JP2004533980A - 各種リングプル式容器を開けるための器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リングプルを備えた封止部で封止された容器を開けるための道具を開示する。手操作のこの道具は、リングプルまたはタブを把持し、第一の方向にタブを操作して封止部を破断したのち、第二の方向へ動かすことでタブを寝かせる、または取り外すように操作することにより、手に加わる大きな負荷を和らげるものである。大きなリングを備えたタブ用に、破断容易な封止部領域を押して封止部の破断を開始させるための尖端の隣りに設けられたリング係合手段、及び蓋を持ち上げて取り除くためにこの道具を揺動可能とする支点またはヒールを備える。より小さなタブのついた飲料用容器については、手操作のこの道具によりてこで動かされると、タブ自身が封止部を破断する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に金属製の封止部(seal)を有する容器の当該封止部と係合しこれを開けるための手動の容器開け器具に関し、特に、リングプル式の封止部で密閉された容器を開けるための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
開けやすい金属製の缶を製造するための技術は、年を追って著しく発達してきた。近年のトレンドは、材料の削減、費用効率の高い容器、簡素化された封止手段等の分野にある。一般にリングプル式の缶蓋として知られる、使い捨ての把持部を備えた破断容易な封止部(frangible seal)も一つの進歩である。この封止部にあっては、缶蓋の途中まで形成された円形の切れ目が、貫通しきらない程度に蓋に刻印されており、破断容易な封止部が形成される。この切れ目の一部分に隣接する位置にて、剛な把持部を蓋に溶接することにより、封止部破断開始手段が形成される。この剛な把持部が把持されて手の力によって上方に押し曲げられると、切れ目の内側部分が缶の縁よりも下方へ押し込まれる。(リングプルの延長部(extension)によって集中され得る)この作用による力は、上記位置における破断容易な封止部材の降伏強さを超えるので、封止部が破断され開封される。一般に上記取っ手を形成するリングを更に引っ張ることにより、蓋の残りの部分が缶の縁から引き剥がされ、その結果、内容物が露出して使用できる状態となる。このような構成は、効率的で、製造も安価であり、缶切を必要としない。より一層多くの商品がリングプル式の缶の形態で現在売られるようになっており、古い剪断式の缶切は陳腐化してしまう可能性すらある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
リングプルの発案者は、特別な道具を用いなくても開けることのできる封止部を提供することを意図していたようであるが、その目的は未だ部分的にしか達成されていない。多くの人は、他の道具を用いることなくリングプルを開けるのが比較的難しいと感じている。残念ながら、取っ手に付与すべき必要な物理的な力を出せない人もいる。また、このような物理的な力を付与することにより、爪や指を傷めたり、関節炎患者が関節を、また、職業性の前腕過使用症候群の患者が手根管や腱鞘を傷めたりすることもある。(多発性硬化症等の)消耗性疾患や、脳性麻痺等の神経疾患や、アルツハイマー病、パーキンソン病等の変性疾患の患者は、できるだけ介助無しの生活を望んでいる。バー等、食料を提供する商業的施設等の従業員は、一日に数多くのリングプル式の缶を開けなければならず、反復運動過多損傷に罹る可能性がある。
【0004】
リングプルの寸法には曖昧な規格しか存在しないようであるが、全てではないにしろ殆どのリングプルは、破断容易な封止部を介して食料用の缶詰容器に大きな口を開けるのに用いられる、指を受け入れ可能な大きなリングか、または破断容易な封止部を介して飲料用または注ぎ用の孔を飲料用缶等に開けるのに用いられる小幅のリング(通常「タブ」と呼ばれる)のどちらかに分類される。
【0005】
解決しようとする課題は、「リングプル式またはタブ式の封止部の取り外しを容易にする便利な道具を提供すること」であるといえよう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一端に楔部を有し、他端に取っ手を有する基部と、前記楔部に装着され、前記楔部がリングプルの下方に挿入されたときに該リングプルを把持するように構成されたリングプル把持器とを備える缶開け器具を提供する。
【0007】
本発明は、タブシールとしても知られるリングプルを備えた蓋を開けて取除くのを助けるための改良された道具を提供する。この道具は、封止部を破断して容器から蓋を引き剥がすためのものである。この道具は、これを使わない場合にリング又はタブが一、二本の指の指先の小さな部分に集中させる負荷を担って、取っ手を介して使用者の手全体に分散させる。
【0008】
リングプル把持器は、リングプルを第一の方向に曲げて封止部を破り、次に第二の方向に曲げてタブを取り除くことを可能とし、容器を開ける操作により使用者の手に過度な力がかからないようにする。
【0009】
好ましくは、基部の一端は、本器具を枢動させてリングプルを持ち上げることを可能とする第一の枢動点を画定する。このようにリングプルを持ち上げることによってリングプルの前部が押し下げられ、蓋と容器との間の封止部が破断される。これが上述した第一の方向への曲げである。
【0010】
好ましくは、基部の他端は、本器具を枢動させてリングプルに固定された蓋を持ち上げることを可能とする第二の枢動点を画定する。これが、容器から蓋を持ち上げるための上述した第二の方向への曲げである。この第二の枢動点は、基部表面からの延長部によって形成されてもよい。
【0011】
基部は、楔部の周囲に設けられ、楔部がリングプルの下方に挿入された後にそのリングプルを位置付けするための隆起した側壁を画定してもよい。これによって器具は缶に対して位置付けされる。
【0012】
好ましくは、取っ手は、例えば基部に対して30〜60度で、基部から上方に延出する。これにより、取っ手が缶上の好都合な位置に置かれるとともに、基部と取っ手との間の湾曲部によって画定され得る第二の枢動点を中心に取っ手を下方に枢動するためのスペースが確保される。
【0013】
好ましくは、把持器は、楔部から上方に突出するラッチ部材を有する。このラッチ部材は、その前部に、リングプルの下方への楔部の挿入方向を考慮した傾斜面を有するとともに、その後部に凹部を有してもよい。楔部がリングプルの下方に挿入されると、リングの一端が傾斜面に乗り上げる。これはリングプルの他端部を押し下げる方向に働き、この押し下げが封止部を破断するのに十分な場合もある。封止部が破断されない場合、第一の枢動点を中心に器具を枢動させることによりリングプルを更に持ち上げることもできる。
【0014】
基部からのラッチ部材の高さは、楔部がリングプルの下方に挿入されたときに、リングプルが弾性変形してラッチ部材と自動的に係合するような高さに設定される。このようにすれば、リングプルは、傾斜面を上りきった後、弾性的に落下して凹部と係合する。
【0015】
好ましくは、リングプル把持器は、第一の寸法のリングプルを把持するためのものであり、第二の寸法のリングプルと係合するための第二の係合器が設けられる。この第二の係合器は、第二の寸法のリングプルの把持部を収容するためのスロットを有してもよい。
【0016】
この第二の寸法のリングプルは、指穴が無いタイプに代表される(飲料用缶のタブとして知られる)。このスロットは、その使用時に、第二の寸法のリングプルと確実に、しかも離脱自在に係合することができる。本発明の器具は、また、飲料用リングプル式の缶を開けるのにも適している。このスロットは、取っ手に設けられてもよく(この場合は器具の楔部端部が取っ手として機能する)、または楔部に設けられてもよい(この場合は同じ取っ手を使用することができる)。
【0017】
第二の寸法のリングプルは、押動によってスロットの先端部内に挿入することができ、これにより、タブが把持された後、先ず器具の取っ手を上方に持ち上げることにより封止部を破断し、次に取っ手を缶の縁または表面に対して押し下げることによりタブを缶の残りの部分から取り外す。このようにして、本器具はタブの端縁を持上げ次いでタブを下方に押し曲げる動作を助けるようになっている。スロットには、好ましくは、制御下での取り外しを可能とすべく、外したタブを一旦保持するようなタブ保持手段を設ける。
【0018】
本器具は好ましくは一体成形されたプラスチック製品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照にして本発明の実施例を以下に詳細に説明する。
【0020】
