JP2004528340A - ビスホスホネートの医薬的使用 - Google Patents
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Abstract
造骨性(骨硬化性)転移に関連する前立腺癌および他の癌の処置方法であって、このような処置を必要とする患者において、有効量のN−ビスホスホネート、とりわけゾレドロン酸またはその塩または任意の水和物を該患者に投与することを含んでなる方法。
Description
【0001】
本発明は、ビスホスホネート、特にビスホスホネートの新規医薬的使用に関する。
【0002】
ビスホスホネートは、過剰または不適当な骨吸収が関与するさまざまな良性および悪性の両方の疾患において、破骨細胞活性を阻害するために広範に利用されている。これらのピロリン酸(pyrophosphate)類似体は、骨格関連事象(skeletal related event)の発生を減少させるだけでなく、患者に臨床上の利益および生存率の改善をもたらす。ビスホスホネートは、インビボでの骨吸収を予防することも可能である;ビスホスホネートの治療有効性は、骨粗鬆症、骨減少症、骨ページェット病、腫瘍による高カルシウム血症(TIH)、およびより最近では、骨転移(BM)および多発性骨髄腫(MM)の処置において実証されている(例えば、概説のために、Fleisch H 1997 Bisphosphonates clinical. In Bisphosphonates in Bone Disease. From the Laboratory to the Patient. Eds: The Parthenon Publishing Group, New York/London pp 68-163 参照)。
【0003】
ビスホスホネートが骨吸収を阻害するメカニズムは、今のところ、完全には理解されておらず、研究されるビスホスホネートに応じて変動するようである。ビスホスホネートは、骨のハイドロキシアパタイト結晶に強力に結合し、骨代謝回転(bone turn-over)および骨吸収を減少させ、血液中のヒドロキシプロリンまたはアルカリホスファターゼの濃度を減少させ、そしてさらに、破骨細胞の形成、補充、活性化(activation)および活性(activity)を阻害することが示されている。
【0004】
MMは、骨髄内の悪性プラズマ細胞の増殖および蓄積により特徴付けられるプラズマ細胞性悪性腫瘍である。主要な臨床的意義は、病的骨折および骨疼痛を伴う溶解性骨病変(lytic bone lesion)である。これらの病変は過剰の骨吸収によるものであり、これは、しばしば、高カルシウム血症をもたらす。ビスホスホネートは、慣用的な化学療法と組み合せて、MMの長期的処置に導入されてきた。近年、クロドロネート(clodronate)およびパミドロネート(pamidronate)のようなビスホスホネートは、溶解性骨病変および病的骨折のような骨格関連事象の発生を減少させ、関連する骨疼痛を緩和し、そして患者のクオリティーオブライフ(quality of life)を改善することが示された(Laktinen et al. Lancet 1992, 340, 1049-1052; McCloskey et al. B.J. Haematol., 1998, 100, 317-325; および Berenson et al. N. Eng. J. Med. 1996, Vol. 334, No. 8, 488-493)。
【0005】
同様の効果が、ビスホスホネートで処置された乳癌患者において報告されている(Hortobagyi G.N. et al. 乳癌および溶解性骨転移を有する患者における骨格合併症の低減化におけるパミドロネートの効果(Efficacy of pamidronate in reducing skeletal complications in patients with breast cancer and lytic bone metasases), Protocol 19 Aredia Breast Cancer Study Group, New England Journal of Medicine, 1996; 335: 1785-91; Kanis J.A. et al. クロドロネートは乳癌を有する女性における骨格転移の頻度を減少させる(Clodronate decreases the frequency of skeletal metastases in women with breast cancer), Bone, 1996; 19: 663-7)。
【0006】
したがって、ビスホスホネートは破骨細胞性骨吸収の有効なインヒビターであり、そして、悪性腫瘍の高カルシウム血症、多発性骨髄腫に関連する溶解性骨疾患、ならびに乳癌に関連する溶解性および芽球性の混合型の骨転移の処置における治療効果を示す。しかしながら、他の癌、例えば前立腺癌は、本質において優勢的に造骨性(骨硬化性)である骨転移に関連し、そしてこれらの後者の癌の転移が、ビスホスホネート処置に同様に応答するかどうかについては明らかではない。
【0007】
近年、ビスホスホネート(クロドロネート、エチドロネート、アレンドロネートおよびパミドロネート)の投与により、前立腺癌腫転移患者の骨疼痛に良好な効果をもたらすことが報告されている(Silvio Adami, Cancer 1997; 80: 1674-79)。最近では、また、ビスホスホネートがインビトロで、骨への胸部および前立腺癌腫細胞の接着を抑制し(Boissier et al., Cancer Res; 57: 3890-3894, 1997)、そしてさらにビスホスホネートによる胸部および癌腫細胞の前処置により、腫瘍細胞への直接的な作用を介して腫瘍細胞の侵入が抑制されることが報告されている。さらに最近では、インビトロで、ゾレドロン酸による前立腺癌細胞株の処置により、当該細胞株の成長が有意に減少することが報告されている(Brown et al. Effects of Zoledronate on Prostate Cancer Cells, ASBMR 2000; Lee et al., Bisphosphonate Treatment Inhibits the Growth of Prostate Cancer Cells, Cancer Research, 2000/2001);一方、ゾレドロン酸で処置した皮下の前立腺癌細胞株の腫瘍については、有意な腫瘍容積の減少は検出されなかった(Corey et al., Effects of Zoledronic Acid on Prostate Cancer in Vitro and in Vivo, Amer. Assoc. Cancer Res. 2000年10月提出)。
【0008】
しかしながら、これまで、前立腺癌または前立腺癌に関連する骨転移の処置において臨床的有効性を示すビスホスホネートに関する報告は存在しない。今回、我々は、二重盲検・プラセボ対照臨床試験において、ゾレドロン酸(ZOMETA(登録商標)、Novartis Pharma)が、前立腺癌患者における骨転移の処置において、プラセボよりも統計的に有意に有効性を示すことを見出した。
【0009】
したがって、本発明は、前立腺癌の処置方法であって、このような処置を必要とする患者において、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法を提供する。
【0010】
本発明は、さらに、前立腺癌の処置用医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用を提供する。
【0011】
本発明の方法および使用は、前立腺癌自体の直接的処置のために使用され得る。したがって、本発明において使用されるN−ビスホスホネートは、前立腺癌の成長、増殖または生存度に対して、例えば前立腺細胞の増殖または分裂のインヒビターとして、あるいは、前立腺細胞の死滅のプロモーターとして(例えば、アポトーシス促進剤として)、インビボにおいて直接的な効果を有し得ると信じられている。簡便には、本発明は、また、転移、すなわち軟部組織転移および骨転移の両方を含む、前立腺癌の二次的な効果の処置のために使用され得る。
【0012】
さらに、本発明は、造骨性(骨硬化性)転移、特に造骨性骨転移、例えば前立腺癌および同様の悪性疾患に関連する造骨性転移の処置のために、より一般的に使用され得ると信じられている。
【0013】
したがって、本発明は、さらに、哺乳動物における悪性疾患または病状に関連する造骨性転移を処置するためのN−ビスホスホネートの使用を提供する。
【0014】
好適な実施態様において、本発明は、
(i)前立腺癌に関連する転移を処置するためのN−ビスホスホネートの使用;
(ii)前立腺癌に関連する転移の処置方法であって、このような処置を必要とする患者において、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法、および
(iii)前立腺癌に関連する転移の処置用医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用、
を提供する。
【0015】
本発明の、造骨性転移または前立腺癌転移のN−ビスホスホネート処置の有効性は、N−ビスホスホネート処置を受けている患者についての骨格関連事象(SRE)の発生をモニターすること、および得られた結果を、プラセボ群について得られた結果と比較すること;例えば、本明細書に後記した「臨床試験の記載」のように、実証され得る。
【0016】
骨格関連事象(SRE)は、本明細書に後記した「臨床試験の記載」において定義される。
【0017】
特に好適な実施態様において、本発明は、
(i)転移性前立腺癌に関連するSREを減少させるためのN−ビスホスホネートの使用;
(ii)前立腺癌患者における転移性前立腺癌に関連するSREを減少させる方法であって、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法、および
(iii)転移性前立腺癌に関連するSREの減少のための医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用、
を提供する。
【0018】
本明細書において、「処置」または「処置する」なる用語は、転移またはSREを発症する危険性がある患者、あるいは例えば前立腺癌のような疾患に罹患している可能性のある患者、ならびに病気の患者、または疾患もしくは病状、例えば前立腺癌を患っていると診断された患者の処置を含む、治療的または疾患を緩和する処置のみならず予防的または防止的処置の両方を意味する。
【0019】
本明細書の目的のために、N−ビスホスホネートは、特徴的なジェミナルビスホスホネート部分に加えて、窒素含有側鎖を含んでなる化合物、例えば式I
【化1】
〔式中、
Xは、水素、ヒドロキシ、アミノ、アルカノイル、またはC1〜C4アルキルもしくはアルカノイルにより置換されたアミノであり;
Rは、水素またはC1〜C4アルキルであり、そして
Rxは、所望により置換されていてもよいアミノ基を含む側鎖、または含窒素へテロ環(芳香族性窒素含有へテロ環を含む)である。〕
の化合物、
および薬学的に許容されるそれらの塩あるいはそれらの任意の水和物である。
【0020】
したがって、例えば、本明細書における使用に適したN−ビスホスホネートとしては、下記の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの任意の水和物が挙げられる:3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸(パミドロン酸)、例えば、パミドロネート(APD);3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、ジメチル−APD;4−アミノ−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸(アレドロン酸)、例えば、アレドロネート;1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)−プロピリデン−ビスホスホン酸、イバンドロン酸、例えば、イバンドロネート;6−アミノ−1−ヒドロキシヘキサン−1,1−ジホスホン酸、例えば、アミノ−ヘキシル−BP;3−(N−メチル−N−n−ペンチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、メチル−ペンチル−APD(=BM 21.0955);1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、ゾレドロン酸;1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)エタン−1,1−ジホスホン酸(リセドロン酸)、例えば、リセドロネート;ならびにこれらのN−メチルピリジニウム塩、例えばNE−10244またはNE−10446のようなヨウ化 N−メチルピリジニウム;3−[N−(2−フェニルチオエチル)−N−メチルアミノ]−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸;1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、EB 1053 (Leo);1−(N−フェニルアミノチオカルボニル)メタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、FR 78844 (Fujisawa);5−ベンゾイル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3,3−ジホスホン酸 テトラエチルエステル、例えば、U-81581 (Upjohn);および1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、YM 529。
