JP2004528428A - 熱性能が向上した実質的にランダムなインターポリマーのブレンド - Google Patents
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Abstract
本発明は、2つ以上のαオレフィン/ビニル芳香族モノマーインターポリマーの非混和性ブレンドであって、2〜7モル%のビニル芳香族モノマーを含有するインターポリマー成分を少なくとも1つ有する該ブレンド、及び該ブレンドの使用に関する。このブレンド成分は、ブレンド組成物及びその最終使用用途におけるより優れた加工性及び/又は性能、例えば上限使用温度が提供されるように選択される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上のαオレフィン/ビニル芳香族モノマーインターポリマーの非混和性ブレンドであって、2〜7モル%のビニル芳香族モノマーを含有するインターポリマー成分を少なくとも1つ有する該ブレンド、及び該ブレンドの使用に関する。このブレンド成分は、ブレンド組成物及びその最終使用用途におけるより優れた加工性及び/又は性能、例えば上限使用温度が提供されるように選択される。
【背景技術】
【0002】
実質的にランダムな、αオレフィン/ビニル芳香族モノマーインターポリマーとして網羅される総称的なクラスの物質、特にエチレン/スチレンインターポリマー(ESI)が当業界に知られている。これらは、様々な用途に、例えば米国特許5,460,818に記載のポリエチレンとポリスチレンのブレンドのための相溶化剤などに用いられることを可能にする一連の物質構造及び特性を有する。それら自体でも有用ではあるが、産業界では常にこれらのインターポリマーの適用性を向上させることが求められている。この様な向上は添加剤などによって達成しうるが、添加剤を加えることなしに加工性及び/又は性能を向上させる技術、例えばブレンド系を開発することが望ましい。
【0003】
2つ以上の実質的にランダムなインターポリマーを含有するブレンドが一般的に当業界に知られている。例えばWO 98/10018(ダウケミカル)には、インターポリマーブレンドの各成分においてコポリマー中ビニル芳香族コモノマー含量が異なり(>0.5モル%)、及び/又は分子量が異なるというインターポリマーのブレンドが記載されている。これらのブレンドは、ESIブレンド成分のTg間に位置する単一のガラス転移温度Tgを有することにより示される通り、混和性の動態を示すこともあり、あるいは複数のTgにより示される通り、非混和性の動態を示すこともある。欧州特許0869146 A1(三井化学)には、エチレンと芳香族ビニル化合物及び/又はαオレフィンとのコポリマーのブレンドであって、コポリマーブレンドの各成分が少なくとも10%の結晶化度を有し、かつブレンド成分の結晶化度の比率が1未満であるというブレンドが記載されている。0.5, 2.0, 2.7及び2.9モル%のスチレンコモノマーを有するエチレン/スチレンコポリマーのブレンドの例が示されている。公開特許公報2000-129043(電気化学工業株式会社)には、2つ以上のαオレフィン/ビニル芳香族モノマーコポリマーを含有するブレンドであって、その1つのコポリマーが例えばアイソタクチックな二分子(diad)配列を有する点で、それらのコポリマーのタイプが異なると考えられるブレンドが記載されている。エチレン/スチレンコポリマーのブレンドであって、その成分コポリマーが10モル%超のスチレンコモノマーを含有するブレンドの例が示されている。
【0004】
学術参考文献(J. Polym. Sci. Part B: Polym. Phys., volume 38, 2976-2987 (2000), Y.W. Cheung, M.J. Guest; Procedings of the 58th SPEANTEC, 1828-1832 (2000), H.Y. Chen, Y. Cheung, P.S. Chum, A. Hiltner, E. Baer)には、コモノマー組成の異なるエチレン/スチレンコポリマー間の混和性に関する検討が記載されている。2つのコポリマー間におけるスチレンコモノマー含量の決定的な差は10重量%であり、それ以上では、非混和性ブレンド系を意味する相分離が認められることが分かった。
【発明の開示】
【0005】
この興味深い種類の材料の用途を更に拡大するために、より優れた性能を有するαオレフィン/ビニル芳香族モノマーインターポリマーのブレンドの提供が必要である。本発明は、2〜7モル%のビニル芳香族モノマーを有する特異的なインターポリマーブレンド成分を用いる。これらのインターポリマーは、構造/特性関連の独自の研究において、望ましいバランスで機械的特性、例えば固有の引裂特性、相溶性、及び加工性を有することが分かっている。従って、それらは、好適なインターポリマーブレンド成分であることが分かる。
【0006】
本発明は、2つ以上の実質的にランダムなインターポリマーの非混和性ブレンドに関する。該ブレンドは、5〜95重量%の、少なくとも1つの実質的にランダムなインターポリマーを含有し、該インターポリマーは、少なくとも20重量%の総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)を有し、そして
(a)2〜7モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
及び場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー、
を含有するものである。
【0007】
好ましい態様では、上記インターポリマーブレンド成分は、下記成分と組み合わせて用いられる。
(A)総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)が15重量%未満であり、
(a)10モル%超の1つ以上のビニル芳香族モノマー、
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
(c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含有する、5〜95重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー;
及び/又は
(B)総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)が40重量%超であり、
(a)3モル%未満の1つ以上のビニル芳香族モノマー、
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
(c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含有する、5〜95重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のブレンドは、広範な加工品、例えば圧延シート、吹込又は流延フィルム、圧縮成形又は射出成形製品、回転成形又は熱成形部品などに用いられる。本発明のブレンドは、繊維、発泡体、及びラテックスの製造に、そして接着剤及びシーラント剤に用いることができる。高剪断融解加工条件下(例えば剪断速度が30秒−1超である場合)で加工したブレンドは、様々な用途のための、例えばフィルム、発泡部品、又は射出成形部品を製造するために用いることができる。
【0009】
本明細書で参照した特定の族に属する元素又は金属に関しては、CRC Press, Inc, 1989が出版し版権を有する元素周期律表を参照する。また参照した族に関しては、族番号のためのIUPACシステムを用いて上記元素周期律表に示された族を参照する。
【0010】
本明細書に記載された数値は、もし低値と高値とが少なくとも2単位離れている場合には、1単位の増分で低値から高値まで間の全ての値を含む。一例として、もし成分量又はプロセス変数の値、例えば温度、圧力、時間が、例えば1〜90、好ましくは20〜80、より好ましくは30〜70であると記載されている場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などの値が本明細書に明記されているとみなす。1未満の値については、適宜1単位を0.0001、0.001、0.01又は0.1とみなす。これらは単に具体的に意図するものの例にすぎず、列挙した最小値と最大値の間の数値の全ての可能な組み合わせが、同様に本明細書に明記されているものとみなす。
【0011】
本明細書の用語「非混和性」とは、各ブレンド成分が互いに非混和性であることをいう。例えば、2以上のポリマーのブレンドにおいて、各ブレンド成分を、電子顕微鏡により依然として別々のドメインであると認識しうるか、又はそれらの特徴的な熱転移(例えばガラス転移温度Tg)により依然として区別しうる場合、これらのポリマーは非混和性であると考える。
【0012】
本明細書に記載の通り、エチレン又はエチレンと1以上のαオレフィンモノマーとの組合せ、及び1以上のビニル芳香族モノマーからなるポリマー単位を含んで成る、実質的にランダムなインターポリマーにおいて、用語「実質的にランダム」とは、J.C. Randall, POLYMER SEQUENCE DETERMINATION, Carbon-13 NMR Method, Academic Press New York, 1977, 71-78に記載の通り、上記インターポリマー内のモノマー分布が、ベルヌーイ統計モデルにより、又は一次もしくは二次のマルコフ統計モデルにより記述できることを意味する。好ましくは、実質的にランダムなインターポリマーは、3単位超のビニル芳香族モノマーのブロックにおいて、総量の15%超のビニル芳香族モノマーを含有しない。このことは、この実質的にランダムなインターポリマーの炭素13NMRスペクトルにおいて、メソ型二分子(diad)配列またはラセミ型二分子(diad)配列のいずれかを示す主鎖のメチレンおよびメチン炭素に相当するピーク面積が、主鎖のメチレンおよびメチン炭素の全ピーク面積の75%を超えるべきではないことを意味する。
【0013】
本発明においてブレンド成分として用いられる実質的にランダムなインターポリマーは、i)エチレン、又はエチレンと1以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、及びii)1以上のビニル芳香族モノマー、及び場合によりiii)他の重合可能なエチレン系不飽和モノマー、を重合することにより調製される。
【0014】
適切なαオレフィンには、例えば炭素数3〜20、好適には3〜12、より好適には3〜8を有するαオレフィンが含まれる。特に適するものは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1又はオクテン−1、あるいはエチレンとプロピレン、ブテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1又はオクテン−1の中の1つ以上との組合せである。これらのαオレフィンは芳香族部分を含まない。
【0015】
インターポリマーの調製に用いうる適当なビニル芳香族モノマーには、例えば下記式により表せるものがある:
【化1】