図6〜図8に示す好適な一実施例を参照して本発明に係る器具の動作を最初に説明する(本明細書では「器具(device)」という語は「道具(tool)」という語と同じ意味で用いられる)。続いて、他の全ての実施例について、それらの相違点を中心に説明する。
【0021】
図6〜図8に示すように、この缶開け器具は、一端に楔部106、107を備え、他端に取っ手800を備えた基部を有する。リングプル把持器108が、楔部106、107上に設けられ、楔部をリングプルの下方に(即ち、リングプルと缶の蓋との間に)挿入すると、リングプルが把持されるように構成されている。
【0022】
楔部106、107がリングプルの下方に挿入されると、リングプルは把持器108の傾斜面105に沿って持ち上げられる。これによってリングプルは第一の方向に、あるいは封止部を破断するに十分な程度、曲げられる。封止部が破断しない場合には、楔部の端部107を、リングプルを更に持ち上げるための枢動点として用いることにより、他端部を更に押し下げて封止部を破断することができる。封止部が破断された後、基部と取っ手との間の湾曲部115を中心として器具を枢動させることにより、リングプルを取り外すことができる。
【0023】
基部は、肉厚部105の端縁に形成された、隆起した側壁を備える。この側壁は、楔部がリングプルの下方に挿入された後にリングプルを位置付けるためのものである。
【0024】
ラッチ部材108は、上述のようにその前部に傾斜面105を備えるとともに、その後部には凹部701を備える。楔部がリングプルの下方に挿入されるにつれて、リングの端縁は傾斜面105に乗り上げる。ラッチ部材108の基部からの高さは、楔部をリングプルの下方に挿入したときに、リングプルが弾性変形してラッチ部材と自動的に係合するような高さに設定される。従って、リングプルは、傾斜面を上りきった後、弾性的に落下して凹部701と係合する。
【0025】
従って、器具を使用する際には、始めに器具の取っ手を上方に引上げることにより封止部を破断し、次いでリングを挟んだ状態で缶の縁または表面に対して取っ手を押し下げることにより、封止部と蓋とを缶の他の部分から引き剥がす。
【0026】
図6〜8の器具は、一体成形されたプラスチック製品である。
【0027】
以下、図面に示した他の実施例に特有の構造をより詳細に説明する。
図1に示す第一の例は、くびれを有した形状100である。この道具は、好ましくは、耐久性があり実質上剛なプラスチック材からなる。この道具は、取っ手端部(111〜112)と、好ましくは湾曲した支点又はヒール又は基部(115)と、取っ手から最も離れた端部にあるリング係合領域(106、108、及び109の辺り)の主要部分を有する。本実施例は、器具の動作を検証するためのモデルとして、プラスチックシート材からなる。
【0028】
下記の寸法は、決して本発明の範囲ないし範疇を限定するものではない。これらの寸法の一部は、リングプル式の密閉缶の試験セットの寸法に基づいて決定したものである。
【0029】
材料はポリプロピレンであり、基準の厚さは12mm、湾曲部104の幅は67mm、中央隆起部分109の幅は14mm、中央隆起部分の周囲の溝の幅は5〜6mmである。道具の平面図を左上に示す。また、好適な折り曲げ角度を表す側面図を符号103にて示す。A−A'線、B−B'線に沿って切断したリング係合部の断面図を夫々符号101、102にて示す。道具は垂直軸(A−A')に対して都合よく左右対称である。
【0030】
本実施例に係る道具は、湾曲部104の一方の側にある指用グリップ、すなわち2つの穴111と、くびれ部112とを有する。以下詳細に説明する「リング把持係合アセンブリ」は、傾斜面108上から道具本体の肉厚近くまで(A−A'断面に示すように)上昇する中央傾斜部又は隆起部分109の三方を囲み、残り約4mmの厚さまで薄くされた、幅が約5〜6mmの溝106を備える。
【0031】
好適な形態のものは、金型において鋳造することにより製造され、隆起部分109の上端は、図2及び図3に示すように、全体の上面よりかなり高い位置としてもよい。
【0032】
隆起部分の側壁を随意に僅かに(符号114参照)凹ませてもよいし、また、幾つかのタイプのリングプル用に、後方壁(隆起部分の上端部)も随意に凹ませてもよいが、これらは必須ではない。符号113にて示す凹所を湾曲させてもよい。さらに、溝の他端側も僅かに凹ませてもよい。道具の端部は、先端107辺りから隆起部分の基部まで徐々に厚みが増す。特に、破断容易な封止部を使用時に押圧してその破断を助ける「先端」107と、リングプルを容器上面に接合する構造である、容器の「リベット」を挟むために存在するスペース110とに留意されたい。湾曲部115の外側(道具の下側)は、封止部をより簡単に取り外すために、符号111近辺の取っ手領域111に加わる下向きの圧力を、リングプルを持ち上げる力に変換するための支点であり、好ましくは、この支点は、幅の細い缶であればその縁から縁の間に跨ることができる程度か、または、大きな缶であれば、その蓋上に荷重を少なくとも分散させるに十分な幅を有する。封止部の持ち上げを容易にするために、湾曲部は約45〜50度にすべきであるが、他の角度であってもよい。
【0033】
使用時には、道具を取っ手端部で掴み、リングプルが担持されている端部に向けて容器の上面上を滑らせて、傾斜部がリングプルの下部と係合するようにする。先端は、平たく押し下げられたリングプルの下部にさえも潜り込める程に十分に薄いが、道具が縁に向けて押し込まれるにつれて、リングプルを傾斜部上に案内するようになっている。隆起部分109がリングの下方に差し込まれるにつれて、隆起部分の傾斜部108によってリングが持ち上げられ、最終的にリングは隆起部分の後方に落下して溝内に収まる。傾斜部(殆どの図で符号108)及び後方の凹部(多くの図で符号701)は、道具の先端107が封止部を破断するために下方に向けられている際に、リングプルのリングのしっかりと保持されている先端部を中心に道具が回転するように、リングを持ち上げて保持するようになっている。この時、道具はリングで固定されており、道具を傾けると、リングプルとそのリベット・マウントの可撓性により、道具はリングプルと缶との間の略接合位置を中心に回転する。容器を(通常、垂直に)保持して道具の後部111を持ち上げると、先端部107が封止部に近接した缶表面を次第に強く押圧する。その結果、破断容易な封止部が破断される。次に、取っ手を後方に単に引っ張って残りの封止部を破断するか、または、ヒール115を支点にして缶の上面に対して取っ手を下方に押圧すると、未だリングプルと係合している隆起部分109が(てこの作用で)持ち上がり、これにより、リング式封止部が蓋と共に缶の残りの部分から引き離される。最後に、取り外された蓋は、掴んで道具から取り外すことができる。指用グリップ111に近接するくびれ部112の形状により道具を掴み易くすることができ、指穴111を設けなくても十分な把持部として機能し得る。道具の外形は以下のように多くの変形が可能である。
【0034】
指用グリップの代わりに類似のグリップ端部を持つ第2の実施例200は、手で掴むことが可能な細長い取っ手201を備える。図2の例は、(例えば)関節炎を患っていて、酷い痛みや損傷の虞無しには、図1に示す指穴で、又はくびれ部によってさえ道具を使えない人に適している。また、商用利用者にも好都合である。また、脳卒中等により手に損傷を負った患者は、握力が弱まっている場合がある。なお、この例においては、傾斜部と隆起部分109の下方に、内に向って凹んだテーパ部が無いことに留意されたい。
【0035】
第3の例に係る射出成形されたプラスチック製の道具には、全体的により薄く形成された本体や中空の取っ手等、プラスチック材を節約するための変更を加えてもよいが、強度を増すためのウェブ等を備えてもよい。図3の断面図にも示すように、傾斜部109の上端は、道具全体の厚みより高い位置に設定してもよい。穴304は、指用グリップとして、また、プラスチック材の使用を節約するためにも役立ち得る。
【0036】
図4に示す類似例の器具400は、異なる形状の取っ手401を有する。これは指で掴んで掌で押すようになっている。
【0037】
上記の例のように溝を壁で完全に閉じる代わりに、複数の柱または小さな仕切等を断続的な壁として設けるだけで同様の効果を得ることができる。柱は、使用時にリングプルを把持するに十分な高さまで基準面から上方に延出する。この高さは約10mmとしてもよく、各柱の直径は、例えば使用するプラスチック材の機械的性質に応じて、3〜6mmであってもよい。このような柱を使用することにより、道具に必要なプラスチック材の全体使用量を削減することができる。図5に、中央傾斜部108を囲む複数の柱(501、502、503、504)を含むリング係合領域500を示す。
【0038】
