JP2004527202A - 新規ポリヌクレオチドおよびそれにコードされるポリペプチド - Google Patents

新規ポリヌクレオチドおよびそれにコードされるポリペプチド Download PDF

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Abstract

本発明は、単離されたNOVXポリペプチド、ならびにNOVXポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、およびNOVXに免疫特異的に結合する抗体、またはNOVXポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗体の任意の誘導体、改変体、変異体またはフラグメントを提供する。本発明はさらに、NOVXポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび抗体が、広範な病理学的状態の検出および処置、ならびに他の用途に使用される方法を提供する。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、核酸およびそれらによってコードされるポリペプチド、ならびにそれらの核酸およびポリペプチドの使用方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
真核生物細胞は、膜によって複数の機能的に異なる区画に細分され、これらは、オルガネラと呼ばれている。各オルガネラは、その適切な機能について必須であるタンパク質を含む。これらのタンパク質は、しばしばソーティングシグナルと呼ばれる配列モチーフを含み得る。このソーティングシグナルは、適切な細胞オルガネラに対してそのタンパク質を標的化することを補助し得る。さらに、ソーティングシグナルは、いくつかのタンパク質が細胞外に搬出または分泌されることを指向する。
【0003】
1つのタイプのソーティングシグナルは、シグナル配列(シグナルペプチドまたはリーダー配列とも呼ばれている)である。このシグナル配列は、新たに合成されるポリペプチド鎖上にアミノ末端拡張として存在する。シグナル配列は、小胞体(ER)と呼ばれる細胞内オルガネラへタンパク質を標的化する。
【0004】
シグナル配列は、多くのタンパク質同士およびタンパク質−脂質の相互作用に関与し、これは、シグナル配列を含むポリペプチドを、ERにおけるチャネルを介して転位させる。転位後、膜結合酵素(シグナルペプチダーゼと呼ばれる)は、成熟タンパク質をシグナル配列から遊離させる。
【0005】
ERは、膜結合タンパク質と分泌タンパク質とを、細胞質に残るタンパク質から分離するように機能する。一旦ERに標的化されると、分泌および膜結合の両方のタンパク質は、ゴルジ装置と呼ばれる別の細胞オルガネラへとさらに再分配され得る。そのゴルジは、ベシクル、リソソーム、原形質膜、ミトコンドリアおよびマイクロボディのような他の細胞オルガネラに対してタンパク質を指向させる。
【0006】
分泌タンパク質および膜結合タンパク質は、多くの生物学的に多様な活性に関与する。公知の分泌タンパク質の例としては、ヒトインスリン、インターフェロン、インターロイキン、トランスフォーミング増殖因子β、ヒト成長ホルモン、エリスロポエチンおよびリンホカインが挙げられる。ヒト膜結合タンパク質および分泌タンパク質をコードする限定された数の遺伝子のみが、同定されている。
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、新規のポリペプチド(分泌および膜結合ポリペプチドを含む)をコードするオープンリーディングフレームを含む核酸、ならびにそれらによってコードされるポリペプチドの発見に部分的に基づく。核酸およびポリペプチドを、本明細書中でまとめて「NOVX」という。
【0008】
従って、1つの局面において、本発明は、単離された核酸分子(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43または45)を提供する。これらは、新規のポリペプチド、あるいはそれらのフラグメント、ホモログ、アナログまたは誘導体をコードする。核酸としては、例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のアミノ酸配列を含むポリペプチドに、少なくとも85%同一なポリペプチドをコードする核酸もまた含まれ得る。核酸は、例えば、ゲノムDNAフラグメントまたはcDNA分子であり得る。
【0009】
本明細書中に記載される1以上の核酸を含むベクター、および本明細書中に記載されるベクターまたは核酸を含む細胞もまた本発明に含まれる。
【0010】
本発明はまた、上記の任意の核酸分子を含む組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞に関する。
【0011】
別の局面において、本発明は、NOVX核酸および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む薬学的組成物を含む。
【0012】
さらなる局面において、本発明は、実質的に精製されたNOVXポリペプチド(例えば、NOVX核酸によってコードされるNOVXポリペプチド、ならびにそれらのフラグメント、ホモログ、アナログ、および誘導体のいずれか)を含む。本発明はまた、NOVXポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む薬学的組成物を含む。
【0013】
なおさらなる局面において、本発明は、NOVXポリペプチドに特異的に結合する抗体を提供する。抗体は、例えばモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、ならびにそのフラグメント、ホモログ、アナログ、および誘導体であり得る。本発明はまた、NOVX抗体および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む薬学的組成物を含む。本発明はまた、上記の任意の核酸分子によってコードされるポリペプチド上のエピトープに結合する単離された抗体に関する。
【0014】
本発明はまた、上記の任意の薬学的組成物を備えるキットを含む。
【0015】
本発明はさらに、NOVX核酸(例えば、NOVX核酸を含むベクター)を含む細胞を提供し、そしてこの核酸によってコードされるNOVXポリペプチドを発現するのに十分な条件下で細胞を培養することによって、NOVXポリペプチドを産生する方法を提供する。次いで、発現されたNOVXポリペプチドをこの細胞から収集する。好ましくは、この細胞は内因性NOVXポリペプチドをほとんど産生しないか、または全く産生しない。この細胞は、例えば、原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。
【0016】
本発明はまた、サンプルを、ポリペプチドまたは核酸に特異的に結合する化合物と接触させ、そして存在する場合、複合体形成を検出することによって、サンプル中のNOVXポリペプチドまたは核酸を同定する方法に関する。
【0017】
本発明はさらに、NOVXポリペプチドを化合物と接触させ、そしてNOVXポリペプチド活性が変更されたか否かを決定することによって、NOVXポリペプチドの活性を調節する化合物を同定する方法を提供する。
【0018】
本発明はまた、NOVXポリペプチドを化合物と接触させ、そしてこの化合物が、NOVXポリペプチドの活性を変更するか否かを決定することによって同定されるNOVXポリペプチド活性を調節する化合物に関する。この核酸は、NOVXポリペプチドに結合するか、またはNOVXポリペプチドをコードする核酸分子に結合する。
【0019】
別の局面において、本発明は、被験体におけるNOVX関連障害の存在または素因を決定する方法を決定する。この方法は、被験体由来のサンプルを提供し、そして被験体サンプルにおけるNOVXポリペプチドの量を測定する工程を包含する。次いで、被験体サンプルにおけるNOVXポリペプチドの量を、コントロールにおけるNOVXポリペプチドの量と比較する。コントロールタンパク質サンプルにおけるNOVXポリペプチドの量と比較した被験体タンパク質サンプルのNOVXポリペプチドの量の変化は、この被験体が組織増殖関連状態を有することを示す。コントロールサンプルは、好ましくは、一致した個体(すなわち、類似の年齢、性別、または他の一般的な状態の個体であるが、組織増殖関連状態を有すると疑われない)より採取される。あるいは、コントロールサンプルは、被験体が組織増殖関連障害を有すると疑われない時に、その被験体より採取され得る。いくつかの実施形態において、NOVXは、NOVX抗体を使用して検出され得る。
【0020】
さらなる局面において、本発明は、被験体におけるNOVX関連疾患の存在または素因を決定する方法を提供する。この方法は、核酸サンプル(例えば、被験体由来のRNAまたはDNA、あるいはその両方)を提供し、そして被験体核酸サンプルにおけるNOVX核酸の量を測定する工程を包含する。次いで、被験体核酸におけるNOVX核酸サンプルの量を、コントロールサンプルにおけるNOVX核酸の量と比較する。コントロールサンプルにおけるNOVXの量と比較した、サンプルにおけるNOVX核酸の量における変化は、被験体が組織増殖関連障害を有することを示す。
【0021】
またさらなる局面において、本発明は、NOVX関連障害を処置または予防または遅延する方法を提供する。この方法は、このような処置または予防または遅延が所望される被験体へ、その被験体における組織増殖関連障害を処置、予防または遅延するのに十分な量でNOVX核酸、NOVXポリペプチド、またはNOVX抗体を投与する工程を包含する。
【0022】
他に規定しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術の当業者によって通常理解されるのと同様の意味を有する。本明細書において記載される方法および材料と類似または等価である方法および材料が本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が本明細書において参考として援用される。相反する場合、本明細書(定義を含む)が支配する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示のみであり、そして限定を意図しない。
【0023】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明白である。
【0024】
(発明の詳細な説明)
本発明は、新規のポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチドを提供する。ポリヌクレオチドおよびそれらのコードされるポリペプチドは、それらの遺伝子産物によって果たされる機能によってグループ化され得る。このような機能は、構造タンパク質およびタンパク質を含み、代謝経路脂肪酸代謝、解糖作用、中間代謝、カルシウム代謝、プロテアーゼ、およびアミノ酸代謝などに関連する。
【0025】
本発明に含まれるのは、新規の核酸配列およびそれらのコードされるポリペプチドである。配列をまとめて、「NOVX核酸」または「NOVXポリヌクレオチド」といい、そして対応するコードされるポリペプチドは、「NOVXポリペプチド」または「NOVXタンパク質」といわれる。例えば、本発明に従う1つのNOVX核酸は、NOV1核酸を含む核酸であり、そして本発明に従う1つのNOVXポリペプチドは、NOV1ポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドである。他に示されない限り、「NOVX」は、本明細書中に開示される任意のNOV1〜23配列を言及することを意味する。
【0026】
【表1】
Figure 2004527202
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【0027】
【表2】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
表1のカラム1は、本発明の新規の核酸およびコードされたポリペプチドのNOVXアサイメントを提供する。カラム2は、様々なNOVX配列に対応する開示された配列のクローン同定番号を提供する。カラム3は、開示されるNOVX核酸の長さを示す。カラム4は、NOVX配列が発現される組織についての情報を提供する。カラム5は、開示されるNOVX核酸配列に見出されるオープンリーディングフレーム(「ORF」)によりコードされるポリペプチド(アミノ酸中)の長さを示す。カラム6および7は、それぞれ、このORFの開始コドン(ATG)および終止コドンのヌクレオチド位置を示す。カラム8は、本発明のポリペプチドのそれぞれについてのタンパク質類似性情報を含む。カラム9は、各ポリペプチドの推定される細胞の局在化を提供し、そしてカラム10は、シグナルペプチド切断に最も適切な部位を示す。
【0028】
本発明に従うNOVX核酸およびそれらのコードされたポリペプチドは、様々な用途および状況において有用である。例えば、本発明に従う様々なNOVX核酸およびポリペプチドは、表1のカラム8に要約されるように、以前に記載されたタンパク質に対するそれらの関連性に基づいて有用である。
【0029】
NOVX核酸はまた、細胞サンプル中の細胞を同定するために使用され得る。例えば、所定のNOVX核酸に対するRNA種の相同性の同定は、その組織が、所定のNOVXについて、表1のカラム4で同定されるものの1つである。同様に、細胞サンプル中のNOVXポリペプチドの検出は、このサンプルが、NOVXポリペプチドについて、表1のカラム4で同定される細胞型の1つ以上を含むことを示す。
【0030】
表1に列挙される各ポリペプチドについて、非コード領域は、ORF内にないポリペプチドの領域である。例えば、開示されるNOV1核酸配列について、非コード領域は、ヌクレオチド1−168およびヌクレオチド696−836から伸長する。同様に、開示されるNOV2核酸配列について、非コード領域は、ヌクレオチド1−110および1751−2342から伸長する。これらの例から、表1に示される情報と共に、当業者は、NOV1−23のそれぞれの非コード領域の位置を決定し得る。
【0031】
表2は、表1のカラム4に示される細胞型のいくつかについての説明的な情報を提供する。表2のカラム1は、細胞名を同定する。特に、表2のカラム1は、表1のカラム4で使用される組織名の略語に対応する。表2のカラム2は、特定の組織型の起源を同定する。最後に、表2のカラム3は、特定の細胞型と関連した任意の疾患関連性についての情報を提供する。
【0032】
【表3】
Figure 2004527202
表3は、本発明に従って開示されるNOVX核酸配列およびコードされたポリペプチド配列の配列番号を提供する。表3のカラム1は、同定された配列のそれぞれのNOVXアサイメントを提供し、一方、カラム2は、各NOVX配列のクローン同定番号を示す。カラム3は、開示されるNOV:1〜23核酸配列について割り当てられた配列番号を示す。最後に、カラム4は、コードされたポリペプチドに割り当てられた配列番号を示す。
【0033】
本発明に従う様々なNOVX核酸およびコードされたポリペプチドの配列は、以下の通りである:
(NOV1(配列番号1および2))
翻訳されたポリペプチド−ヌクレオチド189〜695
【0034】
【化1】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV2(配列番号3および4))
翻訳されたポリペプチド−ヌクレオチド110〜1750
【0035】
【化2】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV3(配列番号5および6))
翻訳されたポリペプチド−ヌクレオチド143〜487
【0036】
【化3】
Figure 2004527202
(NOV4(配列番号7および8))
翻訳されたポリペプチド−ヌクレオチド991〜1446
【0037】
【化4】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV5(配列番号9および10))
翻訳されたポリペプチド−ヌクレオチド587〜1342
【0038】
【化5】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV21(配列番号41および42))
翻訳されたタンパク質−フレーム:2−ヌクレオチド1082〜1837
【0039】
【化6】
Figure 2004527202
(NOV22(配列番号43および44))
【0040】
【化7】
Figure 2004527202
(NOV6(配列番号11および12))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド183〜1361
【0041】
【化8】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV7(配列番号13および14))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド91〜486
【0042】
【化9】
Figure 2004527202
(NOV8(配列番号15および16))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド146〜460
【0043】
【化10】
Figure 2004527202
(NOV9(配列番号17および18))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド244〜1473
【0044】
【化11】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV10(配列番号19および20))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド813〜3008
【0045】
【化12】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV11(配列番号21および22))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド69〜1211
【0046】
【化13】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV12(配列番号23および24))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド517〜1728
【0047】
【化14】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV13(配列番号25および26))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド508〜2556
【0048】
【化15】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV14(配列番号27および28))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド520〜2454
【0049】
【化16】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV23(配列番号45および46))
【0050】
【化17】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV15(配列番号29および30))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド312〜560
【0051】
【化18】
Figure 2004527202
(NOV16(配列番号31および32))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド288〜2021
【0052】
【化19】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV17(配列番号33および34))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド289〜2412
【0053】
【化20】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV18(配列番号35および36))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド135〜545
【0054】
【化21】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV19(配列番号37および38))
翻訳されたタンパク質−フレーム:2−ヌクレオチド389〜856
【0055】
【化22】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(NOV20(配列番号39および40))
翻訳されたタンパク質−ヌクレオチド505〜1284
【0056】
【化23】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
表1に記載されるNOVXポリペプチドおよび核酸の簡単な説明が以下に続く。本発明に従うNOVX核酸およびポリペプチドに対するさらなる有用性がまた、本明細書中に開示される。
【0057】
(NOV1)
本発明に従うNOV1核酸分子は、核酸配列(配列番号1)(これは、クローン889240に存在する)を含む。配列番号1は、T1/ST2(レセプター結合ポリペプチド)に類似するタンパク質をコードする836bpを含む。このヌクレオチド配列は、19662.4Daの推定分子量を有する169アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号2)をコードするオープンリーデングフレームを有する。開始コドンは、ヌクレオチド189−191に存在し、そして終止コドンは、ヌクレオチド696−698に存在する。配列番号2のタンパク質は、0.8200の確率で、細胞外に局在することがPSORTプログラムにより推定される。プログラムSignalPは、シグナルペプチド(配列AAG−FTにおける残基27と残基28との間におそらく切断部位を有する)が存在するということを推定する。
【0058】
コードされるポリペプチドにおいて、227残基のヒト推定T1/ST2レセプター結合タンパク質前駆体(ACC:Q13445)に対して、147残基のうちの85残基(57%)が同一であり、そして147残基のうちの107残基(72%)がポジティブである。このポリペプチドはまた、Caenorhabditis elegansプロテオーム(proteome)を鋳型(SPTREMBL−ACC:Q9Y3A6)として使用する、比較遺伝子クローニングにより同定された229残基のヒトCGI−100タンパク質に対して、158残基のうちの154残基(97%)が同一であり、158残基のうちの155残基(98%)がポジティブであるアミノ酸残基を有する。
【0059】
さらに、このタンパク質は、サイトカイン、免疫系調節因子、組織増殖因子、T1レセプター様リガンドIIおよびp24小胞輸送タンパク質ならびにアゴニスト(WO9836083;WO9807754;WO9946281およびWO9931236)のような活性を有するものとして開示される、229残基のヒトタンパク質に対して、158残基のうちの154残基(97%)が同一であり、そして158残基のうちの155残基(98%)がポジティブである残基を有する。
【0060】
T1/ST2は、I型インターロイキン−1レセプターに対して相同であるレセプター様分子である。T1/ST2は、Tヘルパー2型(Th2)細胞の表面上で構成的かつ安定に発現されるが、Th1細胞上では発現されない。T1/ST2はまた、肥満細胞上で発現される。
【0061】
NOV1は、胎児肝臓、甲状腺、胎児腎臓および脾臓において見出される。NOV1核酸配列によりコードされる本発明のタンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされているような開示された完全タンパク質ならびに翻訳後修飾の結果としてそれから生じる任意の成熟タンパク質が挙げられる。従って、本発明のタンパク質は、NOV1タンパク質の前駆体および任意の活性化形態の両方を包含する。
【0062】
インターロイキン1レセプター関連T1/ST2遺伝子についての推定リガンドに対するNOV1の類似性は、この新規な配列は、インターロイキン1レセプターファミリーに対して相同性を有するレセプターについてのリガンドとして機能し得るということを示唆する。これらのレセプターは、免疫応答系において重要な役割を果たし、従って、この新規な遺伝子は、免疫応答経路における類似のレセプター−リガンド系に関連し得る。この新規な遺伝子は、診断マーカーまたは予後徴候マーカー、治療タンパク質および免疫応答経路における障害を処置するための抗体標的もしくは低分子薬物標的として治療的に使用され得る。
【0063】
(NOV2)
本発明のNOV2核酸配列は、配列番号3のヌクレオチド配列を含む。このヌクレオチド配列(配列番号3)は、547アミノ酸残基(配列番号4)のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド110〜112における開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1751〜1753における終止コドンで終わる。配列番号4のタンパク質は、0.7000の確率で、核に局在することがPSORTプログラムにより推定される。N末端シグナル配列は、このタンパク質について推定されない。
【0064】
開示されたポリペプチドは、ヒトKIAA0554PROTEIN(ACC:O60301)においてコードされる674残基のタンパク質フラグメントに対して、342アミノ酸残基のうちの188残基(54%)が同一であり、そして342基のうちの265残基(77%)がポジティブであるアミノ酸残基を有する。さらに、NOV2は、545残基のヒトCDC42相互作用タンパク質4(ACC:O15184)に対して、544残基のうちの300残基(55%)が同一であり、そして544基のうちの401残基(73%)がポジティブであるアミノ酸残基を有する。
【0065】
さらに、このタンパク質は、265残基のヒトSrc相同性3ドメイン(SH3)含有タンパク質1に対して246残基に渡って60%同一および74%類似性を有し;そして175残基のヒトSH3含有タンパク質2(米国特許第5,916,753号、1999年6月29日発行)に対して168残基に渡って50%同一および67%類似性を有する。これらのタンパク質は、癌および免疫障害または発達障害の診断、処置または予防のために使用され得る。
【0066】
実施例2における結果(後述)は、NOV2は優先的に種々の組織(いくつかの癌細胞株(例えば、骨肉腫、甲状腺、胎児脳、胎盤、膵臓、子宮、胎児肺)を含む)およびRNAプール(副腎、乳腺、前立腺、精巣、子宮、骨髄、黒色腫、下垂体、甲状腺および脾臓に由来する)において発現されることを示す。
【0067】
NOV2核酸によりコードされる本発明のタンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされているような開示された完全タンパク質ならびに翻訳後修飾の結果としてそれから生じる任意の成熟タンパク質が挙げられる。従って、本発明のタンパク質は、NOV2タンパク質の前駆体および任意の活性化形態の両方を包含する。
【0068】
(NOV3)
本発明に従うNOV3核酸は、配列番号5の核酸配列を含み得る。このクローンのヌクレオチド配列(配列番号5)は、711bp長てあり、そして53945.0Daの推定分子量を有する115アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号6)をコードするオープンリーデングフレームを有する。このオープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド143−145に存在し、そして終止コドンは、ヌクレオチド488−490に存在する。配列番号6のタンパク質は、0.9190の確率で、原形質膜に局在することがPSORTプログラムにより推定される。プログラムSignalPは、シグナルペプチド(残基19と残基20との間におそらく切断部位を有する:AQA−LD)がおそらく存在するということを推定する。
【0069】
コードされるポリペプチドは、128残基のヒトE48抗原前駆体ACC:Q14210に対して、97残基のうちの41残基(42%)が同一であり、そして97残基のうちの47残基(48%)がポジティブであるアミノ酸残基を有する。このコードされるポリペプチドはまた、遺伝子89(WO9902546)によりコードされる117残基のヒト分泌タンパク質に対して、116残基のうちの111残基(95%)が同一であり、そして116残基のうちの112残基(96%)がポジティブであるアミノ酸残基を有する。
【0070】
NOV3は、心臓において発現される。それはまた、腎臓、視床、骨髄、副腎および/または腎上体、ならびに胎児脳において発現される。
【0071】
NOV3核酸により提供されるタンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされているような開示された完全タンパク質ならびに翻訳後修飾の結果としてそれから生じる任意の成熟タンパク質が挙げられる。従って、本発明のタンパク質は、NOV3タンパク質の前駆体および任意の活性化形態の両方を包含する。
【0072】
(NOV4)
NOV4は、心臓、骨髄、脾臓および視床において発現されると考えられる。本発明のNOV4核酸は、配列番号7のヌクレオチド配列を含み得る。このクローンは、1987bp長であり、そして152アミノ酸残基(配列番号8)のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含む。開始コドンは、ヌクレオチド991〜993に存在し、そして終止コドンは、ヌクレオチド1447−1449に存在する。配列番号8のタンパク質は、0.6400の確率で、マイクロボディ(ペルオキシソーム)に局在することがPSORTプログラムにより推定される。おそらくシグナルペプチドは存在しない。
【0073】
開示されたNOV4タンパク質は、ヒト乳房腫瘍関連タンパク質47(DE19813835)に由来する102残基の発現された配列タグに対して、100アミノ酸残基のうちの90残基(90%)が同一であり、そして100残基のうちの93残基(93%)がポジティブであるアミノ酸残基を有する。
【0074】
NOV4核酸配列によりコードされるタンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされているような開示された完全タンパク質ならびに翻訳後修飾の結果としてそれから生じる任意の成熟タンパク質が挙げられる。従って、本発明のタンパク質は、NOV4タンパク質の前駆体および任意の活性化形態の両方を包含する。
【0075】
(NOV5、NOV21、およびNOV22)
NOV5、NOV21、およびNOV22もまた、本発明に含まれ、これらは、関連核酸およびそれらのコードされたポリペプチドを含む。
【0076】
(NOV5)
本発明に従うNOV5核酸は、配列番号9の1423ヌクレオチドを含む。この核酸は、ヌクレオチド587におけるATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1343における終止コドンで終わるオープンリーディングフレームに由来する新規な甲状腺ホルモン結合タンパク質様タンパク質をコードする。このコードされたポリペプチドは、配列番号10のアミノ酸配列を有する252アミノ酸残基を有する。
【0077】
コードされるポリペプチドは、510残基のウシタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ前駆体(PDI)(EC5.3.4.1)(プロリル4−ヒドロキシラーゼβサブユニット)(細胞甲状腺ホルモン結合タンパク質)(ACC:P05307)に対して、224残基のうちの75残基(33%)が同一であり、そして224残基のうちの73残基(32%)がポジティブであるアミノ酸残基を有する。さらに、このコードされるポリペプチドは、508残基のヒトタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ前駆体(PDI)(EC5.3.4.1)(プロリル4−ヒドロキシラーゼβサブユニット)(細胞甲状腺ホルモン結合タンパク質)(p55)(ACC:P07237)に対して、224残基のうちの73残基(32%)が同一であり、そして224残基のうちの121残基(54%)がポジティブであるアミノ酸残基を有する。PDI、プロリル4−ヒドロキシラーゼのβサブユニット、および細胞甲状腺ホルモン結合タンパク質は同一である(例えば、Yamauchi Kら、Biochem Biophys Res Commun146(3):1485−1492(1987)を参照のこと)。NOV5の触媒活性は、ネイティブ構造を形成するためのタンパク質における内部鎖(intrachain)および間鎖(interchain)ジスルフィド結合の再構成を含む。その非細胞の位置は、小胞体管腔内に存在する。それは、2つのチオレドキシンドメインを含む。
【0078】
PSORT分析は、開示されたNOV5ポリペプチドは、0.4600の確率で、原形質膜に局在するということを推定する。SIGNALP分析を使用して、本発明のタンパク質は、切断可能なN末端シグナル配列(25位と26位との間におそらく存在する切断部位を有する(VAA−EV))を有する。本発明のタンパク質の推定分子量は、28141.9ダルトンである。このNOV5タンパク質は、以下に記載されるNOV21およびNOV22核酸配列によりコードされるタンパク質に由来する2つの位置において異なる。開示されたNOV21およびNOV22ポリペプチドは、配列において同一である。
【0079】
甲状腺ホルモンレセプター(TR)は、ステロイドホルモン/レチノイン酸レセプタースーパーファミリーのメンバーである。このファミリーのメンバーは、ホメオスタシス、発生および分化を調節する。それらの転写活性は、甲状腺ホルモン3,3’,5−トリヨード−L−サイロニン(T3)により調節され、(Leeら、Biochem Biophys Res Commun222(3):839−43(1996))細胞甲状腺ホルモン結合タンパク質(インスリン分解酵素ではなく)の発現(インスリン結合タンパク質も同様に)が3T3−L1脂肪細胞が分化する間増加することが見出されている。従って、細胞甲状腺ホルモン結合タンパク質は、いくつかのインスリン作用を調節する際に役割(特に、脂肪細胞の分化の間のインスリンと他のホルモンとの間に生じるカウンター調節(counter−regulation))を果たし得る。
【0080】
NOV5は、乳腺において高度に発現される。
【0081】
本発明のNOV5核酸によりコードされるタンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされているような開示された完全タンパク質ならびに翻訳後修飾の結果としてそれから生じる任意の成熟タンパク質が挙げられる。従って、本発明のタンパク質は、NOV5タンパク質の前駆体および任意の活性化形態の両方を包含する。
【0082】
本発明に従うNOV5核酸およびタンパク質は、以下の障害および病理学に関連する潜在的な治療用途において有用である:糖尿病、代謝性障害および内分泌障害、発達障害、および/または他の病理学ならびに障害。例えば、甲状腺ホルモン結合タンパク質様タンパク質をコードするcDNAは、甲状腺ホルモン結合治療において有用であり得る。同様に、甲状腺ホルモン結合タンパク質様タンパク質は、その必要にある被験体に投与する場合に有用であり得る。甲状腺ホルモン結合タンパク質様タンパク質ならびに本発明の甲状腺ホルモン結合タンパク質様タンパク質新規な核酸、またはそのフラグメントをコードする新規な核酸は、診断的用途においてさらに有用であり得、ここで、核酸またはタンパク質の存在および量は、評価される必要がある。これらの材料は、治療的または診断的方法における使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の甲状腺ホルモン結合タンパク質配給においてさらに有用である。
【0083】
(NOV21)
本発明に従うNOV21核酸配列は、配列番号41の核酸配列を含む。このヌクレオチド配列(配列番号41)は、1918bpを有し、そして252アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号42)をコードするオープンリーディングフレームを含む。開始コドンは、ヌクレオチド1082〜1084であり、そして終止コドンは、ヌクレオチド1838〜1840である。配列番号42のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.4600の確率で形質膜に局在することが推定される。プログラムSignalPは、この開示されたNOV21タンパク質が、残基25と26との間(VAA−EV)の最も可能性の高い切断部位を含む、切断可能なN末端シグナルペプチドを有する。この開示されたNOV21タンパク質は、NOV5核酸(上記を参照のこと)によってコードされるタンパク質と2つの位置で異なり、そしてNOV22核酸配列(以下を参照のこと)によってコードされるタンパク質と同一である。
【0084】
開示されたNOV21ポリペプチドは、510残基のウシタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ前駆体(PDI)(EC.5.3.4.1)(プロリル4−ヒドロキシラーゼβサブユニット)(細胞性甲状腺ホルモン結合タンパク質)(ACC:P05307)に対して同一な224残基のうちの75残基(33%)、およびこのタンパク質に対してポジティブな224残基中の124残基(55%)を有する。
【0085】
本発明に従うNOV21タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによってコードされている開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果としてその全長タンパク質から生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV21タンパク質の前駆体および活性形態の両方を包含する。
【0086】
(NOV22)
本発明に従うNOV22核酸配列は、配列番号43の核酸配列を含む。このヌクレオチド配列は、1914ヌクレオチドを含む。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1078〜1080のATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1834〜1836の終止コドンで終結することが同定された。当業者は、この配列番号43として示される配列が、コード鎖の逆相補体であることを認識する。コードされるポリペプチドは、252アミノ酸残基(配列番号44)を有する。このコードされるNOV22ポリペプチドは、NOV5タンパク質(上記を参照のこと)と2つの位置で異なり、そしてNOV21(上記を参照のこと)と同一である。
【0087】
このコードされるポリペプチドは、Boc taurusタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ前駆体(PDI)(EC.5.3.4.1)(プロリル−4−ヒドロキシラーゼβサブユニット)(細胞性甲状腺ホルモン結合タンパク質)(p55)(ACC:P05307)に対して、224アミノ酸中の125アミノ酸(55%)の相同性を有する。開示されるヌクレオチド配列は、Homo sapiensジスルフィドイソメラーゼ前駆体(PDIp)mRNA(GENBANK−ID:HSU19948|acc:U19948)に対して、694ヌクレオチド中395ヌクレオチド(56%)の同一性/相同性を有する。
【0088】
PSORT分析により、本発明のこのタンパク質が0.4600の確率で形質膜に局在することが推定される。SIGNALP分析を使用して、本発明のタンパク質が、25位と26位との間(VAA−EV)の最も可能性の高い切断部位を含む、切断可能なN末端シグナル配列を有するようであることが予測される。本発明のこのタンパク質の推定分子量は、28141.9ダルトンである。
【0089】
NOV5、NOV21およびNOV22の核酸およびタンパク質は、主に膵臓および甲状腺において発現され、さらに、末梢血、リンパ節、骨、乳房、卵巣、腎臓、肺、心臓、上皮小体、脳、骨髄、扁桃、副腎および肝臓において発現される。
【0090】
NOV5、NOV21およびNOV22の核酸およびタンパク質は、タンパク質治療剤、抗体標的、ならびに、免疫学的疾患、甲状腺疾患および代謝疾患、骨代謝障害、膵臓の疾患(糖尿病および消化疾患)、組織再生および組織発生を処置するための潜在的な治療適用における、低分子薬物標的として有用である。
【0091】
(NOV6)
本発明に従うNOV6核酸配列は、配列番号11のヌクレオチド配列を含む。この配列は、1418bpの長さであり、そして393アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号12)をコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド183〜185で開始コドンを、そしてヌクレオチド1362〜1364で終止コドンを含む。この配列番号12のコードされるタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.3700の確率で細胞外に局在することが推定される。プログラムSignalPは、この3218715タンパク質が、残基22と23との間(TLS−KS)の最も可能性の高い切断部位を含む、切断可能なN末端シグナルペプチドを有する
このコードされるタンパク質は、968残基のArabidopsis Thalianaのタンパク質(カラシナ(mouse−ear Cress);ACC:O04623)に対して同一な177残基のうちの70残基(39%)、およびこのタンパク質に対してポジティブな177残基のうちの107残基(60%)を有する。
【0092】
