JP2005000748A - 給水管理システム及び給水管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】給水管理システムにおいて、水処理器の装備を簡単にすると共に、イオン交換樹脂を有する水処理器のメンテナンス時期の予測を行なうことができるようにする。
【解決手段】給水管理システム60は、イオン交換樹脂を有する軟水化手段17及びその通水状態を検出する通水情報検出器25を具備した水処理器16と、検出した通水情報を通信ネットワーク14を介して送信する消費者端末装置21と、消費者固有情報を格納したデータベースを具備すると共に複数の消費者端末装置21に通信ネットワーク14を介して接続される管理会社ホストコンピュータ15とを備える。管理会社ホストコンピュータ15は、消費者端末装置21から送信される通水情報に基づいて軟水化手段17のメンテナンス時期を予測する機能を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】給水管理システム60は、イオン交換樹脂を有する軟水化手段17及びその通水状態を検出する通水情報検出器25を具備した水処理器16と、検出した通水情報を通信ネットワーク14を介して送信する消費者端末装置21と、消費者固有情報を格納したデータベースを具備すると共に複数の消費者端末装置21に通信ネットワーク14を介して接続される管理会社ホストコンピュータ15とを備える。管理会社ホストコンピュータ15は、消費者端末装置21から送信される通水情報に基づいて軟水化手段17のメンテナンス時期を予測する機能を有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水管理システム及び給水管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水処理器を用いて家庭内で利用する水を軟水化することが行なわれている。利用水を軟水化する手段として、一般に、硬度成分(カルシウムイオンやマグネシウムイオン等)の除去効率の高い陽イオン交換樹脂が使われる。しかし、イオン交換樹脂は所定量の硬度成分を除去すると、塩や塩水などを用いて定期的に再生作業をしたり、イオン交換樹脂の交換作業をしたりする必要がある。
【0003】
イオン交換樹脂を有する水処理器を備えた従来の給水管理システムとしては、特開2002−109296号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この特許文献1の給水管理システムでは、消耗品又は寿命交換品の適正な供給時期を、消耗品又は寿命交換品を搭載する水処理器が消費者に代わって自動判定を行い、携帯電話類の通信周波数帯を利用して自動購入手配メールをインターネット環境に送信し、そのメールを生産メーカが受信して自動商品生産計画を立てて、その生産計画から計算された商品発送日又は交換作業日を販社又は水処理器にメール送信し、後日生産された商品を商品発送日に発送し、消費者に適正時期に商品納品又は販社による交換作業を提供するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−109296号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の給水管理システムでは、水処理器自らが消耗品や交換品の供給時期の自動判定を行なうため、水処理器が非常に重装備(部品点数、占有容積が多い)となり、高価なものになってしまうという問題点があった。また、利用水の原水硬度を把握しておくことが水処理器のメンテナンス時期の判定にとって非常に重要であるが、その事については特許文献1では特に言及されていない。
【0006】
本発明の目的は、水処理器の装備を簡単にすることができると共にイオン交換樹脂を有する水処理器のメンテナンス時期の予測を行なうことができる給水管理システム及び給水管理方法を提供することにある。
【0007】
なお、本発明のその他の目的と有利点は以下の記述から明らかにされる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、イオン交換樹脂を有する軟水化手段及びこの軟水化手段の通水状態を検出する通水情報検出器を具備した水処理器と、前記通水情報検出器で検出した通水情報を通信ネットワークを介して送信する消費者端末装置と、複数の前記消費者端末装置に対応する消費者固有情報を格納したデータベースを具備すると共に複数の前記消費者端末装置に前記通信ネットワークを介して接続される管理会社ホストコンピュータとを備えた給水管理システムにおいて、前記ホストコンピュータは前記消費者端末装置から送信される通水情報に基づいて前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測する機能を有する構成にしたことにある。
【0009】
また、本発明は、イオン交換樹脂を有する軟水化手段及び軟水化手段の通水状態を検出する通水情報検出器を具備した水処理器と、前記通水情報検出器で検出した通水情報を通信ネットワークを介して送信する消費者端末装置と、複数の前記消費者端末装置に対応する消費者の固有情報を格納したデータベースを具備すると共に前記複数の消費者端末装置に通信ネットワークを介して接続される管理会社ホストコンピュータとを備えた給水管理システムの給水管理方法において、前記消費者端末装置から送信される通水情報に基づいて前記管理会社ホストコンピュータで前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測するようにしたことにある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施例を、図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
【0011】
本発明の第1実施例を図1から図5を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施例の給水管理システムの構成図、図2は図1の給水設備の構成図、図3は図2の給水設備の主要構成部品を示す機能ブロック図、図4は図1の給水管理システムの運用例を示す図、図5は図1の軟水化手段の給水量に対する出水硬度の特性を示す図である。
【0012】
図1に示すように、給水管理システム60は、一般家庭などに配置される給水設備70と、水処理器16の販売業者が管理する販売会社端末装置30と、金融業者が管理する金融業者端末装置32と、通信ネットワーク14と、この給水管理システムの管理者が運営する管理会社ホストコンピュータ15とから構成されている。給水設備70は給湯機1及び水処理器16を備えて構成されている。また、給水設備70は、水を消費する一般家庭などの消費者のところにそれぞれ配置され、通信ネットワーク14に複数が接続されることとなる。ここで、販売会社端末装置30を有する販売会社は、水処理器16の販売会社と給湯機1の販売会社が同じメーカである必要はない。また、金融業者は銀行や郵便局等の金融業者であるが、金の支払いや振込みは銀行や郵便局の窓口だけでなく、コンビニや商店等であってもよい。
【0013】
給湯機1は、水処理器16により水処理された処理水を加熱して温水として家庭内の利用場所に供給するものである。給湯機1には、それぞれ消費者端末装置21が設けられている。この消費者端末装置21は、給水管理システム60の端末機として機能すると共に、給湯機1の制御装置として機能するものである。消費者端末装置21は、インターネットなどの通信ネットワーク14を介して管理会社ホストコンピュータ15、販売会社端末装置30及び金融業者端末装置32に接続される。
【0014】
水処理器16は、家庭内に供給される原水を水処理して給湯機1に供給したり、家庭内の利用場所に直接供給したりするものである。水処理器16には、軟水化手段17、通水情報検出器25及び通信手段28が設けられている。水処理器16は、イオン交換樹脂を有しており、原水を軟水化する機能を有している。通水情報検出器25は、通水情報を検出するものであり、通水量を積算的に検知する積算流量計などで構成される。この通水情報検出器25は、通信手段28に接続され、さらには、インターネットなどの通信ネットワーク14を介して管理会社ホストコンピュータ15、販売会社端末装置30及び金融業者端末装置32に接続される。
【0015】
