JP2005000338A - 自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システム - Google Patents
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Abstract
【課題】市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性値の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することのできる自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムを提供すること。
【解決手段】本発明の自動車ゲームシステム1は,自動車メーカシステム2に自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積した制御特性DB22を含むデータ部20を有し,自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを制御特性DB22から抽出し(2),抽出された設定データにより作成された仮想自動車による自動車ゲームをユーザPC3またはメーカシステム端末4でユーザに行わせるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の自動車ゲームシステム1は,自動車メーカシステム2に自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積した制御特性DB22を含むデータ部20を有し,自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを制御特性DB22から抽出し(2),抽出された設定データにより作成された仮想自動車による自動車ゲームをユーザPC3またはメーカシステム端末4でユーザに行わせるものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,コンピュータゲームによって自動車の挙動を簡易に試行するための自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムに関する。さらに詳細には,市販の自動車の各種特性を反映させたデータをゲーム中で使用する自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車は,購入したときのまま使用するだけでなく,各部分の特性値をユーザの好みや運転環境等に合わせて設定できるようになっているものがある。例えば,無段階の変速比で変速可能な無段変速機とその制御を行う電子制御ユニットとを備えた自動車が提案されている(例えば,特許文献1参照。)。この装置を有する自動車では自動変速モードか手動変速モードかを選択できる。さらにそのモードに応じて,電子制御ユニットでは,変速比範囲や変速速度等をドライバーの好みに合わせて詳細に設定することができる。
【0003】
あるいは,自動車にその特性を設定するための特性情報を入力して,その情報に適した特性に特性変更を行う装置および方法も提案されている(例えば,特許文献2参照。)。さらに,自動車には,エアロパーツやステアリングなど各種の取付あるいは交換可能なカスタマイズパーツが用意されている。さらに,そのカスタマイズパーツを取り付けることにより,新たに設定できるようになる特性項目もある。これらの技術によれば,ユーザの使用目的や好みに応じて,自動車をそのユーザに適した各種特性を有するものとすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−168339号公報
【特許文献2】
特開平6−297983号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来の各技術では,特性の設定を行ったことによる自動車の性能や挙動の変化を的確に予測することはできないものであった。自動車についての知識が豊富なユーザでは,設定による変化をある程度は予測できるものの,走行環境が変化した場合の影響等については把握しきれない場合が多い。さらに,カスタマイズパーツを取り付けた場合の性能の変化や,その部分に関する特性の設定についても同様である。これらの性能や挙動の変化を数値上でなく,ある程度実感として知る方法はなかった。そのため,自動車に対する特性値の設定やカスタマイズパーツの購入に先立って,それによる性能や挙動の変化をある程度実感として知りたいという要望があった。
【0006】
本発明は,前記した従来の各技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性値の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することのできる自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の自動車ゲーム提供方法は,自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置とを保有し,自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データをデータベースから抽出し(2),抽出された設定データにより自動車ゲーム装置上に仮想自動車を作成し(3),作成された仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の自動車ゲーム提供方法によれば,ユーザに入力された自動車の仕様とカスタマイズ可能項目の設定データとを利用した仮想自動車が作成される。ユーザは自動車ゲーム装置を利用して,この仮想自動車による自動車ゲームを行うことができるので,自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できる。また,カスタマイズ可能項目についての他の設定データを抽出して自動車ゲームを行うことにより,仮想的に設定変更を行うこともできる。従って,各種特性値の設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することができる。
【0009】
あるいは,本発明の自動車ゲーム提供方法は,自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースを保有し,自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データをデータベースから抽出し(2),抽出された設定データをユーザの自動車ゲーム装置に提供する(3)ことを特徴とするものであってもよい。
このようなものであれば,ユーザは自分の自動車ゲーム装置に自動車の設定データの提供を受けることができる。従って,より簡易に自動車の動力性能および燃費性能を試行できる。
【0010】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,データベース中のデータにはカスタムパーツに関するカスタマイズ可能項目のデータも含まれ,(1)の際,自動車の車種および装着しているカスタムパーツに関する情報を入力させることが望ましい。
このようにすれば,装着しているカスタムパーツにも対応した設定データが抽出される。
【0011】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(1)の際,あらかじめ用意された特定の仕様の自動車を示す情報をユーザの選択に供し,ユーザが選択した情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことが望ましい。
このようにすれば,特定の自動車の仕様を有していないユーザでも,自動車ゲームを行うことができる。また,自己の自動車とは異なる仕様の自動車で自動車ゲームを行うことができる。ここで,あらかじめ用意された特定の仕様の自動車を示す情報とは,他のユーザが自動車ゲームで設定した仕様,または,システム提供者が用意した自動車の仕様およびその推奨される設定データのセットを表す。
【0012】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(1)の際,ユーザの自動車の車載コンピュータからその自動車の仕様を特定する情報を取得し,取得した情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことが望ましい。
このようにすれば,ユーザの自動車の仕様に対応した仮想自動車で自動車ゲームを行うことができる。
【0013】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(1)の際,ユーザが選択した情報またはユーザの自動車から取得した情報について,ユーザによるカスタムパーツの変更を許容し,ユーザにより変更された情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことが望ましい。
このようにすれば,自動車のカスタムパーツを変更したときの挙動の変化を自動車ゲームで試行することができる。
【0014】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(3)に供された設定データを,ユーザの希望により,ユーザに提供することが望ましい。
このようにすれば,ユーザは自己の仕様ではない設定データの提供を受け,自動車ゲームで利用することができる。さらに,その設定データでのゲーム実行で好感触を得た場合には,自己の自動車にその設定データを適用する場合にも便利である。
【0015】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(2)の際,少なくとも1つの項目について,設定データのユーザによる変更を許容設定範囲内で許容し,ユーザにより変更された設定データを(3)に供することが望ましい。
このようにすれば,設定データを変更したときの自動車の挙動の変化を試行することができる。さらに,許容設定範囲として安全を考慮した範囲を定めておけば,その設定データがユーザの自動車に適用された場合においても安全である。
【0016】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,自動車ゲームにより得られた成績を,ユーザの希望により,(1)の情報および(3)の設定データとともに登録し(4),他のゲーム成績との比較に供することが望ましい。
このようにすれば,自動車間の比較や設定による比較,あるいは,他のユーザとの比較が容易にできる。
【0017】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(4)で登録された設定データを,その後のユーザに対して,(2)の際の選択に供することが望ましい。
このようにすれば,他のユーザによる設定データを参考にすることができる。
【0018】
さらに本発明は,自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置と,自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させる仕様特定手段と,仕様特定手段に入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データをデータベースから抽出する設定データ抽出手段とを有し,自動車ゲーム装置は,抽出された設定データにより仮想自動車を作成し,作成した仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とする自動車ゲーム提供システムにも及ぶ。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,サービス提供者である自動車メーカ等が提供し,インターネット等のネットワークを介してアクセスできる自動車ゲームシステム1として,本発明に係る自動車ゲーム提供システムを実現したものである。
【0020】
本実施の形態の自動車ゲームシステム1は,図1に示すように,自動車メーカ等が提供する自動車メーカシステム2に対してユーザPC3やメーカシステム端末4等がインターネットを介して接続されている。ユーザは,ユーザPC3やメーカシステム端末4等を利用して,自動車ゲームシステム1によって提供される自動車ゲームを実行する。ここで,ユーザPC3はキーボードやマウス,表示画面等を有する一般的なものでよいが,ゲーム用のドライビングコントローラが接続されていればより望ましい。また,メーカシステム端末4は自動車メーカがその販売店等に設置する専用端末で,ユーザはその設置場所で使用できる。
