JP2004536048A - ミント臭のない冷却剤を含む物品 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、哺乳類の身体に接触して着用される物品、特に女性用ナプキン、パンティライナー、タンポン、失禁パッド、おむつ、陰唇間パッド、発汗パッドのような衛生使い捨て吸収性物品に関する。更に詳しくは、本発明は、哺乳類の身体に接触して着用されるのに好適な物品であって、哺乳類の身体面上の温度受容器を刺激して、身体表面温度を変える必要なく物品の着用者に爽快感を伝達することができるミント臭のない冷却剤を含む物品を指向する。
【0002】
乳児用のおむつ又は女性用の衛生ナプキンもしくはパンティライナーのようなヒトの身体に接触して着用される物品は、保護力及び使用時の快適性のような種々の特徴に関して近年大幅な改良がなされているが、更なる改良、即ちこのような物品の着用感を、特に長時間の着用時に一層快適にすることへの消費者の要望がなお存在する。
【0003】
従って、本発明の目的は、哺乳類の身体、好ましくはヒトの身体に接触して着用される、着用感をより快適にする物品を提供することにある。着用感の快適さの改良は、顕著な爽快感、特に長時間持続する爽快感を提供することによって実現できることが現在見出されている。
【0004】
従って、本発明の特定の目的は、改良された快適性、特に爽快感及び更には長時間持続する爽快感を送給する、ヒトの身体に接触して着用されるのに好適な物品を提供することである。
【0005】
本発明の更なる目的は、ヒトの身体に接触して着用されるのに好適であり、湿潤感を与えることなく爽快感を送給する物品を提供することである。
【0006】
本発明の更に別の目的は、皮膚及び/又は粘膜表面に接触して着用されるのに好適な物品であって、接触する皮膚及び/又は粘膜表面に安全でありながら爽快感を送給する物品を提供することである。
【0007】
上記の目的は、哺乳類の身体に接触して着用されるのに好適な物品であって、身体表面温度を変える必要なく該物品の着用者に爽快感を伝達することができるミント臭のない冷却剤を含む物品を提供することによって実現されることが今や見出された。
【0008】
本明細書で用いるミント臭のない冷却剤は、典型的には、メンソールを除く本明細書に後述されるケタール、カルボキサミド、シクロヘキサノール誘導体、シクロヘキシル誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書に用いるのに特に好ましい冷却剤は、メンチルラクテートである。これらの冷却剤はすべて、長時間持続する冷却性に加えて、メンソールよりも皮膚刺激が少なく、ミント型の臭気が実質的になく、室温で物理的に安定であるという利点を有する。実際に、上記の冷却剤はメンソールと対照的に室温では昇華せず、それによって物品の保管中の安定性が改良され、必要とされるときまで、即ち、着用されるときまで及び着用中に全体的な活性の可能性を維持する。
【0009】
ヒトの身体に接触して着用される物品、特に衛生用使い捨て物品(衛生ナプキン、パンティライナー、タンポン、陰唇間パッド、及び/又はおむつ等)への冷却剤の使用は、皮膚及び/又は粘膜表面(例えば、膣部分)の温度を変えることなく爽快感を送給し、これは着用時間が長時間であっても起こり、それによってこのような物品の着用感をより快適にする。有利なことに、これらの爽快性は該物品と皮膚及び/又は粘膜表面との接触時にいかなる湿潤感も知覚されることなく送給され、それによって顕著な清潔感が得られる。更に、該物品の着用者が爽快感及びドライ感を知覚することで、着用者の発汗傾向を低下させると考えられる。
【0010】
さらなる利点は、本発明による物品がこれらの利益を着用者に安全でありながら送給することである。実際に、本明細書に記載されている冷却剤は皮膚及び粘膜表面に対して安全な特性を有する。更に別の利点は、これらの利益が、本明細書において熟考されない、メンソール及びペパーミント油に典型的には付随する強力なミント臭なく送給されることである。
【0011】
本発明の哺乳類の体に接触して着用される物品に使用される冷却剤は、皮膚及び/又は粘膜表面の温度を変える必要なく、主観的な爽快感を生じる能力を有する。この爽快感は、本明細書で冷たさ/清涼感とも呼ばれ、哺乳類の身体の温度受容器の刺激に起因する。実際に、冷却剤は知覚神経終末の冷受容器に対する直接刺激として作用し、それが次に中枢神経系を刺激すると考えられている。更に、刺激の残留によって長時間持続する爽快感が送給され、これが皮膚及び/又は粘膜表面と物品、より厳密には冷却剤との直接接触を停止した後でも付与されることは注目に値する。
【0012】
冷却剤は、ニート(粉末、フレーク、粒子、蝋、液体等)で存在してもよく、又は溶液、懸濁液、分散体、エマルション等としてキャリアビヒクル内に存在してもよい。更に、冷却剤はマイクロカプセル、吸収性材料、セル、接着剤、エモリエント剤含有組成物、固体支持体、ナノフェーズ微粒子構造等によって放出可能な状態で含有されてもよい。実際に、本明細書の好ましい実施形態では、本発明の物品は、冷却剤を放出可能な状態で含有するため、並びに該物品の着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の少なくとも一部に該冷却剤を送給するためのデリバリーシステムを含む。デリバリーシステムはいかなる構成であってもよく、例えば、粉末、粒子、もしくはフレーク状、又は溶液、分散体、懸濁液、エマルション等の冷却剤を含有する構成が挙げられるがこれらに限定されない。デリバリーシステムは、マイクロカプセル、吸収性材料、ナノフェーズ微粒子構造、セル、接着剤、固体支持体等、又はエモリエント剤含有組成物のような構造を具備してもよい。好ましいデリバリーシステムは、エモリエント剤含有組成物である。本発明の1つの態様において、エモリエント剤含有組成物は、エモリエント剤及び冷却剤から本質的になり、いかなる追加化合物も含有しない。好ましくは、デリバリーシステムは、物品の着用中に皮膚に近接、より好ましくは該物品の着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の少なくとも一部上に、冷却剤を配置する。
【0013】
有利なことには、エモリエント剤含有組成物の存在は、物品の着用時間が長時間のときに皮膚の健康を維持し、又は改善さえしながら、最適化された爽快感を送給する。デリバリーシステム、好ましくはエモリエント剤含有組成物の存在は、物品の着用者により速い爽快感/知覚を提供し、並びに着用時間が長時間の場合に持続的な爽快感を提供することから望ましい。実際、理論に縛られることなく、該デリバリーシステム、即ちエモリエント剤含有組成物(好ましくは本明細書に後述するエステル誘導体−例えば、トリエチルシトレート)は、本明細書に記載の冷却剤のキャリアとして作用し、冷却剤が物品中のその位置から着用者の身体表面(皮膚及び/又は粘膜表面)に移動し、皮膚の外層(角質層)に浸透して、哺乳類の皮膚及び/又は粘膜表面の温度受容器に直接及び長時間接触するのを助けると考えられる。実際には、該デリバリーシステム、即ち本明細書に後述するエステル誘導体のようなエモリエント剤含有組成物は、冷却剤がその標的、即ち温度受容器により速く到達するのを助け、それによってより即時の爽快感を付与し、冷却剤を温度受容器と長時間接触した状態に保ち、それによって同レベルであるがニートな冷却剤を含む同じ物品と比較して長時間持続する爽快感を促進する。換言すれば、デリバリーシステム、即ち本明細書に後述するエステル誘導体のようなエモリエント剤含有組成物の存在は、冷却剤の制御された拡散を可能にし、それによって持続的な爽快感を、着用時間が長時間(典型的にはこうした物品の通常の着用時間に相当する数時間まで)の場合でさえ生じる。更に、エモリエント剤の存在は皮膚を加湿/水和及び柔軟化し、荒れ、ひび割れ、及び皮膚刺激を減少する傾向がある。
【0014】
更に、このようなデリバリーシステム、即ち本明細書に後述するエモリエント剤含有組成物の存在は、冷却剤の可溶化を助け、それによって物品の少なくとも一部への冷却剤の均一な適用(望ましい場合)を容易にする。本明細書の好ましい実施形態において、冷却剤は物品の着用者に面する表面上に均一に適用され、それによって更に物品の長時間の着用中の、より速い及び持続する爽快感に寄与する。
【0015】
デリバリーシステム、即ち本明細書に後述するエモリエント剤含有組成物の存在の更なる利点は、本明細書の物品の保管及び使用時の冷却剤の物理的及び化学的安定性への寄与である。
【0016】
本明細書の好ましい実施形態において、本発明の物品は通気性、即ち液体蒸気透過性、好ましくは空気透過性である。実際に、該物品の通気性は、爽快感及びドライ感、特に長時間持続する爽快感及びドライ感に更に寄与する。理論に縛られることなく、通気性物品の使用によって、該物品が覆う皮膚の表面温度をより快適に維持することができ、それは非通気性物品と比べて、消費者がこのような物品を着用しないときの皮膚表面温度に一層近いと考えられる。これは、性器部位により理想的又は「正常」な温度知覚を提供し、それによって本発明の物品中の冷却剤の存在によって付与される爽快感に寄与する。物品の通気性はまた、物品/皮膚境界面の湿度を低下させ、従ってドライ感を増大する。この着用者への爽快感及びドライ感の増大は、顕著な清潔感を生じる。
【0017】
通気性物品、好ましくは通気性衛生使い捨て物品を使用することによって、使用中の着用者への改良された快適さ(即ち、改良された爽快感及びドライ感)が付与されるだけでなく、悪臭の知覚も減少される。通気可能な環境は、主要な快適さの利益(爽快感及びドライ感)に寄与するだけでなく、ヒトの身体に接触して着用される物品上への体からの排出物に典型的に伴う悪臭の有効な減少又は防止さえも提供すると考えられている。実際に、物品の通気性は、着用者の皮膚と物品の間にある高温多湿で嫌気性の環境を低減し、悪臭発生の原因として知られている微生物の成長の全体的な減少に寄与する。更に、着用者の皮膚周辺と物品の間の高温多湿で閉塞的な環境を改善することで、着用者の発汗性も低下する。その結果、付随する発汗関連の臭いの量も減少する。
【0018】
本明細書の実施形態において、本発明の物品は、冷却剤の上部にいかなる臭気抑制剤(例えば、ゼオライト、ケイ酸塩、シリカ、キレート化剤、酸化剤、抗菌剤等)を含んでもよい。このような物品は、使用の際の快適さ及び自由裁量の更なる改善に特に有益である。
【0019】
本発明は、好ましくは、包帯、熱パッド、ニキビパッド、冷却パッド、リストクーラー、パップ、外科用パッド/包帯、保護用寝具カバー、保護衣、手袋、靴下、枕カバー、保護フェイスマスク、装飾/流行品又はアイウェア、人工装具(prothesis)、プラスター、ラップ、補聴器及び同等品、発汗を吸収するための衛生物品(例えば、発汗パッド、腋窩発汗パッド、靴の中敷、シャツインサート、運動着、ライナー付きキャップ等)、並びに動物等の糞尿吸収用衛生物品と同様に乳児及び成人用の衛生使い捨て吸収性物品(例えば、パンティライナー、女性用ナプキン、失禁パッド、おむつ、タンポン、陰唇間パッド、胸当て、ヒト排泄物処理用具等)を指向する。
【背景技術】
【0020】
米国特許第5,649,914号及び米国特許第5,797,892号では、トイレ訓練用補助製品が開示されているが、この補助製品は、着用者が製品内に尿をすると加熱又は冷却効果を生じる。この加熱又は冷却効果は、トイレ訓練の方法を補助するための試みとして、着用者に不快感を与えることを意図している。この加熱又は冷却効果は、製品自体には有用な機能を与えない。その代わり、トイレ訓練用補助製品は、着用者に何らかの行動を起こさせるように働く(つまり、濡れた製品を脱いで新しいものを着用させる)。更に、トイレ訓練用補助製品は、製品自体の内部の状態のみに反応し、製品と着用者間の状態には反応しない。その上、トイレ訓練用補助製品は短時間だけ機能し、典型的な着用時間において相対的湿度又は温度を持続して低下させるようには設計していない。欧州特許第704195号は、感温反応性化学物質を含有する月経検出器として使用する衛生ナプキンを開示している。このような感温反応性化学物質の例には、チオ硫酸ナトリウム又は次亜硫酸ナトリウムが挙げられ、これは月経のような高温液体に接触し溶解したときに低温に変化することによって反応可能である。本明細書に上述している衛生使い捨て吸収性物品に関するこの技術は、身体表面温度を変える必要なく物品の着用者に爽快感を伝達することによって、着用者の快適性を改良するための努力を全く教示していない。
【0021】
皮膚及び/又は粘膜表面に清涼感を提供するこのような生理学的冷却剤は、それ自体と同様に、飲料物及びチューインガムのような食用組成物、シェーブローション、防臭剤、フェイスクリーム、シャンプー、化粧石鹸及び歯磨剤のような化粧製品、葉巻、タバコ及び噛みタバコのようなタバコ調製品への利用が知られている。例えば、米国特許第5,451,404号、米国特許第5,266,592号、又はドイツ国特許第26,08,226号参照。国際公開第96/14840号も、痛み緩和剤としてのメンチルラクテートの使用を開示している。
【0022】
先行技術の参照文献はいずれも、爽快感、即ち長時間持続する爽快感を、身体表面温度を変える必要なく物品の着用者に伝達することができ、それによって改良された快適さ及び行動の自由さを送給するミント臭のない冷却剤を含む、哺乳類の身体に接触して着用されるのに好適な物品、即ち衛生ナプキン及び/又はパンティライナーのような衛生用使い捨て物品を開示及び示唆していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、哺乳類の身体に接触して着用されるのに好適な物品、好ましくは使い捨て衛生物品、即ち衛生ナプキン及び/又はパンティライナーのような衛生吸収性物品を包含し、該物品が、身体表面温度を変える必要なく物品の着用者に爽快感を伝達するミント臭のない冷却剤を含む。
【課題を解決するための手段】
【0024】
好ましい実施形態において、前記物品は、ミント臭のない冷却剤を含有し、該物品の着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の少なくとも一部にそれを送給するためのデリバリーシステムを含む。好ましくは、該デリバリーシステムは、冷却剤の上部にエモリエント剤を含むエモリエント剤含有組成物である。エモリエント剤含有組成物は、物品の着用者に物品が皮膚及び/又は粘膜表面に接触すると同時に爽快感をより短時間で送給することを可能にし、同時に長時間の着用時間、典型的には物品の着用時間の間中爽快感を維持し、これは一方で皮膚の健康を維持し、又は改善さえする。
