JP2004529235A - ビチューメンおよび合成ガスからディーゼル燃料材を製造する方法 - Google Patents

ビチューメンおよび合成ガスからディーゼル燃料材を製造する方法 Download PDF

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Abstract

ガス転化プロセスにより製造されたスチーム、ナフサおよび水素異性化ディーゼル留分を、それぞれ(i)ビチューメン生産の促進、(ii)品質向上設備にパイプライン輸送するためのビチューメンの希釈、および(iii)水素異性化ガス転化ディーゼル留分とのブレンドによる、ビチューメンの品質向上により製造された水素化処理ディーゼル燃料留分のセタン価増大に用いて、ディーゼル燃料材を形成することを特徴とするビチューメンからディーゼル燃料材を製造する方法が開示される。このディーゼル材は、ビチューメンだけから製造されたものよりも高いセタン価を有し、ディーゼル燃料をブレンドおよび形成するために使用される。
【選択図】図1

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ビチューメンおよびガス転化からディーゼル燃料を製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、ガス転化プロセスによりスチーム、ナフサおよびディーゼル留分を製造し、前記スチームをビチューメン生産のために使用し、前記ナフサをビチューメンのパイプライン輸送のために使用し、前記ビチューメンを転化してディーゼル留分を製造する方法に関する。2つの異なるディーゼル留分を混合してディーゼル燃料材を形成する。
【背景技術】
【0002】
非常に重質の原油鉱床(カナダおよびベネズエラなどで見出されるタールサンド地層など)には、数兆バレルの非常に重質の粘稠石油が含まれ、これは一般にビチューメンと呼ばれる。ビチューメンのAPI比重は、典型的には5〜10゜であり、粘度は、地層の温度および圧力下では百万センチポアズ程度と高い。ビチューメンを構成する炭化水素分子は、水素が少なく、レジン+アスファルテンの含有量が70%程度と高い。このことが、ビチューメンの生産、輸送および品質向上を困難にする。ビチューメンの粘度は、それが汲み出される(生産される)現場の地下で低減させなければならず、ビチューメンを品質向上設備または他の設備にパイプライン輸送する場合、これを溶媒で希釈する必要があり、またビチューメンの樹脂+アスファルテン含有率が高いため、ノルマルパラフィンの少ない炭化水素を製造する傾向がある。その結果、ビチューメンから製造されたディーゼル燃料はセタン価が低い傾向にあり、より高いセタン価の炭化水素と混合しなければならない。従って、ビチューメンからディーゼル留分を製造するには、(i)大部分は回収できないスチーム、(ii)好ましくはワンススルー方式で使用することのできる希釈剤、および(iii)低セタン価ビチューメンディーゼル留分とブレンドするための高セタン価ディーゼル留分を、大量に供給する必要がある。
【0003】
特許文献1では、芳香族溶媒による現場での希釈を用いてビチューメン生産を促進することが提案されている。しかしながら、地下ビチューメンの生産は依然として、高温スチームを地層に注入し、油の粘度を低下させて地面からポンプで汲み上げることができるようにするスチーム促進によるものである。これについては公知であり、例えば、特許文献2に開示されている。パイプラインによりビチューメン品質向上設備に輸送するための希釈剤の製造方法については、例えば、特許文献3に開示されている。この方法では、未精製ビチューメンを部分接触水素処理して低沸点炭化水素を製造し、これを天然ガス坑井凝縮物と混合して希釈剤を製造する。これには、触媒、水素およびビチューメン水素化転化反応器を使用することが更に必要となる。
【0004】
天然ガス由来の合成ガスから炭化水素を製造するガス転化プロセスはよく知られている。合成ガスには、HとCOの混合物が含まれ、これらがフィッシャー−トロプシュ触媒の存在下に反応して、炭化水素を形成する。固定床、流動床、およびスラリー炭化水素合成プロセスが用いられてきており、これらの全ては、種々の技術文献および特許に詳しく報告される。低粘度ナフサ留分および比較的セタン価の高いディーゼル留分をはじめとする軽質および重質炭化水素の両方を合成することが可能である。これらのプロセスにより、スチームおよび水も製造される。ビチューメンの生産とガスの転化を統合し、ガス転化プロセスの製造物を利用して、ビチューメンの生産および輸送を促進し、ビチューメンから製造されるディーゼル留分よりもセタン価の高いディーゼル留分を製造すれば、技術上の進歩となる。
【0005】
【特許文献1】
カナダ特許第1,034,485号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,607,699号明細書
【特許文献3】
米国特許第6,096,152号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,883,138号明細書
【特許文献5】
米国特許第5,689,031号明細書
【特許文献6】
米国特許第6,080,301号明細書
【特許文献7】
米国特許第6,043,288号明細書
【特許文献8】
米国特許第6,147,126号明細書
【非特許文献1】
サージェント−ウェルチの元素周期律表(サージェント−ウェルチサイエンティフィック社による1968年の著作権)(Sargent−Welch Periodic Table of the Elements,Copyrighted in 1968 by the Sargent−Welch Scientific Company)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、炭化水素ガスを合成ガスの原料に転化し、それからナフサおよびディーゼル留分を含有する液体炭化水素の合成、並びにスチームの発生を行って、ビチューメンの生産および輸送を促進し、またビチューメンの品質向上により、製造されるディーゼル油のセタン価を向上するプロセスに関する。炭化水素ガス、好ましくは天然ガスの合成ガスへの転化および合成ガスからの炭化水素の合成または製造を、以降「ガス転化」と称する。天然ガスから合成ガスへの転化および合成ガスからの炭化水素の合成は、適当な任意の合成ガスおよび炭化水素合成法により達成される。ガス転化により製造されたディーゼル留分の少なくともより高沸点の部分を水素異性化し、セタン価を保持しつつ、その流動点を低下させる。