【0021】
自動車メーカシステム2は,図1に示すように,各種プログラムを格納したプログラム部10と各種データベースを格納したデータ部20とを有している。以下では,データベースをDBと略記する。自動車メーカシステム2のプログラム部10には,ゲーム実行処理部11,車両設定処理部12,評価処理部13,設定閲覧処理部14の各プログラムが用意されている。また,データ部20には,車種DB21,制御特性DB22,カスタマイズパーツDB23,ゲームコースDB24,評価DB25,車両設定DB26の各DBが用意されている。
【0022】
まず,プログラム部10の各部について説明する。ゲーム実行処理部11は,各種のゲームプログラムを有し,ユーザがゲームをダウンロードして実行するための処理部分である。あるいは,オンラインゲームとして実行することも可能である。ここでのゲームとは,レーシングコースをドライビングテクニックを駆使して走破するレーシングゲームのほかに,直線的な初動加速力のみを競う0−400mゲームや,市街地コース等を指示に従って走行するラリーゲーム等の自動車を走らせて競うさまざまな種類のゲームを含んでいる。さらには,ユーザによるコントロールを必要とせず,システムによる自動操縦によって規定のコースを走行させ,客観的に車種間の比較を行うゲームもあってもよい。ユーザは,さまざまな種類のゲームを実行して,各自動車の走行性能や燃費性能等を競うことができる。
【0023】
また,車両設定処理部12は,ユーザがゲームで使用する自動車に対して各種の車両設定を行う処理部分である。実際の自動車と同様に,このゲーム中で使用する自動車についても,ユーザ自身で選択することが可能な各種の車両設定項目がある。この車両設定処理部12によって,ユーザは自分が使用する自動車の車両設定を変更することができる。ここで,車両設定とは,設定可能な各項目の設定値全体を一つの組とした設定状態を表している。
【0024】
評価処理部13は,ユーザPC3またはメーカシステム端末4で実行したゲームの結果をアップロードして,他のユーザの結果と比較評価するための処理部分である。ここでは,同一車種同士の比較評価や,異種車種間の性能の比較,あるいは,車両設定処理部12で設定された車両設定による性能の違い等を見ることができる。
また,設定閲覧処理部14は,ユーザの希望に応じて,他のユーザの車両設定を閲覧あるいはダウンロードすることができる処理部分である。
【0025】
次に,各DBの内容について説明する。車種DB21には,ゲーム実行処理部11のゲームに出場させることのできる全ての自動車に関する各種特性のデータが,車種や駆動方式等によって整理されて保管されている。ここでは,当該自動車メーカが販売している全ての車種について,その基本的な特性データが用意されている。すなわち,ユーザは実在する自動車の各種特性を用いてゲームを行うことができる。
【0026】
車種DB21は,その一例を図2に示すように,例えば,外形,重量,走行抵抗,エンジントルク特性,燃料消費特性,車体剛性特性,タイヤの特性などの各種特性を含んでいる。これらのデータは,自動車の走行に関連のある各種特性であり,自動車ゲームの実行に必要なものである。ここでは,カラーリング等の走行に影響のないデータは省略されているが,ゲーム使用時にはユーザが好みのカラーリングを選択できるようにしてもよい。
【0027】
次に,制御特性DB22の一例を図3に示す。制御特性DB22には,各装備品ごとにユーザによる設定が可能な車両設定項目やその設定可能な範囲に関する情報が保管されている。さらには,その設定を行うために必要な他の装備品がある場合は,その装備品の情報も含まれている。また,このDBには,標準装備品のみでなく,カスタマイズパーツの特性も含まれる。さらに,これらのカスタマイズパーツとしては,メーカ純正品に限ってもよいし,社外品をも含むこととしてもよい。
【0028】
次に,カスタマイズパーツDB23の一例を図4に示す。カスタマイズパーツDB23は,車種等の条件により,取付可能なカスタマイズパーツの種類が記憶されている。さらに,各カスタマイズパーツの取付による自動車の特性の変化に関する情報も保管されている。
次に,ゲームコースDB24の一例を図5に示す。ゲームコースDB24は,ゲームで利用できる各種コースのデータを保管している。コースごとに,そのコースのタイプや走行距離,路面状態,さらにコースの画像データ等の情報が保管されている。ユーザは,この中からゲームに利用するコースを選択してゲームを実行することができる。
【0029】
次に,評価DB25の一例を図6に示す。評価DB25は,各ゲームコース別や車種別などに整理され,総合成績が上位のユーザのデータが保管されている。レースの走行タイムやドライバー名,燃料消費量,車両設定等についてのデータが保管されている。各ユーザは,自分の走行タイムや燃料消費量と比較したり,上位入賞者の車両設定を参考にしたりすることができる。
次に,車両設定DB26の一例を図7に示す。車両設定DB26は,標準的な車両設定やユーザの設定した車両設定に関するデータが保管されている。ゲームで上位の成績を獲得した車両の車両設定は,そのユーザの希望によってここに保管される。
【0030】
次に,自動車ゲームシステム1で提供されるサービスの内容について説明する。本システムのサービスには,ゲーム実行モード,車両設定モード,評価モード,設定閲覧モードの4つのモードがある。ゲーム実行モードは,ユーザがゲームを実行できるモードである。車両設定モードは,ユーザがゲームで使用するための車両データを設定するモードである。ここでは,その自動車に設定可能な車両特性の設定も行う。評価モードは,ゲーム実行結果の走行タイムやラップタイム等をアップロードしたり,そのアップロードされた各種の成績によって順位がつけられるモードである。ここで,上位にランクされたユーザは,その車両設定を登録することもできる。設定閲覧モードは,各車種の一般的な設定や評価モードで登録された車両設定を閲覧できるモードである。
【0031】
次に,ユーザの実行手順について説明する。ユーザが自動車ゲームシステム1を初めて利用する場合,まず,ゲームで使用するための車両設定データを作成する。例えば,設定閲覧モードで車種を選択し,標準的な設定や登録設定をダウンロードしてもよい。ここで,登録設定とは,成績上位のユーザによって自動車メーカシステム2に登録されている車両設定のことである。標準的な設定は車種DB21に,登録設定は車両設定DB26にそれぞれ保管されている。
【0032】
あるいは,ダウンロードした車両設定に車両設定モードで,自分の好みや運転技術(ゲーム技術)に応じて各種の設定変更をしてもよい。さらに車両設定モードでは,車種ごとに,取付可能なカスタムパーツのリストと,各カスタムパーツを取り付けることにより設定可能になる車両設定の設定可能範囲の情報も得られる。これを利用して車両設定データにカスタマイズパーツを取付け,さらにそのパーツに関する車両設定を設定して,より希望にあう車両設定を作成することもできる。こうして作成した車両設定をユーザPC3に記憶させておけば,次回からは読み出すだけで利用できる。あるいは,自動車メーカシステム2内にユーザ設定を記憶させるための記憶エリアを設けてもよい。
【0033】
このようにして車両設定を用意したユーザは,ゲーム実行モードに入る。ゲーム実行モードには,各種のレーシングゲームが用意されている。ユーザはゲームの種類やコース等を選択して,自分の車両設定を利用してゲームを実行することができる。ゲーム終了時には,そのときまでのハイスコア等が表示され,ユーザは自分のスコアと比較することができる。優秀な成績であればその成績をアップロード可能である。ユーザPC3に,アップロードするかどうかを確認する表示がなされるので,ユーザは選択して入力する。
【0034】
成績をアップロードするユーザは,評価モードに入る。このモードではまず,該当するコースのユーザと同じ車種について,今までの成績上位者のタイムや装備等が表示される。これを見て,ユーザは自分の成績がどの程度の位置にあるのかを判断できる。さらに,ユーザが自分の成績をアップロードすると,総合順位が算出されて表示される。そして,成績のよいユーザは,その車両設定を公開登録することもできる。アップロード時には,走行タイムだけでなく,走行コースや車両設定も同時に送信されるので,希望によりその車両設定が車両設定DB26に登録される。また,サービス提供者では,所定の期間内に所定のレースで上位に入賞したユーザに賞品を与えるような大会方式を行うこともできる。
【0035】
登録された車両設定は,設定閲覧モードで閲覧することができる。ここでは,車両設定が車種ごとに分類され,どのレースのでの上位車両であるかが分かるようになっている。さらに,カスタマイズパーツの有無や設定可能な設定値の選択状態も表示される。ユーザは,このモードで成績上位者がどのような車両設定を行っているかを閲覧できる。さらに,ユーザは,これらの車両設定をダウンロードしてゲームに利用することもできる。
【0036】
次に,この自動車ゲームシステム1の自動車メーカシステム2の動作を図8〜図12のフローチャートを参照して説明する。まず,図8は,自動車メーカシステム2のメインルーチンのフローチャートである。ユーザはまず,ユーザPC3等を使用してログインする(S101)。ログインのための手続きは一般的なものでよい。自動車メーカシステム2は,ログインされたユーザPC3にモードを選択するためのメニューを表示する(S102)。ここで表示されるモードとしては,「ゲーム実行モード」,「車両設定モード」,「評価モード」,「設定閲覧モード」等がある。
【0037】
ユーザが「ゲーム実行モード」を選択した場合(S103:Yes),ゲーム実行処理を実行する(S104)。あるいは,ユーザが「車両設定モード」を選択した場合(S105:Yes),車両設定処理を実行する(S106)。あるいは,ユーザが「評価モード」を選択した場合(S107:Yes),評価処理を実行する(S108)。あるいは,ユーザが「設定閲覧モード」を選択した場合(S109:Yes),設定閲覧処理を実行する(S110)。各処理の内容については後述する。ユーザがログアウトするまで(S111:No),このメニューの表示と選択された処理の実行(S102〜S110)を繰り返す。ログアウトされたら(S111:Yes),他のユーザのログインまで待機する。
【0038】
次に,各モードの処理ルーチンについて説明する。まず,「ゲーム実行モード」が選択された場合(図8のS103でYes)に実行されるゲーム実行処理ルーチンについて,図9に示す。この処理の実行が開始されるとまず,ユーザに対して自分の車両データを有しているかどうかを確認する(S201)。ここで,車両データとは,車種や車両設定にカラーリング等を加えた総合的な車両に関するデータである。既にゲームを行ったことがあるユーザ等で,自分の車両データを有している場合は(S201:Yes),その車両データを読み込む(S202)。なお,複数の車両データを有しているユーザの場合は,そのうちの1つを選択させる。
【0039】
あるいは,車両データを有していないユーザの場合は(S201:No),車両データを作成するかどうかを確認する(S203)。自分用の車両データを作成してゲームに臨みたいユーザでは(S203:Yes),車両設定処理に進む(S204)。この処理は,メニューで「車両設定モード」が選択された場合に実行される車両設定処理ルーチンと同じである。また,とりあえず標準的な車両でゲームを実行してみるユーザは,好みの車種を選択して標準車両データをダウンロードして使用すればよい(S205)。
【0040】
こうして車両データの準備ができたら,次に,ユーザにゲームを実行するコースの選択を促す(S206)。そして,選択した車両データを利用して,選択したコースを走行させることによりゲームを実行する(S207)。このとき,自動車メーカシステム2は,ユーザPC3の画面に路面や周囲の風景等の画像を表示し,ユーザによるコントローラの操作に従って画像を変化させてゆく。ゲームが終わると,その結果をユーザPC3に表示する(S208)。ここで,ゲーム結果としては,全走行タイムやラップタイムに加え,ゲームの種類によっては燃料消費量等も表示される。
【0041】
