JP2004532042A - Bcl−2調節因子(BMF)配列及びアポトーシスの調節におけるそれらの使用 - Google Patents

Bcl−2調節因子(BMF)配列及びアポトーシスの調節におけるそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は一般的に、とりわけ哺乳類細胞のアポトーシスを調節することができる新規な分子に関するものであり、そして該分子をコードする遺伝配列に関する。より具体的には、本発明は本明細書で「Bmf」と呼ばれる、Bcl−2ファミリーのタンパク質の新規な構成員、及びそれをコードする遺伝配列、及びBmfの発現を指示するプロモーター配列などの調節配列に関する。Bmfは生存を促進するBcl−2ファミリー構成員との相互作用を促進しそれによりアポトーシスの引金を引くBH3ドメインを含む。従って、BmfはBH−3のみの分子とみなされる。本発明の分子は、例えば、治療、診断、抗体形成に有用であり、そして生理的な細胞の死又は生存を調節でき及び/又は細胞周期の開始を調節できる治療用物質をスクリーニングする手段として有用である。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、哺乳動物細胞におけるアポトーシスをとりわけ調節できる新規な分子、及びこれらの分子をコードする遺伝子配列に関する。より具体的には、本発明は本明細書では「Bmf」と称する、Bcl−2ファミリーのタンパク質の新規なメンバー、及びそれらをコードする遺伝子配列、及びBmfの発現を指示するプロモーター配列などの調節配列に関する。Bmfは生存を促進するBcl−2ファミリー構成員との相互作用を促進しそれによりアポトーシスの引金を引くBH3ドメインを含む。従って、BmfはBH3のみの分子であるとみなされる。本発明の分子は、例えば、治療、診断、抗体形成において、そして生理学的な細胞死又は細胞生存を調節でき、及び/又は細胞周期開始を調節できる治療用物質のスクリーニング手段として有用である。本発明は更に、単独で又はBimのような、ただしこれに限定しない別のBcl−2型分子の対立遺伝子の一方または両方における突然変異と組み合わさって、Bmf対立遺伝子の一方又は両方が突然変異し、又は部分的に若しくは全体的に欠失した遺伝的に改変された動物を意図する。この遺伝子改変動物は特に、アポトーシスでの欠陥により惹起される疾病の症状を緩和する物質や、標的細胞のアポトーシスを特異的に促進する物質のスクリーニングに有用である。
【背景技術】
【0002】
本明細書で参照する如何なる先行技術も、この先行技術がどの国でも共通な一般知識の一部を形成するものであるとの認識又は如何なる形の示唆でもなく、またそのように解されるべきではない。
【0003】
アポトーシス、即ち生理学的及び遺伝子的に改変された細胞死の過程は、多細胞生物で組織をモデルし、ホメオスタシスを維持する上で中心的な重要性を有する(非特許文献1、非特許文献2を参照)。この内在する自殺プログラムの根底にある生化学の理解への大きな進歩が行われているところである。細胞アポトーシス作用分子には、カスパーゼと呼ばれるシステインプロテイナーゼの集合が含まれ、この集合は重要な細胞基質を分解する(非特許文献3を参照)。カスパーゼの活性化を支配する調節機構はあまり解明されていない。しかしながら、Bcl−2が原型分子である(そしてBcl−2ファミリーのタンパク質と呼ばれる)タンパク質ファミリーは、中心的な役割を果たす(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7を参照)。
【0004】
Bcl−2は最初に同定された細胞内アポトーシス調節遺伝子であり(非特許文献8を参照)、高レベルは多様な細胞障害条件の下で細胞生存性を高める。Bcl−xL(非特許文献9を参照)及びBcl−w(非特許文献10を参照)などの他の細胞同族体もまた、アデノウイルスE1B 19Kタンパク質(非特許文献11を参照)及びエプスタイン・バーウイルスBHRF−1(非特許文献12を参照)などのより遠い関係にあるウイルス性同族体がすると同様に、細胞生存性を高める。
【0005】
Bcl−2ファミリーのアポトーシスを促進するBH3−のみの構成員は、マウスとC.エレガンス程度に遠い関係の種でのアポトーシスの開始に不可欠である(非特許文献13を参照)。これまで唯一認識されたC.エレガンスのBH3−のみのタンパク質であるEGL−1は、この生物において進行するようにプログラムされている全ての細胞死にとって必要である。対照的に、幾つかのBH3−のみのタンパク質である、Blk、Bad、Bik、Hrk、Bid、Bim、Noxa及びPumaが哺乳動物で既に同定されている。ノックアウトマウスでの実験では、異なるアポトーシス刺激はそれらの開始に異なるBH3−のみのタンパク質を必要とすることが分かった(非特許文献13を参照)。例えば、Bimはサイトカインの除去や抗原受容体刺激によって誘発されるアポトーシスには不可欠であるが、糖質コルチコイドにより誘発される細胞死では不必要である(非特許文献14、非特許文献15を参照)。対照的に、BidはFas誘発性の肝細胞の死滅に関与する。(非特許文献16を参照)。更に、異なる細胞型は、その進行するようプログラムされた死に、異なるBH3−のみのタンパク質を必要とする場合がある。この考えと一致して、Bimを欠いたマウスはリンパ系細胞及び骨髄系細胞を異常に蓄積するが、赤血球形成は正常のようである(非特許文献14を参照)。これらの結果は個々の哺乳動物のBH3−のみのタンパク質が固有の機能を持つことを示している。
【0006】
BH3−のみのタンパク質のアポトーシスを促進する活性は厳密な制御の下にある。C.エレガンスでは、EGL−1は産卵に必要な一群の神経細胞の転写抑制因子TRA−1Aにより調節される(非特許文献17を参照)。いくつかの哺乳動物のBH3−のみのタンパク質もまた転写調節を受ける。例えば、Noxaはp53誘発性遺伝子として発見され、従ってDNA損傷により誘発されるアポトーシスを媒介するものとして第一候補である(非特許文献18を参照)。哺乳動物のBH3−のみのタンパク質の幾つかはまた、翻訳後にも調節され得る(非特許文献13を参照)。成長因子により刺激された細胞では、Badはリン酸化され、14−3−3骨格タンパク質に結合することにより、生存を促進するBcl−2ファミリー構成員から隔離される(非特許文献19を参照)。健康な細胞では、Bimはダイニン軽鎖、DLC1/LC8(非特許文献20)に結合することにより微小管ダイニンモーター複合体(microtubular dynein motor complex)に隔離される。UV−照射やタキソールでの処置などの一定のアポトーシス性刺激は、Bim(まだDLC1に結合しているもの)を遊離させ、生存を促進するBcl−2ファミリー構成員にそれを転移させ、結合させそしてBcl−2ファミリー構成員を不活性化させる。このプロセスは細胞死執行者であるシステインプロテアーゼ(カスパーゼ)とは無関係に起こり、それ故アポトーシスでは上流の情報伝達事象を構成する(非特許文献20を参照)。対照的にBidのアポトーシス促進活性は、様々なカスパーゼ(例えば、カスパーゼ−8)又はセリンプロテアーゼ・グランザイムBによる切断で解放される(非特許文献21、非特許文献22を参照)。このことはそれがアポトーシスの開始因子ではなく増幅機構の一部として機能することを示す。これらの観察は、細胞の特定部位への隔離を通じて、異なるBH3−のみのタンパク質が細胞内ストレスの異なる形に対するセンサーとして機能することを示す。
【非特許文献1】
カーら、Br. J. Cancer 26: 239-257, 1972。
【非特許文献2】
ヤコブソンら、Cell88: 347-354, 1997。
【非特許文献3】
ニコルソンら、Trends Biochem. Sci.22: 299-306, 1997。
【非特許文献4】
ヤコブソン、Curr. Biol. 7: R277-R281, 1997。
【非特許文献5】
リード、Nature387: 773-776, 1997。
【非特許文献6】
クレーマー、Nature Med. 3: 641-620, 1997。
【非特許文献7】
アダムス及びコーリー、Science 281: 1322-1326, 1998。
【非特許文献8】
ボーら、Nature335: 440-442, 1988。
【非特許文献9】
ボイシら、Cell74: 597-608, 1993。
【非特許文献10】
ギブソンら、Oncogene13: 665-675, 1996。
【非特許文献11】
ホワイトら、Mol. Cell. Biol.12: 2570-2580, 1992。
【非特許文献12】
ヘンダーソンら、Proc. Hatl. Acad. Sci. USA90: 8479-8483, 1993。
【非特許文献13】
ファング及びストラッサー、Cell103: 839, 2000。
【非特許文献14】
ブーイエットら、Science 286: 1735, 1999。
【非特許文献15】
ブーイエットら、Nature415, 922, 2002。
【非特許文献16】
インら、Nature400: 886, 1999。
【非特許文献17】
コンラッド及びホルヴィッツ、Cell93: 519, 1998。
【非特許文献18】
オダら、Science 288: 1053, 2000。
【非特許文献19】
ツァーら、Cell87: 619, 1996。
【非特許文献20】
プサラカスら、Mol. Cell 3: 287, 1999。
【非特許文献21】
リーら、Cell94: 491-501, 1998。
【非特許文献22】
ルオら、Cell94: 481-490, 1998。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明に先立つ研究において、本発明者らは胚形成で一定の役割を果たす新規なBH3−のみのタンパク質を探求した。本発明に従って、本発明者らはMcl−1を餌にして、17日齢のマウスの胚ライブラリーの酵母菌−2ハイブリッドスクリーニングにより同定された「Bmf」(Bcl−2改変因子)をクローニングした。Bmfは細胞死を誘発し、生存促進Bcl−2ファミリーのあるメンバー又は全メンバーに対して「死亡リガンド」として作用すると提唱される。この新しい遺伝子の同定は、治療、診断、抗体形成に使用するための、そして生理学的な細胞死の改変に関わる一定の範囲の生産物の同定及び合理的設計を可能とする。これらの治療用分子は、Bmf機能の拮抗薬又は作用薬のいずれかとして作用する場合があり、癌、自己免疫性疾患又は変性疾患の治療に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本明細書を通して、文脈が他の解釈を求めない限り、「含む(comprise)」及びその変化形である「comprises」又は「comprising」などは、記載された要素若しくは整数、又は要素若しくは整数の群を含むことを意味すると解釈されるが、他の如何なる要素若しくは整数、又は要素若しくは整数の群を排除するものではないと理解すべきである。
【0009】
ヌクレオチド配列とアミノ酸配列は配列番号(SEQ ID NO:)により参照される。配列番号:は数字によりで配列識別子<400>1(配列番号:1)、<400>2(配列番号:2)などに対応する。配列表は請求項の後に掲載する。
【0010】
アミノ酸配列における特定の突然変異は本明細書では「X1nX2」で表す。このX1は突然変異前の元のアミノ酸残基であり、nは残基の数であり、そしてX2は突然変異したアミノ酸である。Xnヘの参照は、Xがアミノ酸でnが残基の数である特定のアミノ酸への参照である。略字Xは、3文字又は1文字のアミノ酸コードの省略形である場合がある。
【0011】
本発明は、生存を促進するBcl−2ファミリーの新規なメンバーの同定に部分的に基づいている。このタンパク質は、本明細書では「Bcl−2改変因子」又は「Bmf」と称する。このタンパク質は、Mcl−1を餌として用いたマウス胚ライブラリーの酵母2ハイブリッドスクリーニングで同定した。Bmfはアポトーシスを誘発するBH3−のみのタンパク質であり、アノイキス(anoikis)により活性化される。
【0012】
従って、本発明の一つの側面は、Bmf又はその誘導体若しくは同族体を特定する特徴を一つ以上持つポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。
【0013】
本発明の別の一側面は、実質的に配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つに実質的に記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%又はそれ以上の類似性を有するアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体をコードするヌクレオチド配列又はコードする配列に相補的なヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。
【0014】
本発明の更に別の側面は、配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つで実質的に記載されるヌクレオチド配列を含む核酸分子、又は配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つと低ストリンジェンシー条件下でハイブリッドを形成でき、且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つに記載されるアミノ酸配列、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有する配列に相当するアミノ酸配列をコードする、その誘導体若しくは同族体を含む核酸分子を意図する。
【0015】
本発明のさらに別の一側面は、配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7で実質的に記載されるヌクレオチド配列を含む核酸分子を意図する。
【0016】
本発明のまた別の一側面は、bmfコードする単離された核酸分子又はその誘導体であって、外核酸分子が、
(i)配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つに記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体をコードし、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子、
(ii)配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7の一つで実質的に記載されるヌクレオチド配列又はその誘導体若しくは類似体を含む核酸分子、
(iii)低ストリンジェンシー条件下で配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7の一つで実質的に記載されるヌクレオチド配列、誘導体若しくは同族体とハイブリッド形成でき、且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8に記載されるアミノ酸配列、誘導体又は同族体、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有する配列に相当するアミノ酸配列をコードできる核酸分子、
(iv)低ストリンジェンシー条件下で、項(i)又は(ii)又は(iii)の核酸分子とハイブリッド形成でき、且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を持つアミノ酸配列をコードできる核酸分子、及び、
(v)項(i)又は(ii)又は(iii)又は(iv)の核酸分子の誘導体又は哺乳動物同族体、
