JP2004529625A - 間葉細胞中で発現される免疫グロブリンスーパーファミリー変種とその使用 - Google Patents

間葉細胞中で発現される免疫グロブリンスーパーファミリー変種とその使用 Download PDF

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Abstract

間葉細胞は予想外にも、μ重鎖により例示されるように、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーメンバーの特定の末端切断型変種(すなわちT細胞受容体、と免疫グロブリンスーパーファミリーの関連タンパク質)を発現することがわかった。間葉性T細胞受容体とIg重鎖遺伝子産物は、直接または間接に造血幹細胞を調節する。アンチセンス療法と抗体を使用して、TCRとIg重鎖に関連した機能を低下させることができる。逆に、TCRおよび/またはIg重鎖の過剰発現を使用して、幹細胞移植におけるまたは化学療法後の造血を誘導することができる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、間葉細胞および内皮細胞中で発現される免疫グロブリンスーパーファミリー遺伝子の新規転写体、特にT細胞受容体(TCR)、および免疫グロブリン重鎖変種に関し、該変種は間葉および/または内皮と他の型の細胞との細胞内相互作用を仲介するのに有用であり、こうして細胞の増殖と分化を制御する。
【背景技術】
【0002】
T細胞受容体
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に制限されるT細胞は、5つの追加の非変種膜受容体と同時局在化されたヘテロダイマー表面タンパク質受容体(αβTCR)を発現する(Strominger, 1989;Abbasら, 1994;Jamesonら、1995)。このTCR複合体は、MHC分子に結合した処理されたペプチド抗原に特異的に結合する。種々の標的細胞上のTCRとMHC結合ペプチドとの相互作用は、T細胞増殖と、標的細胞死滅、移植片拒絶、および他の生物学的作用を引き起こすエフェクター機能の活性化との点から、重要な意味を有する可能性がある。
【0003】
ポリペプチドとして発現されることができる機能性TCR α鎖とβ鎖遺伝子は、通常Tリンパ球系統の細胞中にのみ存在する。これらの機能性TCR遺伝子は、生殖細胞系遺伝子セグメントの体細胞性再配列により形成される。各TCR遺伝子座は、可変(V)、結合(J)、および定常(C)領域遺伝子からなり、β鎖は、多様性(D)遺伝子セグメントを含有する。マウスでは、CセグメントとJセグメントの2つのクラスターの5’に位置する20〜30のVβ遺伝子セグメントがある。最大50の異なるJセグメントと約75のVαセグメントがある。VαとJαエキソンの間に介在DNAの大きな領域があり、これは、全TCR δ鎖遺伝子座を含む。胸腺でのT細胞の成熟中に、TCRセグメントは、規定の順序で再配列され、V、D、JおよびCセグメントが互いに近接している機能性のTCRαおよびβ遺伝子が形成される。
【0004】
β鎖遺伝子座は、α遺伝子座の前に再配列される。1次転写体は、VDJとC遺伝子の間に非コード性イントロン配列を含有し、これは後にスプライス除去される。機能性T細胞受容体は、2つのポリペプチド(α鎖は、40〜60kDの酸性糖タンパク質であり、β鎖は、40〜50kDの非荷電または塩基性糖タンパク質である)からなる。α鎖とβ鎖のV領域とC領域は、3次構造形成に寄与する可能性のある鎖内ジスルフィド結合ループを形成し、これは、細胞膜上に存在する。C領域は、膜貫通ドメインと短い細胞質テイル(これは、内因性シグナル伝達性を有するには小さすぎると考えられている)を含有する。
【0005】
T細胞(Qianら、1993;Yoshikaiら、1984)ならびにB細胞(CalmanとPeterlin、1986)は、サイズと構造が異なるTCRαとβの一連の不完全な転写体を発現する。これらの転写体は、フレーム外にあるか、またはその配列が多くの停止コドンを含有してもよい。上流のスプライスされたJセグメントによりフランクされる定常領域をコードするmRNAが同定されたことがある。メチオニンのフレーム内コドンを含有するヒトTCRβのそのような転写体が報告されている(Fagioliら、1991)。しかし、T細胞中でこれらの転写体によりコードされるタンパク質の存在は証明されていない。TCR転写体はまた、Tリンパ球またはBリンパ球以外の細胞系でも報告されている。すなわち、マウス腎臓中でTCRα mRNAが同定された(Madrenasら、1991;Madrenasら、1992;Madrenasら、1994)。最近の研究で、上皮腫瘍細胞中で、V領域が欠如した部分的TCRγ鎖mRNAが同定された。このmRNAは、7kDaのタンパク質であるTARPをコードし、これは、代替読みとり枠から翻訳され、従ってTCRγタンパク質と相同的ではない(Essandら、1999;Wolfgangら、2000)。この研究では、TCRαβもしくはTCRδ転写体またはタンパク質の証拠は、見いだされなかった。従って、TCRβ転写体は、リンパ球系の外には見いだされず、細胞表面で発現されるTCRタンパク質はT細胞形質に特異的であると、一般に認識されている。
【0006】
にもかかわらず、TCR遺伝子ファミリーは、すでに関係付けられている機能以外の機能を果たす可能性がある。本発明者と共同研究者の実験室は、1次間葉ならびに間葉細胞クローンが、可変領域が欠如したT細胞受容体(TCR)αβ mRNAを発現することを発見した。免疫学的および遺伝的証拠は、対応するTCRβタンパク質の発現を支持している。この末端切断型TCRタンパク質は、間葉細胞増殖の制御に関係するとされている(Barda-Saadら、Oncogene、印刷中、2002)。
【0007】
プレB細胞受容体(preBCR)
骨髄では、B細胞の成長は、IgHとIgL鎖遺伝子座(Ehlichら、1994;ten Bockelら、1997)の再配列状態と、細胞内および表面結合マーカーの発現に基づき、いくつかの段階に分けられる。プレB細胞受容体は、免疫グロブリンμ重鎖と代理(surrogate)軽鎖、VpreBとλ5タンパク質からなる(Hardyら、1991)。
【0008】
免疫グロブリン(Ig)は、Bリンパ球によってのみ合成される(Abbaら、1994)。免疫グロブリン分子は、2つの異なる環境で存在することができる:表面抗原受容体として細胞膜中で、および分泌抗体として溶液中で、免疫グロブリン分子は、2つの同一の軽鎖と2つの同一の重鎖からなる。軽鎖と重鎖はそれぞれ、N末端可変(V)領域とC末端定常(C)領域に分けられる。V領域は抗原結合に関与し、C領域は、分子の種々のエフェクター機能を具体化する。異なる機能を有する種々のクラスの免疫グロブリン(IgM、IgD、IgA、IgE)は、異なる重鎖(μ、δ、γ、α、ε)により区別され、その差は、CH領域(Cμ、Cδ、Cγ、Cα、Cε)中にある(Rogersら、1980)。
【0009】
Bリンパ球は、Ig遺伝子セグメントの連続的DNA再配列を特徴とする一連の発生段階を経て、造血幹細胞から成熟する。Igの再配列は、B細胞が広範囲の外来抗原(Ag)に応答することを可能にする。IgH鎖の部分をコードするV、DおよびJセグメントおよびIgL鎖のVとJセグメントは、段階的に再配列される(MelchersとRolink、1999)。ProB細胞は、H鎖遺伝子座のDHセグメントからJHセグメントへの再配列を開始し、こうしてPreBI細胞(B220+、c−kit+)では、H鎖対立遺伝子とDHHが再配列される。ProBとPreBI細胞は、preBCR生成の準備のために、すでに代理軽鎖VpreBとλ5を産生する(Melchersら、1993)。PreBI細胞中でVHからDHそしてJHへの再配列が開始されると、フレーム内にあるこれらの再配列は、機能性IgH鎖遺伝子を生成する。
【0010】
preBCRの生成は、前駆体B細胞にとって機能的な重要性を有する。PreBII細胞は刺激されて、2〜5回の分裂を受け(Rolinkら、2000)、μH鎖を産生するPreBII細胞の数が増加し、ここで次に、L鎖再配列が開始される。preBCRは、第2のDHH−再配列H鎖対立遺伝子での再配列の阻害のシグナルを与える(対立遺伝子排除)(Ehlichら、1994;ten Boekelら、1997)。RNAの以後の処理により、VDJ複合体と最も近接したC領域遺伝子の間のイントロンがスプライス除去され、これで、μ重鎖の機能性mRNAが生成する。
【0011】
組換え活性化遺伝子(RAG−1とRAG−2)は、V(D)J組換えに必須である(Shinkaiら、1992;Mombaertsら、1992)。成体マウス中のB系統発生中に、RAG−1とRAG−2は、もっぱら骨髄の早期B前駆体で発現され、骨髄からのB系統細胞の移動の前に発現は停止する(Hardyら、1991;Osmond、1990)。さらに、RAG−1またはRAG−2が欠如したマウスは、抗原受容体遺伝子の再配列を開始できないため、成熟リンパ球を成長させることができない(Shinkaiら、1992;Mombaertsら、1992)。しかし、RAG血液生産バックグランドでの再配列μHCトランス遺伝子の発現は、B系統での成長阻止を部分的に救済することができて、B220+CD43-プレB細胞が生成され、μ鎖発現が、この成長移行を開始させるのに充分であることを証明している(Youngら、1994;Spanopoulouら、1994)。