管理会社ホストコンピュータ15は、インターネットなどの通信ネットワーク14に接続されると共に、給水管理システム60に加入している各消費者の固有情報を格納するデータベース31を備えている。データベース31は、給水管理システム60に係るデータを格納するものであり、給水管理システム60を管理運営するためのデータと共に水処理に係る特有のデータを格納している。
【0016】
図2に示すように、給湯機1は、使用冷媒としてノンフロンガスである自然冷媒(例えば二酸化炭素CO2)を利用したヒートポンプ式給湯機で構成されている。これによって、地球環境に優しい給湯機1となっている。この給湯機1は、冷凍サイクルと給湯回路とを備えて構成されている。なお、ヒートポンプ式給湯機1は、屋外の軒下、屋上等に設置されることが好ましいが、場合によっては屋内または地下室等であってもよい。
【0017】
冷凍サイクルは、圧縮機3と凝縮器4と膨張弁または膨張機構5と蒸発器6とを冷媒配管2で順に接続することにより構成されている。ここで、圧縮機3は低温低圧の気体冷媒を圧縮して高温高圧の気体冷媒にする機能を有する。凝縮器4は、高温高圧の気体冷媒と低温の水などの被加熱物質とを熱交換させ、被加熱物質を昇温させる機能を有する。凝縮器4での熱交換によって、高温高圧の気体冷媒は液化する。膨張弁(膨張機構)5は、液化された高温高圧冷媒を低温低圧の気液二相流冷媒にして蒸発器6に送る機能を有する。蒸発器6は、低温低圧の気液二相流冷媒と水や空気などの被冷却物質を熱交換させ、被冷却物質を降温させる機能を有する。蒸発器6での熱交換によって、気液二相流冷媒は低温低圧の気体冷媒となる。ここで、蒸発器6で熱交換される被冷却物質は外気であり、送風機6a等で強制送風される。また、凝縮器4は冷媒側熱交換器4aと水側熱交換器4bから構成されている。凝縮器4で熱交換される被加熱物質は軟水化手段17から利用水(処理水)である。
【0018】
給湯回路は、制御弁10、ポンプ11、水側熱交換器4b及び給湯配管8から構成されている。水側熱交換器4bは、その入口側がポンプ11及び制御弁10を介して軟水化手段17に接続され、その出口側が各種給水利用設備12に接続されている。給水利用設備12は、例えば、風呂12a、洗濯機12b、台所12cなどである。制御弁10が開路することにより、軟水化手段17で軟水化された処理水が水側熱交換器4bに送水されて加熱される。また、給水利用設備12で処理水が利用されることにより、ポンプ11が運転され、水側熱交換器4bで温水となった処理水が給湯配管8を通して給水利用設備12に供給される。
【0019】
図3に示すように、水処理器16は、消費者端末装置21、軟水化手段17、浄水化手段24、流量検出器25、制御手段27、通信手段28、及び再生手段29が具備されている。水処理器16は、陽イオン交換樹脂等で構成される軟水化手段17と中空糸膜や活性炭等で構成される浄水化手段24と共に、陰イオンを除去する陰イオン交換樹脂等で構成される処理手段も併せて具備している方がより好ましい。
【0020】
軟水化手段17は、硬度成分を除去する陽イオン交換樹脂を有して構成され、その入口側が家庭内への引き込み給水本管9に接続され、その出口側が給湯機1(制御弁10を介して)及び常温水配管13に接続されている。給水本管9は水道水や井戸水等の原水が送水される配管である。原水が軟水化手段17を通ることにより、原水の硬度成分か除去されて軟水化される。基本的には、硬度ゼロの完全な軟水を作ることが最も望ましいが、硬度0〜10ppm程度の軟水であってもよい。ここで、軟水化性能は、イオン交換樹脂の封入容量や通水速度で調節できる。
【0021】
そして、水処理器16に流入した原水9は、まず中空糸膜や活性炭等で構成される浄水化手段24に入り、塩素、トリハロメタン、重金属や汚れ、かび臭等が除去され、流量検出器25に至る。積算流量計25を通過した水は次に軟水化手段17に至り、硬度成分が除去されて軟水化する。そして、水処理器16から流出して行く。ここで、流量検出器25の設置位置は図3の場所に限る必要はないが、浄水化手段24の下流側が好ましい。また、通水情報検出器として、該積算流量計25と併せて他のセンサ、例えば水道水圧センサを利用してもよい。
【0022】
さらに、再生手段29は軟水化手段17を再生させるもので、制御手段27は該積算流量計25に指令を出し、通水量を数値として入手し、通信手段28と消費者端末装置21をコントロールすることもできる。
【0023】
図2に示すように、軟水化手段17を通過した軟水は、その後分岐されて、一方がそのままの温度で軟水化された常温水(常温水配管13)として利用され、他方がヒートポンプ式給湯機1に導かれ、昇温されて温水として給湯配管8を通して利用される。給湯配管8には、制御弁10や昇圧ポンプ11が設けられているが、これらの部品は図2の設置位置に限る必要はなく、それぞれ複数台設置されてもよく、さらには具備されていない設備であってもよい。
【0024】
給湯配管8で供給される温水は、ヒートポンプ式給湯機1の凝縮器4内で、前述したように高温高圧の気体冷媒と熱交換することで昇温されるもので、自然冷媒として二酸化炭素を利用すれば、最高温度90℃程度までの温水を得ることができるので、それ以下の温度であれば任意に温度調節が可能である。
【0025】
家庭内の各種給水利用設備12には、いずれも軟水化された高温水8と常温水13の両方が導かれ、温調機能付き水栓等で適温に調節して出水される。なお、各種設備12には常温水配管13を設置せず、給湯配管8の高温水のみを導き、その供給温度を制御するようにしてもよい。高温水8等の給湯温度制御は、凝縮器4の熱交換能力のコントロール等で行なうことができる。
【0026】
図4を参照しながら給水管理システム60の運用例を説明する。
【0027】
消費者Aが軟水化手段17を具備した水処理器16を購入及び/または設置した時に、販売会社端末装置30から初期データとして、消費者Aの郵便番号、住所、電話番号の内、少なくとも一つ(消費者端末装置21に対応する消費者固有情報)を入力することにより、管理会社ホストコンピュータ15のデータベース31にその情報が登録される(図4の矢印101)。ここで、入力する消費者情報は、郵便番号、住所、電話番号の内、最低一つでも構わないが、できるだけ多くの情報を入力することが望ましく、さらには、前記以外の消費者情報、例えば家族構成や家庭内の各種設備12等を入力することも、より望ましい。
【0028】
また、消費者Aの郵便番号、住所、電話番号等の入力を、販売会社端末装置30から行なう例を示したが、通信ネットワーク14を介して販売会社端末装置30と消費者端末装置21、管理会社ホストコンピュータ15がそれぞれつながっているので、該情報の入力は消費者端末装置21または管理会社ホストコンピュータ15のいずれかで行ってもよい。
【0029】
消費者Aを特定する情報が登録されると、データベース31内に納められた全国水道水硬度データベースを利用して消費者Aの利用する水道水等の原水硬度が求められ、消費者Aと関連付けられてデータベース31に格納される(図4の番号▲1▼)。データベース31に納められた全国水道水硬度データベースは、例えば、浄水場名、水源名及び水源種類と、利用する水道水の原水硬度の関係がマップ化されている。ここで、浄水場名、水源名及び水源種類は、前記消費者の郵便番号、住所、電話番号等によりほとんど特定できるので、以下の流れで消費者の利用する原水硬度を求めることができる。つまり、「消費者の郵便番号、住所、電話番号等の入力」→「消費者の利用する浄水場名、水源名、水源種類の特定」→「消費者の利用原水硬度の算出」の流れである。
【0030】
なお、全国水道水硬度データベースは、水道統計等の水質データを基にしてサービス会社自らが作成してもよいし、市販されているソフト等を利用してもよい。さらには、データベース31には、原水硬度値(ppm)のみならず、家庭で利用する水質の安全性を左右するその他物質(例えば、塩素イオン、硫酸イオン、重炭酸イオン、遊離炭酸、溶存酸素、シリカ、鉄や鉛等の金属)の含有数値等を併せて納めておくことが望ましい。また、全国水道水硬度データベースを利用せず、利用する原水の硬度をサービス会社もしくは消費者A自身が実測し、その実測した原水硬度値を入力してデータベース31に格納するようにしても差し支えない。特に、利用原水が水道水ではなく、自宅の井戸水や地下水等の特定水である場合は、その原水硬度値を直接入力することになる。なお、前記方法で原水硬度が把握、登録できなかった場合は、日本国内では原水硬度値として100ppmを登録されるようになっている。
【0031】
その後、消費者Aが軟水化手段17を具備した水処理器16を用いると、以下のことが通信ネットワーク14を介して行われる。
