JP2004531737A - 無線位置情報システムを補正するための方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
本発明は、到達時間差(TDOA)及び到達周波数差(FDOA)のような差分計測を非常に高い精度で行うことができる無線位置情報システム(WLS)を補正するための方法に関する。補正は、未知の位置から信号を送信し、エリアの既知の位置で物体から反射及び/又は屈折された受信信号の一部から補正すべきパラメータを2つの受信機のそれぞれで計測することによる。差分計測の誤差は、パラメータ計測において期待される差と、パラメータ計測における実際の差とを比較することにより測定される。期待される差分は、受信機の位置及び物体の位置に基づいて予め既知とされている。
Description
【0001】
[技術分野]
本発明は、無線位置情報システム(WLS: wireless location system)を補正して、到達時間差(TDOA: time difference of arrival)及び到達周波数差(FDOA: frequency difference of arrival)のような差分計測を非常に高精度に行うことができる方法及びシステムに関する。
【0002】
[背景技術]
無線位置情報システムが益々重要になってきている。出願人に譲渡されたOttoによる米国特許第5,719,584号で開示されており、この開示内容は、引用によりその全体が組み込まれる。多くの無線位置情報システムは、到達時間差(TDOA)の計算を利用して、信号の送信機の可能性のある1セットの位置を測定している。位置は、2次元での双曲線及び3次元での双曲面として、2つの受信機の既知の位置及びそれら2つの受信機での信号の計測された到達時間差(TDOA)から数学的に決定される。これらのシステムは、様々な手法を使用して、受信機での信号の到達時間(TOA)を計測している。しかしながら、全てのシステムは、クロック同期がとられているか、或いは計測されるクロックと加えられる補正との間でオフセットになっているかという共通の要件を共有している。補正は、クロックに直接加えられるか、或いは時間差の計算に数学的に加えられる場合がある。
【0003】
多くの無線位置情報システムでは、受信機でクロック同期を行う試みがなされている。一般的な手法は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)での送信で同期がとられるそれぞれの受信機でクロックソースを使用することである。これらのシステムは、良好な短期間の安定性を有する発振器を使用してクロックを駆動し、長期間の良好な安定性を有する受信GPSタイミング信号とクロックとの間でフィルタリングされた差分に基づく補正を加える。これらのシステムは、GPS受信機と、複数のGPS衛星の明瞭な視界を有するGPSアンテナを必要とする。
【0004】
これらのシステムにおける近年の大幅な発展にも係わらず、かかる2つのクロック間での時間に関する自乗平均平方根(RMS)の差は、数十から数百ナノ秒と高く、特に、幾何学的測定精度(GDOP)が重要視されるときには、位置推定においてかなりの誤差が生じることになる。このようなやり方でのクロックの同期は、クロックオフセットのためにTOA計測の誤差を減少する場合があるが、システムは、受信機の処理(信号処理回路及びタイミング分散回路)での遅延が安定して、適切に考慮されていることを保証するために、慎重に設計及び補正されなければならない。
【0005】
従来のシステムでは、クロックオフセットの補正、及びTOA(及び、それ故TDOA)計測誤差或いは到達周波数(FOA)のような他の測定パラメータにおける誤差を導入する受信機での他の変数を補正するために、外部補正技術を使用しているものもある。これらのシステムでは、既知の位置での受信機は、既知の位置の固定的な基準送信機により送信される信号の所定のパラメータを計測する。次いで、計測されたパラメータは、1つ又は両方の受信機を調整するために使用されるか、或いは到達時間差(TDOA)及び/又は到達周波数差(FDOA)の計算に利用されるオフセット又は調整値をプロセッサが計算する共通の地点に伝達される。
【0006】
1つの従来技術である無線位置情報システムは、Stipによる米国特許第6,184,829号で開示されており、無線位置情報システムのサービス領域全体を通して既知の位置で置かれるセルラー電話のような複数の無線送信機による補正処理により、機器の誤差を減少する。これらの電話は、他の電話と類似のやり方で、定期的な登録又はページレスポンスのような送信を行う。受信機のペアの位置及び理論的なTDOA値は予め既知であるので、システムは、特定の受信機のペアとの接続においてなされるTDOA計測での誤差を測定することができる。
【0007】
さらに、電話は固定された位置にあり、ドップラーシフトがないため、理論的なFDOA値はゼロである。任意の計測された誤差は、それぞれの受信機での発振器におけるドリフトにより生じ、アナログ回路要素(たとえば、アンテナ、ケーブル及びフィルタ)の特性及び環境的な要素において変化する。計算されたTDOA値及びFDOA値に対して、システムのデジタル信号処理ステージにおいて補正が加えられる。
【0008】
これらの従来技術の外部補正システムは、幾つかの制約を有している。定期的な送信は、既知の位置にある基準送信機により行わなければならない。通常のユーザトラフィックを伝送する場合があるシステムキャパシティを使用する必要がある。補正とこれに続くTDOA及び/又はFDOA計測との間に長い時間が経過する場合、発振器のオフセットにより補正の品質が低下するか、又は受信機での変動により補正の品質が低下する場合がある。この受信機での変動は、構成部品のパラメータの変化が温度によって生じるためである。基準送信間での間隔を減少することで補正の精度が向上するが、追加のシステムキャパシティのために更に費用がかかる。別の問題点は、補正の間、すなわち基準送信のTOA/TDOAを計測しているときに受信機によりなされる到達時間の計測においてマルチパスにより生じる誤差であり、この誤差により、基準送信機からそれぞれの受信機への直線伝播が仮定されているため、TDOAの補正が損なわれる。
【0009】
[発明の概要]
本発明の目的は、TDOA、FDOA、及び/又はシステム内の多くの発生源から生じる他の差分計測の誤差を減少又は除去することができる無線位置情報システムの外部補正のための方法を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、未知のベクトル速度を有し、未知の位置にある固定式又は移動式の基準送信機と使用可能な無線位置情報システムを補正するためのシステム及び方法を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の別の目的は、基準送信機としての未知のベクトル速度による固定式送信機又は移動式送信機で、未知の位置から通常のユーザトラフィック送信を利用する無線位置情報システムを補正するためのシステム及び方法を提供することにある。これにより、補正のために使用されるシステムキャパシティを最小にすることができ、補正の瞬間と計測の瞬間との間のシステムドリフトによる補正の品質の低下を減少又は除去することができる。
【0012】
さらに、本発明の別の目的は、基準送信機から受信機までの直線伝播経路を要さない無線位置情報システムを補正するためのシステム及び方法を提供することにあり、TDOA又は他の差分計測を正確に補正することができる。
【0013】
さらに、本発明の別の目的は、固定式受信機、移動式受信機、或いは固定式受信機と移動式受信機の両者を使用したシステムで有効な無線位置情報システムを補正するためのシステム及び方法を提供することにある。
【0014】
本発明によれば、システム及び方法は、信号のTDOA,FDOA及び/又は他の差分計測で使用される受信機のペアのオフセットを測定する。未知の位置での送信機は、未知のベクトル速度を有する固定式電話又は移動式電話のいずれとすることもできる。実質的に既知又は測定可能な位置にある(さらに、FOA計測を行う受信機の移動において、既知のベクトル速度を有する)複数の固定式受信機又は移動式受信機は、送信機及び/又は受信機の周辺にある自然又は人口の物体による信号の反射及び屈折のために、マルチパスを介して送信機からの信号を受信する。受信機に到達する信号は、送信機から該受信機までの直線経路の信号を含んでいる場合、また含んでいない場合がある。
【0015】
それぞれの受信機は、TOA及び/又はFOA、或いは幾つか又は全ての実施の形態において直線経路でないと考えられる経路信号のうちの少なくとも1つの他のパラメータを計測する。補正のために必要ではないが、存在する場合、補正と同時に行われる場合がある送信機の位置及び速度測定を実行する過程で使用するために、受信機が直線経路信号に関するTOA及び/又はFOAをも測定することが好ましい。
【0016】
プロセッサは、複数の受信機と作用的に接続されており、複数の受信機のそれぞれに信号を反射又は屈折したと考えられる固定的に自然又は人口の物体を選択し、当該物体を代理の基準送信機として指定する。或いは、幾つもの実施例では、信号の「代理受信機」と呼んでいる。これは、当該物体が、信号を「受け」、「受けた」信号を反射又は屈折することで、信号の「代理の基準送信機」としての役割を果たすためである。その後、該物体により複数の受信機に反射又は屈折された信号は、代理基準送信と呼ばれる。
【0017】
代理の基準送信機の位置は、プロセッサと作用可能なデータベースに蓄積され、又は限定されるものではないが航空写真の画像のようなデータベースに蓄積された情報から測定可能である。FDOAのケースでは、代理基準送信機は、固定的な物体であり、代理基準送信機と相対的な送信機の動きにより与えられるドップラーシフトは、両方の受信機で反射又は屈折された信号に共通であり、理論的なFDOA値はゼロである。測定された誤差は、それぞれの受信機での発振器におけるドリフトのためであり、アナログの構成要素(たとえば、アンテナ、ケーブル及びフィルタ)及び環境的な要素の特性において変化する。
【0018】
また、プロセッサは、代理基準送信を受けるそれぞれの受信機のペアについて、理論的なTDOA値を計算する。プロセッサは、それぞれの受信機での代理基準送信のTOA、予め既知であってデータベースに記憶されているか、或いはデータベースに記憶される情報から確定可能である受信機の位置、及び予め既知であってデータベースに記憶されているか、或いはデータベースに記憶されている情報から確定可能である代理基準送信機の位置等から期待されるTDOAを測定する。次いで、プロセッサは、オフセットを補正するために無線位置情報システムの機器に補正を加えるか、又はTDOA、FDOA、或いはシステムのデジタル信号処理ステージで通常のシステム動作の間に得られる他のパラメータ値に対して補正を加える。
【0019】
本発明の他の目的、特徴及び効果は、添付図面に照らして考慮される発明の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0020】
[実施例]
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。本発明の好適な実施の形態が示される。しかし、本発明は、多くの異なる構成で実施される場合があり、ここで述べる実施の形態に限定して解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施の形態は、この開示が詳細かつ完璧であり、当業者に対して本発明の範囲を十分に伝達するために提供される。同じ参照符号は、全体を通して同じ構成要素を意味する。
【0021】
本発明は、受信サイトで1つの受信機での使用が可能であり、自動車向け又はタグを身に付けた個人向けの送信タグ、移動体トランシーバ或いは他の移動体端末のような移動体送信端末の位置を測定することができる。本システムは、到達時間及び/又は到達時間差の計算のための代理用の受信機(すなわち、受動的な反射器)を使用する。
【0022】
説明を通して、用語「代理受信機(プロキシ・レシーバ)」は、代理受信サイト(RPS:proxy receive site)と呼ばれる場所に位置され、ビル、山又は丘、ウォータタワー、或いは移動体送信端末又は他の無線送信機から固定式端末又は移動式端末とすることができる受信機に信号を反射及び/又は屈折(又は回折)する、任意の他の自然又は人口の物体のような、任意のタイプの受動的な反射器を説明するためにも使用される。幾つかの例では、代理受信機は、補正等のために信号を反射又は屈折するものであり、代理基準送信機と呼ばれる。用語「移動体端末」は、説明のために、固定式又は移動式の任意の送信機を意味する。
【0023】
本来、信号は、無線周波信号、電磁信号、或いは当業者に知られたタイプの他の信号とすることができる。たとえば、ウォータタワーには、無線周波信号の優れた反射器となるものがあり、ウォータタワー自身は、代理受信機となることができる。大きな丘は、代理受信機となることができ、ビルは、無線周波信号を反射するだけではなく、ビルの隅の端で無線周波信号を回折/屈折することもできる。
【0024】
また、本発明は、ルックアップテーブル、又は移動体の位置の計算を支援するために使用されるフロリダ州メルボルンのHarris社により開発された「リアルサイト“RealSite”」のような幾何学的ソフトウェアであるイメージングデータベースを使用することができる点で都合がよい。本発明は、移動体端末の位置が未知のときであっても、2つの異なる受信サイトで2つの異なる受信機のクロックを補正するための移動体送信端末を使用することができる点でも都合がよい。説明されるように、マルチパスが存在するときであっても、2つの受信機を同時に使用して、移動体送信端末の地理的な位置を測定することができる。
【0025】
本発明は、無線技術を利用したフィンガープリントに対しても都合がよい。このフィンガープリントは、制約及び欠点を有している。移動体は、グリッドポイントのうちの1つにあり、グリッドポイント間の中間地点にはないものと常に推定される。移動体の高さは、勿論、ビルにおいて変化するように変動するものであって、位置推定における誤差となる。精度は、長距離の送信及び移動体の動きに依存する。狭帯域信号の使用により、パスを識別するための能力を制限することとなり、広範囲にわたる補正は、露出された端末と比較して、フィンガープリントのグリッドデータベースを生成するために必要とされる。埋込み式移動体端末もまた、露出された端末と比較して異なるフィンガープリントを有する。
【0026】
図1及び図2は、フロリダ州メルボルンのHarris社に譲渡されたOttoによる引例‘584特許により本明細書に組み込まれて開示されるような、到来角(AOA: Angle of Arrival)システム及び到達時間(TOA: Time of Arrival)システムを使用した基本的な地理的位置情報システム及び方法を例示している。
【0027】
図1を参照して、この地理位置情報システムは、複数の固定された受信サイト30を利用しており、それぞれの受信機は、一般的な通信リンク34を通して中央処理ユニット32にそれぞれが接続されている。ターゲットユニット(すなわち、移動体送信端末のような地理的に位置される端末)36は、RF信号、電磁信号或いは各種タイプの信号のような無線周波信号を複数の受信ステーションに送信する。
【0028】
動作において、受信サイト(すなわち、「受信ステーション」)30は、ターゲットユニット36からの信号をそれぞれ受信し、該信号の受信に関する情報を中央処理装置32に送出する。システムの構造に依存して、中央処理ユニット32は、受信サイト30での信号の到来角を使用するか、受信サイト30での信号の到達時間を使用するか、或いはターゲットユニット36の地理位置を測定するための他の従来の方法を使用する。適切なシステムの設計により、中央処理装置32は、複数の受信ステーション30の受信レンジ内に位置される幾つかのターゲットユニット30の地理的な位置を同時に測定することができる。
【0029】
図2を参照して、このシステムは、2つの受信ステーションRS30、RS40のみを必要とし、ターゲットユニット36の地理位置を測定する。それぞれの受信ステーション30は、ターゲットユニット36からの信号を受信し、信号の到来角及び到達時間の両方を測定し、一般的な通信リンク34を通して中央処理装置32に順次供給する。中央処理装置32では、2つのステーションの間の到達時間差の情報を使用して、ターゲットユニット36が存在する場合がある曲線50(すなわち、ある信号が、所与の2つの受信ステーション30の間で測定された到達時間差を有する点の軌跡)に沿った点の軌跡が計算される。ターゲットユニット36が位置すると確定される曲線50に沿った正確な点は、受信ステーションRS30、RS40のいずれか一方からの(到来角からの)方位線AOA1,AOA2と曲線50の交点から得られる。
【0030】
理想的に、曲線50及び方位線AOA1、AOA2は、ターゲットユニット36の位置に一致する一点で全て交差する。しかし、実際には、複数の交点が図示されるように生じ、これにより、移動体端末の位置の不確かさが生じるように、TOA計測における誤差は曲線を移動し、及び/又はAOA計測における誤差は方位線の一方又は両方を移動する。
【0031】
このタイプのシステムは、広域の地理的エリアをカバーする低電力パーソナルコミュニケーションシステムにおけるように、地理的なエリア全体に地理位置(及び/又は通信)のサービス区域を提供するために複数の受信サイトが必要とされるものであり、完全な地理的な位置のサービス区域を提供するために、いつでもターゲットユニットと連絡するためにたった2つの受信ステーションが必要とされる。所与のシステムにおいて、ターゲットユニットからの信号が2つを超える受信ステーションで受信された場合、処理ユニットは、当業者に公知のベクトル結合スキームを使用して、方位線と曲線とを結合することができる。