【0025】
好ましい実施形態では、本発明の物品は通気性である。着用者の皮膚と物品との間の高温多湿で閉塞的な環境を低減する物品の通気性は、爽快感及びドライ感に寄与し、着用時間が長い場合には、それによって顕著な清潔感が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
「物品」とは、本明細書において、ミント臭のない冷却剤を含むことができ、哺乳類の身体、即ちヒトの身体の皮膚及び/又は粘膜表面に直接接触して着用されるのに好適な三次元固体又は半固体基質/物質を意味する。「着用される」とは、本明細書において、接触され、少なくとも数分間及び典型的には1時間又は数時間にわたってその位置が保たれることを表す物品を意味する。
【0027】
本明細書で「使い捨て物品」という用語は、洗濯されるか、さもなければ物品として復元又は再利用されることを意図しない(即ち一回の使用後に捨てられるか、好ましくはリサイクルされるか、堆肥化にされるか、さもなければ環境に適合する方法で処理されることを意図する)物品を説明するために用いられる。
【0028】
本明細書で使用するとき、「衛生物品」という用語は、乳児及び成人又は動物による使用のための、快適性及び/又は医療用途の種々の物品を表す。
【0029】
本明細書で「吸収性物品」という用語は、流体及び/又は排泄物、特に体液/体からの排泄物を受け入れること及び/又は吸収すること及び/又は含有すること及び/又は保持することのできる、あらゆる製品を含むきわめて広い意味で用いられる。本明細書で「吸収性物品」とは、衛生ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、陰唇間パッド、タンポン、胸当て、汗吸収用腋窩パッド、カラーインサート、乳児用おむつ、成人用失禁おむつ、及びヒト排泄物処理用具を含むがこれらに限定されない。典型的にはこれらのヒトの尿又は糞便処理用具は、孔を有する袋及び孔の周囲にフランジを具備し、このフランジは着用者の泌尿器及び/又は肛門の領域に好ましくは接着剤で取り付けるためのものである。当業界で周知の尿又は糞便処理用具は、いずれも本明細書に用いるのに好適である。このような処理用具は、例えば、国際公開第99/00084号〜第99/00092号に記載されている。
【0030】
本明細書で用いるとき、用語「着用者に面する」表面は、吸収性物品の使用中、一般に着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の方を向く物品の構成要素の表面を指す。本明細書で使用するとき、「衣類に面する」表面は、物品の反対側の外表面を指し、典型的には衣類と直接接触して着用された場合に着用者の衣類の方を直接向く表面を指す。
【0031】
本明細書で使用するとき、「体液及び/又は排泄物」という用語は、自然に又は例えば、皮膚を切ってしまった場合のように、事故によって生じるヒト又は動物の体が生産するあらゆる流体/排泄物を指し、発汗、尿、経血、糞便、膣分泌物などが挙げられる。
【0032】
本明細書で使用するとき、「皮膚の健康を維持する」という用語は、健康な皮膚の自然な状態を保つことを意味する。「皮膚の健康を改善する」という用語は、皮膚への悪影響の程度を低減することを表す。これらの用語は、物品によって覆われる領域の皮膚の健康を説明する。本明細書の物品は、個人の着用者の様々な部位における皮膚の健康を維持し、又は改善さえすることが理解される。
【0033】
(ミント臭のない冷却剤)
本発明によると、前記物品は身体表面温度を変える必要なく該物品の着用者に爽快感を伝達することができるミント臭のない冷却剤を必須成分として含む。
【0034】
「ミント臭のない」冷却剤とは、本明細書において、身体表面温度を変える必要なく該物品の着用者に爽快感を伝達することができる任意の冷却剤を意味し、それはメンソール又はペパーミント油よりも放臭性が低い。換言すれば、メンソール又はペパーミント油に関連する強力なミント臭がしない。それ故、「ミント臭のない冷却剤」とは、典型的にはメンソール及び/又はペパーミント油を除く任意の冷却剤を意味する。
【0035】
本明細書に用いるのに好適な冷却剤は、冷却作用(本明細書で爽快さの作用とも呼ばれる)が、これらの冷却剤が哺乳類の身体の表面でいかなる温度変化も生じることなく、高温又は低温の検知を担う哺乳類の身体の神経終末へ直接作用することによる生理学的作用であるすべての冷却剤を含む。これらの冷却剤は神経終末の冷受容器に対する直接刺激として作用し、それが次に中枢神経系を刺激すると考えられている。このようにして、爽快感(本明細書で清涼感とも呼ばれる)は皮膚温度の実際の変化なしに刺激される。刺激の持続性により、長時間持続する清涼感が、冷却剤を取り除いた後でも送給される。
【0036】
本明細書において清涼感は、特定個人に個人的なものであることが理解されるはずである。皮膚試験は多少主観的なものであり、同じ試験を受けたある者が他の者よりも多い又は少ない清涼感を経験することは、認められなければならない。冷却の知覚は、皮膚上の温度受容器の密度及び皮膚の厚さに依存する。典型的には、皮膚が薄いほど清涼感(本明細書で爽快感とも呼ばれる)が強いことが観察されている。いかなる理論にも拘束されないが、皮膚が薄いほど、皮膚を通じた冷却剤の浸透がより急速になり、その吸収レベルがより高くなると考えられている。更に、地理的要因及び/又は種族が爽快さの知覚に更なる役割を果たすことが研究で実証されている。
【0037】
理論に拘束されることなく、冷却剤は皮膚表面を通って浸透し、冷受容器の膜を脱分極する(カルシウムイオン交換を阻止することによって神経細胞膜の内側と外側の電位差をなくす)ことができると考えられている。低温の知覚は、この脱分極の結果である。
【0038】
更に詳しくは、カルシウムの冷却剤の特性を制限することによって、神経細胞膜の外側と内側のカルシウムイオン濃度の平衡が妨げられると考えられている。換言すると、神経細胞膜の外側のカルシウムイオンレベルを低下させることによって、該膜が脱分極され、神経繊維の放電率の上昇及びそれによって中枢神経への電気的刺激の移動を生じる。
【0039】
いかなる理論にも縛られることなく、この長時間持続作用は、冷却剤とカルシウムイオン複合体の結合安定性に関係すると考えられている。冷却剤−カルシウムイオン複合体の安定性が高いほど、カルシウムが冷却剤に結合する時間が長くなり、爽快感が長くなる。
【0040】
冷却剤活性に関する研究は、冷却剤の分子構造の4つの特徴が、爽快感/清涼感の伝達に特に重要であることを示している。H.R.ワトソン(Watson)ら、化粧品化学会誌(Journal of the Society of Cosmetic Chemist)、第29巻、185〜200頁、1978年を参照し、これを本願に引用して援用する。
【0041】
本明細書での使用に好適な冷却剤は、次の特性を有する。
−水素結合機能−冷却剤は明らかに、水素に結合できる原子又は基を有する必要がある。分子の水素結合能力が強いほど、冷却作用が強い。ただし、分子内に1超過の水素結合基が存在すると、分子が適切な親油性をもはや持たないため、その冷却作用が低下し得る。
−身体の温度受容器が「認識」できるほどの小さな炭化水素骨格。
−冷却性を付与し、それを外皮膚層のような生物学的膜を浸透できるようにするための親水性部分と疎水性部分とのバランス−このバランスを決定する最も一般的な方法は、ハンシュ(Hansch)のlogP値−ハンシュ(Hansch)による水とn−オクタノールの分配係数−を用いるものである。logP値は、物質の薬理学的活性において、特にそれが皮膚を通じてどのように輸送されるかに関しての決定的要因として認識されている。本明細書に用いるのに好適な冷却剤のlogP値は、一般に約2.0〜3.0である。
−典型的には、150〜350の分子量。
【0042】
本明細書で用いるのに特に好適な、メンソール/ペパーミント油に伴うミント臭のない冷却剤には、メンソールを除くケタール、カルボキサミド、シクロヘキサノール誘導体、及び/又はシクロヘキシル誘導体が挙げられる。有利なことに、これらの化合物はすべて、(特に高濃度で)皮膚に灼熱感及び痒みを引き起こすことが知られているメンソール/ペパーミント油よりも皮膚に安全な特性を有する。
【0043】
(ケタール):
本明細書で使用するのに好適なケタールは次の式による。
【0044】
【化1】
式中、R1は、少なくとも1個であるが3個を超えないヒドロキシル基、好ましくは1個のヒドロキシル基を有するC2〜C6アルキレン基を表し、R2及びR3はどちらも互いに、独立に、ヒドロキシル、アミノ、及びハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素)を含む群から選択された1〜3個の基によって場合により置換されたC1〜C10アルキル、C5〜C7シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、C6〜C12アリール、好ましくはフェニルであり、ただしR2及びR3のC原子の総数が3個以上であり、又はR2及びR3が合せてアルキレン基を表し、該アルキレン基はR2及びR3基に結合する炭素原子と一緒に5〜7員環を形成し、その場合このアルキレン基はC1〜C6アルキル基によって置換されることが可能である。
【0045】
好ましい基R2及びR3は、メチル、イソプロピル、及びt−ブチルを含む。
【0046】
基R2及びR3の長さは化合物Iの作用に影響し、短い基は即時の短い影響を生じ、長い基は遅延の、しかし長時間の作用を生じる。化合物の水への溶解度が望まれる場合、短鎖のR2及びR3を有する化合物を使用するのが好ましい。
【0047】
好ましい基R1は、1,2−及び1,3−アルキレン基を包含し、それが、2個の酸素原子と合せて及び該2個の酸素原子が結合する炭素原子と合せて、ジオキソラン又はジオキサン環を形成する。
【0048】
R2及びR3が合せてアルキレン基を表す好ましい化合物Iは、次の式の化合物である。
【0049】
【化2】
式中、R4〜R15は互いに、独立に、水素又はC1〜C6アルキル、好ましくは水素又はC1〜C4アルキルを表し、m及びnは互いに、独立に、0又は1を表す。
【0050】
式Iaの好ましい化合物は、m+nの合計が1である化合物、即ち、場合により置換されたシクロヘキサノンのケタールである。
好ましい置換基は、特に1〜3が存在してもよく、メチル、イソプロピル、及びt−ブチルである。
【0051】
ケタールIは、既知の方法で調製することができる。例えば、ケタールIは一般に、ケタールIがベースとするケトンと、3個以上及び5個以下、好ましくは3個のヒドロキシル基を有する等量以上の脂肪族C3〜C6アルコールとの酸触媒反応によって調製される。一般に、ケタールIがベースとするケトン、及び0.5ツール当量(tool equivalents)以上であるが、原則として、この量より1.2〜4倍、好ましくは1.5〜3倍過剰の、3〜5個のヒドロキシル基を有するC3〜C6アルコールが用いられる。使用できる酸触媒の例は、触媒的に有効な量のp−トルエンスルホン酸、リン酸、又は硫酸水素カリウム(例えば、ケトン1モル当たり0.1〜3gのp−トルエンスルホン酸)である。反応は、好ましくは有機溶剤又は水消費型の共試薬のいずれかの中で行われ、有機溶剤は水と合せて共沸混合物を形成し、その結果、ケタールの形成の間遊離される水を共沸飛沫同伴によって除去することができ、水消費型の共試薬には、例えば、トリアルキルオルトエステルが使用される。好ましい有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレン、及びトリクロロエチレンを含む。
【0052】
反応は、水がもはや分離しないとき又はエステル/アルコール混合物がもはや分離しないときに完了とみなすことができる。生成物はその後、希アルカリ及び水で洗浄し、有機層を分離及び乾燥し、溶媒を除去し、適切であれば残留物を精製する(例えば、蒸留によって)ことが推奨される。
【0053】
特に好ましいケタールIは、次の式のものである。
【0054】
【化3】
式中、R1は上述の意味を有する。
【0055】
特に好ましいケタールは、ケタールIIである。
【0056】
本明細書に使用されるケタールIは、非対称C原子を有することができ、従って光学異性体が発生し得る。出発物質及び使用する調製方法に応じて、該ケタールは、光学異性体の混合物の形態又は純粋な異性体の形態で存在し得る。異性体の冷却作用は異なると考えられ、そのため一方又は他方の異性体が好ましい可能性がある。
【0057】
これらのケタールは、例えば、米国特許第5,266,592号に記載及び例示されており、その全体を本願に引用して援用する。
【0058】
市販のケタールの例には、R1がエチル−(2−ヒドロキシメチル)である上記の式(II)のケタール、即ちメントングリセロールケタールが挙げられ、これはハーマン&ライマー社(Haarmann & Reimer GmbH)(ドイツ)よりフレスコラト(Frescolat)MGAの名前で入手できる。
【0059】
(カルボキサミド)
本明細書で用いるのに最も有用であることが見出されたカルボキサミドは、米国特許第4,136,163号(1979年1月23日、ウェイソン(Wason)ら)、及び米国特許第4,230,688号(1980年10月28日、ロウセル(Rawsell)ら)に記載されているものである。双方の全てを本願に引用して援用する。
【0060】
本明細書に用いるのに特に好適なカルボキサミドは、N−置換−p−メンタン3−カルボキサミド(米国特許第4,136,163号)である。これらの化合物は、次の式の3−置換−p−メンタンである。
【0061】
【化4】
式中、R’は、単独では、水素又は25個までの炭素原子を含有する脂肪族基であり;R”は、単独では、水素又は25個までの炭素原子を含有する脂肪族基であり、ただしR’が水素のとき、R”は10個までの炭素原子を有する置換フェニル、フェナルキル(phenalkyl)又は置換フェナルキル、ナフチル及び置換ナフチル、ピリジルからなる群から選択されるアリール基であってもよく;並びにR’及びR”は、それらが結合している窒素原子と合せたときには、25個までの炭素原子を有する環式又は複素環式基、例えば、ピペリジノ、モルホリノ等を表す。
