1は材料1のコンテナー3内の部分、材料部分1−2はダイス2内の押出し変形を受けた部分である。
1−1の材料と1−2の材料が相対的に回転することにより、その境界の点線で囲まれた材料部分Aがねじり変形を受けるのである。周知のように丸棒をねじった場合、材料中心軸上のひずみは外周部と比べると非常に小さい。したがって、中心軸上のひずみも大きくしたい場合には、回転数を非常に多くしなければならない。
また、たとえば、コンテナーを固定しダイスを回転する場合であれば、コンテナー内の横断面の温度分布を不均一にすれば材料の変形が非軸対称になるので中心軸上のひずみも大きくなる。材料が室温の場合であれば、コンテナー内の点線で囲まれたJの部分をヒーターHにより加熱すればよい。
高温(室温+50℃程度より大で融点の90%より小)の材料の場合であれば、図3のようにコンテナー出口側の材料の円周上の一部分の材料1を冷却装置Q(たとえば水冷装置)で冷却すればよい。
ところで、この図3の方法では、コンテナーとダイスの接触位置(図中Kで示した位置)では材料の噛み出しが発生する場合があり、成品の表面性状を悪化させる場合がある。
上記ねじり押出し加工法は、材料の熱間加工や冷間加工に容易に適用でき、相当ひずみで数10以上の大ひずみが達成できる。そのため、固体状の材料はその内部組織が非常に微細になる。粉末材料の場合には、密度が著しく向上し、真密度に近いものが得られる。また、異種金属の混合体の均一混合が可能になる。
ところで、上記のねじり押出し法の通常の方法では、製品の断面寸法は素材よりも小さい。周知のように金属製品の用途は非常に広範囲であり、形状や寸法もさまざまである。一方、素材の形状や寸法の種類は当然少ない方が生産能率上有利である。そこで、単一形状寸法の素材からできるだけ多くの種類の形状や寸法の製品を製造できる技術が望まれている。
成品の断面寸法が素材と同程度か、あるいは大きい場合には、たとえば図4のようなダイス形状を用いてねじり押し出しを行うことができる。この場合、大きい圧縮応力下でねじり押出しを実施するためには、押し込み方向と反対の方向からも押し込み力(背圧)P2を作用させる必要がある。このような方法は可能であるが、背圧を作用させる装置が別途必要になる。そこで、背圧なしで、素材と同程度以上の断面寸法の成品をねじり押出しする方法を見いだすことが課題となる。
また、特に、大ひずみ加工の分野では、ビレット状の製品を製造する技術は多く研究開発されているが、板材については少ない。そこで、板材についても大ひずみを加えることができるねじり押出し法があれば都合がよい。
板材に対して、大ひずみを加えることにより微細組織材料を作る方法として、現在多く研究されているのは、繰り返し多層圧延である(非特許文献4)。
Saito,Y.et.Al.:Acta Mater.,47(1999),579
これは、複数枚の板材を重ねて圧延し、接合すると同時に板厚を薄くする。圧延後長さ方向に切断し、複数枚とし、これをまた重ねて、多層圧延する。これを繰り返すのである。この方法により非常に大きいひずみを達成でき、微細化も可能であるが、作業が繁雑であり、生産性も高くはないと考えられる。
上記課題、すなわち、断面寸法が元の素材断面と同等以上であり、さらに断面形状が板形状を含む種々の寸法の長方形断面、多角形断面あるいは形材であり、なおかつ、背圧などを使わない簡単な設備で、大ひずみを付加された材料を製造する方法を探求した結果、以下のような新しいねじり押出し法を開発することができた。
その第1の方法は、貫通した筒状内面溝を有するコンテナーのダイスと接する下端の面が該コンテナーの中心軸と直角をなす平面であり、該コンテナーの下端の面と、上部および一つの側方部がそれぞれ上方およびそれと直角をなす方向の空間に解放された溝であり、かつ上面が平面になるように形成されている該ダイスの上面を、お互いに接し、また、お互いの該溝部がつながるように配置し、材料をコンテナー入り口部に配置したプッシャーで該コンテナーの中心軸方向に該ダイス溝部内に押し込むことにより、該中心軸と直角をなす側方に該ダイス溝部から材料を押出す加工を、該ダイスを架台に回転しないように固定し、該コンテナーをその中心軸の周りに回転しながら行うねじり据え込み側方押出し加工法である。