【0032】
局所的な地形の条件及び他の要素に依存して、中央処理装置32は、幾つかの受信サイトからの信号を他のサイトからの信号よりも大きく重み付けし、受信信号の信号対雑音比のような信号品質の測量に比例して信号を重み付けし、ターゲットユニットの測定された位置により近い受信ステーションから測定された位置をより大きく重み付けし、及び/又は、範囲外の推定のための方位線及び/又は曲線の幾つかを除き、そして、TDOA測定から確定される曲線をより大きく重み付けする。中央処理装置は、重み付け位置推定に基づく慣性モーメントの計算を利用して、ターゲットユニットの地理的な位置を確定することができる。実際に、中央処理装置は、重み付け位置推定に基づく慣性モーメントターゲットユニットの地理的位置を確定する場合がある。
【0033】
これまでに本発明の全体的な説明がなされ、図3から図13に関連する詳細な説明がなされる。本発明は、有利にも、送信機の位置を確定することができる。定位される送信機は信号を送信し、受信機は送信機からの信号を受信して、送信機からの複数のマルチパス信号の到達時間を計測する。1つ以上の自然又は人口の物体は、送信機から受信機への信号の一部を反射及び/又は屈折する。
【0034】
データベースは、受信機及び1つ以上であるが必要であれば全ての自然又は人口の物体の位置、或いは該位置を計算するために使用される情報を含むために使用することができる。プロセッサは、受信機及びデータベースと作用することができ、送信機の位置を推定するか、或いは可能性のある送信機の位置を表す1セットの点を確定する。これは、1つの物体を選択するか、複数の物体を選択するかのいずれかにより達成することができる。該1つの物体の位置は、データベースに記憶されているか、1つの代理受信機としてデータベースに記憶されている情報から確定される場合がある。また、該複数の物体の位置は、データベースに記憶されているか、複数の代理受信機として、データベースに記憶されている情報から確定される場合がある。
【0035】
それぞれの代理受信機の位置は、データベースにおける情報から確定される。受信機の位置は、データベースに記憶されている情報から確定することができ、次いで、それぞれの代理受信機から受信機への直線の信号伝播時間で計算される。それぞれの代理受信機での信号の到達時間は、その代理受信機について該代理受信機から受信機への信号の伝播時間を、該代理受信機から反射又は屈折されたと推定される経路の受信機で推定された到達時間から差し引くことにより計算することができる。
【0036】
1つ以上の点のセットは、信号の到達時間差に対応する可能性のある送信機の位置及び代理受信機の位置を表すそれぞれのかかるセットにより、別の代理受信機又は受信機での信号の到達時間から生成することができる。
【0037】
1つ以上の追加の情報源は、プロセッサと作用的に接続されており、(a)1つの代理受信機又は複数の受信機を選択し、(b)多目的な計算への追加の入力として、又は(c)点又は点のセットに加えられる待ちを確定し、該推定された待ちを結合してリファインされた点のセットをつくることにより、プロセッサによる使用向けに必要であるか、或いは望ましい場合がある。
【0038】
送信機は、移動式の送信端末とすることができ、受信機は、移動式の受信端末とすることができる。また、送信機は、受信機同様に屋内に位置することもできる。少なくとも1つの代理受信機は、屋内に位置することもできる。
【0039】
信号は、電磁信号、無線周波信号、光信号、或いは音声信号のうちの1つとすることができる。信号は、送信機により、或いは送信機で発生することができ、限定されるものではないが、送信機の識別番号、送信機で記憶されているデータ、或いは送信機のセンサ又はスイッチの状態のようなパラメータの組み合わせ等に従い変調することができる。
また、送信機は、内部タイマ、動き検出器、或いは他のセンサ又はアルゴリズムの組み合わせに応答して、信号を送信することができる。また、信号は、限定されるものではないが、ボタン又はスイッチの開閉、或いはコマンド信号の受信又はトリガのような外部コマンド又はイベントに応答して送信することができる。信号は、送信機で受信された信号の再送信、及び限定されるものではないが、振幅変調、位相変調、周波数変調、時間シフト、スペクトル反転、偏波、或いは、当業者により利用されている他の変換又は変調のような手法の組み合わせで修正された信号の再送信をすることができる。また、限定されるものではないが、送信機の識別番号、送信機に記憶されているデータ、送信機でのセンサ又はスイッチの状態のようなパラメータに従い修正することもできる。
【0040】
送信信号は、限定されるものではないが、セルラー電話、専用の移動体無線、移動体データ又はパーソナル通信のような一般的な通信システムの信号とすることができる。また、この送信信号は、限定されるものではないが、狭帯域、広帯域、帯域幅を有する部分からなる帯域幅、或いは不連続な周波数帯域における部分からなる帯域幅のような帯域幅を有することもできる。また、信号は、任意の変調フォーマットでスペクトル拡散信号とすることができ、又は限定されるものではないが、直接拡散、周波数ホッピング、非線形周波数、線形周波数(チャープ)、コ・チップ・キー・イン(co−chip key in),コード位置、パルス位置或いはインパルスのような変調フォーマットの組み合わせでスペクトル拡散信号とすることができる。信号は、送信機から受信機への直線経路信号を含むことができ、送信機から受信機への直線経路信号を含むことができる。
【0041】
少なくとも1つの物体は、代理受信機として、自然のランドマーク又は地上の高度(earth elevation)を含むことができ、ビル、ビルの一部分、ウォータタワー、ウォータタワーの一部分、通信又は公共事業の電力ポール、又は通信又は公共事業の電力ポールの一部分のような、別の人工の建物を含むことができる。
【0042】
本発明でデータベースが使用されるとき、2次元又は3次元の位置データを含むことができる。また、物体の2次元又は3次元の位置を計算するために使用される場合がある。データベースは、デジタルマップ、デジタル画像、電磁画像、無線周波画像、光画像又は音響的画像を含むことができる。これらの画像は、送信信号と同じ周波数帯域とすることができ、或いは、送信信号とは異なる周波数帯域とすることもできる。
【0043】
本発明の別の態様では、先に述べたように、処理のための付加的な情報が存在する場合があり、存在しない場合もある。この付加的な情報の源は、受信機とすることができ、方位及び仰角のような受信機での到来角、最速の到達信号経路等とすることができる。この付加的な情報は、最速の到達信号経路の受信機での到達時間、代理受信機により反射又は屈折されたとプロセッサにより推定された信号経路の受信機での到来角を含むことができる。
【0044】
また、この付加的な情報は、複数の代理受信機により反射又は屈折されたとプロセッサにより推定された複数の信号経路の受信機での到来角を含むこともできる。複数の反射又は屈折された信号経路のうちの1つ以上の到来角は、方位角及び仰角の両者とすることができる。また、付加的な情報は、限定されるものではないが、信号強度、到来角、到達時間、マルチパスプロファイル又はラウンドトリップ信号の伝達時間のような、受信信号又は該受信信号の一部のパラメータの任意の組み合わせを含むことができる。
【0045】
また、付加的な情報源は、データベースとすることもできる。この付加的な情報は、送信機による前の送信から収集される情報を含むこともできる。付加的な情報は、2次元又は3次元での送信機の位置の前の推定を含むことができる。また、複数の追加の情報源が存在してもよい。
【0046】
プロセッサは、ある代理受信機での信号の到達時間における差、及び受信機での1つの他の信号経路の到達時間に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を確定することができる。この他の信号経路は、受信機での最速の到達信号経路とすることができる。また、プロセッサは、第一の代理受信機での信号経路の到達時間における差、及び第二の代理受信機での信号経路の到達時間に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を確定することができる。プロセッサは、(a)その代理受信機により反射又は屈折された信号経路の到達時間により確定されたときの、代理受信機での信号経路の到達時間における差、及び受信機での1つの他の信号経路の到達時間に対応する可能性のある送信機の位置のセットと、(b)受信機での他の経路の到来角に対応する1セットの可能性のある送信機の位置、との交点に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を決定する。
【0047】
この他の信号経路は、受信機での最速の到達経路とすることができ、到来角は、方位角及び仰角の両者を含むことができる。また、プロセッサは、(a)受信機により計測された第一の代理受信機での第一の信号経路の到達時間と、受信機により計測されたときの第二の代理受信機での第二の信号経路の到達時間とにおける差に対応する可能性のある送信機の位置のセットと、(b)第三の信号経路の受信機での到来角に対応する可能性のある送信機の位置のセット、との交点である1セットの可能性のある送信機の位置を確定することができる。
【0048】
第三の信号経路は、受信機での最速の到達信号経路とすることができる。到来角は、方位角及び仰角の両者で確定することができる。プロセッサは、1セットの点のうちの数点、複数セットの点のうちの数点、前にリファインされた複数セットの点について前の送信から導出される複数セットの点のうちの数点等、待ち及び任意の組み合わせでの結合により、可能性のある送信機の位置のリファインされたセットを確定することができる。
【0049】
結合された点は、複数セットの点、或いは他のセットの点よりも大きく重み付けされた1つ以上の点の交点を含むことができる。リファインされた点のセットは、2次元での点のベクトル結合により確定される。リファインされた点のセットは、3次元での点のベクトル結合により確定することもできる。
【0050】
システムは、信号を受信するための複数の受信機を含むことができ、それぞれの受信機は、送信から複数のマルチパス信号の到達時間を計測することができる。複数の受信機は、2つの受信機を含んでおり、プロセッサは、第一の受信機での第一の代理受信機により反射又は屈折された信号の到達時間から確定されたときの第一の代理受信機での信号の到達時間差、及び第二の受信機での第二の代理受信機により反射又は屈折された信号の到達時間により確定されたときの第二の代理受信機での信号の到達時間に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を確定する。
【0051】
プロセッサは、第一の受信機で代理受信機により反射又は屈折された信号経路の到達時間から確定されたときの該代理受信機での信号の到達時間差、及び第二の受信機での信号の到達時間に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を確定することができる。この第二の受信機は、第二の受信機での最速の到達信号経路の到達時間とすることができる。第二の受信機での最速の到達信号経路は、送信機から第二の受信機までの直線経路である。
【0052】
プロセッサは、複数セットの可能性のある送信機の位置を結合することにより、リファインされた可能性のある送信機の位置のセットを確定することができる。この結合された点のセットは、複数の点からなるセットの交点とすることができ、2次元での重み付けされた点のセットのベクトル結合により確定することができる。結合された点のセットは、3次元での重み付けされた点のセットのベクトル結合により決定することができる。
【0053】
受信機は、送信機からの信号を受信し、信号チャネル受信機で複数のマルチパス信号の到達時間を計測することができる。受信機は、送信機からの信号を受信し、複数の信号チャネル受信機において複数のマルチパス信号の到達時間を計測することができる。複数のチャネルのうちの1つは、半径方向に配置される指向アンテナと作用することができる。この半径方向に沿って、アンテナは、代理受信機として選択される少なくとも1つの物体に位置させる。指向アンテナを複数設けることもでき、それぞれのアンテナは、半径方向に位置される。この半径方向に沿って、それぞれのアンテナは、代理受信機として選択される少なくとも1つの物体に位置され、それぞれのアンテナは、受信機の分離チャネルと作用可能である。
【0054】
この指向アンテナは、複数のセクタアンテナからなる1つのセクタであって、限定されるものではないが、移動電話、専用の移動無線、或いは移動データのような一般的な通信システムとすることができる。複数、必要であれば全ての受信チャネルは、それら複数のチャネルがフェーズドアレイ受信機を含み、リニアアレイ又はアレイプレーンに平行な方向に実質的に指向する2次元アレイを含むことができるように、複数の要素アンテナのうちの1つ以上の要素アンテナとそれぞれ作用可能である。また、受信チャネルは、アレイのプレーンに垂直な方向に実質的に指向することができる。複数の要素アンテナは、複数のチャネルと作用可能であり、3次元アレイを含むフェーズドアレイ受信機を含むことができる。複数のエレメントは、複数のチャネルと作用可能であり、同じ偏波からなるフェーズドアレイ受信機を含むことができる。また、受信機は、フェーズドアレイ受信機である複数のチャネル受信機を含んで、実質的に同じ位置に配置されているアンテナを有する複数の同じ位置に配置されている受信機とすることができる。
【0055】
信号経路の到達時間は、複数の受信チャネルからの重み付け信号の線形結合、又はベクトル結合に基づいて測定することができる。チャネルの重み付けは、到達時間が測定された経路以外の経路からの信号を減少又はゼロにするために選択することができる。アンテナ素子の偏波は、他のチャネルを供給するアンテナ素子の偏波とは異なる幾つかのチャネルを供給することができる。この他の情報は、限定されるものではないが、形態(たとえば、身に着ける形態、自動車に搭載する形態、大きな貴重品に取り付ける形態、持ち運びされる貴重品に取り付ける形態)、高度、気圧、温度、位置(たとえば、屋外、屋内、路上)、或いは速度のような送信機に関する情報又は送信機により収集された情報を含むことができる。他の情報は、送信端末により送信される。
【0056】
送信機を定位するために使用される受信機のような無線位置情報システムを補正するための方法又はシステムが以下に明らかにされる。信号は、未知の位置から送信することができる。信号は受信され、第一及び第二の受信機のそれぞれで計測される。期待される差がデータベース又は他の情報源からの情報を使用して確定されるように、パラメータ値の間での期待される差と測定されたパラメータ値の間の実際の差との差に基づいて、誤差値が決定される。
【0057】
誤差値は、無線位置情報システムの機器に補正を加えて、次の計測における誤差を最小にするために使用されるか、及び/又は前のパラメータ計測、同時のパラメータ計測或いは後のパラメータ計測に補正を加えるために使用される。この説明を通して、代理基準送信機は、先に述べたように、自然又は人工の物体とすることができる。また、代理の基準受信機は、代理の基準受信機又は代理受信機と呼ぶこともでき、信号を受信、及び反射又は屈折するものであり、送信機と同様に作用することができる。誤差値は、期待される到達周波数差と実際の到達周波数差との間の差に基づくことができる。
【0058】
図3は、本発明の第一の実施の形態を例示している。プロセッサは、選択された代理受信機60を有している。この代理受信機60は、代理受信サイト(PRS)に位置されており、典型的なマルチパスの例では、送信機から受信機への信号の反射器/屈折器と考えられる。代理受信機のための到達時間は、受信サイト(RS)での反射又は屈折経路の到達時間から、代理受信サイトから受信サイトへの伝播時間を差し引いたものに等しい。ウォータタワーは、例示された代理受信機60であるが、代理受信サイトで位置される代理受信機は、当業者には提案済みで公知のものとして、平面、ビルの反射側、ビルの端、丘陵の斜面のような地理的なランドマーク、プレーリーの中央の木、通信又は公共事業のタワー、橋又は他の反射器/屈折器の物体のような任意のタイプの反射器又は屈折器とすることができることが理解される。
【0059】
図3に示される特定の例示される実施の形態では、受信サイト(RS)62は、受信機(R1)を含んでおり、移動体送信端末64からの信号を受信する無指向アンテナ63を含んでいる。関連するプロセッサ65は、受信機と作用可能に接続されており、当業者に公知の標準的な処理アルゴリズムを使用して無指向性アンテナに最も速く到達した経路信号の到達時間を確定する。コンピュータ又は当業者に公知のタイプの他のプロセッサ65は、受信サイトで配置することができ、受信サイトから距離を隔てて通信回線66を介して接続することもできる。本発明の第一の実施の形態では、単方向アンテナ67をウォータタワーに向けて直接位置し、受信サイトに位置し、受信機に作用可能に接続することもできる。受信機は、指向アンテナに入射する反射又は屈折された経路信号の到達時間を計測する。プロセッサ65は、移動体送信端末から受信サイトに送信されるサイト信号からなるライン(line of sight signal)と、ウォータタワー、すなわち代理受信機62からの反射との間の到達時間差を測定する。この値は、データベースに記憶されているような、ウォータタワーの既知の位置に基づいて測定することができる。