ゲーム結果が優秀であったユーザには,その結果を自動車メーカシステム2にアップロードするかどうかを問い合わせる表示を行う(S209)。アップロードすることが選択されたら(S209:Yes),評価処理に進む(S210)。この処理は,メニューで「評価モード」が選択された場合に実行される評価処理ルーチンと同じである。評価処理ルーチンが終了したらこのルーチンの処理を終了する。あるいはアップロードの必要がない場合には(S209:No),このままこのルーチンの処理を終了する。
【0042】
次に,メニューで「車両設定モード」が選択された場合(図8のS105でYes)に実行される車両設定処理ルーチンについて,図10に示す。この処理の実行が開始されるとまず,基礎となるそのユーザの車両データがあるかどうかを確認する(S301)。この車両データに対して設定変更を行うという場合である。その場合は(S301:Yes),その車両データを読み込む(S302)。複数の車両データを有しているユーザでは,そのうちの1つを選択させる。基礎となる車両データがないユーザでは,希望の車種を選択させ,その標準車両データをダウンロードさせる(S303)。このデータを基礎となる車両データとする。
【0043】
次に,その基礎となる車両データに対し,各種のカスタマイズパーツの取付あるいは取り外しを行うかどうかを確認する(S305)。カスタマイズパーツの取付あるいは取り外しを行いたいユーザの場合は(S305:Yes),取り付けるカスタマイズパーツのデータをダウンロードさせる(S306)。あるいは,取り付けられているカスタマイズパーツのうちから,取り外すものを指示させる。取り外した場合は,必要に応じて,標準パーツで置き換えられたものとみなすこととする。そして,セッティングのできた車両データについて,ユーザPC3に設定可能な車両設定項目およびその項目の設定可能範囲を表示する(S307)。ユーザはこの表示を見て,設定変更をしたい項目を選択して変更する(S308)。
【0044】
さらに,この設定でよいかどうかをユーザに確認する(S309)。設定をやり直す指示の場合には(S309:No),再び設定可能項目と範囲の表示を行い(S307),新たな設定変更を促す(S308)。この設定でよければ(S309:Yes),設定の変更された新たな車両データをユーザPC3のメモリ等に書き込み(S310),このルーチンの処理を終了する。
【0045】
次に,メニューで「評価モード」が選択された場合(図8のS107でYes)に実行される評価処理ルーチンについて,図11に示す。この処理の実行が開始されるとまず,車種別,コース別の上位入賞者の成績がユーザPC3に表示される(S401)。ゲーム実行後にこのルーチンが実行された場合は,そのゲームに使用された車種およびコースに対応する成績が表示される。そうでない場合は,一覧表として表示してもよいし,車種やコースをユーザに選択させるようにしてもよい。
【0046】
次に,ゲームを実行したユーザには,ゲーム結果のアップロードを希望するかどうかの指示入力を促す(S402)。希望するユーザの場合は(S402:Yes),まず,結果のタイムや車両データなどをアップロードする(S403)。このとき,ユーザ情報等もともに入力させてもよい。自動車メーカシステム2では,アップロードされた情報を基に,総合順位を算出してユーザPC3に表示する(S404)。そのとき,成績が上位のユーザには,その車両データの公開を希望するかどうかを確認する(S405)。公開希望であれば,アップロードされた情報から車両データを車両設定DB26に登録する(S406)。公開希望でないユーザ(S405:No)の車両データは登録しない。
【0047】
一方,結果のアップロードを希望しないユーザ,または,ゲーム実行後でないユーザの場合には(S402:No),成績上位者の車両データの閲覧を希望するかどうかをたずねる(S407)。成績上位者のうち,車両データの公開を希望しているユーザの車両データについては,他のユーザが閲覧できる。閲覧希望の場合は(S407:Yes),設定閲覧処理に進む(S408)。この処理は,メニューで「設定閲覧モード」が選択された場合の設定閲覧処理ルーチンと同じである。さらに,これでこの処理を終了するか,それとも別のレースの成績等も見たいかをユーザに確認する(S409)。まだ終了しない場合は(S409:No),S401の成績表示に戻って同様に繰り返す。そうでなければ,このルーチンの処理を終了する。
【0048】
次に,メニューで「設定閲覧モード」が選択された場合(図8のS109でYes)に実行される設定閲覧処理ルーチンについて,図12に示す。この処理の実行が開始されるとまず,閲覧する車両が選択されているかどうかを判断する(S501)。例えば,評価処理ルーチン中で車両を選択してこのモードに入った場合等では(S501:Yes),その選択車両の車両データをユーザPC3に表示する(S506)。
【0049】
一方,車両が選択されていない場合では(S501:No),まず,車種の選択をユーザに促す(S502)。次に,その車種にカスタマイズパーツを取り付けた車両データを閲覧希望かどうかの指示入力を促す(S503)。カスタマイズパーツが不要であれば(S503:No),その選択車両の車両データをユーザPC3に表示する(S506)。カスタマイズパーツを取り付けた車両データを閲覧したいユーザの場合は(S503:Yes),カスタマイズパーツの一覧を表示し(S504),使用するパーツの選択を促す(S505)。そして,選択されたカスタマイズパーツを取り付けた車両の車両データをユーザPC3に表示する(S506)。
【0050】
こうして,閲覧したい車両の車両データをがユーザPC3に表示される(S506)。このとき,対象となる車両が複数ある場合は,一覧表示してもよい。そして,その車両データのダウンロードを希望するかどうかの指示入力をユーザに促す(S507)。ダウンロードを希望するユーザには(S507:Yes),車両データのダウンロードを許容する(S508)。登録されている車両データをダウンロードして,自分の車両データの1つとしてゲームに使用することもできる。さらに,これでこの処理を終了するかどうかをユーザに確認する(S509)。まだ終了しない場合は(S509:No),S501の車両選択に戻って同様に繰り返す。そうでなければ,このルーチンの処理を終了する。
【0051】
以上の各モードのほかに,サービス提供者側が提供できる各種サービスとしては,カテゴライズしたゲームの実行や評価,標準コースと標準走行パターン(コース取りとギアチェンジやブレーキングのタイミングなどの例)の提供,自動操縦プログラムによるデモ走行モードの提供,新規コースの配布等がある。
【0052】
またユーザとしては,ユーザPC3をインターネット5に接続して自動車ゲームシステム1にアクセスするだけでなく,作成した車両データをメモリカード等の記憶媒体に記憶させて,他のパソコン等でのゲームで使用することもできる。また,メーカシステム端末4で自動車ゲームシステム1にアクセスして車両データを記憶媒体に記憶させてもよい。また,ゲームの結果についても,パソコンで記憶媒体に記憶させて持参し,メーカシステム端末4からアップロードすることもできる。
【0053】
このようにして,ユーザは市販の自動車の各種走行特性データを利用して,ゲーム上でその自動車を試走させることができる。従って,実際に自動車を購入することなく,いろいろな自動車の動力性能や燃費性能を手軽に比較することができる。さらに,各自動車に対して設定可能な各種車両設定項目の設定やカスタマイズパーツの取付をゲーム上で試行できるので,その結果による性能や挙動の変化を簡易に試すことができる。これにより,手軽に各種の自動車を比較し,自動車やカスタマイズパーツの購入のための参考とすることができる。
【0054】
以上詳細に説明したように,本実施の形態の自動車ゲームシステム1によれば,ユーザPC3からアクセスして実行するゲーム中で,市販の自動車の各種特性データを利用できる。さらには,その特性データに加えて,各種の設定可能な車両設定を,設定可能範囲内で設定できる。また,カスタマイズパーツを取り付けて,そのパーツに対する車両設定を設定することもできる。そして,それによる自動車の挙動の変化をゲームで実感として知ることができる。従って,市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することができる。
【0055】
「第2の実施の形態」
以下,本発明を具体化した第2の実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態では,第1の実施の形態の自動車ゲームシステム1にさらに実物の自動車7が加えられた構成となる。この実施の形態の概略構成を図13に示す。
【0056】
この実施の形態の自動車7は,図13に示すように,自動車メーカシステム2と通信可能な車載コンピュータ30と,その車載コンピュータ30と通信可能なナビ40とを備えている。さらに,自動車7には,カスタマイズパーツ50が取り付けられていることがあり得る。
【0057】
車載コンピュータ30には,車両走行制御部31,車両特性設定部32,ドライバー識別部33,車両識別情報34,制御特性情報35が備えられている。車両走行制御部31は,ドライバーの運転操作を車両の走行動作に変換し,自動車2の走行を制御するための処理部分である。車両特性設定部32は,車両走行制御部31での走行制御に関する各種の車両設定を,該当する機構部分に適用するための処理部分である。ドライバー識別部33は,自動車7を運転する可能性のある人たちのうちからそのとき運転しているドライバーを識別するための処理部分である。
【0058】
また,車両識別情報34には,自動車7の車種や特性およびカスタマイズパーツに関する情報が保管されている。図2に示した車種DB21のうち,自動車7に該当するもののみを抽出したデータである。さらに,取り付けられているカスタマイズパーツ(ここではカスタマイズパーツ50)についての情報も含まれている。各種カスタマイズパーツは,それぞれICチップや制御用配線等を有し,取り付けられることによって車載コンピュータ30に対して装着を示す信号が自動的に送信される。これにより,カスタマイズパーツが装着されたことが車載コンピュータ30によって把握され,その装着されたカスタマイズパーツの情報が車両識別情報34に加えられる。このカスタマイズパーツからの信号送信は有線でも無線でもよい。あるいは,カスタマイズパーツのそれぞれに設けられた装備品識別コードを車載コンピュータ30に入力することによって,認識させてもよい。車載コンピュータ30は所定の信号をそのカスタマイズパーツに送信し,正しく装着されていることを確認する。
【0059】
また,制御特性情報35は,車両特性設定部32で設定される各種の車両設定の情報である。そのとき自動車7に採用されている車両設定だけでなく,使い分けのための車両設定が複数記憶されている場合もある。例えば,複数のドライバーが運転する可能性のある自動車7では,各ドライバーごとに車両設定を記憶させておくことができる。それぞれのドライバー用の車両設定は,そのドライバーの識別情報と関連づけられて記憶される。あるいは,複数の運転環境での車両設定をそれぞれ記憶させておき,そのときの運転環境によって交換して設定することもできる。
【0060】
また,ナビ40には,表示画面41,入力部42,記憶媒体部43が備えられ,車室内に設置される一般的なものである。入力部42は,表示画面41に表示されるソフトスイッチでもよいし,表示画面41の周囲等に設けられたハードスイッチによってもよい。また,記憶媒体部43は,メモリカード等の記憶媒体に対して読み書き可能なものであり,ナビ40に一体的に設けられたものでも,外付け構成でもかまわない。
【0061】
さらに,自動車7では,ドライバーを識別するために,個人識別機能を有する識別キー8を使用している。識別キー8は自動車7に対して個人識別情報を発信するものである。自動車7を運転する可能性のある各ドライバーは,それぞれ自己の識別情報を発信する識別キー8を保有する。そして,各ドライバーが自分の識別キー8を携帯して自動車7に乗り込むことにより,車載コンピュータ30のドライバー識別部33によって識別される。ドライバー識別部33では,同時に複数の個人識別情報を受信した場合のために,その優先順位を設定しておくこともできる。あるいは,個人識別の他の方法として,入力部32からパスワードを入力したり,指紋,声紋等の個人身体情報を入力させるようにしてもよい。
【0062】
本実施の形態では,自動車7に設定可能な各種の車両設定を行う方法にその特徴がある。すなわち,第1の実施の形態でゲーム上に設定した車両設定を自動車7に適用するのである。そのために,自動車メーカシステム2の車両設定DB26に登録されている車両設定をダウンロードしたり,ユーザがユーザPC3で作成した車両設定を車載コンピュータ30に入力して設定する。