【0021】
1つの実施態様において、本発明において使用するための特に好適なN−ビスホスホネートは、式II
【化2】
〔式中、
Hetは、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、ピリジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾールであり、Hetは、所望によりアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシにより、所望によりアルキルもしくはアルカノイルで置換されていてもよいアミノにより、または所望によりアルキル、ニトロ、アミノもしくはアミノアルキルで置換されていてもよいベンジルにより、置換されていてもよく;
Aは、1〜8の炭素原子を含む、直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和炭化水素部分であり;
X'は、水素原子であるか、所望によりアルカノイルにより置換されているか、または、所望によりアルキルもしくはアルカノイルで置換されていてもよいアミノであり、そして
Rは、水素原子またはアルキルである。〕
の化合物、
および薬理学的に許容されるそれらの塩を含んでなる。
【0022】
さらなる実施態様において、本発明において使用するための、特に好適なビスホスホネートは、式III
【化3】
〔式中、
Het'は、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサゾリニル、チアゾリル、チアゾリニル、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルからなる群から選択される、置換または非置換の、複素芳香族5員環であり、該環は、部分的に水素化されていてもよく、そして該置換基は、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、フェニル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ハロゲンおよびアミノからなる群の少なくとも1つから選択され、そして、Hetの2つの隣接するアルキル置換基は、一体となって、第2の環を形成してもよく;
Yは、水素またはC1〜C4アルキルであり;
X''は、水素、ヒドロキシ、アミノ、またはC1〜C4アルキルで置換されたアミノであり、そして
Rは、水素またはC1〜C4アルキルである。〕
の化合物、
ならびに薬理学的に許容されるそれらの塩および異性体を含んでなる。
【0023】
いっそうさらなる実施態様において、本発明において使用するための、特に好適なビスホスホネートは、式IV
【化4】
〔式中、
Het'''は、非置換、または低級アルキルにより、低級アルコキシにより、フェニル(これは、低級アルキル、低級アルコキシ、および/またはハロゲンにより、ヒドロキシにより、ジ−低級アルキルアミノにより、低級アルキルチオにより、および/またはハロゲンにより、モノ−またはジ置換されていてもよい。)により、C−モノ−またはジ−置換され、そして、低級アルキルにより、またはフェニル−低級アルキル(これは、フェニル部分が、低級アルキル、低級アルコキシおよび/またはハロゲンにより、モノ−またはジ−置換されていてもよい。)により、置換可能なN原子でN−置換された、イミダゾリル、2H−1,2,3−、1H−1,2,4−または4H−1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリルまたはチアジアゾリルであり、そして
R2は、水素、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルチオまたはハロゲンであり、
低級の基は、7までの(7を含む)炭素原子を有する。〕
の化合物、
または薬理学的に許容されるそれらの塩を含んでなる。
【0024】
本発明において使用するための、特に好適なN−ビスホスホネートの例は、
2−(1−メチルイミダゾール−2−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−ベンジルイミダゾール−2−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−メチルイミダゾール−4−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
1−アミノ−2−(1−メチルイミダゾール−4−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
1−アミノ−2−(1−ベンジルイミダゾール−4−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−メチルイミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−ベンジルイミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(チアゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(2−メチルイミダゾール−4(5)−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(2−フェニルイミダゾール−4(5)−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(4,5−ジメチルイミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、および
2−(2−メチルイミダゾール−4(5)−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、
ならびに薬理学的に許容されるそれらの塩である。
【0025】
本発明において使用するための、最も好適なN−ビスホスホネートは、2−(イミダゾール−1イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(ゾレドロン酸)または薬理学的に許容されるその塩である。
【0026】
薬理学的に許容される塩は、好ましくは、塩基との塩であり、簡便には、例えばカリウムおよびとりわけナトリウム塩であるアルカリ金属塩、または好ましくはカルシウムもしくはマグネシウム塩であるアルカリ土類金属塩を含む、元素周期表のIa、Ib、IIaおよびIIbグループ由来の金属塩、ならびにアンモニアもしくは有機アミンとのアンモニウム塩である。
【0027】
とりわけ好ましい薬学的に許容される塩は、ビスホスホン酸の1、2、3、または4つ、特に1もしくは2つの酸性水素が、薬学的に許容されるカチオン、特にはナトリウム、カリウム、またはアンモニウムで置換された塩であり、まず第1にはナトリウムである。
【0028】
薬学的に許容される塩の非常に好ましい群は、ホスホン酸のそれぞれの基に、1つの酸性水素および1つの薬学的に許容されるカチオン、とりわけナトリウムを有することにより特徴付けられる。
【0029】
上記のN−ビスホスホン酸誘導体は、すべて、文献既知である。これは、それらの製造を含む(例えば、EP−A−513760、13〜48頁参照)。例えば、3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸は、例えば米国特許第3,962,432号に記載のように、ならびにその二ナトリウム塩は米国特許第4,639,338および4,711,880号に記載のように製造され、そして、1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸は、例えば米国特許第4,939,130号に記載のように製造される。また、米国特許第4,777,163および4,687,767号も参照せよ。
【0030】
N−ビスホスホネートは、適当な場合には、異性体または異性体の混合物の形態で、典型的には、エナンチオマーのような光学異性体またはジアステレオマーまたは幾何異性体、典型的にはシス−トランス異性体として、使用され得る。光学異性体は、純水な対掌体および/またはラセミ体の形態で得られる。
【0031】
N−ビスホスホネートは、また、それらの水和物の形態で使用されるか、またはそれらの結晶化に使用された他の溶媒を含み得る。
【0032】
N−ビスホスホネートは、好ましくは、所望により、無機または有機の、固体または液体の、投与に適した薬学的に許容される担体とともにまたは混合されていてもよい、治療上有効量の活性成分を含む医薬組成物の形態で使用される。
【0033】
医薬組成物は、例えば、経腸的な、例えば経口、直腸、エアロゾル吸入または経鼻投与のための組成物、非経腸的な、例えば静脈内または皮下投与のための組成物、あるいは(例えば受動的またはイオン泳動的)経皮投与のための組成物であり得る。
【0034】
好ましくは、医薬組成物は、経口または非経腸(とりわけ静脈内、動脈内または経皮)投与に適用される。静脈内および経口、まず第一に静脈内、投与は、特に重要であると考えられる。好ましくは、N−ビスホスホネート活性成分は、非経腸形態、最も好ましくは静脈内形態である。
【0035】
投与の特定の様式および投与量は、患者の詳細、とりわけ年齢、体重、ライフスタイル、活動レベル、および適当な疾患を考慮に入れて、担当医により選択され得る。しかしながら、最も好ましくは、N−ビスホスホネートは、静脈内に投与される。
【0036】
本発明において使用するための、N−ビスホスホネートの投与量は、さまざまな要因、例えば活性成分の作用の有効性および持続時間、投与様式、温血動物の種、ならびに/または温血動物の性別、年齢、体重および個々の状態に依存し得る。
【0037】
0.002〜20.0mg/kg、とりわけ0.01〜10.0mg/kgの活性成分ビスホスホネートの単回投与量が約75kgの体重の温血動物に投与されるような投与量が通常である。所望により、これは、また、数回の、所望により等しい、分割投与で服用され得る。
【0038】
「mg/kg」は、処置されるべき哺乳動物(ヒトを含む)の体重(kg)あたりの薬物のmgを意味する。
【0039】
単回投与(これが好ましい)または数回の分割投与のいずれかで投与された、上記の投与量は、例えば1日1回、週に1回、月に1回、3ヵ月に1回、またはより少ない頻度で繰り返され得る。言いかえれば、医薬組成物は、連日投与の治療(continuous daily therapy)から断続的な臨床的治療に及ぶレジメンにおいて投与され得る。
【0040】
好ましくは、N−ビスホスホネートは、伝統的にビスホスホン酸誘導体で処置される悪性疾患、例えば腫瘍による高カルシウム血症またはMMもしくは乳癌の骨転移、の処置において使用されるのと同一の桁の大きさの投与量で投与される。言いかえれば、好ましくは、N−ビスホスホン酸誘導体は、腫瘍による高カルシウム血症またはMMもしくは乳癌の骨転移の処置において同様に治療上有効である投与量で投与される。すなわち、好ましくは、それらは、骨吸収ならびに転移性侵襲および成長を、同様に有効に阻害する投与量で投与される。
【0041】
単回投与ユニットの形態の製剤は、好ましくは、約1%〜約90%の活性成分を含み、そして単回投与ユニットの形態でない製剤は、好ましくは、約0.1〜約20%の活性成分を含む。カプセル剤、錠剤または糖衣錠のような経口投与のための単回投与ユニット形態は、例えば約1mg〜約500mgの活性成分を含む。
【0042】
経腸的および非経腸的投与のための医薬製剤は、例えば、投与ユニット形態のもの、例えば糖衣錠、錠剤またはカプセル剤およびアンプル剤である。それらは自体公知の方法、例えば通常の混合、造粒、糖衣化(confectioning)、溶解または凍結乾燥加工、により製造される。例えば、経口投与のための医薬製剤は、活性成分を、固体担体と組み合わせ、適当な場合には、得られた混合物を造粒し、そして所望または必要ならば適当な添加物の添加後に、該混合物または顆粒を、錠剤または糖衣錠核へと加工することにより得られ得る。
【0043】