同様の把持係合アセンブリを有する道具は、指用グリップの代わりに、壁に固定されるように構成されたブラケット部(bracket section)を備えることも可能である。この変形例は、容器を掴んで、固定された道具に押付けることしかできない人に適している。好ましくは、この作動端部の角度は、中身がこぼれないようにするために、封止部が破断される際に容器が略水平となるような角度にするべきである。30〜45度の傾斜は許容範囲である。開けられた缶の表面が略水平に保たれるようにヒンジを設けてもよい。
【0039】
図6〜図8の第4の例は既に簡単に説明したもので、射出成形されたポリカーボネートからなる。図6では作動端部は平面図で示されている。一方、図8では、道具800全体が取っ手領域111を下にして置かれており、ヒール115での湾曲のため、作用端部は傾斜した状態で示されている。図6において、2つの鋭い舌状部107が前方に延出しており、これらは、リングプルが傾斜部108の端部を越えて係合された後に開けられる缶の封止部を破断するために使用される。リングは(上述の例と同じく)、リングが先ず傾斜部106を滑りながら上り、傾斜部108を過ぎてその頂点を乗り越えて、最終的に傾斜部108の後部に設けられた切り欠き701(図7a)にて捕捉されて傾斜面113と係合するように道具を缶の縁に向けてリングの下方に差し込むことによって、係合される。図6の穴601は、道具の製造中に切り欠き701を形成するための射出成形工具を挿入するために設けられている。図8には道具全体が示されている。その取っ手領域111は典型的なリング形状に似せて作られている。図7bは、この道具に用いられる切り欠き702の好ましい意匠を示す。
【0040】
図9(図9a〜図9c)は、基部の楔部107の端部の別の意匠を示す。どの場合にも、リングプルと蓋との間の溶接部の周りに嵌合するような切り欠きが設けられている。
【0041】
図10(図10a〜図10d)及び図12(図12a〜図12c)は、道具のリング把持部の他の変形例を示す。どの場合にも、使用中にリングを実際に把持する領域を符号701で示す。食料品包装出荷業界ではリングの寸法、形状は様々なものがあるので、この変形のうちどれが「理想的」であるかを特定するのは難しく、実地試験が有効であろう。図11は、別の変形の断面図を示す。図中、符号108で示す部分は、道具をリングの下方にかつ容器の開封すべき部分に向けて押し込む際に、リングの自由端が乗り上げていく部分である。リングはそのまま移動してゲート1102を押し退けて、使用後にフラップ1101の自由端が押し上げられて取り出されるまでは空間1103内に保持される。フラップ1101には、プラスチック及び射出成形産業において知られているようにプラスチック材及びフラップの厚さを適宜に選択することにより、所定量の弾性が与えられる。
【0042】
上記の例は、開封された端部を持ち上げるべく自由端103に下方向の圧力を加えた際の支点となるヒール115を構成する湾曲部が中程に設けられた、概して平坦な形状を有する(図1の側面図(正面図)参照)。リング及び破断対象の封止領域に一定の傾斜を適用する利点を検証するために、第5の例では、突起部(図13及び図14中、符号115)が容器の表面に当接して、道具の作動端部(概ね符号107で示され、傾斜部108及びリング把持部を含む)を常に傾斜状態に維持するような道具の使用について検証する。図13a、図13bはこの道具の2つの変形例の断面図であり、図14は別の変形例の斜視図である。図中の符号105は取っ手である。
【0043】
この例では、延長部115との接合部までは、基部を楔部107と見なすことができる。従って、基部は、ここでも、一端に楔部107を備え、他端に取っ手105を備える。
【0044】
傾斜部108は、道具本体とはっきり区別できない。勿論、採用した製造工程に適するように、この原理を利用した他の形態のものを作ることもできる。
【0045】
上述した道具は、飲料用缶に使用される、より小さくて幅の狭いリングプル(「タブ」とも呼ばれる)を取り扱うのにはあまり適していないが、この種の道具を上記のようなタイプのリングプルに適用することが通常期待される。多くの場合、飲料用缶のタブは蓋に密着しているので、割れ易くデリケートな爪をもつ人や、手袋をはめた人や、指が大きく爪の無い人は、缶開け操作に取り掛かることすらできない。標準化された形状のタブ1701を備えた典型的な缶の上面(従来例)を符号1702で示す(図17b、図18b参照)。一般に、リングプル式またはタブ式の飲料用缶の把持手段として深いスロットが用いられるが、例えば側面が開口したスロットや中央が開口したスロット(端縁の溝)といった、この種のタブを把持するための他の手法が、当業者には明らかである。
【0046】
図15〜図21の第6の例は、先端と組み合わせた、道具の端縁から内側に延在する深いスロット1501を備える。深いスロットは、タブの端部がスロット内に容易に案内されるように、少なくとも開口部で下部摺動面(例えば図15の103)の近くに設けられるのが好ましい。先端下部は、好ましくは、使用時において、缶の上面にリングタブを固定するリベットの周りに当接可能な基部の湾曲部1901を備える。タブがスロット内に挿入された後、使用者が単に道具の他端部(115〜107)を持ち上げるだけで、タブ1701の露出端部の内方への移動により破断容易な封止部が破断される。次いで使用者は、道具を下ろして穴を開け、最後に、例えばタブが缶の上面に対して比較的平らになるように引き抜き時にタブを下方に押圧する「拭き取り」動作により、タブから道具を引き抜く。上記解決策は、飲料用缶等に使用する道具として、あるいは、本明細書中の他の実施例において説明する固形食糧容器用リングプル取外し器と組み合わせて提供することができる。
【0047】
図15は、取っ手端部にスロット1501を備え、他端にリングプル用傾斜部1503を備えた一般的なリングプル用器具1500の側面図である。符号1505は隆起部分1504の後方に設けられたリング把持用凹部である(例えば図10bに示す)。図16は、傾斜部1503と、これと関連する隆起部分との下方且つヘッド内に設けられたスロットを備えたリングプル用器具1600のヘッドの側面図である。飲料用缶のリングプル用のスロットをこの位置に設けるには成形プラスチック製品に使われるプラスチックでは強度が不足かもしれない。食品産業における業務用として、例えば金属製としてもよい。あるいは、図16のスロット1501の下方にある薄い板をネジ留め式の金属板にすることもできる。
【0048】
図17aは、両側面を貫くように開けられた、幅の細い取っ手1700のスロット1501の側面図である。図17bは、使用時における図17aの取っ手を示す。この変形例は製造し易いが、実際の使用では寿命が限られている場合がある。図18aは、幅の細い取っ手1800に設けられたスロット1501の同様の側面図であるが、所定量のプラスチックでより大きな強度を得るために、スロットに側壁を設けて三方を閉じている。この種のスロットは、溶融プラスチックに舌状物(tongue)を挿入する方法により形成され得る。同様に、図18bは使用時における図18aの道具の平面図である。
【0049】
図19は、取っ手に飲料用缶のリングプル用スロット1501を備え、掌に収まるように作られた道具1900の完成状態を示す。道具には(支点または「ヒール」を設けるために)符号112周辺に湾曲部を随意に備えてもよい。符号1901は缶上のリベットの周りに嵌合する切り欠きである。符号1902は、リングプルが缶から外された後(または外れた場合に)落下しないようにリングプルを「捕捉」するための、プラスチック材に成形されたオプションの留め具である。留め具は、弾力のある支持アームの端部に、缶を捕捉するヘッドを有するが、その全体は射出成形工程で形成される。様々な厚さのタブを把持するには、僅かに湾曲したスロットを用いるのがより簡単な方法であろう(下記参照)。後方に向って狭まるテーパ状スロットは、テーパ状の舌状物を用いることによって、より容易に形成され得る。スロットは、水平方向、垂直方向、または両方向に先細りするように構成してもよい。
【0050】
本発明の器具の別形態を図20a〜図20eに示す。これは、別形態に係る完成状態の道具であり、封止部破断用の端縁107と、隆起部分108を上るように設けられた傾斜部と、回りを取り囲む溝106とを備えた、食品用缶等のリングプルに適した第一の端部(図20aで右側)を有する。第二の端部(左側)は、上述の内部スロット1501とリベット用凹部1901とを備えており、飲料用缶のタブに適している。図20bは、スロット内に完全に挿入された飲料用缶タブ1701を示す。図20cは、飲料用缶用のスロット側から見た正面図である。図20dの側面図に示すように、この道具は一つの湾曲部と、使用を快適にするための側翼2001とを備える。図20e中符号2003にて、丈の高い縁を有する缶のリングプルに届き易くするために役に立つもう一つのオプションの湾曲部を示す。この図は、随意に設けられる湾曲したスロット2002(側面図)を示す。
