JP2004537249A - 電気的な取付け器具の多機能性の支持部分 - Google Patents

電気的な取付け器具の多機能性の支持部分 Download PDF

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Abstract

本発明は、電気的な駆動装置のための共通の支持部分(3)を製造するための方法であって、しかも種々異なる軸方向長さおよび直径で製造可能である共通の支持部分(3)に底範囲(2)を形成する形式の方法に関する。本発明による方法は、共通の支持部分(3)に任意の組合せで機能範囲「電流供給部」(14,15;26)、「ステータ磁界発生部」(12,13)、「支承部」(4,5,23)および上位のシステムのための「ハウジング付加部」(6)が組込み可能であることを特徴としている。

Description

【0001】
技術分野
自動車では内燃機関が使用されるが、この内燃機関では、多数の電気機械、たとえばスタータ、三層交流発電機(オルタネータ)、ブロワモータもしくはファンモータ等が使用される。電気的な駆動装置、たとえば自動車におけるファンの駆動装置は、一般に互いに別個に製作された多数の構成アッセンブリ、すなわちたとえば電流供給部分ならびに保持部分または磁界発生コンポーネント、ブラスホルダ、軸受け構成部分または電界を発生させるための部分、たとえば磁石、永久磁石または励磁コイルから成っている。
【0002】
背景技術
自動車におけるブロワもしくはファンの電気的な駆動装置は、一般に別個の構成アッセンブリ、たとえば電流供給のための構成アッセンブリ(ブラシホルダまたはブラシレスモータ用回路ボード)を有している。さらに、電気的な駆動装置では、ハウジング部分に軸受けの保持部が設けられなければならないと同時に、ステータ磁界発生部分、たとえば永久磁石または励磁コイルを位置固定するためのリブ、溝またはキーが設けられなければならない。これらの構成部分は電気的な駆動装置のハウジング内に収容されるので、永久磁石または励磁コイルをハウジングに相対回動不能に位置固定するための取付け部が必要となる。さらに、ハウジングにはカバーエレメントも必要となる。このカバーエレメントを用いて、ロータ軸を収容する第2の軸受けが電気的な駆動装置のハウジング内に支承される。さらに、別のハウジング部分、たとえばケーブルガイドまたはコネクタ結合部が必要となる。
【0003】
これまで、自動車装備におけるブロワもしくはファンの電気的な駆動装置は、種々異なる材料から成る多数の個別部分から組み立てられていた。それぞれ個々の構成アッセンブリは電気的な駆動装置の組立て時にその都度別個に供給されなければならない。すなわち、構成アッセンブリ毎に複数のサプライヤが用意されなければならず、さらに、これらの構成アッセンブリの保管および有用性に関するロジスティックスの点で法外が手間がかけられる。種々異なる材料から製作された構成アッセンブリは材料に関連した組立て作業もしくは接合作業を必要とし、このことは付加的な組立てコストを生ぜしめる。複数の機能性に応える支持部分がファンのハウジングまたは別の電気的な機械のハウジングとして複数の別個の構成アッセンブリから製作される場合、より複雑な構成部分の場合にはインタフェースにおける整合問題が生ぜしめられる恐れがある。なぜならば、最終組立て時に初めて全ての構成アッセンブリ全体が統合されるからである。
【0004】
各構成アッセンブリはそれ自体、十分に公差を維持して行われるそれぞれ別個の製作ステップもしくは加工ステップで製作される。しかし、極めて不都合な事例では、最終組立て時に極端に不都合な公差が加算されてしまう恐れがあるので、個々の構成アッセンブリインタフェースにおいて上で述べた整合問題が生じる危険がある。
【0005】
発明の開示
本発明による解決手段を用いて得られる利点はとりわけ次の点に認められる。すなわち、自動車領域で使用するためのブロワもしくはファンの電気的な機械または電気的な駆動装置の1つの共通の支持部分を製造する場合に、複数の機能範囲が任意の組合せおよび任意の組込み段で製造可能となる。1つの共通の支持部分に実現される4つの基本的な機能範囲は、「電流供給部(内部および外部)」と「ステータ磁界発生部」と「支承部」と「ハウジング付加部」とによって細かく分類され得る。
【0006】
共通の支持部分は形状付与もしくは成形による製造プロセス、たとえば金属ダイカスト、プラスチック射出成形または金属薄板加工で製造されると有利である。共通の支持部分を製造するためには、ほぼ任意の成形プロセス(切削加工または非切削加工)を使用することができる。プラスチック射出成形法では、プラスチック射出成形機における射出成形工具の交換に応じて、共通の支持部分における4種の基本的な機能範囲のコンポーネントの実現に関する任意の組込み段で共通の支持部分を製造することができる。