適当な担体は、とりわけ、賦形剤、例えば糖類、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム、およびまた、結合剤、例えばスターチペースト(starch paste)、例えばコーン、小麦、米またはポテトスターチを用いたもの、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン、ならびに所望により、崩壊剤、例えば上記のスターチ、また、カルボキシメチルスターチ、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムである。添加物は、とりわけ、流動調節剤(flow-regulating agent)および滑沢剤、例えば珪酸、タルク、ステアリン酸もしくはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールである。
【0044】
糖衣錠核に、胃液耐性であり得る適当なコーティング剤が施されてもよく、とりわけ、所望によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含んでもよい濃厚糖溶液、あるいは適当な有機溶媒または溶媒混合物中のラッカー溶液(lacquer solution)を使用して、胃液に耐性のコーティング剤、適当なセルロース製剤の溶液、例えばアセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを製造する。着色物質または色素が、例えば識別の目的で、または、活性成分の異なる量を示すために、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加され得る。
【0045】
他の経口投与可能な医薬製剤は、ゼラチンから製造された乾燥−充填カプセル剤、およびまた、ゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから製造された、軟、密閉カプセル剤である。乾燥−充填カプセル剤は、例えば賦形剤、例えばラクトース、結合剤、例えばスターチおよび/または流動促進剤(glidant)、例えばタルクもしくはステアリン酸マグネシウム、および適当な場合には、安定化剤と混合された、顆粒剤の形態の活性成分を含み得る。軟カプセル剤において、活性成分を、好ましくは、適当な液体、例えば脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコール中に溶解または懸濁し、また、それは安定化剤として添加されることも可能である。
【0046】
非経腸製剤は、とりわけ、さまざまな様式、例えば静脈内、動脈内、筋肉内、腹膜内、鼻内、皮内、皮下、好ましくは静脈内で有効な、注射可能な流体である。このような流体は、好ましくは、例えば単独または薬学的に許容される担体とともに活性成分を含む凍結乾燥製剤から、使用前に調製され得る等張の水性溶液または懸濁液である。医薬製剤は、滅菌され得、そして/または、添加物、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調節のための塩および/または緩衝剤を含み得る。好適な非経腸形態は、静脈内点滴溶液、好ましくは投与ユニットあたり約1mg〜約20mgの活性物質を含むもの;例えば、点滴溶液の容積が約5〜約200mlのもの、例えば、約1分〜約1時間またはそれ以上の点滴時間のもの、である。このような好適な非経腸形態は、典型的には、週に約1回〜3ヵ月に約1回の間隔で投与される。
【0047】
本発明において使用するためのN−ビスホスホネートは、前立腺癌および関連する転移の処置のために使用される、他の活性物質または処置と組み合せて投与され得る。
【0048】
したがって、本発明は、前立腺癌患者の処置方法であって、N−ビスホスホネートおよび異なる抗前立腺癌剤または抗前立腺癌治療との組合せ処置を含んでなる方法を含む。
【0049】
本発明は、さらに、前立腺癌の同時的、個別的または併用的処置のための組合せ組成物であって、有効量のN−ビスホスホネートおよび有効量の異なる抗前立腺癌剤を含んでなる組成物を含む。
【0050】
適当な抗前立腺癌剤としては、細胞障害性化学療法剤、例えば、ドキソルビシン、ダノルビシン(danorubicin)など、シスプラチンなど、タキソール、ホルモン剤、例えばLHRHおよびその類似体、ステロイド剤および生物学的応答調節剤が挙げられる。
【0051】
適当な抗前立腺癌治療としては、骨格外および/または骨格性腫瘍部位を処置するための放射線治療が挙げられる。
【0052】
前立腺癌治療においてN−ビスホスホネートと組み合せて使用され得る他の治療剤は、本明細書の「臨床試験の記載(Clinical Trial Description)」において後記される。
【0053】
経皮投与に適した製剤は、担体ともに、有効量の活性成分を含む。有利な担体としては、宿主の皮膚の通過を助ける、吸収可能な、薬理学的に許容される溶媒が挙げられる。特徴的には、経皮デバイスは、基剤(backing member)、所望により担体とともに化合物を含むリザーバー、所望により長時間にわたって制御されかつ予め決められた速度で宿主の皮膚に活性成分を送達するための速度制御バリアー、および皮膚に対するデバイスを確保するための手段、を含んでなる救急絆(bandage)の形態である。
【0054】
下記の実施例は、前記の本発明を例示する。
下記の実施例において、「活性成分」なる用語は、本発明にしたがって有用である、上記のN−ビスホスホン酸誘導体のいずれか1つであると理解されるべきである。
【実施例】
【0055】
実施例1:
活性成分、例えばパミドロン酸二ナトリウム五水和物の被覆ペレットを含むカプセル:
【表1】
【0056】
Avicel(登録商標)PH 105との、活性成分、例えばパミドロン酸二ナトリウムの混合物に水分を与え、捏和し、押出し、そして球形にする。次いで、乾燥したペレットを、セルロースHP−M603、ポリエチレングリコール(PEG)8000およびタルクからなる内部コーティング、ならびにEudragit(登録商標)L 30 D、クエン酸トリエチルおよびAntifoam(登録商標)AFからなる水性胃液耐性コートを用いて、流動床において連続的に被覆する。被覆ペレットをタルクで粉末化し、そして市販のカプセル充填機械、例えばHoefliger and Kargにより、カプセル(サイズ0のカプセル)中に充填する。
【0057】
実施例2:
活性成分として、例えば、1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)−エタン−1,1−ジホスホン酸を含むモノリス粘着経皮システム:
【表2】
【0058】
製造:
上記の成分を、ローラーギアベッド(roller gear bed)上で回転させることにより、150gの特定の沸点の石油フラクション100−125中に一緒に溶解させる。該溶液を、300mmのドクターブレードを用いるスプレッダーにより、ポリエステルフィルム(Hostaphan, Kalle)に適用し、約75g/m2のコーティングを得る。乾燥(60℃で15分)後、シリコン処理されたポリエステルフィルム(75mm厚、Laufenberg)をピールオフ・フィルムとして適用する。得られた系を、押出し器具(punching tool)を用いて、5〜30cm2の所望の形態のサイズに押出す。完成した系を、個別に、アルミ化した紙のサシェット剤に密封する。
【0059】
実施例3:
1.0mgの乾燥、凍結乾燥1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸(そのナトリウム塩との混合物)を含むバイアル。1mlの水での希釈後、静脈点滴のための溶液(濃度 1mg/ml)を得る。
【表3】
【0060】
1mlの水中で、活性成分をクエン酸三ナトリウム×2H2OでpH6.0に滴定する。次いで、マンニトールを加え、該溶液を凍結乾燥し、そして凍結乾燥物をバイアル中に充填する。
【0061】
実施例4:
水中に溶解した活性成分、例えばパミドロン酸二ナトリウム五水和物を含むアンプル。該溶液(濃度 3mg/ml)は、希釈後に静脈点滴用となる。
【表4】
【0062】
臨床試験の記載
1. 試験目的
当該試験の第1の目的は、転移性疾患において第一次選択ホルモン療法(first-line hormonal therapy)を継続しながら、疾患の生化学的進行を発症[すなわち、血清PSAレベルの増加]し、そして転移性骨疾患の病歴を有する、前立腺癌患者における骨格関連事象を予防するための抗新生物薬単独療法と比較して、抗新生物薬治療に加えたゾレドロン酸処置(4または8mg)の効果を評価することである。骨格関連事象(SRE)は、病的骨折事象、脊髄圧迫事象、骨の手術、骨の放射線治療(放射性同位体の使用を含む)、および骨疼痛を処置するための抗新生物薬治療の変化として定義される。したがって、SREは当該試験における主な終了点である。重要な効果の終了点は、少なくとも1つのSREを有する患者の割合および最初のSREまでの時間である。
【0063】
第2の目的は、疼痛スコア、鎮痛薬の使用、一般状態(performance status)、クオリティーオブライフ・スコア、積極的な試験参加の終了までの時間に対するゾレドロン酸療法の効果を評価すること、ならびにゾレドロネートの安全性および許容性を評価することである。骨吸収および形成マーカーにおける変化も評価される。患者の骨鉱物密度測定を、選択された臨床施設にて評価する。さらに、骨における疾患進行の時間および疾患の全体的な進行の時間を評価する。
第3の目的は、保健上の利用性および生産性阻害データを測定することである。
【0064】
2. 試験計画
2.1. 全体的な試験計画
この試験は、国際的、多中心、ランダム化、二重盲検、プラセボ−対照、平行試験である。この試験の患者群は、転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法での処置にもかかわらず、上昇した血清PSA濃度(2.3.2.の欄を参照)を有し、そして転移性骨疾患の病歴を有する、前立腺癌患者からなる。この上昇した血清PSAレベルは、少なくとも2週間互いに離れた、3つ連続して上昇している血清PSAの測定により示される(すなわち、第3のPSAレベル>第2のPSAレベル>第1のPSAレベル>転移性前立腺癌の第一次選択ホルモン療法の間に達成された最下点の血清PSA濃度)。上昇した血清PSAレベルは、進行性転移性疾患の発症における「初期」事象を示す。進行性の病変が、患者の試験適格性に影響することなく、骨の放射線学的検査(骨のスキャンおよび/または骨の調査)で見られ得るが、試験に入る前(「訪問2」 − ランダム化および最初の試験の薬物処置の日)の転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法に対する最高の応答以後に骨疼痛を発症した患者は、当該試験から除外される。
【0065】
さらに、「訪問1」(スクリーニング訪問)の前の第一次選択ホルモンレジメンの変更も除外基準である。そうでない場合は、患者の抗新生物治療レジメンは、「訪問2」の前および「訪問2」の際の化学療法剤の投与を除いて、担当医の裁量で、試験(「訪問1」〜「訪問34」を含む)の間に変更され得る(試験の間の細胞障害性化学療法剤のその後の使用は許可される。)。他の除外基準には、精巣除去範囲(≧50ng/ml)を超える「訪問1」での血清テストステロンレベル、「訪問2」の3ヵ月以内に骨への放射線治療の使用(放射性同位体の使用を含む)、および過去または現在(「訪問2」までおよび「訪問2」の際)の細胞障害性化学療法剤の使用(担当医の裁量で、「訪問2」以後の試験の間、細胞障害性化学療法剤の使用が許可される。)が含まれる(2.3.2.の欄参照)。
【0066】
患者は、二重盲検様式でランダム化され、抗新生物薬治療に加えて、3週間ごとに、4mgのゾレドロネートを静脈内に、8mgのゾレドロネートを静脈内に、またはプラセボを静脈内に点滴される。ランダム化処置の割り当て比率は、1:1:1にすべきである。さらに、すべての患者に、試験の間毎日、500mgのカルシウムを経口的に、および総合ビタミン錠剤(400〜500I.U.のビタミンDを含む)を投与すべきである。
【0067】
骨格関連事象(SRE)の発生を、少なくとも1つのSREを経験している患者の割合、最初のSREまでの時間、および骨の罹病率を測定するために、それぞれの患者について試験の間、収集する(セクション4参照)。骨における疾患の進行の時間を、連続的な骨放射線学的検査の観察により、本部で(中央放射線学者)評価する。
【0068】
疾患の全体的な進行時間を、患者の担当医により;連続的骨放射線学的試験の中央評価(中央放射線学者)を評価することにより;存在する場合には、非骨格性腫瘍部位の適当な連続放射線学的試験の中央評価(中央放射線学者)を評価することにより;連続血清PSAレベルを評価することにより;患者の体重の連続的測定を評価することにより、測定される。クオリティーオブライフ、一般状態、保健上の利用性および生産性阻害のデータ、疼痛、ならびに鎮痛剤の使用スコアを、試験の間、連続的に測定する。この情報は、また、試験へのランダム化の日から24ヵ月以内に、積極的治療を中断した患者に対しても収集される。患者の臨床過程の間に起きる有害事象についての情報が、試験の間に収集される。
【0069】