第2の方法は、貫通した筒状内面溝を有する下部の外面の横断面が円形形状であるコンテナーの下部の外径と、上部の外面の横断面が円形形状である円柱状のダイスの上部の外径を、ともに、貫通した円形断面の内面溝を有するホルダーの内径よりわずかに小さく製作し、該ホルダー内に該コンテナーと該ダイスを該コンテナーが上になるようにして、しかも該コンテナーと該ダイスが接触しないようにTだけ離して挿入することと、該ホルダーの上下方向のほぼ中央部側方に最大高さがT以下で横幅は該ホルダーの直径より小さい穴をあけて、この部分が該コンテナーと該ダイスの高さTの隙間部分と丁度繋がるように配置することにより形成された上方の空中および側方の空中に通じている空洞部を加工のための溝部として、該コンテナーに装填された材料を該コンテナー入り口部に配置したプッシャーで下方に押し込み材料の直径を増大させるとともに側方から材料を押し出す加工を、該ダイスと該ホルダーを架台に回転しないように固定し、該コンテナーをその中心軸の周りに回転しながら行うねじり据え込み側方押出し加工法である。
上記の方法によれば、背圧をかけることなしに、円形断面、あるいは多角形断面のビレット素材から出発し、素材と同程度の断面寸法以上の正方形断面のビレットや幅広の板材、また、形材など種々の形状寸法の製品を製造できるようになる。
さらに、以下において図面に基づき詳細に説明するように、特に、素材ビレットの直径や辺長より大きい幅をもつ板材を成形する場合には、成形中に材料の一部がコンテナーやダイスあるいはホルダーなどの工具間の接触部から噛み出す現象を防止することができる。
また、材料の押し込み方向と製品の押出し方向が直角になっているので、生産ラインがコンパクトになるという利点も生じる。
以上のような利点のため、通常の圧延、鍛造、押出しなどの加工方法で得られる加工ひずみを大きく上まわる加工ひずみを固体状材料や粉末材料に効率的に加えることができ、熱間や冷間で材料内部組織を微細にしたり、高密度にする生産プロセスに有効に適用できる上に、種々の断面形状を持った製品を得ることができる。
特に、もとの素材の断面寸法以上の板幅を持つ幅広の板材が得られることのメリットは非常に大きい。
上記の方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
第1の方法を図5の垂直断面図で示す。この図は素材が円形断面の場合である。後で示すようにこの断面は多角形など非軸対称形状でもよい。
中空コンテナー3とダイス2を接して配置することにより、プッシャー4で材料1を押出し加工するための空間(溝)を形成する。この空間は材料1,1−1および1−2で満たされている。1は材料全体、1−1はコンテナー部の材料、1−2はダイス部の材料を表す。
この空間の上方に解放された溝(コンテナー内面の溝)から材料1−1がプッシャー4により押し込まれ、この空間の側方に解放された溝(押し出し穴)2−2から材料1−2が押出される。
中空コンテナーの内面溝は素材の断面形状に対応した円形断面であり、下端の面3−1と、ダイスの上端の面2−3は共に、押し込み軸bに直角な平面であり、コンテナー3とダイス2が接したままの状態で、コンテナー3を軸bの周りに回転させながら押出し加工を行うことができるのである。
図中のRは素材直径の10〜30%程度が通常であるが、0でもよい。また、幅広成品を成形する場合などは、成品の板幅の1/2に近い値にまで大きくしてもよい。
ダイス2は図示していない架台に回転しないように固定されている。
一般的に、材料は図5中、点線の矢印で示したK位置のようなコンテナーとダイスの接触位置で噛みだしを生じやすいが、今の場合、プッシャーによる圧力が最も高いのはプッシヤーの直下位置(点線で囲った範囲X)であり、この図のように材料の直径が拡大する場合には、噛みだし発生位置Kがその圧力の高い位置から離れるので、この部分では材料に作用する圧力が低くなり、噛み出しは発生しないか非常に少なくなる。当然、素材直径に比べて製品の幅Bが大きいほど噛み出しに関しては有利になる。
コンテナーとダイスの隙間を成形開始時、0に設定し、コンテナーがスムーズに回転できる程度の圧縮力をコンテナーとダイスの間にかけておく場合、
Ratio=ダイス溝部の横断面の寸法(径)/素材の横断面の寸法(径)
が、押し込み軸に直角な面内の全方向で1.5より大きければ噛み出しが生じても、成品の性状が悪くなることはない。また、2.0より大きければ噛み出しが生じることはほとんど無いが、生じても成品の表面状態に影響は与えることはない。
加工途中止め材の実体図を図6に示した。この場合は円柱素材1−1が長方形断面の板状の材料1−2に成形されている。材料の円柱部分1−1がコンテナーにより回転させられることにより、材料の長方形断面の板状部分1−2との境界部分でねじりひずみが生じる。