【0063】
自動車7のユーザは,自動車7の車載コンピュータ30から自動車メーカシステム2へアクセスし,車両設定DB26に登録されている車両設定をダウンロードして,車両特性設定部32に設定することができる。あるいは,ユーザPC3でゲームを行ったときに,その車両設定をメモリカード等の記憶媒体に記憶させ,その記憶媒体をナビ40の記憶媒体部43から読み込んでもよい。あるいは,ユーザPC3と車載コンピュータ30とが通信可能であれば,ユーザPC3に記憶されている車両設定を直接車載コンピュータ30に送信してもよい。
【0064】
ここで,車両設定には,適用可能な自動車7の装備の情報も含まれている。すなわち,その車両設定が適用される車種や必要なカスタマイズパーツ等である。車載コンピュータ30では,この情報を車両識別情報34と比較することにより,その車両設定を自動車7に適用可能であることを確認する。そして,適用可能と確認された車両設定のみが車両特性設定部32に設定される。従って,もしユーザが操作を誤った場合でも,適用範囲外の設定が行われることはない。このとき,設定された車両設定の内容をナビ40の表示画面41に表示するようにしてもよい。あるいは,不足しているカスタマイズパーツがある場合は,その情報を表示してもよい。車両走行制御部11では,適用された車両設定を利用して走行制御を行う。
【0065】
さらに,自動車7では,適用可能とされた車両設定を制御特性情報35に記憶させておくこともできる。例えば,市街地走行に適した車両設定あるいは山岳地走行に適した車両設定等を複数記憶させておき,走行環境に応じて車両設定を交換することもできる。また,1台の自動車7を複数のドライバーが交代で運転する場合には,各ドライバーに適した車両設定をそれぞれの識別キー8の識別情報とともに記憶させておけばよい。車載コンピュータ30では,ドライバー識別部33において識別キー8の情報を受信し,その識別キー8の識別情報とともに記憶されている車両設定を適用する。
【0066】
従って,この自動車7に設定される車両設定として,自動車メーカシステム2のゲーム上で設定した車両設定を利用することができる。すなわち,ゲームで使用した車両データと同じ車種の自動車7であれば,ゲーム上で設定された車両設定をダウンロードして,そのまま自動車7の制御特性情報35として使用できる。さらに,ゲーム中で取り付けたものと同じカスタマイズパーツ50を取り付けていれば,カスタマイズパーツ50に関する設定もそのまま利用できる。
【0067】
このことからユーザは,購入する自動車を選択する場合に,まず自動車メーカシステム2のゲームを実行し,いろいろな車種を試してみることができる。あるいは,所有している自動車7と同じ車種の車両データを使用して自動車メーカシステム2のゲームを実行することにより,車両設定をいろいろ変化させてゲーム上で試してみることができる。また,所有する自動車7に取り付けるカスタマイズパーツ50を購入する前に,その取付による効果をゲームで試してみることができる。あるいは,他のユーザがよい成績を獲得した車両設定をダウンロードして自分の自動車7に設定することもできる。いずれの場合も,自動車7の車種や必要なカスタマイズパーツ50については,車載コンピュータ30によって自動的に確認されているので,適用範囲外の設定となることはない。
【0068】
以上詳細に説明したように,本実施の形態の自動車ゲームシステム1によれば,ゲームで試行した車両設定を実際の自動車7に設定して走行することができる。従って,自動車7に対する車両設定に関して,あらかじめある程度実感として把握することができる。これにより,市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性値の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することのできる自動車ゲーム提供システムとなっている。
【0069】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,プログラム部10とデータ部20とは,必ずしも一体のコンピュータ上に設けられていなくてもよく,必要に応じてデータを受信できればよい。
【0070】
(付記1) 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置とを保有し,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),
入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出し(2),
抽出された設定データにより前記自動車ゲーム装置上に仮想自動車を作成し(3),
作成された仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0071】
(付記2) 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースを保有し,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),
入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出し(2),
抽出された設定データをユーザの自動車ゲーム装置に提供する(3)ことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0072】
(付記3) 付記1または付記2に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記データベース中のデータにはカスタムパーツに関するカスタマイズ可能項目のデータも含まれ,
前記(1)の際,自動車の車種および装着しているカスタムパーツに関する情報を入力させることを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0073】
(付記4) 付記3に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(1)の際,あらかじめ用意された特定の仕様の自動車を示す情報をユーザの選択に供し,ユーザが選択した情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記5) 付記3に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(1)の際,ユーザの自動車の車載コンピュータからその自動車の仕様を特定する情報を取得し,取得した情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記6) 付記4または付記5に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(1)の際,ユーザが選択した情報またはユーザの自動車から取得した情報について,ユーザによるカスタムパーツの変更を許容し,ユーザにより変更された情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0074】
(付記7) 付記1に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(3)に供された設定データを,ユーザの希望により,ユーザに提供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記8) 付記1から付記7までのいずれか1つに記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(2)の際,少なくとも1つの項目について,設定データのユーザによる変更を許容設定範囲内で許容し,ユーザにより変更された設定データを前記(3)に供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記9) 付記8に記載する自動車ゲーム提供方法において,
自動車ゲームにより得られた成績を,ユーザの希望により,前記(1)の情報および前記(3)の設定データとともに登録し(4),他のゲーム成績との比較に供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記10) 付記9に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(4)で登録された設定データを,その後のユーザに対して,前記(2)の際の選択に供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0075】
(付記11) 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,
仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置と,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させる仕様特定手段と,
前記仕様特定手段に入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出する設定データ抽出手段とを有し,
前記自動車ゲーム装置は,抽出された設定データにより仮想自動車を作成し,作成した仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とする自動車ゲーム提供システム。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性値の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することのできる自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムが提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る自動車ゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】車種DBの一例を示す説明図である。
【図3】制御特性DBの一例を示す説明図である。
【図4】カスタマイズパーツDBの一例を示す説明図である。
【図5】ゲームコースDBの一例を示す説明図である。
【図6】評価DBの一例を示す説明図である。
【図7】車両設定DBの一例を示す説明図である。
【図8】自動車ゲームシステムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図9】ゲーム実行ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】車両設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】評価ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】設定閲覧ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態に係る自動車ゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 自動車ゲームシステム
2 自動車メーカシステム
3 ユーザPC
4 メーカシステム端末
7 自動車
10 プログラム部
12 車両設定処理部
14 設定閲覧処理部
20 データ部
22 制御特性DB
【発明の属する技術分野】
本発明は,コンピュータゲームによって自動車の挙動を簡易に試行するための自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムに関する。さらに詳細には,市販の自動車の各種特性を反映させたデータをゲーム中で使用する自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車は,購入したときのまま使用するだけでなく,各部分の特性値をユーザの好みや運転環境等に合わせて設定できるようになっているものがある。例えば,無段階の変速比で変速可能な無段変速機とその制御を行う電子制御ユニットとを備えた自動車が提案されている(例えば,特許文献1参照。)。この装置を有する自動車では自動変速モードか手動変速モードかを選択できる。さらにそのモードに応じて,電子制御ユニットでは,変速比範囲や変速速度等をドライバーの好みに合わせて詳細に設定することができる。