【0012】
膜のμ鎖(μm)と分泌型(μs)は構造が異なる。μm鎖は、μs鎖より大きく、μsが示さない疎水性を有する(Rogersら、1980)。preBCR複合体の成分の基本的な役割は、確立されている。μH鎖の膜エキソンまたはλ5遺伝子座の標的化破壊は、正常なB細胞成長ができず、プレB細胞における対立遺伝子排除が喪失している(Kitamuraら、1991;Kitamuraら、1992a;Kitamuraら、1992b;Loffertら、1996)。プレB細胞は、μs鎖ならびにμm鎖を発現することができ、可溶性型のpreBCRの供給源候補である。μs鎖は、SLCと結合し、プレB細胞中の可溶性preBCR複合体中に組み立てられる。μs鎖は内部でSLCと結合できるが、効率的に保持され分解される。μs尾部中の単一のシステイン(Cys575)の突然変異は、小胞体(ER)から可溶性preBCRを放出し、次に分泌する。
【0013】
可溶性preBCRは、ユニークな特異性を有するpreBCR(Bornermannら、1997)に一致して、従来のL鎖に対合した同じ重鎖V領域からなる抗体(Ab)により認識されるハプテンに結合しない。
preBCRは、成熟BCRのように、既知の内因性酵素機能を持たないため、細胞内シグナル伝達経路と機能的連結をするために、結合タンパク質に依存しなければならない。成熟およびpreBCR結合IgαとIgβ鎖は、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を含有し、これは、チロシンキナーゼによるリン酸化の標的である(Reth、1984);これらのタンパク質は、正常なB細胞成長に必要である(GongとNussenzweig、1996;Torresら、1996)。さらに、早期Bリンパ球生成中のITAM結合チロシンキナーゼ活性の重要性が、sykチロシンキナーゼが欠損したマウス(ここで、成長の不完全な阻止が証明され、B220+CD33+proB細胞段階で観察された(CHengら、1995;Turnerら、1995)。
【0014】
末端切断型重鎖Dμ
RethとAltは1984年(RethとAlt、1984)に、Abelsonマウス白血病ウイルス(A−MuLV)を用いる骨髄または胎児牛肝細胞の形質転換により、Bリンパ球のプレB段階である、永久リンパ系細胞株中に末端切断型Dμ重鎖を発見した。一部のA−MuLV生成株は、異常に小さいμ重鎖mRNAそして時に小さいμタンパク質を産生するl.この短いμ mRNA配列は、DJH再配列から生じ、短いμタンパク質は、mRNAを含有するDJHCμ(Dμ mRNA)の翻訳から生じる。不正確な結合機構のために、DHは、3つの可能な読みとり枠(RF)でJHに再配列することができる。ほとんどのDHセグメントは、それ自体のプロモーターとATG翻訳開始コドンを有する。(Ichiharaら、1989)の命名法に従うと、DHが再配列されてRF2中でJHになる時、このDHH複合体は、末端切断型μ鎖タンパク質に翻訳される。これらの小さなμ鎖のサイズは、抗IgM抗血清と125I標識モノクローナルIgM抗体を使用して、ウェスタンブロットで分析した。対照形質転換体の溶解物は、70Kd分子量の通常サイズのμ鎖を発現し、一方、細胞株は、約57Kdの異常に小さなμタンパク質を発現する。さらに、μタンパク質の分泌型と膜結合型をコードするそれぞれ正常な2.4kbと2.7kbのmRNAの代わりに、細胞株300−19および298−13(RethとAlt、1984)は、2.9kbと2.3kbの末端切断型Cμ特異的RNAを含有する;これらの分子種は、それぞれタンパク質の膜型および分泌型に特異的な3’末端を含有する。Dμ preBCRは、おそらくはVHからDHHへの再配列を阻害、ならびにVLからJLへの再配列を誘導することにより、B細胞成長の阻止を仲介することができる(Tornbergら、1998;Horneら、1996)。
【0015】
造血幹細胞の増殖と分化の制御に関与する間葉細胞のポリペプチドまたはペプチドマーカーに対する、実現されていないニーズがあり、これを有することは有利であろう。さらに、造血幹細胞の増殖と分化が関与する疾患を治療するために、遺伝子治療またはアンチセンス分子治療に基づく、介入性治療法を開発することは有利であろう。
【0016】
本明細書における文献の引用は、そのような文献が関連する先行技術であることを認めるものではなく、本出願の特許性に重要であると考えているものでもない。文献の内容や日付に関する記載は、出願時に本出願人が入手できた情報に基づくものであり、そのような記載の正確性を認めるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
(発明の要約)
本発明の目的は、造血幹細胞の増殖と分化の制御に関与する間葉細胞のポリペプチドまたはペプチドマーカーを提供することである。本発明の別の目的は、造血幹細胞の増殖と分化が関与する疾患を治療するために、遺伝子治療またはアンチセンス分子治療の治療的使用法を妨害する方法を提供することである。
【0018】
本発明は、直接または間接に、隣接細胞の増殖と分化の調節をもたらす細胞内相互作用のメディエーターである、間葉細胞および内皮細胞上で発現される免疫グロブリン(Ig)の新規転写体、特にT細胞受容体(TCR)とIg重鎖変種を開示する。
さらに好ましくは間葉性TCRまたはIg変種は、幹細胞増殖と分化の制御に直接または間接に関与している。これらの分子の治療的使用も開示される。
異なる組織内の正常細胞と悪性腫瘍の増殖と分化はすべて、当該分野で公知のように間葉細胞相互作用に依存する。現在、間葉細胞中のTCRの欠如は、間葉が造血を支持する能力の喪失を引き起こすことが、開示されている。
【0019】
本発明はまた、末端切断型免疫グロブリン(Ig)転写体、および後に詳述されるように間葉細胞と内皮間質細胞で見られるコードされたタンパク質、およびこれらの分子の使用に関する。
本発明は、ある態様において、免疫グロブリン遺伝子によりコードされるcDNA分子に関し、該cDNA分子は、V領域配列が欠如しており、定常(C)ドメインと結合(J)領域配列と、フレーム内メチオニンコドンを含むJ領域配列の上流に5’イントロンJ配列とを含む。本発明の新規ポリヌクレオチドは本明細書において、間葉細胞と内皮細胞で発現されるIgμ鎖の転写体により例示される。
本明細書に開示される新規ポリヌクレオチド配列、およびこれらのポリヌクレオチド配列にコードされる対応するタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、ヒト遺伝物質を含む哺乳動物種から誘導される。
【0020】
本発明のある実施態様において、cDNA分子は、ペプチド:
MGFCTPTKGVYDSVTTLTTGAKAPLSQSPS[配列番号2]
をコードする配列:
Figure 2004529625
を有するマウス細胞株MBA−2.1からの、末端切断型μ重鎖転写体をコードする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の別の実施態様において、末端切断型μ重鎖5’末端は、結合領域4(J4)から開始し、定常領域と膜貫通ドメインを含む:
Figure 2004529625
定常
Figure 2004529625
膜貫通ドメイン
Figure 2004529625
【0022】
本発明の別の実施態様において、末端切断型μ重鎖5’末端は、結合領域4(J4)、定常領域、および細胞質ドメインを含む:
Figure 2004529625
定常
Figure 2004529625
細胞質ドメイン
Figure 2004529625
【0023】
本発明の別の実施態様において、末端切断型μ重鎖5’末端は、定常領域から伸長し、膜貫通ドメインを含む:
Figure 2004529625
膜貫通ドメイン
Figure 2004529625
【0024】
本発明の別の実施態様において、末端切断型μ重鎖5’末端は、定常領域から開始し、細胞質ドメインを含む:
Figure 2004529625
細胞質ドメイン
Figure 2004529625
【0025】
ある態様において本発明は、上記の本発明のcDNA分子のアンチセンスDNA分子に関する。
本発明はさらに、本発明のcDNAとアンチセンス分子を含む発現ベクター、該ベクターを含む宿主細胞、特に哺乳動物細胞、に関する。好適な実施態様において、宿主細胞は、トランスフェクトされた間葉ヒト細胞または内皮ヒト細胞である。
本発明のcDNAは、細胞内機能を調節するために、間葉ヒト細胞および内皮ヒト細胞をトランスフェクトするのに使用することができる。本発明は、その細胞内機能の調節が必要な疾患(例えば、創傷治癒)で使用するためのトランスフェクトされた間葉ヒト細胞および内皮ヒト細胞を含む組成物に関する。
【0026】
本発明はさらに、間葉細胞および内皮細胞の細胞内機能を調節する方法であって、必要な被験体に、本発明のcDNA分子を含むトランスフェクトされた間葉ヒト細胞および内皮ヒト細胞を、その内皮細胞連絡を増強するのに有効な量で投与する工程を含む方法に関する。好ましくはこれらのトランスフェクトされた間葉細胞または内皮細胞は、自己細胞である。
ある好適な実施態様においてこれらの方法は、創傷治癒を誘導するかまたは増強するのに適用できる。好適な実施態様において本方法は、自己または同種骨髄移植で造血を増強するのに適用できる。これらの方法は、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ法で、特に遺伝子操作技術の形で行うことができる。