図7はダイス2の形状を三面図で示したものであり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。図中の記号Dは素材1−1の直径、Bは成品1−2の幅、Tは成品1−2の厚さである。Cは押出される方向と反対の方向の材料部分の長さである。この部分が受けているひずみは押し出される部分と比較して小さい。
図8は、成品がビレット形状の場合のねじり押出し法を示している。この図の例では、図7のCに相当する部分は設けていない。図9は途中止め材の実体図である。図10(a)、(b)、(c)はそれぞれダイス2の平面図、正面図、側面図である。
図11はねじり押出し時のコンテナー3、ダイス2および材料1の組み合わせ状況を押し込み軸bの方向から視た図である。3Aがコンテナーの外形、3Bがコンテナーの内形、2Aがダイスの外形、2Bがダイス溝の形状、影を付けた部分1−2がダイス内の材料を示している。
図11(a)は図4の板材を押し出す場合、図11(b)は図7のビレットを押し出す場合である。
図11(c)は正方形断面の素材から板材を押し出す場合である。F−F断面図を図12に示した。この場合もコンテナー出口にRがつけてあるが0でもよい。
図11(d)はコンテナー中心軸とダイス中心軸をずらせた配置例である。ずれの量dが大きいほど変形の非対称度が増し、ひずみの材料内分布がよりランダムになる。図中Oはコンテナー中心軸、cはダイス内の押し出し軸である。
図13は、材料内の変形状況を模式的に説明する図である。
図13(a)は、板材のねじり押出しの場合の材料の押し込み軸bと押し出し軸aを含む断面図である。斜線部がねじりを受ける材料部分である。この部分の厚さ(高さ)をUとする。素材の中心軸上の点Sは図中の太い点線に沿って点Eへ向けて移動する。その途中で、太い実線で示されたせん断変形部Nを通過する。このせん断部分のせん断方向はせん断変形部Nの両側の細い矢印付き実線で示されている。
図13(b)は、ビレットのねじり押し出し時の同様の材料断面図である。
図13(c)は素材の横断面が正方形の場合の同様の材料断面図である。図13(a)と比較するとコンテナー内部のねじり領域の厚さUが少なくなっているのがわかる。これが正方形断面と円形断面の違いであり、正方形断面素材の場合はひずみが狭い範囲に集中する。
図5(成品が板材)や図8(成品がビレット)において、成品の断面形状が長方形である場合について説明したが、当然、多角形、L形、H形など各種断面形状をもつ形材を成形することもできる。たとえば、多角形、L形、H形の平らな側面をダイス出口面の上面にするなどの手段をとれば成形は容易である。
上記の図5や図8の場合とは、ダイスの形状が異なる例を図14(成品が板材)および図15(成品がビレット)に示す。
図5や図8では、ダイスの側方部の材料出口の穴2−2が、ダイス2とコンテナー3を接触することによりはじめて形成されていた。すなわち、ダイス単体をみた場合は、ダイス2の上方の空間とそれと直角の方向の空間がダイス2の一部で仕切られていないが、図14および図15では、この材料出口の穴2−2がダイス単独で形成されている。すなわち、ダイス2単体でみてもダイス2の上方の空間とそれと直角の方向の空間がダイス2の一部2−4で仕切られている。このようにすると、図14や図15に示したようにコンテナー3とダイス2が接している面にベアリング12を配置できる点が長所となる。これにより、コンテナーとダイスの間の摩擦発熱あるいはそれに基づく焼き付きを抑えることができる。
また、図14や図15のようなダイスを用いれば、任意の断面形状の製品を成形することができる。すなわち、図5や図8の場合と比べると成品断面の一辺が直線という制約がなく、さらに素材断面より小さい断面でも容易に成形できるので、成品の種類を多くすることができる。図5や図8の場合と比較したときの欠点は、工具形状が複雑になることと、材料尾端のディスカード(製品にならない部分)が多くなることである。
なお、図14の場合、図5の場合と同様の噛み出し挙動となるので、コンテナーとダイスの隙間を成形開始時、0に設定し、コンテナーがスムーズに回転できる程度の圧縮力をコンテナーとダイスの間にかけておく場合、
Ratio=ダイス溝部の横断面の寸法(径)/素材の横断面の寸法(径)
が、押し込み軸に直角な面内の全方向で1.5より大きければ噛み出しが生じても、成品の性状が悪くなることはない。また、2.0より大きければ噛み出しが生じることはほとんど無いが、生じても成品の表面に影響は与えることはない。