【0032】
水処理器16が利用(通水)されると、積算流量計25が通水量を検知しはじめる。もちろん、イオン交換樹脂の取り替え時に、積算流量計25をリセットさせておく(積算通水量をゼロにしておく)。そして、積算通水量は、制御手段27、通信手段28、消費者端末装置21及び通信ネットワーク14を介して管理会社ホストコンピュータ15に送られ(図4の矢印102)、管理会社ホストコンピュータ15で受信されて、管理される(図4の番号▲2▼)。管理会社ホストコンピュータ15では、複数の消費者から送られてくる積算通水量等の通水情報は一括管理される。なお、制御手段27、通信手段28及び消費者端末装置21は一台のパソコン等に全て内蔵されていてもよい。
【0033】
ここで、積算通水量の送信は、通水のたび(例えば、通水開始時または終了時)に送信してもよいし、常時送信していてもよいし、定期的(例えば、一定時間毎または週1回、所定日数毎)に送信してもよい。なぜなら、システムとしてのイオン交換樹脂の再生周期を略1ケ月程度と考えると、軟水化手段17の性能は急に低下することはないからである。
【0034】
このようにして、管理会社ホストコンピュータ15は、それぞれの消費者側水処理器16の積算通水量を、例えばモニタリングしながら一括管理し、各消費者の軟水化手段17のメンテナンス時期(交換時期や再生時期など)を予測する(図4の番号▲3▼)。その予測法を図5を用いて説明する。
【0035】
積算流量計25で検出される積算通水量Lと、軟水化手段17を通過した利用する水の出水硬度Gの関係は図5に示す通りである。本実施例では、上述したように消費者の原水硬度がわかっているので、軟水化手段17の仕様(例えば、イオン交換樹脂量や通水性能)と通水量がわかれば、軟水化手段17を出た利用水(軟水)の出水硬度は図5に基づいて容易に予測できる。ここで、軟水化手段17は着脱容易なカートリッジ式にしてその型番と仕様を決めておけば、利用する軟水化手段17の型番と検出した通水量とに基づいて容易に予測できる。
【0036】
例えば、消費者の原水硬度が比較的高いG1の場合、通水初期は安定して硬度ゼロの軟水を供給できるが、ある程度通水量が増えてくると軟水化手段17のイオン交換能力が低下し、徐々に出水硬度が上昇しはじめる。図5では通水量L1当たりから出水硬度が上昇しはじめ、そのまま軟水化手段17を使い続けると交換能力がなくなり、最後には出水硬度が原水硬度G1と同じになってしまう。ここで、硬度ゼロの軟水を出水として得るには、軟水化手段17を通水量L1の時点で、すみやかに再生または新品と交換することが必要となる。一方、消費者の原水硬度がかなり低いG3の場合、原水硬度がG1の場合に比べ通水量が増えても安定して硬度ゼロの軟水を供給できる。しかしながら、いずれは軟水化手段17の交換能力が低下し、徐々に出水硬度が上昇し始める。図5では通水量L3当たりから出水硬度が上昇し始め、軟水化手段17を通水量L3の時点で再生または交換することが必要となる。消費者の原水硬度が比較的低いG2の場合、両者の中間の特性となる。
【0037】
このように、消費者の原水硬度によって軟水化手段17の再生時期が異なるので、本実施例のように原水硬度と積算通水量の両方を管理することは非常に重要である。つまり、原水硬度が高い消費者の軟水化手段17では、短い周期でイオン交換樹脂の再生を行なう必要があるが、原水硬度が低い消費者の軟水化手段17では、比較的長期に渡りイオン交換樹脂を利用することができ、それぞれの消費者に合致した効率的な個別対応が可能となる。
【0038】
図5で明らかなように、消費者の原水硬度Gと積算通水量Lの両方が管理できると、消費者の軟水化手段17を再生する時期(例えば、通水量がL1、L2、L3等になる時期)が予め予測できるので、サービス会社からサービスマンを出張させ、消費者の軟水化手段17をタイミング良く再生または交換できる(図4の番号▲4▼)。ここで、再生/交換作業はサービス会社のサービスマンが出張して行なうので(図4の矢印104)、消費者の手を煩わせることは一切ない。なお、図3の水処理器16では再生手段29を搭載しているので、サービスマンは再生用の塩(食塩など)を持って行って、塩を再生手段29に投入し、再生スイッチを押すなどの手段で、自動的に再生処理を行なえばよい。再生手段29内では、投入された食塩を溶かして食塩水を作り、食塩水を軟水化手段17内のイオン交換樹脂に通水、洗浄させれば、イオン交換樹脂がほぼ元の状態に復帰する。なお、管理会社ホストコンピュータ15からの指示により、塩が再生手段29に自動投入され、再生手段29が動作されて軟水化手段17の再生が自動的に行なわれるようにしておくことが好ましい。即ち、再生手段29を消費者端末装置21に接続し、ホストコンピュータ15で予測した軟水化手段17のメンテナンス時期を消費者端末装置21に受信して再生手段29を当該メンテナンス時期に消費者端末装置21により自動的に動作させるようにすることが好ましい。このようにすることにより、メンテナンス作業をより一層容易にすることができる。
【0039】
再生手段29を搭載していない水処理器16においては、サービスマンは出張時に新品のイオン交換樹脂を持参し、水処理器16の軟水化手段17の再生すべき古いイオン交換樹脂と入れ替えればよい。
【0040】
消費者は、イオン交換樹脂を再生するか交換するかは選択できるが、別品と交換するメリットとして以下のことも挙げられる。つまり、サービスマンが入れ替え(交換)してサービス会社に持ち帰った古いイオン交換樹脂は、サービス会社内で再生処理が行なわれるが、この時、再生処理と併せて殺菌処理や脱臭処理等を行なうことができるので、より衛生的で清潔なイオン交換樹脂を維持管理し、常に消費者に提供できる。
【0041】
通信ネットワーク14を介して以下のようなこともできる。一つは、管理会社ホストコンピュータ15から消費者21や販売会社30に定期的に新情報等を提供することである(図4の番号▲5▼)。送られる新情報(図4の矢印103及び105)としては、新製品情報やメンテナンス情報、料金情報等がある。一方、消費者からはその情報入手に加え、困った時のQ&A対応も可能である。
【0042】
管理会社ホストコンピュータ15は、金融業者端末装置32を通して所定期間毎に納金された会費に基づいて、消費者端末装置21との間で行われる各種情報の送受信にかかる費用や販売会社の軟水化手段のメンテナンス作業にかかる費用の精算を行なう機能を有している。このように、納金された会費を元に運営されるので、作業を行なう度に費用負担が生じない。
【0043】
次に、本発明の第2実施例から第9実施例について図6から図13を用いて説明する。この第2実施例から第9実施例は、次に述べる各実施例の説明の通り第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
【0044】
図6は本発明の第2実施例の給水管理システムの給水設備の構成図である。この第2実施例では、ヒートポンプ式給湯機1内に貯水タンク18を設けた例である。貯水タンク18は給湯配管8の凝縮器4の流入側と流出側を連結する位置に設けられている。これにより、貯水タンク18の一端18aから常温水を流入させることができると共に、他端18bから高温水を流入させることができるので、貯水タンク18内で常温水と高温水が適度に混合されて所望の温度を有する温水を貯水タンク18の中間部18cから得ることができる。
【0045】
また、貯水タンク18は必要水量、必要温度の給水を溜めるタンクとしても利用できる。貯水タンク18の容量としては、小さなものでは50〜60リットル程度、中間のものでは100〜150リットル程度、大きなものでは200〜300リットル程度のものが用いられ、主用途や設置スペース等に応じて選ぶことが可能である。特に大容量のタンク18は、風呂水への給水等に有効利用できる。
【0046】
図7は本発明の第3実施例の給水管理システムの給水設備の構成図である。この第3実施例は、ヒートポンプ式給湯機1の冷凍サイクル配管2の一部(圧縮機3の吐出側及び吸込み側)に四方弁19を設けた例である。このように四方弁19を設けると、ヒートポンプ式給湯機1の冷凍サイクルで給水(給湯配管8)の加熱(昇温)と冷却(降温)の両方ができるようになる。ヒートポンプ式冷凍サイクルの詳細は一般的なので説明を省略するが、四方弁19を切り替えることにより、凝縮器4になったり蒸発器4になったりすることができ、凝縮器4の場合には給水の昇温(温水提供)ができ、蒸発器4の場合には給水の降温(冷水提供)ができる。このように構成すると、各種設備12に温水を供給することもできるし、冷水を供給することもできる。例えば、冷水は、室内冷房や物体冷却等の冷却熱源として利用でき、給水設備70の応用範囲が広がる。