あるいはおよび好ましくは、本発明のアンチセンス分子は、癌細胞が患者の骨髄まで拡大する傾向がある悪性疾患一般の治療に有用である。この方法は、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ法で、特に遺伝子操作技術またはアンチセンス治療法の形で行うことができる。
【0027】
本発明のアンチセンスDNA分子は、その細胞内相互作用を阻害または抑制するために、間葉ヒト細胞および内皮ヒト細胞をトランスフェクトするのに使用することができる。すなわち本発明は、その細胞内相互作用の阻害または抑制を必要とする疾患(例えば、癌)で使用するためのトランスフェクトされた間葉ヒト細胞および内皮ヒト細胞を含む組成物に関する。
本発明はさらに、間葉細胞および内皮細胞増殖を抑制する方法であって、必要な被験体に、本発明のアンチセンスDNA、このDNAを含むベクター、または本発明のアンチセンスDNA分子を含むトランスフェクトされた間葉および内皮ヒト細胞を、その細胞内相互作用を抑制(例えば、癌の抑制)するのに有効な量で投与する工程を含む方法に関する。好ましくはこれらのトランスフェクトされた間葉細胞または内皮細胞は、自己のものである。
【0028】
本発明において、間葉性TCRまたはIg転写体は、幹細胞の増殖と分化の制御に直接または間接に関与してもよい。Igスーパーファミリーの追加の分子変種は、間葉細胞および/または内皮細胞内でかつこれらにより転写され、これらもまた本発明の範囲内であると考えられる。追加の分子が、本発明の新規末端切断型変種とともに、細胞内相互作用を制御する分子複合体にし得ることは、当業者に理解されるであろう。また、本発明の分子の制御作用は直接または間接であり、後者の用語は、観察された生物学的作用を達成するのに追加の分子メディエーターまたはシグナルが必要であることを表すことも理解される。
本明細書に開示の新規ポリヌクレオチド配列およびこれらのポリヌクレオチド配列によりコードされる対応するタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、ヒト遺伝物質を含む哺乳動物種から誘導される。
【0029】
(発明の詳細な説明)
本発明は、造血系またはリンパ系に属さない細胞中での、免疫グロブリンスーパーファミリーと呼ばれる遺伝子のメンバーの新規変種の転写を開示する。これらの分子はこれまで、これらの遺伝子のいくつかの異常な転写体を発現することが公知のいくつかの形質転換細胞株または腫瘍を除いて、リンパ系に特異的であると考えられてきた。現在間葉細胞中で発見されている新規転写体は、これらの細胞により、TCRやIg分子の新規末端切断型変種として翻訳され、発現される。
【0030】
これらの新規末端切断型変種は、細胞増殖と分化を制御し、かつ細胞−細胞相互作用を仲介することができる。これらの性質は、細胞増殖を刺激、例えば特に造血を増強するために、使用することができる。これらの方法は、例えば骨髄移植が関与するような状況で特に有用であろう。これに対して、これらの性質は、細胞増殖を抑制、例えば癌増殖または転移を予防するために、使用することができる。増殖刺激はには遺伝子治療があり、増殖抑制には、アンチセンス療法または抗体標的化法または当該分野で公知の他の方法がある。
【0031】
本発明は、一部は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用してTCR遺伝子断片を増幅していた、間質細胞株と胸腺T細胞との相互作用についての研究から得られた。予想外にも、マウス骨髄から誘導されるMBA−13間葉性間質細胞株は、一貫してTCRβ定常(Cβ)領域を発現し、一方、陰性対照組織(すなわち、肝臓)およびいくつかの対照細胞株(例えば、プレB細胞、形質細胞腫細胞、肥満細胞腫細胞)は、TCR遺伝子からのプライマーを使用してPCR産物を産生しないことを見いだした。
【0032】
種々の間質細胞株でさらに試験すると、定常(C)ドメイン(これは、T細胞受容体のものと同一である)、結合(J)領域(これは、いくつかの代替物の1つである)、および5’ドメイン(これは、メチオニンのフレーム内コドン(Barda-Saadら、Oncogene、印刷中、2002)を含むイントロンJ配列(再度いくつかの代替物の1つ)に比較したヌクレオチド配列からなる)からなるTCRの末端切断型をコードする、TCR遺伝子由来mRNAの存在が証明された。このmRNAは、V領域配列が欠如している。そのような分子の1つ(すなわち、TCRβ2.6の新しい変種)は、間葉細胞中に存在し、細胞表面間葉性タンパク質をコードすることが証明された。mRNAレベルの発現もまた、胸腺で観察されている(Barda-Saadら、Oncogene、印刷中)。表1は、これらの新規転写体のイントロンJ配列によりコードされるペプチドの例を示す。
【0033】
間葉細胞がTCR遺伝子を発現するという知見は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーの他のメンバーが間葉中で発現されるという可能性を示した。我々は、内皮細胞と性質を共有する1つのサブタイプ(MBA−2.1細胞)を含む我々の実験室で得られた一連の間質性間葉細胞株をスクリーニングした。末端切断型TCR分子で得られた我々の経験(これは、可変部分が欠如し、メチオニンのコドンを含むイントロン配列が先行するJ領域を有する)に基づき、我々は、MBA−2.1細胞でPCR分析を行い、この細胞が、末端切断型Igμ重鎖に対応するmRNA転写体を発現することを見いだした。従って我々は、少なくとも1つ(おそらく多く)の型の間質細胞がIgμ鎖を発現し、このタンパク質を表面分子として提示するかも知れないと考えている。
【0034】
さらに我々は、間葉細胞中で発現される末端切断型免疫グロブリンスーパーファミリー変種が、隣接細胞の増殖/分子を制御または調節する能力を開示する。すなわち、本発明の新規分子は間葉細胞の増殖を調節するのみでなく、造血幹細胞の増殖と分化を制御することができる。さらにこれらは、形質転換細胞の増殖を制御することができる。
本発明は、末端切断型TCR変種の新規使用、ならびに新規末端切断型Ig変種の使用を開示する。
【0035】
表1 間葉細胞の末端切断型TCR変種転写体は、推定ペプチドをコードするイントロンJ配列を含む。
MENVSNPGSCIEEGEERGRILGSPFL[配列番号7];
MGEYLAEPRGFVCGVEPLC[配列番号8];
MAWH[配列番号9];
MEAGWEVQHWVSDMECLTV[配列番号10];
MECLTV[配列番号11];
MTV[配列番号12]
MCGSEEVFVVESA[配列番号13];
MACYQMYFTGRKVDEPSELGSGL
ELSYFHTGGSSQAVGLFIENMISTS
HGHFQEMQFSIWSFTVLQISAPGSH
LVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号14];
MYFTGRKVDEPSELGSGL
ELSYFHTGGSSQAVGLFIENMISTS
HGHFQEMQFSIWSFTVLQISAPGSH
LVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号15];
MISTSHGHFQEMQFSIWSFTVLQIS
APGSHLVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号16];
MQFSIWSFTVLQISAPGSHLVPETERAEGPGVF
VEHDI[配列番号17];
MWWGLILSASVKFLQRKEILC[配列番号18];
MVGADLCKGGWHCV[配列番号19];
MREPVKNLQGLVS[配列番号20];
MEVYELRVTLMETGRERSHFVKTSL[配列番号21];
METGRERSHFVKTSL[配列番号22];
MGLSAVGRTRAESGTAERAAPVFVLGLQAV[配列番号23];
MLLWDPSGFQQISIKKVISKTLPT[配列番号24];
MLPNTMGQLVEGGHMKQVLSKAVLTV[配列番号25];
MGQLVEGGHMKQVLSKAVLTV[配列番号26];
MKQVLSKAVLTV[配列番号27];
MSEC[配列番号28];
MAHFVAVQITV[配列番号29];
MGICYS[配列番号30];
MKRAGEGKSFCKGRHYSV[配列番号31];
MLTTLIYYQGNSVIFVRQHSA[配列番号32];
MQLPHFVARLFPHEQFVFIQQLSSLGKPFCRGV
CHSV[配列番号33];
MGFSKGRKCCG[配列番号34];
MKKIWLSRKVFLYWAETL[配列番号35];
MGKVHVMPLLFMESKAASINGNIMLVYVENTHN
TV[配列番号36];
MPLLFMESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号37];
MESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号38];
MLVYVETHNTV[配列番号39];
MEEGSFIYTIKGPWMTHSLCDCCVIGFQTLALI
GIIGEGTWWLLQGVFCLGRTHC[配列番号40];
MTHSLCDCCVIGFQTLALIGIIGEGTWWLLQGV
FCLGRTHC[配列番号41];