から成るリストから選択される核酸分子に向けられている。
【0017】
本発明の更なる側面は、
(i)配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つで実質的に記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%以上の類似性を有する配列を有するポリペプチド、
(ii)配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7の一つで実質的に記載されるヌクレオチド配列又はその誘導体若しくは同族体、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列、によってコードされるポリペプチド、
(iii)配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7の一つに記載されるヌクレオチド配列又はその誘導体若しくは同族体と低ストリンジェンシー条件下でハイブリッド形成でき、且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8に実質的に記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする核酸分子によってコードされるポリペプチド、
(iv)項(i)又は(ii)又は(iii)で定義されたホモ二量体型をしたポリペプチド、及び、
(v)項(i)又は(ii)又は(iii)で定義されたヘテロ二量体型をしたポリペプチド、
から成るリストから選択される単離されたポリペプチドに向けられている。
【0018】
本発明のまた別の一側面は、遺伝子改変された非ヒト動物を生産する方法であって、該方法が一つ又は複数のヌクレオチド置換、付加及び/又は欠失又は逆位又は挿入を保持するbmfヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物を動物の胚性幹細胞に導入する工程であり、相同組換えのために選択する該胚幹細胞のゲノム内のbmf遺伝子との相同組換えを促進するのに十分なbmfヌクレオチド配列が存在する工程、及び突然変異したbmf遺伝子を保持する胚性幹細胞を選択する工程、及び該胚性幹細胞から遺伝的に改変された動物を形成させる工程を含む方法を提供する。
【0019】
本明細書を通して使用する1文字及び3文字の省略形は下に定義するとおりである。
(外1)
Figure 2004532042
配列番号の表を下に挙げる。
(外2)
Figure 2004532042
【0020】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、部分的にはタンパク質のBcl−2ファミリーの新規なメンバーの同定に基づく。このタンパク質は「Bcl−2変更因子(Bcl-2 modifying factor)」に因んで「Bmf」と呼ばれる。健康的な細胞では、ダイニンの軽鎖、特にダイニン軽鎖2(DLC2)に結合することにより、Bmfはアクチンに基づくミオシンVモーター複合体に封鎖されると提唱されている。更に、アノイキスなどのある種のアポトーシス刺激はBmfをミオシンVモーター複合体から放出し、Bcl−2へ移動させて結合させるということが提唱されている。従って、Bmfは別の細胞骨格構造上のモーター複合体への封鎖により、細胞内損傷のセンサーとして機能する。
【0021】
従って、本発明の一つの側面は、配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つで実質的に記載されるアミノ酸配列、又はその誘導体若しくは同族体、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%以上の類似性を有するアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体をコードするヌクレオチド配列又はコードする配列に相補的なヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。
【0022】
本明細書で使用する用語「類似性」は、比較される配列間のヌクレオチド又はアミノ酸レベルでの正確な同一性を含む。ヌクレオチドレベルで非同一性がある場合は、「類似性」は結果的には異なるが、それにもかかわらず構造的、機能的、生化学的及び/又はコンホーメーションのレベルで互いに関連するアミノ酸を生ずる配列の間の相違を含む。アミノ酸レベルで相違が存在する場合は、「類似性」は、それにもかかわらず構造的、機能的、生化学的及び/又はコンホーメーションのレベルで互いに関連するアミノ酸を含む。特に好ましい実施態様では、ヌクレオチド及び配列の比較は類似性ではなく同一性のレベルで行なう。
【0023】
二つ以上のポリヌクレオチド又はポリペプチド間の配列関係を記述するのに用いられる用語には、「参照配列」、「比較窓」、「配列類似性」、「配列同一性」、「配列類似性のパーセンテージ」、「配列同一性のパーセンテージ」、「実質的に類似する」及び「実質的な同一性」が含まれる。「参照配列」は、ヌクレオチド及びアミノ酸残基を含めて、少なくとも12モノマーであるがしばしば15モノマーから18モノマー、及びしばしば30モノマーなどの少なくとも25モノマー以上の長さである。二つのポリヌクレオチドはそれぞれ(1)二つのポリヌクレオチド間で類似する配列(即ち、完全なポリヌクレオチド配列の一部のみ)の場合、及び(2)二つのポリヌクレオチド間で異なる配列を含む場合があるため、二つ(以上)のポリヌクレオチド間の配列比較は、配列類似性の局所的領域を同定し比較するために通常「比較窓」上で二つのポリヌクレオチドを配列比較することにより行われる。「比較窓」は、参照配列と比較される通常は12個の連続した残基の概念的セグメントを指す。この比較窓は、二つの配列を最適に整列させるために参照配列(付加又は欠失を含まない)と比べて、約20%以下の付加又は欠失(即ちギャップ)を含んでも良い。比較窓に整列させるための最適な配列整列は、アルゴリズムをコンピュータ実行(ウィスコンシン・ジェネティクス・ソフトウェア・パッケージ・リリース7.0のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA、ジェネティクスコンピュータグループ、米国,ウィスコンシン,マディソン,サイエンスドライブ575)によって、又は目視及び選択される様々な方法のいずれかにより得られる最良の整列(即ち、比較窓上で最も高い相同性パーセンテージが得られた整列)によって行わってもよい。例えば、アルチュルら(Nucl. Acids Res. 25: 3389, 1997)により開示されたようなBLASTファミリーのプログラムを参照してもよい。配列分析の詳細な議論はアウスベルらのユニット19.3(「分子生物学の最新プロトコル」、ジョンワイリーアンドサンズ インク、1994-1998、15章)で見られる。
【0024】
本明細書で使用する用語「配列類似性」及び「配列同一性」は、比較窓の上でヌクレオチド対ヌクレオチドごと又はアミノ酸対アミノ酸ごとに比較した場合に配列が同一である又は機能的又は構造的に類似していることの程度を指す。従って、例えば「配列同一性のパーセンテージ」は、比較窓の上で最適に並べられた二つの配列を比較し、両方の配列で同一の核酸塩基(例えば、A,T,C,G,I)又は同一のアミノ酸残基(例えば、Ala,Pro,Ser,Thr,Gly,Val,Leu,Ile,Phe,Tyr,Trp,Lys,Arg,His,Asp,Glu,Asn,Gln,Cys,及びMet)が発生する位置の数を決定して適合する位置の数を求め、この適合位置の数を比較窓にある位置の総数(即ち、窓サイズ)で割り、その結果に100を乗じて配列同一性のパーセンテージを求めることにより計算する。本発明の目的では、「配列同一性」はDNASISコンピュータプログラム(ウィンドウズ(登録商標)用バージョン2.5、ヒタチソフトウェアエンジニアリングCo.,Ltd.,サウスサンフランシスコ、カリフォルニア、米国)でこのソフトウェアに添付のリファレンス・マニュアルで使用していた標準のデフォルト値を用いて計算される「適合パーセンテージ」を意味するものと解される。配列類似性についても同様である。
【0025】
本発明の別の側面は、配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうち一つに実質的に記載されるヌクレオチド配列、又は低ストリンジェンシー条件下で配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうち一つとハイブリッド形成でき、且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうち一つに記載されるアミノ酸配列又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有する配列をコードする、その誘導体若しくは同族体を含む核酸分子を意図する。
【0026】
より具体的には、本発明は配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7で実質的に記載されるヌクレオチド配列を含む核酸分子を意図する。
【0027】
対象となる核酸分子は、Bmf又はその同族体若しく機能的誘導体を含む誘導体を特定する特性を有するポリペプチドをコードすることが好ましい。
【0028】
本明細書で低ストリンジェンシーと言うときは、ハイブリッド形成における、少なくとも約0から少なくとも約15%v/vのホルムアミド及び、少なくとも約1Mから少なくとも約2Mの塩、及び洗浄条件条件における少なくとも約1Mから少なくとも約2Mの塩を含み包含する。一般的に、低ストリンジェンシーは約25〜30℃から約42℃までである。この温度は変更されることがあり、ホルムアミドを置換するため及び/又は別のストリンジェンシー条件を与えるためにより高い温度を用いても良い。必要であれば、ハイブリッド形成における、少なくとも約16%v/vから少なくとも約30%v/vのホルムアミド及び少なくとも約0.5Mから少なくとも約0.9Mの塩、及び洗浄条件における、少なくとも約0.5Mから少なくとも約0.9Mの塩を含み包含する中ストリンジェンシー、又はハイブリッド形成における、少なくとも約31%v/vから少なくとも約50%v/vのホルムアミド及び少なくとも約0.01Mから少なくとも約0.15Mの塩、及び洗浄条件における、少なくとも約0.01Mから少なくとも約0.15Mの塩を含み包含する高ストリンジェンシーなどの別のストリンジェンシー条件を適用しても良い。一般的に、洗浄はTm=69.3+0.41(G+C)%で実施される。(マーマー及びドーティー、J. Mol. Biol. 5: 109, 1962)。しかしながら、二本鎖DNAのTmは適合しない塩基のペアの数が1%増えるごとに1℃減少する(ボナー及びラスキー、Eur. J. Biochem.46: 83, 1974)。ホルムアミドはこれらのハイブリッド形成条件では任意選択的である。従って、特に好ましいレベルのストリンジェンシーは次のように定義される:低ストリンジェンシーは、25〜42℃で6倍SSC緩衝液0.1%w/vSDS、中ストリンジェンシーは、20℃から65℃の範囲の温度で2倍SSC緩衝液、0.1%w/vSDS、、高ストリンジェンシーは、少なくとも65℃の温度で0.1倍SSC緩衝液、0.1%w/vSDSである。
【0029】
本発明のこの側面の核酸分子は本明細書の「bmf」に相当する。この遺伝子は、本発明に基づき、アポトーシスを誘発すると決定された。bmf遺伝子の産物は「Bmf」と表され、本発明を如何なる方法でも制限しない。ヒトのbmfはヒトの染色体位置15q14に位置付けされた。Bmfは、それを含む唯一のBcl−2ホモロジー領域がBH3であるため、「BH3のみ」タンパク質として知られる。従ってBmfは、例えばBik/Nbk、Bid、Bim及びHrkも含むBcl−2関連BH3のみアポトーシス促進グループの新規なメンバーを形成する。
【0030】
bmfをコードする核酸分子は、cDNA配列、mRNA配列又はゲノム配列などのデオキシリボ核酸の配列であることが好ましい。ゲノム配列はまた、エキソン及びイントロンをも含んでも良い。ゲノム配列はまた、プロモーター領域又は他の調節領域を含んでも良い。bmf遺伝子配列はスプライス変異体を含む。
【0031】
以後「Bmf」及び「bmf」への言及は、例えば、bmfmRNAの別のスプライシングから生じるものとして特定されうるbmfのポリペプチド及びcDNAイソ型を含む、Bmf及びbmfそれぞれの全ての形への言及であると解されるべきである。
【0032】
タンパク質及び/または遺伝子は、好ましくはヒト、霊長類、家畜動物(例えば、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ロバ)、実験動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット)、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコ)、捕獲された野生動物(例えば、キツネ、カンガルー、コアラ、シカ)、鳥類(例えば、ニワトリ、ガチョウ、アヒル、エミュー、ダチョウ)、爬虫類又は魚類に由来する。
【0033】
誘導体には、融合タンパク質を含む天然、合成又は組換えによる資源由来の断片(ペプチドなど)、パーツ、部分、化学的等価物、突然変異体、同族体、又は模倣体が含まれる。誘導体は、アミノ酸の挿入、欠失又は置換から誘導される場合がある。アミノ酸挿入誘導体は、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端融合並びに1個又は複数のアミノ酸の配列内挿入を含む。アミノ酸配列挿入変異体は一つ以上のアミノ酸残基がそのタンパク質の予め定められた位置に導入されたものであるが、得られる産物の適当なスクリーニングをするのであれば無差別挿入も可能である。欠失変異体は、該配列から一つ以上のアミノ酸の除去により特徴付けられる。アミノ酸の置換変異体は、配列の少なくとも一つの残基が除去され、且つその場所に異なる残基が挿入されたものである。アミノ酸配列への付加は他のペプチド、ポリペプチド又はタンパク質との融合を含む。突然変異体は本明細書に記載の特定のBmf又はbmf突然変異分子を含むがこれらに限定されないと解すべきである。誘導体は、例えばBH3領域から、ダイニン結合領域から又はリン酸化の部位から誘導されるペプチドを含む。ペプチドは、例えば本明細書に記載のBmfの少なくとも4個の連続したアミノ酸に相当する少なくとも4個の連続したアミノ酸を含む分子を含む。本明細書で使用する用語「ポリペプチド」はペプチド、ポリペプチド及びタンパク質を包含すると解されるべきである。
【0034】
Bmfの誘導体はペプチド、ポリペプチド又は他のタンパク質性分子又は非タンパク質性分子に融合したBmf全タンパク質の特定のエピトープ又は部分を有する断片を含む。例えば、Bmf又はその誘導体は細胞へのその移行を促進するため、分子と融合する場合がある。本明細書で意図されるBmfの類似体は、側鎖の改変、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質の合成の間における非天然型アミノ酸及び/又はその誘導体の組み込み、架橋の使用、及びタンパク質性分子又はその類似体に立体構造上の制約を課す他の方法を含むが、これらに限定されない。核酸配列の誘導体は同様に、1個又は複数のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は他の核酸分子との融合を含む付加から誘導される場合がある。本発明の核酸分子の誘導体は、オリゴヌクレオチド、PCRプライマー、アンチセンス分子、核酸分子の共抑制及び融合での使用に適した分子を含む。
【0035】
