JP2004536909A - フマル酸ジエチル/ポリ(フマル酸プロピレン)生体材料の光架橋 - Google Patents

フマル酸ジエチル/ポリ(フマル酸プロピレン)生体材料の光架橋 Download PDF

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Abstract

フマル酸エステル誘導体とポリ(フマル酸プロピレン)とを架橋することによって形成されたポリマー網状構造体。このフマル酸エステル誘導体は、それに対してPPFが可溶であり、好ましくは、フマル酸アルキルであり、より好ましくは、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸ジイソプロピル及びフマル酸ジブチルからなる群から選択されるものである。網状構造体は、光架橋によって形成することができ、多孔性であり得る。ある実施形態においては、ポリ(フマル酸プロピレン)及びフマル酸エステル誘導体は、各々、インビボの用途に役立つポリマーの網状構造体を生じるのに効果的な量で存在する。網状構造体は、注入可能で、現場で架橋可能な複合調合物から形成されること、又は立体リトグラフィ、急速プロトタイピング、射出成形及び押出し成形など、架橋可能な複合調合物から前もって形成することが可能である。

Description

【背景技術】
【0001】
組織工学の分野において、分解可能な生体材料は、機械的な支持を提供する足場材(scaffold)及び新しい組織の内部成長のための基質として役目を果たすことができる。その足場材の上に新しい組織が形成されるにつれて生体材料は分解し、完全に溶解するに至る。分解産物は代謝プロセスなどの身体の生来の経路を通して除去される。
【0002】
そのような生体材料の用途の一例は一時的な骨置換としての用途である。たとえば、骨が折れたとき又は骨腫瘍の結果として切除されたときなどに、現存の骨の一部又は全部を置換又は再建することがしばしば求められる。これらの例においては、無くなった骨は機械的デバイス(たとえば、ピン、板又はその類似物)に置換されるか、又は元の骨にもっとぴったり似るように人工インプラントと置換されることがある。しばしば、これらのインプラントは生体分解性のポリマー化合物又はそのような化合物から作られた部品からなる。インプラント自体が生体環境の中で徐々に分解されるとき、骨組織がインプラントの孔内へと成長し、徐々にインプラント全体を置換するようになることが考えられる。したがって、そのようなインプラントは生体適合的であろとともに無毒性であることが望ましい。
【0003】
ポリ(フマル酸プロピレン)はそのようなポリマーである。ポリ(フマル酸プロピレン)(以下、「PPF」とする)は、水の存在下で、プロピレングリコール及びフマル酸(通常の代謝プロセスによって人体から容易に除去される分解産物)に分解する不飽和の線状ポリエステルである。PPF中のフマル酸エステル二重結合は反応しやすく、低温で架橋するので、PPFは有能な現場重合性生体材料(in situ polymerizable biomaterial)となる可能性を有する。硬化したPPF基材は、その高い機械強度及び現場での架橋能力のために、骨セメント、骨組織再生のための整形外科的足場材形成及び薬物送達システムを含む整形外科用途に特に適したものとなっている。
【0004】
特に、注入可能な基材が要望されている。注入可能な生体材料の基本長所は、臨床的にしばしば起こる不規則な形をした骨欠損を完全に埋めるその能力にある。他の利点は、その使いやすさ、最小限に浸襲的な外科的手法の許容及び細胞又は生体活性薬剤の担体として働く能力などである。しかし、注入可能であるとともに現場で重合可能な生体材料の開発は多くの特性の考慮を必要とする。そうした特性とは、未硬化溶液の粘度及び硬化中の熱発生を含む特性であり、他の生体材料に対しては頻繁には検討されないものである。それゆえ、技術の進歩にもかかわらず、有効で、注入可能で、現場で重合可能な生体材料の必要性は残ったままである。大きな骨欠損の処置のために組織用に人工材料の開発は、臨床的場面で現在使われている自己移植片、同種移植片、非分解性ポリマー、セラミックス及び金属に代わる魅力的な代替物を提供するであろう。
【0005】
PPFは骨移植片/骨足場材料として検討されてきた。PPFは1個の炭素−炭素二重結合及び2個のエステル基から成る反復フマル酸エステルユニットを含む。炭素−炭素二重結合は粘稠なポリマーPPFが架橋して固体となることを可能にし、一方、各エステル基はPPFがエステル加水分解により生体適合性フラグメントへ減成することを可能にする[6]。光架橋したPPFは足場材になるように成形され、温和な組織反応を誘発することが示され、さらに、トランスフォーミング成長因子ベータ1(TGF−β1)が載せられると、ウサギ頭蓋欠損モデルにおいて、骨の形成を促進することが示された[7〜9]。このPPFをベースとした系などの光架橋性生体材料は、事前形成インプラント(prefabricated implant)を選択する処置、及び光の照射中又は照射後において、その光によって硬化する注入可能な生体材料を選択する処置のどちらにも適しているであろう。
【0006】
しかし、高いPPF分子量においては、ポリマーは極めて粘稠になって、その取扱い性能を低下させ、当然のことながら、流動性能を顕著に低下させる。PPFのこの粘稠な性質は注入可能なプロセス及びプレハブ形式のプロセスの両方に対して影響を有する。それゆえに、極めて低い粘度を有する一方、フマル酸ベースの生体材料の有利な特性をなお保持しているPPF系を作ることが要望される。
【特許文献1】
米国特許第4,722,948号明細書
【特許文献2】
米国特許第6,124,373号明細書
【特許文献3】
米国特許出願第2002/0171178号明細書
【特許文献4】
米国特許第6,283,997号明細書
【発明の開示】
【0007】