第2の方法を図16に示す。貫通した筒状内面溝を有する下部の外面の横断面が円形形状であるコンテナー3の下部の外径と、上部の外面の横断面が円形形状である円柱状のダイス2の上部の外径を、ともに、貫通した円形断面の内面溝を有するホルダー5の内径よりわずかに小さく製作する。このホルダー5内にコンテナー3とダイス2をコンテナー3が上方に位置するように挿入し、しかもコンテナー3とダイス2が接触しないようにTだけ離しておく。一方、ホルダー5の上下方向のほぼ中央部側方に最大高さがT以下で横幅はホルダーの直径より小さい穴5−1をあけておき、この穴部分がコンテナー3とダイス2の高さTの隙間部分と丁度繋がるように配置する。これにより上方の空中および側方の空中に通じている空洞部が形成され、これを加工のための溝部として、コンテナー3に装填された材料1をコンテナー3の入り口部に配置したプッシャー4で下方に押し込み材料の直径を増大させるとともに側方から材料を押し出す加工を、ダイス2とホルダー5を架台に回転しないように固定し、コンテナー3をその中心軸の周りに回転しながら行うのである。なお、コンテナー3は加工中に上下に移動しないように、図示していない架台に固定されている保持装置により保持されている。
図17は、図16によりねじり据え込み押出し成形が行われている材料の平面図を示したものである。1−1部の材料がプッシャーにより押し込まれ、aで示される側方へ速度Vで押し出されていく。図18は、図17の場合のホルダーの平面図である。図19は、同じ素材を用いて、図18の場合より狭い幅の材料を押し出す場合のホルダーの平面図である。
なお、図16,図17では、製品形状を長方形断面としたが、当然5−1の穴の形状を変えれば多角形、L形、H形など各種の断面形状を持った形材を成形することができる。
この図16の場合も、第1の方法の図5の場合と同様に、噛み出しを発生しやすい傾向を持つコンテナーとホルダー、あるいはダイスとホルダーの接触位置(点線の矢印で示したK位置)が、プッシャーによる圧力が最も高いプッシャーの直下位置(点線で囲った範囲X)からはずれているので、溝底周辺部(Kのそば)では材料に作用する圧力が低くなり、噛み出しは発生しないか非常に少なくなる。当然、素材断面寸法(径)と比べて、ホルダーの内径の方が大きいほど噛み出しに関しては有利になる。
コンテナーとダイスの隙間を成形開始時、0に設定し、コンテナーがスムーズに回転できる程度の圧縮力をコンテナーとダイスの間にかけておく場合、
Ratio=ホルダーの内径/素材の横断面の寸法(径)
が、押し込み軸に直角な面内の全方向で1.5より大きければ噛み出しが生じても、成品の性状が悪くなることはない。また、2.0より大きければ噛み出しが生じることはほとんど無いが、生じても成品の表面に影響は与えることはない。
第2の方法におけるコンテナー3の内面溝の中心軸はコンテナー3全体の中心軸と一致していなくてもよい。この方が、材料中心軸のねじりひずみが少なくなる傾向を抑止する上で有利である。
次に、第1の方法および第2の方法に共通する技術的に重要な事項について以下に補足する。
ダイスやコンテナーの工具耐用性を配慮して、材料表面やダイスとコンテナーの接触部に潤滑材を塗布して加工を行うことが多いが、この場合には、特に素材断面が円形の場合にはコンテナーの内面と材料表面の間で滑りが生じやすくなる。この滑りが生じると素材尾端部に対応する成品部分のねじりが定常変形部のねじりに比して少なくなるので、この滑りは極力抑えることが必要になってくる。この面では素材の断面形状を正方形などの多角形、あるいは楕円形状などの非軸対称形状にする方がよい。あるいは、素材の尾端部をねじる加工の終期では素材の単位長さあたりのねじり回数を多くするのがよい。
また、潤滑を行わない場合でも、特に加工初期のダイス内に材料が十分入っていない場合には、滑りが生じる場合が多い。この場合も、加工初期のねじり回数を定常変形時より多くすることが有効である。
潤滑剤としては、冷間成形の場合は、機械油や圧延などの塑性加工に使用される通常の潤滑油が使用できる。熱間成形の場合は、材料表面や工具間に二硫化モリブデンなどを使うことがある。
金型材料としては、冷間成形の場合、工具鋼、耐熱鋼、超硬合金などの通常の材質が使用できる。熱間成形の場合、アルミニウム系やマグネシウム系など低融点金属に対しては、冷間成形と同じものでよいが、鋼やチタニウムなどの高融点材料に対しては、サイアロンなどのセラミックスの方がよい場合が多い。
