JP2004529666A - 体内腹膜透析用プロテーゼおよび腹膜透析実施法 - Google Patents
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Abstract
腹膜部内の未濃縮尿をその半透膜壁(56)を介して通過させるために患者の身体の腹部に保持されるように適合され、内部に透析液が入っている、腹部バッグ(12)を利用する連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法。腹部バッグ(12)内の未濃縮尿は、患者の腸(18)の一区域を通って送られ、腸(18)の内壁と連絡し、それによって未濃縮尿が濃縮される。次いで、濃縮された尿は、患者の身体から排泄させるために膀胱(20)に送られる。本発明の好ましいプロテーゼ(10)および方法においては、腹部バッグ(12)から患者の腸(18)の該区域への未濃縮尿の循環を支援するために、患者の通常の呼吸パターンが利用される。代替実施形態においては、透析液が、プロテーゼ(10)内に含まれている腹部バッグ(12)内に収容されるか、または直接腹膜と接触させられる。さらに、他の実施形態においては、腹部バッグが省かれ、身体の腹膜部が透析液および未濃縮尿を保持する。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的には、連続的体内腹膜透析用プロテーゼと連続的腹膜透析実施法に関する。より詳細には、本発明は、人工腎臓、より厳密に言えば、患者を透析および移植から解放する目的で人体内に移植し得る人工腎臓に関する。本発明の人工腎臓は、人体から有毒物質または他の流体を除去するために人体の正常な働き(すなわち、人の呼吸周期)を利用してプロテーゼ内で流体流を起こさせる。利尿剤を用いた治療では手に負えない浮腫症状の治療する場合、透析液は、過剰な流体、主に水を除去するために選択される高浸透圧液であり得る。
【0002】
(発明の背景)
透析技術は高度に発展した技術であり、患者の透析に関して多様な教示を与える。
腎不全患者の血液を精製するための関連透析法(例えば、血液透析)においては、汚染された血液は、患者の腕の血管から患者の体外に配置されている透析膜に送られ、そこで、血液はその不純物を透析液中に放出する。次いで、精製された血液は別の血管を通って患者の体内に送り返される。動脈血の精製および静脈還流システムの代表的な開示は、ブラウン(Brown)に付与された米国特許第3,579,441号で明らかにされている。
【0003】
この透析技術は、関連腹膜透析システムの使用も示唆している。そのシステムでは、透析液が患者の腹部に直接導入され、腹部毛細血管で血液から不純物を受容するように機能し、次いで機械的に体外に除去される。このタイプの代表的な腹膜透析システムは、米国特許第4,681,564号(ランドルノー(Landreneau))、米国特許第4,655,762号(ロジャース(Rogers))、米国特許第4,586,920号(ピーボディー(Peabody))および米国特許第4,437,856号(バリ(Valli))に開示されている。
【0004】
本出願人が知っているすべての関連技術の透析術システムは、いずれも1つ以上の欠点を有している。例えば、多くの従来技術のシステムは、患者を透析装置に連結する、例えば、「フックで留める(hooked−up )」ことを必要とする。こうすると、患者は治療中動くことができず、管理に費用がかかり、患者は感染症に罹患するリスクが高くなり、死に至ることさえある。患者は、タンパク質が、腎不全の主原因である尿毒症に関与する有毒分解産物(例えば、高窒素老廃物)を生成するために、タンパク質を制限される。治療の結果、毒性レベルのカリウムも生じ得る。さらに、腹膜が高浸透圧透析液に慢性的に接触していると、腹膜透析プロセスに干渉する痛みが強く危険な症状である、慢性腹膜炎を引き起こすことが多い。
【0005】
腹膜透析液が血流に吸収されると、透析液の体液吸い込み能力が妨げられる。したがって、腹膜透析は、生理学的に、腹腔内の透析液が血液より粘度が高いかまたは濃度が濃いことに基づく。言い換えると、透析液は、血流より高い浸透圧または化学ポテンシャルを有する。この化学ポテンシャルの差により、水分と当業者に周知の他の分子とが、腹腔を覆う腹膜の半透膜および腸間膜壁を介して腹部内に拡散する。
【0006】
さらに、従来の透析法はいずれも、連続的というよりむしろ実質的に間欠的であり、体内平衡に種々の障害をもたらすことがあった。患者は、間欠的な流体の添加および除去プロセスにより、水分過剰状態または水分不足状態になる。そのようなシステムでは、治療後数時間を越えると、適切な血液量および化学バランスを維持することができない。これらの治療は、患者のエネルギーや幸福感を徐々に奪うため、患者は慢性的に病気のように見えたり感じたりし、患者のライフスタイルや、幸せおよび寿命に深刻な悪影響を及ぼす。
【0007】
移植に関しては、その高コストと高リスクがよく知られている。患者に適合するものを見つけなければならず、それには何年もかかることがある。腎臓が見つかり、患者がまだそれを受容するのに十分なほど強健であっても、移植された腎臓が受容される保証はない。患者の免疫系は、他者から移植された腎臓を異物とみなし、この感知された侵襲と闘い、拒絶しようとする。拒絶反応抑制薬、例えば、アザチオプリン、シクロスポリンおよびステロイド薬などは、拒絶反応の抑制に役立つ。しかし、拒絶反応抑制薬には多くの副作用がある。もし拒絶反応が起これば、エピソードを取り消し得る治療が利用され得るが、これはさらなる薬剤と副作用を代償とする。腎臓移植の場合、患者の約3分の1は非常に良好な状態で過ごし、約3分の1は慢性的病気状態に留まり、約3分の1は5年以内に死亡する。
【0008】
現行システムよりコストが低く、患者に対して最小のリスクで使用することができ、患者により大きな行動の自由を与え、かつ正常に機能する腎臓と同じように連続的に尿を生成させる人工腎臓またはプロテーゼが明らかに必要とされている。したがって、連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法を提供することは有益であろう。さらに、患者の正常な呼吸パターンを利用して透析作業を実施する、操作が簡単で比較的少ない移動部品しか必要としない連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法を提供することも有益であろう。
【0009】
本出願人の知るところでは、健康な腎臓によって通常提供される機能のすべてを提供するよう体内に移植し得る人工腎臓は、本発明以前には存在していない。そのような人工腎臓が本発明の目的である。
【0010】
(発明の要旨)
本発明の上記および他の目的は、透析液を腹部バッグからその壁を介して漏出させずに未濃縮尿を腹部バッグの壁を介して受容するために人体の腹部に保持されるように適合された、透析液を入れた腹部バッグを利用する連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法によって全体的または部分的に達成される。腹部バッグは、患者の腸の一区域を通って延びる導管を介して未濃縮尿を腸の該区域に送る。患者の腸の該区域内にある導管の領域は、腸の自然の機能を利用して尿を濃縮するために導管内の未濃縮尿を腸の該区域の壁に連絡する開口部を有している。さらに、このプロテーゼは、濃縮尿を腸から膀胱に送るための連結装置も備えている。
【0011】
本発明の1つの好ましいプロテーゼでは、導管は、第1導管部と第2導管部とを有している。第1導管部は、腹部バッグを、患者の身体の胸部に配置されるように適合されたポーチに連絡している。第2導管部は、ポーチと連絡しており、患者の腸の該区域を通って延びている。第2導管部は、腸がその要求された尿濃縮機能を果たし、濃縮された尿を最終的に体外に排泄するために膀胱に送るのに十分な時間を提供するように、腸を通過する未濃縮尿の流量を制御するための開口部を有している。
【0012】
本発明の最も好ましい実施形態では、第2導管の末端部は透析バッグと連絡している。
本発明の最も好ましい実施形態では、膀胱への連結手段は、腸を膀胱に連結する右尿管を含み、この連結手段は虫垂または盲腸を通過するのが最も好ましい。
【0013】
本発明の連続的体内腹膜透析法は、内部に透析液が入っており、未濃縮尿は内部透析液中に通過させるが内部の透析液は漏出させないように適合された壁を有する腹部バッグを患者の腹膜部に設けるステップと、腹部バッグ内の未濃縮尿を、腹部バッグから、尿が濃縮される患者の腸の一区域に送るステップと、次いで、濃縮された尿を通常のようにすなわち正常に人体から排泄させるために膀胱に送るステップとを含む。
【0014】
本発明の好ましい方法によれば、腸内の濃縮されていない尿の一部は、腹部バッグに還流される。
本発明の最も好ましい方法では、未濃縮尿を腸の該区域に送るステップは、先ず、患者の胸部に配置されている胸部ポーチに未濃縮尿を送ることによって実施され、腹部バッグと胸部ポーチは可撓性である。
【0015】
このプロセスは、患者の正常な呼吸活動を利用して、未濃縮尿を腹部バッグから胸部ポーチ、次いで腸の該区域に連続的に送るのが最も好ましい。
別の好ましい実施形態では、連続的体内腹膜透析用プロテーゼは、胸部ポーチと第1および第2導管とを備えている。第1導管は、未濃縮尿および透析液を患者の身体の腹部から患者の横隔膜を通過して身体の胸部に送る。胸部ポーチは、患者の身体の胸部に保持されるように適合されており、腹部から未濃縮尿および透析液を受容するために第1導管と連絡している。第2導管は、胸部ポーチから患者の横隔膜および患者の腸の一区域を通って延びている。第2導管は、腸の該区域内で尿を濃縮するために胸部ポーチからの未濃縮尿および透析液を腸の該区域の壁に連絡させる。腸の該区域は、濃縮尿を腸の該区域から患者の膀胱に送るための出口ポートを有している。
【0016】
別の好ましい実施形態では、体内腹膜透析用腹部バッグは、半透膜壁を有し、透析液を収容するように設計されている。腹部バッグは、その半透膜壁を介して透析液を漏出させずにその壁を介して未濃縮尿を受容するために患者の身体の腹部に保持されるように適合されている。透析液は、化学ポテンシャルを利用して、半透膜壁を介して浸透圧により未濃縮尿を吸い込む。腹部バッグは、患者の腸の一区域内に延びる延長部を有している。延長部は、受容した未濃縮尿を濃縮するために腸の該区域に漏出させる半透膜壁を有している。腸の該区域は、濃縮尿を腸の該区域から患者の膀胱に送り込むための出口ポートを有している。
【0017】
本発明のさらなる適用範囲は以下の説明から明らかになるであろう。しかし、本発明はこの詳細な説明を読めば当業者には明らかになるであろうから、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示してはいるが、例示のみを目的として示されているものと理解されたい。
【0018】
(発明の詳細な説明)
添付図面を参照して本発明を説明する。図面中、同じ参照番号は同じ要素を示す。
図1を参照すると、患者の体内に挿入された代表的な連続的体内腹膜透析プロテーゼが概略的に符号10で示されている。プロテーゼ10は、患者の横隔膜14の下方の腹部にある腹部バッグ12と、患者の身体の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、患者の腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、患者の虫垂または盲腸22および遠位右尿管24を通って腸18の下流端につながる患者の膀胱20とを含んでいる。
【0019】
さらに図1を参照すると、腹部バッグ12は、内部に一方向弁28を備えた導管26を介して胸部ポーチ16に連結されている。一方向弁28は、流体(例えば、未濃縮尿)を腹部バッグ12から胸部ポーチ16まで矢印30の方向にのみ流す。
【0020】
腹部バッグ12は、半透窓34で仕切られた半透外壁56と不透外壁58とを有している。腹部バッグ12の半透外壁56と半透窓34とで区画形成された領域は、透析バッグ32である。不透外壁58は、導管26の基端部を受容する第1ポート60を有している。導管26をポート60と連絡状態にした後、腹部バッグ12の壁を導管26の周りに縫合して導管26をポート60内に保持する。
【0021】
さらに図1を参照すると、プロテーゼ10は第2導管36を有しており、第2導管36は、胸部ポーチ16に連結され、横隔膜14を通り、患者の腸18の一区域を通過して延びている。さらに、第2導管36は、未濃縮尿を胸部ポーチ16から患者の腸18の該区域まで矢印40の方向にのみ流す一方向弁38を備えている。
【0022】
図1から分るように、患者の腸18は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合された端部を有している。第2導管36の末端部46は、腸の下端を通って延び、以下にさらに詳細に説明するように、未濃縮(または部分濃縮)尿を腹部バッグ12に再循環させるために腹部バッグ12に連結されている。末端部46は、尿を患者の腸18から腹部バッグ12まで矢印49の方向にのみ流す一方向弁48を備えている。
【0023】
先に述べたように、腹部バッグ12は、外壁58が不透膜で形成され、外壁56および窓34が半透膜で形成されている。半透性の外壁56と窓34は腹部バッグ12の透析バッグ32を区画形成している。半透膜は、透析バッグ32内の透析液は腹腔部に漏出させないが腹膜部内の未濃縮尿は浸透圧によって透析バッグ32に入らせる多孔度を半透膜に与える、細孔または開口部(孔)を有している。半透窓34の多孔度も、透析バッグ32内の透析液が半透窓34を介して腹部バッグ12の導管26,36と連絡している領域に漏出するのを防ぐ。したがって、好ましい実施形態のこの例では、透析液は透析バッグ32内に収容されている。腹部バッグ12は、水性環境で機能する必要があるので、ある程度の弾性を有する合成プラスチック材料で形成するのが好ましい。しかし、透析バッグ32は、透析液分子またはミクロ構造をその壁の膨脹細孔から漏出させる程に膨脹するほど弾性であってはならない。
【0024】
透析バッグ32を透析液がその壁から漏出する程に膨脹させないためには、代替案として、半透性の外壁56と窓34の一部を、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹しても透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してもよい。したがって、半透膜が圧力下で透析液を漏出させ得る程に膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。また、不透壁58を弾性にしてもよいし、半透壁56および34を非弾性にしてもよい。