式中、R1は、水素、および炭素数1〜4のアルキル基から成る群から選択され、好適には水素またはメチルであり;各R2は独立に、水素、および炭素数1〜4のアルキル基から成る群から選択され、好適には水素またはメチルであり;Arはフェニル基であるか、又はハロ、C1−4アルキルおよびC1−4ハロアルキルから成る群から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニル基であり;そしてnは0〜4、好適には0〜2、最も好適には0である。
【0016】
典型的なビニル芳香族モノマーには、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、並にこれらの化合物の異性体全部が含まれる。特に適切なモノマーには、スチレンおよびそれの低級アルキル置換もしくはハロゲン置換誘導体が含まれる。好適なモノマーには、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(C1―C4)もしくはフェニル環で置換されているスチレン誘導体、例えばオルソ−、メタ−およびパラ−メチルスチレン、環がハロゲン化されているスチレン、パラ−ビニルトルエンまたはそれらの混合物が含まれる。より好適な芳香族ビニルモノマーはスチレンである。
【0017】
他の任意の重合可能なエチレン系不飽和モノマーには、ノルボルネン、及びC1−10アルキル又はC6−10アリールで置換されているノルボルネンが含まれ、典型的なインターポリマーはエチレン/スチレン/ノルボルネンである。
最も好適な実質的にランダムなインターポリマーは、エチレン/スチレン、エチレン/プロピレン/スチレン、エチレン/スチレン/ノルボルネン、及びインターポリマーである。
【0018】
上記の実質的にランダムなインターポリマーは、EP−A−0416815B1及びEP−A−0765888(James C. Stevens et al)並に米国特許5703187(Francis J. Timmers)に記載の擬似ランダムな(pseudo-randam)インターポリマーを含む。また、上記の実質的にランダムなインターポリマーは、米国特許5872201(Yunwa W. Cheung et al)に記載の、エチレン、オレフィンモノマー、及びビニル芳香族モノマーからなるインターポリマーも含む。上記の実質的にランダムなインターポリマーを、1以上のメタロセン触媒又は拘束幾何触媒(constrained geometry catalysts)の存在下で、種々の助触媒と組み合わせて、重合可能なモノマー混合物を重合することによって製造することができる。このような重合反応の好適な操作条件は、米国特許6048909及び6231795B1に記載の通り、大気圧〜3000気圧の圧力および−30℃〜200℃の温度である。各モノマーの自家重合温度を越える温度で重合及び未反応モノマーの除去を行うことにより、フリーラジカル重合に起因するホモポリマー重合生成物がいくらか生成することがある。
【0019】
上記の実質的にランダムなインターポリマーの製造のために適切な触媒、助触媒および方法の例が、米国特許5055438;5057475;5096867;5064802;5132380;5189192;5321106;5347024;5350723;5374696;5399635;5470993;5703187;5721185;5866704;5959047;5919983;6015868;6118013;及び6150297に開示されている。
【0020】
実質的にランダムなαオレフィン/ビニル芳香族インターポリマーを、特開平07/278230に記載されている方法により、下記一般式で示される化合物を用いて製造することもできる。
【化2】
式中、Cp1およびCp2は、互いに独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの置換体であり;R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜12の炭化水素基、アルコキシル基またはアリールオキシ基であり;Mは、IV族の金属、好適にはZrまたはHf、最も好適にはZrであり;そしてR3は、Cp1とCp2を架橋するために用いられるアルキレン基もしくはシランジイル基である。
【0021】
この実質的にランダムなαオレフィン/ビニル芳香族インターポリマーを、WO 95/32095 (John G. Bradfute et al, W. R. Grace & Co.); WO 94/00500 (R. B. Pannell, Exxon Chemical Patents, Inc.)及びPlastics Technology, p.25 (September 1992)に記載された方法により製造することもできる。
【0022】
また、米国特許6191245B1(Francis J. Timmers et al)に開示されている、少なくとも1つのαオレフィン/ビニル芳香族/ビニル芳香族/α−オレフィン四分子(tetrad)を含有する実質的にランダムなインターポリマーも適当である。これらのインターポリマーの炭素13NMRスペクトルには、ピークからピークノイズまでの3倍超の強度を有する追加シグナルが含まれている。これらのシグナルは43.70〜44.25ppmおよび38.0〜38.5ppmの化学シフト範囲に現れる。具体的には、44.1,43.9および38.2ppmの所に主ピークが観察される。プロトン検査NMR実験から、43.70〜44.25ppmの化学シフト領域内のシグナルはメチン炭素のものであり、38.0〜38.5ppmの領域内のシグナルはメチレン炭素のものであることが示されている。
【0023】
更に、本発明で用いるインターポリマーの製造方法が文献に記載されている。Longo and Grassi, Makromol. Chem. 191, 2387-2396 (1990)及びD’Anniello et al, Journal of Applied Polymer Science 58, 1701-1706 (1995)には、メチルアルモキサン(MAO)とシクロペンタジエニルチタントリクロライド(CpTiCl3)をベースとする触媒系を用いてエチレン−スチレンコポリマーを製造することが報告されている。Xu and Lin, Polymer Preprints, Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem. Vol.35, 686-687 (1994)には、MgCl2/TiCl4/NdCl3/Al(iBu)3触媒を用いた共重合によりスチレンとプロピレンのランダムコポリマーを製造することが報告されている。Sernetz and Mulhaupt, Macromol. Chem. Phys. 197, 1071-1083 (1997)には、チーグラー・ナッタ触媒であるMe2Si(Me4Cp)(N-tert-butyl)TiCl2/メチルアルミノキサンを用いたスチレンとエチレンの共重合に対する重合条件の影響が記載されている。Arai, Toshiaki and Suzuki, Polymer Preprints, Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem. Vol.38, 349-350 (1997)、並にDE 197 11 339 A1及び米国特許5,883,213(電気化学工業(株))には、架橋メタロセン触媒により製造されたエチレンとスチレンのコポリマーが記載されている。米国特許5,244,996(三井石油化学工業株式会社)には、αオレフィン/ビニル芳香族モノマーのインターポリマー、例えばプロピレン/スチレンおよびブテン/スチレンのインターポリマーの製造が記載されている。
【0024】
上記の実質的にランダムなインターポリマーを製造する際に、ビニル芳香族モノマーが高温でホモ重合することにより、アタクチックなビニル芳香族ホモポリマーが生成する可能性がある。ビニル芳香族ホモポリマーの存在は、一般に本発明の目的にとって有害ではなく、許容されうる。ビニル芳香族ホモポリマーは、所望ならば、抽出技術により、例えばインターポリマーまたはビニル芳香族ホモポリマーのいずれかに対して非溶解性の溶媒を用いて溶液から選択的に沈澱させることにより、インターポリマーから分離できる。本発明の目的のためには、好ましくは、アタクチックなビニル芳香族ホモポリマーの含量は、インターポリマーの全重量を基準として30重量%以下、好適には20重量%未満である。
【0025】
該ブレンドにおいて、又は用途のために使用される該ブレンドの最終固体形状、例えば加工部品において、1つ以上の上記インターポリマー成分を、種々の架橋方法により修飾してもよい。このような修飾方法には、例えば、限定でなく、ペルオキシド、シラン、硫黄、放射線又はアジドをベースとする硬化系がある。種々の架橋技術が、同時係属中の米国特許5,869,591及び5,977,271(全内容を参照により本明細書中に取り込む)に十分に記載されている。
【0026】
熱、湿分硬化と放射線硬化との組み合わせを用いた二重硬化系を有効に用いうる。二重硬化系は、米国特許5,911,940及び6,124,370(全内容を参照により本明細書中に取り込む)に開示および特許請求されている。望ましくは、例えばパーオキサイド架橋剤とシラン架橋剤との組合せ、パーオキサイド架橋剤と放射線との組合せ、及び硫黄含有架橋剤とシラン架橋剤との組合せなどを用いうる。
【0027】
また、上記ポリマー組成物を様々な架橋方法により修飾してもよく、例えば、限定ではなく、該インターポリマー中に追加モノマーとしてジエン成分を組み込み、続いて上記方法により架橋すること、また別の方法として、例えば硫黄を架橋剤として用いてビニル基を介して加硫することなどにより、修飾してもよい。
【0028】
本発明の非混和性ブレンド組成物は、2つ以上の実質的にランダムな、αオレフィン/ビニル芳香族モノマーのインターポリマーを含有し、これは、1つの成分(A)として、
2〜7モル%、好ましくは2.5〜6モル%、より好ましくは3〜5.5モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
93〜98モル%、好ましくは94〜97.5モル%、より好ましくは94.5〜97モル%の1つ以上のC2〜C20αオレフィンモノマー
を含んで成る1つ以上のインターポリマーブレンド成分を、5〜95、好ましくは15〜80、より好ましくは30〜70重量%の量で有する。
【0029】
好適なαオレフィンモノマーはエチレンであり、又はエチレンと、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1又はノルボルネンの中の少なくとも1つとの組合せである。このインターポリマーブレンド成分は、示差走査熱量測定により測定した場合、総ポリエチレン当量結晶化度として、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも25重量%を有する。この2〜7モル%のビニル芳香族モノマーを有する特定のインターポリマーブレンド成分は、望ましいバランスの機械特性、例えば固有の引裂特性、相溶性、及び加工性などを有することが分かった。従ってそれらは好適なインターポリマーブレンド成分である。
【0030】
このインターポリマー成分(A)は、下記成分(B)又は(C)と組み合わせて用いられる。
(B)5〜95、好ましくは20〜85、より好ましくは30〜70重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマーであって、その総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)が15重量%未満、好ましくは10重量%未満であり、
