JP2004537465A - ブレーキ液の貯留部及びマスターシリンダを有する自動車用ブレーキ回路 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ブレーキ制御装置に係り、このブレーキ装置は、液貯留部4と、マスターシリンダ2と、貯留部内のシリンダの液を第1の最小流れ断面31を提供することによって上昇させることができる弁14とを備えている。
弁は、シリンダ内の圧力が与えられた閾値を超えた場合に、第1の断面より大きな第2の最小流れ断面33を提供することにより、液を上昇させることができる。
【選択図】図2
弁は、シリンダ内の圧力が与えられた閾値を超えた場合に、第1の断面より大きな第2の最小流れ断面33を提供することにより、液を上昇させることができる。
【選択図】図2
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ液の貯留部及びマスターシリンダを有する自動車用ブレーキ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車用ブレーキ回路において、ブレーキ装置はマスターシリンダからブレーキ液の圧力の形で制動指令を受け取り、その液自体は液貯留部から供給される。運転者によって機械的な形で出力された制動指令は、マスターシリンダの本体内を移動できる2つのピストンによってマスターシリンダで液圧の形に変換される。指令を受け取る前には、各ピストンによって加圧されるべきチャンバは、ピストンのオリフィスを通して液貯留部に連通している。ピストンが移動し始めると、このオリフィスは密封縁部を通過し、このことはチャンバがそれ自身貯留部から隔絶され、チャンバ内の圧力が上昇し始めることを意味する。圧力が上昇し始めるまでのピストンの移動距離は、ブレーキに対して何ら貢献しないために「不作動距離(dead travel)」として知られている。このため、できるだけこの距離を短くするための試みがなされている。
【0003】
このため、中央に通路が穿孔された円盤状即ちディスク状の弁を、貯留部とマスターシリンダの間に配置することが提案されている。この弁は、ブレーキ液の密度と等しくなく、このことは非作動時において弁がその上方で貯留部側に配置された台座に対して押圧されるようになることを意味する。貯留部からマスターシリンダに向かって液が降下する場合、ディスクは自動的に降下する。非作動時において、中央通路は、マスターシリンダの液を貯留部に向けて制限を設けて低流速で上昇させて戻すことができる。制動指令が出されている間には、ピストンの動きは流速の突然かつ急激な上昇をもたらす。そのような制限は液が十分迅速に上昇して戻ることを不可能にするということが分かるので、この弁はあたかも貯留部とマスターシリンダとの間の連通を遮断するかのように本質的に振舞う。従って、縁部を通過する前であっても、ピストンチャンバ内で圧力が大変急激に上昇することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような配置は、本来的に知られたABSやESP(動的進路制御:dynamic course control)等が取り付けられて特に改良されたブレーキ回路においては不利となる。なぜなら、今日多くの自動車に取り付けられているそのような装置は、ブレーキからマスターシリンダに液を戻す傾向にあるからである。このため大変高い圧力が発生し、その圧力が弁ディスクを破損してしまうかもしれない。
本発明の目的の1つは、ABSのような形式の装置が装備されていても、弁を破損する危険を冒すことなく、不作動距離を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明は、ブレーキ制御装置であって、
液貯留部4、
マスターシリンダ2、
貯留部内のシリンダの液を第1の最小流れ断面を提供することによって上昇させることができる弁とを備え、
弁は、シリンダ内の圧力が与えられた閾値を超えた場合に、第1の断面より大きな第2の最小流れ断面を提供することにより液を上昇させることができるブレーキ制御装置を提供する。
このように、弁はピストンが移動し始める時には本質的にシャッタとして振る舞い続け、圧力は相対的に低く且つ閾値よりも低くなる。一方、例えばABSやESPの作用の結果として閾値を超える圧力の急激な上昇が生じて、液の貯留部への突然の逆流が生じた場合に、第2の断面によって、弁の破損の危険を冒すこと無く、液を貯留部に向かって上昇させ戻すことができる。従って、弁の信頼性及び短い不作動距離の両方が確保される。
【0006】
また本発明の装置は、以下の特徴の少なくとも何れか1つを備えており、それは、
弁は、台座と、台座に当接できるシャッタとを備えていること、
台座に対してシャッタを芯合わせする手段を有すること、
シャッタは、液よりも低い密度を有すること、
台座は剛体であること、
台座は、圧力が閾値を超えた場合に、貯留部に対して移動できること、
台座は少なくとも1つの通路を備え、台座が移動した場合にだけ通路を通して液を上昇させるように設計されていること、
液の上昇に対抗して台座を戻す手段を備えること、
台座は、圧力が閾値を超えた場合に弾性的に変形できること、
台座は、液が上昇中に台座の周りを流れるように変形できること、
台座は、液が上昇中に台座を通って流れるように変形できること、
台座は、変形中のみ開くように設計されたオリフィスを少なくとも1つ備えていること、
オリフィスは、台座の1つの端縁部に開口していること、
オリフィスは、台座の端縁部から所定距離離れて形成されていること、
装置は、圧力が閾値を超えた場合に、シャッタが台座に対して傾斜するように設計された少なくとも1つの隆起部を有していること、
シャッタは、少なくとも1つの通路であって、シャッタが台座に接触した場合に管を通して液を上昇させるように設計された通路を有していること、
通路は、シャッタを貫通していること、
通路は、台座と接触できるシャッタの1つの面上にわたって形成されていること、
シャッタは、台座と接触できる1つの略球面を有していること、
シャッタはボールであること、
シャッタは、全体として平坦な塊の形状を有すること、
弁は、マスターシリンダに向かって液が通過できるオリフィスを有し、弁はシャッタの最下方位置においてこのオリフィスを開放させること、
オリフィスは鉛直壁に形成されていること、
貯留部がマスターシリンダに組みつけられる前において、シャッタを貯留部に対して保持する手段を備えていること、
弁は、第1の断面31よりも大きな第3の最小流れ断面35を提供することにより、貯留部からマスターシリンダに液を降下させることができること、
などである。
【0007】
また、本発明は、液貯留部及びマスターシリンダを備えたブレーキを制御するための装置に使用される弁であって、弁は第1の最小流れ断面31を提供することによって液を上昇させることができるものであり、弁は、液の上昇中の流れの方向に関して弁の上流側における液の圧力が、与えられた閾値に達した場合に、第1の断面よりも大きな第2の最小流れ断面33を提供することにより、液を上昇させることができる弁を適用する。
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の様々な実施形態の説明によって更に明らかになるであろう。ここで示す実施形態は、なんら限定しないつもりで示したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のブレーキ制御装置の第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。この装置は、自動車の4つの車輪にそれぞれ設けられたディスクブレーキ又はドラムブレーキへ、加圧されたブレーキ液を供給するための液圧ブレーキ回路を備えた自動車のためのものである。
【0009】
本来的に知られた態様において装置は、2つのピストン4を有するマスターシリンダ2(ここでは、タンデム型)を備えており、ここでは1つのピストンのみが図示されており、ピストンは、回路内の圧力上昇を作り出すことができ、運転者から生じた制動指令をブレーキに伝達できる。装置はまた、各ピストン4に付随する2つのチャンバ8の各々にブレーキ液を供給するように設計されたブレーキ液6の貯留部4を備えている。単一の供給回路が図1に示されているが、装置が従来技術の装置と同様に、同じ貯留部4から各チャンバ8へブレーキ液を供給することができる2つの回路を備えていることは理解されるに違いない。