試験手順は、ベースライン評価を行うために最長14日まで続き得る、ランダム化前スクリーニング訪問(「訪問1」)により開始される。ランダム化は、適格基準を満たし、そしてすべてのスクリーニング評価が完了した後に、薬物投与を試験する前に、「訪問2」にて行われる。該試験は、2つのフェーズ、すなわち、有効性および安全性のフェーズであるフェーズ1、および延長フェーズであるフェーズ2からなる。主な有効性の分析は、フェーズ1、すなわち、有効性および安全性のフェーズの完了にて行われ、これは60週(20サイクル)の試験処置からなる。フェーズ2は、さらに36週(12サイクル)の試験治療からなる。フェーズ2の主な目的は、長期間のゾレドロネート処置の安全性および生存データを得ることであるが、有効性のデータも続けて収集される。プロトコール登録基準を満たす519人の患者(処置群ごとに173人の患者)を得るために、少なくとも550人の患者を登録する。暫定的分析は計画されていない。
【0070】
患者は、試験中の骨格関連事象の発生または疾患の進行のみを理由として、試験中断されることはない。というのは、該試験は、試験の全期間(24ヵ月)にわたって起こる骨格事象の総数を評価するために設計されているからである。さらに、抗新生物薬治療は、患者に試験からの終了を引き起こすことなく、変更され得る。治療を中断する患者は、骨格関連事象、疾患の進行、抗新生物薬治療、保健上の利用性および生産性阻害、クオリティーオブライフ、疼痛、および鎮痛スコアのデータの収集に関する試験を続ける。
【0071】
生存性データを、該試験へとランダム化されたそれぞれの患者について収集し、そして、患者が試験を中断した後に、6カ月間隔にて、試験のための最後の患者の最初の訪問後の24ヵ月まで、収集される。
【0072】
下記の表は、試験計画を要約したものである:
【表5】
【0073】
試験の期間
患者登録のために許可された時間:12ヵ月
個々の患者の参加期間:
フェーズ1 15ヵ月(60週)
フェーズ2 9ヵ月(36週)
処置の総期間:24ヵ月(96週)
試験の総期間:36ヵ月。
【0074】
2.2. 試験集団
2.2.1 編入および除外基準
編入基準(Inclusion Criteria)
・署名されたインフォームドコンセント。
・18歳またはそれ以上の年齢の患者。
【0075】
・前立腺の癌腫の組織学的に確認された診断。
・患者は、骨への転移性疾患の客観的な証拠を有していなければならない。転移性骨疾患の客観的証拠とは、骨のスキャンでの増加した活性の多病巣(>3)として定義される。骨のスキャンでの増加した活性の3以下の病巣が存在する場合は、さらなる放射線学的または生検研究が、造骨性または骨溶解性悪性骨病変の存在を確認するために必要とされる。第一次選択ホルモン療法に対する完全な応答を達成し、そして彼らの現在の骨のスキャンが正常である患者は、骨転移が患者の臨床過程の間に示される限り、該試験における登録に適している。
【0076】
・患者は、第一次選択ホルモン処置(医学的または外科的精巣除去)での治療にもかかわらず、疾患の生化学的進行を示さなければならない。生化学的疾患進行は、次のように定義される:
少なくとも互いに2週間離れた、3つの連続して上昇した血清PSA測定。第3の血清PSA測定は、≧0.4ng/mlでなければならない。
【0077】
転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法は、次のように定義される:
最初のホルモンレジメンは、転移性前立腺癌を処置するために利用された。転移性疾患の臨床的証拠が存在しないときに設定されたネオアジュバントまたはアジュバントにおいてなされたホルモン療法は、該試験の目的の、転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法とはみなされない。
・患者は、0、1または2のECOG一般状態を有さなければならない。
【0078】
除外基準
・転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法に対する最高の応答以後に発症した転移性骨疾患による骨疼痛。
・細胞障害性化学療法での過去または現在(「訪問2」の前および「訪問2」の際を含む)の処置(該試験の間の細胞障害性化学療法のその後の使用は許される)。
【0079】
・第一次選択ホルモン療法の、「訪問1」の前の第二次選択ホルモンレジメンへの変更(「訪問1」の間または該試験を通して、患者のホルモン療法のその後の変更は、除外基準またはプロトコール違反ではない)。
・精巣除去範囲(≧50ng/ml)を超えて上昇した(「訪問1」での)血清テストステロンレベル。
・「訪問2」の前の3ヵ月以内の、骨への放射線治療(放射性同位体を含む)。
【0080】
・過去にビスホスホネート剤での処置。
・ランダム化(「訪問2」)の日の前の2週間以内に、カルシトニン、ミトラマイシン、または硝酸ガリウムでの処置。
・ランダム化(「訪問2」)の日の前の30日以内に、他の治験薬(任意の適応症のために市販されていない薬物)の使用。
【0081】
・医学レジメンの非遵守の経歴、および信用できない可能性があるかまたは治験責任医師によりインフォームドコンセントを与えることが不可能であると判断された患者。
・血清クレアチニン濃度>3.0mg/dL(265μmol/L)。
・補正(血清アルブミンに合わせた)血清カルシウム濃度<8.0mg/dL(2.00mmol/L)または≧11.6mg/dL(2.90mmol/L)。
【0082】
・過去5年以内に、非メラノーマ性皮膚癌以外の他の任意の新生物の病歴。
・ランダム化の前6ヵ月に、重症心血管疾患(非管理のうっ血性心不全として定義される)、処置抵抗性高血圧、または症候性冠動脈疾患のエビデンスを有する患者。
【0083】
2.3. 処置
2.3.1. 治験薬および参照用治療
患者に、ゾレドロネートまたはプラセボを、5分間の静脈点滴として、3週間ごとに、24ヵ月間投与する。
【0084】
試験の間、患者は、500mgのカルシウムを経口的に、食事とともに毎晩投与される。カルシウムは、オープンラベル薬として治験施設により供給される。個々のパッケージは、「食事とともに毎晩1つ服用すること」という指示が添付されたラベルを有する。患者は、また、オープンラベル薬として治験施設により供給された総合ビタミン錠剤を、試験の間、毎朝経口的に投与される。個々のパッケージは、「食事とともに毎朝1つ服用すること」という指示が添付されたラベルを有する。
【0085】
試験薬支給物(ゾレドロネート)は、それぞれの施設の薬剤師に発送される。薬物は、オープンラベルの様式でパッケージングされる。薬物のラベルは、それぞれの国の法的要求を満たし、そしてその地域の言語で印刷されている。それらは、患者についての情報は全く供給しない。試験薬の保存条件は、薬物のラベルに記載される。
【0086】
薬物の名前および投与量は、それぞれのバイアルに提供される。
ゾレドロネートは、4mgの凍結乾燥バイアル(4000μg)で供給される。
試験薬は、試験の終了時にノバルティス(Novartis)に返却されるまで、それぞれの施設の鍵をかけた場所で保管される。薬剤師が、試験薬の調製に責任を負う。試験薬投与および各回の訪問で投与された量の資料は、すべての患者について維持される。
【0087】
再構成されたゾレドロネート溶液がすぐに使用され得ない場合、溶液は36〜46°F(2〜8℃)の温度で冷蔵されなければならず、そして8時間まで使用可能である。
【0088】
ゾレドロネートはガラスに結合し得るので、試験薬溶液はプラスチックのシリンジ、バッグ、およびチューブ内で調製されるべきである。ゾレドロネートは、5分の点滴として、それぞれの患者に静脈的に投与されるべきである。それぞれ4mgバイアルのゾレドロネートが、5mlの滅菌注射用水で再構成されるべきである。再構成された適当な容量のゾレドロネートを、点滴される総体積が50mlになるように、適当な容量の生理的(0.9%)正常食塩溶液と混合すべきである。それぞれの患者は、彼らが割り当てられた処置群に依存して、試験の間(「訪問2〜33」)を通して、同一の試験薬および投与量を投与される。
【0089】
処置群は:
・3週間ごとの、50mlの正常食塩溶液中の4mgのゾレドロネートの静脈内点滴+(毎日)食事とともに経口的に摂取される500mgのカルシウム、および毎日経口的に摂取される1錠の総合ビタミン剤。
・3週間ごとの、50mlの正常食塩溶液中の8mgのゾレドロネートの静脈内点滴+(毎日)食事とともに経口的に摂取される500mgのカルシウム、および毎日経口的に摂取される1錠の総合ビタミン剤。
・3週間ごとの、50mlの正常食塩溶液の静脈内点滴+(毎日)食事とともに経口的に摂取される500mgのカルシウム、および毎日経口的に摂取される1錠の総合ビタミン剤、
である。
【0090】
【表6】
【0091】
最初に、5分間の50ml点滴が使用された;これは、腎臓の安全性を増加させるために、15分間の100ml点滴に変更された。さらなるプロトコールの修正により、ゾレドロン酸8mg群の投与量が4mgに減少された。既に8mgを投与された患者は、その後の訪問で、投与量が減らされ、そして、新たに8mg群にランダム化された患者は、4mgのみ投与された。
【0092】
2.4. 付随的治療
次の処置が許される:
・市販の細胞障害性化学療法剤、ホルモン剤、ステロイド剤および生物学的応答調節剤を含む、標準的抗新生物薬療法。
・骨格外および/または骨格腫瘍部位を処置するための標準的放射線療法。
・標準的な市販のサイトカイン/コロニー刺激因子剤。
・破骨細胞活性に影響すると考えられるもの(例えば、カルシトニン、ミトラマイシン、硝酸ガリウム、他の任意のビスホスホネート)を除く、市販薬/療法。したがって、試験患者の医学的状態(例えば、骨粗鬆症または腫瘍による高カルシウム血症)が破骨細胞性骨吸収のインヒビターの使用を必要とすると担当医が判断する場合、その患者は、積極的な試験参加を中断し、そして骨格関連事象データについて追跡されるべきである(2.3.3.の欄参照)。
・化学療法剤による悪心/嘔吐を予防/処置するために使用されるコルチコステロイド療法。
・脊髄圧迫または他の認識された適応症についてのコルチコステロイド療法。
【0093】
3. 結果
少なくとも1つの骨格関連事象が、ゾレドロン酸4mg(N=214)および8/4mg(N=221)群における33.2%および38.5%の患者において起こり、一方、プラセボ群は44.2%であった(N=208、p=0.021および0.222 vs. プラセボ)。病的骨折は、ゾレドロン酸4mgおよび8/4mg群において13.1%および14.9%の患者に起こり、そして、プラセボ群において22.1%の患者に起きた(p=0.015およびp=0.054 vs. プラセボ)。最初の骨格関連事象までの時間の中央値はゾレドロン酸4mg群においては得られず、そして、8/4mg群およびプラセボ群においては、それぞれ、363および320日であった(p=0.011および0.491 vs. プラセボ)。15分間点滴として投与される4mgのゾレドロン酸は、十分に許容されるものであった。
【0094】
3週間ごとの、15分間点滴の4mgのゾレドロン酸は、ホルモン療法に対して抵抗性の転移性前立腺癌を有する患者における骨格関連事象を、有意に減少させる。
本発明は、ビスホスホネート、特にビスホスホネートの新規医薬的使用に関する。
【0002】
ビスホスホネートは、過剰または不適当な骨吸収が関与するさまざまな良性および悪性の両方の疾患において、破骨細胞活性を阻害するために広範に利用されている。これらのピロリン酸(pyrophosphate)類似体は、骨格関連事象(skeletal related event)の発生を減少させるだけでなく、患者に臨床上の利益および生存率の改善をもたらす。ビスホスホネートは、インビボでの骨吸収を予防することも可能である;ビスホスホネートの治療有効性は、骨粗鬆症、骨減少症、骨ページェット病、腫瘍による高カルシウム血症(TIH)、およびより最近では、骨転移(BM)および多発性骨髄腫(MM)の処置において実証されている(例えば、概説のために、Fleisch H 1997 Bisphosphonates clinical. In Bisphosphonates in Bone Disease. From the Laboratory to the Patient. Eds: The Parthenon Publishing Group, New York/London pp 68-163 参照)。
【0003】
ビスホスホネートが骨吸収を阻害するメカニズムは、今のところ、完全には理解されておらず、研究されるビスホスホネートに応じて変動するようである。ビスホスホネートは、骨のハイドロキシアパタイト結晶に強力に結合し、骨代謝回転(bone turn-over)および骨吸収を減少させ、血液中のヒドロキシプロリンまたはアルカリホスファターゼの濃度を減少させ、そしてさらに、破骨細胞の形成、補充、活性化(activation)および活性(activity)を阻害することが示されている。
【0004】