【0047】
図8は本発明の第4実施例の給水管理システムの給水設備の構成図である。この第4実施例は、第2実施例と同様に貯湯タンク18を有すると共に、ヒートポンプ式給湯機1に代えて電気式温水器20を利用した例である。電気式温水器20の熱源はジュール熱を利用するヒータ等であり、貯水タンク18を利用し、安価な夜間電力を利用して貯水タンク18に給水して貯水しておくことも可能である。場合によっては蓄熱槽等を併用してもよい。
【0048】
上述した図7の例では貯水タンク18無しの例を示し、図8の例では貯水タンク18有りの例を示したが、逆に図7に貯水タンク18を付加しても、図8から貯水タンク18を取り除いた構成であってもよい。
【0049】
図9は本発明の第5実施例の給水管理システムの給水設備の構成図である。この第5実施例は、給湯機1とは独立して水処理器16が設置される例で、消費者端末装置21が水処理器16に配置され、通水情報検出器25が消費者端末装置21に接続されており、給湯機1の有無にかかわらず利用できる給水管理システム60である。つまり、給湯機1がなくても利用できる給水管理システム60である。ここで、給水管理システム60は、第5実施例の給水設備70を有する消費者と第1実施例の給水設備70を有する消費者とが混在するものであってもよい。
【0050】
図10は本発明の第6実施例の給水管理システムの要部構成図である。この第6実施例の給水管理システムは、利用する制御手段27、通信手段28及び消費者端末装置21を給湯機1側の装備を利用し、給湯機1から通信ネットワーク14を介してホストコンピュータ15、販売会社端末装置30及び金融業者端末装置32等と情報をやり取りするものである。これによって、水処理器16は必要最小限の装備でよくなり、簡単な構成とすることができる。
【0051】
図11は本発明の第7実施例の給水管理システムの要部構成図である。この第7実施例は、水処理器16内に再生手段を具備しない例である。イオン交換樹脂の再生時には、サービスマンが新品のイオン交換樹脂と入れ替えることになる。なお、図11では、イオン交換樹脂を内蔵した2式の軟水化手段17a、17bを設けており、軟水化手段17の交換能力を倍増させることもできるし、一方を予備として保管する利用法も可能である。
【0052】
図12は本発明の第8実施例の給水管理システムの要部構成図である。この第8実施例は、水処理器16には中空糸膜や活性炭で構成される浄水化手段24と、陽イオン交換樹脂で構成される軟水化手段17以外に、水質を左右するその他の異物質を取り除くイオン交換樹脂等で構成される処理手段26も備えた例である。水質を左右する異物質としては、塩素イオン、硫酸イオン、重炭酸イオン、遊離炭酸、溶存酸素、シリカ、鉄や鉛等の金属等があり、処理手段26として、塩素イオンや硫酸イオン等の陰イオンを除去する陰イオン交換樹脂等を利用してもよい。また、処理手段26は多孔性樹脂やキレート樹脂等で構成されていてもよい。
【0053】
なお、処理手段26や浄水化手段24もいずれは能力低下に陥るので、前記給水管理システムと同様のシステムで管理してもよい。また、処理手段26や浄水化手段24が軟水化手段17と一体のカートリッジで構成されており、給水管理システムによる軟水化手段17の再生または交換時に、一緒に交換するようにしてもよい。
【0054】
図13は本発明の第9実施例の給水管理システムの要部構成図である。この第9実施例は、軟水化手段17を具備した水処理器16に付設して表示手段22が配線23を介して具備された例である。軟水化手段17内のイオン交換樹脂の取り替え時には、表示手段22を介して取り替えサインを発信し、消費者にイオン交換樹脂の取り替え作業を促すことができる。この場合、サインにより消費者自らがイオン交換樹脂の再生を行なうこともできるし、表示手段22により家庭内通水量把握や軟水化手段能力把握等の各種情報を消費者が知ることも可能である。なお、給湯機1を具備したシステムにおいては、表示手段22に給水設備1の情報を表示してもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、水処理器の装備を簡単にすることができると共にイオン交換樹脂を有する水処理器のメンテナンス時期の予測を行なうことができる給水管理システム及び給水管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の給水管理システムの構成図。
【図2】図1の給水設備の構成図。
【図3】図2の給水設備の主要構成部品を示す機能ブロック図。
【図4】図1の給水管理システムの運用例を示す図。
【図5】図1の軟水化手段の給水量に対する出水硬度の特性を示す図。
【図6】本発明の第2実施例の給水管理システムの給水設備の構成図。
【図7】本発明の第3実施例の給水管理システムの給水設備の構成図。
【図8】本発明の第4実施例の給水管理システムの給水設備の構成図。
【図9】本発明の第5実施例の給水管理システムの給水設備の構成図。
【図10】本発明の第6実施例の給水管理システムの要部構成図。
【図11】本発明の第7実施例の給水管理システムの要部構成図。
【図12】本発明の第8実施例の給水管理システムの要部構成図。
【図13】本発明の第9実施例の給水管理システムの要部構成図。
【符号の説明】
1…給湯機、2…冷媒配管、3…圧縮機、4…凝縮器、5…膨張弁、6…蒸発器、8…給湯配管、9…給水本管、10…制御弁、11…ポンプ、12…給水利用設備、13…常温水配管、14…通信ネットワーク、15…管理会社ホストコンピュータ、16…水処理器、17…軟水化手段、18…貯水タンク、19…四方弁、20…電気温水器、21…消費者端末装置、22…表示手段、24…浄水化手段、25…通水情報検出器、26…処理手段、27…制御手段、28…通信手段、29…再生手段、30…販売会社端末装置、31…データベース、32…金融業者端末装置、50…送信手段、60…給水管理システム、70…給水設備。
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水管理システム及び給水管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水処理器を用いて家庭内で利用する水を軟水化することが行なわれている。利用水を軟水化する手段として、一般に、硬度成分(カルシウムイオンやマグネシウムイオン等)の除去効率の高い陽イオン交換樹脂が使われる。しかし、イオン交換樹脂は所定量の硬度成分を除去すると、塩や塩水などを用いて定期的に再生作業をしたり、イオン交換樹脂の交換作業をしたりする必要がある。
【0003】
イオン交換樹脂を有する水処理器を備えた従来の給水管理システムとしては、特開2002−109296号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この特許文献1の給水管理システムでは、消耗品又は寿命交換品の適正な供給時期を、消耗品又は寿命交換品を搭載する水処理器が消費者に代わって自動判定を行い、携帯電話類の通信周波数帯を利用して自動購入手配メールをインターネット環境に送信し、そのメールを生産メーカが受信して自動商品生産計画を立てて、その生産計画から計算された商品発送日又は交換作業日を販社又は水処理器にメール送信し、後日生産された商品を商品発送日に発送し、消費者に適正時期に商品納品又は販社による交換作業を提供するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−109296号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の給水管理システムでは、水処理器自らが消耗品や交換品の供給時期の自動判定を行なうため、水処理器が非常に重装備(部品点数、占有容積が多い)となり、高価なものになってしまうという問題点があった。また、利用水の原水硬度を把握しておくことが水処理器のメンテナンス時期の判定にとって非常に重要であるが、その事については特許文献1では特に言及されていない。
【0006】
本発明の目的は、水処理器の装備を簡単にすることができると共にイオン交換樹脂を有する水処理器のメンテナンス時期の予測を行なうことができる給水管理システム及び給水管理方法を提供することにある。
【0007】