本発明は、フマル酸エステル誘導体、特に、フマル酸ジエチルによって架橋されたPPFベースの注入可能で、生分解可能な高分子複合材料から成る。本発明によれば、フマル酸ジエチル(DEF)などの前駆体フマル酸エステルから合成される粘稠なポリエステルであるポリ(フマル酸プロピレン)(PPF)が人工骨移植片として使用される。さらに具体的には、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BAPO)などの重合開始剤及び低レベルの紫外光暴露を使用して、DEFなどの前駆体フマル酸エステルに溶解されたPPFの光架橋が開示される。
【0008】
本発明のポリマーフマル酸エステルの種々の特性を調べるために、この組成に3因子、2×2×4要因計画(three-factor, 2×2×4 factorial design)が適用された。その結果、光架橋特性及び機械的性質に及ぼすPPFの数平均分子量、BAPO開始剤含量及びDEF含量の影響を検討することができた。
【0009】
DEF含量が0から75%に上がると、未硬化のDEF/PPFに対する溶液粘度が3桁下がることが発見された。この発熱性の光架橋反応は低レベルの熱を放出するが、試験されたいずれの調合物からも160J/gを越える熱は放出されなかった。その結果、最大光架橋温度は、全てのサンプルに関して47℃より低いままであった。ゾルフラクションは26〜65%の範囲で変化し、高いPPF分子量及び高いBAPO含量の複合物が最小のゾルフラクションを含んでいた。圧縮機械的性質は骨梁(trabecular bone)の範囲にあり、最も強度の高い試料は、195.3±17.5MPaの弾性率及び68.8±9.4MPaの破壊強度を有していた。最後に、実験結果によれば、PPF架橋は低い前駆体DEF濃度では促進されるが、高い前駆体濃度では妨げられることが示された。
【0010】
本発明は、PPFをフマル酸エステル溶媒に溶かすことによって作られる組成物、及びそれらの組成物を架橋することによって作られるポリマー網状体、及びポリマー網状体から成るアイテムを作る方法から成る。これらの新規なDEF/PPF溶液は、人工骨移植片のための主剤として、純粋のPPFより好ましい。なぜなら、それらは、(1)低い粘度を示し、したがって、簡単に取り扱え、(2)骨梁置換のための要件に適した破壊点での圧縮強度を有するポリマー網状体を形成し、(3)広範囲の構造を有する固体に容易に成形することができるからである。
本発明のより詳細な理解のために、添付の図が参照される。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0011】
本発明は、フマル酸アルキルなどのフマル酸エステル誘導体に溶解されたポリマーPPFの光架橋によって作られる一つの部類の生体材料から成る。適当なフマル酸エステル誘導体の一例は(DEF)である。これは、それからPPFを合成することができる前駆体ジエステルである。DEFは、PPF中に存在する架橋可能な炭素−炭素二重結合を含み、それが架橋反応に関与することを可能にする。さらに、DEFは、以前から研究されてきたPPFだけの材料の生体材料特性を著しくは改変しない。
【0012】
下の記述は、DEFが前駆体フマル酸エステルとして使用される本発明の好ましい具体例の記述である。ただし、限定的ではないが、フマル酸ジメチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチルなどのフマル酸アルキルを含む他のフマル酸エステル誘導体も同様に本発明において有用である。
【0013】
本架橋系の有効性を定量化するために、DEF/PPF生体材料の光架橋特性及び機械的性質が、3個の因子、すなわち、PPF分子量、BAPO光重合開始剤含量及びDEF含量に対するそれらの依存度によって特性づけられるとともに定量された。特に、本発明は、(1)未硬化のDEF/PPF溶液粘度、(2)熱発生及びゾルフラクションによって測定されるDEF/PPF光架橋反応の度合い、及び(3)硬化したDEF/PPF機械的性質に対するこれらの因子の影響に関する。ここで記述するDEF/PPF光架橋特性及び機械的性質の確定は、これらの新規なフマル酸エステルベースの生体材料の可能性を実現することを可能にすると共にポリマー/ポリマー前駆体システムの架橋を記述することを可能にする。
【0014】
実験計画法
非実用的な個数の実験を必要とすることなく、いくつかの変数の相対的な影響を決定する目的で、3因子要因計画が考案された。検討した3個の因子は、(1)ポリ(フマル酸プロピレン)数平均分子量(PPF M)、(2)ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド含量(BAPOmg/(DEF+PPF)g)、及び(3)フマル酸ジエチル含量(DEFg/PPFg)であった。最初の2個の因子は、おのおの、2個のレベル(0及び1)で検討され、第3因子のフマル酸ジエチル含量は、4個のレベル(0、1、2及び3)で検討された。第1因子のポリ(フマル酸プロピレン)数平均分子量(PPF Mn、g/Mol))に関しては、低い値(0)は1260g/Molに設定され、高い値(1)は2260g/Molに設定された。第2因子のビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド含量に関しては、低い値(0)はBAPO2.5mg/(DEF+PPF)gが選択され、高い値(1)はBAPO5.0mg/(DEF+PPF)gが選択された。第3因子のフマル酸ジエチル含量に関しては、4個の値(0、1、2及び3)は、それぞれ、DEF0.00、0.33、1.00及び3.00g/PPFgに設定された。こうして、16個の調合物からなる2×2×4計画が検討された。表1は全調合物の組成を示している。
【0015】
Figure 2004536909
【0016】