ビチューメン転化により製造されたディーゼル留分を水素化処理し、そのヘテロ原子、芳香族化合物および金属の含有量を減少させる。合成ガスを製造するのに用いられるガス(好ましくは天然ガス)は、典型的には、また好ましくは、ビチューメン田または近傍のガス井から得られる。合成ガスは、任意の適当な方法により製造される。ガス転化により、液体炭化水素(ナフサおよびディーゼル留分を含む)、スチームおよび水が製造される。スチームを用いてビチューメンの生産を促進し、ナフサを用いてビチューメンを希釈し、パイプライン輸送して品質向上に供し、よりセタン価の高い水素異性化ディーゼル油をより低いセタン価のビチューメンディーゼル油とブレンドして、ディーゼル燃料材を製造する。従って本発明は、広義には、統合ガス転化/ビチューメン生産・品質向上プロセスに関する。このプロセスでは、ガス転化からのスチーム、ナフサおよびディーゼル留分含有液体炭化水素をそれぞれ用いて、ビチューメン生産の促進、パイプライン輸送のためのビチューメンの希釈およびビチューメン由来ディーゼル留分の品質向上を行う。
【0007】
合成ガスにはHとCOの混合物が含まれており、本発明の方法では、ガス中のHとCOを反応させて炭化水素(その少なくとも一部は液体であり、ナフサとディーゼル留分を含有する)を製造するに有効な反応条件で、合成ガスを適当な炭化水素合成触媒に接触させる。セタン価の高いディーゼル留分を製造するためには、合成炭化水素は主にパラフィン性炭化水素を含むことが好ましい。コバルトおよび/またはルテニウム触媒成分、好ましくは少なくともコバルトを含む炭化水素合成触媒を使用することにより、これを達成することが可能である。ガス転化により合成されたディーゼル留分の少なくとも一部を水素異性化により品質向上し、その流動点および凝固点を低下させる。より高沸点のディーゼル炭化水素(例えば、500〜700°F)はセタン価が最も高く、好ましくは、これをセタン価が保持される温和な条件下で水素異性化させる。このプロセスのガス転化部分で高圧および中圧スチームが発生する。その全部または一部を地面に注入してビチューメンの生産を促進する。炭化水素合成反応により水も製造される。これらのうちの一方または両方の全部または一部を加熱して、ビチューメン生産用のスチームを発生させることも可能である。従って、本明細書の文脈において、「ガス転化スチーム」または「ガス転化プロセスから得られた、またはそれに由来するスチーム」とは、(i)ガス転化プロセスより製造された高圧および中圧スチーム、(ii)炭化水素合成反応水を加熱することにより製造されたスチーム、並びにそれらの組み合わせのうちのいずれかまたはすべてを包含したものを意味する。ビチューメンの生産とは、スチームをビチューメンの地層中に注入し、ビチューメンを軟化させてその粘度を低減させることにより、ビチューメンを地中から汲み出すことができるようにする、スチームによって促進されるビチューメンの生産を意味する。輸送後、希釈ビチューメンからナフサ希釈剤を回収することも可能であるが、ナフサ希釈剤をビチューメン希釈に再循環して戻すことはせず、ワンススルー方式で使用するほうが好ましい。本発明の他の実施形態では、合成ガスから水素を製造する。この水素を用いて、ガス転化ディーゼル留分を水素異性化しその流動点を低下させたり、ビチューメン品質向上設備が接近している場合には、ビチューメンを品質向上したりすることが可能である。炭化水素合成反応では、メタンと未反応水素を含有するテールガスも生成する。このテールガスを燃料として用い、ビチューメン生産、ボイラー水、ポンプまたは他のプロセス設備に供されるスチームを製造してもよい。
【0008】
本発明の方法によるビチューメンの品質向上には、ディーゼル留分の製造および品質向上を行うための、分留および2つ以上の転化操作(例えば、水素が反応物として存在する水素化転化)が包含される。転化とは、分子の少なくとも一部を変化させる少なくとも1つの操作を意味する。ビチューメン転化には、接触または非接触分解および水素が反応物である水素処理操作(例えば、水素化分解、水素化処理および水素異性化)が包含される。クラッキングにはコーキングを用いることがより一般的で、これは触媒の存在なしに、ビチューメンを低沸点物質とコークスに分解するものである。ディーゼル燃料範囲で沸騰する炭化水素をはじめとする、これらの低沸点炭化水素の少なくとも一部を水素化処理して、存在する可能性のあるヘテロ原子(例えば、硫黄および窒素)、芳香族化合物(縮合芳香族化合物を含む)および金属の量を減少させる。
【0009】
簡潔に述べると、本発明の方法は、(i)ナフサ、ディーゼル炭化水素留分およびスチームを製造する炭化水素ガス供給ガス転化プロセス、好ましくは天然ガス供給ガス転化プロセスから得られるスチームを用いて、ビチューメンの生産を促進する工程;(ii)前記生産されたビチューメンを、前記ガス転化により製造されたナフサを用いて希釈して、前記ビチューメンおよび希釈剤を含むパイプライン輸送が可能な流体混合物を形成する工程;(iii)前記混合物を、パイプラインを介してビチューメン品質向上設備に輸送する工程;(iv)前記ビチューメンを品質向上し、ディーゼル留分を含む低沸点炭化水素を形成する工程;および(v)前記ガス転化ディーゼル留分と前記ビチューメンディーゼル留分の混合物を形成する工程を含む。より詳細な実施形態では、本発明は、(i)ナフサ、ディーゼル炭化水素留分およびスチームを製造する天然ガス供給ガス転化プロセスから得られるスチームを用いて、ビチューメンの生産を促進する工程;(ii)前記ガス転化ディーゼル留分の少なくとも一部を処理して、その流動点を低下させる工程;(iii)前記生産されたビチューメンを、前記ガス転化により製造されたナフサを用いて希釈して、前記ビチューメンおよび希釈剤を含むパイプライン輸送が可能な流体混合物を形成し、前記混合物を、パイプラインを介してビチューメン品質向上設備に輸送する工程;(iv)前記ビチューメンを品質向上し、ディーゼル留分を含む低沸点炭化水素とする工程;および(v)前記ビチューメンディーゼル留分を処理して、その硫黄含有量を低下させる工程を含む。処理された前記両ディーゼル留分の少なくとも一部を組み合わせて、処理された前記ビチューメンディーゼル留分のセタン価よりも高いセタン価を有するディーゼル燃料材を形成する。更に詳細な実施形態では、本発明の方法は、
【0010】
(i)天然ガスを、HとCOの混合物を含む高温の合成ガスに転化し、水を用いる間接熱交換器によってこれを冷却して、スチームを製造する工程;
【0011】
