JP2004533769A - Ofdm変調を用いたポイント・ツー・ポイント通信におけるアップリンクチャンネルのための同期化方法 - Google Patents

Ofdm変調を用いたポイント・ツー・ポイント通信におけるアップリンクチャンネルのための同期化方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、OFDM変調を用いたポイント・ツー・マルチポイント通信におけるアップリンクチャンネルのための同期化方法に関する。本発明の方法は、最初に、同期シーケンス(3)を用いて(ヘッドエンド装置(1)からユーザ装置(2)への)ダウンストリームチャンネルに関する時間及び周波数の同期化を実行し、続いて、実行された推定計算を基準として、ユーザ装置のサンプリング周波数を補正し、アップリンクの周波数同期化は、ヘッドエンド装置が補正を行うことなく実行される。ユーザ装置は、ヘッドエンド装置が予め決められた瞬間にOFDMシンボル(7)を受信するように、当該OFDMシンボル(7)をヘッドエンド装置に送信する瞬間を決定する。アップリンクチャンネルは、ユーザ装置に対して問い合わせを行うことによってアクセスされる。本発明は、電力線ネットワークを介してデータを送信するための双方向通信に使用可能である。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は電気通信セクタに関し、特に、本発明は、電力線ネットワークを通信の手段として使用してユーザに複数のサービスを提供する場合に、ユーザ装置とヘッドエンド装置との間のリンクであるアップストリームチャンネルにおいて同期化を実行するように、ヘッドエンド装置と様々なユーザ装置との間の双方向通信に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
背景技術において、複数のユーザ装置からヘッドエンド装置へのOFDM変調を用いた伝送のためのアップストリームチャンネルにおける通信を同期化するための様々な方法が知られているが、これらの方法のうちで、伝送の手段が電力線ネットワークであるポイント・ツー・マルチポイント・システムにおいて同期の偽表示(false indication)を防止するために必要な高い安全性のレベルに到達しているものは存在しない。
【0003】
ネットワーク上の異なる装置の接続及び切断が回線上に電圧のピークとインピーダンスの変動とを生成し、このことが、チャンネル応答を時間にわたって変動させるという事実より、電力線ネットワークは扱いにくい伝送媒体であるということはよく知られている。
【0004】
既知の同期化方法の中でも、2つの等しい半分を有する1つの同期シンボルを用いた時間同期化処理に関する米国特許第5,732,113号の明細書に記載された方法に言及することは重要である。上記方法では、同期化を実行するために、本発明によって提案される個数より少ない個数のサンプルが使用され、また、上記方法では、電力線ネットワーク中では非常にありふれたものであるインパルス雑音は、定義により、これらの雑音が、少数のサンプルに影響する時折偶発的に発生する雑音であって、ゆえに、上述の当該米国特許第5,732,113号の明細書における処理に対しては、本発明において提案される解決方法よりもずっと大きな程度だけ影響するという事実に起因して、同期化に対してより大きな程度で影響する。ゆえに、ただ1つの同期シンボルを用いた方法は、電力線ネットワークを用いた伝送システムでは望ましくない。
【0005】
また、1つの同期シンボルを使用することは、同期化を実行するためにより少ない個数のサンプルを使用することに起因して、同期の計算又は推定におけるより大きな変動を意味するということも指摘しておく必要がある。
【0006】
ピー・ムース(P. Moose)は、「直交周波数分割多重化の周波数オフセット補正のための技術(A technique for orthogonal frequency division multiplexing frequency offset correction),IEEEトランザクションズ・オン・コミュニケーションズ(IEEE Trans. on Commun.),vol.42,2908−2914ページ、1994年10月」において2つの等しいシンボルを使用する概念を発表したが、これらのシンボルは、決して、本発明において実行されているように時間同期化を実行するように考慮されたりあるいは使用されたりしたわけではなく、それに代わって、ムースは、アナログ変換周波数の誤差を推定計算するためにこれらを使用した。
【0007】
さらに、後述のように、アップストリームチャンネルにおける周波数同期化は、スペイン国特許出願第200101154号の明細書で指摘されているように、ダウンストリームチャンネルにおける周波数同期化から開始することによって実行され、また、アナログ変換周波数の誤差を補正するための相関値の逆正接(アークタンジェント)による周波数同期化は、背景技術において、例えば米国特許第5,432,113号の明細書又はムースによる論文において知られているが、本発明の場合においては、周波数同期化は、ユーザ受信機の各々におけるアナログ/ディジタル変換器でのサンプリング周波数の誤差を推定計算することによって実行され、これは、実質上、背景技術において知られたものとは異なっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、典型的には、電力線ネットワークを介したデータ伝送中に固有に存在する、高い雑音レベル及び周波数選択性に起因する問題点を回避するような、電力線ネットワークにおけるアップストリームチャンネルのための新規かつ安全性の高い時間及び周波数の同期化方法を提供し、これにより、アップストリームチャンネルにおける同期の偽表示の生成を防止することにある。
【0009】
本発明の方法により周波数同期化が実行され、これによれば、複数のユーザ装置の送信機は、ヘッドエンド装置からユーザ装置へ進む通信として定義されるダウンストリームチャンネルで受信される信号から開始することで、ヘッドエンド装置の受信機によって使用される周波数において同期化し、そのため、ヘッドエンド装置は周波数の補正を一切行う必要がない。