【0060】
図5は、受信機1(75)及び受信機2(76)でのそれぞれのクロックを補正するために、ウォータタワーのような代理受信機72の利用を例示している。補正されたクロックは、本発明におけるように、特に、マルチパスの検討が考慮されるとき、移動体端末の位置を測定する幾つかの適用において厳密に重要である。移動体送信端末77が未知の位置にあるとしても、本実施の形態では、この端末は、代理受信機72、すなわちウォータタワーとして作用する反射器に対して未知の位置から、代理受信サイトに送信することができる。例示されている受信機1及び受信機2のようなそれぞれの受信サイトは、代理受信機として作用しているウォータタワーからの反射を受ける。受信サイトは、固定された既知の位置にあり、ウォータタワーへの距離及び角度は既知である。中央のプロセッサ78は、両方の受信機と作用可能であり、2つの受信機からの到達時間及び到来角の情報を受けることができる。適切なアルゴリズム及び計算を通して差が確定され、当業者に公知の標準的な処理アルゴリズムを使用して、2つのクロック73,74からのオフセットを取り除くことができる。この補正は、既知の位置での既知の送信機が信号を送信するために使用される従来の技術よりも有益である。
【0061】
図6は、たとえば、様々なビルB1〜B5が存在する都会の環境におけるような、マルチパスが存在する状況を例示している。移動体送信端末64のような送信機は、ビルB3の背後に位置されており、この送信機は、4つの他のビルB1、B2、B4及びB5の中央に位置されている。受信機1(RX1)は、ビルの南に位置されており、受信機2(RX2)は、ビルの北に位置されている。プロセッサは、受信機と動作可能である。
【0062】
例示されるように、送信機からサイト通信の直線が形成されていない。たとえば、移動体送信端末64から受信機1(RX1)又は受信機2(RX2)への直線である。代わりに、第一の受信機(RX1)は、ビルB1及びB5から反射された第一及び第二の到達信号(PR1−1、PR1−2)を受け、受信機2(RX2)は、代理受信機となるビル2から第一の到達経路としての信号を受信する。したがって、それぞれのビルにより形成された代理受信機からのそれぞれの送信の角度、信号及びその到達時間を計測することができる。第二の受信機(RX2)での信号の到達と、第一の受信機(RX1)での2つの信号のうちの最も速い到達との間の時間差が考慮される場合、80で描かれた双曲線が形成される。システムがそれぞれのサイト(RX1又はRX2)での最速の経路の到達時間差、一方の受信サイト又は他方の受信サイトからの角度を考慮する場合、2つの位置が計算され、どちらもA2/TDOA及びA1/TDOAで図示されている2つのスター81,82により例示されるように補正されない。第一のスター81は、角度2(A2)及び到達時間差(TDOA)を示し、第二のスター82は、角度1(A1)と到達時間差(TDOA)を示している。
【0063】
84で描かれる双曲線は、サイト通信の直線のみが存在する場合の正しい双曲線を例示している。代理受信機の四角形を示して、3つのサイトPR1−2,PR2−2及びPR1−1が存在し、この曲線はこの複雑な解法で計算されることは明らかである。
【0064】
図7は、移動体送信端末64がビルB3、B3’の間に位置され、到来角の検討のみがサイト値A2/TD及びA1/TDのラインと使用されるとき、可能性のある点の軌跡を形成する不適切なライン85が確定された場合と類似の状況を例示している。不適切な位置は、スター86で示されており、到達時間差の計算に基づくものである。
【0065】
本発明によれば、位置、すなわち反射器/屈折器の緯度及び経度は、代理受信サイトで位置され、それぞれの到達経路に沿って代理受信機を形成しており、ルックアップテーブル、又はフロリダ州メルボルンのHarris社により開発されたソフトウェア「リアルサイト“RealSite”」のような、地理的なイメージデータベースからの特徴抽出を介して測定される。地理的なデータベースは、ビル及び丘のような自然の地勢のような特定のエリアにおける自然及び人工的な特徴に関連するデータを含んでいる。
【0066】
たとえば、信号を放出し、高いビル又はウォータタワーを含み、無線又は他の信号の受動的な反射器となる、したがって代理受信機として作用する特定のエリアに関する情報をデータベースは含んでいる。ルックアップテーブルは、類似のデータを含んでおり、システムプロセッサは、ルックアップテーブルに問合せ、ビル又はどこから信号を発しているかといった自然の特徴等のタイプを確定し、どの特徴が代理受信機となることができるかを確定する。ルックアップテーブルとの地理的なデータベースの使用、或いは特徴抽出ソフトウェアの使用は効果的であり、サイト経路の直線、又は反射及び/又は屈折された経路が信号源であるかをシステムは確定することができる。
【0067】
システムは、特徴抽出ソフトウェアを使用するか、ルックアップテーブルに問合せて、図6及び図8に示されるレイアウト、ここでは5つのビルを含んでいるが、ビル間の信号線により例示されるような反射又は屈折を形成しているかを判定する。たとえば、図6及び図8に示される例について、2次元のデータベースが必要とされる。可能であれば、高度を考慮するために、3次元データベースを使用することもできる。
【0068】
このタイプのシステムは、反射/屈折、及びサイト信号のラインといった情報は、特徴抽出又は使用されるルックアップテーブルにより確定され、位置推定は、重み付け到達時間差の曲線、及び到達方位角を使用して計算することができる。重み付けは、例示される受信機1(RX1)及び受信機2(RX2)のような、信号を受信する受信サイトの数を含むパラメータの数に依存する。他の重みは、幾何学的形状、すなわち、受信サイト(RX1及びRX2)、代理受信サイト(PRS)及び移動体送信端末64の相対的な位置と同様に、あるサイトで(或いは、全体において)受信される経路の数に依存する。それぞれの経路について推定される信号対雑音比(S/N)、及び前の送信からの位置推定も利用することができる。また、位置推定は、到来角及び到達時間の推定からの重みに依存することもできる。
【0069】
処理が反復的である場合がある。たとえば、2つの受信サイトで受信された信号を移動体端末64が送信する場合、システムは、受信サイトの到達時間及び到来角を使用して、3つの位置の推定値を計算する。たとえば、次の3つの計算を使用することができる。1)受信サイト1の到来角及び受信サイト2の到来角、2)受信サイト1からの到来角及び受信サイト2の到達時間差−受信サイト1の到達時間差、及び3)受信サイト2の到来角及び受信サイト1の到達時間差−受信サイト2の到達時間差である。
【0070】
推定値間での変動が小さい場合、重み付けの結合を使用することができる。変化が大きい場合、代理受信サイトは、1つ又は両方の受信サイトに代わって置き換えられ、システムは、計算を再び繰り返すことができる。複数の代理受信機は、この反復プロセスにおいて、1つの到来角のために使用される。RealSiteのような特徴抽出ソフトウェアから得られた画像データは、回答を評価するために使用される。
【0071】
例示のために、RealSiteのような本発明と使用することができる特徴抽出プログラムの例が以下に説明される。当然、多くの異なるタイプの特徴抽出ソフトウェアは、当業者にとって入手可能であり、受動的な反射器又は屈折器として作用したり、代理受信機であることもできる様々な特徴を確定するために、本発明で使用することもできる。本実施の形態は、テクスチャソフトウェアに関連して説明されてきたが、反射された光学作用として、テクスチャ値に代えて無線周波の反射値も使用することができる。また、データベースは、2次元又は3次元の特徴画像形成と使用することができる。ビルの表面及びビルのエッジを発見するために、代理受信機の位置を確定する助けとなる光反射率を使用することもできる。
【0072】
3次元の都会のモデルを作成するために使用されるテクスチャマッピングシステムの更なる詳細の説明は、米国特許出願第09/652,118号に開示されており、本特許出願に譲渡されている。この内容の開示は、その全体において引用により本明細書に組み込まれる。説明のために、RealSiteを使用した特徴抽出の高度な検討をはじめに行う。このタイプの特徴抽出ソフトウェアは、自然及び人工の代理受信機を発見して結果を評価するために使用することができ、2次元モード及び3次元モードで使用することができる。
【0073】
RealSiteにより、テクスチャマッピングシステムにおいて3次元モデルの作成が可能となり、クリップ・マッピング技術を都会のシーンに適用することにより、地形のテクスチャリングのための技術をビルのテクスチャに拡張することができる。また、RealSiteは、光屈折率を確定するために使用することができ、代理受信機を確定するため、及びかかる代理受信機の緯度及び経度を確定するために無線周波の反射率を使用することもできる。
【0074】
全てのサイトを彩色することが必要とされる多くの画像から1つのビルの画像を構築することもできる。ビルのサイト画像は、回転及び知的な編集を含めて、最小次元からなる複合画像にフィットさせることができる。関連するビルの頂点のテクスチャ座標をスケーリングして、新たな複合画像を整合するために変換することもできる。ビルの画像は、大きな「クリップマップ」画像で調整することができ、ビルの水平の関係が保持される。水平の関係が正確に保持されない場合、「クリップグリッド」ミドルレイヤーを構築することができ、これは、クリップマップの中央を正確に確定するためのディスプレイソフトウェアにより使用することができる。
【0075】
その最高レベルで、システムは、グラフィックサイトについてモデル化されるビルに対応する複数の3次元オブジェクトのそれぞれ向けにパックされたテクスチャの長方形(packed rectangle of texture)を作成する。システムは、サイトモデルのクリップマップ画像内で正しい位置にパックされたテクスチャの長方形を空間的に配置する。テクスチャマッピングシステムは、OpenGLアプリケーションプログラミングのインタフェースを有する、ホスト又はクライアントコンピュータで実行されるコンピュータグラフィックプログラムと使用することができる。サイトモデルのクリップマップ画像の特定のx、y位置に関するクリップ中央の位置は、ルックアップテーブル内の値を調べることで確定することができる。ルックアップテーブルは、対応するテクスチャ座標について全てのビルのポリゴンフェースの頂点を問い合わせることで構築することができる。それぞれのテクスチャ座標は、対応するポリゴンフェースの頂点の座標に基づいて、ルックアップテーブルに挿入される。
【0076】
これらのタイプのシステムでは、グラフィックハードウェアのアーキテクチャは、グラフィックスAPI(Application Programming Interface)により隠される。異なるプログラミングインタフェースを使用することができるが、好適なアプリケーションプログラミングインタフェースは、OpenGLのような工業標準のAPIであり、一般的なインタフェースを各種ハードウェアのプラットフォームのグラフィック機能に提供する。また、好適なアプリケーションプログラミングのインタフェースは、統一的なインタフェースをシステムアーキテクチャによりサポートされるテクスチャマッピング機能に提供する。
【0077】
OpenGLにより、テクスチャマップは、2のべき乗の次元、すなわち2m×2nを有する長方形の画素アレイとして表現することができる。レンダリング速度を増加するために、グラフィックアクセラレータには、事前計算済み縮小解像度版のテクスチャマップを使用して、サンプリングされた画素間での補間の速度を向上している。縮小解像度画像のピラミッドレイヤーは、当業者にはMIPmapsと呼ばれる。MIPmapsは、それぞれのテクスチャが占有する記憶量を33%だけ増加させる。
【0078】
OpenGLは、テクスチャ向けにMIPmapsを自動的に計算するか、或いは、MIPmapsは、アプリケーションにより供給することができる。テクスチャードポリゴンがレンダリングされ、OpenGLは、テクスチャ及びそのMIPmapピラミッドをテクスチャキャッシュにロードする。これは、ポリゴンが大きなテクスチャを有する場合に非常に非能率的であるが、スクリーン上の数画素を占有するのみとなるように、現在の画面において遠くになる。これは、多くのかかるポリゴンが存在するときに特に適用することができる。
【0079】
OpenGLプログラミングのさらに詳細な説明は、Neider, Davis及びWooによる“OpenGL Programming Guide”、Addison−Wesley, Reading, Massachusetts, 1993、第9章に見ることができ、ガイドの開示は、その全体において引用により明細書に組み込まれる。
【0080】
また、クリップによるテクスチャリングを使用することもでき、制限されたテクスチャキャッシュに関する要求を減少することによりレンダリング性能を向上する。クリップテクスチャリングは、それぞれのレベルのMIPmapsテクスチャのサイズを固定された領域のクリップ領域にクリッピングすることにより、正常なMIPmapsを制限するサイズの制限を回避することができる。
【0081】
プログラミング、及びクリップによるテクスチャリングを使用するための更なる詳細は、Silicon Graphics, “IRIS Performer Programmer’s Guide”, Silicon Graphics, Chapter10, “Clip Textures, the Programmer’s Guide”に見ることができ、その全体において引用により明細書に組み込まれる。
【0082】
IRIS Performerは、3次元グラフィック、及びOpenGLの上位にあるビジュアルシミュレーションによるアプリケーションプログラミングのためのインタフェースである。IRIS Performerは、最適化を達成するために、基礎を成すOpenGLテクスチャマッピングのメカニズムを明示的に操作するクリップテクスチャリングのサポートを提供する。また、IRIS Performerは、幾つかのプラットフォームでの専用ハードウェアの拡張を利用する。典型的に、この拡張は、プラットフォーム専用(携帯でない)の特徴としてOpenGLを通してアクセス可能である。
【0083】
特に、IRIS Performerにより、アプリケーションは、クリップ領域のサイズを特定して、該クリップ領域を中央に移動することができる。IRIS Performerは、アプリケーションがクリップ中央を調整したとき、システムRAMへの低速の二次的な記憶からテクスチャキャッシュへ、テクスチャデータのマルチレベル・ページングを効率的に管理する。
【0084】
地形の表面(DEM)のためのクリップテクスチャを準備し、該クリップテクスチャを適用することは、当業者に公知であるように、テクスチャマッピングの適用において直接的なソフトウェアルーチンとすることができる。画像又はイメージモザイクは、オルソデータにされ、地形の隆起表面に投影される。この1つの、可能性として非常に大きいテクスチャは、連続的であり、簡単な垂直投影で隆起表面に単調にマッピングする。
【0085】
しかし、都会のモデルをクリップによりテクスチャリングすることは、より直接的なソフトウェアの適用ではない。オルソ画像は、垂直のビルの表面に常に適切にマッピングしない。全てのビルの表面をマッピングする投影方向はない。ビルのテクスチャは、単調かつ連続なモザイクに容易に結合することができない1セットの不連続画像からなる。この問題は、多数の3次元オブジェクトを有し、ビル及び類似の垂直構造を典型的に表現する都会のモデルでは特に明らかとなる。連続的な画像を単調かつ連続的なモザイクに結合することは必要ではないことがわかる。空間的な位置が維持されるように個々の表面のテクスチャを調整することにより、十分な結果が達成されることがわかる。
【0086】
図9は、移動体送信端末の地理的な定位に関連する、本発明と共に使用することができるテクスチャアプリケーションソフトウェアモデルの基本的な態様を説明する高度なフローチャートを例示している。システムは、それぞれのビルのパックされたテクスチャの長方形を作成する(ブロック100)。プログラムは、実際の配置が問題とならないこの領域において、位置が十分に高いことを仮定している。パックされたテクスチャは、空間的に配置される(ブロック102)。この時点では、空間的な配置が問題であり、再配置とクリップ領域のサイズとの間で幾つかのトレードオフがある。しかし、クリップグリッドルックアップテーブル(clip grid look−up table)は、幾つかの位置の制限を克服するために使用され(ブロック104)、以下に詳細に説明される。
【0087】
図10を参照して、より詳細なフローチャートにより処理シーケンスを説明する。コンポジットビルディングテクスチャマップ(CBTM)が作成される(ブロック110)。サイトモデルのクリップ・マッピング処理で後に使用されるタイル積み手法のために、1つのビルをテクスチャリング処理するために使用される全ての画像は、異なる視点から収集され、1つの長方形のコンポジットビルディングテクスチャマップにパックされる。CBTMに含まれる画素領域を減少するために、個々の画像(及びテクスチャマップ座標)が回転され(ブロック112)、テクスチャ・ポリゴンを実際にサポートするテクスチャマップ内の長方形領域を最小にする。回転の後、長方形の有効域外の余分の画素は除かれる(ブロック114)。
【0088】