上の3因子の各々に対して高い値、低い値及び中間の値として選択された値は、本発明に関して特別の意味を有していないし、上限値又は下限値を表すこと、又は、それらの相対的な数値及びシステム上の種々のパラメータの相対的な効果を説明する能力以外のいかなる意義を有することを意図していない。
【0017】
ポリ(フマル酸プロピレン)合成
ポリ(フマル酸プロピレン)は、2段階法[11]にしたがって合成された。まず、触媒としてZnCl0.01Mol(フィッシャー・ケミカルス(Fisher Chemicals)、ニュージャージー州、フェアローン)、及びラジカル阻害剤としてヒドロキノン0.002Mol(アクロス・オーガニクス(Acros Organics)、ペンシルバニア州、ピッツバーグ)を用いて、フマル酸ジエチル1Mol(アクロス・オーガニクス(Acros Organics))及び1,2-プロパンジオール3Mol(アクロス・オーガニクス(Acros Organics))を反応させた。反応は窒素ブランケットの下で行われ、主生成物としてフマル酸ビス(ヒドロキシプロピル)及び副生成物としてエタノールが生成された。次に、このフマル酸ビス(ヒドロキシプロピル)がエステル交換(transesterified)され、ポリ(フマル酸プロピレン)及び副生成物としての1,2-プロパンジオールが生成された。
【0018】
PPFの数平均分子量(M)は、一般に、エステル交換の温度を高くするとともに時間を長くすることによって増大するので、反応は生成物がゲルパーミエーションクロマトグラフィによって測定される望ましい分子量(上記参照)を有するまで行われた。精製のために、このPPF生成物が塩化メチレン(フィッシャー・ケミカルス(Fisher Chemicals)に溶解された。PPFは、最初、ZnClを除去するために、酸(5重量%HCl水溶液)で洗浄され、ついで、純水及びブライン両方の各々2回の洗浄で精製された。ついで、有機相が硫酸ナトリウムで乾燥された。次に、ヒドロキノンを取り除くために、そのPPFがエチルエーテル中で2回沈殿させられた。ついで、過剰のエーテルが注ぎ出された。残りの溶媒がロータリエバポレーション及びそれに続く真空乾燥によって最終的にPPFから除去された。低分子量の鎖が水性洗浄液によって除去されるので、精製後においては、通常、Mは上昇する。最終生成物は透明淡黄色の粘稠な液体であった。2個のPPF試料が合成された。一つは、短鎖の試料(M=1260±0、P.I.=1.4±0.0、及び、PPF鎖あたりの二重結合の平均数=7.6)であり、もう一つは、長鎖の試料(M=2260±0、P.I.=1.7±0.0、及びPPF鎖あたりの二重結合の平均数=14.0)である。
【0019】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
PPFの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定された。GPCシステムには、HPLCポンプ(ウォーターズ(Waters)、モデル510、マサチューセッツ州、ミルフォード)、オートサンプラー(ウォーターズ(Waters)、モデル717)クロマトグラフィーカラム(ウォーターズ(Waters)、Styragel HR 4E、7.8×300mmカラム[50〜100,000ダルトンレンジ])、及び示差屈折率検出器(ウォーターズ(Waters)、モデル410)が含まれた。溶媒すなわち気体を抜いたクロロホルムが、試料測定のために、1.0ml/分で流された。分子量分布を計算するための検量線を得るために、ポリスチレン標準品(500、2630、5970及び18100ダルトン)が用いられた。各試料タイプについて、三重反復試験が行われた。報告された値(M及びP.I.)は平均値であり、関連する誤差は標準偏差である。
【0020】
DEF/PPF光架橋
フマル酸ジエチル/ポリ(フマル酸プロピレン)調合物は、光重合開始剤ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸化物(BAPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルス(Ciba Specialty Chemicals)、ニューヨーク州、タリータウン)を用いて紫外光により架橋された。図1に示すように、重要な反応は、2個のPPF鎖の間の直接架橋反応ならびに重合したDEFによる2個のPPF鎖の架橋反応である。
【0021】
DEFを含んでいなかった調合物に対しては、まず、BAPOが塩化メチレンに溶解された(0.05ml/PPFg)。未架橋のPPF溶液が約50℃に加温され、粘稠なポリマーが液状にされ、ついで、適切な開始剤含量を達成するために、BAPO溶液と混合された。
【0022】
DEFを含んだ調合物に対しては、まず、開始剤BAPOの適切な量がDEFに溶解され、ついで、対応するPPF量がDEF/BAPO溶液に混合された。最終溶液が円筒形のガラスバイアル(6.5mm×40mm)に注入された。ついで、最終溶液が非常に粘稠で気泡を保持している場合は、バイアルが遠心された(3000rpmで5分間)。試料は、ウルトラルム(Ultralum)(カリフォルニア州、パラマウント)の紫外光ボックスを使って光架橋された。このUVボックスは、4個の15W長波長UV球が取り付けられ、その内部は紫外光を反射する。全光放射はUV波長の範囲(320〜405nm)をカバーし、365nmにピークを有し、そして、10cm点で約2mW/cm2の強度を有する。光重合開始剤BAPOは400nm以下の波長を吸収し、波長が200nmへと下がるにつれ、吸収は全般的に増加する。試料の全てが約10cm離れたところで30分間紫外光に暴露された。試料はUVボックスの床から高くしたパイレックスシャーレ中に横向きに置かれた。この配置は入射光がすべての方面から放射状に円筒形の試料を透過することを可能にする。
【0023】
示差光熱量測定