本発明により意図される側鎖改変の例には、アルデヒドとの反応に続くNaBH4での還元による還元的アルキル化、メチルアセチミデートによるアミジン化、無水酢酸によるアシル化、シアン酸塩によるアミノ基のカルバモイル化、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)によるアミノ基のトリニトロベンジル化、無水コハク酸及び10テトラヒドロ無水フタル酸によるアミノ基のアシル化、及びピリドキサル−5−リン酸によるリジンのピリドキシル化とその後のNaBH4による還元などによるアミノ基の変更が含まれる。
【0036】
アルギニン残基のグアニジン基は、2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキサル及びグリオキサルなどの試薬で複素環式縮合物を形成することにより改変される場合がある。
【0037】
カルボキシル基は、O−アシルイソ尿素形成を経るカルボジイミド活性とその後に続く例えば対応するアミドへの誘導化により改変される場合がある。
【0038】
スルフヒドリル基は、ヨード酢酸又はヨードアセトアミドによるカルボキシメチル化、システイン酸への過ギ酸酸化、他のチオール化合物による混合ジスルフィドの形成、マレイミド、無水マレイン酸又は他の置換されたマレイミドとの反応、4−塩化水銀安息香酸、4−塩化水銀フェニルスルホン酸、塩化フェニル水銀、2−塩化水銀−4−ニトロフェノール及び他の水銀化合物を用いた水銀誘導体の形成、アルカリ性pHでのシアン酸塩によるカルバモイル化などの方法により、改変される場合がある。
【0039】
トリプトファン残基は、例えばN−ブロモスクシンイミドによる酸化又は2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルブロミド又はスルフェニルハライドによるインドール環のアルキル化により、改変される場合がある。他方、チロシン残基はテトラニトロメタンにより硝酸化することにより3−ニトロチロシン誘導体を生じうる。
【0040】
ヒスチジン残基のイミダゾール環の改変は、ヨード酢酸誘導体によるアルキル化又はピロ炭酸ジエチルによるN−カルベトキシル化により行われる場合がある。
【0041】
ペプチド合成の間における非天然型アミノ酸及び誘導体の組み込みの例は、ノルロイシン、4−アミノブチル酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、t−ブチルグリシン、ノルバリン、フェニルグリシン、オルニチン、サルコシン、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6メチルヘプタン酸、2−チエニルアラニン及び/又はアミノ酸のD−異性体の使用を含むが、これらに限定されない。本明細書で意図する非天然型アミノ酸のリストを表1に示す。
【0042】
【表1−1】
Figure 2004532042
【0043】
【表1−2】
Figure 2004532042
【0044】
【表1−3】
Figure 2004532042
【0045】
例えば3D立体構造を安定させるために架橋剤を用いることも可能で、n=1からn=6の(CH2nスペーサー基を有する二官能性イミドエステル、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどのホモ二官能性架橋剤、及びN−ヒドロキシスクシンイミドなどのアミノ基反応性部分と、マレイミド又はジチオ部分(SH)若しくはカルボジイミド(COOH)などの別の基に特異的に反応する部分を通常含むヘテロ−二官能性試薬が用いられる。加えてペプチドは、例えばCα及びNα―メチルアミノ酸の組込み、アミノ酸のCα原子とCβ原子の間に二重結合の導入、及びN末端とC末端間、二つの側鎖間、又は一つの側鎖とN末端若しくはC末端の間でアミド結合を形成するなどの共有結合の導入による、環状ペプチド又は類似体の形成によって、立体構造的に制約することができる。
【0046】
本発明の核酸分子は、単離された形であるか又は発現ベクターなどのようなベクターに連結されていることが好ましい。「単離された」とは、少なくとも一つの精製工程を経た核酸分子を意味しており、これは便宜的に、分子量、コード活性、ヌクレオチド配列、塩基組成又は他の便利な手段で測定されたとき、例えば他の組成物との関連で少なくとも約10%の核酸分子、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約30%、さらに好ましくは少なくとも約40〜50%、さらに好ましくは少なくとも約60〜70%、さらに好ましくは80〜90%又はそれ以上の、対象となる核酸分子を含む組成物により定義される。本発明の核酸分子はまた、好ましい実施態様では、生物学的に純粋であるとみなされる場合がある。
【0047】
特に好ましい実施態様では、bmfに対応するヌクレオチド配列は、配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つで記載されるヌクレオチド配列を含むcDNA配列であるか、又は配列番号:1又は配列番号:3又は配列5又は配列番号:7のうちの一つと類似性を有し且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つに記載されるアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有する配列をコードするヌクレオチド配列を含む、その誘導体又は同族体である。
【0048】
本発明の核酸分子の誘導体はまた、低ストリンジェンシー条件下で、配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つに記載されるヌクレオチド配列とハイブリッド形成できる核酸分子をも含む。該低ストリンジェンシーは42℃であるのが好ましい。
【0049】
別の実施態様では、本発明は、bmf又はその誘導体をコードする単離された核酸分子であって、該核酸分子が
(i) 配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つに記載されるアミノ酸配列、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有するその誘導体若しくは同族体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子、
(ii) 配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つで実質的に記載されるヌクレオチド配列又はその誘導体若しくは同族体を含む核酸分子、
(iii) 配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つで実質的に記載されるヌクレオチド配列又はその誘導体若しくは同族体と低ストリンジェンシー条件下でハイブリッド形成でき、且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうち一つに記載されるアミノ酸又はその誘導体若しくは同族体又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有する配列に対応するアミノ酸配列をコードできる核酸分子、
(iv) 項(i)又は(ii) の核酸分子と低ストリンジェンシー条件でハイブリッド形成でき、且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有するアミノ酸配列をコードできる核酸分子、及び、
(v) 項(i)又は(ii) 又は(iii)又は(iv)の核酸分子の誘導体又は哺乳動物同族体、から成るリストから選択される核酸分子を対象とする。
【0050】
本明細書で特定の配列(例えば、配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7)とハイブリッド形成する能力と言う場合は、別の表現では、その相補形とハイブリッド形成する能力をも含む。言い換えれば、核酸分子は配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7又はその相補形とハイブリッド形成するものを包含する。
【0051】
核酸分子は原核細胞(例えば大腸菌)又は真核細胞(例えば、酵母細胞、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞又は植物細胞)で発現できる発現ベクターに連結されうる。この核酸分子は、例えば、シグナルペプチド、サイトカイン又はBcl−2ファミリーの他のメンバーなどの別の実態をコードする核酸分子に連結、融合、または他の方法で結合することがある。
【0052】
本発明は、ネズミ種又は他の哺乳動物種由来のbmf用のプロモーターに及ぶ。ネズミ及びヒトのbmfプロモーターを含むヌクレオチド配列は、それぞれ配列番号:9及び配列番号:10で示される。本発明はこれらのプロモーターの突然変異体及び誘導体、及び遺伝子構築物、遺伝子療法及び遺伝子改変動物の作成におけるこれらの使用に及ぶ。プロモーターの突然変異体又は誘導体は、配列番号:9又は10と少なくとも70%の類似性を有するか又は低ストリンジェンシー条件下で配列番号:9又は配列番号:10又はその相補形とハイブリッド形成できるヌクレオチド配列を含むものを含む。
【0053】
本発明は、以下に定義する核酸分子の発現産物に及ぶ。
【0054】
この発現産物は、配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つに記載されるアミノ酸配列を有するBmf、又は上で定義したその誘導体若しくは同族体、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つに記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体と少なくとも約45%の類似性を有するアミノ酸配列を有する哺乳動物同族体である。
【0055】
本発明の別の一側面は、
(i) 配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つで実質的に記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有する配列を有するポリペプチド、
(ii) 配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つで実質的に記載されるヌクレオチド配列又はその誘導体若しくは同族体又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有するアミノ酸をコードする配列によってコードされるポリペプチド、
(iii) 低ストリンジェンシー条件下で、配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つに記載されるヌクレオチド配列又はその誘導体若しくは同族体とハイブリッド形成でき、且つ配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8に実質的に記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8の一つ以上と少なくとも約45%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする核酸分子によりコードされるポリペプチド、
(iv) 項(i)又は(ii) 又は(iii)で定義されたホモ二量体の形のポリペプチド、及び、
(v) 項(i)又は(ii)又は(iii)で定義されたヘテロ二量体の形のポリペプチド
から成るリストから選択される単離されたポリペプチドを対象とする。
【0056】
すでに定義したとおり、本発明はBmfのペプチド又はその誘導体に及ぶ。該ペプチドは配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8で定義されたポリペプチドの少なくとも5連続のアミノ酸を含むことが好ましい。本発明はまた、本発明のペプチドをコードする核酸分子にも及ぶ。
【0057】
本発明の別の一側面は、Bmf又はその誘導体若しくは同族体を特定する特性を一つ以上有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。
【0058】
本明細書でいうところのBmfの「特定する特性」は、次の特徴を一つ以上含む:即ち、
(i) アポトーシスを誘発するポリペプチド、
(ii) 配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8で実質的に記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体を有するポリペプチド、
(iii) 配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8と少なくとも45%の類似性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(iv) アポトーシスを誘発する、項(ii) 又は(iii)で定義されたポリペプチド、
(v) 配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7で実質的に記載される核酸配列又はその誘導体若しくは同族体によりコードされるポリペプチド、
(vi) 低ストリンジェンシー条件下で、配列番号:1又は配亜3又は配列番号:5又は配列番号:7のうちの一つに記載されるヌクレオチド配列とハイブリッド形成できる核酸分子によりコードされるポリペプチド、
(vii) アポトーシスを誘発する、項(v)又は(vi)で定義されたポリペプチド、及び、
(viii) 項(i)から(vii)までに定義されたポリペプチドのアポトーシス誘発性でない誘導体、である。
【0059】
本発明は本発明のこの側面の核酸分子の発現産物に及ぶことを理解されたい。
【0060】
本発明をいずれか一つの理論又は作用様式に限定することを意図するものではないが、BH3領域はBmfの細胞障害作用の一部の原因となる。このBH3領域は、例えばBcl−xLなどの生存促進分子のBH1、BH2、BH3領域により形成される伸長した疎水性の窪みと相互作用する両親媒性α−へリックスを形成する。Bmfのアポトーシス促進作用はBcl−2ファミリーの反アポトーシスメンバーに結合するその能力を反映する。
【0061】
やはり本発明をいずれか一つの理論又は作用様式に限定することなく、Bmfのアポトーシス促進活性は転写レベルと翻訳後のレベルの両方で調節されると考えられる。Bmfの非コード5’領域の配列分析は、APIなどの転写因子のための幾つかの推定上の結合部位を明らかにした。Bmfは、DLC2などのダイニン軽鎖を介して相互作用すると提唱されている。ダイニン軽鎖は、ミオシンVモーター複合体の構成成分である高度に保存されたタンパク質である。
【0062】
BmfのミオシンVモーター複合体との相互作用は、Bmfのアボトーシス促進活性を調節する。ダイニン軽鎖への結合を破壊するBmfにおける1個又は複数のアミノ酸の突然変異は本発明で包含される。
【0063】
従って、本発明の関連する一側面は、変異体によりコードされるポリペプチドへの少なくとも一つのアミノ酸の付加、置換及び/または欠失をもたらす該核酸分子における一つ以上のヌクレオチドの突然変異体を含む単離されたbmf核酸分子の変異体であって、該ポリペプチドがDLC2などのダイニン軽鎖と結合、共役、又は他の方法で結合することができないものである変異体を対象とする。
【0064】
突然変異は、ダイニン軽鎖に結合する領域における改変したアミノ酸配列を結果として生ずることが好ましい。本発明は、これまでに定義した領域と機能的に等価な領域でアミノ酸の付加、置換及び/または欠失を生ずる突然変異を含むBmfの変異体に及ぶことを理解されたい。
【0065】