MMは、骨髄内の悪性プラズマ細胞の増殖および蓄積により特徴付けられるプラズマ細胞性悪性腫瘍である。主要な臨床的意義は、病的骨折および骨疼痛を伴う溶解性骨病変(lytic bone lesion)である。これらの病変は過剰の骨吸収によるものであり、これは、しばしば、高カルシウム血症をもたらす。ビスホスホネートは、慣用的な化学療法と組み合せて、MMの長期的処置に導入されてきた。近年、クロドロネート(clodronate)およびパミドロネート(pamidronate)のようなビスホスホネートは、溶解性骨病変および病的骨折のような骨格関連事象の発生を減少させ、関連する骨疼痛を緩和し、そして患者のクオリティーオブライフ(quality of life)を改善することが示された(Laktinen et al. Lancet 1992, 340, 1049-1052; McCloskey et al. B.J. Haematol., 1998, 100, 317-325; および Berenson et al. N. Eng. J. Med. 1996, Vol. 334, No. 8, 488-493)。
【0005】
同様の効果が、ビスホスホネートで処置された乳癌患者において報告されている(Hortobagyi G.N. et al. 乳癌および溶解性骨転移を有する患者における骨格合併症の低減化におけるパミドロネートの効果(Efficacy of pamidronate in reducing skeletal complications in patients with breast cancer and lytic bone metasases), Protocol 19 Aredia Breast Cancer Study Group, New England Journal of Medicine, 1996; 335: 1785-91; Kanis J.A. et al. クロドロネートは乳癌を有する女性における骨格転移の頻度を減少させる(Clodronate decreases the frequency of skeletal metastases in women with breast cancer), Bone, 1996; 19: 663-7)。
【0006】
したがって、ビスホスホネートは破骨細胞性骨吸収の有効なインヒビターであり、そして、悪性腫瘍の高カルシウム血症、多発性骨髄腫に関連する溶解性骨疾患、ならびに乳癌に関連する溶解性および芽球性の混合型の骨転移の処置における治療効果を示す。しかしながら、他の癌、例えば前立腺癌は、本質において優勢的に造骨性(骨硬化性)である骨転移に関連し、そしてこれらの後者の癌の転移が、ビスホスホネート処置に同様に応答するかどうかについては明らかではない。
【0007】
近年、ビスホスホネート(クロドロネート、エチドロネート、アレンドロネートおよびパミドロネート)の投与により、前立腺癌腫転移患者の骨疼痛に良好な効果をもたらすことが報告されている(Silvio Adami, Cancer 1997; 80: 1674-79)。最近では、また、ビスホスホネートがインビトロで、骨への胸部および前立腺癌腫細胞の接着を抑制し(Boissier et al., Cancer Res; 57: 3890-3894, 1997)、そしてさらにビスホスホネートによる胸部および癌腫細胞の前処置により、腫瘍細胞への直接的な作用を介して腫瘍細胞の侵入が抑制されることが報告されている。さらに最近では、インビトロで、ゾレドロン酸による前立腺癌細胞株の処置により、当該細胞株の成長が有意に減少することが報告されている(Brown et al. Effects of Zoledronate on Prostate Cancer Cells, ASBMR 2000; Lee et al., Bisphosphonate Treatment Inhibits the Growth of Prostate Cancer Cells, Cancer Research, 2000/2001);一方、ゾレドロン酸で処置した皮下の前立腺癌細胞株の腫瘍については、有意な腫瘍容積の減少は検出されなかった(Corey et al., Effects of Zoledronic Acid on Prostate Cancer in Vitro and in Vivo, Amer. Assoc. Cancer Res. 2000年10月提出)。
【0008】
しかしながら、これまで、前立腺癌または前立腺癌に関連する骨転移の処置において臨床的有効性を示すビスホスホネートに関する報告は存在しない。今回、我々は、二重盲検・プラセボ対照臨床試験において、ゾレドロン酸(ZOMETA(登録商標)、Novartis Pharma)が、前立腺癌患者における骨転移の処置において、プラセボよりも統計的に有意に有効性を示すことを見出した。
【0009】
したがって、本発明は、前立腺癌の処置方法であって、このような処置を必要とする患者において、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法を提供する。
【0010】
本発明は、さらに、前立腺癌の処置用医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用を提供する。
【0011】
本発明の方法および使用は、前立腺癌自体の直接的処置のために使用され得る。したがって、本発明において使用されるN−ビスホスホネートは、前立腺癌の成長、増殖または生存度に対して、例えば前立腺細胞の増殖または分裂のインヒビターとして、あるいは、前立腺細胞の死滅のプロモーターとして(例えば、アポトーシス促進剤として)、インビボにおいて直接的な効果を有し得ると信じられている。簡便には、本発明は、また、転移、すなわち軟部組織転移および骨転移の両方を含む、前立腺癌の二次的な効果の処置のために使用され得る。
【0012】
さらに、本発明は、造骨性(骨硬化性)転移、特に造骨性骨転移、例えば前立腺癌および同様の悪性疾患に関連する造骨性転移の処置のために、より一般的に使用され得ると信じられている。
【0013】
したがって、本発明は、さらに、哺乳動物における悪性疾患または病状に関連する造骨性転移を処置するためのN−ビスホスホネートの使用を提供する。
【0014】
好適な実施態様において、本発明は、
(i)前立腺癌に関連する転移を処置するためのN−ビスホスホネートの使用;
(ii)前立腺癌に関連する転移の処置方法であって、このような処置を必要とする患者において、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法、および
(iii)前立腺癌に関連する転移の処置用医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用、
を提供する。
【0015】
本発明の、造骨性転移または前立腺癌転移のN−ビスホスホネート処置の有効性は、N−ビスホスホネート処置を受けている患者についての骨格関連事象(SRE)の発生をモニターすること、および得られた結果を、プラセボ群について得られた結果と比較すること;例えば、本明細書に後記した「臨床試験の記載」のように、実証され得る。
【0016】
骨格関連事象(SRE)は、本明細書に後記した「臨床試験の記載」において定義される。
【0017】
特に好適な実施態様において、本発明は、
(i)転移性前立腺癌に関連するSREを減少させるためのN−ビスホスホネートの使用;
(ii)前立腺癌患者における転移性前立腺癌に関連するSREを減少させる方法であって、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法、および
(iii)転移性前立腺癌に関連するSREの減少のための医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用、
を提供する。
【0018】
本明細書において、「処置」または「処置する」なる用語は、転移またはSREを発症する危険性がある患者、あるいは例えば前立腺癌のような疾患に罹患している可能性のある患者、ならびに病気の患者、または疾患もしくは病状、例えば前立腺癌を患っていると診断された患者の処置を含む、治療的または疾患を緩和する処置のみならず予防的または防止的処置の両方を意味する。
【0019】
本明細書の目的のために、N−ビスホスホネートは、特徴的なジェミナルビスホスホネート部分に加えて、窒素含有側鎖を含んでなる化合物、例えば式I
【化1】
〔式中、
Xは、水素、ヒドロキシ、アミノ、アルカノイル、またはC1〜C4アルキルもしくはアルカノイルにより置換されたアミノであり;
Rは、水素またはC1〜C4アルキルであり、そして
Rxは、所望により置換されていてもよいアミノ基を含む側鎖、または含窒素へテロ環(芳香族性窒素含有へテロ環を含む)である。〕
の化合物、
および薬学的に許容されるそれらの塩あるいはそれらの任意の水和物である。
【0020】
したがって、例えば、本明細書における使用に適したN−ビスホスホネートとしては、下記の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの任意の水和物が挙げられる:3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸(パミドロン酸)、例えば、パミドロネート(APD);3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、ジメチル−APD;4−アミノ−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸(アレドロン酸)、例えば、アレドロネート;1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)−プロピリデン−ビスホスホン酸、イバンドロン酸、例えば、イバンドロネート;6−アミノ−1−ヒドロキシヘキサン−1,1−ジホスホン酸、例えば、アミノ−ヘキシル−BP;3−(N−メチル−N−n−ペンチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、メチル−ペンチル−APD(=BM 21.0955);1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、ゾレドロン酸;1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)エタン−1,1−ジホスホン酸(リセドロン酸)、例えば、リセドロネート;ならびにこれらのN−メチルピリジニウム塩、例えばNE−10244またはNE−10446のようなヨウ化 N−メチルピリジニウム;3−[N−(2−フェニルチオエチル)−N−メチルアミノ]−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸;1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、EB 1053 (Leo);1−(N−フェニルアミノチオカルボニル)メタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、FR 78844 (Fujisawa);5−ベンゾイル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3,3−ジホスホン酸 テトラエチルエステル、例えば、U-81581 (Upjohn);および1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、YM 529。
【0021】
1つの実施態様において、本発明において使用するための特に好適なN−ビスホスホネートは、式II
【化2】
〔式中、
Hetは、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、ピリジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾールであり、Hetは、所望によりアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシにより、所望によりアルキルもしくはアルカノイルで置換されていてもよいアミノにより、または所望によりアルキル、ニトロ、アミノもしくはアミノアルキルで置換されていてもよいベンジルにより、置換されていてもよく;
Aは、1〜8の炭素原子を含む、直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和炭化水素部分であり;
X'は、水素原子であるか、所望によりアルカノイルにより置換されているか、または、所望によりアルキルもしくはアルカノイルで置換されていてもよいアミノであり、そして
Rは、水素原子またはアルキルである。〕
の化合物、
および薬理学的に許容されるそれらの塩を含んでなる。
【0022】
さらなる実施態様において、本発明において使用するための、特に好適なビスホスホネートは、式III
【化3】
〔式中、
