JP2004530681A - アルキレンオキシド(エポキシド、オキシラン)を調製する方法 - Google Patents

アルキレンオキシド(エポキシド、オキシラン)を調製する方法 Download PDF

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フアン・デル・リンデン,ヨハネス・ペトルス
プルーメン,イングマール・フベルトウス・ヨセフイーナ
サンテン,アウグステイヌス
フアン・デル・フエーン,アレクサンダー・ヤン
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シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
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Abstract

有機ヒドロペルオキシドとアルケンを含む供給物を、エポキシ化触媒を含む少なくとも2つの直列接続された反応器の列に通すこと、および反応生成物としてアルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流を引き出すことを含み、稼動中に最終反応器の出口温度が最初の反応器の出口温度より少なくとも4℃高くなるように供給物の温度を制御する、アルキレンオキシドを調製する方法。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキレンオキシドを調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルケンを有機ヒドロペルオキシドと反応させることによってアルケンをアルキレンオキシドにエポキシ化する方法は、当分野で知られている。
【0003】
たとえば、エチルベンゼンから出発してプロピレンオキシドとスチレンを同時に生成する一般的に知られている方法では、前述のエポキシ化反応が適用される。一般に、この同時生成方法は、(i)エチルベンゼンを酸素または空気と反応させてエチルベンゼンヒドロペルオキシドを形成するステップと、(ii)このようにして得たエチルベンゼンヒドロペルオキシドをエポキシ化触媒の存在下でプロペンと反応させて、プロピレンオキシドと1−フェニル−エタノールを得るステップと、(iii)適切な脱水触媒を使用して、前記1−フェニル−エタノールを脱水してスチレンに変換するステップとを含む。
【0004】
アルキレンオキシドを生成する別の方法は、イソブタンとプロペンから出発する、プロピレンオキシドとメチルtert.−ブチルエーテル(MTBE)の同時生成である。この方法は当分野でよく知られており、前段に記載したスチレン/プロピレンオキシドの生成方法と同様の反応ステップを含む。エポキシ化ステップでは、不均一エポキシ化触媒の存在下でtert−ブチルヒドロペルオキシドをプロペンと反応させ、プロピレンオキシドとtert−ブタノールを形成する。その後、tert−ブタノールをメタノールでエーテル化し、自動車燃料の添加剤として使用されるMTBEにする。
【0005】
米国特許A−5,849,937号は、それぞれが不均一触媒の固定床を含む複数の反応容器を使用した、オレフィンのエポキシ化方法に関する。個々の反応容器中の触媒活性が望ましくないほど低いレベルまで下がったら、前記反応容器の使用を中止し、新しいまたは再生した触媒を含む代わりの反応容器を導入する。供給流の温度は、温度が125℃を超えないように制御する。比較実施例1では、反応容器への供給物の温度はエポキシ化サイクルの開始時で約38℃であり、最初は熱交換器を迂回させる。所望する変換レベルを維持するために、必要に応じて温度を徐々に上昇させる。エポキシ化サイクルの最後では、熱交換器の供給物入口温度(したがって反応器出口温度)は、それぞれの反応器で121℃である。
【0006】
米国特許第A−5,849,937号に言及されているように、一般的に、稼動中は、そうしなければ触媒の失活によって下がる所望の変換レベルを維持するために、エポキシ化反応器の列(bank)の温度を、時間が経つにつれて上昇させる。
【0007】
本発明による方法では、反応器の温度を特定の温度プロファイルに従って上昇させると、触媒をより良く使用できることが見出された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
