JP2004538288A - プロスタグランジンアナログの局所的適用を包含する、発毛促進のための方法 - Google Patents
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Abstract
哺乳動物における発毛を促進するための方法であって、特定の濃度のPGF2αまたはテトラヒドロフラニルプロスタグランジンアナログの局所的適用を包含する方法が、開示されている。本発明は、哺乳動物(ヒトを含む)の発毛、髪の濃さおよび髪の染色を促進するための特定のプロスタグランジンアナログの使用に関する。本発明はまた、このような使用のための局所的組成物に関する。より詳細には、本発明は、発毛促進のための特定のFPプロスタグランジンアナログの使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、哺乳動物(ヒトを含む)の発毛、髪の濃さおよび髪の染色を促進するための特定のプロスタグランジンアナログの使用に関する。本発明はまた、このような使用のための局所的組成物に関する。より詳細には、本発明は、発毛促進のための特定のFPプロスタグランジンアナログの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
脱毛症は、何世紀もの間、人類を悩ませてきたが、その原因は依然として完全には理解されておらず、そして適切な治療は、未だ見出されていない。脱毛症または男性型禿頭症のための2つの最近の製品は、ミノキシジル(Rogaine(登録商標))およびフィナステロイド(Propecia(登録商標))である。これらの製品の両方の活性化合物は、異なる治療のために最初は開発された:高血圧症のためのミノキシジルおよび良性前立腺肥大のためのフィナステロイド。ミノキシジルの使用に関する米国特許第4,139,619号および同第4,968,812号ならびにフィナステロイドについて米国特許第5,981,543号を参照のこと。米国特許第4,139,619号および同第4,968,812号は、発毛促進のための局所的処方物を開示するという点で、これらの開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0003】
最近、プロスタグランジンアナログ(これは緑内障の治療として本来開発された)はまた、発毛を促進し得ることが発見された。米国特許第6,262,105 B1号および米国特許出願番号09/774,555(米国特許出願公開番号US2002/0037914A1)を参照のこと。これらの両方の全内容は、本明細書中で参考として援用される。
【0004】
米国特許第6,262,105号(’105特許)の請求の範囲に記載されている発明は、いくつかの例において、プロスタグランジンアナログ(ラタノプロスト)を受けた緑内障患者が、睫毛成長の増加を経験したという観察に一部起因した。この特許は、発毛を増強するためのプロスタグランジンおよびプロスタグランジンアナログの使用を広範に開示し、一般に無数のプロスタグランジン誘導体およびプロスタグランジンアナログならびに100を超える特定の化合物を開示する。プロスタグランジンアナログのA型、F型およびE型は、’105特許に開示されたプロスタグランジンの中で好ましいものとして特徴付けられた;そして特に好ましいものとしては、13,14−ジヒドロ−15−デヒドロ−17−フェニル−18,19,20−トリノル−PGF2αおよびそのカルボン酸エステルであった。しかし、本発明の方法および組成物において有用な化合物は、’105特許において詳細に開示も示唆もされていない。
【0005】
米国特許出願番号09/774,555(’555出願)は、脱毛症を治療するための5,6−13,14−テトラヒドロPGF2αアナログ(13,14−ジヒドロPGF1αアナログとしてもまた特徴付けられる)を開示する。前と同じように、本発明の方法および組成物において有用な化合物は、’555出願において開示も示唆もされておらず、それらは本出願の最も広い特許請求の範囲の範囲内に包含されてもいない。
【0006】
公知の化合物である、クロプロステノールおよびフルプロステノールの両方は、PGF2α(天然に存在するF系のプロスタグランジン(PG))の合成アナログである。PGF2α(I)、クロプロステノール(II)およびフルプロステノール(III)の構造を、以下に示す:
【0007】
【化5】
クロプロステノールの化学名は、16−(3−クロロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノルPGF2αである。The Merck Index,第12版(1996)の論文番号2461(407頁)は、クロプロステノールの調製および公知の薬理学的プロフィールを記載する程度まで本明細書中で参考として援用される。フルプロステノールは、化学名16−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノルPGF2αを有する。The Merck Index,第12版(1996)の論文番号4231(711頁)は、フルプロステノールの調製および公知の薬理学的プロフィールを記載する程度まで本明細書中で参考として援用される。クロプロステノールおよびフルプロステノールは、化合物の下部鎖(lower chain)(ω鎖)の最後の4つの炭素を置換されたフェノキシ部分の置換によって天然産物のPGF2αと異なる16−アリールオキシPGである。
【0008】
緑内障および眼の高血圧症の治療のためのクロプロステノールおよびフルプロステノールならびに種々のそのアナログの塩およびエステルの使用は、米国特許第5,510,383号および同第5,889,052号に記載される(これらの全内容は、本明細書中で参考として援用される)。
【0009】
特定のPGF2αアナログが、哺乳動物(ヒトを含む)に局所的に適用される場合、驚いたことに、発毛促進の効果的な試薬であることが現在発見された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、発毛の促進のための方法ならびに特定のPGF2αアナログおよびそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、およびアミドを含む組成物に関する。PGF2αの9−デオキシアナログ、11―オキサアナログ、13−オキサアナログ、および15−フルオロアナログ、ならびに以前に参考として援用された米国特許第5,510,383号および同第5,889,052号に記載されるアナログからなる群より選択される強力かつ選択的なFPアゴニストは、このような組成物および方法において最も好ましい。局所投与に適切な種々の薬学的に受容可能なキャリアは、本発明の範囲内に含まれる。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明において有用な化合物は、米国特許第5,510,383号、同第5,889,052号、同第5,698,733号、同第6,025,392号および同第6,232,344号;ならびに米国特許出願番号09/284,432および10/100,399に記載される;前記の各々の内容全体は本明細書中に参考として援用される。次の式の化合物:
【0012】
【化6】
からなる群から選択される化合物は、それらの化合物に含まれ、
ここで:
R1は、OR、ここでRは、H;C1−C12直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;C1−C12直鎖アシルもしくは分枝鎖アシル;C3−C8シクロアルキル;または陽イオン性の塩部分であるか;あるいはRは、NR4R5、ここでR4およびR5は、同じであるかまたは異なり、そしてH;C1−C12直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;C1−C12直鎖アシルもしくは分枝鎖アシル;またはC3−C8シクロアルキルであり;
