JP2004537173A - パッケージ内の量及びスペクトル感知能力とデジタル信号出力とを有するマルチチップｌｅｄパッケージ - Google Patents

Abstract

支持部材と、この支持部材上に配置された少なくとも２つの発光ダイオードチップと、この支持部材上に配置された少なくとも１つのセンサであって、前記発光ダイオードチップの光出力に関連する量及びスペクトル情報を制御装置に伝達する当該センサと、この支持部材上に配置されたアナログ-デジタル変換論理回路を有する信号処理回路であって、前記センサにより発生されたアナログ信号出力をデジタル信号出力に変換する当該信号処理回路とを有するマルチチップ発光ダイオードパッケージ。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、マルチチップ発光ダイオード（ＬＥＤ）パッケージに関するものであり、特に、２つ以上のＬＥＤチップと、ＬＥＤの光出力の量及びスペクトルの特性を測定する１つ以上のフィードバックセンサと、アナログ−デジタル変換論理回路を具えるデジタル信号処理回路であって、センサからのデジタル信号出力をパッケージ外部の制御装置に供給し、ＬＥＤのルーメン出力及び色成分を制御する当該デジタル信号処理回路とを装着した支持部材を有するマルチチップＬＥＤパッケージに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
マルチチップＬＥＤパッケージは、従来技術においては白色光照明装置として用いられてきた。例えば、米国特許第５，１３６，４８３号明細書には、赤色、緑色及び青色ＬＥＤを採用しこれらを同時に使用してこれらのＬＥＤの色が互いに対しての補色となり白色光を発生するようになっている、ヘッドランプのような白色光照明装置が開示されている。
【０００３】
他の白色光照明装置は、米国特許第５，８０３，５７９号明細書に開示されている。この米国特許における照明装置は支持部材上に複数のＬＥＤを有している。これらすべてのＬＥＤが附勢されると、最初に知覚される色、例えば青緑を呈する照明がこれらＬＥＤの少なくとも１つから放出され、残りのＬＥＤの少なくとも１つから放出される二番目に知覚される色、例えば琥珀色を呈する照明と重なり合い混合される。この重なり合い混合した照明が白色を形成する。
【０００４】
通常、ＬＥＤを少なくとも「ターンオン」及び「ターンオフ」させるために、これら装置と共に制御装置が用いられる。また、この制御装置によりＬＥＤの光出力及び色を調整制御することもできる。このようにするには、装置のルーメン出力及び色（波長）を検出しその情報を制御装置に供給するある種類の外部光センサを用いる必要がある。
【０００５】
外部光センサを用いると、装置の大きさ及び費用が不所望に増大してしまう。さらに、これら既知の装置においてはＬＥＤの動作温度を測定する方法が存在しない。ＬＥＤの動作温度は、その変化によりＬＥＤの量及びスペクトル出力に、従って装置に影響を及ぼすおそれがあるために重要なことである。
【０００６】
従って、上述した従来技術のマルチチップＬＥＤパッケージの欠点をほぼ解消し、且つ価格、占有スペース及び製造の簡便性の観点からさらに改良されたマルチチップＬＥＤパッケージが必要とされている。
【０００７】
マルチチップ発光ダイオードパッケージは、支持部材と、この支持部材上に配置された少なくとも２つの発光ダイオードチップと、この支持部材上に配置された少なくとも１つのセンサであって、発光ダイオードの光出力に関する量及びスペクトル情報を制御装置に伝達する当該センサとを有する。
【０００８】
本発明の一例によれば、マルチチップ発光ダイオードパッケージは、支持部材上に配置された信号処理回路であって、センサにより発生されたアナログ信号出力を制御装置によりデジタル処理するために調整する信号処理装置を有する。
【０００９】
本発明の他の例によれば、マルチチップＬＥＤパッケージは、上述した信号処理回路内に設けられたアナログ−デジタル変換論理回路であって、センサにより発生されたアナログ出力信号をデジタル信号出力に変換する当該アナログ−デジタル変換論理回路を有する。
【００１０】
本発明の利点、性質及び種々の付加的な特徴は、本発明の実施例によるマルチチップＬＥＤパッケージの斜視図である添付図面に関連して以下に詳細に説明する実施例を考察することにより一層完全に明らかとなるであろう。
【００１１】
