JP2004536758A - 光ファイバのカップリング剤 - Google Patents

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Abstract

本発明のカップリング剤を含む光ファイバ被膜の組成物と、本発明のカップリング剤を使用する光ファイバの製造方法について開示する。該カップリング剤は、シリコン(Si)を有する化合物が含まれていない。該カップリング剤は、有機化合物と結合することができる。該カップリング剤の好ましい硬化物は、少なくとも略50MPaのヤング率を有する光ファイバ被膜である。該カップリング剤は、ガラスファイバの外側表面から略5μm以上離れた光ファイバ層に含まれることが好ましい。開示された方法において、該カップリング剤を含む組成物は、光ファイバの表面に直接配されない。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバに関し、特に光ファイバに設けられる被膜材に関する。
【0002】
【技術背景】
光ファイバは、通信分野においてますます重要な役割を得るようになり、既設の銅線との置換が頻繁に行われている。かかる傾向は、ローカルエリアネットワーク(すなわち、ファイバを家庭にまで敷設している使用者(fiber−to−home))に対しての重大な影響を与え、光ファイバの利用方法が大きく広がっている。
【0003】
ローカルファイバ回路網が住宅用ユーザ及び商用ユーザーに、データ、音声及びビデオ信号の形で、これまでよりもより大量の情報を運ぶために設置されているように、自局ループ電話およびケーブルテレビサービスにおいて、光ファイバの使用が更に増加することが予想される。加えて、内部データ、音声及びビデオ通信のための家庭内及び商用業務における光ファイバの使用が、開始され、且つ増加するものと思われる。
【0004】
光ファイバは、ガラスコアと、ガラスクラッドと、少なくとも2つの被膜(例えば、一次(または内側)被膜と二次(または外側)被膜)と、を含む。一次被膜は、ガラスファイバに直に設けられ、硬化された後にガラスファイバをカプセル化する柔軟性と弾力性と可撓性とを有する材料を形成する。ファイバが曲げられるか、ケーブル化されるか、又は巻かれる際に、一次被膜は、ガラスファイバのコアを保護し且つ衝撃を吸収する緩衝材として役立つ。二次被膜は、一次被膜を覆って設けられ、且つ製造中及び使用中にガラスファイバが損傷することを防止するように強化されて保護された外層として機能する。光ファイバは、異なる種類の光ファイバ(光ファイバリボン又はケーブルを含む)の識別を補助するための最外層としてインク層を含むことができる。
【0005】
従来、インク層は、外側被膜層に対して接着性が弱かった。かかるインク層は、しばしば、隣接する被覆層から剥離している。インク層と最外被膜層との間の接着性を改善し、さらにインク層全体に均一に分散するインク顔料を維持する必要性がある。
【0006】
【発明の概要】
本発明のある実施例は、光ファイバの被膜である。該被膜は、シリコン(Si)を有する化合物を含まないカップリング剤を含む紫外線(UV)硬化化合物である。硬化した化合物は、少なくとも略50MPaのヤング率を有する。
他の実施例において、本発明は、光ファイバの被膜に関する。該被膜は、Siを有する化合物を含まないカップリング剤を含む紫外線(UV)硬化被膜である。被膜は、ガラスファイバの外側表面から略5μm以上離れている位置に配置されている。
【0007】
他の実施例において、本発明は、光ファイバの被膜に関する。該被膜は、Siを有する化合物を含まないカップリング剤からなる紫外線(UV)硬化被膜材である。硬化した被膜材は、略85%の相対湿度で85℃の環境で少なくとも略14日間曝された後の被膜材に比べて略10%より小なる引っ張り強さの変化を有する。好ましい被膜材は、略85%の相対湿度で85℃の環境で少なくとも略14日間曝された後の硬化被膜材に比べて略10%より小なるヤング率の変化率を有する。被膜は、略85%の相対湿度で85℃の環境で少なくとも略14日間曝された後の被膜に比べて略15%より小なるセカントモジュール(Secant modulus)の変化率を有することが、更に好ましい。
【0008】
インクに上述のカップリング剤を使用することが、少なくともインクが反応性を有するという理由によって、二次被膜に対してより良い接着性を有するというインクの利点になる。本発明のカップリング剤を含むインクは、本発明のカップリング剤を含まないインクに比べて小なる沈降率を有するという利点を呈する。
本発明のカップリング剤を含む光ファイバの被膜は、物理的特性が高められた利点を示す。本発明のカップリング剤を含む光ファイバ被膜は、湿った環境にされられた後の被膜に比べて、引張り強さ、ヤング率、セカントモジュールにおける変化率が小であるという利点を示す。
【0009】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の詳細な説明において記載されており、1部は、当該記載から若しくは詳細な説明、特許請求の範囲及び添付図面を含む当該欄に記載された発明を実施することによって、当業者に容易に理解され得る。
上述の概略的な記載及び以下の詳細な説明の双方が、本発明の単なる実施例であり、且つ特許を請求する発明の本質及び特徴が理解出来るように概観及び枠組を提供するように企図したものであることが理解できる。添付図面は、本発明の更なる理解を提供するように含まれており、また本明細書に組み込まれ且つ1部を構成している。図面は、本発明の様々な実施例を示しており、且つ詳細な説明と共に本発明の原理及び動作を説明している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例が詳細に示されており、当該実施例が、添付図面中に図示されている。可能な限り、同一の符号が、同一若しくは類似部分を示すように、図面を通して使用されている。本発明の光ファイバ被膜の実施例が、図1に示されており、符号10によって概略的に全体が、示されている。
【0011】
本発明は、図1に示す如き光ファイバの被膜組成物に関する。本発明の組成物は、シリコン(Si)を含有する化合物が含まれていないカップリング剤からなる紫外線硬化性組成物である。カップリング剤は、異なる化学的構造を有する2つの化合物を結びつける(すなわち化学的に付着若しくは結合する)ように使用される被膜用添加剤、または付加重合ではなく共重合を実施することができる被膜用添加剤であることが好ましい。より好ましくは、インク層に関する物であり、カップリング剤は、オリゴマ及びモノマーのアクリレート基に反応することができる官能基を有することによって、顔料にインクの樹脂マトリックス(オリゴマ及びモノマー)を結合させるように使用されている。カップリング剤が二次被膜(すなわち粒子状の充填材を含まない被膜)の材料として使用される場合、オリゴマ及びモノマーのアクリレート基に共重合する官能基が存在することによって被膜のネットワークの部分を形成するように、カップリング剤が反応することが更に好ましい。カップリング剤がモノマー若しくはオリゴマではないことが、更に好ましい。硬化した組成物は、少なくとも略50MPa(少なくとも100MPaを有することが好ましく、少なくとも500MPaを有することが好ましく、少なくとも1000MPaを有することが最も好ましい)のヤング率を有する。
【0012】
カップリング剤は、チタン酸塩を含む化合物、ジルコン酸塩を含む化合物、及びこれらの混合物からなる化合物群から選択された少なくとも1つの化合物を含むことが好ましい。チタン酸塩を含む化合物からなるカップリング剤の場合、該カップリング剤は、少なくとも1つのエチレン不飽和チタン酸塩(ethyleneically unsaturated titanate)を含む化合物からなり、より好ましくは少なくとも1つのネオアルコキシチタン酸塩(neoalkoxy titanate)を含む化合物である。チタン酸塩を含む化合物は、次に示す化合物群のうちの少なくとも1つからなることが最も好ましい。すなわち、該化合物群は、チタン酸テトラ(2,2−ジアルコキシメチル)ブチル−ジ(ジトリデシル)ホスファイト(tetra (2, 2 diallyoxymethyl)butyl, di(ditridecyl)phosphito titanate)(ニュージャージ州のバヨンヌ(Bayonne)にあるケンリッチ・ペトロケミカルズ社(Kenrich Petrochemcials, Inc.)(以下ケンリッチと称する)から市販されて利用可能であるKR55)、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリネオデカノイル(neopentyl(diallyl)oxy, trineodecanonyl titanate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるLICA01)、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ドデシル)ベンゼン−サルホニル(neopentyl(diallyl)oxy, tri(dodecyl)benzene−sulfony titanate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるLICA09)、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)フォスファト(neopentyl(diallyl)oxy, tri(dioctyl)phosphato titanate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるLICA12)、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)パイロ−フォスファト(neopentyl(dially)oxy, tri(dioctyl)pyro−phosphato titanate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるのLICA38)、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(N−エチレンジアミノ)エチル(neopentyl(diallyl)oxy, tri(N−ethylenediamino)ethyl titanate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるLICA44)、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(m−アミノ)フェニル(neopentyl(diallyl)oxy, tri(m−amino)phenyl titanate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるLICA97)、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリヒドロキシキャプロイル(neopentyl(diallyl)oxy, trihydroxy caproyl titanate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるLICA99)、及び上記化合物の混合物、からなる。
【0013】
チタン酸塩を含む化合物は、少なくとも1つのUV硬化性官能基を含むことが好ましい。該官能基は、(メタ)アクリレート又はアクリレート官能基である。