a)10モル%超の1つ以上のビニル芳香族モノマー、
b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含んで成る、上記インターポリマー;又は
【0031】
(C)5〜95、好ましくは20〜85、より好ましくは30〜70重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマーであって、その総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)が40重量%超、好ましくは45重量%超であり、
a)3モル%未満の1つ以上のビニル芳香族モノマー、
b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含んで成る、上記インターポリマー。
【0032】
これらのインターポリマーブレンド成分は、各々広範囲の分子量及び分子量分布を有することが可能である。
インターポリマーブレンド成分(A)中のビニル芳香族コモノマーの量と、第二のインターポリマー成分(B)中のその量とは異なり、その量の差により非混和性ブレンド系が生成する。もしインターポリマーがエチレン/スチレンインターポリマーである場合、典型的には、コポリマーのスチレンの差が少なくとも10重量%であるときに、非混和性ブレンドが生じる。該ブレンドの非混和性は、各成分がその特徴的な熱転移動態、例えばTg又は結晶融解転移を維持する点で、あるいは各ブレンド成分が顕微鏡、例えば原子間力顕微鏡により同定できることにより、明白となり、かつ認識できる。
【0033】
好ましい態様では、エチレン/スチレンインターポリマーからなるブレンドは、特徴として、全体として20〜50重量%の範囲のスチレンを含有し、そして同量のコポリマースチレンを含有する単一のインターポリマーに比べて、より優れた性能/加工性を提供する様に設計される。これらのブレンドのTMA軟化点は、同程度のスチレン含量を有する単一成分インターポリマーの性能、又は個々のブレンド成分のTMA軟化点の加重平均のいずれに比べても有意に高い。
【0034】
別の態様では、該ブレンドは、混合した際に、全体として非混和性要件を充足する3種類以上の成分を含有するが、ただし第三の、又は追加の成分は、上記の成分(A)又は成分(B)又は成分(C)のいずれかに対して非混和性であっても、又は混和性であってもよい。
【0035】
本発明のブレンドは、既知の方法により製造することができ、例えば、限定でなく、溶液混合することにより、又は所望の割合でペレット状のインターポリマーブレンド成分を乾式混合した後、押出機やバンバリー(Banbury)ミキサーなどにおいて融解混合することにより製造することができる。上記の乾式混合したペレットを、例えば射出成形により、直接に最終の固体製品に融解加工してもよい。あるいは該ブレンドは、例えば、1つの反応器内で2つ以上の触媒を用いて、又は直列または並列の2つ以上の反応器内で1つの触媒を用いて、ブレンド成分の単離を行わずに、直接に重合することによって製造してもよい。
【0036】
本発明のブレンドは、性能上の有益性、例えば、限定ではなく、耐熱性、引張強さ、引裂強さ、及びヒートシール性などの増加を示す。更に該ブレンドは、加工性の向上、例えば射出成形におけるサイクル数の低下や硬化/取出しの向上を示す。該ブレンドは、広範な加工品、例えば圧延シート、吹込又は流延フィルム、射出成形製品(例えばおもちゃ)、回転成形又は熱成形部品などの製造に用いることができる。該ブレンドは、ワイヤやケーブルへの適用、及びガスケットなどの押出断面材の製造に用いることができる。該ブレンドは、繊維、発泡体、及びラテックスの製造に、そして接着剤及びシーラント剤に用いることができる。例えばフィルム、発泡部品、又は射出成形部品を製造するために高剪断融解加工条件下(例えば剪断速度が30秒−1超である場合)で加工したブレンドは、低剪断加工、例えば圧縮成形に比べて、流動励起形態学(flow induced morphology)に基づく有意に異なる特性を有しうる。例えば、インターポリマーから作られた加工品やフィルムは、光学特性の向上、例えば曇りの低さ、即ち透明性を示しうる。
【0037】
また本発明のポリマー組成物の可能な成分として、種々の有機及び無機充填材があり、その種類は、該組成物を使用する用途の種類に応じる。
このような充填材の代表的な例は、有機及び無機繊維、例えばアスベスト、ホウ素、グラファイト、セラミック、ガラス、金属(例えばステンレス鋼)又はポリマー(例えばアラミド繊維)からなるもの、タルク、カーボンブラック、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、アルミナ三水和物、ガラス繊維、マーブルダスト、セメントダスト、クレー、長石、シリカ又はガラス、ヒュームドシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、二酸化チタン、チタネート、窒化アルミニウム、B2O3、ニッケル粉末又はチョークである。
【0038】
他の有機もしくは無機繊維又は鉱物の充填材には、炭酸バリウム、炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウムなどのカーボネート;カルシウムもしくはナトリウムアルミニウムフッ化物などのフッ化物;水酸化アルミニウムなどの水酸化物;アルミニウム、ブロンズ、鉛又は亜鉛などの金属;酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化マグネシウム又は酸化亜鉛、あるいは二酸化珪素又は二酸化チタンなどの酸化物;アスベスト、マイカ、クレー(カオリンもしくは焼成カオリン)、珪酸カルシウム、長石、ガラス(粉砕化もしくはフレーク化ガラス、又は中空ガラス球もしくは微小球もしくはビーズ、ウィスカーもしくはフィラメント)、あられ石、パーライト、ピロフィライト、タルク又はワラストナイトなどのシリケート;硫酸バリウム又は硫酸カルシウムなどのスルフェート;金属硫化物;ウッドもしくはシェルフラワーなどの形状のセルロース;テレフタル酸カルシウム;及び液晶、が含まれる。また、抗菌剤として作用する種々のクラスの充填材も含まれる。同様に、2種類以上の上記充填材の混合物も使用できる。
【0039】
場合によっては、上記の実質的にランダムなインターポリマーには、成分インターポリマー中にでも、及び/又は本発明のブレンド組成物全体中にでも、出願人によって見出された増強された特性を害さない程度で、添加剤が含まれ、例えば酸化防止剤(例えばIrganoxTM1010 (Ciba Geigy)などのヒンダードフェノール)、ホスフィット(例えばIrgafosTM168 (Ciba Geigy))、紫外線安定剤、クリング添加剤(例えばポリイソブチレン)、アンチブロック剤、着色剤、顔料、充填材、粘着付与剤などが含まれる。
【0040】
これらの添加剤は、当業者に既知の機能的に相当な量で有益に用いられる。例えば、酸化防止剤の用量は、ポリマー又はポリマーブレンドが、ポリマーの貯蔵中及び最終使用中にその温度及び環境において酸化されることを抑制する量である。酸化防止剤のこのような量は、ポリマー又はポリマーブレンドの重量を基準として、通常0.01〜10、好ましくは0.05〜5、より好ましくは0.1〜2重量%である。同様に、その他の列挙された添加剤の量も機能的に相当な量であり、例えばポリマー又はポリマーブレンドをアンチブロッキング性とするための量、所望の結果を生むために望ましい充填材の含量にするための量、着色剤又は顔料から所望の色を提供するための量などである。このような添加剤は、ポリマー又はポリマーブレンドの重量を基準として0.05〜50、好ましくは0.1〜35、より好ましくは0.2〜20重量%の範囲で有益に用いられる。
【0041】
本願において可塑剤とも称される加工助剤は、実質的にランダムなインターポリマーブレンド成分中に、及び/又は本発明のブレンド組成物全体中に含まれてもよく、これには、フタレート、例えばジオクチルフタレート及びジイソブチルフタレート、天然油、例えばラノリン、及び石油精製から得られるパラフィン系、ナフテン系及び芳香族系オイル、並にロジンまたは石油供給原料から得られる液体樹脂などが含まれる。加工助剤として有用な典型的な種類のオイルには、白色鉱物油(例えばKaydolTMオイル(Witcoから登録商標として市販されている)およびShellflexTM371ナフテン系オイル(シェル石油から登録商標として市販されている)などが含まれる。別の好適な油は、TufloTMオイル(Lyondellから登録商標として市販されている)である。
以下の実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0042】
ブレンド成分インターポリマー及びブレンド組成物
本発明の実施例及び比較実験に用いられるエチレン/スチレンインターポリマーの製造
インターポリマーを、連続運転式ループ型反応器で製造した。Ingersoll-Dresser二軸スクリューポンプにより混合した。この反応器により475 psig (3,275 kPa)で限度一杯で液体を操作した。原料及び触媒/助触媒のフローは、ループ型反応器の配管部のインジェクター及びKenics 式静的ミキサーを通して、反応器内に供給された。ループポンプから排出された後、プロセスフローは、ループポンプの吸引部に戻る前に、2つのシェル及びチューブ式熱交換機を通過する。最後の熱交換器から出ると、ループフローはインジェクター及び静的ミキサーを通してポンプの吸引部に戻った。必要ならば、別のモノマー/供給インジェクター及びミキサーを用いた。ループ温度を調節するために、伝熱オイル又は強化水(tempered water)を、交換機のジャケットに通して循環させた。ループ型反応器の吐出流(exit stream)を2つの交換機の間で取り出した。吐出流の流量および溶液密度を、Micro-MotionTM質量流量計により測定した。
【0043】
エチレンを溶液状態に維持するために、溶媒を主に供給フローの一部分として反応器に注入した。エチレン注入の前に、加圧ポンプから分流を取り出して、ループ型反応器ポンプのシールのためにフラッシュフローを与えた。追加の溶媒を触媒の稀釈剤として加えた。供給溶媒を、加圧ポンプの吸引側で、無制約の(uninhibited)スチレンモノマーと混合した。加圧ポンプにより、溶媒とスチレンを約650 psig (4,583 kPa)で反応器に供給した。新たなスチレンのフローをMicro-MotionTM質量流量計により測定し、そして溶媒/スチレンの合計フローを別のMicro-MotionTM質量流量計により測定した。エチレンを690 psig (4,865 kPa)で反応器に供給した。エチレンのフローをMicro-MotionTM質量流量計により測定した。流量計/制御装置を用いて、エチレンの制御弁の出口でエチレンのフローに水素を配給した。
【0044】