貯留部4はマスターシリンダの上方に配置され、貯留部からマスターシリンダへ重力の下でブレーキ液の流れが促進されるようになっている。特にこの例において、貯留部はマスターシリンダ内に入れ子状(nesting)に取り付けられている。このため、貯留部4は、雄−雌結合で、対応する大きさのマスターシリンダの筒状ハウジング12に収容されるべき筒状首部10を備えている。
【0010】
本発明による装置は、貯留部の首部10の直ぐ下方に延びるマスターシリンダの空洞に配置された弁14を備えている。従って弁は、直接貯留部からブレーキ液を受け取る。弁の下方には、ピストンの位置に応じて、弁をピストンで形成されるチャンバ又はピストン自身と直接連通させる通路16が形成されている。装置は、首部10とハウジング12との間に挿入されるシール20を備えており、これらの物品が出会う位置においてブレーキ液を密封するようになっており、従って弁は大気から隔絶される。もちろん、図示された実施形態では、貯留部が2つの点でマスタシリンダに供給し、本発明の装置が上記したような2つの弁を備えることが望ましい、という事実がわかるであろう。もちろん図示したマスターシリンダが単に1つの弁を有することも考えられ、その場合図示した第2回路に配置するのが都合がよい。
【0011】
首部10は、垂直中心軸11に関して首部の内側に向かって半径方向に延びる縁部22を有している。この縁部22は、軸の回りにおいて連続的に直立(right)している。弁は、特に図5に示すような台座24を有している。この台座は小円版26からなり、その中央部にはオリフィス28を有し、その外縁部から半径方向にタブ30が延びており、この例では4つのタブが小円版の周りに均等に配置されている。オリフィスは、液体の通路としての切り欠きのような漏洩溝によって遮られた円形状を有している。台座24は、縁部22上に静止している。この位置において、タブ30の端部は首部10の内面と滑り接触しており、小円版を首部と概ね同軸に中心決めする。小円版26の外径は、縁部22の内径より大きく、このことは小円版の外周端部が常に縁部22と当接することを意味する。シャッタ14は、全体形状が円錐状でその最も狭い断面部の位置で下向きに小円板26の上面を支承すると共に、上部においてそのような目的で首部10に形成された肩部34を支承する螺旋バネを備えている。このバネ32は、台座24を縁部22に向けて下方に押し戻す。
【0012】
弁は、この実例ではボールからなるシャッタ40を備えている。このボールは本来的に知られた材料で作られており、ブレーキ液の密度よりも低い密度である。そのため、ボールはブレーキ液に浸されると重力の作用に対抗して浮かび上がる。ボールは縁部22に対向する台座24の下方まで及ぶ。非作動時において、それ自身は小円板26に対しその中央オリフィス28をほぼ閉じる位置にある。
【0013】
この装置は、以下のように動作する。図2を参照すると、マスターシリンダ内に存在するブレーキ液は、矢印25で示すようにシャッタ40と台座24との間のオリフィス8の切り欠き通って漏れて、低い圧力で自由に通路16及び首部10を通り貯留部に向かって上昇することができる。
更に、必要であれば、貯留部に存在するブレーキ液は通路16を通ってマスターシリンダに流れることができる。この流れは、ブレーキ液のためのより広い通路断面を提供するように、一時的にボールを台座24から幾分かの距離だけ下降させる。
【0014】
図4は、例えばブレーキ液がABS形式の装置によってマスターシリンダに送られたりなどのいくつかの理由により、例えば後者の非作動中にマスターシリンダ内の圧力が急激に上昇した場合を示している。従ってこの圧力は、弁14に伝達される。この高圧は、ボール40と台座24をバネ32の作用に対抗して動かし、このことはバネが圧縮されると共に台座とシャッタとが一体となって持ち上がることを意味している。このような条件の下で、一方ではシャッタ40と縁部22との間に、他方では各タブ30の間に、ブレーキ液のための大きな通路断面が提供される。
【0015】
図2の状況において、ここでは第1最小断面と定める小さな流れ断面31は、オリフィス28の切り欠きによってシャッタ40と台座24との間に画定される。図4の状況において、ここでは第2最小断面と定める最も小さな流れ断面33は、シャッタ40と縁部22との間及び各タブ30の間に画定される。
この第2最小断面33は、第1最小断面31よりも大きい。装置の構成は閾値を決定するが、圧力がこの閾値より低い時には図2の構成でブレーキ液の上昇が発生し、この圧力が閾値を超えた時に図4の構成により上昇が発生するように決定される。この閾値は、バネ32の幅広い荷重に依存している。装置を構成すること、特に与えられた圧力閾値を所望の値に設定するようにバネを較正することは容易であろう。図3の構成において、ブレーキ液の流れは、ここでは第3最小断面と定める最小断面35であって台座のオリフィス28によって画定される最小断面35を通したものに置き換わる。
【0016】
他の代替案としては、図1に示すように、縁部22から下方に向かって広がり通路16から幾分かの距離に位置させることによってシャッタ40を囲む格子又はフィルタを備えた弁を考えることも可能である。そのような要素は、どんなことがあってもシャッタがマスターシリンダに繋がる通路16を遮断せず、組み立てを容易にすることを確実にすることができる。
【0017】
装置の実施形態の他の代替案的形態は、特定の参照番号に100を加えた図6に示されている。本実施形態と上記した実施形態との違いは、今回の場合はシャッタ140がディスクの形態で構成されているという事実だけであり、そのディスクの上面には、約90又は180°にわたってこの面に切り込まれた肩部または溝部を有している。シャッタ140の直径は、台座24の中央オリフィス28の直径よりも大きい。
この実施形態は、上記実施形態と同様に十分に機能する。非作動時において、シャッタ140は下面から台座24に当接する。台座24のオリフィス28は、その当接した上面によって完全には閉じられていないので、ブレーキ液は常に低い圧力で上昇でき、ブレーキ液はシャッタと台座の肩部との間を通過する。圧力が与えられた閾値を超えた場合、より大きな流れ断面を提供するために、台座とシャッタとは上方に移動してバネ32を圧縮する。ブレーキ液が貯留部からマスターシリンダに降下する場合、低圧での上昇の場合よりも大きな断面のオリフィス28を通ってブレーキ液が流れることができるように、シャッタ140は降下することができる。
【0018】
他の実施形態を図7に示している。この実施形態において、上記実施形態のように、貯留部の首部10は、マスターシリンダのハウジング12内にシール20の挿入物と共に入れ子状に収納されており、ここでの断面形状は図2のそれとは異なっている。具体的に、ここでのシールの形状は横方向の2つのふくらみを有し、一方が他方の上方にある。この特別な例の台座224は、軸11を有する全体が筒状の形状である。そして、台座は軸11に関して半径方向外側に向かって広がる縁部225を備えている。首部10はそれ自身、首部の上部において軸11に関して半径方向内側に向かって広がる縁部13を備えている。ここでバネ232は、軸11を有する全体が筒状の形状であり、縁部13の下面に対して上向きに当接し、縁部225の上面に対して下向きに当接する。従って、バネはここでは台座224を下方に押す部品として再び機能する。Oリングシール44は、首部10と台座224との間に軸11に関して半径方向に挿入され、このシールは縁部225の下方に広がる。台座224は、本質的に平坦な下方軸端縁246を有しており、この下方軸端縁は弁240が非作動時の場合に首部10の下方縁より下に下がって延びている。この特定の例のシャッタ240は、全体形状が平坦な塊又はディスク状である。例えば、シャッタはその中心にシャッタの厚さを貫通する筒状形状の通路228を有している。シャッタはまた、シャッタの外縁に切り込む少なくとも1つの切り欠き248を有している。
【0019】
この実施形態は以下のように機能する。弁が非作動時には、シャッタ240はその低密度により台座224の下縁246に対して当接する。この状態で、圧力が与えられた閾値を超えていない場合には、ブレーキ液はオリフィス228を通って上昇することができる。