【0062】
上記の定義において、「脂肪族」とは、いかなる直鎖、分枝鎖、もしくは環状の遊離基又は芳香族不飽和も含むことを意図し、従ってアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アシルアミノアルキル、カルボキシアルキル、及び類似の組み合わせを包含する。
【0063】
R’及びR”が脂肪族である場合、典型的な値は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、n−デシル、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチルメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ-n-プロピル、6−ヒドロキシ−n−ヘキシル、2−アミノエチル、2−アセトキシエチル、2−エチルカルボキシエチル、4−ヒドロキシブチ−2−イニル、カルボキシメチル等である。R”がアリールのとき、典型的な値は、ベンジル、ナフチル、4−メトキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メチルフェニル、3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル、4−フルオロフェニル、4−ニトロフェニル、2−ヒドロキシナフチル、ピリジル等である。
【0064】
本明細書に用いるのに好適なその他のカルボキサミドは、米国特許第4,230,688号に開示されている非環式第三級及び第二級カルボキサミドであり、これを本願に引用して援用する。これらは次の構造を有する。
【0065】
【化5】
式中、R’及びR”は、単独では、それぞれ水素、C1〜C5アルキル、又は1〜C8ヒドロキシアルキルであり、合計で8個を超えない炭素原子を提供し、ただしR’が水素のとき、R”は6個までの炭素原子を有するアルキルカルボキシアルキルであってもよい。
【0066】
R’及びR”は、合せたときには、6個までの炭素原子を有するアルキレン基を表し、該基の反対の両末端がアミド窒素原子に結合し、それによって窒素複素環を形成し、その炭素鎖は場合により酸素によって介挿されてもよい。
【0067】
R1は水素又はC1〜C5アルキルであり;R2及びR3は各々C1〜C5アルキルであり;ただし(i)R1、R2、及びR3は合せて合計で少なくとも5個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を提供し;(ii)R1が水素のとき、R2はC2〜C5アルキルであり、R3はC3〜C5アルキルであり、R2及びR3の少なくとも一方は分枝状で、好ましくは式中に印(*)が付けられた炭素原子を基準にしてα位又はβ位で分枝している。
【0068】
使用する化合物が非対称炭素原子を有する場合、いずれの光学異性体も純粋な形態で使用してもよいが、一般に光学異性体の混合物は使用される。場合によっては、化合物が皮膚上に生じる冷却の程度は光学異性体によって異なり、その場合一方又は他方の異性体が好ましい可能性がある。
【0069】
本明細書に用いるのに好ましいカルボキサミドは、第三級化合物、即ち、R1、R2、及びR3の各々がC1〜C5アルキルであるもの、特にR1がメチル、エチル、又はn−プロピルであり、R2及びR3の少なくとも一方が、式中に印(*)が付けられた炭素原子を基準にしてα位又はβ位で分枝している分枝鎖基であるものである。一置換アミド(mon-substituted amide)、即ちR’がHであるもの、並びにR’及びR”がメチル又はエチルである二置換アミドも好ましい。更に好ましい基は、R1が水素であり、R2及びR3の少なくとも一方が、式中に印(*)が付けられた炭素原子を基準にしてα位で分枝している場合に得られる式のアミドを含む。
【0070】
カルボキサミドは従来の方法、例えば式、R1R2R3COClの酸塩化物を式、HNR’R”のアミンと塩化水素受容体の存在下で反応させることによって容易に調製できる。このような反応は、全く一般的であり、使用する手順は当業者に容易に理解される。
【0071】
本明細書に用いるのに特に好適なカルボキサミドは、次の式の一置換第三級アミドである。
【0072】
【化6】
式中、R1、R2、及びR3は各々C1〜C5アルキルであり、合せて合計で少なくとも5個、好ましくは5〜10個の炭素原子を提供し;R’はC1〜C5アルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、又は8個までの炭素原子を有するアルキルカルボキシアルキルである。この基においてR1は好ましくはメチル、エチル、又はn-プロピルであり、R2及びR3の1つ又はいずれもが、印(*)が付けられた炭素原子を基準にしてα位又はβ位で分枝している。
【0073】
このような脂肪族カルボキサミドの例は、IFF(International Flavors &Fragrances−米国)よりWS−23(登録商標)の名前で市販されているメチル−(N,2,3−トリメチル)−2−イソプロピルブタンアミドである。このような環状カルボキサミドの例は、ローディア・シレックス(Rhodia Chirex)(英国)よりWS−3(登録商標)の名前で市販されているエチルメンタンカルボキサミドである。
【0074】
(シクロヘキサノール誘導体)
本明細書で用いるのに好適なシクロヘキサノール誘導体は、次の一般式で表される。
【0075】
【化7】
式中、Rは1〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す。
【0076】
その正式な名前は2−(2−アルコキシ-1-メチルエチル)-5-メチル-シクロヘキサノールである。上記の化合物は、複数の立体異性体を有する。立体異性体はいずれも強い冷却活性を有し、実質的に無臭であるが、次の一般式で表されるシクロヘキサノール誘導体は、例えば、清涼感の持続性の点から好ましい。
【0077】
【化8】
式中、Rは1〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、即ち(1R,2S,5R,8R)−2−(2−アルコキシ−1−メンチルフレチル)−5−メチルシクロヘキサノールを表す。
【0078】
本明細書で用いるのに好適なシクロヘキサノール誘導体には、次の一般式のものも挙げられる。
【0079】
【化9】
式中、R1及びR2は、独立に、水素、又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基である。
【0080】
上記の一般式(1)及び(1a)でRで表されるか又は式(2)でR1及びR2で表される1〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、及びネオペンチル基が挙げられる。このうち、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、及びn−ペンチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0081】
これらの化合物は、米国特許第5,756,857号にその製法を含めてより詳細に記載されており、これを本願に引用して援用する。
【0082】
上記の式(2)のシクロヘキサノール誘導体の市販品の例は、タカサゴ(Takasago)(日本)よりクールアクトP(Coolact P)(登録商標)の名前で入手できる5−メチル−2−(1−メチルエテニル)である。
【0083】
(シクロヘキシル誘導体)
本明細書で用いるのに好適なシクロヘキシル誘導体は、次の一般式で表される。
【0084】
【化10】
式中、Rは−H、1〜5個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアシルオキシ基を表し、R1は−H、又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表すが、ただしR及びR1がいずれも水素である化合物を除く。
【0085】
上記の化合物は、複数の立体異性体を有する。立体異性体はいずれも強い冷却活性を有し、実質的に無臭であるが、R及びR1の両方が水素(即ちメンソール)である場合を除き、次の一般式で表されるシクロヘキシル誘導体は、例えば清涼感の持続性の点から、本明細書に用いるのに好適である。
【0086】
【化11】
非常に好ましい化合物は、R1=H及びRがプロパンジオール、カルボキシ−ヒドロキシエチル、又はカルボキシヒドロキシプロピルである上記の式の化合物である。これらの化合物の例は、タカサゴ(Takasago)よりTK10(登録商標)の名前で入手できるメントキシプロパンジオールである。
【0087】
きわめて好ましいシクロヘキシル誘導体は、メンチルラクテートである。メンチルラクテートは、次の式による。
【0088】
【化12】
この化合物は、ハーマン&ライマー社(Haarmann & Reimer GmbH)(ドイツ)よりフレスコラト(FRESCOLAT)タイプMLの名前で市販されている。それはまた、メンソールのヒドロキシ基を乳酸でエステル化することによって、当該技術分野において既知の方法で容易に製造することもできる。その分子量の3分の2はメンソール部分に依存し得る。メチルラクテートは実質上無臭であり、メンソール又はペパーミント油の場合に通例の「ミント標識」を持たない。有利なことに、この物質は局所用鎮痛剤(本願に引用して援用する国際公開第96/14840号参照)として有用であることが見出された。
【0089】
本明細書に用いるのに好適なその他の冷却剤には、カンファー、ボルネオールユーカリプトール、サリチル酸メチル、茶木油、及び/又はユーカリ油、並びにこれらの化合物を1つ以上含有する植物抽出物も挙げられる。
【0090】
本発明の物品は、物品が接触し、それによって所望の爽快感を送給する皮膚及び/又は粘膜表面の領域の熱受容器を刺激するのに十分な量の冷却剤を含む。爽快感の程度及び持続性は化合物によって異なるため、身体の皮膚及び/又は粘膜表面と接触して着用される物品の各々に使用される冷却剤の量は広く変動する。
【0091】
典型的には、衛生使い捨て吸収性物品のような本発明の物品は、該物品の少なくとも一部に、冷却剤又はその混合物を物品当たり0.01gm-2〜300gm-2、好ましくは0.05〜200gm-2、更に好ましくは1gm-2〜100gm-2、最も好ましくは2gm-2〜20gm-2の含有量で含む。
【0092】
本発明は、ミント臭のない冷却剤、好ましくは本明細書に記載されているケタール、カルボキサミド、シクロヘキサノール誘導体、シクロヘキシル誘導体、又はこれらの混合物が皮膚及び/又は粘膜表面に接触して着用される物品に存在することが、外部温度条件を変更する必要なくユーザーに爽快感及びドライ感を提供するという発見に基づいている。有利なことに、本明細書に上述されているミント臭のない冷却剤を用いた物品は、物品の着用時間が長時間のときに、皮膚の痒み又は皮膚の灼熱感を与えることなくユーザーに快適な爽快感及びドライ感を付与する。
【0093】
(デリバリーシステム)
好ましくは、冷却剤は、物品の着用者によって爽快感が知覚されるために、物品の着用者の皮膚への冷却剤の移動を直接的又は間接的に促進する、当業者に既知のいかなるデリバリーシステムにも放出可能な形で組み込まれる。デリバリーシステムは、粉末、フレークもしくは粒子状、蝋、液体としてニートな冷却剤を含有してもよく、又は溶液、懸濁液、分散体、エマルション、もしくは組成物としてキャリアビヒクル内に冷却剤を含有してもよい。デリバリーシステムから放出されるとき、冷却剤は物品内のデリバリーシステムの位置から着用者の皮膚及び/又は粘膜表面に自由に移動できる。デリバリーシステムは物品の任意の1つ又は複数の部分の構成成分でもよく、衛生吸収性物品の場合、該構成成分にはトップシート、バックシート、吸収性コア、コアとシートとの中間体の任意の二次層、レッグカフ、サイドパネル、腰部区域、締結具、ウイング、物品の着用中に使用するため吸収性物品に挿入される吸収性材料のような挿入可能要素、排便を収容するために用いられるもののような特殊構造物(例えば、排便「ポケット」)等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、デリバリーシステムは着用者の皮膚に隣接して位置し、より好ましくはトップシート、サイドパネル、レッグカフ、腰部区域、締結具、ウイング等のような物品の部分の着用者に面する表面の構成成分である。
【0094】
冷却剤がデリバリーシステムによって放出されるとき、それは溶液、分散体、懸濁液、エマルション等の活性物質の形態であってもよく、又は粉末、蝋、フレーク、もしくは粒子状のような非機能的形態であって尿及び糞便からの水分との接触もしくはその他の既知の手段によって活性化されてもよい。
【0095】
物品のいずれかの部分から着用者の皮膚及び/又は粘膜表面への冷却剤の自動的移動を促進するために、本発明の物品で有用なデリバリーシステムの種類は、当業者に容易に理解される。
【0096】
代表的なデリバリーシステムには、例えば、体液からの水分との接触による溶解時、又は身体からの圧力による破裂もしくは物品を着用者に適用する前のユーザーによる手動での破裂時に冷却剤もしくは冷却剤組成物の送り出しが誘発される、圧力破裂もしくは溶解性マイクロカプセルが挙げられる。例えば、粉末を封入し、湿気と接触させたときそれを送り出す水溶性フィルムが米国特許第4,790,836号に記載されており、該水溶性フィルムは粉末、粒子、液体、又は半固体などの任意の形状の冷却剤を含有するマイクロカプセルにおける使用にも好適な物質である。冷却剤を含有するのに好適な圧力破裂マイクロカプセルの例が、米国特許第3,585,998号に記載されている。そのようなマイクロカプセルは、着用者に面する表面を含む吸収性物品の任意の部分に存在してもよい。米国特許第4,623,339号に使用前に物品から取りはずすことができ、手動で圧力をかけて活性化して層の切り口を通じて物質を送り出すことのできる挿入可能な層について記載されている。前記特許のそれぞれの開示を参考のために本明細書に示す。
【0097】
冷却剤又は冷却剤組成物を含有するのに好適なその他のデリバリーシステムには、閉塞された又は部分的に閉塞された空隙である物品内の定形又は不定形の「セル」であって、水分、熱、又は圧力と接触したときに冷却剤を放出するもの、並びに水溶性接着剤及び水分等との接触で冷却剤を放出するその他のかかる化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