【0051】
図21aは、更に別形態に係る、二つの用途をもった道具を示す。これは図8に示したものに似ているが、更に、飲料用缶型のリングプルに係合するためのスロット2105を備えた取っ手に、平坦な部分2101を有する。好都合なことに、この部分を付け加えることにより一対の指置き場2102、2102'が設けられる。先程と同様に、リベット用切り欠き1901が下方端部に設けられる。図21bは、A−A'線に沿って切断した平坦部分2101の断面図であり、僅かに湾曲したスロット2105の断面と、外側端縁2103と、内側端縁2104とを示す。道具のこちら側の端部は、他方のタイプのリングプルを取り除く際に使用者の手に当るため、概して丸みのある形状とするのが好ましい。
【0052】
この例に係る単一機能の道具は、(指で操作することを意図した大きなリングプルを有する)食品用缶の封止部を破断する機構を備えずに、単に飲料用缶のタブを開けるための機能だけを備える。図17及び図18はこれらの道具を示すものとして捉えることもできる。
【0053】
図1に示すモデルの例では、道具の全体が丈夫なプラスチック材(ポリプロピレン)の板から形成される。コストを減らすために、この道具を射出成形してもよいし、または他の量産向きの方法で製造してもよい。図6、図7及び図8の道具は、様々な色のポリカーボネートを用いて一回の生産操業により射出成形されるものである。封止部破断用の端縁は、各種プラスチックで製造しても十分に強度があるが、成形された道具に、金属製または高強度プラスチック製のインサートを使用しても差し支えない。一方、道具の残りの部分は、バージンプラスチックまたは再利用プラスチック材を用いて製造することができる。多くのプラスチック、プラスチックアロイや、複合材が使用に適した材料である。射出成形の利点を必要としないならば、金属、木、木を主体とした複合材、骨又は石等の(プラスチック以外の)他の材料を用いることもできる。金属製の道具であれば、ダイカスト法、加圧ダイカスティング、フライス削り、または特に金属薄板を使用する、当業者に公知の他の方法により製造可能である。
【0054】
この道具は、ビンの王冠を開けるための栓抜き等の、他の便利な容器開け器を備えることもできる。
【0055】
製造業者が異なる寸法のリングプルを有する容器を製造し、これに適合した本発明に係る道具をこの容器と共に販売すれば、購買者がこの製造業者の製品を再び買いたくなるように仕向けることもできる。食品産業(バー、レストラン、ホテル等)の業務用の道具であれば、認証機関の合格品質基準に沿った、一定等級のステンレス等のような硬材から全体を作ることもできる。そうすれば、必要とされる高度な基準を満たすような、より良好な耐摩耗性が得られるとともに、容易に繰返し洗浄することもできる。しかしながら、プラスチックはほとんどの産業で許容されるであろう。
【0056】
道具の他の変形例は、使用者が缶本体を手に持って道具の作動部分に対して動かすだけで済むように壁に取付けることができる。
【0057】
本発明に係る道具を作る別法としては、2〜3mmの鋼板等の金属板を打ち抜き等で成形し、腐食を防止して寿命を延ばすためにその鋼を随意にメッキする方法がある。また、当技術分野において知られるように、利便性と経済性を考慮して他の材料を使用してもよい。隆起部分や隆起した傾斜部を設ける場合などに必要な比較的高い突起は、傾斜部が隆起した舌状部に似た形となるように、金属の後部を切断することにより設けることができる。この道具もまた、隆起した傾斜部の周りの溝や先端部を設けること等、その「作動端部」は同様の構成である。
【0058】
タブを保持する飲料用缶タブ用のスロットを設ける別法としては、十分な長さがスロット内に押し込まれた後にタブが所定位置に嵌合するように、スロット内にテーパ部(タブ進入側、即ち開口端部の方が広い)を設けることである。この方法はタブの厚さに左右されるが、テーパ状の舌状物を使って射出成形により簡単に成形することができる。
【0059】
タブを把持する飲料用缶タブ用のスロットを設ける別法としては、十分な長さがスロット内に押し込まれた後にタブが所定位置に嵌合するように、スロット内にテーパ部(タブ進入側、即ち開口端部の方が広い)を結合することである。この方法はタブの厚さに左右されるが、テーパ状の舌状物を使って射出成形により簡単に成形することができる。
【0060】
本発明に係る道具によれば、リングプル式の封止部の取外し操作が従来のものと比べて相当容易となる。また、本発明の道具は、障害や、神経筋疾患を含む変性疾患を持つ人に特に便利である。柔らかい爪や装飾的な(例えば長く、マニキュアを施した)爪の人でも爪を損傷する虞がない。
【0061】
まるでバネ押しされているかのようにぴったりと缶表面に張付いたリングプルは、(爪の長さに係らず)どんな人にとっても厄介なものである。そのようなリングプルを缶表面から引き剥がすには一般にナイフや同様の金属製用具を使わねばならず、怪我をする可能性があった。
【0062】
本発明の道具は、サービス業に従事する人による場合等、リングプルの頻繁な使用を容易にするものでもある。この道具は、機械化されたリングプル式の缶開け器の構造とも相性がよい。
【0063】
本発明に係る道具は、商品販売を助ける販売促進用の付属品としても便利である。
【0064】
最後に、本明細書において説明ないし例示した本発明の範囲は、例示を目的としてここに示した好適な実施例に限定されるものではないと理解される。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、各種の変更、付加や置換を行なうことができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る器具の一実施例を示す。
【図2】より大きな取っ手を備えた図1の器具を示す。
【図3】本発明に係る器具の他の実施例の側面図である。
【図4】本発明に係る器具の更に別の実施例を示す。
【図5】複数の柱を使用し、薄い部材で作られた本発明に係る器具の更に別の実施例である。
【図6】本発明に係る器具の更に別の実施例の作用端部を示す平面図である。
【図7】図7aは図6の器具の作用端部の平面図である。図7bは図6の器具の改良された作用端部を示す立面図である。
【図8】図6の器具の全体図である。
【図9】図9a,図9b,図9cは本器具の封止部破断端縁の他の形状を示す図である。
【図10】図10a、図10b,図10c,図10dは封止部破断、引上げの際にリングを把持する部材の他の形状を示す。
【図11】封止部破断、引上げの際、リングを把持する部材の他の変形を示す。
【図12】図12a、図12b、図12cはリングプル用の傾斜部と把持部の他の形状を示す。
【図13】図13a、図13bはヒールとして働く、湾曲部ではなく延長部を用いる本発明に係る器具の他の例の断面図を示す。
【図14】同じくヒールとして働く、湾曲部ではなく延長部を用いる本発明に係る器具の他の例の斜視図を示す。
【図15】取っ手の端部にスロットを備えた本発明に係る器具の他の例を示す。
【図16】頭部内にスロットを備えた本発明に係る器具の他の例を示す。
【図17】図17aは幅狭い取っ手内に、一方の側面から他方の側面まで開口したスロットを示す側面図である。図17bは従来の缶上面で使用中の図17aの器具を示す平面図である。
【図18】図18aは細幅の取っ手内に設けられた、三方の側面が閉じたスロットを示す側面図である。図18bは使用中の図18aの器具を示す平面図である。
【図19】取っ手内に飲料用缶用のスロットを備え、掌に持てるような形状をし、両端に機能を備えた本発明に係る器具の他の例を示す。
【図20】図20a−図20eは本発明に係る器具の他の例の平面図、正面図、側面図を示す。
【図21】図21aは飲料用缶型のリングプルと係合するスロットを備えた取っ手内に平坦部を有する本発明に係る器具の他の例を示す。図21bは図21aの器具の平坦部の、A−A'線に沿った断面図である。
【0001】
本発明は、一般に金属製の封止部(seal)を有する容器の当該封止部と係合しこれを開けるための手動の容器開け器具に関し、特に、リングプル式の封止部で密閉された容器を開けるための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