Het'は、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサゾリニル、チアゾリル、チアゾリニル、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルからなる群から選択される、置換または非置換の、複素芳香族5員環であり、該環は、部分的に水素化されていてもよく、そして該置換基は、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、フェニル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ハロゲンおよびアミノからなる群の少なくとも1つから選択され、そして、Hetの2つの隣接するアルキル置換基は、一体となって、第2の環を形成してもよく;
Yは、水素またはC1〜C4アルキルであり;
X''は、水素、ヒドロキシ、アミノ、またはC1〜C4アルキルで置換されたアミノであり、そして
Rは、水素またはC1〜C4アルキルである。〕
の化合物、
ならびに薬理学的に許容されるそれらの塩および異性体を含んでなる。
【0023】
いっそうさらなる実施態様において、本発明において使用するための、特に好適なビスホスホネートは、式IV
【化4】
〔式中、
Het'''は、非置換、または低級アルキルにより、低級アルコキシにより、フェニル(これは、低級アルキル、低級アルコキシ、および/またはハロゲンにより、ヒドロキシにより、ジ−低級アルキルアミノにより、低級アルキルチオにより、および/またはハロゲンにより、モノ−またはジ置換されていてもよい。)により、C−モノ−またはジ−置換され、そして、低級アルキルにより、またはフェニル−低級アルキル(これは、フェニル部分が、低級アルキル、低級アルコキシおよび/またはハロゲンにより、モノ−またはジ−置換されていてもよい。)により、置換可能なN原子でN−置換された、イミダゾリル、2H−1,2,3−、1H−1,2,4−または4H−1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリルまたはチアジアゾリルであり、そして
R2は、水素、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルチオまたはハロゲンであり、
低級の基は、7までの(7を含む)炭素原子を有する。〕
の化合物、
または薬理学的に許容されるそれらの塩を含んでなる。
【0024】
本発明において使用するための、特に好適なN−ビスホスホネートの例は、
2−(1−メチルイミダゾール−2−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−ベンジルイミダゾール−2−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−メチルイミダゾール−4−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
1−アミノ−2−(1−メチルイミダゾール−4−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
1−アミノ−2−(1−ベンジルイミダゾール−4−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−メチルイミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−ベンジルイミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(チアゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(2−メチルイミダゾール−4(5)−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(2−フェニルイミダゾール−4(5)−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(4,5−ジメチルイミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、および
2−(2−メチルイミダゾール−4(5)−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、
ならびに薬理学的に許容されるそれらの塩である。
【0025】
本発明において使用するための、最も好適なN−ビスホスホネートは、2−(イミダゾール−1イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(ゾレドロン酸)または薬理学的に許容されるその塩である。
【0026】
薬理学的に許容される塩は、好ましくは、塩基との塩であり、簡便には、例えばカリウムおよびとりわけナトリウム塩であるアルカリ金属塩、または好ましくはカルシウムもしくはマグネシウム塩であるアルカリ土類金属塩を含む、元素周期表のIa、Ib、IIaおよびIIbグループ由来の金属塩、ならびにアンモニアもしくは有機アミンとのアンモニウム塩である。
【0027】
とりわけ好ましい薬学的に許容される塩は、ビスホスホン酸の1、2、3、または4つ、特に1もしくは2つの酸性水素が、薬学的に許容されるカチオン、特にはナトリウム、カリウム、またはアンモニウムで置換された塩であり、まず第1にはナトリウムである。
【0028】
薬学的に許容される塩の非常に好ましい群は、ホスホン酸のそれぞれの基に、1つの酸性水素および1つの薬学的に許容されるカチオン、とりわけナトリウムを有することにより特徴付けられる。
【0029】
上記のN−ビスホスホン酸誘導体は、すべて、文献既知である。これは、それらの製造を含む(例えば、EP−A−513760、13〜48頁参照)。例えば、3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸は、例えば米国特許第3,962,432号に記載のように、ならびにその二ナトリウム塩は米国特許第4,639,338および4,711,880号に記載のように製造され、そして、1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸は、例えば米国特許第4,939,130号に記載のように製造される。また、米国特許第4,777,163および4,687,767号も参照せよ。
【0030】
N−ビスホスホネートは、適当な場合には、異性体または異性体の混合物の形態で、典型的には、エナンチオマーのような光学異性体またはジアステレオマーまたは幾何異性体、典型的にはシス−トランス異性体として、使用され得る。光学異性体は、純水な対掌体および/またはラセミ体の形態で得られる。
【0031】
N−ビスホスホネートは、また、それらの水和物の形態で使用されるか、またはそれらの結晶化に使用された他の溶媒を含み得る。
【0032】
N−ビスホスホネートは、好ましくは、所望により、無機または有機の、固体または液体の、投与に適した薬学的に許容される担体とともにまたは混合されていてもよい、治療上有効量の活性成分を含む医薬組成物の形態で使用される。
【0033】
医薬組成物は、例えば、経腸的な、例えば経口、直腸、エアロゾル吸入または経鼻投与のための組成物、非経腸的な、例えば静脈内または皮下投与のための組成物、あるいは(例えば受動的またはイオン泳動的)経皮投与のための組成物であり得る。
【0034】
好ましくは、医薬組成物は、経口または非経腸(とりわけ静脈内、動脈内または経皮)投与に適用される。静脈内および経口、まず第一に静脈内、投与は、特に重要であると考えられる。好ましくは、N−ビスホスホネート活性成分は、非経腸形態、最も好ましくは静脈内形態である。
【0035】
投与の特定の様式および投与量は、患者の詳細、とりわけ年齢、体重、ライフスタイル、活動レベル、および適当な疾患を考慮に入れて、担当医により選択され得る。しかしながら、最も好ましくは、N−ビスホスホネートは、静脈内に投与される。
【0036】
本発明において使用するための、N−ビスホスホネートの投与量は、さまざまな要因、例えば活性成分の作用の有効性および持続時間、投与様式、温血動物の種、ならびに/または温血動物の性別、年齢、体重および個々の状態に依存し得る。
【0037】
0.002〜20.0mg/kg、とりわけ0.01〜10.0mg/kgの活性成分ビスホスホネートの単回投与量が約75kgの体重の温血動物に投与されるような投与量が通常である。所望により、これは、また、数回の、所望により等しい、分割投与で服用され得る。
【0038】
「mg/kg」は、処置されるべき哺乳動物(ヒトを含む)の体重(kg)あたりの薬物のmgを意味する。
【0039】
単回投与(これが好ましい)または数回の分割投与のいずれかで投与された、上記の投与量は、例えば1日1回、週に1回、月に1回、3ヵ月に1回、またはより少ない頻度で繰り返され得る。言いかえれば、医薬組成物は、連日投与の治療(continuous daily therapy)から断続的な臨床的治療に及ぶレジメンにおいて投与され得る。
【0040】
好ましくは、N−ビスホスホネートは、伝統的にビスホスホン酸誘導体で処置される悪性疾患、例えば腫瘍による高カルシウム血症またはMMもしくは乳癌の骨転移、の処置において使用されるのと同一の桁の大きさの投与量で投与される。言いかえれば、好ましくは、N−ビスホスホン酸誘導体は、腫瘍による高カルシウム血症またはMMもしくは乳癌の骨転移の処置において同様に治療上有効である投与量で投与される。すなわち、好ましくは、それらは、骨吸収ならびに転移性侵襲および成長を、同様に有効に阻害する投与量で投与される。
【0041】
単回投与ユニットの形態の製剤は、好ましくは、約1%〜約90%の活性成分を含み、そして単回投与ユニットの形態でない製剤は、好ましくは、約0.1〜約20%の活性成分を含む。カプセル剤、錠剤または糖衣錠のような経口投与のための単回投与ユニット形態は、例えば約1mg〜約500mgの活性成分を含む。
【0042】
経腸的および非経腸的投与のための医薬製剤は、例えば、投与ユニット形態のもの、例えば糖衣錠、錠剤またはカプセル剤およびアンプル剤である。それらは自体公知の方法、例えば通常の混合、造粒、糖衣化(confectioning)、溶解または凍結乾燥加工、により製造される。例えば、経口投与のための医薬製剤は、活性成分を、固体担体と組み合わせ、適当な場合には、得られた混合物を造粒し、そして所望または必要ならば適当な添加物の添加後に、該混合物または顆粒を、錠剤または糖衣錠核へと加工することにより得られ得る。
【0043】
適当な担体は、とりわけ、賦形剤、例えば糖類、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム、およびまた、結合剤、例えばスターチペースト(starch paste)、例えばコーン、小麦、米またはポテトスターチを用いたもの、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン、ならびに所望により、崩壊剤、例えば上記のスターチ、また、カルボキシメチルスターチ、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムである。添加物は、とりわけ、流動調節剤(flow-regulating agent)および滑沢剤、例えば珪酸、タルク、ステアリン酸もしくはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールである。
【0044】
糖衣錠核に、胃液耐性であり得る適当なコーティング剤が施されてもよく、とりわけ、所望によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含んでもよい濃厚糖溶液、あるいは適当な有機溶媒または溶媒混合物中のラッカー溶液(lacquer solution)を使用して、胃液に耐性のコーティング剤、適当なセルロース製剤の溶液、例えばアセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを製造する。着色物質または色素が、例えば識別の目的で、または、活性成分の異なる量を示すために、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加され得る。
【0045】
他の経口投与可能な医薬製剤は、ゼラチンから製造された乾燥−充填カプセル剤、およびまた、ゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから製造された、軟、密閉カプセル剤である。乾燥−充填カプセル剤は、例えば賦形剤、例えばラクトース、結合剤、例えばスターチおよび/または流動促進剤(glidant)、例えばタルクもしくはステアリン酸マグネシウム、および適当な場合には、安定化剤と混合された、顆粒剤の形態の活性成分を含み得る。軟カプセル剤において、活性成分を、好ましくは、適当な液体、例えば脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコール中に溶解または懸濁し、また、それは安定化剤として添加されることも可能である。
【0046】