圧力が閾値を超えた場合には、この圧力がシャッタ240を上方に押し上げ、これによりシャッタは台座224一体となり、首部の下縁246に対してシャッタ240が当接するまで上昇する。切り欠き248を通して更に高い圧力がシール244の下面に与えられると、これにより更に上方へ押し上げる。台座224と共に、シール244は上方に移動してバネ232を圧縮する。このように台座の下縁246と下方に残留したままのシャッタ240との間に形成される空間は、従って高い圧力のブレーキ液の通路のための広い断面を提供する。上記した実施形態のように、ブレーキ液は貯留部からマスターシリンダに流れることができ、首部の下縁246から一定距離分のシャッタ240の一時的な下方移動を生じさせる。
【0020】
他の実施形態が図8に示されている。シャッタ340は小円版の形態で形成され、この場合中心を貫通する通路228を備えている。上記実施形態に開示された切り欠きは本実施形態では除かれている。このシャッタはまた図13にも示されている。台座324は、ここでは首部10とハウジング12との間に軸11に関して半径方向に挿入されたシールで形成されている。シャッタ240に面して配置されている首部10の下縁346は、一方の側に少なくとも1つの切り欠き348を有している。シール324は上記実施形態のように、2つの上下のふくらみを伴なう形状を有している。そしてのその下端は、本質的に長方形状の形を有している。シールの上端は首部10の肩部に当接し、下端はシャッタ340の上面に対して当接する。シールはまた、少なくとも首部10及びハウジング12と下方のふくらみで半径方向で気密接触している。台座324はシャッタ340を首部10の下縁346から所定距離だけ離間させる。シール324は弁座である。
【0021】
低圧での上昇のブレーキ液の場合には、ブレーキ液はオリフィス228を通って上方に流れる。
マスターシリンダ内のブレーキ液の圧力が与えられた閾値を超えた場合には、シャッタは縁部346に近接するように上方に移動してシールを圧縮する。圧力が上昇した時には、シールは軸11に沿って変形し続け、シャッタ340を首部10に当接したままにする。それからブレーキ液は、切り欠き348を通って貯留部へ向かって退避することができる。従ってこの切り欠きは、オリフィス228よりも大きな通路断面を提供する。
貯留部からマスターシリンダへのブレーキ液の降下は、前述のとおりシャッタ340の一時的な降下によって生じる。
【0022】
他の実施形態が図9に示されている。これは上記実施形態と非常に近似しているが、この実施形態ではシール424の上部は戻しバネ432に置き換えられており、この戻しバネは下方に向かってシール424に対して当接し、上方に向かって首部の肩部に対して当接している。動作は特に違いはない。
【0023】
他の実施形態が図10〜13に示されている。シャッタ340は、前のものと同様にディスク状に構成されており、ここではその中心にオリフィス228が穿孔されている。図8の実施形態のように、台座524は首部10とハウジング12との間を密封する。この特定の例において、このシールは、弁の軸に関して半径方向にこれら2つの部品の間の密封を提供するための円環状の上部550を有している。シールはまた、円環状の上部550から下方に延びる筒状の下部スカート553を有している。このスカートの下端縁はシャッタ340と当接する。円環状の上部550においてスカート553に面する領域までのこの部分は、内部に覆われるように首部10の肩部に収容される。スカートは、軸に関して均等に配分された溝穴を有しており、各溝穴はスカートの高さの全体にわたり鉛直に延びると共にその端部から離れている。溝穴はスカートの厚みを通って半径方向に貫通している。更に、弁をマスターシリンダに連通させるオリフィス16は、この場合シャッタ340と鉛直方法に直列に並ぶのではなく、マスターシリンダの側壁に形成されている。更に、このオリフィスの下端縁は、空洞の底の僅か上まで延びており、その空洞内でシャッタ340が移動する。このオリフィス16は、シャッタ340の高さよりも大きな直径を有している。このため、シャッタ340がどの位置にあってもオリフィス16を閉じることはない。このような構造は、適切であれば他の実施形態にも好都合である。
【0024】
この実施形態は以下のように機能する。低圧のブレーキ液がマスターシリンダから上昇する場合、ブレーキ液の流れは、図10に示すように中央オリフィス228を通って流れ、シャッタ540は台座524に対して押し付けられたままになる。それから溝穴552は閉じられる。一方で、ブレーキ液が与えられた閾値よりも高い圧力に上昇した場合、その圧力はシャッタを上方に押し上げ、スカート553を変形させ、これにより溝穴522を開放させ、この溝穴を通ってブレーキ液が流れる。従って、ブレーキ液には図10に示すような通路228だけに対応する断面よりも大きな流れ断面が与えられる。このような高圧が無くなった場合、弁は台座524の弾性の効果の下で、図10の配置に自動的に戻る。ここで再び、シャッタ340の一時的降下によって、図12に示すオリフィス16の与えられた位置によって、貯留部からマスターシリンダへのブレーキ液の流れが生じ、その流れはシャッタの下を通らずに上を越えて流れる。
【0025】
図14は、シャッタの実施形態の他の形態を示している。シャッタ640は、図10の弁と共に使用することができる。ここでの通路は、シャッタの上面にわたって延びて少なくとも1つの円周縁から後方に切れ込む溝628に置き換えられている。この特定の例において、溝628は表面の一方の端縁から他方の端縁まで直径を横切って分断されること無く延びている。この溝628は、ブレーキ液が低圧でタンクに上昇するために流れることを許容し、溝は台座524の下端に対して当接するシャッタの上面によって閉じられることは無い。
【0026】
他の実施形態のシャッタ740が図15に示されている。この特定の例において、溝728は2つの部分で構成されている。各溝部分は、台座の中心に溝部分が開放されるようにするためにシャッタの一端部からその中心に向かって十分な長さにわたって延びている。加えてこの実施形態では、シャッタ740は、上面から突き出して例えば球の部分形状またはこれに近似する形状を有する中央隆起部760を有している。この隆起部760は台座の中央に収容されるようになり、従ってシャッタを台座に対して芯合わせし、他方では移動を制限する。この特定の例において、シャッタは隆起部760及び2つの溝部分728をこれらの2つの主面のそれぞれに有しており、このことは中央水平面に関してそれが対称であることを意味し、従って、取り付けの方向に関して考慮することなく、シャッタを弁に配置することができる。隆起部760は、台座に対してシャッタを芯合わせし、シャッタの下方移動を制限するのに役立ち、下方隆起部は、マスターシリンダのハウジングの底に付き合わせることによりこの移動を制限するのに役立つ。結局、その部分の体積を増加させることによって、大きな上方推力を増加させ、従ってシャッタがブレーキ液の中で自然に上昇することを促進する。
【0027】
図16は他の実施形態を示し、図10の台座524は2つの別々の部品に分離されていおり、ここでの筒状スカートは単独で台座824を形成すると共に、Oリングシール850は首部10とハウジング12との間を密封する。
【0028】
図17から18は他の実施形態を示し、図11の溝穴は台座524の軸方向下端縁に開口している溝穴に置き換えられている。これらの溝穴は、ブレーキ液の圧力が与えられた閾値を超えた場合に、それぞれが個別に折れ曲がれるようにスカートをいくつかの個別の小片に区切っている。従ってブレーキ液は、これらの小片の間を流れる。
【0029】
図19及び20は、溝穴やオリフィスを有しないシャッタ1024の実施形態を示す。この時、ブレーキ液が与えられた閾値を超えた圧力に上昇した場合、ブレーキ液は台座を内側に曲がるように変形させ、このように変形した台座の部品の周りの流れは台座とシャッタとの間を通過する。
【0030】
他の実施形態が図21から23に示されている。台座及びシャッタとは図19及び20の実施形態と比較して本質的に違いは無い。首部10はこのとき、首部の軸方向下端縁1046から下方に突き出る指状部1046の形態の2つの隆起部を有している。これら2つの指状部は、首部の軸11に関して対称に配置されることが望ましい。
【0031】
図22は、弁が非作動状態の場合のこれらの様々な要素を示している。この状態における台座1024の下縁は、指状部1064よりも更に下方に延びている。図23は、シリンダ内の圧力が与えられた閾値を超えた場合を示しており、このため台座1024は記述の実施形態のように変形する。更に、台座の高さの減少の結果としての変形は、シャッタを指状部1062に接触させ、これらの非対称の配置はシャッタを首部に対して傾斜させてしまい、台座の一方の側への変形を強めてしまう。従って逆側では大きな流れ断面が台座とシャッタとの間に形成され、ブレーキ液が上昇する。