開けやすい金属製の缶を製造するための技術は、年を追って著しく発達してきた。近年のトレンドは、材料の削減、費用効率の高い容器、簡素化された封止手段等の分野にある。一般にリングプル式の缶蓋として知られる、使い捨ての把持部を備えた破断容易な封止部(frangible seal)も一つの進歩である。この封止部にあっては、缶蓋の途中まで形成された円形の切れ目が、貫通しきらない程度に蓋に刻印されており、破断容易な封止部が形成される。この切れ目の一部分に隣接する位置にて、剛な把持部を蓋に溶接することにより、封止部破断開始手段が形成される。この剛な把持部が把持されて手の力によって上方に押し曲げられると、切れ目の内側部分が缶の縁よりも下方へ押し込まれる。(リングプルの延長部(extension)によって集中され得る)この作用による力は、上記位置における破断容易な封止部材の降伏強さを超えるので、封止部が破断され開封される。一般に上記取っ手を形成するリングを更に引っ張ることにより、蓋の残りの部分が缶の縁から引き剥がされ、その結果、内容物が露出して使用できる状態となる。このような構成は、効率的で、製造も安価であり、缶切を必要としない。より一層多くの商品がリングプル式の缶の形態で現在売られるようになっており、古い剪断式の缶切は陳腐化してしまう可能性すらある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
リングプルの発案者は、特別な道具を用いなくても開けることのできる封止部を提供することを意図していたようであるが、その目的は未だ部分的にしか達成されていない。多くの人は、他の道具を用いることなくリングプルを開けるのが比較的難しいと感じている。残念ながら、取っ手に付与すべき必要な物理的な力を出せない人もいる。また、このような物理的な力を付与することにより、爪や指を傷めたり、関節炎患者が関節を、また、職業性の前腕過使用症候群の患者が手根管や腱鞘を傷めたりすることもある。(多発性硬化症等の)消耗性疾患や、脳性麻痺等の神経疾患や、アルツハイマー病、パーキンソン病等の変性疾患の患者は、できるだけ介助無しの生活を望んでいる。バー等、食料を提供する商業的施設等の従業員は、一日に数多くのリングプル式の缶を開けなければならず、反復運動過多損傷に罹る可能性がある。
【0004】
リングプルの寸法には曖昧な規格しか存在しないようであるが、全てではないにしろ殆どのリングプルは、破断容易な封止部を介して食料用の缶詰容器に大きな口を開けるのに用いられる、指を受け入れ可能な大きなリングか、または破断容易な封止部を介して飲料用または注ぎ用の孔を飲料用缶等に開けるのに用いられる小幅のリング(通常「タブ」と呼ばれる)のどちらかに分類される。
【0005】
解決しようとする課題は、「リングプル式またはタブ式の封止部の取り外しを容易にする便利な道具を提供すること」であるといえよう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一端に楔部を有し、他端に取っ手を有する基部と、前記楔部に装着され、前記楔部がリングプルの下方に挿入されたときに該リングプルを把持するように構成されたリングプル把持器とを備える缶開け器具を提供する。
【0007】
本発明は、タブシールとしても知られるリングプルを備えた蓋を開けて取除くのを助けるための改良された道具を提供する。この道具は、封止部を破断して容器から蓋を引き剥がすためのものである。この道具は、これを使わない場合にリング又はタブが一、二本の指の指先の小さな部分に集中させる負荷を担って、取っ手を介して使用者の手全体に分散させる。
【0008】
リングプル把持器は、リングプルを第一の方向に曲げて封止部を破り、次に第二の方向に曲げてタブを取り除くことを可能とし、容器を開ける操作により使用者の手に過度な力がかからないようにする。
【0009】
好ましくは、基部の一端は、本器具を枢動させてリングプルを持ち上げることを可能とする第一の枢動点を画定する。このようにリングプルを持ち上げることによってリングプルの前部が押し下げられ、蓋と容器との間の封止部が破断される。これが上述した第一の方向への曲げである。
【0010】
好ましくは、基部の他端は、本器具を枢動させてリングプルに固定された蓋を持ち上げることを可能とする第二の枢動点を画定する。これが、容器から蓋を持ち上げるための上述した第二の方向への曲げである。この第二の枢動点は、基部表面からの延長部によって形成されてもよい。
【0011】
基部は、楔部の周囲に設けられ、楔部がリングプルの下方に挿入された後にそのリングプルを位置付けするための隆起した側壁を画定してもよい。これによって器具は缶に対して位置付けされる。
【0012】
好ましくは、取っ手は、例えば基部に対して30〜60度で、基部から上方に延出する。これにより、取っ手が缶上の好都合な位置に置かれるとともに、基部と取っ手との間の湾曲部によって画定され得る第二の枢動点を中心に取っ手を下方に枢動するためのスペースが確保される。
【0013】
好ましくは、把持器は、楔部から上方に突出するラッチ部材を有する。このラッチ部材は、その前部に、リングプルの下方への楔部の挿入方向を考慮した傾斜面を有するとともに、その後部に凹部を有してもよい。楔部がリングプルの下方に挿入されると、リングの一端が傾斜面に乗り上げる。これはリングプルの他端部を押し下げる方向に働き、この押し下げが封止部を破断するのに十分な場合もある。封止部が破断されない場合、第一の枢動点を中心に器具を枢動させることによりリングプルを更に持ち上げることもできる。
【0014】
基部からのラッチ部材の高さは、楔部がリングプルの下方に挿入されたときに、リングプルが弾性変形してラッチ部材と自動的に係合するような高さに設定される。このようにすれば、リングプルは、傾斜面を上りきった後、弾性的に落下して凹部と係合する。
【0015】
好ましくは、リングプル把持器は、第一の寸法のリングプルを把持するためのものであり、第二の寸法のリングプルと係合するための第二の係合器が設けられる。この第二の係合器は、第二の寸法のリングプルの把持部を収容するためのスロットを有してもよい。
【0016】
この第二の寸法のリングプルは、指穴が無いタイプに代表される(飲料用缶のタブとして知られる)。このスロットは、その使用時に、第二の寸法のリングプルと確実に、しかも離脱自在に係合することができる。本発明の器具は、また、飲料用リングプル式の缶を開けるのにも適している。このスロットは、取っ手に設けられてもよく(この場合は器具の楔部端部が取っ手として機能する)、または楔部に設けられてもよい(この場合は同じ取っ手を使用することができる)。
【0017】
第二の寸法のリングプルは、押動によってスロットの先端部内に挿入することができ、これにより、タブが把持された後、先ず器具の取っ手を上方に持ち上げることにより封止部を破断し、次に取っ手を缶の縁または表面に対して押し下げることによりタブを缶の残りの部分から取り外す。このようにして、本器具はタブの端縁を持上げ次いでタブを下方に押し曲げる動作を助けるようになっている。スロットには、好ましくは、制御下での取り外しを可能とすべく、外したタブを一旦保持するようなタブ保持手段を設ける。
【0018】
本器具は好ましくは一体成形されたプラスチック製品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照にして本発明の実施例を以下に詳細に説明する。
【0020】
図6〜図8に示す好適な一実施例を参照して本発明に係る器具の動作を最初に説明する(本明細書では「器具(device)」という語は「道具(tool)」という語と同じ意味で用いられる)。続いて、他の全ての実施例について、それらの相違点を中心に説明する。
【0021】
図6〜図8に示すように、この缶開け器具は、一端に楔部106、107を備え、他端に取っ手800を備えた基部を有する。リングプル把持器108が、楔部106、107上に設けられ、楔部をリングプルの下方に(即ち、リングプルと缶の蓋との間に)挿入すると、リングプルが把持されるように構成されている。
【0022】
楔部106、107がリングプルの下方に挿入されると、リングプルは把持器108の傾斜面105に沿って持ち上げられる。これによってリングプルは第一の方向に、あるいは封止部を破断するに十分な程度、曲げられる。封止部が破断しない場合には、楔部の端部107を、リングプルを更に持ち上げるための枢動点として用いることにより、他端部を更に押し下げて封止部を破断することができる。封止部が破断された後、基部と取っ手との間の湾曲部115を中心として器具を枢動させることにより、リングプルを取り外すことができる。
【0023】
基部は、肉厚部105の端縁に形成された、隆起した側壁を備える。この側壁は、楔部がリングプルの下方に挿入された後にリングプルを位置付けるためのものである。
【0024】
ラッチ部材108は、上述のようにその前部に傾斜面105を備えるとともに、その後部には凹部701を備える。楔部がリングプルの下方に挿入されるにつれて、リングの端縁は傾斜面105に乗り上げる。ラッチ部材108の基部からの高さは、楔部をリングプルの下方に挿入したときに、リングプルが弾性変形してラッチ部材と自動的に係合するような高さに設定される。従って、リングプルは、傾斜面を上りきった後、弾性的に落下して凹部701と係合する。