示差光熱量測定(DPC)はDPCモジュール(モデルDSC2910、TAインストルメンツ(TA Instruments)、デラウェア州、ニューキャッスル)が設けられた示差走査熱量計(モデル2920、TAインストルメンツ(TA Instruments))を使って行われた。UV光(200W Hgランプ;その特性波長は313、366、405及び435nmである)はチェンバー内の試料及び対照の両方にわたってのあらゆる不均一分布に対して修正された。対照は光架橋DEF/PPFの硬化試料であった。硬化試料の調合は試験用試料と同一であった。等温条件下でのUV暴露の間及び37℃のチェンバー内平衡の後に、熱流束(heat flux)が測定された。UVで開始した架橋反応による熱放出は、5〜30分間、平坦域に合わせて引かれたベースラインを有する熱流束曲線下の面積として計算された。各試料タイプについて、三重反復試験が行われた。報告された値は平均値であり、関連する誤差は標準偏差である。
【0024】
光架橋反応温度
紫外光暴露の間のDEF/PPF試料の内部温度がワイヤ熱電対を使って測定された。前に述べたように、未硬化の試料が、まず、直径6.5mmのガラスバイアル中で調製された。ついで、直径0.025mm、テフロン断熱の熱電対(オメガ・エンジニアリング(Omega Engineering)、コネチカット州、スタンフォード)がその試料に挿入された。熱電対の先端は、ガラスバイアルの末端からも、ガラスシリンダーの側面からも、少なくとも10mm離して保持されたが、半径方向の位置は特定されなかった。ついで、熱電対が挿入された試料がUVボックス内に置かれた。温度は、インストルネット(InstruNet)のデータ収集箱及びソフトウェアプログラム(ノルディスク・トランスデューサー・テクニク(Nordisk Transducer Teknik)、デンマーク、ハドサンド)を用いて、4000秒間1Hzで記録された。紫外光暴露は、t=100秒から1900秒まで続けられ、実験の残りは暗所で行われた。最高反応温度は、約t=200〜800秒の間の局所最高温度として定義された。最高反応温度までの時間は、紫外光の点灯(t=100秒)から最高反応温度が記録された時間までと定義された。各試料タイプについて、三重反復試験が行われた。報告された値は平均値であり、関連する誤差は標準偏差である。
【0025】
レオメトリー
レオメーター(モデルAR1000、TAインストルメンツ(TA Instruments))を用いて、溶液粘度が測定された。試験することになっていた粘度の広い範囲のために、全ての試料タイプが同じ様態で試験されうるように、修正平行プレートシステムが利用された。試料溶液はレオメーターの温度管理されたプレートの上に置かれたテフロンの型(直径10mm、深さ15mm)内に入れられた。温度は37℃に設定された。直径8mmの円筒状パラレルプレート形状物(cylindrical parallel plate geometry)が型の内部に収められた約0.5mlの試料の中に降ろされた。剪断ひずみを10Paに保った状態で、連続フロープログラムが300秒間動かされ、実験の間中、粘度がモニターされた。1回の試験に対して記録された値は、実験の最後の200秒間にわたっての平均値であった。各試料タイプについて、三重反復試験が行われた。報告された値は平均値であり、関連する誤差は標準偏差である。
【0026】
ゾルフラクション
DEF/PPF構成物ゾルフラクションの研究は、光架橋された円筒物(重量で約0.5g)を用いて行われた。その構成は前に記載したとおりである。光架橋された試料の重量が測定され(W)、20mlの塩化メチレン中に入れられた。これは、PPF及びDEFはいずれもこの有機溶媒に溶解するが、架橋したDEF/PPF網状体は溶解しないからである。塩化メチレン中の試料を収めるバイアルに蓋がされ、約160時間、75rpmで攪拌された。ついで、その混合液を重量測定された濾紙(W)通すことによって、試料が溶媒から除去された。なお、試料はそのほとんどが砕けていた。試料を含む濾紙が60℃で1時間乾燥され、再度重量が測定された(Wp+s)。ついで、試料のゾルフラクションが次式を用いて計算された。
ゾルフラクション=(W−(Wp+s−W))/W×100% (1)
【0027】
各々の試料タイプについて、5回実験された。報告された値は平均値であり、関連する誤差は標準偏差である。
【0028】
圧縮機械試験
DEF/PPF構成物の圧縮テストは、機械的試験システム(モデル858、MTSシステム・コーポレーション(MTS System Corporation)、ミネソタ州、イーデンプレーリ)を用いて行われた。円筒形の試料は、先に記載されたようにして合成され、ついで、適当な長さに切断された。典型的な試料の大きさは、直径6.5mm及び長さ13.0mmであった。トッププレートが試料面よりわずかに上にある状態で、力及び変位が圧縮の前にゼロに調整された。試料が1mm/分のクロスヘッド速度で圧縮され、その間実験を通して応力及びひずみがモニターされた。試料破壊の後、実験が停止された。応力ひずみ曲線の初期の傾斜が試料の弾性率を決定した。破壊時の圧縮強度は材料を破壊するのに必要な応力として定義された。各試料タイプの試験が5回行われた。報告された値は平均値であり、関連する誤差は標準偏差である。
【0029】
統計
2×2×4要因計画の結果は、分散分析(ANOVA)によって検定された[12]。3因子が検討されたので、合計7件の処理が可能であった。すなわち、3件の主要因子効果、3件の2因子相互作用効果、及び1件の3因子相互作用効果である。(たとえば、因子A、B及びCの研究においては、主要効果はA、B及びCであり、2個の因子の相互作用効果はAB、AC及びBCであり、3個の因子の相互作用はABCである。)ついで、F値、F臨界値及びp値が7件の処理の各々について計算された。p値が指定される。95%の有意水準(α=0.05)が選択された。したがって、0.05以下のp値での処理は応答の有意な決定因子であると考えられる。全ての処理がこのようにして調べられたが、主要な効果だけが以下で考察されている。