非経腸製剤は、とりわけ、さまざまな様式、例えば静脈内、動脈内、筋肉内、腹膜内、鼻内、皮内、皮下、好ましくは静脈内で有効な、注射可能な流体である。このような流体は、好ましくは、例えば単独または薬学的に許容される担体とともに活性成分を含む凍結乾燥製剤から、使用前に調製され得る等張の水性溶液または懸濁液である。医薬製剤は、滅菌され得、そして/または、添加物、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調節のための塩および/または緩衝剤を含み得る。好適な非経腸形態は、静脈内点滴溶液、好ましくは投与ユニットあたり約1mg〜約20mgの活性物質を含むもの;例えば、点滴溶液の容積が約5〜約200mlのもの、例えば、約1分〜約1時間またはそれ以上の点滴時間のもの、である。このような好適な非経腸形態は、典型的には、週に約1回〜3ヵ月に約1回の間隔で投与される。
【0047】
本発明において使用するためのN−ビスホスホネートは、前立腺癌および関連する転移の処置のために使用される、他の活性物質または処置と組み合せて投与され得る。
【0048】
したがって、本発明は、前立腺癌患者の処置方法であって、N−ビスホスホネートおよび異なる抗前立腺癌剤または抗前立腺癌治療との組合せ処置を含んでなる方法を含む。
【0049】
本発明は、さらに、前立腺癌の同時的、個別的または併用的処置のための組合せ組成物であって、有効量のN−ビスホスホネートおよび有効量の異なる抗前立腺癌剤を含んでなる組成物を含む。
【0050】
適当な抗前立腺癌剤としては、細胞障害性化学療法剤、例えば、ドキソルビシン、ダノルビシン(danorubicin)など、シスプラチンなど、タキソール、ホルモン剤、例えばLHRHおよびその類似体、ステロイド剤および生物学的応答調節剤が挙げられる。
【0051】
適当な抗前立腺癌治療としては、骨格外および/または骨格性腫瘍部位を処置するための放射線治療が挙げられる。
【0052】
前立腺癌治療においてN−ビスホスホネートと組み合せて使用され得る他の治療剤は、本明細書の「臨床試験の記載(Clinical Trial Description)」において後記される。
【0053】
経皮投与に適した製剤は、担体ともに、有効量の活性成分を含む。有利な担体としては、宿主の皮膚の通過を助ける、吸収可能な、薬理学的に許容される溶媒が挙げられる。特徴的には、経皮デバイスは、基剤(backing member)、所望により担体とともに化合物を含むリザーバー、所望により長時間にわたって制御されかつ予め決められた速度で宿主の皮膚に活性成分を送達するための速度制御バリアー、および皮膚に対するデバイスを確保するための手段、を含んでなる救急絆(bandage)の形態である。
【0054】
下記の実施例は、前記の本発明を例示する。
下記の実施例において、「活性成分」なる用語は、本発明にしたがって有用である、上記のN−ビスホスホン酸誘導体のいずれか1つであると理解されるべきである。
【実施例】
【0055】
実施例1:
活性成分、例えばパミドロン酸二ナトリウム五水和物の被覆ペレットを含むカプセル:
【表1】
【0056】
Avicel(登録商標)PH 105との、活性成分、例えばパミドロン酸二ナトリウムの混合物に水分を与え、捏和し、押出し、そして球形にする。次いで、乾燥したペレットを、セルロースHP−M603、ポリエチレングリコール(PEG)8000およびタルクからなる内部コーティング、ならびにEudragit(登録商標)L 30 D、クエン酸トリエチルおよびAntifoam(登録商標)AFからなる水性胃液耐性コートを用いて、流動床において連続的に被覆する。被覆ペレットをタルクで粉末化し、そして市販のカプセル充填機械、例えばHoefliger and Kargにより、カプセル(サイズ0のカプセル)中に充填する。
【0057】
実施例2:
活性成分として、例えば、1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)−エタン−1,1−ジホスホン酸を含むモノリス粘着経皮システム:
【表2】
【0058】
製造:
上記の成分を、ローラーギアベッド(roller gear bed)上で回転させることにより、150gの特定の沸点の石油フラクション100−125中に一緒に溶解させる。該溶液を、300mmのドクターブレードを用いるスプレッダーにより、ポリエステルフィルム(Hostaphan, Kalle)に適用し、約75g/m2のコーティングを得る。乾燥(60℃で15分)後、シリコン処理されたポリエステルフィルム(75mm厚、Laufenberg)をピールオフ・フィルムとして適用する。得られた系を、押出し器具(punching tool)を用いて、5〜30cm2の所望の形態のサイズに押出す。完成した系を、個別に、アルミ化した紙のサシェット剤に密封する。
【0059】
実施例3:
1.0mgの乾燥、凍結乾燥1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸(そのナトリウム塩との混合物)を含むバイアル。1mlの水での希釈後、静脈点滴のための溶液(濃度 1mg/ml)を得る。
【表3】
【0060】
1mlの水中で、活性成分をクエン酸三ナトリウム×2H2OでpH6.0に滴定する。次いで、マンニトールを加え、該溶液を凍結乾燥し、そして凍結乾燥物をバイアル中に充填する。
【0061】
実施例4:
水中に溶解した活性成分、例えばパミドロン酸二ナトリウム五水和物を含むアンプル。該溶液(濃度 3mg/ml)は、希釈後に静脈点滴用となる。
【表4】
【0062】
臨床試験の記載
1. 試験目的
当該試験の第1の目的は、転移性疾患において第一次選択ホルモン療法(first-line hormonal therapy)を継続しながら、疾患の生化学的進行を発症[すなわち、血清PSAレベルの増加]し、そして転移性骨疾患の病歴を有する、前立腺癌患者における骨格関連事象を予防するための抗新生物薬単独療法と比較して、抗新生物薬治療に加えたゾレドロン酸処置(4または8mg)の効果を評価することである。骨格関連事象(SRE)は、病的骨折事象、脊髄圧迫事象、骨の手術、骨の放射線治療(放射性同位体の使用を含む)、および骨疼痛を処置するための抗新生物薬治療の変化として定義される。したがって、SREは当該試験における主な終了点である。重要な効果の終了点は、少なくとも1つのSREを有する患者の割合および最初のSREまでの時間である。
【0063】
第2の目的は、疼痛スコア、鎮痛薬の使用、一般状態(performance status)、クオリティーオブライフ・スコア、積極的な試験参加の終了までの時間に対するゾレドロン酸療法の効果を評価すること、ならびにゾレドロネートの安全性および許容性を評価することである。骨吸収および形成マーカーにおける変化も評価される。患者の骨鉱物密度測定を、選択された臨床施設にて評価する。さらに、骨における疾患進行の時間および疾患の全体的な進行の時間を評価する。
第3の目的は、保健上の利用性および生産性阻害データを測定することである。
【0064】
2. 試験計画
2.1. 全体的な試験計画
この試験は、国際的、多中心、ランダム化、二重盲検、プラセボ−対照、平行試験である。この試験の患者群は、転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法での処置にもかかわらず、上昇した血清PSA濃度(2.3.2.の欄を参照)を有し、そして転移性骨疾患の病歴を有する、前立腺癌患者からなる。この上昇した血清PSAレベルは、少なくとも2週間互いに離れた、3つ連続して上昇している血清PSAの測定により示される(すなわち、第3のPSAレベル>第2のPSAレベル>第1のPSAレベル>転移性前立腺癌の第一次選択ホルモン療法の間に達成された最下点の血清PSA濃度)。上昇した血清PSAレベルは、進行性転移性疾患の発症における「初期」事象を示す。進行性の病変が、患者の試験適格性に影響することなく、骨の放射線学的検査(骨のスキャンおよび/または骨の調査)で見られ得るが、試験に入る前(「訪問2」 − ランダム化および最初の試験の薬物処置の日)の転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法に対する最高の応答以後に骨疼痛を発症した患者は、当該試験から除外される。
【0065】
さらに、「訪問1」(スクリーニング訪問)の前の第一次選択ホルモンレジメンの変更も除外基準である。そうでない場合は、患者の抗新生物治療レジメンは、「訪問2」の前および「訪問2」の際の化学療法剤の投与を除いて、担当医の裁量で、試験(「訪問1」〜「訪問34」を含む)の間に変更され得る(試験の間の細胞障害性化学療法剤のその後の使用は許可される。)。他の除外基準には、精巣除去範囲(≧50ng/ml)を超える「訪問1」での血清テストステロンレベル、「訪問2」の3ヵ月以内に骨への放射線治療の使用(放射性同位体の使用を含む)、および過去または現在(「訪問2」までおよび「訪問2」の際)の細胞障害性化学療法剤の使用(担当医の裁量で、「訪問2」以後の試験の間、細胞障害性化学療法剤の使用が許可される。)が含まれる(2.3.2.の欄参照)。
【0066】
患者は、二重盲検様式でランダム化され、抗新生物薬治療に加えて、3週間ごとに、4mgのゾレドロネートを静脈内に、8mgのゾレドロネートを静脈内に、またはプラセボを静脈内に点滴される。ランダム化処置の割り当て比率は、1:1:1にすべきである。さらに、すべての患者に、試験の間毎日、500mgのカルシウムを経口的に、および総合ビタミン錠剤(400〜500I.U.のビタミンDを含む)を投与すべきである。
【0067】
骨格関連事象(SRE)の発生を、少なくとも1つのSREを経験している患者の割合、最初のSREまでの時間、および骨の罹病率を測定するために、それぞれの患者について試験の間、収集する(セクション4参照)。骨における疾患の進行の時間を、連続的な骨放射線学的検査の観察により、本部で(中央放射線学者)評価する。
【0068】
疾患の全体的な進行時間を、患者の担当医により;連続的骨放射線学的試験の中央評価(中央放射線学者)を評価することにより;存在する場合には、非骨格性腫瘍部位の適当な連続放射線学的試験の中央評価(中央放射線学者)を評価することにより;連続血清PSAレベルを評価することにより;患者の体重の連続的測定を評価することにより、測定される。クオリティーオブライフ、一般状態、保健上の利用性および生産性阻害のデータ、疼痛、ならびに鎮痛剤の使用スコアを、試験の間、連続的に測定する。この情報は、また、試験へのランダム化の日から24ヵ月以内に、積極的治療を中断した患者に対しても収集される。患者の臨床過程の間に起きる有害事象についての情報が、試験の間に収集される。
【0069】
試験手順は、ベースライン評価を行うために最長14日まで続き得る、ランダム化前スクリーニング訪問(「訪問1」)により開始される。ランダム化は、適格基準を満たし、そしてすべてのスクリーニング評価が完了した後に、薬物投与を試験する前に、「訪問2」にて行われる。該試験は、2つのフェーズ、すなわち、有効性および安全性のフェーズであるフェーズ1、および延長フェーズであるフェーズ2からなる。主な有効性の分析は、フェーズ1、すなわち、有効性および安全性のフェーズの完了にて行われ、これは60週(20サイクル)の試験処置からなる。フェーズ2は、さらに36週(12サイクル)の試験治療からなる。フェーズ2の主な目的は、長期間のゾレドロネート処置の安全性および生存データを得ることであるが、有効性のデータも続けて収集される。プロトコール登録基準を満たす519人の患者(処置群ごとに173人の患者)を得るために、少なくとも550人の患者を登録する。暫定的分析は計画されていない。
【0070】
患者は、試験中の骨格関連事象の発生または疾患の進行のみを理由として、試験中断されることはない。というのは、該試験は、試験の全期間(24ヵ月)にわたって起こる骨格事象の総数を評価するために設計されているからである。さらに、抗新生物薬治療は、患者に試験からの終了を引き起こすことなく、変更され得る。治療を中断する患者は、骨格関連事象、疾患の進行、抗新生物薬治療、保健上の利用性および生産性阻害、クオリティーオブライフ、疼痛、および鎮痛スコアのデータの収集に関する試験を続ける。
【0071】
生存性データを、該試験へとランダム化されたそれぞれの患者について収集し、そして、患者が試験を中断した後に、6カ月間隔にて、試験のための最後の患者の最初の訪問後の24ヵ月まで、収集される。
【0072】
下記の表は、試験計画を要約したものである:
【表5】
【0073】
試験の期間
患者登録のために許可された時間:12ヵ月
個々の患者の参加期間:
フェーズ1 15ヵ月(60週)
フェーズ2 9ヵ月(36週)
処置の総期間:24ヵ月(96週)
試験の総期間:36ヵ月。
【0074】
2.2. 試験集団
2.2.1 編入および除外基準
編入基準(Inclusion Criteria)
・署名されたインフォームドコンセント。
・18歳またはそれ以上の年齢の患者。
【0075】
・前立腺の癌腫の組織学的に確認された診断。
・患者は、骨への転移性疾患の客観的な証拠を有していなければならない。転移性骨疾患の客観的証拠とは、骨のスキャンでの増加した活性の多病巣(>3)として定義される。骨のスキャンでの増加した活性の3以下の病巣が存在する場合は、さらなる放射線学的または生検研究が、造骨性または骨溶解性悪性骨病変の存在を確認するために必要とされる。第一次選択ホルモン療法に対する完全な応答を達成し、そして彼らの現在の骨のスキャンが正常である患者は、骨転移が患者の臨床過程の間に示される限り、該試験における登録に適している。