【0025】
本発明の代表的な環境下において、透析液は、化学ポテンシャルを利用して、隣接する腹膜壁および腸間膜壁を介して未濃縮尿(例えば、体液老廃物、電解質など)を吸い込む。透析液は、大型不活性分子またはミクロ構造、例えば、透析バッグから漏出し得ない巨大不活性分子の50マイクロメートル多価電解質またはL−ラセミ体などのミクロスフェアであってよい。本発明の最も広い態様に従えば、利用される特定の透析液は本発明を限定するものではないことを理解されたい。しかし、透析液の粒径は、プロテーゼ10の操作中に、透析液が透析バッグ32の半透膜壁から漏出しない程度でなければならない。
【0026】
半透膜の細孔または開口部は、未膨脹状態の約10マイクロメートルから膨脹状態の約20マイクロメートルの範囲であり、透析分子は50〜100マイクロメートルの範囲の呼称寸法を有するのが理想的である。これらの数値は例示のために開示されているに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことは勿論である。
【0027】
半透膜は、任意の適当な合成プラスチック材料、例えば、Gortex様クロス製であってよく、透析液は、当業者には周知の様々な分子またはミクロ構造から製造し得る。胸部ポーチ16、第1導管26、第2導管36、および腹部バッグ12の不透外壁58は、不活性で腹膜に刺激を与えない、シリコンプラスチック製であるのが好ましい。
【0028】
本発明の好ましい形態において、透析バッグ32は、腹部の左下四分の一区の腹膜と腸間膜壁との間に配置され、通常の腹膜透析を制御するものと同じ生理学的原理に従う浸透圧性拡散および限外濾過によって流体(未濃縮尿)を抽出する。透析バッグ32が未濃縮尿でいっぱいになると、未濃縮尿は腹部バッグ12を2分する窓34を横切る。図1に示されているように、透析液は、透析バッグ32から漏出しないので、リンパ系に吸収されたり、腹膜を刺激したりすることがない。半透膜を通過して透析バッグ32に入り、窓34を通過して出て行く未濃縮尿は、次いで、本明細書で後に説明するように、呼吸周期中の腹部および胸部における相対的圧力変化に基づく体内ポンプ機構により、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16内に送られる。導管26も胸部ポーチ16も透過性を有していないこと、すなわち、どちらも未濃縮尿を漏出させないように不透性であることを理解されたい。
【0029】
図1に示されているように、腹部バッグ12と胸部ポーチ16は、それぞれ皮下アクセス容器50および51と連絡しており、これらの容器50,51はそれぞれ患者の皮膚に密接するアクセス部分を有している。皮下アクセス容器(SAR)50,51によって、プロテーゼの有効性を測定するために尿のモニターおよびテストを行うことができる。また、皮下アクセス容器50,51によって、各患者の必要性に適合するように透析液を増減して、尿の流量や構成成分を調整することもできる。透析液は、患者の皮膚を介して皮下アクセス容器50,51内に挿入される注射器または管を用いて、容器50,51に添加したり、容器50,51から除去したりし得る。
【0030】
次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿は、第2導管36およびその一方向弁38を通過して、患者の腸18の一区域に流れる。胸部ポーチ16から第2導管36への未濃縮尿の移動は、以下にさらに詳細に説明する体内ポンプ機構により生じる。この時点では、第2導管36は腸の残りの部分から分離された腸の比較的長い区域を横切ると言えば十分であろう。右結腸と回腸を含むように好ましくは選択される該区域は、腸内の水分の90%、言い換えれば、1日当たり10〜20リットルの水分を再吸収することができる。
【0031】
腸18を通過する未濃縮尿の移動は、本発明の固有の特徴である。未濃縮尿を患者の腸18の該区域に送る第2導管36は、導管36内の未濃縮尿を腸18内に移動させるための、一連の比較的大きな、例えば、2分の1cmの孔(または開口部)54を有しており、そこで腸18は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。腸は、大きな分子や、標準的な分泌老廃物および他の毒物、または標準的なタンパク質でさえ吸収しないであろう。空腸は、胃腸管の完全性を回復させるために横行結腸に吻合されており、したがって、患者の腸18の該区域は分離されてはいるが、その血液供給は本発明で機能させ得るように元のままに保たれていることに留意されたい。
【0032】
濃縮尿の一部は、正常機能に基づいて濃縮尿を適切に排泄する膀胱20に向かう一方向蠕動を有する虫垂22を横切るであろう。残りの尿は再循環および再洗浄のために導管36の末端部46を通って腹部バッグ12に戻される。導管36のこの末端部46は、そこから尿を漏出させないように不透性である。
【0033】
この好ましい実施形態のこの代表的なプロテーゼでは、腹腔内に自由透析液は存在せず、透析液は透析液バッグ32内に保持されていることに留意することが重要である。このようなシステムにおいてのみ、強力な再吸収が存在することが安全かつ有利である。
【0034】
実際、従来技術の腹膜透析においては、透析液および未濃縮尿の再吸収は2つの理由で重大な問題を引き起こすことに留意されたい。第1に、そのような再吸収が、この過剰流体の廃棄というプロセスそのものに干渉することである。第2に、透析液が再吸収されるどの系でも2つの他の問題が生じること、すなわち、第1に、拡散および限外濾過の全プロセスに必要な浸透圧の差そのものに干渉すること、第2に、透析液分子が標準的な透析に用いられる糖、塩またはアルブミンに対して不活性であっても、糖、塩またはアルブミンがそれぞれリンパ系で再吸収されると、それ自身の特殊な問題を引き起こし、それがコロイド浸透圧に関して大きな問題を生じさせることである。
【0035】
したがって、この好ましい実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法は、透析液自体が常時腹腔およびリンパ管吸収から分離されているので、極めて有利であることを強調しておく。本発明において、部分濃縮尿の一部が再循環されることも有利である。特に、部分濃縮尿の再循環により、尿から高窒素老廃物がさらに洗浄されるが、これは、正常に機能する腎臓の尿生成時に起こるものと全く同じことである。
【0036】
さらに、正常な腎機能と同じように、血清浸透圧が低ければ低いほど(患者が流体を消費すればするほど)、本発明の腹膜システムが良好に機能することにも留意されたい。特に、本発明に利用される透析バッグ32内の浸透圧と血液(血清浸透圧)との差が大きければ大きいほど、生成される尿も多くなる。したがって、ただ水分摂取量が多くなるだけで本発明のプロテーゼの性能が向上するので、本発明のプロテーゼを利用する患者は、他の透析患者と違って、飲みたいだけ水を飲むことができる。これは、本発明の重要な利点である。
【0037】
先に述べたように、未濃縮尿が患者の腸18の該区域内で濃縮尿に変わると、濃縮尿の大部分は、適切な場合には虫垂または盲腸22に結合される遠位右尿管24に出て行くであろうが、この濃縮尿が、膀胱20に入って、正常な機能を有するヒト患者におけるように間欠的に排泄されるであろうことは勿論である。
【0038】
このプロセスは、連続的であり、かつ血液構成成分の量および濃度の突然の変化を防ぐことに留意されたい。本発明のプロテーゼの連続操作は、開示されているシステムの体内ポンプ作用に基づいている。この体内ポンプ作用は、本出願人の米国特許第5,813,410号に開示されている体内ポンプおよびシステムの変形形態である。この特許はその全文が本明細書に文献援用される。
【0039】
しかし、説明すると、流体は、体内操作ポンプによって本発明のプロテーゼ10を通って循環され、例えば、腹部バッグ12および胸部ポーチ16が、患者の呼吸パターンに従ってプロテーゼを通って流体を流動させるように操作されるポンプとしての役割を果たす。特に、プロテーゼ10内の流体流は、人の横隔膜14の正常な機能と、人が呼吸しているときに人の身体の胸腔と腹腔の間に存在する正常な内圧関係とを利用して生成される。特に、吸息(吸気)時には、胸腔と腹腔とを分離する横隔膜は下方に押し下げられ、それによって、胸腔容積が増大し、対応して胸腔内圧が低下する。逆に、腹腔容積は減少し、腹腔内圧が増大する。この作用によって、流体は、腹腔内に配置された腹部バッグ12から導管26を通って胸腔内の胸部ポーチ16内に押し流される。腹部バッグ12から胸部ポーチ16に至る流れは、導管26内に一方向弁28が配置されているために、導管26を通る矢印30の方向にのみの流れに制限される。
【0040】
呼息(呼気)時には、横隔膜の動作は逆になる。すなわち、横隔膜は押し上げられ、それによって、胸腔容積が減少し、対応して胸腔内圧が増大する。逆に、吸息時には、腹腔容積は増大し、腹腔内圧は低下する。この作用により、流体は、胸腔内、好ましくはその肋骨横隔膜溝内に配置される胸部ポーチ16から、導管36に、さらに、膀胱20に送るかまたは腹部バッグ12内に戻すために患者の腸18の該区域内に、押し流される。胸部ポーチ16から腸18の該区域に向かう流体流は、第2導管36に一方向弁38が備えられているために、矢印40の方向のみの流れに制限される。同様に、腸18の該区域から腹部バッグ12への流体流も、一方向弁48が備えられているために、矢印49の方向のみの流れに制限される。
【0041】
上記から分るように、操作時に、透析バッグ32内に送り込まれる未濃縮尿は、説明したように、患者の呼吸周期に従って、プロテーゼ10を通って連続的に移動する。次いで、第2導管36を通って腸18の該区域に送られた未濃縮尿は、膀胱20から最終的に除去するために尿を濃縮する腸区域で処理される。
【0042】
必要または所望なら、患者の呼吸周期によりもたらされるポンプ作用を、別の装置、例えば、流体循環ループと流体連絡する患者の体内に移植された機械的もしくは電気的ポンプで強化してもよいし、呼吸周期の代りにそのような装置を用いてもよい。
【0043】
図2を参照すると、本発明の第2の好ましい実施形態による、患者の体内に挿入された代表的な連続的体内腹膜透析プロテーゼが62で示されている。このプロテーゼ62は、図1に示されている上述のプロテーゼ10と同様である。図2に示されているように、プロテーゼ62は、患者の横隔膜14の下方の腹部にある腹部バッグ64と、患者の身体の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、患者の腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、患者の虫垂または盲腸22および遠位右尿管24を介して腸18の下流端につながる患者の膀胱20とを含んでいる。腹部バッグ64は、内部に一方向弁28を備えた導管26を介して胸部ポーチ16に連結している。一方向弁28は、流体を腹部バッグ64から胸部ポーチ16まで矢印30の方向にのみ流す。
【0044】
プロテーゼ62は、基端部68と末端部46とを有する第2導管36を備えている。この第2導管36は、その基端部68を介して胸部ポーチ16に連結されており、横隔膜14を通過して、患者の腸18の一区域を通って延びている。第2導管は、その基端部68に、未濃縮尿を胸部ポーチ16から患者の腸18の該区域まで矢印40の方向にのみ流す一方向弁38を備えている。第2導管36の末端部46は、腸18の下端を通過して延び、未濃縮(または部分濃縮)尿流を腹部バッグ64に再循環させるために腹部バッグ64に連結されている。末端部46は、未濃縮尿を患者の腸18から腹部バッグ64まで矢印49の方向にのみ流す一方向弁48を備えている。患者の腸18は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合されている。
【0045】
上述のように、図2に示されているプロテーゼ62は、図1に示されているプロテーゼ10と同じように構成されている。しかし、この実施形態では、透析液は透析バッグ内にだけ収容されているのではない。実際には、腹部バッグ64は窓を有していない、すなわち透析バッグと窓を共有していない。図2では、腹部バッグ64と、胸部ポーチ16と、導管26,36とが透析液用密閉系を構成しており、透析液をプロテーゼ62内では循環させるが、透析液がプロテーゼ62から漏出しないようにしている。
【0046】
腹部バッグ64は、一般に、その内部の透析液を腹膜部に漏出させないが、腹膜部内の未濃縮尿は浸透圧により腹部バッグ64に入らせる多孔度を有する半透膜で形成される。腹部バッグ64は、水性環境で機能する必要があるので、ある程度の弾性を有する合成プラスチック材料(例えば、Gortex様クロス)で形成するのが好ましい。しかし、腹部バッグ64は、その壁の膨脹細孔から透析液分子またはミクロ構造を漏出させる程に膨脹するほど弾性であってはならない。
【0047】
腹部バッグ64は、図1に示されている腹部バッグ12と同様ではあっても、壁34がない。その代わりに、図1の腹部バッグ12と同様に、腹部バッグ64の壁の一部は、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹したときでも透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してもよく、したがって、半透膜が圧力下で透析液を漏出させ得る程に膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。
【0048】
先に述べたように、患者の腸18の該区域は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合され、それによって、導管36の中央部66を封入している。この中央部66は、第2導管36の中央部内の未濃縮尿を腸18内に移動させるように半透壁を有しており、そこで腸は、水分、電解質および小分子を再吸収して、濃縮尿を生成する機能を果たす。しかし、半透壁は、透析液を腸に移動させないので、透析液はプロテーゼ62内に保持される。導管26も、胸部ポーチ16も、導管36の基端部68も、全く透過性を有していない、すなわち、未濃縮尿または透析液を漏出させないように不透性であることを理解されたい。
【0049】