加工温度は、成品の内部組織を左右する。ひずみの少ない微細結晶粒組織を得たい場合には再結晶温度以上の熱間でねじり押出し加工を行うのがよい。一般的に再結晶温度は融点(絶対温度)の1/2前後である。ひずみが大きい微細組織を得たい場合には、再結晶温度以下の冷間でねじり押出し加工を行うのがよい。かなり多くの実用材料は室温加工が冷間加工になり、室温で加工することによりひずみが累積するので、室温でねじり据え込み側方押出し法を適用することにより微細な内部組織材料に変化する。
なお、加工温度を設定するには、ねじり押出し装置とは別に設置された電気加熱炉などを用いるのが普通である。あるいは、加熱装置や冷却装置をねじり押出し装置に内蔵してもよい。付加的手段として、あるいは独立に、材料の加工発熱や材料とダイスやコンテナーなどの工具の間の摩擦発熱を利用することもできる。加工発熱や摩擦発熱を利用するためには、ねじり押出し加工前に、加工量および加工速度と材料の到達温度の間の関係を求めておく必要がある。当然、押し込み速度を遅くし、回転速度を早くするほど発熱量は大きくなる。
また、プッシャーの駆動装置として油圧装置やスクリュープレスあるいはピニオンラックなど通常の装置を使用することができる。
コンテナーの回転方向に関しては、一つの材料をねじり押出し加工する間変えなくてよいが、正逆交互に回転方向を変化させてもよい。交互に回転方向を変化させると、集合組織や繊維状組織の形成を妨げたり、材料がねじられる領域が広がるという効果がある場合がある。
成分がAl:99.9%以上の純アルミニウムの棒材(直径20mm、長さ60mm)を使用し、図20の装置(模式的な垂直断面図)を用いて、ねじり側方押出し法を実施した。
図20で、2はダイス、3はコンテナー、4はプッシャー、1−1はコンテナー内の材料部分、1−2はダイス内の材料部分である。また、6と7はコンテナーが回転は自由であるが軸方向には固定する作用を持つコンテナー保持装置の1部分であり、この6と7は図示していない固定装置により架台11に固定されている。8はスラストベアリング、9はラジアルベアリングである。
コンテナー3は駆動ベルト10を介して駆動モーターMに連結されている。コンテナー3が回転駆動されるとき、材料1−1も共に回転しようとし、これにより、ダイス内の材料1−2との間で相対的回転が生じ、材料がねじられるのであるが、この作用を妨げないようにするため、プッシャー4は押し込み力が作用している間もコンテナーとともに回転できるようになっている。すなわち、図示していない押し込み装置とプッシャー4の上端の間に連結部4aを設け、この連結部4aとプッシャー4の間にスラストベアリング12を設置してある。
材料1はコンテナー3に装填された後、プッシャー4により押し込まれ、ダイス2とコンテナー3により形成されている側方空間部へ押し出される。この空間部の溝断面形状は幅20mm厚さ15.7mmの長方形であり、断面積はコンテナー内面の円形断面と同じである。なお、ダイス2とコンテナー3の材質はSKD11の熱処理材であり、ショア硬度60に調整されている。
コンテナー部内径はφ20mm、長さは100mmである。
プッシャー速度は毎分5mm、ダイス回転数は毎分20回である。加工前の材料温度は室温(20℃)である。
途中止め材の組織観察から、ねじり変形は1c(定常変形部)で最も大きくなっていた。プッシャー先端部に近い1a部はコンテナー内面にほぼ固着している状態であり、ねじりは受けていない。また、成品部分の表面性状は良好であった。
途中止め材の内部組織調査結果(EBSPによる)によれば、コンテナー内の未変形部1aの結晶粒直径は平均で50μmであった。ダイス内の変形部1cの内部組織は、横断面内でほぼ一様であったが、結晶粒径は、非常に微細であるため測定できなかった。
ビッカース硬度は1a部では平均30であったが、1c部では平均で61であった。また、その分布も横断面内で一様であった。
成分がAl:99.9%以上の純アルミニウムの棒材(直径20mm、長さ60mm)を使用し、図21の装置(模式的な垂直断面図)を用いて、ねじり側方押出し法を実施した。
図21は図20と同じく、2はダイス、3はコンテナー、4はプッシャー、4aは押し込み装置とプッシャー4の間の連結部である。1−1はコンテナー内の材料部分、1−2はダイス内の材料部分である。また、6と7はコンテナーが回転は自由であるが軸方向には固定する作用を持つコンテナー保持装置の1部分であり、この6と7は図示していない固定装置により架台11に固定されている。8、12はスラストベアリング、9はラジアルベアリングである。