【0030】
結果
溶液粘度
図2で示すように、DEF含量が0から75%に増加すると、未硬化のDEF/PPF溶液の粘度は、5940Pa・sから2Pa・sへと3桁のオーダーで低下することが分かった。図2は、未硬化の溶液粘度におよぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の効果をプロットしたものである。誤差棒は小さすぎて現われていないことに留意されたい。全因子、すなわち、PPF分子量(p=1.3×10−8)、BAPO含量(p=7.2×10−4)及びDEF含量(p=2.9×10−14)が、未硬化の溶液粘度を決める上で重要であると判明した。要因計画研究からの結果の分析は、PPF分子量、BAPO含量及びDEF含量が、粘度を決める上で統計学的に有意の因子であることを示した。ただしBAPO含量は弱い因子であることが判明した。PPF分子量の増加及びDEF含量の減少は未硬化のDEF/PPF溶液粘度を上げるように作用する。
【0031】
光架橋中の熱放出
30分間の紫外光暴露の間に光架橋反応から出された熱流束が示差光熱量測定計を使って測定された。試料#3に対する熱流束曲線が図3に示されている。これは一般的に他の試料に対する熱流束曲線の性質を代表している。紫外光暴露はt=0.5〜30.5分の間に行われ、トータル30分間持続された。累積的熱放出は、ベースラインを5分と30分との間の平坦域に合わせて引かれた熱流束曲線下の面積として計算された。
【0032】
熱放出は41.9〜158.4J/gの範囲で変化し、最大値はDEF含量が25〜50%である調合物において見つけられた。図4A及び4Bは、光架橋反応の熱放出(A)及び最大熱放出までの時間(B)に対するPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響を示している。(試料調合物の記述に関しては、上の表1を参照されたい。)熱放出結果(A)は、DEF及びポリマーPPF中の異なる数のフマル酸エステル結合(n=1〜14;ここで、14は、2260g/MolのPPF Mに基づいた理論上の数)の全てが反応すると仮定したときに発生するであろう理論的熱放出に匹敵する。
【0033】
全因子、すなわち、PPF分子量(p=4.4×10−3)、BAPO含量(p=1.9×10−17)及びDEF含量(p=3.1×10−17)が熱放出を決定する上で重要であると判明した。BAPO含量(p=6.2×10−3)及びDEF含量(p=1.6×10−3)は最大熱放出までの時間を決める上で重要であることが判明し、PPF分子量(p=5.1×10−1)は重要でない因子であることが判明した。要因計画の結果は、PPF分子量、BAPO含量及びDEF含量は全て光架橋反応の間の熱放出に統計学的に有意の影響を及ぼすことを示した。最大の熱放出は紫外光暴露の開始後28〜53秒の間に起こる(図4B)。結果の統計解析はBAPO含量及びDEF含量が最大熱放出までの時間に統計学的に有意の影響を及ぼしたことを示している。
【0034】
光架橋反応温度
光架橋反応中及び反応後のDEF/PPF試料の内部温度は、ワイヤ熱電対を使ってモニターされた。結果(図5)は、DEFを含む調合物に関しては局所的最大温度が早い実験時間に現われるが、PPFだけを含む調合物においてはそうでないことを示している。図5は、試料#9、10、11及び12(全てが2260グラム/MolのPPF M及びBAPO2.5mg/(PPF+DEF)gを含む)に対する温度プロフィールのプロットである。DEFを含む全ての調合物が開始約500秒で局所的最高温度を示すことが判明した。この温度が最高反応温度として認識された。最高反応温度に至る時間は紫外光の点灯(t=100秒)から最高反応温度が記録された時間までの時間と定義された。この最初の局所的ピークは発熱性光架橋反応を反映しているようである。全ての試料において見られた1900秒における第2の局所的ピークは、試料温度の低下が1900秒での紫外光暴露の停止後すぐに起こるので、紫外光の加温効果によるものである(図5)。この研究の興味は光架橋反応にあって、UV光の加熱効果にはないので、PPFだけを含む試料は更なる分析においては考慮されなかった。
【0035】
結果は、DEFを50%含む調合物が一般に最も高い最高反応温度を呈することを示している。図6A及び6Bは、それぞれ、最高反応温度及び最高反応温度に至る時間におよぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響をプロットしたものである。(この場合も、試料調合物の記述に関しては上の表1を参照されたい。)
【0036】
DEF含量(p=7.7×10−10)が最高反応温度を決定する重要な因子であると判明した。PPF分子量(p=2.2×10−1)及びBAPO含量(p=3.4×10−1)は重要でない因子であることが分かった。全ての因子、すなわち、PPF分子量(p=6.6×10−3)、BAPO含量(p=1.9×10−7)及びDEF含量(p=4.1×10−3)が、最高反応温度に至る時間を決定する上で重要であると判明した。要因計画の分析は、さらに、DEF含量が最高反応温度を決定する重要な因子であることを示唆している。最高反応温度を達成するのに要する時間の大きさは、これらの実験においても記録された(図6B)。最高反応温度までの時間は、352〜768秒の範囲にあり、PPF分子量、開始剤BAPO含量及びDEF含量によって決定されることが判明した。
【0037】
ゾルフラクション
結果は、光架橋DEF/PPF調合物全ての重要なフラクションが塩化メチレン有機溶媒に可溶であることを示している。このことは、これらのフラクションが架橋ポリマー網状体本体に貢献していないことを意味する。図7は光架橋試料のゾルフラクションにおよぼすPPF分子量、BAPO含量及びのDEF含量の影響のプロットであり、全調合物に対するゾルフラクションはDEF添加とともに最初減少するが、その後、DEF含量が25%を越えたときに増加することを示している。