なお、本発明のその他の目的と有利点は以下の記述から明らかにされる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、イオン交換樹脂を有する軟水化手段及びこの軟水化手段の通水状態を検出する通水情報検出器を具備した水処理器と、前記通水情報検出器で検出した通水情報を通信ネットワークを介して送信する消費者端末装置と、複数の前記消費者端末装置に対応する消費者固有情報を格納したデータベースを具備すると共に複数の前記消費者端末装置に前記通信ネットワークを介して接続される管理会社ホストコンピュータとを備えた給水管理システムにおいて、前記ホストコンピュータは前記消費者端末装置から送信される通水情報に基づいて前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測する機能を有する構成にしたことにある。
【0009】
また、本発明は、イオン交換樹脂を有する軟水化手段及び軟水化手段の通水状態を検出する通水情報検出器を具備した水処理器と、前記通水情報検出器で検出した通水情報を通信ネットワークを介して送信する消費者端末装置と、複数の前記消費者端末装置に対応する消費者の固有情報を格納したデータベースを具備すると共に前記複数の消費者端末装置に通信ネットワークを介して接続される管理会社ホストコンピュータとを備えた給水管理システムの給水管理方法において、前記消費者端末装置から送信される通水情報に基づいて前記管理会社ホストコンピュータで前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測するようにしたことにある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施例を、図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
【0011】
本発明の第1実施例を図1から図5を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施例の給水管理システムの構成図、図2は図1の給水設備の構成図、図3は図2の給水設備の主要構成部品を示す機能ブロック図、図4は図1の給水管理システムの運用例を示す図、図5は図1の軟水化手段の給水量に対する出水硬度の特性を示す図である。
【0012】
図1に示すように、給水管理システム60は、一般家庭などに配置される給水設備70と、水処理器16の販売業者が管理する販売会社端末装置30と、金融業者が管理する金融業者端末装置32と、通信ネットワーク14と、この給水管理システムの管理者が運営する管理会社ホストコンピュータ15とから構成されている。給水設備70は給湯機1及び水処理器16を備えて構成されている。また、給水設備70は、水を消費する一般家庭などの消費者のところにそれぞれ配置され、通信ネットワーク14に複数が接続されることとなる。ここで、販売会社端末装置30を有する販売会社は、水処理器16の販売会社と給湯機1の販売会社が同じメーカである必要はない。また、金融業者は銀行や郵便局等の金融業者であるが、金の支払いや振込みは銀行や郵便局の窓口だけでなく、コンビニや商店等であってもよい。
【0013】
給湯機1は、水処理器16により水処理された処理水を加熱して温水として家庭内の利用場所に供給するものである。給湯機1には、それぞれ消費者端末装置21が設けられている。この消費者端末装置21は、給水管理システム60の端末機として機能すると共に、給湯機1の制御装置として機能するものである。消費者端末装置21は、インターネットなどの通信ネットワーク14を介して管理会社ホストコンピュータ15、販売会社端末装置30及び金融業者端末装置32に接続される。
【0014】
水処理器16は、家庭内に供給される原水を水処理して給湯機1に供給したり、家庭内の利用場所に直接供給したりするものである。水処理器16には、軟水化手段17、通水情報検出器25及び通信手段28が設けられている。水処理器16は、イオン交換樹脂を有しており、原水を軟水化する機能を有している。通水情報検出器25は、通水情報を検出するものであり、通水量を積算的に検知する積算流量計などで構成される。この通水情報検出器25は、通信手段28に接続され、さらには、インターネットなどの通信ネットワーク14を介して管理会社ホストコンピュータ15、販売会社端末装置30及び金融業者端末装置32に接続される。
【0015】
管理会社ホストコンピュータ15は、インターネットなどの通信ネットワーク14に接続されると共に、給水管理システム60に加入している各消費者の固有情報を格納するデータベース31を備えている。データベース31は、給水管理システム60に係るデータを格納するものであり、給水管理システム60を管理運営するためのデータと共に水処理に係る特有のデータを格納している。
【0016】
図2に示すように、給湯機1は、使用冷媒としてノンフロンガスである自然冷媒(例えば二酸化炭素CO2)を利用したヒートポンプ式給湯機で構成されている。これによって、地球環境に優しい給湯機1となっている。この給湯機1は、冷凍サイクルと給湯回路とを備えて構成されている。なお、ヒートポンプ式給湯機1は、屋外の軒下、屋上等に設置されることが好ましいが、場合によっては屋内または地下室等であってもよい。
【0017】
冷凍サイクルは、圧縮機3と凝縮器4と膨張弁または膨張機構5と蒸発器6とを冷媒配管2で順に接続することにより構成されている。ここで、圧縮機3は低温低圧の気体冷媒を圧縮して高温高圧の気体冷媒にする機能を有する。凝縮器4は、高温高圧の気体冷媒と低温の水などの被加熱物質とを熱交換させ、被加熱物質を昇温させる機能を有する。凝縮器4での熱交換によって、高温高圧の気体冷媒は液化する。膨張弁(膨張機構)5は、液化された高温高圧冷媒を低温低圧の気液二相流冷媒にして蒸発器6に送る機能を有する。蒸発器6は、低温低圧の気液二相流冷媒と水や空気などの被冷却物質を熱交換させ、被冷却物質を降温させる機能を有する。蒸発器6での熱交換によって、気液二相流冷媒は低温低圧の気体冷媒となる。ここで、蒸発器6で熱交換される被冷却物質は外気であり、送風機6a等で強制送風される。また、凝縮器4は冷媒側熱交換器4aと水側熱交換器4bから構成されている。凝縮器4で熱交換される被加熱物質は軟水化手段17から利用水(処理水)である。
【0018】
給湯回路は、制御弁10、ポンプ11、水側熱交換器4b及び給湯配管8から構成されている。水側熱交換器4bは、その入口側がポンプ11及び制御弁10を介して軟水化手段17に接続され、その出口側が各種給水利用設備12に接続されている。給水利用設備12は、例えば、風呂12a、洗濯機12b、台所12cなどである。制御弁10が開路することにより、軟水化手段17で軟水化された処理水が水側熱交換器4bに送水されて加熱される。また、給水利用設備12で処理水が利用されることにより、ポンプ11が運転され、水側熱交換器4bで温水となった処理水が給湯配管8を通して給水利用設備12に供給される。
【0019】
図3に示すように、水処理器16は、消費者端末装置21、軟水化手段17、浄水化手段24、流量検出器25、制御手段27、通信手段28、及び再生手段29が具備されている。水処理器16は、陽イオン交換樹脂等で構成される軟水化手段17と中空糸膜や活性炭等で構成される浄水化手段24と共に、陰イオンを除去する陰イオン交換樹脂等で構成される処理手段も併せて具備している方がより好ましい。
【0020】
軟水化手段17は、硬度成分を除去する陽イオン交換樹脂を有して構成され、その入口側が家庭内への引き込み給水本管9に接続され、その出口側が給湯機1(制御弁10を介して)及び常温水配管13に接続されている。給水本管9は水道水や井戸水等の原水が送水される配管である。原水が軟水化手段17を通ることにより、原水の硬度成分か除去されて軟水化される。基本的には、硬度ゼロの完全な軟水を作ることが最も望ましいが、硬度0〜10ppm程度の軟水であってもよい。ここで、軟水化性能は、イオン交換樹脂の封入容量や通水速度で調節できる。
【0021】
そして、水処理器16に流入した原水9は、まず中空糸膜や活性炭等で構成される浄水化手段24に入り、塩素、トリハロメタン、重金属や汚れ、かび臭等が除去され、流量検出器25に至る。積算流量計25を通過した水は次に軟水化手段17に至り、硬度成分が除去されて軟水化する。そして、水処理器16から流出して行く。ここで、流量検出器25の設置位置は図3の場所に限る必要はないが、浄水化手段24の下流側が好ましい。また、通水情報検出器として、該積算流量計25と併せて他のセンサ、例えば水道水圧センサを利用してもよい。