用いるデリバリーシステムにかかわらず、冷却剤又は冷却剤含有組成物は放出時にその当初の位置から移動可能であってもよく、例えば、体液の流れによって、着用者の動きによって、圧力等によって、又は体温への暴露による粘度低下によって、物品内の他の領域に移動してもよい。親水性であるか又は親水性のビヒクルに組み込まれた冷却剤は、親水性の孔又はその他の体液がトップシートからコアへ流れるのを可能にする開口部を通るなどして、物品の親水性構造全体に移動する。ただし、好ましくは、冷却剤を含有するデリバリーシステムは、着用者の皮膚に隣接して位置付けられる。
【0099】
本明細書に好適なその他のデリバリーシステムには、多種多様なキャリアビヒクルも挙げられる。冷却剤のキャリアビヒクルには、ローション、クリーム、油、軟膏、粉末、エマルション、フォーム、又はゲルの形態の組成物が挙げられる。冷却剤の典型的なキャリアビヒクルには、水溶液又はアルコール溶液、炭化水素油、脂肪酸エステル、長鎖アルコール及びシリコン油のような油及び脂肪、デンプン又はタルク等のような超微粒子状固体が挙げられる。
【0100】
好ましい実施形態において、冷却剤は物品のいかなる場所にも位置付けることができるエモリエント剤含有組成物の溶解、懸濁、又は乳化組成物であるが、好ましくは物品の着用者に面する表面、例えば、衛生使い捨て吸収性物品のトップシート、ウイング、レッグカフ、締結装置等に組み込まれる。
冷却剤の含有及び送給に好適なエモリエント剤含有組成物は、後で更に詳しく記載されている。
【0101】
このような好ましい実施形態において、エモリエント剤含有組成物は0.1重量%〜99.9重量%、好ましくは3重量%〜90重量%、より好ましくは5重量%〜60重量%、最も好ましくは10重量%〜40重量%の冷却剤又はその混合物、及び99.9重量%〜0.1重量%、好ましくは97重量%〜10重量%、より好ましくは95重量%〜40重量%、最も好ましくは90重量%〜60重量%のエモリエント剤又はその混合物を含む。
本明細書で非常に好ましいエモリエント剤含有組成物は、エモリエント剤又はその混合物及び冷却剤又はその混合物を含有する。
【0102】
有効濃度の冷却剤を着用者に送給するビヒクルとしての機能に加え、エモリエント剤組成物は、特に皮膚に有益であり、皮膚の水和及び柔軟性を改善し、それによって皮膚の健康を維持し、又は改善さえする。本明細書での使用に好適なエモリエント剤は、皮膚上での被膜形成能力を確保し、皮膚と直接接触したときに皮膚を軟化して皮膚の脱水防止を助け、それによって皮膚の痒み又は灼熱感の発生を減少し、又は除去さえする。本明細書での使用に好適なエモリエント剤はまた、自身を表皮の層の間に置くことができ(表皮(角質層)に天然に含有される物質との類似性による)、それによって皮膚の弾性を強化する。
【0103】
エモリエント剤の存在、特に本明細書に後述するようなエステル誘導体の存在により、物品の着用中に最適な爽快さの特性が生じる。冷却剤が同じレベルであるがこのようなエモリエント剤(典型的にはトリエチルシトレートのようなエステル誘導体)を含有しない類似物品と比べて、爽快感が、物品着用時により短時間で送給されるだけでなく、長時間にわたって持続/制御される。理論に拘束されることなく、エモリエント剤の存在は冷却剤を可溶化し、冷却剤が皮膚及び/又は粘膜表面の外層を通ってより素早く浸透するのを助け、温度受容器に容易に利用できるようにする。更に、エモリエント剤はその皮膚及び粘膜表面への高い親和性により、皮膚上に付着して長時間にわたって皮膚/粘膜内に接触し続け、それによって冷却剤を皮膚を通じて長時間拡散することができ、これが更に長時間持続する爽快感を生じる。
【0104】
エモリエント剤含有組成物は、エマルション、分散体、懸濁液、ゲル、蝋等を含むこれらに限定されない種々の形態であってもよい。
【0105】
物品を介して有効濃度の冷却剤を長時間送給するための、物品の着用者に面する表面の1つ以上に適用又は移動される冷却剤を含有するエモリエント剤含有組成物の有効量は、使用するエモリエント剤に大いに依存する。
物品の着用者に面する表面の少なくとも一部でのエモリエント剤含有組成物の量は、好ましくは0.5g/m2〜250g/m2、より好ましくは4g/m2〜80g/m2、更により好ましくは8〜40g/m2の範囲にわたる。
【0106】
本明細書で後に議論するように、冷却剤を着用者の皮膚に移動させるのに有用なエモリエント剤含有組成物は、好ましくは、必然的ではないが、室温で比較的不動であって物品の着用者に面する表面に局在し、体温で着用者に容易に移動可能であり、さらには極端な保存条件下で完全な液体ではないような融解特性を有する。好ましくは、該組成物は通常の接触、着用者の動き、及び/又は体熱によって容易に皮膚に移動可能である。該組成物は、好ましくは、物品の着用者に面する表面にほぼ不動化されるので、所望の利益を付与するには比較的低いレベルの組成物が必要とされる。
【0107】
実施形態の1つでは、本明細書で有用なエモリエント剤含有組成物は、冷却剤が水相又は油相のいずれかの溶液又は懸濁液中にある油中水型エマルションである。ただし、エモリエント剤含有組成物それ自体は、20℃、即ち、室温で固体でもよく、より多くの場合には半固体でもよい。「半固体」とは、組成物が擬塑性体又は塑性流体の典型的なレオロジーを有することを意味する。剪断力が適用されないときは組成物の外観は半固体であり得るが、剪断速度が増加されたときには流動性となり得る。これは、組成物が主として固体の構成成分を含有する一方で、液体成分も含むという事実による。
【0108】
好ましい組成物は、物品着用前の組成物の移動を最少にするため、室温で少なくとも半固体である。更に、組成物は好ましくは、45℃(例えば、アリゾナの倉庫、フロリダでの車のトランク)より高くなり得る「ストレスの多い」可能性がある保存条件を超える最終融点(100%液体)を有する。具体的に、好ましい組成物は以下の融解特性を有する。
【0109】
【表1】
室温で固体又は半固体であることによって、冷却剤を含有する好ましいエモリエント剤含有組成物は、該組成物が適用される物品の望ましくない位置に大量に流動及び移動する傾向を有さない。このことは、望ましいリフレッシュ及びスキンケアの利益を付与するのに必要な組成物が更に少ないことを意味する。
【0110】
本明細書で使用するとき、「エモリエント剤」という用語は、皮膚を湿気又は刺激に対して保護する、軟化する、沈静化する、柔軟にする、コーティングする、滑らかにする、潤いを与える、保護する、及び/又は洗浄する物質である。(「エモリエント剤類」という用語が本明細書で用いられるとき、それは上に列記されたモノグラフの活性物質の数種類であることが認識されるであろう。)好ましい実施形態では、このようなエモリエント剤は、室温、即ち、20℃にて塑性体又は液体のいずれかの粘度を有する。
【0111】
本発明で有用な代表的なエモリエント剤には、石油系エモリエント剤;スクロースエステル脂肪酸;ポリエチレングリコール及びその誘導体;保湿剤;脂肪酸エステル型;アルキルエトキシレート型;脂肪酸エステルエトキシレート類;脂肪アルコール型;ポリシロキサン型;プロピレングリコール及びその誘導体;C8〜C28脂肪酸のグリセリド、アセトグリセリド、及びエトキシ化グリセリドを含むグリセリン及びその誘導体;鯨蝋又は他の蝋類;脂肪酸、特に、ミリトール(mirytol)のような8〜28個の炭素原子を脂肪鎖に有するもの;脂肪アルコールエーテル類、特にセチオール、ステアリン酸のような8〜28個の炭素原子を脂肪鎖に有するもの;プロポキシ化脂肪アルコール;ポリヒドロキシアルコールの他の脂肪酸エステル;ラノリン及びその誘導体;カオリン及びその誘導体;ソルビトール及びその誘導体;トリヒドロキシステアリン;又はこれらのエモリエント剤の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
好適な石油系のエモリエント剤には16〜32個の炭素原子の鎖長を有する炭化水素類、又は炭化水素類の混合物が挙げられる。これらの鎖長を有する石油系炭化水素には、鉱油(「液状ワセリン」としても知られる)及びワセリン(「鉱物ワックス」、「石油ゼリー」、及び「鉱物ゼリー」としても知られる)が挙げられる。鉱油は通常16〜20個の炭素原子を有する炭化水素の粘性の低い混合物を指す。
【0113】
好適な脂肪酸エステル型のエモリエント剤には、C8〜C28脂肪酸、好ましくはC12〜C22飽和脂肪酸、及び短鎖(C1〜C8、好ましくはC1〜C3)の一価アルコール類に由来するものが挙げられる。そのようなエステルの代表的な例としては、メチルパルミテート、メチルステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルへキシルパルミテート、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な脂肪酸エステルのエモリエント剤は、ラウリルラクテート及びセチルラクテートのような、長鎖の脂肪アルコール(C12〜C28、好ましくはC12〜C16)及び短鎖の脂肪酸(例えば、乳酸エステル)のエステルからも誘導できる。
【0114】
好適なアルキルエトキシレート型エモリエント剤には、約2〜約30の平均エトキシ化度を有するC8〜C22脂肪アルコールエトキシレートが挙げられる。好ましくは、脂肪アルコールエトキシレートエモリエント剤は、約2〜約23の範囲の平均エトキシ化度を有するラウリルエトキシレート、セチルエトキシレート、ステアリルエトキシレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。このようなアルキルエトキシレート類の代表例には、ラウレス−3(3の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート)、ラウレス−23(23の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート)、セテス−10(10の平均エトキシル化度を有するセチルアルコールエトキシレート)、及びステアレス−10(10の平均エトキシル化度を有するステアリルアルコールエトキシレート)が挙げられる。
【0115】
好適な脂肪アルコール型のエモリエント剤には、C8〜C22脂肪アルコール、好ましくはC16〜C18脂肪アルコールが挙げられる。代表例には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0116】
本明細書で使用するのに好適なその他の種類のエモリエント剤には、ポリシロキサン化合物が挙げられる。一般に、本発明で使用するのに好適なポリシロキサンには、以下の構造のモノマーシロキサン単位を有するものが挙げられる。
【0117】
【化13】
式中、R1及びR2は、それぞれ独立したシロキサンモノマー単位について、それぞれ、独立に、水素、もしくは任意のアルキル、アリール、アルケニル、アルカリール、アラキル、シクロアルキル、ハロゲン化炭化水素、又はその他の基であり得る。そのような基のいずれも置換又は非置換であり得る。いずれかの特定の単量体単位のR1及びR2基は、次に結合する単量体単位の相当する官能基と異ってもよい。加えて、ポリシロキサンは直鎖状、分枝状、又は環状構造のいずれかであり得る。R1及びR2基は付加的に、独立に、シロキサン、ポリシロキサン、シラン、及びポリシランなどのシラン官能基であり得るが、これらに限定されない。R1及びR2基は、例えば、アルコール、カルボン酸、フェニル、及びアミン官能基を含む多様な有機官能基のいずれかを含有してもよい。代表的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、オクタデシル等である。代表的なアルケニル基は、ビニル、アリル等である。代表的なアリール基は、フェニル、ジフェニル、ナフチル等である。代表的なアルカリール基は、トイル、キシリル、エチルフェニル等である。代表的なアラルキル基は、ベンジル、α−フェニルエチル、β−フェニルエチル、α−フェニルブチル等である。代表的なシクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル等である。代表的なハロゲン化炭化水素基は、クロロメチル、ブロモエチル、テトラフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロトロイル、ヘキサフルオロキシリル等である。
【0118】
好適な脂肪酸エステル型エモリエント剤にはまた、1997年3月11日にロウ(Roe)に発行された米国特許第5,609,587号に記載されているように、ポリオールポリエステルが挙げられ、これを本明細書に引用して援用する。代表的なポリオールとしては、ペンタエリスリトールなどの多価化合物;ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、スクロース、グルコース、キシロース、フルクトース、マルトース、ラクトース、マンノース、及びエリトロースなどの糖;並びにエリスリトール、キシリトール、マリトール、マンニトール、及びソルビトールなどの糖アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなポリオールは、少なくとも2〜30個の炭素原子を有する脂肪酸及び/又は他の有機基でエステル化される。一方、ポリオールのヒドロキシル基の全てがエステル化される必要はないが、好ましくは本発明のポリオールポリエステルエモリエント剤は、実質的にはヒドロキシル基のすべて(例えば、少なくとも約85%)がエステル化される。とりわけ好適なのは、スクロースポリコットネート、スクロースポリソイエート、及びスクロースポリベヘネートなどのスクロースポリオールポリエステルである。そのようなポリオールポリエステルの混合物はまた本発明の好適なエモリエント剤である。
【0119】
本明細書に使用するのに特に好ましいエモリエント剤は、下記の式のエステル、アルコール、又は酸誘導体である。