R2、R3は、H、またはC1−C5直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;あるいはR2およびR3は、まとめてOを表し得;
Xは、O、SまたはCH2であり;
【0013】
【化7】
は、単結合、あるいはα(上部)鎖についてのcisまたはtrans二重結合;およびω(下部)鎖についての単結合またはtrans二重結合の任意の組合せを表し;
R9は、H;C1−C10直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;またはC1−C10直鎖アシルもしくは分枝鎖アシルであり;
R11は、H;C1−C10直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;またはC1−C10直鎖アシルもしくは分枝鎖アシルであり;
Yは、O;またはいずれかの配置においてHおよびOR15であり、ここでR15は、H、C1−C10直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;またはC1−C10直鎖アシルもしくは分枝鎖アシルであり;そして
Zは、ClまたはCF3であり;
そして以下の表1において同定される化合物1〜80である。
【0014】
【表1】
本発明における用途のための式IVの化合物のうちで、以下の式Vの構造:
【0015】
【化8】
を有する化合物が好ましい:
ここで:
R1は、ORまたはNR3R4であり、ここで
Rは、H、陽イオン性の塩部分、薬学的に受容可能なアミン部分、または
C1−C12アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
R3およびR4は、同じであるかまたは異なってH、アルキル、シクロアルキル、アリール、あるいはOR5であり、但しR3およびR4は、共にOR5であり得ず、ここで
R5は、H、アルキル、アシル、シクロアルキル、またはアリールであり;そして
R2は、ClまたはCF3である。
【0016】
クロプロステノール(cloprostenol)およびフルプロステノール(fluprostenol)のエステルは、このような化合物の中で特に好ましく、これらは式Vに対応して:
R1は、ORであり、ここで
Rは、C1−C12アルキル;そして
R2は、ClまたはCF3である。
【0017】
鏡像異性的に純粋な形態におけるクロプロステノールおよびフルプロステノールのイソプロピルエステルが最も好ましく、これらは式Vの絶対的な立体化学構造を有する化合物に対応して:
R1は、ORであり、ここでRは、イソプロピルであり;そして
R2は、ClまたはCF3である。
【0018】
クロプロステノールおよびフルプロステノールの15−ケトアナログもまた好ましい。
【0019】
フルプロステノールの好ましい鏡像異性体のイソプロピルエステルに対する一般名は、トラボプロスト(travoprost)である。フルプロステノールおよびクロプロステノールと同様に、トラボプロストおよびその15−ケトアナログは、Cayman Chemical Company,Ann Arbor,Michiganから市販されている。
【0020】
本明細書中で使用される場合:
用語「アシル」は、酸素原子への二重結合および別の炭素原子への単結合を有する炭素原子によって連結される基を表す。
【0021】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する1〜15個の炭素原子を有する直鎖炭化水素基または分枝鎖炭化水素基を含む。この鎖水素は、ハロゲンのような他の基に置換され得る。好ましい直鎖アルケニル基または分枝鎖アルケニル基としては、アリル、1−ブテニル、1−メチル−2−プロペニルおよび4−ペンチニルが挙げられる。
【0022】
用語「アルコキシ」は、酸素連結を介して結合されたアルキル基を表す。
【0023】
用語「アルキル」は、1〜15個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基あるいは不飽和脂肪族炭化水素基を含む。このアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアルコキシのような他の基に置換され得る。好ましい直鎖アルキル基または分枝鎖アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびt−ブチルのような低級アルキル基が挙げられる。しかし、アルケニル基およびアルキニル基もまた含まれる。
【0024】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する1〜15個の炭素原子を有する直鎖炭化水素基または分枝鎖炭化水素基を含む。この鎖水素は、ハロゲンのような他の基に置換され得る。好ましい直鎖アルキニル基または分枝鎖アルキニル基としては、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニルおよび2−ペンチニルが挙げられる。
【0025】
用語「アリール」は、芳香族である炭素ベースの環をいう。この環はフェニルのように分離され得るか、またはナフチルのように縮合され得る。環水素は、低級アルキルまたはハロゲンのような他の基に置換され得る。本明細書中で使用される場合、「アリール」は、ヘテロアリール基を含む。
【0026】
用語「カチオン性塩部分」は、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩ならびにアンモニウム塩を含む。
【0027】
用語「シクロアルキル」は、結合して1個以上の環(これらは、縮合され得るかまたは分離され得る)を形成する直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基あるいは不飽和脂肪族炭化水素基を含む。この環は、ハロゲン、ヒドロキシルまたは低級アルキルのような他の基に置換され得る。好ましいシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0028】
用語「ヘテロアリール」は、環の中にO、S、またはNのような少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族炭化水素環をいう。ヘテロアリール環は、5〜6個の環原子を有して分離され得るか、または8〜10原子を有して縮合され得る。ヘテロアリール環水素または開いた原子価を有するヘテロ原子は、低級アルキルまたはハロゲンのような他の基に置換され得る。ヘテロアリール基の例としては、イミダゾール、ピリジン、インドール、キノリン、フラン、チオフェン、ピロール、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンゾフラン、およびジヒドロベンズインドールが挙げられる。
【0029】
用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素(C1〜C6)を含むアルキル基を表す。
【0030】
表1の化合物のうちで強力かつ選択的なFPレセプターアゴニストが好ましく;詳細には遊離酸形態が1000nMより少ない、および/または50%アゴニスト活性(表1において反映されるように−トラボプロスト酸が標準の完全なアゴニスト(100%)を表す)より大きいFP結合IC50を示すFPレセプターアゴニストであり;そして最も好ましくは500より小さいIC50および/または75%より大きいアゴニスト活性を有するFPレセプターアゴニストである。表1の化合物のうちで、化合物9、化合物18、化合物25、化合物42、化合物71および化合物77が最も好ましく、これら全てはイソプロピルエステルである。
【0031】