本発明に従うNOV6タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによってコードされている開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果としてその全長タンパク質から生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV6タンパク質の前駆体および活性形態の両方を包含する。
【0093】
(NOV7)
NOV7は、膵臓において同定された。さらに、胎児脳、唾液腺、視床、胎児脳、脾臓、心臓において見出された。本発明に従うNOV7ヌクレオチド配列は、配列番号13の核酸配列(これは、811ヌクレオチド長である)を含む。開示されたヌクレオチド(配列番号13)は、132アミノ酸残基(配列番号14)のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する。開始コドンは、ヌクレオチド91〜93であり、そして終止コドンは、ヌクレオチド487〜489である。配列番号14のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.7000の確実性で形質膜に位置することが推定される。プログラムSignalPは、シグナルペプチドが、おそらく残基57と58との間:IVA−NIに切断部位を有する可能性が最も高いことを推定する。
【0094】
コードされたポリペプチドは、ヒトロドプシン(ACC:Q15309)の51残基フラグメントと同一な30残基のうち14残基(46%)、およびこの51残基フラグメントに対してポジティブな30残基のうち18残基(60%)を有する。
【0095】
NOV7は、膵臓において同定された。これはまた、胎児脳、唾液腺、視床、脾臓、および心臓において見出され、そして多くの他の正常細胞株および癌細胞株において見出された。
【0096】
NOV7タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされる開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果として全長タンパク質から生じた任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV7タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0097】
(NOV8)
本発明に従うNOV8核酸は、配列番号15(これは、734ヌクレオチド長であり、105アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号16)をコードするオープンリーディングフレームを有する)を含む。オープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド146〜148であり、そして終止コドンは、ヌクレオチド461〜463である。コードされたポリペプチドは、PSORTプログラムにより、0.4600の確実性で形質膜に位置することが推定される。プログラムSignalPは、シグナルペプチドが存在するという確率が低いことを推定する。
【0098】
コードされたタンパク質は、ヒトインターフェロンα−1偽遺伝子由来の30残基フラグメント、すなわち5’末端前駆体(ACC:E158503)と同一な19残基のうち11残基(57%)、およびこの30残基フラグメントに対してポジティブな19残基のうち15残基(78%)を有する。
【0099】
NOV8は、大部分の試験される正常組織および癌組織において種々の程度で広く発現される。
【0100】
本発明に従うNOV8タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされる開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果として全長タンパク質から生じた任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV8タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0101】
(NOV9)
本発明のNOV9核酸配列は、配列番号17のヌクレオチド配列を含む。配列番号17は、1659ヌクレオチド長であり、そして410アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号18)をコードするオープンリーディングフレームを有する。開始コドンは、ヌクレオチド244〜246であり、そして終止コドンは、ヌクレオチド1474〜1476である。配列番号18のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.9000の確実性でゴルジ体に位置することが推定される。プログラムSignalPは、おそらくシグナルペプチドが存在しないことを推定する。
【0102】
コードされたNOV9タンパク質は、570残基のヒトIL−1レセプターアクセサリタンパク質(ACC:O14915)と27%同一であり、そしてこのタンパク質に対して47%ポジティブである。
【0103】
NOV9は、胎児脳、リンパ節、膵臓、胎盤、骨原性肉腫、腎臓、胎盤、唾液腺、胎児腎臓、前立腺、脾臓、膵臓、造血幹細胞、および胎児肺において見出される。
【0104】
NOV9タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされる開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果として全長タンパク質から生じた任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV9タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0105】
(NOV10)
本発明に従うNOV10核酸配列は、2261ヌクレオチド長であるヌクレオチド配列(配列番号19)を含む。この核酸配列は、732アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号20)をコードするオープンリーディングフレームを含む。開始コドンは、ヌクレオチド813〜815であり、そして終止コドンは、ヌクレオチド3009〜3011である。配列番号20のポリペプチドは、PSORTプログラムにより、低い確率で核に位置することが推定される。プログラムSignalPは、おそらくシグナルペプチドが存在しないことを推定する。
【0106】
NOV10タンパク質は、Caenorhabditis elegans由来の第V染色体(ACC:Q17429)における884残基のハイポセティカル96.8kDaタンパク質B0024.14と同一な701残基のうち257残基(36%)、およびこのB0024.14に対してポジティブな701残基のうち360残基(51%)を有する。さらに、これは、810残基のヒトNEL関連タンパク質(ACC:BAA11680)と同一な529残基のうち142残基(26%)、およびこのタンパク質に対してポジティブな529残基のうちの215残基(40%)を有する。
【0107】
NOV10タンパク質は、1036残基のヒト分泌タンパク質クローンdj167_19(WO9957132−A1)と同一な721残基のうち715残基(99%)、およびdj167_19に対してポジティブな721残基のうち716残基(99%)を有する。
【0108】
実施例2(後述)は、NOV10が、試験される大部分の細胞株において広く発現され、いくつかの腫瘍細胞株において高レベルの発現が見られることを示す。
【0109】
NOV10は、脾臓、胸腺、心臓および副腎から単離された。さらに、NOV10はまた、脳/下垂体、肝臓、胎児肝臓、腎臓、胎児腎臓、骨、骨肉腫、および心臓において見出される。
【0110】
本発明のNOV10タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされる開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果として全長タンパク質から生じた任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV10タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0111】
(NOV11)
本発明に従うNOV11核酸は、配列番号21のヌクレオチド配列(これは、1431ヌクレオチド長である)を含む。この核酸は、本来心臓組織において同定され、そして配列番号21の69〜71位から1212〜1214位までの381アミノ酸残基のNOV12ポリペプチド(配列番号22)をコードするオープンリーディングフレームを含む。
【0112】
コードされたタンパク質は、768残基を有するヒトγ−ヒレグリンタンパク質(ACC:O14667)と同一の134残基のうち74残基(55%)、およびこのタンパク質に対してポジティブな134残基のうち96残基(71%)を有する。このタンパク質は、0.8500の確実性で小胞体(膜)に位置することは推定される。配列中のN末端シグナルペプチドは推定されていないようである。
【0113】
ヒレグリンは、neu分化因子(NDF)またはグリア増殖因子2(GGF2)としても公知である。ヒレグリンは、タンパク質ニューレスチン(neurestin)に対する相同性を示す。次いで、ニューレスチンは、テネイシンファミリーのタンパク質のメンバーに対する相同性を示す、ヒレグリンは、HER−2/ErbB2/NEU、乳癌および前立腺癌進行に関与するプロトオンコジーンレセプターチロシンキナーゼ(これは、本来ラット神経芽腫/神経膠芽腫細胞株において同定された)についてのリガンドである。MDA−MB−435乳腺癌細胞におけるHER−2/ErbB2/NEUの異所性発現は、ベクタートランスフェクトしたコントロール細胞に対してタキソール誘導性アポトーシスに対する化学療法抵抗性を付与する(Yuら,Molec.Cell 2:581−591(1998))。
【0114】
テネイシンは、胚発生に重要な組織相互作用において顕著な役割を果たす細胞外マトリックスタンパク質の増大しているファミリーである。テネイシンの過剰発現は、複数のヒト固形悪性癌(solid malignancy)において記載される。関連タンパク質のテネイシンファミリーの役割は、上皮−間質相互作用を調節し、フィブロネクチン依存性細胞接着および相互作用に関与することである。実際に、テネイシン−C(TN)は、悪性卵巣腫瘍の間質において、特に上皮と間質との間の境界において過剰発現され、このことにより、テネイシン−Cが侵襲プロセスに関与し得るという示唆(Wilsonら,Br J Cancer 74:999−1004(1996))が導かれる。テネイシン−Cは、特定の悪性脳腫瘍に対する治療標的と考えられる(Gladson,J Neuropathol Exp Neurol 58(10):1029−40(1999))。
【0115】
DCISにおける間質の、または中程度から強い管周辺のTn−C発現は、腫瘍細胞侵襲と相関する(Jahkolaら,Eur J Cancer 34(11):1687−92(1998);Jahkolaら,Br J Cancer.78(11):1507−13(1998))。
【0116】
テネイシン(TN)は、発生の間に細胞転移の領域において見出され、そして転移性神経膠腫細胞において高レベルで発現される細胞外マトリックスタンパク質である(Treasurywalaら,Glia 24(2):236−43(1998)).Phillipsら,J Cell Sci 111(Pt 8):1095−104(1998))。胸部および子宮内膜というホルモン依存性組織におけるテネイシン発現は、テネイシン発現が悪性進行を反映することを示す(Vollmerら,Cancer Res 52(17):4642−8 (1992))。
【0117】
開示されたNOV11ポリペプチドはまた、ニューレスチン(Otaki JM,ら,Dev Biol 212(1):165−81(1999))に関連する。ニューレスチンは、神経発生に関与する推定膜貫通分子である。ニューレスチンは、ニューレグリン遺伝子産物、ヒトγ−ヒレグリン、Drosophilaレセプター型ペアルール遺伝子産物、Odd Oz(Odz)/Ten(m)、およびTen(a)に対する相同性を示す。ニューレスチンは、シナプス形成および形態形成に関与すると推定される。マウスニューレスチンホモログ(DOC4)は、NIH−3T3 DOC4から独立して単離され、テネイシンM(TNM)、細胞外EGF様反復を含有するDrosophilaペアルール遺伝子ホモログとしても公知である。
【0118】
関連する分子の医学的文献に記載される生物活性に基づいて、NOV11核酸またはそれがコードするポリペプチドは、腫瘍上皮細胞の間質成分との相互作用を変化させる腫瘍細胞生物学の1つ以上の局面において役割を果たし得る。例えば、NOV11は、以下の悪性特性において役割を果たし得る:腫瘍細胞増殖のオートクリン/パラクリン刺激;細胞傷害治療に対する腫瘍細胞生存および腫瘍細胞耐性のオートクリン/パラクリン刺激;局所的組織再モデリング、腫瘍細胞の実質(paranechmal)および基底膜浸潤および運動性(これらが転移に寄与している);ならびに免疫監視機構から腫瘍が逃れる結果となるT細胞媒介免疫エフェクター細胞および経路の腫瘍媒介免疫抑制。
【0119】
発現プロフィールからの推定疾患指標としては、ヒト神経膠腫、星状細胞腫、神経膠腫/星状細胞腫の混合、腎臓細胞癌腫、乳腺癌、卵巣癌、黒色腫のサブセットが挙げられる。NOV11とそのコグネイトレセプターとの推定される相互作用を破壊することが示されたヒトモノクローナル抗体またはヒト化モノクローナル抗体によりNOV11を標的化することは、有意な抗腫瘍/抗転移活性および関連する総合的症状の改善を生じ得る。NOV11レセプター相互作用により連結した(engage)下流のシグナル伝達成分を特異的におよび/または選択的に妨げる低分子の同定はまた、有意な抗腫瘍/抗転移活性および関連する総合的症状の改善を生じると予測される。同様に、NOV11転写物/メッセンジャーRNA(mRNA)の発現を減少させることが示された、改変したアンチセンスリボヌクレオチドまたはアンチセンス遺伝子発現構築物(例えば、プラスミド、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、および「裸の」DNAアプローチ)は、抗腫瘍影響を有するNOV11の推定特性に基づいて予測される。
【0120】
ニューレグリン(グリア増殖因子2)は、多発性硬化症についての慢性再発モデルにおける自己免疫脱髄を減少させ、そして再ミエリン化(remyelination)を増強させる(Cannellaら,Proc.Nat.Acad.Sci.95:10100−10105(1998))。
【0121】
NOV11は、さらに、中枢神経系ミエリン化、細胞外マトリックスにおける位置決定、および神経芽腫細胞の誘導に関与するタンパク質であり得る(Notterpekら,Dev Neurosci 16(5−6):267−78(1994))。Otakiら(Dev Biol 212(1):165−81(1999))は、ノーザンブロット分析により検出されるように、ニューレスチンは、脳において高度に発現され、そして他の組織においては、比較的低く発現されることが報告された。組織切片に対するインサイチュハイブリダイゼーションは、ニューレスチンが多くの型のニューロン(大脳皮質中の錐体細胞および発生中の嗅球における房飾細胞を含む)において発現されることを示す。成体において、ニューレスチンは、主に嗅覚細胞および海馬顆粒細胞において発現される。それにも拘わらず、成体において、ニューレスチン発現は、嗅覚ニューロンの再生中に外部嗅球(external tufted cell)において誘導され得る。
【0122】
精製組換えNOV11またはNOV11のフラグメントの脳実質領域への直接送達は、虚血、脳外傷、および種々の神経変性疾患から生じた損傷中枢神経系細胞の再生/修復/再ミエリン化を促進し得る。
【0123】
NOV11は、とりわけ、脳および中枢神経系細胞において広く発現されることが見出された。
【0124】
NOV11タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされる開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果として全長タンパク質から生じた任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV11タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0125】
(NOV12)
本発明に従うNOV12核酸は、配列番号23のヌクレオチド配列(これは、2116bpの長さである)を含む。この核酸配列は、404アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号24)をコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド517〜519であり、そして終止コドンは、ヌクレオチド1729〜1731である。配列番号24のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.4600の確実性で形質膜に位置することが推定される。プログラムSignalPは、シグナルペプチドが、おそらく残基24と25との間:AAS−KNに切断部位を有する可能性が最も高いことを推定する。
【0126】
開示されたNOV12タンパク質は、433残基のヒト細胞接着分子タンパク質(TREMBLNEW−ACC:AAD17540)と同一な374残基のうちの200残基(53%)、およびこのタンパク質に対してポジティブな374残基のうちの269残基(71%)を有する。
【0127】
さらに、この開示されたNOV12タンパク質は、444残基のヒトβセクレターゼ(1999年8月24日に発行された米国特許第5,942,400号)と同一な329残基のうち327残基(53%)、およびこのセクレターゼに対してポジティブな329残基のうち327残基(99%)を有する。この酵素は、アルツハイマー病に関与するベータアミロイド前駆体タンパク質(APP)(Y33742;スウェーデン人の変異APP)を切断し得る。
【0128】
NOV12は、脳組織から単離された。NOV12は、脳および大細胞肺癌において高度に発現される。NOV12 RNA配列は、脳組織(例えば、下垂体組織)から単離され得る。
【0129】
本発明により提供されるNOV12タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされる開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果として全長タンパク質から生じた任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV12タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0130】
(NOV13)
本発明に従うNOV13ヌクレオチド配列は、2862ヌクレオチド長である配列番号25を含む。配列番号25は、683アミノ酸残基のNOV13ポリペプチド(配列番号26)をコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド508〜510であり、そして終止コドンは、ヌクレオチド2557〜2559である。配列番号26のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、PSORTプログラムにより、0.6000の確実性で形質膜に位置することが推定される。プログラムSignalPは、おそらくシグナルペプチドが存在しないことを推定する。
【0131】
コードされたタンパク質は、ヒトKIAA0768タンパク質(ACC:BAA34488)の872残基フラグメントと同一な541残基のうちの227残基(41%)、およびこのフラグメントに対してポジティブな541残基のうちの335残基(61%)を有する。さらに、コードされたタンパク質は、690残基のヒトタンパク質PRO228(W09914328−A2(1999年3月25日公開))と同一な683残基のうちの680残基(99%)、およびこのタンパク質に対してポジティブな683残基のうちの682残基(99%)を有する。
【0132】
NOV13タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされる開示された全長タンパク質、ならびに翻訳後修飾の結果として全長タンパク質から生じた任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV13タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0133】
(NOV14およびNOV23)
NOV14およびNOV23核酸もまた本発明に含まれる。いくつかの実施形態では、本発明に従うNOV14およびNOV23核酸は、NOV13核酸配列によりコードされるタンパク質の改変体である同一のタンパク質をコードする。NOV13によりコードされるタンパク質は、他の2つのタンパク質に存在しないそのアミノ末端領域の中の配列を含む。開示されるNOV14核酸配列およびNOV23核酸配列は、それらの非翻訳領域において異なる。コードされるNOV13、NOV14、およびNOV23ポリペプチドは、同一のアミノ酸配列を有する。
【0134】
本発明に従うNOV14核酸配列は、(配列番号27)の2760ヌクレオチドを含む。この核酸は、645アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号28)をコードするオープンリーディングフレームを含む。開始コドンは、ヌクレオチド520〜522であり、そして停止コドンは、ヌクレオチド2455〜2457である。
【0135】
本発明に従うNOV23核酸配列は、(配列番号45)の3081ヌクレオチドを含み得る。このオープンリーディングフレームは、645アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号46)をコードするオープンリーディングフレームを有する。開始コドンは、ヌクレオチド460〜462であり、そして停止コドンは、ヌクレオチド2395〜2397である。このコードされたポリペプチドは、配列番号26によりコードされるNOV14ポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有する。
【0136】
さらに、NOV14およびNOV23タンパク質は、690残基のヒトタンパク質PRO228(PN WO9914328)に同一の645残基のうちの643残基(99%)、およびこのタンパク質と陽性の645残基のうち644残基(99%)を有する。
【0137】
本発明に従うNOV14およびNOV23タンパク質は、本明細書中に開示されるORFによりコードされるものとして開示される完全タンパク質、および翻訳後修飾の結果としてそこから生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV14およびNOV21タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0138】
(NOV15)
本発明に従うNOV15核酸配列は、ヌクレオチド配列(配列番号29)を含む。この配列は、727bpの長さであり、そして83アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号30)をコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド312〜314であり、そして停止コドンは、ヌクレオチド560〜562である。配列番号30のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.59の確実性でミトコンドリアマトリクス空間に局在することが予想される。プログラムSignalPは、残基25と残基26との間(CRT−DL)に最も有望な切断部位を有するシグナルペプチドが存在するという中程度の確率を予想する。
【0139】
このタンパク質は、84残基のヒトPS2タンパク質前駆体(HP1.A)(乳癌エストロゲン誘導タンパク質)(PNR−2)(ACC:P04155)に同一の36残基のうちの10残基(27%)、およびこのタンパク質と陽性の36残基のうち17残基(47%)を有する。これはまた、コムギレセプター様キナーゼ(ACC:PO8111)の284残基のフラグメントに同一の46残基のうちの15残基(32%)、およびこのタンパク質と陽性の46残基のうち25残基(54%)を有する。
【0140】
開示されるNOV15配列は、下垂体から単離された。さらに、NOV15相同配列は、膵臓および唾液腺において見出される。
【0141】
NOV15タンパク質は、本明細書中に開示されるORFによりコードされるものとして開示される完全タンパク質、および翻訳後修飾の結果としてそこから生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV15タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0142】
(NOV16)
本発明に従うNOV16核酸配列は、ヌクレオチド配列(配列番号31)を含む。この配列は、2741ヌクレオチドの長さであり、そして578アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号32)をコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド288〜290であり、そして停止コドンは、ヌクレオチド2022〜2024である。配列番号32のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.8920の確実性で核に局在することが予想される。プログラムSignalPは、おそらく、シグナルペプチドが存在しないことを予想する。
【0143】
このコードされたタンパク質は、ヒト上皮成長因子レセプター関連タンパク質(ACC:Q04842)の80残基のフラグメントに同一の43残基のうちの37残基(86%)、およびこのタンパク質と陽性の43残基のうち39残基(90%)を有する。
【0144】
NOV16発現は、対応する正常細胞株と比較して、多くの腫瘍細胞株においてダウンレギュレートされる(以下の実施例2を参照のこと)。
【0145】
NOV16タンパク質は、本明細書中に記載されるORFによりコードされるものとして開示される完全タンパク質、および翻訳後修飾の結果としてそこから生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV16タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0146】
(NOV17)
NOV17は、NOV18の改変体(以下に議論される)である。NOV17は骨髄から単離された。これはまた、骨肉腫、胸腺、胎児腎臓、およびリンパ節において見出される。本発明に従うNOV17核酸は、配列番号33のヌクレオチド配列を含む。この配列は、2596bpであり、そして708アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号34)をコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド289〜291であり、そして停止コドンは、ヌクレオチド2413〜2415である。配列番号34のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.6000の確実性で原形質膜に局在することが予想される。プログラムSignalPは、おそらく、シグナルペプチドが存在しないことを予想する。
【0147】
このコードされたタンパク質は、ヒト上皮成長因子レセプター関連タンパク質(ACC:Q04842)の80残基のフラグメントに同一の80残基のうちの70残基(87%)、およびこのタンパク質と陽性の80残基のうち75残基(93%)を有する。
【0148】
NOV17タンパク質は、本明細書中に開示されるORFによりコードされるものとして開示される完全タンパク質、および翻訳後修飾の結果としてそこから生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV17タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0149】
(NOV18)
本発明に従うNOV18核酸は、配列番号35のヌクレオチド配列を含む。この核酸は、705ヌクレオチドの長さであり、そして137アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号36)をコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド135〜137であり、そして停止コドンは、ヌクレオチド546〜548である。配列番号36のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.650の確実性で原形質膜に局在することが予想される。プログラムSignalPは、残基52と残基53との間(APS−ED)に最も有望な切断部位を有するシグナルペプチドが存在するという確率を予想する。
【0150】
このコードされたタンパク質は、488残基のヒトストロメライシン−3前駆体(EC 3.4.24.−)(マトリクスメタロプロテイナーゼ−11)(MMP−11)(ST3)(SL−3)タンパク質(ACC:P24347)に同一の73残基のうちの25残基(34%)、およびこのタンパク質と陽性の73残基のうち36残基(49%)を有する。
【0151】
NOV18は、子宮から単離された。さらに、NOV18は、胎児肝臓、骨髄、子宮、胎児脳、および骨原性肉腫において見出される。
【0152】
本発明に従うNOV18タンパク質は、本明細書中に開示されるORFによりコードされるものとして開示される完全タンパク質、および翻訳後修飾の結果としてそこから生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV15タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0153】
(NOV19)
本発明に従うNOV19核酸配列は、配列番号37のヌクレオチド配列を含む。この核酸配列は、1150ヌクレオチドの長さであり、そして156アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号38)をコードするオープンリーディングフレームを含む。配列番号38のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.6000の確実性で原形質膜に局在することが予想される。プログラムSignalPは、残基58と残基59との間(ISA−YM)に最も有望な切断部位を有するシグナルペプチドが存在するという中程度の確率を予想する。
【0154】
このコードされたタンパク質は、152残基のヒト腸膜A4タンパク質(分化依存タンパク質A4)(ACC:Q04941)に同一の112残基のうちの40残基(35%)、およびこのタンパク質と陽性の112残基のうち61残基(54%)を有する。
【0155】
本発明に従うNOV19タンパク質は、本明細書中に開示されるORFによりコードされるものとして開示される完全タンパク質、および翻訳後修飾の結果としてそこから生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV19タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0156】
NOV19配列は、視床および骨髄において発現される。
【0157】
(NOV20)
本発明に従うNOV20核酸配列は、(配列番号39)のヌクレオチド配列を含む。この配列は、1161ヌクレオチドの長さであり、そして260アミノ酸残基のポリペプチド(配列番号40)をコードするオープンリーディングフレームを含む。このオープンリーディングフレームの開始コドンは、ヌクレオチド505〜507であり、そして停止コドンは、ヌクレオチド1285〜1287である。配列番号40のタンパク質は、PSORTプログラムにより、0.4600の確実性で原形質膜に局在することが予想される。プログラムSignalPは、残基29と残基30との間(VVA−VP)に最も有望な切断部位を有するシグナルペプチドが存在するという確率を予想する。
【0158】
このコードされたタンパク質は、Caenorhabditis elegans由来の595残基のF40E10.6タンパク質(ACC:Q19985)に同一の204残基のうちの73残基(35%)、およびこのタンパク質と陽性の204残基のうち119残基(58%)を有する。
【0159】
NOV20の発現は、多くの組織(例えば、胎盤)に広範に分散される。NOV20は、リンパ節組織から単離された。
【0160】
本発明に従うNOV20タンパク質は、本明細書中に開示されるORFによりコードされるものとして開示される完全タンパク質、および翻訳後修飾の結果としてそこから生じる任意の成熟タンパク質を含む。従って、本発明のタンパク質は、NOV20タンパク質の前駆体および活性形態の両方を含む。
【0161】
(NOVX核酸)
本発明の新規の核酸は、NOVXもしくはNOVX様タンパク質、またはその生物学的に活性な部分をコードする核酸を含む。この核酸は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46の1つ以上のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸を含む。従って、コードされるポリペプチドは、例えば、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、および42のアミノ酸配列を含み得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46の1つ以上のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかの核酸配列か、またはそのフラグメントを含む。さらに、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかの変異体核酸もしくは改変体核酸か、またはそのフラグメントを含み、これらの塩基のいずれかは、開示される配列から変化され得るが、そのNOVX様活性および生理学的機能を維持するタンパク質をまだコードする。本発明はさらに、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかの核酸配列(これらのフラグメント、誘導体、アナログおよびホモログを含む)の相補鎖を含む。本発明は、さらに、核酸もしくは核酸フラグメント、またはこれらに対する相補鎖を含み、これらの構造は化学修飾を含む。
【0163】
NOVXコード核酸(例えば、NOVXmRNA)を同定するためのハイブリダイゼーションプローブとして使用するために十分な核酸フラグメント、およびNOVX核酸分子の増幅または変異のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとして使用するためのフラグメントがまた含まれる。本明細書中で用いられる場合、用語「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAもしくはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチドアナログを用いて生成したDNAもしくはRNAのアナログ、ならびにこれらの誘導体、フラグメント、およびホモログを含むことが意図される。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であり得るが、好ましくは、二本鎖DNAである。
【0164】
「プローブ」とは、可変の長さの核酸配列をいい、好ましくは、使用に依存して、少なくとも約10ヌクレオチド(nt)、100nt、または例えば、約6,000ntの間である。プローブは、同一、類似または相補的な核酸配列の検出において使用される。より長いプローブは、通常、天然供給源または組換え供給源から入手され、非常に特異的であり、そしてオリゴマーよりもはるかに遅くハイブリダイズする。プローブは、一本鎖または二本鎖であり得、そしてPCR、メンブレンベースのハイブリダイゼーション技術またはELISAのような技術において特異性を有するように設計される。
【0165】
「単離された」核酸分子は、この核酸の天然の供給源中に存在するその他の核酸分子から分離されているものである。単離された核酸分子の例としては、ベクター中に含まれる組換えDNA分子、異種宿主細胞中に維持される組換えDNA分子、部分的または実質的に精製された核酸分子、および合成DNAまたはRNA分子が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、「単離された」核酸は、この核酸が由来する生物のゲノムDNA中でこの核酸に天然で隣接する配列(すなわち、この核酸の5’末端および3’末端に位置する配列)がない。例えば、種々の実施形態で、単離されたNOVX核酸分子は、核酸が由来する細胞のゲノムDNA中の核酸分子に天然で隣接する、約50kb、25kb、5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kbまたは0.1kbより少ないヌクレオチド配列を含み得る。さらに、「単離された」核酸分子、例えば、cDNA分子は、組換え技法により産生されるとき、その他の細胞物質または培養培地を実質的に含まないか、または化学的に合成されるとき、化学物質前駆体もしくはその他の化学物質を実質的に含まないものであり得る。
【0166】
本発明の核酸分子、例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のヌクレオチド配列を有する核酸分子、またはこのヌクレオチド配列のいずれかの相補鎖は、標準的な分子生物学的技法および本明細書で提供される配列情報を用いて単離され得る。ハイブリダイゼーションプローブとして、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかの核酸配列のすべてもしくは一部分を用いて、NOVX核酸配列は、標準的なハイブリダイゼーションおよびクローニング技法(例えば、Sambrookら(編)、MOLECULAR CLONING:A LABORATORYY MANUAL第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989;およびAusubelら、(編)、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、New York、NY、1993に記載されるような技法)を用いて単離され得る。
【0167】
本発明の核酸は、標準的なPCR増幅技法に従って、テンプレートとしてcDNA、mRNAあるいはゲノムDNA、および適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅され得る。このように増幅された核酸は、適切なベクター中にクローン化され、そしてDNA配列分析により特徴付けられ得る。さらに、NOVXヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準的な合成技法、例えば、自動化DNA合成機を用いることにより調製され得る。
【0168】
本明細書で用いられる用語「オリゴヌクレオチド」は、一連の連結されたヌクレオチド残基をいい、このオリゴヌクレオチドは、PCR反応で用いられ得る十分な数のヌクレオチド塩基を有する。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノム配列もしくはcDNA配列を基礎にし得るか、またはそれから設計され得、そして特定の細胞もしくは組織において、同一、類似もしくは相補的DNAまたはRNAを増幅し、確認し、もしくはその存在を示すために用いられる。オリゴヌクレオチドは、約10nt、50nt、または100ヌクレオチドの長さ、好ましくは約15ヌクレオチド〜30ヌクレオチドの長さを有する核酸配列の部分を含む。1つの実施形態では、100ヌクレオチドより少ない長さの核酸分子を含むオリゴヌクレオチドは、さらに、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかの少なくとも6つの連続するヌクレオチド、またはその相補物を含み得る。オリゴヌクレオチドは、化学的に合成され得、そしてプローブとして用いられ得る。
【0169】
別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかに示されるヌクレオチド配列の相補鎖である核酸分子を含む。別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかに示されるヌクレオチド配列またはこのヌクレオチド配列の一部、の相補鎖である核酸分子を含む。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかに示されるヌクレオチド配列に補的である核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかに示されるヌクレオチド配列に対して、ミスマッチがほとんどなく水素結合し得る、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかに示されるヌクレオチド配列に十分に相補的な核酸分子である。
【0170】
本明細書で用いる用語「相補的」は、核酸分子のヌクレオチド単位間のWatson−CrickまたはHoogsteen塩基対合をいい、そして用語「結合」は、2つのポリペプチドまたは化合物または関連ポリペプチドまたは化合物またはその組合せ間の物理的または化学的相互作用を意味する。結合は、イオン的、非イオン的、Von der Waals的、疎水的相互作用などを含む。物理的相互作用は直接的であるかまたは間接的であり得る。間接的相互作用は、別のポリペプチドまたは化合物によるか、またはその影響に起因し得る。直接的結合は、別のポリペプチドもしくは化合物によらないか、またはその影響に起因せずに生じるか、あるいはその他の実質的な化学的中間体がない相互作用をいう。
【0171】