【0003】
あるいは,自動車にその特性を設定するための特性情報を入力して,その情報に適した特性に特性変更を行う装置および方法も提案されている(例えば,特許文献2参照。)。さらに,自動車には,エアロパーツやステアリングなど各種の取付あるいは交換可能なカスタマイズパーツが用意されている。さらに,そのカスタマイズパーツを取り付けることにより,新たに設定できるようになる特性項目もある。これらの技術によれば,ユーザの使用目的や好みに応じて,自動車をそのユーザに適した各種特性を有するものとすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−168339号公報
【特許文献2】
特開平6−297983号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来の各技術では,特性の設定を行ったことによる自動車の性能や挙動の変化を的確に予測することはできないものであった。自動車についての知識が豊富なユーザでは,設定による変化をある程度は予測できるものの,走行環境が変化した場合の影響等については把握しきれない場合が多い。さらに,カスタマイズパーツを取り付けた場合の性能の変化や,その部分に関する特性の設定についても同様である。これらの性能や挙動の変化を数値上でなく,ある程度実感として知る方法はなかった。そのため,自動車に対する特性値の設定やカスタマイズパーツの購入に先立って,それによる性能や挙動の変化をある程度実感として知りたいという要望があった。
【0006】
本発明は,前記した従来の各技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性値の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することのできる自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の自動車ゲーム提供方法は,自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置とを保有し,自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データをデータベースから抽出し(2),抽出された設定データにより自動車ゲーム装置上に仮想自動車を作成し(3),作成された仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の自動車ゲーム提供方法によれば,ユーザに入力された自動車の仕様とカスタマイズ可能項目の設定データとを利用した仮想自動車が作成される。ユーザは自動車ゲーム装置を利用して,この仮想自動車による自動車ゲームを行うことができるので,自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できる。また,カスタマイズ可能項目についての他の設定データを抽出して自動車ゲームを行うことにより,仮想的に設定変更を行うこともできる。従って,各種特性値の設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することができる。
【0009】
あるいは,本発明の自動車ゲーム提供方法は,自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースを保有し,自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データをデータベースから抽出し(2),抽出された設定データをユーザの自動車ゲーム装置に提供する(3)ことを特徴とするものであってもよい。
このようなものであれば,ユーザは自分の自動車ゲーム装置に自動車の設定データの提供を受けることができる。従って,より簡易に自動車の動力性能および燃費性能を試行できる。
【0010】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,データベース中のデータにはカスタムパーツに関するカスタマイズ可能項目のデータも含まれ,(1)の際,自動車の車種および装着しているカスタムパーツに関する情報を入力させることが望ましい。
このようにすれば,装着しているカスタムパーツにも対応した設定データが抽出される。
【0011】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(1)の際,あらかじめ用意された特定の仕様の自動車を示す情報をユーザの選択に供し,ユーザが選択した情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことが望ましい。
このようにすれば,特定の自動車の仕様を有していないユーザでも,自動車ゲームを行うことができる。また,自己の自動車とは異なる仕様の自動車で自動車ゲームを行うことができる。ここで,あらかじめ用意された特定の仕様の自動車を示す情報とは,他のユーザが自動車ゲームで設定した仕様,または,システム提供者が用意した自動車の仕様およびその推奨される設定データのセットを表す。
【0012】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(1)の際,ユーザの自動車の車載コンピュータからその自動車の仕様を特定する情報を取得し,取得した情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことが望ましい。
このようにすれば,ユーザの自動車の仕様に対応した仮想自動車で自動車ゲームを行うことができる。
【0013】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(1)の際,ユーザが選択した情報またはユーザの自動車から取得した情報について,ユーザによるカスタムパーツの変更を許容し,ユーザにより変更された情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことが望ましい。
このようにすれば,自動車のカスタムパーツを変更したときの挙動の変化を自動車ゲームで試行することができる。
【0014】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(3)に供された設定データを,ユーザの希望により,ユーザに提供することが望ましい。
このようにすれば,ユーザは自己の仕様ではない設定データの提供を受け,自動車ゲームで利用することができる。さらに,その設定データでのゲーム実行で好感触を得た場合には,自己の自動車にその設定データを適用する場合にも便利である。
【0015】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(2)の際,少なくとも1つの項目について,設定データのユーザによる変更を許容設定範囲内で許容し,ユーザにより変更された設定データを(3)に供することが望ましい。
このようにすれば,設定データを変更したときの自動車の挙動の変化を試行することができる。さらに,許容設定範囲として安全を考慮した範囲を定めておけば,その設定データがユーザの自動車に適用された場合においても安全である。
【0016】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,自動車ゲームにより得られた成績を,ユーザの希望により,(1)の情報および(3)の設定データとともに登録し(4),他のゲーム成績との比較に供することが望ましい。
このようにすれば,自動車間の比較や設定による比較,あるいは,他のユーザとの比較が容易にできる。
【0017】
さらに本発明の自動車ゲーム提供方法では,(4)で登録された設定データを,その後のユーザに対して,(2)の際の選択に供することが望ましい。
このようにすれば,他のユーザによる設定データを参考にすることができる。
【0018】
さらに本発明は,自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置と,自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させる仕様特定手段と,仕様特定手段に入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データをデータベースから抽出する設定データ抽出手段とを有し,自動車ゲーム装置は,抽出された設定データにより仮想自動車を作成し,作成した仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とする自動車ゲーム提供システムにも及ぶ。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,サービス提供者である自動車メーカ等が提供し,インターネット等のネットワークを介してアクセスできる自動車ゲームシステム1として,本発明に係る自動車ゲーム提供システムを実現したものである。
【0020】
本実施の形態の自動車ゲームシステム1は,図1に示すように,自動車メーカ等が提供する自動車メーカシステム2に対してユーザPC3やメーカシステム端末4等がインターネットを介して接続されている。ユーザは,ユーザPC3やメーカシステム端末4等を利用して,自動車ゲームシステム1によって提供される自動車ゲームを実行する。ここで,ユーザPC3はキーボードやマウス,表示画面等を有する一般的なものでよいが,ゲーム用のドライビングコントローラが接続されていればより望ましい。また,メーカシステム端末4は自動車メーカがその販売店等に設置する専用端末で,ユーザはその設置場所で使用できる。
【0021】
自動車メーカシステム2は,図1に示すように,各種プログラムを格納したプログラム部10と各種データベースを格納したデータ部20とを有している。以下では,データベースをDBと略記する。自動車メーカシステム2のプログラム部10には,ゲーム実行処理部11,車両設定処理部12,評価処理部13,設定閲覧処理部14の各プログラムが用意されている。また,データ部20には,車種DB21,制御特性DB22,カスタマイズパーツDB23,ゲームコースDB24,評価DB25,車両設定DB26の各DBが用意されている。
【0022】
まず,プログラム部10の各部について説明する。ゲーム実行処理部11は,各種のゲームプログラムを有し,ユーザがゲームをダウンロードして実行するための処理部分である。あるいは,オンラインゲームとして実行することも可能である。ここでのゲームとは,レーシングコースをドライビングテクニックを駆使して走破するレーシングゲームのほかに,直線的な初動加速力のみを競う0−400mゲームや,市街地コース等を指示に従って走行するラリーゲーム等の自動車を走らせて競うさまざまな種類のゲームを含んでいる。さらには,ユーザによるコントロールを必要とせず,システムによる自動操縦によって規定のコースを走行させ,客観的に車種間の比較を行うゲームもあってもよい。ユーザは,さまざまな種類のゲームを実行して,各自動車の走行性能や燃費性能等を競うことができる。
【0023】
また,車両設定処理部12は,ユーザがゲームで使用する自動車に対して各種の車両設定を行う処理部分である。実際の自動車と同様に,このゲーム中で使用する自動車についても,ユーザ自身で選択することが可能な各種の車両設定項目がある。この車両設定処理部12によって,ユーザは自分が使用する自動車の車両設定を変更することができる。ここで,車両設定とは,設定可能な各項目の設定値全体を一つの組とした設定状態を表している。
【0024】
評価処理部13は,ユーザPC3またはメーカシステム端末4で実行したゲームの結果をアップロードして,他のユーザの結果と比較評価するための処理部分である。ここでは,同一車種同士の比較評価や,異種車種間の性能の比較,あるいは,車両設定処理部12で設定された車両設定による性能の違い等を見ることができる。
また,設定閲覧処理部14は,ユーザの希望に応じて,他のユーザの車両設定を閲覧あるいはダウンロードすることができる処理部分である。
【0025】
次に,各DBの内容について説明する。車種DB21には,ゲーム実行処理部11のゲームに出場させることのできる全ての自動車に関する各種特性のデータが,車種や駆動方式等によって整理されて保管されている。ここでは,当該自動車メーカが販売している全ての車種について,その基本的な特性データが用意されている。すなわち,ユーザは実在する自動車の各種特性を用いてゲームを行うことができる。
【0026】