ジルコン酸塩を含む化合物からなるカップリング剤の場合、該カップリング剤は、少なくとも1つのエチレン不飽和ジルコン酸塩(ethyleneically unsaturated zirconate)を含む化合物からなり、より好ましくは少なくとも1つのネオアルコキシジルコン酸塩(neoalkoxy zirconate)を含む化合物である。チタン酸塩を含む化合物は、次に示す化合物群のうちの少なくとも1つからなることが最も好ましい。すなわち、該化合物群は、ジルコン酸テトラ(2,2−ジアルコキシメチル)ブチル−ジ(ジトリデシル)ホスファイト(tetra (2,2 diallyloxymethyl)butyl, di(ditridecyl)phosphito zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるKZ55)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリネオデカノイル(neopentyl(diallyl)oxy, trineodecanoyl zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ01)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ドデシル)ベンゼン−サルフォニ(neopentyl(diallyl)oxy, tri(dodecyl)benzene−sulfony zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるLICA09)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)フォスファト(neopentyl(diallyl)oxy, tri(dioctyl)phosphato zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ12)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)パイロ−フォスファト(neopentyl(diallyl)oxy, tri(dioctyl)pyro−phosphato zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ38)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(N−エチレンジアミノ)エチル(neopentyl(diallyl)oxy, tri(N−ethylenediamino)ethyl zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ44)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(m−アミノ)フェニル(neopentyl(diallyl)oxy, tri(m−amino)phenyl zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ97)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリメタクリル(neopentyl(diallyl)oxy, trimethacryl zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ33)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリアクリル(neopentyl(diallyl)oxy, triacryl zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ39)、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−ジパラミノベンゾイル(dineopentyl(diallyl)oxy, diparamino benzoyl zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ37)、ジルコン酸ジネオペンチル(ジアリル)オキシ−ジ(3−メルカプト)プロピオニック(dineopentyl(diallyl)oxy, di(3−mercapto) propionic zirconate)(ケンリッチ社から市販されて利用可能であるNZ66A)、及び上記化合物の混合物を含む化合物を含む。
【0014】
ジルコン酸塩を含む化合物は、少なくとも1つのUV硬化性官能基を含むことが好ましい。該官能基は、(メタ)アクリレート又はアクリレート官能基であることが、より好ましい。
UV硬化性組成物中のカップリング剤の好ましい濃度は、少なくとも略0.05重量パーセントよりも大であり略0.3重量パーセントを越えない範囲である。かかる濃度は、少なくとも略0.1重量パーセントから略0.2重量パーセントであることが、より好ましい。
【0015】
本発明は、本発明の一次被膜組成物によって処理された光ファイバに関する。図1を参照すると、光ファイバ10は、ガラスコア12と、ガラスコア12を囲繞し且つ隣接しているクラッディング層14と、クラッディング層14に付着する一次被膜16と、一次被膜16を囲繞し且つ隣接している少なくとも1層の二次(若しくは外側)被膜18と、二次被膜18に付着しているインク20と、を含んでいる。
【0016】
公知の材料が、ガラスコアを12を形成するように使用することができる。例えば、バーキー氏(Berkey)による米国特許第4,486,212号に記載されており、その全てが本明細書に組み込まれたものとする。コアは、一般的に円柱状の断面形状を有する石英ガラスからなり、単一モードファイバの場合には略5から略10μmの範囲の直径を有し、多モードファイバの場合には略20から略100μmの直径を有する。コアは、該コアの屈折率を変更する様々な量の他の物質を任意に含み得る。該物質は、例えば、ホウ素、フッ素、ゲルマニウム、タリウム及びチタンの酸化物である。公知の他のドーパントが、コアの特性を変更するようにガラスコアに添加され得る。
【0017】
クラッディング層14は、コアの屈折率よりも小なる屈折率を有することが好ましい。様々なクラッディング材料(プラスチックとガラス(例えばケイ酸塩とホウケイ酸ガラス)の両方)が、従来のガラスファイバの構造に使用されている。一般的な公知のクラッディング材料は、本発明の光ファイバにおいてクラッディング層14を形成するように使用され得る。好ましい実施例の1つとして、クラッディング層14の外径は、単一モードファイバ及び多モードファイバに対して略125μmである。
【0018】
好適な一次被膜16は、UV硬化性アクリル樹脂である。本発明の1つの実施例として、一次被膜16は、略190μmの外径を有する。該被膜は、熱可塑性樹脂ではないことが好ましい。熱可塑性樹脂とは、少なくとも樹脂が、化学的に架橋されていなく、且つ融点を有する、ということを意味している。一方、UV硬化性被膜は、化学的に架橋されており、該被膜は融点を有さない。その代わりに、該被膜は、ガラス転移温度を有する。一次被膜は、重合され得る少なくとも1つのオリゴマと、粘性を制御するのに適している少なくとも1つのモノマーと、光開始剤と、付着助触媒等の他の添加剤と、を含む。一次被膜16は、略5MPa又はそれより小なるヤング率を有することが好ましい。
【0019】
本発明の一次被膜材の好ましい成分は、オリゴマである。オリゴマはエチレン不飽和オリゴマ(ethylenically unsaturated oligomer)であることが好ましく、(メタ)アクリレートオリゴマであることが、より好ましい。ここで、(メタ)アクリルレートとは、アクリレート若しくはメタクリレートを意味している。かかるオリゴマ中の(メタ)アクリレート末端基は、単水酸基性−ポリ(メタ)アクリレートのキャッピング(capping)成分として、または2−ヒドロキシエチルアクリレート等のモノ(メタ)アクリレートのキャッピング成分として、周知の方法で提供され得る。オリゴマが付加重合に関与できることも、更に好ましい。
【0020】
ウレタンオリゴマは、脂肪族若しくは芳香族ジイソシアネートに2つの水酸基を有するポリエーテルまたはポリエステル(最も代表的なものとして、例えばポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール)を反応させることによって、提供されている。かかるオリゴマは、一般的に4から10個のウレタン基を有しており、高い分子量(例えば2000−8000)を有し得る。しかし、500−2000の範囲の分子量を有する、低い分子量のオリゴマも、使用され得る。コーディ氏(Coady)らによる米国特許第4,608,409号及びビショップ氏(Bishop)らによる米国特許第4,609,718号において、かかるオリゴマの合成が詳細に記載されており、その全てが本明細書に組み込まれたものとする。
【0021】
耐湿性を有するオリゴマが使用されることが望まれている場合、大部分が飽和して大部分が無極性となっている脂肪族ジオールを選択して、極性のポリエーテルまたはポリエステルグリコールが避けられる点を除いて、オリゴマが類似の方法で合成され得る。たとえば、当該ジオールは、2〜250の炭素原子を有するアルカン若しくはアルキレンジオールを含み、且つエーテル基若しくはエステル基がほとんど含まれていないことが好ましい。オリゴマの粘性及び当該系において獲得できる分子量の範囲は、不飽和の極性オリゴマ系において獲得できる分子量と同様である。すなわち、粘性および被覆特性がほとんど変化しないようにすることができる。上記被膜材の還元された酸素分が、被覆されているガラスファイバの表層に対して、被膜の接着特性を許容できない程度に低下させないことが判った。
【0022】
ポリウレア成分は、上記方法によって(すなわち単に合成過程においてジアミンまたはポリアミンをジオールまたはポリオールと置換することによって)準備されたオリゴマー中に組み込まれ得る。かかる被膜系において小なる割合のポリウレア成分が存在することが、被膜特性に悪影響を与えるとは考えられず、合成に使用されたジアミン又はポリアミンが、当該系の耐湿性を妥協することを避けるように十分に非極性化されかつ飽和されることのみを提供する。
【0023】
上記の如く、本発明の一次被膜の組成物は、少なくとも1つのエチレン不飽和オリゴマを含むことが望ましい。ただし、1より大なるオリゴマ成分が該組成物に導入され得る。オリゴマは、総量が略10から略90重量パーセントの間にあることが望ましく、略35から略75重量パーセントの間にあることがより好ましく、略40から65重量パーセントの間にあることが最も好ましい。
【0024】
一次被膜として適切なエチレン不飽和オリゴマは、ポリエーテル・ウレタン・アクリレート・オリゴマ(polyether urethane acrylate oligomers)(例えば、ペンシルヴェニア州のウェスト・チェスター(West Chester)にあるサートマー社(Sartomer Company, Inc.)から入手できるCN986及びコネティカット州のウインステッド(Winstead)にあるボマー・スペシャリティ社(Bomar Specialty Co.)から入手できるSTC3−149及びB3731)、トリス(ヒドロキエチル)イソシアヌレート(tris(hydroxyethyl)isocyanurate)(サートマー社から入手できる)をベースとしたアクリレートオリゴマ(acrylate oligomers)、(メタ)アクリレート化したアクリル性オリゴマ(acrylic oligomers)(ペンシルヴェニア州のアンブラー(Ambler)にあるコーニス社(Cognis)から入手できる)、ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマ(polyester urethane acrylate oligomers)(例えば、サートマー社から入手できるCN966及びCN973、若しくはボマー・スペシャリティ社から入手できるBR7432)、ポリ尿素ウレタンアクリレートオリゴマ(polyurea urethane acrylate oligomers)(例えば、ツィンマーマン氏(Zimmerman)らによる米国特許第4,690,502号並びに米国特許第4,798,852号、ビショップ氏(Bishop)による米国特許第4,609,718号、及びビショップ氏らによる米国特許第4,629,287号において、かかるオリゴマが開示されており、その全てが本明細書に組み込まれたものとする)、ポリエーテルアクリレートオリゴマ(polyether acrylate oligomers)(例えば、スイス国のチューリッヒにあるラーン社(Rahn AG)から入手できるGenomer 3456)、ポリエステルアクリレートオリゴマ(polyester acrylate oligomers)(例えば、ジョージア州のアトランタにあるユーシービー・ラッドキュア社(UCB Radcure)から入手できるEbecryl 80、584及び657)、ポリ尿素アクリレートオリゴマ(polyurea acrylate oligomers)(例えば、ツィンマーマン氏らによる米国特許第4,690,502号並びに米国特許第4,798,852号、ビショップ氏による米国特許第4,609,718号、及びビショップ氏らによる米国特許第4,629,287号において、かかるオリゴマが開示されており、その全てが本明細書に組み込まれたものとする)、エポキシアクリレートオリゴマ(epoxy acrylate oligomers)(例えば、サートマー社から入手できるCN120及びユーシービー・ラッドキュア社から入手できるEbecryl 3201および3604)、水素化したポリブタジエンオリゴマ(hydrogenated polybutadiene oligomers)(例えば、ミズーリ州のベルサイユ(Versailles)にあるエコー・レジンズ・アンド・ラボラトリ社(Echo Resins and Laboratory)から入手できるEcho Resin MBNX)、及び上記化合物の組み合わせ、を含む。