好ましいイソプロピルエステルは、好ましくは鏡像異性的に純粋な形態であり、これらは、PGF2α(I)の絶対的な立体異性構造を有する化合物に対応する。
【0032】
式Vの代表的な化合物は、表2に示され、表2は対応するFPレセプター結合データおよびアゴニスト活性データを含む。
【0033】
【表2】
緑内障および目の高血圧の処置のための本発明のプロスタグランジンアナログを含む局所処方物ならびに同じものを合成および処方する方法は、米国特許第5,510,383号;同第5,698,733号;同第5,889,052号;同第6,025,392号;および同第6,232,344号;米国特許出願番号09/284,432および10/100,399に開示され、これらの内容全体は以前に参考として援用された。本発明の化合物のための保存―安定処方物および梱包システムはまた、米国特許第5,631,287号;同第6,011,062号;および同第6,235,781号に記載され、これらの各々の内容全体は本明細書中に参考として援用される。
【0034】
本発明はまた、上記に規定されるような、発毛を刺激する有効な量の1以上のプロスタグランジンアナログおよび皮膚科学的に適合性のキャリアを含む発毛の刺激のための局所処置のための皮膚科学的組成物に関する。活性なアナログの有効量は、使用される誘導体、適用の頻度および所望の結果においてアナログを変えるが、一般的に皮膚科学的組成物の約0.0000001〜約50重量%の範囲であり;好ましくは約0.00001〜約5重量%であり;そして最も好ましくは約0.0001〜0.1重量%である。故に、代表的な組成物は、約1〜約100μgの全皮膚科学的組成物中中に約0.001〜約50μgのアナログ、より好ましくは約10〜約50μgの組成物中に約0.01〜約5μgを含有し得る。
【0035】
局所的な投与のための組成物の生成において、本発明の化合物は、一般的に、pH4.5〜8.0の間の水中に、約0.00003〜約3重量%(wt%)の溶液の間で処方される。この化合物は、好ましくは、約0.0003重量%〜約0.3重量%の間で処方され、最も好ましくは、約0.003重量%〜約0.03重量%の間で処方される。詳細なレジメンは、臨床医の裁量に任される一方で、生成する溶液を、スプレー、ロールオン(roll−on)または点滴により局所的に投与したり、患部(例えば、1日1回、頭皮に)にマッサージすることが薦められる。
【0036】
他の投与方法としては、特に睫毛に対して、従来のマスカラの用途のような、「ブラッシュイン(brushing in)」が挙げられる。当業者は、先に記載した用量および濃度の本発明のPGF2αアナログを従来のマスカラ処方物に加え得ることを認める。マスカラ処方の実施例は、米国特許第6,274,131号に見出され得、この内容は、参考として本明細書中に援用した。
【0037】
本発明の皮膚科学的(dermatalogical)調製物において好ましく用いられ得る他の成分としては、防腐剤、共溶媒および粘稠性形成剤が挙げられる。
【0038】
(抗微生物防腐剤)
代表的には、皮膚科学的生成物は多用量形式でパッケージされ、一般的に、使用する間に微生物の混入を防止するための防腐剤の添加が要求される。適切な防腐剤としては、以下のものが挙げられる:塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデテート2ナトリウム、ソルビン酸、ONAMER M(商標登録)、または当業者に公知の他の薬剤。そのような防腐剤は、代表的に、約0.001重量%〜約1.0重量%の間の濃度で用いられる。
【0039】
(共溶媒:)
代表的には、プロスタグランジン、および特にエステル誘導体は、水中において限定的な溶解性を有しており、従って、組成物中に界面活性剤または他の適切な共溶媒を要求し得る。そのような共溶媒としては、以下のものが挙げられる:ポリソルベート(Polysorbate)20、ポリソルベート60およびポリソルベート80;Pluronic F−68、Pluronic F−84およびPluronic P−103;Tyloxapol(登録商標);Cremophor(登録商標)EL;ドデシル硫酸ナトリウム;グリセロール;PEG 400;プロピレングリコール;シクロデキストリン;または当業者に公知の他の薬剤。このような共溶媒は、代表的に、約0.01重量%〜2重量%の間の濃度で用いられる。
【0040】
(粘稠剤)
単純な水溶液より大きな粘稠性は、活性組成物の眼での吸収を増加させ、処方物の調剤における可変性を減少させ、処方物の懸濁物またはエマルジョンの成分の物理的分離を減少させ、そして/またはその他にも眼科の処方物を改善させるのに所望しうる。そのような粘稠形成剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル、セルロースまたは当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。このような薬剤は、代表的には約0.01重量%〜約2重量%の間の濃度で用いられる。
【0041】
本発明の範囲内には、標題の化合物の個々のエナンチオマー、ならびにそれらのラセミ混合物および非ラセミ混合物が含まれる。個々のエナンチオマーは、以下に記載した手段によって、適切な鏡像異性的に純粋な物質または豊富な出発物質からエナンチオ選択的に合成され得る。さらに、それらの化合物は、ラセミの/非ラセミの開始材料またはアキラルな出発物質から、エナンチオ選択的に合成され得る。(Asymmetric Synthesis by J.D.Morrison and J.W.Scott編,Academic Press Publishers:New York,1983〜1985(約24人の著者らにより寄稿された章で、3年間にわたり5巻出版された)およびPrinciples of Asymmetric Synthesis by R.E.Gawley and J.Aube編,Elsevier Publishers:Amsterdam,1996)。それらの化合物はまた、多くの公知の方法(例えば、キラルHPLCによるサンプルの精製(A Practical Guide to Chiral Separations by HPLC,G.Subramanian編,VCH Publishers:New York,1994;Chiral Separations by HPLC,A.M.Krstulovic編,Ellis Horwood Ltd.Publishers,1989)、または酵素によるカルボン酸エステルサンプルのエナンチオ選択的加水分解(Ohno,M.;Otsuka,M.Organic Reactions,Volume 37,page 1(1989))により、ラセミおよび非ラセミの混合物から単離し得る。当業者は、ラセミのおよび非ラセミの混合物がいくつかの手段で得られ得ることを認め、非エナンチオ選択的合成、部分的分解、または異なる鏡像異性率を有する混合サンプルでさえ、制限なく含む。また、実質的に各々エナンチオマーを含有しない個々の異性体が、本発明の範囲内に含まれる。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
(表1および表2についてのデータを、以下の方法論を用いて得た)
FPレセプター結合アッセイ:ウシ黄体は、[3H]PGE2結合部位に加えて、とFPレセプターの薬理学的な特徴を有する高い親和性の[3H]PGF2α結合部位で発現することが示された。洗浄した粒状のウシ黄体膜の全て(最終20mg/ml)を、[3H]PGF2α(0.9〜1.5nM)と共に、Krebs緩衝液(pH7.4)中で、全量500mlで、23℃で2時間インキュベートした。非特異的結合を、1〜10μMの非標識PGF2αまたはフルプロステノール(fluprostenol)で規定した。このアッセイを(予め0.3%ポリエチレンイミンに浸したWhatman GF/B ガラスファイバーフィルターを用いた)減圧濾過により停止し、そのデータを非線型、繰り返し、曲線当てはめコンピュータプログラムにより分析した。