今回、驚くべきことに、反応器の列を用いて有機ヒドロペルオキシドとアルケンからアルキレンオキシドを調製する方法で、この複数の反応器に特定の温度プロファイルを適用することによって、アルキレンオキシドに対するより高い選択性が得られることが見出された。本発明によれば、供給物の温度は、稼動中、最終反応器の出口温度が最初の反応器の出口温度より少なくとも4℃高くなるような温度であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、有機ヒドロペルオキシドとアルケンを含む供給物を、エポキシ化触媒を含む少なくとも2つの直列接続された反応器の列に通すこと、および反応生成物としてアルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流を引き出すことを含み、稼動中に最終反応器の出口温度が最初の反応器の出口温度より少なくとも4℃高くなるように供給物の温度を制御する、アルキレンオキシドを調製する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書中では、反応器は、本発明による方法で使用される全触媒量の少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも7重量%を含む場合に、反応器と見なされる。
【0011】
最初の反応器は、本発明による方法で最初に供給物と接触する反応器である。本発明による方法にかける前に供給物を1つまたは複数の反応器内で前処理できることは、当分野の技術者には明らかであろう。
【0012】
最終反応器は、アルキレンオキシドを分離して取り除く前にある、稼動中の反応器であると見なされる。稼動中の反応器での変換が十分である場合、稼動の開始点で1つまたは複数の反応器に供給物を通さないこともあり得る。1つまたは複数の反応器を稼動し始めるとき、これら反応器の温度プロファイルは、比較的迅速に本発明に従うようにさせる。この説明では、反応器を、供給物の流れの方向で記載する。
【0013】
稼動の開始は、最初の反応器内の触媒を新しい触媒と交換した時点である。多くの場合、新しい触媒が存在し、冷却能率が制限されているため、稼動開始時の温度プロファイルは稼動中の温度プロファイルと異なる。温度プロファイルが開始時のプロファイルから稼動中のプロファイルに変わる時間は、事例ごとに異なる。しかし、「稼動中」とは一般的に、触媒寿命の少なくとも1/5が経過した後、好ましくは触媒寿命の少なくとも1/4が経過した後、より具体的には触媒寿命の少なくとも1/3が経過した後である。触媒寿命とは、方法中で触媒が使用される時間である。稼動を停止した後は、一般的に触媒を再生して本発明の方法で再度使用する。
【0014】
言及したように、最初の反応器は、稼動の開始時点で新しい触媒を含んでいる。すべての反応器の触媒を同時に交換することもできるが、場合によっては、反応器列の最後の触媒を、反応器列の最初の反応器で触媒が交換される時とは異なる時期に交換することが有利である。
【0015】
本発明の方法では、稼動中、最終反応器の出口温度が最初の反応器の出口温度より少なくとも4℃高くなるように供給物の温度を制御する。好ましくは、稼動中の最終反応器の出口温度は、最初の反応器の出口温度より少なくとも8℃高い。より好ましくは、稼動中の最終反応器の出口温度は、最初の反応器の出口温度より少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも15℃高い。最も好ましくは、稼動中の最終反応器の出口温度は、最初の反応器の出口温度より少なくとも20℃高い。
【0016】
本発明の方法では、好ましくは、稼動開始時点で各反応器の平均温度が同様になるように供給物の温度を制御する。温度差が存在していてもよいが、最も高い平均温度を有する反応器と最も低い平均温度を有する反応器との平均温度の差は、好ましくは最大20℃、より好ましくは最大15℃である。より大きな平均温度差が許容される例外的な状況もあるかもしれない。平均温度とは、反応器に入る供給物の温度と反応器を出る供給物の温度の合計を、2で割ったものと定義される。
【0017】
一般的に、触媒は稼動中に失活する。したがって、触媒を含む反応器の温度を上昇させるのが常法である。今回、最終反応器の出口温度が最初の反応器の出口温度より4℃高いだけでなく、その上に、最初の反応器の平均温度が最終反応器の平均温度より時間的にゆっくりと上昇するように反応器の温度を上昇させれば、反応器の列はより高い収率を与えることが見出された。したがって、稼動中の同時点で、最初の反応器の平均温度が最終反応器の平均温度より低いことが好ましい。より好ましくは、稼動開始時と稼動中のある時点における最初の反応器の平均温度の差が、稼動中の同じ時点における最終反応器での平均温度差より小さくなるように、最初の反応器と最終反応器の平均温度を時間が経つにつれて上昇させる。
【0018】
