JP2004527435A - プロセスストリーム中の水分濃度の調節方法 - Google Patents

プロセスストリーム中の水分濃度の調節方法 Download PDF

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Abstract

フッ素含有材料との反応によるHF製造プロセスにおける酸供給ストリーム中の水分濃度を調節する方法を提供する。該方法は、(a)結合水及び遊離水を含む酸供給ストリームを提供し;(b)該供給ストリーム中にプローブを提供することによって酸供給ストリーム中の結合水及び遊離水の濃度を見積もり;そして(c)該見積工程に基づいて該プロセスストリーム中の遊離水濃度を調整することを含む。

Description

【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2001年1月19日に米国特許庁に出願された米国仮出願第60/262,818号に基づく優先権を主張し、本明細書中に引用して援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、低pHのプロセスストリーム(process stream)のような腐食性及び/又は浸食性プロセスストリームの含水量を制御する方法に関し、より詳細には、酸性供給ストリームに含まれるフッ化水素(“HF”)の製造法に関する。
【背景技術】
【0003】
フッ化水素酸(“HF”)の商業的製造法は、典型的には、ホタル石といったフッ化物含有材料と酸供給ストリーム(酸(例えば硫酸)が多く含まれるのが通常である)との混合物を加熱し、HFが多く含まれる気体反応生成物を生成することからなる。このようなプロセスは、以下の米国特許:第4,292,289号及び第3,167,391号のそれぞれに開示されており、該各特許は引用によって本明細書に援用する。多くの場合、酸供給ストリームは酸の混合物を含み、その酸混合物は、高比率の硫酸と低比率のフッ化水素酸及びフルオロスルホン酸(フルオロ硫酸)を含むことが多い。酸供給ストリームは典型的には水も含有する。このようなHF製造プロセスの効率と効果は、酸供給ストリーム中の相対水分量と相関がある。
【0004】
酸混合物中に含有される水の少なくとも一部は、以下の式1に示す3種類の酸混合物が関与する平衡反応を通じて生成する。
2SO4+HF ←→ HSO3F+H2O (1)
このような反応によって生成する水は、反応に“結合(bound)”していると言われ、高品質の製品を確保するため、一般的に酸混合物中に残存する必要がある。“結合水”が前述の酸混合物から除去されるにつれて、反応はフルオロスルホン酸の生成の方向に進み、結果として該製造プロセスで生成するHFは、望ましくない多量のフルオロスルホン酸及び他の不要不純物を含有する傾向にある。従って、酸供給ストリームからの“結合”水の除去は、一般にHF製品の品質低下を招く。
【0005】
それに加え、前述の酸混合物は、一般的にいくらかの量の“遊離水(free water)”を含有する。つまり遊離水とは、平衡濃度を上回る量で存在する水のことである。遊離水は酸供給ストリームに様々な経路で導入される;例えば、汚染された酸材料、大気の漏れ、リサイクルされるプロセスストリーム、メンテナンスのためのインライン中断などである。このような遊離水は一般に望ましくない。例えば、酸供給材料に遊離水を含まない反応の場合と比較して、酸供給材料に遊離水が存在すると、HFの製造に使用される反応容器、加熱炉及び他の装置に浸食性及び腐食性のプロセス反応が生じる。
【0006】
残念なことに、少なくとも一部には前述の酸混合物が高腐食性であるという理由のために、従来の酸供給ストリーム中の含水量の調節法は比較的不正確で時間もかかりがちである。例えば、酸混合物中の水分量を制御する従来法の一つは、“HF/H2SO4/FSO3H/H2O溶液の組成の測定法(Procedure for the Determination of the Composition of HF/H2SO4/FSO3H/H2O Solutions) ”,La Chimica e l’Industria,62/3(1980)pp.189−192,L.Marangoni及びR.Madiolo(本明細書に引用して援用する)に開示される通り、水分濃度を計算する工程を含む。この計算法は、HF製造プロセス中に酸供給材料からサンプルを取り出し、該サンプルを二つの滴定処理と一つの蒸留処理にかける必要がある。これらの処理工程に基づき、遊離水の量を混合物中の水と酸成分の計算濃度に基づいて見積もる。次にシステムオペレータが、これらの見積値を独自に判断してプロセスの最適化を行う。