MESQATGFCYEASHSV[配列番号42]。
【0036】
すなわち、TCRとIg鎖の両方とも細胞−細胞相互作用、細胞の増殖と分化に関連していることが本明細書で開示され、従って、間質機能を調節するのに使用することができる。TCRは、間葉性間質で最も豊富に存在し、μ鎖は内皮間質に豊富に存在するようである。
Igスーパーファミリーの追加の分子変種が、間葉細胞および/または内皮細胞で転写され発現されると予測され、これらもまた本発明の範囲内である。追加の分子は、本発明の新規末端切断型変種とともに、細胞内相互作用を制御する分子複合体に関与しているかも知れないことを、当業者は理解するであろう。
【0037】
内皮
造血幹細胞の維持を可能にする細胞および分子機構は、充分理解されていない。種々の胚造血部位の形態検査は、造血前駆体細胞が、卵黄嚢と大動脈−性腺−中腎領域(AGM)の両方で、内皮細胞と物理的に密接に接触していることを明らかにした(Linら、1995)。胚の生活史(Garcia Porreroら、1995)における造血細胞と内皮細胞の成長の密接な関連から、2つの系統が、血管芽細胞と呼ぶ共通の前駆体から誘導されるという仮説が立てられた。最近、数人の著者が、内皮細胞(血管内皮細胞と骨髄内皮細胞の両方)が、造血を支持すると報告している(BagdyとHeinrich、1991)。内皮細胞が造血を支持する機構は、内皮細胞由来サイトカイン(Fleischmanら、1995)、細胞外マトリックスタンパク質(Rafiiら、1994)、および細胞−細胞相互作用(Finaら、1994)が関与すると考えられている。間質細胞は、リンパ造血微小環境の必須成分であると考えられている。Bリンパ球は胎児と成体動物の骨髄の生活史中で肝臓で成長する(Kincadeら、1981)。まだ不明の間質細胞分子が、B系統細胞増殖と成長に関与していることが疑われている(PalaciosとSamaridis、1992)。
【0038】
間葉細胞
間葉細胞は、器官形成を指令することにより胚発生において重要な役割を果たす。成体生物では、組織リモデリング(例えば、創傷治癒で起きるようなもの)は、間葉上皮細胞により開始される。造血制御の研究は、血球形成が、間質性間葉により局所的に制御されることを証明した(Zipori, 1989;Zipori, 1989;Zipori, 1990;Weintroubら, 1996)。実際、骨髄由来の初代間質ならびに初代骨髄培養物由来の種々の間葉細胞系は、インビトロで造血を支持する能力を示し、移植されると、移植部位でインビボで骨と造血活性のある組織の形成を促進する。間質活性を仲介する分子は、種々のサイトカインと接着分子であることが証明されている。しかし、これまで同定された分子は、広範な間質細胞機能を説明できず、間質構築、幹細胞再生、および他の必須の間質機能を説明できない。
【0039】
骨髄からの間葉細胞は、インビトロでの造血幹細胞の維持と再生に必須であることは公知であり、この細胞はインビボでの造血の維持に決定的に重要である。間葉の機能は、血液細胞に限定されない。実際、すべての組織と臓器は、他の組織特異的な型の細胞と相互作用する間質間葉支持により構成される。すなわち、異なる組織中の細胞の増殖と分化および腫瘍の成長は、すべての間葉機能に依存する。
【0040】
ノックアウトマウス
マウスにおける機能喪失の実験は、ほとんど遺伝子ノックアウト法により行われている。本発明で使用されるノックアウトマウスは、後述するように造血の免疫グロブリンスーパーファミリー変種が果たす重要な役割を証明する。この方法は当該分野で公知である。これは、胚幹(ES)細胞中で特定の遺伝子のノックアウトを作成するためにマウス遺伝子の使用を必要とし、これは次に、マウス生殖細胞系細胞に取り込まれ、ここから、遺伝子ノックアウトを有するマウスが作成される。ヒト遺伝子から同種のマウス遺伝子を回収するのに、いくつかの方法がある。1つの方法は、ヒト遺伝子を使用して、ラムダファージ、コスミドまたはBACのマウスゲノムライブラリーとプローブ結合させることである。陽性クローンを調べて、配列決定し、マウス遺伝子の本体を証明する。別の方法は、マウスESTデータベースを検索して、一致するマウス配列を見つけることである。これは、PCRまたはハイブリダイゼーションにより、上記マウスゲノムライブラリーの効率的なスクリーニングを可能にするプライマー対または特異的マウスプローブを作成するための基礎である。大多数の遺伝子について、ヒト遺伝子のマウス同族体は、同じ生物学的機能を保持している。マウスでの機能喪失実験は、マウスの表現型に対する遺伝子発現の欠如の影響を示し、得られた情報は、ヒトの遺伝子の機能に応用される。多くの場合に、ノックアウトマウスで観察される特定の表現型は、特定のヒトの遺伝病と類似しており、遺伝子がヒトの疾患に関与かつ変異していることが証明される。
【0041】
アンチセンス配列
以下に例示されるように、間葉性TCRおよび免疫グロブリン重鎖の発現または発現の欠如は、特に造血プロセスにおいて、間葉細胞と他の隣接細胞の相互作用を調節するようである。従って本発明はさらに、関与する組織の微小環境において、間質/間葉細胞相互作用および隣接細胞との細胞−細胞連絡を調節することを目的とする細胞および組織中の発現のために、間葉性TCR mRNAから誘導される本発明のcDNAとアンチセンス分子の使用に関する。
この目的のために、cDNAまたはアンチセンス分子は、例えば、特に限定されないが、臨床治験で遺伝子治療(Bordingnonら、1995)で使用されているようなレトロウイルスベクターDCAlおよびDCMmのような適切なベクター中に挿入される。好ましくは、適切なプロモーター(例えば、cDNA自体のプロモーター)の制御下にある、cDNAまたはアンチセンス分子を含有するベクターは、適当な哺乳動物、好ましくはヒト、最も好ましくは患者の自己間葉細胞を、感染またはトランスフェクトするのに使用されるであろう。次に、遺伝子修飾された間葉細胞は、適切な経路で必要な患者に投与され、所望の部位または組織で発現されるであろう。
【0042】
好ましくない遺伝子の発現を操作するためには、細胞中でアンチセンスRNAを産生することが必要である。このために、本発明に従って、好ましくない遺伝子の完全なまたは部分的なcDNAが、プロモーターを含む発現ベクター中に挿入される。こうして、cDNAの3’末端は、プロモーターの3’末端に隣接して挿入され、cDNAの5’末端は、該cDNAによりプロモーターの3’末端からは分離される。従って、細胞中でcDNAが発現されると、タンパク質をコードすることができないアンチセンスRNAが産生される。細胞中のアンチセンスRNAの存在は、好ましくない遺伝子の細胞(ゲノム)コピーの発現を低下させる。
【0043】
アンチセンスRNAの産生のために、完全なcDNAを使用してもよい。あるいは、その断片を使用してもよく、これは、好ましくは約9〜1,000ヌクレオチドの長さ、さらに好ましくは15〜500ヌクレオチド、および最も好ましくは30〜150ヌクレオチドの長さである。
断片は、好ましくはcDNAの5’半分内の領域、さらに好ましくは5’非翻訳領域および/または第1のエキソン領域、および最も好ましくはATG翻訳開始部位を含む、5’領域に対応する。あるいは、断片は、5’非翻訳領域のDNA配列にのみ対応してもよい。
【0044】
合成オリゴヌクレオチドを、アンチセンスオリゴヌクレオチドとして使用してもよい。このオリゴヌクレオチドは、好ましくはDNAオリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、好ましくは9〜150ヌクレオチド、さらに好ましくは12〜60、および最も好ましくは15〜50ヌクレオチドである。そのコードするmRNAからの、本発明のタンパク質の産生を阻害する適当なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、当該分野で公知の「遺伝子歩行」法に類似の一連の重複オリゴヌクレオチドの使用により、ルーチンの実験を用いて容易に測定することができる。アンチセンス開発の当該分野で公知のそのような「歩行」法は、90〜150ヌクレオチドの長さのオーダーで、セグメント中のmRNAに相補的な配列の全長を歩行するための、合成オリゴヌクレオチドを用いて行うことができる。この「遺伝子歩行」法は、標的mRNA上のアクセス可能な領域に相補的であり阻害アンチセンス活性を示す、オリゴヌクレオチドを同定するであろう。
【0045】
あるいは、好ましくない遺伝子に結合できるタンパク質またはこれにコードされるタンパク質のコード配列に基づくオリゴヌクレオチドを、Oligo4.0(National Bioscience, Inc.)を使用して設計することができる。アンチセンス分子はまた、コード配列の5’末端のほぼ−10〜+10ヌクレオチドにまたがる領域で結合するアンチセンスを調製することにより、ポリペプチドへのmRNAの翻訳を阻害するように設計してもよい。
【0046】
所望の性質を増強するオリゴヌクレオチドの修飾は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する時に、一般的に使用される。例えば、主にホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、細胞の酵素による分解を受けにくいため、DNA中に天然に存在するホスホエステル結合の代わりにホスホロチオエート結合が使用される。好ましくは、オリゴヌクレオチドの60%で2’−メトキシリボヌクレオチド修飾が使用される。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドで観察される効果に匹敵するアンチセンス効果を誘発することができる。