【0022】
さらに、再生手段29は軟水化手段17を再生させるもので、制御手段27は該積算流量計25に指令を出し、通水量を数値として入手し、通信手段28と消費者端末装置21をコントロールすることもできる。
【0023】
図2に示すように、軟水化手段17を通過した軟水は、その後分岐されて、一方がそのままの温度で軟水化された常温水(常温水配管13)として利用され、他方がヒートポンプ式給湯機1に導かれ、昇温されて温水として給湯配管8を通して利用される。給湯配管8には、制御弁10や昇圧ポンプ11が設けられているが、これらの部品は図2の設置位置に限る必要はなく、それぞれ複数台設置されてもよく、さらには具備されていない設備であってもよい。
【0024】
給湯配管8で供給される温水は、ヒートポンプ式給湯機1の凝縮器4内で、前述したように高温高圧の気体冷媒と熱交換することで昇温されるもので、自然冷媒として二酸化炭素を利用すれば、最高温度90℃程度までの温水を得ることができるので、それ以下の温度であれば任意に温度調節が可能である。
【0025】
家庭内の各種給水利用設備12には、いずれも軟水化された高温水8と常温水13の両方が導かれ、温調機能付き水栓等で適温に調節して出水される。なお、各種設備12には常温水配管13を設置せず、給湯配管8の高温水のみを導き、その供給温度を制御するようにしてもよい。高温水8等の給湯温度制御は、凝縮器4の熱交換能力のコントロール等で行なうことができる。
【0026】
図4を参照しながら給水管理システム60の運用例を説明する。
【0027】
消費者Aが軟水化手段17を具備した水処理器16を購入及び/または設置した時に、販売会社端末装置30から初期データとして、消費者Aの郵便番号、住所、電話番号の内、少なくとも一つ(消費者端末装置21に対応する消費者固有情報)を入力することにより、管理会社ホストコンピュータ15のデータベース31にその情報が登録される(図4の矢印101)。ここで、入力する消費者情報は、郵便番号、住所、電話番号の内、最低一つでも構わないが、できるだけ多くの情報を入力することが望ましく、さらには、前記以外の消費者情報、例えば家族構成や家庭内の各種設備12等を入力することも、より望ましい。
【0028】
また、消費者Aの郵便番号、住所、電話番号等の入力を、販売会社端末装置30から行なう例を示したが、通信ネットワーク14を介して販売会社端末装置30と消費者端末装置21、管理会社ホストコンピュータ15がそれぞれつながっているので、該情報の入力は消費者端末装置21または管理会社ホストコンピュータ15のいずれかで行ってもよい。
【0029】
消費者Aを特定する情報が登録されると、データベース31内に納められた全国水道水硬度データベースを利用して消費者Aの利用する水道水等の原水硬度が求められ、消費者Aと関連付けられてデータベース31に格納される(図4の番号▲1▼)。データベース31に納められた全国水道水硬度データベースは、例えば、浄水場名、水源名及び水源種類と、利用する水道水の原水硬度の関係がマップ化されている。ここで、浄水場名、水源名及び水源種類は、前記消費者の郵便番号、住所、電話番号等によりほとんど特定できるので、以下の流れで消費者の利用する原水硬度を求めることができる。つまり、「消費者の郵便番号、住所、電話番号等の入力」→「消費者の利用する浄水場名、水源名、水源種類の特定」→「消費者の利用原水硬度の算出」の流れである。
【0030】
なお、全国水道水硬度データベースは、水道統計等の水質データを基にしてサービス会社自らが作成してもよいし、市販されているソフト等を利用してもよい。さらには、データベース31には、原水硬度値(ppm)のみならず、家庭で利用する水質の安全性を左右するその他物質(例えば、塩素イオン、硫酸イオン、重炭酸イオン、遊離炭酸、溶存酸素、シリカ、鉄や鉛等の金属)の含有数値等を併せて納めておくことが望ましい。また、全国水道水硬度データベースを利用せず、利用する原水の硬度をサービス会社もしくは消費者A自身が実測し、その実測した原水硬度値を入力してデータベース31に格納するようにしても差し支えない。特に、利用原水が水道水ではなく、自宅の井戸水や地下水等の特定水である場合は、その原水硬度値を直接入力することになる。なお、前記方法で原水硬度が把握、登録できなかった場合は、日本国内では原水硬度値として100ppmを登録されるようになっている。
【0031】
その後、消費者Aが軟水化手段17を具備した水処理器16を用いると、以下のことが通信ネットワーク14を介して行われる。
【0032】
水処理器16が利用(通水)されると、積算流量計25が通水量を検知しはじめる。もちろん、イオン交換樹脂の取り替え時に、積算流量計25をリセットさせておく(積算通水量をゼロにしておく)。そして、積算通水量は、制御手段27、通信手段28、消費者端末装置21及び通信ネットワーク14を介して管理会社ホストコンピュータ15に送られ(図4の矢印102)、管理会社ホストコンピュータ15で受信されて、管理される(図4の番号▲2▼)。管理会社ホストコンピュータ15では、複数の消費者から送られてくる積算通水量等の通水情報は一括管理される。なお、制御手段27、通信手段28及び消費者端末装置21は一台のパソコン等に全て内蔵されていてもよい。
【0033】
ここで、積算通水量の送信は、通水のたび(例えば、通水開始時または終了時)に送信してもよいし、常時送信していてもよいし、定期的(例えば、一定時間毎または週1回、所定日数毎)に送信してもよい。なぜなら、システムとしてのイオン交換樹脂の再生周期を略1ケ月程度と考えると、軟水化手段17の性能は急に低下することはないからである。
【0034】
このようにして、管理会社ホストコンピュータ15は、それぞれの消費者側水処理器16の積算通水量を、例えばモニタリングしながら一括管理し、各消費者の軟水化手段17のメンテナンス時期(交換時期や再生時期など)を予測する(図4の番号▲3▼)。その予測法を図5を用いて説明する。
【0035】
積算流量計25で検出される積算通水量Lと、軟水化手段17を通過した利用する水の出水硬度Gの関係は図5に示す通りである。本実施例では、上述したように消費者の原水硬度がわかっているので、軟水化手段17の仕様(例えば、イオン交換樹脂量や通水性能)と通水量がわかれば、軟水化手段17を出た利用水(軟水)の出水硬度は図5に基づいて容易に予測できる。ここで、軟水化手段17は着脱容易なカートリッジ式にしてその型番と仕様を決めておけば、利用する軟水化手段17の型番と検出した通水量とに基づいて容易に予測できる。
【0036】
例えば、消費者の原水硬度が比較的高いG1の場合、通水初期は安定して硬度ゼロの軟水を供給できるが、ある程度通水量が増えてくると軟水化手段17のイオン交換能力が低下し、徐々に出水硬度が上昇しはじめる。図5では通水量L1当たりから出水硬度が上昇しはじめ、そのまま軟水化手段17を使い続けると交換能力がなくなり、最後には出水硬度が原水硬度G1と同じになってしまう。ここで、硬度ゼロの軟水を出水として得るには、軟水化手段17を通水量L1の時点で、すみやかに再生または新品と交換することが必要となる。一方、消費者の原水硬度がかなり低いG3の場合、原水硬度がG1の場合に比べ通水量が増えても安定して硬度ゼロの軟水を供給できる。しかしながら、いずれは軟水化手段17の交換能力が低下し、徐々に出水硬度が上昇し始める。図5では通水量L3当たりから出水硬度が上昇し始め、軟水化手段17を通水量L3の時点で再生または交換することが必要となる。消費者の原水硬度が比較的低いG2の場合、両者の中間の特性となる。
【0037】
このように、消費者の原水硬度によって軟水化手段17の再生時期が異なるので、本実施例のように原水硬度と積算通水量の両方を管理することは非常に重要である。つまり、原水硬度が高い消費者の軟水化手段17では、短い周期でイオン交換樹脂の再生を行なう必要があるが、原水硬度が低い消費者の軟水化手段17では、比較的長期に渡りイオン交換樹脂を利用することができ、それぞれの消費者に合致した効率的な個別対応が可能となる。
【0038】