図2に示されているように、半透膜を介して腹部バッグ64に入る未濃縮尿と、透析液は、上述の体内ポンプ機構により、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16に送られる。次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿と透析液は、第2導管36およびその一方向弁38を通過して患者の腸18の一区域に送られる。胸部ポーチ16から第2導管36への未濃縮尿と透析液の移動は、上述の体内ポンプ機構により生じる。上述のように、未濃縮尿と透析液を患者の腸18の該区域に送り込む第2導管36の中央部66は、導管36内の未濃縮尿を腸に移動させるように半透膜で形成されており、そこで腸は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。しかし、半透膜は透析液を第2導管36から漏出させない。
【0050】
図1に示されているプロテーゼと同じように、図2の濃縮尿の一部は、正常な機能に基づいて濃縮尿を適切に排泄する膀胱20に向かって一方向蠕動を有する虫垂を横切るであろう。残りの尿(未濃縮および部分濃縮尿)は、循環および再洗浄のために、透析液と共に導管36の末端部46を通って腹部バッグ64に戻される。導管36の末端部46は、そこから尿や透析液を漏出させないように不透性であるのが好ましい。
【0051】
通常、慢性腹膜透析においては、透析液はカテーテルを介して腹腔内に直接導入され、尿を吸い込んだ後で取り出される。腹腔内に透析液を導入すると、慢性腹膜透析法に関する問題が生じる。透析によって起こる腹膜の刺激や慢性肥厚は拡散および限外濾過不良を招く。さらに、腹腔内の透析液は、血流に関する問題(例えば、高張糖、高張塩、高窒素老廃物の増加、ならびに種々の酵素系、抗原抗体反応、D−Cなどを害する出血および凝固疾患を含めた血流問題)を引き起こすことがある。
【0052】
図1および図2に示されている上述の本発明の実施形態は、透析液が半透膜から漏出しないので、上記のような問題がない。しかし、以下に説明する本発明の実施形態は、透析液を腹膜と直接接触させる。以下に説明する連続的体内腹膜透析プロテーゼは、リンパ系によっては吸収されない透析液を使用するときや、毒性をもたらさない透析液を最少にしか吸収しない場合には、極めて有用なものである。
【0053】
図3を参照すると、患者の体内に挿入された代表的な連続的体内腹膜透析プロテーゼが概略的に符号70で示されている。プロテーゼ70は、患者の横隔膜14の下方の腹部にある腹部バッグ64と、患者の身体の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、腹部バッグ64と胸部ポーチ16とを連結する導管26,36と、腸18内に封入された半透膜72とを含んでいる。腹部バッグ64と、胸部ポーチ16と、腸18と、導管26,36は、図2に示されている同じ要素と同様である。しかし、導管26,36は、以下に説明するように、尿および透析液を通過させる一連の比較的大きな(例えば、2分の1cmの)孔54を有している。
【0054】
腹部バッグ64は、図1に示されている腹部バッグ12と同様であっても、壁34がない。その代わりに、図1の腹部バッグ12と同様に、腹部バッグ64の壁の一部は、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹したときでも透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してもよく、したがって、半透膜が圧力下に透析液を漏出させ得る程に膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。
【0055】
図3で分るように、患者の腸18の該区域は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合されている。半透膜72は、腸18内の第2導管36の周りに延び、膜72の入口42および膜72の出口76で第2導管36に取り付けられている。半透膜72は、ある程度の弾性を有し、透析液は漏出させないが未濃縮尿は漏出させる多孔度を有する合成プラスチック材料であるのが好ましい。
【0056】
この実施形態では、透析液も未濃縮尿も腹膜部に存在する。腹部バッグ64は、第1導管26の比較的大きな孔54を介して未濃縮尿および透析液を受容する。さらに、腹部バッグ64は、その壁の複数の半透膜製部分からも未濃縮尿を受容する。
【0057】
腹部バッグ64に入った未濃縮尿および透析液は、上述の体内ポンプ機構により、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16内に送り込まれる。さらに、未濃縮尿と透析液は、腹膜から比較的大きな孔54を通って第1導管26内に流れ、胸部ポーチ16に送られる。次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿と透析液は、第2導管36およびその一方向弁38を通過して患者の腸18の一区域に流れる。胸部ポーチ16から第2導管36への未濃縮尿と透析液の移動は、ポンプで支援または補助し得る上述の体内ポンプ機構により生じる。上述のように、未濃縮尿と透析液を患者の腸18の該区域に送り込む第2導管36は、内部の未濃縮尿と透析液を導管36から漏出させるように一連の比較的大きな孔54を有している。腸18内の半透膜72は、透析液が第2導管36の孔54を通って腸18内に漏出するのは防ぐが、未濃縮尿は腸18に透過させる多孔度を有しており、そこで腸18は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。
【0058】
先に述べたように、未濃縮尿が患者の腸18の該区域内で濃縮尿に変わると、濃縮尿の大部分は、適切な場合には虫垂または盲腸に取り付けられ得る遠位右尿管24に出て行くであろう。次いで、濃縮尿は膀胱20に流れ込み、正常に機能するヒト患者におけるように間欠的に排泄されるであろう。透析液および戻り尿は、再循環および再洗浄のために導管36の末端部46を通って腹部バッグ64に戻される。導管36のこの末端部46と、導管26,36の横隔膜14の上方にある部分は、そこから尿または透析液を漏出させないように不透性である。
【0059】
図4は、透析液が腹膜と直接接触している本発明のさらに別の実施形態である。図4を参照すると、患者の体内に挿入された代表的な連続的体内腹膜透析プロテーゼが概略的に符号80で示されており、このプロテーゼ80は図1に示されているプロテーゼと同様である。プロテーゼ80は、患者の横隔膜14の下方の腹部にある腹部バッグ82と、患者の身体の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、患者の腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、患者の虫垂または盲腸22および遠位右尿管24を介して腸18の下流端につながる膀胱20とを含んでいる。
【0060】
腹部バッグ82は、半透窓86で仕切られた半透外壁56と不透外壁58とを有している。腹部バッグ82の半透外壁56と半透窓86とで区画形成された領域は、透析バッグ84である。半透性の外壁56と窓86は先に詳細に説明したように半透膜で形成されている。図4に示されている腹部バッグ82、透析バッグ84、胸部ポーチ16、第1導管26、腸18および第2導管36は、図1に示されている腹部バッグ12、透析バッグ32、胸部ポーチ16、第1導管26、腸18および第2導管36と実質的に同様である。しかし、不透材料で形成され、腹部バッグ12に連結されている第2導管36の末端部46(図1)の代わりに、図4の末端部46は、一連の比較的大きな(例えば、2分の1cmの)孔54を有しており、透析バッグ84の半透外壁56に連結されている。
【0061】
末端部46は、腹膜内の未濃縮尿と透析液を、導管36、次いで透析バッグ84内に移動させるように孔54を有している。透析液は、導管36の末端部46および透析バッグ84内に収容されており、プロテーゼ80の残りの部分には漏出しない。一方向弁48は、腸18内の第2導管36から出て行く未濃縮尿および部分濃縮尿を透析バッグ84方向には流すが、透析液を含む流体を末端部46から腸18内の第2導管36には入らせない。
【0062】
図4において、未濃縮尿は、腹部バッグ82から、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16に流れる。次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿は、横隔膜14および第2導管内の一方向弁38を通過して、患者の腸18に流れる。プロテーゼ10を通る尿の移動は、先に詳細に説明した体内ポンプ機構によって生じる。
【0063】
図1の説明に際して先に述べたように、未濃縮尿を患者の腸18の該区域内に送り込む図4の第2導管36は、一連の比較的大きな孔54を有している。孔54は、導管36内の未濃縮尿を腸18内に移動させ、そこで腸18は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。濃縮尿の一部は、その正常機能に基づいて濃縮尿を適切に排泄する膀胱20に向かって一方向蠕動を有する虫垂22を横切るであろう。残りの尿は、再循環および再洗浄のために(残りの尿が腹膜からの未濃縮尿および透析液と混合される)導管36の末端部46を通って腹部バッグ12に戻される。
【0064】
透析液バッグ84が透析液を壁から漏出させる程に膨脹するのを防ぐために、半透外壁56および半透窓86の一部を、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹しても透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してよい。したがって、半透膜が圧力下で透析液を漏出させ得るほどまで膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。また、不透壁58を弾性にしてもよいし、半透性の壁56および窓86を非弾性にしてもよい。
【0065】
図1〜図4に示されている実施形態では、導管26,36は互いに間隔が離れ、横隔膜14内の別個の通路を通って延びる別個の導管として示されているが、好ましい構造では、導管26,36は、相互接続され、横隔膜14内の単一開口部のみを通過するものと理解されたい。間隔が離れた導管26,36の配置は、明確にするために図面に示されているものである。
【0066】
図1〜図4に示されている具体化されたプロテーゼのすべての操作は、連続的であり、かつ開示されているシステムの体内ポンプ作用に基づいているのが好ましい。この体内ポンプ作用は、図1に関連して説明されており、当業者には容易に理解されるであろうように、図2〜図4に示されている他の代表的実施形態の操作においても実質的に同様である。記載されている体内ポンプ作用は、本出願人の米国特許第5,813,410号に開示されている体内ポンプおよびシステムの変形形態であり、この特許はその全文が本明細書に文献援用される。さらに、すべての代表的実施形態に関して、患者の呼吸周期によって与えられるポンプ作用は、別の装置(例えば、人体内に移植されて循環流体ループと流体連絡する機械的または電気的ポンプ)で強化してもよいし、呼吸周期の代わりにそのような装置を用いてもよい。
【0067】
図5を参照すると、人体内に挿入された他の好ましい代表的な連続的腹膜透析プロテーゼが概略的に符号100で示されている。プロテーゼ100は、患者の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、胸部ポーチ16と腹部を連絡する導管26,36と、腸18内に封入された半透膜72とを含んでいる。胸部ポーチ16、腸18、導管26,36は、図3に示されている同様な要素と同様である。しかし、この実施形態は、図3に開示されている腹部バッグを有していないので、図3に示されている実施形態と異なっている。
【0068】
図5で分るように、患者の腸18の該区域は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合されている。半透膜72は、腸18内の第2導管36の周りに延び、膜72の入口74と膜72の出口76で第2導管36に取り付けられている。半透膜72は、ある程度の弾性を有し、半透膜から透析液は漏出させないが未濃縮尿は漏出させる多孔度を有する合成プラスチック材料であるのが好ましい。導管26,36は、後で説明するように、尿および透析液を通過させる一連の比較的大きな(例えば、約2分の1cmの)孔54を有している。
【0069】
この実施形態では、透析液も未濃縮尿も腹膜部に存在する。第1導管は、その比較的大きな孔54および末端開口部102を介して未濃縮尿および透析液を受容する。未濃縮尿および透析液は、上述の体内ポンプ機構によって、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16内に送られる。次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿と透析液は、第2導管36およびその一方向弁38を通り、患者の腸18の一区域に流れる。胸部ポーチ16から第2導管36への未濃縮尿および透析液の移動は上述の体内ポンプ機構により生じ、この作用はポンプで支援または補助される。特に、胸部ポーチ16は、患者の呼吸パターンに従って未濃縮尿および透析液をプロテーゼ10を通って循環させるポンプとしての役割を果たす。
【0070】
プロテーゼ100は、本発明の他の実施形態で開示されている腹部バッグを有しておらず、通常、透析液および未濃縮尿を保持するための「バッグ」領域として腹膜部を利用する。したがって、図3および図4に示されているプロテーゼと同様に、プロテーゼ100は、リンパ系によっては吸収されない透析液を使用するときや、毒性をもたらさない透析液(例えば、吸収性アルブミン)を最少にしか吸収しない場合には、最も有益である。透析液は分離された腹部バッグ内に収容されていないので、腹膜部内に十分な量の透析液が確実に保持されるように透析液をプロテーゼに(数日おきに約1リットル)添加するのが好ましい。
【0071】
未濃縮尿と透析液が、これらの流体が腹部バッグおよび胸部ポーチを共に有する上記実施形態を通過するのと同じくらい効率的にはプロテーゼ100を通過しないことは、明らかであろう。腹部バッグが無いと、プロテーゼは閉鎖ループを構成せず、上述のように、腹部バッグの助けなしにプロテーゼを通って流体を流すために胸部ポーチによって決まる。したがって、この実施形態は、極く部分的な腎不全を有する患者に、より適しているであろう。
【0072】
上述のように、未濃縮尿および透析液を患者の腸18の一区域に送り込む第2導管36は、第2導管36内の未濃縮尿および透析液をそこから漏出させる一連の比較的大きな孔54を有している。腸内にある半透膜72は、第2導管36の孔54から漏出する透析液を腸18内には漏出させないが、未濃縮尿は腸18内に透過させる多孔度を有しており、そこで腸は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。