個々の画像が一旦前処理されると、それぞれ寄与している画像の画像サイズがメモリにロードされる(ブロック116)。これらの寸法は、領域及び画像の寸法によりソートされる(ブロック118)。全てのビルの個々のテクスチャを含む、最小の外周を有する最小領域の新たな画像のサイズが計算される。(ブロック120)。個々のビルディングのテクスチャは、長方形において不使用の領域が最小となるように、左から右へ及び右から左へと交互にタイル積みすることにより、新たな画像に効果的にパックされる(ブロック122)。
【0089】
図11は、コンポジットビルディングのテクスチャマップにおけるビルの個々の画像を示すレイアウトの例を示している。これは、それぞれのビルを描写する最小の画像の寸法を計算するために示されるような、徹底的なサーチにより達成される。
【0090】
サイトモデルのクリップマップ画像が次に作成される。それぞれのコンポジットビルディングテクスチャマップ(CBTM)はできる限り小さいので、大きなクリップマップにおいてそれぞれ1つの空間的な補正を設けることは実現できる。はじめに、それぞれのコンポジットビルディングテクスチャマップは、大きなサイトモデルのクリップマップにおけるその正しい空間的な位置に配置される(ブロック124)。スケールパラメータは、相対的に空間的な関係を保持しつつ、互いに更に離れてビルを最初に配置するために使用される(ブロック126)。次いで、それぞれのコンポジットビルディングテクスチャマップは、サイトモデルのクリップマップにおける他のコンポジットビルテクスチャマップに対するオーバラップのためにチェックされる(ブロック128)。サイトモデルのクリップマップは、オーバラップが残らないように、右上から左下へ拡大される(ブロック130)。高層ビルのモデルについて、より大きなポジティブなスケールのパラメータを使用して、増加されたオーバラップの可能性を許容することができる。全てのテクスチャマップ座標は、スケーリングされ、サイトモデルのクリップマップの画像におけるその新たな位置に変換される。
【0091】
ここで図12を参照して、フローチャートは、ビルディングのクリップテクスチャを正しく処理及び表示するために使用することができる基本的な動作を説明している。クリップマップクリップグリッドルックアップテーブル(clip map clip grid look−up table)を使用して、これらの制限を克服し、クリップの中央が特定のx、y位置に関して最適にはどこに位置されるべきかについて正確な位置を特定する。テーブルを構築するために、全てのビルディングのポリゴンの表面の頂点は、その対応するテクスチャ座標について問い合わせされる(ブロック150)。それぞれのテクスチャ座標は、その対応するポリゴンの表面の頂点の座標に基づいて、ルックアップテーブルに挿入される(ブロック152)。
【0092】
クリップ中央又はクリップマップにおける点は、クリップマップ内の最も高い解像度の画像の位置を確定するために使用される(ブロック154)。地形の表面のクリップマップの中央を確定することは、システムの複雑さなしに実際に達成可能である。これは、1つのクリップテクスチャは、地形の隆起の表面に隣接してマッピングするためであり、したがって、カメラの座標は適切である。サイトモデルのクリップマップは、それ自身のクリップの中央を有しており、その相対的なサイズ及び地形の表面での位置に従い処理される(ブロック156)。しかし、サイトモデルのクリップマップは、高いビル又は密集したビルから生じる幾つかの位置的な制限をもたらす。これは、サイトモデルのクリップマップの完全な空間的コヒーレントを補償するために、追加のルックアップテーブルの使用を必要とする。クリップグリッドの目的は、空間的にインコヒーレントなクリップマップにおけるクリップ中央の位置に3次元空間座標をマッピングすることである。
【0093】
クリップグリッドルックアップテーブルのインデックスは、x、yシーン位置(カメラ位置)を使用して計算される(ブロック158)。地形のクリップマップ及びサイトモデルのクリップマップが異なるサイズである場合、スケーリングファクタが導入され、サイトモデルのクリップマップのためにx、yシーン位置が正規化される(ブロック160)。ビルディングのクリップマップの空間的な正確さの開発における十分な設計及び効果により、クリップグリッドルックアップテーブルのために必要とされることは、このケースの95%まで除くことができる。
【0094】
また、アルゴリズムを拡張して、複数のサイトモデルのクリップマップを使用することもできる。1つの大きなクリップマップよりも多くの小さなクリップマップを使用することは、様々な解像度のクリップマップが望まれる場合、或いは処理空間からクリップマップをページイン、ページアウトすることが達成可能である場合に、有効なアプローチであることがわかる。しかし、多数のクリップの中央のメンテナンス及び多数のクリップマップのピラミッドのオーバヘッドを必要とする。
【0095】
RealSiteデータベースのようなイメージデータベース、及び関連するソフトウェア、すなわちルックアップテーブルを使用することは、利用可能であれば、図13及び図14に示されるように、代理受信機もまた反射器として所定の高度を有するかを確定することができる。図13は、ビルレイアウトの計画図を示しており、第一のビルB10が第二のビルB11の前に位置している。第一のビルB10は、ビルB11よりも低い高度を有する。送信機、すなわち移動体送信端末64は、より低い第一のビルB10の後方に位置されており、より高い第二のビルB11からの信号を受信機RX1及びRX2を有する2つの受信サイトに反射する。ライン92は、それぞれのビルB10及びB11の高度に関する十分な情報がないことにより、不適切な代理受信機の指定を示す点の軌跡を表しており、これにより、不適切な指定が行われている。
【0096】
点94は、当該データに基づいた可能性のある位置を表している。ライン95は、適切な代理受信機の指定による双曲線を表しており、点96は、より高い精度を示した可能性のある位置を表している。イメージデータベースを使用して、関連する信号と適切な反射器(或いは屈折器)の間での到達時間差を確定するための適切な双曲線及び角度を確定することができ、移動体送信端末の位置を近似的に確定することができる。
【0097】
上述したように、到達時間差(TDOA)システム、及び到来角システムでないシステムは、ウォータタワー、巨大なビル、丘、或いは必要な信号の反射率を有し、代理受信機として作用する他の物体のような、選択された代理受信機に位置される指向性の高いアンテナを使用することができる。また、到達の仰角測定を利用して、代理受信機の反射器/屈折器の高さを確定することもできる。結果として、視覚による移動体の高度で生じる傾斜範囲の誤差のラインが減少される。代理受信機の反射器/屈折器の高さデータにより、代理受信機からの傾斜範囲の計算が可能となり、ある人が移動体送信端末、たとえば、送信タグ、移動体追尾装置のようなパーソナル装置、或いは他の送信装置を保持している場合、移動体の高度の推定を可能にする。
【0098】
受信サイトのうちの1つがダイレクトパスを有する場合、ある代理受信機が他のサイトのために使用される場合、代理受信機が移動送信端末への正しい方位に偶然あるのでなければ、到達時間差の誤差は減少される。代理受信機が移動体送信端末への正しい方位にある場合、到達時間差の誤差は変化しないが、図13に示されるように、代理受信機と他の受信サイトの間のラインに関して対称であるように双曲線は回転する。
【0099】
2つのサイトが同じ代理受信機からの信号の到達時間を測定する場合、及び代理受信機での計算された到達時間が、2つの受信サイト間でのクロックオフセットだけ異なる場合、先に説明したように、クロック誤差を除去することができる。これは、送信機が未知の位置にあるときでさえも生じる。このタイプのシステムは、クロックオフセットが全ての測定された到達時間の数サンプル内で計算される場合に、クロックオフセットを確定するために使用される既知の位置での送信機よりも都合がよく、追加的なキャパシティの使用を表すものではない。
【0100】
また、ビーム成型は、特定の代理受信機を明らかにするために使用される。当業者に公知の多くの異なるタイプのアンテナは、ビーム成型のために使用することができる。経路を無効にすることは、他の経路の到達経路への衝撃を除くために使用することができる。4つの要素からなるシステムについて、システムは、3つの他の経路にゼロを配置する。システムのユーザが最大の経路を無効にすること、或いは関心のある経路と時間的に最も接近して配列された経路を無効にすることも可能である。
【0101】
到達時間は、2つのサイトからの相互相関信号を含めて、当業者に公知の手段により計測することができる。当然、受動的な反射器としての代理受信機を大地とすることができ、到達の仰角を要求することもできる。受動的なリピータに対して、能動的なリピータを使用することができるが、リピータの遅延を考慮するための計算が必要となる。
【0102】
代理受信機が反射器である条件はない。別の無線受信サイト、すなわち移動体送信端末としての送信機は、代理受信機として作用する。さらに、本発明のシステム及び方法を利用して、代理受信機としての移動体反射器の位置を確定することができる。たとえば、この技術を航空機によるパッシブレーダーとして利用して、別の航空機の位置を確定することができる。
【0103】
第一の航空機は、必ずしも固定された位置である必要はないが、既知の位置での送信機からの信号の到達時間を計測する。また、航空機は、航空機である可能性があるターゲットにより反射された同じ信号について、到達時間及び到来角を計測する。ビーム操作及び経路の無効化を使用して、反射された信号を検出し、到達の方向を測定するための能力を改善することができる。第一の航空機及び送信機の既知の位置、反射信号の到達方向を使用して、航空機の位置を計算することができる。
【0104】
送信機は、第一の航空機、或いはFMラジオ局又は衛星のトランスポンダのような自発的でない第三者と共同して作用する機器とすることができる。共に第二の航空機から発生している、グランドから反射された信号の到達時間及び到達方向、及びダイレクトパス信号の到達時間及び到達方向を測定することにより、第一の航空機は、第二の航空機の位置を確定する。
【0105】
本発明のシステム及び方法の効果は明白である。これは、1つ以上の経路が受信され、地理的に指向された代理受信機に関して適切なサイトのライン及びデータベース情報が既知である場合、1つのサイトから位置を推定することができるためである。受信サイト及び関連する代理受信機を含めて到達時間差の計算のための時間ベースの誤差が除かれ、精度が向上される。到達時間は、同じクロックに関して測定することができる。マルチパスで生じる到達時間の誤差のかなりの部分は、ノンライン・オブ・サイト(non−line−of−site)の状態で減少される。多くの解決法のセットは、追加の情報を提供することができ、重み付け及び平均化を可能にする。データベースからの画像を利用して、補正を加えることができる。
【0106】
また、移動体の高度の推定、及びグリッドに限定されない移動体の位置を取得することが可能である。システムは、移動体の高度が変化するため、変動するマルチパスに対してロバストである。広範囲な補正が要求されない。反射器のデータベースは、広範囲である必要はなく、RealSiteデータベースのような写真から生成することもできる。到来角又は到達時間システムと任意のシステム、すなわちセルシステムとを利用することができる。
【0107】
この特許出願は、“SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING THE LOCATION OF A TRANSMITTER USING PASSIVE REFLECTORS OR REFRACTORS AS PROXY RECEIVERS”及び“SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING THE LOCATION OF A TRANSMITTER USING PASSIVE REFLECTORS OR REFRACTORS AS PROXY RECEIVERS AND USING DATABASE QUERYNG”と題された同時係属中の特許出願に関連している。これらは、同日に、同じ出願人及び発明者により提出されており、それらの開示は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0108】
本発明に関する多くの変更及び他の実施の形態は、上述した記載及び添付図面に与えられた教示の利益を有する当業者であれば思いつくであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施の形態に限定されるものではなく、変更及び実施の形態は、特許請求の範囲の中に含まれることが意図されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】従来の到来角システム及び到着時間の位置測定システムを例示する図である。
【図2】従来の到来角システム及び到着時間の位置測定システムを例示する図である。
【図3】代理受信機を有するウォータラワーのような代理受信サイトが、唯一の受信サイトを使用する移動体端末の位置を測定するためにどのように確立することができるかを例示する図である。
【図4】図3に類似し、丘のような自然の物体としての代理受信機を示す図である。
【図5】代理の受信機が、第一及び第二の受信サイトのクロックを構成するためにどのように使用することができるかを例示する図である。
【図6】代理受信機がサイト反射器の直線であると考えられる場合に確立される双曲線及び点の軌跡を生じる誤差を示している、様々なビルにより生じるマルチパスの状態を例示する図である。
【図7】到来角解析のみが代理受信機で使用されるときに生じる点の軌跡及び誤差を示す図である。
【図8】図7に類似し、移動式端末の位置を確定することができる、本発明のシステム及び方法に基づいて展開される点の軌跡を例示する図である。
【図9】本発明で使用することができるイメージデータベースのルーチンを例示するフローチャートである。
【図10】本発明で使用することができるイメージデータベースのルーチンを例示するフローチャートである。
【図11】本発明で使用することができるビル及びテクスチャモデルの個々の画像のレイアウトを示す図である。
【図12】図9及び図10で示されるイメージデータベースのルーチンで使用することができる処理タイプを示すフローチャートである。
【図13】高さ確定及びより正確な位置分析のために、イメージデータベースのルーチンが代理受信機及びビルの3次元概観を測定する上面図及び等角図をそれぞれ例示する図である。
【図14】高さ確定及びより正確な位置分析のために、イメージデータベースのルーチンが代理受信機及びビルの3次元概観を測定する上面図及び等角図をそれぞれ例示する図である。
[技術分野]
本発明は、無線位置情報システム(WLS: wireless location system)を補正して、到達時間差(TDOA: time difference of arrival)及び到達周波数差(FDOA: frequency difference of arrival)のような差分計測を非常に高精度に行うことができる方法及びシステムに関する。
【0002】
[背景技術]
無線位置情報システムが益々重要になってきている。出願人に譲渡されたOttoによる米国特許第5,719,584号で開示されており、この開示内容は、引用によりその全体が組み込まれる。多くの無線位置情報システムは、到達時間差(TDOA)の計算を利用して、信号の送信機の可能性のある1セットの位置を測定している。位置は、2次元での双曲線及び3次元での双曲面として、2つの受信機の既知の位置及びそれら2つの受信機での信号の計測された到達時間差(TDOA)から数学的に決定される。これらのシステムは、様々な手法を使用して、受信機での信号の到達時間(TOA)を計測している。しかしながら、全てのシステムは、クロック同期がとられているか、或いは計測されるクロックと加えられる補正との間でオフセットになっているかという共通の要件を共有している。補正は、クロックに直接加えられるか、或いは時間差の計算に数学的に加えられる場合がある。
【0003】
多くの無線位置情報システムでは、受信機でクロック同期を行う試みがなされている。一般的な手法は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)での送信で同期がとられるそれぞれの受信機でクロックソースを使用することである。これらのシステムは、良好な短期間の安定性を有する発振器を使用してクロックを駆動し、長期間の良好な安定性を有する受信GPSタイミング信号とクロックとの間でフィルタリングされた差分に基づく補正を加える。これらのシステムは、GPS受信機と、複数のGPS衛星の明瞭な視界を有するGPSアンテナを必要とする。
【0004】
これらのシステムにおける近年の大幅な発展にも係わらず、かかる2つのクロック間での時間に関する自乗平均平方根(RMS)の差は、数十から数百ナノ秒と高く、特に、幾何学的測定精度(GDOP)が重要視されるときには、位置推定においてかなりの誤差が生じることになる。このようなやり方でのクロックの同期は、クロックオフセットのためにTOA計測の誤差を減少する場合があるが、システムは、受信機の処理(信号処理回路及びタイミング分散回路)での遅延が安定して、適切に考慮されていることを保証するために、慎重に設計及び補正されなければならない。
【0005】