【0010】
さらに、ここに説明された方法は時間における同期化を含み、その目的は、ユーザ装置がOFDM(直交周波数分割多重化)シンボルを送信しなければならない瞬間を推定計算することにあり、そのため、ヘッドエンド装置は、予め確立された一定の瞬間にそれらOFDMシンボルを受信し、また、ユーザ装置はこの条件に適合するようにOFDMシンボルの送信の瞬間を変更し、ゆえにヘッドエンド装置が時間における補正を実行する必要はなくなる。
【0011】
本発明において説明されているようなアップストリームチャンネルにおける同期化は、ダウンストリームチャンネルで実行される同期化を基礎とするので、ここに予見されるようなアップストリームにおける同期化は、好適には、スペイン国特許出願第200101154号の明細書に記載されているようなダウンストリームのための同期化方法を基礎とする点は注意される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
電力線ネットワークを伝送手段として用いたOFDM変調によるポイント・ツー・マルチポイント伝送システムにおいて、複数のユーザのためのアップストリームチャンネルにおける周波数及び時間同期化を実行するために、本発明は、ダウンストリームにおける周波数同期化で実行される推定計算から開始される、様々なユーザ装置におけるサンプリング周波数を補正することによる周波数同期化を含む。さらにこれは、アップストリームチャンネルによって送信される際の様々な搬送波によって被る位相回転数(ローテーション)を考慮するための、ユーザ装置における前置補償の実行を含む。ここで、上記位相回転数は、ダウンストリームチャンネルにおける複数の搬送波により被る位相回転数の推定値を基礎として計算される。これらの両方の特徴により、アップストリームにおける周波数同期化は、同期化がユーザ装置において実行されるという事実に起因して、ヘッドエンド装置がアップストリームチャンネルでの受信において補正を実行することなく実行できるようになる。
【0013】
さらに、本発明の方法は時間同期化を含み、それにより、ヘッドエンド装置がアップストリームチャンネルにおいて受信の補正を実行することを必要とせずに、ヘッドエンド装置が予め確立された一定の瞬間にOFDMシンボルを受信するように、かつ、ダウンストリームチャンネルにおいて受信される信号から時間同期化が実行されるように、ユーザ装置は、上記OFDMシンボルをヘッドエンド装置へ送信する瞬間を推定計算する。
【0014】
本発明はさらに、複数のユーザ装置が、複数のスロット(時間及び/又は周波数のフラグメント)の割り当てによって、ヘッドエンド装置からの問い合わせを受け、上記ユーザ装置は、アップストリームチャンネルへアクセスするための要求の送信を希望する場合にはヘッドエンド装置に応答し、ヘッドエンド装置は、送信を要求している複数のユーザ間でアップストリームチャンネルにおける帯域幅を分配し、この分配情報を上記複数のユーザ装置へ送信することにより、これらのユーザ装置が衝突のない送信を行うようにすることを特徴とする。
【0015】
時間同期化は、ダウンストリームチャンネルにおいて受信される信号から推定計算される瞬間においてOFDMシンボルを送信するユーザ装置によって実行され、そのため、ヘッドエンド装置は、与えられた瞬間において、又は少なくとも、少ないサンプル数を有する時間ウィンドウにおいてこれらOFDMシンボルを受信し、これにより、複数のユーザ信号に対して正しくウィンドウ(窓)を設定していないことに起因した干渉の生成が防止される。
【0016】
結果的には、ヘッドエンド装置は決して受信ウィンドウを進めることも、あるいは遅らせることもなく、むしろ、予め決められた一定の瞬間であって、ユーザ装置によって調整される瞬間に上記受信ウィンドウを保持する。
【0017】
ヘッドエンド装置及びユーザ装置の両方における送信及び受信のサンプル周波数を発生するために同じ発振器が使用されるので、アップストリームチャンネルにおける周波数同期化は、ダウンストリームチャンネルにおける周波数同期化から実行される。
【0018】
ユーザ装置において実行される位相回転の前置補償は、ユーザ装置においてダウンストリームチャンネルを介して受信される信号における搬送波の各々での位相回転数の推定計算によって開始することで位相回転器(ロータ)により実行され、このために、各ユーザ装置は、送信機における位相回転装置であるとともに受信機において用いられる位相回転装置を有し、これらは共に同様の機能を有する。従って、ユーザ装置における送信機内の位相回転器は、スペイン国特許出願第200101154号の明細書に記載されたものと同様に機能する。
【0019】
本発明により送信機上で実行される位相回転は、電力分配ネットワークを介したデータの送信によって生成される位相回転を予め補償する(前置補償する)という事実により、位相回転の前置補償は、周波数における誤差がまったく存在しなかったかのように信号がヘッドエンド装置に到着することを可能にする。
【0020】
さらに本発明は、時間同期化が、ヘッドエンド装置によって要求されるときに1つ又は複数の同期シーケンスを生成してユーザ装置からヘッドエンド装置に送信することを含み、上記同期シーケンスは2つの同一の同期シンボルで構成されることを特徴とする。同期シーケンスは、(背景技術において知られた)最尤規範を最大化することによりヘッドエンド装置において検出される。そのため、時間同期化は、様々なユーザによって送信されたシーケンスサンプルの相関値の最大値を計算することから実行され、ここで、この最大値は、相関値のピーク部分における平坦な領域の中点として決定され、サンプル数で表された上記平坦な領域のサイズは、シンボル間干渉(ISI)が存在しないときの巡回的なプレフィクス(シンボル間干渉を防止するために伝統的に導入されるプレフィクス)のサンプル数に等しい。このことはすべて、ダウンストリームにおいて発生するものと同様であるが、唯一の相違点は、特定のユーザ装置から同期シーケンスが到着する瞬間についてヘッドエンド装置が近似的に認識していることである。このことは、伝統的にはヘッドエンド装置からユーザ装置へ送信されるスロット割り当てメッセージ(SAM)に従ってスロットを割り当てることにより、又はアップストリームのリソースを複数のユーザに割り当てることにより、先行する要求が上記のことを実行するようにされ、ゆえに、ユーザ装置に割り当てられたスロットにおいて同期シーケンスは送信されるという事実に起因する。