(ii)一つ以上の炭化水素合成反応器において、前記合成ガスを、前記ガス中の前記HおよびCOが反応し、熱、ナフサ留分およびディーゼル燃料留分を含む液体炭化水素、並びにメタンおよび水蒸気を含むガスを製造するのに有効な反応条件で、炭化水素合成触媒と接触させる工程;
【0012】
(iii)水との間接的熱交換によって、前記一つ以上の反応器から前記熱を除去し、スチームを製造する工程;
【0013】
(iv)前記工程(ii)で形成された前記ディーゼル留分の少なくとも一部を水素異性化し、その流動点を低下させる工程;
【0014】
(v)前記工程(i)および(iii)のいずれかまたは両方において製造された前記スチームの少なくとも一部をタールサンド中に送って、前記ビチューメンを熱浸漬し、その粘度を低減する工程;
【0015】
(vi)前記地層から前記ビチューメンを取り出すことによって、前記ビチューメンを生産する工程;
【0016】
(vii)前記生産されたビチューメンを、前記工程(ii)で製造された前記ナフサの少なくとも一部を含む希釈剤と混合することにより、その粘度を低減する工程;
【0017】
(viii)前記混合物を、パイプラインを介してビチューメン品質向上設備に輸送する工程;
【0018】
(ix)前記ビチューメンを品質向上し、ヘテロ原子化合物含有ディーゼル燃料留分を含む低沸点炭化水素とする工程;
【0019】
(x)前記ビチューメンディーゼル燃料留分を水素化処理して、そのヘテロ原子含有量を減少させる工程;および
【0020】
(xi)前記流動点を低下させたディーゼル燃料留分の少なくとも一部と、前記水素化処理ディーゼル燃料留分の少なくとも一部を組み合わせる工程
を含む。
【0021】
水素化処理を行うと、不飽和芳香族化合物および金属化合物の量も減少する。先に述べたビチューメンディーゼル留分とは、コーキングや分留をはじめとするビチューメンの品質向上により製造されたディーゼル燃料留分を意味する。タールサンド層は、好ましくは、少なくとも1つの油井によって貫通されるドレネージエリアを有する地下または地中の地層であり、軟化され粘度の低下したビチューメンは、この油井を介して地層から取り出すことにより生産される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
ビチューメンはタールサンドから生産される。タールサンドとは、ビチューメン状の特に重質の油を、それを経済的に生産する、またはより有用かつより低沸点の生成物に精製または品質向上するのに十分な量で含む砂質堆積岩層を表すのに用いられる用語である。本発明の方法では、高圧および/または中圧スチーム(各々、合成ガスの冷却および炭化水素合成反応器内部の冷却により得られる)をビチューメン生産の促進に用いる。タールサンドの地層または鉱床から生産されるビチューメンは、粘稠過ぎて品質向上設備または精製設備にパイプライン輸送することができないため、パイプライン輸送を可能にするためには相溶性の低粘度液体で希釈しなければならない。これには、大量の希釈剤を供給する必要があるが、この場合、品質向上設備で希釈剤を回収し、希釈用としてビチューメン生産域に再循環させることは経済的でないことがある。本発明の方法の相乗効果により、ビチューメンをパイプライン輸送するための希釈剤を豊富に、消耗物資として供給することができる。本発明の方法では、ビチューメンの粘度を低下させるための希釈剤としてガス転化プロセスにより製造された低沸点液体炭化水素を使用し、ビチューメンのパイプライン輸送を可能にする。ビチューメンの転化を行う前に希釈剤を回収し、ビチューメンの希釈に再循環して戻すことも可能であるが、希釈剤をビチューメン品質向上設備からビチューメン生産井領域まで輸送して戻す必要がないように、ワンススルー方式で使用することが好ましい。低沸点とは、700°F−、好ましくは600°F−、より好ましくは500°F−、最も好ましくはナフサ(軽質および重質ナフサ留分の両方を含む)、およびその混合物を意味する。ナフサ留分は最低粘度を有し、Cから420〜450°F程度までの範囲で沸騰する炭化水素を含有する可能性がある。重質ナフサは270〜420/450°Fの沸点範囲を持ちうるが、軽質ナフサの場合には、典型的にはC〜320°Fである。ディーゼル油の製造を最大にすることが望まれる場合には、少なくとも、ガス転化により製造された、最もセタン価の高い500°F+のディーゼル留分を全て、ビチューメン転化により製造された水素化処理ディーゼル留分と混合し、希釈剤としては使用しない。ガス転化により製造されたディーゼル油は、金属、芳香族化合物およびヘテロ原子を除去するための水素化処理を必要としないので、このようにすれば、ビチューメン中の金属およびヘテロ原子化合物によるガス転化ディーゼル油の汚染が回避され、そのような汚染物質が原因で必要となる後続の水素化処理が不要となる。即ち、高セタン価ガス転化ディーゼル油を希釈剤の一部として使用し、ビチューメンの品質向上時に回収すると、ビチューメンから汚染物質が混入するため、水素化処理を行わなければならなくなる。セタン価を保持するためには、水素化処理が、ビチューメン転化により製造されたディーゼル油に対して用いるそれほど過酷であってはならず、従って、別の水素化処理反応器および関連設備が必要となる。
【0023】
ビチューメンの品質向上には、分留並びに水素および/または触媒の存在下または不在下で分子構造の少なくとも一部を変化させる1つ以上の転化操作が含まれる。これらの転化操作としては、ビチューメンをより低沸点の留分に分解する操作が挙げられる。この分解は、接触分解であっても非接触(コーキング)分解であってもよい。典型的にはコーキングを使用し、約1000°F+のビチューメンを低沸点炭化水素とコークスに転化する。分解前に部分水素処理を行ってもよいが、本発明の実施に際しては好ましくない。コーキングにより製造された低沸点炭化水素(ディーゼル留分を含む)を水素との反応により処理し、ヘテロ原子化合物、不飽和芳香族化合物および金属化合物を除去すると共に、水素を分子に付加する。これらの低沸点炭化水素は、ヘテロ原子化合物(例えば硫黄)が多く、水素対炭素比が小さい(例えば、約1.4〜1.8)ので、この反応には良好な水素供給が必要である。ビチューメン品質向上設備がガス転化操作場所と十分に近接しているならば、品質向上用の水素の全部または一部を、プロセスのガス転化部分で製造される合成ガスから取得することも可能である。ビチューメン希釈剤を製造する、本発明の統合された方法を用いれば、希釈してパイプライン輸送する前にビチューメンを接触水素化転化してその粘度を低下させる必要はないが、‘192特許に開示されている方法ではそれが必要である。
【0024】