周囲温度で、エチレン/水素混合物を溶媒/スチレンフローと混合した。供給フロー全体の温度は、それが反応器のループに入ると、グリコール冷却した交換機により約2℃に低下した。3種類の触媒成分の調製は3つの別々のタンクで行なった。新たな溶媒と濃縮した触媒/助触媒/第二助触媒との予混合物を、各々の運転タンクに加え、混合し、そして可変速式PulsafeederTMダイヤフラムポンプを介して反応器に供給した。以前説明した通り、三成分触媒系は、インジェクター及び静的ミキサーを通して二軸スクリューポンプの吸引側から反応器のループに入った。原料の供給フローもまた、インジェクター及び静的ミキサーを通して触媒注入点の上流で、あるいは可能ならば、2つの交換機の間で供給インジェクター/ミキサーを通して、反応器のループに供給した。
【0045】
Micro-MotionTM質量流量計で溶液密度を測定した後、反応器の生成物ラインに触媒失活剤(水)を添加することにより、重合を停止した。該ライン中の静的ミキサーにより、反応器の流出フローに、分散した触媒失活剤と添加剤を与えた。次にこのフローは、溶媒除去フラッシュのために追加エネルギーを与えるポスト反応器ヒーターに入った。流出フローがポスト反応器ヒーターから出たところで、このフラッシュが行われ、そして圧力は、反応器の圧力制御弁のところで475 psig (3,275 kPa)から約450 mmHg (60 kPa)の絶対圧力にまで低下した。
【0046】
このフラッシュが行われたポリマーは、プロセス中の揮発分除去(devolatilization)部に入った。その揮発分除去部からフラッシュされた揮発分は、グリコールジャケットを有する交換機により濃縮され、真空ポンプを通過し、そして蒸気/液体分離容器に放出された。第一段階の真空系において、溶媒/スチレンが、この容器の底から再循環溶媒として除去され、他方未反応エチレンは上部から排気された。このエチレンフローをMicro-MotionTM質量流量計により測定した。排気されたエチレンの測定値と、溶媒/スチレンフローに溶解したガスの計算値とを用いて、エチレンの転化率を計算した。ポリマー及び残りの溶媒を、ギアポンプにより最後の揮発分除去器(devolatilizer)に送り込んだ。この第二の揮発分除去器の圧力を絶対圧力約10 mmHg (1.4 kPa)で操作し、残りの溶剤をフラッシュした。この乾燥ポリマー(総揮発分<1000 ppm)をギアポンプにより水中ペレタイザーに送り、遠心脱水し、そして回収した。表1に各サンプルの調製条件を要約した。
【0047】
試験方法
メルトフロー測定
特に記載のない場合、本発明に用いるポリマー組成物の分子量は、ASTM D−1238に従って、条件190℃/2.16kg(形式的には「条件(E)」として、またI2としても知られている)にて測定したメルトインデックスを用いて、簡便に示した。
【0048】
熱機械分析(TMA)
上限使用温度を、熱機械分析装置(Perkin-Elmer TMA 7 series)を用い、1ニュートンの負荷および5℃/分で走査することにより決定した。これは、探針がサンプル中に1mm侵入する温度として定義された。コポリマーのスチレン含量が30重量%であるESIは、TMAにより測定した場合に73℃の上限使用温度を有し、これと比較すると、本発明のブレンド組成物の記録値である87.8℃は有意に高かった。またこのブレンドは、コポリマーのスチレン含量が30重量%であるESIと比べて、メルトレオロジーから剪断減粘性の改善、そして固有の引裂強さの増加、及び引張応力/歪実験における破壊時の総エネルギーの増加を示す。
【0049】
示差走査熱量測定(DSC)
DuPont DSC-910を用いて、窒素ガス下で、サンプルの熱転移温度および転移熱を測定した。以前の熱履歴を消去するために最初にサンプルを200℃に加熱した。加熱冷却曲線を10℃/分で記録した。吸熱および発熱のピーク温度から、それぞれ融解温度(第二加熱から)および結晶化温度を記録した。
【0050】
動的機械的分光測定(DMS)
Rheometrics 800E機械的分光測定計を用いて圧縮成形サンプルの動的機械的特性を測定した。サンプルを、固体状態のねじれ長方形配置(solid state tosional rectangular geometry)にて操作し、そして熱崩壊を抑制するために窒素ガス下でパージした。一般に、サンプルを−100℃に冷却し、そして0.05%の歪みをかけた。振動数を10ラジアン/秒に固定し、温度を5℃ずつ増加させた。
【0051】
機械的試験
ASTM−D240に基づいて室温でショアーA硬度を測定した。ASTM−D1922に基づいてエレメンドルフAタイプ法を用いて固有の引裂強さを決定した。ASTM−D790に従ってポリオレフィン試験研究所において曲げ弾性率(flex modulus)を評価した。ASTM−D1708に従って5分−1の歪速度でサンプルを検査した。この研究では、4回の引張測定値の平均を報告する。
【0052】
メルトレオロジー
窒素ガスによりパージしながら、Rheometrics RMS-800により動的データを採取した。190,170及び150℃で25mm平行プレート及び直線粘弾性様式内の歪みを用いて振動数/温度の走査を行った。更にInstronキャピラリーレオメーターを用いて溶融強度を決定した。190℃で1 in/minのピストン速度でサンプルを押し出した。データをGoettfert Rheotensにより収集した。
【0053】
所定の重量比率で成分インターポリマーのペレットを乾式混合し、そしてHaakeミキサーにより180℃で30rpmで操作して11分間融解配合することによって、ブレンドを製造した。190℃で3分間、20,000 psiの圧力で圧縮成形し、そして25℃まで冷却することにより、融解配合したブレンドから試験部品を製造した。
【0054】
本発明の実施例として、15.9重量%のコポリマースチレンを有し、0.1重量%のアタクチックなポリスチレンを有し、そして5.27の溶融流量(I2)を有し、そして表2の成分Aとして認識されるエチレン/スチレンインターポリマーをブレンド成分の1つとして選択した。40/60重量比の成分Aと40重量%のコポリマースチレン及び1.0の溶融流量(I2)を有する成分Cとからなるブレンドを上記の通りに調製した。このブレンドは、30重量%の総コポリマースチレンを有する。
25,30,35及び40重量%の総コポリマースチレンを有するブレンドを設計し、そして製造した。
【0055】
表1:ブレンド成分インターポリマーの特性
【表1】
【0056】
表2:インターポリマーブレンド組成物の要約
【表2】
【0057】
表3:インターポリマーブレンドの熱的特性(DSC, DMS, TMA)
【表3】
【0058】
ES25は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、25重量%のスチレン含量、及び75重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES30は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、30重量%のスチレン含量、及び70重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES35は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、35重量%のスチレン含量、及び65重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES40は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、40重量%のスチレン含量、及び60重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES9は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、9重量%のスチレン含量、及び91重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES15は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、15重量%のスチレン含量、及び85重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES22は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、22重量%のスチレン含量、及び78重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
【0059】
表4:インターポリマーブレンドの機械的特性(引張強さ、弾性率、固有の引裂強さ)
【表4】
【0001】
本発明は、2つ以上のαオレフィン/ビニル芳香族モノマーインターポリマーの非混和性ブレンドであって、2〜7モル%のビニル芳香族モノマーを含有するインターポリマー成分を少なくとも1つ有する該ブレンド、及び該ブレンドの使用に関する。このブレンド成分は、ブレンド組成物及びその最終使用用途におけるより優れた加工性及び/又は性能、例えば上限使用温度が提供されるように選択される。
【背景技術】
【0002】
実質的にランダムな、αオレフィン/ビニル芳香族モノマーインターポリマーとして網羅される総称的なクラスの物質、特にエチレン/スチレンインターポリマー(ESI)が当業界に知られている。これらは、様々な用途に、例えば米国特許5,460,818に記載のポリエチレンとポリスチレンのブレンドのための相溶化剤などに用いられることを可能にする一連の物質構造及び特性を有する。それら自体でも有用ではあるが、産業界では常にこれらのインターポリマーの適用性を向上させることが求められている。この様な向上は添加剤などによって達成しうるが、添加剤を加えることなしに加工性及び/又は性能を向上させる技術、例えばブレンド系を開発することが望ましい。
【0003】
2つ以上の実質的にランダムなインターポリマーを含有するブレンドが一般的に当業界に知られている。例えばWO 98/10018(ダウケミカル)には、インターポリマーブレンドの各成分においてコポリマー中ビニル芳香族コモノマー含量が異なり(>0.5モル%)、及び/又は分子量が異なるというインターポリマーのブレンドが記載されている。これらのブレンドは、ESIブレンド成分のTg間に位置する単一のガラス転移温度Tgを有することにより示される通り、混和性の動態を示すこともあり、あるいは複数のTgにより示される通り、非混和性の動態を示すこともある。欧州特許0869146 A1(三井化学)には、エチレンと芳香族ビニル化合物及び/又はαオレフィンとのコポリマーのブレンドであって、コポリマーブレンドの各成分が少なくとも10%の結晶化度を有し、かつブレンド成分の結晶化度の比率が1未満であるというブレンドが記載されている。0.5, 2.0, 2.7及び2.9モル%のスチレンコモノマーを有するエチレン/スチレンコポリマーのブレンドの例が示されている。公開特許公報2000-129043(電気化学工業株式会社)には、2つ以上のαオレフィン/ビニル芳香族モノマーコポリマーを含有するブレンドであって、その1つのコポリマーが例えばアイソタクチックな二分子(diad)配列を有する点で、それらのコポリマーのタイプが異なると考えられるブレンドが記載されている。エチレン/スチレンコポリマーのブレンドであって、その成分コポリマーが10モル%超のスチレンコモノマーを含有するブレンドの例が示されている。
【0004】