【0021】
アップストリームチャンネルにおける時間同期化の処理は、上述のように、予め確立された一定の瞬間においてOFDMシンボルがヘッドエンド装置に受信されるように、様々なユーザ装置における上記OFDMシンボルの送信の瞬間が推定計算される捕捉ステージ及び追跡ステージを含む。
【0022】
時間同期化の捕捉ステージは、ユーザ装置が、ダウンストリームチャンネルで達成される時間同期化から開始して各OFDMシンボルの送信の開始時刻(又は開始部分)を推定計算する開ループによって決定され、そのため、ダウンストリームチャンネルで受信されるOFDMシンボルの到着の瞬間が推定計算されると、ユーザ装置は、その受信機及び送信機内のフィルタによって導入される遅延とともに、巡回的なプレフィクスに起因して確立される平均誤差とを補償し、ユーザ装置はまた、電力線においてシンボルが開始する瞬間がアップストリームとダウンストリームとでほぼ等しくなるように推定計算された瞬間においてOFDMシンボルを送信する。
【0023】
時間同期化の追跡ステージは閉ループのフィードバックによって決定され、この閉ループのフィードバックでは、予測された瞬間において正確にOFDMシンボルをヘッドエンド装置で受信するように、上記ユーザ装置によるOFDMシンボルの送信において進められるかあるいは遅らされる必要があるサンプル数を、ヘッドエンド装置が、ユーザ装置によって送信された受信信号により推定計算し、ゆえに、ヘッドエンド装置は、実行された計算に関する情報をSAMメッセージのパラメータとしてダウンストリームチャンネルでユーザ装置へ送信し、これに基づいて、ユーザ装置はOFDMシンボルの送信における上記の進み又は遅れをもたらすことを実行する。
【0024】
時間同期化における開ループは、閉ループによって実行される推定計算がチャンネルによって導入される遅延を補償し、これにより適正な同期化が達成されるように、継続的に実行される。
【0025】
ヘッドエンド装置は、アップストリームチャンネルを介した送信にどのユーザが関心を持っているかということについて知ることを希望する場合には、上記複数のユーザ装置に問い合わせスロットを割り当て、関連したユーザ装置は、アップストリームチャンネルでの送信を希望していれば、当該スロットにおいて予め決められたシンボル(問い合わせに対する応答を示すポーリング(POLLING)シンボル)を送信する。
【0026】
問い合わせスロットは、様々なユーザ装置に対して同時に問い合わせをするために、1つ又は複数のシンボルで構成される小さいフラグメントに分割され、ヘッドエンドは、それがSAMによって問い合わせを行うことを希望する1つ又は複数のユーザ装置にフラグメントを割り当て、それによって、送信を希望するユーザは、スロット全体ではなくこのフラグメントを用いて問い合わせに応答する。
【0027】
各フラグメントにおいて、ユーザはただ1つのポーリングシンボルを送信し、フラグメントが1つよりも多くのシンボルを占有している場合はフラグメントの残りを無音状態のままにし、そのため、ユーザ装置が正確に時間同期化されていないときに2つの別個のフラグメントで応答する場合に発生する可能性のある、複数のユーザの問い合わせに応答するポーリングシンボルの重複は存在しない。
【0028】
問い合わせ要求への応答であるポーリングシンボルの検出は、受信された信号と、ヘッドエンド装置に予め記憶されたポーリングシンボルとの相関によって実行される。この機能を実行するためには、マッチドフィルタを使用することが好適である。
【0029】
ポーリングシンボルはX個の等しい部分を有し、そのため、検出時には、N/X個の乗算器及び遅延器を有する有限応答のマッチドフィルタを用いてもよい。ここで、Nは、ユーザがアップストリームチャンネルで送信することを必要とする場合に、問い合わせスロットに割り当てられたフラグメントにおいてユーザにより送信されるポーリングシンボル内のサンプル数である。
【0030】
従って、ポーリングシンボルにより、ヘッドエンド装置はどのユーザ装置が送信を希望したかということについて知り、ゆえに、必要であれば、SAMにより同期シーケンスを要求する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
添付の図面は、本発明のより良い理解を促進するために提供されており、詳細な説明及び請求の範囲に一体化された部分を成すが、これらは本発明の原理を例示するものであり、限定的に表現するものではない。
【0032】
以下は、図面の簡単な説明の箇所において言及した図面に基づく本発明の説明である。
【0033】
先に述べたように、本発明は、ヘッドエンド装置1と複数のユーザ装置2との間での電力線ネットワークを介した双方向通信に適用可能であり、本発明はまた、スペイン国特許出願第200003024号の明細書に記載された処理のような、直交周波数分割多重(OFDM)変調を用いたポイント・ツー・マルチポイント・システムにおいて、アップストリームチャンネルでの同期化を可能にする方法の提供をその目的とする。
【0034】
現状における当該技術で知られているように、ヘッドエンド装置は、信号が電力線ネットワークに導入され得るようにする所定のアナログ構成要素(セパレータ(分離器)及びフィルタ)に接続されたディジタル/アナログ変換器を備え、信号は上記電力線ネットワークを介して異なるユーザ装置2へ送信され、それの受信機は、セパレータ及びアナログフィルタによって電力線ネットワークから信号を取得しかつこの信号をアナログ/ディジタル変換器に与え、それによって、このすべてが、ダウンストリームチャンネルにおいて通信が行われることを共同して可能にする。
【0035】