【0007】
しかしながら、Marangoni及びMadioloの論文で指摘されている通り、前述の方法において含水量の制御に使用される濃度は、3種類の分析法各々の不精密さを反映する不正確な値である。従って、先行技術の方法で水分濃度を制御すると、不正確で不精密になりがちである。それに加え、前述の方法は、説明した通りサンプルの取り出しと分析とに相当の時間を要する。従って、採用される何れの制御対策も、サンプリングとプロセス変更の実際の実行との間に望ましくないほど長い時間間隔があるため、非効果的であり又は実際には不都合な場合がある。
【0008】
本発明者らは、先行技術のこれら及びその他の欠点を認識し、酸供給ストリームの水分濃度を制御する新規で効率的でより正確な方法が求められていると考えた。これら及びその他の目的は以下に記載の通り本発明によって達成される。
【発明の開示】
【0009】
詳細な説明
本発明者らは、非常に腐食性及び/又は浸食性のプロセスストリーム中の水分濃度を調節するのに特に好都合な方法を発見した。その方法では、プロセスストリーム中の水分濃度が、それが使用されるプロセスの効果又は効率に影響を及ぼす。好ましい態様において該方法は、(a)腐食性及び/又は浸食性のプロセスストリームを提供する工程と;(b)該プロセスストリーム中にプローブを提供することによってプロセスストリーム中の水分濃度を見積もる工程と;そして(c)該見積工程に基づいて該プロセスストリーム中の水分濃度を調整する工程とを含む。好ましい態様によれば、該プローブは、該プロセスストリームと相互作用し;該相互作用に基づく、そしてプロセスストリーム中の水分濃度に関数的に関連する(functionally related)情報シグナルを発生する;手段を含む。該見積工程が、好ましくは該情報シグナル又はそれに基づいたシグナルをコンピュータのような計算手段に入力することによって、該プローブと該プロセスストリーム間の相互作用に基づく該プロセスストリーム中の見積水分濃度を電子的に計算することを含むことも好ましい。
【0010】
本発明の一態様の重要な側面は、プロセスストリームとの相互作用と情報シグナルの発生との時間間隔(本明細書中では“ドウェル時間”とも呼ぶ)が非常に短いプローブの使用である。そのようなプローブを電子計算手段と組み合わせると、従来法に優る数多くの利点が得られる。例えば、サンプルの抽出と封じ込め、及びオフラインでのサンプル分析を必要とする先行技術の方法はドウェル時間が長い(例えば、およそ数時間程度)ので、プロセス調整が比較的不十分である。本発明の好ましい側面は、そのような供給ストリームの水分濃度を迅速に測定し制御するための非常に正確な手段を提供する。このことは、ひいては高品質の製品の製造を可能にし、システム装置に必要なメンテナンスの削減に役立つ。
【0011】
酸供給ストリームの提供
本発明の好ましい態様によれば、第一の工程は1種類以上の酸と水との混合物を含む供給ストリーム、好ましくは本質的に該混合物からなる供給ストリームを提供することである。出願人は、苛性ストリームを含む様々な腐食性及び/又は浸食性供給ストリームの使用を想定しているが、好ましい態様において該供給ストリームは、HFの製造に頻用される硫酸、HF、フルオロスルホン酸及び水を含む高酸性ストリームである。該式1に示す通り、そのような酸混合物における酸と水は平衡状態になりやすい。
【0012】
本発明によれば、好ましい酸混合物は任意の入手源から提供されうる。一定の好ましい態様では、提供工程(a)は、供給ストリームを、本発明のプローブ(好ましくは一貫した酸製造設備(例えばHF製造設備の一部)である)に直接的又は間接的にアクセス可能にすることを含む。知られているように、多数の現行のHF設備は、硫酸、HF、フルオロスルホン酸及び水を含む複数成分の酸混合物を含む反応生成物ストリームを生成するが、多くの場合それは硫酸供給ストリームに導入される。
【0013】
本発明による腐食性供給ストリームとは、気相ストリーム、液相ストリーム、又は液相と気相の組合せであり得る。好ましい態様において、供給ストリームは液相ストリームである。
【0014】
酸混合物の水分濃度の決定
供給ストリーム中の水分濃度を決定し又は見積もる工程は、好ましくはインライン測定システムを用いて供給ストリーム中の水分濃度を測定することを含む。一般的に、本発明のインライン測定システムは、供給ストリームの腐食性環境中での測定が可能な任意のインラインデバイス(1個又は複数個)を含みうる。本明細書中で使用される“インライン”デバイスという語句は、少なくともデバイスの一部が供給ストリーム又は供給ストリームの代表的なサンプリングと接触しているデバイスを指し、該サンプリングは実質的に供給ストリームと近接及び/又は液体連通している。