【0043】
FPレセプター媒介性ホスホイノシチド(phosphoinositide)繰り返しアッセイ:FPレセプターを発現しているSwiss 3T3細胞内で、アゴニスト媒介性ホスホリパーゼ C活性化により生成される[3H]イノシトールリン酸([3H]−IP)を、以下のように定量した。コンフルエントな3T3細胞を、0.5mlDMEM中の1.0〜1.5μCi[3H]−myo−イノシトール(18.3Ci/mmol)に、37℃で24〜30時間さらした。次いで、細胞を10mM LiCLを含むDMEM/F−12で1回リンスし、0.5mlの同じ培地中でアゴニスト刺激実験を実施し、[3H]−IPの蓄積を促進した。細胞をアゴニストまたは溶媒に、37℃で60分間さらし(3連による決定)、次いで培地を吸引し、すぐに0.1Mの氷冷蟻酸を1ml添加した。プレートを低温に維持し、次いで凍結した。1週間凍結したサンプルを、放射標識成分でクロマトグラフする前に、解凍した。細胞溶解液(0.9ml)を、約1mlのAG1−X8アニオン置換樹脂をパックしたカラムに充填した。溶出手順は、10mlの水、次いで8mlの50mMギ酸アンモニウム、および最後の0.1Mのギ酸を含む4mlの1.2Mギ酸アンモニウムでの洗浄からなり、シンチレーションバイアル中に収集した。この溶出を15mlのシンチレーション液を加え、[3H]−IPの全量を、βカウンターのシンチレーション計測により決定した。データをOrigin Scientific Graphicsソフトウェア(Microcal Software,Northampton,MA)のS字当てはめ機能により分析し、標準的なクロプロステノール(cloprostenol)と比較した、アゴニスト効力(EC50値)およびアゴニスト有効性を決定した。
【0044】
(実施例2)
下記の処方物1〜8は、発毛を促進する際の局所的な使用についての、本発明の代表的な薬理学的組成物である。処方物1〜8の各々は、当業者に公知の手順に従って処方され得る。
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
(実施例3)
患者適格8AM(ベースライン)の決定ならびに1.5ヶ月、3ヶ月、4.5ヶ月および6ヶ月目(4臨床調査)に、各々の眼の睫毛の写真を撮影した。さらに、9ヶ月および12ヶ月目(臨床調査)に、写真を撮影した。睫毛の変化を、以下の分類を用いて分類した:睫毛の色の変化、睫毛の長さの増加、睫毛の密度の増加、および睫毛の太さの増加。2人の無関係なリーダー(reader)が、睫毛の特徴におけるベースラインからのあらゆる変化について、写真を主観的に評価した。2人のリーダーが一致しない場合、その写真を、第3のリーダーが評価した。3人全てのリーダーが異なる評価をした場合、コンセンサスをとるために会合を開いた。写真により評価された睫毛のベースラインからの変化を報告し、以下の表3に要約する。
【0053】
【表3】
トラボプラスト(0.0015%および0.004%)に関連する大部分の睫毛の変化としては、色の変化ならびに、長さ、密度および/または太さは増加が挙げられる(表4)。処置群内での、非臨床の有意な違いが、睫毛の色、長さ、密度および/または太さについて観察された。睫毛の色、長さ、密度および/または太さにおける濃度に関連する変化が、トラボプラスト0.0015%を受けた患者とトラボプラスト0.004%を受けた患者との間に観察された。ラタノプロスト(latanoprost)0.005%を受けた患者は、睫毛の色、長さ、密度、および/または太さにおいて似た型の変化をしたが、トラボプラストを受けた患者と比較して、頻度は大きく減少した。
【0054】
【表4】
本発明の化合物は、局所的なクリーム、軟膏、溶液または懸濁液、ローション、エアロゾル、粉剤などとして処方され得、そして適用され得る。肌および頭皮への局所的な使用に対して、本発明のプロスタグランジンアナログが、活性成分のキャリアとして、軟膏、クリーム、塗布薬またはパッチを用いて有利に処方され得る。また、これらの処方物は、薬剤師および用途の性質に依存して、防腐剤を含んでも含まなくても良い。このような防腐剤としては、上記に記載したもの、およびメチルパラヒドロキシ安息香酸、プロピルパラヒドロキシ安息香酸、ブチルパラヒドロキシ安息香酸、ベタイン、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。緩やかに放出する送達のための多様なマトリックスがまた、用いられ得る。代表的には、頭皮につける用量は、1日当り約0.1ng〜約100mg、より好ましくは1日当り約1ng〜約10mg、最も好ましくは1日当り約10ng〜約1mgの範囲内であり、プロスタグランジンアナログおよび処方物に依存する。処方物に依存する薬物療法の1日当りの用量を達成するために、プロスタグランジンアナログを、抗酸化物と共にまたは抗酸化物なしで、1日に1回または数回投与し得る。当業者は、最新の発明の化合物、および特にトラボプロストまたは化合物42が、’105特許の実施例2〜11において記載される化合物の代替となり得ることを理解する。
【0055】
さらに、本発明の化合物は、育毛を促進するための1つ以上の公知の薬剤と合わせ得る。理論に束縛されずに、本発明者らは、本発明の化合物が育毛を促進する作用の仕組が、現在入手し得る市販の育毛製品の作用の仕組とは異なり得ると考えている。特に、本発明の化合物は、以下と合わせ得る:i)ミノキシジル(Pharmacia)およびミノキシジル型化合物;ii)フィナステライド(finasteride)(Merck)およびフィナステライド型化合物(ジヒドロテストステロン(DHT)ブロッカー);およびiii)銅−ペプチドまたはレチノイン酸関連化合物。これらの3つの型の従来の育毛製品は、http://www.skinbiology.com/hairregrowth.html(2001年7月24日に公開)に記載されており、その内容は、参考として本明細書中に援用される。ミノキシジル型化合物の例は以下を含む:アミンキシル(aminexil)(Dercap)(L’Oreal);クロマカリム(cromakalim)/BRL34915(Pharmacia);ジアゾキシド(HyperstatIV、Proglycem);ピナシジル(pinacidil);およびそのアナログPC−1075。フィナステライド型化合物の例は、DHTブロッカーとして作用する草本製品Saw palmetto(serenoa repen)である。
【0056】
本発明は、特定の好ましい実施形態に対する参考により記載されている;しかし、それは、本発明の精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態またはその変形において実施され得ると理解されるべきである。従って、上記に記載される実施形態は、全ての点において例示となるが限定的でないと考えられ、本発明の範囲は、前述の記載ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。
【0001】
(発明の分野)
本発明は、哺乳動物(ヒトを含む)の発毛、髪の濃さおよび髪の染色を促進するための特定のプロスタグランジンアナログの使用に関する。本発明はまた、このような使用のための局所的組成物に関する。より詳細には、本発明は、発毛促進のための特定のFPプロスタグランジンアナログの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