【0007】
共通の支持部分に形成され得る前記機能範囲は、「電流供給部」、「ステータ磁界発生部」、「支承部」ならびに「ハウジング付加部」である。
【0008】
電流供給部(内部および外部)は、たとえばブラシレスモータ用のEC電子回路、ブラシ整流されるモータのブラシおよび妨害防止エレメントのようなコンポーネントを包含している。ブラシ整流されるモータのブラシは、共通の支持部分に組み込まれている矢筒形のブラシホルダ内に収容され得る。外部の電流供給部分のコンポーネントとしては、電源接続部またはコネクタアウトレットが挙げられる。
【0009】
たとえば磁石または励磁コイル、磁束リング等のようなステータ磁界発生コンポーネントの固定は、共通の支持部分において保持エレメントによって行われる。これらの保持エレメントは、上で挙げたステータ磁界発生のための構成部分を共通の支持部分に位置固定することを可能にする。磁束リングは別個のリングとして、またはステータ磁界発生コンポーネントに被さるポット形のエレメントに固定されていてよい。ステータ磁界発生部は同じく機能範囲を成している。
【0010】
共通の支持部分内のさらに別の機能範囲、つまり機能範囲「支承部」は、共通の支持部分に組み込まれた支承エレメントにより実現される。この支承エレメントのためには、共通の支持部分の製作時にこの共通の支持部分に軸受け座部を設けることができる。この場合、軸受けは直接に共通の支持部分によって保持されていてもよいし、付加的な構成エレメント、たとえば軸受けブラシホルダまたはばね板あるいは別の位置固定エレメントを介して共通の支持部分に組み付けられていてもよい。
【0011】
共通の支持部分に実現され得るさらに別の機能は、「ハウジング付加部」である。「ハウジング付加部」には、たとえばファンにおける空気案内部(流入ホッパ形のベンチュリ)または上位のシステムに対する保持装置、たとえばラジエータモジュールのシュラウド(Zarge)が包含可能である。共通の支持部分における上位のシステムに対する保持装置は、たとえば内燃機関のためのラジエータモジュールに設けられたインサートファン(Einsatzgeblaese)としてのリングシュラウドに対する結合部に位置していてよい。
【0012】
選択された組込み段に応じて準備される共通の支持部分により収容されるべきコンポーネントは、共通の支持部分に係止、圧入によるプレス嵌めまたは接着固定あるいはまたねじ締結により固定され得る。
【0013】
共通の支持部分は自動車装備において、たとえば電気的な駆動装置、アクチュエータ用駆動装置、ウォータポンプまたはステアリング補助ポンプの範囲で、あるいはまた自動車または実用車における内燃機関のラジエータモジュールにおけるインサートファンハウジングとしても使用される。
【0014】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0015】
実施例
電気的な取付け器具のための、4種の基本的な機能範囲を提供する共通の支持部分のためには、以下に表にまとめられた各組込み段が選択される:
【0016】
【表1】
Figure 2004537249
【0017】
上に記載した表では、それぞれ1つの組込み段を表す図面が年代順に記載されている。
【0018】
種々の組込み段深さで構成可能な共通の支持部分3は、形状付与もしくは成形による製作プロセス、たとえば金属ダイカスト法、プラスチック射出成形法または金属薄板加工法で製造される。上記表に示したように共通の支持体3に任意の組合せで組み込むことのできる個々のコンポーネントもしくは機能について、以下に簡単に説明する。
【0019】
共通の支持部分3において、上記表に示した第1の機能範囲「電流供給部」には、ブラシレスモータの電子装置を固定するために働くスナップフック14ならびにブラシ整流される電動モータにおいてブラシを収容するために働く矢筒形のブラシホルダ15を包含することができる。その他に、共通の支持部分3に組込み可能であるこれらの収容エレメント14,15(スナップフック14およびブラシホルダ15)には、電源接続部またはコネクタアウトレット26または共通の支持部分3の内部に設けられた妨害防止エレメントを対応させることができる。収容エレメント14,15は内部の電流供給部分のために働き、それに対して電源接続部またはコネクタアウトレット26は、共通の支持部分3に収容された電気的な駆動装置に対する外部の電流供給部分に対応し得る。矢筒形のブラシホルダ15は共通の支持部分3に一体成形されていてもよいし、共通の支持部分3の底範囲2に設けられた軸受け座部23の周囲に形成されてもよい。その他に、ブラシを収容するための矢筒形のブラシホルダ15を、一体射出成形された成形部品として形成することも、別個の個別構成部品として構成することも可能である。別個の個別構成部品の場合には、組付けおよび位置調整が終了した後にブラシが装備される。