車種DB21は,その一例を図2に示すように,例えば,外形,重量,走行抵抗,エンジントルク特性,燃料消費特性,車体剛性特性,タイヤの特性などの各種特性を含んでいる。これらのデータは,自動車の走行に関連のある各種特性であり,自動車ゲームの実行に必要なものである。ここでは,カラーリング等の走行に影響のないデータは省略されているが,ゲーム使用時にはユーザが好みのカラーリングを選択できるようにしてもよい。
【0027】
次に,制御特性DB22の一例を図3に示す。制御特性DB22には,各装備品ごとにユーザによる設定が可能な車両設定項目やその設定可能な範囲に関する情報が保管されている。さらには,その設定を行うために必要な他の装備品がある場合は,その装備品の情報も含まれている。また,このDBには,標準装備品のみでなく,カスタマイズパーツの特性も含まれる。さらに,これらのカスタマイズパーツとしては,メーカ純正品に限ってもよいし,社外品をも含むこととしてもよい。
【0028】
次に,カスタマイズパーツDB23の一例を図4に示す。カスタマイズパーツDB23は,車種等の条件により,取付可能なカスタマイズパーツの種類が記憶されている。さらに,各カスタマイズパーツの取付による自動車の特性の変化に関する情報も保管されている。
次に,ゲームコースDB24の一例を図5に示す。ゲームコースDB24は,ゲームで利用できる各種コースのデータを保管している。コースごとに,そのコースのタイプや走行距離,路面状態,さらにコースの画像データ等の情報が保管されている。ユーザは,この中からゲームに利用するコースを選択してゲームを実行することができる。
【0029】
次に,評価DB25の一例を図6に示す。評価DB25は,各ゲームコース別や車種別などに整理され,総合成績が上位のユーザのデータが保管されている。レースの走行タイムやドライバー名,燃料消費量,車両設定等についてのデータが保管されている。各ユーザは,自分の走行タイムや燃料消費量と比較したり,上位入賞者の車両設定を参考にしたりすることができる。
次に,車両設定DB26の一例を図7に示す。車両設定DB26は,標準的な車両設定やユーザの設定した車両設定に関するデータが保管されている。ゲームで上位の成績を獲得した車両の車両設定は,そのユーザの希望によってここに保管される。
【0030】
次に,自動車ゲームシステム1で提供されるサービスの内容について説明する。本システムのサービスには,ゲーム実行モード,車両設定モード,評価モード,設定閲覧モードの4つのモードがある。ゲーム実行モードは,ユーザがゲームを実行できるモードである。車両設定モードは,ユーザがゲームで使用するための車両データを設定するモードである。ここでは,その自動車に設定可能な車両特性の設定も行う。評価モードは,ゲーム実行結果の走行タイムやラップタイム等をアップロードしたり,そのアップロードされた各種の成績によって順位がつけられるモードである。ここで,上位にランクされたユーザは,その車両設定を登録することもできる。設定閲覧モードは,各車種の一般的な設定や評価モードで登録された車両設定を閲覧できるモードである。
【0031】
次に,ユーザの実行手順について説明する。ユーザが自動車ゲームシステム1を初めて利用する場合,まず,ゲームで使用するための車両設定データを作成する。例えば,設定閲覧モードで車種を選択し,標準的な設定や登録設定をダウンロードしてもよい。ここで,登録設定とは,成績上位のユーザによって自動車メーカシステム2に登録されている車両設定のことである。標準的な設定は車種DB21に,登録設定は車両設定DB26にそれぞれ保管されている。
【0032】
あるいは,ダウンロードした車両設定に車両設定モードで,自分の好みや運転技術(ゲーム技術)に応じて各種の設定変更をしてもよい。さらに車両設定モードでは,車種ごとに,取付可能なカスタムパーツのリストと,各カスタムパーツを取り付けることにより設定可能になる車両設定の設定可能範囲の情報も得られる。これを利用して車両設定データにカスタマイズパーツを取付け,さらにそのパーツに関する車両設定を設定して,より希望にあう車両設定を作成することもできる。こうして作成した車両設定をユーザPC3に記憶させておけば,次回からは読み出すだけで利用できる。あるいは,自動車メーカシステム2内にユーザ設定を記憶させるための記憶エリアを設けてもよい。
【0033】
このようにして車両設定を用意したユーザは,ゲーム実行モードに入る。ゲーム実行モードには,各種のレーシングゲームが用意されている。ユーザはゲームの種類やコース等を選択して,自分の車両設定を利用してゲームを実行することができる。ゲーム終了時には,そのときまでのハイスコア等が表示され,ユーザは自分のスコアと比較することができる。優秀な成績であればその成績をアップロード可能である。ユーザPC3に,アップロードするかどうかを確認する表示がなされるので,ユーザは選択して入力する。
【0034】
成績をアップロードするユーザは,評価モードに入る。このモードではまず,該当するコースのユーザと同じ車種について,今までの成績上位者のタイムや装備等が表示される。これを見て,ユーザは自分の成績がどの程度の位置にあるのかを判断できる。さらに,ユーザが自分の成績をアップロードすると,総合順位が算出されて表示される。そして,成績のよいユーザは,その車両設定を公開登録することもできる。アップロード時には,走行タイムだけでなく,走行コースや車両設定も同時に送信されるので,希望によりその車両設定が車両設定DB26に登録される。また,サービス提供者では,所定の期間内に所定のレースで上位に入賞したユーザに賞品を与えるような大会方式を行うこともできる。
【0035】
登録された車両設定は,設定閲覧モードで閲覧することができる。ここでは,車両設定が車種ごとに分類され,どのレースのでの上位車両であるかが分かるようになっている。さらに,カスタマイズパーツの有無や設定可能な設定値の選択状態も表示される。ユーザは,このモードで成績上位者がどのような車両設定を行っているかを閲覧できる。さらに,ユーザは,これらの車両設定をダウンロードしてゲームに利用することもできる。
【0036】
次に,この自動車ゲームシステム1の自動車メーカシステム2の動作を図8〜図12のフローチャートを参照して説明する。まず,図8は,自動車メーカシステム2のメインルーチンのフローチャートである。ユーザはまず,ユーザPC3等を使用してログインする(S101)。ログインのための手続きは一般的なものでよい。自動車メーカシステム2は,ログインされたユーザPC3にモードを選択するためのメニューを表示する(S102)。ここで表示されるモードとしては,「ゲーム実行モード」,「車両設定モード」,「評価モード」,「設定閲覧モード」等がある。
【0037】
ユーザが「ゲーム実行モード」を選択した場合(S103:Yes),ゲーム実行処理を実行する(S104)。あるいは,ユーザが「車両設定モード」を選択した場合(S105:Yes),車両設定処理を実行する(S106)。あるいは,ユーザが「評価モード」を選択した場合(S107:Yes),評価処理を実行する(S108)。あるいは,ユーザが「設定閲覧モード」を選択した場合(S109:Yes),設定閲覧処理を実行する(S110)。各処理の内容については後述する。ユーザがログアウトするまで(S111:No),このメニューの表示と選択された処理の実行(S102〜S110)を繰り返す。ログアウトされたら(S111:Yes),他のユーザのログインまで待機する。
【0038】
次に,各モードの処理ルーチンについて説明する。まず,「ゲーム実行モード」が選択された場合(図8のS103でYes)に実行されるゲーム実行処理ルーチンについて,図9に示す。この処理の実行が開始されるとまず,ユーザに対して自分の車両データを有しているかどうかを確認する(S201)。ここで,車両データとは,車種や車両設定にカラーリング等を加えた総合的な車両に関するデータである。既にゲームを行ったことがあるユーザ等で,自分の車両データを有している場合は(S201:Yes),その車両データを読み込む(S202)。なお,複数の車両データを有しているユーザの場合は,そのうちの1つを選択させる。
【0039】
あるいは,車両データを有していないユーザの場合は(S201:No),車両データを作成するかどうかを確認する(S203)。自分用の車両データを作成してゲームに臨みたいユーザでは(S203:Yes),車両設定処理に進む(S204)。この処理は,メニューで「車両設定モード」が選択された場合に実行される車両設定処理ルーチンと同じである。また,とりあえず標準的な車両でゲームを実行してみるユーザは,好みの車種を選択して標準車両データをダウンロードして使用すればよい(S205)。
【0040】
こうして車両データの準備ができたら,次に,ユーザにゲームを実行するコースの選択を促す(S206)。そして,選択した車両データを利用して,選択したコースを走行させることによりゲームを実行する(S207)。このとき,自動車メーカシステム2は,ユーザPC3の画面に路面や周囲の風景等の画像を表示し,ユーザによるコントローラの操作に従って画像を変化させてゆく。ゲームが終わると,その結果をユーザPC3に表示する(S208)。ここで,ゲーム結果としては,全走行タイムやラップタイムに加え,ゲームの種類によっては燃料消費量等も表示される。
【0041】
ゲーム結果が優秀であったユーザには,その結果を自動車メーカシステム2にアップロードするかどうかを問い合わせる表示を行う(S209)。アップロードすることが選択されたら(S209:Yes),評価処理に進む(S210)。この処理は,メニューで「評価モード」が選択された場合に実行される評価処理ルーチンと同じである。評価処理ルーチンが終了したらこのルーチンの処理を終了する。あるいはアップロードの必要がない場合には(S209:No),このままこのルーチンの処理を終了する。
【0042】
次に,メニューで「車両設定モード」が選択された場合(図8のS105でYes)に実行される車両設定処理ルーチンについて,図10に示す。この処理の実行が開始されるとまず,基礎となるそのユーザの車両データがあるかどうかを確認する(S301)。この車両データに対して設定変更を行うという場合である。その場合は(S301:Yes),その車両データを読み込む(S302)。複数の車両データを有しているユーザでは,そのうちの1つを選択させる。基礎となる車両データがないユーザでは,希望の車種を選択させ,その標準車両データをダウンロードさせる(S303)。このデータを基礎となる車両データとする。
【0043】
次に,その基礎となる車両データに対し,各種のカスタマイズパーツの取付あるいは取り外しを行うかどうかを確認する(S305)。カスタマイズパーツの取付あるいは取り外しを行いたいユーザの場合は(S305:Yes),取り付けるカスタマイズパーツのデータをダウンロードさせる(S306)。あるいは,取り付けられているカスタマイズパーツのうちから,取り外すものを指示させる。取り外した場合は,必要に応じて,標準パーツで置き換えられたものとみなすこととする。そして,セッティングのできた車両データについて,ユーザPC3に設定可能な車両設定項目およびその項目の設定可能範囲を表示する(S307)。ユーザはこの表示を見て,設定変更をしたい項目を選択して変更する(S308)。
【0044】
さらに,この設定でよいかどうかをユーザに確認する(S309)。設定をやり直す指示の場合には(S309:No),再び設定可能項目と範囲の表示を行い(S307),新たな設定変更を促す(S308)。この設定でよければ(S309:Yes),設定の変更された新たな車両データをユーザPC3のメモリ等に書き込み(S310),このルーチンの処理を終了する。
【0045】
次に,メニューで「評価モード」が選択された場合(図8のS107でYes)に実行される評価処理ルーチンについて,図11に示す。この処理の実行が開始されるとまず,車種別,コース別の上位入賞者の成績がユーザPC3に表示される(S401)。ゲーム実行後にこのルーチンが実行された場合は,そのゲームに使用された車種およびコースに対応する成績が表示される。そうでない場合は,一覧表として表示してもよいし,車種やコースをユーザに選択させるようにしてもよい。
【0046】
次に,ゲームを実行したユーザには,ゲーム結果のアップロードを希望するかどうかの指示入力を促す(S402)。希望するユーザの場合は(S402:Yes),まず,結果のタイムや車両データなどをアップロードする(S403)。このとき,ユーザ情報等もともに入力させてもよい。自動車メーカシステム2では,アップロードされた情報を基に,総合順位を算出してユーザPC3に表示する(S404)。そのとき,成績が上位のユーザには,その車両データの公開を希望するかどうかを確認する(S405)。公開希望であれば,アップロードされた情報から車両データを車両設定DB26に登録する(S406)。公開希望でないユーザ(S405:No)の車両データは登録しない。