【0047】
従って、本発明の好適なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、混合ホスホジエステル−ホスホロチオエート骨格を有する。好ましくは、約30%〜80%、さらに好ましくは約60%のオリゴヌクレオチド中で、2’−メトキシリボヌクレオチド修飾が使用される。
本発明の実施において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスRNAを使用してもよい。アンチセンスRNAの長さは、好ましくは約9〜約3,000ヌクレオチド、さらに好ましくは約20〜約1,000ヌクレオチド、最も好ましくは約50〜約500ヌクレオチドである。
【0048】
有効であるためには、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、細胞膜を移動できなければならない。一般にアンチセンスオリゴヌクレオチドは、おそらく特異的受容体を介する取り込みにより、細胞膜を通過する能力を有する。アンチセンスオリゴヌクレオチドが1本鎖分子であるため、これらはある程度疎水性であり、膜を介する受動的拡散を増強する。アンチセンスオリゴヌクレオチドに修飾を導入して、膜を通過する能力を改良してもよい。例えば、オリゴヌクレオチド分子を、部分的に不飽和の脂肪族炭化水素鎖および1つ以上の極性もしくは荷電基(例えば、カルボン酸基、エステル基、およびアルコール基)を含む基に結合してもよい。あるいは、オリゴヌクレオチドは、好ましくは膜向性のペプチドであるペプチド構造に結合してもよい。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、より容易に膜を貫通し、これはその機能にとって決定的に重要であり、従って、その活性を実質的に増強させる。
【0049】
タンパク質、ペプチドおよびDNAの細胞への導入
本発明は、末端切断型免疫グロブリンスーパーファミリー変種遺伝子によりコードされるタンパク質、そこから誘導されるペプチド、および変種遺伝子転写体に基づくアンチセンスDNA分子を提供する。これらの手段の治療的または研究関連の使用は、これらを、生きた生物の細胞または培養細胞中に導入することを必要とする。このために、ペプチド、タンパク質、およびアンチセンス分子の膜透過性を改良することが好ましい。膜透過性が向上したペプチドやタンパク質を作成するのに、同じ原理(すなわち、親油性構造体による誘導体化)も使用される。例えば、既知の膜向性ペプチドの配列を、ペプチドまたはタンパク質の配列に付加してもよい。さらにペプチドまたはタンパク質は、少なくとも1つの極性基または荷電基で置換した、上記の炭化水素鎖のような部分的に親油性の構造体で、誘導体化してもよい。例えば、ペプチドのラウロイル誘導体が、当該分野で記載されている。ペプチドおよびタンパク質のさらなる修飾には、スルホキシド基および誘導体を作成するためのメチオニン残基の酸化があり、ここで比較的疎水性のペプチド結合は、ケトメチレンイソエステル(COCH2)により置換される。これらおよび他の修飾が膜透過性を向上させることは、タンパク質およびペプチド化学の当業者には公知である。
【0050】
膜透過性を向上させる別の方法は、細胞表面上の受容体(例えば、ウイルス受容体)を使用して、ペプチドまたはタンパク質の細胞取り込みを誘導することである。この機構は、ウイルスによりしばしば利用され、これはいくつかの細胞表面分子に特異的に結合する。結合すると、細胞はウイルスをその内部に取り込む。細胞表面分子は、ウイルス受容体と呼ばれる。例えば、インテグリン分子CARとAdVは、アデノウイルスのウイルス受容体として記載されている。CD4、GPR1、GPR15、およびSTRL33分子は、HIVの受容体/共受容体として同定されている。
【0051】
細胞表面受容体に結合することが知られている分子にペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドを結合させることにより、該ペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドの膜透過性が向上する。結合体を形成するための適当な基の例には、糖、ビタミン、ホルモン、サイトカイン、トランスフェリン、アシアロ糖タンパク質などの分子がある。Lowら、米国特許第5,108,921号は、ペプチド、タンパク質およびオリゴヌクレオチドの膜透過性、および該結合体の調製を向上させるためのこれらの分子の使用を記載する。
【0052】
Lowと共同研究者は、葉酸やビオチンのような分子の受容体の豊富で非特異的な発現のために、生物中の多数の細胞に結合体を標的化するのに、これらの分子が使用されることをさらに教示している。
本発明のペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドの膜透過性を向上させるための細胞表面タンパク質の上記使用はまた、本発明のペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドを、いくつかの型の細胞または組織に標的化するのに使用される。例えば、神経細胞を標的化したいなら、これらの細胞の表面により豊富に発現される細胞表面タンパク質を使用することが好ましい。
【0053】
従って上記結合法を使用して、本発明のタンパク質、ペプチド、またはオリゴヌクレオチドを、間葉細胞に標的化してもよい。例えば、自己もしくは同種骨髄移植または創傷治癒を増強するために間葉細胞増殖を増強することが好ましいなら、免疫グロブリンスーパーファミリー変種遺伝子を、遺伝子治療の形で、間葉細胞中に挿入してもよい。この実施態様において、cDNA分子を含有する細胞の局所的移植を使用して、微小環境中の隣接細胞との間葉性細胞−細胞相互作用を調節し、こうして創傷治癒過程を増強することができる。
【0054】
これに対して、腫瘍の場合のように、間葉細胞増殖を阻害したいなら、間葉性細胞間連絡を阻止することにより腫瘍の退縮を達成するために、腫瘍の間葉細胞をアンチセンスcDNAでトランスフェクトすることができ、次に局在化固形腫瘍の治療に使用することができる。
本発明のmRNAによりコードされるタンパク質は、間葉細胞の細胞表面受容体であり、おそらく隣接する造血または非造血細胞により提示されるリガンドと相互作用するであろう。すなわち、結合型または可溶性型で、そこから誘導されるこれらのタンパク質またはペプチドは、該リガンドを有する細胞への調節作用を有してもよい。
【0055】
抗体
本発明はまた、上記の本発明の一部である末端切断型免疫グロブリンスーパーファミリー変種転写体によりコードされるタンパク質に特異的な抗体を包含する。本発明のタンパク質とペプチドは、間葉細胞のマーカーとして使用される抗体産生のための免疫原として使用される。そのような抗体は、そのような天然に存在するタンパク質の存在を同定するための診断目的に使用される。そのような抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でも、またはそのようなタンパク質に特異的なモノクローナル抗体の抗原結合部分を取り込む他の分子でもよい。そのような他の分子は、1本鎖抗体、ヒト化抗体、F(ab)もしくはF(ab')2断片、キメラ抗体、標識物(蛍光または放射活性標識物、または、毒性分子が抗体の抗原結合部分に結合した免疫毒素)が結合した抗体でもよい。この例は、非限定性である。しかし、そのような分子が抗体の抗原結合部分を含む限り、これはタンパク質に結合すると予測され、従って、モノクローナル抗体が使用されるものと同じ診断目的に使用することができる。
【0056】
医薬組成物
これらの組成物は、注射、局所投与、または経口摂取により使用される。注射による本発明の医薬組成物の好適な使用は、局所的(眼内、膣内、直腸内、および吸入を含む)、経口、または非経口(例えば、静脈内点滴、腹腔内注射、皮下注射、筋肉内注射)である。
本発明の医薬組成物は、一般に緩衝物質(その浸透圧を調整する物質)、および場合により1つ以上の担体、賦形剤および/または当該分野で公知の添加物を、例えば、医薬組成物に香り、色、潤滑性などを付加するために、含む。
担体は当該分野で公知であり、デンプンとその誘導体、セルロースとその誘導体(例えば、微結晶セルロース、キサンタンガムなど)がある。滑沢剤は、水素化ヒマシ油などを含んでよい。
【0057】
好適な緩衝物質は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)であり、この溶液もまた、浸透圧について調整される。
好適な医薬組成物は、担体が欠如したものである。そのような製剤は、注射(静脈内注射を含む)により投与するのに使用することが好ましい。
医薬組成物の調製は、当該分野で公知であり、多くの文献や教科書に記載されている。
【0058】
細胞膜を通過するアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込みを増強するために、添加物が選択される。そのような物質は一般に、2本鎖DNA分子の細胞取り込みを増強する物質である。例えば、この目的のために、トランスフェクション試薬DOTAP(ベーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim))、リポフェクチン、リポフェクタム、およびトランスフェクタム(これらは市販されている)を含むいくつかの脂質分子が開発されている。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、リポソーム内に封入することができる。