【0020】
共通の支持部分3における、機能範囲「ステータ磁界発生部」に包含可能となるコンポーネントは、たとえば磁界発生コンポーネント10、たとえば磁石、励磁コイル、磁束リング(Flussring)またはこれに類するもののための保持エレメント12,13または保持突出部を有していてよい。これらのコンポーネントを用いて、共通の支持部分3の対称軸線1に対してほぼ平行に磁界発生コンポーネント10の軸方向位置固定を行うことができる。
【0021】
上記表の機能範囲「支承部」には、支承コンポーネント、たとえば転がり軸受け、滑り軸受け、プラスチック回転ブシュ、軸受けホルダ、ばね板等が包含可能である。これらの支承コンポーネントは共通の支持部分3の底範囲2に設けられた軸受け座部5内に圧入されるか、係止されるか、ねじ締結されるか、またはこの軸受け座部5と接着され得る。これらの支承コンポーネントは電気的な取付け器具の共通の支持部分3内に電動モータの回転部分を収容するために働く。また、特に電子的に整流される「ブラシレスモータ」あるいはまた、ロータがステータ(この場合には共通の支持部分3)を取り囲んで位置するような類似の構造コンセプトのための組込み段として、ロータを支持する支承ピンをステータに、つまりこの場合には共通の支持部分3に、一体に成形するか、もしくは一体に射出成形することも可能である。
【0022】
上記表の機能範囲「ハウジング付加部」には、やはり共通の支持部分3に設けることのできる付加的な機能エレメントが包含されている。この場合、付加的な機能エレメントとは、たとえばファンにおける空気案内部(エアベンチュリ)または上位のシステムに固定するための保持装置、たとえば乗用車の使用領域であれ、貨物自動車の使用領域であれ、エアスクープ(Hutze)とも呼ばれる自動車のラジエータに用いられるインサートファンにおけるリングシュラウド(Ringzarge)である。
【0023】
図1には、機能範囲「電流供給部」および「ステータ磁界発生部」のための収容コンポーネントを備えた共通の支持構成部分が示されている。
【0024】
機能範囲「電流供給部」に対応し得る機能エレメント、たとえば炭素ブラシを収容するための矢筒形のブラシホルダ15は、共通の支持部分3の底範囲2に形成されている。炭素ブラシを収容するための矢筒形のブラシホルダ15は対称軸線1を中心にして、使用される電気的な駆動装置の磁極数により規定された角度ずれを持って配置され得る。その他に、機能範囲「電流供給部」には、スナップフック14を対応させることができる。このスナップフック14は妨害防止エレメント17、たとえばチョークまたはコンデンサを取り囲んでいる。その他に、機能範囲「電流供給部」は、ケーブルコネクタまたは電源接続部として形成された結合エレメント26の形の外部の電流供給部をも有している。機能範囲「ステータ磁界発生部」は図1にはクリップ12により実現されている。このクリップ12には、係止突起13または皮むき刃の形をした係止リブ(Schaelrippe)が対応していてよい。これらの収容エレメントはステータ磁界発生コンポーネント10、たとえば磁石、励磁コイル、磁束リングまたはこれに類するものを軸方向で位置固定するために働く。共通の支持部分3は、十分に可変に保持され得る軸方向の構成長さ21で形成されていてよい。さらに、共通の支持部分3の直径も組込み事例に応じて自在に形成され得る。
【0025】
図2には、機能範囲「電流供給部」および「支承部」のための収容エレメントを備えた共通の支持部分3が示されている。
【0026】
図2に示した、共通の支持部分3の組込み段では、コンポーネント15,14,26を有する機能範囲「電流供給部」に対して付加的に、共通の支持部分3の底範囲2に機能範囲「支承部」が組み込まれている。機能範囲「支承部」は軸受け座部5,23を有しており、この軸受け座部5,23内には、軸受け体4が収容されている。軸受け体4は転がり軸受けまたは滑り軸受けとして形成されていてよい。その場合、この転がり軸受けまたは滑り軸受けは共通の支持部分3の軸受け座部23内に圧入されてプレス嵌めされているか、または接着固定されているか、あるいはまた締付け固定されていてもよい。この組込み段は使用事例に応じて軸方向の種々の構成長さ20で形成されていると共に、種々の直径で形成されていてもよい。