従って、本発明は殊に、ダイニン軽鎖に結合する変異体によりコードされるポリペプチドの領域で少なくとも一つのアミノ酸の付加、置換及び/または欠失をもたらす核酸分子における一つ以上のヌクレオチド突然変異を含む単離されたbmf核酸分子であって、該ポリペプチドがダイニン軽鎖と結合、共役、又他の方法で結合できないものである核酸分子を対象とする。
【0066】
別の場所における一つ以上の突然変異と組み合わされて発生する本発明で意図される突然変異体も、本発明で意図される。
【0067】
本発明は、本発明のこの側面に基づいて定義された核酸分子変異体の発現産物に及ぶ。
【0068】
従って、本発明は少なくとも1個のアミノ酸の付加、置換及び又は欠失を含む単離されたBmfポリペプチドの変異体であって、該ポリペプチドがダイニン軽鎖と結合、共役、又他の方法で結合できないものである変異体を対象とする。
【0069】
本発明は本発明のこの側面の核酸分子及びポリペプチドの誘導体に及ぶ。用語「誘導体」は上で定義したように解されるべきである。
【0070】
既に定義したように、「Bmf」及び「bmf」と言う場合は、本発明のこの側面に従って定義された変異体分子への言及を含むものと解されるべきである。
【0071】
本発明のBmfは、二つ以上の分子が共に結合していることを意味する多量体形であっても良い。同じBmf分子が共に結合している場合、この複合体はホモ多量体である。ホモ多量体の一例はホモ二量体である。少なくとも一つのBmfが少なくとも一つの非Bmf分子と結合している場合、この複合体はヘテロ二量体のようなヘテロ多量体である。ヘテロ多量体は、Bcl−2ファミリーの別のメンバーの分子又はアポトーシスを調節できる他の分子を含んでも良い。更に本発明は、BmfとBimのような他の分子との間の融合、又はハイブリッド、又はヘテロ二量体を意図する。
【0072】
従って本発明は、哺乳動物におけるbmfの発現を調節する方法であって、bmfの発現を高レベル調節又は低レベル調節又は別の方法で調節するのに十分な時間及び条件の下で調節に効果的な量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含む方法を意図する。例えば、オリゴヌクレオチドなどのbmfアンチセンス配列は、その細胞(ccll) が生存する能力を向上させるために細胞に導入される場合がある。逆に、Bmf又はその誘導体をコードする核酸分子は、内因性bmf遺伝子を発現するいずれかの細胞の生存能力を減少するために導入される場合がある。bmf発現の調節は、BmfRNAのスプライシングパターンなどの転写現象及び翻訳現象の調節に及ぶと解されるべきである。
【0073】
本発明の別の一側面は、哺乳動物におけるBmfの活性を調節する方法であって、Bmf活性を増加又は減少させるのに十分な時間及び条件の下で調節に効果的な量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含む方法を意図する。
【0074】
哺乳動物への薬物投与による該活性の調節は、
(i) bmfの発現を調節し、
(ii) Bmfの拮抗薬として機能し、及び
(iii) Bimの作用薬として機能する
タンパク質性又は非タンパク質性の分子を該哺乳動物に導入する工程を含むがこれに限定されない幾つかの技術の一つにより達成できる。
【0075】
該タンパク質性分子は融合タンパク質又は次の例えば天然物スクリーニングを含む天然供給源又は組換え供給源から誘導しても良い。該非タンパク質性分子は、例えば核酸分子であっても良く、又は例えば天然物スクリーニングなどの天然供給源から誘導してもよく、又は化学的に合成しても良い。本発明は、Bmfの拮抗薬または作用薬として作用できるBmfの化学的類似体を意図する。化学的作用薬は必ずしもBmfから誘導されなくても良いが、特定の立体構造的類似性を共有することがある。また化学的作用薬は、Bmfの物理化学的な特性を模倣するように特別に設計される場合がある。拮抗薬は、Bmfがその正常な又は病理学的な生物機能を実行するのを遮断、阻害、又はその他の方法で阻止することができる何らかの化合物でありうる。拮抗薬は、Bmfの部分又はそのペプチド、Bmf又はBmfの部分に特異的なモノクローナル抗体、及び哺乳動物細胞のbmf遺伝子又はmRNAの転写又は翻訳を阻止するアンチセンス核酸又はオリゴヌクレオチドを含むが、これらに限定されない。Bmf及びbmfの作用薬は、例えば、Bcl−2などの反アポトーシス分子と相互作用してそれらの機能的活性を阻止し、それによりアポトーシスを促進する既に定義した誘導体又は変異体分子又はペプチドを含む。作用薬はまた、Bmfのダイニン軽鎖への結合又はダイニン軽鎖とダイニン中間鎖との相互作用を破壊又は阻止することができる分子を含んでも良い。
【0076】
該タンパク質性又は非タンパク質性分子は、bmfの発現又はBmfの活性を調節するため直接的又は間接的のいずれかで作用して良い。該分子は、bmfの発現又はBmfの活性を調節するためBmf又はBmfと結合する場合には、直接的に作用する。該分子は、他の分子がbmfの発現又はBmfの活性を直接的又は間接的のいずれかで調節するbmf及びBmf以外の分子と結合する場合には、間接的に作用する。
【0077】
従って、本発明の方法は、bmfの発現又はBmfの活性を調節する調節工程のカスケードの誘発を介する、bmf又はBmfの発現又は活性の調節を包含する。
【0078】
bmf発現又はBmf活性の増加は、例えば、癌及び自己免疫疾患における自己反応性リンパ球の減少などの状態における治療又は予防に役立つ。bmfの発現又はBmfの活性の減少は、例えばγ線照射や化学療法の間の、又はHIV/AIDS又は他のウイルス性感染症、虚血、又は心筋梗塞の間の細胞障害状態下などでの細胞死又は細胞の変性の阻害又は阻止を調節するのに役立つ。Bmfは生殖細胞内で発現するため、bmf発現又はBmf活性の調節は、例えば生殖能力のある精子の生成を阻止することにより、避妊薬又は避妊法として有用である。
【0079】
本発明の別の一側面は、哺乳動物でアポトーシスを調節する方法であって、bmfをコードするヌクレオチド配列の発現を調節するのに十分な時間及び条件の下で、効果的量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含む方法を意図する。
【0080】
本発明のまた別の一側面は、哺乳動物におけるアポトーシスを調節する方法であって、Bmfの活性を調節するのに十分な時間及び条件の下で、効果的量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含む方法を意図する。
【0081】
本発明のまた別の一側面は、哺乳動物におけるアポトーシスを調節する方法であって、効果的量のBmf又はbmf又はその誘導体を該哺乳動物に投与する工程を含む方法を意図する。
【0082】
用いられるBmf、bmf又はその誘導体または薬物はまた、Bmf、bmf又は薬物を標的細胞に特異的に送達するモノクローナル抗体などの標的化手段に連結されてもよい。
【0083】
本発明の好ましい実施態様では、この方法で使用されるBmf、bmf又は薬物は、これらの細胞に特異的に送達することを可能にするために、該標的細胞に特異的な抗体に連結される。
【0084】
Bmf又はbmfの調節は、他の分子又はbim又はBimなどの遺伝子、これらに限定されないが、の調節と同時に又は逐次的に行なっても良い。
【0085】
医薬組成物の形でのBmf、bmf又は薬物の投与は、任意の便利な手段により行っても良い。医薬組成物のBmf、bmf又は薬物は、個々の場合によって決まる量で投与される場合に治療活性を示すことを意図する。このバリエーションは、例えばヒト又は動物、及びBmf、bmf又は選択される薬物によって決まる。広範囲の投与量が適用できるであろう。例えば患者を考慮して、体重1キログラム当たり1日に約0.01mgから約10mgのBmf又は薬物が投与されることがある。投薬計画は、最適な治療反応が得られるように調節して良い。例えば、数回の分割投与は、毎日、毎週、毎月又は他の適切な時間間隔で投与される場合もあれば、状況の緊急性に応じて比例して減少される場合もある。Bmf又は薬物は、経口、静脈内(水溶性の場合)、鼻腔内、腹腔内、筋肉内、皮下、皮内又は座薬又は移植(例えば、徐放性分子を用いて)によるなどの便宜的な方法で投与して良い。特にBmf又は薬物に関して、これらのペプチドは酸付加塩又は例えば亜鉛、鉄などとの金属錯塩など(これらは本出願の目的では、塩とみなされる)の、薬学的に許容されうる無害の塩の形で投与して良い。このような酸付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩などがある。もし活性成分が錠剤の形で投与されるのであれば、この錠剤はトラガカントゴム、コーンスターチ又はゼラチンなどの結合剤、アルギン酸などの崩壊剤、及びマグネシウムステアリン酸塩などの潤滑剤を含んでも良い。
【0086】
本発明の更なる側面は、哺乳動物の疾病状態における本発明の使用に関する。例えば、本発明は特に、癌、変性疾患、自己免疫疾患、ウイルス感染に対する治療又は予防における使用、又は生殖細胞調節への使用に適用できるが、これらに限定されない。
【0087】
従って、本発明の別の側面は、哺乳動物を治療する方法であって、該方法がbmfの発現を調節するのに十分な時間及び条件の下で効果的量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含み、該調節が結果としてアポトーシスの調節をもたらすものである方法に関する。
【0088】
また別の一側面では、本発明は哺乳動物を治療する方法であって、該方法がBmfの活性を調節するのに十分な時間及び条件の下で効果的量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含み、該調節が結果としてアポトーシスの調節をもたらすものである方法に関する。
【0089】
別の一側面では、本発明は哺乳動物を治療する方法であって、アポトーシスを調節するのに十分な時間及び条件の下で効果的量のBmf又はその誘導体を哺乳動物に投与する工程を含む方法に関する。
【0090】
本発明のまた別の側面は哺乳動物を治療する方法であって、アポトーシスを調節するのに十分な時間及び条件の下で効果的量のbmf又はその誘導体を該哺乳動物に投与する工程を含む方法に関する。
【0091】
また別の側面では、本発明はアポトーシス調節のための医薬の製造における、bmf又はその誘導体の発現を調節できる薬物の使用に関する。
【0092】
本発明の別の側面は、アポトーシス調節のための医薬の製造における、Bmf又はその誘導体の発現を調節できる薬物の使用に関する。
【0093】
本発明の更なる側面は、アポトーシス調節のための医薬の製造における、Bmf又はbmf又はその誘導体の使用に関する。
【0094】
本発明のまた別の側面は、bmf発現の調節に用いられる薬物であって、該bmf発現の調節がアポトーシスを調節するものである薬物に関する。
【0095】
本発明の更に別の側面は、Bmf発現の調節に用いられる薬物であって、該Bmf発現の調節がアポトーシスを調節するものである薬物に関する。
【0096】
本発明の別の一側面はアポトーシス調節に用いられるBmf又はbmf又はその誘導体に関する。
【0097】
本発明の関連する側面では、治療を受ける哺乳動物は治療上又は予防上の処置が必要なヒト又は動物であって良い。
【0098】
更にまた別の側面では、本発明は一つ以上の薬学的に許容されうる担体及び/又は希釈剤と組み合わせてbmf発現又はBmf活性の調節が可能なbmf、Bmf又はその誘導体又は薬物を含む医薬組成物を意図する。
【0099】
注射可能な用途に適した医薬剤形は、無菌水溶液(水溶性の場合)及び無菌の注射可能溶液を即時調製するための無菌の粉末を含む。この医薬剤形は製造及び保存の条件において安定していなければならず、バクテリア及び菌類などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、その適切な混合物及び植物油を含む溶剤又は希釈剤であり得る。適切な流動性が、例えば界面活性剤の使用により維持できる。微生物作用の防止は、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール(thirmerosal)などの様々な抗細菌性及び抗真菌性薬物により、もたらすことができる。多くの場合には、例えば糖又は塩化ナトリウムなどの等張性薬物を含むのが好ましい。注射可能組成物の持続的吸収は、組成物に例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅らせる薬物を用いることで得ることができる。
【0100】
無菌の注射可能溶液は、必要量の活性な化合物を、活性成分及び必要であれば任意選択的に他の活性成分と共に適当な溶剤中で混合し、その後濾過滅菌又は他の適当な手段で滅菌して調製する。無菌の注射可能溶液の調製用の無菌粉末の場合は、適切な調製法には、真空乾燥技術及び凍結乾燥技術が含まれ、これにより活性成分プラス付加的に所望される任意の成分の粉末が得られる。
【0101】
bmf、Bmf及び/又はBmfの調節因子が適切に保護されている場合には、これらは例えば不活性な希釈剤で又は同化される食用担体と共に経口投与しても良く、又は硬殻ゼラチンカプセル若しくは軟殻ゼラチンカプセルに封入しても良く、又は圧縮して錠剤にしても良く、又は直接食事の食物に混合するか母乳を介して投与しても良い。経口治療投与のために、活性成分は賦形剤と混合し、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、オブラートなどの形で用いて良い。このような組成物及び製剤は少なくとも1重量%の活性化合物を含むべきである。組成物及び製剤のパーセンテージは当然変化し、単位重量の約5から約80%の間にあるのが便利である。このような治療に有用な組成物の活性化合物の量は、適切な用量が得られる量である。本発明の組成物及び製剤は、経口投薬単位剤形が活性化合物をを約0.1μgから200mgまでの間で含むように調製されることが好ましい。別の投薬量としては、約1μgから約1000mgまで及び約10μgから約500mgまでが含まれる。これらの投薬量は個人ごと又は体重Kgごとであって良い。投与は時間ごと、日ごと、週ごと、月ごと、又は年ごとであって良い。
【0102】
錠剤、トローチ、丸薬、カプセル、クリームなどはまた、以下に掲げるような成分を含んでも良い。ゴム、アカシア、コーンスターチ又はゼラチンなどの結合剤、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、コーンスターチ、片栗粉、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及びサッカロース、ラクトース、サッカリンなどの甘味料、又はペパーミント、冬緑油若しくはチェリー香料などの香味料を添加しても良い。投薬単位剤形がカプセルの場合、上の種類の材料に加え、液体担体を含めても良い。他の様々な材料が被覆剤として、またその他の方法で投薬単位の物理的形状を修飾するために存在する。例えば、錠剤、丸薬又はカプセルはシェラック、糖又は両方で被覆しても良い。シロップ又はエリキシル剤は、活性化合物、甘味料としてサッカロース、保存剤としてメチルパラベン及びプロピルパラベン、色素、及びチェリー香料やオレンジ香料などの香味料を含んでも良い。もちろん、如何なる投薬単位剤形を調製する際に使用する如何なる材料も使用量で薬学的に純粋で実質的に無毒性でなければならない。加えて、活性化合物(単数又は複数)は徐放性の製剤及び処方に組み込んでも良い。
【0103】