学術参考文献(J. Polym. Sci. Part B: Polym. Phys., volume 38, 2976-2987 (2000), Y.W. Cheung, M.J. Guest; Procedings of the 58th SPEANTEC, 1828-1832 (2000), H.Y. Chen, Y. Cheung, P.S. Chum, A. Hiltner, E. Baer)には、コモノマー組成の異なるエチレン/スチレンコポリマー間の混和性に関する検討が記載されている。2つのコポリマー間におけるスチレンコモノマー含量の決定的な差は10重量%であり、それ以上では、非混和性ブレンド系を意味する相分離が認められることが分かった。
【発明の開示】
【0005】
この興味深い種類の材料の用途を更に拡大するために、より優れた性能を有するαオレフィン/ビニル芳香族モノマーインターポリマーのブレンドの提供が必要である。本発明は、2〜7モル%のビニル芳香族モノマーを有する特異的なインターポリマーブレンド成分を用いる。これらのインターポリマーは、構造/特性関連の独自の研究において、望ましいバランスで機械的特性、例えば固有の引裂特性、相溶性、及び加工性を有することが分かっている。従って、それらは、好適なインターポリマーブレンド成分であることが分かる。
【0006】
本発明は、2つ以上の実質的にランダムなインターポリマーの非混和性ブレンドに関する。該ブレンドは、5〜95重量%の、少なくとも1つの実質的にランダムなインターポリマーを含有し、該インターポリマーは、少なくとも20重量%の総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)を有し、そして
(a)2〜7モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
及び場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー、
を含有するものである。
【0007】
好ましい態様では、上記インターポリマーブレンド成分は、下記成分と組み合わせて用いられる。
(A)総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)が15重量%未満であり、
(a)10モル%超の1つ以上のビニル芳香族モノマー、
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
(c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含有する、5〜95重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー;
及び/又は
(B)総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)が40重量%超であり、
(a)3モル%未満の1つ以上のビニル芳香族モノマー、
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
(c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含有する、5〜95重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のブレンドは、広範な加工品、例えば圧延シート、吹込又は流延フィルム、圧縮成形又は射出成形製品、回転成形又は熱成形部品などに用いられる。本発明のブレンドは、繊維、発泡体、及びラテックスの製造に、そして接着剤及びシーラント剤に用いることができる。高剪断融解加工条件下(例えば剪断速度が30秒−1超である場合)で加工したブレンドは、様々な用途のための、例えばフィルム、発泡部品、又は射出成形部品を製造するために用いることができる。
【0009】
本明細書で参照した特定の族に属する元素又は金属に関しては、CRC Press, Inc, 1989が出版し版権を有する元素周期律表を参照する。また参照した族に関しては、族番号のためのIUPACシステムを用いて上記元素周期律表に示された族を参照する。
【0010】
本明細書に記載された数値は、もし低値と高値とが少なくとも2単位離れている場合には、1単位の増分で低値から高値まで間の全ての値を含む。一例として、もし成分量又はプロセス変数の値、例えば温度、圧力、時間が、例えば1〜90、好ましくは20〜80、より好ましくは30〜70であると記載されている場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などの値が本明細書に明記されているとみなす。1未満の値については、適宜1単位を0.0001、0.001、0.01又は0.1とみなす。これらは単に具体的に意図するものの例にすぎず、列挙した最小値と最大値の間の数値の全ての可能な組み合わせが、同様に本明細書に明記されているものとみなす。
【0011】
本明細書の用語「非混和性」とは、各ブレンド成分が互いに非混和性であることをいう。例えば、2以上のポリマーのブレンドにおいて、各ブレンド成分を、電子顕微鏡により依然として別々のドメインであると認識しうるか、又はそれらの特徴的な熱転移(例えばガラス転移温度Tg)により依然として区別しうる場合、これらのポリマーは非混和性であると考える。
【0012】
本明細書に記載の通り、エチレン又はエチレンと1以上のαオレフィンモノマーとの組合せ、及び1以上のビニル芳香族モノマーからなるポリマー単位を含んで成る、実質的にランダムなインターポリマーにおいて、用語「実質的にランダム」とは、J.C. Randall, POLYMER SEQUENCE DETERMINATION, Carbon-13 NMR Method, Academic Press New York, 1977, 71-78に記載の通り、上記インターポリマー内のモノマー分布が、ベルヌーイ統計モデルにより、又は一次もしくは二次のマルコフ統計モデルにより記述できることを意味する。好ましくは、実質的にランダムなインターポリマーは、3単位超のビニル芳香族モノマーのブロックにおいて、総量の15%超のビニル芳香族モノマーを含有しない。このことは、この実質的にランダムなインターポリマーの炭素13NMRスペクトルにおいて、メソ型二分子(diad)配列またはラセミ型二分子(diad)配列のいずれかを示す主鎖のメチレンおよびメチン炭素に相当するピーク面積が、主鎖のメチレンおよびメチン炭素の全ピーク面積の75%を超えるべきではないことを意味する。
【0013】
本発明においてブレンド成分として用いられる実質的にランダムなインターポリマーは、i)エチレン、又はエチレンと1以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、及びii)1以上のビニル芳香族モノマー、及び場合によりiii)他の重合可能なエチレン系不飽和モノマー、を重合することにより調製される。
【0014】
適切なαオレフィンには、例えば炭素数3〜20、好適には3〜12、より好適には3〜8を有するαオレフィンが含まれる。特に適するものは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1又はオクテン−1、あるいはエチレンとプロピレン、ブテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1又はオクテン−1の中の1つ以上との組合せである。これらのαオレフィンは芳香族部分を含まない。
【0015】
インターポリマーの調製に用いうる適当なビニル芳香族モノマーには、例えば下記式により表せるものがある:
【化1】
式中、R1は、水素、および炭素数1〜4のアルキル基から成る群から選択され、好適には水素またはメチルであり;各R2は独立に、水素、および炭素数1〜4のアルキル基から成る群から選択され、好適には水素またはメチルであり;Arはフェニル基であるか、又はハロ、C1−4アルキルおよびC1−4ハロアルキルから成る群から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニル基であり;そしてnは0〜4、好適には0〜2、最も好適には0である。
【0016】
典型的なビニル芳香族モノマーには、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、並にこれらの化合物の異性体全部が含まれる。特に適切なモノマーには、スチレンおよびそれの低級アルキル置換もしくはハロゲン置換誘導体が含まれる。好適なモノマーには、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(C1―C4)もしくはフェニル環で置換されているスチレン誘導体、例えばオルソ−、メタ−およびパラ−メチルスチレン、環がハロゲン化されているスチレン、パラ−ビニルトルエンまたはそれらの混合物が含まれる。より好適な芳香族ビニルモノマーはスチレンである。
【0017】
他の任意の重合可能なエチレン系不飽和モノマーには、ノルボルネン、及びC1−10アルキル又はC6−10アリールで置換されているノルボルネンが含まれ、典型的なインターポリマーはエチレン/スチレン/ノルボルネンである。
最も好適な実質的にランダムなインターポリマーは、エチレン/スチレン、エチレン/プロピレン/スチレン、エチレン/スチレン/ノルボルネン、及びインターポリマーである。
【0018】
上記の実質的にランダムなインターポリマーは、EP−A−0416815B1及びEP−A−0765888(James C. Stevens et al)並に米国特許5703187(Francis J. Timmers)に記載の擬似ランダムな(pseudo-randam)インターポリマーを含む。また、上記の実質的にランダムなインターポリマーは、米国特許5872201(Yunwa W. Cheung et al)に記載の、エチレン、オレフィンモノマー、及びビニル芳香族モノマーからなるインターポリマーも含む。上記の実質的にランダムなインターポリマーを、1以上のメタロセン触媒又は拘束幾何触媒(constrained geometry catalysts)の存在下で、種々の助触媒と組み合わせて、重合可能なモノマー混合物を重合することによって製造することができる。このような重合反応の好適な操作条件は、米国特許6048909及び6231795B1に記載の通り、大気圧〜3000気圧の圧力および−30℃〜200℃の温度である。各モノマーの自家重合温度を越える温度で重合及び未反応モノマーの除去を行うことにより、フリーラジカル重合に起因するホモポリマー重合生成物がいくらか生成することがある。
【0019】
上記の実質的にランダムなインターポリマーの製造のために適切な触媒、助触媒および方法の例が、米国特許5055438;5057475;5096867;5064802;5132380;5189192;5321106;5347024;5350723;5374696;5399635;5470993;5703187;5721185;5866704;5959047;5919983;6015868;6118013;及び6150297に開示されている。
【0020】
実質的にランダムなαオレフィン/ビニル芳香族インターポリマーを、特開平07/278230に記載されている方法により、下記一般式で示される化合物を用いて製造することもできる。
【化2】