有利なことに、これらの誘導体、特にエステル誘導体は、そのエモリエントの特性に加え、酵素基質として機能することができ、典型的には体液中に存在する加水分解酵素によって作用したときに加水分解されて、その結果遊離酸を放出する。これらの酸の存在は、エステルが局所的に適用される領域のpHを低下させる。その結果、この領域に存在する酵素及びこの領域と体からの排出物との接触により生じる酵素(例えば、リパーゼ酵素、プロテアーゼ酵素等)のすべて又は大部分を不活性化する。この作用は比較的長時間持続する。換言すれば、このようなエステル(特に本明細書に後述する式(II)又は(III)のもの)の存在は、最適な爽快感の特性(物品の長時間の着用時の、より速いだけでなく持続する/制御された爽快感の送給を含む)を提供するだけでなく、皮膚刺激又は皮膚発疹の発生と同様に微生物活動による悪臭を減少し、又は防止さえする。事実、本発明の物品、特に衛生使い捨て吸収性物品にこれらのエステルを使用することで、該物品に皮膚/性器領域の消臭作用という追加利益を提供することができる。
【0120】
本明細書に使用するのに特に好ましいエモリエント剤は、次の式のアルコール、エステル、又は酸誘導体である。
【0121】
【化14】
又は
【0122】
【化15】
式中、R1及び各R2は、独立に、2〜22個の炭素原子を有するアシル基、又は1〜24個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリールアルキルもしくはヒドロキシアルキル基、又は水素であり、好ましくはR1及びR2の少なくとも一方がアシル基であり;R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9は、独立に、1〜24個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシ基、ヒドロキシ基、又は水素であり;R10及びR11は、独立に、2〜24個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシ基、ヒドロキシ基、又は水素であり;A及びBは、独立に、C1〜C6の直鎖又は分枝鎖アルキレン、アルキル、アルケニレン、アルコキシレン、アルコキシル、ヒドロキシアルキレン、ヒドロキシアルキル基であり;xの値は、独立に、0〜15であり;yの値は、独立に、0又は1であり、ただし、典型的にはx=2及びy=0のとき、少なくとも1つのR2が1〜24個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル基、又は水素である。
【0123】
本明細書に用いるのに特に好適なアルコール誘導体は、本明細書に上述している式(I)によるものであり、式中、xは、独立に、0〜15であり、y=0であり、R1及びR2は、独立に、1〜24個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり、ただし、少なくともR1又はR2は水素であり、R3、R4、R5、及びR6は、独立に、1〜3個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルケニル基、又は水素である。非常に好ましいアルコール誘導体は、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールである。
【0124】
好ましいのは、上記で定義されたエステル化合物であり、その際該化合物は、式(I)又は(II)の化合物であって、xは1又は2であり、yは0であり;R1及び1つのR2はC2〜C16アシル基であり、R10及び1つ以上のR11はC2〜C16アルキル基であり;R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は水素であり、R9は、独立に、H又はヒドロキシ基である。
【0125】
更に一層好ましくは、エステル誘導体は、式(II)のモノもしくはジエステルであり、最も好ましくはクエン酸もしくは酒石酸(もしくはその塩)のモノもしくはジエステル、又はクエン酸のトリエステルである。
【0126】
本明細書に用いるのに好適な別のエステル誘導体は、次の式のエステル化合物である。
【0127】
【化16】
式中、R1、R2、及びR3は、独立に、1〜22個の炭素原子を有するアシル、アルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキル基であり、R4、R5、R6、R7、及びR8は、独立に、C1〜C10直鎖又は分枝鎖アルキル、アシル、アルケニル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシ基、ヒドロキシ、塩化物、臭化物、アミン、又は水素からなる群から選択される。
【0128】
非常に好ましいのは、前記化合物のR4、R5、R7、及びR8が水素であり、R6が水素、ヒドロキシ、C1〜C4の直鎖もしくは分枝鎖アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、又はアルコキシ基であり、好ましくはR1、R2、及びR3が、独立に、C1〜C4アルキル基又は水素である上記化合物である。
このような好ましいエステル誘導体には、トリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチルシトレート、Oアセチルトリエチルシトレートが挙げられる。特に好ましいのは、トリエチルシトレートである。トリエチルシトレートはアルドリッチ(Aldrich)社から市販されている。
【0129】
(任意の成分)
本発明に基づく製品は、その他の従来の剤又はその混合物を更に含むことができる。
【0130】
(任意選択的な臭気抑制剤)
この目的のために、当該技術分野において周知の臭気抑制剤又はその組み合わせを本明細書において使用してもよい。これらの臭気抑制剤は、典型的には、抑制しようとする臭気の種類に従って分類される。臭気は、酸性、塩基性、又は中性のように化学的に分類することができる。
【0131】
あるいは、臭気抑制剤は悪臭の感知を減少又は防ぐ機構により分類してもよい。本明細書において使用できる臭気抑制剤には、例えば、臭気化合物もしくは悪臭分解物を生成する化合物と化学的に反応することで、臭気のない化合物を生み出すか、又は消費者に受け入れられる臭気にするものがある。
【0132】
本明細書に用いるのに好適な臭気抑制剤には、典型的には、クエン酸、ラウリン酸、ホウ酸、アジピン酸、及びマレイン酸などのカルボン酸、酸化剤、抗菌剤、活性炭、粘土、ゼオライト、シリケート、シリカ、珪藻土、及びデンプンが挙げられる。こうした臭気抑制剤及び抑制系は、欧州特許第348978号、欧州特許第510619号、国際公開第91/12029号、国際公開第91/11977号、国際公開第91/12030号、国際公開第81/01643号、及び国際公開第96/06589号に詳細に開示されており、これらすべてを本願に引用して援用する。きわめて好ましい臭気抑制剤は、ケイ酸塩及び/又はシリカと組み合わせたゼオライトである。
【0133】
本明細書での好ましい実施形態において、物品、特に衛生吸収性物品は、臭気抑制剤として、ケイ酸塩/シリカ対ゼオライトの重量比が1:5〜5:1、好ましくは3:1〜1:3、最も好ましくは約1:1でケイ酸塩/シリカと組み合わせたゼオライトを更に含む。この組み合わせは、幅広い臭気化合物の臭気を抑制できる点で特に有効であることが見出された。ケイ酸塩/シリカ及びゼオライトは様々な臭気化合物に対して補足的な臭気抑制特性を有しており、それによって顕著な全体的臭気低減効果を生じる。
【0134】
その他の臭気抑制剤にはイオン交換樹脂があり、例えば、米国特許第4,289,513号及び米国特許第3,340,875号に開示されているものがある。
【0135】
好適な臭気抑制剤にはキレート化剤が挙げられ、例えば、米国特許第4,356,190号に記載されているようなエチレンジアミンテトラアセテートなどのアミノカルボン酸塩、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)などのアミノホスホネート、米国特許第3,812,044号に記載されているような多官能置換芳香族キレート化剤、及びこれらの混合物から選択してもよい。理論に縛られることを意図せずに、これらの材料の利点は、吸収された流体に存在する鉄、銅、カルシウム、マグネシウム、マンガンイオン、及びキレート形成による分解生成物を除去する例外的な能力にあるとある意味では考えられている。
【0136】
本明細書に用いるのに好適なもう1つの臭気抑制剤は、クエン酸、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びソルビン酸緩衝系などの酸性のpH調整剤である。
典型的には、本明細書の物品は臭気抑制剤又はその混合物を0gm-2〜600gm-2、好ましくは5〜500gm-2、更に好ましくは10gm-2〜350gm-2、最も好ましくは20gm-2〜200gm-2の含有量で含んでもよい。
【0137】
本発明の1つの実施形態において、本発明による物品は、冷却剤の上部に、任意の芳香剤又はその混合物も含んでよい。このような物品は、着用者の快適性を更に改良するのに特に有益である。実際に、理論に拘束されることなく、選択された芳香剤の存在は爽快感及び清潔感を増大すると考えられている。芳香剤の存在はまた、典型的には体液から発生する悪臭を、その臭気隠蔽活性によって抑制する。本発明の別の実施形態において、本発明の物品は、いかなる芳香剤も含有しない。芳香剤の添加は、その存在を、女性ケアにおける否定的なもの及び/又は皮膚刺激を生じる可能性のあるものとして認識される臭気の存在に関連付ける衛生婦人保護物品の一部の着用者には、望ましくない場合がある。
【0138】
物品への冷却剤の組み込み
(ビヒクル)
本発明の物品に用いる冷却剤は、水溶性でも脂溶性でもよく、乾燥粉末又は粒子状のようなニートな形態で、又は冷却剤の新鮮さの作用を妨害しない皮膚科学的に許容可能なキャリアビヒクルの溶液、懸濁液、分散体、エマルション等の形態で、該物品に組み込まれてもよい。冷却剤は、別の構造に組み込まれ、それが次に製造又は組み立ての間に物品に組み込まれてもよい。例えば、冷却剤はナノフェーズ粒子状構造、又はガラス、プラスチック、もしくはアガロースビースなどのその他の固体支持体にコーティングされてもよいし、そうでなければ付加されるかもしくは結合されてもよいし、又は圧力破裂もしくは溶解性マイクロカプセル等に含有されるか、又は吸収性材料に含有されてもよい。冷却剤を含有するための他の種類の組み込み可能な要素の使用、及びそれらの組み込み方法は当業者に容易に理解される。
【0139】
冷却剤のキャリアビヒクルには、ローション、クリーム、油、軟膏、粉末、発泡体、又はジェル等の形態の組成物、及びそのような組成物に当該技術分野において一般的に使用されるいずれかの成分を含有する組成物が挙げられる。組成物の成分は組成物の特性に依存し、それ故、例えば、ローションは一般に粉末とは異なる成分を含む。皮膚への移動を意図する冷却剤含有組成物は、約4以上かつ約7.5以下のpHを有することが好ましい。
【0140】
(組み込み)
本発明の物品に用いられる冷却剤は、物品の多様な構造の通常の機能(例えば、コアの吸収性、トップシートの液体浸透性等の衛生吸収性物品のためのもの)をそれ自体が妨害しない構成で物品に組み込まれる。デリバリーシステムは物品の任意の1つ以上の部分に組み込まれてもよく、該部分にはトップシート、バックシート、吸収性コア、コアとシートとの中間体の二次層、レッグカフ、サイドパネル、腰部区域、ウイング、締結具、物品の着用中に使用するため吸収性物品に挿入される吸収性材料のような挿入可能要素、排便を収容するために用いられるもののような特殊構造物(例えば、排便「ポケット」)等が挙げられるが、これらに限定されない。冷却剤はニートで物品に組み込まれてもよいし、又は冷却剤は物品の前記部分のいずれかに組み込まれ、物品の通常の着用中に着用者の皮膚に直接的又は間接的に冷却剤を送給する、本明細書に上述されているデリバリーシステムに含有されてもよい。
【0141】
任意の数の異なる冷却剤又は冷却剤の混合物は、それがデリバリーシステムに組み込まれているか否かに拘わらず、物品全体及び/又は物品の数層のうちの一層の表面上に均一又は不均一に分配されてもよい。
【0142】
好ましくは、冷却剤は、当業者に容易に明らかである多様な方法によって、製造又は組み立ての際に、織布、不織布、及び孔あき構造のトップシートを含む、いかなる種類のトップシート、バックシート、及び/又は吸収性コア物質、又は吸収性物品の他の構成要素の表面(典型的には着用者に面する表面)又は構造物内に直接組み込まれてもよい。例えば、冷却剤は、液体又は半固体のキャリアビヒクルに場合により分散した後で、トップシート、吸収性コア、又はバックシートのコア側に、噴霧、浸漬、転写、ソーキング、又はその他の選択される構造要素を冷却剤及び場合によりそのキャリアビヒクルと接触させる方法によって、適用することができる。多くのその他の手法の中で用いることができるのは、その表面が排泄物で濡れたときに、冷却剤を放出するために容易に逆転する水素結合によって、冷却剤を結合するための構造要素のグラフトもしくは基重合又は蒸気処理である。
【0143】
好ましくは、冷却剤は、物品の着用者側の少なくとも一部に組み込まれ、物品着用中の通常の接触、着用者の動き、及び/又は体温による、着用者の皮膚及び/又は粘膜表面への冷却剤の自動的移動に利用できる。別の方法として、物品は、冷却剤を含有するデリバリーシステムを更に含み、物品の着用中に該デリバリーシステムが、物品の着用者の皮膚及び/又は粘膜表面に該冷却剤の少なくとも一部を自動的に送給する。より好ましい実施形態において、デリバリーシステムは冷却剤及び種々のエモリエント剤を含有するエモリエント剤含有組成物であり、本明細書で上述のように、該組成物は着用者に面する表面から着用者の皮膚へ直接送給され、即時的及び持続的な爽快感を実現すると同時に皮膚の健康を維持し、又は改善さえする。
【0144】
(物品)
本発明の物品は、衛生使い捨て物品(例えば、おむつ、成人用失禁製品、腋窩発汗製品、カラーインサート、衛生ナプキン、パンティライナー等)を含めて、典型的には衛生状態を伝達する色を付けて提供される。これが結果として、伝統的に白又は白が優勢な物品を生じた。これは、これらの物品が着用される歴史的に優勢な下着の色、つまり白い下着に十分適合していた。最近の流行の傾向により、黒、紫、赤、黄、緑等の衣服の色に適合する色の下着を着用する傾向がある。実際に、身体に接触して着用される物品にはいかなる色も好適であり、いかなる色調の原色及びその組み合わせもこれに含まれる。有利なことには、下着の色に適合する色の物品、特に衛生物品を提供することによって、使用する際、更に自由に選ぶことができるようになる。物品は、着用者に面する表面のみ及び/又は衣類に面する表面が着色されてもよいし、又はその厚み全体が着色されてもよい。着色は均一でも不均一でもよく、物品の最終用途に応じて多色画像も使用してもよい。