【0047】
一方,結果のアップロードを希望しないユーザ,または,ゲーム実行後でないユーザの場合には(S402:No),成績上位者の車両データの閲覧を希望するかどうかをたずねる(S407)。成績上位者のうち,車両データの公開を希望しているユーザの車両データについては,他のユーザが閲覧できる。閲覧希望の場合は(S407:Yes),設定閲覧処理に進む(S408)。この処理は,メニューで「設定閲覧モード」が選択された場合の設定閲覧処理ルーチンと同じである。さらに,これでこの処理を終了するか,それとも別のレースの成績等も見たいかをユーザに確認する(S409)。まだ終了しない場合は(S409:No),S401の成績表示に戻って同様に繰り返す。そうでなければ,このルーチンの処理を終了する。
【0048】
次に,メニューで「設定閲覧モード」が選択された場合(図8のS109でYes)に実行される設定閲覧処理ルーチンについて,図12に示す。この処理の実行が開始されるとまず,閲覧する車両が選択されているかどうかを判断する(S501)。例えば,評価処理ルーチン中で車両を選択してこのモードに入った場合等では(S501:Yes),その選択車両の車両データをユーザPC3に表示する(S506)。
【0049】
一方,車両が選択されていない場合では(S501:No),まず,車種の選択をユーザに促す(S502)。次に,その車種にカスタマイズパーツを取り付けた車両データを閲覧希望かどうかの指示入力を促す(S503)。カスタマイズパーツが不要であれば(S503:No),その選択車両の車両データをユーザPC3に表示する(S506)。カスタマイズパーツを取り付けた車両データを閲覧したいユーザの場合は(S503:Yes),カスタマイズパーツの一覧を表示し(S504),使用するパーツの選択を促す(S505)。そして,選択されたカスタマイズパーツを取り付けた車両の車両データをユーザPC3に表示する(S506)。
【0050】
こうして,閲覧したい車両の車両データをがユーザPC3に表示される(S506)。このとき,対象となる車両が複数ある場合は,一覧表示してもよい。そして,その車両データのダウンロードを希望するかどうかの指示入力をユーザに促す(S507)。ダウンロードを希望するユーザには(S507:Yes),車両データのダウンロードを許容する(S508)。登録されている車両データをダウンロードして,自分の車両データの1つとしてゲームに使用することもできる。さらに,これでこの処理を終了するかどうかをユーザに確認する(S509)。まだ終了しない場合は(S509:No),S501の車両選択に戻って同様に繰り返す。そうでなければ,このルーチンの処理を終了する。
【0051】
以上の各モードのほかに,サービス提供者側が提供できる各種サービスとしては,カテゴライズしたゲームの実行や評価,標準コースと標準走行パターン(コース取りとギアチェンジやブレーキングのタイミングなどの例)の提供,自動操縦プログラムによるデモ走行モードの提供,新規コースの配布等がある。
【0052】
またユーザとしては,ユーザPC3をインターネット5に接続して自動車ゲームシステム1にアクセスするだけでなく,作成した車両データをメモリカード等の記憶媒体に記憶させて,他のパソコン等でのゲームで使用することもできる。また,メーカシステム端末4で自動車ゲームシステム1にアクセスして車両データを記憶媒体に記憶させてもよい。また,ゲームの結果についても,パソコンで記憶媒体に記憶させて持参し,メーカシステム端末4からアップロードすることもできる。
【0053】
このようにして,ユーザは市販の自動車の各種走行特性データを利用して,ゲーム上でその自動車を試走させることができる。従って,実際に自動車を購入することなく,いろいろな自動車の動力性能や燃費性能を手軽に比較することができる。さらに,各自動車に対して設定可能な各種車両設定項目の設定やカスタマイズパーツの取付をゲーム上で試行できるので,その結果による性能や挙動の変化を簡易に試すことができる。これにより,手軽に各種の自動車を比較し,自動車やカスタマイズパーツの購入のための参考とすることができる。
【0054】
以上詳細に説明したように,本実施の形態の自動車ゲームシステム1によれば,ユーザPC3からアクセスして実行するゲーム中で,市販の自動車の各種特性データを利用できる。さらには,その特性データに加えて,各種の設定可能な車両設定を,設定可能範囲内で設定できる。また,カスタマイズパーツを取り付けて,そのパーツに対する車両設定を設定することもできる。そして,それによる自動車の挙動の変化をゲームで実感として知ることができる。従って,市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することができる。
【0055】
「第2の実施の形態」
以下,本発明を具体化した第2の実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態では,第1の実施の形態の自動車ゲームシステム1にさらに実物の自動車7が加えられた構成となる。この実施の形態の概略構成を図13に示す。
【0056】
この実施の形態の自動車7は,図13に示すように,自動車メーカシステム2と通信可能な車載コンピュータ30と,その車載コンピュータ30と通信可能なナビ40とを備えている。さらに,自動車7には,カスタマイズパーツ50が取り付けられていることがあり得る。
【0057】
車載コンピュータ30には,車両走行制御部31,車両特性設定部32,ドライバー識別部33,車両識別情報34,制御特性情報35が備えられている。車両走行制御部31は,ドライバーの運転操作を車両の走行動作に変換し,自動車2の走行を制御するための処理部分である。車両特性設定部32は,車両走行制御部31での走行制御に関する各種の車両設定を,該当する機構部分に適用するための処理部分である。ドライバー識別部33は,自動車7を運転する可能性のある人たちのうちからそのとき運転しているドライバーを識別するための処理部分である。
【0058】
また,車両識別情報34には,自動車7の車種や特性およびカスタマイズパーツに関する情報が保管されている。図2に示した車種DB21のうち,自動車7に該当するもののみを抽出したデータである。さらに,取り付けられているカスタマイズパーツ(ここではカスタマイズパーツ50)についての情報も含まれている。各種カスタマイズパーツは,それぞれICチップや制御用配線等を有し,取り付けられることによって車載コンピュータ30に対して装着を示す信号が自動的に送信される。これにより,カスタマイズパーツが装着されたことが車載コンピュータ30によって把握され,その装着されたカスタマイズパーツの情報が車両識別情報34に加えられる。このカスタマイズパーツからの信号送信は有線でも無線でもよい。あるいは,カスタマイズパーツのそれぞれに設けられた装備品識別コードを車載コンピュータ30に入力することによって,認識させてもよい。車載コンピュータ30は所定の信号をそのカスタマイズパーツに送信し,正しく装着されていることを確認する。
【0059】
また,制御特性情報35は,車両特性設定部32で設定される各種の車両設定の情報である。そのとき自動車7に採用されている車両設定だけでなく,使い分けのための車両設定が複数記憶されている場合もある。例えば,複数のドライバーが運転する可能性のある自動車7では,各ドライバーごとに車両設定を記憶させておくことができる。それぞれのドライバー用の車両設定は,そのドライバーの識別情報と関連づけられて記憶される。あるいは,複数の運転環境での車両設定をそれぞれ記憶させておき,そのときの運転環境によって交換して設定することもできる。
【0060】
また,ナビ40には,表示画面41,入力部42,記憶媒体部43が備えられ,車室内に設置される一般的なものである。入力部42は,表示画面41に表示されるソフトスイッチでもよいし,表示画面41の周囲等に設けられたハードスイッチによってもよい。また,記憶媒体部43は,メモリカード等の記憶媒体に対して読み書き可能なものであり,ナビ40に一体的に設けられたものでも,外付け構成でもかまわない。
【0061】
さらに,自動車7では,ドライバーを識別するために,個人識別機能を有する識別キー8を使用している。識別キー8は自動車7に対して個人識別情報を発信するものである。自動車7を運転する可能性のある各ドライバーは,それぞれ自己の識別情報を発信する識別キー8を保有する。そして,各ドライバーが自分の識別キー8を携帯して自動車7に乗り込むことにより,車載コンピュータ30のドライバー識別部33によって識別される。ドライバー識別部33では,同時に複数の個人識別情報を受信した場合のために,その優先順位を設定しておくこともできる。あるいは,個人識別の他の方法として,入力部32からパスワードを入力したり,指紋,声紋等の個人身体情報を入力させるようにしてもよい。
【0062】
本実施の形態では,自動車7に設定可能な各種の車両設定を行う方法にその特徴がある。すなわち,第1の実施の形態でゲーム上に設定した車両設定を自動車7に適用するのである。そのために,自動車メーカシステム2の車両設定DB26に登録されている車両設定をダウンロードしたり,ユーザがユーザPC3で作成した車両設定を車載コンピュータ30に入力して設定する。
【0063】
自動車7のユーザは,自動車7の車載コンピュータ30から自動車メーカシステム2へアクセスし,車両設定DB26に登録されている車両設定をダウンロードして,車両特性設定部32に設定することができる。あるいは,ユーザPC3でゲームを行ったときに,その車両設定をメモリカード等の記憶媒体に記憶させ,その記憶媒体をナビ40の記憶媒体部43から読み込んでもよい。あるいは,ユーザPC3と車載コンピュータ30とが通信可能であれば,ユーザPC3に記憶されている車両設定を直接車載コンピュータ30に送信してもよい。
【0064】
ここで,車両設定には,適用可能な自動車7の装備の情報も含まれている。すなわち,その車両設定が適用される車種や必要なカスタマイズパーツ等である。車載コンピュータ30では,この情報を車両識別情報34と比較することにより,その車両設定を自動車7に適用可能であることを確認する。そして,適用可能と確認された車両設定のみが車両特性設定部32に設定される。従って,もしユーザが操作を誤った場合でも,適用範囲外の設定が行われることはない。このとき,設定された車両設定の内容をナビ40の表示画面41に表示するようにしてもよい。あるいは,不足しているカスタマイズパーツがある場合は,その情報を表示してもよい。車両走行制御部11では,適用された車両設定を利用して走行制御を行う。
【0065】
さらに,自動車7では,適用可能とされた車両設定を制御特性情報35に記憶させておくこともできる。例えば,市街地走行に適した車両設定あるいは山岳地走行に適した車両設定等を複数記憶させておき,走行環境に応じて車両設定を交換することもできる。また,1台の自動車7を複数のドライバーが交代で運転する場合には,各ドライバーに適した車両設定をそれぞれの識別キー8の識別情報とともに記憶させておけばよい。車載コンピュータ30では,ドライバー識別部33において識別キー8の情報を受信し,その識別キー8の識別情報とともに記憶されている車両設定を適用する。
【0066】
従って,この自動車7に設定される車両設定として,自動車メーカシステム2のゲーム上で設定した車両設定を利用することができる。すなわち,ゲームで使用した車両データと同じ車種の自動車7であれば,ゲーム上で設定された車両設定をダウンロードして,そのまま自動車7の制御特性情報35として使用できる。さらに,ゲーム中で取り付けたものと同じカスタマイズパーツ50を取り付けていれば,カスタマイズパーツ50に関する設定もそのまま利用できる。
【0067】
このことからユーザは,購入する自動車を選択する場合に,まず自動車メーカシステム2のゲームを実行し,いろいろな車種を試してみることができる。あるいは,所有している自動車7と同じ車種の車両データを使用して自動車メーカシステム2のゲームを実行することにより,車両設定をいろいろ変化させてゲーム上で試してみることができる。また,所有する自動車7に取り付けるカスタマイズパーツ50を購入する前に,その取付による効果をゲームで試してみることができる。あるいは,他のユーザがよい成績を獲得した車両設定をダウンロードして自分の自動車7に設定することもできる。いずれの場合も,自動車7の車種や必要なカスタマイズパーツ50については,車載コンピュータ30によって自動的に確認されているので,適用範囲外の設定となることはない。