式中、Cp1およびCp2は、互いに独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの置換体であり;R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜12の炭化水素基、アルコキシル基またはアリールオキシ基であり;Mは、IV族の金属、好適にはZrまたはHf、最も好適にはZrであり;そしてR3は、Cp1とCp2を架橋するために用いられるアルキレン基もしくはシランジイル基である。
【0021】
この実質的にランダムなαオレフィン/ビニル芳香族インターポリマーを、WO 95/32095 (John G. Bradfute et al, W. R. Grace & Co.); WO 94/00500 (R. B. Pannell, Exxon Chemical Patents, Inc.)及びPlastics Technology, p.25 (September 1992)に記載された方法により製造することもできる。
【0022】
また、米国特許6191245B1(Francis J. Timmers et al)に開示されている、少なくとも1つのαオレフィン/ビニル芳香族/ビニル芳香族/α−オレフィン四分子(tetrad)を含有する実質的にランダムなインターポリマーも適当である。これらのインターポリマーの炭素13NMRスペクトルには、ピークからピークノイズまでの3倍超の強度を有する追加シグナルが含まれている。これらのシグナルは43.70〜44.25ppmおよび38.0〜38.5ppmの化学シフト範囲に現れる。具体的には、44.1,43.9および38.2ppmの所に主ピークが観察される。プロトン検査NMR実験から、43.70〜44.25ppmの化学シフト領域内のシグナルはメチン炭素のものであり、38.0〜38.5ppmの領域内のシグナルはメチレン炭素のものであることが示されている。
【0023】
更に、本発明で用いるインターポリマーの製造方法が文献に記載されている。Longo and Grassi, Makromol. Chem. 191, 2387-2396 (1990)及びD’Anniello et al, Journal of Applied Polymer Science 58, 1701-1706 (1995)には、メチルアルモキサン(MAO)とシクロペンタジエニルチタントリクロライド(CpTiCl3)をベースとする触媒系を用いてエチレン−スチレンコポリマーを製造することが報告されている。Xu and Lin, Polymer Preprints, Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem. Vol.35, 686-687 (1994)には、MgCl2/TiCl4/NdCl3/Al(iBu)3触媒を用いた共重合によりスチレンとプロピレンのランダムコポリマーを製造することが報告されている。Sernetz and Mulhaupt, Macromol. Chem. Phys. 197, 1071-1083 (1997)には、チーグラー・ナッタ触媒であるMe2Si(Me4Cp)(N-tert-butyl)TiCl2/メチルアルミノキサンを用いたスチレンとエチレンの共重合に対する重合条件の影響が記載されている。Arai, Toshiaki and Suzuki, Polymer Preprints, Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem. Vol.38, 349-350 (1997)、並にDE 197 11 339 A1及び米国特許5,883,213(電気化学工業(株))には、架橋メタロセン触媒により製造されたエチレンとスチレンのコポリマーが記載されている。米国特許5,244,996(三井石油化学工業株式会社)には、αオレフィン/ビニル芳香族モノマーのインターポリマー、例えばプロピレン/スチレンおよびブテン/スチレンのインターポリマーの製造が記載されている。
【0024】
上記の実質的にランダムなインターポリマーを製造する際に、ビニル芳香族モノマーが高温でホモ重合することにより、アタクチックなビニル芳香族ホモポリマーが生成する可能性がある。ビニル芳香族ホモポリマーの存在は、一般に本発明の目的にとって有害ではなく、許容されうる。ビニル芳香族ホモポリマーは、所望ならば、抽出技術により、例えばインターポリマーまたはビニル芳香族ホモポリマーのいずれかに対して非溶解性の溶媒を用いて溶液から選択的に沈澱させることにより、インターポリマーから分離できる。本発明の目的のためには、好ましくは、アタクチックなビニル芳香族ホモポリマーの含量は、インターポリマーの全重量を基準として30重量%以下、好適には20重量%未満である。
【0025】
該ブレンドにおいて、又は用途のために使用される該ブレンドの最終固体形状、例えば加工部品において、1つ以上の上記インターポリマー成分を、種々の架橋方法により修飾してもよい。このような修飾方法には、例えば、限定でなく、ペルオキシド、シラン、硫黄、放射線又はアジドをベースとする硬化系がある。種々の架橋技術が、同時係属中の米国特許5,869,591及び5,977,271(全内容を参照により本明細書中に取り込む)に十分に記載されている。
【0026】
熱、湿分硬化と放射線硬化との組み合わせを用いた二重硬化系を有効に用いうる。二重硬化系は、米国特許5,911,940及び6,124,370(全内容を参照により本明細書中に取り込む)に開示および特許請求されている。望ましくは、例えばパーオキサイド架橋剤とシラン架橋剤との組合せ、パーオキサイド架橋剤と放射線との組合せ、及び硫黄含有架橋剤とシラン架橋剤との組合せなどを用いうる。
【0027】
また、上記ポリマー組成物を様々な架橋方法により修飾してもよく、例えば、限定ではなく、該インターポリマー中に追加モノマーとしてジエン成分を組み込み、続いて上記方法により架橋すること、また別の方法として、例えば硫黄を架橋剤として用いてビニル基を介して加硫することなどにより、修飾してもよい。
【0028】
本発明の非混和性ブレンド組成物は、2つ以上の実質的にランダムな、αオレフィン/ビニル芳香族モノマーのインターポリマーを含有し、これは、1つの成分(A)として、
2〜7モル%、好ましくは2.5〜6モル%、より好ましくは3〜5.5モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
93〜98モル%、好ましくは94〜97.5モル%、より好ましくは94.5〜97モル%の1つ以上のC2〜C20αオレフィンモノマー
を含んで成る1つ以上のインターポリマーブレンド成分を、5〜95、好ましくは15〜80、より好ましくは30〜70重量%の量で有する。
【0029】
好適なαオレフィンモノマーはエチレンであり、又はエチレンと、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1又はノルボルネンの中の少なくとも1つとの組合せである。このインターポリマーブレンド成分は、示差走査熱量測定により測定した場合、総ポリエチレン当量結晶化度として、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも25重量%を有する。この2〜7モル%のビニル芳香族モノマーを有する特定のインターポリマーブレンド成分は、望ましいバランスの機械特性、例えば固有の引裂特性、相溶性、及び加工性などを有することが分かった。従ってそれらは好適なインターポリマーブレンド成分である。
【0030】
このインターポリマー成分(A)は、下記成分(B)又は(C)と組み合わせて用いられる。
(B)5〜95、好ましくは20〜85、より好ましくは30〜70重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマーであって、その総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)が15重量%未満、好ましくは10重量%未満であり、
a)10モル%超の1つ以上のビニル芳香族モノマー、
b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含んで成る、上記インターポリマー;又は
【0031】
(C)5〜95、好ましくは20〜85、より好ましくは30〜70重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマーであって、その総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)が40重量%超、好ましくは45重量%超であり、
a)3モル%未満の1つ以上のビニル芳香族モノマー、
b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、
c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含んで成る、上記インターポリマー。
【0032】
これらのインターポリマーブレンド成分は、各々広範囲の分子量及び分子量分布を有することが可能である。
インターポリマーブレンド成分(A)中のビニル芳香族コモノマーの量と、第二のインターポリマー成分(B)中のその量とは異なり、その量の差により非混和性ブレンド系が生成する。もしインターポリマーがエチレン/スチレンインターポリマーである場合、典型的には、コポリマーのスチレンの差が少なくとも10重量%であるときに、非混和性ブレンドが生じる。該ブレンドの非混和性は、各成分がその特徴的な熱転移動態、例えばTg又は結晶融解転移を維持する点で、あるいは各ブレンド成分が顕微鏡、例えば原子間力顕微鏡により同定できることにより、明白となり、かつ認識できる。
【0033】
好ましい態様では、エチレン/スチレンインターポリマーからなるブレンドは、特徴として、全体として20〜50重量%の範囲のスチレンを含有し、そして同量のコポリマースチレンを含有する単一のインターポリマーに比べて、より優れた性能/加工性を提供する様に設計される。これらのブレンドのTMA軟化点は、同程度のスチレン含量を有する単一成分インターポリマーの性能、又は個々のブレンド成分のTMA軟化点の加重平均のいずれに比べても有意に高い。
【0034】
別の態様では、該ブレンドは、混合した際に、全体として非混和性要件を充足する3種類以上の成分を含有するが、ただし第三の、又は追加の成分は、上記の成分(A)又は成分(B)又は成分(C)のいずれかに対して非混和性であっても、又は混和性であってもよい。
【0035】
本発明のブレンドは、既知の方法により製造することができ、例えば、限定でなく、溶液混合することにより、又は所望の割合でペレット状のインターポリマーブレンド成分を乾式混合した後、押出機やバンバリー(Banbury)ミキサーなどにおいて融解混合することにより製造することができる。上記の乾式混合したペレットを、例えば射出成形により、直接に最終の固体製品に融解加工してもよい。あるいは該ブレンドは、例えば、1つの反応器内で2つ以上の触媒を用いて、又は直列または並列の2つ以上の反応器内で1つの触媒を用いて、ブレンド成分の単離を行わずに、直接に重合することによって製造してもよい。
【0036】