【0145】
更に、特定の色を選択することによって、そのような色の選択が本発明の物品によって送給される爽快感、従って清潔感及び快適感の知覚に更に寄与することが見出された。特に好ましい色は、リラックス及び爽快感を刺激すると考えられている緑及び/又は青である。色の選択は、着用中に所望される感情/雰囲気によって誘発される場合があり、色が雰囲気に及ぼすこの影響は色療法として既知であり、適宜選択されてもよい。
【0146】
物品は典型的には不織布材、又は織布材もしくは高分子フィルム、又はゲルでできた基質を含む。このようなフィルム及び不織布材又は織布材は、例えば、ポリエチレン組成物又はポリプロピレン組成物のようなポリマーから製造できる。従来、このようなポリマーは、白い不透明度を提供するために、二酸化チタンのような彩色材料を備えていた。他の彩色材料(例えば、染料、顔料など)、つまり黒、濃紺、緑、黄色、灰色等のような彩色材料を単純に使用すると、白以外の色の着色フィルム又は材料が得られる。
【0147】
着色された基材を提供するための、当業者に既知のいずれの従来方法も本明細書における使用に好適であることが理解される。着色した基材は、材料を顔料着色、染色、又はカラープリントすることを含む、当業者に周知の種々の方法によって、典型的には提供され得る。
【0148】
本発明の物品は、好ましくは通気性であり、典型的には100(g)/(m2/24時間)より高い、好ましくは200(g)/(m2/24時間)より高い、より好ましくは300(g)/(m2/24時間)より高い、最も好ましくは400(g)/(m2/24時間)より高い水蒸気透過性を(本明細書で後述する水蒸気透過性試験法によって測定したときに)有する。
【0149】
本発明による特に好適な物品は、下に記載するような衛生使い捨て吸収性物品である。
前記物品は典型的には、使用する際に着用者に直接面するトップシートと、使用する際に衣類に直接面するバックシートと、その間に挟まれる吸収性コアを具備する。
【0150】
吸収性コア
本発明によれば、吸収性コアは次の構成成分を含むことができる:(a)任意選択的な一次流体分配層、好ましくは任意選択的な二次流体分配層、(b)流体貯蔵層、(c)貯蔵層の下に配置される任意選択的な繊維質(「ダスティング」)層、及び(d)その他の任意成分。本発明に従って、吸収性コアは消費者の要望に基づいて、任意の厚みを有することもできる。
【0151】
(a.一次及び二次流体分配層)
本発明の吸収性コアの任意成分の1つは、一次流体分配層及び二次流体分配層である。一次流体分配層は、典型的にはトップシートの下に配置し、トップシートと流体を受け渡しできる状態にする。トップシートは、受け取った流体を貯蔵層へ最終的に分散させるために、この一次流体分配層に移送する。この一次流体分配層を通す流体の移送は、厚みの方向だけでなく、吸収性物品の長さ及び幅の方向に沿っても行われる。また、任意選択的ではあるが、あると好ましい二次分配層は、典型的には一次分配層の下に配置し、一次分配層と流体を受け渡しできる状態にある。この二次分配層の目的は、一次分配層からの流体を直ちに受け取り、下にある貯蔵層に迅速に移送することである。これにより、下にある貯蔵層の流体保持能力を助け、利用率を高める。流体分配層は、このような分配層に典型的な任意の材料からも構成することができる。特に繊維質の層は濡れたときでも繊維間に毛管を保つため、分配層として有用である。
【0152】
(b.流体貯蔵層)
典型的には、一次又は二次流体分配層の下に配置し、これらの層と流体連通の状態にあるのが流体貯蔵層である。流体貯蔵層は、典型的には、任意の従来の吸収性ゲル材料を含む。好ましくは、こうした材料を好適なキャリアと合せて含む。
【0153】
好適なキャリアには、一般的に吸収構造に使用する材料が含まれ、例えば、天然繊維、部分加工繊維、又は合成繊維、特に、綿毛及び/又はティッシュの形態の部分加工又は非加工のセルロース繊維が挙げられる。衛生ナプキン及びパンティライナーとして使用するとき、最も好ましいのはティッシュ又はティッシュ積層体である。
【0154】
本発明に基づいて形成する吸収構造の実施形態の1つは、典型的にはティッシュそれ自体を折り畳んで形成する二重層ティッシュ積層体を含む複数層を具備してもよい。これらの層は、例えば、接着剤、機械連動機、又は水素結合バンドにより、互いに接合することができる。吸収性ゲル材料及び/又はその他の任意選択的な材料を層の間に含むことができる。
【0155】
剛化したセルロース繊維のような修飾セルロース繊維も使用することができる。合成繊維も使用することができ、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル(オーロンなど)、ポリ酢酸ビニル、不溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリエステル、二成分繊維、三成分繊維、これらの混合物などから製造したものが含まれる。繊維の表面は親水性であるか、又は親水性であるように処理されたものが好ましい。また、貯蔵層は液体保持性を高めるために、パーライト、珪藻土、バーミキュライトなどのような充填材を含むこともできる。
【0156】
吸収性ゲル材料がキャリア内で不均一に分散される場合でも、貯蔵層は部分的に均一であることができ、つまり、貯蔵層の寸法内で一方向又は複数の方向に分配勾配を有することができる。吸収性ゲル材料を部分的又は全体的に包んでいるキャリアの積層体により、不均一な分散がもたらされることもある。
【0157】
(c.任意の繊維質(「ダスティング」)層)
本発明の吸収性コアに含まれる任意の成分には繊維質層があり、貯蔵層に隣接させて、典型的にはその下に配置する。この下に配置する繊維質層は、典型的には「ダスティング」層と呼ばれるが、それは、この層が吸収性コアの製造中に貯蔵層内に吸収性ゲル材料を配置するための基材を提供するためである。実際、吸収性ゲル材料が繊維、シート、又はストリップのような巨大構造の形態である場合には、この繊維質「ダスティング」層を含む必要はない。しかし、この「ダスティング」層は、例えば、パッドの長さに沿って流体を迅速に吸い上げるような、いくらかの追加の流体処理能力を提供する。
【0158】
(d.吸収構造のその他の任意成分)
本発明による吸収性コアはその他の任意成分を含むことができ、これらは通常吸収ウェブの中に配置される。例えば、補強スクリムは、吸収性コアのそれぞれの層の中、又はそれぞれの層の間に配置することができる。このような補強スクリムは、流体輸送に対して界面バリアを形成しないような配置のものでなければならない。通常は熱接着により構造的に完全な状態にされるが、補強スクリムは通常は吸収構造に熱接着する必要はない。
【0159】
トップシート
本発明による吸収性物品は必須成分としてトップシートを具備する。トップシートは単一の層又は多数の層を具備することができる。好ましい実施形態において、トップシートは、トップシートの着用者に面する表面を提供する第一層、及びその第一層と吸収構造/コアとの間にある第二層(二次トップシートとも呼ぶ)を具備する。
【0160】
トップシートは全体として柔軟で柔らかな感触を有し、着用者の皮膚に刺激がないことが求められ、従って各層にもそれぞれこれらの性質が求められる。また、トップシートは一方向又は二方向に伸びることができる弾力特性を有することができる。本発明によれば、トップシートは、織布、不織布、及びフィルムなど、この目的のために入手可能であり、当該技術分野において既知のあらゆる材料から成形することができる。本発明の好ましい実施形態では、少なくともトップシートの一層、好ましくは上層は、疎水性で液体透過性の孔あきポリマーフィルムから構成される。好ましくは、上層は、着用者に面する表面から吸収構造への液体の移動を促進するための孔を有するフィルム材料によって提供される。下層は存在する場合、好ましくは不織布層、孔あき成形フィルム、又はエアレイドティッシュを具備する。
【0161】
バックシート
バックシートは、主として、吸収構造中に吸収され保持された排泄物が、下着パンツ、ズボン、パジャマ、下着などの吸収性物品に接触する物品を濡らすのを阻止する。バックシートは、好ましくは液体(例えば、経血及び/又は尿)不透過性であり、好ましくは薄いプラスチックフィルムで製造するが、他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。本明細書で使用するとき、用語「可撓性」は、柔軟で、人体の一般的な形状及び輪郭に容易に沿う材料を表す。バックシートは、弾力特性を有し、一又は二方向に伸張可能にすることもできる。好ましい実施形態において、バックシートは、バックシートの衣類に面する表面を提供する第一層、及びその第一層と吸収構造/コアとの間にある第二層(二次バックシートとも呼ぶ)を具備する。
バックシートは、典型的には、吸収構造全体にわたって広がり、好ましいサイドフラップ、サイド被覆要素、又はウイングに伸びて、これらの一部又は全体を形成することができる。
【0162】
バックシートを通じた液体の移動の防止に加え、バックシートは好ましくは通気性である。それ故、バックシートは、それを通じた水蒸気、並びに好ましくは水蒸気及び空気の両方の移動も可能にし、それによって物品に接触する皮膚の湿気及び閉塞環境を低減する。通気性は、本発明による爽快感及びドライ感を更に高める一因となるため、本明細書において好ましい。本明細書において更に好ましいのは、使い捨て吸収性物品が通気性バックシートと孔あきポリマー製フィルムトップシートとの両方を備え、物品の爽快感を更に高めることである。
【0163】
本明細書に用いるのに好適な通気性のあるバックシートには、当業界で周知のすべての通気性のあるバックシートが含まれる。通気性バックシートには基本的に2つの種類があり、1つは単一層の通気性バックシートで、これは通気性及び液体不透過性である。もうひとつは少なくとも2つの層を有するバックシートで、その組み合わせにおいて通気性及び液体不透過性を合せて提供する。
【0164】
本明細書に用いるのに好適な単層通気性バックシートには、例えば、英国特許第2184,389号、英国特許第2,184,390号、英国特許第2,184,391号、米国特許第4,591,523号、米国特許第3,989,867号、米国特許第3,156,242号、及び国際公開第97/24097号に記載されているものが挙げられる。
【0165】
本明細書に用いるのに好適な二層又は多層の通気性バックシートには、米国特許第3,881,489号、米国特許第4,341,216号、米国特許第4,713,068号、米国特許第4,818,600号、欧州特許第203821号、欧州特許第710471号、欧州特許第710472号、国際公開第97/24095号、国際公開第97/24096号、国際公開第97/24097号、及び欧州特許第793952号に記載されているものが挙げられる。
【0166】
特に好ましいのは、欧州特許第813849号で定義された要件に適合したバックシートあり、更に好ましいのは、更に吸収性物品もこの特許文献に記述された要件に適合しているものである。
【0167】
通気性バックシートは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの水蒸気透過性の層を具備してもよい。好適な水蒸気透過性の層には、二次元平面状ミクロ及びマクロ孔質フィルム、モノリシックフィルム、巨視的に伸張したフィルム、及び成形孔あきフィルムが挙げられる。発明に従って、前記の層にある孔はいずれの形状であってもよいが、球形又は楕円形が好ましい。これらの孔は様々な大きさを有していてもよい。好ましい実施形態では、孔は層の全表面にわたって好ましくは均一に分散するが、一定の表面領域だけが孔を有する層も想定される。
【0168】
本明細書で使用する二次元平面状フィルムは、平均直径が1マイクロメートル〜200マイクロメートルの孔を有する。典型的には、本明細書に用いるのに好適な二次元平面状ミクロ多孔質フィルムは、平均直径が150マイクロメートル〜1マイクロメートル、好ましくは120マイクロメートル〜10マイクロメートル、最も好ましくは90マイクロメートル〜15マイクロメートルの孔を有する。典型的な二次元平面状マクロ孔質フィルムは、平均直径が200マイクロメートル〜90マイクロメートルの孔を有する。本明細書に用いるのに好適な巨視的に伸張したフィルム及び成形孔あきフィルムは、典型的には、直径が100マイクロメートル〜500マイクロメートルの孔を有する。バックシートに巨視的に伸張したフィルム又は孔あき成形フィルムを含む本発明の実施形態では、バックシートは典型的にはバックシート表面積全体の5%以上、好ましくは10〜35%の孔面積を有すると考えられる。
【0169】
バックシートの二次元平面状層で好適なものは、当該技術分野において周知の任意の材料で形成することができるが、一般的に入手可能な高分子材料で製造するのが好ましい。好適な材料には、例えば、いわゆる通気性抄紙用具に用いる、当該技術分野において周知のゴアテックス(GORE-TEX)(商標)又はシンパテックス(Sympatex)(商標)タイプの材料がある。その他の好適な材料には、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company、米国ミネソタ州セントポール)のXMP−1001が挙げられる。本明細書において用いられるとき「二次元平面状層」という用語は、1mm未満、好ましくは0.5mm未満の厚みを有する層であり、その孔が層の長さに沿って平均的で均一な直径を有し、孔が層の平面より外に突き出ていない層を意味する。本発明でバックシートとして使用する有孔材料は、欧州特許第293482号及びその特許中の参照文献に記載されているような、当該技術分野において既知の任意の方法を使用して製造してもよい。更に、この方法で製造する孔の大きさは、バックシート層の平面に力を加える(つまり、層を引き伸ばす)ことにより大きくすることができる。
【0170】