さらに、本発明の核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45のいずれかの核酸配列の一部のみ(例えば、プローブもしくはプライマーとして用いられ得るフラグメント、またはNOVXの生物学的に活性な部分をコードするフラグメント)を含み得る。本明細書中で提供されるフラグメントは、少なくとも6つの(連続した)核酸または少なくとも4つの(連続した)アミノ酸の配列として定義される。これらの長さは、核酸の場合は特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに、アミノ酸の場合はエピトープの特異的認識を可能にするのに、それぞれ十分であり、そして多くとも全長配列よりもいくらか短い。フラグメントは、選択した核酸またはアミノ酸配列の任意の連続した部分に由来し得る。誘導体は、直接的にまたは修飾もしくは部分置換によってのいずれかで、ネイティブ化合物から形成された核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、ネイティブ化合物に類似であるが同一ではなく、特定の成分または側鎖に関して異なる構造を有する、核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、合成であり得るか、または異なる進化起源に由来し得、そして野生型に比較して類似または反対の代謝活性を有し得る。
【0172】
誘導体およびアナログは、以下に記載のように、誘導体またはアナログが、修飾された核酸またはアミノ酸を含む場合、全長、または全長以外のものであり得る。本発明の核酸またはタンパク質の誘導体またはアナログは、種々の実施形態において、本発明の核酸もしくはタンパク質に、同一の大きさの核酸またはアミノ酸配列にわたって、または整列した配列に比較した場合(この整列は、当該分野で公知であるコンピューター相同性プログラムによって実施される)、少なくとも約70%、80%、85%、90%、95%、98%、もしくは99%もの同一性(好ましい同一性は、80〜99%)で実質的に相同であるか、あるいはそのコードする核酸がストリンジェントの、中程度にストリンジェントの、または低いストリンジェントの条件下で上記のタンパク質をコードする配列の相補体にハイブリダイズし得る、領域を含む分子を包含するが、これらに限定されない。例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、New York、NY、1993、および以下を参照のこと。例示のプログラムは、Gapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package、Version 8 for UNIXTM、Genetics Computer Group、University Research Park、Madison、WI)(デフォルト設定を使用;これは、SmithおよびWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.、1981、2:482−489、これらは、その全体が参考として本明細書中に援用される)を使用する)である。
【0173】
「相同な核酸配列」もしくは「相同なアミノ酸配列」、またはその改変体とは、上記で考察したように、ヌクレオチドレベルまたはアミノ酸レベルにおける相同性によって特徴付けられる配列をいう。相同なヌクレオチド配列は、NOVXポリペプチドのアイソフォームをコードする配列をコードする。アイソフォームは、例えば、RNAの選択的スプライシングの結果として、同一の器官の異なる組織において発現され得る。あるいは、アイソフォームは、異なる遺伝子によってコードされ得る。本発明において、相同なヌクレオチド配列は、ヒト以外の種(哺乳動物が挙げられるが、これに限定されず、従って、例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマおよび他の生物が挙げられ得る)のNOVXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。相同なヌクレオチド配列はまた、天然に存在する対立遺伝子改変体および本明細書に記載されるヌクレオチド配列の変異体が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、相同なヌクレオチド配列は、ヒトNOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含まない。相同な核酸配列は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかの保存的アミノ酸置換(以下参照)、ならびにNOVX活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOVXタンパク質の生物学的活性は以下に記載されている。相同なアミノ酸配列は、ヒトNOVXポリペプチドのアミノ酸配列をコードしない。
【0174】
ヒトNOVX遺伝子のクローニングから決定されたヌクレオチド配列は、例えば他の組織由来の他の細胞型におけるNOVX相同体、および他の哺乳動物由来のNOVX相同体の開示された細胞型の同定および/またはクローニングにおける使用のために設計されたプローブおよびプライマーの生成を可能にする。代表的には、このプローブ/プライマーは、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。代表的には、このオリゴヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45の少なくとも約12、25、50、100、150、200、250、300、350または400以上の連続的なセンス鎖ヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列;または配列番号、1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列;または配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45の天然に存在する変異体のヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。
【0175】
ヒトNOVXヌクレオチド配列に基づくプローブを用いて、転写物またはこのタンパク質または相同体タンパク質をコードするゲノム配列を検出し得る。種々の実施形態において、このプローブはさらに、それに結合した標識基を含む。例えば、この標識基は、放射線同位体、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子であり得る。このようなプローブは、例えば、被験体からの細胞のサンプル中のNOVXをコードする核酸のレベルを測定すること(例えば、NOVX mRNAレベルを検出することかまたはゲノムNOVX遺伝子が変異したかまたは欠失したかどうかを検出すること)により、NOVXタンパク質を誤発現する細胞または組織を同定するための診断試験キットの一部分として用いられ得る。
【0176】
「NOVXの生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」は、特定の生物学的アッセイで測定した場合、用量依存性であるかまたは用量依存性でない、成熟形態を含む、本発明のポリペプチドの活性に類似の(ただし、必ずしも同一である必要はない)活性を示すポリペプチドをいう。「NOVXの生物学的に活性な部分」をコードする核酸フラグメントは、NOVXの生物学的活性(NOVXタンパク質の生物学的活性は表1にまとめられている)を有するポリペプチドをコードする、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45の一部を単離すること、(例えば、インビトロの組換え発現により)NOVXのコードされた部分を発現すること、およびNOVXのコードされた部分の活性を評価することにより調製され得る。
【0177】
(NOVX改変体)
本発明はさらに、遺伝子コードの縮重に起因して、開示されたNOVXヌクレオチド配列とは異なる核酸分子を包含する。従って、これらの核酸は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、または45に示されるヌクレオチド配列によりコードされるのと同じNOVXタンパク質をコードする。別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。
【0178】
配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、または45のいずれかに示されるヒトNOVXヌクレオチド配列に加えて、NOVXのアミノ酸配列中の変化に至るDNA配列の多型が集団(例えば、ヒト集団)内に存在し得ることとが当業者に認識され得る。NOVX遺伝子におけるこのような遺伝的多型は、自然の対立遺伝子のバリエーションに起因して集団内の個体間で存在し得る。本明細書で用いられる場合、用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」は、NOVXタンパク質、好ましくは哺乳動物NOVXタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む核酸分子をいう。このような自然の対立遺伝子バリエーションは、代表的には、NOVX遺伝子のヌクレオチド配列において1−5%の分散を生じ得る。自然の対立遺伝子バリエーションの結果であり、そしてNOVXの機能的活性を変えないNOVX中のこのようなヌクレオチドのバリエーションおよび得られるアミノ酸多型のいずれかおよび全てが、本発明の範囲内にあることが意図される。
【0179】
さらに、他の種からのNOVXタンパク質をコードし、それ故、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、または45のいずれかのヒト配列とは異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子が、本発明の範囲内に含まれることが意図される。本発明のNOVX cDNAの自然の対立遺伝子改変体および相同体に対応する核酸分子は、ヒトcDNA、またはその一部分を、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標準的なハイブリダイゼーション技法によるハイブリダイゼーションプローブとして用い、本明細書に開示されたヒトNOVX核酸に対するそれらの相同性に基づいて単離され得る。
【0180】
別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、長さが少なくとも6ヌクレオチドであり、そしてストリンジェントな条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、または45のいずれかのヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズする。別の実施形態では、この核酸は、長さが少なくとも10、25、50、100、250、500または750ヌクレオチドである。別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、コード領域にハイブリダイズする。本明細書で用いられる場合、用語「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、その条件下で、互いに少なくとも60%相同性であるヌクレオチド配列が、代表的には互いにハイブリダイズしたままである、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための条件を記載することを意図する。
【0181】
相同体(すなわち、ヒト以外の種に由来するNOVXタンパク質をコードする核酸)またはその他の関連配列(例えばパラログ)は、核酸ハイブリダイゼーションおよびクローニングについて当該分野において周知の方法を用い、プローブとして特定のヒト配列のすべてまたは一部分との、低、中程度または高ストリンジェンシーハイブリダイゼーションにより得られ得る。
【0182】
本明細書で用いられる場合、語句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、その条件下で、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドが、その標的配列にハイブリダイズするが、その他の配列にはハイブリダイズしない条件をいう。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、そして異なる状況で異なる。より長い配列は、より短い配列より高い温度で特異的にハイブリダイズする。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHで、特定の配列の熱融解点(Tm)より約5℃低いように選択される。このTmは、標的配列に相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイズする(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度下)温度である。標的配列は一般に過剰で存在するので、Tmでは、50%のプローブが平衡状態で占有されている。代表的には、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3で、塩濃度が約1.0Mナトリウムイオンより少なく、代表的には約0.01〜1.0Mナトリウムイオン(またはその他の塩)、そして温度が短いプローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチド(例えば、10nt〜50nt)について少なくとも約30℃、そしてより長いプローブ、プライマーおよびオリゴヌクレオチドについて少なくとも約60℃であるような条件である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドのような、脱安定化材の添加で達成され得る。
【0183】
ストリンジェントな条件は、当業者に公知であり、そしてCURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、N.Y.(1989)、6.3.1−6.3.6に見出され得る。好ましくは、この条件は、代表的には、互いに少なくとも約65%、70%、75%、85%、90%、95%、98%、または99%相同な配列が、互いにハイブリダイズしたままであるような条件である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非制限的な例は、65℃における、6×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02%PVP、0.02%Ficoll、0.02%BSA、および500mg/ml変性サケ精子DNAを含む高塩緩衝液におけるハイブリダイゼーションである。このハイブリダイゼーションは、次いで50℃における0.2×SSC、0.01%BSA中の1回以上の洗浄である。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかの配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする本発明の単離された核酸分子は、天然に存在する核酸分子に相当する。本明細書で用いられる場合、「天然に存在する」核酸分子とは、天然に存在する(例えば、天然のタンパク質をコードする)ヌクレオチド配列を有するRNAまたはDNA分子をいう。
【0184】
第2の実施形態では、配列番号、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかのヌクレオチド配列を含む核酸分子、またはそのフラグメント、アナログまたは誘導体に、中程度のストリンジェンシーの条件下で、ハイブリダイズ可能である核酸配列が提供される。中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非制限的な例は、55℃における、6×SSC、5×デンハート溶液、0.5%SDSおよび100mg/ml変性サケ精子DNA中のハイブリダイゼーション、続いて37℃における1×SSC、0.1%SDS中における1回以上の洗浄である。用いられ得る中程度のストリンジェンシーのその他の条件は、当該分野で周知である。例えば、Ausubelら(編)、1993、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、NY、およびKriegler、1990、GENE TRANSFER AND EXPRESSION、A LABORATORY MANUAL、Stockton Press、NYを参照のこと。
【0185】
第3の実施形態では、低ストリンジェンシーの条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のいずれかのヌクレオチド配列を含む核酸分子、そのフラグメント、アナログまたは誘導体にハイブリダイズ可能である核酸が提供される。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非制限的な例は、40℃における、35%ホルムアミド、5×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.02%PVP、0.02%Ficoll、0.2%BSA、100mg/ml変性サケ精子DNA、10%(wt/vol)硫酸デキストラン中のハイブリダイゼーション、次いで50℃における2×SSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDTA、および0.1%SDS中の1回以上の洗浄である。用いられ得る低ストリンジェンシーのその他の条件は当該分野で周知である(例えば、異種間(cross−species)ハイブリダイゼーションに用いられる)。例えば、Ausubelら(編)、1993、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、NY、およびKriegler、1990、GENE TRANSFER AND EXPRESSION、A LABORATORY MANUAL、Stockton Press、NY;ShiloおよびWeinberg、1981、Proc Natl Acad Sci USA 78:6789−6792を参照のこと。
【0186】
(保存的変異)
集団中に存在し得るNOVX配列の天然に存在する対立遺伝子改変体に加えて、当業者は、変化が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45のいずれかのヌクレオチド配列中に変異により導入され得、それによってNOVXタンパク質の機能的能力を改変することなく、コードされたNOVXタンパク質のアミノ酸中の変化をもたらすことをさらに理解する。例えば、「非必須」アミノ酸残基におけるアミノ酸置換をもたらすヌクレオチド置換が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45のいずれかの配列中に作成され得る。「非必須」アミノ酸残基は、生物学的活性を改変することなく、NOVXの野生型配列から改変され得る残基であり、ここで「必須」アミノ酸残基は、生物学的活性に必要である。例えば、本発明のNOVXタンパク質間で保存されているアミノ酸残基は、特に改変されにくいことが予測される。
【0187】
NOVXファミリーメンバーのメンバー間で保存されているアミノ酸残基は、改変を受けにくいことが予想される。例えば、本発明によるNOVXタンパク質は、NOVXファミリーメンバーにおける代表的に保存された領域である少なくとも1つのドメイン(例えば、表1に示される)を含み得る。従って、これらの保存されたドメインは、変異を受けやすくはないようである。しかし、他のアミノ酸残基(例えば、NOVXファミリーのメンバー間で保存されていないか、または半分だけ保存されたアミノ酸残基)は、活性に必須ではないかもしれず、従って改変を受けやすいようである。
【0188】
本発明の別の局面は、活性に必須ではないアミノ酸残基中の変化を含む、NOVXタンパク質をコードする核酸分子に関する。このようなNOVXタンパク質は、アミノ酸配列において、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のいずれか1つとは異なり、なお生物学的活性を保持する。1つの実施形態では、単離された核酸分子は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、このタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のいずれかのアミノ酸配列に少なくとも約75%相同であるアミノ酸配列を含む。好ましくは、この核酸分子によりコードされるタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のいずれかに少なくとも約80%相同であり、より好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のいずれか1つに少なくとも約90%、95%、98%、そして最も好ましくは少なくとも約99%相同である。
【0189】
配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のいずれかのタンパク質に相同であるNOVXタンパク質をコードする単離された核酸分子は、対応するヌクレオチド配列(すなわち、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45)中に1つ以上のヌクレオチド置換、付加または欠失を導入することにより作成され得、これにより1つ以上のアミノ酸置換、付加または欠失がコードされたタンパク質中に導入される。
【0190】
変異は、標準技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)によって配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45のヌクレオチド配列に導入され得る。好ましくは、保存的アミノ酸置換が、1以上の推定非必須アミノ酸残基にて作製される。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換される、アミノ酸置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義されている。これらのファミリーとしては、以下が挙げられる:塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アルパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。従って、NOVX中の推定された非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖のファミリー由来の別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の実施形態では、変異は、NOVXコード配列の全てまたは一部に沿って(例えば、飽和変異誘発(saturation mutagenesis)によって)ランダムに導入され得、そして得られる変異体は、NOVXの生物学的活性についてスクリーニングされて、活性を維持する変異体を同定し得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45の変異誘発に続いて、コードされるタンパク質は、当該分野で公知の任意の組換え技術によって発現され得、そしてこのタンパク質の活性が決定され得る。
【0191】
1つの実施形態では、変異NOVXタンパク質は、以下についてアッセイされ得る:(1)他のNOVXタンパク質、他の細胞表面タンパク質、または生物学的に活性なそれらの部分と、タンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力、(2)変異NOVXタンパク質と、NOVXのレセプターとの間の複合体形成;(3)変異NOVXタンパク質が細胞内標的タンパク質またはその生物学的に活性な部分に結合する能力;(例えば、アビジンタンパク質);(4)BRAタンパク質に結合する能力;あるいは(5)抗NOVXタンパク質抗体に特異的に結合する能力。
【0192】
(アンチセンス)
本発明の別の局面は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45またはそのフラグメント、アナログもしくは誘導体のヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズし得るかまたは相補的である、単離されたアンチセンス核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的であるかまたはmRNA配列に相補的である)ヌクレオチド配列を含む。特定の局面では、NOVXコード鎖の少なくとも約10、約25、約50、約100、約250もしくは約500ヌクレオチドまたはその全体に、またはそれらの一部のみに相補的な配列を含む、アンチセンス核酸分子が提供される。配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかのNOVXタンパク質のフラグメント、ホモログ、誘導体およびアナログをコードする核酸分子、または配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45のNOVXの核酸配列に相補的なアンチセンス核酸がさらに提供される。
【0193】
1つの実施形態では、アンチセンス核酸分子は、NOVXをコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。用語「コード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含む、ヌクレオチド配列の領域をいう(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかに対応する、ヒトNOVXのタンパク質コード領域)。別の実施形態では、このアンチセンス核酸分子は、NOVXをコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対してアンチセンスである。用語「非コード領域」とは、コード領域に隣接する、アミノ酸に翻訳されない、5’配列および3’配列をいう(すなわち、5’非翻訳領域および3’非翻訳領域ともいわれる)。
【0194】
本明細書中に開示されるNOVXをコードするコード鎖配列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45)を考慮すれば、本発明のアンチセンス核酸は、WatsonおよびCrickまたはHoogsteenの塩基対合の規則に従って設計され得る。アンチセンス核酸分子は、NOVX mRNAのコード領域全体に相補的であり得るが、より好ましくは、NOVX mRNAのコード領域または非コード領域の一部にのみアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NOVX mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域に相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、長さが約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45または約50ヌクレオチドであり得る。本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を用いて、化学的合成または酵素連結反応を用いて構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、またはこの分子の生物学的安定性を増大させるように、もしくはアンチセンス核酸とセンス核酸との間で形成される二重鎖の物理的安定性を増大させるように設計された種々に改変されたヌクレオチドを用いて化学的に合成され得る(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが用いられ得る)。
【0195】
アンチセンス核酸を作製するために用いられ得る改変されたヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキューオシン(galactosylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン(mannosylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリン。あるいは、このアンチセンス核酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた発現ベクターを用いて生物学的に生成され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNAは、以下の小節にさらに記載される、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向のRNAである)。
【0196】
本発明のアンチセンス核酸分子は、代表的には被験体に投与されるか、またはインサイチュで生成され、その結果それらは、NOVXタンパク質をコードする細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、またはそれに結合し、それによってこのタンパク質の発現を、例えば転写および/または翻訳を阻害することによって阻害する。ハイブリダイゼーションは、安定な二重鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によってか、または例えばDNA二重鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合には、二重らせんの主溝(major groove)における特異的相互作用を介してであり得る。本発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としては、組織部位での直接的注射が挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞を標的化するように改変され得、次いで全身に投与され得る。例えば、全身投与のために、アンチセンス分子は、例えば、そのアンチセンス核酸分子を細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に連結することによって、選択された細胞表面上に発現されたレセプターまたは抗原に特異的に結合するように改変され得る。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中に記載されるベクターを用いて細胞に送達され得る。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を達成するために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIプロモーターまたはpol IIIプロモーターの制御下に置かれているベクター構築物が、好ましい。
【0197】
なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成する。ここで、通常のβ−ユニットとは対照的に、鎖は、互いに平行に走行する(Gaultierら(1987)Nucleic Acids Res 15:6625〜6641)。このアンチセンス核酸分子はまた、2’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら(1987)Nucleic Acids Res 15:6131〜6148)またはキメラRNA−DNAアナログ(Inoueら(1987)FEBS Lett 215:327〜330)を含み得る。
【0198】
(リボザイムおよびPNA部分)
このような改変としては、非限定的な例として、改変塩基、および糖リン酸骨格が改変または誘導体化された核酸が挙げられる。これらの改変は、少なくとも一部は、改変された核酸の化学的安定性を増強するために実施され、その結果、それらは、例えば、被験体での治療的適用におけるアンチセンス結合核酸として使用され得る。
【0199】
なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リボザイムは、一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断し得るリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNA分子であり、これらは、その一本鎖核酸に対して相補領域を有する。従って、リボザイム(例えば、ハンマーヘッド型リボザイム(HaselhoffおよびGerlach(1988)Nature 334:585〜591に記載される))を使用して、NOVX mRNA転写物を触媒的に切断し、それによってNOVX mRNAの翻訳を阻害し得る。NOVXをコードする核酸に特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示されるNOVX DNAのヌクレオチド配列(すなわち、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45)に基づいて設計され得る。例えば、活性部位のヌクレオチド配列が、NOVXをコードするmRNA内で切断されるヌクレオチド配列に相補的である、テトラヒメナL−19 IVS RNAの誘導体が構築され得る。例えば、Cechら、米国特許第4,987,071号;およびCechら、米国特許第5,116,742号を参照のこと。あるいは、NOVX mRNAを使用して、RNA分子のプールから、特異的リボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNAを選択し得る。例えば、Bartelら(1993)Science 261:1411〜1418を参照のこと。
【0200】
あるいは、NOVX遺伝子発現は、NOVXの調節領域(例えば、NOVXのプロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的化し、標的細胞中でNOVX遺伝子の転写を妨害する三重らせん構造を形成することによって阻害され得る。一般には、Helene.(1991)Anticancer Drug Des.6:569〜84;Heleneら(1992)Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27〜36;およびMaher(1992)Bioassays 14:807〜15を参照のこと。
【0201】
種々の実施形態において、NOVXの核酸は、塩基部分、糖部分またはリン酸骨格で改変され、例えば、その分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは可溶性を改善し得る。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格を改変して、ペプチド核酸を生成し得る(Hyrupら(1996)Bioorg Med Chem 4:5〜23を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、用語「ペプチド核酸」または「PNA」は、デオキシリボースリン酸骨格が偽ペプチド骨格によって置換され、そして4つの天然の核塩基(nucleobase)のみが保持されている核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいう。PNAの中性の骨格は、低いイオン強度の条件下でDNAおよびRNAに対する特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、上記のHyrupら(1996);Perry−O’Keefeら(1996)PNAS 93:14670〜675において記載されるような標準的固相ペプチド合成プロトコルを用いて行われ得る。
【0202】
NOVXのPNAは、治療的適用および診断的適用において使用され得る。例えば、PNAは、例えば転写または翻訳の停止を誘導することまたは複製を阻害することによる、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンスまたは抗遺伝子剤として使用され得る。NOVXのPNAはまた、例えばPNA特異的PCRクランピングによる遺伝子における一塩基対変異の分析において;他の酵素(例えば、S1ヌクレアーゼ)と組み合わせて使用される場合に人工制限酵素として(Hyrup B.(1996)上記);またはDNA配列およびハイブリダイゼーションのプローブもしくはプライマーとして(Hyrupら(1996)上記;Perry−O’Keefe(1996)、上記)、使用され得る。
【0203】
別の実施形態において、NOVXのPNAは、例えば、それらの安定性または細胞性取り込みを増強するために、PNAに親油性基または他のヘルパー基を結合することによって、PNA−DNAキメラの形成によって、またはリポソームもしくは当該分野において公知の薬物送達の他の技術の使用によって改変され得る。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を組合せ得る、NOVXのPNA−DNAキメラが生成され得る。PNA部分が高い結合親和性および特異性を提供する一方で、そのようなキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNase HおよびDNAポリメラーゼ)がDNA部分と相互作用するのを可能にする。PNA−DNAキメラは、塩基のスタッキング、核塩基間の結合数および方向に関して選択される適切な長さのリンカーを使用して連結され得る(Hyrup(1996)上記)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrup(1996)上記およびFinnら(1996)Nucl Acids Res 24:3357〜63において記載されるように行われ得る。例えば、DNA鎖は、標準的なホスホルアミダイトカップリング化学を用いて固体支持体上で合成され得、そして改変されたヌクレオシドアナログ(例えば、5’−(4−メトキシトリチル)アミノ−5’−デオキシ−チミジンホスホルアミダイト)が、PNAとDNAの5’末端との間に使用され得る(Magら(1989)Nucl Acid Res 17:5973〜88)。次いで、PNAモノマーが段階様式でカップリングされ、5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを有するキメラ分子を生成する(Finnら(1996)上記)。あるいは、5’DNAセグメントおよび3’PNAセグメントを用いて、キメラ分子が合成され得る。Petersenら(1975)Bioorg Med Chem Lett 5:1119〜11124を参照のこと。
【0204】
他の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、以下のような他の付属の基を含み得る:ペプチド(例えば、インビボで宿主細胞レセプターを標的化するため)、または細胞膜を横切る輸送を容易にする因子(例えば、Letsingerら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:6553〜6556;Lemaitreら、1987、Proc.Natl.Acad.Sci.84:648〜652;PCT公開番号WO88/09810を参照のこと)、または血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134を参照のこと)。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション誘発切断剤(例えば、Krolら、1988、BioTechniques 6:958〜976を参照のこと)、またはインターカレーター剤(例えば、Zon,1988、Pharm.Res.5:539〜549を参照のこと)で改変され得る。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発切断剤など)に結合され得る。
【0205】
(NOVXポリペプチド)
本発明の新規のタンパク質は、その配列が配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかに提供されるNOVX様タンパク質を含む。本発明はまた、なおそのNOVX様活性および生理学的機能を維持するタンパク質またはその機能的フラグメントをコードするが、その任意の残基が図1に示される対応する残基から変化し得る、変異体または改変体タンパク質を含む。例えば、本発明は、上記の改変体NOVX核酸によってコードされるポリペプチドを含む。この変異体または改変体タンパク質において、20%までまたはそれ以上の残基がそのように変更され得る。
【0206】
一般に、NOVX様機能を保持するNOVX様改変体は、配列中の特定位置の残基が他のアミノ酸により置換された任意の改変体を含み、そしてさらに、親タンパク質の2つの残基の間にさらなる残基を挿入する可能性、および親配列から1つ以上の残基を欠失する可能性を含む。任意のアミノ酸の置換、挿入または欠失が、本発明によって包含される。好適な状況では、この置換は、上記で規定されるような保存的置換である。さらに、本発明の範囲を限定しないが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかの位置が、変異体または改変体タンパク質が1以上の置換を含み得るように置換され得る。
【0207】
本発明はまた、単離されたNOVXタンパク質、およびその生物学的に活性な部分、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログを含む。抗NOVX抗体を惹起するための免疫原としての使用に適するポリペプチドフラグメントもまた提供される。1つの実施形態では、ネイティブなNOVXタンパク質が、標準的なタンパク質精製技術を用いる適切な精製スキームにより、細胞または組織供給源から単離され得る。別の実施形態では、NOVXタンパク質は、組換えDNA技術により生産される。組換え発現の代替法として、NOVXタンパク質またはポリペプチドは、標準的なペプチド合成技術を用いて化学的に合成され得る。