【0015】
好ましい態様において、該インラインデバイスはプローブを含み、そのプローブは実質的に継続して、更に好ましくは直接的な人為的介入なしに、供給ストリーム又はそのサンプルに露出されている。本発明によるインライン測定システムには任意の様々なプローブが使用できる。例えば、1998年のApplied Systemsの“Sampling Technology”のパンフレット(本明細書に引用して援用する)には、本発明での使用に適した、Process IR及びDiComp ATRセンサといったATRプローブが記載されている。好ましくは、本発明で使用するプローブは、酸供給ストリームと相互作用するための手段、プローブと供給ストリームとの相互作用に基づいて情報シグナルを発生するための手段、又はそれらの組合せを含む。供給ストリームと相互作用する手段は、センサ面、チャンバーなどを含みうる。情報シグナルを発生するための手段はプロセッサなどを含みうる。
【0016】
本発明で使用するインライン測定システムには、プローブ以外の“インライン”デバイスが含まれる他の測定装置を含んでもよい。本発明での使用に適した他の測定デバイスには、インライン赤外(“IR”)又は近赤外アナライザなどが含まれ、特にATRプローブを備えうるデバイス、並びに安全遮断弁及び環境制御装置が含まれる。本発明での使用に適した様々な測定装置が市販されている。例えば、1998年のApplied Systemsの“Sampling Technology”のパンフレットには、Applied Systemsから入手できる赤外アナライザ、並びに“X−Purge”といった安全遮断弁及び環境制御装置が記載されている。
【0017】
本発明の一定の好ましい態様において、インライン測定システムは、ATRセンサプローブを備えたIRアナライザを含む。更に好ましくは、本発明の測定装置は、ダイヤモンド表面を有するATRプローブ又はセンサを備えたIRアナライザを含む。更により好ましくは、本発明の測定システムは、ダイヤモンド表面を有するATRプローブを備えたIRアナライザ、安全遮断弁及び環境制御装置を含む。
【0018】
ある好ましい態様において、本発明の測定システムはさらにプロセッサを含む。本発明では任意の様々なプロセッサが使用できる。当業者は、該プロセッサが大抵の場合コンピュータを含むと認識するであろうが、マイクロプロセッサ、ステートマシーン又は他のアナログもしくはデジタルプロセシング回路のような他のプロセッサを使用してもよい。本発明での使用に好ましいプロセッサには、IRプローブ/アナライザといったインライン測定装置からの情報シグナルを受け取り、供給ストリーム中の総水分濃度(好ましくは遊離水の濃度を含む)を計算できるものが含まれる。本発明での使用に好ましいプロセッサの例は、パーソナルコンピュータ(“PC”)、プログラマブルロジックコントローラ(“PLC”)、及び分散制御システム(“DCS”)を含む。
【0019】
一定の好ましい態様では、本発明の測定システムは、酸混合物中の水分濃度の測定に使用するために2以上のプロセッサを含む。例えば、図1に、本発明の一態様に従ってIRアナライザ11、PC12、PLC13、及びDCS14を含む測定システム10を示す。図1のアナライザ11は、酸混合物(図示せず)のインライン測定による生のIRデータを出力する。生のIRデータはPC12に転送され、そこでデータは酸混合物の総水分濃度データに変換される。総水分濃度データはデジタルデータとしてPLC13に転送され、そこでアナログデータに変換される。次にアナログデータはDCS14に転送され、そこで遊離水及び結合水の濃度が計算される。次に、この遊離水及び結合水の濃度を、本発明による酸混合物中の水分濃度調節のための基礎として使用される。
【0020】
本発明の測定システムは、供給ストリーム中の含水量を開ループ制御又は閉ループ制御、好ましくはコンピュータ制御で使用するために構成できる。例えば、図1に示したシステムでは、IRプローブから発生する情報シグナルはDCSに伝送される。開ループ制御では、DCSはデータから計算したデータ又は情報を例えばコンピュータモニタ上に表示しうるので、オペレータはその情報を読みとり、システムから水を除去するためにシステムに変更を加えることができる。閉ループ制御では、DCSはIRからデータを受け取り、含水量を制御するための必要な変更を、オペレータによる介入なしで自動的にシステムに加える。一定の好ましい態様において、測定システムは閉ループシステムで使用するように構成される。