【0032】
図24は、図21から図23の実施形態と類似する実施形態を示しており、より明確には、首部の軸に関して非対称位置にある2つの指状部を示している。更に、シャッタ1040はここでは、シャッタの上面の中心に固定され首部と同軸となったロッド1068によって上方に向かって維持されている。このロッドは、首部の上方肩部1072に当接できるように、その上端で下方に向いてロッドに対して傾斜した一対のスタッド(studs)を有しており、これによりシャッタが落下するような拡張を制限する。
装置が動作する態様は、上記実施形態の動作と比較しても変わりは無い。この実施形態は、貯留部とマスターシリンダとが組み立てられるまで、貯留部の首部によってシャッタ1040が拘束されるように保持される、という利点を有する。スタッド1070はまた、台座に対するシャッタの下方移動を制限する役割も担う。この場合、ハウジング12の底部に開口する通路16を、シャッタによって閉鎖されてしまうことなく開けておくことが可能でもある。
【0033】
これら各実施形態において、シールはエラストマーで形成される。特に台座がシールとしても機能する場合に、圧力が閾値を超えると各台座も同様に変形するというのも事実である。即ち、これは各要素20,24,244,324,424,524,824,850,924及び1024の場合である。シャッタは、台座に対して自然に上昇して当接するように、ブレーキ液の密度と異なる材料から作られる。貯留部の壁部、特に首部は、プラスチックで形成されている。マスターシリンダの壁部、特にハウジング12は、金属その他の材料かあ形成される。
【0034】
以上から分かるように、これら各実施形態において、必要な場合に弁はブレーキ液を貯留部からマスターシリンダに供給するために自由に流すことができる。また、マスターシリンダから貯留部へ低圧力でブレーキ液を緩やかに上昇させることもできる。更に、マスターシリンダ内の圧力が閾値を超えた場合、弁は圧力の影響下で弁が破損するおそれ無しに、ブレーキ液を貯留部に向かって上昇させる。従って、本発明による組立体は、ESPシステムのような装置によってマスターシリンダ内に発生する急激な圧力上昇に容易に対応することができる。上記各実施形態において、当該技術分野の当業者にとって、もし適当ならば、与えられた圧力の閾値を所望のレベルに設定するために、このようなシステムの較正、具体的には台座戻し手段を較正することは容易であろう。加えて、本発明による組立体は、制動指令の迅速な伝達を補償するように、マスターシリンダピストンの極めて短い不作動距離を維持することができるようにする。ESPのような形式の装置によってマスターシリンダ内に発生する圧力は、最高250×105Pa程度となり、この与えられた圧力は、例えば5〜10×105Paの間のレベルに設定される(ピストンの通路は、マスターシリンダのチャンバと弁との間の第一圧力効果を生じさせる)。
【0035】
これらの各実施形態において、通路はシャッタの中央部である必要なない。
図1に示す本発明の装置は、拡張孔型(expansion hole type)のマスターシリンダを備えている。しかし、「弁」型のマスターシリンダを備えた装置への使用も問題なく考えられ、いわば、チャンバ8は、シャッタとピストン4によって形成される弁台座を装備した弁によって貯留部から隔絶され、弁は、非作動時に貯留部とシャンバ8との間を連通させるためのピストンに形成された通路を遮断する。
押し上げるように適所に保持されたシャッタは以上のように記載されている。しかし、他の代替案としては、バネや磁石或いは電磁戻し手段のような機械的戻し手段などが代替案として挙げられる。
【0036】
この弁は、何れかの液圧若しくは空圧装置に適用できる。押し上げる以外の戻し手段も考える必要があるかもしれない。例えば、弁を逆に戻す、即ち重力を用いることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の装置の一実施形態の部分図であり、貯留部の概略、弁及びマスターシリンダ部分の軸断面図を示している。
【図2】図2は、図1の装置の弁の軸断面図であり、動作中のある状態を示している。
【図3】図3は、図1の装置の弁の軸断面図であり、動作中のある状態を示している。
【図4】図4は、図1の装置の弁の軸断面図であり、動作中のある状態を示している。
【図5】図5は、図4のV−V線における弁台座の断面図である。
【図6】図6は、図2と同様な図であり、他の実施形態を示している。
【図7】図7は、図2と同様な軸断面図であり、他の実施形態を示している。
【図8】図8は、図2と同様な軸断面図であり、他の実施形態を示している。
【図9】図9は、図2と同様な軸断面図であり、他の実施形態を示している。
【図10】図10は、図2と同様な軸断面図であり、本発明の他の実施形態を示している。
【図11】図11は、図3と同様な軸断面図であり、本発明の他の実施形態を示している。
【図12】図12は、図4と同様な軸断面図であり、本発明の他の実施形態を示している。
【図13】図13は、図10の弁におけるシャッタの種々の変形実施形態を示す斜視図及び断面図の組合せである。
【図14】図14は、図10の弁におけるシャッタの種々の変形実施形態を示す斜視図である。
【図15】図15は、図10の弁におけるシャッタの種々の変形実施形態を示す斜視図である。
【図16】図16は、図10と同様な軸断面図であり、他の変形実施形態を示す。
【図17】図17は、図10と同様な軸断面図であり、非動作時のシャッタ台座単独の変形実施形態を示す。
【図18】図18は、圧力が与えられた閾値を超えた場合の図17の台座とシャッタの図である。
【図19】図19は、図17と同様の図であり、台座の他の実施形態を示す。
【図20】図20は、図18と同様の図であり、台座の他の実施形態を示す。
【図21】図21は、本発明の他の実施形態の弁の種々の部品の分解斜視図である。
【図22】図22は、図21の弁のある状態を示す軸断面図である。
【図23】図23は、図21の弁のある状態を示す軸断面図である。
【図24】図24は、本発明の弁の他の実施形態の軸断面図である。
【0001】
本発明は、ブレーキ液の貯留部及びマスターシリンダを有する自動車用ブレーキ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車用ブレーキ回路において、ブレーキ装置はマスターシリンダからブレーキ液の圧力の形で制動指令を受け取り、その液自体は液貯留部から供給される。運転者によって機械的な形で出力された制動指令は、マスターシリンダの本体内を移動できる2つのピストンによってマスターシリンダで液圧の形に変換される。指令を受け取る前には、各ピストンによって加圧されるべきチャンバは、ピストンのオリフィスを通して液貯留部に連通している。ピストンが移動し始めると、このオリフィスは密封縁部を通過し、このことはチャンバがそれ自身貯留部から隔絶され、チャンバ内の圧力が上昇し始めることを意味する。圧力が上昇し始めるまでのピストンの移動距離は、ブレーキに対して何ら貢献しないために「不作動距離(dead travel)」として知られている。このため、できるだけこの距離を短くするための試みがなされている。
【0003】
このため、中央に通路が穿孔された円盤状即ちディスク状の弁を、貯留部とマスターシリンダの間に配置することが提案されている。この弁は、ブレーキ液の密度と等しくなく、このことは非作動時において弁がその上方で貯留部側に配置された台座に対して押圧されるようになることを意味する。貯留部からマスターシリンダに向かって液が降下する場合、ディスクは自動的に降下する。非作動時において、中央通路は、マスターシリンダの液を貯留部に向けて制限を設けて低流速で上昇させて戻すことができる。制動指令が出されている間には、ピストンの動きは流速の突然かつ急激な上昇をもたらす。そのような制限は液が十分迅速に上昇して戻ることを不可能にするということが分かるので、この弁はあたかも貯留部とマスターシリンダとの間の連通を遮断するかのように本質的に振舞う。従って、縁部を通過する前であっても、ピストンチャンバ内で圧力が大変急激に上昇することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような配置は、本来的に知られたABSやESP(動的進路制御:dynamic course control)等が取り付けられて特に改良されたブレーキ回路においては不利となる。なぜなら、今日多くの自動車に取り付けられているそのような装置は、ブレーキからマスターシリンダに液を戻す傾向にあるからである。このため大変高い圧力が発生し、その圧力が弁ディスクを破損してしまうかもしれない。