【0025】
さらに、本発明の被膜の組成物は、一般的に少なくとも1つのモノマー成分を含む。該モノマーは、エチレン不飽和モノマーであることが好ましく、(メタ)アクリレートモノマーであることがより好ましい。通常、適切なモノマーは、当該モノマーが反応して得られるホモポリマーが高くても略20℃にガラス転移温度(Tg)を有するものであり、好ましくは高くても略10℃にガラス転移温度を有するものである。通常、低い分子量(すなわち略120から略600)の液状の(メタ)アクリレート官能基を有するモノマーは、従来の液体コーティング装置によって該被膜組成物を配するために必要な流動性を有するように調合剤が添加される。上記系において一般的なアクリレート官能を有する液体は、単官能および多官能アクリレート(すなわち2つ以上のアクリレート官能基を有するモノマー)を含む。かかる多官能アクリレートの例として、2つの官能基を有する2官能アクリレート、3つの官能基を有する3官能アクリレート及び4つの官能基を有する4官能アクリレートがある。単官能および多官能メタクリレートも使用され得る。
【0026】
耐湿性成分を利用することが望まれる場合、モノマー成分は、選択された耐湿性オリゴマとの適合性を基礎として選択される。十分な被覆適合性および耐湿性のために、大部分が飽和した脂肪族のモノ−若しくはジ−アクリレートモノマー、またはアルコキシアクリレートモノマーからなる液体アクリレートモノマ成分を使用することが、望ましい。
【0027】
上記の如く、一次被膜の組成物は、少なくとも1つのエチレン不飽和モノマーを含むことが望ましい。ただし、1より大なるモノマーが、該組成物に導入され得る。エチレン不飽和モノマーは、全体の略10から略90重量パーセントの間にあることが好ましく、略20から略60重量パーセントの間にあることがより好ましく、略25から略45重量パーセントにあることが最も好ましい。
【0028】
適切なエチレン不飽和モノマーは、ラウリルアクリレート(lauryl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR335、ニュージャージー州のオールドブリッジ(Old Bridge)にあるシーピーエス・ケミカル社(CPS Chemical Co.)から入手できるAgeflex FA12、及びペンシルヴェニア州のアンブラーにあるコーニス・エフ・ケー・エー・ヘンケル社(Cognis f.k.a. Henkel)から入手できるPhotomer 4812)、エトキシ化されたノニルフェノールアクリレート(ethoxylatednonylphenol acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR504及びコーニス社から入手できるPhotomer 4003)、カプロラクトンアクリレート(caprolactone acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR495およびコネティカット州のダンベリー(Danbury)にあるユニオン・カーバイド社(Union Carbide Company)から入手できるTone M100)、フェノキシエチルアクリレート(phenoxyethyl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR339、シーピーエス・ケミカル社から入手できるAgeflex PEA、及びコーニス社から入手できるPhotomer 4035)、イソオクチルアクリレート(isooctyl acrylate)(例えばサートマー社から入手できるSR440、及びシーピーエス・ケミカル社から入手できるAgeflex FA8)、トリデシルアクリレート(tridecyl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR489)、フェノキシグリジジルアクリレート(phenoxyglycidyl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるCN131)、ラウリルグリシジルアクリレート(lauryloxyglycidyl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるCN130)、イソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)(例えばサートマー社から入手できるSR506及びシーピーエス・ケミカル社から入手できるAgeflex IBOA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(tetrahydrofurfuryl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR285)、ステアリルアクリレート(stearyl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR257)、イソデシルアクリレート(isodecyl acrylate)(例えばサートマー社から入手できるSR395及びシーピーエス・ケミカル社から入手できるAgeflex FA10)、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート(2−(2−ethoxyethoxy)ethyl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR256)、及び上記の組み合わせ、を含む。
【0029】
光ファイバ被膜の組成物は、かかる組成物がガラスファイバに配された後に、組成物の重合(すなわち、硬化)を発生させるのに適している重合開始剤を含み得る。本発明の一次被膜組成物に使用される適切な重合開始剤は、熱開始剤、化学開始剤、電子ビーム開始剤および光開始剤を含む。光開始剤が、特に好ましい。主なアクリレートをベースとした被膜調合物として、従来の光開始剤(例えば、公知のケトンを含む光開始剤及び/又はホスフィンオキシド添加剤)が、好ましい。本発明の組成物において使用される場合、光開始剤は、急速に紫外線硬化するのに十分な量が含まれる。通常、該光開始剤は、略0.5から略10.0重量パーセントの間で含まれており、略1.5から略7.5重量パーセントの間にあることがより好ましい。
【0030】
光開始剤が少量であるものの照射による硬化を促進するためには効果的な量が使用されている場合において、該光開始剤は、被膜組成物の成熟前のゲル化を発生させない適当な硬化速度を提供しなければならない。
望ましい硬化速度とは、被膜材料がほとんど硬化するのに十分な速度である。モジュラス曲線対線量において測定されるように、略25〜35μmの被膜の厚さに対する硬化速度は、例えば、1.0J/cm未満(好ましくは0.5J/cm未満)である。
【0031】
適切な光開始剤は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(1−hydroxycyclohexylphenyl ketone)((例えばニューヨーク州のホーソン(Hawthorne)にあるチバ・スペシャリティケミカル社(Ciba Specialty Chemical)から入手できるIrgacure 184)、(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド((2,6−dimethoxybenzoyl)−2,4,4−trimethylpentyl phosphine oxide)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社から入手できる市販の混合物Irgacure 1800、1850および1700)、2,2−ジメトキシル−2−フェニルアセトフェノン(2,2−dimethoxyl−2−phenyl acetophenone)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社から入手できるIrgacure 651)、ビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル) フェニル−ホスフィンオキシド(bis(2,4,6−trimethyl benzoyl)phenyl−phosphine oxide)(Irgacure 819)、(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)ジフェニルフォスフィンオキシド((2,4,6−trimethylbenzoyl)diphenyl phosphine oxide)(ドイツ国のミュンヘンにあるビーエーエスエフ社(BASF)から入手できるLucerin TPO)、エトキシ(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(ethoxy (2,4,6−trimethylbenzoyl)phenyl phosphine oxide)(ビーエーエスエフ社のLucerin TPO−L)、及び上記化合物の組み合わせ、を含む。
【0032】
被膜組成物は、付着助触媒をも含み得る。付着助触媒は、独立したアルコキシシランまたはハロゲノシランである少なくとも2つの反応性シラン誘導体の間に配置された環式構造を有する化合物を含むことが好ましい。
該環状構造は、炭化水素環式構造又は複素環式構造又はこれらの組合わせとすることができる。炭化水素環式構造又は複素環式構造は、炭化水素若しくは他の置換基を含み又は含まない単一環、縮合環又は多環構造とすることができる。適切な炭化水素環式構造は、シクロアルカン(1つの環式状構造あたり炭素数が3から10の間にあることが好ましく、炭素数が5又は6であることがより好ましい)、シクロアルケン(1つの環式状構造あたり炭素数が3から10の間にあることが好ましく、炭素数が5又は6であることがより好ましい)、シクロアキルジエン(1つの環式状構造あたり炭素数が3から10の間にあることが好ましく、炭素数が5又は6であることがより好ましい)、置換脂肪族環、芳香環、及び置換芳香環、を含むものの、これに限定されるものではない。炭化水素環式構造は、芳香環または置換芳香環であることが好ましい。典型的な炭化水素環式構造は、ベンゼン、ナフタレン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等を含むものの、これに限定されるものではない。適切な複素環式構造は、環構造内に、酸素、窒素、硫黄又は3価のリンをヘテロ原子として含む。典型的な複素環式構造は、ピリジン、ピロール、イミダゾール、インドール、ピリミジン、ピロリジン、ピペリジン、フラン、チオフェン等を含むものの、これに限定されるものではない。
【0033】
少なくとも2つの前記反応性シランは、アルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン若しくは他の適切なポリアルコキシシラン、ハロシラン、ジハロシラン、又はトリハロシランとして独立して含み得る。適切なアルコキシシラン、ポリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、及びトリアルコキシシランは、炭素数が1から6の間にあるアルコキシ基を独立して含む。好ましいハロシランは、クロロシランであり、より好ましくはトリクロロシランである。
【0034】
化合物は、少なくとも2つのアルコキシシランのうちの1つ(または複数)と環式構造との間に配置される置換基を含むこともできる。かかる適切な置換基は、直鎖アルキレン基(炭素数が1から12の間にある)、分枝アルキレン基(炭素数が1から12の間にある)、ヘテロ基(heterogroup)を有する直鎖および分枝アルキレン基、及び酸素、窒素、硫黄、亜リン酸、セレン、チタン、ジルコニウムおよびケイ素を含む(これに限定されない)ヘテロ基、を含む。
【0035】
好適な化合物は、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン(bis(trimethoxysilylethyl)benzene)及びビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼン(bis(triethoxysilylethyl)benzene)を含む。ビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼンは、ペンシルヴェニア州のテリータウンにある(Tellytown)ジレット社(Gelest)及びペンシルヴェニア州のブリストルにあるユナイテッド・ケミカル・テクノロジ社から市販されて入手できる。ビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼンは、エタノールを用いるエステル交換反応によってビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼンから合成することができる。