本発明のブレンドは、性能上の有益性、例えば、限定ではなく、耐熱性、引張強さ、引裂強さ、及びヒートシール性などの増加を示す。更に該ブレンドは、加工性の向上、例えば射出成形におけるサイクル数の低下や硬化/取出しの向上を示す。該ブレンドは、広範な加工品、例えば圧延シート、吹込又は流延フィルム、射出成形製品(例えばおもちゃ)、回転成形又は熱成形部品などの製造に用いることができる。該ブレンドは、ワイヤやケーブルへの適用、及びガスケットなどの押出断面材の製造に用いることができる。該ブレンドは、繊維、発泡体、及びラテックスの製造に、そして接着剤及びシーラント剤に用いることができる。例えばフィルム、発泡部品、又は射出成形部品を製造するために高剪断融解加工条件下(例えば剪断速度が30秒−1超である場合)で加工したブレンドは、低剪断加工、例えば圧縮成形に比べて、流動励起形態学(flow induced morphology)に基づく有意に異なる特性を有しうる。例えば、インターポリマーから作られた加工品やフィルムは、光学特性の向上、例えば曇りの低さ、即ち透明性を示しうる。
【0037】
また本発明のポリマー組成物の可能な成分として、種々の有機及び無機充填材があり、その種類は、該組成物を使用する用途の種類に応じる。
このような充填材の代表的な例は、有機及び無機繊維、例えばアスベスト、ホウ素、グラファイト、セラミック、ガラス、金属(例えばステンレス鋼)又はポリマー(例えばアラミド繊維)からなるもの、タルク、カーボンブラック、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、アルミナ三水和物、ガラス繊維、マーブルダスト、セメントダスト、クレー、長石、シリカ又はガラス、ヒュームドシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、二酸化チタン、チタネート、窒化アルミニウム、B2O3、ニッケル粉末又はチョークである。
【0038】
他の有機もしくは無機繊維又は鉱物の充填材には、炭酸バリウム、炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウムなどのカーボネート;カルシウムもしくはナトリウムアルミニウムフッ化物などのフッ化物;水酸化アルミニウムなどの水酸化物;アルミニウム、ブロンズ、鉛又は亜鉛などの金属;酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化マグネシウム又は酸化亜鉛、あるいは二酸化珪素又は二酸化チタンなどの酸化物;アスベスト、マイカ、クレー(カオリンもしくは焼成カオリン)、珪酸カルシウム、長石、ガラス(粉砕化もしくはフレーク化ガラス、又は中空ガラス球もしくは微小球もしくはビーズ、ウィスカーもしくはフィラメント)、あられ石、パーライト、ピロフィライト、タルク又はワラストナイトなどのシリケート;硫酸バリウム又は硫酸カルシウムなどのスルフェート;金属硫化物;ウッドもしくはシェルフラワーなどの形状のセルロース;テレフタル酸カルシウム;及び液晶、が含まれる。また、抗菌剤として作用する種々のクラスの充填材も含まれる。同様に、2種類以上の上記充填材の混合物も使用できる。
【0039】
場合によっては、上記の実質的にランダムなインターポリマーには、成分インターポリマー中にでも、及び/又は本発明のブレンド組成物全体中にでも、出願人によって見出された増強された特性を害さない程度で、添加剤が含まれ、例えば酸化防止剤(例えばIrganoxTM1010 (Ciba Geigy)などのヒンダードフェノール)、ホスフィット(例えばIrgafosTM168 (Ciba Geigy))、紫外線安定剤、クリング添加剤(例えばポリイソブチレン)、アンチブロック剤、着色剤、顔料、充填材、粘着付与剤などが含まれる。
【0040】
これらの添加剤は、当業者に既知の機能的に相当な量で有益に用いられる。例えば、酸化防止剤の用量は、ポリマー又はポリマーブレンドが、ポリマーの貯蔵中及び最終使用中にその温度及び環境において酸化されることを抑制する量である。酸化防止剤のこのような量は、ポリマー又はポリマーブレンドの重量を基準として、通常0.01〜10、好ましくは0.05〜5、より好ましくは0.1〜2重量%である。同様に、その他の列挙された添加剤の量も機能的に相当な量であり、例えばポリマー又はポリマーブレンドをアンチブロッキング性とするための量、所望の結果を生むために望ましい充填材の含量にするための量、着色剤又は顔料から所望の色を提供するための量などである。このような添加剤は、ポリマー又はポリマーブレンドの重量を基準として0.05〜50、好ましくは0.1〜35、より好ましくは0.2〜20重量%の範囲で有益に用いられる。
【0041】
本願において可塑剤とも称される加工助剤は、実質的にランダムなインターポリマーブレンド成分中に、及び/又は本発明のブレンド組成物全体中に含まれてもよく、これには、フタレート、例えばジオクチルフタレート及びジイソブチルフタレート、天然油、例えばラノリン、及び石油精製から得られるパラフィン系、ナフテン系及び芳香族系オイル、並にロジンまたは石油供給原料から得られる液体樹脂などが含まれる。加工助剤として有用な典型的な種類のオイルには、白色鉱物油(例えばKaydolTMオイル(Witcoから登録商標として市販されている)およびShellflexTM371ナフテン系オイル(シェル石油から登録商標として市販されている)などが含まれる。別の好適な油は、TufloTMオイル(Lyondellから登録商標として市販されている)である。
以下の実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0042】
ブレンド成分インターポリマー及びブレンド組成物
本発明の実施例及び比較実験に用いられるエチレン/スチレンインターポリマーの製造
インターポリマーを、連続運転式ループ型反応器で製造した。Ingersoll-Dresser二軸スクリューポンプにより混合した。この反応器により475 psig (3,275 kPa)で限度一杯で液体を操作した。原料及び触媒/助触媒のフローは、ループ型反応器の配管部のインジェクター及びKenics 式静的ミキサーを通して、反応器内に供給された。ループポンプから排出された後、プロセスフローは、ループポンプの吸引部に戻る前に、2つのシェル及びチューブ式熱交換機を通過する。最後の熱交換器から出ると、ループフローはインジェクター及び静的ミキサーを通してポンプの吸引部に戻った。必要ならば、別のモノマー/供給インジェクター及びミキサーを用いた。ループ温度を調節するために、伝熱オイル又は強化水(tempered water)を、交換機のジャケットに通して循環させた。ループ型反応器の吐出流(exit stream)を2つの交換機の間で取り出した。吐出流の流量および溶液密度を、Micro-MotionTM質量流量計により測定した。
【0043】
エチレンを溶液状態に維持するために、溶媒を主に供給フローの一部分として反応器に注入した。エチレン注入の前に、加圧ポンプから分流を取り出して、ループ型反応器ポンプのシールのためにフラッシュフローを与えた。追加の溶媒を触媒の稀釈剤として加えた。供給溶媒を、加圧ポンプの吸引側で、無制約の(uninhibited)スチレンモノマーと混合した。加圧ポンプにより、溶媒とスチレンを約650 psig (4,583 kPa)で反応器に供給した。新たなスチレンのフローをMicro-MotionTM質量流量計により測定し、そして溶媒/スチレンの合計フローを別のMicro-MotionTM質量流量計により測定した。エチレンを690 psig (4,865 kPa)で反応器に供給した。エチレンのフローをMicro-MotionTM質量流量計により測定した。流量計/制御装置を用いて、エチレンの制御弁の出口でエチレンのフローに水素を配給した。
【0044】
周囲温度で、エチレン/水素混合物を溶媒/スチレンフローと混合した。供給フロー全体の温度は、それが反応器のループに入ると、グリコール冷却した交換機により約2℃に低下した。3種類の触媒成分の調製は3つの別々のタンクで行なった。新たな溶媒と濃縮した触媒/助触媒/第二助触媒との予混合物を、各々の運転タンクに加え、混合し、そして可変速式PulsafeederTMダイヤフラムポンプを介して反応器に供給した。以前説明した通り、三成分触媒系は、インジェクター及び静的ミキサーを通して二軸スクリューポンプの吸引側から反応器のループに入った。原料の供給フローもまた、インジェクター及び静的ミキサーを通して触媒注入点の上流で、あるいは可能ならば、2つの交換機の間で供給インジェクター/ミキサーを通して、反応器のループに供給した。
【0045】
Micro-MotionTM質量流量計で溶液密度を測定した後、反応器の生成物ラインに触媒失活剤(水)を添加することにより、重合を停止した。該ライン中の静的ミキサーにより、反応器の流出フローに、分散した触媒失活剤と添加剤を与えた。次にこのフローは、溶媒除去フラッシュのために追加エネルギーを与えるポスト反応器ヒーターに入った。流出フローがポスト反応器ヒーターから出たところで、このフラッシュが行われ、そして圧力は、反応器の圧力制御弁のところで475 psig (3,275 kPa)から約450 mmHg (60 kPa)の絶対圧力にまで低下した。
【0046】
このフラッシュが行われたポリマーは、プロセス中の揮発分除去(devolatilization)部に入った。その揮発分除去部からフラッシュされた揮発分は、グリコールジャケットを有する交換機により濃縮され、真空ポンプを通過し、そして蒸気/液体分離容器に放出された。第一段階の真空系において、溶媒/スチレンが、この容器の底から再循環溶媒として除去され、他方未反応エチレンは上部から排気された。このエチレンフローをMicro-MotionTM質量流量計により測定した。排気されたエチレンの測定値と、溶媒/スチレンフローに溶解したガスの計算値とを用いて、エチレンの転化率を計算した。ポリマー及び残りの溶媒を、ギアポンプにより最後の揮発分除去器(devolatilizer)に送り込んだ。この第二の揮発分除去器の圧力を絶対圧力約10 mmHg (1.4 kPa)で操作し、残りの溶剤をフラッシュした。この乾燥ポリマー(総揮発分<1000 ppm)をギアポンプにより水中ペレタイザーに送り、遠心脱水し、そして回収した。表1に各サンプルの調製条件を要約した。
【0047】
試験方法
メルトフロー測定
特に記載のない場合、本発明に用いるポリマー組成物の分子量は、ASTM D−1238に従って、条件190℃/2.16kg(形式的には「条件(E)」として、またI2としても知られている)にて測定したメルトインデックスを用いて、簡便に示した。
【0048】
熱機械分析(TMA)
上限使用温度を、熱機械分析装置(Perkin-Elmer TMA 7 series)を用い、1ニュートンの負荷および5℃/分で走査することにより決定した。これは、探針がサンプル中に1mm侵入する温度として定義された。コポリマーのスチレン含量が30重量%であるESIは、TMAにより測定した場合に73℃の上限使用温度を有し、これと比較すると、本発明のブレンド組成物の記録値である87.8℃は有意に高かった。またこのブレンドは、コポリマーのスチレン含量が30重量%であるESIと比べて、メルトレオロジーから剪断減粘性の改善、そして固有の引裂強さの増加、及び引張応力/歪実験における破壊時の総エネルギーの増加を示す。
【0049】
示差走査熱量測定(DSC)
DuPont DSC-910を用いて、窒素ガス下で、サンプルの熱転移温度および転移熱を測定した。以前の熱履歴を消去するために最初にサンプルを200℃に加熱した。加熱冷却曲線を10℃/分で記録した。吸熱および発熱のピーク温度から、それぞれ融解温度(第二加熱から)および結晶化温度を記録した。