【0021】
本発明の測定システムは、様々な腐食性環境で使用するため特別に較正され、プロセス強化(process harden)されうる。例えば、酸混合物が前述の4成分混合物を含む本発明の態様においては、測定システムは酸混合物中の4種の濃度を計算できるように較正しうる。さらに、測定システムの装置は、酸混合物の腐食性に対して比較的不活性な材料で製造又は被包することができる。例えば、IRプローブ/アナライザはステンレススチールのボックスで保護し、アナライザに対する腐食損傷を回避することができる。システムのデバイスは追加の電源を使用することもできる。本開示に照らして、当業者は本発明に使用する検量されプロセス強化された(process-hardened)測定システムを過度の実験をせずとも容易に構成することができるであろう。
【0022】
本発明による測定システムの使用は供給ストリーム中の水分の“リアルタイム”の制御を可能にする。本発明の測定システムはインラインでの使用に適応され、また極めて短いドウェル時間(例えば1分未満又は更に1秒未満)を持つように構成できるため、分析データは非常に迅速に計算及びアップデートできる。
【0023】
供給ストリーム中の水分濃度の調整
本発明の調整工程は、一般的に、見積工程で決定された水分濃度に基づいて供給ストリーム中の水分濃度を調整することを含む。見積工程(b)で水分濃度、特に酸混合物中の遊離水の濃度が測定されると、その見積濃度を用いて一つ以上の操作パラメータを調整し、供給ストリーム中の水分濃度に影響を行使する。例えば、見積工程で供給ストリームに所望濃度を超える水の含有が示された場合、調整工程は、例えば供給ストリームを乾燥工程にかけることによって該供給ストリーム中の水分量を減少させることを含みうる。逆に、見積工程で供給ストリームに所望濃度未満の水しか含有されていないことが示された場合、調整工程は、例えば供給ストリームに追加の水を導入することによって該供給ストリーム中の水分量を増加させることを含みうる。
【0024】
本発明では酸混合物中の水分濃度を減少させる任意の方法が使用できる。本発明での使用に適した減少法の例には、酸混合物に乾燥剤を導入すること、又は酸混合物をモリキュラーシーブ乾燥器に通すことを含む。好ましくは、本発明による水分除去法は乾燥剤を酸混合物に加えることを含む。
【0025】
本明細書中で使用する“乾燥剤”という語句は、遊離水を含有する酸混合物に加えた場合に該酸混合物中の遊離水濃度を低減させる任意の材料のことである。本発明での使用に適した乾燥剤の例は、発煙硫酸、塩化チオニルなどを含む。好ましくは、本発明で使用される乾燥剤は発煙硫酸である。発煙硫酸は、4成分酸混合物中の水分制御に使用するのに特に好ましい乾燥剤である。なぜならば、硫酸とSO3を含む発煙硫酸は、式2に示すように、水を硫酸に転化することによって水分濃度を低減させるように作用するからである。
H2O+SO3→H2SO4 (2)
これは、硫酸が酸混合物中の望ましい試薬であるHF製造に用いる水分制御に特に有用である。
【0026】
本発明の乾燥剤は、酸混合物に、液相ストリーム、気相ストリーム、又は液相と気相ストリームの混合物として添加できる。好ましい態様において、乾燥剤は液相ストリームである。
【0027】
本発明には任意の適切な量の乾燥剤が使用できる。好ましくは、使用される乾燥剤の量は、工程(b)で決定された遊離水濃度よりも低い遊離水濃度を含む“乾燥”酸混合物を形成するに足る量である。より好ましくは、使用される乾燥剤の量は、総水分濃度が酸混合物中の結合水の濃度とほぼ等しい乾燥酸混合物を形成するに足る量である。
【0028】
特に好ましい態様において、本発明の低減工程は、実質的にすべての遊離水を硫酸に転化するに足る量の発煙硫酸を酸混合物に添加することを含む。本明細書中で使用する“実質的にすべて”という語句は、酸混合物中の遊離水の少なくとも約80重量%を意味する。
【0029】
HFの製造
前述の通り、本発明はHFの製造に非常に有利に使用できる。一般的に、HFの製造法は、(a)酸供給ストリームを提供し;(b)インライン測定システムを用いて該酸供給ストリーム中の遊離水濃度を測定し;(c)工程(b)で測定した水分濃度に基づいて該酸供給ストリーム中の水分濃度を調整し;(d)該調整した酸供給ストリームをホタル石と反応させてフッ化水素酸を形成させる;工程を含む。
【0030】