【0038】
全ての因子、すなわち、PPF分子量(p=1.8×10−15)、BAPO含量(p=2.6×10−28)及びDEF含量(p=6.2×10−41)は、試料ゾルフラクションを決定する上で重要であることが判明した。30%未満の最も小さいゾルフラクションは、高い開始剤含量、高いPPF分子量及び中程度の(25〜50%)DEF含量を含む調合物内で発見された。3個の実験的因子、すなわち、PPF分子量、BAPO含量及びDEF含量のすべてがゾルフラクションを決定する際に重要であると判明した。
【0039】
圧縮機械的性質
種々のDEF/PPF試料の機械的性質は、圧縮機械試験によって評価された。図8A及び8Bは、それぞれ、表1に示された調合物による光架橋試料の弾性率及び破壊強度におよぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響のプロットである。全因子、すなわち、PPF分子量(p=1.8×10−3)、BAPO含量(p=1.0×10−29)及びDEF含量(p=2.4×10−42)が弾性率を決定する上で重要であることが分かった。同様に、PPF分子量(p=1.3×10−23)、BAPO含量(p=7.9×10−14)及びDEF含量(p=1.4×10−28)は、破壊強度を決定する上で重要であると分かった。一般的に、弾性率及び破壊強度はいずれもDEFを25%含む調合物で最大になることが分かった。
【0040】
考察
組織工学用途のための分解可能な合成生体材料の開発は非常に望ましい。光架橋PPFは興味深い。なぜなら、立体リトグラフィなどの技術を用いることによって、正確に規定された外寸ならびに内部の多孔性構造をもつ組織工学的足場材の事前形成(prefabrication)を可能にするからである。また、光架橋PPFは、注入中又は注入後のいずれかで硬化する注入用用途に適してい。これらのオプションを完全に調査するために、低粘度形態の光架橋PPFが要望され、それが、DEF/PPF生体材料及び関連した生体材料の開発をもたらした。本研究は、これらの新規なDEF/PPF生体材料の架橋特性及び機械的特性の特徴を明らかにした。
【0041】
PPFへのDEFの添加は、粘度の減少をもたらし、DEFの量を増していくと、3桁のオーダー大きさで粘度が低下した。溶液粘度は、骨代替物又は骨組織加工構造物として提案された他の注入用材料において検討され、その際粘度は、たとえば、リン酸カルシウムフィラーの添加によって調節された[13]。また、本明細書に記載されたシステムと同様に、臨床的に使用されたポリメチルメタクリレートの骨セメントは、注入用のポリマー/モノマー架橋システムを利用していることは興味深いことである[14]。PPF/DEF材の有利な特徴は、DEFの添加で粘度を低下させることができる(図2)一方、DEF含量を25〜50%以下にしておく限り、架橋材の機械強度が上がること(図8A及び8B)である。したがって、PPFへの少量のDEFの添加は、向上した取扱い特性及び向上した機械強度を有する材料を可能にする。
【0042】
本研究の第二の目標は、反応中の熱発生及び架橋試料のゾルフラクションを調べることによって、DEF/PPF光架橋反応の範囲を特性づけることであった。結果(図4A)は、調合物に関係なく、光架橋反応の間に発生する全熱量は低く、160J/g以下であったことを示している。図4Aは、これらの結果とフマル酸ジエチルの重合反応の既知熱量(65kJ/g)と比較している[19]。結果は、PPF中にある反応したフマル酸エステルユニットの数が少ない(フマル酸エステルユニット、<5)と仮定される場合、低DEF含量/高PPF含量において、大部分のDEFが光架橋反応に含まれていることを示す。これは、ポリマーPPFの運動を制限する分散限度ならびにポリマーへの付加を阻害する立体障害を考慮すると、理にかなった想定と思われる。しかし、はるかに高いDEF含量では、図4Aは、PPF及びDEFの両方のかなりの部分が光架橋反応に含まれないことを示唆している。これは、DEF含量が25%を越えて増加するときには、ゾルフラクションが増加することを示すゾルフラクション研究の結果によって支持されるものである(図7)。
【0043】
低い熱発生は、光架橋の間及び光架橋の後での低温において実現される。特に、結果は、光架橋反応を通して、47℃以上の温度に達するDEF/PPF調合物は存在しないことを示している。これらの結果は、現場硬化用途に対して励みになる[15、16]。その理由は、現場硬化用途では、53℃という低温でも起こると考えられる有害骨組織反応(adverse bone tissue responses)を最小限にするために、低温が必要とされているからである。最高熱放出及び最高温度が得られる時間は短時間であったが、そのような短時間は、本材料が、約5〜10分で硬化するポリメタクリル酸メチル骨セメントと同様に、臨床的に都合の良い速度で硬化することを示唆している[14]。移植可能なデバイスを事前に形成するための多くの方法、たとえば、立体リトグラフィも、迅速かつ低熱発生で架橋するシステムから恩恵を受けるであろう[17]。最後に、本システムは光によって開始され、本研究に使用した光源は非常に低い強度(2mW/cm)であったので、より強い光源を使用することによってさらに速い硬化速度が得られるであろう。ただし、速い速度はより高いレベルの熱発生を伴うであろう。
【0044】
架橋DEF/PPF生体材料の機械的性質も検討された。結果は、最も高い弾性率及び破壊強度を生むためには、約25%の最適DEF含量が好ましいことを示す。DEF含量の影響に加えて、PPF分子量及びBAPO含量の両方が最終的な機械的性質に影響を及ぼし、いずれかの増加はより強い材料を生じる。骨梁は約5MPaの圧縮破壊強度及び50〜100MPaの圧縮弾性率を有すると報告された[18]ので、光架橋DEF/PPF材の性質は骨欠損における使用に十分に適している。ただし、材料が組織成長のために必要な多孔性の足場材に形成されると、その機械強度が下がること[7]に留意する必要がある[7]。