【0036】
付着助触媒が、100分の1単位で全体の略0.1から略10の間の量にあることが好ましく、100分の1単位で全体の略0.25から略4の間の量にあることがより好ましく、100分の1単位で全体の略0.5から略3の間の量にあることが最も好ましい。
上記に記載の如く、特定の組成物の重量パーセントは、付着助触媒及び他の添加剤を除いたバルク組成物に導入される量を示している。本発明の組成物を生産するためにバルク組成物に導入される付着助触媒及び各種の他の添加剤の量は、100分の1単位で記載されている。たとえば、オリゴマ、モノマーおよび光開始剤は、バルク組成物を形成するために混合され、かかる成分の全重量パーセントが100パーセントに等しくなっている。かかるバルク組成物に対して、例えば100分の1単位で1.0分(1.0 part per hundred)の付着助触媒が、バルク組成物の100重量パーセントを超過して導入される。
【0037】
上記の成分に加えて、本発明の一次被膜組成物は、例えば反応性希釈剤、抗酸化剤、触媒、滑沢剤、コモノマ、低分子量非架橋樹脂および安定剤等のいくつかの添加剤を任意に含むことができる。ある添加剤(例えば、たとえば、鎖転移剤(chain transfer agents))は重合プロセスを制御するように作用することができる。その結果、一次被膜組成物から形成された重合生成物の物理的性質(例えばモジュラス(modulus)、ガラス転移温度)に影響を及ぼす。他の添加剤は、(例えば、解重合反応または酸化分解反応から保護するなどの)一次被膜組成物の重合生成物の完全性に影響を及ぼすことができる。
【0038】
好適な触媒はスズ触媒であり、該スズ触媒は、所定のオリゴマ成分においてウレタン結合の形成において触媒作用を及ぼすために用いられる。該触媒がオリゴマ成分の添加剤として残る場合、または付加的な量の触媒が本発明の組成物に導入される場合、触媒が存在することによって、組成物中のオリゴマ成分を安定させることができる。
【0039】
好適な抗酸化剤は、チオジエチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル)−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸塩(thiodiethylene bis(3,5−di−tert−butyl)−4−hydroxyhydrocinnamate)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社から入手できるIrganox 1035)である。
好適なコモノマは、ニュージャージー州のウェイン(Wayne)にあるインターナショナル・スペシャリティ・プロダクツ社(International Specialty Products)から入手できる極性モノマーのN−ビニルピロリドン(N−vinyl−pyrrolidone)である。
【0040】
本発明の別の実施例は、組成物に関するものであり、重合することができるオリゴマと、該組成物の粘性を制御するために適切なモノマーと、反応性シランを有する化合物を含む付着助触媒と、担体と、を含む組成物に関する。
担体は、担体界面活性剤又はアンビフィリックな(ambiphilic)反応性若しくは非反応性界面活性剤として機能する担体であることが好ましい。組成物中にて部分的に可溶であり又は不溶である反応性界面活性剤が、特に好ましい。特定の理論に結び付けなくても、反応性界面活性剤として作用する担体が、反応性シランを含む化合物と相互作用すると考えられる。かかる相互作用は、反応が許容されるガラスファイバ上に上記化合物を配することによる。担体は、100分の1単位で、全体の略0.01から略10の間の量が含まれていることが好ましく、100分の1単位で、略0.25から略3の間にあることがより好ましい。
【0041】
適切な担体(より詳細には反応性界面活性剤として機能する担体)は、ポリアルコキシポリシロキサン(polyalkoxypolysiloxanes)を含む。好適な担体は、ヴァージニア州のホープウエル(Hopewell)にあるゴールトシュミットケミカル社(Goldschmidt Chemical Co.)から、商用名Tegorad 2200および反応性界面活性剤Tegorad 2700(アクリル化されたシロキサン)として入手できる。
【0042】
適切な担体の他種類として、ポリオールおよび非反応性界面活性剤がある。適切なポリオールおよび非反応性界面活性剤の例として、ペンシルヴェニア州のニュータウンスクエア(Newtown Square)にあるバイエル社(Bayer)(以前は、リンデル(Lyondel)として公知であった)から入手できるポリオールAclaim 3201(ポリ(エチレンオキシド−コ−プロピレンオキシド)(poly(ethylene oxide−co−propylene oxide)))、およびゴールトシュミットケミカル社から入手できる非反応性界面活性剤Tegoglide 435(ポリアルコキシ−ポリシロキサン)(polyalkoxy−polysiloxane)を含む。ポリオールまたは非反応性界面活性剤は、略0.01pphから略10pphの間の好ましい量を含み得る。適切な担体は、アンビフィリックな分子であってもよい。アンビフィリックな分子は、親水性部分と疎水性部分の両方を有する分子である。疎水性部分は、親油性(脂肪/油に対して親和性を有する)部分としても記載され得る。
【0043】
粘着付与剤は、適切な担体の例でもある。粘着付与剤は、ポリマー生成物の時間に敏感な流動特性を変更することができる分子である。一般的に、粘着付与添加剤は、より高い歪速度またはずり(ずれ、剪断)速度で補剛剤として作用するポリマー生成物を作り、低い歪み速度またはずり(ずれ、剪断)速度で軟化剤として作用するポリマー生成物を作る。粘着付与剤は、接着剤工業において一般的に使用されている添加剤であり、かかる添加剤は被膜が形成される対象物と結合を形成するように被膜の機能を高めている。粘着付与剤および粘着付与樹脂に関する更なる基礎知識が、「圧力感度(感受性)接着技術ハンドブック」第3版(ワーウィック(RI))(1999)(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology, 3rd Edition, (Warwick, RI) (1999))の第36,37、57〜61、169、173、174及び609〜631頁に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれたものとする。
【0044】
好適な粘着付与剤は、テルペンをベースとした樹脂、クマロンをベースとした樹脂、石油樹脂、水素化された石油樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂またはロジンをベースとした樹脂として分類される。粘着付与剤が非エポキシ化(nonepoxidized)されることが好ましい。ロジンをベースとした樹脂は、改質されていないロジン(例えばウッド、ゴムまたはトール油)及びロジン誘導体を含む。ロジンをベースとした樹脂は、当該樹脂のロジン酸によって分類することができ、ロジン酸はアビエチン酸又はピマール酸である。アビエチン酸型ロジンが好ましい。ロジン誘導体は、重合ロジン、不均化反応ロジン、水素化ロジン及びエステル化ロジンを含む。かかるロジン誘導体の例として、トール油、ゴムロジン、ウッドロジンまたはこれらの混合物のペンタエリスリトールエステルが含まれる。
【0045】
テルペンをベースとした樹脂は、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテル、リモネン、ミルセン、ボルニレン(bornylene)及びカンフェンのテルペン・ポリマーと、フェノールで上記のテルペンをベースとする樹脂を変更することによって得られるフェノール−改質テルペンベース樹脂と、を含む。
クマロンをベースとする樹脂は、例えば、クマロン‐インデン樹脂およびフェノール改質クマロン‐インデン樹脂を含む。
【0046】
石油樹脂および水素化された石油樹脂は、脂肪族石油樹脂、脂環式石油樹脂、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン及びペンチレンを原料として使用した芳香族石油、及びシクロペンタジエンのモノポリマー若しくはコポリマーを含む。石油樹脂は、主成分として、5から9の炭素数を有する断片(小部分)を使用しているポリマーである。
【0047】
スチレンをベースとする樹脂は、主成分としてスチレンからなる低分子量ポリマであるホモポリマと、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびブタジエンゴムを有するスチレンのコポリマーと、含む。
フェノールをベースとする樹脂は、フェノール類(例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、レソルシノール、p−t−ブチルフェノールおよびp−フェニルフェノール等)とアルデヒド類(例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒドおよびフルフラール等)との反応生成物と、ロジン改質フェノール樹脂と、を含む。
【0048】
より好適な粘着付与剤は、ニューヨーク州のパーチャーズ(Purchase)にあるインターナショナル・ペーパー社(International Paper Co.)から入手できるUni−tac(登録商標)R−40(以下「R−40」と称する)である。R−40は、ポリエーテル部分を含むトール油ロジンであり、且つアビエチック(abietic)エステルの化学薬品群に属する。粘着付与剤は、100分の1単位で、略0.01から略10の間の量の組成にあることが好ましく、100分の1単位で、略0.05から略10の間の量の組成にあることがより好ましい。適切な代替粘着付与剤は、エクソン(Exxon)から入手できる炭化水素粘着付与剤のエスコレズ(Escorez)シリーズである。エスコレズ粘着付与剤に関する更なる情報が、米国特許第5,643,665号に記載され、その全体が組み込まれたものとする。上述の担体が、化合物に使用され得る。
【0049】
該粘着付与剤担体と共に使用される付着助触媒は、ポリ(アルコキシ)シランであることが好ましい。しかしながら、粘着付与剤担体と共に使用される付着助触媒は、ポリ(アルコキシ)シランのみに限定されない。好適なポリ(アルコキシ)シラン付着助触媒は、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン(bis(trimethoxysilylethyl)benzene)である。ポリ(アルコキシ)シラン付着助触媒が、0.1から10pphの間の量の組成に存在することも好ましい。
【0050】
該付着助触媒は反応性シランを有する化合物を含む付着助触媒とすることができるものの、上記の如き付着助触媒(すなわち、少なくとも2つの反応性シラン(独立したアルコキシシランまたはハロシラン)の間に配置される環式構造を有する化合物を含んでいる助触媒)であることが好ましい。他の適切な付着助触媒は、リー氏(Lee)らによる米国特許第4,921,880号および第5,188,864号に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれたものとする。
【0051】
関連は、1999年12月30日に出願された米国特許出願第09/476,151号で行われており、付着助触媒のより詳細な説明として、完全に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれたものとする。
二次被膜材18は、被膜組成物の重合(すなわち、硬化)生成物である。該重合生成物は、重合する際に橋かけとなる分子となるウレタンアクリレート液を含む。二次被膜材に使用される他の適切な材料は、当該材料の選択に関する考察と同様に、公知であり、チャッピン氏(Chapin)による米国特許第4,962,992号及び第5,104,433号に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれたものとする。被膜の1つ以上の性質を高める様々な添加剤が存在し、本発明の組成物に混合された上述の添加剤に含まれている。
【0052】