コンテナー3は駆動ベルト10を介して駆動モーターMに連結されている。
材料1はコンテナー3に装填された後、プッシャー4により押し込まれ、ダイス2とコンテナー3により形成されている側方空間部へ押し出される。この空間部の溝断面形状は図6の記号で表して、幅Bが40mm、厚さTが5mmの板状である。なお、ダイス2とコンテナー3の材質はSKD11の熱処理材であり、ショア硬度60に調整されている。
コンテナー部内径はφ20mm、長さは100mmである。
プッシャー速度は毎分5mm、ダイス回転数は毎分20回である。加工前の材料温度は室温(20℃)である。
途中止め材の組織観察から、ねじり変形は1c部(定常変形部)で最も大きくなっていた。プッシャー先端部に近い1a部はコンテナー内面にほぼ固着している状態であり、ねじりは受けていない。また、成品部分の表面性状は良好であった。
途中止め材の内部組織調査結果(EBSPによる)によれば、実施例1と同じく、コンテナー内の未変形部1aの結晶粒直径は平均で50μmであった。ダイス内の変形部1dの内部組織は、横断面内でほぼ一様であったが、非常に微細であるため測定できなかった。
ビッカース硬度は1a部では平均30であったが、1d部では平均で63であった。また、その分布も横断面内で一様であった。
成分がAl:99.9%以上の純アルミニウム粉末(粒径約80μm、水アトマイズ粉)を使用し、図21の装置(模式的な垂直断面図)を用いて、ねじり側方押出し法を実施した。
プッシャー速度は毎分5mm、ダイス回転数は毎分20回である。加工前の材料温度は室温(20℃)である。
途中止め材の光学顕微鏡による組織観察から、ねじり変形は1c部(定常変形部)で最も大きくなっていた。プッシャー先端部に近い1a部はコンテナー内面にほぼ固着している状態であり、ねじりは受けておらず、相対密度は約80%であった。ダイス内の定常変形部1cでは空隙はほとんど認められなかったのでほぼ100%の相対密度に達したと判断している。先端部1dは密度が低く固化していない部分もあった。
途中止め材のEBSPによる内部組織調査結果によれば、1c部の結晶方位はまったく検出されず、非常に微細な組織になっていると判断された。そのため結晶粒径は測定できなかった。
ビッカース硬度は1d部では平均で65であった。また、その分布も横断面内でほぼ一様であった。
成分がAl:99.9%以上の純アルミニウムの棒材(直径20mm、長さ60mm)を使用し、図22の装置(模式的な垂直断面図)を用いて、ねじり側方押出し法を実施した。
図22は図21と同じく、2はダイス、3はコンテナー、4はプッシャー、4aは押し込み装置とプッシャー4の間の連結部である。1−1はコンテナー内の材料部分、1−2はダイス内の材料部分である。5はコンテナー3とダイス2を保持するホルダーである。
2は架台11に回転しないように固定されている。6も5とともにコンテナーが上下方向には移動しないように、また回転を妨げないように保持する。また、コンテナー3は6と5に保持されたまま回転できるようになっている。また、5と6は架台11に図示していない装置により固定されている。8、12はスラストベアリング、9はラジアルベアリングである。
コンテナー3は駆動ベルト10を介して駆動モーターMに連結されている。
材料1は回転駆動されているコンテナー3に装填された後、プッシャー4により押し込まれ、ダイス2とホルダーおよびコンテナー3により形成されている溝部へ据え込まれると共に側方の空中へ通じる穴から押し出される。ホルダー内径は40mm、溝部の厚さTは3mmである。したがって、押し出される板材の横断面も厚さ3mm、幅40mmである。
ダイス2とコンテナー3の材質はSKD11の熱処理材であり、ショア硬度60に調整されている。
コンテナー部内径はφ20mm、長さは100mmである。
プッシャー速度は毎分5mm、ダイス回転数は毎分20回である。加工前の材料温度は室温(20℃)である。
途中止め材の組織観察から、ねじり変形は1c部(定常変形部)で最も大きくなっていた。プッシャー先端部に近い1a部はコンテナー内面にほぼ固着している状態であり、ねじり変形は受けていない。
途中止め材の内部組織調査結果(EBSPによる)によれば、コンテナー内の未変形部1aの結晶粒直径は平均で50μmであった。ダイス内の変形部1dの内部組織は、横断面内でほぼ一様であったが、非常に微細であるため測定できなかった。