図１は、本発明の実施例によるマルチチップＬＥＤパッケージ１０を示すものである。このマルチチップＬＥＤパッケージ１０は、２つ以上（図示では４つ）のＬＥＤチップすなわち「ダイ」１４と、このＬＥＤパッケージ１０の外部の制御装置３０に量及びスペクトル情報を伝達する少なくとも１つのフィードバックセンサ１５と、制御装置３０によるデジタル処理のために、１つ以上のフィードバックセンサ１５により発生される信号を調整する信号処理回路２０とを装着した支持部材１２を有する。支持部材１２上のＬＥＤチップ１４、センサ１６、１８及び信号処理回路２０の上に光学部材２２を装着して、ＬＥＤパッケージ１０により発生される光を光学的に処理するようにしうる。
【００１２】
支持部材１２は熱伝導性の部材であり、ＬＥＤチップ１４を外部電源２８に結合する正及び負の電源ポート２６（図示するように正のポートをそれぞれのＬＥＤチップ１４に対して設け、各ＬＥＤチップ１４に供給される電力を個々に調整しうるようにすることができる）と、少なくとも１つのフィードバックセンサ１５及び信号処理回路２０を外部制御装置３０に結合する少なくとも１つのデジタル信号入／出力（Ｉ／Ｏ）ポート３２とを有する。本発明の他の実施例においては、このデジタル信号Ｉ／Ｏポート３２を２つのデジタルポート（図示せず）に、つまり１つの入力ポートと１つの出力ポートとに置き換えることができる。本発明の実施例においては、支持部材１２は、個々のＬＥＤチップを支持でき、これらＬＥＤチップを同時に電源ポートに電気的に接続でき、１つ以上のセンサを信号処理回路に電気的に接続でき、この信号処理回路をデジタル信号ポートに電気的に接続できるプリント回路基板、セラミック基板、ハウジング又は他の構造体を有することができる。
【００１３】
ＬＥＤパッケージ１０に使用するＬＥＤチップ１４は、このマルチチップＬＥＤパッケージ１０を白色又は他の色の光が発生するように動作させうる、有効ないかなる群のＬＥＤ色で有効ないかなる個数のＬＥＤチップとすることもできる。特に白色光を発生させることを目的としてマルチチップＬＥＤパッケージに使用したＬＥＤチップ１４は、それぞれが緑色、赤色及び青色の光を発光する通常の緑色、赤色及び青色のＬＥＤチップとすることができるが、これは説明のためであって、これに限定されるものではない。ＬＥＤパッケージ１０により発生される白色光の特性を最適化するために、任意の数のＬＥＤチップを使用することができる。例えば、ＬＥＤチップ１４が、１つの赤色ＬＥＤチップと、２つの緑色ＬＥＤチップと、１つの青色ＬＥＤチップとを有するようにすることができる。
【００１４】
１つ以上のフィードバックセンサ１５は、１つ以上の光センサ、又は１つ以上の熱センサ、又は好ましくは図に示すように少なくとも１つの光センサ１６と少なくとも１つの熱センサ１８との組合せを含み得るものである。光センサ１６は、ＬＥＤ１４の出力を量（光強度）及びスペクトル（波長）に関して外部制御装置３０に伝達する。ＬＥＤパッケージ内に光センサを配置することにより、本発明のマルチチップＬＥＤパッケージ１０を採用しうる光源ＬＥＤモジュールの大きさ及び価格が低減される。光センサはホトダイオードのような通常のホトセンサを有することができるが、これは説明のためであって、これに限定されるものではない。
【００１５】
熱センサ１８は、半導体ダイオード接合、又はバンドギャップレファレンス回路、又は集積回路技術において用いられる他のいかなる種類の熱感知素子を有することもできる。熱センサ１８は、ＬＥＤチップ１４の動作温度と相関させることができる支持部材１２の温度を測定することにより、外部制御装置３０にＬＥＤチップ１４の量及びスペクトル出力を伝達する。ＬＥＤチップ１４の動作温度の変化はこれらＬＥＤチップ１４の量及びスペクトル出力に影響を及ぼす。従って、ＬＥＤチップ１４の動作温度が変化した場合には、熱センサ１８により支持部材の温度を制御装置に伝達し、次にこの温度によりＬＥＤチップ１４への電源電流を調整する補正作用によりＬＥＤチップ１４の量及びスペクトル出力を一定に保持することができる。
【００１６】
熱センサ１８は、安全保護装置として用いることもできる。一例として、熱センサを用いて、ＬＥＤチップ１４が過熱して損傷を受けるのを防止することができるが、これに限定されるものではない。
【００１７】
信号処理回路２０は、デジタル処理のために、１つ以上のセンサ１５（光センサ１６及び熱センサ１８）により発生される比較的低い電圧のアナログ信号出力を増幅し符号化することにより、これらアナログ信号出力をデジタル変換処理するものである。Ａ／Ｄ変換論理回路を「ＬＥＤパッケージ」内に設けることにより、パッケージ内の構成素子の重複や、パッケージの費用及びパッケージの占めるスペースを有利に低減させる。信号処理回路２０は、アナログ又はデジタルの形態とすることができるが、１つ以上のセンサ１５の増幅し且つ符号化されたアナログ信号出力をデジタル信号出力に変換するアナログ-デジタル（Ａ／Ｄ）変換論理回路２４を有するようにするのが好ましい。これら回路について多くの変形例があることは当業者にとって周知であることから、これら回路の構造及び機能についての説明は不要であり省略する。