反応器の列が少なくとも5つの反応器を含む場合は、最終反応器から2つ上流の反応器を、稼動中、最初の反応器で維持される平均温度より少なくとも5℃高い、好ましくは少なくとも10℃高い、より好ましくは少なくとも15℃高い平均温度で稼動させることが好ましい。
【0019】
平均温度は同様であっても、反応器内の温度差は大きく異なり得る。1つの反応器内の温度差は、一般的に、存在する有機ヒドロペルオキシド量など供給物の組成、反応器に入る供給物の温度、触媒の活性、反応器内に存在する触媒の量によって決まる。触媒の量は、当分野の技術者に知られている技術的および経済的な制限内で選択できることは明らかであろう。触媒の活性は、処理した供給物の量など触媒の前回の稼動、稼動している時間数、供給物の組成、触媒を稼動した温度や現在稼動している温度に、強く依存する。好ましくは、単一反応器内の温度差を決定する要素は、最初の反応器内の温度差が最終反応器内の温度差より小さくなるように維持される。好ましくは、最初の反応器内の温度差が最大9℃であるように稼動を実施する。反応器の列が少なくとも3つの反応器を含む場合、最初の反応器内の温度差が中間の1つまたは2つの反応器内の温度差より小さいことがさらに好ましい。反応器の列が少なくとも5つの反応器を含む場合、最終反応器から2つ上流の反応器内の温度差が最初の反応器内の温度差より大きくなるように稼動を実施することが好ましい。反応器の列が少なくとも5つの反応器を含む場合、最終反応器から2つ上流の反応器内の温度差は、少なくとも10℃であることが好ましい。反応器の列が少なくとも5つの反応器を含む場合、最初の反応器内および第2反応器内のそれぞれの温度差は、最大9℃であることが最も好ましい。
【0020】
触媒は通常、反応器から出てくる生成物の温度が最高温度に達したために、それ以上稼動温度を上昇させることができなくなった時に交換する。この最高温度は主に、アルキレンオキシドを分離するために生成物がそこに送られる分離手段によって決まる。通常は、この分離手段は蒸留カラムである。同じ有機ヒドロペルオキシド変換で、最終反応器の出口温度を上昇させると収率の増大が観察される。最終反応器の出口温度を125℃以上、より好ましくは130℃以上、より好ましくは135℃以上にすることが好ましい。最終反応器の出口温度がこのように高いと、それより前の反応器の温度を下げることが可能になる。これにより、触媒がその能力の最大限まで使用される。
【0021】
最終反応器と最終反応器の前の反応器との間に冷却手段が存在する場合、大部分の触媒を交換する少し前などに、最終反応器の前の反応器を最終反応器より高い平均温度で稼動することが有利になり得る。最終反応器の後の分離手段による温度制限の点から見て、反応器間に冷却手段が存在するならば、最終反応器の前の反応器の出口温度は最終反応器よりも制限されない。
【0022】
不均一エポキシ化触媒は当分野で知られている。このような触媒は、触媒活性のある金属として1つまたは複数のバナジウム、モリブデン、タングステン、チタン、ジルコニウムなど遷移金属を含むことができる。特に適切な不均一エポキシ化触媒の1クラスは、チタンベースの触媒である。このような触媒の例は、たとえば米国特許A−4,367,342号およびヨーロッパ特許A−0,345,856号に記載されている。米国特許A−4,367,342号は、少なくとも0.1重量%のチタンの酸化物または水酸化物を有する化学組成物におけるケイ素無機酸素化合物の使用を開示しており、ヨーロッパ特許A−0,345,856号は、シリカ担持チタニアの不均一触媒を開示している。ヨーロッパ特許A−0,345,856号によれば、この触媒は、シリコン化合物に気体の四塩化チタン流を吹き込み、その後焼成および加水分解ステップ、ならびに場合によってはシリル化ステップによって得ることができる。
【0023】
商用運転では、エポキシ化反応器内の平均温度は通常50〜150℃、好ましくは60〜135℃である。各反応器内の圧力は、80バールまで、好ましくは10〜60バールにすることができる。一般的に、反応媒体は液相である。
【0024】
各反応器内で必要な温度プロファイルを達成するために、一般に、2台の連続したエポキシ化反応器間に存在する冷却手段で供給物を冷却する。
【0025】
直列接続された反応器の列は、少なくとも2つの直列接続された反応器を含む。好ましくは、この列は3〜7個の反応器からなる。
【0026】
本発明による方法では、好ましくは供給物を固定した順序で列の反応器に通す。これにより、触媒が失活した程度に関わらず、最初の反応器は最初の反応器のまま、最終反応器は最終反応器のままで維持される。
【0027】