【0208】
「単離された」または「精製された」タンパク質またはその生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質の由来する細胞または組織供給源由来の細胞性物質または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、あるいは化学合成される場合に化学物質前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、NOVXタンパク質の調製物を含み、この調製物において、このタンパク質が単離または組換え産生される細胞の細胞性成分から、このタンパク質は分離されている。1つの実施形態において、用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、非NOVXタンパク質(本明細書中において「夾雑タンパク質」とも呼ばれる)を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは非NOVXタンパク質を約20%未満、なおより好ましくは非NOVXタンパク質を約10%未満、そして最も好ましくは非NOVXタンパク質を約5%未満有する、NOVXタンパク質の調製物を含む。NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分が組換え産生される場合、好ましくは、これはまた培養培地を実質的に含まない。すなわち、培養培地は、そのタンパク質調製物の容量の約20%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約5%未満に相当する。
【0209】
用語「化学物質前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、タンパク質が、そのタンパク質の合成に関与する化学物質前駆体または他の化学物質から分離されているNOVXタンパク質の調製物を含む。1つの実施形態において、用語「化学物質前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、化学物質前駆体または非NOVX化学物質を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは化学物質前駆体または非NOVX化学物質を約20%未満、なおより好ましくは化学物質前駆体または非NOVX化学物質を約10%未満、そして最も好ましくは化学物質前駆体または非NOVX化学物質を約5%未満有する、NOVXタンパク質の調製物を含む。
【0210】
NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、全長NOVXタンパク質より少ないアミノ酸を含みかつNOVXタンパク質の少なくとも1つの活性を示す、NOVXタンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列)に十分に相同であるかまたはそのようなアミノ酸配列に由来する、アミノ酸配列を含むペプチドを含む。代表的には、生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、長さが10、25、50、100またはそれより多いアミノ酸である、ポリペプチドであり得る。
【0211】
本発明のNOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、FGFファミリータンパク質間に保存される上記の同定されたドメインの少なくとも1つ(例えば、TSRモジュール)を含み得る。さらに、タンパク質の他の領域が欠失している他の生物学的に活性な部分は、組換え技術によって調製され得、そしてネイティブなNOVXタンパク質の機能的活性のうちの1つ以上について評価され得る。
【0212】
1つの実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかに示されるアミノ酸配列を有する。他の実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかに実質的に相同であり、そして以下に詳細に議論されるように、天然の対立遺伝子の変動または変異誘発に起因してアミノ酸配列が異なるが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかのタンパク質の機能的活性を保持する。従って、別の実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかのアミノ酸配列に少なくとも約45%相同、より好ましくは約55、65、70、75、80、85、90、95、98または99%までも相同なアミノ酸配列を含み、かつ配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46の配列を有する対応するポリペプチドのNOVXタンパク質の機能的活性を保持する、タンパク質である。
【0213】
(2つ以上の配列間の相同性の決定)
2つのアミノ酸配列または2つの核酸の相同性の百分率を決定するために、配列は、至適な比較の目的のために整列される(例えば、ギャップが、配列間の最適な整列について比較される配列のいずれかに導入され得る)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、分子はその位置で相同である(すなわち、本明細書中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「相同性」は、アミノ酸または核酸の「同一性」と等価である)。
【0214】
核酸配列の相同性は、2つの配列間の同一性の程度として決定され得る。相同性は、当該分野において公知のコンピュータープログラム(例えば、GCGプログラムパッケージにおいて提供されるGAPソフトウェア)を用いて決定され得る。NeedlemanおよびWunsch 1970 J Mol Biol 48:443〜453を参照のこと。核酸配列比較のための以下の設定(GAP作製ペナルティー、5.0、およびGAP伸長ペナルティー、0.3)を用いてGCG GAPソフトウェアを使用すると、上記で言及される類似の核酸配列のコード領域は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45に示されるDNA配列のCDS(コード)部分と、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性の程度を示す。
【0215】
用語「配列同一性」は、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列が、特定の比較領域にわたって、残基毎を基準として同一である程度をいう。用語「配列同一性のパーセンテージ」は、以下により算出される:その比較領域にわたって最適に整列された2つの配列を比較すること、両方の配列において同一の核酸塩基(例えば、核酸の場合にはA、T、C、G、U、またはI)が存在する位置の数を決定して一致した位置の数を明らかにすること、この一致した位置の数を比較領域の内の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で除算すること、およびその結果を100で乗算して、配列同一性のパーセンテージを導くこと。用語「実質的な同一性」は、本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチド配列の特徴を示し、ここでこのポリヌクレオチドは、比較領域にわたり参照配列と比較して、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の配列同一性、そして頻繁には90〜95%の配列同一性、より通常には少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。用語「陽性(positive)残基の百分率」は、以下により算出される:その比較領域にわたって最適に整列された2つの配列を比較すること、同一のアミノ酸および上記のように規定される保存的アミノ酸置換が両方の配列において存在する位置の数を決定して一致した位置の数を導くこと、この一致した位置の数を比較領域中の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で除算すること、およびその結果を100で乗算して陽性残基の百分率を導くこと。
【0216】
(キメラタンパク質および融合タンパク質)
本発明はまた、NOVXキメラタンパク質または融合タンパク質を提供する。本明細書中で使用される場合、NOVX「キメラタンパク質」またはNOVX「融合タンパク質」は、非NOVXポリペプチドに作動可能に連結された、NOVXポリペプチドを含む。「NOVXポリペプチド」は、NOVXに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいうが、「非NOVXポリペプチド」は、NOVXタンパク質に対して実質的に相同ではないタンパク質(例えば、NOVXタンパク質とは異なりかつ同一生物かまたは異なる生物に由来する、タンパク質)に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。NOVX融合タンパク質において、このNOVXポリペプチドは、NOVXタンパク質のすべてまたは一部分に対応し得る。1つの実施形態では、NOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性な部分を含む。別の実施形態では、NOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結された」は、NOVXポリペプチドおよび非NOVXポリペプチドが、インフレームで互いに融合されていることを示すことが意図される。非NOVXポリペプチドは、NOVXポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
【0217】
例えば、1つの実施形態では、NOVX融合タンパク質は、第2のタンパク質の細胞外ドメインに作動可能に連結されたNOVXポリペプチドを含む。このような融合タンパク質は、NOVX活性を調節する化合物についてのスクリーニングアッセイでさらに利用され得る(このようなアッセイは、以下に詳細に記載される)。
【0218】
別の実施形態においては、この融合タンパク質は、GST−NOVX融合タンパク質であり、ここではNOVX配列が、GST(すなわち、グルタチオンS−トランスフェラーゼ)配列のC末端に融合される。このような融合タンパク質は、組換えNOVXの精製を容易にし得る。
【0219】
なお別の実施形態において、この融合タンパク質は、そのN末端に異種シグナル配列を含むNOVXタンパク質である。例えば、ネイティブNOVXシグナル配列が除去され得、そして別のたんぱく質由来のシグナル配列で置換され得る。特定の宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)において、NOVXの発現および/または分泌は、異種シグナル配列の使用を介して増加され得る。
【0220】
別の実施形態においては、この融合タンパク質は、NOVX−免疫グロブリン融合タンパク質であり、ここでは1つ以上のドメインを含むNOVX配列が、免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーに由来する配列に融合される。本発明のこのNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、薬学的組成物中に取り込まれ得、そして被験体に投与され得て、細胞の表面上でNOVXリガントとNOVXタンパク質との間の相互作用を阻害し、それによってインビボでNOVX媒介シグナル伝達を抑制し得る。1つの非限定的な例においては、意図される本発明のNOVXリガンドは、NOVXレセプターである。このNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質を用い、NOVX同族リガンドのバイオアベイラビリティーを調節し得る。NOVXリガンド/NOVX相互作用の阻害は、増殖障害および分化障害(例えば、癌)の処置、および細胞生存を調節(例えば、促進または阻害)することの両方に、治療的に有用であり得る。さらに、本発明のNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、被験体中で抗NOVX抗体を産生するための免疫原として、NOVXリガンドを精製するため、そしてNOVXリガンドとのNOVXの相互作用を阻害する分子を同定するスクリーニングアッセイにおいて、用いられ得る。
【0221】
本発明のNOVXキメラタンパク質または融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技法により産生され得る。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントを、従来の技法に従って、例えば、連結のための平滑化末端または付着化(stagger)末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、適切な付着(cohesive)末端の充填、所望しない連結を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素的連結を使用することにより、インフレームで一緒に連結する。別の実施形態では、融合遺伝子を、自動化DNA合成機を含む従来技法により合成し得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR増幅を、2つの連続する遺伝子フラグメント間に相補的突出を生じるアンカープライマーを用いて実施し得、この遺伝子フラグメントは、キメラ遺伝子配列を生成するために次いでアニールおよび再増幅され得る(例えば、Ausubelら(編)CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、1992を参照のこと)。さらに、融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をすでにコードした多くの発現ベクターが市販されている。NOVXをコードする核酸は、この融合部分がNOVXタンパク質にインフレーム連結されるように、このような発現ベクター中にクローン化され得る。
【0222】
(NOVXアゴニストおよびNOVXアンタゴニスト)
本発明はまた、NOVXアゴニスト(模倣物)またはNOVXアンタゴニストのいずれかとして機能するNOVXタンパク質の改変体に関する。NOVXタンパク質の改変体が、変異誘発(例えば、NOVXタンパク質の分散した点変異または短縮)により生成され得る。NOVXタンパク質のアゴニストは、天然に存在する形態のNOVXタンパク質と実質的に同じ生物学的活性、またはその生物学的活性のサブセットを保持し得る。NOVXタンパク質のアンタゴニストは、天然に存在する形態のNOVXタンパク質の1つ以上の活性を、例えば、NOVXタンパク質を含む細胞シグナル伝達カスケードの下流または上流メンバーに競合的に結合することにより阻害し得る。従って、特定の生物学的効果が、限られた機能の改変体を用いた処理により惹起され得る。1つの実施形態では、このタンパク質の天然に存在する形態の生物学活性のサブセットを有する改変体を用いた被験体の処置は、NOVXタンパク質の天然に存在する形態を用いた処置に対してより少ない副作用を被験体において有する。
【0223】
NOVXアゴニスト(模倣物)またはNOVXアンタゴニストのいずれかとして機能するNOVXタンパク質の改変体は、NOVXタンパク質のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性のためのNOVXタンパク質の変異体(例えば短縮型変異体)のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより同定され得る。1つの実施形態では、NOVX改変体の多彩なライブラリーは、核酸レベルのコンビナトリアル変異誘発により生成され、そして多彩な遺伝子ライブラリーによりコードされる。NOVX改変体の多彩なライブラリーは、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を、潜在的なNOVX配列の縮重セットが、個々のポリペプチドとしてかあるいはその中にNOVX配列のセットを含む(例えば、ファージディスプレイのための)より大きな融合タンパク質のセットとして発現可能であるように、遺伝子配列に酵素的に連結することにより産生され得る。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的なNOVX改変体のライブラリーを産生するために用いられ得る種々の方法がある。縮重遺伝子配列の化学的合成は、自動化DNA合成機中で実施され得、次いでこの合成遺伝子は、適切な発現ベクター中に連結される。遺伝子の縮重セットの使用は、1つの混合物において、潜在的なNOVX配列の所望のセットをコードする配列のすべての供給を可能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当該分野で公知である(例えば、Narang(1983)Tetrahedron 39:3;Itakuraら(1984)Annu Rev Biochem 53:323;Itakuraら(1984)Science 198:1056;Ikeら(1983)Nucl Acid Res 11:477を参照のこと)。
【0224】
(ポリペプチドライブラリー)
さらに、NOVXタンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーを用いて、NOVXタンパク質の改変体のスクリーニングおよび引き続く選択のためのNOVXフラグメントの多彩な集団を生成し得る。1つの実施形態では、コード配列フラグメントのライブラリーは、NOVXコード配列の二本鎖PCRフラグメントを、1分子あたり約1つのみニックが生じる条件下でヌクレアーゼで処理すること、二本鎖DNAを変性させること、異なるニック産物からのセンス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成するためにこのDNAを再生すること、S1ヌクレアーゼを用いた処理により再形成された二重鎖から一本鎖部分を除去すること、および得られるフラグメントライブラリーを発現ベクター中に連結することにより生成し得る。この方法により、NOVXタンパク質の種々のサイズのN末端および内部フラグメントをコードする発現ライブラリーが派生し得る。
【0225】
点変異または短縮により作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするため、および選択された性質を有する遺伝子産物のcDNAライブラリーをスクリーニングするための、いくつかの技法が当該分野で公知である。このような技法を、NOVXタンパク質のコンビナトリアル変異誘発により生成された遺伝子ライブラリーの迅速スクリーニングに適用可能である。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための、高スループット分析に適した最も広く用いられる技法は、代表的には、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクター中にクローニングすること、得られるベクターのライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、およびこのコンビナトリアル遺伝子を、所望の活性の検出が、その産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を容易にする条件下で発現することを含む。ライブラリー中の機能的変異体の頻度を増大する新規技法である再帰性アンサンブル変異誘発(recrusive ensemble mutagenesis)(REM)を、スクリーニングアッセイと組み合わせて用い、NOVX改変体を同定し得る(ArkinおよびYourvan(1992)PNAS 89:7811−7815;Delgraveら(1993)Protein Engineering 6:327−331)。
【0226】
(抗NOVX抗体)
本発明は、本発明のタンパク質のいずれかに免疫特異的に結合する抗体および抗体フラグメント(例えば、Fabまたは(Fab)をさらに包含する。
【0227】
単離されたNOVXタンパク質またはその一部もしくはフラグメントは、ポリクロナール抗体およびモノクロナール抗体の調製のための標準的な技術を用いて、NOVXに結合する抗体を生成するための免疫原として使用され得る。全長NOVXタンパク質が使用され得る。あるいは、本発明は、免疫原として使用するためのNOVXの抗原性ペプチドフラグメントを提供する。NOVXの抗原性ペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のいずれかにおいて示されるアミノ酸配列の少なくとも4アミノ酸残基を含む。この抗原性ペプチドは、そのペプチドに対して惹起された抗体がNOVXと特異的な免疫複合体を形成するように、NOVXのエピトープを含む。この抗原性ペプチドは、少なくとも6アミノ酸残基、少なくとも8アミノ酸残基、少なくとも10アミノ酸残基、少なくとも15アミノ酸残基、少なくとも20アミノ酸残基、または少なくとも30アミノ酸残基を含み得る。本発明の1つの実施形態において、この抗原性ペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のいずれかの少なくとも6個連続するアミノ酸を含む、ポリペプチドを含む。
【0228】
本発明の1つの実施形態では、抗原性ペプチドにより包含されるエピトープは、NOVXタンパク質の表面上に位置するNOVXの領域(例えば、親水性領域)である。抗体産生を標的とするための手段として、親水性領域および疎水性領域を示すヒドロパシープロットを、例えば、フーリエ変換を用いるかまたは用いない、Kyte Doolittle法またはHopp Woods法を含む、当該分野で周知の任意の方法により生成し得る。例えば、それらの全体が各々本明細書に参考として援用される、HoppおよびWoods、1981、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 78:3824−3828;KyteおよびDoolittle 1982、J.Mol.Biol.157:105−142を参照のこと。
【0229】
本明細書中に開示されるように、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のいずれかのNOVXタンパク質配列、あるいはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログは、これらのタンパク質成分に免疫特異的に結合する抗体の産生における免疫原として使用され得る。用語「抗体」とは、本明細書中に使用される場合、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分(すなわち、抗原(例えば、NOVX)に特異的に結合(免疫反応)する、抗原結合部位を含む分子)をいう。このような抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、FabフラグメントおよびF(ab’)2フラグメントおよびFab発現ライブラリーが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、ヒトNOVXタンパク質に対する抗体が開示される。配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、および46のいずれかのNOVXタンパク質配列、あるいはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに対するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の産生のための当該分野で公知の種々の手順が、使用され得る。
【0230】
ポリクローナル抗体の産生のために、種々の適切な宿主動物(例えば、ウサギ、ヤギ、マウスまたはその他の哺乳動物)を、ネイティプタンパク質、またはその合成改変体、または前述の誘導体での注射により免疫化し得る。適切な免疫原調製物は、例えば、組換えにより発現されたNOVXタンパク質または化学的に合成されたNOVXポリペプチドを含有し得る。この調製物は、アジュバントをさらに含み得る。免疫学的応答を増大するために用いられる種々のアジュバントは、制限されずに、フロイントの完全および不完全アジュバント、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、表面活性物質(例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、ジニトロフェノールなど)、Bacille Calmette−GuerinおよびCorynebacterium parvumのようなヒトアジュバント、または類似の免疫刺激剤を含む。所望であれば、NOVXに対して惹起された抗体分子は、哺乳動物(例えば、血液)から単離され、そしてさらに、IgGフラクションを得るためのプロテインAクロマトグラフィーのような、周知の技法により精製され得る。
【0231】
本明細書で用いられる用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、NOVXの特定のエピトープと免疫反応し得る抗原結合部位の特定の1種のみを含む抗体分子の集団をいう。従って、代表的には、モノクローナル抗体組成物は、それと免疫反応する特定のNOVXタンパク質に対し、単一の結合親和性を示す。特定のNOVXタンパク質配列、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくは相同体に対して惹起されたモノクローナル抗体の調製には、連続的な細胞株培養による抗体分子の産生のために提供する任意の技法が利用され得る。このような技法は、制限されずに、ハイブリドーマ技法(Kohler&Milstein、1975 Nature 256:495−497を参照のこと);トリオーマ技法;ヒトB細胞ハイブリドーマ技法(Kozborら、1983 Immunol Today 4:72)およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技法(Coleら、1985 MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY、Alan R.Liss、Inc.77−96頁を参照のこと)を含む。ヒトモノクローナル抗体を、本発明の実施において利用し得、そしてヒトハイブリドーマを用いることによるか(Coteら、1983.Proc Natl Acad Sci USA 80:2026−2030を参照のこと)、またはインビトロでヒトB細胞をエプスタイン−バーウイルスで形質転換することにより(Coleら、1985 MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY、Alan R.Liss、Inc.77−96頁を参照のこと)産生され得る。上記の引用の各々は、それらの全体が参考として本明細書に援用される。
【0232】
本発明によれば、技法は、NOVXタンパク質に特異的な単鎖抗体の産生のために適合され得る(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)。さらに、方法は、Fab発現ライブラリーの構築のために適合され得(例えば、Huseら、1989 Science 246:1275−1281を参照のこと)、NOVXタンパク質配列、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくは相同体に対し、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ有効な同定を可能にする。非ヒト抗体は、当該分野で周知の技法により「ヒト化」され得る。例えば、米国特許第5,225,539号を参照のこと。上記引用文献の各々は、本明細書中で参考として援用される。NOVXタンパク質に対するイディオタイプを含む抗体フラグメントを、当該分野で公知の技法により産生し得、これには、制限されないで:(i)抗体分子のペプシン消化により産生されるF(ab’)2フラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することにより生成されるFabフラグメント;(iii)抗体分子のパパインおよび還元剤での処理により生成されるFabフラグメントおよび(iv)Fフラグメントが含まれる。
【0233】
さらに、ヒトおよび非ヒト部分の両方を含むキメラ抗体およびヒト化モノクローナル抗体のような、組換え抗NOVX抗体(これらは、標準組換えDNA技術を用いて作製され得る)は、本発明の範囲内である。このようなキメラ抗体およびヒト化モノクローナル抗体は、当該分野で公知の組換えDNA技術により生成され得る。この技術は例えば、以下に記載の方法を用いる:国際出願番号PCT/US86/02269;欧州特許出願番号184,187号;欧州特許出願番号171,496;欧州特許出願番号173、494;PCT国際公開番号WO 86/01533;米国特許第4,816,567号;欧州特許出願番号125,023号;Betterら(1988)Science 240:1041〜1043;Liuら(1987)PNAS 84:3439〜3443;Liuら(1987)J Immunol.139:3521〜3526;Sunら(1987)PNAS 84:214〜218;Nishimuraら(1987)Cancer Res 47:999〜1005;Woodら(1985)Nature 314:446〜449;Shawら(1988)J Natl Cancer Inst 80:1553〜1559);Morrison(1985)Science 229:1202〜1207;Oiら(1986)BioTechniques 4:214;米国特許第5,225,539号;Jonesら(1986)Nature 321:552〜525;Verhoeyanら(1988)Science 239:1534;ならびにBeidlerら(1988)J Immunol 141:4053〜4060。上記引用の各々は、それらの全体において参考として本明細書中に援用される。
【0234】
1つの実施形態において、所望の特異性を保有する抗体のスクリーニングのための方法論は、当該分野内で公知の酵素結合抗体免疫吸着アッセイ(ELISA)および他の免疫学的に媒介された技術を含むが、これに限定されない。特定の実施形態において、NOVXタンパク質の特定のドメインに対して特異的である抗体の選抜は、このようなドメインを所有しているNOVXタンパク質のフラグメントに結合するハイブリドーマの生成により容易にされる。NOVXタンパク質内の1つ以上のドメイン(例えば、FGF−9、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログと比較した場合、NOVXに特異的な第1の50個のアミノ酸残基をスパニングするドメイン)に対して特異的である抗体もまた、本明細書中に提供される。
【0235】
抗NOVX抗体は、NOVXタンパク質の局在化および/または定量化に関する当該分野で公知の方法において用いられ得る(例えば、適切な生理学的なサンプル内のNOVXタンパク質のレベルを測定する使用のために、診断的方法における使用のために、タンパク質の画像化における使用のために、など)。所定の実施形態において、NOVXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログまたはホモログの抗体(抗体由来の結合ドメインを含む)は、薬理学的に活性な化合物[本明細書中、以降において「治療剤」]として利用される。
【0236】
抗NOVX抗体(例えば、モノクローナル抗体)は、標準技術(例えばアフィニティークロマトグラフィまたは免疫沈降)によって、NOVXを単離するために用いられ得る。抗NOVX抗体は、細胞からの天然のNOVX、そして宿主細胞において発現される組換え的に産生されたNOVXの精製を容易にし得る。さらに、抗NOVX抗体が、(例えば、細胞の溶菌液または細胞上清における)NOVXタンパク質を検出するために用いられ、NOVXタンパク質の発現の量およびパターンを評価し得る。抗NOVX抗体は、例えば、所定の治療レジメンの有効性を決定するために、臨床試験の手順の一部として組織におけるタンパク質レベルを診断的にモニターするために用いられ得る。検出は、抗体を検出可能物質に連結する(すなわち、物理的に連結する)ことにより容易になり得る。検出可能物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光材料、生物発光材料および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる;適切な補欠分子族複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられる;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン(dichlorotriazinylamine)フルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられる;発光材料の例としては、ルミノールが挙げられる;生物発光材料の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられる;そして、適切な放射性物質の例としては125I、131I、35SまたはHが挙げられる。
【0237】
(NOVX組換えベクターおよび宿主細胞)
本発明の別の局面は、NOVXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログ、もしくはホモログをコードする核酸を含むベクター、好ましくは発現ベクターに関する。本明細書中で使用される場合、用語「ベクター」は、これが接続された別の核酸を輸送し得る核酸分子をいう。ベクターの1つの型は「プラスミド」であり、これはさらなるDNAセグメントが連結し得る環状の二本鎖DNAループをいう。ベクターの別の型はウイルス性ベクターであり、ここでさらなるDNAセグメントはこのウイルス性ゲノムに連結され得る。特定のベクターは宿主細胞中で自発的に複製し得、この中に導入される(例えば、細菌の複製起源を有する細菌ベクターおよびエピソームの哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳類ベクター)は、宿主細胞に導入される際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、そしてこれによって宿主のゲノムと同調して複製される。さらに、特定のベクターは、これが作動可能に連結される遺伝子の発現を指向し得る。このようなベクターは、本明細書中で「発現ベクター」といわれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしばプラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、このプラスミドはベクターの最も一般的に使用される形態であるため、交換可能に使用され得る。しかし、本発明は、ウイルス性ベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)のような発現ベクターのこのような他の形態を含むことを意図し、これは等価な機能を果たす。
【0238】
本発明の組換え発現ベクターは、本発明の核酸を、宿主細胞における核酸の発現に適切な形態で含み、これはこの組換え発現ベクターが、発現のために使用される宿主細胞に基いて選択される1つ以上の調節配列を含むこと意味し、これは発現される核酸配列に作動可能に連結される。組換え発現ベクターにおいて、「作動可能に連結」は、目的のヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列の発現を可能にする(例えば、このベクターが宿主細胞に導入される場合、インビトロ転写/翻訳系または宿主細胞において)ような様式で調節配列に連結されることを意味することを意図する。用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調節配列は、例えば、Goeddel、GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)に記載されている。調節配列は、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指向する配列、および特定の宿主細胞のみにおいてヌクレオチド配列の発現を指向する配列(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクターの設計が形質転換されるべき宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベルなどのような因子に依存し得ることは当業者に理解される。本発明の発現ベクターは、宿主細胞に導入され、それにより、本明細書に記載されるような核酸によりコードされるタンパク質またはペプチド(融合タンパク質または融合ペプチドを含む)(例えば、NOVXタンパク質、NOVXタンパク質の変異形態、融合タンパク質など)を生成し得る。
【0239】
本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における、NOVXタンパク質の発現のために設計され得る。例えば、NOVXタンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳動物細胞において発現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel、GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)においてさらに考察される。あるいは、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで転写および翻訳され得る。
【0240】
原核生物におけるタンパク質の発現は、最も頻繁には、融合タンパク質または非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含むベクターを有するE.coliにおいて実行される。融合ベクターは、そこにコードされるタンパク質に、通常、組換えタンパク質のアミノ末端に、多数のアミノ酸を付加する。このような融合ベクターは、代表的には、以下の3つの目的のために役立つ:(1)組換えタンパク質の発現を増加させること;(2)組換えタンパク質の溶解度を増加させること;および(3)親和性精製においてリガンドとして作用することによって組換えタンパク質の精製の際に補助すること。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解の切断部位が、融合部分の結合部に導入され、そして融合タンパク質の精製の後に、組換えタンパク質が組換えタンパク質の融合部分から分離されることを可能にする。このような酵素、およびその同族の認識配列は、第Xa因子、トロンビン、およびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベクターとしては、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはプロテインAを、それぞれ、標的の組換えタンパク質に融合するpGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smith and Johnson(1988)Gene 67:31−40)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,Mass.)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,N.J.)が挙げられる。
【0241】
適切な誘導性非融合E.coli発現ベクターの例としては、pTrc(Amrannら(1988)Gene 69:301−315)およびpET 11d(Studierら、GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)60−89)が挙げられる。
【0242】
E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化するための1つのストラテジーは、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力が損なわれた宿主細菌中でタンパク質を発現させることである。例えば、Gottesman,GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)119−128を参照のこと。別のストラテジーは、各アミノ酸についての個々のコドンが、E.coliにおいて優先的に利用されるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変更することである(例えば、Wadaら(1992)Nucl.Acids Res.20:2111−2118を参照のこと)。本発明の核酸配列のこのような変更は、標準的なDNA合成技術によって実行され得る。
【0243】
別の実施形態において、NOVX発現ベクターは、酵母発現ベクターである。酵母S.cerivisaeにおける発現のためのベクターの例には、pYepSec1(Baldariら、(1987)EMBO J 6:229−234)、pMFa(KurjanおよびHerskowitz、(1982)Cell 30:933−943)、pJRY88(Schultzら、(1987)Gene 54:113−123)、pYES2(Invitrogen Corporation,San Diego,Calif.)、およびpicZ(InVitrogen Corp.,San Diego,Calif.)が挙げられる。
【0244】