二次被膜は、少なくとも1種類のUV硬化モノマーと少なくとも1種類の光開始剤を含むこととしてもよい。二次被膜は、略0〜90重量パーセントの少なくとも1種類のUV硬化オリゴマを含み得る。二次被膜が熱可塑性樹脂でないことが、好ましい。モノマー及びオリゴマの両方が、付加重合に関与することができる化合物であることが好ましい。該モノマー若しくは該オリゴマは、二次被膜部材の主成分であってもよい。適切なモノマーの例は、エチレン不飽和モノマーである。エチレン不飽和モノマーは様々な官能基を含むことができる。かかる官能基は、モノマーを架橋することができる。エチレン不飽和モノマーは、多官能(すなわち2つ以上の官能基を各々含んでいる)モノマーであることが好ましいものの、単官能モノマーも、組成物に導入され得る。したがって、エチレン不飽和モノマーは、多官能モノマー、単官能モノマーおよびこれらの混合物とすることができる。本発明に使用されるエチレン不飽和モノマーとして適切な官能基は、アクリレート、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、N−ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステル、酸性エステル及びこれらの組み合わせ(すなわち、多官能モノマーとして)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0053】
一般的に、略80%以上の多くの転化(すなわち、硬化)ができる個々のモノマーは、低い転化率を有するモノマーよりも望ましい。低い転化率を有するモノマーを組成物に導入することができる程度は、硬化後の生成物の所定の必要条件(すなわち強度)に依存する。一般的に、より高い転化率は、より強い硬化生成物を生成する。
【0054】
適切な多官能エチレン不飽和モノマーは、例えばエトキシ化が2以上(2から略30の範囲にあることが好ましい)されているエトキシ化されたビスフェノール−A−ジアクリレート(ethoxylated bisphenol A diacrylate)(例えば、ペンシルヴェニア州のウェスト・チェスターにあるサートマー社から入手できるSR349及びSR601、およびペンシルヴェニア州のアンブラーにあるコーニス社から入手できるPhotomer 4025およびPhotomer 4028)、及びプロポキシ化が2以上(2から略30の範囲にあることが好ましい)されているプロポキシ化されたビスフェノール−A−ジアクリレート(propoxylated bisphenol A diacrylate)などのアルコキシ化されたビスフェノール−A−ジアクリレートと、例えばエトキシ化が3以上(3から略30の範囲にあることが好ましい)されているエトキシ化されたトリメトキシロールプロパントリアクリレート(ethoxylated trimethylolpropane triacrylate)(例えば、コーニス社のPhotomer 4149、及びサートマー社のSR499)、プロポキシル化が3以上(略3から略30の範囲にあることが好ましい)されているプロポキシレート化されたトリメトキシロールプロパントリアクリレート(propoxylated trimethylolpropane triacrylate)(例えば、コーニス社のPhotomer 4072、及びサートマー社のSR492)、及びジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(ditrimethylolpropane tetraacrylate)(例えば、コーニス社のPhotomer 4355)などの、アルコキシ化が行われた若しくは行われていないメチロールプロパンポリアクリレートと、例えばプロポキシル化が3以上されたプロポキシレート化されたグリセリルトリアクリレート(propoxylated glyceryl triacrylate)(例えば、コーニス社のPhotomer 4096、及びサートマー社のSR9020)等のアルコキシレート化されたグリセリルトリアクリレート(alkoxylated glyceryl triacrylates)と、例えばペンタエリトリトールテトラアクリレート(pentaerythritol tetraacrylate)(例えば、ペンシルヴェニア州のウェスト・チェスターにあるサートマー社から入手できるSR295)、エトキシ化されたペンタエリトリトールテトラアクリレート(ethoxylated pentaerythritol tetraacrylate)(例えば、サートマー社のSR494)、及びジペンタエリトリトールペンタアクリレート(dipentaerythritol pentaacrylate)(例えば、コーニス社のPhotomer 4399、及びサートマー社のSR399)などのアルコキシ化された若しくはされていないエリトリトールポリアクリレートと、例えばトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(tris−(2−hydroxyethyl) isocyanurate triacrylate)(例えば、サートマー社のSR368)及びトリス− (2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート(tris−(2−hydroxyethyl) isocyanurate diacrylate)などの適当な官能性イソシアヌレートにアクリル酸またはアクリロイルクロライドを反応させることによって形成されたイソシアヌレートポリアクリレートと、例えばトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(tricyclodecane dimethanol diacrylate)(例えば、サートマー社のCD406)及びエトキシ化が2以上(略2から略30の範囲にあることが好ましい)されているエトキシ化されたポリエチレングリコールジアクリレート(ethoxylated polyethylene glycol diacrylate)などのアルコキシ化された若しくはされていないアルコールポリアクリレートと、アクリレートにビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル(bisphenol A diglycidylether)(4より大)及びその類似物(例えば、コーニス社のPhotomer 3016)を加えることによって形成されたエポキシアクリレート(epoxy acrylates)と、例えばジシクロペンタジエンジアクリレート(dicyclopentadiene diacrylate)及びジシクロペンタンジアクリレート(dicyclopentane diacrylate)などの単一環もしくは多環の環式芳香族若しくは非芳香族ポリアクリラートと、を含むものの、これに限定されるものではない。
【0055】
硬化後の生成物が水を吸収したり、他の被膜材に接着したり、又は応力下においても機能する程度に影響を及ぼすように導入できる、単官能エチレン不飽和モノマーの所定量を使用することとしても良い。典型的な単官能エチレン不飽和モノマーとしては、ヒドロキシアルキルアクリレート(例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−hydroxyethyl−acrylate)、2−ヒドロキシプロピル−アクリレート(2−hydroxypropyl−acrylate)及び2−ヒドロキシブチル−アクリレート(2−hydroxybutyl−acrylate))と、長鎖及び短鎖のアルキルアクリレート(例えばアクリル酸メチル(methyl acrylate)、アクリル酸エチル(ethyl acrylate)、プロピルアクリレート(propyl acrylate)、イソプロピルアクリレート(isopropyl acrylate)、アクリル酸ブチル(butyl acrylate)、アミルアクリレート(amyl acrylate)、イソブチルアクリレート(isobutyl acrylate)、t−ブチルアクリレート(t−butyl acrylate)、ペンチルアクリレート(pentyl acrylate)、イソアミルアクリレート(isoamyl acrylate)、ヘキシルアクリレート(hexyl acrylate)、ヘプチルアクリレート(heptyl acrylate)、オクチルアクリレート(octyl acrylate)、イソオクチルアクリレート(isooctyl acrylate)、2−エチルヘキシルアクリレート(2−ethylhexyl acrylate)、ノニルアクリレート(nonyl acrylate)、デシルアクリレート(decyl acrylate)、イソデシルアクリレート(isodecyl acrylate)、ウンデシルアクリレート(undecyl acrylate)、ドデシルアクリレート(dodecyl acrylate)、ラウリルアクリレート(lauryl acrylate)、オクタデシルアクリレート(octadecyl acrylate)およびステアリルアクリレート(stearyl acrylate))と、アミノアルキルアクリレート(aminoalkyl acrylates)(例えばジメチルアミノエチルアクリレート(dimethylaminoethyl acrylate)、ジエチルアミノエチルアクリレート(diethylaminoethyl acrylate)および7−アミノ−3,7−ジメチルオクチルアクリレート(7−amino−3,7−dimethyloctyl acrylate))と、アルコキシアルキルアクリレート(alkoxyalkyl acrylates)(例えばブトキシルエチルアクリレート(butoxylethyl acrylate)、フェノキシエチルアクリレート(phenoxyethyl acrylate)(例えば、サートマー社のSR339)およびエトキシエトキシエチルアクリレート)と、単一環及び複数環の環状芳香族若しくは非芳香族アクリレート(例えばシクロヘキシルアクリレート(cyclohexyl acrylate)、ベンジルアクリレート(benzyl acrylate)、ジシクロペンタジエンアクリレート(dicyclopentadiene acrylate)、ジシクロペンタニルアクリレート(dicyclopentanyl acrylate)、トリシクロデカニルアクリレート(tricyclodecanyl acrylate)、ボルニルアクリレート(bornyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)(例えば、サートマー社のSR423)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(tetrahydrofurfuryl acrylate)(例えば、サートマー社のSR285)、カプロラクトンアクリレート(caprolactone acrylate)(例えば、サートマー社のSR495)及びアクリロイルモルホリン(acryloylmorpholine))と、アルコールをベースとしたアクリレート(例えば、ポリエチレングリコールモノアクリレート(polyethylene glycol monoacrylate)、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(polypropylene glycol monoacrylate)、メトキシエチレングリコールアクリレート(methoxyethylene glycol acrylate)、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート(methoxypolypropylene glycol acrylate)、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(methoxypolyethylene glycol acrylate)、エトキシジエチレングリコールアクリレート(ethoxydiethylene glycol acrylate)及び種々のアルコキシ化されたアルキルフェノールアクリレート(alkoxylated alkylphenol acrylates)(例えばエトキシ化された(4)ノニルフェノールアクリレート(ethoxylated(4) nonylphenol acrylate)(例えば、コーニス社のPhotomer 4003)))と、アクリルアミド(例えばジアセトンアクリルアミド(diacetone acrylamide)、イソブトキシメチルアクリルアミド(isobutoxymethyl acrylamide)、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(N,N’−dimethyl−aminopropyl acrylamide)、N,N−ジメチルアクリルアミド(N,N−dimethyl acrylamide)、N,N−ジエチルアクリルアミド(N,N−diethyl acrylamide)およびt−オクチルアクリルアミド(t−octyl acrylamide))と、ビニル基を有する化合物(例えばN−ビニルピロリドン(N−vinylpyrrolidone)およびN−ビニルカプロラクタム(N−vinylcaprolactam))と、酸性エステル(例えばマレイン酸エステル(maleic acid ester)およびフマル酸エステル(fumaric acid ester))と、が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0056】