リポソーム(例えば、上記のトランスフェクション試薬の使用)の調製と使用は当該分野で公知である。リポソームを得るための他の方法には、センダイウイルスおよび他のウイルスがある。
上記の陽イオン性または非イオン性脂質物質は、オリゴヌクレオチドの細胞内への取り込みを増強するのに機能し、しかし細胞により取り込まれたオリゴヌクレオチドの安定性も改良する。
【0059】
目的の遺伝子のタンパク質産物の検出
目的のタンパク質翻訳産物を検出する方法には、特に限定されないが、免疫ブロッティングまたはウェスタンブロッティング、ELISA、サンドイッチ測定法、蛍光、またはビオチンまたは第2抗体が有るかまたは無い酵素標識がある。
ウェスタンブロッティング解析は、組織生検または組織吸引物について行うことができる。これは、電気泳動ゲル(例えば、SDS PAGEゲル)上でタンパク質を分離し、分離したタンパク質をニトロセルロース膜または他の適当な膜に移す。タンパク質は標的結合分子(例えば抗体)とインキュベートされる。
この結合試薬は、標識してもしなくてもよい。標識しないなら、結合試薬に結合する第2の標識分子を使用してもよい。1つの方法は、1つの分子をアビジン化し、他の分子をビオチン化することである。別の方法は、第2の分子を第2抗体とすることであり、これは元々の結合試薬に結合する。
【0060】
特定のタンパク質の検出を改良するために、免疫沈降法を使用してもよい。これは典型的には、目的のタンパク質に対するモノクローナル抗体を試料に添加し、次に親和性ビーズ(すなわち、抗ヒトIgセファロースビーズ)を添加後、Ig−タンパク質複合体を沈降させる。免疫沈降物は、数回洗浄後、ニトロセルロース膜に移す。使用した1次抗体に対する別の抗体を使用して、ウェスタンブロット解析を行うことができる。
本発明を一般的に記載したが、これは、以下の例を参照することにより、さらに容易に理解され、これは例示のためのみであり、本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
(実施例)
初代細胞培養物
(i)骨髄。1〜2週齢のメスC57BL/6マウスの大腿骨と脛骨から、マウス骨髄を得た。27ゲージ針の付いた1mlシリンジを使用して、骨髄腔を介して培地をフラッシュすることにより、骨髄細胞を無菌的に取り出した。1×107細胞/mlを20%FCS(バイオラブ(Bio Lab)、イスラエル)含有DMEMに接種し、37℃で5%CO2雰囲気中で4〜5日間培養した。プレートを洗浄し、新鮮な培地で覆った。3週間後、単層が形成された。細胞を、0.02%EDTA含有0.5%トリプシン(シグマ(Sigma)、セントルイス、ミズーリ州)を使用して1:10の分割比で、毎月継代した。
(ii)胚繊維芽細胞:マウス胚をPBS溶液中で小片に切断し、0.5%トリプシンと0.02%EDTAで37℃で15分処理した。上清を採取し、再度トリプシンで30分処理した。得られた細胞懸濁物を、数回洗浄し、10%FCS含有DMEM中に最終濃度106細胞/mlで再懸濁し、37℃で5%CO2雰囲気中で4〜5日間培養した。繊維芽細胞単層が形成された時、これを5分間トリプシン処理し、細胞を洗浄し、前記したように再懸濁した。この細胞懸濁液(2×105細胞/ml)を、再度4〜5日間培養し、次に採取した。
(iii)胸腺と肝臓細胞を、6〜10週齢のBalb/cマウスから得た。
【0062】
長期造血培養
Balb/cマウスからの5×105/培養物の骨髄細胞、またはFACSで分類したCD34+Lin-細胞を、MEFのコンフルエント層に接種し、これを使用前に、インビトロで3〜13回継代した。骨髄細胞を、20%ウマ血清(ステムセルテクノロジーズ(StemCell Technologies)、バンクーバー、カナダ)と10-6ヒドロコーチゾンヘミスクシネートを補足したα−MEM(ギブコビーアールエル(Gibco BRL)、ペーズリー、英国)に接種し、10%CO2の加湿雰囲気中で37℃で維持した。各実験で、各群6つの培養物を接種した。細胞を半分減らし、週に2回栄養を与えた。採取した細胞を計測し、インターロイキン(IL)−3(10ng/ml)、エリスロポエチン(3単位/ml)、ckitリガンド(50ng/ml)およびIL−6(10ng/ml)を補足した半固体メチルセルロース培地に接種した。ckitリガンドは、ペプロテク(PeproTech Inc.)(ロッキーヒル、ニュージャージー州)から購入し、他のサイトカインはR&Dシステムズ(R & D Systems)(ミネアポリス、ミネソタ州)から購入した。コロニーは培養8日目に計測した。
【0063】
統計
データは、平均±平均の標準誤差として示す。スチューデントt検定を行って有意性を調べた。
【0064】
TCRβ欠損マウスからのMEFの欠陥造血
間葉の1つのよく研究される機能は、造血幹細胞の自己再生と分化に適したインビトロ微小環境を形成する能力である。我々はこの現象を利用して、正常MEFとTCRβ-/-マウスで、長期インビトロ造血を支持する能力を比較した。ドナーBalb/cマウスからの骨髄細胞(図1A)、または正常マウスのMEFのコンフルエント培養物に接種した造血幹細胞について濃縮したCD34+Lin-細胞のFACS分類精製集団(図1B−IとC)は、数日の培養で敷石状領域を形成し、MEF層内と培養物の液相中で、1ヶ月のインキュベーション中増殖した。造血コロニー形成測定法により、これらの培養物中に造血前駆細胞が高率に検出された(図1D)。これらの知見は、培養物で3〜13回継代したMEFと同一である。これとは極めて対照的に、早期継代時のTCRβ-/-マウスのMEFは、造血を支持する能力が劣っており(示していない)、7回を超えて継代するとその能力を完全に喪失した(図1A、B−IIとC)。TCRβ-/-と野生型動物からのMEFは、この段階で同じ集団倍加時間で増殖し、形態の変換の兆候は示さなかったことが顕著である。TCRが造血幹細胞と直接相互作用するかまたは間葉性造血機能への作用が間接的に仲介されるかは、まだ不明である。我々の知見は、TCRβノックアウトは、T細胞欠陥を引き起こすのみでなく、1次間葉機能不全も引き起こすことを示す。
【0065】
間葉細胞は免疫グロブリンスーパーファミリーの他のメンバーを発現する
間葉細胞がTCR遺伝子を発現するという知見は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーの他のメンバーが間葉中で発現されるという可能性を示した。我々は、内皮細胞と性質を共有する1つのサブタイプ(MBA−2.1細胞)を含む我々の実験室で得られた一連の間質性間葉細胞株をスクリーニングした。RT−PCRを使用して我々は、MBA−2.1細胞が多量のマウスμ鎖mRNAを発現することを発見した。ノーザンブロット解析(図2)は、これを証明する。さらに重要なことに我々は、μ鎖タンパク質がこの細胞株により発現されるという証拠を得た。実際ウェスタンブロッティングは、mRNA配列により予測されるサイズである約50kDaのサイズ(図3)に対応するバンドを検出した。
末端切断型μ重鎖(マウス)−MBA−2.1は、配列[配列番号2]を有するペプチドをコードするI+j2と記載されるDNA配列[配列番号1]を含む。さらに、1つの型の末端切断型μ重鎖5’はJ4から始まり、C領域まで伸長VHして、膜貫通ドメイン[配列番号3]または細胞質ドメイン[配列番号4]を含有する。別の型の末端切断型μ重鎖5’は定常領域から始まり、膜貫通ドメイン[配列番号5]または細胞質ドメイン[配列番号6]を含有する。
【0066】
末端切断型μ重鎖の場合は、末端切断型TCRβの場合に非常によく似ている。間葉と内皮において、末端切断型(すなわち、可変部分が欠如)で、メチオニンのコドンを含むイントロン配列が先行するJ領域を有するIgスーパーファミリー分子の発現がある。PCR分析は、MBA−2.1細胞がそのようなmRNA転写体を発現することを見いだした。従って我々は、少なくとも1つ(おそらく多く)の型の間質細胞および内皮細胞がIgμ鎖を発現し、多くがこのタンパク質を表面分子として提示するかも知れないと考えている。間葉と内皮によるμ鎖の発現は、その隣接細胞の細胞内増殖/分化調節を制御するかまたはこれに関連すると予測される。TCRとμ鎖の両方とも、細胞の増殖/分化機構に関連していることは公知であり、従って、間葉と内皮の細胞内相互作用を調節するのに使用することができる。TCRは間葉間質中に最も豊富にあり、一方μ鎖は内皮間質中に豊富にあるようである。
最後に、ウェスタンブロットの結果を強化するために、図4は、ヤギ抗マウスμ鎖で免疫染色し、ビオチン化ロバ抗ヤギとABCキットで増幅したMBA−2.1を示す。
【0067】
隣接細胞の増殖と分化の調節における間葉および内皮TCRまたはIgの使用
これらの分子をコードするcDNAを使用して、治療の目的に応じてセンスまたはアンチセンス配列を発現することにより、細胞増殖を調節することができる。腫瘍の場合は、間質が腫瘍増殖を増強する。従って、腫瘍細胞に対する間質細胞のこの作用を阻害または最終的には阻止することが好ましく、いずれかの遺伝子にアンチセンスを適用してその発現を止めることが好ましい。骨髄線維症のような疾患についても、同じことが言え、骨髄に間葉細胞を入れると、正常な造血が阻止され、これが排除される。