同様に、ヘッドエンド装置の受信機はアナログ/ディジタル変換器を備え、一方で、ユーザ装置内の送信機はまた、アップストリームチャンネルにおける通信を可能にするディジタル/アナログ変換器を備える。
【0036】
本発明の一実施形態では、これらの変換器内の発振器の間の相違に起因してヘッドエンドの受信機とユーザの送信機との間にサンプリング周波数の誤差が存在し、これにより、これらの装置で使用されるサンプリング周波数は正確に同一とはならない。
【0037】
サンプリング周波数の誤差は、変調における各搬送波の信号配置位相(コンステレーション)をシンボル毎に回転させる原因となる。さらに、サンプリング周波数の誤差は、システム内の減衰及び雑音の原因ともなり、ゆえに、ヘッドエンド装置の受信機におけるサンプリング周波数とユーザ装置の送信機におけるサンプリング周波数とが同じになるようにアップストリームチャンネルにおいて同期化することによりこの誤差を補正する必要がある。
【0038】
また、ヘッドエンド装置の受信機は、アップストリームチャンネルに関連付けられた搬送波のうちの任意のものを介して、異なるユーザから異なる情報を受信する可能性があるというさらなる問題点も存在し、ゆえに、受信された信号のスペクトル全体に対する変換を実行する必要がある。
【0039】
さらに、ヘッドエンド装置の受信機は、ユーザ装置がOFDMシンボルを送信する瞬間について知る必要があり、そのために、ユーザ装置によって送信された信号を正確に検出していないことに起因する干渉の生成を防止するように、時間同期化が実行される必要がある。
【0040】
サンプリング周波数の同期化は、ユーザ装置の送信機において、ダウンストリームチャンネルにおける周波数で同期化することから実行される。
【0041】
従って、ユーザの送信機における周波数同期化は、スペイン国特許出願第200101154号の明細書に記載されているように、ユーザの受信機を同期化させるためにダウンストリームチャンネルによって送信される基準から実行される。
【0042】
ダウンストリームチャンネルで送信するためにヘッドエンド装置によって使用される周波数は、これがアップストリームチャンネルで受信するために使用するサンプリング周波数(もしくは当該周波数の倍数又は約数)と同じものであり、ゆえに、ダウンストリームチャンネルで使用される周波数は、アップストリームチャンネルにおいて受信に使用される公称周波数に対して同じ誤差を有する。従って、複数のユーザがダウンストリームチャンネルにおいて同期情報を受信しかつそれらのユーザが周波数で同期化する場合、それらのユーザは同時にアップストリームチャンネルでも周波数で同期化し、その結果、アップストリームチャンネルにおけるヘッドエンド装置への送信において複数のユーザ装置を周波数で同期化するために、いかなる別の追加ステップを加える必要もない。
【0043】
スペイン国特許出願第200101154号の明細書に記載されているように、ダウンストリームチャンネルにおいてVCXO(電圧制御型水晶発振器)により周波数誤差の補正が実行されれば、ダウンストリームチャンネルで複数のユーザに係る受信において周波数補正が実行される際に同時に、アップストリームチャンネルで複数のユーザに係る送信においてもまた周波数補正が実行され、そのため、両方のチャンネルにおける周波数補正が同時に実行される。これに対して、スペイン国特許出願第200101154号の明細書に記載されているように、ダウンストリームチャンネルにおける周波数誤差の補正がリサンプラ(再サンプリング装置)により実行される場合には、ユーザ装置の受信機の側では、当該ユーザ装置での送信におけるものと同様のリサンプラを使用することにより、送信におけるこの誤差を予め補償し、ヘッドエンド装置によって受信される信号が周波数誤差を持たないことを保証する必要がある。
【0044】
さらに、アップストリームチャンネルにおける搬送波の位相回転問題を補正するためには、システム内の個々のユーザのために、ヘッドエンド装置において位相回転器を使用する必要があるが、上記アップストリームチャンネルを介して複数のユーザが同時に送信することから、このことは、アップストリームチャンネルによって受信される信号に対して多大な記憶容量及び処理容量があることを前提とするものであり、よってこの点が極めて困難である。
【0045】
この困難さを埋め合わせるために、本発明は、本発明の方法が、複数のユーザの個々による送信における位相回転の前置補償を実行することと、スペイン国特許出願第200101154号の明細書に記載されているように、各ユーザ装置が、送信機内の位相回転器であるとともに、その受信機でも使用される位相回転器を含むこととを見越している。
【0046】
ユーザ装置における送信機の位相回転器は、ダウンストリームチャンネルからの受信信号に対する個々の搬送波の信号配置位相において回転される量により、アップストリームにおいて搬送波が位相回転されなければならない量を推定計算する。
【0047】
従って、電力線ネットワークを介した送信において発生される位相回転は予め補償されているので、信号は、搬送波における位相回転がまったく存在しなかったかのようにヘッドエンド装置に到着する。
【0048】
ユーザ装置における送信機内の位相回転器の動作は、上述のスペイン国特許出願第200101154号の明細書に記載されたように、ダウンストリームチャンネルにおける同期化に使用される、受信において位相回転器を動作させるために使用されるものと同じ概念を使用する。
【0049】
アップストリームチャンネルにおける時間同期化は、ヘッドエンド装置へOFDMシンボルを送信する瞬間を複数のユーザ装置のうちの一部が推定計算するフェーズを含み、そのため、ヘッドエンド装置は予め確立された一定の瞬間にそれらを受信する。言い替えれば、ヘッドエンド装置はその受信ウィンドウを決して進めたりあるいは遅延させたりせず、むしろその送信ウィンドウの調整を実行するのはユーザ装置であって、OFDMシンボルがヘッドエンド装置の受信ウィンドウ内で適正に到着するように、当該OFDMシンボルの送信を開始する瞬間を進めるか、又は遅らせる。
【0050】