最も適切なモノマーは、市販されて入手できるものかまたは公知の反応スキームを用いて容易に合成され得る。たとえば、上述した単一官能モノマーの大部分は、適当なアルコールまたはアミンをアクリル酸またはアクリロイルクロライド(acryloyl chloride)と反応させることによって合成することができる。
上記の如く、二次被膜組成物の任意の成分は、オリゴマー成分である。オリゴマー成分は、単一型のオリゴマを含むことができるか、または、2つ以上のオリゴマーの組み合わせとすることができる。少しでも使用される場合、本発明の組成物に導入されるオリゴマー成分は、エチレン不飽和オリゴマから成ることが好ましい。
【0057】
使用される場合、適切なオリゴマは単官能オリゴマか多官能オリゴマとすることができる。但し、多官能オリゴマが好ましい。オリゴマ成分は、単官能オリゴマおよび多官能性オリゴマの組み合わせとすることもできる。
2つの官能性オリゴマは、下記の式(I)による構造を有することが好ましい。
【0058】
【外1】
Figure 2004536758
【0059】
上記式において、Fは、独立した反応性官能基(例えば、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N−ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステルまたは他の公知の官能基)であり、Rは、−C2−12O−、−(C2−4−O)−、−C2−12O−(C2−4−O)−、−C2−12O−(CO−C2−5O)−、又は−C2−12O−(CO−C2−5NH)−を独立して含み、上記式のnは、1から30までの整数であり、1から10であることが好ましい。Rは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素またはこれらの組み合わせであり、上記式のmは1から10の整数であり、1から5であることが好ましい。式(I)の構造において、ジイソシアナート基は、ジイソシアナートの結合がRおよび/またはRに続くように形成された反応生成物である。
【0060】
他の多官能オリゴマは、下記の式(II)または式(III)による構造を有することが好ましい。
【0061】
【外2】
Figure 2004536758
【0062】
または、
【0063】
【外3】
Figure 2004536758
【0064】
上記式において、Fが、1から3つの官能基(例えばアクリレート、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、N−ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステルまたは他の公知の官能基)を独立して含み、Rは、−C2−12O−、−(C2−4−O)−、−C2−12O−(C2−4−O)−、−C2−12O−(CO−C2−5O)−、又は−C2−12O−(CO−C2−5NH)−を独立して含み、上記式のnは、1から10までの整数であり、1から5であることが好ましい。Rは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素またはこれらの組み合わせであり、上記式のxは1から10の整数であり、2から5であることが好ましく、上記式のmは1から10の整数であり、1から5であることが好ましい。式(II)の構造において、マルチイソシアナート基は、マルチジイソシアナートの結合がRに続くように形成された反応生成物である。同様に、式(III)の構造のジイソシアナート基は、ジイソシアナートの結合がRおよび/またはRに続くように形成された反応生成物である。
【0065】
ウレタンオリゴマは、脂肪族ジイソシアナートを2つの水酸基を有するポリエーテルまたはポリエステル(最も代表的なものとして、ポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール)と反応することによって、提供されている。かかるオリゴマは、一般的に略4から略10個のウレタン基を有し、高い分子量(例えば2000−8000)を有することができる。しかしながら、より低い分子量オリゴマ(500−2000の範囲に分子量を有する)が、使用されても良い。コーディ氏(Coady)らによる米国特許第4,608,409号及びビショップ氏(Bishop)らによる米国特許第4,609,718号の明細書は、かかる合成を詳細に記載しており、その全体が本明細書に組み込まれたものとする。
【0066】
耐湿性を有するオリゴマを使うことが望ましい場合に、オリゴマは類似の方法で合成され得る。但し、極性ポリエーテルまたはポリエステルグリコールは、大部分が飽和し且つ大部分が無極性の脂肪族ジオールに有利となるように避けられる場合は除かれる。かかるジオールは、例えば、略2〜250個の炭素原子を有するアルカンまたはアルキレンジオールを含み、エーテルまたはエステル基が実質的に含まれていないことが好ましい。
【0067】
ポリ尿素成分は、上記方法、すなわち合成中に単にジアミンまたはポリアミンをジオールまたはポリオールと置換することによって、調整されたオリゴマに組み込まれ得る。本発明の被膜系において、少量のポリ尿素成分が存在することが、被膜の特性に有害であるとは考えられず、上記系の耐湿性を妥協することを避けるために合成に使用されているジアミン又はポリアミンが十分に非極性であり且つ飽和していることのみを提供する。
【0068】
光ファイバの二次被膜の組成物は、ガラスファイバ又は既に被覆されているガラスファイバに配された後に、成分の重合(すなわち、硬化)を生じさせるのに適している重合開始剤を含むことができる。本発明の組成物に使用するのに適している重合開始剤は、熱開始剤、化学開始剤、電子ビーム開始剤、マイクロ波開始剤、化学線発光開始剤および光開始剤を含む。光開始剤が、特に好ましい。主にアクリレートをベースとした被膜を形成するために、従来の光開始剤(例えば、公知のケトンを含む光開始剤及び/又はホスフィンオキシド添加剤)が、好ましい。本発明の組成物において使用される場合、光開始剤は急速な紫外線硬化を提供するのに十分な量が含まれる。通常、開始剤は、略0.5から略10重量パーセント含まれており、より好ましくは略1.5から略7.5重量パーセントである。
【0069】
放射による硬化を促進するように少量であるが効果的な量の光開始剤が使用される場合、光開始剤は、被膜組成物の早期のゲル化を発生させることなく、合理的な硬化速度を提供しなければならない。望ましい硬化速度とは、被膜組成物がほとんど硬化(すなわち、略90%よりも大であり、より好ましくは95%よりも大である)するのに十分な速度である。モジュラス曲線対線量において測定される如く、略25〜35μmの厚さの被膜に対する硬化速度は、例えば、1.0J/cm未満(好ましくは0.5J/cm未満)である。二次被膜組成物は、略10〜90%のモノマー、0〜90%のオリゴマー、及び略0.5〜10%の光開始剤を含むことが好ましい。
【0070】
適切な光開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(1−hydroxycyclohexylphenyl ketone(例えばニューヨーク州のタリータウンにあるチバ・スペシャリティケミカル社から入手できるIrgacure 184)、(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド((2,6−dimethoxybenzoyl)−2,4,4−trimethylpentyl phosphine oxide)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社の市販の混合物であるIrgacure 1800、1850および1700)、2,2,−ジメトキシル−2−フェニールアセトフェノン(2,2−dimethoxyl−2−phenyl acetophenone)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社のIrgacure 651、)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(bis(2,4,6−trimethylbenzoyl)phenyl phosphine oxide)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社のIrgacure 819)、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド((2,4,6−trimethylbenzoyl)diphenyl phosphine oxide)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社の市販の混合物Darocur 4265)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−ワン(2−hydroxy−2−methyl−1−phenylpropane−1−one)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社の市販の混合物Darocur 4265)、及びこれらの混合物、が挙げられるが、これに限定されるものではない。他の光開始剤が、絶えず開発されていて、ガラスファイバの被膜材の組成物に使用されている。あらゆる適切な光開始剤が、本発明の組成物に導入され得る。
【0071】
上記の成分に加えて、本発明の二次被膜組成物は、添加剤又は添加剤の組み合わせを、任意に含むことができる。適切な添加剤としては、抗酸化剤、触媒、滑沢剤、低分子量非架橋樹脂、付着助触媒および安定剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。幾つかの添加剤が、重合プロセスを制御するように作用することができ、その結果、該組成物から形成される重合生成物の物理的性質(例えばモジュラス、ガラス転移温度)に影響を及ぼす。その他の添加剤は、重合生成物の組成物の保全(例えば、解重合または酸化分解反応から守る)に影響を及ぼすことができる。
【0072】
好適な抗酸化剤は、チオジエエチレン・ビス (3,5−ジ−t−ブチル) −4−ヒドロキシヒドロシンナマート(thiodiethylene bis(3,5−di−tert−butyl)−4−hydroxyhydrocinnamate)(例えば、チバ・スペシャリティケミカル社から入手できるIrganox 1035)がある。
好適な付着助触媒は、Ebecryl 170(ジョージア州のスマーナ(Smyrna)にあるユーシービー・ラッドキュアー社(UCB Radcure)から入手できる)の如き、アクリル酸の付着助触媒である。
【0073】
二次被膜材に使用される他の適切な物質は、かかる物質の選択に関する考察と同様に、チャッピン氏(Chapin)による米国特許第4,962,992号及び米国特許第5,104,433号に記載されており、そのすべてが本明細書に組込まれたものとする。被膜の1つ以上の特性を高める様々な添加剤が、本発明の組成物に組み込まれた上述の如き添加剤を含めて、存在することができる。
【0074】
1999年12月30日に出願された米国特許出願第60/173,874号及びボテロ(Botelho)氏らによって「光ファイバの二次被膜組成物」(Secondary Coating Compositions for Optical Fibers)という名称で2000年7月26日に出願された米国仮特許出願に、二次被膜の詳細な例が記載されており、そのすべてが本明細書に組込まれたものとする。
【0075】
二次被膜18は、少なくとも略50MPaのヤング率を有することが好ましく、少なくとも500MPaであることがより好ましく、少なくとも略1000MPaであることが最も好ましい。ファイバ10の1つの実施例において、二次被膜18の外径は、略245μmである。
二次被膜18は、緊密なバッファ・コーティング、又は、ゆるいチューブ・コーティングの何れかとすることができる。使用される二次被膜の型に関係なく、光ファイバの隣接する回旋部(すなわち、加工した糸巻き状のもの)が解かれるように、二次被膜18の外部表面が粘着性を有さないことが好ましい。
【0076】