本発明による固定した順序で稼動する反応器の列に供給物を通す前に、循環的に稼動している一連の反応器に供給物の少なくとも一部を通していてもよい。使用できる好ましい一連の反応器は、不均一エポキシ化触媒粒子の床を含み、循環式に稼動し、その後、場合によっては不均一エポキシ化触媒粒子の床を含む少なくとも1つの追加のエポキシ化反応器を含み、アルキレンオキシドおよびアルコールを反応生成物として含む生成物流を最終エポキシ化反応器から連続的に引き出し、この生成物流からアルキレンオキシド最終生成物を回収する、直列接続した少なくとも2つの一連の反応器である。この方法では、(a)循環的に稼動する列の最初の反応器を、それに含まれるエポキシ化触媒の活性が望ましくないほど低いレベルにまで下がった場合、この列のさらに下流の位置、または追加のいずれか1つの反応器の直後の位置に置き、(b)この位置で、活性の下がった触媒を、列の最初の位置で触媒を使用したときの最終温度より少なくとも5℃高い温度で、その活性を所望するレベルまで復旧させるのに十分な時間、すぐ前の位置にある反応器からの排出液と接触させる。
【0028】
この好ましい一連の反応器は、PCT特許出願ヨーロッパ特許第00/08052号により詳細に記載されている。
【0029】
本発明の方法は、アルケンと有機ヒドロペルオキシドの反応に使用される。適切な有機ヒドロペルオキシドは、C〜C20の脂肪族炭化水素、C〜C20のアラルキル炭化水素、またはその混合物由来の第二級および第三級ヒドロペルオキシドである。適切な有機ヒドロペルオキシドの例には、tert−ブチルヒドロペルオキシド、第三級アミルヒドロペルオキシド、第三級オクチルヒドロペルオキシド、エチルベンゼンヒドロペルオキシド、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、ジエチルベンジルヒドロペルオキシドが含まれる。これらのうち、エチルベンゼンヒドロペルオキシドおよびtert−ブチルヒドロペルオキシドが、最も適切に適用される。
【0030】
使用するアルケンは、少なくとも1つの脂肪族炭素−炭素二重結合を有する任意の有機化合物でよい。このような化合物は通常、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−ドデセン、スチレン、メチルスチレンなど、2〜25個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を含む。しかし、最も好ましくは、プロペンをアルケンとして使用し、それによって、本発明の方法によってプロピレンオキシドが生成される。
【0031】
使用する不均一エポキシ化触媒は、アルケンと有機ヒドロペルオキシドが対応するアルキレンオキシドとアルコールになる反応を触媒するのに適した、当分野で知られている任意のそのような触媒でよい。しかし、チタンを含む触媒が好ましい。したがって、たとえば上で論じた特許明細書、米国特許A−4,367,342号およびヨーロッパ特許A−0,345,856号を適用することができる。しかし、本発明の目的には、すべてのエポキシ化反応器内で、ヨーロッパ特許A−0,345,856に開示されるシリカ担持チタニアの触媒を使用することが特に有利であることが見出された。これらの触媒を使用する場合、本発明の方法によって非常に良い結果が得られた。
【0032】
本発明による方法で使用することができるさらなる触媒は、(1)平均孔径が少なくとも10A、(2)孔径5〜200A部分が孔体積全体の少なくとも90%を占め、(3)孔比容積が少なくとも0.2cm/gチタンを含む酸化シリコン触媒であり、(4)この触媒は、[NR(式中、Rは、2〜36個の炭素を有する直鎖または分枝炭化水素基であり、RからRは、1〜6個の炭素を有するアルキル基を示す)である第四級アンモニア塩鋳型を使用し、その後鋳型を取り除くことによって得られる。この触媒は、国際公開公報A−01/5778号により詳細に記載されている。
【0033】
本発明による方法で得た生成物は、一般的に、最大4重量%、好ましくは最大2重量%、より好ましくは最大1重量%の変換されていない有機ヒドロペルオキシドを含む。最終反応器内で変換されるヒドロペルオキシドの量は非常に少ない場合があり、この場合は、最終反応器内の温度差が僅かしかないことがある。
【0034】