【0050】
動的機械的分光測定(DMS)
Rheometrics 800E機械的分光測定計を用いて圧縮成形サンプルの動的機械的特性を測定した。サンプルを、固体状態のねじれ長方形配置(solid state tosional rectangular geometry)にて操作し、そして熱崩壊を抑制するために窒素ガス下でパージした。一般に、サンプルを−100℃に冷却し、そして0.05%の歪みをかけた。振動数を10ラジアン/秒に固定し、温度を5℃ずつ増加させた。
【0051】
機械的試験
ASTM−D240に基づいて室温でショアーA硬度を測定した。ASTM−D1922に基づいてエレメンドルフAタイプ法を用いて固有の引裂強さを決定した。ASTM−D790に従ってポリオレフィン試験研究所において曲げ弾性率(flex modulus)を評価した。ASTM−D1708に従って5分−1の歪速度でサンプルを検査した。この研究では、4回の引張測定値の平均を報告する。
【0052】
メルトレオロジー
窒素ガスによりパージしながら、Rheometrics RMS-800により動的データを採取した。190,170及び150℃で25mm平行プレート及び直線粘弾性様式内の歪みを用いて振動数/温度の走査を行った。更にInstronキャピラリーレオメーターを用いて溶融強度を決定した。190℃で1 in/minのピストン速度でサンプルを押し出した。データをGoettfert Rheotensにより収集した。
【0053】
所定の重量比率で成分インターポリマーのペレットを乾式混合し、そしてHaakeミキサーにより180℃で30rpmで操作して11分間融解配合することによって、ブレンドを製造した。190℃で3分間、20,000 psiの圧力で圧縮成形し、そして25℃まで冷却することにより、融解配合したブレンドから試験部品を製造した。
【0054】
本発明の実施例として、15.9重量%のコポリマースチレンを有し、0.1重量%のアタクチックなポリスチレンを有し、そして5.27の溶融流量(I2)を有し、そして表2の成分Aとして認識されるエチレン/スチレンインターポリマーをブレンド成分の1つとして選択した。40/60重量比の成分Aと40重量%のコポリマースチレン及び1.0の溶融流量(I2)を有する成分Cとからなるブレンドを上記の通りに調製した。このブレンドは、30重量%の総コポリマースチレンを有する。
25,30,35及び40重量%の総コポリマースチレンを有するブレンドを設計し、そして製造した。
【0055】
表1:ブレンド成分インターポリマーの特性
【表1】
【0056】
表2:インターポリマーブレンド組成物の要約
【表2】
【0057】
表3:インターポリマーブレンドの熱的特性(DSC, DMS, TMA)
【表3】
【0058】
ES25は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、25重量%のスチレン含量、及び75重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES30は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、30重量%のスチレン含量、及び70重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES35は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、35重量%のスチレン含量、及び65重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES40は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、40重量%のスチレン含量、及び60重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES9は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、9重量%のスチレン含量、及び91重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES15は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、15重量%のスチレン含量、及び85重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
ES22は、1.0 g/10 minのメルトインデックス(I2)、22重量%のスチレン含量、及び78重量%のエチレン含量を有するエチレンスチレンインターポリマーである。
【0059】
表4:インターポリマーブレンドの機械的特性(引張強さ、弾性率、固有の引裂強さ)
【表4】
Claims (17)
- 2つ以上の実質的にランダムなインターポリマーの非混和性ブレンドであって、
5〜95重量%の、少なくとも1つの実質的にランダムなインターポリマーを含有し、
前記インターポリマーが、少なくとも20重量%の総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)を有し、そして前記インターポリマーが
(a)2〜7モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、及び
(c)場合により他のオレフィンモノマー
を含有する、前記ブレンド。 - 下記インターポリマーを含有する、2つ以上の実質的にランダムなインターポリマーを含有する請求項1の非混和性ブレンド:
(A)少なくとも25重量%の総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)を有し、そして
(a)2〜7モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、及び
(c)場合により他のオレフィンモノマー
を含有する、10〜90重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー;
(B)15重量%未満の総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)を有し、そして
(a)10モル%超の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、及び
(c)場合により他のオレフィンモノマー
を含有する、10〜90重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー。 - 下記インターポリマーの組合せを含有する、2つ以上の実質的にランダムなインターポリマーを含有する請求項1の非混和性ブレンド:
(A)少なくとも25重量%の総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)を有し、そして
(a)2〜7モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、及び
(c)場合により他のオレフィンモノマー
を含有する、10〜90重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー;及び
(B)40重量%超の総結晶化度(示差走査熱量測定により測定したもの)を有し、そして
(a)3モル%未満の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ、及び
(c)場合により1つ以上の追加のオレフィンモノマー
を含有する、10〜90重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー。 - 下記インターポリマーを含有する、請求項2の非混和性ブレンド:
(A)(a)2.5〜6モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ
を含有する、15〜80重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー;及び
(B)(a)10〜65モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ
を含有する、20〜85重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー。 - 下記インターポリマーを含有する、請求項2の非混和性ブレンド:
(A)(a)3〜5.5モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ
を含有する、30〜70重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー;及び
(B)(a)12〜50モル%の1つ以上のビニル芳香族モノマー、及び
(b)残部のエチレン、又はエチレンと少なくとも1つ以上のC3〜C20αオレフィンモノマーとの組合せ
を含有する、30〜70重量%の、1つ以上の実質的にランダムなインターポリマー。 - 前記の成分A及びBの実質的にランダムなインターポリマーが、エチレンと、スチレン及びアルキルにより置換されたスチレンからなる群から選択されたビニル芳香族モノマーとからなるインターポリマーである、請求項1〜3のいずれかのブレンド。
- 前記の成分A及びBの実質的にランダムなインターポリマーが、エチレンと、プロピレンと、スチレン及びアルキルにより置換されたスチレンからなる群から選択されたビニル芳香族モノマーとからなるインターポリマーである、請求項1〜3のいずれかのブレンド。
- 最終ブレンドの軟化点が、同程度のスチレン含量を有する単一成分インターポリマーの軟化点、又は個々のブレンド成分の軟化点の加重平均のいずれよりも高い、請求項2のブレンド。
- 最終ブレンドにおける追加のビニル芳香族モノマーの総含量が19モル%未満である、請求項2のブレンド。
- メタロセン触媒及び助触媒の存在下で2つ以上の適当なモノマーを重合することにより、インターポリマー成分を製造する、請求項1〜9のいずれかのブレンド。
- 請求項1〜9のいずれかのインターポリマーブレンドを含有する接着剤又はシーラント剤。
- 請求項1〜9のいずれかのインターポリマーブレンドの圧延、吹込又は流延により製造されたシート又はフィルム。
- 射出成形、圧縮成形、押出成形、吹込成形、回転成形、又は熱成形により、請求項1〜9のいずれかのインターポリマーブレンドから製造された部品。
- 請求項1〜9のいずれかのインターポリマーブレンドから製造された繊維、発泡体、又はラテックス。
- 請求項1〜9のいずれかのインターポリマーブレンドから製造された加工製品又は発泡製品。
- 剪断速度が30秒−1を超える決定的な高剪断融解加工操作によって、請求項1〜9のいずれかのインターポリマーブレンドから製造された加工製品、フィルム及び発泡体。
- 製品又はフィルムの軟化点が、同程度のスチレン含量を有する単一成分インターポリマーから製造された製品又はフィルムの軟化点、又は個々のブレンド成分から製造された製品又はフィルムの軟化点の加重平均のいずれよりも高い、請求項16の加工製品又はフィルム。
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