インク20は、略10〜90重量パーセント含まれている少なくとも1つのUV硬化オリゴマ、略10〜90重量パーセント含まれている少なくとも1つのUV硬化モノマー、略1〜15重量パーセント含まれている少なくとも1つの光開始剤、及び少なくとも1つの顔料を含むことができる。一次被膜16および二次被膜18に関係する、上述したオリゴマ、モノマーおよび光開始剤は、インク20に対して適切なオリゴマおよびモノマーである。インク20の1つの好適な組成物は、略35重量パーセントの脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマ(aliphatic urethane acrylate oligomer)(例えば、コーニス社によって提供されるRCC 12−892)と、略30重量パーセントの脂肪族エポキシアクリレートオリゴマ(aliphatic epoxy acrylate oligomer)(例えばコーニス社から入手できるRCC 13−215)と、略15重量パーセントのプロポキシ化されたネオペンチルグリコールジアクリレートモノマー(propoxylated neopentyl glycol diacryalte monomer)(例えば、コーニス社から入手できるPhotomer 4127)と、略10重量パーセントのイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)(例えば、サートマー社から入手できるSR−506)と、略3重量パーセントの光開始剤(例えば、チバ社から入手できるIrgacure 1850)と、顔料(チバ・カランツ社から入手できる有色顔料及びミレナム・ケミカルズ社から入手できる白色顔料)と、を含む。インク20は、略25重量パーセントまでの分散剤を含み得る。かかる分散剤の重量パーセントは、顔料の充填量をベースとしている。例えば、インク20が略10重量パーセントの顔料を含む場合、略25重量パーセントの分散剤は、インク20の略2.5重量パーセントである。分散剤の例としては、コネティカット州のウオーリングフォート(Wallingford)にあるビーワイケーケミー社(BYK Chemie)のDisperbyk 164、又はコネティカット州のグリーンフィッチ(Greenwhich)にあるヴィットコ社(Witco Corp.)のA−174シラン(ガンマ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランgamma−Methacryloxypropyltrimethoxysilane)を含む。ファイバ10の1つの実施例において、インク20の外径は、略250μmである。
【0077】
本発明のカップリング剤は、一次被膜16、二次被膜18、インク20、又はこれらの混合物に組み込まれ得る。本発明のカップリング剤は、二次被膜又はインク20の何れか一方に含まれることが好ましい。カップリング剤がインク20に含まれる場合において、該カップリング剤が分散剤に取って代わる。インク20の分散剤として本発明のカップリング剤を使用することは、反応性分散剤としての利益を有するのに対して、従来の重合分散剤は反応性分散剤としての利益を有さない。インク20において、本発明のカップリング剤は、インク20中の顔料を均一に分散させる少なくとも1つの反応性分散剤として機能することができる。本発明のカップリング剤を含むインク20は、優れた分散特性を呈する。インク20の顔料の塊は、少なくとも略2μmサイズより小さく分解され、少なくとも略1μmよりも小さくなっていることが好ましい。
【0078】
インク20の分散剤として本発明のカップリング剤を使用する他の効果として、発明のカップリング剤が、無機顔料(例えば酸化チタン)と同様にインク20の有機顔料を分散させるために用いることができるということがある。有機顔料の例として、Irgalite Red 3RS−カラーインデックス名PR−112(ナプトール(napthol)赤顔料)(ニューヨーク州のタリータウンにあるチバ・スペシャリティケミカルズ社から市販されている)、Irgalite Blue GLG−カラーインデックス名PB15:3(銅フタロシアニン顔料)(ニューヨーク州のタリータウンにあるチバ・スペシャリティケミカルズ社から市販されている)、Irgalite Yellow GO−カラーインデックス名PY 74(アリールアミド顔料)(ニューヨーク州のタリータウンにあるチバ・スペシャリティケミカルズ社から市販されている)、Irgalite OrangeF2G−カラーインデックス名P0 34(ジアリールライドピラゾロン顔料)(ニューヨーク州のタリータウンにあるチバ・スペシャリティケミカルズ社から市販されている)、及びHeliogen Green L9361−カラーインデックス名PG 6(銅フタロシアニン顔料)(ニュージャージー州のマウント・オリーブ(Mount Olive)のビーエーエスエフ社(BASF, Inc.)から市販されている)を含む。本発明のカップリング剤は、有機及び無機顔料の両方を化学的に両立できるものである。公知のカップリング剤(例えば、シランカップリング剤)は、有機顔料の表層で加水分解反応を経験することはない。
【0079】
本発明のカップリング剤は、少なくとも発明のカップリング剤が被膜の重合に寄与する反応基を含むという点において、公知の分散剤とは異なる。重合に寄与することに加えて、本発明のカップリング剤は、優れた立体的安定性を呈する。これは、少なくとも、本発明のカップリング剤が、顔料表面に自身を取り付ける顔料親和基と、顔料粒子間に物理的な障壁を与えることによって樹脂に延びる樹脂親和基と、を含むということに起因する。
【0080】
本発明のカップリング剤が反応性分散剤であるという理由によって、過剰な本発明のカップリング剤も重合し、且つ一旦インク20が公知の分散剤のように硬化すると被膜系に移動することがないという点において、公知の分散剤を上回る効果がある。
本発明のカップリング剤を含むインク20は、公知の分散剤を有するインクに比べて、より良い物理的特性をも呈している。公知の分散剤を有するインクに比べて、本発明のインクの沈降速度は小であり、また該インクの引っ張り強度は大である。また、公知の分散剤を有するインクに比べて、ヤング率及びセカントモジュラス(Secant modulus)が大である。ジルコン酸塩カップリング剤を有するインクにおいても、伸び率が増加することを呈した。
【0081】
本発明のカップリング剤が二次被膜18に含まれる場合、被膜18は充填剤に満たされていない被膜又は充填剤がない被膜であることが好ましい。ここで充填剤は、所定の程度の剛性および強度の確かな程度を提供し、且つ被膜材のコストを減らす、高い比重(2.00〜4.50)の不活性の材料であると定義される。
本発明のカップリング剤を含む硬化後の二次被膜18は、水に対して小なる感応性を呈する。引張強さ、ヤング率およびセカントモジュラスといった被膜材特性のパーセント変化は、湿った環境(例えば、少なくとも14日間、85%の相対湿度で85℃の環境)に、長期間曝した後で、少なくとも略20%未満であり、略15%未満であることが好ましく、略10%未満であることがより好ましく、かつ略5%未満であることが最も好ましい。
【0082】
本発明のカップリング剤を含む被膜が、ファイバ10のクラッド層14の外部表面から略5μm以上離れており、好ましくは略15μm以上離れており、より好ましくは略30μm以上離れていることが好ましい。本発明のカップリング剤を含むコーティング層が、ファイバに直接に配されないことが更に好ましい。本発明のカップリング剤を含んでいない少なくとも1つの被膜がファイバに配された後に、本発明のカップリング剤を含む被膜層が、ファイバに配されることが好ましい。
【0083】
本発明の光ファイバは、光ファイバリボンにも形成され得る。かかるリボンは、ほぼ一直線に並べられ、かつマトリックス物質によって被覆された略同一平面の複数の光ファイバを含む。該マトリックス物質は、単一層または複合材構造からなることとしても良い。適切なマトリックス物質として、二次被膜材として有効である公知の材料と同様にポリ塩化ビニルが含まれる。1つの実施例において、マトリックス物質は、二次被膜材を形成するように使用される組成物の重合生成物とすることができる。
【0084】
光ファイバを製造するプロセスは、簡潔に述べると、ガラスファイバ(コア12およびクラッド層14)を製造するステップと、該ガラスファイバを本発明の一次被膜組成物で被覆するステップと、一次被膜材16を形成するように該組成物を重合させるステップと、を含む。二次被膜組成物は、一次被膜を重合させる前若しくは重合させた後のいずれか一方の被覆されたファイバに配される。一次被膜組成物を重合させた後に配する場合、二次被膜を重合するステップを含まなければならない。一次及び二次被膜組成物は、従来のプロセスを使用して、ガラスファイバ上に配される。
【0085】
例えば、略2000℃の温度に局所的に且つ対称的に加熱された特別に用意された円筒状のプリフォームから、ガラスファイバを線引きすることは周知である。例えば、該プリフォームを炉内に送り込み且つ通すことによって、プリフォームが加熱された後、ガラスファイバが、溶融体から線引きされる。ガラスファイバがプリフォームから線引きされた後、一次被膜及び任意の二次被膜がガラスファイバに配される。かかる被膜は、冷却後直ちに実施されることが好ましい。その後、被膜組成物は、被覆光ファイバを製造するために硬化される。硬化する方法は、例えば、ガラスファイバ上の硬化されていない被膜組成物に熱又は紫外線照射又は電子ビームを曝すことによるなどの、熱的に、化学的にまたは放射線によって誘導されており、かかる手段は、使用される被膜組成物及び重合開始剤の特性に依存する。線引き工程に続いて一次被膜組成物及び所定の二次被膜組成物の両方を設けることは、しばしば都合が良い。移動しているガラスファイバに2層の被膜組成物を配する1つの方法は、テイラー氏(Taylor)による米国特許第4,474,830号に開示されており、その全体が本明細書に組み込まれたものとする。ガラスファイバ上へ2層の被膜組成物を配する他の方法は、ランネル氏(Rannell)らによる米国特許第4,581,165号において開示されており、その全体が本明細書に組み込まれたものとする。当然ながら、一次被膜組成物は、一次被膜部材16を形成するように配されて且つ硬化され得る。その後、二次被膜組成物が、二次被膜部材18を形成するように配されて且つ硬化され得る。
【0086】
図2に示す如く、本発明の被覆光ファイバ10は、従来の製造方法を使用して、光ファイバリボン30を製造するように使用されることもできる。たとえば、複数の被覆光ファイバ10は、互いにほぼ同一平面を形成するようにほぼ1直線に並べられ、かかる状態を維持して、該被覆光ファイバは、リボンマトリックス物質32を形成するように、後で硬化される組成物によって被覆される。リボンマトリックス物質32を製造するために用いられる組成物は、二次被膜組成物又は公知となっている他のあらゆる適切な組成物と、同一物とすることができる。
【0087】
光ファイバリボンの製造方法は、マイヤー氏(Mayr)による米国特許第4,752,112号及びオーストレイチ氏(Oestreich)らによる米国特許第5,486,378号に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれたものとする。
(実施例)
本発明の典型例であることを企図した以下の実施例によって、本発明がより明確にされる。
(実施例1)
本発明のカップリング剤を含む二次被膜の物理的性質が、研究された。試験された二次被膜は、次の基本的組成物を有した。すなわち、二次被膜は、略10重量パーセントのオリゴマKWS 4131と、略87重量パーセントのモノマーPhotomer 4028と、略3重量パーセントの光開始剤Irgacure 1850と、略0.5pphの抗酸化剤Irganox 1035と、を有した。二次被膜の4つの試料が、調合された。本発明のカップリング剤が、略0.2重量パーセントの量で上記被膜試料のうちの3つに添加され、1つの被膜試料が、コントロールとして使用された。試験された3つのカップリング剤は、KR−55(チタン酸塩カップリング剤)と、NZ−33((メタ)アクリレート官能基を有するジルコン酸塩カップリング剤)と、NZ−39(アクリレート官能基を有するジルコン酸塩カップリング剤)であった。
【0088】
上記した4種類の被膜試料であり、75μmの厚さとされた硬化フィルム試料の各々は、環境性チェンバ(ペンシルヴェニア州のウィリアムズポート(Williamsport)にあるテニー・エンバイロメンタル社(Tenney Environmental)から市販されている)の中で略3週間の間、相対湿度が略85%で略85℃の湿った環境に曝された。引張強さ、ヤング率及びセカントモジュラスの変化率が、測定された。硬化後の材料の耐久性(すなわちモジュラス)の試験において、略2.5cm/分の固定した歪速度が略23℃及び略50%の相対湿度の環境の下で実施されたことを除いて、ASTM D882−97(本願明細書に組み込まれたものとする)に記載されている手順に従った。変化率は、下記の式に従って計算された。