脱毛症は、何世紀もの間、人類を悩ませてきたが、その原因は依然として完全には理解されておらず、そして適切な治療は、未だ見出されていない。脱毛症または男性型禿頭症のための2つの最近の製品は、ミノキシジル(Rogaine(登録商標))およびフィナステロイド(Propecia(登録商標))である。これらの製品の両方の活性化合物は、異なる治療のために最初は開発された:高血圧症のためのミノキシジルおよび良性前立腺肥大のためのフィナステロイド。ミノキシジルの使用に関する米国特許第4,139,619号および同第4,968,812号ならびにフィナステロイドについて米国特許第5,981,543号を参照のこと。米国特許第4,139,619号および同第4,968,812号は、発毛促進のための局所的処方物を開示するという点で、これらの開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0003】
最近、プロスタグランジンアナログ(これは緑内障の治療として本来開発された)はまた、発毛を促進し得ることが発見された。米国特許第6,262,105 B1号および米国特許出願番号09/774,555(米国特許出願公開番号US2002/0037914A1)を参照のこと。これらの両方の全内容は、本明細書中で参考として援用される。
【0004】
米国特許第6,262,105号(’105特許)の請求の範囲に記載されている発明は、いくつかの例において、プロスタグランジンアナログ(ラタノプロスト)を受けた緑内障患者が、睫毛成長の増加を経験したという観察に一部起因した。この特許は、発毛を増強するためのプロスタグランジンおよびプロスタグランジンアナログの使用を広範に開示し、一般に無数のプロスタグランジン誘導体およびプロスタグランジンアナログならびに100を超える特定の化合物を開示する。プロスタグランジンアナログのA型、F型およびE型は、’105特許に開示されたプロスタグランジンの中で好ましいものとして特徴付けられた;そして特に好ましいものとしては、13,14−ジヒドロ−15−デヒドロ−17−フェニル−18,19,20−トリノル−PGF2αおよびそのカルボン酸エステルであった。しかし、本発明の方法および組成物において有用な化合物は、’105特許において詳細に開示も示唆もされていない。
【0005】
米国特許出願番号09/774,555(’555出願)は、脱毛症を治療するための5,6−13,14−テトラヒドロPGF2αアナログ(13,14−ジヒドロPGF1αアナログとしてもまた特徴付けられる)を開示する。前と同じように、本発明の方法および組成物において有用な化合物は、’555出願において開示も示唆もされておらず、それらは本出願の最も広い特許請求の範囲の範囲内に包含されてもいない。
【0006】
公知の化合物である、クロプロステノールおよびフルプロステノールの両方は、PGF2α(天然に存在するF系のプロスタグランジン(PG))の合成アナログである。PGF2α(I)、クロプロステノール(II)およびフルプロステノール(III)の構造を、以下に示す:
【0007】
【化5】
クロプロステノールの化学名は、16−(3−クロロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノルPGF2αである。The Merck Index,第12版(1996)の論文番号2461(407頁)は、クロプロステノールの調製および公知の薬理学的プロフィールを記載する程度まで本明細書中で参考として援用される。フルプロステノールは、化学名16−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノルPGF2αを有する。The Merck Index,第12版(1996)の論文番号4231(711頁)は、フルプロステノールの調製および公知の薬理学的プロフィールを記載する程度まで本明細書中で参考として援用される。クロプロステノールおよびフルプロステノールは、化合物の下部鎖(lower chain)(ω鎖)の最後の4つの炭素を置換されたフェノキシ部分の置換によって天然産物のPGF2αと異なる16−アリールオキシPGである。
【0008】
緑内障および眼の高血圧症の治療のためのクロプロステノールおよびフルプロステノールならびに種々のそのアナログの塩およびエステルの使用は、米国特許第5,510,383号および同第5,889,052号に記載される(これらの全内容は、本明細書中で参考として援用される)。
【0009】
特定のPGF2αアナログが、哺乳動物(ヒトを含む)に局所的に適用される場合、驚いたことに、発毛促進の効果的な試薬であることが現在発見された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、発毛の促進のための方法ならびに特定のPGF2αアナログおよびそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、およびアミドを含む組成物に関する。PGF2αの9−デオキシアナログ、11―オキサアナログ、13−オキサアナログ、および15−フルオロアナログ、ならびに以前に参考として援用された米国特許第5,510,383号および同第5,889,052号に記載されるアナログからなる群より選択される強力かつ選択的なFPアゴニストは、このような組成物および方法において最も好ましい。局所投与に適切な種々の薬学的に受容可能なキャリアは、本発明の範囲内に含まれる。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明において有用な化合物は、米国特許第5,510,383号、同第5,889,052号、同第5,698,733号、同第6,025,392号および同第6,232,344号;ならびに米国特許出願番号09/284,432および10/100,399に記載される;前記の各々の内容全体は本明細書中に参考として援用される。次の式の化合物:
【0012】
【化6】
からなる群から選択される化合物は、それらの化合物に含まれ、
ここで:
R1は、OR、ここでRは、H;C1−C12直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;C1−C12直鎖アシルもしくは分枝鎖アシル;C3−C8シクロアルキル;または陽イオン性の塩部分であるか;あるいはRは、NR4R5、ここでR4およびR5は、同じであるかまたは異なり、そしてH;C1−C12直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;C1−C12直鎖アシルもしくは分枝鎖アシル;またはC3−C8シクロアルキルであり;
R2、R3は、H、またはC1−C5直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;あるいはR2およびR3は、まとめてOを表し得;
Xは、O、SまたはCH2であり;
【0013】
【化7】
は、単結合、あるいはα(上部)鎖についてのcisまたはtrans二重結合;およびω(下部)鎖についての単結合またはtrans二重結合の任意の組合せを表し;
R9は、H;C1−C10直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;またはC1−C10直鎖アシルもしくは分枝鎖アシルであり;
R11は、H;C1−C10直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;またはC1−C10直鎖アシルもしくは分枝鎖アシルであり;
Yは、O;またはいずれかの配置においてHおよびOR15であり、ここでR15は、H、C1−C10直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキル;またはC1−C10直鎖アシルもしくは分枝鎖アシルであり;そして
Zは、ClまたはCF3であり;
そして以下の表1において同定される化合物1〜80である。
【0014】
【表1】
本発明における用途のための式IVの化合物のうちで、以下の式Vの構造:
【0015】
【化8】
を有する化合物が好ましい:
ここで:
R1は、ORまたはNR3R4であり、ここで