【0068】
好ましくない遺伝子の発現を操作するためには、細胞中でアンチセンスRNAを産生することが必要である。このために、本発明に従って、好ましくない遺伝子の完全なまたは部分的なcDNAが、プロモーターを含む発現ベクター中に挿入される。こうして、cDNAの3’末端は、プロモーターの3’末端に隣接して挿入され、cDNAの5’末端は、該cDNAによりプロモーターの3’末端からは分離される。従って、細胞中でcDNAが発現されると、タンパク質をコードすることができないアンチセンスRNAが産生される。細胞中のアンチセンスRNAの存在は、好ましくない遺伝子の細胞(ゲノム)コピーの発現を低下させる。
【0069】
アンチセンスRNAの産生のために、完全なcDNAを使用してもよい。あるいは、その断片を使用してもよく、これは、好ましくは約9〜2,000ヌクレオチドの長さ、さらに好ましくは15〜500ヌクレオチド、および最も好ましくは30〜150ヌクレオチドの長さである。
断片は、好ましくはcDNAの5’半分内の領域、さらに好ましくは5’非翻訳領域および/または第1のエキソン領域、および最も好ましくはATG翻訳開始部位を含む、5’領域に対応する。あるいは、断片は、5’非翻訳領域のDNA配列にのみ対応してもよい。
【0070】
合成オリゴヌクレオチドを、アンチセンスオリゴヌクレオチドとして使用してもよい。このオリゴヌクレオチドは、好ましくはDNAオリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、好ましくは9〜150ヌクレオチド、さらに好ましくは12〜60、および最も好ましくは15〜50ヌクレオチドである。そのコードするmRNAからの、本発明のタンパク質の産生を阻害する適当なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、当該分野で公知の「遺伝子歩行」法に類似の一連の重複オリゴヌクレオチドの使用により、ルーチンの実験を用いて容易に測定することができる。アンチセンス開発の当該分野で公知のそのような「歩行」法は、90〜150ヌクレオチドの長さのオーダーで、セグメント中のmRNAに相補的な配列の全長を歩行するための、合成オリゴヌクレオチドを用いて行うことができる。この「遺伝子歩行」法は、標的mRNA上のアクセス可能な領域に相補的であり阻害アンチセンス活性を示す、オリゴヌクレオチドを同定するであろう。
【0071】
あるいは、好ましくない遺伝子に結合できるタンパク質またはこれにコードされるタンパク質のコード配列に基づくオリゴヌクレオチドを、Oligo4.0(ナショナルバイオサイエンス(National Bioscience, Inc.))を使用して設計することができる。アンチセンス分子はまた、コード配列の5’末端のほぼ−10〜+10ヌクレオチドにまたがる領域で結合するアンチセンスを調製することにより、ポリペプチドへのmRNAの翻訳を阻害するように設計してもよい。
【0072】
所望の性質を増強するオリゴヌクレオチドの修飾は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する時に、一般的に使用される。例えば、主にホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、細胞の酵素による分解を受けにくいため、DNA中に天然に存在するホスホエステル結合の代わりにホスホロチオエート結合が使用される。好ましくは、オリゴヌクレオチドの60%で2’−メトキシリボヌクレオチド修飾が使用される。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドで観察される効果に匹敵するアンチセンス効果を誘発することができる。
【0073】
従って、本発明の好適なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、混合ホスホジエステル−ホスホロチオエート骨格を有する。好ましくは、約30%〜80%、さらに好ましくは約60%のオリゴヌクレオチド中で、2’−メトキシリボヌクレオチド修飾が使用される。
本発明の実施において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスRNAを使用してもよい。アンチセンスRNAの長さは、好ましくは約9〜約3,000ヌクレオチド、さらに好ましくは約20〜約1,000ヌクレオチド、最も好ましくは約50〜約500ヌクレオチドである。
【0074】
有効であるためには、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、細胞膜を移動できなければならない。一般にアンチセンスオリゴヌクレオチドは、おそらく特異的受容体を介する取り込みにより、細胞膜を通過する能力を有する。アンチセンスオリゴヌクレオチドが1本鎖分子であるため、これらはある程度疎水性であり、膜を介する受動的拡散を増強する。アンチセンスオリゴヌクレオチドに修飾を導入して、膜を通過する能力を改良してもよい。例えば、オリゴヌクレオチド分子を、部分的に不飽和の脂肪族炭化水素鎖および1つ以上の極性もしくは荷電基(例えば、カルボン酸基、エステル基、およびアルコール基)を含む基に結合してもよい。あるいは、オリゴヌクレオチドは、好ましくは膜向性のペプチドであるペプチド構造に結合してもよい。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、より容易に膜を貫通し、これはその機能にとって決定的に重要であり、従って、その活性を実質的に増強させる。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは一般に、医薬組成物の形で提供される。これらの組成物は、注射、局所投与、または経口摂取により使用される。
【0075】
医薬組成物
注射による本発明の医薬組成物の好適な使用は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射である。あまり便利でない投与経路には、腹腔内、硬膜内、クモ膜下投与または必要であれば動脈内投与がある。
本発明の医薬組成物は、一般に緩衝物質(その浸透圧を調整する物質)、および場合により1つ以上の担体、賦形剤および/または当該分野で公知の添加物を、例えば、医薬組成物に香り、色、潤滑性などを付加するために、含む。
担体は、デンプンとその誘導体、セルロースとその誘導体(例えば、微結晶セルロース、キサンタンガムなど)がある。滑沢剤は、水素化ヒマシ油などを含んでよい。
【0076】
好適な緩衝物質は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)であり、この溶液もまた、浸透圧について調整される。
好適な医薬組成物は、担体が欠如したものである。そのような製剤は、注射(静脈内注射を含む)により投与するのに使用することが好ましい。医薬組成物の調製は、当該分野で公知であり、多くの文献や教科書に記載されている。
【0077】
細胞膜を通過するアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込みを増強するために、添加物が選択される。そのような物質は一般に、2本鎖DNA分子の細胞取り込みを増強する物質である。例えば、この目的のために、トランスフェクション試薬DOTAP(ベーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim))、リポフェクチン、リポフェクタム、およびトランスフェクタム(これらは市販されている)を含むいくつかの脂質分子が開発されている。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、リポソーム内に封入することができる。リポソーム(例えば、上記のトランスフェクション試薬の使用)の調製と使用は当該分野で公知である。
【0078】
遺伝子治療
一方、より強化した細胞内間葉相互作用を必要とする症状(例えば、遺伝子治療による正しくない創傷治癒)において、TCR遺伝子の発現を上昇させることが重要かも知れない。同じ意味で、μ鎖は、TCRと重複または相補的作用を有してもよく、内皮に関連する他の目的(すなわち、一方では腫瘍における血管新生を抑制し、他方では欠陥のある血管形成が関与する疾患における血管形成を増強するため)に同様に使用される。我々のこの実験は、TCRが造血に影響を与え、μ鎖が同様のまたは相補的機能を有する可能性があることを示す。
【0079】
最近、ウイルスベクターを使用する造血細胞への遺伝子移動は、ほとんどリンパ球と造血幹細胞(HSC)に注目している。HSCは、その多能性と、骨髄除去と移植後に造血を再構成できる能力により、標的細胞として特に重要であると考えられている。HSCは、骨髄移植後に受容者中で長期間または一生生存する能力を有する。従ってHSCの遺伝的修正は一生続く可能性があり、遺伝的欠陥が病状を発生させる造血性疾患を永久に治療できるかも知れない。癌レトロウイルスベクターは、標的細胞の染色体中に組み込まれる能力のために、HSCについて使用される主要なベクターとなっている。癌レトロウイルスベクターを使用するマウスHSCの遺伝子移動効率は高い。これに対して、同じウイルスベクターを使用して、ヒトHSCまたは大きな動物からのHSCを形質導入する遺伝子移動効率は、はるかに低い。この差にはいくつかの原因があるが、癌レトロウイルスベクターによるヒトHSC形質導入の低い効率の主要な原因は、おそらくHSCの非分裂性である。マウスHSCは、培養物中で分裂するように容易に刺激することができるが、インビトロで迅速に分裂するようにヒトHSCを刺激することは問題である。癌レトロウイルスベクターは、組み込み前の複合体の核移入とプロウイルスの以後の組み込みが成功するには、分裂する標的細胞を必要とするため、標的細胞の分裂する部分のみが形質導入できる。