エポキシ化反応器への供給物の組成は、商用運転において一般的である任意の組成でよいので、本発明の方法にとって重要ではない。したがって、スチレン/プロピレンオキシドの同時生成方法の場合、エポキシ化ユニットへの供給物は、少なくともいくらかのエチルベンゼンヒドロペルオキシド、および通常は相当な量のエチルベンゼンを含む。プロペンは、別の供給流として反応器に加えるか、エポキシ化反応器(または複数の反応器)に入れる前にエチルベンゼンヒドロペルオキシドを含む供給流に加えることができる。この供給物はまた、前の酸化区間または前のエポキシ化反応器内で形成された、あるいは再循環流に含まれる、いくらかのメチルフェニルケトンおよび/または1−フェニル−エタノールを含んでもよい。正確な供給物の組成は、供給物の少なくとも一部が既にそれ以前の一連のエポキシ化反応器、好ましくは循環的に稼動している一連の反応器、好ましくはPCT特許出願のヨーロッパ特許第00/08052号に記載の一連の反応器と接触したかどうかに依存している。酸化反応器生成物のワークアップステップ(洗浄や蒸留など)を含めた前の酸化ステップの後、最初に来るエポキシ化反応器への典型的な供給流は、15〜25重量%のエチルベンゼンヒドロペルオキシド、30〜50重量%のエチルベンゼン、30〜50重量%のプロペン、0〜5重量%の1−フェニル−エタノール、0〜5重量%のメチルフェニルケトンの、合計100重量%からなる。
【0035】
MTBE/プロピレンオキシドの同時生成方法では、エポキシ化反応器への供給物は、tert−ブタノール溶媒中のtert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)を少なくともいくらか含む。スチレン/プロピレンオキシドの同時生成法の場合と同様に、プロペンは、個別の供給流として反応器に加えるか、エポキシ化反応器に入れる前にTBHP含有の供給流に加えることができる。
【0036】
本発明による方法はさらに、アルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流からアルキレンオキシドを、好ましくは蒸留によって回収することを含むことができる。
【0037】
本発明による方法はさらに、アルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流からアルコール回収し、脱水触媒を用いてアルコールを脱水し、対応するアルケンを得ることを含むことができる。
【0038】
本発明による方法はさらに、アルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流からアルコールを回収し、このアルコールをメタノールと反応させてエーテルを得ることを含むことができる。
【0039】
本発明を、以下の実施例によってさらに例示する。ただし、本発明の範囲はこれら特定の実施形態に限定されるものではない。
【0040】
(実施例)
エポキシ化触媒は、ヨーロッパ特許第A−345856号の教示による実施例に記載のようにして調製したシリカ担持チタンを含む触媒であった。
【0041】
使用した有機ヒドロペルオキシドは、エチルベンゼン中に30〜40重量%のエチルベンゼンヒドロペルオキシドを含んでいた。
【0042】
供給物中には、有機ヒドロペルオキシドのモル量に対して過剰モルのプロペンが存在していた。
【0043】
2つの高圧ポンプによってこれら供給物を最初の反応器に供給し、反応器に入れる前に混合した。反応器は、液体を満杯にして、50バールの圧力で稼動させた。本発明による反応器の列に入れる前に、PCT特許出願のヨーロッパ特許第00/08052号に記載の循環的に稼動する一連の反応器を用いて、供給物を処理した。
【0044】
この反応器の列は、1カ月以上の期間稼動させた、7台の反応器からなっていた。これらの反応器それぞれが、反応器の列に使用した全触媒量の少なくとも7重量%を含んでいた。冷却手段が存在しない反応器6と7の間を除いて、各反応器の間の冷却手段によって反応液の温度を調節する。
【0045】
反応器7の生成物は、本発明による稼動中、本発明によらない稼動中のいずれでも、実質的にエチルベンゼンヒドロペルオキシドを含まなかった。
【0046】
プロピレンオキシドの収率は、得られたプロピレンオキシドのモル量を、供給したエチルベンゼンヒドロペルオキシドのモル量で割った値に100を掛けて求めた。
【実施例1】
【0047】
反応器の温度プロファイルは、表1に記載するとおりであった(本発明によらず)。
【0048】
【表1】
Figure 2004530681
【0049】
冷却手段を用いて温度プロファイルを変えた後、表2の温度プロファイル(本発明による)が得られた。
【0050】
【表2】
Figure 2004530681
【0051】
表2に従って10時間稼動を実施した場合、この10時間の平均プロピレンオキシド収率は、温度プロファイルを表2に従ったものに切り替える前、すなわちまだ表1に従った温度プロファイルで稼動していたときの10時間の平均収率より0.7モル%高かったことが判明した。
【実施例2】
【0052】
実施例1を実施した後に表2に従って3日間反応器の列を稼動させた後、温度プロファイルを表3に従うようにさせた(本発明による)。
【0053】
【表3】
Figure 2004530681
【0054】
冷却手段を用いて、温度プロファイルを、表4に従った温度プロファイルに変えた(本発明によらず)。