ビッカース硬度は1a部では平均30であったが、1d部では平均で60であった。また、その分布も横断面内で一様であった。
実施例1〜4のいずれにおいても、プッシャー4が押し込み力が作用している間コンテナー3と連動して回転できるように、図示していない押し込み装置とプッシャー4の上端の間に連結部4aを設け、この連結部4aとプッシャー4の間にスラストベアリング12を設置しているが、素材1−1が円柱素材の場合には、プッシャー4がコンテナー3に連動して回転しないように、連結部にプッシャー4を固定しておいてもよい。このようにすると、材料尾端にもねじり変形を付加できるという利点が生じる。
なお、実施例では示していないが、コンテナー3の内面溝の横断面が非軸対称の場合には当然、プッシャー4はコンテナー3とともに回転するので連結部4aはこの回転を妨げるような構造であってならない。
圧縮ねじり法の垂直断面図 ECAE法の垂直断面図 ねじり押出し法の垂直断面図(縮径する場合) ねじり押出し法の垂直断面図(縮径しない場合) ねじり側方押出し法の垂直断面図(板材成形) ねじり側方押出し法(図5)における途中止め材の実体図 ねじり押出し法(図5)におけるダイスの三面図 ねじり側方押出し法の垂直断面図(ビレット成形) ねじり側方押出し法(図8)における途中止め材の実体図 ねじり押出し法(図7)におけるダイスの三面図 各種ねじり押出し法におけるコンテナー、ダイス、および材料の位置関係を表す平面図。 図11 (c)の場合のF−F断面図 ねじり側方押出し法における変形の様子を表す材料の縦断面図 ねじり押出し法の垂直断面図(板材成形) ねじり押出し法の垂直断面図(ビレット成形) ねじり押出し法の垂直断面図(板材成形) 図16における途中止め材の平面図 図16におけるホルダーの平面図(広幅材用) 図16におけるホルダーの平面図(狭幅材用) 実施例1の装置全体の垂直断面図 実施例2および3の装置全体の垂直断面図 実施例4の装置全体の垂直断面図
符号の説明
1 材料
1−1 材料の1部分(コンテナー内)
1−2 材料の1部分(ダイス内)
1a 材料部分
1b 材料部分
1c 材料部分
1d 材料部分
2 ダイス
2−1 ダイスとコンテナーで形成された溝の内、上方空間に通じるダイス内の部分
2−2 ダイスとコンテナーで形成された溝の内、側方空間に通じるダイス内の部分
2−3 ダイス上端の平面部分
2−4 ダイスの上方穴と側方穴を区分するダイスの一部分
2A ダイスの外形
2B ダイス溝の形状
3 コンテナー
3−1 コンテナー下端の平面部分
3A コンテナーの外形
3B コンテナーの内形
4 プッシャー
4−1 上パンチ
4−2 下パンチ
6 コンテナーとダイスのホルダー
5−1 コンテナーとダイスのホルダーの側方に開けられた材料押し出し用の穴
6 コンテナーホルダー
7 コンテナーホルダー
8 スラストベアリング
9 ラジアルベアリング
10 駆動ベルト
11 架台
12 スラストベアリング
A 材料部分
B 成品の幅
C 成品の押出し軸後方の部分の長さ
D 素材の直径
E 材料移動の終了点
H 加熱装置
I 材料部分
J 材料部分
K 噛み出しが発生する可能性のある位置
M 駆動モーター
N 材料内のせん断変形位置
O 平面図上のコンテナー中心軸
P 入側プッシャー圧力
P1 入側プッシャー圧力
P2 出側プッシャー圧力(背圧)
Q 冷却装置
R コーナーR
S 材料移動の出発点
T 成品の厚さ
Tr トルク
U ねじりを受ける材料部分
V 材料が押し出される速度
X プッシャー直下の大きい圧力を受ける材料部分
a 押し出し軸
b 押し込み軸
c 材料の偏心押し出し中心軸
d 側方押し出し偏心量
φ 角度

Claims (10)

  1. 貫通した内面溝を有するコンテナーのダイスと接する下端の面が該コンテナーの中心軸と直角をなす平面であり、該コンテナーの下端の面と、上部および一つの側方部がそれぞれ上方およびそれと直角をなす方向の空間に解放された溝であり、かつ上面が平面になるように形成されている該ダイスの上面を、お互いに接し、また、お互いの該溝部がつながるように配置し、材料をコンテナー入り口部に配置したプッシャーで該コンテナーの中心軸方向に該ダイス溝部内に押し込むことにより、該中心軸と直角をなす側方に該ダイス溝部から材料を押出す加工を、該ダイスを架台に回転しないように固定し、該コンテナーをその中心軸の周りに回転しながら行うねじり据え込み側方押出し加工法。
  2. 請求項1において、ダイスの上方およびそれと直角をなす方向の空間がダイスの一部で仕切られていないことを特徴とするねじり据え込み側方押出し加工法。