【0073】
さらに図5を参照すると、第2導管36内にある比較的大きな孔54と、腸18内にある半透膜72との代わりに、腸18内の導管36は、図2に示されている導管36の中央部66の様に構成し得ることに留意されたい。すなわち、図5において、腸18内の導管36は半透膜で形成し得る。
【0074】
先に述べたように、患者の腸18の該区域内で未濃縮尿が濃縮尿に変えられると、濃縮尿の大部分は、適切な場合には虫垂または盲腸22に取り付けられ得る遠位右尿管24に出て行くであろう。次いで、濃縮尿は、膀胱20内に流れ込み、正常に機能する人間におけるように、間欠的に排泄されるであろう。透析液および戻り尿は、導管36の末端部46を通って腹部に戻される。第2導管36の末端部46は、適切な時間に腸にそこを通過する未濃縮尿から水分を吸収させるが、未濃縮または部分濃縮尿流をリンパ管に再吸収させかつシステム全体を通って再循環させるために腹腔内に戻すように腹腔内への流体流を制御するために、極めて小さい直径を有するか、または中圧一方向弁48を内部に設けるのが好ましい。
【0075】
胸部ポーチ16は、患者の皮膚に密接するアクセス部分を有する皮下アクセス容器50と連絡しているのが好ましいことに留意されたい。皮下アクセス容器50によって、プロテーゼの有効性を測定するために尿のモニターおよびテストを行うことができる。また、容器50によって、各患者の必要性に適合するように透析液を増減して、尿の流量や構成成分を調整することもできる。透析液は、患者の皮膚を介して皮下アクセス容器50内に挿入される注射器または管を用いて、容器50に添加したり、容器50から除去したりし得る。
【0076】
図6を参照すると、本発明のさらに別の好ましい実施形態による、患者の体内に挿入された代表的な体内腹膜透析プロテーゼが符号110で示されている。図6に示されているように、プロテーゼ110は、患者の横隔膜の下方の腹部に配置されている腹部バッグ112を備えている。腹部バッグ112は、患者の腸18の一区域内に延びる延長部を有している。
【0077】
腹部バッグ112は、上述の腹部バッグと同様のものであってよい。例えば、腹部バッグは透析液を収容するように設計される。このバッグ112は、一般に、内部の透析液を腹膜部には漏出させないが、腹膜部内の未濃縮尿は浸透圧により腹部バッグ112に入らせる多孔度を有する半透膜で形成される。腹部バッグ112は、水性環境で機能する必要があるので、ある程度の弾性を有する合成プラスチック材料(例えば、Gortex様クロス)で形成するのが好ましい。しかし、腹部バッグ112は、その壁の膨脹細孔から透析液分子またはミクロ構造を漏出させる程に膨脹するほど弾性であってはならない。
【0078】
上述の腹部バッグと同様に、代わり、腹部バッグ112の壁の一部は、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹したときでも透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してもよい。したがって、半透膜が圧力下で透析液を漏出させ得る程に膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。
【0079】
さらに図6を参照すると、患者の腸18の一区域は腹部バッグ112に縫合され、それによって、腸内のバッグの延長部114を封入している。この延長部は、未濃縮尿は浸透圧により腹部バッグ112内に吸込ませて腸18内に移動させるように半透膜を有しており、そこで腸は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。しかし、半透膜壁は透析液を腸内に移動させないので、透析液は腹部バッグ112内に保持される。
【0080】
腹部バッグ112は、患者の皮膚に密接するアクセス部分を有する皮下アクセス容器51と連絡しているのが好ましい。皮下アクセス容器(SAR)51によって、プロテーゼの有効性を測定するために透析液および尿のモニターおよびテストを行うことができる。SAR51により、各患者の必要性に適合するように透析液を増減して、尿の流量や構成成分を調整することができる。透析液は、患者の皮膚を介して皮下アクセス容器内に挿入される注射器または管を用いて、SAR51に添加したり、SAR51から除去したりし得る。
【0081】
上述した本発明の他の実施形態とは異なり、プロテーゼ110は、未濃縮尿と透析液を連続的に混合したり循環させたりするための導管を備えていない。この点に関して、プロテーゼ110は、呼吸ポンプを利用しないため、他の好ましい実施形態ほどには効率的ではないと思われることに留意されたい。したがって、このプロテーゼは、軽度の腎不全を有する患者に、より適している。この実施形態の別の考えられる欠点は、腹部バッグ112で、透析液の層化および滞留が起こり、患者を感染症により罹り易くする未濃縮尿が受容され得ることである。言い換えれば、上述の実施形態のプロテーゼによって提供される混合および循環は、透析効率を向上させ、プロテーゼ内の流体の層化および滞留を妨げる。この実施形態では、患者が胴体を頻繁に動かすか、または胴体の角度配向(例えば、垂直、水平)を変えて、腹部バッグ112内の流体を引力の支配下に流動させれば、起り得る流体の層化および滞留が最小限になるであろう。しかし、このプロテーゼが上記の他の実施形態に勝る1つの利点は、このプロテーゼ110は、用いる要素が少なく、操作が簡単なことである。さらに、このプロテーゼ110は、体内に挿入される要素が少ないために、他の好ましい実施形態のプロテーゼよりも、プロテーゼ移植手術中の患者に対する負担が少ない。
【0082】
上記の説明および添付図面から、本願の概念が、本明細書に開示されているものを含めた多様な好ましい実施形態に容易に適用され得ることは明らかであろう。例えば、図3の場合、第2導管36の末端部46に、腹膜内の未濃縮尿および透析液を導管36および腹部バッグ64内に流入させる比較的大きな孔を設けてもよい。同様に、図2の場合、第2導管36の中央部66は半透壁を有しているが、図3の腸18に示されているように、比較的大きな孔54を設けてもよい。同様に、図3の第2導管36にある比較的大きな孔54および腸18内の半透膜72の代わりに、腸18内の導管36は、図2に示されている導管36の中央部66のように構成することもできる。すなわち、図3の場合、腸18内の導管36を半透膜で形成してもよい。さらに、図4の場合、第2導管の末端部と透析バッグ84とを連結する代わりに、流体の一部を腹膜に戻すために末端部を腹腔内に伸ばしてそこで終端させてもよい。この例では、導管36の末端部46は、適当な時間に腸を通過する未濃縮尿から腸に水分を吸収させるが、未濃縮または部分濃縮尿流をリンパ管に再吸収させかつシステム全体を通って再循環させるために腹腔内に戻すように腹腔内への流体流を制御するために、小直径を有するか、または中圧一方向弁48を内部に設けるのが望ましい。さらに、尿管24を腸18に直接つないで、虫垂22をバイパスしてもよい。この好ましい実施形態では、虫垂22は利用されないであろう。
【0083】
これ以上詳述しなくても、上記説明は本発明を十分に説明しているであろうから、現在または将来の知識を用いることにより、他者は種々の使用条件下での使用に合わせて本発明を容易に適合させ得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の好ましい実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図2】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の別の好ましい実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図3】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の第3実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図4】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の第4実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図5】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の第5実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図6】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の第6実施形態の体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
(発明の分野)
本発明は、一般的には、連続的体内腹膜透析用プロテーゼと連続的腹膜透析実施法に関する。より詳細には、本発明は、人工腎臓、より厳密に言えば、患者を透析および移植から解放する目的で人体内に移植し得る人工腎臓に関する。本発明の人工腎臓は、人体から有毒物質または他の流体を除去するために人体の正常な働き(すなわち、人の呼吸周期)を利用してプロテーゼ内で流体流を起こさせる。利尿剤を用いた治療では手に負えない浮腫症状の治療する場合、透析液は、過剰な流体、主に水を除去するために選択される高浸透圧液であり得る。
【0002】
(発明の背景)
透析技術は高度に発展した技術であり、患者の透析に関して多様な教示を与える。
腎不全患者の血液を精製するための関連透析法(例えば、血液透析)においては、汚染された血液は、患者の腕の血管から患者の体外に配置されている透析膜に送られ、そこで、血液はその不純物を透析液中に放出する。次いで、精製された血液は別の血管を通って患者の体内に送り返される。動脈血の精製および静脈還流システムの代表的な開示は、ブラウン(Brown)に付与された米国特許第3,579,441号で明らかにされている。
【0003】
この透析技術は、関連腹膜透析システムの使用も示唆している。そのシステムでは、透析液が患者の腹部に直接導入され、腹部毛細血管で血液から不純物を受容するように機能し、次いで機械的に体外に除去される。このタイプの代表的な腹膜透析システムは、米国特許第4,681,564号(ランドルノー(Landreneau))、米国特許第4,655,762号(ロジャース(Rogers))、米国特許第4,586,920号(ピーボディー(Peabody))および米国特許第4,437,856号(バリ(Valli))に開示されている。
【0004】
本出願人が知っているすべての関連技術の透析術システムは、いずれも1つ以上の欠点を有している。例えば、多くの従来技術のシステムは、患者を透析装置に連結する、例えば、「フックで留める(hooked−up )」ことを必要とする。こうすると、患者は治療中動くことができず、管理に費用がかかり、患者は感染症に罹患するリスクが高くなり、死に至ることさえある。患者は、タンパク質が、腎不全の主原因である尿毒症に関与する有毒分解産物(例えば、高窒素老廃物)を生成するために、タンパク質を制限される。治療の結果、毒性レベルのカリウムも生じ得る。さらに、腹膜が高浸透圧透析液に慢性的に接触していると、腹膜透析プロセスに干渉する痛みが強く危険な症状である、慢性腹膜炎を引き起こすことが多い。
【0005】
腹膜透析液が血流に吸収されると、透析液の体液吸い込み能力が妨げられる。したがって、腹膜透析は、生理学的に、腹腔内の透析液が血液より粘度が高いかまたは濃度が濃いことに基づく。言い換えると、透析液は、血流より高い浸透圧または化学ポテンシャルを有する。この化学ポテンシャルの差により、水分と当業者に周知の他の分子とが、腹腔を覆う腹膜の半透膜および腸間膜壁を介して腹部内に拡散する。
【0006】
さらに、従来の透析法はいずれも、連続的というよりむしろ実質的に間欠的であり、体内平衡に種々の障害をもたらすことがあった。患者は、間欠的な流体の添加および除去プロセスにより、水分過剰状態または水分不足状態になる。そのようなシステムでは、治療後数時間を越えると、適切な血液量および化学バランスを維持することができない。これらの治療は、患者のエネルギーや幸福感を徐々に奪うため、患者は慢性的に病気のように見えたり感じたりし、患者のライフスタイルや、幸せおよび寿命に深刻な悪影響を及ぼす。
【0007】
移植に関しては、その高コストと高リスクがよく知られている。患者に適合するものを見つけなければならず、それには何年もかかることがある。腎臓が見つかり、患者がまだそれを受容するのに十分なほど強健であっても、移植された腎臓が受容される保証はない。患者の免疫系は、他者から移植された腎臓を異物とみなし、この感知された侵襲と闘い、拒絶しようとする。拒絶反応抑制薬、例えば、アザチオプリン、シクロスポリンおよびステロイド薬などは、拒絶反応の抑制に役立つ。しかし、拒絶反応抑制薬には多くの副作用がある。もし拒絶反応が起これば、エピソードを取り消し得る治療が利用され得るが、これはさらなる薬剤と副作用を代償とする。腎臓移植の場合、患者の約3分の1は非常に良好な状態で過ごし、約3分の1は慢性的病気状態に留まり、約3分の1は5年以内に死亡する。
【0008】
現行システムよりコストが低く、患者に対して最小のリスクで使用することができ、患者により大きな行動の自由を与え、かつ正常に機能する腎臓と同じように連続的に尿を生成させる人工腎臓またはプロテーゼが明らかに必要とされている。したがって、連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法を提供することは有益であろう。さらに、患者の正常な呼吸パターンを利用して透析作業を実施する、操作が簡単で比較的少ない移動部品しか必要としない連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法を提供することも有益であろう。
【0009】
本出願人の知るところでは、健康な腎臓によって通常提供される機能のすべてを提供するよう体内に移植し得る人工腎臓は、本発明以前には存在していない。そのような人工腎臓が本発明の目的である。
【0010】
(発明の要旨)
本発明の上記および他の目的は、透析液を腹部バッグからその壁を介して漏出させずに未濃縮尿を腹部バッグの壁を介して受容するために人体の腹部に保持されるように適合された、透析液を入れた腹部バッグを利用する連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法によって全体的または部分的に達成される。腹部バッグは、患者の腸の一区域を通って延びる導管を介して未濃縮尿を腸の該区域に送る。患者の腸の該区域内にある導管の領域は、腸の自然の機能を利用して尿を濃縮するために導管内の未濃縮尿を腸の該区域の壁に連絡する開口部を有している。さらに、このプロテーゼは、濃縮尿を腸から膀胱に送るための連結装置も備えている。