好適な有孔成形フィルムには、衣類に面する層の表面の水平面を超えてコアの方向に伸びる分離した孔を有するフィルムが含まれ、これらの孔は突出部を形成している。突出部はその両末端に位置する開口部を有する。好ましくは前記突出部は、米国特許第3,929,135号に記載されているのと同様、漏斗形状である。平面内に配置した孔、及び突出部の末端部に配置した開口部は円形でも非円形でもよく、与えられた横断面の大きさ、又は突出部の末端の開口部領域は、層の衣類に面する表面に配置した横断面の大きさ又は孔領域よりそれぞれ小さい。好ましくは前記孔あき成形フィルムは、コアの方向に少なくとも本質的に(あるいはそうでなくても)完全な一方向の流体移送を有するような単一方向性を有する。本明細書に用いるのに好適な巨視的に伸張されたフィルムには、例えば、米国特許第637,819号及び米国特許第4,591,523号に記載されているフィルムが挙げられる。
【0171】
本明細書に用いるのに好適な巨視的に伸張されたフィルムには、例えば、米国特許第4,637,819号及び米国特許第4,591,523号に記載されているフィルムが挙げられる。
【0172】
好適なモノリシックフィルムにはデュポン社(DuPont Corporation)(米国)から入手できるハイトレル(Hytrel)(商標)、及びインデックス93コングレス(Index 93 Congress)、セッション7A、「不織布への価値の付加(Adding value to Nonwovens)」、カーディナル(J-C.Cardinal)及びトルイエ(Y.Trouilhet)、デュポン・ド・ヌムール・インターナショナル社(DuPont de Nemours international S.A.)(スイス)に記載されているようなその他の材料が挙げられる。
【0173】
バックシートは、前記水蒸気透過層に加えて、追加のバックシート層を具備してもよい。この追加の層は、バックシートの水蒸気透過層の面のどちら側にも配置することができる。追加の層は任意の材料でよく、例えば、繊維質層又は上記に記述したような水蒸気透過層を更に加えてもよい。
【0174】
本明細書において特に好ましい実施形態では、吸収性物品に二層又は多層の通気可能なバックシート構造を用いる。本明細書に用いるのに好適な通気性バックシートは、少なくとも第一及び第二の層を有する。第一層は、吸収性コアの衣類に面する表面と第二層の着用者に面する表面との間に配置する。この層は、吸収性コアから外側に液体が通過することを遅らせるか又は防ぎ、同時に層を通って自由に空気及び水蒸気が透過できるように配置する。第二層は吸収性物品の通気性をカバーするために、水蒸気及び空気透過性を提供する。水蒸気透過性に加えて、空気透過性は吸収性物品の通気性によって生じる快適性に関する利点を更に向上させるために望ましい。
【0175】
このような第一層は吸収性コアに直接接触していることが好ましい。この層は孔が開いていることにより、空気及び水蒸気透過性を提供する。この層は前述の米国特許第A−5,591,510号、又は国際公開第97/03818号、国際公開第97/03795号に従って製造するのが好ましい。特に、この層は毛管を有するポリマーフィルムを含む。この毛管は、フィルムの着用者に面する表面から離れる方向に90°未満の角度をもって伸びている。好ましくは毛管は層の全表面にわたって均一に分散しており、すべて同じ形状である。ただし、このような毛管は表面の一定領域のみ(例えば、吸収性コアの中央負荷ゾーンと一体となった領域の外側部分のみ)に開口孔を有する層に配置されることがある。
【0176】
このような毛管孔を有する三次元ポリマーフィルムの製造方法は、既に記載した孔あきフィルムトップシートの参照文献、孔あき成形フィルムの参照文献、及びミクロ又は巨視的に伸張したフィルムの参照文献に記述された方法と同一又は類似のものである。典型的には、ポリマーフィルム(例えば、LDPE、LLDPE、MDPE、HDPE、もしくはこれらの積層体のようなポリエチレン)又は好ましくはモノリシックポリマーフィルムをその融点付近で加熱し、形成スクリーンを通して吸引力にさらす。この吸引力は、その力にさらされた部分を引っ張り、意図したフィルムの形状になるように孔を形成する。このとき吸引力が十分強いと、フィルムはその末端部で破断し、それによりフィルムを突き抜けた孔が形成される。
【0177】
特に第一層の材料にモノリシックポリマーフィルムを用いると、圧力条件下でも水蒸気透過性を提供できる。孔は「漏れの危険がない」状況の間は空気透過性を提供するが、圧力条件下では毛管を閉じてしまう。一方、モノリシック材料はこのような場合にも水蒸気透過性を保持する。本明細書に用いるのに好ましい通気性モノリシックフィルム材料は、高い蒸気交換性を有するものである。好適なモノリシックフィルムにはデュポン社(DuPont Corporation)(米国)から入手できるハイトレル(Hytrel)(商標)、及びインデックス93コングレス(Index 93 Congress)、セッション7A、「不織布への価値の付加(Adding value to Nonwovens)」、カーディナル(J-C.Cardinal)及びトルイエ(Y.Trouilhet)、デュポン・ド・ヌムール・インターナショナル社(DuPont de Nemours international S.A.)(スイス)に記載されているようなその他の材料が挙げられる。
【0178】
毛管の様々な形態、形状、サイズ、構成配置は、欧州特許第934735号及び欧州特許第934736号に記述されており、これらの文献は参考のため本明細書に組み込まれている。特に、孔は側壁を有する毛管を形成する。毛管はフィルムの着用者に面する表面から離れる方向に伸び、その長さは典型的には少なくとも孔の最大直径規模の水準であるべきであり、この長さは最大孔直径の数倍に達することもある。毛管は、フィルムの衣類に面する表面の平面に第一の孔を有し、上記に記述した方法で吸引力(真空吸引など)が孔を作るとき、その形成された孔である第二の孔を有する。当然、第二の孔の端部はぎざぎざ又は不均一であることがあり、孔の端部から伸び、ルーズ要素を有している。しかし、毛管の第二の孔の端部にある伸びた成分の間に吸収性物品内の吸収性コアから液体が流れ込まないように、孔は可能な限り滑らかである方がよい(反対に、これは孔あきフィルムトップシートにとっては望ましく、このようなルーズ要素が吸引末端の機能を与えることができる)。通気性バックシートの第一層にある毛管は空気及び水蒸気を透過させることができ、毛管は傾斜した向きに傾いていることやその形状によって、これらの透過を妨げることはない。同時に、この傾斜及び形状により、着用者に面する表面から毛管に圧力がかかると、製品の外側に液体が毛管を通って移動することがほとんど不可能になるように、毛管は閉じられると考えられる。その結果、これらの三次元成形フィルム層は通気性吸収性物品の状況に大変好ましく、後述するように提供される追加の第二外層を伴うとき、特に好ましい。
【0179】
本発明の通気性バックシートの第二外層は40g/m2未満、好ましくは28g/m2未満の坪量を有する繊維質不織布ウェブである。更に好ましくは、第二外層は、13g/m2未満の坪量を有する合成繊維から製造したメルトブロウン不織布層、及び同様に合成繊維から製造したスパンボンドしている不織布層の層状構造によって形成された繊維質不織布ウェブである。
【0180】
本明細書における最も好ましい実施形態では、バックシートは少なくとも次の第一層及び第二層を具備する。第一層は弾性三次元ウェブであり、毛管を形成する孔を有する液体不透過性ポリマーフィルムから構成され、この毛管はフィルム平面に対して垂直ではなく、フィルム平面に対して90°未満の角度をもって配置する。第二層は多孔質ウェブの通気性層であり、13g/m2未満の坪量を有する合成繊維から製造したメルトブロウン不織布層、及び合成繊維から製造したスパンボンドしている不織布層の繊維質不織布複合ウェブである。
【0181】
本発明の吸収性物品に通気性バックシートとして使用するとき、バックシートは、少なくとも次の2つの層を具備する。1つの層は弾性三次元ウェブの通気性の層であり、毛管を形成する孔を有する液体不透過性ポリマーフィルムから構成され、この毛管はフィルム平面に対して垂直ではなく、フィルム平面に対して90°未満の角度をもって配置する。もう1つの層は多孔質ウェブの通気性の層であり、40g/m2未満(厳密には約28g/m2)の坪量を有する繊維質不織布ウェブから構成され、更に本発明の顕著な利点の一因となる。実際、これらのバックシートは快適性、ユーザーの下着の汚れ防止、ドライ感などの点で非常によく機能し、同時に不織布層の坪量が減ったことにより更なる快適性を提供している。この坪量の減少により、製品全体の材料をより有効に消費する構造も提供している。
【0182】
本発明によれば、吸収性物品は、衛生ナプキン、パンティライナー、成人用失禁製品、授乳パッド、幼児用おむつにおいてその有用性を見ることができる。本発明は特に、衛生ナプキン及びパンティライナーにおいて効果がある。その結果、上述の成分に加えて、吸収性物品はその意図した使用状況において製品に典型的なすべての特徴及び部位を有することができる。これには、例えば、ウイング及びサイドフラップ、下着接着媒体、リリースペーパー、包装成分、固定媒体などが挙げられる。
【0183】
水蒸気透過性試験
この試験の基本原理は、バックシート構造及び/又は物品の水蒸気透過量を定量化することである。適用される試験方法は、標準化された織物産業で適用される試験方法で、一般に「カップ試験法」と呼ばれる方法に基づく。試験は、24時間、温度23℃及び湿度50%RHに保たれた、安定した温度/湿度の実験室で行われる。
【0184】
(装置)
1)開口面積=0.00059m2の試料カップ。
2)蒸留水を完成した試料カップに注入するための注射器。
3)試料を準備した後でカップを密封するためのワックス。
4)直径=30mmの円形試料の調製を容易にするための環状パンチ。
5)安定した気候条件(23℃±0.5℃/50%RH±1%RH)の実験室。
6)小数点第4位までの精度の化学天秤。
【0185】
(試料調製/測定)
試験は、物品又はバックシート構造物で実施する。代表的な物品又はバックシートを選択し、パンチを用いて試料を切断して一定の大きさにする。切断された試料は、サンプルホルダーに適切に重なること、及び切断作業によって破損又は望ましくない延伸を生じた材料が測定を実施したときに、測定中心の外に置かれることを確実とするのに十分な大きさである。試料は、カップに完全に重なるように、試料カップの上に配置する。試料は、実験環境にさらされる表面が物品の着用中に見られるものと同じになるような方向に向ける。
【0186】
続いて、試料の閉鎖用リングを試料の上に置き、押し下げる。これにより、過剰な材料が適切な場所にしっかりと保持され、測定を妨害しないことが確実となる。続いて、閉鎖用リングの表面全体にワックスを塗布し、装置の上部全体が環境に対して閉鎖されることを確実とする。注射器を用いて、蒸留水(5±0.25ml)を、密封した試料カップに微小な穿孔から注入する。最後に、この穿孔をシリコングリースで密封する。
【0187】
カップ全体(試料及び水を含有する)を秤量し、重量を小数点第4位まで記録する。続いて、カップをファンが発生する換気流の中に置く。試料カップ上部の上の空気流は3±0.3m/秒で、風速計(「アネモ」(Anemo)、デュータ社(Deuta SpA.)(イタリア)より)で確認される。試料カップを前記の換気された試験場に24時間置き、その後再度秤量する。この期間に、試験試料が十分に通気性であれば、試料ホルダ内の液体は試料ホルダから実験室環境へ拡散することができる。これは、24時間経過後の完全な試料カップ試料の再秤量で定量化できるホルダ内の水の重量の減少を生じる。蒸気透過性値は重量減少量として測定され、重量損失量をサンプル容器の開口面積で除して、1日当たりの量を表す。
【0188】
即ち、蒸気透過性=重量減少(g)/(0.00059m2/24時間)
以下の実施例により更に本発明を説明する。
【実施例】
【0189】
(実施例1)
パンティライナーは、市販のパンティライナー、即ちプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)(ドイツ)が製造する「オールデイズ」(Alldays)(登録商標)を加工することによって作製した。
【0190】
トップシートはフィルム/不織布複合材料である(フィルムの供給元:コード45105 BPケミカル・プラスチック(BP Chemical Plastic)(ドイツ)。不織布の供給元:コードT−27 AXC コロリド(Corolind)HDPEリノテック(LINOTEC))
【0191】
23重量%のメンチルラクテート(H&R(ドイツ)よりフレスコラト(Frescolat)ML(登録商標)の名前で入手可能)及び77重量%のトリエチルシトレート(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなるエモリエント剤含有組成物30g/m2を、トップシートの着用者に面する表面全体に均一に噴霧した。
【0192】
コアは坪量100g/m2の吸収性ゲル化合物を含有するエアレイド積層材料であり、コンサート(Concert)からコードGH100.91209で入手できる。
【0193】
バックシートは第一層及び第二層の2つの層から構成される。第一層(二次バックシートとも呼ばれる)は吸収性ティッシュ及び第二層と接触する。第二層は、第一層及び着用者の下着と接触する。第一層は成形孔あきフィルム(HEX)である(供給元:トレドガー・フィルム・プロダクツ(Tredegar Film Products B.V.)(オランダ)、製造コードX−25368)。第二層は、微多孔性の相で構成される(供給元:エクソン・カンパニー(EXXON Company)、イタリア、製造コードEXXAIRE BF112 W)。バックシートの各層は約8g/m2の坪量で広範囲に重なり合った螺旋状の接着剤により、表面全体に接合している。バックシート層を貼り付けるのに使用された接着剤は、サヴァレ(SAVARE'SpA)(イタリア)により供給された(商品コードPM17)。
【0194】
(実施例2)
このパンティライナーは、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)(ドイツ)から入手できる「オールデイズ」(Alldays)を基にし、修飾されている。
【0195】
トップシートはフィルム/不織布複合材料である(フィルムの供給元:コード45105 BPケミカル・プラスチック(BP Chemical Plastic)(ドイツ)。不織布の供給元:コードT−27 AXC コロリド(Corolind)HDPEリノテック(LINOTEC))。