【００１８】
光学部材２２は、マルチチップＬＥＤパッケージ１０により発生される光を光学的に処理する１つ以上の光学素子を有しうるものである。例えば、光学部材２２は、ＬＥＤパッケージ１０のＬＥＤチップ１４により発生する光の集束及び整形の双方又はいずれか一方を行うコリメータを有しうるものである。このような光学素子は、当業者にとって周知であり、通常のようにプラスチック又はガラスから製造しうるものである。
【００１９】
本発明を上述の実施例を参照して説明したが、本発明の精神から逸脱することなく種々の変更及び変形を行うことができる。一例として、熱センサ１８を信号処理回路２０内に組み込むことができるが、これに限定されるものではない。さらに、熱センサ１８をＬＥＤチップ１４のそれぞれに対し設けることもできる。これらの及び他のいかなる変更及び変形も特許請求の範囲の範囲内にあるものである。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】図１は、本発明の実施例によるマルチチップＬＥＤパッケージの斜視図である。

Claims (14)

1. 支持部材と、
   この支持部材上に配置された少なくとも２つの発光ダイオードチップと、
   この支持部材上に配置された少なくとも１つのセンサであって、前記発光ダイオードチップの光出力に関する情報を制御装置に伝達する当該センサと
   を有するマルチチップ発光ダイオードパッケージ。
2. 請求項１に記載のマルチチップ発光ダイオードパッケージにおいて、前記少なくとも１つのセンサが光フィードバックセンサを含むマルチチップ発光ダイオードパッケージ。
3. 請求項１又は２に記載のマルチチップ発光ダイオードパッケージにおいて、当該マルチチップ発光ダイオードパッケージがさらに熱フィードバックセンサを有するマルチチップ発光ダイオードパッケージ。
4. 請求項１に記載のマルチチップ発光ダイオードパッケージにおいて、前記少なくとも１つのセンサがアナログ信号出力を発生するようになっており、前記マルチチップ発光ダイオードパッケージが、さらに、前記支持部材上に配置された信号処理回路であって、前記少なくとも１つのセンサにより発生された前記アナログ信号出力をデジタル信号出力に変換する当該信号処理回路を有するマルチチップ発光ダイオードパッケージ。
5. 請求項４に記載のマルチチップ発光ダイオードパッケージにおいて、前記信号処理回路が、アナログ-デジタル変換論理回路を有するマルチチップ発光ダイオードパッケージ。
6. 請求項１に記載のマルチチップ発光ダイオードパッケージにおいて、当該マルチチップ発光ダイオードパッケージが、さらに、前記少なくとも１つのセンサの出力を前記制御装置に電気的に接続するための少なくとも１つのデジタル信号ポートを有するマルチチップ発光ダイオードパッケージ。
7. 請求項１に記載のマルチチップ発光ダイオードパッケージにおいて、当該マルチチップ発光ダイオードパッケージが、さらに、前記発光ダイオードチップの光出力を処理する光学部材を有するマルチチップ発光ダイオードパッケージ。
8. 支持部材と、
   この支持部材上に配置された少なくとも２つの発光ダイオードチップと、
   この支持部材上に配置された少なくとも１つのセンサであって、発光ダイオードの光出力に関する情報を制御装置に伝達する当該センサと
   を有するマルチチップ発光ダイオードパッケージを少なくとも１つ具える光発生器。
9. 請求項８に記載の光発生器において、前記少なくとも１つのセンサが光フィードバックセンサを含む光発生器。
10. 請求項８又は９に記載の光発生器において、当該光発生器がさらに熱フィードバックセンサを有する光発生器。
11. 請求項８に記載の光発生器において、前記少なくとも１つのセンサがアナログ信号出力を発生するようになっており、前記光発生器が、さらに、前記支持部材上に配置された信号処理装置であって、前記少なくとも１つのセンサにより発生されたアナログ信号出力をデジタル信号出力に変換する当該信号処理回路を有する光発生器。
12. 請求項１１に記載の光発生器において、前記信号処理回路が、アナログ−デジタル変換論理回路を有する光発生器。
13. 請求項８に記載の光発生器において、当該光発生器が、さらに、前記発光ダイオードチップの光出力を処理する光学部材を有する光発生器。
14. 請求項８に記載の光発生器において、当該光発生器が、さらに、前記少なくとも１つのセンサの出力を前記制御装置に電気的に接続するための少なくとも１つのデジタル信号ポートを有する光発生器。