本方法の提供工程(a)、測定工程(b)及び調整工程(c)は前述のように実施される。反応工程(d)は、一般的に、当該技術分野で周知の通り、工程(c)で形成された乾燥酸混合物をホタル石と混合して反応混合物を形成させる工程と、該反応混合物を加熱してHFを形成させる工程とを含む。
【実施例】
【0031】
説明のために、本発明を以下の実施例と関連させて記載するが、これらに制限されるものではない。
【0032】
実施例1
本実施例で、腐食性の4成分酸混合物中に存在する硫酸、フルオロスルホン酸、フッ化水素酸及び水の量の見積に関する本発明の効果を説明する。
異なる重量の硫酸、フルオロスルホン酸、フッ化水素酸及び水を含む17個の検量標準(A−Q)を用意した。4つの各成分の実重量%(標準溶液の総重量に基づく)は、加えた材料の既知重量を基に各標準について計算した。これらの計算値をイオンクロマトグラフィーで確認した。
【0033】
各標準の赤外スペクトル(650−4000cm−1)を、Applied SystemsのDiComp ATRプローブを備えたProcess IR MP赤外アナライザを用いて測定した。赤外データをコンピュータに転送し、そこで4成分の各重量%を部分最小二乗アルゴリズムを用いて見積もった。
標準(A−Q)の実重量%と見積重量%を表1に示す。図2は、見積重量%に対してプロットした実重量%のグラフ図である。
【0034】
【表1−1】
Figure 2004527435
【0035】
【表1−2】
Figure 2004527435
【0036】
実施例2
本実施例で、本発明のプロセス能力(process capability)を説明する。
プロセスの能力指数(capability index of the process)(Cp)は、プロセスの不調で系内の遊離水の量に移動(シフト)があることを考慮し、遊離水に関して規格限界内にとどめるプロセスの能力の比較測定である。能力指数が高いほど、プロセスの遊離水の量の移動を処理する能力が高いことを示す。プロセスのCpkは、プロセスの遊離水の分布がいかによくプロセス限界内に集中しているかの指標である。Cpkが高いほど、より中央に集中した望ましい分布を示す。
【0037】
本発明のプロセスのCp及びCpkは以下に記載の通り測定した。HF製造用に構成され本発明に従って調整された系の4成分酸供給材料を、Applied SystemsのDiComp ATRプローブを備えたProcess IR MP赤外アナライザを用いて12日間モニターした。3種類の各酸、総水分及び遊離水の重量%(4成分混合物の総重量に基づく)を毎時間見積もった。プロセスデータ、観察された性能、実験的“限界内”性能、及び実験的“総”性能のデータを表2に示す。
【0038】
図3は、12日間にわたって収集した遊離水濃度データのヒストグラフである。グラフ上に示されているのは、HF製造システムにおける遊離水含有量の規格下限(“LSL”)(−1.0重量%の遊離水)と規格上限(“USL”)(1.0重量%)である。図3に示されている通り、遊離水の重量%分布は規格限界内であり、わずかに負に偏っているものの比較的中央に集中している。プロセス能力指数Cp及びCpkは、既知の方法で計算してそれぞれ4.25及び3.68であった。
【0039】
【表2】
Figure 2004527435
【0040】
比較例1
本比較例で、遊離水含有量の見積に従来の推論モデルを用いて調節したプロセスのプロセス能力を示す。
テキサス州ダラスのAspen Techによって作成された推論モデルを用いて調節されたHF製造システムの酸供給材料中の遊離水の重量%(4成分混合物の総重量に基づく)を14日間毎時間見積もった。プロセスデータ、観察された性能、実験的“限界内”性能、及び実験的“総”性能のデータを表3に示す。
【0041】
図4は、14日間にわたって収集した遊離水濃度データのヒストグラフである。グラフ上に示されているのは、HF製造系における遊離水含有量の規格下限(“LSL”)(0.0重量%の遊離水)と規格上限(“USL”)(2.0重量%)である。図4に示されている通り、遊離水の重量%分布の相当部分が規格上限の外側にあり、分布は限界内に集中していない。プロセス能力指数Cp及びCpkは、公知法で計算してそれぞれ2.77及び0.37であった。
【0042】
【表3】
Figure 2004527435
【0043】
実施例3
本実施例でHF製造プロセスにおける含水量を調整する本方法の効果を説明する。