Rは、H、陽イオン性の塩部分、薬学的に受容可能なアミン部分、または
C1−C12アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
R3およびR4は、同じであるかまたは異なってH、アルキル、シクロアルキル、アリール、あるいはOR5であり、但しR3およびR4は、共にOR5であり得ず、ここで
R5は、H、アルキル、アシル、シクロアルキル、またはアリールであり;そして
R2は、ClまたはCF3である。
【0016】
クロプロステノール(cloprostenol)およびフルプロステノール(fluprostenol)のエステルは、このような化合物の中で特に好ましく、これらは式Vに対応して:
R1は、ORであり、ここで
Rは、C1−C12アルキル;そして
R2は、ClまたはCF3である。
【0017】
鏡像異性的に純粋な形態におけるクロプロステノールおよびフルプロステノールのイソプロピルエステルが最も好ましく、これらは式Vの絶対的な立体化学構造を有する化合物に対応して:
R1は、ORであり、ここでRは、イソプロピルであり;そして
R2は、ClまたはCF3である。
【0018】
クロプロステノールおよびフルプロステノールの15−ケトアナログもまた好ましい。
【0019】
フルプロステノールの好ましい鏡像異性体のイソプロピルエステルに対する一般名は、トラボプロスト(travoprost)である。フルプロステノールおよびクロプロステノールと同様に、トラボプロストおよびその15−ケトアナログは、Cayman Chemical Company,Ann Arbor,Michiganから市販されている。
【0020】
本明細書中で使用される場合:
用語「アシル」は、酸素原子への二重結合および別の炭素原子への単結合を有する炭素原子によって連結される基を表す。
【0021】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する1〜15個の炭素原子を有する直鎖炭化水素基または分枝鎖炭化水素基を含む。この鎖水素は、ハロゲンのような他の基に置換され得る。好ましい直鎖アルケニル基または分枝鎖アルケニル基としては、アリル、1−ブテニル、1−メチル−2−プロペニルおよび4−ペンチニルが挙げられる。
【0022】
用語「アルコキシ」は、酸素連結を介して結合されたアルキル基を表す。
【0023】
用語「アルキル」は、1〜15個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基あるいは不飽和脂肪族炭化水素基を含む。このアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアルコキシのような他の基に置換され得る。好ましい直鎖アルキル基または分枝鎖アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびt−ブチルのような低級アルキル基が挙げられる。しかし、アルケニル基およびアルキニル基もまた含まれる。
【0024】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する1〜15個の炭素原子を有する直鎖炭化水素基または分枝鎖炭化水素基を含む。この鎖水素は、ハロゲンのような他の基に置換され得る。好ましい直鎖アルキニル基または分枝鎖アルキニル基としては、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニルおよび2−ペンチニルが挙げられる。
【0025】
用語「アリール」は、芳香族である炭素ベースの環をいう。この環はフェニルのように分離され得るか、またはナフチルのように縮合され得る。環水素は、低級アルキルまたはハロゲンのような他の基に置換され得る。本明細書中で使用される場合、「アリール」は、ヘテロアリール基を含む。
【0026】
用語「カチオン性塩部分」は、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩ならびにアンモニウム塩を含む。
【0027】
用語「シクロアルキル」は、結合して1個以上の環(これらは、縮合され得るかまたは分離され得る)を形成する直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基あるいは不飽和脂肪族炭化水素基を含む。この環は、ハロゲン、ヒドロキシルまたは低級アルキルのような他の基に置換され得る。好ましいシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0028】
用語「ヘテロアリール」は、環の中にO、S、またはNのような少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族炭化水素環をいう。ヘテロアリール環は、5〜6個の環原子を有して分離され得るか、または8〜10原子を有して縮合され得る。ヘテロアリール環水素または開いた原子価を有するヘテロ原子は、低級アルキルまたはハロゲンのような他の基に置換され得る。ヘテロアリール基の例としては、イミダゾール、ピリジン、インドール、キノリン、フラン、チオフェン、ピロール、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンゾフラン、およびジヒドロベンズインドールが挙げられる。
【0029】
用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素(C1〜C6)を含むアルキル基を表す。
【0030】
表1の化合物のうちで強力かつ選択的なFPレセプターアゴニストが好ましく;詳細には遊離酸形態が1000nMより少ない、および/または50%アゴニスト活性(表1において反映されるように−トラボプロスト酸が標準の完全なアゴニスト(100%)を表す)より大きいFP結合IC50を示すFPレセプターアゴニストであり;そして最も好ましくは500より小さいIC50および/または75%より大きいアゴニスト活性を有するFPレセプターアゴニストである。表1の化合物のうちで、化合物9、化合物18、化合物25、化合物42、化合物71および化合物77が最も好ましく、これら全てはイソプロピルエステルである。
【0031】
好ましいイソプロピルエステルは、好ましくは鏡像異性的に純粋な形態であり、これらは、PGF2α(I)の絶対的な立体異性構造を有する化合物に対応する。
【0032】
式Vの代表的な化合物は、表2に示され、表2は対応するFPレセプター結合データおよびアゴニスト活性データを含む。
【0033】
【表2】
緑内障および目の高血圧の処置のための本発明のプロスタグランジンアナログを含む局所処方物ならびに同じものを合成および処方する方法は、米国特許第5,510,383号;同第5,698,733号;同第5,889,052号;同第6,025,392号;および同第6,232,344号;米国特許出願番号09/284,432および10/100,399に開示され、これらの内容全体は以前に参考として援用された。本発明の化合物のための保存―安定処方物および梱包システムはまた、米国特許第5,631,287号;同第6,011,062号;および同第6,235,781号に記載され、これらの各々の内容全体は本明細書中に参考として援用される。
【0034】
本発明はまた、上記に規定されるような、発毛を刺激する有効な量の1以上のプロスタグランジンアナログおよび皮膚科学的に適合性のキャリアを含む発毛の刺激のための局所処置のための皮膚科学的組成物に関する。活性なアナログの有効量は、使用される誘導体、適用の頻度および所望の結果においてアナログを変えるが、一般的に皮膚科学的組成物の約0.0000001〜約50重量%の範囲であり;好ましくは約0.00001〜約5重量%であり;そして最も好ましくは約0.0001〜0.1重量%である。故に、代表的な組成物は、約1〜約100μgの全皮膚科学的組成物中中に約0.001〜約50μgのアナログ、より好ましくは約10〜約50μgの組成物中に約0.01〜約5μgを含有し得る。