【0027】
図3には、機能範囲「電流供給部」および「ハウジング付加部」のための収容エレメントを備えた共通の支持部分3が示されている。
【0028】
この組込み段により共通の支持部分3に形成された機能範囲「電流供給部」の他に、この実施例では、機能範囲「ハウジング付加部」も実現されている。この実施例により形成された共通の支持部分3は、エアスクープもしくはシュラウド6によって、たとえばラジエータモジュールに結合されると有利である。この場合、共通の支持部分3内には、ラジエータファンを駆動する電動モータを収容することができる。図3に示した、共通の支持部分3の環状面7内には、ステータ磁界発生コンポーネント10のうちの1つのコンポーネントを成す磁束リングを嵌め込むことができる。
【0029】
図4に示した共通の支持部分3では、機能範囲「ステータ磁界発生部」および「支承部」が形成されている。
【0030】
図4に示した共通の支持部分3の内面には、選択的に配置可能な係止突起13を備えたクリップ12が形成されている。さらに、共通の支持部分3の底範囲2には、軸受け体4が鋳造時もしくは射出成形時に埋め込まれているか、係止されているか、接着されているか、または圧入されている。軸受け体4は共通の支持部分3内で軸受け座部5,23によって取り囲まれる。中空室18により、共通の支持部分3内には、図4に示していない、電動モータのアーマチュアが収容される。
【0031】
図5には、機能範囲「ステータ磁界発生部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分3が示されている。
【0032】
共通の支持部分3の内部には、図4に示した実施例と同様に、クリップ12が鋳造時または射出成形時に一体成形されている。これらのクリップ12の半径方向内側に位置する端部は、突出した係止突起13または皮むき刃形の係止リブを備えており、これによりステータ磁界発生コンポーネント10、たとえば永久磁石または励磁コイルが軸方向で位置固定される。図5に示した実施例では、共通の支持部分3の外面にラジエータモジュールのためのエアスクープもしくはシュラウド6を一体に射出成形することができる。これにより、この共通の支持部分3は、自動車の内燃機関で使用することのできるラジエータモジュール内に組み込まれる。
【0033】
図6には、機能範囲「支承部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分3が示されている。
【0034】
機能範囲「ハウジング付加部」は上位のシステムに対する結合部としてエアスクープもしくはシュラウド6の形で形成されている。それに対して、機能範囲「支承部」は軸受け体4により実現されており、この軸受け体4は共通の支持部分3の底範囲2に設けられた軸受け座部5内に嵌め込まれている。底範囲2の肉厚さは符号2.1で示されている。図6に示した実施例による共通の支持部分3は軸方向の構成長さ20で形成されており、この構成長さ21はもちろん可変である。
【0035】
図7には、機能範囲「電流供給部」、「ステータ磁界発生部」および「支承部」を有する共通の支持部分3が示されている。
【0036】
機能範囲「電流供給部」は、炭素ブラシが導入されるべき矢筒形のブラシホルダ15として形成されたコンポーネントと、スナップフック14とにより実現されている。スナップフック14は、たとえばチョークまたはコンデンサのような妨害防止エレメント17を収容するために働く。上で挙げた各コンポーネントは、内部の電流供給部分に対応し得る。それに対して、ケーブルコネクタまたは電源接続部26は共通の支持部分3内に収容された電動モータの外部の電流供給部分として働く。機能範囲「ステータ磁界発生部」は、クリップ12と、これらのクリップ12に選択的に配置可能となる係止突起13とにより形成されている。これらのクリップ12は、たとえば永久磁石のようなステータ磁界発生コンポーネント10を軸方向で位置固定するために働く。共通の支持部分3の底範囲2には、機能範囲「支承部」を実現するために軸受け体4が組み込まれており、この軸受け体4は軸受け座部5,23によって取り囲まれている。
【0037】
図8には、機能範囲「電流供給部」、「ステータ磁界発生部」および「ハウジング付加部」を有する共通の支持部分3が示されている。
【0038】