【0196】
23重量%のメンチルラクテート(H&R(ドイツ)よりフレスコラト(Frescolat)ML(登録商標)の名前で入手可能)及び77重量%のトリエチルシトレート(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなるエモリエント剤含有組成物30g/m2を、トップシートの着用者に面する表面全体に均一に噴霧した。
【0197】
コア材料は55g/m2の坪量を有するエアレイドティッシュの二層から構成されるティッシュ積層体(13.2cm×4.0cm)である(供給元コードUnikay303LFとしてユニカイ(Unikay)(イタリア)から入手可能)。積層体は、上記の2つのティッシュ層の間に、吸収性ゲル材料、即ちAgmアクアリック(Agm Aqualic)(ショクバイ(Shokubai)よりコードAqualic L−74で入手可能)及び臭気抑制物質、即ちゼオライト(Zeolite)A(デグッサ(Degussa)よりコードZeolite Wessalith CSで入手可能)を含有する。
【0198】
バックシートは第一層及び第二層の2つの層から構成される。第一層(二次バックシートとも呼ばれる)は吸収性ティッシュ及び第二層と接触する。第二層は、第一層及び着用者の下着と接触する。第一層は成形孔あきフィルム(HEX)である(供給元:トレドガー・フィルム・プロダクツ(Tredegar Film Products B.V.)、オランダ、製造コードX−25368)。第二層は、微多孔性の層で構成される(供給元、エクソン・カンパニー(EXXON Company)、イタリア、製造コードEXXAIRE BF112 W)。バックシートの各層は約8g/m2の坪量で広範囲に重なり合った螺旋状の接着剤により、表面全体に接合している。バックシート層を貼り付けるのに使用された接着剤は、サヴァレ(SAVARE'SpA)(イタリア)により供給された(商品コードPM17)。
【0199】
(実施例3)
これは本発明による衛生ナプキンの実施例である。衛生ナプキンはプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)(ドイツ)から入手できるオールウェイズ・ウルトラ(Always Ultra)を基にし、修飾されている。
【0200】
トップシートは、孔あきフィルムから作られた第一の外部トップシート層(トレドガー・ホランド(Tredegar Holland)よりコードX−25602で入手可能なS−RIS CPM材料)と、第一の外部トップシート層とコアとの間に位置するエアレイド材料(DUNI(スウェーデン)よりコードPTC X 077で入手可能)から作られた第二トップシート層とのフィルム/エアレイド複合材料である。
【0201】
23重量%のメンチルラクテート(H&R(ドイツ)よりフレスコラト(Frescolat)ML(登録商標)の名前で入手可能)及び77重量%のトリエチルシトレート(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなる30g/m2のエモリエント剤含有組成物を、トップシートの着用者に面する表面、即ち孔あきフィルムの外表面の全体に均一に噴霧した。別の方法として、エアレイドの第二トップシート層の着用者に面する表面のみにエモリエント剤含有組成物を均一に噴霧するか又はエアレイド第二トップシート層と第一の孔あきトップシート層の両方に噴霧する。
【0202】
コア材料は、コンサート(Concert)(ドイツ)からコードGH150 1006で入手可能なAgmを含有するエアレイドコアである。
【0203】
バックシートは、成形孔あきフィルムバックシート層及び第二の微多孔層から構成される多層の通気性バックシートである。第一層は衝撃に強い六角形の穴の配置を有するポリエチレンフィルムである(供給元:トレドガー・フィルム・プロダクツ(Tredegar Film Products B.V.)(オランダ)製造コードX25368)。バックシートの第二層は、微小多孔性層(トレドガー・ハンガリー(Tredegar Hungary)によってXBF610Wの名前で製造)によって置換されている。
【0204】
(更なる実施例)
実施例1〜3に記載されているエモリエント剤含有組成物を噴霧する代わりに、次の組成物をトップシートの着用者に面する表面全体に均一に噴霧した点を除いて、実施例1又は2の1つとしての追加のパンティライナーと同様に、実施例3の1つとしての追加の衛生ナプキンを調製した。
【0205】
次のいずれか
・20重量%のメトキシプロパンジオール(タカサゴ(Takasago)よりTK−10(登録商標)の名前で入手可能)及び80重量%のトリエチルシトレート又はトリアセチルシトレート(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなる30g/m2のエモリエント剤含有組成物。
又は
・20重量%のメントングリセロールケタール(H&Rよりフレスコラト(Frescolat)MGA(登録商標)の名前で入手可能)及び80重量%のトリエチルシトレート又はトリアセチルシトレート(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなる20g/m2のエモリエント剤含有組成物。
又は
・20重量%のエチルメンタンカルボキサミド(ギヴォードン・ローレ(Givaudan Roure)よりWS3(登録商標)の名前で入手可能)及び80重量%のトリエチルシトレート又はトリアセチルシトレート(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなる20g/m2のエモリエント剤含有組成物。
又は
・30重量%のエチルメンタンカルボキサミド(ギヴォードン・ローレ(Givaudan Roure)よりWS3(登録商標)の名前で入手可能)及び70重量%のプロピレングリコール(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなる30g/m2のエモリエント剤含有組成物。
又は
・30重量%のメンチルラクテート(ハーマン・アンド・ライマー(Haarman&Reimer)(ドイツ)よりフレスコラト(Frescolat)ML(登録商標)の名前で入手可能)及び70重量%のプロピレングリコール(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなる40g/m2のエモリエント剤含有組成物。
【0206】
本明細書で以上に例示されている衛生ナプキン及びパンティライナーはすべて、使用する際に着用者の快適性を改良すること、例えば、ある程度即時の爽快感(着用時間わずか約2分後)及び長時間持続する爽快感(3〜4時間を超える時間)を提供することが見出されており、一方で皮膚の健康を維持し、又は改善さえする。
【0207】
(実施例A)
身体に接触して着用されるその他の物品の例は、靴に入れて、靴下なしで足に直接接触して使用される(例えば、夏期)のに特に好適な靴の中敷である。前記の靴の中敷は55g/m2の坪量を有するエアレイドティッシュ(供給元コードUnikay303LFとしてユニカイ(Unikay)(イタリア)から入手可能)から作られており、その1つの表面(ユーザーの足に直接面することを意図した面)に、23重量%のメンチルラクテート(H&R(ドイツ)よりフレスコラト(Frescolat)ML(登録商標)の名前で入手可能)及び77重量%のトリエチルシトレート(アルドリッチ(Aldrich)より入手可能)からなるエモリエント剤含有組成物0.5g/m2が均一に噴霧されている。
Claims (19)
- 哺乳類の身体に接触して着用されるのに好適な物品であって、身体の表面温度を変える必要なく該物品の着用者に爽快感を伝達することができるミント臭のない冷却剤を含む物品。
- 前記冷却剤が、ケタール、カルボキサミド、シクロヘキシル誘導体、シクロヘキサノール誘導体、カンファー、ボルネオール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、茶木油、ユーカリ油、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
- 前記冷却剤が次からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の物品。
次の式、
又は次の式、
若しくは(b)
又は、次の式、
若しくは(2)
又は次の一般式、
又はこれらの混合物。 - 前記冷却剤が、メンチルラクテート、メントングリセロールケタール、メントキシプロパンジオール、エチルメンタンカルボキサミド、メチル−(N,2,3−トリメチル)−2−イソプロピルブタンアミド、2−プロペニルシクロヘキサノール、シクロヘキサノール−5−メチル−2−(1−メチルエチニル)、又はこれらの混合物であり、好ましくはメンチルラクテートである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
- 前記物品の少なくとも一部に0.01gm-2〜300gm-2、好ましくは0.05〜200gm-2、更に好ましくは1gm-2〜100gm-2、最も好ましくは2gm-2〜20gm-2の冷却剤又はその混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。
- 前記冷却剤を含有するため、並びに前記物品を着用する哺乳類の皮膚及び/又は粘膜表面の少なくとも一部に該冷却剤を送給するためのデリバリーシステムを更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
- 前記デリバリーシステムが、0.1重量%〜99.9重量%、好ましくは3重量%〜90重量%、より好ましくは5重量%〜60重量%、及び最も好ましくは10重量%〜40重量%の冷却剤又はその混合物と、99.9重量%〜0.1重量%、好ましくは97重量%〜10重量%、より好ましくは95重量%〜40重量%、最も好ましくは90重量%〜60重量%のエモリエント剤又はその混合物とを含むエモリエント剤含有組成物であることを特徴とする、請求項6に記載の物品。
- 前記デリバリーシステムが、石油系;スクロースエステル脂肪酸;ポリエチレングリコール及びその誘導体;脂肪酸エステル型;アルキルエトキシレート型;脂肪酸、特に8〜28個の炭素原子をその脂肪鎖に有するもの;脂肪酸エステルエトキシレート;脂肪アルコール型;ポリシロキサン型;プロピレングリコール及びその誘導体;グリセリン及びその誘導体、例えばC8〜C28の脂肪酸のグリセリド、アセトグリセリド、及びエトキシ化グリセリド;鯨蝋又は他の蝋類;脂肪アルコールエーテル、特に、8〜28個の炭素原子をその脂肪鎖に有するもの、プロポキシ化脂肪アルコール;ポリヒドロキシアルコールの他の脂肪酸エステル;ラノリン及びその誘導体;カオリン及びその誘導体;ソルビトール及びその誘導体;トリヒドロキシステアリン;及びこれらのエステル誘導体および混合物からなる群から典型的に選択されるエモリエント剤を含む、請求項6又は7に記載の物品。
- 前記デリバリーシステムが、次の式、
又は
- 前記デリバリーシステムが、トリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチルシトレート、O−アセチルトリエチルシトレート、ポリエチレングリコール、及び/又はプロピレングリコールを含み、最も好ましくはトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、及び/又はトリアセチルシトレートを含む、請求項9に記載の物品。
- 前記物品が着用者に面する表面を含み、該着用者に面する表面の少なくとも一部が前記冷却剤を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物品。
- 前記物品が通気性であり、典型的には100(g)/(m2/24時間)、好ましくは200(g)/(m2/24時間)、より好ましくは300(g)/(m2/24時間)、最も好ましくは400(g)/(m2/24時間)より高い水蒸気通気性を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の物品。
- 前記物品が、衣服、帯具、熱パッド、ニキビパッド、冷却パッド、パップ、外科用パッド/包帯、保護用寝具カバー、手袋、靴下、発汗パッド、靴の中敷、シャツインサート、動物糞尿吸収材、パンティライナー、女性用ナプキン、失禁パッド、おむつ、タンポン、陰唇間パッド、胸当て、又はヒト若しくは動物用排泄物処理用具である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の物品。
- 前記物品が、着用者に面する表面としてのトップシート、衣類に面する表面としてのバックシート、及び前記トップシートとバックシートの間に介挿された吸収性コアを具備する衛生吸収性物品であり、前記バックシートが好ましくは通気性バックシートである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の物品。
- 前記通気性バックシートが、孔あきポリマーフィルム又は2次元平面状孔あきフィルムから選択される層を少なくとも1つ具備する、請求項14に記載の吸収性物品。
- 前記層が二次元平面状孔あき層であって、前記孔が、150マイクロメートル〜1マイクロメートルの平均直径を有する、請求項15に記載の吸収性物品。
- 前記層が孔あきポリマーフィルムであって、前記孔が、100マイクロメートル〜500マイクロメートルの平均直径を有する、請求項15に記載の吸収性物品。
- 前記通気性バックシートが、少なくとも2つの層を具備しており、第一層が孔あき層を具備し、第二層が繊維質の層を具備する、請求項15に記載の吸収性物品。
- 前記通気性バックシートが、フィルム平面に対して垂直ではなくフィルム平面に対して90°未満の角度をもって配置された毛管を形成する孔を有する液体不透過性ポリマーフィルムから構成される弾性三次元ウェブの第一層を少なくとも具備し、40g/m2未満の坪量を有する合成繊維から形成される繊維質不織布ウェブである通気性の第二層を少なくとも具備する、請求項18に記載の吸収製品。
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