【0035】
局所的な投与のための組成物の生成において、本発明の化合物は、一般的に、pH4.5〜8.0の間の水中に、約0.00003〜約3重量%(wt%)の溶液の間で処方される。この化合物は、好ましくは、約0.0003重量%〜約0.3重量%の間で処方され、最も好ましくは、約0.003重量%〜約0.03重量%の間で処方される。詳細なレジメンは、臨床医の裁量に任される一方で、生成する溶液を、スプレー、ロールオン(roll−on)または点滴により局所的に投与したり、患部(例えば、1日1回、頭皮に)にマッサージすることが薦められる。
【0036】
他の投与方法としては、特に睫毛に対して、従来のマスカラの用途のような、「ブラッシュイン(brushing in)」が挙げられる。当業者は、先に記載した用量および濃度の本発明のPGF2αアナログを従来のマスカラ処方物に加え得ることを認める。マスカラ処方の実施例は、米国特許第6,274,131号に見出され得、この内容は、参考として本明細書中に援用した。
【0037】
本発明の皮膚科学的(dermatalogical)調製物において好ましく用いられ得る他の成分としては、防腐剤、共溶媒および粘稠性形成剤が挙げられる。
【0038】
(抗微生物防腐剤)
代表的には、皮膚科学的生成物は多用量形式でパッケージされ、一般的に、使用する間に微生物の混入を防止するための防腐剤の添加が要求される。適切な防腐剤としては、以下のものが挙げられる:塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデテート2ナトリウム、ソルビン酸、ONAMER M(商標登録)、または当業者に公知の他の薬剤。そのような防腐剤は、代表的に、約0.001重量%〜約1.0重量%の間の濃度で用いられる。
【0039】
(共溶媒:)
代表的には、プロスタグランジン、および特にエステル誘導体は、水中において限定的な溶解性を有しており、従って、組成物中に界面活性剤または他の適切な共溶媒を要求し得る。そのような共溶媒としては、以下のものが挙げられる:ポリソルベート(Polysorbate)20、ポリソルベート60およびポリソルベート80;Pluronic F−68、Pluronic F−84およびPluronic P−103;Tyloxapol(登録商標);Cremophor(登録商標)EL;ドデシル硫酸ナトリウム;グリセロール;PEG 400;プロピレングリコール;シクロデキストリン;または当業者に公知の他の薬剤。このような共溶媒は、代表的に、約0.01重量%〜2重量%の間の濃度で用いられる。
【0040】
(粘稠剤)
単純な水溶液より大きな粘稠性は、活性組成物の眼での吸収を増加させ、処方物の調剤における可変性を減少させ、処方物の懸濁物またはエマルジョンの成分の物理的分離を減少させ、そして/またはその他にも眼科の処方物を改善させるのに所望しうる。そのような粘稠形成剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル、セルロースまたは当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。このような薬剤は、代表的には約0.01重量%〜約2重量%の間の濃度で用いられる。
【0041】
本発明の範囲内には、標題の化合物の個々のエナンチオマー、ならびにそれらのラセミ混合物および非ラセミ混合物が含まれる。個々のエナンチオマーは、以下に記載した手段によって、適切な鏡像異性的に純粋な物質または豊富な出発物質からエナンチオ選択的に合成され得る。さらに、それらの化合物は、ラセミの/非ラセミの開始材料またはアキラルな出発物質から、エナンチオ選択的に合成され得る。(Asymmetric Synthesis by J.D.Morrison and J.W.Scott編,Academic Press Publishers:New York,1983〜1985(約24人の著者らにより寄稿された章で、3年間にわたり5巻出版された)およびPrinciples of Asymmetric Synthesis by R.E.Gawley and J.Aube編,Elsevier Publishers:Amsterdam,1996)。それらの化合物はまた、多くの公知の方法(例えば、キラルHPLCによるサンプルの精製(A Practical Guide to Chiral Separations by HPLC,G.Subramanian編,VCH Publishers:New York,1994;Chiral Separations by HPLC,A.M.Krstulovic編,Ellis Horwood Ltd.Publishers,1989)、または酵素によるカルボン酸エステルサンプルのエナンチオ選択的加水分解(Ohno,M.;Otsuka,M.Organic Reactions,Volume 37,page 1(1989))により、ラセミおよび非ラセミの混合物から単離し得る。当業者は、ラセミのおよび非ラセミの混合物がいくつかの手段で得られ得ることを認め、非エナンチオ選択的合成、部分的分解、または異なる鏡像異性率を有する混合サンプルでさえ、制限なく含む。また、実質的に各々エナンチオマーを含有しない個々の異性体が、本発明の範囲内に含まれる。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
(表1および表2についてのデータを、以下の方法論を用いて得た)
FPレセプター結合アッセイ:ウシ黄体は、[3H]PGE2結合部位に加えて、とFPレセプターの薬理学的な特徴を有する高い親和性の[3H]PGF2α結合部位で発現することが示された。洗浄した粒状のウシ黄体膜の全て(最終20mg/ml)を、[3H]PGF2α(0.9〜1.5nM)と共に、Krebs緩衝液(pH7.4)中で、全量500mlで、23℃で2時間インキュベートした。非特異的結合を、1〜10μMの非標識PGF2αまたはフルプロステノール(fluprostenol)で規定した。このアッセイを(予め0.3%ポリエチレンイミンに浸したWhatman GF/B ガラスファイバーフィルターを用いた)減圧濾過により停止し、そのデータを非線型、繰り返し、曲線当てはめコンピュータプログラムにより分析した。
【0043】
FPレセプター媒介性ホスホイノシチド(phosphoinositide)繰り返しアッセイ:FPレセプターを発現しているSwiss 3T3細胞内で、アゴニスト媒介性ホスホリパーゼ C活性化により生成される[3H]イノシトールリン酸([3H]−IP)を、以下のように定量した。コンフルエントな3T3細胞を、0.5mlDMEM中の1.0〜1.5μCi[3H]−myo−イノシトール(18.3Ci/mmol)に、37℃で24〜30時間さらした。次いで、細胞を10mM LiCLを含むDMEM/F−12で1回リンスし、0.5mlの同じ培地中でアゴニスト刺激実験を実施し、[3H]−IPの蓄積を促進した。細胞をアゴニストまたは溶媒に、37℃で60分間さらし(3連による決定)、次いで培地を吸引し、すぐに0.1Mの氷冷蟻酸を1ml添加した。プレートを低温に維持し、次いで凍結した。1週間凍結したサンプルを、放射標識成分でクロマトグラフする前に、解凍した。細胞溶解液(0.9ml)を、約1mlのAG1−X8アニオン置換樹脂をパックしたカラムに充填した。溶出手順は、10mlの水、次いで8mlの50mMギ酸アンモニウム、および最後の0.1Mのギ酸を含む4mlの1.2Mギ酸アンモニウムでの洗浄からなり、シンチレーションバイアル中に収集した。この溶出を15mlのシンチレーション液を加え、[3H]−IPの全量を、βカウンターのシンチレーション計測により決定した。データをOrigin Scientific Graphicsソフトウェア(Microcal Software,Northampton,MA)のS字当てはめ機能により分析し、標準的なクロプロステノール(cloprostenol)と比較した、アゴニスト効力(EC50値)およびアゴニスト有効性を決定した。