ビチューメンの品質向上で得られる液体生成物(ディーゼル留分など)はノルマルパラフィンが少ない。その結果、ビチューメンの品質向上から回収されるディーゼル留分のセタン価は、典型的には約35〜45の範囲である。この値は、大型路上車用ディーゼル燃料には十分である可能性もあるが、他のディーゼル燃料について望まれる値よりは小さい。従って、ビチューメン由来のディーゼル留分を、より高いセタン価を有するディーゼル留分とブレンドする。ビチューメンのコーキングにより製造されたビチューメンディーゼル留分を水素化処理して、芳香族化合物並びに金属およびヘテロ原子(硫黄、窒素等)化合物を除去することにより、混合材として有用な処理されたディーゼル留分を製造する。ガス転化プロセスで製造された高セタン価のディーゼル留分を1種以上の処理されたディーゼル留分とブレンドして、ディーゼル燃料材を製造する。適当な添加剤パッケージとディーゼル燃料材の混合物を形成することにより、ディーゼル燃料を製造する。本明細書中で使用される「水素化処理」という用語は、ヘテロ原子(例えば、硫黄および窒素)や金属の除去、芳香族化合物の飽和および任意に脂肪族不飽和化合物の飽和に対して活性な1種以上の触媒の存在下で、水素または水素含有処理剤ガス中の水素を原料と反応させるプロセスを意味する。そのような水素化処理触媒には、任意の従来の水素化処理触媒、例えば、少なくとも1種の第VIII族金属触媒成分、好ましくはFe、CoまたはNiのうちの少なくとも1つ、並びに好ましくは少なくとも1種の第VI族金属触媒成分、好ましくはMoおよびWを、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナのような高表面積担体材料に担持してなる水素化処理触媒が包含される。他の適当な水素化処理触媒は、ゼオライト成分を含有する。水素化処理条件は周知であり、原料および触媒にもよるが、約450℃までの温度および3,000psigまでの圧力を含む。
【0025】
合成ガスを製造するために使用される天然ガスは、典型的には、また好ましくは、ビチューメン鉱区または近くのガス井から得られる。典型的には、タールサンド層中またはその近傍に豊富な天然ガス源が見いだされる。天然ガスのメタン含有率が高いと、合成ガスの製造に理想的な天然燃料になる。天然ガスが92+モル%ものメタンを含有することも珍しくなく、残りは主にC2+炭化水素、窒素およびCOである。従って、天然ガスは合成ガスの製造に理想的な、比較的クリーンな燃料であり、典型的にはタールサンド層に付随して、またはその近傍で大量に見いだされる。必要であれば、ヘテロ原子化合物(特にHCN、NHおよび硫黄)を除去してクリーンな合成ガスを形成し、次いでそれを炭化水素合成ガス反応器に送る。合成ガス製造において、ガス中に存在するC〜C炭化水素が残留する可能性もあるが、それらは典型的にはLPG用として分離される。一方、C5+炭化水素は凝縮除去され、これはガス井凝縮物として知られる。高級炭化水素、硫黄およびヘテロ原子化合物、並びに場合によっては更に窒素およびCOの分離後に残留するメタンリッチガスを、燃料として合成ガス発生器に送る。合成ガスを製造する公知の方法としては、部分酸化、接触水蒸気改質、水性ガスシフト反応およびそれらの組み合わせが挙げられる。これらの方法には、気相部分酸化(GPOX)、自己熱改質(ATR)、流動床合成ガス製造(FBSG)、部分酸化(POX)、接触部分酸化(CPO)および水蒸気改質が包含される。ATRおよびFBSGでは、部分酸化および接触水蒸気改質が利用される。これらの方法およびそれらの優劣に関する総説は、例えば、特許文献4に見いだしうる。合成ガスプロセスは極めて発熱的であり、反応器から送り出される合成ガスが、例えば2000°F程度という高温且つ50気圧もの圧力であることも珍しくない。反応器から送り出される高温合成ガスは、水との間接的熱交換により冷却される。これにより、実質量の高圧(例えば、600〜900/2000psia)スチームが、約490〜535/635〜700°Fのそれぞれの温度で製造する。これを更に加熱してもよい。必要であれば、このスチームを圧縮してタールサンド層中に送り、ビチューメンを加熱軟化させてその粘度を低下させることにより、ビチューメンの生産を促進する。合成ガスおよび炭化水素の製造反応は、いずれも極めて発熱的である。炭化水素合成反応器の冷却に用いる水は、典型的には中圧スチームを生成する。これを、本発明の全プロセス中のビチューメン生産またはその他の操作で使用することが可能である。
【0026】
合成ガスを、必要であればクリーンアップを行った後炭化水素合成反応器に送り、そこでフィッシャー・トロプシュ型触媒の存在下でHとCOを反応させることにより、軽質および重質留分を含む炭化水素を製造する。軽質(例えば、700°F−)留分は、ナフサおよびディーゼル燃料の範囲で沸騰する炭化水素を含有する。ナフサ留分は最低粘度を有し、Cから420〜450°F程度の高温までの範囲で沸騰する炭化水素を含有しうる。重質ナフサは270〜420/450°Fの沸点範囲をもちうるが、軽質ナフサでは、典型的にはC〜320°Fである。より軽質のナフサ留分は、広範囲または重質の留分よりも低い粘度を有する。コールドレーク(Cold Lake)ビチューメンを、C〜250°Fナフサおよび250〜700°F中間留出留分(いずれもフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成反応器で製造)で希釈することにより、希釈実験を行った。ビチューメンの粘度を40cSt(40℃)まで低下させるのに31体積%のナフサが必要であることがわかった。これとは対照的に、40体積%の留出留分および38体積%の先行技術ガス凝縮物希釈剤が、粘度を低下させるためにそれぞれ必要であった。従って、ガス転化ナフサでビチューメンを希釈する場合に必要とされる希釈剤の量は、希釈剤としてガス井凝縮物を使用する場合よりも著しく少ない。ディーゼル燃料留分は、250〜700°F程度の広い温度範囲で沸騰する可能性があるが、ある種の用途では350〜650°Fが好ましい。ガス転化により製造される500〜700°Fディーゼル燃料留分は、セタン価、流動点および凝固点が最も高く、より軽質の約500°F−の部分は、ディーゼル燃料に良好な潤滑性を付与する酸素化物が比較的多い。より軽質のディーゼル物質を水素異性化すると酸素化物が除去される。一方、より重質の物質を水素異性化してその流動点および凝固点を低下させると、セタン価が減少する可能性がある。従って、少なくとも、合成ガスにより製造された500〜700°Fディーゼル留分は、温和な条件で水素異性化して、セタン価の減少を最小限に抑えつつその流動点を低下させる。温和な水素異性化は、典型的には、約100〜1500psigおよび500〜850°Fの圧力および温度条件下で行われる。このことは公知であり、例えば、参照によりその開示内容が本明細書に組み入れられるものとする特許文献5に開示されている。フィッシャー・トロプシュガス転化プロセスにより製造されるディーゼル留分炭化水素生成物のセタン価は、温和な水素異性化の後、65〜75+の値をとりうるが、高セタン価物質のほとんどは、より高沸点の500〜700°F炭化水素中に存在する。ディーゼル油の製造を最大にすることが望まれる場合、ガス転化ディーゼル留分の全部または大部分、少なくとも、ガス転化により製造された高セタン価のより重質のディーゼル留分(例えば、500/550〜700°F)を、ビチューメンから製造された水素化処理ディーゼル留分とブレンドする。