この機能を実行するため、アップストリームチャンネルにおける時間同期化は、捕捉ステージと追跡ステージとによって実行される。
【0051】
時間同期化の捕捉ステージは開ループによって実行され、これは、アップストリームチャンネルにおいて時間同期化を実行するように、ダウンストリームチャンネルで取得される時間同期化の情報を抽出することで構成される。このことは、使用される周波数に関する電力線ネットワークによる伝搬時間が、シンボル間干渉を防止するためにOFDMシンボルに対して伝統的に付加される巡回的なプレフィクスの継続時間に比べると非常に短いことから、システムを制限するものではない。
【0052】
ダウンストリームチャンネルにおいてヘッドエンド装置により送信された同期信号を受信すると、ユーザ装置内の各送信機はOFDMシンボルの開始部分を推定計算する。この推定値における誤差は、システム設計に起因して負である。すなわち、シンボルの開始部分は、それが常に巡回的なプレフィクス(これは、伝統的にはOFDMシンボルの前に存在する。)内に存在するようにその実際の位置に先行し、これにより不良な推定計算に起因するシンボル間干渉が防止されるということが推定される。分散性のチャンネルが存在しない場合は、推定値の平均誤差は巡回的なプレフィクスの長さの半分である。分散性のチャンネルにおいては、電力線ネットワークの場合がそうであるように、巡回的なプレフィクスの最初の部分がシンボル間干渉の影響を受けるため誤差はいく分か少なくなる。
【0053】
個々のユーザ装置は、送信されるOFDMシンボルを、ダウンストリームチャンネルにおいてシンボルの開始時刻であると推定されている瞬間から、アップストリームチャンネルに挿入する。このために、ユーザ装置内の受信機は、例えば上述のスペイン国特許出願第200101154号において実行されるように、ダウンストリームチャンネルに対するシンボルの到着の瞬間を推定計算し、かつ、ダウンストリームチャンネルにおける受信フィルタと、アップストリームチャンネルにおける送信フィルタと、上述のように巡回的なプレフィクスの長さの半分である関連の平均誤差とに起因する遅延を補償する。この手段により、ユーザ装置の観点からは、ダウンストリームチャンネルにおけるシンボルとアップストリームチャンネルにおけるシンボルとは、チャンネルにおいて同じ瞬間に開始する。アップストリームチャンネル及びダウンストリームチャンネルにおけるシンボル間の他の任意の時間的な関係は、本発明に説明された方法を限定することなく選択され得ることは明らかである。ヘッドエンド装置の観点からは、ダウンストリームチャンネルで送信されるシンボルとアップストリームによって受信されるシンボルとの間の時間的な差分は、ダウンストリームチャンネル及びアップストリームチャンネルによって導入される往復遅延に対応する。
【0054】
図1は、ブラインド捕捉として知られた開ループによって実行される捕捉ステージを表し、ここで、ダウンストリームチャンネルで送信される同期シーケンスのシンボル3の開始部分4は、5で表示されている、ユーザ装置2のための時間的な基準として働く。
【0055】
図1の参照番号6は、ダウンストリームチャンネルにおいて送信される残りのシンボル(データ、等化など)を表す。
【0056】
図2は、OFDMシンボル7がアップストリームチャンネルにおいて送信される瞬間を概略的に表し、このチャンネルの同期化に従ってダウンストリームチャンネルにおけるOFDMシンボル7の到着時刻として計算される瞬間8と、この瞬間8から開始して、アップストリームチャンネルにおける送信時刻9を推定計算することとを概略的に表したものであり、関連付けられた誤差は常に負であって8と9との間の差として表される。この図面において、参照番号10は巡回的なプレフィクスを表す。
【0057】
ブラインド捕捉がいったん実行されると、ダウンストリームチャンネルにおける同期からのブラインド捕捉が、アップストリームチャンネルにおいていつ送信すべきかということに関する時間的基準を提供することから、追跡ステージが閉ループによって開始し、また、このブラインド捕捉が十分に正確ではないということも生じる可能性があることから、ヘッドエンド装置は、上述のように常に一定の瞬間に受信された信号に対してウィンドウを設定するので、受信される信号を差別化できない場合がある。
【0058】
ブラインド捕捉が適正に実行されると、ヘッドエンド装置の観点からは、閉ループにおける時間同期化によって推定されるチャンネル内の往復遅延に起因して、1つの未知の値が残る。
【0059】
このため、閉ループにおいて時間同期化が実行され、よって、ヘッドエンド装置におけるウィンドウの設定が最適となることを保証するためにユーザがその送信を早めるか又は遅延させる必要があるサンプル数は、ヘッドエンド装置によって、そのユーザ装置から受信される信号により計算される。
【0060】
このフィードバック情報は、SAMメッセージのパラメータとして、関連したユーザ装置へダウンストリームチャンネルで送信される。
【0061】
この処理は図3のタイミングチャートに表示され、ここでは、ダウンストリームチャンネルにおける同期化から開始し、そのため、ヘッドエンド装置は同期シーケンス28を送信し、ブラインド捕捉12が説明した方法で実行され、この時点において、ユーザ装置は、このシーケンスがヘッドエンド装置によって要求されている場合には、ヘッドエンドによって送信されたSAMメッセージ11と、所定の周波数及び時間、すなわち参照番号13によって表示されたアップストリームチャンネルにおける1つ又は複数のスロットを使用する許可とを受信した後に、データ及び同期シーケンスを送信する。参照番号14で表示されているように、ユーザ装置から送信される同期シーケンスより、ヘッドエンド装置は、最適にウィンドウを設定するために進められるか又は遅延される必要があるサンプル数を計算する。ヘッドエンド装置は、ユーザからOFDMシンボルが到着する瞬間を検出し、この瞬間とそれが到着するはずであった正確な瞬間との差を計算する。サンプル数で表されたこの差は、シンボルが送信される瞬間を補正できるように関連のユーザ装置へ送信される基準である。
【0062】