【0044】
(実施例2)
下記の処方物1〜8は、発毛を促進する際の局所的な使用についての、本発明の代表的な薬理学的組成物である。処方物1〜8の各々は、当業者に公知の手順に従って処方され得る。
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
(実施例3)
患者適格8AM(ベースライン)の決定ならびに1.5ヶ月、3ヶ月、4.5ヶ月および6ヶ月目(4臨床調査)に、各々の眼の睫毛の写真を撮影した。さらに、9ヶ月および12ヶ月目(臨床調査)に、写真を撮影した。睫毛の変化を、以下の分類を用いて分類した:睫毛の色の変化、睫毛の長さの増加、睫毛の密度の増加、および睫毛の太さの増加。2人の無関係なリーダー(reader)が、睫毛の特徴におけるベースラインからのあらゆる変化について、写真を主観的に評価した。2人のリーダーが一致しない場合、その写真を、第3のリーダーが評価した。3人全てのリーダーが異なる評価をした場合、コンセンサスをとるために会合を開いた。写真により評価された睫毛のベースラインからの変化を報告し、以下の表3に要約する。
【0053】
【表3】
トラボプラスト(0.0015%および0.004%)に関連する大部分の睫毛の変化としては、色の変化ならびに、長さ、密度および/または太さは増加が挙げられる(表4)。処置群内での、非臨床の有意な違いが、睫毛の色、長さ、密度および/または太さについて観察された。睫毛の色、長さ、密度および/または太さにおける濃度に関連する変化が、トラボプラスト0.0015%を受けた患者とトラボプラスト0.004%を受けた患者との間に観察された。ラタノプロスト(latanoprost)0.005%を受けた患者は、睫毛の色、長さ、密度、および/または太さにおいて似た型の変化をしたが、トラボプラストを受けた患者と比較して、頻度は大きく減少した。
【0054】
【表4】
本発明の化合物は、局所的なクリーム、軟膏、溶液または懸濁液、ローション、エアロゾル、粉剤などとして処方され得、そして適用され得る。肌および頭皮への局所的な使用に対して、本発明のプロスタグランジンアナログが、活性成分のキャリアとして、軟膏、クリーム、塗布薬またはパッチを用いて有利に処方され得る。また、これらの処方物は、薬剤師および用途の性質に依存して、防腐剤を含んでも含まなくても良い。このような防腐剤としては、上記に記載したもの、およびメチルパラヒドロキシ安息香酸、プロピルパラヒドロキシ安息香酸、ブチルパラヒドロキシ安息香酸、ベタイン、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。緩やかに放出する送達のための多様なマトリックスがまた、用いられ得る。代表的には、頭皮につける用量は、1日当り約0.1ng〜約100mg、より好ましくは1日当り約1ng〜約10mg、最も好ましくは1日当り約10ng〜約1mgの範囲内であり、プロスタグランジンアナログおよび処方物に依存する。処方物に依存する薬物療法の1日当りの用量を達成するために、プロスタグランジンアナログを、抗酸化物と共にまたは抗酸化物なしで、1日に1回または数回投与し得る。当業者は、最新の発明の化合物、および特にトラボプロストまたは化合物42が、’105特許の実施例2〜11において記載される化合物の代替となり得ることを理解する。
【0055】
さらに、本発明の化合物は、育毛を促進するための1つ以上の公知の薬剤と合わせ得る。理論に束縛されずに、本発明者らは、本発明の化合物が育毛を促進する作用の仕組が、現在入手し得る市販の育毛製品の作用の仕組とは異なり得ると考えている。特に、本発明の化合物は、以下と合わせ得る:i)ミノキシジル(Pharmacia)およびミノキシジル型化合物;ii)フィナステライド(finasteride)(Merck)およびフィナステライド型化合物(ジヒドロテストステロン(DHT)ブロッカー);およびiii)銅−ペプチドまたはレチノイン酸関連化合物。これらの3つの型の従来の育毛製品は、http://www.skinbiology.com/hairregrowth.html(2001年7月24日に公開)に記載されており、その内容は、参考として本明細書中に援用される。ミノキシジル型化合物の例は以下を含む:アミンキシル(aminexil)(Dercap)(L’Oreal);クロマカリム(cromakalim)/BRL34915(Pharmacia);ジアゾキシド(HyperstatIV、Proglycem);ピナシジル(pinacidil);およびそのアナログPC−1075。フィナステライド型化合物の例は、DHTブロッカーとして作用する草本製品Saw palmetto(serenoa repen)である。
【0056】
本発明は、特定の好ましい実施形態に対する参考により記載されている;しかし、それは、本発明の精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態またはその変形において実施され得ると理解されるべきである。従って、上記に記載される実施形態は、全ての点において例示となるが限定的でないと考えられ、本発明の範囲は、前述の記載ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。
Claims (6)
- 哺乳動物において発毛を促進する方法であって、該方法は、以下からなる群から選択されるPGF2αアナログの有効量を哺乳動物の皮膚に局所的に適用する工程を包含し、
ならびに式IVの化合物
R1はORであり、ここでRはH;C1〜C12の直鎖または分枝鎖アルキル;C1〜C12の直鎖または分枝鎖アシル;C3〜C8のシクロアルキル;またはカチオン性塩部分であるか;あるいはRはNR4R5であり、ここで、R4およびR5は同じか異なり、そしてH;C1〜C12の直鎖または分枝鎖アルキル;C1〜C12の直鎖または分枝鎖アシル;またはC3〜C8のシクロアルキルであり;
R2、R3はHまたはC1〜C5の直鎖もしくは分枝鎖アルキルであるか;またはR2とR3と一緒になってOを表し得;
XはO、SまたはCH2であり;
R9はH、C1〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル、あるいはC1〜C10の直鎖または分枝鎖アシルであり;
R11はH、C1〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル、あるいはC1〜C10の直鎖または分枝鎖アシルであり;
YはO;またはいずれかの構成においてHおよびOR15であり、ここで、R15はH、C1〜C10の直鎖または分枝鎖アルキル、あるいはC1〜C10の直鎖または分枝鎖アシルであり、そして
ZはClまたはCF3であり、
但し、以下の化合物を除く:クロプロステノール、フルプロステノール、トラボプロストおよび13,14−ジヒドロ−16−((3−トリフルオロメチル)フェノキシ)−16−テトラノルプロスタグランジンF1α;ならびにその塩、エステル、およびアミド、
方法。 - 前記PGFaαアナログが、約0.0000001重量%〜約50重量%の該PGFaαアナログを含有する組成物で適用される、請求項1に記載の方法。
- 前記組成物が、約0.0001重量%〜約5重量%のPGF2αアナログを含有する請求項4に記載の方法。
- 前記組成物が、約0.0001重量%〜約0.1重量%のPGF2αアナログを含有する請求項5に記載の方法。
- 前記PGF2αアナログが、約0.0001重量%〜約0.1重量%の濃度の該PGF2αアナログを有する組成物で適用される請求項2に記載の方法。
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