薬学的に許容されうる担体及び/または希釈剤は、溶剤、分散媒、被覆剤、抗細菌剤及び抗菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などのいずれか及び全てを含む。薬学的に活性な物質にこのような媒体及び薬物を使用することは、当分野では良く知られており、従来の媒体又は薬物のいずれかが活性成分と使用禁忌である場合を除き、治療用組成物におけるこれらの使用が意図される。補充的な活性成分も、該組成物に混合できる。
【0104】
投薬の容易性及び投薬量の均一性のために、非経口組成物を投薬単位剤形に処方することは特に有利である。本明細書で使用する投薬単位剤形とは、処置の対象となる哺乳動物に対する均質な投与に適した物理的に分離した単位を指し、それぞれの単位が必要な薬学的担体と一緒に、所望の治療効果を生むよう計算された予じめ定めた量の活性成分を含む。本発明の新規な投薬単位剤形の仕様は、(a)活性物質の特有の特性及び達成すべき特定の治療効果、及び(b)本明細書で詳細に開示するように身体的な健康が損なわれた疾病状態を有する生体被験体における疾病の治療用の活性成分を混合する技術に固有の限界、に基づいており、直接依存する。
【0105】
主要な活性成分は、便利で且つ効果的な投与のために、適切な薬学的に許容されうる担体と共に、効果的な量で、上で開示したような投与単位剤形に配合される。投与単位剤形は、例えば、主要な活性成分を0.5μgから約2000mgまでの範囲の量で含むことができる。割合で表すと、活性成分は一般的にmlの担体中に約0.5μgから約2000mgまで存在する。補充的な活性成分を含む組成物の場合、投薬量は該成分の通常の投薬量と投与方式を参照して決められる。
【0106】
薬学的組成物はまた、標的細胞をトランスフェクトできるベクターなどの遺伝子分子であって、該ベクターがbmfの発現又はBmfの活性を調節できる核酸分子を保持するものである遺伝子分子を含んでも良い。該ベクターは、例えば、ウイルス性ベクターであることがある。
【0107】
生理学的な細胞死の調節を必要とする条件には、例えば神経変性疾患、心筋梗塞、筋肉退化症、低酸素症、虚血、HIV感染を伴う患者においてアンチセンス配列を利用する細胞の生存を向上させること、又は疾病の治療のために移植される細胞の生存を延長するための条件が含まれる。また、本発明の分子は、例えば腫瘍細胞又は自己反応性リンパ球の生存能力を減少させるのに役立つ。このアンチセンス配列はまた、細胞のインビトロの挙動を調節するために、例えば未確認の成長因子が必要な細胞型から新規な系統を開発するプロトコルの一部として、以下に述べるようなモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞の単離を容易にするため、及び遺伝的に改変されている一次移植片由来の細胞の生存を強化するために、用いられることがある。
【0108】
本発明の又別の一側面は、Bmf又はbmf又はそれらの誘導体に対して特異性を有する抗原結合性の部分を含む免疫相互作用分子を対象とする。
【0109】
「免疫相互作用分子」とは、抗原結合性部分を含む任意の分子又は該分子の誘導体を指すものと理解すべきである。本発明のこの側面が意図する分子の例には、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体(合成抗体、ハイブリッド抗体、ヒト化交代、触媒性抗体を含む)及びT細胞抗原受容体結合分子が含まれるが、これらに限定されない。該免疫相互作用分子はモノクローナル抗体であることが好ましい。
【0110】
この好ましい実施態様に基づき、Bmf又はbmf又はこれらの誘導体に対して特異性を有するモノクローナル抗体を提供する。
【0111】
「Bmf又はbmfに対して特異性を有する」分子とは、Bmf又はbmfの一つ以上のエピトープのいずれかに対して特異性を有するモノクローナル抗体などの分子を指すと解すべきである。これらのエピトープは、天然のBmfかbmf分子か又はその変性された分子のいずれかのの立体構造的エピトープ、線状エピトープ、又は立体構造エピトープ及び線状エピトープの組み合わせであって良い。
【0112】
より好ましくは、Bmfに特異性を有するモノクローナル抗体が提供される。
【0113】
本発明の免疫相互作用分子は自然に発生しても良く、合成又は組換えで生産しても良い。例えば、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体は、Bmf又はbmfに対する自然発生する抗体から選択しても良く、又はBmf又はbmfに対して特異的に生産させても良い。後者の場合、Bmf又はbmfはまず担体分子と混合する必要がある場合がある。本発明の抗体及び/または組換えBmfは、治療薬又は診断薬として特に有用である。代わりにFab断片のような抗体の断片を用いても良い。更に、本発明は組換え抗体及び合成抗体、抗体ハイブリッド、及び非Bmf抗原に対して生産されるがいずれか一つ以上のBmfエピトープと交差反応する抗体に及ぶ。「合成抗体」は、本明細書では抗体の断片及び抗体ハイブリッドを含むものとみなす。本発明のこの側面の抗体は免疫療法に特に有用であり、アポトーシスを評価したり又は治療計画のプログラムを監視したりするための診断手段として用いても良い。
【0114】
例えば、Bmf及びbmfは、それぞれBmf及びbmfに対する自然発生抗体をスクリーニングするために用いることができる。これらは、例えば、ある種の変性疾患で発生することがある。
【0115】
例えば、特異的抗体はBmfタンパク質をスクリーニングするのに使用できる。後者は、細胞抽出物又は他の生体液におけるBmfのレベルをスクリーニングする手段として、又は培養上清から組換え手段で作られたBmfを精製する手段として、重要であろう。本明細書で意図する検定技術は当分野で知られており、例えば、サンドイッチ検定法、ELISA及びフローサイトメトリーを含む。
【0116】
上で議論した最初に述べた抗体に向けた任意の第二抗体(モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体又は抗体の断片)を含めることは、本発明の範囲内である。第一抗体及び第二抗体の両方を検出検定で用いても良く、又は第一抗体を市販の抗免疫グロブリン抗体と共に用いても良い。本明細書で意図する抗体には、Bmfのいずれかの領域に特異的ないずれの抗体も含まれる。
【0117】
ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体は共に、タンパク質誘導体又はペプチド誘導体で免疫化することによって得られ、どちらのタイプも免疫検定に利用できる。両方のタイプの血清を得る方法は当分野で良く知られている。ポリクローナル血清はあまり好ましくないが、適当な実験動物に効果的量のBmf、又はその抗原性部分を注射し、動物から血清を回収し、既知の免疫吸着技術のいずれかで特定の血清を単離することにより比較的簡単に調製される。この方法で生産された抗体は事実上どのタイプの免疫検定にも利用できるが、これはその生産物の不均一性の可能性があるため、一般的にはあまり好まれない。
【0118】
免疫検定におけるモノクローナル抗体の使用は、大量に生産できることと生産物の均一性のため特に好ましい。不死の細胞株と免疫原性調製物に感作されたリンパ球を融合することにより誘導したモノクローナル抗体産物用のハイブリドーマ細胞株の調製は、当業者らに良く知られている技術により行うことができる。(例えば、ドイラード及びホフマン,ハイブリドーマに関する基本事実,免疫学概要Vol.,シュヴァルツ編,1981、コーラー及びミルスタイン,Nature 256: 495-499, 1975 、コーラー及びミルスタイン, European Journal of Immunology 6: 511-519, 1976 参照)。
【0119】
免疫相互作用分子のスクリーニングは、時間がかかり労働集約的作業である。しかしながら、本発明者らは、限定はしないがBmfのような低レベルの細胞質タンパク質に対する免疫相互作用分子、特に抗体を同定するための迅速且つ効率的なフローサイトメトリースクリーニング方法を開発した。
【0120】
本発明のこの側面に基づく方法は、これらの細胞をレポーター分子と一緒に又は別々に対象の抗体と共に培養した後の細胞集団の分析に基づくものである。この細胞集団は、目的のタンパク質を発現する細胞と目的のタンパク質を発現しない細胞の両方を含むものである。この分析はフローサイトメトリー分析であることが好ましく、目的のタンパク質を発現する細胞は目的のタンパク質をコードする核酸分子でトランスフェクトされそれにより該タンパク質を高レベルで発現するものであることが好ましい。タンパク質が細胞質タンパク質である場合、このタンパク質は目的の抗体と培養する前に透過してしまう。目的のタンパク質を発現しない細胞と発現する細胞の両方を含む細胞集団をスクリーニングすることにより、対象の抗体が目的のタンパク質に対するものである場合には二重の蛍光ピークが観察されるので、どの抗体が目的のタンパク質と結合するかの決定は単純になる。低い方の強度のピークはバックグラウンド染色を表し、一方高い方の蛍光強度のピークは特定染色の結果である。この方法でスクリーニングされた抗体が目的のタンパク質に対するものでない場合、低い蛍光強度のピークが1本観察される。目的のタンパク質に特異的でないが両方の細胞集団に存在する未知のエピトープの幾つかと結合する抗体は、高い蛍光強度のピークを1本生じる。この技術は低レベルの細胞質内分子に対する免疫相互作用分子をスクリーニングする迅速且つ正確な方法を提供する(オーライリー、1998、上記)。
【0121】
従って、本発明の別の一側面は、細胞によって生産される目的タンパク質に特異的な、試料内の、免疫相互作用分子を検出する方法であって、該方法が、免疫相互作用分子が該試料内に存在する場合には、それが該目的のタンパク質と相互作用するのに十分な時間及び条件の下で、目的のタンパク質を生産する細胞と目的のタンパク質を生産しない細胞を定義された比率で含む細胞細胞集団とテスト対象の試料とを接触させる工程、及び該免疫相互作用分子−タンパク質複合体を検出手段にかける工程を含む方法を提供する。
【0122】
該免疫相互作用分子は抗体であることが好ましい。
【0123】
該検出手段は、検出可能なシグナルを与えることができるレポーター分子で標識化された抗免疫グロブリン抗体を含むことが更に好ましい。該レポーター分子が蛍光色素であればさらに好ましい。
【0124】
「試料」とは、抗体などの免疫相互作用分子を潜在的に含む任意の試料を指すものと解すべきである。該免疫相互作用分子は天然、組換え又は合成手段によって生産されうる。
【0125】
本発明の方法は、本発明の試料と共にインキュベートされた細胞をフローサイトメトリー分析にかけて蛍光性シグナルを発生させる工程であって、蛍光性シグナルの差異が該細胞により発現される標的タンパク質と抗体との結合の指標となる工程に基づいている。
【0126】
本明細書で例示する方法は、Bmfのエピトープに対する抗原結合部位を含む免疫相互作用分子をスクリーニングする方法に関するが、これに限定しない。前骨髄単球細胞株であるFDC−P1を、Bcl−2発現構築物及びEE(Glu−Glu)エピトープで標識されたBmf構築物でトランスフェクトする。Bcl−2でトランスフェクトした細胞対Bmfでトランスフェクトした細胞の比率を1:1に固定し、これを透過処理し、ハイブリドーマ上清などの目的の免疫相互作用分子と接触させる。抗体と結合した細胞内分子を可視化することは、例えば蛍光標識したレポーター分子の使用を含む当業者らに知られた幾つかの技術により達成できる。目的の抗体がBmfに対して産生された場合、二本の蛍光のピークが観察され、強度の低い方のピークはBcl−2でトランスフェクトされた負の対照細胞のバックグラウンド染色を表す。
【0127】
本発明の別の側面では、本発明の分子はまた、Bmfによって調節される障害の診断などの適用に使用するためのスクリーニングの標的として役に立つ。例えば、癌、変性疾患又は不妊症の素因又は進行の指標としての組織内のBmf又はbmfのレベルのスクリーニングなど。本発明のこの側面のスクリーニングはまた、Bmf又はbmfにおける突然変異の検出に向けられる場合がある。
【0128】
従って、本発明の別の側面は、被験体から得た生体試料中のBmfを検出する方法であって、免疫相互作用分子−Bmf複合体が形成するのに十分な時間及び条件の下で、該生体試料を既に定義したBmf又はその誘導体に特異的な免疫相互作用分子と接触させる工程、次いで該複合体を検出する工程を含む方法を意図する。
【0129】
該免疫相互作用分子は抗体であることが好ましい。該抗体はモノクローナル抗体であればさらに好ましい。
【0130】
本発明のこの側面の生体試料とは、被験体から得た組織を含む任意の試料を指すと解されるべきであって、該「組織」は生体液、生検試料、又はDNA若しくはRNA特性などの、それらに由来する組織または流体または抽出物の何らかの形のものを含む最も広い意味に解釈されるべきである。
【0131】
本発明のさらに別の側面は、被験体から得た生体試料中のbmfを検出する方法であって、免疫相互作用分子−bmf複合体が形成するのに十分な時間及び条件の下で、該生体試料を既に定義したbmf又はその誘導体に特異的な免疫相互作用分子と接触させる工程、ついで該複合体を検出する工程を含む方法を意図する。
【0132】
「免疫相互作用」分子とは、bmf又はBmfまたはその誘導体と共役し、結合し又は他の方法で結合する任意の分子を指すものと理解されるべきである。例えば、該相互作用分子は、核酸分子又は抗核抗体であっても良い。
【0133】
Bmfの存在は、ウエスタンブロット法、ELISA又はフローサイトメトリー法などの幾つかの方法で測定して良い。BmfmRNA若しくはBmfDNAは、例えば正常所在位置でのハイブリッド形成又はノーザンブロット法、又はサザンブロット法により検出されうる。これらは当然、伝統的な競争タイプの結合検定法だけでなく、1部位及び2部位の両方、又は非競争タイプの「サンドイッチ」検定法を含む。これらの検定法には、標的に対する標識化抗体の直接結合法も含まれる。
【0134】
サンドイッチ検定法は、数ある中でも最も有用で、一般的に用いられる検定法であり、本発明での使用にも好適である。サンドイッチ検定技術の幾つかの変法が存在し、それらのいずれも本発明に包含されるつもりである。簡単に言えば、典型的なフォワード検定では、無標識抗体を固体基体上に固定化し、テストの対象となる試料を結合した分子と接触させる。次いで、適当なインキュベーション期間、即ち抗体−抗原複合体を形成させるのに十分な時間の後、検出可能なシグナルを発することができるレポーター分子で標識化され且つ抗原に特異的な第二抗体を付加して、第二の抗体−抗原−標識化抗体の複合体を形成するのに十分な時間インキュベートする。無反応な物質はすべて洗い流し、抗原の存在をレポーター分子が発するシグナルを観察することにより測定する。その結果は、可視シグナルの単純な観察による定性的なものでも、既知量のハプテンを含む対照試料との比較による定量的なものでも良い。フォワード検定の変法は、試料と標識抗体の両方が同時に結合抗体に付加される同時検定を含む。これらの技術は、容易に明らかになると思われる僅かな変法をも含め、当業者らに良く知られている。本発明によれば、試料は細胞抽出物、組織生検、又はおそらく血清、唾液、粘膜分泌物、リンパ液、組織液、及び呼吸液を含む、Bmfを含むと思われる試料である。従って、この試料は一般的には生体液を含む生体試料であるが、発酵液や細胞培養液などから得られる上清にも及ぶ。
【0135】