本発明の目的の1つは、ABSのような形式の装置が装備されていても、弁を破損する危険を冒すことなく、不作動距離を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明は、ブレーキ制御装置であって、
液貯留部4、
マスターシリンダ2、
貯留部内のシリンダの液を第1の最小流れ断面を提供することによって上昇させることができる弁とを備え、
弁は、シリンダ内の圧力が与えられた閾値を超えた場合に、第1の断面より大きな第2の最小流れ断面を提供することにより液を上昇させることができるブレーキ制御装置を提供する。
このように、弁はピストンが移動し始める時には本質的にシャッタとして振る舞い続け、圧力は相対的に低く且つ閾値よりも低くなる。一方、例えばABSやESPの作用の結果として閾値を超える圧力の急激な上昇が生じて、液の貯留部への突然の逆流が生じた場合に、第2の断面によって、弁の破損の危険を冒すこと無く、液を貯留部に向かって上昇させ戻すことができる。従って、弁の信頼性及び短い不作動距離の両方が確保される。
【0006】
また本発明の装置は、以下の特徴の少なくとも何れか1つを備えており、それは、
弁は、台座と、台座に当接できるシャッタとを備えていること、
台座に対してシャッタを芯合わせする手段を有すること、
シャッタは、液よりも低い密度を有すること、
台座は剛体であること、
台座は、圧力が閾値を超えた場合に、貯留部に対して移動できること、
台座は少なくとも1つの通路を備え、台座が移動した場合にだけ通路を通して液を上昇させるように設計されていること、
液の上昇に対抗して台座を戻す手段を備えること、
台座は、圧力が閾値を超えた場合に弾性的に変形できること、
台座は、液が上昇中に台座の周りを流れるように変形できること、
台座は、液が上昇中に台座を通って流れるように変形できること、
台座は、変形中のみ開くように設計されたオリフィスを少なくとも1つ備えていること、
オリフィスは、台座の1つの端縁部に開口していること、
オリフィスは、台座の端縁部から所定距離離れて形成されていること、
装置は、圧力が閾値を超えた場合に、シャッタが台座に対して傾斜するように設計された少なくとも1つの隆起部を有していること、
シャッタは、少なくとも1つの通路であって、シャッタが台座に接触した場合に管を通して液を上昇させるように設計された通路を有していること、
通路は、シャッタを貫通していること、
通路は、台座と接触できるシャッタの1つの面上にわたって形成されていること、
シャッタは、台座と接触できる1つの略球面を有していること、
シャッタはボールであること、
シャッタは、全体として平坦な塊の形状を有すること、
弁は、マスターシリンダに向かって液が通過できるオリフィスを有し、弁はシャッタの最下方位置においてこのオリフィスを開放させること、
オリフィスは鉛直壁に形成されていること、
貯留部がマスターシリンダに組みつけられる前において、シャッタを貯留部に対して保持する手段を備えていること、
弁は、第1の断面31よりも大きな第3の最小流れ断面35を提供することにより、貯留部からマスターシリンダに液を降下させることができること、
などである。
【0007】
また、本発明は、液貯留部及びマスターシリンダを備えたブレーキを制御するための装置に使用される弁であって、弁は第1の最小流れ断面31を提供することによって液を上昇させることができるものであり、弁は、液の上昇中の流れの方向に関して弁の上流側における液の圧力が、与えられた閾値に達した場合に、第1の断面よりも大きな第2の最小流れ断面33を提供することにより、液を上昇させることができる弁を適用する。
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の様々な実施形態の説明によって更に明らかになるであろう。ここで示す実施形態は、なんら限定しないつもりで示したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のブレーキ制御装置の第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。この装置は、自動車の4つの車輪にそれぞれ設けられたディスクブレーキ又はドラムブレーキへ、加圧されたブレーキ液を供給するための液圧ブレーキ回路を備えた自動車のためのものである。
【0009】
本来的に知られた態様において装置は、2つのピストン4を有するマスターシリンダ2(ここでは、タンデム型)を備えており、ここでは1つのピストンのみが図示されており、ピストンは、回路内の圧力上昇を作り出すことができ、運転者から生じた制動指令をブレーキに伝達できる。装置はまた、各ピストン4に付随する2つのチャンバ8の各々にブレーキ液を供給するように設計されたブレーキ液6の貯留部4を備えている。単一の供給回路が図1に示されているが、装置が従来技術の装置と同様に、同じ貯留部4から各チャンバ8へブレーキ液を供給することができる2つの回路を備えていることは理解されるに違いない。
貯留部4はマスターシリンダの上方に配置され、貯留部からマスターシリンダへ重力の下でブレーキ液の流れが促進されるようになっている。特にこの例において、貯留部はマスターシリンダ内に入れ子状(nesting)に取り付けられている。このため、貯留部4は、雄−雌結合で、対応する大きさのマスターシリンダの筒状ハウジング12に収容されるべき筒状首部10を備えている。
【0010】
本発明による装置は、貯留部の首部10の直ぐ下方に延びるマスターシリンダの空洞に配置された弁14を備えている。従って弁は、直接貯留部からブレーキ液を受け取る。弁の下方には、ピストンの位置に応じて、弁をピストンで形成されるチャンバ又はピストン自身と直接連通させる通路16が形成されている。装置は、首部10とハウジング12との間に挿入されるシール20を備えており、これらの物品が出会う位置においてブレーキ液を密封するようになっており、従って弁は大気から隔絶される。もちろん、図示された実施形態では、貯留部が2つの点でマスタシリンダに供給し、本発明の装置が上記したような2つの弁を備えることが望ましい、という事実がわかるであろう。もちろん図示したマスターシリンダが単に1つの弁を有することも考えられ、その場合図示した第2回路に配置するのが都合がよい。
【0011】
首部10は、垂直中心軸11に関して首部の内側に向かって半径方向に延びる縁部22を有している。この縁部22は、軸の回りにおいて連続的に直立(right)している。弁は、特に図5に示すような台座24を有している。この台座は小円版26からなり、その中央部にはオリフィス28を有し、その外縁部から半径方向にタブ30が延びており、この例では4つのタブが小円版の周りに均等に配置されている。オリフィスは、液体の通路としての切り欠きのような漏洩溝によって遮られた円形状を有している。台座24は、縁部22上に静止している。この位置において、タブ30の端部は首部10の内面と滑り接触しており、小円版を首部と概ね同軸に中心決めする。小円版26の外径は、縁部22の内径より大きく、このことは小円版の外周端部が常に縁部22と当接することを意味する。シャッタ14は、全体形状が円錐状でその最も狭い断面部の位置で下向きに小円板26の上面を支承すると共に、上部においてそのような目的で首部10に形成された肩部34を支承する螺旋バネを備えている。このバネ32は、台座24を縁部22に向けて下方に押し戻す。
【0012】
弁は、この実例ではボールからなるシャッタ40を備えている。このボールは本来的に知られた材料で作られており、ブレーキ液の密度よりも低い密度である。そのため、ボールはブレーキ液に浸されると重力の作用に対抗して浮かび上がる。ボールは縁部22に対向する台座24の下方まで及ぶ。非作動時において、それ自身は小円板26に対しその中央オリフィス28をほぼ閉じる位置にある。
【0013】
この装置は、以下のように動作する。図2を参照すると、マスターシリンダ内に存在するブレーキ液は、矢印25で示すようにシャッタ40と台座24との間のオリフィス8の切り欠き通って漏れて、低い圧力で自由に通路16及び首部10を通り貯留部に向かって上昇することができる。