【0055】
【表4】
Figure 2004530681
【0056】
表4に従った稼動を10時間実施した場合、この10時間の平均プロピレンオキシド収率は、温度プロファイルを表4に切り替える前、すなわち表3に従った温度プロファイルで稼動していたときの10時間の平均プロピレンオキシド収率より0.6モル%低かったことが判明した。
【実施例3】
【0057】
実施例2を実施した後に本発明によらずに反応器の列を4日間稼動した後、温度プロファイルを表5に従うようにさせた(本発明によらず)。
【0058】
【表5】
Figure 2004530681
【0059】
冷却手段を用いて反応器の温度プロファイルを変えた後、表6の温度プロファイル(本発明による)が得られた。
【0060】
【表6】
Figure 2004530681
【0061】
表6に従った稼動を10時間実施した場合、この10時間の平均プロピレンオキシド収率は、温度プロファイルを表6に切り替える前、すなわち表5に従った温度プロファイルで稼動していたときの10時間の平均プロピレンオキシド収率より1.2モル%高かったことが判明した。
【実施例4】
【0062】
本発明に従って反応器の列を4日間稼動した後、温度プロファイルを表7に従うようにさせた(本発明による)。
【0063】
【表7】
Figure 2004530681
【0064】
冷却手段を用いて反応器の温度プロファイルを変えた後、表8の温度プロファイル(本発明による)が得られた。
【0065】
【表8】
Figure 2004530681
【0066】
表8に従った稼動を10時間実施した場合、この10時間の平均プロピレンオキシド収率は、温度プロファイルを表8に切り替える前、すなわち表7に従った温度プロファイルで稼動していたときの10時間の平均プロピレンオキシド収率より0.3モル%低かったことが判明した。

Claims (9)

  1. 有機ヒドロペルオキシドとアルケンを含む供給物を、エポキシ化触媒を含む少なくとも2つの直列接続された反応器の列に通すこと、および反応生成物としてアルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流を引き出すことを含み、稼動中に最終反応器の出口温度が最初の反応器の出口温度より少なくとも4℃高くなるように供給物の温度を制御する、アルキレンオキシドを調製する方法。
  2. 稼動中に最初の反応器の平均温度が最終反応器の平均温度より低い請求項1に記載の方法。
  3. 最初の反応器の温度差が最終反応器の温度差より小さい請求項1または2に記載の方法。
  4. 最初の反応器での稼動開始時と稼動中のある時点における平均温度の差が、最終反応器での稼動中の同じ時点における平均温度の差より小さくなるように、最初の反応器と最終反応器の平均温度を次第に上昇させる請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 供給物を固定した順序で反応器の列に通す請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 供給物の少なくとも一部を、循環的に稼動している一連の反応器に通した後、得られた供給物を固定した順序で反応器の列に通すことを含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. アルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流からアルキレンオキシドを回収することをさらに含む請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. アルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流からアルコールを回収すること、および脱水触媒を用いてアルコールを脱水して対応するアルケンを得ることをさらに含む請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. アルキレンオキシドとアルコールを含む生成物流からアルコールを回収すること、およびこのアルコールをメタノールと反応させてエーテルを得ることをさらに含む請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
JP2002587420A 2001-05-08 2002-05-03 アルキレンオキシド(エポキシド、オキシラン)を調製する方法 Pending JP2004530681A (ja)

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