図5で明らかなように、消費者の原水硬度Gと積算通水量Lの両方が管理できると、消費者の軟水化手段17を再生する時期(例えば、通水量がL1、L2、L3等になる時期)が予め予測できるので、サービス会社からサービスマンを出張させ、消費者の軟水化手段17をタイミング良く再生または交換できる(図4の番号▲4▼)。ここで、再生/交換作業はサービス会社のサービスマンが出張して行なうので(図4の矢印104)、消費者の手を煩わせることは一切ない。なお、図3の水処理器16では再生手段29を搭載しているので、サービスマンは再生用の塩(食塩など)を持って行って、塩を再生手段29に投入し、再生スイッチを押すなどの手段で、自動的に再生処理を行なえばよい。再生手段29内では、投入された食塩を溶かして食塩水を作り、食塩水を軟水化手段17内のイオン交換樹脂に通水、洗浄させれば、イオン交換樹脂がほぼ元の状態に復帰する。なお、管理会社ホストコンピュータ15からの指示により、塩が再生手段29に自動投入され、再生手段29が動作されて軟水化手段17の再生が自動的に行なわれるようにしておくことが好ましい。即ち、再生手段29を消費者端末装置21に接続し、ホストコンピュータ15で予測した軟水化手段17のメンテナンス時期を消費者端末装置21に受信して再生手段29を当該メンテナンス時期に消費者端末装置21により自動的に動作させるようにすることが好ましい。このようにすることにより、メンテナンス作業をより一層容易にすることができる。
【0039】
再生手段29を搭載していない水処理器16においては、サービスマンは出張時に新品のイオン交換樹脂を持参し、水処理器16の軟水化手段17の再生すべき古いイオン交換樹脂と入れ替えればよい。
【0040】
消費者は、イオン交換樹脂を再生するか交換するかは選択できるが、別品と交換するメリットとして以下のことも挙げられる。つまり、サービスマンが入れ替え(交換)してサービス会社に持ち帰った古いイオン交換樹脂は、サービス会社内で再生処理が行なわれるが、この時、再生処理と併せて殺菌処理や脱臭処理等を行なうことができるので、より衛生的で清潔なイオン交換樹脂を維持管理し、常に消費者に提供できる。
【0041】
通信ネットワーク14を介して以下のようなこともできる。一つは、管理会社ホストコンピュータ15から消費者21や販売会社30に定期的に新情報等を提供することである(図4の番号▲5▼)。送られる新情報(図4の矢印103及び105)としては、新製品情報やメンテナンス情報、料金情報等がある。一方、消費者からはその情報入手に加え、困った時のQ&A対応も可能である。
【0042】
管理会社ホストコンピュータ15は、金融業者端末装置32を通して所定期間毎に納金された会費に基づいて、消費者端末装置21との間で行われる各種情報の送受信にかかる費用や販売会社の軟水化手段のメンテナンス作業にかかる費用の精算を行なう機能を有している。このように、納金された会費を元に運営されるので、作業を行なう度に費用負担が生じない。
【0043】
次に、本発明の第2実施例から第9実施例について図6から図13を用いて説明する。この第2実施例から第9実施例は、次に述べる各実施例の説明の通り第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
【0044】
図6は本発明の第2実施例の給水管理システムの給水設備の構成図である。この第2実施例では、ヒートポンプ式給湯機1内に貯水タンク18を設けた例である。貯水タンク18は給湯配管8の凝縮器4の流入側と流出側を連結する位置に設けられている。これにより、貯水タンク18の一端18aから常温水を流入させることができると共に、他端18bから高温水を流入させることができるので、貯水タンク18内で常温水と高温水が適度に混合されて所望の温度を有する温水を貯水タンク18の中間部18cから得ることができる。
【0045】
また、貯水タンク18は必要水量、必要温度の給水を溜めるタンクとしても利用できる。貯水タンク18の容量としては、小さなものでは50〜60リットル程度、中間のものでは100〜150リットル程度、大きなものでは200〜300リットル程度のものが用いられ、主用途や設置スペース等に応じて選ぶことが可能である。特に大容量のタンク18は、風呂水への給水等に有効利用できる。
【0046】
図7は本発明の第3実施例の給水管理システムの給水設備の構成図である。この第3実施例は、ヒートポンプ式給湯機1の冷凍サイクル配管2の一部(圧縮機3の吐出側及び吸込み側)に四方弁19を設けた例である。このように四方弁19を設けると、ヒートポンプ式給湯機1の冷凍サイクルで給水(給湯配管8)の加熱(昇温)と冷却(降温)の両方ができるようになる。ヒートポンプ式冷凍サイクルの詳細は一般的なので説明を省略するが、四方弁19を切り替えることにより、凝縮器4になったり蒸発器4になったりすることができ、凝縮器4の場合には給水の昇温(温水提供)ができ、蒸発器4の場合には給水の降温(冷水提供)ができる。このように構成すると、各種設備12に温水を供給することもできるし、冷水を供給することもできる。例えば、冷水は、室内冷房や物体冷却等の冷却熱源として利用でき、給水設備70の応用範囲が広がる。
【0047】
図8は本発明の第4実施例の給水管理システムの給水設備の構成図である。この第4実施例は、第2実施例と同様に貯湯タンク18を有すると共に、ヒートポンプ式給湯機1に代えて電気式温水器20を利用した例である。電気式温水器20の熱源はジュール熱を利用するヒータ等であり、貯水タンク18を利用し、安価な夜間電力を利用して貯水タンク18に給水して貯水しておくことも可能である。場合によっては蓄熱槽等を併用してもよい。
【0048】
上述した図7の例では貯水タンク18無しの例を示し、図8の例では貯水タンク18有りの例を示したが、逆に図7に貯水タンク18を付加しても、図8から貯水タンク18を取り除いた構成であってもよい。
【0049】
図9は本発明の第5実施例の給水管理システムの給水設備の構成図である。この第5実施例は、給湯機1とは独立して水処理器16が設置される例で、消費者端末装置21が水処理器16に配置され、通水情報検出器25が消費者端末装置21に接続されており、給湯機1の有無にかかわらず利用できる給水管理システム60である。つまり、給湯機1がなくても利用できる給水管理システム60である。ここで、給水管理システム60は、第5実施例の給水設備70を有する消費者と第1実施例の給水設備70を有する消費者とが混在するものであってもよい。
【0050】
図10は本発明の第6実施例の給水管理システムの要部構成図である。この第6実施例の給水管理システムは、利用する制御手段27、通信手段28及び消費者端末装置21を給湯機1側の装備を利用し、給湯機1から通信ネットワーク14を介してホストコンピュータ15、販売会社端末装置30及び金融業者端末装置32等と情報をやり取りするものである。これによって、水処理器16は必要最小限の装備でよくなり、簡単な構成とすることができる。
【0051】
図11は本発明の第7実施例の給水管理システムの要部構成図である。この第7実施例は、水処理器16内に再生手段を具備しない例である。イオン交換樹脂の再生時には、サービスマンが新品のイオン交換樹脂と入れ替えることになる。なお、図11では、イオン交換樹脂を内蔵した2式の軟水化手段17a、17bを設けており、軟水化手段17の交換能力を倍増させることもできるし、一方を予備として保管する利用法も可能である。
【0052】
図12は本発明の第8実施例の給水管理システムの要部構成図である。この第8実施例は、水処理器16には中空糸膜や活性炭で構成される浄水化手段24と、陽イオン交換樹脂で構成される軟水化手段17以外に、水質を左右するその他の異物質を取り除くイオン交換樹脂等で構成される処理手段26も備えた例である。水質を左右する異物質としては、塩素イオン、硫酸イオン、重炭酸イオン、遊離炭酸、溶存酸素、シリカ、鉄や鉛等の金属等があり、処理手段26として、塩素イオンや硫酸イオン等の陰イオンを除去する陰イオン交換樹脂等を利用してもよい。また、処理手段26は多孔性樹脂やキレート樹脂等で構成されていてもよい。
【0053】
なお、処理手段26や浄水化手段24もいずれは能力低下に陥るので、前記給水管理システムと同様のシステムで管理してもよい。また、処理手段26や浄水化手段24が軟水化手段17と一体のカートリッジで構成されており、給水管理システムによる軟水化手段17の再生または交換時に、一緒に交換するようにしてもよい。
【0054】