典型的なフォワードサンドイッチ検定法では、Bmfまたはその抗原部分に対して特異性を有する第一抗体を、共有結合的又は受動的のいずれかで固体表面に結合する。この固体表面は典型的にはガラス又は重合体で、最も一般的に使用される重合体は、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、塩化ポリビニル又はポリプロピレンである。この固体支持体は管、ビーズ、マイクロプレートのディスク、又は免疫検定を行うのに適した他の任意の表面の形態であって良い。結合工程は当分野で良く知られており、一般的に架橋的共有結合又は物理的吸着から成り、重合体−抗体複合体はテスト試料のために調製時に洗浄する。次にこの固相の複合体にテスト対象の試料の一部を添加し、この抗体に存在するサブユニットのいずれかと結合させるのに十分な時間(例えば2〜40分、又はより都合がよければ一晩)及び適切な条件の下(例えば25℃など、室温から約40℃まで)でインキュベートする。このインキュベーション期間の後、抗体サブユニット固相を洗浄して乾燥し、このハプテンの一部に特異的な第二抗体と共にインキュベートする。この第二抗体は、第二抗体のハプテンへの結合を示すために用いられるレポーター分子と連結されている。
【0136】
代わりの方法は、生体試料内の標的分子を固定する工程、次いでこの固定された標的を、レポーター分子で標識化された又はされていない特異的な抗体と接触させる工程を含む。標的の量及びレポーター分子のシグナルの強度に応じて、結合した標的は抗体での直接標識化により検出可能となりうる。また、第一抗体に特異的な標識化された第二抗体は、標的−第一抗体複合体に曝され、標的−第一抗体−第二抗体の三重複合体を形成する。この複合体は、レポーター分子が発するシグナルにより検出される。
【0137】
本発明で用いる「レポーター分子」は、その分子の化学的性質により抗原結合抗体の検出を可能とする分析的に同定可能なシグナルを発する分子を意味する。検出は定性的又は定量的のいずれであっても良い。この種の検定で普通に用いられるレポーター分子は、酵素、蛍光団又は放射性核種含有分子(即ち、放射性同位体)及び化学発光性分子のいずれかである。
【0138】
酵素免疫測定法の場合、酵素は一般的にはグルタルアルデヒド又は過ヨウ素酸を用いて第二抗体に結合される。しかしながら、容易に分かるように、多種多様の異なる結合技術が存在し、これらは容易に熟練技術者らに利用可能である。通常使用される酵素には、中でもホースラディッシュペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ及びアルカリホスファターゼが含まれる。特定の酵素と共に用いられる基質は、一般的には対応する酵素による加水分解により検出可能な色の変化を引き起こすことで選ばれる。適当な酵素の例には、アルカリフォスファターゼ及びペルオキシダーゼが含まれる。上で述べた色素生産性基質ではなく蛍光性産物を生ずる、蛍光発生的基質を採用することも可能である。どの場合においても、酵素標識化された抗体を第一抗体ハプテン複合体に添加し、結合させ、次いで過剰な試薬を洗い流す。適切な基質を含む溶液を次に抗体−抗原−抗体の複合体に添加する。この基質は第二抗体に連結された酵素と反応して定性的な可視性シグナルを生じ、これは更に通常分光光学的に定量化されて試料中に存在するハプテンの量を示すことになる。「レポーター分子」はまた、ラテックスビーズ上の赤血球などの細胞凝集又は凝集阻止の使用にも及ぶ。
【0139】
また、フルオレセイン及びローダミンなどの蛍光化合物は、その結合能力を変えることなく抗体に化学的に結合しうる。特殊な波長の光を照射することで活性化された場合、この蛍光色素で標識化された抗体はその光エネルギーを吸収し、分子内で励起状態を誘発し、その後光学顕微鏡で可視的に検知できる特有の色の光を放射する。EIAの場合のように、蛍光で標識化された抗体を第一抗体−ハプテン複合体に結合させる。結合しなかった試薬を洗い落とした後、残った三重複合体を次に適切な波長の光に曝す、観察された蛍光は目的のハプテンの存在を示す。免疫蛍光技術及びEIA技術は共に当分野で極めて良く確立されており、特に本方法には好ましい。
【0140】
しかしながら、放射性同位元素、化学発光分子又は生物発光分子などの他のレポーター分子もまた、採用される場合がある。
【0141】
本発明はまた、bmf又はその誘導体を検出するためのPCR分析などを含む遺伝子検定法をも意図する。
【0142】
本発明は更に、bmfの一方又は両方の対立遺伝子が、単独で、又はBlk、Bad、Bik、Hrk、Bid、Bim、Noxa、blx3及び/又はPumaをコードする遺伝子など(これらに限定されない)の別のBcl−2分子の一方又は両方の対立遺伝子における別の突然変異と組み合わさって、突然変異している遺伝子改変動物を提供する。これらの動物はまた、他の遺伝子又は遺伝子の対立遺伝子でも突然変異を有しうる。この遺伝子改変動物は、ネズミ種(例えば、マウス、ラット)、ウサギ、モルモット又はハムスターなどの実験動物、ヒツジ、ブタ、ウマ又はウシなどの家畜動物、又は霊長類などの非ヒト哺乳動物であることが好ましい。遺伝子改変動物はマウス又はラットなどのネズミ種であるのが便利であり好ましい。
【0143】
遺伝子改変は、一般的には1個又は複数のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加又は逆位又は挿入などの突然変異の形である。一般的に、このような遺伝子改変動物は「ノックアウト」動物と呼ばれる。
【0144】
一般的に改変動物及び特にノックアウトネズミ科動物は、かなりの数の手段で調製しうる。一つの方法では、相同的組換えさせるのに十分な程、bmf又はbimなどの標的配列と相同的なヌクレオチド配列を含む標的に向かう(targeting)DNA構築物を調製する。bmf又はbimを標的とする配列は標的Bmf又はBim配列に対して相同遺伝子(isogenic) 又は非相同遺伝子でありうる。標的に向かうDNA構築物は、一般的に相同的組み換えにより、該標的bmf又はbim遺伝子が挿入突然変異によって破壊されるように、標的に向かう配列内に選択可能マーカーを含む。この標的に向かうDNA構築物は一般的に胚性幹細胞又は胚性幹細胞株に導入される。適当な標的に向かうベクターの一つを図5Aに示す。
【0145】
選択可能マーカーを用いる別のものとして、後に選択又は検知され得る表現形の変化を誘発する突然変異が導入される場合がある。
【0146】
従って、本発明の別の一側面は、遺伝子的に改変された非ヒト動物を生産する方法であって、該方法が1個又は複数のヌクレオチドの置換、付加及び/または欠失又は逆位又は挿入を保持するbmfヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物を動物の胚性幹細胞中に導入する工程であり、相同組換えを選択する該胚性幹細胞のゲノム内に、bmf遺伝子との相同組換えを促進するのに十分なbmfヌクレオチド配列が存在するものである工程、及び突然変異したbmf遺伝子を保持する胚性幹細胞を選択する工程、及び次いで該胚幹細胞から遺伝子改変動物を作成する工程、を含む方法を提供する。
【0147】
この遺伝子改変動物は、マウスやラットなどのネズミ種であることが好ましい。
【0148】
Bmfヌクレオチド配列は、該胚幹細胞内のbmf遺伝子に対して相同遺伝子的であっても非相同遺伝子的であっても良い。
【0149】
用語「相同遺伝子的」とは、構築物中のbmfヌクレオチド配列が胚性幹細胞が誘導されたのと同じ動物系統から誘導されることを意味する。
【0150】
本発明は、非相同的に媒介された標的DNA配列の組み込みを更に意図する。
【0151】
様々な選択可能マーカーが採用され、一般的方法論については、米国特許第5,789,215を参照しうる。
【0152】
上の方法は、bmfに加え、他のBcl−2遺伝子(例えば、Bim、Blk、Bad、Bid、Hrk、Noxa又はPuma)及び/又は他の構造遺伝子又は調節遺伝子などの異なる遺伝子中に複数の突然変異を導入するためにも、同様に適用して良い。
【0153】
育種プロトコルもまた、Bmf中に突然変異又は他の遺伝子改変を導入するために適用して良い。ひとつのアプローチでは、EMS又は他の突然変異を誘発したマウスを、G1世代を作成するため非突然誘発性マウスと交雑する。このG1世代は次に指標系統と交雑してGIFI家系を作成する、これは次にbmfにおける突然変異を表現形的にスクリーニングしうる。bmfでの突然変異は優性でも劣性であって良く、突然変異はbmfについて直接、又はその別の遺伝子に対するその効果により、又はその別の遺伝子に対する最初の突然変異の効果を緩和する際におけるその効果で検出してもよい。
【0154】
bmf対立遺伝子の一方又は両方において単独で又は他のBcl−2ファミリー遺伝子などの他の遺伝子における突然変異と組み合わされて突然変異を保持するノックアウトマウスを含む遺伝子改変動物は全て、本発明に包含される。
【0155】
本発明は、以下の限定的でない実施例を用いて更に説明する。
【実施例1】
【0156】
Bmfの同定及びクローニング
本発明者らは、胚形成である役割を果たした新規なBH3のみタンパク質を探索した。Mcl−1欠乏マウスは、生存促進Bcl−2ファミリーメンバーを欠いたノックアウトマウス全てのうちで最も深刻な発生的欠陥を有するので、Mcl−1を餌として用いた。Bmf(Bcl-2 modifying factor(bcl-2 変更因子))は、Mcl−1を餌として用いた17日のマウス胚ライブラリーの酵母2ハイブリッドスクリーニングにより同定した。
【0157】
17日のマウス胚からの又は胚期9日から分娩後1日までのマウスの胚からのcDNAライブラリーをpAD−GAL4−2.1(HybriZAP−2.1キット、ストラタジーン)で調製した。ベイトベクターは、その疎水性C末端をコードする配列を欠いたマウスmcl−1をpGBT−9(クローンテック)中にクローニングして作成した。酵母形質転換及びプラスミドレスキューは既に記載したとおり実行した(プサラカスら、1999、上掲)。7×105クローンをスクリーニングし、一つの陽性クローンを得た。Mcl−1と新規なタンパク質の間の相互作用はβガラクトシダーゼ染色法(プサラカスら、1999、上掲)で確認した。配列分析から、このクローンが5’末端を欠いた部分的なものであることが明らかになった。この部分的なクローンをプローブとして用いて、p53-/-KO52DA20胸腺種細胞株から誘導されたcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより(ストラッサーら、Cell 79: 329, 1994)、全長クローンを単離した。ヒトbmfはマウスbmfをプローブとして用いてヒト活性化T細胞cDNAライブラリーをスクリーニングして単離した。Bmf相互作用タンパク質をスクリーニングするために、選択マーカーとしてクロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼの遺伝子を保持するpGBT−9誘導体中にマウスbmfをサブクローニングした。5×106個のスクリーニングしたクローンのうち、60個の陽性クローンが最初に選択され、そのうち6個が後に誤った陽性であると分かった。
【0158】
詳細な配列分析(クローら、1994、上掲)から、BmfがBim、Bik及びEGL−1で見出されたものに最も類似するBH3ドメインを保持することが明らかになった(図1A及びB)。酵母2ハイブリッドシステムでは、BmfはMcl−1及び他の生存促進Bcl−2タンパク質(Bcl−2、Bcl−xL及びBcl−w)とは相互作用したが、テストしたアポトーシス促進ファミリーメンバー(Bax、Bid及びBad)とは相互作用しなかった。293T細胞で一時的に過剰発現した場合、Bmfは生存促進Bcl−2ファミリーメンバーであるBcl−2及びBcl−w、並びにBcl−xL及びMcl−1と免疫共沈降できた(図1C)が、アポトーシス促進Bax又はBH3のみタンパク質Bimに結合しなかった。BmfとBcl−2又はBcl−wとの相互作用は、そのBH3ドメイン内の不変性ロイシン(L138A)を突然変異させることにより、大きく減少した(図1C)。更に、Bcl−2のBH1(G145E)ドメイン又はBH2(W188A)ドメイン内で保存された残基の突然変異は、そのBim(オコーナーら、EMBO J. 17: 384, 1998)又はBax(インら、Nature369: 321, 1994)への結合を破壊するものであるが、これはまたそのBmfへの結合をも破壊する。内因性Bmfが、界面活性剤で溶解されたMCF−7ヒト乳癌細胞(図1D)由来の内因性Bcl−2と免疫共沈降できたことは重要である。これは、これらのタンパク質が過剰発現した場合にのみ結合するという可能性を排除する。
【0159】
Bmfの生物学的活性は、それをジャーカットヒトTリンパ腫細胞中で、並びに安定にトランスフェクトされたL929マウス線維芽細胞中で(図1E)、又はIL−3依存性FDC−P1マウス前骨髄球細胞中で(図2C)、一時的に過剰発現させて調べた。Bmfの発現は24時間以内に約80%のジャーカット細胞でアポトーシスを誘発し、L929線維芽細胞コロニーの形成を約65%減少させた(図1E)。Bmfに誘発されたジャーカット細胞のアポトーシスは、カスパーゼ阻害因子バキュロウイルスp35によって、又はBcl−2又はその同族体(Bcl−xL、Bcl−w、Mcl−1)の共発現によって遮断されたが、Bcl−2のBH1(G145E)ドメイン又はBH2(W188A)ドメインによっては遮断されなかった。そのアポトーシス促進活性と一致して、Bcl−2(またはその同族体の一つ)も発現した場合にのみ、FDC−P1細胞内で高レベルのBmfが安定して発現できた。このようなBmf/Bcl−2を共発現するFDC−P1細胞は、サイトカイン除去、γ−照射、又はエトポシドによる治療に応答してBcl−2発現細胞よりも急速に死滅した(図2C)。実施された全ての細胞死検定において、BH3ドメインを欠いたBmf突然変異体又はその中にL138A突然変異を有するBmf突然変異体は不活性であった(図1E及び2C)。これらの結果は、Bmfが生存促進Bcl−2ファミリーメンバーに結合してアポトーシスを開始するBH3のみタンパク質であることを立証する。
【実施例2】
【0160】
Bmfの発現パターン
Bmfの発現パターンを、ノーザンブロット法、RT−PCR、及びウェスタンブロット法で研究した。Bリンパ系及びTリンパ系、骨髄質系又は繊維芽細胞質系起源の細胞株の多くで、及びE9から誕生までの全ての発生過程におけるマウス胚で、bmfmRNAが見つかった(図1F)。アフィニティ精製されたウサギのポリクローナル抗体又はラットのモノクローナル抗体(後述)を用いた細胞溶解物のウェスタンブロット法は、多くの器官でBmfに相当する単一バンドを検出し、膵臓、肝臓、腎臓及び造血組織で突出したレベルを示した(図1G)。従って、Bmfは胚形成の間、多くの成熟組織で発現される。
【0161】
ダイニン軽鎖及びBmfに対するモノクローナルラット抗体は、既発表のプロトコル(オーライリーら、1998、上掲)を用いて作成した。簡単に言えば、ウィスターラットを精製した組換えマウスDLC1/LC8又はマウスのBmfで免疫化した。免疫化したラットの脾臓細胞をSp2/0骨髄腫細胞と融合した。その結果得られたハイブリドーマクローンを、特定の抗体の生産について、免疫蛍光染色分析及びフローサイトメトリー分析でスクリーニングした。ハイブリドーマは2回クローニングし、抗体はタンパク質−Gカラム(アマシャムファーマシア)上で又はMAR18.5(モノクローナルマウス抗ラットIgk)抗体と結合したセファロースカラム上のいずれかで精製した。モノクローナル抗体11F7(ラットIgG2a/κ)はマウス及びヒトDLC1/LC8及びDLC2を認識したが、一方10D6(ラットμ/κ)はマウス及びヒトDLC1/LC8を検出するがDLC2は検出しない。モノクローナル抗体9G10及び12E10(共にラットγ2a/κ)はウェスタンブロット法及び免疫沈降法で内因性のマウス及びヒトのBmfを検出する。ポリクローナル抗Bmf抗体を作成するため、ニュージーランドホワイト種ウサギを500μgの組換えマウスBmfで免疫化した。3週間の間隔で増幅免疫を与えた。12日後に血清を採取し、組換えマウスBmfタンパク質と結合したセファロースカラム上で精製した。
【実施例3】
【0162】
アポトーシスの構造