従来のシステムでは、クロックオフセットの補正、及びTOA(及び、それ故TDOA)計測誤差或いは到達周波数(FOA)のような他の測定パラメータにおける誤差を導入する受信機での他の変数を補正するために、外部補正技術を使用しているものもある。これらのシステムでは、既知の位置での受信機は、既知の位置の固定的な基準送信機により送信される信号の所定のパラメータを計測する。次いで、計測されたパラメータは、1つ又は両方の受信機を調整するために使用されるか、或いは到達時間差(TDOA)及び/又は到達周波数差(FDOA)の計算に利用されるオフセット又は調整値をプロセッサが計算する共通の地点に伝達される。
【0006】
1つの従来技術である無線位置情報システムは、Stipによる米国特許第6,184,829号で開示されており、無線位置情報システムのサービス領域全体を通して既知の位置で置かれるセルラー電話のような複数の無線送信機による補正処理により、機器の誤差を減少する。これらの電話は、他の電話と類似のやり方で、定期的な登録又はページレスポンスのような送信を行う。受信機のペアの位置及び理論的なTDOA値は予め既知であるので、システムは、特定の受信機のペアとの接続においてなされるTDOA計測での誤差を測定することができる。
【0007】
さらに、電話は固定された位置にあり、ドップラーシフトがないため、理論的なFDOA値はゼロである。任意の計測された誤差は、それぞれの受信機での発振器におけるドリフトにより生じ、アナログ回路要素(たとえば、アンテナ、ケーブル及びフィルタ)の特性及び環境的な要素において変化する。計算されたTDOA値及びFDOA値に対して、システムのデジタル信号処理ステージにおいて補正が加えられる。
【0008】
これらの従来技術の外部補正システムは、幾つかの制約を有している。定期的な送信は、既知の位置にある基準送信機により行わなければならない。通常のユーザトラフィックを伝送する場合があるシステムキャパシティを使用する必要がある。補正とこれに続くTDOA及び/又はFDOA計測との間に長い時間が経過する場合、発振器のオフセットにより補正の品質が低下するか、又は受信機での変動により補正の品質が低下する場合がある。この受信機での変動は、構成部品のパラメータの変化が温度によって生じるためである。基準送信間での間隔を減少することで補正の精度が向上するが、追加のシステムキャパシティのために更に費用がかかる。別の問題点は、補正の間、すなわち基準送信のTOA/TDOAを計測しているときに受信機によりなされる到達時間の計測においてマルチパスにより生じる誤差であり、この誤差により、基準送信機からそれぞれの受信機への直線伝播が仮定されているため、TDOAの補正が損なわれる。
【0009】
[発明の概要]
本発明の目的は、TDOA、FDOA、及び/又はシステム内の多くの発生源から生じる他の差分計測の誤差を減少又は除去することができる無線位置情報システムの外部補正のための方法を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、未知のベクトル速度を有し、未知の位置にある固定式又は移動式の基準送信機と使用可能な無線位置情報システムを補正するためのシステム及び方法を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の別の目的は、基準送信機としての未知のベクトル速度による固定式送信機又は移動式送信機で、未知の位置から通常のユーザトラフィック送信を利用する無線位置情報システムを補正するためのシステム及び方法を提供することにある。これにより、補正のために使用されるシステムキャパシティを最小にすることができ、補正の瞬間と計測の瞬間との間のシステムドリフトによる補正の品質の低下を減少又は除去することができる。
【0012】
さらに、本発明の別の目的は、基準送信機から受信機までの直線伝播経路を要さない無線位置情報システムを補正するためのシステム及び方法を提供することにあり、TDOA又は他の差分計測を正確に補正することができる。
【0013】
さらに、本発明の別の目的は、固定式受信機、移動式受信機、或いは固定式受信機と移動式受信機の両者を使用したシステムで有効な無線位置情報システムを補正するためのシステム及び方法を提供することにある。
【0014】
本発明によれば、システム及び方法は、信号のTDOA,FDOA及び/又は他の差分計測で使用される受信機のペアのオフセットを測定する。未知の位置での送信機は、未知のベクトル速度を有する固定式電話又は移動式電話のいずれとすることもできる。実質的に既知又は測定可能な位置にある(さらに、FOA計測を行う受信機の移動において、既知のベクトル速度を有する)複数の固定式受信機又は移動式受信機は、送信機及び/又は受信機の周辺にある自然又は人口の物体による信号の反射及び屈折のために、マルチパスを介して送信機からの信号を受信する。受信機に到達する信号は、送信機から該受信機までの直線経路の信号を含んでいる場合、また含んでいない場合がある。
【0015】
それぞれの受信機は、TOA及び/又はFOA、或いは幾つか又は全ての実施の形態において直線経路でないと考えられる経路信号のうちの少なくとも1つの他のパラメータを計測する。補正のために必要ではないが、存在する場合、補正と同時に行われる場合がある送信機の位置及び速度測定を実行する過程で使用するために、受信機が直線経路信号に関するTOA及び/又はFOAをも測定することが好ましい。
【0016】
プロセッサは、複数の受信機と作用的に接続されており、複数の受信機のそれぞれに信号を反射又は屈折したと考えられる固定的に自然又は人口の物体を選択し、当該物体を代理の基準送信機として指定する。或いは、幾つもの実施例では、信号の「代理受信機」と呼んでいる。これは、当該物体が、信号を「受け」、「受けた」信号を反射又は屈折することで、信号の「代理の基準送信機」としての役割を果たすためである。その後、該物体により複数の受信機に反射又は屈折された信号は、代理基準送信と呼ばれる。
【0017】
代理の基準送信機の位置は、プロセッサと作用可能なデータベースに蓄積され、又は限定されるものではないが航空写真の画像のようなデータベースに蓄積された情報から測定可能である。FDOAのケースでは、代理基準送信機は、固定的な物体であり、代理基準送信機と相対的な送信機の動きにより与えられるドップラーシフトは、両方の受信機で反射又は屈折された信号に共通であり、理論的なFDOA値はゼロである。測定された誤差は、それぞれの受信機での発振器におけるドリフトのためであり、アナログの構成要素(たとえば、アンテナ、ケーブル及びフィルタ)及び環境的な要素の特性において変化する。
【0018】
また、プロセッサは、代理基準送信を受けるそれぞれの受信機のペアについて、理論的なTDOA値を計算する。プロセッサは、それぞれの受信機での代理基準送信のTOA、予め既知であってデータベースに記憶されているか、或いはデータベースに記憶される情報から確定可能である受信機の位置、及び予め既知であってデータベースに記憶されているか、或いはデータベースに記憶されている情報から確定可能である代理基準送信機の位置等から期待されるTDOAを測定する。次いで、プロセッサは、オフセットを補正するために無線位置情報システムの機器に補正を加えるか、又はTDOA、FDOA、或いはシステムのデジタル信号処理ステージで通常のシステム動作の間に得られる他のパラメータ値に対して補正を加える。
【0019】
本発明の他の目的、特徴及び効果は、添付図面に照らして考慮される発明の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0020】
[実施例]
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。本発明の好適な実施の形態が示される。しかし、本発明は、多くの異なる構成で実施される場合があり、ここで述べる実施の形態に限定して解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施の形態は、この開示が詳細かつ完璧であり、当業者に対して本発明の範囲を十分に伝達するために提供される。同じ参照符号は、全体を通して同じ構成要素を意味する。
【0021】
本発明は、受信サイトで1つの受信機での使用が可能であり、自動車向け又はタグを身に付けた個人向けの送信タグ、移動体トランシーバ或いは他の移動体端末のような移動体送信端末の位置を測定することができる。本システムは、到達時間及び/又は到達時間差の計算のための代理用の受信機(すなわち、受動的な反射器)を使用する。
【0022】
説明を通して、用語「代理受信機(プロキシ・レシーバ)」は、代理受信サイト(RPS:proxy receive site)と呼ばれる場所に位置され、ビル、山又は丘、ウォータタワー、或いは移動体送信端末又は他の無線送信機から固定式端末又は移動式端末とすることができる受信機に信号を反射及び/又は屈折(又は回折)する、任意の他の自然又は人口の物体のような、任意のタイプの受動的な反射器を説明するためにも使用される。幾つかの例では、代理受信機は、補正等のために信号を反射又は屈折するものであり、代理基準送信機と呼ばれる。用語「移動体端末」は、説明のために、固定式又は移動式の任意の送信機を意味する。
【0023】
本来、信号は、無線周波信号、電磁信号、或いは当業者に知られたタイプの他の信号とすることができる。たとえば、ウォータタワーには、無線周波信号の優れた反射器となるものがあり、ウォータタワー自身は、代理受信機となることができる。大きな丘は、代理受信機となることができ、ビルは、無線周波信号を反射するだけではなく、ビルの隅の端で無線周波信号を回折/屈折することもできる。
【0024】
また、本発明は、ルックアップテーブル、又は移動体の位置の計算を支援するために使用されるフロリダ州メルボルンのHarris社により開発された「リアルサイト“RealSite”」のような幾何学的ソフトウェアであるイメージングデータベースを使用することができる点で都合がよい。本発明は、移動体端末の位置が未知のときであっても、2つの異なる受信サイトで2つの異なる受信機のクロックを補正するための移動体送信端末を使用することができる点でも都合がよい。説明されるように、マルチパスが存在するときであっても、2つの受信機を同時に使用して、移動体送信端末の地理的な位置を測定することができる。
【0025】
本発明は、無線技術を利用したフィンガープリントに対しても都合がよい。このフィンガープリントは、制約及び欠点を有している。移動体は、グリッドポイントのうちの1つにあり、グリッドポイント間の中間地点にはないものと常に推定される。移動体の高さは、勿論、ビルにおいて変化するように変動するものであって、位置推定における誤差となる。精度は、長距離の送信及び移動体の動きに依存する。狭帯域信号の使用により、パスを識別するための能力を制限することとなり、広範囲にわたる補正は、露出された端末と比較して、フィンガープリントのグリッドデータベースを生成するために必要とされる。埋込み式移動体端末もまた、露出された端末と比較して異なるフィンガープリントを有する。
【0026】
図1及び図2は、フロリダ州メルボルンのHarris社に譲渡されたOttoによる引例‘584特許により本明細書に組み込まれて開示されるような、到来角(AOA: Angle of Arrival)システム及び到達時間(TOA: Time of Arrival)システムを使用した基本的な地理的位置情報システム及び方法を例示している。
【0027】
図1を参照して、この地理位置情報システムは、複数の固定された受信サイト30を利用しており、それぞれの受信機は、一般的な通信リンク34を通して中央処理ユニット32にそれぞれが接続されている。ターゲットユニット(すなわち、移動体送信端末のような地理的に位置される端末)36は、RF信号、電磁信号或いは各種タイプの信号のような無線周波信号を複数の受信ステーションに送信する。
【0028】
動作において、受信サイト(すなわち、「受信ステーション」)30は、ターゲットユニット36からの信号をそれぞれ受信し、該信号の受信に関する情報を中央処理装置32に送出する。システムの構造に依存して、中央処理ユニット32は、受信サイト30での信号の到来角を使用するか、受信サイト30での信号の到達時間を使用するか、或いはターゲットユニット36の地理位置を測定するための他の従来の方法を使用する。適切なシステムの設計により、中央処理装置32は、複数の受信ステーション30の受信レンジ内に位置される幾つかのターゲットユニット30の地理的な位置を同時に測定することができる。
【0029】
図2を参照して、このシステムは、2つの受信ステーションRS30、RS40のみを必要とし、ターゲットユニット36の地理位置を測定する。それぞれの受信ステーション30は、ターゲットユニット36からの信号を受信し、信号の到来角及び到達時間の両方を測定し、一般的な通信リンク34を通して中央処理装置32に順次供給する。中央処理装置32では、2つのステーションの間の到達時間差の情報を使用して、ターゲットユニット36が存在する場合がある曲線50(すなわち、ある信号が、所与の2つの受信ステーション30の間で測定された到達時間差を有する点の軌跡)に沿った点の軌跡が計算される。ターゲットユニット36が位置すると確定される曲線50に沿った正確な点は、受信ステーションRS30、RS40のいずれか一方からの(到来角からの)方位線AOA1,AOA2と曲線50の交点から得られる。
【0030】
理想的に、曲線50及び方位線AOA1、AOA2は、ターゲットユニット36の位置に一致する一点で全て交差する。しかし、実際には、複数の交点が図示されるように生じ、これにより、移動体端末の位置の不確かさが生じるように、TOA計測における誤差は曲線を移動し、及び/又はAOA計測における誤差は方位線の一方又は両方を移動する。
【0031】
このタイプのシステムは、広域の地理的エリアをカバーする低電力パーソナルコミュニケーションシステムにおけるように、地理的なエリア全体に地理位置(及び/又は通信)のサービス区域を提供するために複数の受信サイトが必要とされるものであり、完全な地理的な位置のサービス区域を提供するために、いつでもターゲットユニットと連絡するためにたった2つの受信ステーションが必要とされる。所与のシステムにおいて、ターゲットユニットからの信号が2つを超える受信ステーションで受信された場合、処理ユニットは、当業者に公知のベクトル結合スキームを使用して、方位線と曲線とを結合することができる。
【0032】
局所的な地形の条件及び他の要素に依存して、中央処理装置32は、幾つかの受信サイトからの信号を他のサイトからの信号よりも大きく重み付けし、受信信号の信号対雑音比のような信号品質の測量に比例して信号を重み付けし、ターゲットユニットの測定された位置により近い受信ステーションから測定された位置をより大きく重み付けし、及び/又は、範囲外の推定のための方位線及び/又は曲線の幾つかを除き、そして、TDOA測定から確定される曲線をより大きく重み付けする。中央処理装置は、重み付け位置推定に基づく慣性モーメントの計算を利用して、ターゲットユニットの地理的な位置を確定することができる。実際に、中央処理装置は、重み付け位置推定に基づく慣性モーメントターゲットユニットの地理的位置を確定する場合がある。
【0033】
これまでに本発明の全体的な説明がなされ、図3から図13に関連する詳細な説明がなされる。本発明は、有利にも、送信機の位置を確定することができる。定位される送信機は信号を送信し、受信機は送信機からの信号を受信して、送信機からの複数のマルチパス信号の到達時間を計測する。1つ以上の自然又は人口の物体は、送信機から受信機への信号の一部を反射及び/又は屈折する。
【0034】
データベースは、受信機及び1つ以上であるが必要であれば全ての自然又は人口の物体の位置、或いは該位置を計算するために使用される情報を含むために使用することができる。プロセッサは、受信機及びデータベースと作用することができ、送信機の位置を推定するか、或いは可能性のある送信機の位置を表す1セットの点を確定する。これは、1つの物体を選択するか、複数の物体を選択するかのいずれかにより達成することができる。該1つの物体の位置は、データベースに記憶されているか、1つの代理受信機としてデータベースに記憶されている情報から確定される場合がある。また、該複数の物体の位置は、データベースに記憶されているか、複数の代理受信機として、データベースに記憶されている情報から確定される場合がある。
【0035】
それぞれの代理受信機の位置は、データベースにおける情報から確定される。受信機の位置は、データベースに記憶されている情報から確定することができ、次いで、それぞれの代理受信機から受信機への直線の信号伝播時間で計算される。それぞれの代理受信機での信号の到達時間は、その代理受信機について該代理受信機から受信機への信号の伝播時間を、該代理受信機から反射又は屈折されたと推定される経路の受信機で推定された到達時間から差し引くことにより計算することができる。
【0036】
1つ以上の点のセットは、信号の到達時間差に対応する可能性のある送信機の位置及び代理受信機の位置を表すそれぞれのかかるセットにより、別の代理受信機又は受信機での信号の到達時間から生成することができる。
【0037】
1つ以上の追加の情報源は、プロセッサと作用的に接続されており、(a)1つの代理受信機又は複数の受信機を選択し、(b)多目的な計算への追加の入力として、又は(c)点又は点のセットに加えられる待ちを確定し、該推定された待ちを結合してリファインされた点のセットをつくることにより、プロセッサによる使用向けに必要であるか、或いは望ましい場合がある。
【0038】
送信機は、移動式の送信端末とすることができ、受信機は、移動式の受信端末とすることができる。また、送信機は、受信機同様に屋内に位置することもできる。少なくとも1つの代理受信機は、屋内に位置することもできる。