【0011】
本発明の1つの好ましいプロテーゼでは、導管は、第1導管部と第2導管部とを有している。第1導管部は、腹部バッグを、患者の身体の胸部に配置されるように適合されたポーチに連絡している。第2導管部は、ポーチと連絡しており、患者の腸の該区域を通って延びている。第2導管部は、腸がその要求された尿濃縮機能を果たし、濃縮された尿を最終的に体外に排泄するために膀胱に送るのに十分な時間を提供するように、腸を通過する未濃縮尿の流量を制御するための開口部を有している。
【0012】
本発明の最も好ましい実施形態では、第2導管の末端部は透析バッグと連絡している。
本発明の最も好ましい実施形態では、膀胱への連結手段は、腸を膀胱に連結する右尿管を含み、この連結手段は虫垂または盲腸を通過するのが最も好ましい。
【0013】
本発明の連続的体内腹膜透析法は、内部に透析液が入っており、未濃縮尿は内部透析液中に通過させるが内部の透析液は漏出させないように適合された壁を有する腹部バッグを患者の腹膜部に設けるステップと、腹部バッグ内の未濃縮尿を、腹部バッグから、尿が濃縮される患者の腸の一区域に送るステップと、次いで、濃縮された尿を通常のようにすなわち正常に人体から排泄させるために膀胱に送るステップとを含む。
【0014】
本発明の好ましい方法によれば、腸内の濃縮されていない尿の一部は、腹部バッグに還流される。
本発明の最も好ましい方法では、未濃縮尿を腸の該区域に送るステップは、先ず、患者の胸部に配置されている胸部ポーチに未濃縮尿を送ることによって実施され、腹部バッグと胸部ポーチは可撓性である。
【0015】
このプロセスは、患者の正常な呼吸活動を利用して、未濃縮尿を腹部バッグから胸部ポーチ、次いで腸の該区域に連続的に送るのが最も好ましい。
別の好ましい実施形態では、連続的体内腹膜透析用プロテーゼは、胸部ポーチと第1および第2導管とを備えている。第1導管は、未濃縮尿および透析液を患者の身体の腹部から患者の横隔膜を通過して身体の胸部に送る。胸部ポーチは、患者の身体の胸部に保持されるように適合されており、腹部から未濃縮尿および透析液を受容するために第1導管と連絡している。第2導管は、胸部ポーチから患者の横隔膜および患者の腸の一区域を通って延びている。第2導管は、腸の該区域内で尿を濃縮するために胸部ポーチからの未濃縮尿および透析液を腸の該区域の壁に連絡させる。腸の該区域は、濃縮尿を腸の該区域から患者の膀胱に送るための出口ポートを有している。
【0016】
別の好ましい実施形態では、体内腹膜透析用腹部バッグは、半透膜壁を有し、透析液を収容するように設計されている。腹部バッグは、その半透膜壁を介して透析液を漏出させずにその壁を介して未濃縮尿を受容するために患者の身体の腹部に保持されるように適合されている。透析液は、化学ポテンシャルを利用して、半透膜壁を介して浸透圧により未濃縮尿を吸い込む。腹部バッグは、患者の腸の一区域内に延びる延長部を有している。延長部は、受容した未濃縮尿を濃縮するために腸の該区域に漏出させる半透膜壁を有している。腸の該区域は、濃縮尿を腸の該区域から患者の膀胱に送り込むための出口ポートを有している。
【0017】
本発明のさらなる適用範囲は以下の説明から明らかになるであろう。しかし、本発明はこの詳細な説明を読めば当業者には明らかになるであろうから、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示してはいるが、例示のみを目的として示されているものと理解されたい。
【0018】
(発明の詳細な説明)
添付図面を参照して本発明を説明する。図面中、同じ参照番号は同じ要素を示す。
図1を参照すると、患者の体内に挿入された代表的な連続的体内腹膜透析プロテーゼが概略的に符号10で示されている。プロテーゼ10は、患者の横隔膜14の下方の腹部にある腹部バッグ12と、患者の身体の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、患者の腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、患者の虫垂または盲腸22および遠位右尿管24を通って腸18の下流端につながる患者の膀胱20とを含んでいる。
【0019】
さらに図1を参照すると、腹部バッグ12は、内部に一方向弁28を備えた導管26を介して胸部ポーチ16に連結されている。一方向弁28は、流体(例えば、未濃縮尿)を腹部バッグ12から胸部ポーチ16まで矢印30の方向にのみ流す。
【0020】
腹部バッグ12は、半透窓34で仕切られた半透外壁56と不透外壁58とを有している。腹部バッグ12の半透外壁56と半透窓34とで区画形成された領域は、透析バッグ32である。不透外壁58は、導管26の基端部を受容する第1ポート60を有している。導管26をポート60と連絡状態にした後、腹部バッグ12の壁を導管26の周りに縫合して導管26をポート60内に保持する。
【0021】
さらに図1を参照すると、プロテーゼ10は第2導管36を有しており、第2導管36は、胸部ポーチ16に連結され、横隔膜14を通り、患者の腸18の一区域を通過して延びている。さらに、第2導管36は、未濃縮尿を胸部ポーチ16から患者の腸18の該区域まで矢印40の方向にのみ流す一方向弁38を備えている。
【0022】
図1から分るように、患者の腸18は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合された端部を有している。第2導管36の末端部46は、腸の下端を通って延び、以下にさらに詳細に説明するように、未濃縮(または部分濃縮)尿を腹部バッグ12に再循環させるために腹部バッグ12に連結されている。末端部46は、尿を患者の腸18から腹部バッグ12まで矢印49の方向にのみ流す一方向弁48を備えている。
【0023】
先に述べたように、腹部バッグ12は、外壁58が不透膜で形成され、外壁56および窓34が半透膜で形成されている。半透性の外壁56と窓34は腹部バッグ12の透析バッグ32を区画形成している。半透膜は、透析バッグ32内の透析液は腹腔部に漏出させないが腹膜部内の未濃縮尿は浸透圧によって透析バッグ32に入らせる多孔度を半透膜に与える、細孔または開口部(孔)を有している。半透窓34の多孔度も、透析バッグ32内の透析液が半透窓34を介して腹部バッグ12の導管26,36と連絡している領域に漏出するのを防ぐ。したがって、好ましい実施形態のこの例では、透析液は透析バッグ32内に収容されている。腹部バッグ12は、水性環境で機能する必要があるので、ある程度の弾性を有する合成プラスチック材料で形成するのが好ましい。しかし、透析バッグ32は、透析液分子またはミクロ構造をその壁の膨脹細孔から漏出させる程に膨脹するほど弾性であってはならない。
【0024】
透析バッグ32を透析液がその壁から漏出する程に膨脹させないためには、代替案として、半透性の外壁56と窓34の一部を、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹しても透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してもよい。したがって、半透膜が圧力下で透析液を漏出させ得る程に膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。また、不透壁58を弾性にしてもよいし、半透壁56および34を非弾性にしてもよい。
【0025】
本発明の代表的な環境下において、透析液は、化学ポテンシャルを利用して、隣接する腹膜壁および腸間膜壁を介して未濃縮尿(例えば、体液老廃物、電解質など)を吸い込む。透析液は、大型不活性分子またはミクロ構造、例えば、透析バッグから漏出し得ない巨大不活性分子の50マイクロメートル多価電解質またはL−ラセミ体などのミクロスフェアであってよい。本発明の最も広い態様に従えば、利用される特定の透析液は本発明を限定するものではないことを理解されたい。しかし、透析液の粒径は、プロテーゼ10の操作中に、透析液が透析バッグ32の半透膜壁から漏出しない程度でなければならない。
【0026】
半透膜の細孔または開口部は、未膨脹状態の約10マイクロメートルから膨脹状態の約20マイクロメートルの範囲であり、透析分子は50〜100マイクロメートルの範囲の呼称寸法を有するのが理想的である。これらの数値は例示のために開示されているに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことは勿論である。
【0027】
半透膜は、任意の適当な合成プラスチック材料、例えば、Gortex様クロス製であってよく、透析液は、当業者には周知の様々な分子またはミクロ構造から製造し得る。胸部ポーチ16、第1導管26、第2導管36、および腹部バッグ12の不透外壁58は、不活性で腹膜に刺激を与えない、シリコンプラスチック製であるのが好ましい。
【0028】
本発明の好ましい形態において、透析バッグ32は、腹部の左下四分の一区の腹膜と腸間膜壁との間に配置され、通常の腹膜透析を制御するものと同じ生理学的原理に従う浸透圧性拡散および限外濾過によって流体(未濃縮尿)を抽出する。透析バッグ32が未濃縮尿でいっぱいになると、未濃縮尿は腹部バッグ12を2分する窓34を横切る。図1に示されているように、透析液は、透析バッグ32から漏出しないので、リンパ系に吸収されたり、腹膜を刺激したりすることがない。半透膜を通過して透析バッグ32に入り、窓34を通過して出て行く未濃縮尿は、次いで、本明細書で後に説明するように、呼吸周期中の腹部および胸部における相対的圧力変化に基づく体内ポンプ機構により、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16内に送られる。導管26も胸部ポーチ16も透過性を有していないこと、すなわち、どちらも未濃縮尿を漏出させないように不透性であることを理解されたい。
【0029】
図1に示されているように、腹部バッグ12と胸部ポーチ16は、それぞれ皮下アクセス容器50および51と連絡しており、これらの容器50,51はそれぞれ患者の皮膚に密接するアクセス部分を有している。皮下アクセス容器(SAR)50,51によって、プロテーゼの有効性を測定するために尿のモニターおよびテストを行うことができる。また、皮下アクセス容器50,51によって、各患者の必要性に適合するように透析液を増減して、尿の流量や構成成分を調整することもできる。透析液は、患者の皮膚を介して皮下アクセス容器50,51内に挿入される注射器または管を用いて、容器50,51に添加したり、容器50,51から除去したりし得る。
【0030】
次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿は、第2導管36およびその一方向弁38を通過して、患者の腸18の一区域に流れる。胸部ポーチ16から第2導管36への未濃縮尿の移動は、以下にさらに詳細に説明する体内ポンプ機構により生じる。この時点では、第2導管36は腸の残りの部分から分離された腸の比較的長い区域を横切ると言えば十分であろう。右結腸と回腸を含むように好ましくは選択される該区域は、腸内の水分の90%、言い換えれば、1日当たり10〜20リットルの水分を再吸収することができる。
【0031】
腸18を通過する未濃縮尿の移動は、本発明の固有の特徴である。未濃縮尿を患者の腸18の該区域に送る第2導管36は、導管36内の未濃縮尿を腸18内に移動させるための、一連の比較的大きな、例えば、2分の1cmの孔(または開口部)54を有しており、そこで腸18は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。腸は、大きな分子や、標準的な分泌老廃物および他の毒物、または標準的なタンパク質でさえ吸収しないであろう。空腸は、胃腸管の完全性を回復させるために横行結腸に吻合されており、したがって、患者の腸18の該区域は分離されてはいるが、その血液供給は本発明で機能させ得るように元のままに保たれていることに留意されたい。
【0032】
濃縮尿の一部は、正常機能に基づいて濃縮尿を適切に排泄する膀胱20に向かう一方向蠕動を有する虫垂22を横切るであろう。残りの尿は再循環および再洗浄のために導管36の末端部46を通って腹部バッグ12に戻される。導管36のこの末端部46は、そこから尿を漏出させないように不透性である。
【0033】
この好ましい実施形態のこの代表的なプロテーゼでは、腹腔内に自由透析液は存在せず、透析液は透析液バッグ32内に保持されていることに留意することが重要である。このようなシステムにおいてのみ、強力な再吸収が存在することが安全かつ有利である。
【0034】
実際、従来技術の腹膜透析においては、透析液および未濃縮尿の再吸収は2つの理由で重大な問題を引き起こすことに留意されたい。第1に、そのような再吸収が、この過剰流体の廃棄というプロセスそのものに干渉することである。第2に、透析液が再吸収されるどの系でも2つの他の問題が生じること、すなわち、第1に、拡散および限外濾過の全プロセスに必要な浸透圧の差そのものに干渉すること、第2に、透析液分子が標準的な透析に用いられる糖、塩またはアルブミンに対して不活性であっても、糖、塩またはアルブミンがそれぞれリンパ系で再吸収されると、それ自身の特殊な問題を引き起こし、それがコロイド浸透圧に関して大きな問題を生じさせることである。
【0035】
したがって、この好ましい実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼおよび方法は、透析液自体が常時腹腔およびリンパ管吸収から分離されているので、極めて有利であることを強調しておく。本発明において、部分濃縮尿の一部が再循環されることも有利である。特に、部分濃縮尿の再循環により、尿から高窒素老廃物がさらに洗浄されるが、これは、正常に機能する腎臓の尿生成時に起こるものと全く同じことである。
【0036】
さらに、正常な腎機能と同じように、血清浸透圧が低ければ低いほど(患者が流体を消費すればするほど)、本発明の腹膜システムが良好に機能することにも留意されたい。特に、本発明に利用される透析バッグ32内の浸透圧と血液(血清浸透圧)との差が大きければ大きいほど、生成される尿も多くなる。したがって、ただ水分摂取量が多くなるだけで本発明のプロテーゼの性能が向上するので、本発明のプロテーゼを利用する患者は、他の透析患者と違って、飲みたいだけ水を飲むことができる。これは、本発明の重要な利点である。
【0037】