【0089】
【外4】
Figure 2004536758
【0090】
試験の結果が、表1−1に示される。
【0091】
【表1−1】
Figure 2004536758
【0092】
本発明のカップリング剤を使用することによって、二次被膜の物理的特性が改善することが判った。
(実施例2)
本発明のカップリング剤を含んだインクの物理的性質および沈降速度も、試験された。試験されたインクは、次の基本的組成物を有した。すなわち、略35重量パーセントのRCC 12−892と、略30重量パーセントのRCC 13−215と、略15重量パーセントのPhotomer 4127と、略10重量パーセントのSR−506と、略3重量パーセントのIrgacure 1850と、略10重量パーセントの顔料と、を有した。顔料は、TiOからなる白色顔料であった。試験されたカップリング剤は、実施例1において試験されたカップリング剤と同一のものであった。各カップリング剤が、インクの上記の基本的組成物の試料に略0.2重量パーセント添加された。TiOをベースとして略5重量パーセントのDisperbyk 164を含むコントロールインクが用意された。上述したベース被膜と、TiOをベースとして略5重量パーセントのA−174シランと、が含まれている第5の測定用試料も用意された。
【0093】
カップリング剤が、白色顔料の分散剤として使用された。ネッチ(Netzsch)の小なる媒体ミル(ネッチ社(Netzsch)から入手できる)及びおよび0.65mmのジルコニア粉砕媒体が、本発明のカップリング剤の重量で略0.2重量パーセントを含んでいるベース組成物に、顔料を粉砕するために使用された。本発明のカップリング剤がDisperbyk 164又はA−174シランによって置換されたことを除いて、コントロールインクが同様に調合された。
【0094】
上記した5種類の被膜試料であり、75μmの厚さとされた硬化フィルム試料の各々は、各試料に対して、引張り強さ、伸び率、ヤング率及びセカントモジュラスの変化率が、上述の如き方法(ASTM D882−97)によって、測定され評価された。かかる実験の結果が、表2−1に示される。
【0095】
【表2−1】
Figure 2004536758
【0096】
本発明のカップリング剤を含んだインクは、引張り強さ、ヤング率およびセカントモジュラスが増加することを示した。本発明のカップリング剤を含んでいるジルコン酸塩を有する被膜も、伸び率の増加を示した。
上記の5つの測定用試料の沈降速度も評価された。しかし、かかる試料は、光開始剤を含まなかった。それぞれの分散剤を含む各インク被膜の10ml試料は、閉じられた目盛りが付された小びんにおいて分析された。透明な流体の体積が、1週間を基本として観察された。透明な流体は、顔料から分離した被覆樹脂を示した。かかる結果が、下記の表2−2に示される。
【0097】
【表2−2】
Figure 2004536758
【0098】
本発明のカップリング剤を含んだインクは、コントロールより小なる沈降速度を呈した。
さまざまな改質および振幅が本発明の精神と範囲から逸脱することなく、本発明に作られることができることは、当業者にとって明らかである。様々な変形と変更が本発明の精神及び範囲から離れることなく、本発明に対して実施できることは、当業者にとって明白である。従って、本発明が、特許請求の範囲及びそれと均等なものの範囲内で規定された発明の変形及び変更を含むことを企図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
被覆された光ファイバの断面図である。
【図2】
光ファイバリボンの断面図である。
【符号の説明】
10 光ファイバ
16 一次被膜
18 二次被膜
20 インク

Claims (16)

  1. 光ファイバ被膜組成物であって、
    前記光ファイバ被膜組成物はシリコンを有する化合物が含まれていないカップリング剤からなる紫外線硬化性組成物を含み、
    前記組成物は前記組成物が硬化した後に少なくとも略50MPaのヤング率を有する、ことを特徴とする光ファイバ被膜組成物。
  2. 前記カップリング剤は、チタン酸塩を有する化合物、ジルコン酸塩を有する化合物、及びこれらの混合物からなる化合物群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、ことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 前記カップリング剤は、少なくとも1つのチタン酸塩を有する化合物を更に含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  4. 前記チタン酸塩が、チタン酸テトラ(2,2−ジアルコキシメチル)ブチル−ジ(ジトリデシル)ホスフィト、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリネオデカノイル、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニル、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)ホスファト、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)ピロ−ホスファト、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(N−エチレンジアミノ)エチル、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(m−アミノ)フェニル、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリヒドロキシ−カプロイル、及びこれらの混合物、からなる化合物群のうちの少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする請求項3記載の組成物。
  5. 前記カップリング剤は、少なくとも1つのジルコン酸塩を含む化合物を更に含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  6. 前記ジルコン酸塩が、ジルコン酸ジ(ジトリデシル)ホスフィト、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリネオデカノイル、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニル、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)ホスファト、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)ピロ−ホスファト、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(モアミノ)フェニル、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリメタクリル、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリアクリル、ジルコン酸ジネオペンチル(ジアリル)オキシ−ジパラミノベンゾイル、プロピオン酸ジルコン酸ジネオペンチル(ジアリル)オキシ−ジ(3−メルカプト)、及びこれらの混合物、からなる化合物群のうちの少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする請求項5記載の組成物。
  7. 前記紫外線硬化性組成物は更に顔料を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  8. 光ファイバ被膜であって、
    シリコンを含む化合物が含まれていないカップリング剤からなる紫外線硬化性被膜を有し、
    前記被膜は、ガラスファイバの外部表面から略5μm以上離れた位置に配されている、ことを特徴とする光ファイバ被膜。
  9. 前記カップリング剤は、チタン酸塩を含む化合物、ジルコン酸塩を含む化合物、及びこれらの混合物からなる化合物群から選択された少なくとも1つの化合物を有することを特徴とする請求項8記載の被膜。
  10. 前記チタン酸塩化合物が、チタン酸テトラ(2,2−ジアルコキシメチル)ブチル−ジ(ジトリデシル)ホスフィト、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリネオデカノイル、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニル、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)ホスファト、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)ピロ−ホスファト、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(N−エチレンジアミノ)エチル、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(m−アミノ)フェニル、チタン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリヒドロキシカプロイル、及びこれらの混合物、からなる化合物群のうちの少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする請求項9記載の被膜。
  11. 前記ジルコン酸塩が、ジルコン酸ジ(ジトリデシル)ホスフィト、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリネオデカノイル、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニル、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)フォスファト、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(ジオクチル)ピロ−ホスファト、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリ(モアミノ)フェニル、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリメタクリル、ジルコン酸ネオペンチル(ジアリル)オキシ−トリアクリル、ジルコン酸ジネオペンチル(ジアリル)オキシ−ジパラミノベンゾイル、プロピオン酸ジルコン酸ジネオペンチル(ジアリル)オキシ−ジ(3−メルカプト)、及びこれらの混合物、からなる化合物群のうちの少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする請求項9記載の被膜。
  12. 光ファイバの製造方法であって、
    前記光ファイバの表面に紫外線硬化性組成物を非直接的に配するステップを含み、
    前記組成物がシリコンを有する化合物が含まれていないカップリング剤からなる、ことを特徴とする製造方法。
  13. 前記カップリング剤は、チタン酸塩を含む化合物、ジルコン酸塩を含む化合物、及びこれらの混合物からなる化合物群から選択された少なくとも1つの化合物を有することを特徴とする請求項12記載の製造方法。
  14. 光ファイバ被膜であって、
    シリコンを有する化合物が含まれていないカップリング剤からなる紫外線硬化被膜を含み、
    前記硬化被膜が、硬化後の被膜を相対湿度が略85%で85℃の環境で少なくとも略14日間曝した後に、略10%未満の引張り強度の変化率を有する、ことを特徴とする被膜。
  15. 光ファイバ被膜であって、
    シリコンを有する化合物が含まれていないカップリング剤からなる紫外線硬化被膜を含み、
    前記硬化被膜が、硬化後の被膜を相対湿度が略85%で85℃の環境で少なくとも略14日間曝した後に、略10%未満のヤング率の変化率を有する、ことを特徴とする被膜。
  16. 光ファイバ被膜であって、
    シリコンを有する化合物が含まれていないカップリング剤からなる紫外線硬化被膜を含み、
    前記硬化被膜が、硬化後の被膜を相対湿度が略85%で85℃の環境で少なくとも略14日間曝した後に、略15%未満のセカントモジュールの変化を有する、ことを特徴とする被膜。
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