【0076】
・患者は、第一次選択ホルモン処置(医学的または外科的精巣除去)での治療にもかかわらず、疾患の生化学的進行を示さなければならない。生化学的疾患進行は、次のように定義される:
少なくとも互いに2週間離れた、3つの連続して上昇した血清PSA測定。第3の血清PSA測定は、≧0.4ng/mlでなければならない。
【0077】
転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法は、次のように定義される:
最初のホルモンレジメンは、転移性前立腺癌を処置するために利用された。転移性疾患の臨床的証拠が存在しないときに設定されたネオアジュバントまたはアジュバントにおいてなされたホルモン療法は、該試験の目的の、転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法とはみなされない。
・患者は、0、1または2のECOG一般状態を有さなければならない。
【0078】
除外基準
・転移性疾患についての第一次選択ホルモン療法に対する最高の応答以後に発症した転移性骨疾患による骨疼痛。
・細胞障害性化学療法での過去または現在(「訪問2」の前および「訪問2」の際を含む)の処置(該試験の間の細胞障害性化学療法のその後の使用は許される)。
【0079】
・第一次選択ホルモン療法の、「訪問1」の前の第二次選択ホルモンレジメンへの変更(「訪問1」の間または該試験を通して、患者のホルモン療法のその後の変更は、除外基準またはプロトコール違反ではない)。
・精巣除去範囲(≧50ng/ml)を超えて上昇した(「訪問1」での)血清テストステロンレベル。
・「訪問2」の前の3ヵ月以内の、骨への放射線治療(放射性同位体を含む)。
【0080】
・過去にビスホスホネート剤での処置。
・ランダム化(「訪問2」)の日の前の2週間以内に、カルシトニン、ミトラマイシン、または硝酸ガリウムでの処置。
・ランダム化(「訪問2」)の日の前の30日以内に、他の治験薬(任意の適応症のために市販されていない薬物)の使用。
【0081】
・医学レジメンの非遵守の経歴、および信用できない可能性があるかまたは治験責任医師によりインフォームドコンセントを与えることが不可能であると判断された患者。
・血清クレアチニン濃度>3.0mg/dL(265μmol/L)。
・補正(血清アルブミンに合わせた)血清カルシウム濃度<8.0mg/dL(2.00mmol/L)または≧11.6mg/dL(2.90mmol/L)。
【0082】
・過去5年以内に、非メラノーマ性皮膚癌以外の他の任意の新生物の病歴。
・ランダム化の前6ヵ月に、重症心血管疾患(非管理のうっ血性心不全として定義される)、処置抵抗性高血圧、または症候性冠動脈疾患のエビデンスを有する患者。
【0083】
2.3. 処置
2.3.1. 治験薬および参照用治療
患者に、ゾレドロネートまたはプラセボを、5分間の静脈点滴として、3週間ごとに、24ヵ月間投与する。
【0084】
試験の間、患者は、500mgのカルシウムを経口的に、食事とともに毎晩投与される。カルシウムは、オープンラベル薬として治験施設により供給される。個々のパッケージは、「食事とともに毎晩1つ服用すること」という指示が添付されたラベルを有する。患者は、また、オープンラベル薬として治験施設により供給された総合ビタミン錠剤を、試験の間、毎朝経口的に投与される。個々のパッケージは、「食事とともに毎朝1つ服用すること」という指示が添付されたラベルを有する。
【0085】
試験薬支給物(ゾレドロネート)は、それぞれの施設の薬剤師に発送される。薬物は、オープンラベルの様式でパッケージングされる。薬物のラベルは、それぞれの国の法的要求を満たし、そしてその地域の言語で印刷されている。それらは、患者についての情報は全く供給しない。試験薬の保存条件は、薬物のラベルに記載される。
【0086】
薬物の名前および投与量は、それぞれのバイアルに提供される。
ゾレドロネートは、4mgの凍結乾燥バイアル(4000μg)で供給される。
試験薬は、試験の終了時にノバルティス(Novartis)に返却されるまで、それぞれの施設の鍵をかけた場所で保管される。薬剤師が、試験薬の調製に責任を負う。試験薬投与および各回の訪問で投与された量の資料は、すべての患者について維持される。
【0087】
再構成されたゾレドロネート溶液がすぐに使用され得ない場合、溶液は36〜46°F(2〜8℃)の温度で冷蔵されなければならず、そして8時間まで使用可能である。
【0088】
ゾレドロネートはガラスに結合し得るので、試験薬溶液はプラスチックのシリンジ、バッグ、およびチューブ内で調製されるべきである。ゾレドロネートは、5分の点滴として、それぞれの患者に静脈的に投与されるべきである。それぞれ4mgバイアルのゾレドロネートが、5mlの滅菌注射用水で再構成されるべきである。再構成された適当な容量のゾレドロネートを、点滴される総体積が50mlになるように、適当な容量の生理的(0.9%)正常食塩溶液と混合すべきである。それぞれの患者は、彼らが割り当てられた処置群に依存して、試験の間(「訪問2〜33」)を通して、同一の試験薬および投与量を投与される。
【0089】
処置群は:
・3週間ごとの、50mlの正常食塩溶液中の4mgのゾレドロネートの静脈内点滴+(毎日)食事とともに経口的に摂取される500mgのカルシウム、および毎日経口的に摂取される1錠の総合ビタミン剤。
・3週間ごとの、50mlの正常食塩溶液中の8mgのゾレドロネートの静脈内点滴+(毎日)食事とともに経口的に摂取される500mgのカルシウム、および毎日経口的に摂取される1錠の総合ビタミン剤。
・3週間ごとの、50mlの正常食塩溶液の静脈内点滴+(毎日)食事とともに経口的に摂取される500mgのカルシウム、および毎日経口的に摂取される1錠の総合ビタミン剤、
である。
【0090】
【表6】
【0091】
最初に、5分間の50ml点滴が使用された;これは、腎臓の安全性を増加させるために、15分間の100ml点滴に変更された。さらなるプロトコールの修正により、ゾレドロン酸8mg群の投与量が4mgに減少された。既に8mgを投与された患者は、その後の訪問で、投与量が減らされ、そして、新たに8mg群にランダム化された患者は、4mgのみ投与された。
【0092】
2.4. 付随的治療
次の処置が許される:
・市販の細胞障害性化学療法剤、ホルモン剤、ステロイド剤および生物学的応答調節剤を含む、標準的抗新生物薬療法。
・骨格外および/または骨格腫瘍部位を処置するための標準的放射線療法。
・標準的な市販のサイトカイン/コロニー刺激因子剤。
・破骨細胞活性に影響すると考えられるもの(例えば、カルシトニン、ミトラマイシン、硝酸ガリウム、他の任意のビスホスホネート)を除く、市販薬/療法。したがって、試験患者の医学的状態(例えば、骨粗鬆症または腫瘍による高カルシウム血症)が破骨細胞性骨吸収のインヒビターの使用を必要とすると担当医が判断する場合、その患者は、積極的な試験参加を中断し、そして骨格関連事象データについて追跡されるべきである(2.3.3.の欄参照)。
・化学療法剤による悪心/嘔吐を予防/処置するために使用されるコルチコステロイド療法。
・脊髄圧迫または他の認識された適応症についてのコルチコステロイド療法。
【0093】
3. 結果
少なくとも1つの骨格関連事象が、ゾレドロン酸4mg(N=214)および8/4mg(N=221)群における33.2%および38.5%の患者において起こり、一方、プラセボ群は44.2%であった(N=208、p=0.021および0.222 vs. プラセボ)。病的骨折は、ゾレドロン酸4mgおよび8/4mg群において13.1%および14.9%の患者に起こり、そして、プラセボ群において22.1%の患者に起きた(p=0.015およびp=0.054 vs. プラセボ)。最初の骨格関連事象までの時間の中央値はゾレドロン酸4mg群においては得られず、そして、8/4mg群およびプラセボ群においては、それぞれ、363および320日であった(p=0.011および0.491 vs. プラセボ)。15分間点滴として投与される4mgのゾレドロン酸は、十分に許容されるものであった。
【0094】
3週間ごとの、15分間点滴の4mgのゾレドロン酸は、ホルモン療法に対して抵抗性の転移性前立腺癌を有する患者における骨格関連事象を、有意に減少させる。
Claims (12)
- 前立腺癌の処置方法であって、このような処置を必要とする患者において、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法。
- 前立腺癌の処置用医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用。
- 哺乳動物における悪性疾患または病状に関連する造骨性転移を処置するためのN−ビスホスホネートの使用。
- 哺乳動物における悪性疾患または病状に関連する造骨性転移の処置用医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用。
- 前立腺癌に関連する転移の処置方法であって、このような処置を必要とする患者において、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法。
- 前立腺癌に関連する転移の処置を必要とする患者における、このような処置のための医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用。
- 前立腺癌患者における転移性前立腺癌に関連するSREを減少させる方法であって、有効量のN−ビスホスホネートを該患者に投与することを含んでなる方法。
- 前立腺癌患者における転移性前立腺癌に関連するSREを減少させるための医薬の製造におけるN−ビスホスホネートの使用。
- N−ビスホスホネートが次の化合物:
3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸(パミドロン酸)、例えば、パミドロネート(APD);3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、ジメチル−APD;4−アミノ−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸(アレドロン酸)、例えば、アレドロネート;1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)−プロピリデン−ビスホスホン酸、イバンドロン酸、例えば、イバンドロネート;6−アミノ−1−ヒドロキシヘキサン−1,1−ジホスホン酸、例えば、アミノ−ヘキシル−BP;3−(N−メチル−N−n−ペンチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、メチル−ペンチル−APD(=BM 21.0955);1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、ゾレドロン酸;1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)エタン−1,1−ジホスホン酸(リセドロン酸)、例えば、リセドロネート;ならびにこれらのN−メチルピリジニウム塩、例えばNE−10244またはNE−10446のようなヨウ化 N−メチルピリジニウム;3−[N−(2−フェニルチオエチル)−N−メチルアミノ]−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸;1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1,1−ジホスホン酸、例えば、EB 1053 (Leo);1−(N−フェニルアミノチオカルボニル)メタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、FR 78844 (Fujisawa);5−ベンゾイル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3,3−ジホスホン酸 テトラエチルエステル、例えば、U-81581 (Upjohn);および1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えば、YM 529:
あるいは薬学的に許容されるこれらの塩、または任意の水和物の1つである、請求項9に記載の方法または使用。 - 本発明において使用するためのN−ビスホスホネートが2−(イミダゾール−1イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(ゾレドロン酸)または薬学的に許容されるその塩である、請求項1に記載の方法または請求項2に記載の使用。
- 前立腺癌患者の処置方法であって、N−ビスホスホネートおよび異なる抗前立腺癌剤または抗前立腺癌治療との組合せ処置を含んでなる方法。
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