これに続いて、ヘッドエンド装置は、参照番号15によって表されたSAMメッセージを送信し、このSAMメッセージにおいて、ユーザ装置がアップストリームチャンネルでのOFDMシンボル7の送信に包含する必要がある進み又は遅れが表示されている。参照番号16は、ヘッドエンド装置によって送信されるこの情報の検出を表し、ここで、ユーザ装置は上述の補正を実行し、かつ、補正された瞬間においてOFDMシンボル7を送信する。ここで、参照番号18によって表されるようなウィンドウの設定が実行される瞬間にOFDMシンボルがヘッドエンド装置に到着するように、参照番号17によって表されるように、オプションで同期シーケンスを含んで、OFDMシンボル7を送信する。
【0063】
捕捉ステージは、ダウンストリームチャンネルにおいて同期シーケンスが検出される毎に連続して実行され、ここで、送信の瞬間は、上述された開ループのアルゴリズムを用いて補正されるということは指摘しておく必要がある。ヘッドエンド装置と複数のユーザ装置の間にはサンプリング周波数に所定の誤差が存在する可能性があるという事実に起因して、ウィンドウの設定はゆっくりと変化し、受信機が適切にウィンドウを設定しないほど長時間にわたって送信が進められるか又は遅延される前に、上述の捕捉ステージによってこれを補正する必要がある。
【0064】
以上説明された処理において、ヘッドエンド装置によって解決される必要がある問題点の1つに、所定の瞬間において送信を希望するユーザ装置を識別することがある。
【0065】
これを実行するため、ユーザがアップストリームチャンネルにおける送信を希望する場合には、それは、ダウンストリームチャンネルを受信し(又は聴取し)、アップストリームチャンネル内の1つ又は複数のスロットが問い合わせに使用されることをヘッドエンド装置1がSAMメッセージ26に含まれる情報によって表示するまで待機する。図4に示された例では、問い合わせスロットは、送信を希望しているか又は希望していない可能性のある、図示された3つのユーザ装置2の各々に割り当てられる。1つの問い合わせスロット19は様々なフラグメント27(ここで、各フラグメントが、問い合わせを受けるユーザのうちの1つに割り当てられる。)に分割されて割り当てられ、送信に関心を有する各ユーザ装置は、当該装置がアップストリームチャンネルへのアクセスに関心を有する場合かつその場合に限って、問い合わせスロット19によって割り当てられたフラグメント27において問い合わせに対する応答を表示するための、ポーリングシンボル20として知られた予め決められたシンボルをこのスロットで送信することによって応答する。スロット19の同一セクション内の同一グループから様々なユーザ装置に対して問い合わせが行われている場合には、複数のユーザ装置による要求は衝突する可能性があり、ゆえに、競合(コンテンション)を解消するための処理が実行される場合があり、もしくは反対に、影響を受けるユーザ装置が、後で再びそれらユーザ装置のアクセス要求を送信するようにされるということが予測される。
【0066】
問い合わせスロット19は、ポーリングシンボル20よりも大きいか又はこれに等しいサイズの複数のフラグメント27に分割され、様々なフラグメント27で応答する様々なユーザへの問い合わせに応答する複数のポーリングシンボル20の重複を防止するために、残りのフラグメントは無音状態にされる。従って、ユーザ装置はブラインド捕捉によりすでに時間同期化されていることから、干渉の確率は低減される。すなわち、準最適な形態ではポーリングシンボル20の一部が重複される可能性があるが、これは無音期間21を導入することによって防止される。
【0067】
ポーリングシンボル20を検出するため、ヘッドエンド装置は、図5に示されたような、ポーリングシンボルの形式を有するフィルタを含む特別な装置を使用する。このフィルタは、問い合わせスロット19において受信された応答が通過する、一連の遅延器22を含む。
【0068】
これらの遅延器22は、サンプル間隔によって、すなわち信号のサンプリングに使用されるサンプリング周波数の逆数によって決定される。
【0069】
遅延器32の出力はフィルタ係数Cで乗算され、上記フィルタ係数Cは、ヘッドエンド装置がポーリングシンボル20について認識しているという事実に起因して当該ポーリングシンボル20の形式に等しい。これらの係数は、ポーリングシンボルを構成するサンプルの複素共役であり、そのため、ヘッドエンド装置がポーリングシンボル20を受信し、乗算器23によりこれを共役値と乗算し、かつ加算器24によってこれらを加算している場合には、最大値に到達し、よってポーリングシンボルの到着が検出されることが可能である。これは、ヘッドエンド装置において、問い合わせメッセージへの応答の到着を示すために使用される。
【0070】
Nは比較的大きな値であり、従って、必要な乗算器の個数もまた多いという事実に起因して、本発明は演算回数の低減を見越すものであり、そのため、X個の等しい部分を有するポーリングシンボル20が送信され、ゆえに、N/X個が必要なすべてであるのでN個の乗算器23及び遅延器22は必要でない。ポーリングシンボルが到着するときに最大値が検出され、X個の最大値が現れる。要約すると、ポーリングシンボルの検出は、受信される信号と、ヘッドエンド装置に予め記憶されたポーリングシンボルとを相関することによって実行され、これは、上述されたようにマッチドフィルタによって検出される
【0071】
モジュール25を用いる場合、当該モジュールがほぼ同じ電力レベルを有し、N/X個のサンプルで離隔された合計X個のピークを検出するときに、ポーリングシンボルの検出を示す信号が生成される。
【0072】
1つ又は複数のユーザが送信を希望していることがいったん検出されると、ヘッドエンド装置は、使用可能なアップストリームチャンネル及びスロット(時間及び/又は周波数区間)へのアクセスをどの1つ又は複数のユーザが持ちうるかということについて、SAMメッセージ26によって伝達し、これらのSAMメッセージは、例えばスペイン国特許出願第200100916号の明細書に記載された方法において使用されているようにダウンストリームチャンネルで周期的に送信され、かつ必要な場合は、すでに説明したように、ブラインド捕捉12に続く同期シーケンスの送信が要求されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】アップストリームチャンネルにおけるユーザ装置による送信に関して、開ループによって構成される時間同期化の捕捉ステージを概略的に示す図である。