【0025】
従って、器具を使用する際には、始めに器具の取っ手を上方に引上げることにより封止部を破断し、次いでリングを挟んだ状態で缶の縁または表面に対して取っ手を押し下げることにより、封止部と蓋とを缶の他の部分から引き剥がす。
【0026】
図6〜8の器具は、一体成形されたプラスチック製品である。
【0027】
以下、図面に示した他の実施例に特有の構造をより詳細に説明する。
図1に示す第一の例は、くびれを有した形状100である。この道具は、好ましくは、耐久性があり実質上剛なプラスチック材からなる。この道具は、取っ手端部(111〜112)と、好ましくは湾曲した支点又はヒール又は基部(115)と、取っ手から最も離れた端部にあるリング係合領域(106、108、及び109の辺り)の主要部分を有する。本実施例は、器具の動作を検証するためのモデルとして、プラスチックシート材からなる。
【0028】
下記の寸法は、決して本発明の範囲ないし範疇を限定するものではない。これらの寸法の一部は、リングプル式の密閉缶の試験セットの寸法に基づいて決定したものである。
【0029】
材料はポリプロピレンであり、基準の厚さは12mm、湾曲部104の幅は67mm、中央隆起部分109の幅は14mm、中央隆起部分の周囲の溝の幅は5〜6mmである。道具の平面図を左上に示す。また、好適な折り曲げ角度を表す側面図を符号103にて示す。A−A'線、B−B'線に沿って切断したリング係合部の断面図を夫々符号101、102にて示す。道具は垂直軸(A−A')に対して都合よく左右対称である。
【0030】
本実施例に係る道具は、湾曲部104の一方の側にある指用グリップ、すなわち2つの穴111と、くびれ部112とを有する。以下詳細に説明する「リング把持係合アセンブリ」は、傾斜面108上から道具本体の肉厚近くまで(A−A'断面に示すように)上昇する中央傾斜部又は隆起部分109の三方を囲み、残り約4mmの厚さまで薄くされた、幅が約5〜6mmの溝106を備える。
【0031】
好適な形態のものは、金型において鋳造することにより製造され、隆起部分109の上端は、図2及び図3に示すように、全体の上面よりかなり高い位置としてもよい。
【0032】
隆起部分の側壁を随意に僅かに(符号114参照)凹ませてもよいし、また、幾つかのタイプのリングプル用に、後方壁(隆起部分の上端部)も随意に凹ませてもよいが、これらは必須ではない。符号113にて示す凹所を湾曲させてもよい。さらに、溝の他端側も僅かに凹ませてもよい。道具の端部は、先端107辺りから隆起部分の基部まで徐々に厚みが増す。特に、破断容易な封止部を使用時に押圧してその破断を助ける「先端」107と、リングプルを容器上面に接合する構造である、容器の「リベット」を挟むために存在するスペース110とに留意されたい。湾曲部115の外側(道具の下側)は、封止部をより簡単に取り外すために、符号111近辺の取っ手領域111に加わる下向きの圧力を、リングプルを持ち上げる力に変換するための支点であり、好ましくは、この支点は、幅の細い缶であればその縁から縁の間に跨ることができる程度か、または、大きな缶であれば、その蓋上に荷重を少なくとも分散させるに十分な幅を有する。封止部の持ち上げを容易にするために、湾曲部は約45〜50度にすべきであるが、他の角度であってもよい。
【0033】
使用時には、道具を取っ手端部で掴み、リングプルが担持されている端部に向けて容器の上面上を滑らせて、傾斜部がリングプルの下部と係合するようにする。先端は、平たく押し下げられたリングプルの下部にさえも潜り込める程に十分に薄いが、道具が縁に向けて押し込まれるにつれて、リングプルを傾斜部上に案内するようになっている。隆起部分109がリングの下方に差し込まれるにつれて、隆起部分の傾斜部108によってリングが持ち上げられ、最終的にリングは隆起部分の後方に落下して溝内に収まる。傾斜部(殆どの図で符号108)及び後方の凹部(多くの図で符号701)は、道具の先端107が封止部を破断するために下方に向けられている際に、リングプルのリングのしっかりと保持されている先端部を中心に道具が回転するように、リングを持ち上げて保持するようになっている。この時、道具はリングで固定されており、道具を傾けると、リングプルとそのリベット・マウントの可撓性により、道具はリングプルと缶との間の略接合位置を中心に回転する。容器を(通常、垂直に)保持して道具の後部111を持ち上げると、先端部107が封止部に近接した缶表面を次第に強く押圧する。その結果、破断容易な封止部が破断される。次に、取っ手を後方に単に引っ張って残りの封止部を破断するか、または、ヒール115を支点にして缶の上面に対して取っ手を下方に押圧すると、未だリングプルと係合している隆起部分109が(てこの作用で)持ち上がり、これにより、リング式封止部が蓋と共に缶の残りの部分から引き離される。最後に、取り外された蓋は、掴んで道具から取り外すことができる。指用グリップ111に近接するくびれ部112の形状により道具を掴み易くすることができ、指穴111を設けなくても十分な把持部として機能し得る。道具の外形は以下のように多くの変形が可能である。
【0034】
指用グリップの代わりに類似のグリップ端部を持つ第2の実施例200は、手で掴むことが可能な細長い取っ手201を備える。図2の例は、(例えば)関節炎を患っていて、酷い痛みや損傷の虞無しには、図1に示す指穴で、又はくびれ部によってさえ道具を使えない人に適している。また、商用利用者にも好都合である。また、脳卒中等により手に損傷を負った患者は、握力が弱まっている場合がある。なお、この例においては、傾斜部と隆起部分109の下方に、内に向って凹んだテーパ部が無いことに留意されたい。
【0035】
第3の例に係る射出成形されたプラスチック製の道具には、全体的により薄く形成された本体や中空の取っ手等、プラスチック材を節約するための変更を加えてもよいが、強度を増すためのウェブ等を備えてもよい。図3の断面図にも示すように、傾斜部109の上端は、道具全体の厚みより高い位置に設定してもよい。穴304は、指用グリップとして、また、プラスチック材の使用を節約するためにも役立ち得る。
【0036】
図4に示す類似例の器具400は、異なる形状の取っ手401を有する。これは指で掴んで掌で押すようになっている。
【0037】
上記の例のように溝を壁で完全に閉じる代わりに、複数の柱または小さな仕切等を断続的な壁として設けるだけで同様の効果を得ることができる。柱は、使用時にリングプルを把持するに十分な高さまで基準面から上方に延出する。この高さは約10mmとしてもよく、各柱の直径は、例えば使用するプラスチック材の機械的性質に応じて、3〜6mmであってもよい。このような柱を使用することにより、道具に必要なプラスチック材の全体使用量を削減することができる。図5に、中央傾斜部108を囲む複数の柱(501、502、503、504)を含むリング係合領域500を示す。
【0038】
同様の把持係合アセンブリを有する道具は、指用グリップの代わりに、壁に固定されるように構成されたブラケット部(bracket section)を備えることも可能である。この変形例は、容器を掴んで、固定された道具に押付けることしかできない人に適している。好ましくは、この作動端部の角度は、中身がこぼれないようにするために、封止部が破断される際に容器が略水平となるような角度にするべきである。30〜45度の傾斜は許容範囲である。開けられた缶の表面が略水平に保たれるようにヒンジを設けてもよい。
【0039】
図6〜図8の第4の例は既に簡単に説明したもので、射出成形されたポリカーボネートからなる。図6では作動端部は平面図で示されている。一方、図8では、道具800全体が取っ手領域111を下にして置かれており、ヒール115での湾曲のため、作用端部は傾斜した状態で示されている。図6において、2つの鋭い舌状部107が前方に延出しており、これらは、リングプルが傾斜部108の端部を越えて係合された後に開けられる缶の封止部を破断するために使用される。リングは(上述の例と同じく)、リングが先ず傾斜部106を滑りながら上り、傾斜部108を過ぎてその頂点を乗り越えて、最終的に傾斜部108の後部に設けられた切り欠き701(図7a)にて捕捉されて傾斜面113と係合するように道具を缶の縁に向けてリングの下方に差し込むことによって、係合される。図6の穴601は、道具の製造中に切り欠き701を形成するための射出成形工具を挿入するために設けられている。図8には道具全体が示されている。その取っ手領域111は典型的なリング形状に似せて作られている。図7bは、この道具に用いられる切り欠き702の好ましい意匠を示す。
【0040】