  3. 請求項1において、ダイスの上方およびそれと直角をなす方向の空間がダイスの一部で仕切られていることを特徴とするねじり据え込み側方押出し加工法。
  4. 貫通した筒状内面溝を有する下部の外面の横断面が円形形状であるコンテナーの下部の外径と、上部の外面の横断面が円形形状である円柱状のダイスの上部の外径を、ともに、貫通した円形断面の内面溝を有するホルダーの内径よりわずかに小さく製作し、該ホルダー内に該コンテナーと該ダイスを該コンテナーが上になるようにして、しかも該コンテナーと該ダイスが接触しないようにTだけ離して挿入することと、該ホルダーの上下方向のほぼ中央部側方に最大高さがT以下で横幅は該ホルダーの直径より小さい穴をあけて、この部分が該コンテナーと該ダイスの高さTの隙間部分と丁度繋がるように配置することにより形成された上方の空中および側方の空中に通じている空洞部を加工のための溝部として、該コンテナーに装填された材料を該コンテナー入り口部に配置したプッシャーで下方に押し込み材料の直径を増大させるとともに側方から材料を押し出す加工を、該ダイスと該ホルダーを架台に回転しないように固定し、該コンテナーをその中心軸の周りに回転しながら行うねじり据え込み側方押出し加工法。
  5. 貫通した内面溝を有するコンテナーのダイスと接する下端の面が該コンテナーの中心軸と直角をなす平面であり、該コンテナーの下端の面と、上部および一つの側方部がそれぞれ上方およびそれと直角をなす方向の空間に解放された溝であり、かつ上面が平面になるように形成されている該ダイスの上面を、お互いに接し、また、お互いの該溝部がつながるように配置し、該コンテナー内に装填された材料をプッシャーにより該コンテナーから該溝部へ押し込み、該ダイスを回転しないように架台に固定し、該コンテナーを該コンテナーの中心軸の周りに回転させながら、該溝部の側方へ該材料を押し出すことが可能になるように構成された、該コンテナー、該ダイス、該プッシャー、該コンテナーの回転装置および支持装置、該ダイスの支持装置、該プッシャーの駆動装置、およびこれらの部品や装置が機能するように配置するための架台からなる装置。
  6. 貫通した筒状内面溝を有する下部の外面の横断面が円形形状であるコンテナーの下部の外径と、上部の外面の横断面が円形形状である円柱状のダイスの上部の外径を、ともに、貫通した円形断面の内面溝を有するホルダーの内径よりわずかに小さく製作し、該ホルダー内に該コンテナーと該ダイスを該コンテナーが上になるようにして、しかも該コンテナーと該ダイスが接触しないようにTだけ離して挿入することと、該ホルダーの上下方向のほぼ中央部側方に最大高さがT以下で横幅は該ホルダーの直径より小さい穴をあけて、この部分が該コンテナーと該ダイスの高さTの隙間部分と丁度繋がるように配置することにより形成された上方の空中および側方の空中に通じている空洞部を加工のための溝部として、該ダイスと該ホルダーを架台に回転しないように固定し、該コンテナーをその中心軸の周りに回転しながら、該コンテナーに装填された材料を該コンテナー入り口部に配置したプッシャーで下方に押し込み材料の直径を増大させるとともに側方から材料を押し出す加工が可能になるように構成された、該コンテナー、該ダイス、該ホルダー、該プッシャー、該コンテナーの回転装置および支持装置、該ダイスの支持装置、該プッシャーの駆動装置、およびこれらの部品や装置が機能するように配置するための架台からなる装置。
  7. 請求項1において、材料を構成する物質の融点が最も低い物質の融点(絶対温度)の90%以下の温度で加工することを特徴とする1種類の物質から構成される材料、あるいは2種類以上の物質が混合された材料、あるいは2種類以上の物質から構成される複合材料のねじり据え込み側方押出し加工法。
  8. 請求項1において、室温で加工することを特徴とする材料のねじり据え込み側方押出し加工法。
  9. 請求項4において、材料を構成する物質の融点が最も低い物質の融点(絶対温度)の90%以下の温度で加工することを特徴とする1種類の物質から構成される材料、あるいは2種類以上の物質が混合された材料、あるいは2種類以上の物質から構成される複合材料のねじり据え込み側方押出し加工法。
  10. 請求項4において、室温で加工することを特徴とする材料のねじり据え込み側方押出し加工法。
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