【0045】
DEF/PPF光架橋の特徴付けも、ポリマーの架橋がポリマーの架橋可能な前駆体の添加によってどのように影響を受けるかに関連する。形成されてきた概念は、前駆体含量に基づいて2個の方式(regimes)が存在するということである。すなわち、ポリマー架橋が促進される低前駆体含量の方式及びポリマー架橋が阻害される高前駆体含量の方式である。理論によって縛られることを望まないが、発明者は、図9の図がPPFポリマーへの前駆体DEFの添加が形成された架橋ポリマー網状体の構造にどのように影響するかということの概略説明図であると主張している。左側では、線で示されているような隣接するポリマーPPF鎖が、黒丸で示されているようなPPFのフマル酸エステルユニット間の共有結合によって架橋されている。中央では、ポリマーPPF鎖はそれらのフマル酸エステルユニット間の共有結合と、繋がった太い線で示されるような前駆体DEFによって形成されたブリッジとによって架橋されている。右側では、ポリマーPPF鎖が、そのフマル酸エステルユニットの間にある共有結合と前駆体DEFのブリッジとによってゆるく結ばれている。前駆体DEFは、低いDEF濃度ではPPF鎖の間の架橋を促進するが、高いDEF濃度では架橋反応を阻害する。
【0046】
PPFは、隣接したPPF鎖にある開いた炭素−炭素二重結合の間に共有結合を形成することによって、前駆体DEFなどの機能的架橋可能モノマーの存在なしに、光架橋し得る。DEFがPPFに添加されると、架橋が促進される。これは、重合したDEF単位が、前駆体DEFの存在なしでは反応しなかったかも知れないPPF鎖を含む隣接するPPF鎖を橋渡しするためである。したがって、少量の前駆体DEFを含むこれらの調合物の光架橋は、より多くのフマル酸エステル炭素−炭素二重結合の反応を含むに違いない。上に示した結果はこの概念を立証する。DEF含量が25%の溶液はすべてDEFを含まない溶液より大きな熱量を放出する。これは、より多くの炭素−炭素二重結合がこの光架橋反応に関与していることを意味する。このことは、これらの調合物の減少したゾルフラクション(図7)、増大した弾性率(図8A)及び増大した破壊強度(図8B)において実現されている。
【0047】
しかしながら、増加する量の前駆体DEFがDEF/PPF溶液に添加されると、溶解に対する対抗力がシステムを支配し始める。ここでは、前駆体DEFの中に溶解されたポリマーPPF鎖は今までより遠い距離まで引き離される。比較的低いDEF濃度では、重合したDEFユニットがPPF鎖の間のこれらのギャップを埋めることができるけれども、より高い濃度では、これはますます困難になる。したがって、光架橋反応に関与するフマル酸エステルユニットが少なくなる。ここでも、先に記述された結果がこの概念を支持する。すなわち、50〜75%のDEF濃度では、光架橋における熱放出が減少し(図4A)、架橋した試料のゾルフラクションは劇的に増加し(図7)、そして、硬化した試料の機械的性質は低下する(図8A及び8B)。最後に、この概念は、ポリマーPPFなしの場合、DEF単独では、この研究で記述した状態の下で、光架橋して固体になることはできないという事実によって立証される。
【0048】
多孔性の足場材
ここに開示した新規な生体材料は、移植可能なデバイスが必要とされるあらゆる用途において使用することができる。そのような一つの用途は、骨足場材の使用である。特に、本技術分野で知られているような細孔形成剤(porogen)の存在下で本明細書に開示した組成物を重合させることによって、多孔性の足場材が形成され得る。一旦、網状体が形成されると、細孔形成剤は、たとえば、溶脱(leaching)によって、所定の孔を残して除去される。
【0049】
結論
ここに開示された新規な生体材料は、ポリ(フマル酸プロピレン)ポリマー及びその前駆体フマル酸エステルに基づいている。好ましい一実施形態は、PPFの反復単位の中に含まれる架橋可能なユニットであるフマル酸ジエチルである。PPFはフマル酸アルキルを含む他のフマル酸エステル誘導体に可溶である。ここに開示された原理は、PPFが可溶なフマル酸エステル誘導体とPPFとのあらゆる組み合わせに適用することができると考えられる。
【0050】
発明者は、特に、人工骨移植片としての使用のために、これらの材料の光架橋特性及び材料性状を検討し、これらの新しい材料が低い粘度を有し、低レベルの熱放出で架橋し、さらに、ヒト骨梁に類似した機械的性質を所有することを示した。結果は、このポリマー/ポリマー前駆体システムにおいては、架橋は低い前駆体濃度では促進されるが、より高い前駆体濃度では阻害されることを示している。したがって、ここに開示した新規なPPF材料は骨組織工学用途のための魅力的な選択肢である。
【0051】
参考文献
Figure 2004536909
【0052】
参考文献
Figure 2004536909

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】ポリ(フマル酸プロピレン)とフマル酸ジエチルとの間で起こる重付加反応を表す概略図である。
【図2】未硬化溶液の粘度に及ぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響を示すプロットである。
【図3】1260グラム/MolのPPF M、BAPO2.5mg/(PPF+DEF)g及び75%DEFからなる調合物を用いたDEF/PPFの光架橋反応からの熱流束のプロットである。
【図4A】光架橋反応熱放出に及ぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響を示すプロットである。
【図4B】光架橋反応熱放出を最大にする時間に及ぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響を示すプロットである。