図5は、HF製造プロセスからいくつかの異なる方法で収集したプロセスデータのグラフ図20である。線21は、本発明のインラインアナライザで計算した、プロセスの4成分酸ストリーム中の遊離水の重量%の16時間にわたる見積である。線22は、テキサス州ダラスのAspen Tech作成の推論モデルで計算した、プロセスの4成分酸ストリーム中の遊離水の重量%の16時間にわたる見積である。線23と24は、プロセスの遊離酸ストリームへの発煙硫酸供給のストリーム速の測定を示す。線25は、含水量の見積に推論モデルで使用されるキー温度の測定である。
【0044】
図5に“アナライザ始動”というキャプションで示されているのは、本発明のインラインアナライザがHF製造プロセスの含水量の調節を最初に実行した時点である。その時点以前は、含水量は推論モデルによる見積に基づいて調節されていた。本発明のアナライザの実行以前は、インラインアナライザ及び推論モデルのいずれによる見積でも水分量の測定値に相当の変動がある。系の水分をインラインアナライザを用いて調整すると、インラインによる測定値は0.0%の遊離水のセットポイント付近に、推論モデルは1.6%付近に落ち着く。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の一態様による測定システムを示す図である。
【図2】図2は、見積重量%に対してプロットした実重量%のグラフである。
【図3】図3は、本発明の方法に従って12日間にわたって収集した遊離水濃度データを示すヒストグラフである。
【図4】図4は、従来法に従って14日間にわたって収集した遊離水濃度データを示すヒストグラフである。
【図5】図5は、HF製造プロセスのいくつかのプロセスデータを示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10 測定システム
11 IRアナライザ
12 PC
13 PLC
14 DCS

Claims (10)

  1. (a)酸、結合水及び遊離水を含む酸供給ストリームを提供し;
    (b)該酸供給ストリーム中の結合水及び遊離水の濃度を、該供給ストリームの少なくとも一部分にプローブを提供することによって見積もり;そして
    (c)該見積工程に基づいて該酸供給ストリーム中の遊離水の濃度を調整する
    工程を含む、
    フッ素含有材料との反応によるHF製造プロセスにおける酸供給ストリーム中の水分濃度を調節する方法。
  2. 該プローブが、該酸供給ストリームの該部分と相互作用し、該相互作用に基づいて情報シグナルを発生する、請求項1に記載の方法。
  3. 該情報シグナルが、酸供給ストリーム中の水分濃度に関数的に関連し;該見積工程が、該プローブと該酸供給ストリーム間の相互作用に基づいて、該酸供給ストリーム中の見積水分濃度を電子的に計算することを含む;請求項2に記載の方法。
  4. 該プローブがダイヤモンドチップのATRプローブを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 該供給ストリーム中の該酸が、硫酸、フッ化水素酸、及びフルオロスルホン酸を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 該調整工程が、該供給ストリーム中の実質的にすべての該遊離水を硫酸に転換するのに十分な量の発煙硫酸を導入することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. (a)酸を提供し;
    (b)インライン測定システムを用いて該酸中の水分濃度を測定し;
    (c)工程(b)で測定された水分濃度に基づいて該酸の水分濃度を調整する;
    工程を含む、酸の含水量を制御する方法。
  8. 該酸が、硫酸、フッ化水素酸、フルオロスルホン酸、及び水を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 該調整工程(c)が、該酸混合物に乾燥剤を加え、工程(b)で決定された濃度よりも低い遊離水濃度を含む乾燥酸混合物を形成することを含む、請求項8に記載の方法。
  10. (a)硫酸、フッ化水素酸、フルオロスルホン酸、及び水を含むストリームを提供し;
    (b)該ストリーム中の遊離水及び結合水の濃度を、コンピュータと、ダイヤモンドチップのATRプローブを備えた赤外アナライザとを含むインライン測定システムを用いて測定し;
    (c)該見積工程に基づいて該酸供給ストリーム中の遊離水の濃度を調整する工程と
    を含む、フッ化水素酸の製造法。
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