【0027】
下記の表は、チタニアを含有するシリカおよびアルミナ担体成分に、コバルト触媒成分を担持してなる触媒を利用するスラリーフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成反応器の典型的な炭化水素製造物分布を、沸点範囲に沿って示したものである。
【0028】
【表1】
Figure 2004529235
【0029】
表中のデータからわかるように、軽質ナフサ留分は、炭化水素合成反応器生成物全体の13重量%である。全ディーゼル留分は、42重量%よりも多い。500〜700°Fの高セタン価留分は、生成物全体の19重量%であり、またディーゼル留分としうる留分全体の45重量%よりも多い。示されていないが、留分全体(C〜400°F)は、生成物全体の約18〜20重量%である。希釈剤の再循環を行なう場合、一旦プロセス内が平衡に達すると、ガス転化ナフサは、そのごくわずかな一部がビチューメンを希釈するための補充として必要とされるのみとなり、残りはモーガスの混合に用いるために更なる処理に送られる。
【0030】
ディーゼル油の製造を最大にする場合、700°F+のワックス質留分を、中間留出範囲で沸騰する炭化水素に転化する。700°F+のワックス質留分の水素異性化には、温和な水素化分解(特許文献6を参照されたい。ここでは、700゜F+留分の水素異性化により、50%が低沸点炭化水素に異性化されている)が包含されることは、当業者の知るところである。従って、所望により、より重質の700°F+の留分の全部または一部を水素化分解および水素異性化に付して、更なるディーゼル物質を製造することも可能である。図面を参照すれば、本発明に対する理解が更に深まる。
【0031】
図1を参照すると、ビチューメン生産設備12の上に、それに隣接して、またはその近傍に、ガス転化設備10が配置される。これは、地下層からビチューメンを生産する。生産されたビチューメンを、23からのナフサを用いて希釈し、得られたビチューメンと希釈剤の混合物を、パイプライン22を介してビチューメン品質向上設備14に輸送する。生産設備12には、地下のタールサンド地層、並びにスチームをその地層中に注入し、軟化させたビチューメンをポンプで汲み出し、生産したビチューメンからガスおよび水を分離する手段(図示せず)が含まれる。メタン含有天然ガスおよび空気または酸素を、それぞれライン16および18を介してガス転化設備に送る。ガス転化設備により、合成ガス、重質炭化水素および軽質炭化水素を製造する。この軽質炭化水素には、ナフサと、ディーゼル油範囲で沸騰する炭化水素が含まれる。更に、高圧および中圧スチーム、水、燃料として有用なテールガス並びに水素も製造される。ガス転化設備で得られる高圧スチームは、ビチューメンの生産を促進するためにライン20を介してタールサンド層に送られる。ビチューメン希釈用ナフサは、ライン23を介してガス転化設備から取り出される。高セタン価ディーゼル留分は、ライン28および30を介してガス転化設備からライン32に取り出される。品質向上設備においては、分留、コーキングおよび水素化処理によりビチューメンを品質向上し、ディーゼル留分を製造する。このディーゼル留分は、ライン26を介して取り出されライン30に送られる。高セタン価のガス転化ディーゼル留分と低セタン価のビチューメンディーゼル油を、30中で混合し、両方のディーゼル留分を含む混合物を形成する。この混合物は、ライン32を介して、ディーゼル材としてタンク設備(図示せず)に送られる。水素化処理用の水素は、ライン24を介して14に送られる。任意に、14中のビチューメンからナフサ希釈剤の少なくとも一部を回収し、ライン33を介してライン23に希釈用として再循環して戻す。簡潔にするために、他のプロセスストリームは示されていない。
【0032】
次に図2について説明する。この実施形態では、ガス転化設備10には、合成ガス生成装置32、少なくとも1台の炭化水素合成反応器(図示せず)を含む炭化水素合成反応装置34、重質炭化水素留分水素異性化装置36、ディーゼル留分水素異性化装置38、分留カラム40および水素製造装置41が含まれる。処理されて、ヘテロ原子(特に硫黄)化合物およびC〜C3+炭化水素が除去された天然ガスは、ライン42を介して合成ガス生成装置32に送られる。好ましい実施形態においては、天然ガスは極低温で処理され、ヘテロ原子化合物およびC〜C3+炭化水素に加えて、窒素およびCOが除去されている。酸素または空気、好ましくは酸素設備からの酸素は、ライン44を介して合成ガス生成器に供給される。水または水蒸気は、任意に、ライン46を介して合成ガス生成器に送られる。生成器で製造された高温の合成ガスは、ライン49を介して装置に入る水との間接的熱交換(示されない)によって冷却される。これにより高圧スチームが製造される。その全てまたは一部を、ライン50を介してビチューメン生産設備に送り、ビチューメンの生産を促進してもよい。このスチームの圧力および温度は、2000/2200psiaおよび635/650°F程度とすることができる。ビチューメンの生産に使用する前に、このスチームを更に加熱してもよい。低温の合成ガスは、ライン48を介して、装置32から炭化水素合成装置34に送られる。合成ガスのスリップストリームは、ライン52を介して取り出され、水素製造装置41に送られ、そこでガスから水素が製造され、ライン54を介して重質炭化水素の水素異性化装置36に送られる。装置41においては、(i)物理的分離手段(圧力スイング吸着(PSA)、温度スイング吸着(TSA)、膜分離など)および(ii)化学的手段(水性ガスシフト反応器など)のうち一種以上によって、合成ガスから水素が製造される。合成ガス生成器の能力が不十分なためにシフト反応器を用いる場合でも、水素の純粋ストリームをシフト反応器のガス流出物から分離するのに、物理的分離手段が用いられる。