図9(図9a〜図9c)は、基部の楔部107の端部の別の意匠を示す。どの場合にも、リングプルと蓋との間の溶接部の周りに嵌合するような切り欠きが設けられている。
【0041】
図10(図10a〜図10d)及び図12(図12a〜図12c)は、道具のリング把持部の他の変形例を示す。どの場合にも、使用中にリングを実際に把持する領域を符号701で示す。食料品包装出荷業界ではリングの寸法、形状は様々なものがあるので、この変形のうちどれが「理想的」であるかを特定するのは難しく、実地試験が有効であろう。図11は、別の変形の断面図を示す。図中、符号108で示す部分は、道具をリングの下方にかつ容器の開封すべき部分に向けて押し込む際に、リングの自由端が乗り上げていく部分である。リングはそのまま移動してゲート1102を押し退けて、使用後にフラップ1101の自由端が押し上げられて取り出されるまでは空間1103内に保持される。フラップ1101には、プラスチック及び射出成形産業において知られているようにプラスチック材及びフラップの厚さを適宜に選択することにより、所定量の弾性が与えられる。
【0042】
上記の例は、開封された端部を持ち上げるべく自由端103に下方向の圧力を加えた際の支点となるヒール115を構成する湾曲部が中程に設けられた、概して平坦な形状を有する(図1の側面図(正面図)参照)。リング及び破断対象の封止領域に一定の傾斜を適用する利点を検証するために、第5の例では、突起部(図13及び図14中、符号115)が容器の表面に当接して、道具の作動端部(概ね符号107で示され、傾斜部108及びリング把持部を含む)を常に傾斜状態に維持するような道具の使用について検証する。図13a、図13bはこの道具の2つの変形例の断面図であり、図14は別の変形例の斜視図である。図中の符号105は取っ手である。
【0043】
この例では、延長部115との接合部までは、基部を楔部107と見なすことができる。従って、基部は、ここでも、一端に楔部107を備え、他端に取っ手105を備える。
【0044】
傾斜部108は、道具本体とはっきり区別できない。勿論、採用した製造工程に適するように、この原理を利用した他の形態のものを作ることもできる。
【0045】
上述した道具は、飲料用缶に使用される、より小さくて幅の狭いリングプル(「タブ」とも呼ばれる)を取り扱うのにはあまり適していないが、この種の道具を上記のようなタイプのリングプルに適用することが通常期待される。多くの場合、飲料用缶のタブは蓋に密着しているので、割れ易くデリケートな爪をもつ人や、手袋をはめた人や、指が大きく爪の無い人は、缶開け操作に取り掛かることすらできない。標準化された形状のタブ1701を備えた典型的な缶の上面(従来例)を符号1702で示す(図17b、図18b参照)。一般に、リングプル式またはタブ式の飲料用缶の把持手段として深いスロットが用いられるが、例えば側面が開口したスロットや中央が開口したスロット(端縁の溝)といった、この種のタブを把持するための他の手法が、当業者には明らかである。
【0046】
図15〜図21の第6の例は、先端と組み合わせた、道具の端縁から内側に延在する深いスロット1501を備える。深いスロットは、タブの端部がスロット内に容易に案内されるように、少なくとも開口部で下部摺動面(例えば図15の103)の近くに設けられるのが好ましい。先端下部は、好ましくは、使用時において、缶の上面にリングタブを固定するリベットの周りに当接可能な基部の湾曲部1901を備える。タブがスロット内に挿入された後、使用者が単に道具の他端部(115〜107)を持ち上げるだけで、タブ1701の露出端部の内方への移動により破断容易な封止部が破断される。次いで使用者は、道具を下ろして穴を開け、最後に、例えばタブが缶の上面に対して比較的平らになるように引き抜き時にタブを下方に押圧する「拭き取り」動作により、タブから道具を引き抜く。上記解決策は、飲料用缶等に使用する道具として、あるいは、本明細書中の他の実施例において説明する固形食糧容器用リングプル取外し器と組み合わせて提供することができる。
【0047】
図15は、取っ手端部にスロット1501を備え、他端にリングプル用傾斜部1503を備えた一般的なリングプル用器具1500の側面図である。符号1505は隆起部分1504の後方に設けられたリング把持用凹部である(例えば図10bに示す)。図16は、傾斜部1503と、これと関連する隆起部分との下方且つヘッド内に設けられたスロットを備えたリングプル用器具1600のヘッドの側面図である。飲料用缶のリングプル用のスロットをこの位置に設けるには成形プラスチック製品に使われるプラスチックでは強度が不足かもしれない。食品産業における業務用として、例えば金属製としてもよい。あるいは、図16のスロット1501の下方にある薄い板をネジ留め式の金属板にすることもできる。
【0048】
図17aは、両側面を貫くように開けられた、幅の細い取っ手1700のスロット1501の側面図である。図17bは、使用時における図17aの取っ手を示す。この変形例は製造し易いが、実際の使用では寿命が限られている場合がある。図18aは、幅の細い取っ手1800に設けられたスロット1501の同様の側面図であるが、所定量のプラスチックでより大きな強度を得るために、スロットに側壁を設けて三方を閉じている。この種のスロットは、溶融プラスチックに舌状物(tongue)を挿入する方法により形成され得る。同様に、図18bは使用時における図18aの道具の平面図である。
【0049】
図19は、取っ手に飲料用缶のリングプル用スロット1501を備え、掌に収まるように作られた道具1900の完成状態を示す。道具には(支点または「ヒール」を設けるために)符号112周辺に湾曲部を随意に備えてもよい。符号1901は缶上のリベットの周りに嵌合する切り欠きである。符号1902は、リングプルが缶から外された後(または外れた場合に)落下しないようにリングプルを「捕捉」するための、プラスチック材に成形されたオプションの留め具である。留め具は、弾力のある支持アームの端部に、缶を捕捉するヘッドを有するが、その全体は射出成形工程で形成される。様々な厚さのタブを把持するには、僅かに湾曲したスロットを用いるのがより簡単な方法であろう(下記参照)。後方に向って狭まるテーパ状スロットは、テーパ状の舌状物を用いることによって、より容易に形成され得る。スロットは、水平方向、垂直方向、または両方向に先細りするように構成してもよい。
【0050】
本発明の器具の別形態を図20a〜図20eに示す。これは、別形態に係る完成状態の道具であり、封止部破断用の端縁107と、隆起部分108を上るように設けられた傾斜部と、回りを取り囲む溝106とを備えた、食品用缶等のリングプルに適した第一の端部(図20aで右側)を有する。第二の端部(左側)は、上述の内部スロット1501とリベット用凹部1901とを備えており、飲料用缶のタブに適している。図20bは、スロット内に完全に挿入された飲料用缶タブ1701を示す。図20cは、飲料用缶用のスロット側から見た正面図である。図20dの側面図に示すように、この道具は一つの湾曲部と、使用を快適にするための側翼2001とを備える。図20e中符号2003にて、丈の高い縁を有する缶のリングプルに届き易くするために役に立つもう一つのオプションの湾曲部を示す。この図は、随意に設けられる湾曲したスロット2002(側面図)を示す。
【0051】
図21aは、更に別形態に係る、二つの用途をもった道具を示す。これは図8に示したものに似ているが、更に、飲料用缶型のリングプルに係合するためのスロット2105を備えた取っ手に、平坦な部分2101を有する。好都合なことに、この部分を付け加えることにより一対の指置き場2102、2102'が設けられる。先程と同様に、リベット用切り欠き1901が下方端部に設けられる。図21bは、A−A'線に沿って切断した平坦部分2101の断面図であり、僅かに湾曲したスロット2105の断面と、外側端縁2103と、内側端縁2104とを示す。道具のこちら側の端部は、他方のタイプのリングプルを取り除く際に使用者の手に当るため、概して丸みのある形状とするのが好ましい。
【0052】
この例に係る単一機能の道具は、(指で操作することを意図した大きなリングプルを有する)食品用缶の封止部を破断する機構を備えずに、単に飲料用缶のタブを開けるための機能だけを備える。図17及び図18はこれらの道具を示すものとして捉えることもできる。
【0053】