あるいは、NOVXは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して、昆虫細胞中で発現され得る。培養された昆虫細胞(例えば、SF9細胞)中でタンパク質の発現のために利用可能なバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズ(Smithら(1983)Mol Cell Biol 3:2156−2165)およびpVLシリーズ(LucklowおよびSummers(1989)Virology 170:31−39)が挙げられる。
【0245】
なお別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用して、哺乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例には、pCDM8(Seed(1987)Nature 329:840)およびpMT2PC(Kaufmanら(1987)EMBO J 6:187−195)が挙げられる。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、ウイルスの調節エレメントによって提供される。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびシミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方のための他の適切な発現系については、例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989の第16章および第17章を参照のこと。
【0246】
別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型(例えば、組織特異的調節エレメントを使用して核酸を発現する)中で優先的に核酸の発現を指向し得る。組織特異的調節エレメントは、当該分野で公知である。適切な組織特異的プロモーターの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(肝臓特異的;Pinkertら(1987)Genes Dev 1:268−277)、リンパ特異的プロモーター(CalameおよびEaton(1988)Adv Immunol 43:235−275)、特に、T細胞レセプタープロモーター(WinotoおよびBaltimore(1989)EMBO J 8:729−733)および免疫グロブリン(Banerjiら(1983)Cell 33:729−740;QueenおよびBaltimore(1983)Cell 33:741−748)のプロモーター、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター;ByrneおよびRuddle(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlundら(1985)Science 230:912−916)、および乳腺特異的プロモーター(例えば、ミルク乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号および欧州出願公開第264,166号)が挙げられる。発生的に調節されるプロモーターもまた含まれる(例えば、マウスホックス(murine hox)プロモーター(KesselおよびGruss(1990)Science 249:374−379)およびα−フェトプロテインプロモーター(CampesおよびTilghman(1989)Genes Dev 3:537−546)。
【0247】
本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、そのDNA分子は、NOVX mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DNA分子の転写によって)を可能にする様式で調節配列に作動可能に連結される。種々の細胞型におけるアンチセンスRNA分子の連続的な発現を指向する、アンチセンス方向でクローニングされた核酸に作動可能に連結される調節配列が選択され得る。例えば、アンチセンスRNAの直接的な構成的発現、組織特異的発現、または細胞型特異的発現を指向する、ウイルスプロモーターおよび/もしくはエンハンサー、または調節配列が選択され得る。アンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミド、または弱毒化されたウイルスの形態であり得、ここではアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で産生され、その活性は、ベクターが導入される細胞型によって決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用する遺伝子発現の調節の議論については、例えば、Weintraubら、「Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis」、Reviews−Trends in Genetics、第1巻(1)1986を参照のこと。
【0248】
本発明の別の局面は、本発明の組換え発現べクターが導入された宿主細胞に関する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で、交換可能に使用される。このような用語は、特定の対象の細胞をいうのみでなく、そのような細胞の子孫または潜在的な子孫をいうことが理解される。変異または環境的影響のいずれかに起因して、特定の改変は次の世代において存在し得るので、このような子孫は、実際、親の細胞と同一でないかもしれないが、なお、本明細書中で使用されるような用語の範囲内に含まれる。
【0249】
宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、NOVXタンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞)で発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0250】
ベクターDNAは、従来的な形質転換またはトランスフェクション技術を介して原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」とは、外来性の核酸(例えば、DNA)を宿主細胞に導入するための当該分野で認識される種々の技術をいうことを意図し、これらには、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈殿、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションするための適切な方法は、Sambrookら(MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)および他の実験室マニュアルに見出され得る。
【0251】
哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションについては、使用される発現ベクターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞のほんの一部のみが外来DNAをそのゲノムに組み込み得ることが知られている。これらの組込み物を同定および選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコードする遺伝子が、一般的には目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。種々の選択マーカーには、薬物に対する耐性を付与するもの(例えば、G418、ハイグロマイシン、およびメトトレキセート)が含まれる。選択マーカーをコードする核酸は、NOVXをコードするベクターと同じベクター上で宿主細胞に導入され得るか、あるいは別々のベクター上で導入され得る。導入された核酸とともに安定にトランスフェクトされる細胞は、薬物選択によって同定され得る(例えば、選択マーカー遺伝子を取り込んだ細胞は生存し、一方、他の細胞は死滅する)。
【0252】
本発明の宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞および真核生物宿主細胞)は、NOVXタンパク質を産生(すなわち、発現)するために使用され得る。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用して、NOVXタンパク質を産生するための方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、NOVXタンパク質が産生されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(ここに、NOVXをコードする組換え発現ベクターが導入された)を培養する工程を包含する。別の実施形態において、この方法はさらに、培地または宿主細胞からNOVXを単離する工程を包含する。
【0253】
(トランスジェニック動物)
本発明の宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック動物を作製するために使用され得る。例えば、1つの実施形態において、本発明の宿主細胞は、NOVXコード配列が導入される、受精した卵母細胞または胚性幹細胞である。次いで、このような宿主細胞は、非ヒトトランスジェニック動物を作製するために使用され得、ここで外因性のNOVX配列は、それらのゲノムまたは相同組換え動物(ここで内因性のNOVX配列が変更されている)に導入される。このような動物は、NOVXの機能および/または活性を研究するため、ならびにNOVXの活性のモジュレーターを同定および/または評価するために有用である。本明細書中で使用される場合、「トランスジェニック動物」とは、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、ラットまたはマウスのような齧歯動物であり、ここでこれらの動物の1つ以上の細胞は、導入遺伝子を含む。トランスジェニック動物の他の例には、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などが含まれる。導入遺伝子は、細胞のゲノムに組み込まれ(この細胞からトランスジェニック動物が発生する)、そして成熟動物のゲノムに残存する外因性のDNAであり、それによって、このトランスジェニック動物の1つ以上の細胞型または組織においてコード遺伝子産物の発現を指向する。本明細書中で使用される場合、「相同組換え動物」とは、非ヒト動物であり、好ましくは哺乳動物、より好ましくはマウスであり、ここで、内因性NOVX遺伝子は、この内因性の遺伝子と、動物の発生の前に動物の細胞(例えば、動物の胚細胞)に導入された外因性DNA分子との間の相同組換えによって、変更されている。
【0254】
本発明のトランスジェニック動物は、NOVXをコードする核酸を、例えば、マイクロインジェクション、レトロウイルス感染によって、受精した卵母細胞の雄性前核に導入すること、およびこの卵母細胞が偽妊娠雌性フォスター動物(foster animal)中で発生することを可能にすることによって作製され得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45の、ヒトNOVX DNA配列は、非ヒト動物のゲノムに導入遺伝子として導入され得る。あるいは、ヒトNOVX遺伝子の非ヒトホモログ(例えば、マウスNOVX遺伝子)は、ヒトNOVX cDNAに対するハイブリダイゼーションに基づいて単離され得(上にさらに記載される)、そして導入遺伝子として使用され得る。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルもまた導入遺伝子中に含まれ、その導入遺伝子の発現の効率を増大させ得る。組織特異的調節配列(単数または複数)は、特定の細胞に対して、NOVXタンパク質の発現を指向するために、NOVX導入遺伝子に作動可能に連結され得る。胚の操作およびマイクロインジェクションを介するトランスジェニック動物(特に、マウスのような動物)を生成するための方法は、当該分野で従来的になっており、そして例えば、米国特許第4,736,866号;同第4,870,009号;および同第4,873,191号;ならびにHogan 1986、MANIPULATING THE MOUSE EMBRYO,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.に記載されている。同様の方法は、他のトランスジェニック動物の作製のために使用される。トランスジェニック初代動物は、そのゲノムにおけるNOVX導入遺伝子の存在および/またはその動物の組織または細胞中のNOVX mRNAの発現に基づいて同定され得る。次いで、トランスジェニック初代動物は、導入遺伝子を有するさらなる動物を繁殖させるために使用され得る。さらに、NOVXをコードする導入遺伝子を有するトランスジェニック動物は、さらに、他の導入遺伝子を有する他のトランスジェニック動物に繁殖され得る。
【0255】
相同組換え動物を作製するために、欠失、付加、または置換が導入されて、それによってNOVX遺伝子が変化(例えば、機能的に破壊)されている、少なくとも、NOVX遺伝子の一部を含むベクターを調製する。NOVX遺伝子はヒト遺伝子(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45)であり得るが、より好ましくは、ヒトNOVX遺伝子の非ヒトホモログである。例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、および45のヒトNOVX遺伝子のマウスホモログは、マウスゲノムにおいて内因性NOVX遺伝子を変更するのに適切な相同組換えベクターを構築するために使用され得る。1つの実施形態において、そのベクターは、相同組換えに際して、内因性NOVX遺伝子が、機能的に破壊される(すなわち、機能的タンパク質をもはやコードしない;「ノックアウト」ベクターともいわれる)ように設計される。
【0256】
あるいは、このベクターは、相同組換えに際して、内因性NOVX遺伝子が変異されるか、あるいは他の様式で変更されるが、なお機能性タンパク質をコードするように設計され得る(例えば、上流の調節領域を変更して、それによって内因性NOVXタンパク質の発現を変更し得る)。相同組換えベクターにおいて、NOVX遺伝子の変更された部分は、NOVX遺伝子のさらなる核酸によって、その5’末端および3’末端で隣接され、相同組換えが、ベクターによって運ばれる外因性NOVX遺伝子と胚幹細胞中の内因性NOVX遺伝子との間で起こることを可能にする。さらなる隣接するNOVX核酸は、内因性遺伝子との首尾よい相同組換えに十分な長さである。代表的に、数キロベースの隣接するDNA(5’末端および3’末端の両方における)が、ベクターに含まれる。例えば、相同組換えベクターの記載について、Thomasら(1987)Cell 51:503を参照のこと。このベクターは、胚幹細胞株に導入され(例えば、エレクトロポレーションによって)、この導入されたNOVX遺伝子が内因性NOVX遺伝子と相同組換えされた細胞が、選択される(例えば、Liら(1992)Cell 69:915を参照のこと)。
【0257】
次いで、この選択された細胞を、動物(例えば、マウス)の胚盤胞へ注入して、凝集キメラを形成する。例えば、Bradley(1987)のTERATOCARCINOMAS AND EMBRYONIC STEM CELLS:A PRACTICAL APPROACH、Robertson編、IRL、Oxford 113頁〜152頁を参照のこと。次いで、このキメラ胚を、適切な偽妊娠雌性フォスター動物に移植し得、そしてこの胚を、一定期間置く。それらの胚芽細胞中に相同組換えDNAを保有する子孫を使用して、動物を繁殖し得、ここで、この動物の全ての細胞は、導入遺伝子の生殖系列伝達によって相同組換えされたDNAを含む。相同的組換えベクターおよび相同的組換え動物を構築するための方法が、さらに以下に記載される;Bradley(1991)Curr Opin Biotechnol 2:823−829;PCT国際公開番号:WO90/11354;WO91/01140;WO92/0968;およびWO93/04169。
【0258】
別の実施形態において、導入遺伝子の調節された発現を可能にする選択された系を含む、非ヒトトランスジェニック動物が産生され得る。このような系の1つの例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコンビナーゼ系の記載については、例えば、Laksoら(1992)PNAS 89:6232−6236を参照のこと。リコンビナーゼ系の別の例は、Saccharomyces cerevisiaeのFLPリコンビナーゼ系である(O’Gormanら(1991)Science 251:1351−1355)。cre/loxPリコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を調節するために使用される場合、Creリコンビナーゼおよび選択されたタンパク質の両方をコードする導入遺伝子を含む動物が、必要となる。このような動物は、例えば、2種のトランスジェニック動物(一方は選択されたタンパク質をコードした導入遺伝子を含み、他方はリコンビナーゼをコードした導入遺伝子を含む)を交配することによる、「二重の」トランスジェニック動物の構築によって提供され得る。
【0259】
本明細書中に記載されるトランスジェニック非ヒト動物のクローンがまた、Wilmutら(1997)Nature 385:810−813に記載される方法に従って、産生され得る。簡単には、トランスジェニック動物からの細胞(例えば、体細胞)を、単離および誘導し、増殖サイクルから出させて、そしてG期に入らせ得る。次いで、静止細胞を、例えば、電気パルスの使用により、静止細胞が単離される同種動物由来の、摘出された卵母細胞へ融合し得る。次いで、この再構成された卵母細胞を培養し、これにより、これは桑実胚または未分化胚芽細胞に発達し、次いで、偽妊娠雌性フォスター動物に移される。この雌性フォスター動物の産生子孫は、この細胞(例えば、体細胞)が単離される動物のクローンである。
【0260】
(薬学的組成物)
本発明のNOVX核酸分子、NOVXタンパク質、および抗NOVX抗体(これはまた、本明細書中で「活性化合物」と称される)、ならびにそれらの誘導体、フラグメント、アナログ、およびホモログが、投与に適した薬学的組成物に組み込まれ得る。このような組成物は、代表的に、核酸分子、タンパク質または抗体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的な投与に適合した、任意および全ての溶媒、分散液、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤(delaying agent)などを含むことが意図される。適切なキャリアは、当該分野における標準的な参考書である、Remington’s Pharmaceutical Sciencesの最新版(本明細書中で参考として援用される)に記載される。このようなキャリアまたは希釈剤の好ましい例としては、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンが挙げられるが、これらに限定されない。リポソームおよび非水性ビヒクル(例えば、不揮発性油)もまた、使用され得る。薬学的に活性な物質に対する、このような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が、この活性化合物と不適合である限りを除いて、この組成物におけるそれらの使用が考慮される。補助活性化合物もまた、組成物へ組み込まれ得る。
【0261】
本発明の薬学的組成物は、その意図される投与の経路と適合するように処方される。投与の経路の例には、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)投与、経口(例えば、吸入)投与、経皮(局所的)投与、経粘膜(transmucosal)投与、および直腸投与が挙げられる。非経口、皮内または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:注射用水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝液;および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張度の調節のための薬剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調整され得る。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジあるいはガラスまたはプラスチックから作製される多用量のバイアル中に入れられ得る。
【0262】
注入使用に適した薬学的組成物は、滅菌の水溶液(水溶性である場合)または水性分散液、滅菌の注入可能な溶液または分散液の即座調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与について、適切なキャリアには、生理食塩水、静菌性水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、N.J.)またはリン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、滅菌性でなければならず、そして容易な注入性(syringeability)が存在する程度に流動的であるべきである。これは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して維持されなければならない。このキャリアは、例えば、以下を含む溶媒または分散液であり得る:水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)ならびにそれらの適切な混合物。適切な流動性が、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合、要求される粒子サイズを維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多くの場合、組成物中に等張剤(例えば、糖、マンニトール(manitol)、ソルビトールなどのポリアルコール、塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注入可能組成物の長期の吸収は、吸収を遅らせる薬剤(例えば、アルミニウムモノステアレートおよびゼラチン)を組成物に含ませることによってもたらされ得る。
【0263】
滅菌注射可能液剤は、必要量のこの活性化合物(例えば、NOVXタンパク質あるいは抗NOVX抗体)を、適切な溶媒中に、必要な場合、上記で列挙される成分の1つまたは組み合わせと共に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製され得る。一般的に、分散液は、活性化合物を、基本(basic)分散媒および上記で列挙される成分からの必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクル中へ組み込むことによって調製される。滅菌注射可能溶液の調製のための滅菌粉末の場合において、調製方法は、減圧乾燥および凍結乾燥であり、これにより、既に滅菌濾過されたその溶液から、活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を得る。
【0264】
経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または食用キャリアを含む。これらは、ゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤へ圧縮され得る。経口治療投与の目的のために、この活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得、そして錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用され得る。経口組成物はまた、マウスウォッシュ(mouthwash)としての使用のために流体キャリアを使用して調製され得、ここで、この流体キャリア中のこの化合物は、経口的に適用され、そして素早く動かされ(スイッシュ)(swish)、そして吐き出されるか、または飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュバント材料が、この組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などが、任意の以下の成分または同様の性質を有する化合物を含み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムトラガントまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸)、Primogel、またはコーンスターチ;滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはSterotes);グライダント(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);あるいは香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジフレーバー)。
【0265】
吸入による投与について、この化合物は、適切な噴霧剤(例えば、二酸化炭素のような気体)を含む圧縮容器またはディスペンサー、あるいは噴霧器から、エアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0266】
全身的投与はまた、経粘膜手段または経皮手段により得る。経粘膜投与または経皮投与について、浸透されるバリアに対して適切な浸透剤が、処方において使用される。このような浸透剤は、一般的に、当該分野で公知であり、そして、例えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用によって達成され得る。経皮投与については、この活性化合物は、当該分野で一般的に公知である軟膏剤、軟膏、ゲル、またはクリーム剤へ処方される。
【0267】
この化合物はまた、直腸送達のための坐剤(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドのような従来の坐剤ベースと共に)または保持浣腸の形態で調製され得る。
【0268】
1つの実施形態において、この活性化合物は、身体からの迅速な排出に対してこの化合物を保護するキャリアを用いて調製され(例えば、制御放出処方物)、これには、移植片およびマイクロカプセル化された送達系が挙げられる。酢酸エチレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような、生分解性の生体適合性ポリマーが使用され得る。このような処方物の調製のための方法は、当該業者には明らかである。これらの材料はまた、Alza Corporation and Nova Pharmaceuticals,Inc.から商業的に入手可能である。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体で感染させた細胞へ標的化されるリポソームを含む)がまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0269】
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で、経口組成物または非経口組成物を処方することが、特に有益である。本明細書で使用される投薬単位形態は、処置される被験体のための単一の投薬量として適切な、物理的に別個の単位をいい;各単位は、必要とされる薬学的キャリアとともに、所望の治療的効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の投薬単位形態についての詳細は、この活性化合物の固有の特性、および達成される特定の治療効果によって決定され、そしてこれらに直接依存する。
【0270】
本発明の核酸分子は、ベクターに挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとして使用され得る。遺伝子治療ベクターは、被験体へ、例えば米国特許第5,703,055号に記載されるような、多数の経路のいずれかによって送達され得る。従って、送達はまた、例えば、静脈内注射、局所投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)、または定位注射(例えば、Chenら(1994)PNAS 91:3054−3057を参照のこと)を含み得る。遺伝子治療ベクターの薬学的調製物には、受容可能な希釈剤中の遺伝子治療ベクターが挙げられ得、または遺伝子送達ビヒクルが組み込まれる徐放性マトリックスを含み得る。あるいは、完全な遺伝子送達ベクターが、組換え細胞からインタクトで産生され得る場合(例えば、レトロウイルスベクター)、この薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1以上の細胞を含み得る。
【0271】
薬学的組成物は、投与のための使用説明書を伴って、容器、包装、またはディスペンサーに含まれ得る。
【0272】
(本発明のさらなる使用および方法)
本明細書中に記載される核酸分子、タンパク質、タンパク質ホモログ、および抗体が、以下の方法の1つ以上において使用され得る:(a)スクリーニングアッセイ;(b)検出アッセイ(例えば、染色体マッピング、細胞および組織型決定、司法生物学)、(c)予測医学(例えば、診断アッセイ、予後アッセイ、臨床試験モニタリング、および薬理ゲノミックス);および(d)処置方法(例えば、治療および予防)。
【0273】
本発明の単離された核酸分子は、NOVXタンパク質を発現するために(例えば、遺伝子治療適用の際に宿主細胞における組み換え発現ベクターを介して)使用され、NOVX mRNA(例えば、生物学的サンプルにおける)またはNOVX遺伝子における遺伝的病変を検出し得、かつ以下にさらに記載されるようなNOVX活性を調節し得る。さらに、NOVXタンパク質は、NOVXタンパク質活性または発現を調節する薬物または化合物をスクリーニングし、ならびにNOVXタンパク質の不十分かもしくは過剰な産生(例えば、増殖障害または分化障害)あるいはNOVX野生型タンパク質と比較して減少または異常な活性を有するNOVXタンパク質形態の産生のによって特徴づけられる障害を処置するために使用され得る。さらに、本発明の抗NOVX抗体は、NOVXタンパク質を検出および単離し、ならびにNOVX活性を調節するために使用され得る。例えば、NOVX活性は、成長および分化、抗体産生、および腫瘍増殖を含む。
【0274】
本発明は、さらに、上記のスクリーニングアッセイによって同定される新規の薬剤および本明細書中に記載される処置のためのそれらの使用に関する。
【0275】
(スクリーニングアッセイ)
本発明は、調節因子、すなわち、NOVXタンパク質に結合するか、あるいは例えば、NOVX発現またはNOVX活性に対して刺激効果または阻害効果を有する、候補化合物または候補薬剤、あるいは試験化合物または試験薬剤(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低分子または他の薬物)を同定するための方法(本明細書中において「スクリーニングアッセイ」とも称される)を提供する。
【0276】
1つの実施形態において、本発明は、NOVXのタンパク質またはポリペプチド、あるいはその生物学的に活性な部分に結合するか、またはそれらの活性を調節する、候補化合物もしくは試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。本発明の試験化合物は、当該分野において公知のコンビナトリアルライブラリー法における任意の多数のアプローチを使用して得られ得、これらのライブラリーには、以下が挙げられる:生物学的ライブラリー;空間的にアクセス可能な平行固相もしくは溶液相ライブラリー;逆重畳を要する合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。生物学的ライブラリーアプローチはペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーもしくは化合物の低分子ライブラリーに適用可能である(Lam(1997)Anticancer Drug Des 12:145)。
【0277】
分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該分野において、例えば以下に見出され得る:DeWittら(1993)Proc Natl Acad Sci U.S.A.90:6909;Erbら(1994)Proc Natl Acad Sci U.S.A.91:11422;Zuckermannら(1994)J Med Chem 37:2678;Choら(1993)Science 261:1303;Carrellら(1994)Angew Chem Int Ed Engl 33:2059;Carellら(1994)Angew Chem Int Ed Engl 33:2061;およびGallopら(1994)J Med Chem 37:1233。
【0278】
化合物のライブラリーは、溶液中で(例えば、Houghten(1992)Biotechniques 13:412〜421)、あるいはビーズ上(Lam(1991)Nature 354:82〜84)、チップ上(Fodor(1993)Nature 364:555〜556)、細菌(Ladner 米国特許第5,223,409号)、胞子(Ladner 米国特許第5,233,409号)、プラスミド(Cullら(1992)Proc Natl Acad Sci USA 89:1865〜1869)またはファージ上(ScottおよびSmith(1990)Science 249:386〜390;Devlin(1990)Science 249:404〜406;Cwirlaら(1990)Proc Natl Acad Sci U.S.A.87:6378〜6382;Felici(1991)J Mol Biol 222:301〜310;上記Ladner)において示され得る。
【0279】
1つの実施形態において、アッセイは細胞ベースのアッセイであり、ここで、膜結合形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上に発現する細胞が、試験化合物と接触され、そしてこの試験化合物が、NOVXタンパク質に結合する能力が、決定される。例えば、細胞は、哺乳動物起源または酵母細胞であり得る。この試験化合物がNOVXタンパク質に結合する能力の決定は、例えば、その試験化合物を放射性同位体標識または酵素標識とカップリングさせて、その結果、この試験化合物のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分に対する結合が、複合体におけるその標識化合物を検出することによって決定され得ることによって達成され得る。例えば、試験化合物は、125I、35S、14C、またはHで直接的または間接的のいずれかで標識され得、そしてその放射性同位体が、放射線放射の直接の計数により、またはシンチレーション計数により、検出され得る。あるいは、試験化合物は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に標識され得、そしてこの酵素的標識が、適切な基質の生成物への転換を決定することにより、検出され得る。1つの実施形態において、このアッセイは、膜結合形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分をその細胞表面上に発現する細胞を、NOVXと結合する公知の化合物と接触させて、アッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物に試験化合物を接触させる工程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程が、この試験化合物が、公知の化合物と比較して、NOVXまたはその生物学的に活性な部分と優先的に結合する能力を決定する工程を包含する。
【0280】
別の実施形態において、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、これは、膜結合形態のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上で発現する細胞を、試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物が、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物が、NOVXまたはその生物学的に活性な部分の活性を調節する能力の決定は、例えば、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子に結合またはこれら標的分子と相互作用する能力を決定することによって、達成され得る。本明細書中において使用する場合には、「標的分子」とは、NOVXタンパク質が自然に結合または相互作用する分子であり、例えば、NOVXタンパク質を発現する細胞表面上の分子、第二の細胞表面上の分子、細胞外環境中の分子、細胞膜の内部表面と会合する分子、または細胞質分子である。NOVX標的分子は、非NOVX分子あるいは本発明のNOVXタンパク質またはポリペプチドである。1つの実施形態において、NOVX標的分子は、シグナル伝達経路の構成要素であり、これは、細胞膜を通って細胞内への細胞外シグナル(例えば、化合物が膜結合NOVX分子に結合することにより発生するシグナル)の伝達を促進する。その標的は、例えば、触媒活性を有する第二の細胞内タンパク質、または下流シグナル分子のNOVXとの会合を容易にするタンパク質であり得る。
【0281】
NOVXタンパク質がNOVX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、直接的結合を決定するための上記方法の1つにより、達成され得る。1つの実施形態において、NOVXタンパク質がNOVX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、その標的分子の活性を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の活性は、その標的の細胞セカンドメッセンジャー(すなわち、細胞内Ca2+、ジアシルグリセロール、IPなど)の誘導を検出すること、適切な基質への標的の触媒活性/酵素活性を検出すること、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー(例えば、ルシフェラーゼ)をコードする核酸に作動的に連結されたNOVX応答性調節エレメントを含む)の誘導を検出すること、または細胞応答(例えば、細胞生存度、細胞分化、または細胞増殖)を検出することにより、決定され得る。
【0282】
なお別の実施形態において、本発明のアッセイは、無細胞アッセイであり、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物に接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分と結合する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物の、NOVXタンパク質への結合は、上記のように、直接的または間接的にのいずれかで決定され得る。1つのこのような実施形態において、このアッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を、NOVXを結合する公知の化合物に接触させて、アッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物に接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程は、この試験化合物が、公知の化合物と比較して、NOVX、またはその生物学的に活性な部分と優先的に相互作用する能力を決定する工程を包含する。
【0283】
別の実施形態において、アッセイは、無細胞アッセイであり、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物がNOVXの活性を調節する能力の決定は、例えば、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子に結合する能力を、直接的結合の決定のための上記方法の1つによって決定することにより、達成され得る。代替の実施形態において、この試験化合物がNOVXタンパク質の活性を調節する能力の決定は、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子をさらに調節する能力を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の適切な基質に対する触媒活性/酵素活性は、上記のように決定され得る。
【0284】
なお別の実施形態において、無細胞アッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を、NOVXタンパク質を結合する公知の化合物に接触させてアッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力の決定は、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子と優先的に結合するか、またはその標的分子の活性を優先的に調節する能力を決定する工程を包含する。
【0285】
本発明の無細胞アッセイは、NOVXの、可溶性形態または膜結合形態の両方の使用に受け入れられる。NOVXの膜結合形態を含む無細胞アッセイの場合には、NOVXの膜結合形態が溶液中に維持されるように、可溶化剤を利用することが望ましくあり得る。このような可溶化剤の例には、非イオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton(登録商標)X−100、Triton(登録商標)X−114、Thesit(登録商標)、イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)(Isotridecypoly(ethylene glycol ether))、N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホネート(3−(3−cholamidopropyl)dimethylamminiol−1−propane sulfonate)(CHAPS)、または3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート(3−(3−cholamidopropyl)dimethylamminiol−2−hydroxy−1−propane sulfonate)(CHAPSO)である。