【0039】
信号は、電磁信号、無線周波信号、光信号、或いは音声信号のうちの1つとすることができる。信号は、送信機により、或いは送信機で発生することができ、限定されるものではないが、送信機の識別番号、送信機で記憶されているデータ、或いは送信機のセンサ又はスイッチの状態のようなパラメータの組み合わせ等に従い変調することができる。
また、送信機は、内部タイマ、動き検出器、或いは他のセンサ又はアルゴリズムの組み合わせに応答して、信号を送信することができる。また、信号は、限定されるものではないが、ボタン又はスイッチの開閉、或いはコマンド信号の受信又はトリガのような外部コマンド又はイベントに応答して送信することができる。信号は、送信機で受信された信号の再送信、及び限定されるものではないが、振幅変調、位相変調、周波数変調、時間シフト、スペクトル反転、偏波、或いは、当業者により利用されている他の変換又は変調のような手法の組み合わせで修正された信号の再送信をすることができる。また、限定されるものではないが、送信機の識別番号、送信機に記憶されているデータ、送信機でのセンサ又はスイッチの状態のようなパラメータに従い修正することもできる。
【0040】
送信信号は、限定されるものではないが、セルラー電話、専用の移動体無線、移動体データ又はパーソナル通信のような一般的な通信システムの信号とすることができる。また、この送信信号は、限定されるものではないが、狭帯域、広帯域、帯域幅を有する部分からなる帯域幅、或いは不連続な周波数帯域における部分からなる帯域幅のような帯域幅を有することもできる。また、信号は、任意の変調フォーマットでスペクトル拡散信号とすることができ、又は限定されるものではないが、直接拡散、周波数ホッピング、非線形周波数、線形周波数(チャープ)、コ・チップ・キー・イン(co−chip key in),コード位置、パルス位置或いはインパルスのような変調フォーマットの組み合わせでスペクトル拡散信号とすることができる。信号は、送信機から受信機への直線経路信号を含むことができ、送信機から受信機への直線経路信号を含むことができる。
【0041】
少なくとも1つの物体は、代理受信機として、自然のランドマーク又は地上の高度(earth elevation)を含むことができ、ビル、ビルの一部分、ウォータタワー、ウォータタワーの一部分、通信又は公共事業の電力ポール、又は通信又は公共事業の電力ポールの一部分のような、別の人工の建物を含むことができる。
【0042】
本発明でデータベースが使用されるとき、2次元又は3次元の位置データを含むことができる。また、物体の2次元又は3次元の位置を計算するために使用される場合がある。データベースは、デジタルマップ、デジタル画像、電磁画像、無線周波画像、光画像又は音響的画像を含むことができる。これらの画像は、送信信号と同じ周波数帯域とすることができ、或いは、送信信号とは異なる周波数帯域とすることもできる。
【0043】
本発明の別の態様では、先に述べたように、処理のための付加的な情報が存在する場合があり、存在しない場合もある。この付加的な情報の源は、受信機とすることができ、方位及び仰角のような受信機での到来角、最速の到達信号経路等とすることができる。この付加的な情報は、最速の到達信号経路の受信機での到達時間、代理受信機により反射又は屈折されたとプロセッサにより推定された信号経路の受信機での到来角を含むことができる。
【0044】
また、この付加的な情報は、複数の代理受信機により反射又は屈折されたとプロセッサにより推定された複数の信号経路の受信機での到来角を含むこともできる。複数の反射又は屈折された信号経路のうちの1つ以上の到来角は、方位角及び仰角の両者とすることができる。また、付加的な情報は、限定されるものではないが、信号強度、到来角、到達時間、マルチパスプロファイル又はラウンドトリップ信号の伝達時間のような、受信信号又は該受信信号の一部のパラメータの任意の組み合わせを含むことができる。
【0045】
また、付加的な情報源は、データベースとすることもできる。この付加的な情報は、送信機による前の送信から収集される情報を含むこともできる。付加的な情報は、2次元又は3次元での送信機の位置の前の推定を含むことができる。また、複数の追加の情報源が存在してもよい。
【0046】
プロセッサは、ある代理受信機での信号の到達時間における差、及び受信機での1つの他の信号経路の到達時間に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を確定することができる。この他の信号経路は、受信機での最速の到達信号経路とすることができる。また、プロセッサは、第一の代理受信機での信号経路の到達時間における差、及び第二の代理受信機での信号経路の到達時間に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を確定することができる。プロセッサは、(a)その代理受信機により反射又は屈折された信号経路の到達時間により確定されたときの、代理受信機での信号経路の到達時間における差、及び受信機での1つの他の信号経路の到達時間に対応する可能性のある送信機の位置のセットと、(b)受信機での他の経路の到来角に対応する1セットの可能性のある送信機の位置、との交点に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を決定する。
【0047】
この他の信号経路は、受信機での最速の到達経路とすることができ、到来角は、方位角及び仰角の両者を含むことができる。また、プロセッサは、(a)受信機により計測された第一の代理受信機での第一の信号経路の到達時間と、受信機により計測されたときの第二の代理受信機での第二の信号経路の到達時間とにおける差に対応する可能性のある送信機の位置のセットと、(b)第三の信号経路の受信機での到来角に対応する可能性のある送信機の位置のセット、との交点である1セットの可能性のある送信機の位置を確定することができる。
【0048】
第三の信号経路は、受信機での最速の到達信号経路とすることができる。到来角は、方位角及び仰角の両者で確定することができる。プロセッサは、1セットの点のうちの数点、複数セットの点のうちの数点、前にリファインされた複数セットの点について前の送信から導出される複数セットの点のうちの数点等、待ち及び任意の組み合わせでの結合により、可能性のある送信機の位置のリファインされたセットを確定することができる。
【0049】
結合された点は、複数セットの点、或いは他のセットの点よりも大きく重み付けされた1つ以上の点の交点を含むことができる。リファインされた点のセットは、2次元での点のベクトル結合により確定される。リファインされた点のセットは、3次元での点のベクトル結合により確定することもできる。
【0050】
システムは、信号を受信するための複数の受信機を含むことができ、それぞれの受信機は、送信から複数のマルチパス信号の到達時間を計測することができる。複数の受信機は、2つの受信機を含んでおり、プロセッサは、第一の受信機での第一の代理受信機により反射又は屈折された信号の到達時間から確定されたときの第一の代理受信機での信号の到達時間差、及び第二の受信機での第二の代理受信機により反射又は屈折された信号の到達時間により確定されたときの第二の代理受信機での信号の到達時間に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を確定する。
【0051】
プロセッサは、第一の受信機で代理受信機により反射又は屈折された信号経路の到達時間から確定されたときの該代理受信機での信号の到達時間差、及び第二の受信機での信号の到達時間に対応する1セットの可能性のある送信機の位置を確定することができる。この第二の受信機は、第二の受信機での最速の到達信号経路の到達時間とすることができる。第二の受信機での最速の到達信号経路は、送信機から第二の受信機までの直線経路である。
【0052】
プロセッサは、複数セットの可能性のある送信機の位置を結合することにより、リファインされた可能性のある送信機の位置のセットを確定することができる。この結合された点のセットは、複数の点からなるセットの交点とすることができ、2次元での重み付けされた点のセットのベクトル結合により確定することができる。結合された点のセットは、3次元での重み付けされた点のセットのベクトル結合により決定することができる。
【0053】
受信機は、送信機からの信号を受信し、信号チャネル受信機で複数のマルチパス信号の到達時間を計測することができる。受信機は、送信機からの信号を受信し、複数の信号チャネル受信機において複数のマルチパス信号の到達時間を計測することができる。複数のチャネルのうちの1つは、半径方向に配置される指向アンテナと作用することができる。この半径方向に沿って、アンテナは、代理受信機として選択される少なくとも1つの物体に位置させる。指向アンテナを複数設けることもでき、それぞれのアンテナは、半径方向に位置される。この半径方向に沿って、それぞれのアンテナは、代理受信機として選択される少なくとも1つの物体に位置され、それぞれのアンテナは、受信機の分離チャネルと作用可能である。
【0054】
この指向アンテナは、複数のセクタアンテナからなる1つのセクタであって、限定されるものではないが、移動電話、専用の移動無線、或いは移動データのような一般的な通信システムとすることができる。複数、必要であれば全ての受信チャネルは、それら複数のチャネルがフェーズドアレイ受信機を含み、リニアアレイ又はアレイプレーンに平行な方向に実質的に指向する2次元アレイを含むことができるように、複数の要素アンテナのうちの1つ以上の要素アンテナとそれぞれ作用可能である。また、受信チャネルは、アレイのプレーンに垂直な方向に実質的に指向することができる。複数の要素アンテナは、複数のチャネルと作用可能であり、3次元アレイを含むフェーズドアレイ受信機を含むことができる。複数のエレメントは、複数のチャネルと作用可能であり、同じ偏波からなるフェーズドアレイ受信機を含むことができる。また、受信機は、フェーズドアレイ受信機である複数のチャネル受信機を含んで、実質的に同じ位置に配置されているアンテナを有する複数の同じ位置に配置されている受信機とすることができる。
【0055】
信号経路の到達時間は、複数の受信チャネルからの重み付け信号の線形結合、又はベクトル結合に基づいて測定することができる。チャネルの重み付けは、到達時間が測定された経路以外の経路からの信号を減少又はゼロにするために選択することができる。アンテナ素子の偏波は、他のチャネルを供給するアンテナ素子の偏波とは異なる幾つかのチャネルを供給することができる。この他の情報は、限定されるものではないが、形態(たとえば、身に着ける形態、自動車に搭載する形態、大きな貴重品に取り付ける形態、持ち運びされる貴重品に取り付ける形態)、高度、気圧、温度、位置(たとえば、屋外、屋内、路上)、或いは速度のような送信機に関する情報又は送信機により収集された情報を含むことができる。他の情報は、送信端末により送信される。
【0056】
送信機を定位するために使用される受信機のような無線位置情報システムを補正するための方法又はシステムが以下に明らかにされる。信号は、未知の位置から送信することができる。信号は受信され、第一及び第二の受信機のそれぞれで計測される。期待される差がデータベース又は他の情報源からの情報を使用して確定されるように、パラメータ値の間での期待される差と測定されたパラメータ値の間の実際の差との差に基づいて、誤差値が決定される。
【0057】
誤差値は、無線位置情報システムの機器に補正を加えて、次の計測における誤差を最小にするために使用されるか、及び/又は前のパラメータ計測、同時のパラメータ計測或いは後のパラメータ計測に補正を加えるために使用される。この説明を通して、代理基準送信機は、先に述べたように、自然又は人工の物体とすることができる。また、代理の基準受信機は、代理の基準受信機又は代理受信機と呼ぶこともでき、信号を受信、及び反射又は屈折するものであり、送信機と同様に作用することができる。誤差値は、期待される到達周波数差と実際の到達周波数差との間の差に基づくことができる。
【0058】
図3は、本発明の第一の実施の形態を例示している。プロセッサは、選択された代理受信機60を有している。この代理受信機60は、代理受信サイト(PRS)に位置されており、典型的なマルチパスの例では、送信機から受信機への信号の反射器/屈折器と考えられる。代理受信機のための到達時間は、受信サイト(RS)での反射又は屈折経路の到達時間から、代理受信サイトから受信サイトへの伝播時間を差し引いたものに等しい。ウォータタワーは、例示された代理受信機60であるが、代理受信サイトで位置される代理受信機は、当業者には提案済みで公知のものとして、平面、ビルの反射側、ビルの端、丘陵の斜面のような地理的なランドマーク、プレーリーの中央の木、通信又は公共事業のタワー、橋又は他の反射器/屈折器の物体のような任意のタイプの反射器又は屈折器とすることができることが理解される。
【0059】
図3に示される特定の例示される実施の形態では、受信サイト(RS)62は、受信機(R1)を含んでおり、移動体送信端末64からの信号を受信する無指向アンテナ63を含んでいる。関連するプロセッサ65は、受信機と作用可能に接続されており、当業者に公知の標準的な処理アルゴリズムを使用して無指向性アンテナに最も速く到達した経路信号の到達時間を確定する。コンピュータ又は当業者に公知のタイプの他のプロセッサ65は、受信サイトで配置することができ、受信サイトから距離を隔てて通信回線66を介して接続することもできる。本発明の第一の実施の形態では、単方向アンテナ67をウォータタワーに向けて直接位置し、受信サイトに位置し、受信機に作用可能に接続することもできる。受信機は、指向アンテナに入射する反射又は屈折された経路信号の到達時間を計測する。プロセッサ65は、移動体送信端末から受信サイトに送信されるサイト信号からなるライン(line of sight signal)と、ウォータタワー、すなわち代理受信機62からの反射との間の到達時間差を測定する。この値は、データベースに記憶されているような、ウォータタワーの既知の位置に基づいて測定することができる。
【0060】
図5は、受信機1(75)及び受信機2(76)でのそれぞれのクロックを補正するために、ウォータタワーのような代理受信機72の利用を例示している。補正されたクロックは、本発明におけるように、特に、マルチパスの検討が考慮されるとき、移動体端末の位置を測定する幾つかの適用において厳密に重要である。移動体送信端末77が未知の位置にあるとしても、本実施の形態では、この端末は、代理受信機72、すなわちウォータタワーとして作用する反射器に対して未知の位置から、代理受信サイトに送信することができる。例示されている受信機1及び受信機2のようなそれぞれの受信サイトは、代理受信機として作用しているウォータタワーからの反射を受ける。受信サイトは、固定された既知の位置にあり、ウォータタワーへの距離及び角度は既知である。中央のプロセッサ78は、両方の受信機と作用可能であり、2つの受信機からの到達時間及び到来角の情報を受けることができる。適切なアルゴリズム及び計算を通して差が確定され、当業者に公知の標準的な処理アルゴリズムを使用して、2つのクロック73,74からのオフセットを取り除くことができる。この補正は、既知の位置での既知の送信機が信号を送信するために使用される従来の技術よりも有益である。
【0061】
図6は、たとえば、様々なビルB1〜B5が存在する都会の環境におけるような、マルチパスが存在する状況を例示している。移動体送信端末64のような送信機は、ビルB3の背後に位置されており、この送信機は、4つの他のビルB1、B2、B4及びB5の中央に位置されている。受信機1(RX1)は、ビルの南に位置されており、受信機2(RX2)は、ビルの北に位置されている。プロセッサは、受信機と動作可能である。
【0062】
例示されるように、送信機からサイト通信の直線が形成されていない。たとえば、移動体送信端末64から受信機1(RX1)又は受信機2(RX2)への直線である。代わりに、第一の受信機(RX1)は、ビルB1及びB5から反射された第一及び第二の到達信号(PR1−1、PR1−2)を受け、受信機2(RX2)は、代理受信機となるビル2から第一の到達経路としての信号を受信する。したがって、それぞれのビルにより形成された代理受信機からのそれぞれの送信の角度、信号及びその到達時間を計測することができる。第二の受信機(RX2)での信号の到達と、第一の受信機(RX1)での2つの信号のうちの最も速い到達との間の時間差が考慮される場合、80で描かれた双曲線が形成される。システムがそれぞれのサイト(RX1又はRX2)での最速の経路の到達時間差、一方の受信サイト又は他方の受信サイトからの角度を考慮する場合、2つの位置が計算され、どちらもA2/TDOA及びA1/TDOAで図示されている2つのスター81,82により例示されるように補正されない。第一のスター81は、角度2(A2)及び到達時間差(TDOA)を示し、第二のスター82は、角度1(A1)と到達時間差(TDOA)を示している。
【0063】
84で描かれる双曲線は、サイト通信の直線のみが存在する場合の正しい双曲線を例示している。代理受信機の四角形を示して、3つのサイトPR1−2,PR2−2及びPR1−1が存在し、この曲線はこの複雑な解法で計算されることは明らかである。
【0064】
図7は、移動体送信端末64がビルB3、B3’の間に位置され、到来角の検討のみがサイト値A2/TD及びA1/TDのラインと使用されるとき、可能性のある点の軌跡を形成する不適切なライン85が確定された場合と類似の状況を例示している。不適切な位置は、スター86で示されており、到達時間差の計算に基づくものである。