水素を製造するための物理的分離手段は、通常、水性ガスシフト反応などの化学的手段が用いられるか否かに関係なく、水素を合成ガスから分離するのに用いられ、望ましい純度(例えば少なくとも約90%)の水素が得られる。モレキュラーシーブを用いるTSAまたはPSAは、純度99+%の水素ストリームを製造することができ、膜分離は、典型的には少なくとも純度80%の水素を製造する。COリッチなオフガスは、TSAまたはPSAにおいては吸着パージガスと呼ばれることがあり、膜分離においてはしばしば非透過ガスと呼ばれる。好ましい実施形態においては、合成ガス生成器により、炭化水素合成反応、および物理的分離手段による、炭化水素製造に必要な水素の少なくとも一部の製造の両方に十分な合成ガスが製造される。そのため、水性ガスシフト反応器は必要とされない。物理的分離手段を用いて合成ガスから水素を製造することにより、水素が減少し、COリッチなHとCOの混合物からなるオフガスと共に、比較的純粋な水素が提供される。このCOリッチオフガスは、ライン56を介して41から取り出され、燃料として使用されるか、炭化水素合成装置34に供給される。可能であれば、合成ガスから水素を製造する場合、ガス中のH2対COのモル比が化学量論量よりも高く、COの少なくとも一部が回収され、ライン56を介してライン48に戻されることが好ましい。プロセスを調節して、炭化水素合成反応器に戻されるCOリッチオフガスを、34に送られる合成ガス中のH対COのモル比が概ね化学量論比となるよう調節するのに十分な量とすることが特に好ましい。これにより、燃料として燃焼することにより有用なCOを浪費することが回避される。(PSA)、(TSA)、膜分離または水性ガスシフト反応のうち一種以上によって合成ガスから水素を製造することは公知であり、特許文献7および特許文献8に開示される。他の好ましい実施形態では、分離された水素の一部を、ライン58を介してライン54から取り出し、(i)ビチューメン品質向上設備(十分に近接していれば)(反応水素を提供し、ビチューメンを水素化転化するため、特にビチューメンディーゼル留分を水素化処理するため);および(ii)水素異性化装置38(少なくとも重質ガス転化ディーゼル留分を温和な条件で水素異性化し、セタン価に及ぼす影響を最小限に抑えつつ流動点を低下させるため)のうちの1つ以上、好ましくは少なくとも装置38に送る。炭化水素合成反応装置34において、合成ガス中のHおよびCOが、適切な炭化水素合成触媒、好ましくはコバルト触媒成分が担持されてなる炭化水素合成触媒の存在下に反応して、軽質留分および重質留分を含む炭化水素が生成する。合成反応は高度に発熱性であり、反応器の内部を冷却しなければならない。これは、冷却水により望ましい反応温度を維持する、反応器内の熱交換手段、例えば管(図示せず)によって達成される。これにより冷却水は、例えば150〜600psiaおよび250〜490°Fの圧力および温度を有する中圧スチームに転化される。かくして冷却水は、ライン60を介して装置に入り、合成反応器(図示せず)の内部を冷却し、ライン62を介して送り出される中圧スチームに変化する。このスチームの全てまたは一部を、ビチューメンの生産、ガス転化プロセスのユーティリティ、分留などにも用いてよい。ビチューメン品質向上設備が十分に近接している場合には、このスチームの全てまたは一部をビチューメン品質向上装置に送り、そこでそれを、発電、分留のための熱供給、コーカーからのコークスの取り出しなどに用いてもよい。この中圧スチームを、ビチューメンの生産に用いる前に過熱状態の品質まで加熱することが好ましい。重質炭化水素留分(例えば、700°F+)はライン74を介して34から取り出され、水素異性化装置36に送られ、水素異性化および温和な水素化分解に付される。これにより、重質炭化水素の一部が、ディーゼル油範囲で沸騰する炭化水素を含む低沸点炭化水素に転化される。軽質炭化水素留分(700°F−)はライン64を介して34から取り出され、温和な水素異性化装置36に送られる。水素異性化反応用の水素は、ライン37を介して38に入る。この軽質留分は、この留分中に酸素化物を保持することが望ましいか否に依存して、全ディーゼル留分中の500°F−の炭化水素を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい(特許文献5参照)。炭化水素合成反応のガス状生成物には、C〜C3+炭化水素(ナフサ沸点範囲および軽質ディーゼル油の沸点範囲で沸騰する炭化水素を含む)、水蒸気、COおよび未反応合成ガスが含まれる。この蒸気は、一つ以上の段(図示せず)で冷却され、その間に水およびC〜C3+炭化水素が凝縮されて、ガスの残りの部分から分離され、ライン64を介して反応器から送り出される。水はライン66を介して排出され、液体の軽質炭化水素はライン70を介して排出される。これらの軽質炭化水素は、ナフサおよびディーゼル油の範囲で沸騰する炭化水素を含み、ライン80に送られる。水は、冷却、スチーム発生などのために(適当な水に富んだ水源が利用できない場合には、好ましくは、少なくとも、高温の合成ガスを冷却してビチューメン生産用高圧スチームを発生させるために)使用することが可能である。残留する未凝縮ガスには、主にメタン、CO、少量のC3−軽質炭化水素および未反応合成ガスが含まれる。このガスをライン72を介して取り出し、ボイラーを加熱するための燃料として用いて、発電、ビチューメンの促進およびその品質向上等のためのスチームを製造する。ライン66を介して取り出された水についても、その全部または一部を、加熱してこれらのいずれかの目的のためのスチームとしてもよく、適当な水に富んだ水源が利用できない場合、好ましくは、少なくとも、高温の合成ガスを冷却してビチューメン生産用高圧スチームを発生させるために使用することが可能である。水素異性化された重質留分は、ライン76を介して36から取り出され、ライン80に送られる。低過酷度で水素異性化されたディーゼル物質は、ライン78を介して38から取り出され、ライン80に送られ、そこで水素異性化された重質留分と混合される。この混合物は、ライン70からの凝縮された軽質炭化水素と共に分留器40に送られる。40で製造される留分には、ナフサ留分82、ディーゼル留分84および潤滑油留分86が含まれる。分留器中にC3−炭化水素が存在していれば、ライン88を介して取り出され、燃料として使用される。任意に、潤滑油留分の全てまたは一部を、ライン89を介して水素異性化装置36にリサイクルして戻し、ディーゼル油範囲で沸騰する炭化水素に転化して、ディーゼル油の全製造量を増大させることも可能である。ナフサ留分の全部または一部(好ましくは、少なくとも軽質ナフサ留分を含む)は、ライン82を介して分留器から取り出され、ビチューメン希釈のためにビチューメン生産設備12に送られる。