更に、必要であれば、貯留部に存在するブレーキ液は通路16を通ってマスターシリンダに流れることができる。この流れは、ブレーキ液のためのより広い通路断面を提供するように、一時的にボールを台座24から幾分かの距離だけ下降させる。
【0014】
図4は、例えばブレーキ液がABS形式の装置によってマスターシリンダに送られたりなどのいくつかの理由により、例えば後者の非作動中にマスターシリンダ内の圧力が急激に上昇した場合を示している。従ってこの圧力は、弁14に伝達される。この高圧は、ボール40と台座24をバネ32の作用に対抗して動かし、このことはバネが圧縮されると共に台座とシャッタとが一体となって持ち上がることを意味している。このような条件の下で、一方ではシャッタ40と縁部22との間に、他方では各タブ30の間に、ブレーキ液のための大きな通路断面が提供される。
【0015】
図2の状況において、ここでは第1最小断面と定める小さな流れ断面31は、オリフィス28の切り欠きによってシャッタ40と台座24との間に画定される。図4の状況において、ここでは第2最小断面と定める最も小さな流れ断面33は、シャッタ40と縁部22との間及び各タブ30の間に画定される。
この第2最小断面33は、第1最小断面31よりも大きい。装置の構成は閾値を決定するが、圧力がこの閾値より低い時には図2の構成でブレーキ液の上昇が発生し、この圧力が閾値を超えた時に図4の構成により上昇が発生するように決定される。この閾値は、バネ32の幅広い荷重に依存している。装置を構成すること、特に与えられた圧力閾値を所望の値に設定するようにバネを較正することは容易であろう。図3の構成において、ブレーキ液の流れは、ここでは第3最小断面と定める最小断面35であって台座のオリフィス28によって画定される最小断面35を通したものに置き換わる。
【0016】
他の代替案としては、図1に示すように、縁部22から下方に向かって広がり通路16から幾分かの距離に位置させることによってシャッタ40を囲む格子又はフィルタを備えた弁を考えることも可能である。そのような要素は、どんなことがあってもシャッタがマスターシリンダに繋がる通路16を遮断せず、組み立てを容易にすることを確実にすることができる。
【0017】
装置の実施形態の他の代替案的形態は、特定の参照番号に100を加えた図6に示されている。本実施形態と上記した実施形態との違いは、今回の場合はシャッタ140がディスクの形態で構成されているという事実だけであり、そのディスクの上面には、約90又は180°にわたってこの面に切り込まれた肩部または溝部を有している。シャッタ140の直径は、台座24の中央オリフィス28の直径よりも大きい。
この実施形態は、上記実施形態と同様に十分に機能する。非作動時において、シャッタ140は下面から台座24に当接する。台座24のオリフィス28は、その当接した上面によって完全には閉じられていないので、ブレーキ液は常に低い圧力で上昇でき、ブレーキ液はシャッタと台座の肩部との間を通過する。圧力が与えられた閾値を超えた場合、より大きな流れ断面を提供するために、台座とシャッタとは上方に移動してバネ32を圧縮する。ブレーキ液が貯留部からマスターシリンダに降下する場合、低圧での上昇の場合よりも大きな断面のオリフィス28を通ってブレーキ液が流れることができるように、シャッタ140は降下することができる。
【0018】
他の実施形態を図7に示している。この実施形態において、上記実施形態のように、貯留部の首部10は、マスターシリンダのハウジング12内にシール20の挿入物と共に入れ子状に収納されており、ここでの断面形状は図2のそれとは異なっている。具体的に、ここでのシールの形状は横方向の2つのふくらみを有し、一方が他方の上方にある。この特別な例の台座224は、軸11を有する全体が筒状の形状である。そして、台座は軸11に関して半径方向外側に向かって広がる縁部225を備えている。首部10はそれ自身、首部の上部において軸11に関して半径方向内側に向かって広がる縁部13を備えている。ここでバネ232は、軸11を有する全体が筒状の形状であり、縁部13の下面に対して上向きに当接し、縁部225の上面に対して下向きに当接する。従って、バネはここでは台座224を下方に押す部品として再び機能する。Oリングシール44は、首部10と台座224との間に軸11に関して半径方向に挿入され、このシールは縁部225の下方に広がる。台座224は、本質的に平坦な下方軸端縁246を有しており、この下方軸端縁は弁240が非作動時の場合に首部10の下方縁より下に下がって延びている。この特定の例のシャッタ240は、全体形状が平坦な塊又はディスク状である。例えば、シャッタはその中心にシャッタの厚さを貫通する筒状形状の通路228を有している。シャッタはまた、シャッタの外縁に切り込む少なくとも1つの切り欠き248を有している。
【0019】
この実施形態は以下のように機能する。弁が非作動時には、シャッタ240はその低密度により台座224の下縁246に対して当接する。この状態で、圧力が与えられた閾値を超えていない場合には、ブレーキ液はオリフィス228を通って上昇することができる。
圧力が閾値を超えた場合には、この圧力がシャッタ240を上方に押し上げ、これによりシャッタは台座224一体となり、首部の下縁246に対してシャッタ240が当接するまで上昇する。切り欠き248を通して更に高い圧力がシール244の下面に与えられると、これにより更に上方へ押し上げる。台座224と共に、シール244は上方に移動してバネ232を圧縮する。このように台座の下縁246と下方に残留したままのシャッタ240との間に形成される空間は、従って高い圧力のブレーキ液の通路のための広い断面を提供する。上記した実施形態のように、ブレーキ液は貯留部からマスターシリンダに流れることができ、首部の下縁246から一定距離分のシャッタ240の一時的な下方移動を生じさせる。
【0020】
他の実施形態が図8に示されている。シャッタ340は小円版の形態で形成され、この場合中心を貫通する通路228を備えている。上記実施形態に開示された切り欠きは本実施形態では除かれている。このシャッタはまた図13にも示されている。台座324は、ここでは首部10とハウジング12との間に軸11に関して半径方向に挿入されたシールで形成されている。シャッタ240に面して配置されている首部10の下縁346は、一方の側に少なくとも1つの切り欠き348を有している。シール324は上記実施形態のように、2つの上下のふくらみを伴なう形状を有している。そしてのその下端は、本質的に長方形状の形を有している。シールの上端は首部10の肩部に当接し、下端はシャッタ340の上面に対して当接する。シールはまた、少なくとも首部10及びハウジング12と下方のふくらみで半径方向で気密接触している。台座324はシャッタ340を首部10の下縁346から所定距離だけ離間させる。シール324は弁座である。
【0021】
低圧での上昇のブレーキ液の場合には、ブレーキ液はオリフィス228を通って上方に流れる。
マスターシリンダ内のブレーキ液の圧力が与えられた閾値を超えた場合には、シャッタは縁部346に近接するように上方に移動してシールを圧縮する。圧力が上昇した時には、シールは軸11に沿って変形し続け、シャッタ340を首部10に当接したままにする。それからブレーキ液は、切り欠き348を通って貯留部へ向かって退避することができる。従ってこの切り欠きは、オリフィス228よりも大きな通路断面を提供する。
貯留部からマスターシリンダへのブレーキ液の降下は、前述のとおりシャッタ340の一時的な降下によって生じる。
【0022】
他の実施形態が図9に示されている。これは上記実施形態と非常に近似しているが、この実施形態ではシール424の上部は戻しバネ432に置き換えられており、この戻しバネは下方に向かってシール424に対して当接し、上方に向かって首部の肩部に対して当接している。動作は特に違いはない。
【0023】
他の実施形態が図10〜13に示されている。シャッタ340は、前のものと同様にディスク状に構成されており、ここではその中心にオリフィス228が穿孔されている。図8の実施形態のように、台座524は首部10とハウジング12との間を密封する。この特定の例において、このシールは、弁の軸に関して半径方向にこれら2つの部品の間の密封を提供するための円環状の上部550を有している。シールはまた、円環状の上部550から下方に延びる筒状の下部スカート553を有している。このスカートの下端縁はシャッタ340と当接する。円環状の上部550においてスカート553に面する領域までのこの部分は、内部に覆われるように首部10の肩部に収容される。スカートは、軸に関して均等に配分された溝穴を有しており、各溝穴はスカートの高さの全体にわたり鉛直に延びると共にその端部から離れている。溝穴はスカートの厚みを通って半径方向に貫通している。更に、弁をマスターシリンダに連通させるオリフィス16は、この場合シャッタ340と鉛直方法に直列に並ぶのではなく、マスターシリンダの側壁に形成されている。更に、このオリフィスの下端縁は、空洞の底の僅か上まで延びており、その空洞内でシャッタ340が移動する。このオリフィス16は、シャッタ340の高さよりも大きな直径を有している。このため、シャッタ340がどの位置にあってもオリフィス16を閉じることはない。このような構造は、適切であれば他の実施形態にも好都合である。