【0065】
本発明によれば、位置、すなわち反射器/屈折器の緯度及び経度は、代理受信サイトで位置され、それぞれの到達経路に沿って代理受信機を形成しており、ルックアップテーブル、又はフロリダ州メルボルンのHarris社により開発されたソフトウェア「リアルサイト“RealSite”」のような、地理的なイメージデータベースからの特徴抽出を介して測定される。地理的なデータベースは、ビル及び丘のような自然の地勢のような特定のエリアにおける自然及び人工的な特徴に関連するデータを含んでいる。
【0066】
たとえば、信号を放出し、高いビル又はウォータタワーを含み、無線又は他の信号の受動的な反射器となる、したがって代理受信機として作用する特定のエリアに関する情報をデータベースは含んでいる。ルックアップテーブルは、類似のデータを含んでおり、システムプロセッサは、ルックアップテーブルに問合せ、ビル又はどこから信号を発しているかといった自然の特徴等のタイプを確定し、どの特徴が代理受信機となることができるかを確定する。ルックアップテーブルとの地理的なデータベースの使用、或いは特徴抽出ソフトウェアの使用は効果的であり、サイト経路の直線、又は反射及び/又は屈折された経路が信号源であるかをシステムは確定することができる。
【0067】
システムは、特徴抽出ソフトウェアを使用するか、ルックアップテーブルに問合せて、図6及び図8に示されるレイアウト、ここでは5つのビルを含んでいるが、ビル間の信号線により例示されるような反射又は屈折を形成しているかを判定する。たとえば、図6及び図8に示される例について、2次元のデータベースが必要とされる。可能であれば、高度を考慮するために、3次元データベースを使用することもできる。
【0068】
このタイプのシステムは、反射/屈折、及びサイト信号のラインといった情報は、特徴抽出又は使用されるルックアップテーブルにより確定され、位置推定は、重み付け到達時間差の曲線、及び到達方位角を使用して計算することができる。重み付けは、例示される受信機1(RX1)及び受信機2(RX2)のような、信号を受信する受信サイトの数を含むパラメータの数に依存する。他の重みは、幾何学的形状、すなわち、受信サイト(RX1及びRX2)、代理受信サイト(PRS)及び移動体送信端末64の相対的な位置と同様に、あるサイトで(或いは、全体において)受信される経路の数に依存する。それぞれの経路について推定される信号対雑音比(S/N)、及び前の送信からの位置推定も利用することができる。また、位置推定は、到来角及び到達時間の推定からの重みに依存することもできる。
【0069】
処理が反復的である場合がある。たとえば、2つの受信サイトで受信された信号を移動体端末64が送信する場合、システムは、受信サイトの到達時間及び到来角を使用して、3つの位置の推定値を計算する。たとえば、次の3つの計算を使用することができる。1)受信サイト1の到来角及び受信サイト2の到来角、2)受信サイト1からの到来角及び受信サイト2の到達時間差−受信サイト1の到達時間差、及び3)受信サイト2の到来角及び受信サイト1の到達時間差−受信サイト2の到達時間差である。
【0070】
推定値間での変動が小さい場合、重み付けの結合を使用することができる。変化が大きい場合、代理受信サイトは、1つ又は両方の受信サイトに代わって置き換えられ、システムは、計算を再び繰り返すことができる。複数の代理受信機は、この反復プロセスにおいて、1つの到来角のために使用される。RealSiteのような特徴抽出ソフトウェアから得られた画像データは、回答を評価するために使用される。
【0071】
例示のために、RealSiteのような本発明と使用することができる特徴抽出プログラムの例が以下に説明される。当然、多くの異なるタイプの特徴抽出ソフトウェアは、当業者にとって入手可能であり、受動的な反射器又は屈折器として作用したり、代理受信機であることもできる様々な特徴を確定するために、本発明で使用することもできる。本実施の形態は、テクスチャソフトウェアに関連して説明されてきたが、反射された光学作用として、テクスチャ値に代えて無線周波の反射値も使用することができる。また、データベースは、2次元又は3次元の特徴画像形成と使用することができる。ビルの表面及びビルのエッジを発見するために、代理受信機の位置を確定する助けとなる光反射率を使用することもできる。
【0072】
3次元の都会のモデルを作成するために使用されるテクスチャマッピングシステムの更なる詳細の説明は、米国特許出願第09/652,118号に開示されており、本特許出願に譲渡されている。この内容の開示は、その全体において引用により本明細書に組み込まれる。説明のために、RealSiteを使用した特徴抽出の高度な検討をはじめに行う。このタイプの特徴抽出ソフトウェアは、自然及び人工の代理受信機を発見して結果を評価するために使用することができ、2次元モード及び3次元モードで使用することができる。
【0073】
RealSiteにより、テクスチャマッピングシステムにおいて3次元モデルの作成が可能となり、クリップ・マッピング技術を都会のシーンに適用することにより、地形のテクスチャリングのための技術をビルのテクスチャに拡張することができる。また、RealSiteは、光屈折率を確定するために使用することができ、代理受信機を確定するため、及びかかる代理受信機の緯度及び経度を確定するために無線周波の反射率を使用することもできる。
【0074】
全てのサイトを彩色することが必要とされる多くの画像から1つのビルの画像を構築することもできる。ビルのサイト画像は、回転及び知的な編集を含めて、最小次元からなる複合画像にフィットさせることができる。関連するビルの頂点のテクスチャ座標をスケーリングして、新たな複合画像を整合するために変換することもできる。ビルの画像は、大きな「クリップマップ」画像で調整することができ、ビルの水平の関係が保持される。水平の関係が正確に保持されない場合、「クリップグリッド」ミドルレイヤーを構築することができ、これは、クリップマップの中央を正確に確定するためのディスプレイソフトウェアにより使用することができる。
【0075】
その最高レベルで、システムは、グラフィックサイトについてモデル化されるビルに対応する複数の3次元オブジェクトのそれぞれ向けにパックされたテクスチャの長方形(packed rectangle of texture)を作成する。システムは、サイトモデルのクリップマップ画像内で正しい位置にパックされたテクスチャの長方形を空間的に配置する。テクスチャマッピングシステムは、OpenGLアプリケーションプログラミングのインタフェースを有する、ホスト又はクライアントコンピュータで実行されるコンピュータグラフィックプログラムと使用することができる。サイトモデルのクリップマップ画像の特定のx、y位置に関するクリップ中央の位置は、ルックアップテーブル内の値を調べることで確定することができる。ルックアップテーブルは、対応するテクスチャ座標について全てのビルのポリゴンフェースの頂点を問い合わせることで構築することができる。それぞれのテクスチャ座標は、対応するポリゴンフェースの頂点の座標に基づいて、ルックアップテーブルに挿入される。
【0076】
これらのタイプのシステムでは、グラフィックハードウェアのアーキテクチャは、グラフィックスAPI(Application Programming Interface)により隠される。異なるプログラミングインタフェースを使用することができるが、好適なアプリケーションプログラミングインタフェースは、OpenGLのような工業標準のAPIであり、一般的なインタフェースを各種ハードウェアのプラットフォームのグラフィック機能に提供する。また、好適なアプリケーションプログラミングのインタフェースは、統一的なインタフェースをシステムアーキテクチャによりサポートされるテクスチャマッピング機能に提供する。
【0077】
OpenGLにより、テクスチャマップは、2のべき乗の次元、すなわち2m×2nを有する長方形の画素アレイとして表現することができる。レンダリング速度を増加するために、グラフィックアクセラレータには、事前計算済み縮小解像度版のテクスチャマップを使用して、サンプリングされた画素間での補間の速度を向上している。縮小解像度画像のピラミッドレイヤーは、当業者にはMIPmapsと呼ばれる。MIPmapsは、それぞれのテクスチャが占有する記憶量を33%だけ増加させる。
【0078】
OpenGLは、テクスチャ向けにMIPmapsを自動的に計算するか、或いは、MIPmapsは、アプリケーションにより供給することができる。テクスチャードポリゴンがレンダリングされ、OpenGLは、テクスチャ及びそのMIPmapピラミッドをテクスチャキャッシュにロードする。これは、ポリゴンが大きなテクスチャを有する場合に非常に非能率的であるが、スクリーン上の数画素を占有するのみとなるように、現在の画面において遠くになる。これは、多くのかかるポリゴンが存在するときに特に適用することができる。
【0079】
OpenGLプログラミングのさらに詳細な説明は、Neider, Davis及びWooによる“OpenGL Programming Guide”、Addison−Wesley, Reading, Massachusetts, 1993、第9章に見ることができ、ガイドの開示は、その全体において引用により明細書に組み込まれる。
【0080】
また、クリップによるテクスチャリングを使用することもでき、制限されたテクスチャキャッシュに関する要求を減少することによりレンダリング性能を向上する。クリップテクスチャリングは、それぞれのレベルのMIPmapsテクスチャのサイズを固定された領域のクリップ領域にクリッピングすることにより、正常なMIPmapsを制限するサイズの制限を回避することができる。
【0081】
プログラミング、及びクリップによるテクスチャリングを使用するための更なる詳細は、Silicon Graphics, “IRIS Performer Programmer’s Guide”, Silicon Graphics, Chapter10, “Clip Textures, the Programmer’s Guide”に見ることができ、その全体において引用により明細書に組み込まれる。
【0082】
IRIS Performerは、3次元グラフィック、及びOpenGLの上位にあるビジュアルシミュレーションによるアプリケーションプログラミングのためのインタフェースである。IRIS Performerは、最適化を達成するために、基礎を成すOpenGLテクスチャマッピングのメカニズムを明示的に操作するクリップテクスチャリングのサポートを提供する。また、IRIS Performerは、幾つかのプラットフォームでの専用ハードウェアの拡張を利用する。典型的に、この拡張は、プラットフォーム専用(携帯でない)の特徴としてOpenGLを通してアクセス可能である。
【0083】
特に、IRIS Performerにより、アプリケーションは、クリップ領域のサイズを特定して、該クリップ領域を中央に移動することができる。IRIS Performerは、アプリケーションがクリップ中央を調整したとき、システムRAMへの低速の二次的な記憶からテクスチャキャッシュへ、テクスチャデータのマルチレベル・ページングを効率的に管理する。
【0084】
地形の表面(DEM)のためのクリップテクスチャを準備し、該クリップテクスチャを適用することは、当業者に公知であるように、テクスチャマッピングの適用において直接的なソフトウェアルーチンとすることができる。画像又はイメージモザイクは、オルソデータにされ、地形の隆起表面に投影される。この1つの、可能性として非常に大きいテクスチャは、連続的であり、簡単な垂直投影で隆起表面に単調にマッピングする。
【0085】
しかし、都会のモデルをクリップによりテクスチャリングすることは、より直接的なソフトウェアの適用ではない。オルソ画像は、垂直のビルの表面に常に適切にマッピングしない。全てのビルの表面をマッピングする投影方向はない。ビルのテクスチャは、単調かつ連続なモザイクに容易に結合することができない1セットの不連続画像からなる。この問題は、多数の3次元オブジェクトを有し、ビル及び類似の垂直構造を典型的に表現する都会のモデルでは特に明らかとなる。連続的な画像を単調かつ連続的なモザイクに結合することは必要ではないことがわかる。空間的な位置が維持されるように個々の表面のテクスチャを調整することにより、十分な結果が達成されることがわかる。
【0086】
図9は、移動体送信端末の地理的な定位に関連する、本発明と共に使用することができるテクスチャアプリケーションソフトウェアモデルの基本的な態様を説明する高度なフローチャートを例示している。システムは、それぞれのビルのパックされたテクスチャの長方形を作成する(ブロック100)。プログラムは、実際の配置が問題とならないこの領域において、位置が十分に高いことを仮定している。パックされたテクスチャは、空間的に配置される(ブロック102)。この時点では、空間的な配置が問題であり、再配置とクリップ領域のサイズとの間で幾つかのトレードオフがある。しかし、クリップグリッドルックアップテーブル(clip grid look−up table)は、幾つかの位置の制限を克服するために使用され(ブロック104)、以下に詳細に説明される。
【0087】
図10を参照して、より詳細なフローチャートにより処理シーケンスを説明する。コンポジットビルディングテクスチャマップ(CBTM)が作成される(ブロック110)。サイトモデルのクリップ・マッピング処理で後に使用されるタイル積み手法のために、1つのビルをテクスチャリング処理するために使用される全ての画像は、異なる視点から収集され、1つの長方形のコンポジットビルディングテクスチャマップにパックされる。CBTMに含まれる画素領域を減少するために、個々の画像(及びテクスチャマップ座標)が回転され(ブロック112)、テクスチャ・ポリゴンを実際にサポートするテクスチャマップ内の長方形領域を最小にする。回転の後、長方形の有効域外の余分の画素は除かれる(ブロック114)。
【0088】
個々の画像が一旦前処理されると、それぞれ寄与している画像の画像サイズがメモリにロードされる(ブロック116)。これらの寸法は、領域及び画像の寸法によりソートされる(ブロック118)。全てのビルの個々のテクスチャを含む、最小の外周を有する最小領域の新たな画像のサイズが計算される。(ブロック120)。個々のビルディングのテクスチャは、長方形において不使用の領域が最小となるように、左から右へ及び右から左へと交互にタイル積みすることにより、新たな画像に効果的にパックされる(ブロック122)。
【0089】
図11は、コンポジットビルディングのテクスチャマップにおけるビルの個々の画像を示すレイアウトの例を示している。これは、それぞれのビルを描写する最小の画像の寸法を計算するために示されるような、徹底的なサーチにより達成される。
【0090】
サイトモデルのクリップマップ画像が次に作成される。それぞれのコンポジットビルディングテクスチャマップ(CBTM)はできる限り小さいので、大きなクリップマップにおいてそれぞれ1つの空間的な補正を設けることは実現できる。はじめに、それぞれのコンポジットビルディングテクスチャマップは、大きなサイトモデルのクリップマップにおけるその正しい空間的な位置に配置される(ブロック124)。スケールパラメータは、相対的に空間的な関係を保持しつつ、互いに更に離れてビルを最初に配置するために使用される(ブロック126)。次いで、それぞれのコンポジットビルディングテクスチャマップは、サイトモデルのクリップマップにおける他のコンポジットビルテクスチャマップに対するオーバラップのためにチェックされる(ブロック128)。サイトモデルのクリップマップは、オーバラップが残らないように、右上から左下へ拡大される(ブロック130)。高層ビルのモデルについて、より大きなポジティブなスケールのパラメータを使用して、増加されたオーバラップの可能性を許容することができる。全てのテクスチャマップ座標は、スケーリングされ、サイトモデルのクリップマップの画像におけるその新たな位置に変換される。
【0091】
ここで図12を参照して、フローチャートは、ビルディングのクリップテクスチャを正しく処理及び表示するために使用することができる基本的な動作を説明している。クリップマップクリップグリッドルックアップテーブル(clip map clip grid look−up table)を使用して、これらの制限を克服し、クリップの中央が特定のx、y位置に関して最適にはどこに位置されるべきかについて正確な位置を特定する。テーブルを構築するために、全てのビルディングのポリゴンの表面の頂点は、その対応するテクスチャ座標について問い合わせされる(ブロック150)。それぞれのテクスチャ座標は、その対応するポリゴンの表面の頂点の座標に基づいて、ルックアップテーブルに挿入される(ブロック152)。
【0092】
クリップ中央又はクリップマップにおける点は、クリップマップ内の最も高い解像度の画像の位置を確定するために使用される(ブロック154)。地形の表面のクリップマップの中央を確定することは、システムの複雑さなしに実際に達成可能である。これは、1つのクリップテクスチャは、地形の隆起の表面に隣接してマッピングするためであり、したがって、カメラの座標は適切である。サイトモデルのクリップマップは、それ自身のクリップの中央を有しており、その相対的なサイズ及び地形の表面での位置に従い処理される(ブロック156)。しかし、サイトモデルのクリップマップは、高いビル又は密集したビルから生じる幾つかの位置的な制限をもたらす。これは、サイトモデルのクリップマップの完全な空間的コヒーレントを補償するために、追加のルックアップテーブルの使用を必要とする。クリップグリッドの目的は、空間的にインコヒーレントなクリップマップにおけるクリップ中央の位置に3次元空間座標をマッピングすることである。