先に述べたように、未濃縮尿が患者の腸18の該区域内で濃縮尿に変わると、濃縮尿の大部分は、適切な場合には虫垂または盲腸22に結合される遠位右尿管24に出て行くであろうが、この濃縮尿が、膀胱20に入って、正常な機能を有するヒト患者におけるように間欠的に排泄されるであろうことは勿論である。
【0038】
このプロセスは、連続的であり、かつ血液構成成分の量および濃度の突然の変化を防ぐことに留意されたい。本発明のプロテーゼの連続操作は、開示されているシステムの体内ポンプ作用に基づいている。この体内ポンプ作用は、本出願人の米国特許第5,813,410号に開示されている体内ポンプおよびシステムの変形形態である。この特許はその全文が本明細書に文献援用される。
【0039】
しかし、説明すると、流体は、体内操作ポンプによって本発明のプロテーゼ10を通って循環され、例えば、腹部バッグ12および胸部ポーチ16が、患者の呼吸パターンに従ってプロテーゼを通って流体を流動させるように操作されるポンプとしての役割を果たす。特に、プロテーゼ10内の流体流は、人の横隔膜14の正常な機能と、人が呼吸しているときに人の身体の胸腔と腹腔の間に存在する正常な内圧関係とを利用して生成される。特に、吸息(吸気)時には、胸腔と腹腔とを分離する横隔膜は下方に押し下げられ、それによって、胸腔容積が増大し、対応して胸腔内圧が低下する。逆に、腹腔容積は減少し、腹腔内圧が増大する。この作用によって、流体は、腹腔内に配置された腹部バッグ12から導管26を通って胸腔内の胸部ポーチ16内に押し流される。腹部バッグ12から胸部ポーチ16に至る流れは、導管26内に一方向弁28が配置されているために、導管26を通る矢印30の方向にのみの流れに制限される。
【0040】
呼息(呼気)時には、横隔膜の動作は逆になる。すなわち、横隔膜は押し上げられ、それによって、胸腔容積が減少し、対応して胸腔内圧が増大する。逆に、吸息時には、腹腔容積は増大し、腹腔内圧は低下する。この作用により、流体は、胸腔内、好ましくはその肋骨横隔膜溝内に配置される胸部ポーチ16から、導管36に、さらに、膀胱20に送るかまたは腹部バッグ12内に戻すために患者の腸18の該区域内に、押し流される。胸部ポーチ16から腸18の該区域に向かう流体流は、第2導管36に一方向弁38が備えられているために、矢印40の方向のみの流れに制限される。同様に、腸18の該区域から腹部バッグ12への流体流も、一方向弁48が備えられているために、矢印49の方向のみの流れに制限される。
【0041】
上記から分るように、操作時に、透析バッグ32内に送り込まれる未濃縮尿は、説明したように、患者の呼吸周期に従って、プロテーゼ10を通って連続的に移動する。次いで、第2導管36を通って腸18の該区域に送られた未濃縮尿は、膀胱20から最終的に除去するために尿を濃縮する腸区域で処理される。
【0042】
必要または所望なら、患者の呼吸周期によりもたらされるポンプ作用を、別の装置、例えば、流体循環ループと流体連絡する患者の体内に移植された機械的もしくは電気的ポンプで強化してもよいし、呼吸周期の代りにそのような装置を用いてもよい。
【0043】
図2を参照すると、本発明の第2の好ましい実施形態による、患者の体内に挿入された代表的な連続的体内腹膜透析プロテーゼが62で示されている。このプロテーゼ62は、図1に示されている上述のプロテーゼ10と同様である。図2に示されているように、プロテーゼ62は、患者の横隔膜14の下方の腹部にある腹部バッグ64と、患者の身体の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、患者の腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、患者の虫垂または盲腸22および遠位右尿管24を介して腸18の下流端につながる患者の膀胱20とを含んでいる。腹部バッグ64は、内部に一方向弁28を備えた導管26を介して胸部ポーチ16に連結している。一方向弁28は、流体を腹部バッグ64から胸部ポーチ16まで矢印30の方向にのみ流す。
【0044】
プロテーゼ62は、基端部68と末端部46とを有する第2導管36を備えている。この第2導管36は、その基端部68を介して胸部ポーチ16に連結されており、横隔膜14を通過して、患者の腸18の一区域を通って延びている。第2導管は、その基端部68に、未濃縮尿を胸部ポーチ16から患者の腸18の該区域まで矢印40の方向にのみ流す一方向弁38を備えている。第2導管36の末端部46は、腸18の下端を通過して延び、未濃縮(または部分濃縮)尿流を腹部バッグ64に再循環させるために腹部バッグ64に連結されている。末端部46は、未濃縮尿を患者の腸18から腹部バッグ64まで矢印49の方向にのみ流す一方向弁48を備えている。患者の腸18は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合されている。
【0045】
上述のように、図2に示されているプロテーゼ62は、図1に示されているプロテーゼ10と同じように構成されている。しかし、この実施形態では、透析液は透析バッグ内にだけ収容されているのではない。実際には、腹部バッグ64は窓を有していない、すなわち透析バッグと窓を共有していない。図2では、腹部バッグ64と、胸部ポーチ16と、導管26,36とが透析液用密閉系を構成しており、透析液をプロテーゼ62内では循環させるが、透析液がプロテーゼ62から漏出しないようにしている。
【0046】
腹部バッグ64は、一般に、その内部の透析液を腹膜部に漏出させないが、腹膜部内の未濃縮尿は浸透圧により腹部バッグ64に入らせる多孔度を有する半透膜で形成される。腹部バッグ64は、水性環境で機能する必要があるので、ある程度の弾性を有する合成プラスチック材料(例えば、Gortex様クロス)で形成するのが好ましい。しかし、腹部バッグ64は、その壁の膨脹細孔から透析液分子またはミクロ構造を漏出させる程に膨脹するほど弾性であってはならない。
【0047】
腹部バッグ64は、図1に示されている腹部バッグ12と同様ではあっても、壁34がない。その代わりに、図1の腹部バッグ12と同様に、腹部バッグ64の壁の一部は、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹したときでも透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してもよく、したがって、半透膜が圧力下で透析液を漏出させ得る程に膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。
【0048】
先に述べたように、患者の腸18の該区域は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合され、それによって、導管36の中央部66を封入している。この中央部66は、第2導管36の中央部内の未濃縮尿を腸18内に移動させるように半透壁を有しており、そこで腸は、水分、電解質および小分子を再吸収して、濃縮尿を生成する機能を果たす。しかし、半透壁は、透析液を腸に移動させないので、透析液はプロテーゼ62内に保持される。導管26も、胸部ポーチ16も、導管36の基端部68も、全く透過性を有していない、すなわち、未濃縮尿または透析液を漏出させないように不透性であることを理解されたい。
【0049】
図2に示されているように、半透膜を介して腹部バッグ64に入る未濃縮尿と、透析液は、上述の体内ポンプ機構により、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16に送られる。次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿と透析液は、第2導管36およびその一方向弁38を通過して患者の腸18の一区域に送られる。胸部ポーチ16から第2導管36への未濃縮尿と透析液の移動は、上述の体内ポンプ機構により生じる。上述のように、未濃縮尿と透析液を患者の腸18の該区域に送り込む第2導管36の中央部66は、導管36内の未濃縮尿を腸に移動させるように半透膜で形成されており、そこで腸は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。しかし、半透膜は透析液を第2導管36から漏出させない。
【0050】
図1に示されているプロテーゼと同じように、図2の濃縮尿の一部は、正常な機能に基づいて濃縮尿を適切に排泄する膀胱20に向かって一方向蠕動を有する虫垂を横切るであろう。残りの尿(未濃縮および部分濃縮尿)は、循環および再洗浄のために、透析液と共に導管36の末端部46を通って腹部バッグ64に戻される。導管36の末端部46は、そこから尿や透析液を漏出させないように不透性であるのが好ましい。
【0051】
通常、慢性腹膜透析においては、透析液はカテーテルを介して腹腔内に直接導入され、尿を吸い込んだ後で取り出される。腹腔内に透析液を導入すると、慢性腹膜透析法に関する問題が生じる。透析によって起こる腹膜の刺激や慢性肥厚は拡散および限外濾過不良を招く。さらに、腹腔内の透析液は、血流に関する問題(例えば、高張糖、高張塩、高窒素老廃物の増加、ならびに種々の酵素系、抗原抗体反応、D−Cなどを害する出血および凝固疾患を含めた血流問題)を引き起こすことがある。
【0052】
図1および図2に示されている上述の本発明の実施形態は、透析液が半透膜から漏出しないので、上記のような問題がない。しかし、以下に説明する本発明の実施形態は、透析液を腹膜と直接接触させる。以下に説明する連続的体内腹膜透析プロテーゼは、リンパ系によっては吸収されない透析液を使用するときや、毒性をもたらさない透析液を最少にしか吸収しない場合には、極めて有用なものである。
【0053】
図3を参照すると、患者の体内に挿入された代表的な連続的体内腹膜透析プロテーゼが概略的に符号70で示されている。プロテーゼ70は、患者の横隔膜14の下方の腹部にある腹部バッグ64と、患者の身体の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、腹部バッグ64と胸部ポーチ16とを連結する導管26,36と、腸18内に封入された半透膜72とを含んでいる。腹部バッグ64と、胸部ポーチ16と、腸18と、導管26,36は、図2に示されている同じ要素と同様である。しかし、導管26,36は、以下に説明するように、尿および透析液を通過させる一連の比較的大きな(例えば、2分の1cmの)孔54を有している。
【0054】
腹部バッグ64は、図1に示されている腹部バッグ12と同様であっても、壁34がない。その代わりに、図1の腹部バッグ12と同様に、腹部バッグ64の壁の一部は、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹したときでも透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してもよく、したがって、半透膜が圧力下に透析液を漏出させ得る程に膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。
【0055】
図3で分るように、患者の腸18の該区域は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合されている。半透膜72は、腸18内の第2導管36の周りに延び、膜72の入口42および膜72の出口76で第2導管36に取り付けられている。半透膜72は、ある程度の弾性を有し、透析液は漏出させないが未濃縮尿は漏出させる多孔度を有する合成プラスチック材料であるのが好ましい。
【0056】
この実施形態では、透析液も未濃縮尿も腹膜部に存在する。腹部バッグ64は、第1導管26の比較的大きな孔54を介して未濃縮尿および透析液を受容する。さらに、腹部バッグ64は、その壁の複数の半透膜製部分からも未濃縮尿を受容する。
【0057】
腹部バッグ64に入った未濃縮尿および透析液は、上述の体内ポンプ機構により、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16内に送り込まれる。さらに、未濃縮尿と透析液は、腹膜から比較的大きな孔54を通って第1導管26内に流れ、胸部ポーチ16に送られる。次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿と透析液は、第2導管36およびその一方向弁38を通過して患者の腸18の一区域に流れる。胸部ポーチ16から第2導管36への未濃縮尿と透析液の移動は、ポンプで支援または補助し得る上述の体内ポンプ機構により生じる。上述のように、未濃縮尿と透析液を患者の腸18の該区域に送り込む第2導管36は、内部の未濃縮尿と透析液を導管36から漏出させるように一連の比較的大きな孔54を有している。腸18内の半透膜72は、透析液が第2導管36の孔54を通って腸18内に漏出するのは防ぐが、未濃縮尿は腸18に透過させる多孔度を有しており、そこで腸18は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。
【0058】
先に述べたように、未濃縮尿が患者の腸18の該区域内で濃縮尿に変わると、濃縮尿の大部分は、適切な場合には虫垂または盲腸に取り付けられ得る遠位右尿管24に出て行くであろう。次いで、濃縮尿は膀胱20に流れ込み、正常に機能するヒト患者におけるように間欠的に排泄されるであろう。透析液および戻り尿は、再循環および再洗浄のために導管36の末端部46を通って腹部バッグ64に戻される。導管36のこの末端部46と、導管26,36の横隔膜14の上方にある部分は、そこから尿または透析液を漏出させないように不透性である。
【0059】
図4は、透析液が腹膜と直接接触している本発明のさらに別の実施形態である。図4を参照すると、患者の体内に挿入された代表的な連続的体内腹膜透析プロテーゼが概略的に符号80で示されており、このプロテーゼ80は図1に示されているプロテーゼと同様である。プロテーゼ80は、患者の横隔膜14の下方の腹部にある腹部バッグ82と、患者の身体の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、患者の腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、患者の虫垂または盲腸22および遠位右尿管24を介して腸18の下流端につながる膀胱20とを含んでいる。
【0060】