【0024】
この実施形態は以下のように機能する。低圧のブレーキ液がマスターシリンダから上昇する場合、ブレーキ液の流れは、図10に示すように中央オリフィス228を通って流れ、シャッタ540は台座524に対して押し付けられたままになる。それから溝穴552は閉じられる。一方で、ブレーキ液が与えられた閾値よりも高い圧力に上昇した場合、その圧力はシャッタを上方に押し上げ、スカート553を変形させ、これにより溝穴522を開放させ、この溝穴を通ってブレーキ液が流れる。従って、ブレーキ液には図10に示すような通路228だけに対応する断面よりも大きな流れ断面が与えられる。このような高圧が無くなった場合、弁は台座524の弾性の効果の下で、図10の配置に自動的に戻る。ここで再び、シャッタ340の一時的降下によって、図12に示すオリフィス16の与えられた位置によって、貯留部からマスターシリンダへのブレーキ液の流れが生じ、その流れはシャッタの下を通らずに上を越えて流れる。
【0025】
図14は、シャッタの実施形態の他の形態を示している。シャッタ640は、図10の弁と共に使用することができる。ここでの通路は、シャッタの上面にわたって延びて少なくとも1つの円周縁から後方に切れ込む溝628に置き換えられている。この特定の例において、溝628は表面の一方の端縁から他方の端縁まで直径を横切って分断されること無く延びている。この溝628は、ブレーキ液が低圧でタンクに上昇するために流れることを許容し、溝は台座524の下端に対して当接するシャッタの上面によって閉じられることは無い。
【0026】
他の実施形態のシャッタ740が図15に示されている。この特定の例において、溝728は2つの部分で構成されている。各溝部分は、台座の中心に溝部分が開放されるようにするためにシャッタの一端部からその中心に向かって十分な長さにわたって延びている。加えてこの実施形態では、シャッタ740は、上面から突き出して例えば球の部分形状またはこれに近似する形状を有する中央隆起部760を有している。この隆起部760は台座の中央に収容されるようになり、従ってシャッタを台座に対して芯合わせし、他方では移動を制限する。この特定の例において、シャッタは隆起部760及び2つの溝部分728をこれらの2つの主面のそれぞれに有しており、このことは中央水平面に関してそれが対称であることを意味し、従って、取り付けの方向に関して考慮することなく、シャッタを弁に配置することができる。隆起部760は、台座に対してシャッタを芯合わせし、シャッタの下方移動を制限するのに役立ち、下方隆起部は、マスターシリンダのハウジングの底に付き合わせることによりこの移動を制限するのに役立つ。結局、その部分の体積を増加させることによって、大きな上方推力を増加させ、従ってシャッタがブレーキ液の中で自然に上昇することを促進する。
【0027】
図16は他の実施形態を示し、図10の台座524は2つの別々の部品に分離されていおり、ここでの筒状スカートは単独で台座824を形成すると共に、Oリングシール850は首部10とハウジング12との間を密封する。
【0028】
図17から18は他の実施形態を示し、図11の溝穴は台座524の軸方向下端縁に開口している溝穴に置き換えられている。これらの溝穴は、ブレーキ液の圧力が与えられた閾値を超えた場合に、それぞれが個別に折れ曲がれるようにスカートをいくつかの個別の小片に区切っている。従ってブレーキ液は、これらの小片の間を流れる。
【0029】
図19及び20は、溝穴やオリフィスを有しないシャッタ1024の実施形態を示す。この時、ブレーキ液が与えられた閾値を超えた圧力に上昇した場合、ブレーキ液は台座を内側に曲がるように変形させ、このように変形した台座の部品の周りの流れは台座とシャッタとの間を通過する。
【0030】
他の実施形態が図21から23に示されている。台座及びシャッタとは図19及び20の実施形態と比較して本質的に違いは無い。首部10はこのとき、首部の軸方向下端縁1046から下方に突き出る指状部1046の形態の2つの隆起部を有している。これら2つの指状部は、首部の軸11に関して対称に配置されることが望ましい。
【0031】
図22は、弁が非作動状態の場合のこれらの様々な要素を示している。この状態における台座1024の下縁は、指状部1064よりも更に下方に延びている。図23は、シリンダ内の圧力が与えられた閾値を超えた場合を示しており、このため台座1024は記述の実施形態のように変形する。更に、台座の高さの減少の結果としての変形は、シャッタを指状部1062に接触させ、これらの非対称の配置はシャッタを首部に対して傾斜させてしまい、台座の一方の側への変形を強めてしまう。従って逆側では大きな流れ断面が台座とシャッタとの間に形成され、ブレーキ液が上昇する。
【0032】
図24は、図21から図23の実施形態と類似する実施形態を示しており、より明確には、首部の軸に関して非対称位置にある2つの指状部を示している。更に、シャッタ1040はここでは、シャッタの上面の中心に固定され首部と同軸となったロッド1068によって上方に向かって維持されている。このロッドは、首部の上方肩部1072に当接できるように、その上端で下方に向いてロッドに対して傾斜した一対のスタッド(studs)を有しており、これによりシャッタが落下するような拡張を制限する。
装置が動作する態様は、上記実施形態の動作と比較しても変わりは無い。この実施形態は、貯留部とマスターシリンダとが組み立てられるまで、貯留部の首部によってシャッタ1040が拘束されるように保持される、という利点を有する。スタッド1070はまた、台座に対するシャッタの下方移動を制限する役割も担う。この場合、ハウジング12の底部に開口する通路16を、シャッタによって閉鎖されてしまうことなく開けておくことが可能でもある。
【0033】
これら各実施形態において、シールはエラストマーで形成される。特に台座がシールとしても機能する場合に、圧力が閾値を超えると各台座も同様に変形するというのも事実である。即ち、これは各要素20,24,244,324,424,524,824,850,924及び1024の場合である。シャッタは、台座に対して自然に上昇して当接するように、ブレーキ液の密度と異なる材料から作られる。貯留部の壁部、特に首部は、プラスチックで形成されている。マスターシリンダの壁部、特にハウジング12は、金属その他の材料かあ形成される。
【0034】
以上から分かるように、これら各実施形態において、必要な場合に弁はブレーキ液を貯留部からマスターシリンダに供給するために自由に流すことができる。また、マスターシリンダから貯留部へ低圧力でブレーキ液を緩やかに上昇させることもできる。更に、マスターシリンダ内の圧力が閾値を超えた場合、弁は圧力の影響下で弁が破損するおそれ無しに、ブレーキ液を貯留部に向かって上昇させる。従って、本発明による組立体は、ESPシステムのような装置によってマスターシリンダ内に発生する急激な圧力上昇に容易に対応することができる。上記各実施形態において、当該技術分野の当業者にとって、もし適当ならば、与えられた圧力の閾値を所望のレベルに設定するために、このようなシステムの較正、具体的には台座戻し手段を較正することは容易であろう。加えて、本発明による組立体は、制動指令の迅速な伝達を補償するように、マスターシリンダピストンの極めて短い不作動距離を維持することができるようにする。ESPのような形式の装置によってマスターシリンダ内に発生する圧力は、最高250×105Pa程度となり、この与えられた圧力は、例えば5〜10×105Paの間のレベルに設定される(ピストンの通路は、マスターシリンダのチャンバと弁との間の第一圧力効果を生じさせる)。
【0035】
これらの各実施形態において、通路はシャッタの中央部である必要なない。