【0093】
クリップグリッドルックアップテーブルのインデックスは、x、yシーン位置(カメラ位置)を使用して計算される(ブロック158)。地形のクリップマップ及びサイトモデルのクリップマップが異なるサイズである場合、スケーリングファクタが導入され、サイトモデルのクリップマップのためにx、yシーン位置が正規化される(ブロック160)。ビルディングのクリップマップの空間的な正確さの開発における十分な設計及び効果により、クリップグリッドルックアップテーブルのために必要とされることは、このケースの95%まで除くことができる。
【0094】
また、アルゴリズムを拡張して、複数のサイトモデルのクリップマップを使用することもできる。1つの大きなクリップマップよりも多くの小さなクリップマップを使用することは、様々な解像度のクリップマップが望まれる場合、或いは処理空間からクリップマップをページイン、ページアウトすることが達成可能である場合に、有効なアプローチであることがわかる。しかし、多数のクリップの中央のメンテナンス及び多数のクリップマップのピラミッドのオーバヘッドを必要とする。
【0095】
RealSiteデータベースのようなイメージデータベース、及び関連するソフトウェア、すなわちルックアップテーブルを使用することは、利用可能であれば、図13及び図14に示されるように、代理受信機もまた反射器として所定の高度を有するかを確定することができる。図13は、ビルレイアウトの計画図を示しており、第一のビルB10が第二のビルB11の前に位置している。第一のビルB10は、ビルB11よりも低い高度を有する。送信機、すなわち移動体送信端末64は、より低い第一のビルB10の後方に位置されており、より高い第二のビルB11からの信号を受信機RX1及びRX2を有する2つの受信サイトに反射する。ライン92は、それぞれのビルB10及びB11の高度に関する十分な情報がないことにより、不適切な代理受信機の指定を示す点の軌跡を表しており、これにより、不適切な指定が行われている。
【0096】
点94は、当該データに基づいた可能性のある位置を表している。ライン95は、適切な代理受信機の指定による双曲線を表しており、点96は、より高い精度を示した可能性のある位置を表している。イメージデータベースを使用して、関連する信号と適切な反射器(或いは屈折器)の間での到達時間差を確定するための適切な双曲線及び角度を確定することができ、移動体送信端末の位置を近似的に確定することができる。
【0097】
上述したように、到達時間差(TDOA)システム、及び到来角システムでないシステムは、ウォータタワー、巨大なビル、丘、或いは必要な信号の反射率を有し、代理受信機として作用する他の物体のような、選択された代理受信機に位置される指向性の高いアンテナを使用することができる。また、到達の仰角測定を利用して、代理受信機の反射器/屈折器の高さを確定することもできる。結果として、視覚による移動体の高度で生じる傾斜範囲の誤差のラインが減少される。代理受信機の反射器/屈折器の高さデータにより、代理受信機からの傾斜範囲の計算が可能となり、ある人が移動体送信端末、たとえば、送信タグ、移動体追尾装置のようなパーソナル装置、或いは他の送信装置を保持している場合、移動体の高度の推定を可能にする。
【0098】
受信サイトのうちの1つがダイレクトパスを有する場合、ある代理受信機が他のサイトのために使用される場合、代理受信機が移動送信端末への正しい方位に偶然あるのでなければ、到達時間差の誤差は減少される。代理受信機が移動体送信端末への正しい方位にある場合、到達時間差の誤差は変化しないが、図13に示されるように、代理受信機と他の受信サイトの間のラインに関して対称であるように双曲線は回転する。
【0099】
2つのサイトが同じ代理受信機からの信号の到達時間を測定する場合、及び代理受信機での計算された到達時間が、2つの受信サイト間でのクロックオフセットだけ異なる場合、先に説明したように、クロック誤差を除去することができる。これは、送信機が未知の位置にあるときでさえも生じる。このタイプのシステムは、クロックオフセットが全ての測定された到達時間の数サンプル内で計算される場合に、クロックオフセットを確定するために使用される既知の位置での送信機よりも都合がよく、追加的なキャパシティの使用を表すものではない。
【0100】
また、ビーム成型は、特定の代理受信機を明らかにするために使用される。当業者に公知の多くの異なるタイプのアンテナは、ビーム成型のために使用することができる。経路を無効にすることは、他の経路の到達経路への衝撃を除くために使用することができる。4つの要素からなるシステムについて、システムは、3つの他の経路にゼロを配置する。システムのユーザが最大の経路を無効にすること、或いは関心のある経路と時間的に最も接近して配列された経路を無効にすることも可能である。
【0101】
到達時間は、2つのサイトからの相互相関信号を含めて、当業者に公知の手段により計測することができる。当然、受動的な反射器としての代理受信機を大地とすることができ、到達の仰角を要求することもできる。受動的なリピータに対して、能動的なリピータを使用することができるが、リピータの遅延を考慮するための計算が必要となる。
【0102】
代理受信機が反射器である条件はない。別の無線受信サイト、すなわち移動体送信端末としての送信機は、代理受信機として作用する。さらに、本発明のシステム及び方法を利用して、代理受信機としての移動体反射器の位置を確定することができる。たとえば、この技術を航空機によるパッシブレーダーとして利用して、別の航空機の位置を確定することができる。
【0103】
第一の航空機は、必ずしも固定された位置である必要はないが、既知の位置での送信機からの信号の到達時間を計測する。また、航空機は、航空機である可能性があるターゲットにより反射された同じ信号について、到達時間及び到来角を計測する。ビーム操作及び経路の無効化を使用して、反射された信号を検出し、到達の方向を測定するための能力を改善することができる。第一の航空機及び送信機の既知の位置、反射信号の到達方向を使用して、航空機の位置を計算することができる。
【0104】
送信機は、第一の航空機、或いはFMラジオ局又は衛星のトランスポンダのような自発的でない第三者と共同して作用する機器とすることができる。共に第二の航空機から発生している、グランドから反射された信号の到達時間及び到達方向、及びダイレクトパス信号の到達時間及び到達方向を測定することにより、第一の航空機は、第二の航空機の位置を確定する。
【0105】
本発明のシステム及び方法の効果は明白である。これは、1つ以上の経路が受信され、地理的に指向された代理受信機に関して適切なサイトのライン及びデータベース情報が既知である場合、1つのサイトから位置を推定することができるためである。受信サイト及び関連する代理受信機を含めて到達時間差の計算のための時間ベースの誤差が除かれ、精度が向上される。到達時間は、同じクロックに関して測定することができる。マルチパスで生じる到達時間の誤差のかなりの部分は、ノンライン・オブ・サイト(non−line−of−site)の状態で減少される。多くの解決法のセットは、追加の情報を提供することができ、重み付け及び平均化を可能にする。データベースからの画像を利用して、補正を加えることができる。
【0106】
また、移動体の高度の推定、及びグリッドに限定されない移動体の位置を取得することが可能である。システムは、移動体の高度が変化するため、変動するマルチパスに対してロバストである。広範囲な補正が要求されない。反射器のデータベースは、広範囲である必要はなく、RealSiteデータベースのような写真から生成することもできる。到来角又は到達時間システムと任意のシステム、すなわちセルシステムとを利用することができる。
【0107】
この特許出願は、“SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING THE LOCATION OF A TRANSMITTER USING PASSIVE REFLECTORS OR REFRACTORS AS PROXY RECEIVERS”及び“SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING THE LOCATION OF A TRANSMITTER USING PASSIVE REFLECTORS OR REFRACTORS AS PROXY RECEIVERS AND USING DATABASE QUERYNG”と題された同時係属中の特許出願に関連している。これらは、同日に、同じ出願人及び発明者により提出されており、それらの開示は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0108】
本発明に関する多くの変更及び他の実施の形態は、上述した記載及び添付図面に与えられた教示の利益を有する当業者であれば思いつくであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施の形態に限定されるものではなく、変更及び実施の形態は、特許請求の範囲の中に含まれることが意図されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】従来の到来角システム及び到着時間の位置測定システムを例示する図である。
【図2】従来の到来角システム及び到着時間の位置測定システムを例示する図である。
【図3】代理受信機を有するウォータラワーのような代理受信サイトが、唯一の受信サイトを使用する移動体端末の位置を測定するためにどのように確立することができるかを例示する図である。
【図4】図3に類似し、丘のような自然の物体としての代理受信機を示す図である。
【図5】代理の受信機が、第一及び第二の受信サイトのクロックを構成するためにどのように使用することができるかを例示する図である。
【図6】代理受信機がサイト反射器の直線であると考えられる場合に確立される双曲線及び点の軌跡を生じる誤差を示している、様々なビルにより生じるマルチパスの状態を例示する図である。
【図7】到来角解析のみが代理受信機で使用されるときに生じる点の軌跡及び誤差を示す図である。
【図8】図7に類似し、移動式端末の位置を確定することができる、本発明のシステム及び方法に基づいて展開される点の軌跡を例示する図である。
【図9】本発明で使用することができるイメージデータベースのルーチンを例示するフローチャートである。
【図10】本発明で使用することができるイメージデータベースのルーチンを例示するフローチャートである。
【図11】本発明で使用することができるビル及びテクスチャモデルの個々の画像のレイアウトを示す図である。
【図12】図9及び図10で示されるイメージデータベースのルーチンで使用することができる処理タイプを示すフローチャートである。
【図13】高さ確定及びより正確な位置分析のために、イメージデータベースのルーチンが代理受信機及びビルの3次元概観を測定する上面図及び等角図をそれぞれ例示する図である。
【図14】高さ確定及びより正確な位置分析のために、イメージデータベースのルーチンが代理受信機及びビルの3次元概観を測定する上面図及び等角図をそれぞれ例示する図である。
Claims (42)
- 未知の位置で信号を送信する送信機と、
前記信号を反射及び/又は屈折する代理受信機と、
信号の到達時間、到達時間差又は到達周波数差を測定するためのクロックをそれぞれ有し、前記代理受信機から前記信号を受ける空間的に配置された複数の受信機とを備え、
前記クロックは、クロックオフセットに基づいて補正される、
送信機を定位するために使用される受信機を補正するためのシステム。 - 到達時間、到達時間差又は到達周波数差、及びクロックオフセットを計算するために、それぞれの受信機と接続されるプロセッサをさらに備える、
請求項1記載のシステム。 - 前記送信機は、移動体端末を備える、
請求項1記載のシステム。 - 前記信号は、無線周波信号を備える、
請求項1記載のシステム。 - 前記代理受信機は、自然のランドマークを備える
請求項1記載のシステム。 - 前記代理受信機は、地上の高度を備える、
請求項5記載のシステム。 - 前記代理受信機は、人工の建物を備える
請求項1記載のシステム。 - 前記代理受信機は、ビルを備える、
請求項7記載のシステム。 - 前記複数の受信機は、2つの受信機を備える、
請求項1記載のシステム。 - 前記クロックのそれぞれは、安定したローカルクロックを備える、
請求項1記載のシステム。 - 未知の位置で信号を送信する送信機と、
信号を反射及び/又は屈折するため代理受信機と、
前記代理受信機からの信号を受信するために、前記代理受信機に指向されたアンテナをそれぞれ有し、信号の到達時間、到達時間差又は到達周波数差を測定するためのクロックをそれぞれ有する、空間的に指向された複数の受信機とを備え、
前記クロックは、前記クロックのオフセットに基づいて補正される、
送信機の測定を定位するために使用される受信機を補正するためのシステム。 - 前記アンテナは、焦点を合わせたビームアンテナである、
請求項11記載のシステム。 - 到達時間、到達時間差又は到達周波数差、及びクロックオフセットのうちの少なくとも1つを計算するために、それぞれの受信機と接続されるプロセッサをさらに備える、
請求項11記載のシステム。 - 前記送信機は、移動体端末を備える、
請求項11記載のシステム。 - 前記信号は、無線周波信号を備える、
請求項11記載のシステム。 - 前記代理受信機は、自然のランドマークを備える、
請求項11記載のシステム。 - 前記代理受信機は、地上の高度を備える、
請求項16記載のシステム。 - 前記代理受信機は、人工の建物を備える、
請求項11記載のシステム。 - 前記代理受信機は、ビルを備える、
請求項18記載のシステム。 - 前記複数の受信機は、2つの受信機を備える、
請求項11記載のシステム。 - 前記クロックのそれぞれは、安定なローカルクロックである、
請求項11記載のシステム。 - 未知の位置からの信号を送信するステップと、
既知の位置を有する代理受信機から反射及び/又は屈折した後に、少なくとも信号の到達時間、到達時間差又は到達周波数差信号を測定するためのクロックをそれぞれ有する、空間的に指向された受信機で信号を受信するステップと、
信号の到達時間、到達時間差又は到達周波数差をそれぞれの受信機で計算するステップと、
それぞれの受信機で、信号の到達時間、到達時間差又は到達周波数差に基づいて、前記複数の受信機間のクロックオフセットを測定するステップと、
前記クロックオフセットに基づいて前記クロックを補正するステップと、
を備える位置測定システムで使用される空間的に指向される受信機を補正する方法。 - 移動体端末から信号を送信するステップをさらに備える、
請求項22記載の方法。 - 前記信号は、無線周波信号を備える、
請求項22記載の方法。 - 前記代理受信機は、自然のランドマークを備える、
請求項22記載の方法。 - 前記代理受信機は、地上の高度を備える、
請求項25記載の方法。 - 前記代理受信機は、人工の建物を備える、
請求項22記載の方法。 - 前記代理受信機は、ビルを備える、
請求項27記載の方法。 - 前記クロックのそれぞれは、安定なローカルクロックを備える、
請求項27記載の方法。 - 前記複数の受信機は、2つの受信機を備える、
請求項27記載の方法。 - 未知の位置から信号を送信するステップと、
既知の位置を有する代理受信機から信号を反射及び/又は屈折するステップと、
それぞれ空間的に指向された受信機で信号を受信するために、前記代理受信機にそれぞれの受信機のアンテナを指向するステップと、
それぞれの受信機で、信号の到達時間、到達時間差又は到達周波数差を計算するステップと、
前記複数の受信機間でクロックオフセットを測定するステップと、
前記クロックオフセットに基づいてクロックを補正するステップと、
を備える位置測定システムで使用される空間的に指向された受信機を補正する方法。 - 前記アンテナは、狭ビームアンテナを備える、
請求項31記載の方法。 - 移動体端末から信号を送信するステップをさらに備える、
請求項31記載の方法。 - 前記信号は、無線周波信号を備える、
請求項31記載の方法。 - 前記代理受信機は、自然のランドマークを備える、
請求項31記載の方法。 - 前記代理受信機は、地上の高度を備える、
請求項35記載の方法。 - 前記代理受信機は、人工の建物を備える、
請求項31記載の方法。 - 前記代理受信機は、ビルを備える、
請求項35記載の方法。 - 前記クロックのそれぞれは、安定なローカルクロックを備える、
請求項31記載の方法。 - 前記複数の受信機は、2つの受信機を備える、
請求項31記載の方法。 - 未知の位置から信号を送信するステップと、
前記信号を受信し、自然又は人工の物体のうちの1つを有する代理基準送信機により第一の受信機及び第二の受信機のそれぞれに反射又は屈折される信号の一部のパラメータを前記第一及び第二の受信機のそれぞれで計測するステップと、
パラメータ値の間の期待される差と、計測されたパラメータ値の間の実際の差との間の差に基づいて誤差値を測定するステップと、
前記誤差値を使用して無線位置情報システムの機器に補正を加え、後続する計測での誤差を最小にし、及び/又は前記パラメータの前の計測、同時の計測又は次の計測に補正を加えるステップと、
を備える無線位置情報システムを補正するための方法。 - データベースからの情報を利用して、前記期待される差を測定するステップをさらに備える、
請求項41記載の方法。
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