図1に示すモデルの例では、道具の全体が丈夫なプラスチック材(ポリプロピレン)の板から形成される。コストを減らすために、この道具を射出成形してもよいし、または他の量産向きの方法で製造してもよい。図6、図7及び図8の道具は、様々な色のポリカーボネートを用いて一回の生産操業により射出成形されるものである。封止部破断用の端縁は、各種プラスチックで製造しても十分に強度があるが、成形された道具に、金属製または高強度プラスチック製のインサートを使用しても差し支えない。一方、道具の残りの部分は、バージンプラスチックまたは再利用プラスチック材を用いて製造することができる。多くのプラスチック、プラスチックアロイや、複合材が使用に適した材料である。射出成形の利点を必要としないならば、金属、木、木を主体とした複合材、骨又は石等の(プラスチック以外の)他の材料を用いることもできる。金属製の道具であれば、ダイカスト法、加圧ダイカスティング、フライス削り、または特に金属薄板を使用する、当業者に公知の他の方法により製造可能である。
【0054】
この道具は、ビンの王冠を開けるための栓抜き等の、他の便利な容器開け器を備えることもできる。
【0055】
製造業者が異なる寸法のリングプルを有する容器を製造し、これに適合した本発明に係る道具をこの容器と共に販売すれば、購買者がこの製造業者の製品を再び買いたくなるように仕向けることもできる。食品産業(バー、レストラン、ホテル等)の業務用の道具であれば、認証機関の合格品質基準に沿った、一定等級のステンレス等のような硬材から全体を作ることもできる。そうすれば、必要とされる高度な基準を満たすような、より良好な耐摩耗性が得られるとともに、容易に繰返し洗浄することもできる。しかしながら、プラスチックはほとんどの産業で許容されるであろう。
【0056】
道具の他の変形例は、使用者が缶本体を手に持って道具の作動部分に対して動かすだけで済むように壁に取付けることができる。
【0057】
本発明に係る道具を作る別法としては、2〜3mmの鋼板等の金属板を打ち抜き等で成形し、腐食を防止して寿命を延ばすためにその鋼を随意にメッキする方法がある。また、当技術分野において知られるように、利便性と経済性を考慮して他の材料を使用してもよい。隆起部分や隆起した傾斜部を設ける場合などに必要な比較的高い突起は、傾斜部が隆起した舌状部に似た形となるように、金属の後部を切断することにより設けることができる。この道具もまた、隆起した傾斜部の周りの溝や先端部を設けること等、その「作動端部」は同様の構成である。
【0058】
タブを保持する飲料用缶タブ用のスロットを設ける別法としては、十分な長さがスロット内に押し込まれた後にタブが所定位置に嵌合するように、スロット内にテーパ部(タブ進入側、即ち開口端部の方が広い)を設けることである。この方法はタブの厚さに左右されるが、テーパ状の舌状物を使って射出成形により簡単に成形することができる。
【0059】
タブを把持する飲料用缶タブ用のスロットを設ける別法としては、十分な長さがスロット内に押し込まれた後にタブが所定位置に嵌合するように、スロット内にテーパ部(タブ進入側、即ち開口端部の方が広い)を結合することである。この方法はタブの厚さに左右されるが、テーパ状の舌状物を使って射出成形により簡単に成形することができる。
【0060】
本発明に係る道具によれば、リングプル式の封止部の取外し操作が従来のものと比べて相当容易となる。また、本発明の道具は、障害や、神経筋疾患を含む変性疾患を持つ人に特に便利である。柔らかい爪や装飾的な(例えば長く、マニキュアを施した)爪の人でも爪を損傷する虞がない。
【0061】
まるでバネ押しされているかのようにぴったりと缶表面に張付いたリングプルは、(爪の長さに係らず)どんな人にとっても厄介なものである。そのようなリングプルを缶表面から引き剥がすには一般にナイフや同様の金属製用具を使わねばならず、怪我をする可能性があった。
【0062】
本発明の道具は、サービス業に従事する人による場合等、リングプルの頻繁な使用を容易にするものでもある。この道具は、機械化されたリングプル式の缶開け器の構造とも相性がよい。
【0063】
本発明に係る道具は、商品販売を助ける販売促進用の付属品としても便利である。
【0064】
最後に、本明細書において説明ないし例示した本発明の範囲は、例示を目的としてここに示した好適な実施例に限定されるものではないと理解される。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、各種の変更、付加や置換を行なうことができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る器具の一実施例を示す。
【図2】より大きな取っ手を備えた図1の器具を示す。
【図3】本発明に係る器具の他の実施例の側面図である。
【図4】本発明に係る器具の更に別の実施例を示す。
【図5】複数の柱を使用し、薄い部材で作られた本発明に係る器具の更に別の実施例である。
【図6】本発明に係る器具の更に別の実施例の作用端部を示す平面図である。
【図7】図7aは図6の器具の作用端部の平面図である。図7bは図6の器具の改良された作用端部を示す立面図である。
【図8】図6の器具の全体図である。
【図9】図9a,図9b,図9cは本器具の封止部破断端縁の他の形状を示す図である。
【図10】図10a、図10b,図10c,図10dは封止部破断、引上げの際にリングを把持する部材の他の形状を示す。
【図11】封止部破断、引上げの際、リングを把持する部材の他の変形を示す。
【図12】図12a、図12b、図12cはリングプル用の傾斜部と把持部の他の形状を示す。
【図13】図13a、図13bはヒールとして働く、湾曲部ではなく延長部を用いる本発明に係る器具の他の例の断面図を示す。
【図14】同じくヒールとして働く、湾曲部ではなく延長部を用いる本発明に係る器具の他の例の斜視図を示す。
【図15】取っ手の端部にスロットを備えた本発明に係る器具の他の例を示す。
【図16】頭部内にスロットを備えた本発明に係る器具の他の例を示す。
【図17】図17aは幅狭い取っ手内に、一方の側面から他方の側面まで開口したスロットを示す側面図である。図17bは従来の缶上面で使用中の図17aの器具を示す平面図である。
【図18】図18aは細幅の取っ手内に設けられた、三方の側面が閉じたスロットを示す側面図である。図18bは使用中の図18aの器具を示す平面図である。
【図19】取っ手内に飲料用缶用のスロットを備え、掌に持てるような形状をし、両端に機能を備えた本発明に係る器具の他の例を示す。
【図20】図20a−図20eは本発明に係る器具の他の例の平面図、正面図、側面図を示す。
【図21】図21aは飲料用缶型のリングプルと係合するスロットを備えた取っ手内に平坦部を有する本発明に係る器具の他の例を示す。図21bは図21aの器具の平坦部の、A−A'線に沿った断面図である。
Claims (16)
- 一端に楔部を有し、他端に取っ手を有する基部と、
前記楔部に装着され、前記楔部がリングプルの下方に挿入されたときに該リングプルを把持するように構成されたリングプル把持器と
を備える缶開け器具。 - 前記基部の前記一端は、前記器具を枢動させてリングプルを持ち上げることを可能とする第一の枢動点を画定する、請求項1に記載の器具。
- 前記基部は、前記楔部の周囲に設けられ、前記楔部がリングプルの下方に挿入された後にそのリングプルを位置付けするための隆起した側壁を画定する、請求項1又は2に記載の器具。
- 前記取っ手は、前記基部から上方に延出する、請求項1〜3のいずれかに記載の器具。
- 前記取っ手は、前記基部に対して30〜60度で延出する、請求項4に記載の器具。
- 前記把持器は、前記楔部から上方に突出するラッチ部材を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の器具。
- 前記ラッチ部材は、その前部に、リングプルの下方への前記楔部の挿入方向を考慮した傾斜面を有するとともに、その後部に凹部を有する、請求項6に記載の器具。
- 前記基部からの前記ラッチ部材の高さは、前記楔部がリングプルの下方に挿入されたときに、リングプルが弾性変形して該ラッチ部材と自動的に係合するような高さに設定される、請求項6又は7に記載の器具。
- 前記ラッチ部材は、前記基部から約1cmの高さまで延出する、請求項8に記載の器具。
- 前記基部の前記他端は、前記器具を枢動させてリングプルに固定された蓋を持ち上げることを可能とする第二の枢動点を画定する、請求項1〜9のいずれかに記載の器具。
- 前記リングプル把持器は、第一の寸法のリングプルを把持するためのものであり、
第二の寸法のリングプルと係合するための第二の係合器を備える、
請求項1〜10のいずれかに記載の器具。 - 前記第二の係合器は、前記第二の寸法のリングプルの把持部を収容するためのスロットを有する、請求項11に記載の器具。
- 前記スロットは、前記取っ手に設けられる、請求項12に記載の器具。
- 前記スロットは、前記楔部に設けられる、請求項12に記載の器具。
- 一体成形品である、請求項1〜14のいずれかに記載の器具。
- プラスチック成形品である、請求項15に記載の器具。
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