【0033】
本発明を実施するのに有用なビチューメン品質向上設備14の実施形態を図3に示す。これには、常圧パイプスチル90、減圧分留装置92、流動コーカー94、軽油水素化装置96、ナフサ/中間留出油混合物の水素化装置98並びに留出油分留装置100が含まれる。ビチューメンは、ライン22を介してビチューメン生産設備から常圧パイプスチル90に送られる。分留装置90において、より重質の650〜750°F+炭化水素から、より軽質の650〜750°F−炭化水素が分離され、ライン102を介して水素化処理装置98に送られる。650〜750°F+炭化水素は、ライン104を介して減圧分留装置92に送られる。任意に、ナフサ沸点範囲で沸騰する炭化水素(例えばナフサ希釈剤)を分離し、ライン91を介して90から取り出してもよい。希釈剤とビチューメンとの混合物全体を90に送るのではなく、このナフサ(主に希釈剤ナフサ)をフラッシュ粗分留装置により取り出すことが望ましいこともある。92では、90で製造されたより重質の留分が、1000°F−の重質軽油留分と、1000°F+のボトムに分離される。ボトムは、ライン106を介して流動コーカー94に送られ、重質軽油留分は、ライン108および110を介して軽油水素化処理装置96に送られる。流動コーカー94は、1000°F+の留分が高温コークス粒子に接触して、より低沸点の炭化水素とコークスに熱分解される非触媒的な装置である。コークスは、ライン112を介してコーカーのボトムから排出される。示されていないが、このコークスを、一部燃焼させて約900〜1100°Fのビチューメン分解温度まで加熱する。これにより、コークスの一部を消費し、残留する高温のコークスをコーカーに送り戻して、熱分解のための熱を提供する。コーカーで製造されたより低い沸点の炭化水素には、ナフサ、中間留出油および重質軽油が含まれる。所望のディーゼル油範囲で沸騰する700°F−の炭化水素を含むこれらのより低沸点の炭化水素は、ライン114および102を介して水素化処理装置98に送られる。700°F+の軽油は、ライン110を介して軽油水素化処理装置96に送られる。水素または水素含有処理ガスは、ライン116および118を介して水素化処理装置に送られる。水素化装置において、硫黄および芳香族に耐性がある適切な水素化触媒の存在下に、炭化水素が水素と反応し、ヘテロ原子(例えば硫黄および窒素)化合物、不飽和芳香族および金属が除去される。軽油留分は、これらの望ましくない化合物を、留出燃料留分よりも多く含んでいるので、より過酷な水素化処理が必要である。水素化処理された軽油は、水素化処理装置96から取り出され、ライン120を介して送られ、輸送に供すべく保存されるか、更なる品質向上操作に付される。水素化処理された700°F−の炭化水素は、ライン122を介して水素化処理装置98から分留装置100に送られ、軽質ナフサ留分とディーゼル留分に分離される。ナフサはライン124を介して取り出され、ディーゼル油はライン126を介して取り出される。ガス転化設備から得られたより高セタン価のディーゼル油がライン84からライン126に送られて、これら2種のディーゼル油からなる混合物が形成され、分留装置100から取り出されたビチューメンディーゼル留分よりも高いセタン価を有するディーゼル燃料材が生成する。このブレンドされたディーゼル燃料材は移送されて、ブレンディングに供すべく保存されるか、更なる処理が施されて1つ以上のタイプのディーゼル燃料に転化される。水素化処理されたナフサは、好ましくは自動車ガソリンに使用される。
【0034】
炭化水素合成触媒は周知であり、触媒金属成分を、一種以上の触媒金属担体成分(一種以上の適切なゼオライト成分を含んでいても、含んでいなくてもよい)と複合化することによって調製される。これは、イオン交換、含浸、初期湿潤または複合化によって、或いは溶融塩から、触媒前駆体を形成することによって行う。このような触媒には、典型的には、少なくとも一種の無機耐火性金属酸化物担体物質(例えばアルミナ、非晶質、シリカ−アルミナ、ゼオライトなど)に担持または複合化された、少なくとも一種の第VIII族触媒金属成分からなる複合物が含まれる。本明細書で参照する元素族は、非特許文献1に見出されるものである。コバルト、またはコバルトおよびレニウム触媒成分を含む触媒は、特にチタニア成分と複合化されると、合成ガスからの脂肪族炭化水素の製造を最大にすることが知られており、鉄触媒は、より多量の脂肪族不飽和物を製造することが知られている。これらおよび他の炭化水素合成触媒およびその特性、並びに運転条件は周知であり、文献および特許に開示されている。
【0035】
本発明を実施するに際して、種々の他の実施形態および変更形態は、上記された本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に自明であり、また当業者により容易に実施されると解される。従って、本明細書に添付される請求の範囲は、上記の正確な記載に限定されるものではなく、むしろ請求の範囲は、本発明が属する分野の当業者によりその均等物として扱われるすべての特徴および実施形態を含めて、本発明に帰属する特許を受けることができる新規性の特徴をすべて包含するものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のビチューメンおよびディーゼル燃料材の製造方法を示す簡単なブロック流れ図である。
【図2】本発明を実施するのに有用なガス転化プロセスを示す流れ図である。
【図3】本発明を実施するのに有用なビチューメン品質向上プロセスを示すブロック流れ図である。

Claims (17)

  1. (i)ナフサ、ディーゼル炭化水素留分およびスチームを製造する炭化水素ガス供給ガス転化プロセス、好ましくは天然ガス供給ガス転化プロセスから得られるスチームを用いて、ビチューメンの生産を促進する工程;
    (ii)前記生産されたビチューメンを、前記ガス転化により製造されたナフサを用いて希釈して、前記ビチューメンおよび希釈剤を含むパイプライン輸送が可能な流体混合物を形成する工程;
    (iii)前記混合物を、パイプラインを介してビチューメン品質向上設備に輸送する工程;
    (iv)前記ビチューメンを品質向上し、ディーゼル留分を含む低沸点炭化水素とする工程;および
    (v)前記ガス転化ディーゼル留分と前記ビチューメンディーゼル留分の混合物を形成する工程
    を含むことを特徴とするディーゼル燃料留分の製造方法。