機能範囲「電流供給部」はコンポーネント14,15(内部の電流供給部分)ならびに電源接続部26(外部の電流供給部分)により実現されている。この実施例では、機能範囲「ステータ磁界発生部」が、クリップ12と、これらのクリップ12に半径方向で配置可能となる係止突起13とにより実現されている。これらのクリップ12および係止突起13は共通の支持部分3の一方の端面から、ステータ磁界発生コンポーネント10の軸方向長さに相当する間隔19を置いて配置されていてよい。機能範囲「ハウジング付加部」はエアスクープもしくはシュラウド6により実現されている。このエアスクープもしくはシュラウド6を用いて、共通の支持部分3は、たとえばプラスチック射出成形部品として提供されていてよいラジエータモジュール(十分な大きさでは図示されていない)と結合されていて、このラジエータモジュールに成形時に埋め込まれている。
【0039】
図9には、機能範囲「電流供給部」、「支承部」および「ハウジング付加部」を有する共通の支持部分3が示されている。
【0040】
共通の支持部分3の、図9に示した組込み段では、機能範囲「電流供給部」(内部/外部)が、炭素ブラシを収容するための矢筒形のブラシホルダ15と、スナップフック14とにより実現されている。スナップフック14内には、妨害防止エレメント17が収容される。機能範囲「電流供給部」の外部の電流供給部分はコネクタアウトレット(概略的にのみ示す)または電源接続部26により示される。機能範囲「ハウジング付加部」はエアスクープもしくはシュラウド6の形に形成されており、このエアスクープもしくはシュラウド6によって、図9に示した実施例による共通の支持部分3はラジエータモジュール(図示しない)に組み込まれていてよい。
【0041】
図10には、機能範囲「ステータ磁界発生部」、「支承部」および「ハウジング付加部」を有する共通の支持部分3が示されている。
【0042】
共通の支持部分3のこの組込み段では、機能範囲「ステータ磁界発生部」がクリップ12と、これらのクリップ12に選択的に形成可能となる係止突起13とにより形成されている。クリップ12および係止突起13は共通の支持部分3の内部で、使用される電気的な駆動装置の極数により生ぜしめられる角度で互いにずらされて形成され得る。ステータ磁界発生コンポーネント10、たとえば磁石、励磁コイル、磁束リングまたはこれに類するものを収容するクリップ12は、共通の支持部分3の一方の端面から、たとえばステータ磁界発生コンポーネント10の軸方向の構成長さに相当していてよい間隔19を置いて配置されている。機能範囲「支承部」は軸受け体4により実現されており、この軸受け体4は共通の支持部分3の底範囲2に設けられた軸受け座部5,23内に収容されている。共通の支持部分3の、図10に示した組込み段における機能範囲「ハウジング付加部」は、エアスクープもしくはシュラウド6またはエアベンチュリの形で設けられており、このエアスクープもしくはシュラウド6またはエアベンチュリを用いて、共通の支持部分3は付加的な別の結合コンポーネントなしで内燃機関のためのラジエータモジュールに組み込まれていてよい。
【0043】
図11には、機能範囲「電流供給部」、「ステータ磁界発生部」、「支承部」および「ハウジング付加部」を有する共通の支持部分3の最高組込み段が示されている。
【0044】
図11に示した共通の支持部分3は、ダイカスト法、プラスチック射出成形法ならびに金属薄板加工・変形加工法により製造され得る。ほぼ円筒状に形成された共通の支持部分3の外周面には、エアスクープ6(またはリングシュラウド)が一体に鋳造されているか、または一体に射出成形されている。このエアスクープもしくはシュラウド6に設けられた取付け用開口は共通の支持部分3を、図11には図示されていない別の構成コンポーネントに取り付けることを可能にする。中空室18の内面でエアスクープもしくはシュラウド6と背中合わせに位置するように、クリップ12が共通の支持部分3に組み込まれている。このクリップ12はステータ磁界発生コンポーネント10を軸方向および半径方向で位置固定するために働く。突起状に形成されたクリップ12の代わりに、軸方向に向けられた皮むき刃形の係止リブまたはステータ磁界発生コンポーネント10のための別の固定用エレメントを、共通の支持部分3内に設けることもできる。ステータ磁界発生コンポーネント10は軸方向の構成長さ19で形成されていてよく、そして共通の支持部分3によって完全に取り囲まれていてよい。また、ステータ磁界発生コンポーネント10をこれよりも短く形成することも可能である。
【0045】
図11に示した実施例による共通の支持部分3の底範囲2は複数の平面(階層)で形成されていて、滑り軸受けであれ、転がり軸受けであれ、軸受け体4を取り囲む軸受け座部5;23を有していてよい。これらのコンポーネントにより、機能範囲「支承部」が実現されている。
【0046】