bmf発現がアポトーシス刺激により誘発されるのかどうかを検討するため、サイトカイン欠乏、γ照射又はデキサメタゾンによる処置又はイオノマイシンを含む様々な形のストレスに曝した胸腺細胞由来のmRNAについてRT−PCR分析を実施した(後述)。これらの刺激はどれもbmf発現に何の影響も与えず(図2A)、Bmfが翻訳後に恐らくは他のタンパク質との相互作用により調節される可能性について研究させるように本発明者らを駆り立てた。Bmfを餌として用いたマウス胚cDNAライブラリの酵母2ハイブリッドスクリーニングは14の独立のMcl−1クローンと、驚くべきことに、ダイニン軽鎖(DLC)をコードする40を超えるクローンを単離した。先に行ったスクリーニングでは、Bimは専らDLC1/LC8を単離した(プサラカスら、1999、上掲)。対照的に、Bmfと相互作用するダイニン軽鎖のほとんどは密接な関係にあるタンパク質DLC2をコードしていた(ネスビッツら、J. Neurosci.20: 4524, 2000)。一時的にトランスフェクトされた293T細胞での共免疫沈降実験は、BmfとDLC2との相互作用を確認した(図2B)。配列比較では、BmfがBH3ドメインに加え、DLC1/LC8とのその結合を媒介するBim(aa51−DKSTQTPSP)内の領域と良く類似する短い領域(aa67−DKATQTLSP)を有することが明らかになった(図1A)。これはBmfのDLC結合モチーフであり、その内部での突然変異(A69P又はD67K68A69>AAA、以後AAA突然変異と呼ぶ)が酵母細胞及び哺乳動物細胞においてBmfとDLC2との相互作用を排除するためである(図2B)。さらに、IL−3欠乏又はγ照射において、Bcl−2及びBmfの非DLC2結合突然変異体を共発現するFDC−P1細胞は、Bcl−2及び野生型Bmfを共発現するFDC−P1細胞よりも急速に死滅した(図2C)。これらのBmf突然変異体、野生型Bmfよりも強力にL929繊維芽細胞コロニーの形成をも抑制した。従って、DLC2との相互作用はBmfのアポトーシス促進活性を負の方向で調節する。
【0163】
bmfmRNA発現のRT−PCR分析は次のプライマーを用いて実施した:5’(センス)プライマー 5’CCGGATGGATCACCAGGAATG3’[配列番号:11]、3’(アンチセンス)プライマー 5’CAGAGCTGACAAAGGCACAG3’[配列番号:12]。サザンブロット上でのPCR産物の検出は、内部bmfプライマー5’CCACTTCCTGGAGAACATCA3’[配列番号:13]を用いて実施した。GAPDH発現の分析用に、次のプライマーを使用した:5’(センス)プライマー 5’TGATGACATCAAGAAGGTGGTGAAG3’[配列番号:14]、3’(アンチセンス)プライマー 5’TCCTTGGAGGCCATGTAGGCCAT3’[配列番号:15]及び内部プライマー 5’CCCGGCATCGAAGGTGGAAGAG3’[配列番号:16]。
【実施例4】
【0164】
機能モデル
本発明者らが考察した問題は、何故Bmfは高度に関係のあるパートナー、DLC−1又はDLC−2と結合することにより調節されるのかということである。Bmfは別々のストレス刺激を感知するために細胞内の部位(複数)に隔離されると提唱する。繊維状アクチンとパクリタキセル(タキソール)重合可能微小管分画への細胞タンパク質の分離は、以前の結果(プサラカスら、1999、上記)と一致して、Bimとダイニン中間鎖(IC74)は大部分が微小管成分(P2)と共移動し、一方Bmfとミオシンは繊維状アクチンを含むP1分画に限定されたことを明らかにした(図3A)。更に、サイトカラシンD又はC.ジフィキリ (dificcili)毒素Bなどのアクチン脱重合物質で細胞を処理すると、繊維状アクチンを含むP1画分からBmfが解放され、一方Bimの分画化は影響されなかった(図3B)。
【0165】
細胞下分画のため、5×106のMCF−7細胞を1%のトリトン−X−100を含む抽出緩衝液50μLに溶解した。細胞破砕物及び細胞核を2000gで遠心分離機にかけ除去した。次いで上清を37℃で13分間100μMのパクリタキセル(タキソール)及び5単位のアピラーゼ(シグマ)と共にインキュベートした。この混合物を次いで7.5%のショ糖(抽出緩衝液内で生成)のクッション0.5mLの上に載せ、30℃で140,000gで30分間、遠心分離した。このペレットを微小細管P2画分として、及びその上清をS画分として保存した。アクチンが豊富なP1画分を微小細管構成成分の混入なしに得るために、MCF−7細胞を2時間、2μg/mLのコルヒチン及び1μg/mLのノコダゾール(nocodazole)の存在下で、溶解に先立って培養した。これらの溶解物は次いで細胞破砕物及び核(上述)を除去し、その後、4℃で60分間、140,000gで遠心分離してペレット(P1)画分を得た。ショ糖勾配上での抽出物の分画のため、107の細胞を500μL抽出緩衝液中に溶解した。細胞破砕物及び核を除去した後、その上清を100μMのパクリタキセル(タキソール)プラス5単位のアピラーゼで処理し、37℃で13分インキュベートした後、5〜20%のショ糖勾配(1%のトリトンX−100で調整)上に載せ、15℃で18時間、140,000gで遠心分離した。
【0166】
BmfとBimが別々に局在することは、それらの好ましいダイニン軽鎖パートナーによりほとんど決定される。先の報告(ベナシュスキーら、J. Biol. Chem.272: 20929, 1997)とは反対に、DLC1/LC8のみ又はDLC1/LC8とDLC2の両方のいずれかを識別するモノクローナル抗体を用いて(図3C)、本発明者らはDLC2を含むがDLC1/LC8を含まない精製したミオシンVモーター複合体を示した(図3D)。この観察は、Bmfが、優先的にDLC2と結合することにより、ダイニンモーター複合体の一部を形成するのではなく、繊維状アクチン上のミオシンVと複合体を形成するかもしれないことを示唆する。この考えに一致し、マウスの脾臓細胞からの抽出物を組換えBmf及びBimとインキュベートすると、BmfのみがミオシンVと結合することが確認された(図3E)。更に、Bmf及びBimは、ショ糖勾配上でMCF−7細胞の溶解物の細胞下分画の後に、別々の移動パターンを示した(図3F)。DLC1/LC8はホモ二量体を形成する傾向が強いので、そしてそれはBimとIC74と同じ領域を介して結合する(ローら、J. Biol. Chem.276: 14059, 2001)ので、DLC1/LC8ホモ二量体の一方のパートナーは恐らくIC74と相互作用し、他方のパートナーはBimと結合し、それにより微小細管ダイニンモーター複合体にそれを隔離する。DLC2ホモ二量体は一方の腕でBmfと結合し他方の腕でミオシンVと結合することにより、Bmfを繊維状アクチンに隔離する可能性がある。
【0167】
本発明者らは次に、Bmf及びBimが、両方のタンパク質を内因的に発現する細胞を用いて、別個のアポトーシス刺激により活性化されるかどうかを調べた。われわれの先の結果(プサラカスら、1999、上記)と一致して、MCF−7細胞のUV照射はダイニンモーター複合体が存在するペレット画分からBimを放出した。健康な又は損傷を受けたMCF−7細胞の溶解液をショ糖勾配遠心分離で比較すると、BmfはUV照射に応答して密度の高い画分から低い画分へ転座することも明らかになった(図4A)。微小細管を重合させることで知られる化学療法薬物、パクリタキセル(タキソール)による処置はBimを放出したがBmfは放出しなかった(図4A)。アポトーシスへのこの経路におけるBimの重要な役割と一致して、Bimを欠いた胸腺細胞はパクリタキセルの細胞障害効果に異常に抵抗する(フリッシュ及びルオスサーティ、Science 286(5445): 1735-1738、 1999)。一方、アノイキス(細胞接着及びインテグリン発信の非存在)、即ちアクチン細胞骨格に影響を与えるアポトーシス刺激(フリッシュ及びルオスラーティ、1997、上記)はBimではなくBmfの選択的放出をもたらす(図4A)。これらの実験は、カスパーゼの活性化を阻害するのに十分な濃度(50μM)の広域スペクトル性のカスパーゼ阻害剤zVAD−fmkの存在下で行ったため、Bmf及び/又はBimの放出はアポトーシス変化の結果ではなく、アポトーシスシグナル発信における開始事象を表すようである。重要なことに、本発明者らはアノイキスの間に放出された内因性Bmf(DLC2と共に)はミトコンドリアから単離された内因性Bcl−2と共免疫沈降できることを示した(図4B)。対照的に、健康な細胞のミトコンドリアから単離されたBcl−2と複合体を形成することが見出されたBmfは殆どなかった。
【0168】
集約すると、本発明者らのデータは、Bmf及びBimが細胞ストレスの別の形により惹起される別の死亡シグナルを形質導入する二つのアポトーシス促進性BH3のみタンパク質を表すことを証明する。これらは細胞の健康を監視するために主要な細胞骨格に搭載された見張り役を表すようである。例えば、パクリタキセルによる微小細管の障害はBimを活性化するがBmfは活性化せず、一方アクチン細胞骨格に影響を与えるアノイキスは、Bmfを活性化するがBimは活性化しない。抗アポトーシスBcl−2の脱調節による発現は腫瘍形成を促進できるため(ストラッサーら、Nature 348: 331、1990)、アポトーシス促進性のBH3のみタンパク質における異常はガンをも引き起こすことができる可能性がある。ヒトbmfの遺伝子は染色体15q14に位置し、多くの転移性ではあるが主要ではない癌腫で失われた候補となる腫瘍抑制遺伝子の部位として同定された(ウィックら、Oncogene 12: 973 、1996)。アノイキスは転移性腫瘍増殖に対する障壁として意味づけられてきた(ルオスラーティ及びリード、Cell77: 477、1994)。15q14突然変異を保持する転移性腫瘍は、従って、Bmfの発現又は機能に異常を有する場合がある。
【実施例5】
【0169】
Bmfノックアウトマウスの形成
マウスはC57BL/6へ戻し交配されるC57BL/6背景で選択する。子孫は野生型又は突然変異型のbmf遺伝子に特異的なプライマーを用いたPCRを使用して遺伝子形を決定する。
【0170】
bmfを標的にするベクターは図5Aに示すように作成する。ネオマイシン又はハイグロマイシンの配列を選択可能マーカーとして用いる。その構築物を胚性幹細胞中に導入し、ネオマイシン又はハイグロマイシンを用いて形質転換された細胞を選択する。次いでこの形質転換された胚性幹細胞を遺伝子改変マウスを形成させるために用いる。
【実施例6】
【0171】
Bmfのゲノム機構とプロモーター領域の同定
ネズミbmf遺伝子のゲノム機構を図5Aに示す。この領域の上流は配列番号:9で略記したようにプロモーター領域を含む。ヒトbmf遺伝子からの対応するプロモーターは配列番号:10に略記する。
【0172】
当業者らは本明細書に記載された発明は具体的に記載されたもの以外に変化及び修正しやすいことを認めるであろう。本発明がこのような変化及び修正を全て含むものと理解すべきである。本発明はまた、本明細書で個別に又は集合的に言及したまたは示した全ての工程、特性、組成物及び化合物、及び、該工程又は特性のいずれか二つ以上の組み合わせのいずれか及び全てを含む。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】図1は、Bmf、即ち新規な哺乳動物のBH3のみタンパク質を表したものである。(A)マウス及びヒトのBmfのアミノ酸配列の予測。Bimのダイニン軽鎖結合モチーフと共に保存されている9個のアミノ酸を、アスタリスク1つ(*)を付けた四角で表す。隠れたマルコフモデル(クローら、 J. Mol. Biol. 235: 1501, 1994)で同定された短いBH3領域は、アスタリスク2つ(**)を付けた四角で表す。(B)BmfのBH3領域を他のアポトーシス促進性Bcl−2ファミリーメンバーと整列したもの。黒い四角は同一のアミノ酸を示し、灰色の四角は類似する残基を示す。(C)野生型Bmfは生存促進Bcl−2及びBCl−wと結合するが、BH3突然変異体は結合しない。共免疫沈降実験は前に記載したとおり(プサラカスら、1999、上掲)に実施した。簡単に言えば、293T細胞を一時的にFLAGで標識したBcl−2(又はBcl−w)及びEE(Glu−Glu)で標識したBmf又はL138A突然変異Bmfの発現構築物と共トランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に細胞を代謝的に35S−メチオニンで標識し、一晩培養した後に収穫した。等価のトリクロロ酢酸(TCA)−沈殿性35Sカウントを含む大量の細胞溶解液をFLAG又はEEエピトープ標識に対するmAbsとの免疫沈降に用いた。(D)MCF−7細胞におけるBcl−2と内因性Bmfとの相互作用。1%v/vのトリトンX−100を含む溶解緩衝液内で調製した107のMCF−7細胞からの溶解物を、セファロースに結合したBcl−2−100(抗−ヒトBcl−2)mAb又は同位体に適合した対照mAbのいずれかと免疫共沈降した。結合したタンパク質をレムリ緩衝液中(非還元性)中で煮沸してビーズから溶出し、SDS−PAGE上でサイズ分画し、ニトロセルロースフィルターへ転移した。ラットの抗―Bmf・mAB(9G10)を用いてウェスタンブロット法を実施した。アスタリスク(*)は免疫共沈降に使用したmABの軽鎖を示す。(E)野生型Bmfは、L929繊維芽細胞を死滅させたがBH3突然変異体は死滅させなかった。L929繊維芽細胞を、空のベクター即ちハイグロマイシン耐性のみの発現構築物、又は野生型Bmf、BmfのBH3突然変異体(L138A)又はそのBH3領域を欠いたBmfでトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞をハイグロマイシンを含む培地内で培養し、その結果得られた薬物耐性コロニーを10〜14日後に数えた。値は3回の独立した実験の平均値(+/−SD)である。(F及びG)細胞株及び組織におけるBmfの発現。ノーザンブロット分析(F)のため、様々な細胞株又はマウス胚(胚期9日から生後1日)由来の4μgのポリA+RNAを電気泳動し、ブロットし、マウスbmfcDNAプローブで精査した。gapdhcDNAクローンによる精査を負荷対照として用いた。ウェスタンブロット分析(G)のため、種々のマウスの組織からの50μgの総タンパク質をSDS−PAGEでサイズ分画し、ニトロセルロースフィルター上へ電気ブロットし、Bmfに対するアフィニティ精製したウサギのポリクローナル抗体で精査した。負荷対象としてHSP70に対するモノクローナル抗体による精査を用いた。
【図2】図2はBmfがDLC2との相互作用により調節されることを示す図である。(A)様々はアポトーシス刺激で処理した胸腺細胞におけるbmfmRNAの発現。総RNAは、胸腺細胞(新鮮な状態で単離された)から、又はサイトカインの非存在又はデキサメサゾン(1μg)、γ照射(10Gy)若しくはイオノマイシン(1μg/mL)での処理の状態での培養後の表示時点で単離した。これらの条件はすべて、実質的なアポトーシスを誘発し、従ってどのRNAも処置後7時間後には収穫できなかった。次に2μgのRNAをAMV逆転写酵素を用いて逆転写した。cDNAの5倍の希釈液をbmfに特異的なプライマーを用いてPCR分析にかけた。PCR産物の移転後、ニトロセルロース濾紙を32Pで標識した内部bmfオリゴヌクレオチドプローブを用いて精査した。(B)Bmfはそのダイニン軽鎖結合領域を介してDLC2に結合する。共免疫沈降実験は図1Cの説明で記載したとおり、FLAGで標識されたDLC2及びEEで標識されたwtBmf、BmfのBH3突然変異体(L138A)又はBmf(A69P又はAAA)、Bid又はBaxのDLC結合領域突然変異体を一時的に発現する293T細胞の溶解物から実施した。アスタリスク(*)は免疫沈降化に用いたmAbの軽鎖を示す。(C)DLC2との相互作用はBmfのアポトーシス促進効力を調節する。Bcl−2プラスEEで標識されたwtBmf、BmfのBH3突然変異体(L138A)又はBmfのDLC結合領域突然変異体(A69P又はAAA)を安定に発現するFDC−P1細胞を、1〜6日間IL−3欠乏状態とする。細胞可視性はヨウ化プロピジウム染色及びフローサイトメトリー分析により評価する。値はそれぞれの遺伝子系の4個の独立したクローンで実施した3回の独立した実験の平均値(+/−SD)である。