  2. 前記ガス転化により製造されたディーゼル留分は、前記ビチューメンから製造された前記ディーゼル留分のセタン価よりも高いセタン価を有することを特徴とする請求項1に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  3. 前記スチームは、(i)高圧スチームまたは(ii)中圧スチームの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項2に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  4. 前記ディーゼル留分は、前記ビチューメンから製造し、ヘテロ原子化合物および不飽和芳香族化合物を除去したものであることを特徴とする請求項3に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  5. 前記ナフサ希釈剤は、軽質ナフサ留分を含むことを特徴とする請求項4に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  6. 前記ビチューメンディーゼル留分を前記混合前に水素化処理し、ヘテロ原子化合物および不飽和芳香族化合物の量を減少させることを特徴とする請求項5に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  7. 前記ナフサ希釈剤は、ワンススルー方式で使用されることを特徴とする請求項6に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  8. (i)ナフサ、ディーゼル炭化水素留分およびスチームを製造する天然ガス供給ガス転化プロセスから得られるスチームを用いて、ビチューメンの生産を促進する工程;
    (ii)前記ガス転化ディーゼル留分の少なくとも一部を処理して、その流動点を低下させる工程;
    (iii)前記ビチューメンを、前記ガス転化ナフサを用いて希釈して、前記ビチューメンおよび希釈剤を含むパイプライン輸送が可能な流体混合物を形成し、前記混合物を、パイプラインを介してビチューメン品質向上設備に輸送する工程;
    (iv)前記ビチューメンを品質向上し、へテロ原子含有ディーゼル留分を含む低沸点炭化水素とする工程;および
    (v)前記ビチューメンディーゼル留分を処理して、そのヘテロ原子含有量を低下させる工程
    を含むビチューメンからのディーゼル燃料留分の製造方法であって、
    処理された前記両ディーゼル留分の少なくとも一部を組み合わせて、処理された前記ビチューメンディーゼル留分のセタン価よりも高いセタン価を有するディーゼル燃料材を形成することを特徴とするビチューメンからのディーゼル燃料留分の製造方法。
  9. 前記両ディーゼル留分の少なくとも一部をブレンドすることを特徴とする請求項8に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  10. 前記両ディーゼル留分の少なくとも一部を、前記処理後にブレンドすることを特徴とする請求項9に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  11. 前記ブレンド物のセタン価は、前記ビチューメンディーゼル留分のセタン価よりも高いを特徴とする請求項10に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  12. 前記ビチューメン品質向上は、コーキングおよび分留を含むことを特徴とする請求項11に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  13. 前記処理は、前記ガス転化ディーゼル留分の水素異性化および前記ビチューメンディーゼル留分の水素化処理を含むことを特徴とする請求項12に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  14. 前記ナフサ希釈剤は、ワンススルー方式で使用されることを特徴とする請求項13に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  15. 前記ガス転化は、水と、前記水からスチームを発生させるために使用される燃料として有用なテールガスを更に製造することを特徴とする請求項14に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
  16. (i)天然ガスを、HとCOの混合物を含む高温の合成ガスに転化し、水を用いる間接熱交換器によってこれを冷却して、スチームを製造する工程;
    (ii)一つ以上の炭化水素合成反応器において、前記合成ガスを、前記ガス中の前記HおよびCOが反応し、熱、ナフサ留分およびディーゼル燃料留分を含む液体炭化水素、並びにメタンおよび水蒸気を含むガスを製造するのに有効な反応条件で、炭化水素合成触媒と接触させる工程;
    (iii)水との間接的熱交換によって、前記一つ以上の反応器から前記熱を除去し、スチームを製造する工程;
    (iv)前記工程(ii)で形成された前記ディーゼル留分の少なくとも一部を水素異性化し、その流動点を低下させる工程;
    (v)前記工程(i)および(iii)のいずれかまたは両方において製造された前記スチームの少なくとも一部をタールサンド中に送って、前記ビチューメンを熱浸漬し、その粘度を低減する工程;
    (vi)前記地層から前記ビチューメンを取り出すことによって、前記ビチューメンを生産する工程;
    (vii)前記生産されたビチューメンを、前記工程(ii)で製造された前記ナフサを含む希釈剤と混合することにより、その粘度を低減する工程;
    (viii)前記混合物を、パイプラインを介してビチューメン品質向上設備に輸送する工程;
    (ix)前記ビチューメンを、ヘテロ原子化合物含有ディーゼル燃料留分を含む低沸点炭化水素に転化する工程;
    (x)前記ビチューメンディーゼル燃料留分を水素化処理して、そのヘテロ原子含有量を減少させる工程;および
    (xi)前記流動点を低下させたディーゼル燃料留分の少なくとも一部と、前記水素化処理ディーゼル燃料留分の少なくとも一部を組み合わせる工程
    を含むことを特徴とするビチューメンからのディーゼル燃料留分の製造方法。
  17. 前記組み合わされた留分は、前記ビチューメン転化により製造された前記ディーゼル留分よりも高いセタン価を有するディーゼル燃料材を含むことを特徴とする請求項16に記載のディーゼル燃料留分の製造方法。
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