【0080】
さらに、アデノウイルス(Adv)介在遺伝子移動は、造血幹細胞(HSC)または前駆体細胞遺伝子治療のために遺伝子を送達するための手段として、最近新に注目されている。これまでHSCは効率的で生産的なAdv感染のための特異的Adv受容体が無いため、好ましくないAdv標的とは見なされなかった。さらに、Advのその非組み込み性がHSCや骨髄移植プロトコール(ここでは、長期発現が必要である)への応用を妨害してきた。Advがそもそも造血細胞に感染できるかどうかについても議論の余地がある。実際、腫瘍細胞含有HSC移植片を選択的に感染かつ「パージ」するためにAdvを使用する撲滅計画の開発において、上皮ベースの標的に感染できるがHSCを有効にトランスフェクトできないAdvの能力が利用されてきた。しかし、HSCへの生産性Adv感染の存在を支持するデータがある。そのようなプロトコールは、サイトカイン混合物、感染の高多重性、長期潜伏期間、およびさらに最近は、Adv自体が効率的にHSCに遺伝子を移動できるようにするための免疫学的および遺伝的修飾を使用する。これは、技術と応用の両面で急速に拡大している分野である。
【0081】
本発明を詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、および過度の実験をすることなく、広範な同等のパラメータ、濃度、および条件内で、本発明を行うことができることは、当業者により理解されるであろう。
本発明を具体例に関連して説明してきたが、さらなる修飾が可能であることは理解されるであろう。本出願は、一般に本発明の原理に従い、本発明の任意の変更、使用、または適用を包含するものであり、本発明が関係する分野内で公知のまたは一般的な慣習にあるような、および請求の範囲に記載の基本的な特徴に応用されるような、本開示からの逸脱を含むものである。
米国で公表されているかまたはされていない雑誌論物質または抄録、または外国の特許出願、発行された米国または外国特許、または他のすべての文献を含む本明細書で引用されるすべての文献は、引用文献中のすべてのデータ、表、図面、および本文を含み、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。さらに、引用文献中で引用された文献の全内容もまた、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
公知の方法の工程、従来法の工程、公知の方法または従来法への言及は、関連分野において本発明の態様、記載または実施態様が、開示、教示または示唆されていることを、決して認めるものではない。
具体例の前記記載は、本発明の一般的性質を完全に開示するものであり、従って、当該分野の技術知識(本明細書に引用された文献の内容を含む)を応用することにより、過度の実験をすることなく、本発明の一般的概念から逸脱することなく、かかる具体例の種々の応用を容易に修飾および/または改変できるであろう。従って、本明細書に記載の教示と指針に基づき、かかる応用や修飾は、開示された実施態様の相当物の意味および範囲内にあると企図される。本明細書の表現または用語は、説明のためであって決して本発明を限定するものではなく、本明細書の用語または表現は、本明細書の教示と指針を考慮して、当業者の知識と組合せて理解すべきものである。
【0082】
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【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】TCRβ欠損マウスからのMEFの造血支持活性の欠陥。(A)正常胚(黒い棒)およびTCRβ-/-マウス(中抜きの棒)からのMEF(第9インビトロ継代)のコンフルエント培養物に接種した骨髄同時培養物の液相中の、造血細胞の長期増殖。(B)TCRβ-/-(II)と比較した野生型対照MEF(I)に103のFACS分類CD34+Lin-細胞を接種した同様の同時培養物の顕微鏡写真。CD34+Lin-細胞を接種した培養物の液相中の、造血細胞の増殖。(D)記載の時点および1ヶ月培養の最後の、接着細胞層(灰色の棒)内の、(C)に示した培養物の液相中の造血コロニー形成細胞の測定。図は、三重測定培養物の測定値±平均の標準誤差である。
【図2】ノーザンブロット解析によるμ重鎖mRNA転写体検出。総RNAとポリA+RNA試料を、μ重鎖プローブとハイブリダイズさせた。レーン1 マウス脾臓総RNA;レーン2 MBA−2.1総RNA;レーン3 MBA−2.1 ポリA+RNA。
【図3】ヤギ抗マウスμ鎖を用いるμ重鎖の免疫ブロット分析。細胞溶解物を10%SDSにのせ、次にニトロセルロース膜に移した。膜に、ヤギ抗マウスμ鎖をブロットした。レーン1−70Z細胞;レーン2−MBA−2.4;レーン3qMBA−2.1。
【図4】ヤギ抗マウスμ鎖を用いるMBA−2.1の免疫染色と、ビオチン化ロバ抗ヤギとABCキットで増幅した。

Claims (30)

  1. 免疫グロブリン(Ig)遺伝子の転写体を含む単離されたポリヌクレオチドであって、V領域配列が欠如しており、定常(C)ドメインと結合(J)領域配列と、フレーム内メチオニンコドンを含むJ領域配列の上流に5’イントロンJ配列とを含む上記ポリヌクレオチド。
  2. Ig重鎖遺伝子によりコードされる請求項1のポリヌクレオチド。
  3. Igμ重鎖遺伝子によりコードされる請求項1のポリヌクレオチド。
  4. 配列番号1の配列を有する末端切断型μ重鎖を含む請求項2のポリヌクレオチド。
  5. 配列番号2の配列を含むペプチドをコードする請求項2のポリヌクレオチド。
  6. 配列番号3の配列を有する末端切断型μ重鎖を含む請求項2のポリヌクレオチド。
  7. 配列番号4の配列を有する末端切断型μ重鎖を含む請求項2のポリヌクレオチド配列。
  8. 配列番号5の配列を有する末端切断型μ重鎖を含む請求項2のポリヌクレオチド配列。
  9. 配列番号6の配列を有する末端切断型μ重鎖を含む請求項2のポリヌクレオチド配列。
  10. ポリヌクレオチド1〜9のいずれか一つのアンチセンスDNA分子。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のDNA分子を含む発現ベクター。
  12. 宿主は哺乳動物細胞である、請求項11のベクターを含む宿主細胞。
  13. 請求項12のトランスフェクトされた間葉ヒト細胞。
  14. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のDNA分子によりコードされるポリペプチド。
  15. 請求項14のポリペプチドのいずれか一つに対して作成した抗体。
  16. 間葉細胞のマーカーとしての請求項15の抗体の使用。
  17. 間葉細胞のトランスフェクションのための、請求項11のポリヌクレオチドの使用。
  18. TCRまたは免疫グロブリン(Ig)遺伝子の転写体を含むポリヌクレオチドを含む末端切断型μ重鎖を、必要な被験体に投与する工程を含む間葉性細胞内相互作用を誘導する方法であって、該ポリヌクレオチドは、V領域配列が欠如しており、定常(C)ドメインと結合(J)領域配列と、フレーム内メチオニンコドンを含むJ領域配列の上流に5’イントロンJ配列とを含む上記方法。
  19. 5’イントロンJ配列を含むポリヌクレオチドは、配列番号1〜42のいずれか一つから選択されるペプチドをコードする請求項18の方法。
  20. 細胞は自己起源である請求項18の方法。
  21. 細胞は同系起源である請求項18の方法。
  22. 創傷治癒を誘導するための請求項18の方法。
  23. 骨髄移植または化学療法後に造血を誘導するための請求項22の方法。
  24. 請求項13のDNA分子を含むトランスフェクトされた間葉ヒト細胞を、必要な被験体に、間葉内相互作用を抑制するのに有効な量で投与する工程を含む、間葉内相互作用を抑制する方法。
  25. 細胞は自己起源である請求項23の方法。
  26. 細胞は同系起源である請求項23の方法。
  27. 癌の抑制のための請求項23の方法。
  28. TCRまたは免疫グロブリン(Ig)遺伝子の転写体の少なくとも一部に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む末端切断型間葉ヒト細胞を、必要な被験体に、間葉内相互作用を抑制するのに有効な量で投与する工程を含む間葉性細胞内相互作用を抑制する方法であって、該転写体は、V領域配列が欠如しており、定常(C)ドメインと結合(J)領域配列と、フレーム内メチオニンコドンを含むJ領域配列の上流に5’イントロンJ配列とを含む上記方法。
  29. アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1〜42のいずれか1つのペプチドをコードするイントロンJ配列を含む転写体の少なくとも一部に対応する請求項28の方法。
  30. 癌の抑制のための請求項28の方法。
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