【図2】時間同期化の捕捉ステージに続く、アップストリームチャンネルにおけるOFDMシンボルの送信を詳細に示す図である。
【図3】閉ループによって実行される時間同期化の追跡ステージを示すタイミングチャートである。
【図4】どのユーザが送信を希望しているかということについて決定するための問い合わせスロットの割り当ての一例を示す図である。
【図5】ポーリングシンボルの検出に使用可能なフィルタの例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1…ヘッドエンド装置、
2…ユーザ装置、
3…同期シーケンスのシンボル、
4…同期シーケンスのシンボル3の開始部分、
5…時間的な基準、
6…送信される残りのシンボル、
7…OFDMシンボル、
8…OFDMシンボル7の到着時刻として計算される瞬間、
9…送信時刻、
10…巡回的なプレフィクス、
11,15,26…SAMメッセージ、
12…ブラインド捕捉、
13…アップストリームチャンネル、
18…ウィンドウの設定、
19…問い合わせスロット、
20…ポーリングシンボル、
21…無音期間、
22…遅延器、
23…乗算器、
24…加算器、
25…モジュール、
27…フラグメント、
28…同期シーケンス。

Claims (13)

  1. 電力線ネットワークを介した双方向通信に適用可能な、ヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法であって、上記方法は、シンボル間干渉(ISI)を防止するためにOFDMシンボル(7)に巡回的なプレフィクス(10)を付加しかつ抽出する手段を含み、上記方法において、周波数及び時間における同期化は、複数のユーザ装置(2)に対するヘッドエンド装置(1)からの通信であるダウンストリームチャンネルにおいて同期シーケンス(3)を送信することにより実行され、上記方法は、
    −上記ダウンストリームチャンネルでの周波数同期化において実行される推定計算から開始し、様々なユーザ装置(2)におけるサンプリング周波数を補正することによる周波数同期化と、
    −上記ヘッドエンド装置(1)は上記アップストリームチャンネルでの受信に際して補正を実行する必要がないように、上記ダウンストリームチャンネルにおける複数の搬送波によって被る位相回転数の推定計算から開始し、上記アップストリームチャンネルにおいて送信される際に様々な搬送波が被る位相回転を上記ユーザ装置(2)において予め補償することと、
    −上記ヘッドエンド装置は予め決められた一定の瞬間に上記OFDMシンボル(7)を受信できるように、上記OFDMシンボル(7)が上記ヘッドエンド装置へ送信される瞬間を推定計算することによる、上記複数のユーザ装置(2)の一部と上記ヘッドエンド装置(1)との時間同期化と、
    −複数のフラグメント(27)に分割された上記アップストリームチャンネルにおける時間及び/又は周波数の複数の区間(スロット(19))を、上記複数のユーザ装置(2)に対する問い合わせのために上記ヘッドエンド装置によって割り当てることによる複数のユーザへの問い合わせとを含み、ここで、上記ユーザ装置(2)は、上記アップストリームチャンネルへアクセスすることを希望する場合かつその場合に限って上記ヘッドエンド装置(1)に対して応答し、これにより、上記ヘッドエンド装置(1)は、受信された複数の要求の間で上記アップストリームチャンネルを分配し、かつこれらが衝突することなく送信され得るように上記分配情報を上記ユーザ装置(2)へ送信することを特徴とする方法。
  2. 同じ発振器を使用して上記ヘッドエンド装置及び上記ユーザ装置の両方で送信及び受信のサンプリング周波数を発生することを含み、そのため、上記アップストリームチャンネルの周波数誤差は上記ダウンストリームチャンネルの周波数誤差に比例し、上記アップストリームチャンネルにおける周波数同期化は上記ダウンストリームチャンネルにおける周波数同期化と同時に実行されることを特徴とする、請求項1記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  3. 上記ユーザ装置で実行される位相回転の前置補償は、上記ユーザ装置において上記ダウンストリームチャンネルで受信された信号の搬送波のそれぞれにおいて実行された推定計算から推定されるように、送信機に含まれる位相回転器によって達成され、そのため、上記ヘッドエンド装置では上記複数のユーザ装置から受信される信号の位相回転補正を実行する必要がないことを特徴とする、請求項2記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  4. 上記同期化は、上記ヘッドエンド装置がそれを要求するときに1つ又は複数の同期シーケンスを生成してこれを上記ユーザ装置(2)から上記ヘッドエンド装置(1)へ送信することを含み、