図13は本発明の第9実施例の給水管理システムの要部構成図である。この第9実施例は、軟水化手段17を具備した水処理器16に付設して表示手段22が配線23を介して具備された例である。軟水化手段17内のイオン交換樹脂の取り替え時には、表示手段22を介して取り替えサインを発信し、消費者にイオン交換樹脂の取り替え作業を促すことができる。この場合、サインにより消費者自らがイオン交換樹脂の再生を行なうこともできるし、表示手段22により家庭内通水量把握や軟水化手段能力把握等の各種情報を消費者が知ることも可能である。なお、給湯機1を具備したシステムにおいては、表示手段22に給水設備1の情報を表示してもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、水処理器の装備を簡単にすることができると共にイオン交換樹脂を有する水処理器のメンテナンス時期の予測を行なうことができる給水管理システム及び給水管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の給水管理システムの構成図。
【図2】図1の給水設備の構成図。
【図3】図2の給水設備の主要構成部品を示す機能ブロック図。
【図4】図1の給水管理システムの運用例を示す図。
【図5】図1の軟水化手段の給水量に対する出水硬度の特性を示す図。
【図6】本発明の第2実施例の給水管理システムの給水設備の構成図。
【図7】本発明の第3実施例の給水管理システムの給水設備の構成図。
【図8】本発明の第4実施例の給水管理システムの給水設備の構成図。
【図9】本発明の第5実施例の給水管理システムの給水設備の構成図。
【図10】本発明の第6実施例の給水管理システムの要部構成図。
【図11】本発明の第7実施例の給水管理システムの要部構成図。
【図12】本発明の第8実施例の給水管理システムの要部構成図。
【図13】本発明の第9実施例の給水管理システムの要部構成図。
【符号の説明】
1…給湯機、2…冷媒配管、3…圧縮機、4…凝縮器、5…膨張弁、6…蒸発器、8…給湯配管、9…給水本管、10…制御弁、11…ポンプ、12…給水利用設備、13…常温水配管、14…通信ネットワーク、15…管理会社ホストコンピュータ、16…水処理器、17…軟水化手段、18…貯水タンク、19…四方弁、20…電気温水器、21…消費者端末装置、22…表示手段、24…浄水化手段、25…通水情報検出器、26…処理手段、27…制御手段、28…通信手段、29…再生手段、30…販売会社端末装置、31…データベース、32…金融業者端末装置、50…送信手段、60…給水管理システム、70…給水設備。
Claims (9)
- イオン交換樹脂を有する軟水化手段及びこの軟水化手段の通水状態を検出する通水情報検出器を具備した水処理器と、
前記通水情報検出器で検出した通水情報を通信ネットワークを介して送信する消費者端末装置と、
複数の前記消費者端末装置に対応する消費者固有情報を格納したデータベースを具備すると共に複数の前記消費者端末装置に前記通信ネットワークを介して接続される管理会社ホストコンピュータとを備えた給水管理システムにおいて、
前記管理会社ホストコンピュータは前記消費者端末装置から送信される通水情報に基づいて前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測する機能を有することを特徴とする給水管理システム。 - 前記管理会社ホストコンピュータは、そのデータベースに全国水道水硬度データを格納しており、前記水処理器の設置場所を特定する情報に基づいて前記全国水道水硬度データから当該水処理器の原水硬度を決定し、この原水硬度に基づいて前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の給水管理システム。
- 前記軟水化手段から給水される処理水を加熱して給水利用設備へ給湯する給湯機を備え、前記給湯機を制御する制御装置を利用して前記消費者端末装置を構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の給水管理システム。
- 前記消費者端末装置及び前記管理会社ホストコンピュータに対して前記通信ネットワークを介して販売会社端末装置及び金融業者端末装置を接続し、前記管理会社ホストコンピュータは、前記金融業者端末装置を通して所定期間毎に納金された会費に基づいて、前記消費者端末装置と管理会社ホストコンピュータとの間で行われる各種情報の送受信にかかる費用や販売会社が前記軟水化手段のメンテナンス作業にかかる費用の精算を行なう機能を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の給水管理システム。
- 前記水処理器に前記消費者端末装置を具備すると共に、前記消費者端末装置に表示手段を接続し、前記管理会社ホストコンピュータで予測した前記軟水化手段のメンテナンス時期を前記消費者端末装置に受信して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の給水管理システム。
- 前記軟水化手段を再生するための再生手段を前記水処理器に具備すると共に、前記再生手段を前記消費者端末装置に接続し、前記管理会社ホストコンピュータで予測した前記軟水化手段のメンテナンス時期を前記消費者端末装置に受信して前記再生手段を当該メンテナンス時期に前記消費者端末装置により動作させることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の給水管理システム。
- イオン交換樹脂を有する軟水化手段及び軟水化手段の通水状態を検出する通水情報検出器を具備した水処理器と、前記通水情報検出器で検出した通水情報を通信ネットワークを介して送信する消費者端末装置と、複数の前記消費者端末装置に対応する消費者の固有情報を格納したデータベースを具備すると共に前記複数の消費者端末装置に通信ネットワークを介して接続される管理会社ホストコンピュータとを備えた給水管理システムの給水管理方法において、
前記消費者端末装置から送信される通水情報に基づいて前記管理会社ホストコンピュータで前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測することを特徴とする給水管理方法。 - 前記水処理器の設置場所を特定する情報に基づいて、前記ホストコンピュータのデータベースに格納した全国水道水硬度データから当該水処理器の原水硬度を決定し、この原水硬度に基づいて前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測することを特徴とする請求項7に記載の給水管理方法。
- イオン交換樹脂を有する軟水化手段を具備した水処理器で検出した通水情報を送信する複数の消費者端末装置に通信ネットワークを介して接続される管理会社ホストコンピュータにおいて、
複数の前記消費者端末装置に対応する消費者固有情報を格納したデータベースを具備すると共に、前記消費者端末装置から送信される通水情報に基づいて前記軟水化手段のメンテナンス時期を予測する機能を有することを特徴とする管理会社ホストコンピュータ。
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JP2003164752A JP2005000748A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 給水管理システム及び給水管理方法 |
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JP (1) | JP2005000748A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007319778A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Sanyo Electric Co Ltd | 弱電解水生成装置 |
JP2009250575A (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-29 | Denso Corp | 給湯装置 |
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JP2018051497A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | マクセルホールディングス株式会社 | 水処理システム |
JP6754512B1 (ja) * | 2018-10-17 | 2020-09-09 | オルガノ株式会社 | 水質管理方法、イオン吸着装置、情報処理装置および情報処理システム |
-
2003
- 2003-06-10 JP JP2003164752A patent/JP2005000748A/ja active Pending
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