腹部バッグ82は、半透窓86で仕切られた半透外壁56と不透外壁58とを有している。腹部バッグ82の半透外壁56と半透窓86とで区画形成された領域は、透析バッグ84である。半透性の外壁56と窓86は先に詳細に説明したように半透膜で形成されている。図4に示されている腹部バッグ82、透析バッグ84、胸部ポーチ16、第1導管26、腸18および第2導管36は、図1に示されている腹部バッグ12、透析バッグ32、胸部ポーチ16、第1導管26、腸18および第2導管36と実質的に同様である。しかし、不透材料で形成され、腹部バッグ12に連結されている第2導管36の末端部46(図1)の代わりに、図4の末端部46は、一連の比較的大きな(例えば、2分の1cmの)孔54を有しており、透析バッグ84の半透外壁56に連結されている。
【0061】
末端部46は、腹膜内の未濃縮尿と透析液を、導管36、次いで透析バッグ84内に移動させるように孔54を有している。透析液は、導管36の末端部46および透析バッグ84内に収容されており、プロテーゼ80の残りの部分には漏出しない。一方向弁48は、腸18内の第2導管36から出て行く未濃縮尿および部分濃縮尿を透析バッグ84方向には流すが、透析液を含む流体を末端部46から腸18内の第2導管36には入らせない。
【0062】
図4において、未濃縮尿は、腹部バッグ82から、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16に流れる。次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿は、横隔膜14および第2導管内の一方向弁38を通過して、患者の腸18に流れる。プロテーゼ10を通る尿の移動は、先に詳細に説明した体内ポンプ機構によって生じる。
【0063】
図1の説明に際して先に述べたように、未濃縮尿を患者の腸18の該区域内に送り込む図4の第2導管36は、一連の比較的大きな孔54を有している。孔54は、導管36内の未濃縮尿を腸18内に移動させ、そこで腸18は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。濃縮尿の一部は、その正常機能に基づいて濃縮尿を適切に排泄する膀胱20に向かって一方向蠕動を有する虫垂22を横切るであろう。残りの尿は、再循環および再洗浄のために(残りの尿が腹膜からの未濃縮尿および透析液と混合される)導管36の末端部46を通って腹部バッグ12に戻される。
【0064】
透析液バッグ84が透析液を壁から漏出させる程に膨脹するのを防ぐために、半透外壁56および半透窓86の一部を、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹しても透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してよい。したがって、半透膜が圧力下で透析液を漏出させ得るほどまで膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。また、不透壁58を弾性にしてもよいし、半透性の壁56および窓86を非弾性にしてもよい。
【0065】
図1〜図4に示されている実施形態では、導管26,36は互いに間隔が離れ、横隔膜14内の別個の通路を通って延びる別個の導管として示されているが、好ましい構造では、導管26,36は、相互接続され、横隔膜14内の単一開口部のみを通過するものと理解されたい。間隔が離れた導管26,36の配置は、明確にするために図面に示されているものである。
【0066】
図1〜図4に示されている具体化されたプロテーゼのすべての操作は、連続的であり、かつ開示されているシステムの体内ポンプ作用に基づいているのが好ましい。この体内ポンプ作用は、図1に関連して説明されており、当業者には容易に理解されるであろうように、図2〜図4に示されている他の代表的実施形態の操作においても実質的に同様である。記載されている体内ポンプ作用は、本出願人の米国特許第5,813,410号に開示されている体内ポンプおよびシステムの変形形態であり、この特許はその全文が本明細書に文献援用される。さらに、すべての代表的実施形態に関して、患者の呼吸周期によって与えられるポンプ作用は、別の装置(例えば、人体内に移植されて循環流体ループと流体連絡する機械的または電気的ポンプ)で強化してもよいし、呼吸周期の代わりにそのような装置を用いてもよい。
【0067】
図5を参照すると、人体内に挿入された他の好ましい代表的な連続的腹膜透析プロテーゼが概略的に符号100で示されている。プロテーゼ100は、患者の横隔膜14の上方の胸部にある胸部ポーチ16と、腹部内に位置する患者の腸18の一区域と、胸部ポーチ16と腹部を連絡する導管26,36と、腸18内に封入された半透膜72とを含んでいる。胸部ポーチ16、腸18、導管26,36は、図3に示されている同様な要素と同様である。しかし、この実施形態は、図3に開示されている腹部バッグを有していないので、図3に示されている実施形態と異なっている。
【0068】
図5で分るように、患者の腸18の該区域は、導管36の腸18への入口42と腸18からの出口44で導管36に縫合されている。半透膜72は、腸18内の第2導管36の周りに延び、膜72の入口74と膜72の出口76で第2導管36に取り付けられている。半透膜72は、ある程度の弾性を有し、半透膜から透析液は漏出させないが未濃縮尿は漏出させる多孔度を有する合成プラスチック材料であるのが好ましい。導管26,36は、後で説明するように、尿および透析液を通過させる一連の比較的大きな(例えば、約2分の1cmの)孔54を有している。
【0069】
この実施形態では、透析液も未濃縮尿も腹膜部に存在する。第1導管は、その比較的大きな孔54および末端開口部102を介して未濃縮尿および透析液を受容する。未濃縮尿および透析液は、上述の体内ポンプ機構によって、第1導管26およびその一方向弁28を通り、横隔膜14を通過して、胸部ポーチ16内に送られる。次いで、胸部ポーチ16内の未濃縮尿と透析液は、第2導管36およびその一方向弁38を通り、患者の腸18の一区域に流れる。胸部ポーチ16から第2導管36への未濃縮尿および透析液の移動は上述の体内ポンプ機構により生じ、この作用はポンプで支援または補助される。特に、胸部ポーチ16は、患者の呼吸パターンに従って未濃縮尿および透析液をプロテーゼ10を通って循環させるポンプとしての役割を果たす。
【0070】
プロテーゼ100は、本発明の他の実施形態で開示されている腹部バッグを有しておらず、通常、透析液および未濃縮尿を保持するための「バッグ」領域として腹膜部を利用する。したがって、図3および図4に示されているプロテーゼと同様に、プロテーゼ100は、リンパ系によっては吸収されない透析液を使用するときや、毒性をもたらさない透析液(例えば、吸収性アルブミン)を最少にしか吸収しない場合には、最も有益である。透析液は分離された腹部バッグ内に収容されていないので、腹膜部内に十分な量の透析液が確実に保持されるように透析液をプロテーゼに(数日おきに約1リットル)添加するのが好ましい。
【0071】
未濃縮尿と透析液が、これらの流体が腹部バッグおよび胸部ポーチを共に有する上記実施形態を通過するのと同じくらい効率的にはプロテーゼ100を通過しないことは、明らかであろう。腹部バッグが無いと、プロテーゼは閉鎖ループを構成せず、上述のように、腹部バッグの助けなしにプロテーゼを通って流体を流すために胸部ポーチによって決まる。したがって、この実施形態は、極く部分的な腎不全を有する患者に、より適しているであろう。
【0072】
上述のように、未濃縮尿および透析液を患者の腸18の一区域に送り込む第2導管36は、第2導管36内の未濃縮尿および透析液をそこから漏出させる一連の比較的大きな孔54を有している。腸内にある半透膜72は、第2導管36の孔54から漏出する透析液を腸18内には漏出させないが、未濃縮尿は腸18内に透過させる多孔度を有しており、そこで腸は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。
【0073】
さらに図5を参照すると、第2導管36内にある比較的大きな孔54と、腸18内にある半透膜72との代わりに、腸18内の導管36は、図2に示されている導管36の中央部66の様に構成し得ることに留意されたい。すなわち、図5において、腸18内の導管36は半透膜で形成し得る。
【0074】
先に述べたように、患者の腸18の該区域内で未濃縮尿が濃縮尿に変えられると、濃縮尿の大部分は、適切な場合には虫垂または盲腸22に取り付けられ得る遠位右尿管24に出て行くであろう。次いで、濃縮尿は、膀胱20内に流れ込み、正常に機能する人間におけるように、間欠的に排泄されるであろう。透析液および戻り尿は、導管36の末端部46を通って腹部に戻される。第2導管36の末端部46は、適切な時間に腸にそこを通過する未濃縮尿から水分を吸収させるが、未濃縮または部分濃縮尿流をリンパ管に再吸収させかつシステム全体を通って再循環させるために腹腔内に戻すように腹腔内への流体流を制御するために、極めて小さい直径を有するか、または中圧一方向弁48を内部に設けるのが好ましい。
【0075】
胸部ポーチ16は、患者の皮膚に密接するアクセス部分を有する皮下アクセス容器50と連絡しているのが好ましいことに留意されたい。皮下アクセス容器50によって、プロテーゼの有効性を測定するために尿のモニターおよびテストを行うことができる。また、容器50によって、各患者の必要性に適合するように透析液を増減して、尿の流量や構成成分を調整することもできる。透析液は、患者の皮膚を介して皮下アクセス容器50内に挿入される注射器または管を用いて、容器50に添加したり、容器50から除去したりし得る。
【0076】
図6を参照すると、本発明のさらに別の好ましい実施形態による、患者の体内に挿入された代表的な体内腹膜透析プロテーゼが符号110で示されている。図6に示されているように、プロテーゼ110は、患者の横隔膜の下方の腹部に配置されている腹部バッグ112を備えている。腹部バッグ112は、患者の腸18の一区域内に延びる延長部を有している。
【0077】
腹部バッグ112は、上述の腹部バッグと同様のものであってよい。例えば、腹部バッグは透析液を収容するように設計される。このバッグ112は、一般に、内部の透析液を腹膜部には漏出させないが、腹膜部内の未濃縮尿は浸透圧により腹部バッグ112に入らせる多孔度を有する半透膜で形成される。腹部バッグ112は、水性環境で機能する必要があるので、ある程度の弾性を有する合成プラスチック材料(例えば、Gortex様クロス)で形成するのが好ましい。しかし、腹部バッグ112は、その壁の膨脹細孔から透析液分子またはミクロ構造を漏出させる程に膨脹するほど弾性であってはならない。
【0078】
上述の腹部バッグと同様に、代わり、腹部バッグ112の壁の一部は、半透膜より弾性が高く、その弾性限界を超えて膨脹したときでも透析液を漏出させない、不透性または実質的に不透性の膜で形成してもよい。したがって、半透膜が圧力下で透析液を漏出させ得る程に膨脹する前に、不透性または実質的に不透性の膜は延びて、透析液を収容するが、透析液は漏出させない。
【0079】
さらに図6を参照すると、患者の腸18の一区域は腹部バッグ112に縫合され、それによって、腸内のバッグの延長部114を封入している。この延長部は、未濃縮尿は浸透圧により腹部バッグ112内に吸込ませて腸18内に移動させるように半透膜を有しており、そこで腸は、水分、電解質および小分子を再吸収して濃縮尿を生成する機能を果たす。しかし、半透膜壁は透析液を腸内に移動させないので、透析液は腹部バッグ112内に保持される。
【0080】
腹部バッグ112は、患者の皮膚に密接するアクセス部分を有する皮下アクセス容器51と連絡しているのが好ましい。皮下アクセス容器(SAR)51によって、プロテーゼの有効性を測定するために透析液および尿のモニターおよびテストを行うことができる。SAR51により、各患者の必要性に適合するように透析液を増減して、尿の流量や構成成分を調整することができる。透析液は、患者の皮膚を介して皮下アクセス容器内に挿入される注射器または管を用いて、SAR51に添加したり、SAR51から除去したりし得る。
【0081】
上述した本発明の他の実施形態とは異なり、プロテーゼ110は、未濃縮尿と透析液を連続的に混合したり循環させたりするための導管を備えていない。この点に関して、プロテーゼ110は、呼吸ポンプを利用しないため、他の好ましい実施形態ほどには効率的ではないと思われることに留意されたい。したがって、このプロテーゼは、軽度の腎不全を有する患者に、より適している。この実施形態の別の考えられる欠点は、腹部バッグ112で、透析液の層化および滞留が起こり、患者を感染症により罹り易くする未濃縮尿が受容され得ることである。言い換えれば、上述の実施形態のプロテーゼによって提供される混合および循環は、透析効率を向上させ、プロテーゼ内の流体の層化および滞留を妨げる。この実施形態では、患者が胴体を頻繁に動かすか、または胴体の角度配向(例えば、垂直、水平)を変えて、腹部バッグ112内の流体を引力の支配下に流動させれば、起り得る流体の層化および滞留が最小限になるであろう。しかし、このプロテーゼが上記の他の実施形態に勝る1つの利点は、このプロテーゼ110は、用いる要素が少なく、操作が簡単なことである。さらに、このプロテーゼ110は、体内に挿入される要素が少ないために、他の好ましい実施形態のプロテーゼよりも、プロテーゼ移植手術中の患者に対する負担が少ない。
【0082】
上記の説明および添付図面から、本願の概念が、本明細書に開示されているものを含めた多様な好ましい実施形態に容易に適用され得ることは明らかであろう。例えば、図3の場合、第2導管36の末端部46に、腹膜内の未濃縮尿および透析液を導管36および腹部バッグ64内に流入させる比較的大きな孔を設けてもよい。同様に、図2の場合、第2導管36の中央部66は半透壁を有しているが、図3の腸18に示されているように、比較的大きな孔54を設けてもよい。同様に、図3の第2導管36にある比較的大きな孔54および腸18内の半透膜72の代わりに、腸18内の導管36は、図2に示されている導管36の中央部66のように構成することもできる。すなわち、図3の場合、腸18内の導管36を半透膜で形成してもよい。さらに、図4の場合、第2導管の末端部と透析バッグ84とを連結する代わりに、流体の一部を腹膜に戻すために末端部を腹腔内に伸ばしてそこで終端させてもよい。この例では、導管36の末端部46は、適当な時間に腸を通過する未濃縮尿から腸に水分を吸収させるが、未濃縮または部分濃縮尿流をリンパ管に再吸収させかつシステム全体を通って再循環させるために腹腔内に戻すように腹腔内への流体流を制御するために、小直径を有するか、または中圧一方向弁48を内部に設けるのが望ましい。さらに、尿管24を腸18に直接つないで、虫垂22をバイパスしてもよい。この好ましい実施形態では、虫垂22は利用されないであろう。
【0083】