共通の支持部分3の対称軸線1に対して直角に、炭素ブラシを収容するための矢筒形のブラシホルダ15が形成されている。ブラシホルダ15に並んで、スナップフック14が設けられており、これらのスナップフック14は共通の支持部分3の底範囲2に一体に鋳造されているか、または一体に射出成形されていてよい。矢筒形のブラシホルダ15内には、ブラシ整流される電動モータのブラシを収納することができる。両コンポーネント、つまりスナップフック14およびブラシホルダ15により、機能範囲「電流供給部」、厳密に言えば内部の電流供給部分が実現されている。
【0047】
同じく機能範囲「電流供給部」に加えられ得る外部の電流供給部分は、概略的に図示した電源接続部またはコネクタアウトレット26により示されている。
【0048】
機能範囲「支承部」は図11に示した最高組込み段では、共通の支持部分3の底範囲2に設けられた軸受け座部5,23により実現されている。この軸受け座部5,23内には、軸受け体4が圧入されているか、締付け固定されているか、またはかしめ固定されている。
【0049】
機能範囲「ステータ磁界発生部」は共通の支持部分3の内部で中空室18の仕切り壁に一体に鋳造または射出成形されたクリップ12と、これらのクリップ12に選択的に形成可能である係止突起13または皮むき刃形の係止リブとにより実現されている。共通の支持部分3の内部に位置するこれらの収容コンポーネントは、共通の支持部分3の内部でステータ磁界発生のための磁界発生コンポーネント10を位置固定する。磁界発生コンポーネント10は、永久磁石であっても、磁石であっても、コイル巻き体であっても、励磁コイルであってもよい。要求に応じてフレキシブル、つまり自在であってよい共通の支持部分3の軸方向の構成長さに応じて、共通の支持部分3の内部には、種々異なる軸方向構成長さ19の磁界発生コンポーネント10を収容することができる。中空室18は、共通の支持部分3の内部に電動モータのアーマチュア(図示しない)を収容するために役立つ。
【0050】
機能範囲「ハウジング付加部」は図11の最高組込み段では、エアスクープもしくはシュラウド6もしくはエアベンチュリにより実現されている。このエアスクープもしくはシュラウド6もしくはエアベンチュリを用いて、共通の支持部分3をラジエータモジュール(完全には図示していない)またはポンプハウジング、たとえば自動車領域におけるウォータポンプのポンプハウジングに組み込むことができる。
【0051】
図1〜図11に関連して図示した、1回の形状付与プロセスにより形成された共通の支持部分3の複数の機能性の組込みにより、複数のコンポーネントおよび機能を任意の組合せで共通の支持部分3に組み込むことができる。特にロータがステータを取り囲んでいるような電子的に整流されるモータ、つまりブラシレスモータにおいて、共通の支持部分3が、形状付与もしくは成形による製造法、たとえば金属ダイカスト法またはプラスチック射出成形法によって製作されると、共通の支持部分3において特にロータのための支承ピンをハウジングに直接に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
機能範囲「電流供給部」および「ステータ磁界発生部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図2】
機能範囲「電流供給部」および「支承部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図3】
機能範囲「電流供給部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図4】
機能範囲「ステータ磁界発生部」および「支承部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図5】
機能範囲「ステータ磁界発生部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図6】
機能範囲「支承部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図7】
機能範囲「電流供給部」、「ステータ磁界発生部」および「支承部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図8】
機能範囲「電流供給部」、「ステータ磁界発生部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図9】
機能範囲「電流供給部」、「支承部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図10】