【0286】
本発明の上記アッセイ方法の1つより多い実施形態において、NOVXまたはその標的分子のいずれかを固定して、そのタンパク質の一方または両方の非複合形態からの複合形態の分離を促進し、そしてそのアッセイの自動化に適用させることが、望ましくあり得る。試験化合物の、NOVXへの結合、または候補化合物の存在下および非存在下での、NOVXの標的分子との相互作用は、これらの反応物を収容するために適切な任意の容器内で、達成され得る。このような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管、および微小遠心管が挙げられる。1つの実施形態において、融合タンパク質の一方または両方がマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加するその融合タンパク質が、提供され得る。例えば、GST−NOVX融合タンパク質またはGST標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着され得、次いでこれらは、試験化合物と合わせられるか、あるいは試験化合物および吸着されない標的タンパク質、またはNOVXタンパク質のいずれかと合わせられ、そしてこの混合物が、複合体形成に貢献する条件下(例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートされる。インキュベーションに続いて、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄して、結合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマトリックスを固定し、例えば上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれかで決定する。あるいは、複合体がマトリックスから解離され得、そしてNOVXの結合レベルまたは活性レベルを、標準的な技術を使用して決定し得る。
【0287】
タンパク質をマトリックスに固定するための他の技術がまた、本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、NOVXタンパク質、またはその標的分子のいずれかが、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を利用して、固定され得る。ビオチニル化NOVX、または標的分子は、当該分野において周知の技術を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)から調製され得(例えば、ビオチニル化キット、Pierce Chemicals、Rockford、Ill.)、そしてストレプトアビジンで被覆した96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェルに固定され得る。あるいは、NOVX、または標的分子と反応性であるがNOVXタンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体が、そのプレートのウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的またはNOVXが、抗体の結合によってウェル内にトラップされ得る。このような複合体を検出するための方法には、GST固定複合体に関しての上記のものに加えて、NOVXまたは標的分子と反応性の抗体を使用する、複合体の免疫検出、ならびにNOVX、または標的分子に関する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
【0288】
別の実施形態において、NOVX発現のモジュレーターは、細胞を候補化合物と接触させ、そして細胞中のNOVX mRNAまたはタンパク質の発現を決定する方法において同定される。候補化合物の存在下でのNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルは、候補化合物の非存在下でのNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルと比較される。次いで、候補化合物は、この比較に基づいて、NOVX発現のモジュレーターとして同定され得る。例えば、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現が候補化合物の非存在下より、その存在下における方が大きい(統計的に有意に大きい)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現の刺激物質として同定される。あるいは、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現が候補化合物の非存在下よりその存在下の方が少ない(統計的に有意に少ない)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現のインヒビターとして同定される。細胞中のNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルは、NOVX mRNAまたはタンパク質を検出するために本明細書中に記載の方法によって決定され得る。
【0289】
本発明のなお別の局面において、NOVXタンパク質は、ツーハイブリッドアッセイまたはスリーハイブリッドアッセイにおいて「ベイトタンパク質」として使用されて(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら(1993)Cell 72:223−232;Maduraら、1993 J.Biol Chem.268:12046−12054;Bartelら、1993 Biotechniques 14:920−924;Iwabuchiら、1993 Oncogene 8:1693−1696;およびBrent WO94/10300を参照のこと)、NOVX(「NOVX結合タンパク質」または「NOVX−bp」)に結合するか、またはこれと相互作用し、そしてNOVX活性を調節する他のタンパク質を同定し得る。このようなNOVX結合タンパク質はまた、例えば、NOVX経路の上流または下流エレメントとしてNOVXタンパク質によるシグナル伝達に関与するようである。
【0290】
ツーハイブリッドシステムは、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ドメインからなる、大部分の転写因子のモジュール的性質に基づく。簡潔には、このアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。一方の構築物においては、NOVXをコードする遺伝子が公知の転写因子(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構築物においては、DNA配列のライブラリー由来の、未同定タンパク質(「プレイ」または「サンプル」)をコードするDNA配列が、公知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合される。「ベイト」および「プレイ」タンパク質がインビボで相互作用して、NOVX依存性複合体を形成し得る場合、この転写因子のDNA結合ドメインおよび活性化ドメインは、非常に近くにある。近位にあることにより、転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結されたレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写を可能にする。レポーター遺伝子の発現が検出され得、そして機能的転写因子を含む細胞コロニーは、単離され得、そしてNOVXと相互作用するタンパク質をコードするクローニングされた遺伝子を得るために使用され得る。
【0291】
本発明はさらに、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規な薬剤および本明細書中に記載されるような処置のためのこの薬剤の使用に関する。
【0292】
(検出アッセイ)
本明細書中で同定されるcDNA配列の一部分またはフラグメント(および対応する完全な遺伝子配列)は、ポリヌクレオチド試薬として多くの方法で使用され得る。例えば(限定はされない)、これらの配列を使用して、(i)染色体上にそれぞれの遺伝子をマッピングし得;従って遺伝病と関連する遺伝子領域を位置決定し得る;(ii)微量の生物学的サンプルから個体を同定し得る(組織型決定);および(iii)生物学的サンプルの法医学的識別を助け得る。
【0293】
本発明のNOVX配列は、わずかな生物学的サンプルから個体を識別するために使用され得る。この技術において、個体のゲノムDNAは、1つ以上の制限酵素で消化され、そして同定のために独特のバンドを生成するためにサザンブロット上でプローブされる。本発明の配列は、RFLP(米国特許第5,272,057号に記載の「制限フラグメント長多型」)のためのさらなるDNAマーカーとして有用である。
【0294】
さらに、本発明の配列を用いて、個体のゲノムの選択された部分について実際の塩基ごとにDNA配列を決定する代替的技術を提供し得る。従って、本明細書中に記載のNOVX配列を用いて、配列の5’末端および3’末端から2つのPCRプライマーを調製し得る。次いで、これらのプライマーを使用して、個体のDNAを増幅し得、引き続いて、配列決定し得る。
【0295】
この様式で調製された個体由来の対応するDNA配列のパネルは、各個体が、対立遺伝子差異に起因するこのようなDNA配列の独特のセットを有するので、唯一の個体識別を提供し得る。本発明の配列は、個体由来および組織由来の配列のこのような識別を得るために使用され得る。本発明のNOVX配列は、ヒトゲノムの部分を独特に表す。対立遺伝子バリエーションは、これらの配列のコード領域においてある程度まで生じ、そして非コード領域においてより大きな程度まで生じる。個々のヒト間での対立遺伝子バリエーションは、各500塩基につき約1回の頻度で生じることが見積もられる。対立遺伝子バリエーションの多さは、制限フラグメント長多型(RFLP)を含む単一ヌクレオチド多型(SNP)に起因する。
【0296】
本明細書中に記載される配列の各々は、ある程度、標準物質(これに対して個体からのDNAが識別の目的で比較され得る)として使用され得る。より多くの多型が非コード領域で生じるので、個体を区別するために、それほど多くの配列が必要であるわけではない。上記のような、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45の非コード配列は、おそらく10〜1,000プライマーのパネルを用いてポジティブな個体識別を不自由なく提供し得る。これらのプライマーは、各々が100塩基の増幅された非コード配列を生じる。推定コード配列が使用される場合、ポジティブな個体識別に関するプライマーのより適切な数は、500〜2,000である。
【0297】
(予測医療)
本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイ、薬物ゲノム(pharmacogenomics)およびモニタリング臨床試験が、予後(予測)の目的に使用され、これによって個体を予防的に処置する、予測医療の分野に関する。従って、本発明の1つの局面は、NOVXタンパク質および/または核酸の発現、ならびにNOVXの活性を、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞、組織)の関連で決定し、これによって、異常なNOVXの発現または活性に関連して、個体が疾患または障害に罹患するかどうか、あるいは障害を発症するリスクがあるかどうかを決定するための診断アッセイに関する。本発明はまた、個体が、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性と関連した障害を発症するリスクがあるかどうかを決定するための予後的(または予測的)アッセイを提供する。例えば、NOVX遺伝子における変異が、生物学的サンプルにおいてアッセイされ得る。このようなアッセイは、予後的または予測的な目的に使用され得、これによってNOVXのタンパク質、核酸の発現または活性によって特徴付けられるかまたはそれに関連した障害の発病の前に個体を予防的に処置する。
【0298】
本発明の別の局面は、個体におけるNOVXタンパク質、核酸の発現またはNOVX活性を決定し、これによって、その個体についての適切な治療的または予防的因子(本明細書において「薬物ゲノム」とよばれる)を選択するための方法を提供する。薬物ゲノムは、個体の遺伝型(例えば、特定の因子に対して応答する個体の能力を決定するために試験された個体の遺伝型)に基づいた、個体の治療的または予防的処置のための因子(例えば、薬物)の選択を可能にする。
【0299】
本発明のなお別の局面は、臨床試験におけるNOVXの発現または活性に対する因子(例えば、薬剤、化合物)の影響をモニタリングすることに関する。
【0300】
(法生物学(forensic bioligy)における部分的NOVX配列の使用)
DNAベースの同定技術はまた、法生物学において使用され得る。法生物学は、例えば、犯罪の加害者を積極的に同定するための手段として、犯罪の現場で見出される生物学的証拠の遺伝子型決定(genetic typing)を使用する科学分野である。このような同定を行うために、PCR技術が、犯罪現場で見出される非常に少量の生物学的サンプル(例えば、組織(例えば、髪もしくは皮膚)または体液(例えば、血液、唾液もしくは精液))から取り出されるDNA配列を増幅するために使用され得る。次いで、増幅された配列は、標準と比較され、それによってその生物学的サンプルの起源の同定を可能にする。
【0301】
本発明の配列は、ヒトゲノムの特定の遺伝子座に標的化されるポリヌクレオチド試薬(例えば、PCRプライマー)を提供するために使用され得る。これは、例えば、別の「同定マーカー」(すなわち、特定の個体に独特である別のDNA配列)を提供することにより、DNAベースの法医学的な同定の信頼性を増強し得る。上記のように、実際の塩基配列情報は、制限酵素が生成するフラグメントにより形成されるパターンに厳密に代わるものとして、同定のために使用され得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45の非コード領域に標的化される配列は、非コード領域中に存在する大量の多型としてのこの使用に特に適切であり、この技術を使用して、個体の区別を容易にする。ポリヌクレオチド試薬の例としては、NOVX配列またはその部分(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45のうちの1つ以上の非コード領域に由来するフラグメント)が挙げられ、これらは、少なくとも20塩基長、好ましくは少なくとも30塩基長を有する。
【0302】
本明細書中に記載されるNOVX配列は、ポリヌクレオチド試薬(例えば、標識されたかまたは標識可能なプローブ)を提供するためにさらに使用され得、このプローブは、特定の組織(例えば、脳組織など)を同定するために、例えば、インサイチュハイブリダイゼーション技術において使用され得る。これは、法医学の病理学者が、未知の起源の組織を提示された場合、非常に有用であり得る。このようなNOVXプローブのパネルは、種および/または器官型により組織を同定するために使用され得る。
【0303】
同様の様式で、これらの試薬(例えば、NOVXプライマー、またはプローブ)は、混入について組織培養物をスクリーニングする(すなわち、培養物中の異なる型の細胞の混合物の存在についてスクリーニングする)ために使用され得る。
【0304】
(予測医療)
本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイ、薬物ゲノム(pharmacogenomics)およびモニタリング臨床試験が、予後(予測)の目的に使用され、これによって個体を予防的に処置する、予測医療の分野に関する。従って、本発明の1つの局面は、NOVXタンパク質および/または核酸の発現、ならびにNOVXの活性を、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞、組織)の関連で決定し、これによって、異常なNOVXの発現または活性に関連して、個体が疾患または障害に罹患するかどうか、あるいは障害を発症するリスクがあるかどうかを決定するための診断アッセイに関する。本発明はまた、個体が、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性と関連した障害を発症するリスクがあるかどうかを決定するための予後的(または予測的)アッセイを提供する。例えば、NOVX遺伝子における変異が、生物学的サンプルにおいてアッセイされ得る。このようなアッセイは、予後的または予測的な目的に使用され得、これによってNOVXのタンパク質、核酸の発現または活性によって特徴付けられるかまたはそれに関連した障害の発病の前に個体を予防的に処置する。
【0305】
本発明の別の局面は、個体におけるNOVXタンパク質、核酸の発現またはNOVX活性を決定し、これによって、その個体についての適切な治療的または予防的因子(本明細書において「薬物ゲノム」とよばれる)を選択するための方法を提供する。薬物ゲノムは、個体の遺伝型(例えば、特定の因子に対して応答する個体の能力を決定するために試験された個体の遺伝型)に基づいた、個体の治療的または予防的処置のための因子(例えば、薬物)の選択を可能にする。
【0306】
本発明のなお別の局面は、臨床試験におけるNOVXの発現または活性に対する因子(例えば、薬剤、化合物)の影響をモニタリングすることに関する。
【0307】
これらおよび他の因子は、以下の節にさらに詳細に記載される。
【0308】
(診断アッセイ)
細胞の増殖が役割を果たす他の状態としては、腫瘍、再狭窄、乾癬、デュプュイトラン拘縮、糖尿病合併症、カポージ肉腫および慢性関節リウマチが挙げられる。
【0309】
NOVXポリペプチドを使用して、サンプルまたは組織と相互作用するポリペプチド同定し得る。この方法は、サンプルまたは組織をNOVXと接触させる工程、NOVXポリペプチドとその相互作用するポリペプチドとの間で複合体を形成させる工程、存在する場合、その複合体を検出する工程を包含する。
【0310】
本発明のタンパク質を使用して、そのタンパク質と特異的に結合する抗体の産生を刺激し得る。このような抗体を免疫診断手順において使用して、サンプル中のタンパク質の存在を検出し得る。本発明のタンパク質を使用して、このような発達が好ましい条件下で細胞成長および細胞増殖を刺激し得る。1つの例は、例えば、造血および血小板形成、消化管の裏打ち、ならびに毛包に対する化学療法剤の毒性副作用を相殺する。これらをまた使用して、神経性障害(例えば、アルツハイマー病が挙げられる)における新たな細胞成長を刺激し得る。あるいは、アンタゴニスト処置が投与され、ここで本発明のNOVX様タンパク質と特異的に結合する抗体は、このタンパク質の特定の発達誘導効果を抑止する。このような抗体は、例えば、種々の腫瘍および良性過形成を含む増殖障害の処置において有用であり得る。
【0311】
配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45のNOVX核酸の任意の1つの部分に対応するポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを使用して、対応するNOV遺伝子を含むDNAを検出し得るか、または対応するNOVX遺伝子もしくはNOVX様遺伝子の発現を検出し得る。例えば、表1に示されるように、特定の細胞または組織において発現されるNOVX核酸を使用して、特定の細胞型の存在を同定し得る。
【0312】
生物学的サンプルにおけるNOVXの存在または非存在を検出するための例示的な方法は、試験被験体から生物学的サンプルを得る工程、およびその生物学的サンプルをNOVXタンパク質またはNOVXタンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出し得る化合物もしくは薬剤とを接触させ、その結果、NOVXの存在が、その生物学的サンプルにおいて検出される、工程を包含する。NOVXのmRNAもしくはゲノムDNAを検出するための薬剤は、NOVXのmRNAもしくはゲノムDNAにハイブリダイズし得る、標識された核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、上記のような、全長のNOVX核酸(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45もしくはその部分の核酸(例えば、少なくとも、15、30、50、100、250もしくは500ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり、かつストリンジェントな条件下でNOVXのmRNAまたはゲノムDNAと特異的にハイブリダイズするに十分である核酸))であり得る。本発明の診断アッセイにおける使用のための他の適切なプローブは本明細書において記載されている。
【0313】
NOVXタンパク質を検出するための薬剤は、NOVXタンパク質に結合し得る抗体であり、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。抗体は、ポリクローナルであり得るか、またはより好ましくはモノクローナル抗体であり得る。インタクトな抗体またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab’))が使用され得る。用語「標識(された)」とは、プローブまたは抗体に関して、検出可能な物質をそのプローブもしくは抗体にカップリングさせる(すなわち、物理的に連結する)ことによって、そのプローブまたは抗体を直接標識すること、ならびに、直接標識される別の試薬との反応性によって、そのプローブもしくは抗体を間接的に標識をすることを包含することが意図される。間接的な標識の例としては、蛍光標識された二次抗体を用いた一次抗体の検出、および蛍光標識されたストレプトアビジンを用いて検出され得るようにDNAプローブのビオチンを用いた末端標識が挙げられる。用語「生物学的サンプル」とは、被験体から単離された、組織、細胞および生物学的流体ならびに被験体に存在する組織、細胞および流体を含むことが意図される。すなわち、本発明の検出方法を用いて、NOVXのmRNA、タンパク質またはゲノムDNAを、生物学的サンプル中で、インビトロおよびインビボで検出し得る。例えば、NOVX mRNAの検出のためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。NOVXタンパク質の検出のためのインビトロ技術としては、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降および免疫蛍光が挙げられる。NOVXゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリダイゼーションが挙げられる。さらに、NOVXタンパク質の検出のためのインビボ技術としては、標識された抗NOVX抗体を被験体に導入することが挙げられる。例えば、その抗体は、放射性マーカーを用いて標識され得る。この被験体における放射性マーカーの存在および位置は、標準的な画像化技術によって検出され得る。
【0314】
1つの実施形態において、この生物学的サンプルは、その試験被験体からのタンパク質分子を含む。あるいは、その生物学的サンプルは、その試験被験体からのmRNA分子またはその試験被験体からのゲノムDNA分子を含み得る。好ましい生物学的サンプルは、被験体から従来の手段によって単離された末梢血白血球サンプルである。
【0315】
別の実施形態において、本発明の方法はさらに、コントロール被験体からコントロール生物学的サンプルを得る工程、そのコントロールサンプルを、NOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムを検出し得る化合物もしくは薬剤と接触させ、その結果、NOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在がその生物学的サンプルにおいて検出される、工程、およびそのコントロールサンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在と、その試験サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在とを比較する工程を包含する。
【0316】
本発明はまた、生物学的サンプルにおけるNOVXの存在を検出するためのキットを包含する。例えば、このキットは、以下を備え得る:生物学的サンプルにおいてNOVXのタンパク質またはmRNAを検出し得る、標識された化合物もしくは薬剤;そのサンプルにおいてNOVXの量を決定するための手段;およびそのサンプルにおけるNOVXの量を標準と比較するための手段。この化合物または薬剤は、適切な容器内に包装され得る。このキットは、さらに、NOVXタンパク質または核酸を検出するためにキットを用いるための説明書を備え得る。
【0317】
(予後アッセイ)
本明細書において記載された診断方法をさらに利用して、NOVXの異常発現または異常活性に関連した疾患もしくは障害を有するか、またはその発症の危険にある被験体を同定し得る。例えば、本明細書に記載されるアッセイ(例えば、上述の診断アッセイまたは下記のアッセイ)を利用して、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性に関連する障害(例えば、増殖性障害または分化障害(例えば、過形成、腫瘍、再狭窄、乾癬、デュプュイトラン拘縮、糖尿病合併症または慢性関節リウマチなど);およびグリア関連障害(例えば、大脳傷害、糖尿病ニューロパシー、大脳水腫、老年痴呆、アルツハイマー病など))を有するかまたはその発症の危険に有る被験体を同定し得る。あるいは、この予後アッセイを利用して、疾患または障害を有するかまたはその発症の危険に有る被験体を同定し得る。従って、本発明は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患もしくは障害を同定するための方法を提供する。ここで、試験サンプルは、被験体から得られ、そしてNOVXのタンパク質または核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)が検出され、ここで、NOVXのタンパク質または核酸の存在は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患または障害を有するかまたはその発症の危険にある被験体についての診断指標である。本明細書において使用される「試験サンプル」とは、目的の被験体から得られた生物学的サンプルをいう。例えば、試験サンプルは、生物学的流体(例えば、血清)、細胞サンプル、または組織であり得る。
【0318】
さらに、本明細書に記載される予後アッセイを使用して、被験体に薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子、または他の薬物候補)を投与してNOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患または障害を処置され得るか否かを、決定するために使用され得る。例えば、そのような方法を用いて、被験体が障害(例えば、増殖性傷害、分化傷害、グリア関連傷害など)のための薬剤を用いて有効に処置され得るか否かを決定し得る。従って、本発明は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する障害についての薬剤を用いて、被験体が有効に処置され得るか否かを決定するための方法を提供する。ここで、試験サンプルが得られ、そしてNOVXのタンパク質または核酸が検出される(例えば、ここで、NOVXのタンパク質または核酸の存在は、この薬剤を投与してNOVXの異常発現または異常活性に関連する障害を処置され得る被験体についての、診断指標である)。
【0319】
本発明の方法はまた、NOVX遺伝子における遺伝的損傷を検出し、それによって、その損傷遺伝子を有する被験体が増殖性傷害、分化傷害、グリア関連傷害などの危険に有るかまたはそれらに罹患しているか否かを決定するためにも使用され得る。種々の実施形態において、この方法は、その被験体からの細胞のサンプルにおいて、NOVXタンパク質をコードする遺伝子の統合性に影響を与える変更の少なくとも1つによって特徴付けられる遺伝的損傷の存在または非存在、あるいはNOVX遺伝子の誤発現を検出する工程を包含する。例えば、そのような遺伝的損傷は、以下の少なくとも1つの存在を確認することによって検出され得る:(1)NOVX遺伝子からの1つ以上のヌクレオチドの欠失;(2)NOVX遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;(3)NOVX遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換、(4)NOVX遺伝子の染色体再配置;(5)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベルにおける変更、(6)NOVX遺伝子の異常改変(例えば、ゲノムDNAのメチル化パターンの異常改変)、(7)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシングパターンの存在、(8)NOVXタンパク質の非野生型レベル、(9)NOVX遺伝子の対立遺伝子の欠失、ならびに(10)NOVXタンパク質の不適切な翻訳後修飾。本明細書において記載されるように、当該分野において、NOVX遺伝子における損傷を検出するために使用され得る、多数の公知のアッセイ技術が存在する。好ましい生物学的サンプルは、従来手段によって被験体から単離された末梢血白血球サンプルである。しかし、有核細胞を含む任意の生物学的サンプルが使用され得、これには、例えば、頬粘膜細胞が挙げられる。
【0320】
特定の実施形態において、損傷の検出は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参照のこと)(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、あるいは、連結連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Science 241:1077−1080;およびNakazawaら(1994)PNAS 91:360−364を参照のこと)におけるプローブ/プライマーの使用を包含する。後者は、NOVX遺伝子における点変異を検出するために特に有用であり得る(Abravayaら(1995)Nucl Acids Res 23:675−682を参照のこと)。この方法は、患者から細胞のサンプルを収集する工程、核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたはその両方)をそのサンプルの細胞から単離する工程、NOVXの遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーとその核酸サンプルとを、NOVX遺伝子(存在する場合)のハイブリダイゼーションおよび増幅が生じるような条件下で接触させる工程、ならびに増幅産物の存在もしくは非存在を検出する工程、またはその増幅産物のサイズを検出する工程およびその長さをコントロールサンプルと比較する工程を包含し得る。PCRおよび/またはLCRは、本明細書中に記載される変異を検出するために使用される技術のいずれかとともに予備的増幅工程として使用されることが望ましくあり得ることが予想される。
【0321】
代替的な増幅方法としては、以下が挙げられる:当業者に周知な技術を用いた、その増幅された分子の検出の前の、自己維持配列複製(Guatelliら、1990、Proc Natl Acad Sci USA 87:1874−1878)、転写増幅系(Kwohら、1989、Proc Natl Acad Sci USA 86:1173−1177)、Qβレプリカーゼ(Lizardiら、1988、BioTechnology 6:1197)、または他の任意の核酸増幅方法。これらの検出スキームは、核酸分子が非常に極少数で存在する場合に、そのような核酸分子の検出のために特に有用である。
【0322】
代替の実施形態において、サンプル細胞からのNOVX遺伝子における変異は、制限酵素切断パターンにおける変更によって同定され得る。例えば、サンプルおよびコントロールのDNAが単離され、増幅され(必要に応じて)、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼを用いて消化され、そしてフラグメント長の大きさがゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルDNAとコントロールDNAとの間のフラグメント長の大きさにおける差異は、そのサンプルDNAにおける変異を示す。さらに、配列特異的なリボザイムの使用(例えば、米国特許第5,493,531号を参照のこと)を使用して、リボザイム切断部位の発生または喪失によって特異的な変異の存在についてスコア付けし得る。
【0323】
他の実施形態において、NOVXにおける遺伝子変異は、サンプル核酸およびコントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA)を、数百または数千のオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイに対してハイブリダイズさせることによって同定され得る(Croninら(1996)Human Mutation 7:244−255;Kozalら(1996)Nature Medicine 2:753−759)。例えば、NOVXにおける遺伝子変異は、Croninら(前出)に記載されるように光生成DNAプローブを含む二次元アレイにおいて同定され得る。手短には、プローブの第一ハイブリダイゼーションアレイを用いて、サンプルおよびコントロール中でDNAを長いストレッチにわたって走査し、連続的に重複するプローブの線形アレイを作成することによって、その配列間の塩基変化を同定し得る。この工程は、点変異の同定を可能にする。この工程に第二のハイブリダイゼーションアレイが続き、これは、検出される全ての改変体または変異体に相補的な、より小さな特化されたプローブアレイを用いることによる特定の変異の特徴付けを可能にする。各変異アレイは、一方が野生型遺伝子に対して相補的であり、そして他方が変異遺伝子に対して相補である並行プローブセットから構成される。
【0324】
なお別の実施形態において、当該分野で公知の種々の配列決定反応のいずれかを使用して、NOVX遺伝子を直接配列決定し得、そしてサンプルNOVX配列と対応する野生型(コントロール)配列とを比較することによって、変異を検出し得る。配列決定反応の例としては、MaximおよびGilbert(1977)PNAS 74:560またはSanger(1977)PNAS 74:5463によって開発された技術に基づくものが挙げられる。診断アッセイを実施する場合、種々の自動化配列決定手順のいずれかを利用し得ることもまた意図される(Naeveら(1995)Biotechniques 19:448)。これらには、質量分析法による配列決定法(例えば、PCT国際公開番号WO94/16101;Cohenら(1996)Adv Chromatogr 36:127−162;およびGriffinら(1993)Appl Biochem Biotechnol 38.:147−159を参照のこと)が含まれる。
【0325】
NOVX遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、切断剤からの保護を使用して、RNA/RNAもしくはRNA/DNAのヘテロ二重鎖中のミスマッチ塩基を検出する方法が挙げられる(Myersら(1985)Science 230:1242)。一般に、「ミスマッチ切断」の当該分野の技術は、野生型のNOVX配列を含む(標識された)RNAまたはDNAを、組織サンプルから得られた潜在的な変異体RNAまたはDNAとハイブリダイズさせることによって形成されるヘテロ二重鎖を提供する工程によって始まる。この二本鎖の二重鎖を、二重鎖の一本鎖領域(例えば、そのコントロールとサンプルの鎖との間の塩基対ミスマッチに起因して存在するもの)を切断する薬剤を用いて処理する。例えば、RNA/DNA二重鎖を、RNaseを用いて処理し得、そしてDNA/DNAハイブリッドを、そのミスマッチ領域を酵素的に消化するためにS1ヌクレアーゼを用いて処理し得る。他の実施形態において、DNA/DNAまたはRNA/DNAのいずれかの二重鎖を、ミスマッチ領域を消化するために、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウム、およびピペリジンを用いて処理し得る。そのミスマッチ領域の消化後、次いで、得られた物質を変性ポリアクリルアミドゲル上で、大きさにより分離して、変異の部位を決定する。例えば、Cottonら(1988)Proc Natl Acad Sci USA 85:4397;Saleebaら(1992)Methods Enzymol 217:286−295を参照のこと。1つの実施形態において、コントロールのDNAまたはRNAは、検出のために標識され得る。
【0326】
なお別の実施形態において、ミスマッチ切断反応は、二本鎖DNAにおけるミスマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(いわゆる「DNAミスマッチ修復」酵素)を、細胞のサンプルから得られたNOVX cDNAにおける点変異を検出およびマッピングするために規定された系において使用する。例えば、E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、そしてHeLa細胞からのチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチでTを切断する(Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:1657〜1662)。例示的な実施形態に従って、NOVX配列(例えば、野生型NOVX配列)に基づくプローブは、試験細胞由来のcDNAまたは他のDNA産物にハイブリダイズされる。二重鎖は、DNAミスマッチ修復酵素を用いて処理され、そしてその切断産物(もしあれば)は、電気泳動プロトコルなどから検出され得る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと。
【0327】
他の実施形態において、電気泳動の移動度における変化は、NOVX遺伝子における変異を同定するために使用される。例えば、一本鎖コンホメーション多型(SSCP)は、変異体と野生型の核酸との間の電気泳動の移動度における差異を検出するために使用され得る(Oritaら(1989)Proc Natl Acad Sci USA:86:2766、またCotton(1993)Mutat Res 285:125〜144;Hayashi(1992)Genet Anal Tech Appl 9:73〜79を参照のこと)。サンプルおよびコントロールのNOVX核酸の一本鎖DNAフラグメントは、変性され、そして再生される。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従って変化し、電気泳動の移動度において得られる変化は、1つの塩基変化の検出さえも可能にする。DNAフラグメントは、標識され得るか、または標識されたプローブを用いて検出され得る。アッセイの感度は、DNAよりもむしろ、二次構造が配列中の変化に対してより感受的であるRNAを使用することによって増強され得る。1つの実施形態において、本発明の方法は、ヘテロ二重鎖分析を利用して、電気泳動の移動度における変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離する。例えば、Keenら(1991)Trends Genet 7:5を参照のこと。
【0328】
なお別の実施形態において、一定勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミドゲルにおける変異体または野生型のフラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)を使用してアッセイされる。例えば、Myersら(1985)Nature 313:495を参照のこと。DGGEが分析の方法として使用される場合、DNAは、例えば、PCRにより約40bpの高融点GCリッチDNAのGCクランプを付加することによって、完全には変性されないことを確実するように改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロールおよびサンプルのDNAの移動度における差異を同定するために、変性剤勾配の代わりに使用される。例えば、RosenbaumおよびReissner(1987)Biophys Chem 265:12753を参照のこと。
【0329】
点変異を検出するための他の技術の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、既知の変異が中心的に配置されるように調製され得、次いで、完全なマッチが見出される場合にのみハイブリダイゼーションを許容する条件下で標的DNAにハイブリダイズされる。例えば、Saikiら(1986)Nature 324:163);Saikiら(1989)Proc Natl Acad.Sci USA 86:6230を参照のこと。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ膜に付着され、そして標識された標的DNAとハイブリダイズされる場合に、PCR増幅された標的DNAまたは多くの異なる変異にハイブリダイズされる。
【0330】
あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術は、本発明と合わせて使用され得る。特異的増幅についてのプライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは、分子の中心において(その結果、増幅は、差次的ハイブリダイゼーションに依存する)(Gibbsら(1989)Nucleic Acids Res 17:2437〜2448)か、あるいは適切な条件下でミスマッチが妨げられ得るかまたはポリメラーゼ伸長を減少し得る、1つのプライマーの3’の最末端で、目的の変異を保有し得る(Prossner(1993)Tibtech 11:238)。さらに、切断に基づく検出を行うために、変異領域に新規な制限部位を導入することが望ましくあり得る。例えば、Gaspariniら(1992)Mol Cell Probes 6:1を参照のこと。特定の実施形態において、増幅はまた、増幅用Taqリガーゼを使用して実施され得ることが予測される。例えば、Barany(1991)Proc Natl Acad Sci USA 88:189を参照のこと。このような場合において、連結は、5’配列の3’末端に完全なマッチが存在する場合にのみ生じ、増幅の存在または非存在を探索することによって、特定の部位における既知の変異の存在を検出することを可能にする。
【0331】
本明細書中に記載される方法は、例えば、本明細書中に記載れる少なくとも1つのプローブ核酸または抗体試薬を含む、予めパッケージングされた診断キットを利用することによって実施され得、これは、例えば、NOVX遺伝子を含む疾患または疾病の症状または家族病歴を示す患者を診断するための臨床的設定において簡便に使用され得る。
【0332】
さらに、NOVXが発現される任意の細胞型または組織(好ましくは、末梢血白血球)は、本明細書中に記載される予後アッセイにおいて利用され得る。しかし、有核細胞を含む任意の生物学的サンプル(例えば、頬粘膜細胞を含む)が、使用され得る。
【0333】
(薬理ゲノム学(Pharmacogenomics))
NOVX活性(例えば、NOVX遺伝子発現)に対する刺激性または阻害性の影響を有する因子、すなわちモジュレーターは、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定されるように、異常なNOVX活性と関連する障害(例えば、神経学的障害、癌関連障害または妊娠障害)を処置(予防的または治療的に)するために個体に投与され得る。このような処置と合わせて、個体の薬理ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型と外来化合物または薬物に対するその個体の応答との間の関係についての研究)が、考慮され得る。治療剤の代謝における差異は、薬理学的に活性な薬物の用量と血中濃度との間の関係を変更することによって、重篤な毒性または治療の失敗を導き得る。従って、個体の薬理ゲノム学は、個体の遺伝子型の考慮に基づく予防的または治療的処置のために有効な薬剤(例えば、薬物)の選択を許容する。このような薬理ゲノム学は、さらに、適切な投薬量および治療剤レジメンを決定するために使用され得る。従って、NOVXタンパク質の活性、NOVX核酸の発現、あるいは個体におけるNOVX遺伝子の変異含量が決定されて、それによって個体の治療的または予防的処置のために適切な薬剤を選択し得る。
【0334】
薬理ゲノム学は、罹患された人おける変更された薬物の性質および異常な作用に起因して、薬物に応答する臨床的に有意な遺伝性変更を扱う。例えば、Eichelbaum、1996、Clin Exp Pharmacol Physiol,23:983〜985およびLinder、1997、Clin Chem,43:254〜266を参照のこと。一般に、2つの型の薬理ゲノム学状態が、区別され得る。薬物が身体に作用する方法を変更する1つの因子として伝達される遺伝的状態(変更された薬物作用)、または身体が薬物に作用する方法を変更する1つの因子として伝達される遺伝的状態(変更された薬物代謝)。これらの薬理ゲノム学状態は、稀な欠損としてか、または多型としてのいずれかで生じ得る。例えば、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損は、一般的な遺伝性酵素病であり、この主な臨床的合併症は、酸化剤薬物(抗マラリア剤、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの消費後の溶血である。
【0335】
例示的な実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続期間の両方の主要な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)およびシトクロムP450酵素CYP2D6およびCYP2C19)の遺伝的多型の発見は、幾人かの患者が予期される薬物効果を得ないことか、または標準的かつ安全な用量の薬物を摂取した後に過大な薬物応答および深刻な毒性を示すことに関しての説明を提供した。これらの多型は、集団において2つの表現型(高い代謝能を持つ人(extensive metabolizer)(EM)および低い代謝能を持つ人(poor metabolizer)(PM))で表現される。PMの有病率は、異なる集団の間で異なる。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は高度に多型であり、そしていくらかの変異がPMにおいて同定されており、この全ては機能的CYP2D6の非存在に至る。CYP2D6およびCYP2C19の低い代謝能を持つ人は、彼らが標準的な用量を受ける場合に、かなり頻繁に過大な薬物応答および副作用を経験する。代謝産物が活性な治療的部分である場合、そのCYP2D6形成代謝産物であるモルヒネによって媒介されるコデインの鎮痛効果について実証されるように、PMは治療的応答を示さない。他の極端なものは、標準的な用量に応答しない、いわゆる超迅速な代謝能を持つ人である。最近、超迅速な代謝の基準となる分子は、CYP2D6遺伝子増幅に起因していることが同定されている。
【0336】
従って、NOVXのタンパク質の活性、NOVXの核酸の発現、あるいは個体におけるNOVXの遺伝子の変異内容を決定して、それによって、その個体の治療的または予防的処置のために適切な薬剤を選択し得る。さらに、薬理ゲノム学の研究を使用して、個体の薬物応答性の表現型の同定に対して薬物代謝酵素をコードする多型対立遺伝子の遺伝子型を適用し得る。この知見は、用量または薬物選択に適用される場合、有害な反応または治療の失敗を回避し得、従って、被験体をNOVXの調節因子(例えば、本明細書中に記載される例示的なスクリーニングアッセイの1つによって同定される調節因子)を用いて処置する場合に治療的または予防的効率を増強し得る。
【0337】
(臨床試験中の効果のモニタリング)
NOVXの発現または活性(例えば、異常な細胞増殖および/または分化を調節する能力)に対する薬剤(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングすることは、基本的な薬物スクリーニングおよび臨床試験に適用され得る。例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイによって決定される、NOVXの遺伝子発現、タンパク質レベルを増加するため、またはNOVX活性をアップレギュレートする薬剤の効力は、減少したNOVXの遺伝子発現、タンパク質レベル、またはダウンレギュレートしたNOVXの活性を示す被験体の臨床試験においてモニターされ得る。あるいは、スクリーニングアッセイによって決定される、NOVXの遺伝子発現、タンパク質レベルを減少、またはNOVXの活性をダウンレギュレートする薬剤の効力は、増加したNOVXの遺伝子発現、タンパク質レベル、またはアップレギュレートしたNOVXの活性を示す被験体の臨床試験においてモニターされ得る。このような臨床試験において、NOVXの発現または活性、および好ましくは、例えば、増殖または神経障害に関与するような他の遺伝子が、「リードアウト(読み出し)(read out)」、すなわち、特定の細胞の応答性のマーカーとして使用され得る。
【0338】
例えば、NOVXを含む遺伝子(これは、NOVX活性(例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイにおいて同定される)を調節する薬剤(例えば、化合物、薬物または低分子)を用いる処置によって、細胞内で調節される)が、同定され得る。従って、細胞性増殖障害に対する薬剤の効果を研究するために、例えば、臨床試験において、細胞が単離され得、そしてRNAが調製され得、そしてNOVXおよびこの障害に関与する他の遺伝子の発現のレベルについて分析され得る。遺伝子発現のレベル(すなわち、遺伝子発現パターン)は、本明細書中に記載されるように、ノーザンブロット分析もしくはRT−PCRによるか、あるいは産生されるタンパク質の量を測定することによるか、本明細書中に記載されるような方法の1つによるか、あるいはNOVXまたは他の遺伝子の活性のレベルを測定することによって、定量され得る。この様式で、この遺伝子発現パターンは、この薬剤に対する細胞の生理学的応答の指標であるマーカーとして作用し得る。従って、この応答状態は、この薬剤を用いる個体の処置の前、および処置の間の種々の時点で、決定され得る。
【0339】
1つの実施形態において、本発明は、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、タンパク質、ペプチド、核酸、ペプチド模倣物、低分子、または本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される他の薬物候補物)を用いる、被験体の処置の効力をモニタリングするための方法を提供し、これは、以下の工程を包含する:(i)薬剤の投与の前に、被験体から投与前サンプルを得る工程;(ii)この投与前サンプルにおいて、NOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現のレベルを検出する工程;(iii)この被験体から1つ以上の投与後サンプルを得る工程;(iv)この投与後サンプルにおいて、NOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを検出する工程;(v)この投与前サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを、この投与後サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルと比較する工程;ならびに(vi)従って、この被験体に対する薬剤の投与を変更する工程。例えば、この薬剤の増加した投与は、検出されるよりも高いレベルにNOVXの発現または活性を増加することが(すなわち、この薬剤の効力を増加すること)望ましくあり得る。あるいは、この薬剤の減少した投与は、検出されるよりも低いレベルにNOVXの発現または活性を減少することが(すなわち、この薬剤の効力を減少すること)望ましくあり得る。
【0340】
(処置の方法)
本発明は、障害の危険性のある(または障害に罹患しやすい)かまたは異常なNOVX発現または活性に関連する障害を有する被験体を処置する予防的および治療的方法の両方を提供する。
【0341】
(その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)増加したレベルまたは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を拮抗する(すなわち、低減または阻害する)治療剤を用いて処置され得る。活性を拮抗する治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)NOVXポリペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;(ii)上記ペプチドに対する抗体;(iii)NOVXペプチドをコードする核酸;(iv)相同組換えによってNOVXペプチドの内因性機能を「ノックアウトする」ために利用される、アンチセンス核酸および「機能不全性」である(すなわち、NOVXペプチドに対するコード配列のコード配列内の異種挿入に起因する)核酸の投与、(例えば、Capecchi、1989、Science 244:1288〜1292を参照のこと);または(v)NOVXペプチドとその結合パートナーとの間の相互作用を変化させる、調節因子(すなわち、インヒビター、アゴニストおよびアンタゴニスト(本発明のさらなるペプチド模倣物または本発明のペプチドに対して特異的な抗体を含む))。
【0342】
(その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)減少したレベルまたは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を増加させる(すなわち、活性に対するアゴニストである)治療剤を用いて処置され得る。活性をアップレギュレートする治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:NOVXペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;あるいはバイオアベイラビリティーを増加させるアゴニスト。
【0343】
増加したレベルまたは減少したレベルは、ペプチドおよび/またはRNAを定量することによって、容易に検出され得る。この定量は、患者の組織サンプルを(例えば、生検組織から)入手し、そしてそのサンプルを、その発現したペプチド(またはNOVXペプチドのmRNA)のRNAレベルまたはペプチドレベル、構造および/または活性をインビトロでアッセイすることによる。当該分野において周知の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イムノアッセイ(例えば、ウェスタンブロット分析、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動が後に続く免疫沈降、免疫細胞化学などによる)および/またはmRNAの発現を検出するためのハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノーザンアッセイ、ドットブロット、インサイチュハイブリダイゼーションなど)。
【0344】
1つの局面において、本発明は、被験体において異常なNOVXの発現または活性と関連する疾患または状態を、NOVXの発現または少なくとも1つのNOVX活性を調節する薬剤をこの被験体に投与することによって予防するための方法を提供する。異常なNOVXの発現または活性によって引き起こされるかまたはこれらに起因する、疾患にかかる危険がある被験体は、例えば、本明細書中に記載の診断アッセイまたは予後アッセイのいずれか、またはそれらの組み合わせによって、同定され得る。予防薬剤の投与は、疾患または障害が予防されるか、あるいはその進行を遅らせられるように、このNOVX異常の特徴である症状の発現の前に行い得る。このNOVX異常の型に依存して、例えば、NOVXアゴニスト薬剤またはNOVXアンタゴニスト薬剤が、その被験体を処置するために使用され得る。その適切な薬剤は、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイに基づいて決定され得る。
【0345】
本発明の別の局面は、治療目的のためにNOVXの発現または活性を調節する方法に関する。本発明の調節方法は、細胞を、その細胞に関するNOVXタンパク質活性の活性のうちの1つ以上を調節する薬剤と接触させる工程を包含する。NOVXタンパク質活性を調節する薬剤は、核酸またはタンパク質、NOVXタンパク質の天然に存在する同族リガンド、ペプチド、NOVXペプチド模倣物、または他の低分子のような、本明細書中に記載されるような薬剤であり得る。1つの実施形態において、この薬剤は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上を刺激する。このような刺激薬剤の例としては、活性なNOVXタンパク質、およびその細胞に導入されたNOVXをコードする核酸分子が挙げられる。別の実施形態において、この薬剤は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上を阻害する。このような阻害薬剤の例としては、アンチセンスNOVX核酸分子、および抗NOVX抗体が挙げられる。これらの調節方法は、インビトロで(例えば、その薬剤とともにその細胞を培養することによって)、あるいはインビボで(例えば、被験体にその薬剤を投与することによって)実施され得る。このように、本発明は、NOVXのタンパク質または核酸分子の、異常な発現または異常な活性によって特徴付けられる、疾患または障害に罹患した個体を処置する方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、NOVXの発現または活性を調節する(例えば、アップレギュレートまたはダウンレギュレートする)薬剤(例えば、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定される薬剤)あるいはそのような薬剤の組み合わせを投与する工程を包含する。別の実施形態において、この方法は、NOVXのタンパク質または核酸分子を、低減したかまたは異常な、NOVXの発現または活性を補償するための治療として、投与する工程を包含する。
【0346】
(治療剤の生物学的効果の決定)
本発明の種々の実施形態において、適切なインビトロまたはインビボアッセイを利用して、特定の治療剤の効果およびその投与が罹患組織の処置を示すか否かを決定する。
【0347】
種々の特定の実施形態において、インビトロアッセイが患者の障害に関与する代表的な細胞型で行われ、所定の治療剤がこの細胞型に対して所望の効果を発揮するか否かを決定し得る。治療において使用する化合物は、ヒト被験体において試験する前に適切な動物モデル系において試験され得る。これらの動物モデル系としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギなど。同様に、インビボ試験については、当該分野で公知の任意の動物モデル系が、ヒト被験体に対する投与の前に使用され得る。
【0348】
(悪性疾患)
NOVXタンパク質のいくらかは、細胞の増殖に関与し得る。従って、本発明の治療剤は、細胞の過剰増殖および/または細胞増殖の制御の欠損(例えば、癌、悪性疾患および腫瘍)に関連する疾患または障害の治療的処置または予防的処置において有用であり得る。そのような過剰増殖障害の総説について、例えば、Fishmanら、1985、MEDICINE、第2版、J.B.Lippincott Co.、Philadelphia、PAを参照のこと。
【0349】
本発明の治療剤を、悪性疾患および関連する障害の処置または予防における効力について、当該分野内において公知の任意の方法によってアッセイし得る。そのようなアッセイとしては、形質転換された細胞または患者の腫瘍由来の細胞を利用するインビトロアッセイ、ならびに癌または悪性疾患の動物モデルを使用するインビボアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。可能性のある有効な治療剤は、例えば、コントロールと比較して、培養物中での腫瘍由来細胞または形質転換細胞の増殖を阻害するか、または動物モデルにおいて腫瘍の後退を生じる治療剤である。
【0350】
本発明の実施において、一旦、悪性疾患または癌が、活性を調節すること(すなわち、阻害するか、アンタゴナイズするか、またはアゴナイズする)による処置に対して感受性であることが示されると、引き続いて、その癌または悪性疾患が、タンパク質機能を調節するように作用する治療剤の投与によって処置または予防され得る。
【0351】
(前悪性状態)
癌または悪性疾患の治療または予防処置において有効な本発明の治療剤はまた、前悪性状態の処置および/または前悪性から新生物状態もしくは悪性疾患状態への進行を防ぐための処置のために投与され得る。そのような予防的用途または治療的用途が、先行する新生物または癌への進行が知られているか、またはそれが疑われる状態(特に、過形成、化生、または最も特に、異形成からなる非新生物細胞増殖が生じた場合)において、示される。そのような異常な細胞増殖の総説について、例えば、RobbinsおよびAngell、1976、BASIC PATHOLOGY、第2版、W.B.Saunders Co.、Philadelphia、PAを参照のこと。
【0352】
過形成は、細胞の構造または機能における有意な変化なしに、組織または器官における細胞数の増加を含む、制御された細胞の増殖の形態である。例えば、子宮内膜の過形成は、しばしば子宮内膜癌に進行することが実証されている。化生は、成熟した細胞または十分に分化した細胞の1つの型が、成熟した細胞の別の型に置換する、制御された細胞増殖の形態である。化生は、上皮組織細胞または結合組織細胞において生じ得る。異形成は、一般に癌の前駆体であると考えられ、そして上皮において主に見出される。異形成は、非新生物細胞増殖の最も無秩序な形態であり、個々の細胞の均一性および細胞の構築上の配向の損失を含む。異形成は、慢性の刺激または炎症が存在する場所で特徴的に生じ、そしてしばしば、頸部、気道、口腔、および胆嚢において見出される。
【0353】
あるいは、または過形成、化生、または異形成として特徴付けられる異常な細胞増殖の存在に加えて、患者由来の細胞サンプル内で、インビボまたはインビトロのいずれかにおいて示される形質転換表現型または悪性疾患表現型の1つ以上の特徴の存在が、上記のタンパク質の活性を調節する能力を有する治療剤の予防的/治療的投与の望ましさの指標である。形質転換された表現型の特徴としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)形態学的変化;(ii)よりゆるい、下層への付着;(iii)細胞間接触阻止の喪失;(iv)足場依存性の喪失;(v)プロテアーゼ放出;(vi)増加した糖輸送;(vii)減少した血清要求性;(vii)胎児抗原の発現;(ix)250kDa細胞表面タンパク質の消滅など。例えば、Richardsら1986、MOLECULAR PATHOLOGY、W.B.Saunders Co、Philadelphia、PAを参照のこと。
【0354】
本発明の特定の実施形態において、悪性疾患についての以下の1つ以上の素因を示す患者が、治療剤の有効量の投与によって処置される:(i)悪性疾患に関連する染色体転座(例えば、慢性骨髄性白血病についてのフィラデルフィア染色体(bcr/abl)および濾胞性リンパ腫についてのt(14;18)など);(ii)家族性ポリープ症またはガードナー症候群(結腸癌の可能性のある前兆);(iii)未確認の重要性の単一クローン性高ガンマグロブリン血症(多発性骨髄腫の可能性のある前駆体);ならびに(vi)メンデル(遺伝子)遺伝パターンを示す癌または前癌疾患(例えば、結腸の家族性ポリープ症、ガードナー症候群、遺伝性外骨腫症、多発性内分泌腺腫症(polyendocrine adenomatosis)、ポイツ−ジェガーズ症候群、フォン・レックリングハウゼン病の神経線維腫症、アミロイド産生および褐色細胞腫をともなう甲状腺髄様癌(medullary thyroid caricinoma)、網膜芽細胞腫、頸動脈小体腫瘍、皮膚の黒色癌、眼内の黒色癌、色素性乾皮症、毛細血管拡張性運動失調、チェディアック−東症候群、白子症、ファンコーニ再生不良性貧血およびブルーム症候群)を有する人の一親等。
【0355】
別の実施形態において、本発明の治療剤が、ヒト患者に投与されて、乳癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、または子宮癌、あるいは黒色腫または肉腫の進行を防ぐ。
【0356】
(過剰増殖性障害および異常増殖性(dysproliferative)障害)
本発明の1つの実施形態において、治療剤が、過剰増殖性障害または良性の異常増殖性障害の治療的処置または予防的処置において投与される。過剰増殖性疾患または障害の処置または予防における本発明の治療剤の効力が、当該分野において公知の任意の方法によってアッセイされ得る。そのようなアッセイとしては、インビトロの細胞増殖アッセイ、過剰増殖性疾患または障害の動物モデルを使用するインビトロまたはインビボアッセイなどが挙げられる。可能性のある効果的な治療剤は、例えば、コントロールとの比較において、培養物中の細胞増殖を促進し得るか、あるいは動物モデルにおける増殖または細胞増殖を生じ得る。
【0357】
本発明の特定の実施形態は、肝臓の肝硬変(瘢痕が、通常の肝臓再生プロセスを上回る状態);瘢痕プロセスが通常の再生を妨げる、皮膚の形状を損じることを生じるケロイド(過形成性瘢痕)形成の処置;乾癬(皮膚の過剰な増殖および適切な細胞運命の決定の遅延によって特徴付けられる一般的な皮膚の状態);良性腫瘍;線維性嚢状態および組織肥厚(例えば、良性膵臓肥厚)の処置または予防に関する。
【0358】
(神経変性障害)
NOVXタンパク質は、細胞成熟の脱調節およびアポトーシス(この両方が神経変性疾患の特徴である)に関係し得る。従って、本発明の治療剤(限定されることはないが、特に上記のタンパク質の活性を調節(または供給)する治療剤)が、神経変性疾患の処置または予防において効果的であり得る。神経変性障害に関与する上記のタンパク質の活性を調節する本発明の治療剤を、そのような神経変性疾患または障害を処置または予防することにおける効力について、当該分野において公知の任意の方法によってアッセイし得る。そのようなアッセイとしては、調節された細胞成熟もしくはアポトーシスの阻害についてのインビトロアッセイ、または神経変性疾患または障害の動物モデルを使用するインビボアッセイ、あるいは以下に記載する任意のアッセイが挙げられる。可能性のある効果的な治療剤は、例えば限定されないが、コントロールと比較して、調節された細胞成熟を促進し、培養物中の細胞アポトーシスを防ぎ、あるいは動物モデルにおける神経変性を減少する。
【0359】
一旦、神経変性疾患または障害が、調節活性による処置に対して感受性であることが示されると、その神経変性疾患または障害が、活性を調節する治療剤の投与によって処置または予防され得る。そのような疾患としては、加齢に関与する全ての変性性障害(特に、変形性関節症および神経変性障害)が挙げられる。
【0360】
(器官移植に関連する障害)
いくつかのNOVXは、器官移植に関連する障害(特に、限定されないが、器官拒絶反応)に関係し得る。本発明の治療剤(特に、活性を調節(または供給)する治療剤)は、器官移植に関連する疾患または障害の処置または予防において効果的であり得る。本発明の治療剤(特に、上記タンパク質のレベルまたは活性を調節する治療剤)は、このような器官移植に関連する疾患および障害の処置または予防における効力について、当該分野で公知の任意の方法によってアッセイされ得る。このようなアッセイとしては、下記のような細胞培養モデルを使用するインビトロアッセイ、または器官移植に関連する疾患および障害の動物モデルを使用するインビボアッセイが挙げられ、例えば、以下を参照のこと。潜在的に効果的な治療剤は、例えば、限定されないが、コントロールに対して比較して、動物モデルにおける免疫拒絶応答を減少する。
【0361】
従って、一旦、器官移植に関連する疾患および障害が、活性の調節による処置に対して感受性であることが示されると、このような疾患または障害は、活性を調節する治療剤の投与によって処置または予防され得る。
【0362】
(心臓血管疾患)
NOVXは、アテローム性動脈硬化症のプラーク形成を含む、心臓血管障害に関係し得る。心臓血管疾患(脳血栓症または脳出血を含む)、虚血性心疾患または虚血性腎疾患、末梢血管疾患、または他の主要な血管の血栓症、および他の疾患(真性糖尿病、高血圧、甲状腺機能不全、コレステロールエステル貯蔵病、全身性エリテマトーデス、ホモシステイン症(homocysteinemia)、および家族性のタンパク質または脂質プロセシング疾患などを含む)のような疾患は、アテローム性動脈硬化症に直接的または間接的のいずれかで関連する。従って、本発明の治療剤(特に、活性または形成を調節(または供給)する治療剤)は、アテローム性動脈硬化症に関連する疾患または障害の処置または予防に有効であり得る。本発明の治療剤(特に、レベルまたは活性を調節する治療剤)は、このような疾患および障害の処置または予防における効力について、当該分野で公知の任意の方法(以下に記載の方法を含む)によってアッセイされ得る。
【0363】
広範な動物モデルおよび細胞培養モデルが、アテローム性動脈硬化症に関与するプロセスについて存在する。動物モデルの限定的かつ非排他的な列挙としては、以下が挙げられる:早発性アテローム性動脈硬化症についてのノックアウトマウス(KurabayashiおよびYazaki,1996、Int.Angiol.15:187−194)、アテローム動脈硬化症のトランスジェニックマウスモデル(Kappelら、1994、FASEB J.8:583−592)、動物モデルのアンチセンスオリゴヌクレオチド処置(Callow,1995、Curr.Opin.Cardiol.10:569−576)、アテローム性動脈硬化症についてのトランスジェニックウサギモデル(Taylor,1997,Ann.N.Y.Acad.Sci 811:146−152)、高コレステロール血症動物モデル(Rosenfeld,1996,Diabetes Res.Clin.Pract.30(補遺):1−11)、高脂血症マウス(Paigenら、1994、Curr.Opin.Lipidol.5:258−264)、および動物におけるリポキシゲナーゼの阻害(Sigalら、1994、Ann.N.Y.Acad.Sci.714:211−224)。さらに、インビトロ細胞モデルとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:低密度リポタンパク質に曝露された単球(Frostegardら、1996、Atherosclerosis 121:93−103)、クローン化された血管平滑筋細胞(Suttlesら、1995、Exp.Cell Res.218:331−338)、内皮細胞由来の化学誘引物質に曝されたT細胞(Katzら、1994、J.Leukoc.Biol.55:567−573)、培養されたヒト大動脈内皮細胞(Farberら、1992、Am.J.Physiol.262:H1088−1085)、および泡沫細胞培養物(Libbyら、1996、Curr Opin Lipidol 7:330−335)。潜在的に効果的な治療剤は、例えば、限定されないが、コントロールに対して比較して、細胞培養モデルにおける泡沫細胞形成、またはアテローム性動脈硬化症の高コレステロール血症マウスモデルにおけるアテローム性動脈硬化症のプラーク形成を減少する。
【0364】
従って、一旦、アテローム性動脈硬化症に関連する疾患または障害が、活性または形成の調節による処置に対して感受性であることが示されると、この疾患または障害は、活性を調節する治療剤の投与によって処置または予防され得る。
【0365】
(サイトカインおよび細胞増殖/分化活性)
本発明のNOVXタンパク質は、サイトカイン活性、細胞増殖活性(誘導するか、または阻害するかのいずれか)、または細胞分化活性(誘導するか、または阻害するかのいずれか)を示し得るか、あるいは特定の細胞集団における他のサイトカインの産生を誘導し得る。全ての既知のサイトカインを含む、現在までに発見された多くのタンパク質因子は、因子依存性の1以上の細胞増殖アッセイにおいて活性を示し、従って、これらのアッセイは、サイトカイン活性の簡便な確認法として作用する。本発明のタンパク質の活性は、以下を含むが、これらに限定されない細胞株についての多くの従来の因子依存性細胞増殖アッセイの任意の1つによって確認される:32D、DA2、DA1G、T10、B9、B9/11、BaF3、MC9/G、M+(preB M+)、2E8、RB5、DA1、123、T1165、HT2、CTLL2、TF−1、Mo7eおよびCMK。
【0366】
本発明のタンパク質の活性は、数ある方法でもとりわけ、以下の方法によって測定され得る:以下に記載されるアッセイを含むが、これらに限定されない、T細胞増殖または胸腺細胞増殖についてのアッセイ:Current Protocols in Immunology,Coliganら編、Greene Publishing Associates and Wiley−Interscience(第3章および第7章);Takaiら、J Immunol 137:3494−3500、1986;Bertagnoiliら、J Immunol 145:1706−1712、1990;Bertagnolliら、Cell Immunol 133:327−341、1991;Bertagnolliら、J Immunol 149:3778−3783、1992;Bowmanら、J Immunol 152:1756−1761,1994。
【0367】
脾細胞、リンパ節細胞または胸腺細胞のサイトカイン産生および/または増殖についてのアッセイとしては、KruisbeekおよびShevach:Current Prtocols in Immunology.Coliganら編、第1巻、3.12.1−14頁、John Wiley and Sons,Toronto 1994;およびSchreiber:Current Protocols in Immunology.Coligan編、第1巻、6.8.1−8頁、John Wiley and Sons,Toronto 1994に記載のアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0368】
造血細胞およびリンパ球産生細胞の増殖および分化についてのアッセイとしては、以下によって記載されるアッセイが挙げられるが、これに限定されない:Bottomlyら:Current Protocols in Immunology.Coliganら編、第1巻、6.3.1−6.3.12頁、John Wiley and Sons,Toronto 1991;deVriesら、J Exp Med 173:1205−1211,1991;Moreauら、Nature 336:690−692、1988;Greenbergerら、Proc Natl Acad Sci U.S.A.80:2931−2938,1983;Nordan:Current Protocols in Immunology.Coliganら編、第1巻、6.6.1−5頁、John Wiley and Sons,Toronto 1991;Smithら、Proc Natl Acad Sci U.S.A.83:1857−1861,1986;Measurement of human Interleukin 11−Bennettら:Current Protocols in Immunology.Coliganら編、第1巻、6.15.1頁、John Wiley and Sons,Toronto 1991;Ciarlettaら:Current Protocols in Immunology.Coliganら編、第1巻、6.13.1頁、John Wiley and Sons,Toronto 1991。
【0369】
抗原に対するT細胞クローン応答についてのアッセイ(とりわけ、増殖およびサイトカイン産生を測定することによって、APC−T細胞相互作用に影響し、そしてT細胞の効果を指向するタンパク質を同定する)としては、以下に記載されるアッセイが挙げられるが、これらに限定されない:Current Protocols in Immunology.Coliganら編、Greene Publishing Associates and Wiley−Interscience(第3章、第6章および第7章);Weinbergerら、Proc Natl Acad Sci USA 77:6091−6095,1980;Weinbergerら、Eur J Immun 11:405−411,1981;Takaiら、J Immunol 137:3494−3500,1986;Takaiら、J Immunol 140:508−512,1988。
【0370】
(免疫刺激活性または免疫抑制活性)
本発明のNOVXタンパク質はまた、免疫刺激活性または免疫抑制活性(これらの限定されない活性を含むが、これらの活性についてのアッセイが本明細書中に記載される)を示し得る。タンパク質は、種々の免疫不全および免疫障害(重症複合型免疫不全(SCDI)を含む)の処置(例えば、Tリンパ球および/またはBリンパ球の成長および増殖の(上方または下方)調節、ならびにNK細胞および他の細胞集団の細胞溶解活性の誘発)において有用であり得る。これらの免疫不全は、遺伝性であり得るか、またはウイルス(例えば、HIV)および細菌感染または真菌感染によって引き起こされ得るか、あるいは自己免疫障害から生じ得る。より詳細には、ウイルス感染、細菌感染、真菌感染または他の感染によって引き起こされる感染性疾患は、本発明のタンパク質を使用して処置可能であり得、この感染としては、HIV、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、ミコバクテリア、リーシュマニア種、マラリア種による感染、およびカンジダ症のような種々の真菌感染が挙げられる。もちろん、この点に関して、本発明のタンパク質はまた、免疫系に対するブーストが、一般に所望され得る(すなわち、癌の処置において)場合に有用であり得る。
【0371】
本発明のタンパク質を使用して処置され得る自己免疫障害としては、例えば、以下が挙げられる:結合組織疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、自己免疫性肺炎、ギヤン−バレー症候群、自己免疫性甲状腺炎、インスリン依存性真性糖尿病、重症筋無力症、対宿主性移植片病および自己免疫性炎症性眼疾患。本発明のこのようなタンパク質はまた、喘息(特に、アレルギー性喘息)または他の呼吸系障害のような、アレルギー反応およびアレルギー状態の処置に有用であり得る。免疫抑制が所望される他の状態(例えば、器官移植を含む)もまた、本発明のタンパク質を使用して処置可能であり得る。
【0372】
本発明のタンパク質を使用して、多くの方法で、免疫応答することもまた可能であり得る。下方調節は、すでに進行中の免疫応答を阻害またはブロックする形態であり得るか、免疫応答の誘導を妨げることを含み得る。活性化T細胞の機能は、T細胞応答を抑制することによってか、またはT細胞における特異的寛容を誘導することによってか、あるいはその両方によって阻害され得る。T細胞応答の免疫抑制は、一般に、抑制剤に対するT細胞の連続的曝露を必要とする、能動的な非抗原特異的プロセスである。寛容(T細胞における非応答性またはアネルギー(energy)を誘導することを含む)は、一般的に抗原特異的であり、そして寛容化剤に対する曝露が停止した後で持続するという点で免疫抑制と識別可能である。操作的には、寛容は、寛容化剤の非存在下における特異的抗原に対する再曝露の際に、T細胞応答の欠如によって実証され得る。
【0373】
1以上の抗原機能(Bリンパ球抗原機能(例えば、B7のような)を含むが、限定されない)を下方調節するか、または妨げること(例えば、活性化T細胞による高レベルのリンホカイン合成を妨げること)は、組織、皮膚および器官の移植の状況、ならびに対宿主性移植片病(GVHD)において有用である。例えば、T細胞機能のブロックは、組織移植における組織破壊の減少を生じるはずである。代表的に、組織移植において、移植片の拒絶は、T細胞によるその外来としての認識、それに続く移植片を破壊する免疫反応を介して開始される。移植前に免疫細胞上でB7リンパ球抗原のその天然のリガンドとの相互作用を阻害またはブロックする分子(例えば、B7−2活性を有するペプチドの可溶性モノマー形態単独、あるいは別のBリンパ球抗原(例えば、B7−1、B7−3)またはブロッキング抗体の活性を有するペプチドのモノマー形態との組み合わせ)は、対応する同時刺激シグナルの移行を伴わずに、免疫細胞上でその分子の天然のリガンドへの結合を導き得る。このような形態でBリンパ球抗原機能をブロックすることは、免疫細胞(例えば、T細胞)によるサイトカイン合成を妨げ、従って、免疫抑制剤として作用する。さらに、同時刺激の欠如はまた、T細胞を活性化して、それによって被験体において寛容を誘導するのに十分であり得る。Bリンパ球抗原ブロッキング試薬による長期の寛容の誘導は、これらのブロッキング試薬の繰り返しの投与の必要性を回避し得る。被験体において十分な免疫抑制または寛容を達成するために、Bリンパ球抗原の機能をブロックすることが必要であり得る。
【0374】
器官移植片拒絶またはGVHDの予防における特定のブロッキング試薬の効力は、ヒトにおける効力を予測する動物モデルを使用して評価され得る。使用され得る適切な系の例としては、ラットにおける同種異系の心臓移植片およびマウスにおける異種膵臓島細胞移植片が挙げられ、その両方は、Lenschowら、Science 257:789−792(1992)およびTurkaら、Proc Natl Acad Sci USA、89:11102−11105(1992)に記載されるようなインビボでのCTLA4Ig融合タンパク質の免疫抑制効果を試験するために使用されている。さらに、GVDHのマウスモデル(Paul編、Fundamental Immunology、Raven Press、New York、1989、846〜847頁を参照のこと)は、その疾患の発症に対する、インビボでのBリンパ球抗原機能のブロックの効果を決定するために使用され得る。
【0375】
ブロッキング抗原機能はまた、自己免疫疾患の処置に治療的に有用であり得る。多くの自己免疫疾患は、自己組織に対して反応性であり、そしてその疾患の病理に関係するサイトカインおよび自己抗体の産生を促進する、T細胞の不適切な活性化の結果である。自己反応性T細胞の活性化の予防は、疾患の症状を軽減し得るか、または排除し得る。Bリンパ球抗原のレセプター:リガンド相互作用を破壊することによってT細胞の同時刺激をブロックする試薬の投与は、T細胞の活性化を阻害し、そしてその疾患プロセスに関係し得る自己抗体またはT細胞誘導性サイトカインの産生を妨げるために使用され得る。さらに、ブロッキング試薬は、疾患の長期の軽減を導き得る自己反応性T細胞の抗原特異的寛容を誘導し得る。自己免疫障害の予防または軽減におけるブロッキング試薬の効力は、ヒト自己免疫疾患のよく特徴付けられた多くの動物モデルを使用して決定され得る。例としては、マウス実験用自己免疫脳炎、MRL/lpr/lprマウスまたはNZBハイブリッドマウスにおける全身性エリテマトーデス、マウス自己免疫コラーゲン関節炎、NODマウスおよびBBラットにおける真性糖尿病、ならびにマウス実験用重症筋無力症が挙げられる(Paul編、Fundamental Immunology、Raven Press、New York,1989、840〜856頁を参照のこと)。
【0376】