これ以上詳述しなくても、上記説明は本発明を十分に説明しているであろうから、現在または将来の知識を用いることにより、他者は種々の使用条件下での使用に合わせて本発明を容易に適合させ得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の好ましい実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図2】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の別の好ましい実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図3】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の第3実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図4】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の第4実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図5】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の第5実施形態の連続的体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
【図6】部品を断面で示す、人体内に配置されている本発明の第6実施形態の体内腹膜透析プロテーゼの正面図。
Claims (54)
- 連続的体内腹膜透析用プロテーゼであって、
透析液が入っている腹部バッグであって、半透膜壁を有し、前記半透膜壁から透析液を漏出させることなく前記壁を介して未濃縮尿を受容するために患者の身体の腹部に保持されるように適合されている腹部バッグと、
前記腹部バッグから未濃縮尿を送る、患者の腸の一区域を通って延びる導管であって、患者の腸の前記区域内の前記導管のある領域が、腸の前記区域内で未濃縮尿を濃縮させるために前記導管内の未濃縮尿を腸の前記区域内の壁に連絡している導管と
を備え、
腸の前記区域が、濃縮尿を腸の前記区域から患者の膀胱に送るための出口ポートを有する、プロテーゼ。 - 前記導管が、
前記腹部バッグを、患者の身体の胸部に配置されるように適合されたポーチに連絡する第1導管部と、
前記ポーチと連絡し、腸の前記区域を通って延びる第2導管部と
を有する、請求項1に記載のプロテーゼ。 - 前記導管が、開口部の下流にあり、前記腹部バッグと連絡している末端部を有し、前記末端部が未濃縮尿を前記腹部バッグに連絡している、請求項1に記載のプロテーゼ。
- 患者の腸の前記区域内にある前記導管の前記領域が、透析液を前記導管から腸の前記区域の前記壁に漏出させない多孔度を有する半透膜を備えている、請求項1に記載のプロテーゼ。
- 患者の腸の前記区域内にある前記導管の前記領域が、前記導管内の未濃縮尿を腸の前記区域の前記壁に連絡するための開口部を有する、請求項1に記載のプロテーゼ。
- 濃縮尿を腸の前記区域から患者の膀胱に送るための連結手段をさらに備える、請求項1に記載のプロテーゼ。
- 前記連結手段が、腸と膀胱とを連結する右尿管を含む、請求項6に記載のプロテーゼ。
- 前記連結手段が虫垂または盲腸を含む、請求項7に記載のプロテーゼ。
- 前記腹部バッグが、その内部に延びる半透膜窓を有し、前記窓が、前記腹部バッグを第1部分と第2部分とに分離しており、前記第1部分は、前記透析液を前記第1部分から漏出させないために前記半透膜壁と前記半透膜窓とによって区画形成されており、前記第2部分は、前記半透膜窓と、未濃縮尿を前記ポーチに連絡するために前記第1導管部に連結された不透壁とによって区画形成されている、請求項2に記載のプロテーゼ。
- 前記透析液が未濃縮尿より高い粘度を有する、請求項9に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管部が、前記開口部の下流にあり、前記腹部バッグの前記第2部分と連絡する末端部を有し、前記末端部は、不透膜で形成され、未濃縮尿を前記腹部バッグの前記第2部分に連絡している、請求項9に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管部が、前記開口部の下流にあり、前記腹部バッグの前記第1部分と連絡する末端部を有し、前記末端部は、未濃縮尿を前記腹部バッグの前記第1部分に連絡している、請求項9に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管部の前記末端部が、前記腹部からの未濃縮尿および透析液を前記腹部バッグの前記第1部分に連絡する開口部を有する、請求項12に記載のプロテーゼ。
- 患者の皮膚に実質的に隣接する皮下アクセス容器をさらに備え、前記皮下アクセス容器は、尿の流量と構成成分をモニターして調整するために前記腹部バッグおよび前記ポーチのうちの一方と連絡している、請求項1に記載のプロテーゼ。
- 前記腹部バッグ、前記第1導管、前記ポーチおよび前記第2導管が、未濃縮尿を循環させるためのループを構成する、請求項2に記載のプロテーゼ。
- 前記腹部バッグ、前記第1導管、前記ポーチおよび前記第2導管が、透析液および未濃縮尿を循環させるためのループを構成する、請求項2に記載のプロテーゼ。
- 前記ループが、透析液の腹膜への流入を阻止する、請求項16に記載のプロテーゼ。
- 前記第1導管が、腹膜から未濃縮尿を受容するための開口部を有する、請求項2に記載のプロテーゼ。
- 前記第1導管の前記開口部が、さらに腹膜から透析液を受容する、請求項18に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管が、腹膜から未濃縮尿を受容するための開口部を有する、請求項2に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管の前記開口部が、さらに腹膜から透析液を受容する、請求項20に記載のプロテーゼ。
- 前記第1導管が、未濃縮尿を前記腹部バッグから前記ポーチに向かう方向にのみ流すための一方向弁を備えている、請求項2に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管が、前記ポーチと患者の腸の前記区域との間に、未濃縮尿を前記ポーチから患者の腸の前記区域に向かう方向にのみ流すための一方向弁を備えている、請求項2に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管が、前記末端部に、未濃縮尿を患者の腸の前記区域から前記腹部バッグに向かう方向にのみ流すための一方向弁を備えている、請求項3に記載のプロテーゼ。
- 連続的体内腹膜透析用プロテーゼであって、
透析液を入れる腹部バッグであって、半透膜壁および内部の透析液を有し、透析液を前記半透膜壁から漏出させることなく前記壁を介して未濃縮尿を受容するために患者の身体の腹部に保持されるように適合されている腹部バッグと、
患者の腸の一区域を通って延び、腹部バッグに送り込まれる未濃縮尿と連絡している導管と
を備え、
前記腹部バッグは、腹部バッグから前記導管に未濃縮尿を送るように適合されており、腸の一区域内の前記導管のある領域が、膜で形成されており、前記膜は、前記導管内の未濃縮尿を濃縮させるために前記導管内の前記未濃縮尿を腸の前記区域の壁に連絡するのに十分な多孔度を有し、
腸の前記区域が、濃縮尿を腸の前記区域から患者の膀胱に送るための出口ポートを有する、プロテーゼ。 - 前記腹部バッグが、その内部に延びる半透膜窓を有し、前記窓が、前記腹部バッグを第1部分と第2部分とに分離しており、前記第1部分は、前記透析液を前記第1部分から漏出させないために前記半透膜壁と前記半透膜窓によって区画形成されており、前記第2部分は、前記半透膜窓と、未濃縮尿を患者の腸の前記区域に連絡するために前記導管に連結された不透壁とによって区画形成されている、請求項25に記載のプロテーゼ。
- 連続的体内腹膜透析法であって、
透析液を受容するように適合された腹部バッグを患者の腹部に設けるステップと、
未濃縮尿を、前記バッグから、未濃縮尿が濃縮される患者の腸の一区域に送るステップと、
濃縮尿を人体から排泄させるために膀胱に送るステップと
から成る方法。 - 腸内の濃縮されていない尿の一部を前記腹部バッグに送るステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
- 未濃縮尿を腸の前記区域に送るステップが、先ず、患者の胸部に配置されている胸部ポーチに未濃縮尿を送ることによって実施され、前記腹部バッグおよび胸部ポーチが弾性である、請求項27に記載の方法。
- 患者の正常な呼吸活動を利用して、前記未濃縮尿を、透析液バッグから前記ポーチ、次いで腸の前記区域に連続的に送るステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
- 透析液を、前記腹部バッグから、胸部ポーチ、腸の前記区域を通って、前記腹部バッグに送り戻すステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
- 前記腹部バッグ内に透析液を保持するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
- 腹膜部から未濃縮尿および透析液を回収するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
- 前記腹部バッグが少なくとも部分的に、半透膜で形成されており、前記半透膜は、未濃縮尿は前記腹部バッグ内の透析液中に通過させるが、透析液は前記半透膜から漏出させない、請求項27に記載の方法。
- 前記腹部バッグを第1部分と第2部分とに分離するステップをさらに含み、前記第1部分は、前記透析液を前記第1部分から漏出させないために前記半透膜壁および半透膜窓によって区画形成されており、前記第2部分は、前記半透膜窓および不透壁によって区画形成されている、請求項34に記載の方法。
- 連続的体内腹膜透析用プロテーゼであって、
未濃縮尿および透析液を、患者の身体の腹部から患者の横隔膜を通過して患者の身体の胸部に送る第1導管と、
患者の身体の胸部に保持されるように適合され、腹部から未濃縮尿および透析液を受容するために前記第1導管と連絡している胸部ポーチと、
未濃縮尿および透析液を前記胸部ポーチから患者の横隔膜を通って送る、患者の腸の一区域を通って延びる第2導管であって、患者の腸の前記区域内のある領域が、腸の前記区域内の未濃縮尿を濃縮させるために前記未濃縮尿を腸の前記区域の壁に連絡する、第2導管と
を備え、
腸の前記区域が、濃縮尿を腸の前記区域から患者の膀胱に送るための出口ポートを有する、プロテーゼ。 - 患者の腸の前記区域内にある前記導管の前記領域が、前記導管内の未濃縮尿を腸の前記区域の前記壁に連絡するための開口部を有する、請求項36に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管が、前記開口部の下流にあり、腹部に連絡している末端部を有し、前記末端部は、未濃縮尿および透析液を、前記第2導管の患者の腸の前記区域内の前記領域から腹部に送る、請求項37に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管が、前記末端部に、未濃縮尿を患者の腸の前記区域から前記腹部バッグに向かう方向にのみ流すための一方向弁を備えている、請求項38に記載のプロテーゼ。
- 患者の腸の前記区域内の前記第2導管の前記領域が、未濃縮尿は前記導管を介して腸の前記区域に通過させるが、透析液は前記導管から腸の前記区域の前記壁に漏出させない多孔度を有する半透膜を備えている、請求項36に記載のプロテーゼ。
- 濃縮尿を腸の前記区域から患者の膀胱に送るための連結手段をさらに備えている、請求項36に記載のプロテーゼ。
- 前記連結手段が腸と膀胱とを連結する右尿管を含む、請求項41に記載のプロテーゼ。
- 前記連結手段が虫垂または盲腸を含む、請求項42に記載のプロテーゼ。
- 前記第1導管が腹部から未濃縮尿を受容するための開口部を有する、請求項36に記載のプロテーゼ。
- 前記第1導管の前記開口部が、さらに腹膜から透析液を受容する、請求項44に記載のプロテーゼ。
- 前記第1導管が、未濃縮尿を前記腹部から前記胸部ポーチに向かう方向にのみ流すための一方向弁を備えている、請求項36に記載のプロテーゼ。
- 前記第2導管が、前記胸部ポーチと患者の腸の前記区域の間に、未濃縮尿を前記ポーチから前記区域に向かう方向にのみ流すための一方向弁を備えている、請求項36に記載のプロテーゼ。
- 患者の皮膚に実質的に隣接する皮下アクセス容器をさらに備え、前記皮下アクセス容器は、未濃縮尿の流量および構成成分をモニターして調整するために前記胸部ポーチと連絡している、請求項36に記載のプロテーゼ。
- 体内腹膜透析用腹部バッグであって、
半透膜壁を有し、
透析液を内部に入れるように設計されており、
前記腹部バッグから前記半透膜壁から透析液を漏出させることなく前記半透膜壁を介して未濃縮尿を受容するために患者の身体の腹部に保持されるように適合されており、
前記透析液は、化学ポテンシャルを利用して、前記半透膜壁を介して未濃縮尿を吸い込み、前記腹部バッグは患者の腸の一区域内に延びる延長部を有し、前記延長部は、受容した未濃縮尿を濃縮するために腸の該区域に漏出させる該半透膜壁を有し、腸の前記区域は、濃縮尿を腸の該区域から患者の膀胱に送るための出口ポートを有する、腹部バッグ。 - 患者の皮膚に実質的に隣接する皮下アクセス容器をさらに備え、前記皮下アクセス容器は、透析液を前記バッグに添加したり前記バッグから除去したりするために前記バッグに連絡している、請求項49に記載の腹部バッグ。
- 連続的体内腹膜透析法であって、
患者の腹膜部から透析液および未濃縮尿を回収するように適合された弾性胸部ポーチを患者の胸腔内に設けるステップと、
透析液および未濃縮尿を、前記ポーチから連結導管を介して尿が濃縮される患者の腸の一区域に送るステップと、
濃縮尿を人体から排泄させるために膀胱に送るステップと
から成る方法。 - 腸内の濃縮されていない尿の一部を前記腹部内に放出するステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
- 患者の正常な呼吸活動を利用して、前記未濃縮尿を、腹膜部から、前記胸部ポーチ、次いで腸の前記区域に連続的に送るステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
- 前記導管が少なくとも部分的に、半透膜で形成されており、前記半透膜は、未濃縮尿は前記半透膜を介して腸の前記区域に通過させるが、透析液は前記半透膜から漏出させない多孔度を有する、請求項51に記載の方法。
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