機能範囲「ステータ磁界発生部、「支承部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分を示す断面図である。
【図11】
機能範囲「電流供給部」、「ステータ磁界発生部、「支承部」および「ハウジング付加部」を備えた共通の支持部分の最高組込み段を示す断面図である。
【符号の説明】
1 対称軸線
2 底範囲
2.1 第1の肉厚さ
2.2 第2の肉厚さ
3 共通の支持部分
4 軸受け体
5 軸受け座部
6 エアスクープもしくはシュラウド
7 環状面
10 磁界発生コンポーネント(永久磁石、コイル巻き体)
12 クリップ
13 係止突起、皮むき刃形の係止リブ
14 スナップフック
15 ブラシホルダ
17 妨害防止エレメント(チョーク、コンデンサ)
18 中空室(アーマチュア用)
19 巻き体長さ、磁石長さ
20 第1の構成高さ
21 別の構成高さ
23 軸受け座部
26 電流供給部分(電源接続部、コネクタアウトレット)

Claims (16)

  1. 電気的な駆動装置のための共通の支持部分(3)を製造するための方法であって、しかも種々異なる軸方向長さおよび直径で製造可能である共通の支持部分(3)に底範囲(2)を形成する形式の方法において、共通の支持部分(3)に任意の組合せで機能範囲「電流供給部」(14,15;26)、「ステータ磁界発生部」(12,13)、「支承部」(4,5,23)および上位のシステムのための「ハウジング付加部」(6)が組込み可能であることを特徴とする、電気的な駆動装置のための共通の支持部分を製造するための方法。
  2. 共通の支持部分(3)に機能範囲「電流供給部」(14,15;26)および「ステータ磁界発生部」(12,13)を形成する、請求項1記載の方法。
  3. 共通の支持部分(3)に機能範囲「電流供給部」(14,15;26)および「支承部」(4,5,23)を形成する、請求項1記載の方法。
  4. 共通の支持部分(3)に機能範囲「電流供給部」(14,15;26)および「ハウジング付加部」(6)を組み込む、請求項1記載の方法。
  5. 共通の支持部分(3)に機能範囲「ステータ磁界発生部」(12,13)および「支承部」(4,5,23)を組み込む、請求項1記載の方法。
  6. 共通の支持部分(3)に機能範囲「ステータ磁界発生部」(12,13)および「ハウジング付加部」(6)を組み込む、請求項1記載の方法。
  7. 共通の支持部分(3)に機能範囲「支承部」(4,5,23)および「ハウジング付加部」(6)を組み込む、請求項1記載の方法。
  8. 共通の支持部分(3)に機能範囲「電流供給部」(14,15;26)、「ステータ磁界発生部」(12,13)および「支承部」(4,5,23)を組み込む、請求項1記載の方法。
  9. 共通の支持部分(3)に機能範囲「電流供給部」(14,15;26)、「ステータ磁界発生部」(12,13)および「ハウジング付加部」(6)を組み込む、請求項1記載の方法。
  10. 共通の支持部分(3)に機能範囲「電流供給部」(14,15;26)、「支承部」(4,5,23)および「ハウジング付加部」(6)を組み込む、請求項1記載の方法。
  11. 共通の支持部分(3)に機能範囲「ステータ磁界発生部」(12,13)、「支承部」(4,5,23)および「ハウジング付加部」(6)を組み込む、請求項1記載の方法。
  12. 共通の支持部分(3)に機能範囲「電流供給部」(14,15;26)、「ステータ磁界発生部」(12,13)、「支承部」(4,5,23)および「ハウジング付加部」(6)を組み込む、請求項1記載の方法。
  13. 共通の支持部分(3)を金属ダイカスト法により成形して製造する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 共通の支持部分(3)をプラスチック射出成形法により成形して製造する、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 共通の支持部分(3)を金属薄板加工・変形加工により成形して製造する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 共通の支持部分(3)を、自動車/実用車領域における可変伝動装置、流体ポンプ、ファン、ラジエータモジュールに電気的な駆動装置を取り付けるために使用する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
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