    上記同期シーケンスは2つの等しい同期シンボルで構成され、上記同期シーケンスは上記ヘッドエンド装置において最尤規範を最大化することによって検出され、そのため、上記時間同期化は、様々なユーザによって送信されるシーケンスサンプルの相関値の最大値を計算することから開始されて実行され、この最大値は、相関値のピーク部分における平坦な領域の中点として決定され、サンプル数で表された上記平坦な領域のサイズは、シンボル間干渉が存在しないときの巡回的なプレフィクス(10)のサンプル数に等しいことを特徴とする、請求項1記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  5. 上記時間同期化は、予め確立された一定の瞬間に上記OFDMシンボル(7)が上記ヘッドエンド装置によって受信されるように実行される推定計算により開始し、上記様々なユーザ装置(2)において上記OFDMシンボル(7)の送信の瞬間が変更される捕捉ステージ及び追跡ステージを含むことを特徴とする、請求項4記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  6. 上記時間同期化の捕捉ステージは、上記ユーザ装置(2)が、上記ダウンストリームチャンネルで達成される上記時間同期化から開始して各OFDMシンボル(7)の送信の開始時刻(8)を推定計算する(12)開ループによって決定され、そのため、上記ユーザ装置は、上記ダウンストリームチャンネルで受信される上記OFDMシンボル(7)の到着の瞬間(9)を推定計算すると、その受信機及び送信機内のフィルタによって導入される遅延とともに、上記巡回的なプレフィクス(10)に起因して確立される平均誤差とを補償し、上記補償に続いて、上記推定計算された瞬間(9)に上記OFDMシンボル(7)を送信することを特徴とする、請求項5記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  7. 上記時間同期化の追跡ステージは閉ループによって決定され、上記閉ループにおいて、上記ヘッドエンド装置は、上記時間同期化の捕捉ステージにおいて1つのユーザ装置(2)によって送信されて受信された信号(13)により、予測された瞬間において正確に上記OFDMシンボル(7)を受信するように上記ユーザ装置によって上記OFDMシンボル(7)の送信が進められるかもしくは遅延される必要のあるサンプル数を推定計算し(14)、そのため、上記ヘッドエンド装置は、伝統的に上記ヘッドエンド装置が上記ユーザ装置に送信するSAMメッセージ(26)のパラメータとして、このサンプル数を上記ダウンストリームチャンネルで上記ユーザ装置へ送信し(15)、これに基づいて、上記ユーザ装置は、上記OFDMシンボルを送信する際に上記進み又は遅れをもたらすことを実行し(16)、上記閉ループによって実行される推定計算がチャンネルによって導入される遅延を補償するように上記時間同期化の開ループを継続的に実行することを特徴とする、請求項5及び6記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  8. 上記ヘッドエンド装置は、上記複数のユーザ装置に関して適正な同期化を実行するように、同期シーケンス(3)をいつ送信するかということについて上記様々なユーザ装置に通知し、上記ダウンストリームチャンネルで送信されるSAMメッセージによって複数のスロットを付与し、そのため、1つのユーザに対する上記アップストリームチャンネルでの同期シーケンス(3)の検出は、そのユーザが上記同期シーケンス(3)を送信するように命令された場合にのみ実行されることを特徴とする、請求項1記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  9. 上記ヘッドエンド装置は、SAMメッセージ(26)を上記様々なユーザ装置(2)へ送信することにより、複数のフラグメント(27)に分割された問い合わせスロット(19)を割り当て、上記ユーザ装置は、送信を必要としている場合には、上記割り当てられたフラグメント(27)においてポーリングシンボル(20)を送信し、そのため、上記ヘッドエンド装置はどのユーザ装置が情報の送信を希望しているかということについて決定し、上記複数のユーザ装置間での上記アップストリームチャンネルの分配アルゴリズムを最適化することを特徴とする、請求項1記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  10. 上記問い合わせスロット(19)は、複数のユーザ装置に同時に問い合わせを行うようにポーリングシンボル(20)に等しいか又はこれより大きいサイズを有する小さな複数のフラグメントに分割され、従って、この場合、上記ヘッドエンド装置は、SAMメッセージにより、それが問い合わせを行うことを希望する1つ又は複数のユーザ装置に1つのフラグメントを割り当て、送信することを希望するユーザは、上記割り当てられたフラグメントにおいて、ポーリングシンボル(20)によって上記問い合わせに応答することを特徴とする、請求項9記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  11. 各フラグメントにおいて、上記ユーザはただ1つのポーリングシンボル(20)を送信し、上記フラグメントが1つよりも多くのシンボルを占有している場合は上記フラグメントの残りを無音状態(21)のままにし、そのため、上記複数のユーザ装置が正確に時間同期化されていないときに2つの別個のフラグメントで応答する場合に、上記複数のユーザの問い合わせに応答するポーリングシンボル(20)の重複は存在しないことを特徴とする、請求項10記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  12. 上記ポーリングシンボル(20)の検出は、検出を実行するために好適にはマッチドフィルタを用いて、受信された信号と、上記ヘッドエンド装置に予め記憶されたポーリングシンボルとの相関によって実行されることを特徴とする、請求項1及び11記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
  13. 上記ポーリングシンボル(20)はX個の等しい部分を有し、そのため、N/X個の乗算器(23)及び遅延器(22)を有する有限応答のマッチドフィルタが使用され、ここで、Nは、上記ユーザが上記アップストリームチャンネルにおいて送信することを必要とする場合に上記問い合わせスロット(19)によって割り当てられたフラグメントにおいて上記ユーザにより送信されるポーリングシンボル(20)内のサンプル数であることを特徴とする、請求項12記載のヘッドエンド装置とともに複数のユーザ装置とを含むOFDM変調による通信(アップストリームチャンネル)の同期化方法。
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