図1に示す本発明の装置は、拡張孔型(expansion hole type)のマスターシリンダを備えている。しかし、「弁」型のマスターシリンダを備えた装置への使用も問題なく考えられ、いわば、チャンバ8は、シャッタとピストン4によって形成される弁台座を装備した弁によって貯留部から隔絶され、弁は、非作動時に貯留部とシャンバ8との間を連通させるためのピストンに形成された通路を遮断する。
押し上げるように適所に保持されたシャッタは以上のように記載されている。しかし、他の代替案としては、バネや磁石或いは電磁戻し手段のような機械的戻し手段などが代替案として挙げられる。
【0036】
この弁は、何れかの液圧若しくは空圧装置に適用できる。押し上げる以外の戻し手段も考える必要があるかもしれない。例えば、弁を逆に戻す、即ち重力を用いることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の装置の一実施形態の部分図であり、貯留部の概略、弁及びマスターシリンダ部分の軸断面図を示している。
【図2】図2は、図1の装置の弁の軸断面図であり、動作中のある状態を示している。
【図3】図3は、図1の装置の弁の軸断面図であり、動作中のある状態を示している。
【図4】図4は、図1の装置の弁の軸断面図であり、動作中のある状態を示している。
【図5】図5は、図4のV−V線における弁台座の断面図である。
【図6】図6は、図2と同様な図であり、他の実施形態を示している。
【図7】図7は、図2と同様な軸断面図であり、他の実施形態を示している。
【図8】図8は、図2と同様な軸断面図であり、他の実施形態を示している。
【図9】図9は、図2と同様な軸断面図であり、他の実施形態を示している。
【図10】図10は、図2と同様な軸断面図であり、本発明の他の実施形態を示している。
【図11】図11は、図3と同様な軸断面図であり、本発明の他の実施形態を示している。
【図12】図12は、図4と同様な軸断面図であり、本発明の他の実施形態を示している。
【図13】図13は、図10の弁におけるシャッタの種々の変形実施形態を示す斜視図及び断面図の組合せである。
【図14】図14は、図10の弁におけるシャッタの種々の変形実施形態を示す斜視図である。
【図15】図15は、図10の弁におけるシャッタの種々の変形実施形態を示す斜視図である。
【図16】図16は、図10と同様な軸断面図であり、他の変形実施形態を示す。
【図17】図17は、図10と同様な軸断面図であり、非動作時のシャッタ台座単独の変形実施形態を示す。
【図18】図18は、圧力が与えられた閾値を超えた場合の図17の台座とシャッタの図である。
【図19】図19は、図17と同様の図であり、台座の他の実施形態を示す。
【図20】図20は、図18と同様の図であり、台座の他の実施形態を示す。
【図21】図21は、本発明の他の実施形態の弁の種々の部品の分解斜視図である。
【図22】図22は、図21の弁のある状態を示す軸断面図である。
【図23】図23は、図21の弁のある状態を示す軸断面図である。
【図24】図24は、本発明の弁の他の実施形態の軸断面図である。
Claims (26)
- ブレーキ制御装置であって、
液貯留部4と、
マスターシリンダ2と、
前記貯留部内のシリンダの液を、第1の最小流れ断面31を提供することによって上昇させることができる弁14,114,214,314,414,514,1014とを備え、
前記弁は、前記シリンダ内の圧力が与えられた閾値を超えた場合に、前記第1の断面より大きな第2の最小流れ断面33を提供することにより液を上昇させることができることを特徴とする。 - 請求項1に記載の装置において、
弁は、台座24,224,324,424,524,824,924,1024と、前記台座に当接できるシャッタ40,140,240,340,640,740,1040とを備えていることを特徴とする。 - 請求項2に記載の装置において、
前記台座に対して前記シャッタを芯合わせする手段40,760を有することを特徴とする。 - 請求項2又は3に記載の装置において、
前記シャッタは、前記液よりも低い密度を有することを特徴とする。 - 請求項2から4の何れか一項に記載の装置において、
前記台座24,224は剛体であることを特徴とする。 - 請求項2から5の何れか一項に記載の装置において、
前記台座24,224、424は、前記圧力が閾値を超えた場合に、前記貯留部に対して移動できることを特徴とする。 - 請求項6の装置において、
前記台座24,524,924は少なくとも1つの通路552,952を備え、前記台座が移動した場合にだけ前記通路を通して前記液を上昇させるように設計されていることを特徴とする。 - 請求項6又は7に記載の装置において、
前記液の上昇に対抗して前記台座を戻す手段32,232,432を備えることを特徴とする。 - 請求項2から8の何れか一項に記載の装置において、
前記台座324,424,524,824,924,1024は、前記圧力が閾値を超えた場合に弾性的に変形できることを特徴とする。 - 請求項2から9の何れか一項に記載の装置において、
前記台座324,424,524,824,1024は、前記液が上昇中に前記台座の周りを流れるように変形できることを特徴とする。 - 請求項2から10の何れか一項に記載の装置において、
前記台座524,924は、前記液が上昇中に前記台座を通って流れるように変形できることを特徴とする。 - 請求項9から11の何れか一項に記載の装置において、
前記台座524,924は、変形中のみ開くように設計されたオリフィス552,952を少なくとも1つ備えていることを特徴とする。 - 請求項12に記載の装置において、
前記オリフィス952は、前記台座の1つの端縁部に開口していることを特徴とする。 - 請求項12又は13に記載の装置において、
前記オリフィス552は、前記台座の端縁部から所定距離離れて形成されていることを特徴とする。 - 請求項2から14の何れか一項に記載の装置において、
装置は、前記圧力が閾値を超えた場合に、前記シャッタ1040が前記台座1024に対して傾斜するように設計された少なくとも1つの隆起部1064を有していることを特徴とする。 - 請求項2から15の何れか一項に記載の装置において、
シャッタ340,640,740は、少なくとも1つの通路228,628,728であって、前記シャッタが前記台座に接触した場合に前記管を通して前記液を上昇させるように設計された通路を有していることを特徴とする。 - 請求項16に記載の装置において、
前記通路228は、シャッタ340を貫通していることを特徴とする。 - 請求項16又は17に記載の装置において、
前記通路328,728は、前記台座と接触できる前記シャッタの1つの面上にわたって形成されていることを特徴とする。 - 請求項2から18の何れか一項に記載の装置において、
前記シャッタ40は、前記台座と接触できる1つの略球面を有していることを特徴とする。 - 請求項2から19の何れか一項に記載の装置において、
前記シャッタはボール40であることを特徴とする。 - 請求項2から19の何れか一項に記載の装置において、
前記シャッタ140,240,340,640は、全体として平坦な塊の形状を有していることを特徴とする。 - 請求項2から21の何れか一項に記載の装置において、
前記弁は、前記マスターシリンダ2に向かって前記液が通過できるオリフィス16を有し、前記弁は前記シャッタ最下方位置においてこの前記オリフィスを開放させることを特徴とする。 - 請求項22に記載の装置において、
前記オリフィス16は鉛直壁に形成されていることを特徴とする。 - 請求項2から23の何れか一項に記載の装置において、
前記貯留部4が前記マスターシリンダ2に組みつけられる前において、前記シャッタ1040を前記貯留部に対して保持する手段1070を備えていることを特徴とする。 - 請求項1から24の何れか一項に記載の装置において、
前記弁は、前記第1の断面31よりも大きな第3の最小流れ断面35を提供することにより、貯留部からマスターシリンダに液を降下させることができることを特徴とする。 - 液貯留部及びマスターシリンダを備えたブレーキを制御するための装置に使用される弁であって、前記弁は第1の最小流れ断面31を提供することによって液を上昇させることができるものであり、
前記弁は、液の上昇中の流れの方向に関して弁の上流側における液の圧力が、与えられた閾値に達した場合に、前記第1の断面よりも大きな第2の最小流れ断面33を提供することにより、液を上昇させることができることを特徴とする。
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