【図5】種々のDEF含量(全てが2260g/MolのPPF M及びのBAPO2.5mg/(PPF+DEF)gを含む)を有する4種のDEF/PPF調合物に対する温度プロフィールのプロットである。
【図6A】最大反応温度に及ぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響のプロットである。
【図6B】最大反応温度への時間に及ぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響のプロットである。
【図7】光架橋されたサンプルのゾルフラクションに及ぼすPPF分子量、BAPO含量及びのDEF含量の影響のプロットである。
【図8A】光架橋された試料の破壊点での弾性率に及ぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響のプロットである。
【図8B】光架橋された試料の破壊点での強度に及ぼすPPF分子量、BAPO含量及びDEF含量の影響のプロットである。
【図9】前駆体DEFのポリマーPPFへの添加の概略図である。

Claims (25)

  1. フマル酸エステル誘導体で架橋されたポリ(フマル酸プロピレン)を有するポリマー網状体。
  2. 前記フマル酸エステル誘導体がフマル酸アルキルである請求項1に記載のポリマー網状体。
  3. 前記フマル酸エステル誘導体がフマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸ジイソプロピル及びフマル酸ジブチルからなる群から選択される請求項1に記載のポリマー網状体。
  4. 前記フマル酸エステル誘導体がフマル酸ジエチルである請求項1に記載のポリマー網状体。
  5. 前記フマル酸エステル誘導体が、それに対して前記PPFが可溶なフマル酸エステル誘導体である請求項1に記載のポリマー網状体。
  6. 網状体がフマル酸ジエチル及びポリ(フマル酸プロピレン)を含む混合物を架橋することによって形成される請求項1に記載のポリマー網状体。
  7. 網状体がフマル酸ジエチル及びポリ(フマル酸プロピレン)を含む混合物から光架橋される請求項6に記載のポリマー網状体。
  8. 網状体がおよそ0〜75重量%の間のフマル酸ジエチルを含む混合物から架橋される請求項6に記載のポリマー網状体。
  9. 網状体がおよそ10〜50重量%の間のフマル酸ジエチルを含む混合物から架橋される請求項6に記載のポリマー網状体。
  10. 180〜210MPaの間の弾性率を有する請求項6に記載のポリマー網状体。
  11. 58〜78MPaの間の破壊強度を有する請求項6に記載のポリマー網状体。
  12. 前記ポリ(フマル酸プロピレン)及び前記フマル酸エステル誘導体が、それぞれ、前記複合調合物が架橋されるときに、インビボの用途に有用なポリマー網状体を形成するのに有効な量で存在する請求項1に記載のポリマー網状体。
  13. 前記網状体が多孔性である請求項1に記載のポリマー網状体。
  14. 注入可能で、現場で架橋可能な複合調合物から形成されたポリ(フマル酸プロピレン)及びフマル酸エステル誘導体を有するポリマー網状体であって、
    前記複合調合物が前記フマル酸エステル誘導体に溶解されたポリ(フマル酸プロピレン)を有するポリマー網状体。
  15. 前記フマル酸エステル誘導体がフマル酸アルキルである請求項14に記載のポリマー網状体。
  16. 前記フマル酸エステル誘導体がフマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチルからなる群から選択される請求項14に記載のポリマー網状体。
  17. 前記フマル酸エステル誘導体がフマル酸ジエチルである請求項14に記載のポリマー網状体。
  18. 前記フマル酸エステル誘導体が、それに対して前記PPFが可溶であるフマル酸エステル誘導体である請求項14に記載のポリマー網状体。
  19. 事前形成技術を用いて架橋可能な複合調合物から形成されたポリ(フマル酸プロピレン)及びフマル酸誘導体を有するポリマー網状体であって、
    前記複合調合物が前記フマル酸誘導体に溶解されたポリ(フマル酸プロピレン)を有し、前記事前形成技術が立体リトグラフィ、急速プロトタイプ法、射出成形及び押出し成形の技術から選択されるポリマー網状体。
  20. ポリ(フマル酸プロピレン)及びフマル酸ジエチルを有する注入可能で、現場で架橋可能で、重合可能で、生分解可能な複合調合物であって、
    前記ポリ(フマル酸プロピレン)及び前記フマル酸ジエチルが、それぞれ、前記複合調合物が架橋されるときに、インビボの用途に有用なポリマーの網状構造体を形成するのに効果的な量で存在する複合調合物。
  21. 前記フマル酸エステル誘導体が、それに対して前記PPFが可溶であるフマル酸エステル誘導体である請求項20に記載の複合調合物。
  22. ポリ(フマル酸プロピレン)及びフマル酸ジエチルが光架橋性である請求項20に記載の複合調合物。
  23. ポリマー網状体を形成するプロセスであって、
    ポリ(フマル酸プロピレン)及びフマル酸エステル誘導体を有する注入可能で、現場で架橋可能で、重合可能で、生分解可能な複合調合物を準備する段階と、
    ポリ(フマル酸プロピレン)及びフマル酸エステル誘導体を架橋する段階と、
    を有し、前記ポリ(フマル酸プロピレン)及び前記フマル酸エステル誘導体が、それぞれ、前記複合調合物が架橋されるときに、インビボの用途に有用なポリマー網状構造体を形成するのに効果的な量で存在するプロセス。
  24. 架橋が複合調合物を紫外光に暴露することによって達成される請求項23に記載のプロセス。
  25. 前記フマル酸エステル誘導体が、それに対して前記PPFが可溶であるフマル酸エステル誘導体である請求項23に記載のポリマー網状体。
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