【図3】図3はBmfがDLC2を介してアクチンに基づくミオシンVモーター複合体と結合することを示す写真である。(A)107のMCF−7細胞からの溶解物をP1、P2及びS画分中に分けた。次に、それぞれの画分からのタンパク質をSDS−PAGEでサイズ分画し、ニトロセルロース上へ移転させ、Bmf、BimL(オーライリーら、Biotechniques 25: 824, 1998)、ミオシンV(エスプレフィコら、J. Cell Biol. 119: 1541, 1992)又はダイニン中間鎖IC74(シグマ)に特異的なmAbsを用いて精査した。(B)MCF−7細胞を、サイトカラシンD(10μg)又はトキシンB(10ng/ml)のいずれかで3時間処理し、次いで(A)で記載したように分画し処理した。(C)DLC1/LC8及びDLC2の両方、又はDLC1/LC8のみを認識する新規なmAbsの特性決定。FLAGで標識されたDLC1又はDLC2を一時的に発現する293T細胞からの抽出物をSDS−PAGEゲル上で流し、ニトロセルロースの膜上へ電気ブロットし、ラットモノクローナル抗体11F7(DLC1及びDLC2の両方を認識する)又は10D6(DLC1のみを認識する)で精査した。矢印で記す分子量が低い方のかすかなバンドは内因性DLC1を示す。(D)ミオシンVはたいていDLC2と結合し、一方ダイニンはDLC1/LC8と優勢に結合する。細胞質のダイニンはMCF−7細胞(パスカルら、Methods Enzymol. 196: 181, 1991)から濃縮され、ミオシンVはマウスの脾臓(m)又はニワトリの脳(c)から精製した(ケニー、 Methods Enzymol. 298: 3, 1998)。これらの濃縮された画分を、ラットmAbs11F7(DLC1/LC8及びDLC2を認識する)又は10D6(DLC1/LC8のみを認識する)を用いてウェスタンブロット法で分析した。ニトロセルロース膜を、ミオシン及びダイニンモーター分画の純度を立証するため、ミオシンV又はIC74(シグマ)に対する抗体で精査した。(E)マウスの脾臓細胞からの抽出物(200μグラムのタンパク質)を組換えGST又はGSTで標識したFADDと4℃で3時間インキュベートし、Bmfタンパク質又はBimLタンパク質、及び結合タンパク質をグルタチオンセファロースビーズ上で回収した。結合タンパク質をレムリ緩衝液(非還元性)中で煮沸してビーズから溶出し、SDS−PAGEでサイズ分画し、ニトロセルロース膜上へ電気ブロットし、ミオシンVに対する抗体で精査した(エスプレフィコら、1992、上掲)。このニトロセルロース膜をアミドブラック(ボトムパネル)で染色し、匹敵する量のタンパク質がプルダウン実験で用いられたことを記録した。(F)107のMCF−7細胞からの溶解物を5〜20%w/vのショ糖勾配を通して分画した。そのペレットと可溶性画分を、Bmf、Bim、DLC1/LC8又はDLC2の存在についてウェスタンブロット法で分析した。
【図4】図4は、Bmf及びBimがその隔離部位から別々のアポトーシス刺激に反応して放出されることを示す写真である。(A)MCF−7細胞を広域スペクトルのカスパーゼ抑制剤zVAD−fmk(50μM)の存在下で培養した。対照(未処理)細胞からの溶解物を、アノイキス(ポリ−ヘムでコーティングしたペトリ皿上で懸濁して24時間細胞を培養)、UV照射(100J/m2)、パクリタキセル(タキソール 1μM)を含む様々なアポトーシス刺激に曝した細胞からの溶解物と比較した。107細胞の溶解物をショ糖勾配により分画した。そのペレットと可溶性画分を回収し、Bmf及びBimについて特異的なモノクローナル抗体を用いてウェスタンブロット法により分析した。(B)アノイキスの間、Bmfはミトコンドリアに転座し、Bcl−2と結合する。ミトコンドリアは前に記載したように2×108の健康なMCF−7細胞か又はアノイキスに付された細胞から精製した。ミトコンドリアのタンパク質を1%v/vのトリトンX−100(プサラカスら、1999、上掲)を含む溶解緩衝液中で抽出した。免疫沈降はセファロースビーズと結合した抗ヒトBcl−2mAB(Bcl2−100)を用いて実施した。結合タンパク質をレムリ緩衝液(非還元性)中でビーズを煮沸して溶出し、SDS−PAGEでサイズ分画し、ニトロセルロース膜に電気ブロットし、Bcl−2、Bmf又はダイニン軽鎖に対するmAbsで精査した。
【図5A】図5Aはマウスのbmf遺伝子座のゲノム機構を示す図式である。
【図5B】図5Bはノックアウトマウスを作成するのに用いられるNEB193neo又はNEB193hygroにおけるbmfを標的とする構築物のグラフ図式である。

Claims (47)

  1. 配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つで実質的に記載されるアミノ酸配列又はその誘導体若しくは同族体、又は配列番号:2又は配列番号:4又は配列番号:6又は配列番号:8のうちの一つ以上と少なくとも約45%以上の類似性を有する配列又はその誘導体若しくは同族体をコードするヌクレオチド配列又はコードする配列と相補的なヌクレオチド配列を含む核酸分子。
  2. 配列番号:2で記載されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1の核酸分子。
  3. 配列番号:4に記載されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  4. 配列番号:6に記載されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  5. 配列番号:8に記載されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  6. 配列番号:1に記載されるヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも約45%の類似性を有するヌクレオチド配列、又は低ストリンジェンシー条件下で配列番号:1又はその相補形とハイブリッド形成できるヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  7. 配列番号:3に記載されるヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも約45%の類似性を有するヌクレオチド配列、又は低ストリンジェンシー条件下で配列番号:3又はその相補形とハイブリッド形成できるヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  8. 配列番号:5に記載されるヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも約45%の類似性を有するヌクレオチド配列、又は低ストリンジェンシー条件下で配列番号:5又はその相補形とハイブリッド形成できるヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  9. 配列番号:7に記載されるヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも約45%の類似性を有するヌクレオチド配列、又は低ストリンジェンシー条件下で配列番号:7又はその相補形とハイブリッド形成できるヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  10. 配列番号:1に記載されるヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  11. 配列番号:3に記載されるヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  12. 配列番号:5に記載されるヌクレオチド配列を含む請求項1の核酸分子。
  13. 配列番号:7に記載される核酸分子を含む請求項1の核酸分子。
  14. 配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7に記載される核酸分子により、又は配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも約45%の類似性を有するヌクレオチド配列により、又は低ストリンジェンシー条件下で配列番号:1又は配列番号:3又は配列番号:5又は配列番号:7又はその相補形とハイブリッド形成できるヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む、単離されたタンパク質。
  15. 配列番号:1に記載されるヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む、請求項14記載の単離されたタンパク質。
  16. 配列番号:3に記載されるヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む、請求項14記載の単離されたタンパク質。
  17. 配列番号:5に記載されるヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む、請求項14記載の単離されたタンパク質。
  18. 配列番号:7に記載されるヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含む、請求項14記載の単離されたタンパク質。
  19. 配列番号:2に記載されるアミノ酸配列又はそれと少なくとも45%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、請求項14記載の単離されたタンパク質。
  20. 配列番号:4に記載されるアミノ酸配列又はそれと少なくとも45%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、請求項14の単離されたタンパク質。
  21. 配列番号:6に記載されるアミノ酸配列又はそれと少なくとも45%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、請求項14の単離されたタンパク質。
  22. 配列番号:8に記載されるアミノ酸配列又はそれと少なくとも45%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、請求項14の単離されたタンパク質。
  23. 配列番号:2に記載されるアミノ酸配列を有する請求項14記載の単離されたタンパク質。
  24. 配列番号:4に記載されるアミノ酸配列を有する請求項14記載の単離されたタンパク質。
  25. 配列番号:6に記載されるアミノ酸配列を有する請求項14記載の単離されたタンパク質。
  26. 配列番号:8に記載されるアミノ酸配列を有する請求項14記載の単離されたタンパク質。
  27. 単離されたbmf核酸分子の変異体であって、該変異体が該変異体にコードされるポリペプチドに少なくとも一つのアミノ酸の付加、置換及び/又は欠失をもたらす一つ以上のヌクレオチド突然変異を該核酸分子中に含み、該ポリペプチドがDLC2などのダイニン軽鎖と結合、共役、又他の方法で結び付くことができないものである変異体。
  28. 該突然変異がダイニン軽鎖と結合する領域においてアミノ酸配列の改変をもたらすものである、請求項28記載の変異体。
  29. アミノ酸の付加、置換及び/又は欠失を少なくとも一つ含む単離されたBmfポリペプチドの変異体であって、該ポリペプチドがダイニン軽鎖と結合、共役、又他の方法で結び付くことができない変異体。
  30. 哺乳動物におけるBmfの活性を調節する方法であって、Bmf活性を増大または減少させるのに十分な時間及び条件の下で効果的量の調節薬物を該哺乳動物に投与する工程を含む方法。
  31. 哺乳動物におけるアポトーシスを調節する方法であって、bmfをコードするヌクレオチド配列の発現を調節するのに十分な時間及び条件の下で効果的量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含む方法。
  32. 哺乳動物におけるアポトーシスを調節する方法であって、Bmfの活性を調節するのに十分な時間及び条件の下で効果的量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含む方法。
  33. 哺乳動物を治療する方法であって、該方法がbmfの発現を調節するのに十分な時間及び条件の下で効果的量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含み、該調節がアポトーシスの調節を結果としてもたらすものである方法。
  34. 哺乳動物を治療する方法であって、該方法がBmfの活性を調節するのに十分な時間及び条件の下で効果的量の薬物を該哺乳動物に投与する工程を含み、該調節がアポトーシスの調節を結果としてもたらすものである方法。
  35. 哺乳動物がヒトである、請求項30又は請求項31又は請求項32又は請求項33又は請求項34に記載の方法。
  36. 薬学的に許容されうる担体及び/又は希釈剤一つ以上と共に、bmf、Bmf又はその誘導体、又はbmf発現若しくはBmf活性を調節できる薬物を含む医薬組成物。bmf、Bmf又は該薬物を活性成分と呼ぶ。
  37. Bmf又はbmf又はその誘導体に対し特異性を有するモノクローナル抗体。
  38. 試料中で、細胞により生産される目的のタンパク質に対して特異的な免疫相互作用分子を検出する方法であって、免疫相互作用分子が、もし試料内に存在すれば、目的の該タンパク質と相互作用するのに十分な時間及び条件の下で、目的のタンパク質を生産する細胞と目的のタンパク質を生産しない細胞を規定された割合で含む細胞集団とテストすべき試料とを接触させる工程、及び該免疫相互作用分子−タンパク質の複合体を検出手段にかける工程を含む方法。
  39. 相互作用分子が抗体である請求項38記載の方法。
  40. 遺伝子改変動物であって、bmfの一つ又は両方の対立遺伝子が単独で又はBlk、Bad、Bik、Hrk、Bid、Bim、Noxa及び/又はPumaをコードする遺伝子など(これらに限定されない)の別のBcl−2分子の対立遺伝子の一つ又は両方における別の突然変異と組み合わされて突然変異した遺伝子改変動物。
  41. 該動物がマウスである、請求項40記載の遺伝子改変動物。
  42. 該動物がラットである、請求項40記載の遺伝子改変動物。
  43. 該動物がブタである、請求項40記載の遺伝子改変動物。
  44. 遺伝子改変された非ヒト動物を生産する方法であって、該方法が動物の胚性幹細胞中に1個又は複数のヌクレオチドの置換、付加及び/又は欠失又は逆位又は挿入を保持するbmfヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物を導入する工程であり、該相同的組換えを選択する該胚性幹細胞のゲノム内部にbmf遺伝子との相同的組換えを促進するのに十分なbmfヌクレオチドが存在するものである工程、及び突然変異したbmf遺伝子を保持する胚性幹細胞を選択する工程、及び次いで該胚性幹細胞から遺伝子改変された動物を形成させる工程を含む方法。
  45. 遺伝子改変動物がマウス又はラットである請求項44記載の方法。
  46. ヒトにおける状態の治療のための医薬の製造におけるBmfの使用。
  47. 非ヒトにおける状態の治療のための医薬の製造におけるBmfの使用。
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