【0068】
以上詳細に説明したように,本実施の形態の自動車ゲームシステム1によれば,ゲームで試行した車両設定を実際の自動車7に設定して走行することができる。従って,自動車7に対する車両設定に関して,あらかじめある程度実感として把握することができる。これにより,市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性値の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することのできる自動車ゲーム提供システムとなっている。
【0069】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,プログラム部10とデータ部20とは,必ずしも一体のコンピュータ上に設けられていなくてもよく,必要に応じてデータを受信できればよい。
【0070】
(付記1) 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置とを保有し,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),
入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出し(2),
抽出された設定データにより前記自動車ゲーム装置上に仮想自動車を作成し(3),
作成された仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0071】
(付記2) 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースを保有し,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),
入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出し(2),
抽出された設定データをユーザの自動車ゲーム装置に提供する(3)ことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0072】
(付記3) 付記1または付記2に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記データベース中のデータにはカスタムパーツに関するカスタマイズ可能項目のデータも含まれ,
前記(1)の際,自動車の車種および装着しているカスタムパーツに関する情報を入力させることを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0073】
(付記4) 付記3に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(1)の際,あらかじめ用意された特定の仕様の自動車を示す情報をユーザの選択に供し,ユーザが選択した情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記5) 付記3に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(1)の際,ユーザの自動車の車載コンピュータからその自動車の仕様を特定する情報を取得し,取得した情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記6) 付記4または付記5に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(1)の際,ユーザが選択した情報またはユーザの自動車から取得した情報について,ユーザによるカスタムパーツの変更を許容し,ユーザにより変更された情報を,ユーザにより入力されたものと見なすことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0074】
(付記7) 付記1に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(3)に供された設定データを,ユーザの希望により,ユーザに提供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記8) 付記1から付記7までのいずれか1つに記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(2)の際,少なくとも1つの項目について,設定データのユーザによる変更を許容設定範囲内で許容し,ユーザにより変更された設定データを前記(3)に供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記9) 付記8に記載する自動車ゲーム提供方法において,
自動車ゲームにより得られた成績を,ユーザの希望により,前記(1)の情報および前記(3)の設定データとともに登録し(4),他のゲーム成績との比較に供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
(付記10) 付記9に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(4)で登録された設定データを,その後のユーザに対して,前記(2)の際の選択に供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。
【0075】
(付記11) 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,
仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置と,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させる仕様特定手段と,
前記仕様特定手段に入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出する設定データ抽出手段とを有し,
前記自動車ゲーム装置は,抽出された設定データにより仮想自動車を作成し,作成した仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とする自動車ゲーム提供システム。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,市販の自動車の動力性能および燃費性能を簡易に試行できるとともに,各種特性値の設定やカスタマイズパーツの取付およびその特性設定による自動車の性能や挙動の変化を試行することのできる自動車ゲーム提供方法および自動車ゲーム提供システムが提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る自動車ゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】車種DBの一例を示す説明図である。
【図3】制御特性DBの一例を示す説明図である。
【図4】カスタマイズパーツDBの一例を示す説明図である。
【図5】ゲームコースDBの一例を示す説明図である。
【図6】評価DBの一例を示す説明図である。
【図7】車両設定DBの一例を示す説明図である。
【図8】自動車ゲームシステムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図9】ゲーム実行ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】車両設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】評価ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】設定閲覧ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態に係る自動車ゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 自動車ゲームシステム
2 自動車メーカシステム
3 ユーザPC
4 メーカシステム端末
7 自動車
10 プログラム部
12 車両設定処理部
14 設定閲覧処理部
20 データ部
22 制御特性DB
Claims (5)
- 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置とを保有し,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),
入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出し(2),
抽出された設定データにより前記自動車ゲーム装置上に仮想自動車を作成し(3),
作成された仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とする自動車ゲーム提供方法。 - 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースを保有し,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させ(1),
入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出し(2),
抽出された設定データをユーザの自動車ゲーム装置に提供する(3)ことを特徴とする自動車ゲーム提供方法。 - 請求項1または請求項2に記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記データベース中のデータにはカスタムパーツに関するカスタマイズ可能項目のデータも含まれ,
前記(1)の際,自動車の車種および装着しているカスタムパーツに関する情報を入力させることを特徴とする自動車ゲーム提供方法。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載する自動車ゲーム提供方法において,
前記(2)の際,少なくとも1つの項目について,設定データのユーザによる変更を許容設定範囲内で許容し,ユーザにより変更された設定データを前記(3)に供することを特徴とする自動車ゲーム提供方法。 - 自動車のカスタマイズ可能項目についての許容設定範囲のデータを集積したデータベースと,
仮想自動車による自動車ゲームを行う自動車ゲーム装置と,
自動車の仕様を特定する情報をユーザに入力させる仕様特定手段と,
前記仕様特定手段に入力された情報により特定される仕様の自動車におけるカスタマイズ可能項目についての推奨される設定データを前記データベースから抽出する設定データ抽出手段とを有し,
前記自動車ゲーム装置は,抽出された設定データにより仮想自動車を作成し,作成した仮想自動車による自動車ゲームをユーザに行わせることを特徴とする自動車ゲーム提供システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7766221B2 (en) | 2006-07-12 | 2010-08-03 | Konami Digital Entertainment Co., Ltd. | Image display apparatus and program therefor |
WO2023157322A1 (ja) * | 2022-03-03 | 2023-08-24 | 任天堂株式会社 | 情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置 |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003165966A patent/JP2005000338A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2023157322A1 (ja) * | 2022-03-03 | 2023-08-24 | 任天堂株式会社 | 情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置 |
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