免疫応答を上方調節する手段として、抗原機能(好ましくは、Bリンパ球抗原機能)の上方調節もまた、治療に有用であり得る。免疫応答の上方調節は、既存の免疫応答を増強するか、または初期免疫応答を誘発する形態であり得る。例えば、Bリンパ球抗原機能の刺激を介して免疫応答を増強することは、ウイルス感染の場合において有用であり得る。さらに、全身性ウイルス疾患(例えば、インフルエンザ、感冒および脳炎)は、Bリンパ球抗原の刺激形態の全身性投与によって軽減され得る。
【0377】
あるいは、抗ウイルス免疫応答は、患者からT細胞を除去し、本発明のペプチドを発現するか、または本発明の可溶性ペプチドの刺激形態を伴うかのいずれかの、ウイルス抗原でパルスしたAPCで、このT細胞をインビトロで同時刺激し、そして患者にこのインビトロ活性化T細胞を再導入することによって、感染患者において増強され得る。抗ウイルス免疫応答を増強する別の方法は、患者から感染細胞を単離し、本明細書中に記載されるような本発明のタンパク質をコードする核酸を、この感染細胞にトランスフェクトして(その結果、これらの細胞がその表面上にこのタンパク質の全てまたは一部を発現する)、そしてこのトランスフェクト細胞を患者に再導入することである。ここで、この感染細胞は、インビボでT細胞に対して同時刺激シグナルを送達し、それによってT細胞を活性化することが可能である。
【0378】
別の適用では、抗原機能(好ましくはBリンパ球抗原機能)の上方調節または増大が腫瘍免疫の誘導において有用であり得る。本発明の少なくとも1つのペプチドをコードする核酸をトランスフェクトされた腫瘍細胞(例えば、肉腫、黒色腫、リンパ腫、白血病、神経芽細胞腫、癌腫)を、被験体中の腫瘍特異的寛容を克服するために被験体に投与し得る。所望であれば、腫瘍細胞はトランスフェクトされてペプチドの組み合わせを発現し得る。例えば、患者から得られた腫瘍細胞に、B7−2−様活性を有するペプチド単独、またはB7−1−様活性および/またはB7−3−様活性を有するペプチドを組み合わせて発現する発現ベクターを用いて、エクスビボでトランスフェクトし得る。このトランスフェクトされた腫瘍細胞は、患者に戻され、トランスフェクトされた細胞の表面上にペプチドの発現を生じる。あるいは、遺伝子治療技法を用いて、インビボのトランスフェクションのために腫瘍細胞を標的化し得る。
【0379】
腫瘍細胞の表面上のB細胞リンパ球抗原の活性を有する本発明のペプチドの存在は、T細胞に対して必要な同時刺激シグナルを提供し、トランスフェクトされた腫瘍細胞に対するT細胞媒介免疫応答を誘導する。さらに、MHCクラスIまたはMHCクラスII分子を欠くか、または十分な量のMHCクラスIまたはMHCクラスII分子を再発現しない腫瘍細胞は、MHCクラスIa鎖タンパク質およびβマイクログロブリンタンパク質、またはMHCクラスIIa鎖タンパク質およびMHCクラスIIβ鎖タンパク質のすべてまたは一部(例えば、細胞質−ドメイン短縮化部分)をコードする核酸でトランスフェクトされ得、それによって細胞表面上にMHCクラスIまたはMHCクラスIIタンパク質を発現する。Bリンパ球抗原(例えば、B7−1、B7−2、B7−3)の活性を有するペプチドと組み合わせた適切なクラスIまたはクラスII MHCの発現は、トランスフェクトされた腫瘍細胞に対するT細胞媒介性免疫応答を誘導する。必要に応じて、不変鎖(invariant chain)のようなMHCクラスII関連タンパク質の発現をブロックするアンチセンス構築物をコードする遺伝子もまた、Bリンパ球抗原の活性を有するペプチドをコードするDNAで同時トランスフェクトされ得、腫瘍関連抗原の提示を促進し、そして腫瘍特異的免疫を誘導する。従って、ヒト被験体におけるT細胞媒介免疫応答の誘導は、被験体における腫瘍特異的寛容を十分に克服し得る。
【0380】
本発明のタンパク質の活性は、とりわけ、以下の方法により測定され得る:CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY.Coliganら編、Greene Publishing Associates and Wiley−Interscience(第3章、第7章);Herrmannら、Proc Natl Acad Sci USA 78:2488−2492、1981;Herrmannら、J Immunol 128:1968−1974、1982;Handaら、J Immunol 135:1564−1572、1985:Takaiら、J Immunol 137:3494−3500、1986;Takaiら、J Immunol 140:508−512、1988;Herrmannら、Proc Natl Acad Sci USA 78:2488−2492、1981;Herrmannら、J Immunol 128:1968−1974、1982;Handaら、J Immunol 135:1564−1572、1985;Takaiら、J Immunol 137:3494−3500、1986;Bowmanら、J Virology 61:1992−1998;Takaiら、J Immunol 140:508−512、1988;Bertagnolliら、Cell Immunol 133:327−341、1991;Brownら、J Immunol 153:3079−3092、1994に記載のアッセイが挙げられるがこれらに限定されない、胸腺細胞または脾細胞の細胞傷害性のための適切なアッセイ。
【0381】
T細胞依存性免疫グロブリン応答およびアイソタイプスイッチングのための(特に、T細胞依存性抗体応答を調節し、しかもTh1/Th2プロフィールに影響するタンパク質を同定する)アッセイとしては、Maliszewski、J Immunol 144:3028−3033、1990;ならびにMondおよびBrunswick,CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、Coliganら(編)、第1巻、3.8.1.−3.8.16、John Wiley and Sons、Toronto 1994に記載のようなアッセイが挙げられるがこれらに限定されない。
【0382】
混合リンパ球反応(MLR)アッセイ(特に、優先的にTh1およびCTL応答を生成するタンパク質を同定するアッセイ)としては、CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY.Coliganら編、Greene Publishing Associates and Wiley−Interscience(第3章、第7章);Takaiら、J Immunol 137:3494−3500、1986;Takaiら、J Immunol 140:508−512、1988;Bertagnolliら、J Immunol 149:3778−3783、1992に記載のアッセイが挙げられるがこれらに限定されない。
【0383】
樹状細胞依存性アッセイ(特に、ナイーブなT細胞を活性化する樹状細胞により発現されるタンパク質を同定するアッセイ)としては、Gueryら、J Immunol 134:536−544、1995;Inabaら、J Exp Med 173:549−559、1991;Macatoniaら、J Immunol 154:5071−5079、1995;Porgadorら、J Exp Med 182:255−260、1995;Nairら、J Virol 67:4062−4069、1993;Huangら、Science 264:961−965、1994;Macatoniaら、J.Exp Med 169:1255−1264、1989;Bhardwajら、J Clin Investig 94:797−807、1994;およびInabaら、J Exp Med 172:631−640、1990に記載のアッセイが挙げられるがこれらに限定されない。
【0384】
リンパ球生存/アポトーシスのためのアッセイ(特に、スーパー抗原誘導後にアポトーシスを妨げるタンパク質およびリンパ球ホメオスタシスを調節するタンパク質を同定する)としては、Darzynkiewiczら、Cytometry 13:795−808、1992;Gorczycaら、Leukemia 7:659−670、1993;Gorczycaら、Cancer Res 53:1945−1951、1993;Itohら、Cell 66:233−243、1991;Zacharchuk、J Immunol 145:4037−4045、1990;Zamaiら、Cytometry 14:891−897、1993;Gorczycaら、Internat J Oncol 1:639−648、1992に記載のアッセイが挙げられるがこれらに限定されない。
【0385】
T細胞の拘束および発生の初期段階に影響するタンパク質のアッセイとしては、Anticaら、Blood 84:111−117、1994;Fineら、Cell Immunol 155:111−122、1994;Galyら、Blood 85:2770−2778、1995;Tokiら、Proc Nat Acad Sci USA 88:7548−7551、1991に記載のアッセイが挙げられるがこれらに限定されない。
【0386】
(造血調節活性)
本発明のNOVXタンパク質は、造血の調節において、そして結果として骨髄細胞不全またはリンパ球細胞不全の処置において有用であり得る。コロニー形成性細胞または因子依存性細胞株を支援する周縁の生物学的活性でさえ、造血を調節することにおける、例えば、単独またはその他のサイトカインとの組み合わせで、赤血球系前駆体細胞の成長および増殖を支援することにおける関与を示し、それによって、例えば、種々の貧血を処置することにおけるか、または赤血球系前駆体細胞および/または赤血球細胞の産生を刺激するための照射/化学療法と組み合わせた使用のための有用性;例えば、結果として骨髄抑制を防ぐかまたは処置するための化学療法と組み合わせて有用な、骨髄細胞(例えば、顆粒球および単球/マクロファージ)の成長および増殖を支持する(すなわち伝統的なCSF活性)ことにおける有用性;巨核球そして結果として血小板の成長および増殖を支持し、それによって血小板減少症のような種々の血小板障害の予防または処置を可能にすること、そして一般に、血小板輸血に代わる使用か、またはそれへの優待のための有用性;および/または上記の任意および全ての造血細胞に成熟し得、そしてそれ故、種々の幹細胞障害(再生不良性貧血および発作性夜間血色素尿症を含むがこれらに限定されない、通常、移植で処置されるような障害)における治療有用性を見出す、造血幹細胞の成長および増殖を支持することにおける有用性、ならびに正常細胞または遺伝子治療のために遺伝子操作された細胞として、インビボまたはエキソビボ(すなわち、骨髄移植または末梢前駆体細胞移植(同種または異種)と組み合わせた)のいずれかで、照射/化学療法後に幹細胞区画を再増殖させることにおける有用性を示す。
【0387】
本発明のタンパク質の活性は、特に、以下の方法により測定され得る:
種々の造血株の増殖および分化の適切なアッセイは上記で引用される。
【0388】
胚幹細胞分化のアッセイ(特に、胚分化造血に影響するタンパク質を同定するアッセイ)は、制限されずに、以下に記載のアッセイを含む:Johanssonら、Cellular Biology 15:141−151、1995;Kellerら、Mol Cell Biol 13:473−486、1993;McClanahanら、Blood 81:2903−2915、1993。
【0389】
幹細胞生存および分化のアッセイ(特にリンパ−造血を調節するタンパク質を同定するアッセイ)は、制限されずに、以下に記載のアッセイを含む:メチルセルロースコロニー形成アッセイ、CULTURE OF HEMATOPOIETIC CELLS.Freshneyら、編、Vol 265−268頁、Wiley−Liss,Inc.New York、N.Y 1994における、Freshney、;Hirayamaら、Proc Natl Acad Sci USA 89:5907−5911、1992;CULTURE OF HEMATOPOIETIC CELLS.Freshneyら、編、Vol 23−39頁、Wiley−Liss,Inc.New York、N.Y 1994における、McNieceおよびBriddeli;Nebenら、Exp Hematol 22:353−359、1994;CULTURE OF HEMATOPOIETIC CELLS.Freshneyら、編、Vol 1−21頁、Wiley−Liss,Inc.New York、N.Y 1994における、Ploemacher;CULTURE OF HEMATOPOIETIC CELLS.Freshneyら、編、Vol 163−179頁、Wiley−Liss,Inc.New York、N.Y 1994における、Spoonceretら;CULTURE OF HEMATOPOIETIC CELLS.Freshneyら、編、Vol 139−162頁、Wiley−Liss,Inc.New York、N.Y 1994における、Sutherland。
【0390】
(組織増殖活性)
本発明のNOVXタンパク質はまた、骨、軟骨、腱、靭帯および/または神経組織成長または再生のために使用される組成物、ならびに創傷治癒および組織修復および組織置換のために使用される組成物、そして火傷、切開および潰瘍の処置における用途を有し得る。
【0391】
本発明のタンパク質は、骨が正常に形成されない状況で軟骨および/または骨増殖を誘導し、ヒトおよびその他の動物における骨折および軟骨損傷または欠損の治癒における適用を有する。本発明のタンパク質を使用するこのような調製物は、閉鎖骨折整復および開放骨折整復における予防的使用、そしてまた人工関節の改善された固定における使用を有し得る。骨形成剤により誘導されたデノボ骨形成は、先天的、外傷誘導、または腫瘍切除誘導脳顔面頭蓋欠陥の修復に寄与し、そしてまた美容成形手術に有用である。
【0392】
本発明のタンパク質はまた、歯周病の処置において、およびその他の歯修復プロセスで用いられ得る。このような薬剤は、骨形成性細胞を誘因するか、骨形成性細胞の増殖を刺激するか、骨形成性細胞の前駆体の分化を誘導する環境を提供し得る。本発明のタンパク質はまた、骨および/または軟骨修復の刺激によるか、または炎症プロセスにより媒介される組織破壊の炎症またはプロセス(コラゲナーゼ活性、破骨細胞活性など)をブロックすることによるような、骨粗鬆症または変形性関節炎の処置で有用であり得る。
【0393】
本発明のタンパク質に寄与し得る組織再生活性の別のカテゴリーは、腱/靭帯形成である。このような組織が通常形成されない状況で、腱/靭帯様組織またはその他の組織形成を誘導する本発明のタンパク質は、ヒトおよびその他の動物における、腱または靭帯断裂、変形およびその他の腱または靭帯欠陥の治癒における適用を有する。腱/靭帯様組織誘導性タンパク質を採用するこのような調製物は、腱または靭帯組織への損傷を防ぐことにおける予防的使用、ならびに腱または靭帯の骨またはその他の組織への改善された固定、および腱または靭帯組織への欠陥を修復することにおける使用を有し得る。本発明の組成物により誘導されるデノボの腱/靭帯様組織形成は、先天的、外傷誘導、またはその他の起源のその他の腱または靭帯欠陥の修復に寄与し、そしてまた腱または靭帯の付着または修復のための美容成形手術で有用である。本発明の組成物は、腱形成性細胞または靭帯形成性細胞を誘引するか、腱形成性細胞または靭帯形成性細胞の増殖を刺激するか、腱形成性細胞または靭帯形成性細胞の前駆体の分化を誘導するか、または組織修復を行うためにインビボに戻すためにエキソビボで腱/靭帯の細胞または前駆体の増殖を誘導する環境を提供し得る。本発明の組成物はまた、腱炎、毛根管症候群およびその他の腱または靭帯欠陥の処置において有用であり得る。この組成物はまた、当該分野で周知であるキャリアとして、適切なマトリックスおよび/または金属イオン封鎖剤を含み得る。
【0394】
本発明のタンパク質はまた、ニューロン細胞の増殖のため、および神経および脳組織の再生のために、すなわち、中枢神経系疾患および末梢神経系疾患および神経障害、ならびにニューロン細胞または神経組織への変性、死滅または外傷を含む機械的および外傷障害の処置のために有用であり得る。より詳細には、タンパク質は、末梢神経損傷、末梢神経障害および局所神経障害のような末梢神経系の疾患、ならびにアルツハイマー病,パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮側索硬化症、およびシャイ−ドレーガー症候群のような中枢神経系の疾患の処置で用いられ得る。本発明に従って処置され得るさらなる症状は、脊髄障害,頭部外傷および発作のような脳血管性疾患のような機械的および外傷的障害を含み得る。化学的療法またはその他の医療治療から生じる末梢神経障害もまた、本発明のタンパク質を用いて治療可能であり得る。
【0395】
本発明のタンパク質はまた、圧迫性潰瘍、血管不全に関連する潰瘍、手術および外傷創傷などを含むがこれらに限定されない非治癒創傷のより良好な、またはより迅速な閉鎖を促進するために有用であり得る。
【0396】
本発明のタンパク質がまた、器官(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮を含む)、筋肉(平滑筋、骨格筋または心筋)および血管(血管内皮を含む)組織のようなその他の組織の生成または再生に、またはこのような組織を含む細胞の増殖を促進するために活性を示し得ることが予想される。所望の効果の一部分は、繊維症瘢痕の阻害または調整により、正常組織を再生させる。本発明のタンパク質はまた、血管形成活性を示し得る。
【0397】
本発明のタンパク質はまた、腸の保護または再生のため、および肺若しくは肝臓の繊維症、種々の組織における再灌流傷害、および全身サイトカイン損傷から生じる症状の処置のために有用であり得る。
【0398】
本発明のタンパク質はまた、前駆体組織または細胞から上記の組織の分化を促進若しくは阻害するため;または上記の組織の増殖を阻害するために有用であり得る。
【0399】
本発明のタンパク質の活性はまた、特に、以下の方法により測定され得る:
組織生成活性のためのアッセイは、制限されずに、以下に記載されるアッセイを含む:国際特許公開番号WO95/16035(骨、軟骨、腱);国際特許公開番号WO95/05846(神経、ニューロン);国際特許公開番号WO91/07491(皮膚、内皮)。
【0400】
創傷治癒活性のためのアッセイは、制限されずに、以下に記載のアッセイを含む:EaglsteinおよびMenz、J.Invest.Dermatol 71:382−84(1978)によって改変されるような、Winter、EPIDERMAL WOUND HEALING、71−112頁(MaibachおよびRovee編)、Year Book Medical Publishers、Inc.、Chicago。
【0401】
(アクチビン/インヒビン活性)
本発明のNOVXタンパク質はまた、アクチビン関連活性またはインヒビン関連活性を示し得る。インヒビンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を阻害するその能力によって特徴付けられ、一方、アクチビンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激するその能力によって特徴付けられる。従って、本発明のタンパク質は、単独またはインヒビンファミリーのメンバーとのヘテロ二量体において、雌性哺乳動物における受胎能を減少し、そして雄性哺乳動物における精子形成を減少するインヒビンの能力に基づく避妊薬として有用であり得る。他のインヒビンの十分な量の投与は、これら哺乳動物における不妊症を誘導し得る。あるいは、本発明のタンパク質は、ホモ二量体としてか、またはインヒビンb群の他のタンパク質サブユニットとのヘテロ二量体として、下垂体前葉の細胞からのFSH放出を刺激するアクチビン分子の能力に基づいて、受胎能誘導治療として有用であり得る。例えば、米国特許第4,798,885号を参照のこと。本発明のタンパク質はまた、ウシ、ヒツジ、およびブタのような家畜の一生の生殖効率を増加するように、性的に未熟な哺乳動物における受胎能の開始の促進のために有用であり得る。
【0402】
本発明のタンパク質の活性は、とりわけ、以下の方法によって測定され得る:
アクチビン/インヒビン活性のアッセイとしては、以下に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない:Valeら、Endocrinology 91:562〜572、1972;Lingら、Nature 321:779〜782、1986;Valeら、Nature 321:776〜779、1986;Masonら、Nature 318:659〜663、1985;Forageら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:3091〜3095、1986。
【0403】
(走化性/ケモキネシス活性)
本発明のNOVXタンパク質は、哺乳動物細胞(例えば、単球、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸球、上皮細胞および/または内皮細胞を含む)についての走化性またはケモキネシス活性(例えば、ケモカインとして作用する)を有し得る。走化性およびケモキネシスタンパク質を使用して、所望の細胞集団を所望の作用部位に動員または誘引し得る。走化性またはケモキネシスタンパク質は、組織に対する創傷および他の外傷の処置、ならびに局所的感染の処置において、特に利点を提供する。例えば、リンパ球、単球または好中球の、腫瘍または感染部位への誘引は、腫瘍または感染因子に対する改善された免疫応答を生じ得る。
【0404】
タンパク質またはペプチドは、それが直接的または間接的に、特定の細胞集団の指向された方向付けまたは移動を刺激し得る場合、そのような細胞集団について走化性活性を有する。好ましくは、タンパク質またはペプチドは、細胞の指向された移動を直接刺激する能力を有する。特定のタンパク質が細胞の集団について走化性活性を有するか否かは、細胞の走化性についての任意の公知のアッセイにおいて、そのようなタンパク質またはペプチドを使用することによって、容易に決定され得る。
【0405】
本発明のタンパク質の活性は、とりわけ、以下の方法によって測定され得る:
走化性活性についてのアッセイ(走化性を誘導するか、または妨げるタンパク質を同定する)は、細胞の膜を横切る移動を誘導するタンパク質の能力、ならびに1つの細胞集団の別の細胞集団に対する接着を誘導するタンパク質の能力を測定するアッセイからなる。移動および接着についての適切なアッセイとしては以下に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない:CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、Coliganら編(第6.12章、MEASUREMENT OF ALPHA AND BETA CHEMOKINES 6.12.1〜6.12.28);Taubら、J Clin Invest 95:1370〜1376、1995;Lindら、APMIS 103:140〜146、1995;Mullerら、Eur J Immunol 25:1744〜1748;Gruberetら、J Immunol 152:5860〜5867、1994;Johnstonら、J Immunol 153:1762〜1768、1994。
【0406】
(うっ血活性および血栓崩壊活性)
本発明のNOVXタンパク質はまた、うっ血活性または血栓崩壊活性を示し得る。結果として、そのようなタンパク質は、種々の凝固障害(血友病のような遺伝性障害を含む)の処置において有用であること、または凝固および外傷、外科手術または他の原因によって生じる創傷の処置における他のうっ血事象を促進することが予測される。本発明のタンパク質はまた、血栓症の溶解または形成阻害のため、およびそこから生じる状態(例えば、心臓血管および中枢神経系血管の梗塞(例えば、発作))の処置および予防のために有用であり得る。
【0407】
本発明のタンパク質の活性は、とりわけ、以下の方法によって測定され得る:
うっ血および血栓崩壊活性のアッセイとしては、以下に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない:Linetら、J.Clin.Pharmacol.26:131〜140、1986;Burdickら、Thrombosis Res.45:413〜419、1987;Humphreyら、Fibrinolysis 5:71〜79(1991);Schaub、Prostaglandins 35:467〜474、1988。
【0408】
(レセプター/リガンド活性)
本発明のNOVXタンパク質はまた、レセプター、レセプターリガンドまたはレセプター/リガンド相互作用のインヒビターもしくはアゴニストとしての活性を実証し得る。そのようなレセプターおよびリガンドの例としては、限定することなく、サイトカインレセプターおよびそのリガンド、レセプターキナーゼおよびそのリガンド、レセプターホスファターゼおよびそのリガンド、細胞間相互作用に関与するレセプターおよびそのリガンド(限定することなく、細胞接着分子(セレクチン、インテグリンおよびそのリガンド)、ならびに抗原提示、抗原認識および細胞性免疫応答および体液性免疫応答の発生に関与するレセプター/リガンド対を含む)が挙げられる。レセプターおよびリガンドはまた、関連するレセプター/リガンド相互作用の可能性のあるペプチドまたは低分子インヒビターのスクリーニングにおいて有用である。本発明のタンパク質(限定することなく、レセプターおよびリガンドのフラグメントを含む)が、それ自体で、レセプター/リガンド相互作用のインヒビターとして有用であり得る。
【0409】
本発明のタンパク質の活性は、とりわけ、以下の方法によって測定され得る:
レセプター−リガンド活性の適切なアッセイとしては、限定することなく、以下に記載されるものが挙げられる:CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、Coliganら編、Greene Publishing Associates and Wiley−Interscience(第7.28章、Measurement of Cellular Adhesion under static conditions 7.28.1−7.28.22)、Takaiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:6864〜6868、1987;Biererら、J.Exp.Med.168:1145〜1156、1988;Rosensteinら、J.Exp.Med.169:149〜160 1989;Stoltenborgら、J.Immunol.Methods 175:59〜68、1994;Stittら、Cell 80:661〜670、1995。
【0410】
(抗炎症活性)
本発明のNOVXタンパク質はまた、抗炎症活性を示し得る。抗炎症活性は、炎症応答に関与する細胞に対する刺激を提供すること(細胞間相互作用(例えば、細胞接着)を阻害するかまたは促進することによって)によってか、炎症プロセスに関与する細胞の走化性を阻害するかまたは促進することによってか、細胞の血管外遊出を阻害するかまたは促進するかによってか、あるいは炎症応答を直接的により阻害するかまたはより促進する他の因子の産生を刺激するかまたは抑制することによって、達成され得る。そのような活性を示すタンパク質を使用して、炎症状態(慢性状態または急性状態を含む)(限定することなく、感染に関連する炎症(例えば、敗血症性ショック、敗血症または全身性炎症応答症候群(SIRS))、虚血−灌流損傷、内毒素の致死性、関節炎、補体媒介性激症拒絶症、腎炎、サイトカイン誘導性肺損傷またはケモカイン誘導性肺損傷、炎症性腸疾患、クローン病、またはTNFもしくはIL−1のようなサイトカインの過剰産生より生じるものが挙げられる)を処置し得る。本発明のタンパク質はまた、抗原性物質または抗原性材料に対する、アナフィラキシーおよび過敏症の処置のためにも、有用であり得る。
【0411】
(腫瘍阻害活性)
腫瘍の免疫学的処置または予防について上記に記載された活性に加えて、本発明のNOVXタンパク質は、他の抗腫瘍活性を示し得る。タンパク質は、直接的または間接的(例えば、ADCCを介して)腫瘍増殖を阻害し得る。タンパク質は、腫瘍組織または腫瘍前駆体組織に作用することによって、腫瘍増殖を支持するために必要な組織の形成を阻害することによって(例えば、新脈管形成を阻害することによって)、腫瘍増殖を阻害する他の因子、物質または細胞型の産生を生じることによって、あるいは腫瘍増殖を促進する因子、物質または細胞型を、抑制、除去または阻害することによって、その腫瘍阻害活性を示し得る。
【0412】
(他の活性)
本発明のNOVXタンパク質はまた、以下のさらなる活性または効果の1つ以上を示し得る:限定はされないが、細菌、ウイルス、真菌および他の寄生生物を含む感染因子の、増殖、感染または機能を阻害するか、あるいは死滅させること;身体的特徴(限定することなく身長、体重、髪の色、目の色、皮膚、赤肉に対する脂肉の比、または他の組織色素沈着、あるいは器官または身体部分のサイズまたは形状(例えば、胸部増大または減少、骨の形態または形状の変化)が挙げられる)を生じること(抑制することまたは増強すること);バイオリズムあるいはサーカディアンサイクルまたはサーカディアンリズムを生じること;雄性被験体または雌性被験体の受胎能を生じること;食事脂肪、脂質、タンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補因子または他の栄養因子もしくは栄養成分の、代謝、異化作用、同化作用、プロセシング、利用、貯蔵または除去を生じること;行動的特徴(食欲、性欲、ストレス、認識(認識障害を含む)、うつ病(抑うつ障害を含む)および狂暴症を含むが、これらに限定されない)を生じること;鎮痛性効果または他の疼痛減少効果を提供すること;造血系列以外の系列における胚性幹細胞の分化および増殖を促進すること;ホルモン活性または内分泌活性;酵素の場合、酵素の欠損を矯正すること、および欠損関連疾患を処置すること;過剰増殖障害(例えば、乾癬)の処置;免疫グロブリン様活性(例えば、抗原または補体に結合する活性);ならびにワクチン組成物において抗原として作用し、そのようなタンパク質または他の物質あるいはそのようなタンパク質と交差反応する実体に対する免疫応答を惹起する能力。
【0413】
神経障害としては、一般的に以下が挙げられる:パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、末梢神経障害、神経系の腫瘍、神経毒への曝露、急性脳損傷、末梢神経外傷または損傷、ならびに他の神経障害、てんかん、および/または振せん。
【0414】
(実施例1.NOV6の染色体位置)
ヒト染色体マーカーを用いる放射ハイブリッドマッピングを、本明細書に記載の多数のクローンについて実施した。これらの結果を得るために使用した手順は、Steen,RGら(Genome Research 1999(1999年5月21日オンラインで公開)第9巻:AP1−AP8、1999)に記載される手順に類似する。無作為化した照射により誘導したヒト染色体フラグメントを含む93細胞クローンのパネルを、96ウェルプレートで、所定のクローンを独特の様式で同定するよう設計したPCRプライマーを使用して、スクリーニングした。この手順を使用して、本発明に従うNOV6核酸は、WI−4920から−0.7cRおよびWI−1421から−3.90cRの地図距離で、第11染色体に位置決定された。
【0415】
(実施例2.NOVX核酸の定量的組織発現分析)
NOVX核酸を含む種々のクローンの定量的発現を、リアルタイム定量PCR(TAQMAM(登録商標)分析)によって、41個の正常サンプルおよび55個の腫瘍サンプルで評価した(表4を参照のこと)。表4において、以下の略語が使用される:
ca.=癌、
=転移から樹立された、
met=転移、
s cell var=小細胞変異体、
non−s=non−sm=非小、
squam=扁平上皮(squamous)、
pl.eff=pl effusion=胸水、
glio=神経膠腫、
astro=星状細胞腫、および
neuro=神経芽細胞腫。
【0416】
第1に、96RNAサンプルをβアクチンに対して正規化し、そしてGAPDH.RNA(合計約50ngまたは約1ngポリA+)を、TAQMAN(登録商標)Reverse Transcription Reagents Kit(PE Biosystems,Foster City,CA;cat#N808−0234)および製造者のプロトコールに従ったランダムな6量体を使用してcDNAに変換した。反応を、20μlで実施し、そして30分間48℃でインキュベートした。次いで、cDNA(5μl)を、製造業者のプロトコールに従って、βアクチンおよびGAPDH TAQMAN(登録商標)Assay Reagents(PE Biosystems;カタログ番号4310881Eおよび4310884Eの各々)およびTAQMAN(登録商標)universal PCR Master Mix(PE Biosystems;カタログ番号4304447)を使用するTAQMAN(登録商標)反応のために、分離プレートに移した。反応を、以下のパラメータを使用して25μlで実施した:50℃で2分;95℃で10分;95℃で15秒/60℃で1分(40サイクル)。結果を、対数スケールを使用するCT値(所与のサンプルが、蛍光の閾値レベル超えるサイクル)として記録し、所与のサンプルと最も低いCT値を有するサンプルとの間のRNA濃度の差は、2のΔCT乗として示した。次いで、相対発現パーセントを、このRNAの差の逆数をとって100を掛けることにより得る。βアクチンおよびGAPDHについて得られたCTの平均値は、RNAサンプルを正規化するために使用した。最も高いCT値を生じるRNAサンプルは、さらなる希釈を必要としないが、他の全てのサンプルは、β−アクチン/GAPDHの平均CT値に従ってこのサンプルと比較して希釈した。
【0417】
正規化RNA(5μl)を、cDNAに転換し、製造者の指示に従って、One Step RT−PCR Master Mix Reagents(PE Biosystems;カタログ番号4309169)および遺伝子特異的プライマーを使用するTAQMAN(登録商標)によって分析した。プローブおよびプライマーを、インプットとしてそれぞれのクローンの配列を使用する、Perkin Elmer BiosystemのPrimer Express Softwareパッケージ(Apple ComputerのMacintosh Power PC用のヴァージョンI)に従って、各アッセイに対して設定した。デフォルトの設定を、反応条件に対して使用し、そして以下のパラメータを、プライマーを選択する前に設定した:プライマーの濃度=250nM、プライマーの融点(T)範囲=58℃〜60℃、プライマーの最適T=59℃、プライマーの最大差=2℃、プローブは、5’Gを有さず、プローブTは、プライマーTよりも10℃高くなければならず、アンプリコンサイズ75bp〜100bp。選択されるプローブおよびプライマー(以下を参照のこと)は、Synthegen(Houston,TX,USA)によって合成された。プローブを、未反応の色素を除去するために2回HPLC精製し、プローブのそれぞれ5’末端および3’末端へのレポーター色素およびクエンチャー色素のカップリングを立証するために、マススペクトルによって評価した。正方向プライマーおよび逆方向プライマーの最終濃度は、各々900nMであり、そしてプローブの濃度は、200nMであった。
【0418】
PCR条件:各組織および各細胞株由来の正規化RNAを、96ウエルPCRプレート(Perkin Elmer Biosystems)の各ウエルにスポットした。2つのプローブ(NOVXプローブで多重化されたNOVX特異的プローブおよび別の遺伝子特異的プローブ)を含むPCRカクテルを、PE Biosystems 7700の1×TaqManTMPCR Master Mix(5mMのMgCl、dNTP(dA、G、C、U(1:1:1:2の比))、0.25U/ml AmpliTaq GoldTM(PE Biosystems)、および0.4U/μlのRNaseインヒビター、および0.25U/μlの逆転写酵素を含む)を用いて設定した。逆転写を、48℃で30分間実施し、次いで以下の増幅/PCRサイクルを実施した:95℃で10分、次いで90℃で15秒間、60℃で1分間を40サイクル。
【0419】
各クローンの発現分析において使用されたプライマー−プローブのセット、および結果の要約は、以下に与えられる。
【0420】
(NOV2)
Ag 142(F):5’−AAAAAGGAGGAGTCAAACGTGTCT−3’(配列番号47)
Ag 142(R):5’−GGTCAAGCGCAGCTTTGC−3’(配列番号48)
Ag 142(P):FAM−5’−CCCATCGACCACATCCTCCTCCAG−3’−TAMRA(配列番号49)
表4の結果は、NOV2が、いくつかの癌細胞株において優先的に発現され、転移した前立腺癌において最も高いことを示す。
【0421】
(NOV5)
Ag 89(F):5’−TAAAGAGAATCTTCCCCTGGAAGAG−3’(配列番号50)
Ag 89(R):5’−GGCCTCCCCAGAGTATGGA−3’(配列番号51)
Ag 89(P):TET−5’−CATGCACAGATACCAGAAGGCAGCCAA−3’−TAMRA(配列番号52)
これらの結果は、乳腺における高い発現を示す(表4)。
【0422】
(NOV7)
Ag 6(F):5’−GGATGCATGCTCCAAAGAAGA−3’(配列番号53)
Ag 6(R):5’−CTCACCCACTGCTGTCTCCA−3’(配列番号54)
Ag 6(P):−FAM−5’−CTGCCCAGGTGGCCGTCACTC−3’TAMRA (配列番号55)
これらの結果は、多数の正常細胞株(脳、膵臓、胎盤、および精巣を含む)および癌細胞株(結腸、肺および前立腺転移を含む)における高い発現を示す(表4を参照のこと)。
【0423】
(NOV8)
Ag7(F):5’−GCTCCCCAATCTGGTCTCCTAC−3’(配列番号56)
Ag7(R):5’−GATGGGCTTGAACTGGAAAGAG−3’(配列番号57)
Ag7(P):−FAM−5’−CTCTCTGTGTGCCACCCATGCTGG−3’−TAMRA(配列番号 58)
これらの結果は、NOV8が、組織パネルにおいて、試験された大部分の正常組織および癌組織(肺癌を含む)で、種々の程度で広範に発現されることを示す。
【0424】
(NOV16およびNOV17)
Ag145(F):5’−CGCACAGTCACATGGTCGA−3’(配列番号59)
Ag145(R):5’−CAGGGCGACGTTGTGACAG−3’(配列番号60)
Ag145(P):FAM−5’−TAGTTTCCGAAGCCCCAGTATCCCACC−3’−TAMRA(配列番号61)
これらの核酸配列は、同種の正常組織と比較して、多くの腫瘍細胞株において下方調節される(表4を参照のこと)。これらの結果は、これらの腫瘍型が、これらのNOVX核酸またはコードされるポリぺプチドの活性または発現を増加させることにより、処置され得るかまたは予防され得るということを示唆する。
【0425】
(NOV11)
Ag 47b(F):5’−GAACGCCGGAGCATACAGA−3’(配列番号62)
Ag 47b(R):5’−GATGCCACAGGCCCACA−3’(配列番号63)
Ag 47b(P):TET−5’−CCAGGTACTGCACAAACACGGCTTCAT−3’−TAMRA(配列番号64)
これらの結果は、NOV11が、脳および中枢神経系細胞において広く発現されれ、より高い発現は、正常細胞よりも癌細胞において見出されることを示す(表4を参照のこと)。NOV11はまた、とりわけ乳癌細胞において発現される。
【0426】
(NOV10)
Ag 159(F):5’−AACCGCCCCGAAATTCTC−3’(配列番号65)
Ag 159(R):5’−CTGGGACATTTTTCTGAGCCTT−3’(配列番号66)
Ag 159(P):FAM−5’−CCCTGGCACCGTGTCCGCTT−3’−TAMRA(配列番号67)
これらの結果は、NOV10が、試験された大部分の細胞株において広く発現されることを示す(表4を参照のこと)。高い発現は、例えば、黒色腫、乳癌、結腸癌、肝臓癌、および卵巣癌において見出された。
【0427】
(NOV12)
Ag 43(F): 5’−AAATCGCAAGACATTCACTGTCA−3’(配列番号68)
Ag 43(R):5’−CCGCCACTCCATCATCACT−3’(配列番号69)
Ag 43(P):TET−5’−CAGCACACTGGACTTCCGAGTGGACC−3’−TAMRA(配列番号70)
NOV12は、特異的に脳および大細胞肺癌において高く発現されることが見出された。
【0428】
(NOV20)
Ag 119(F):5’−GCAGTACAACCGGGTAGATGC−3 ’(配列番号71)
Ag 119(R):5’−GCCTCTCAGGGTGCTATTGG−3 ’(配列番号72)
Ag 119(P):FAM−5’−GAGCAGTGCAGGCAACATCCTTTCTTCT−3 ’−TAMRA(配列番号73)
これらの結果はまた、NOV20が、多くの組織において広く発現されることを示す。最も高い発現レベルは、精巣において見出される。
【0429】
【表4】
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
Figure 2004527202
(実施例3.NOV4核酸(クローン3189601)の分子クローニング)
NOV4核酸によってコードされる152アミノ酸残基のタンパク質をコードする全長cDNAクローンをPCR増幅するために、以下のオリゴヌクレオチドプライマー対を設計した:
3189601 F−正方向:CGTC GGA TCC ATG CCA CAT CTG TAT ATA GAT GGG GTT TTT CC(配列番号93)
3189601 F−逆方向:GGTG GTC GAC TTA ATG GTG ATG GTG ATG ATG GTG GCT CGG GGA TGT TTC CCC GTT(配列番号74)。
【0430】
正方向プライマーは、インフレームでBamHI制限部位を含み、そして逆方向プライマーはインフレームでSalI制限部位を含む。
【0431】
PCR反応を、5ngのヒト精巣cDNAテンプレート、各々1μMの3189601 F−正方向プライマーおよび3189601 F−逆方向プライマー、5μモルのdNTP(Clontech Laboratories、Palo Alto CA)および1マイクロリットルの50×Advantage−HF2ポリメラーゼ(Clontech Laboratories、Palo Alto CA)(50マイクロリットル容量中)を使用して設計した。以下の反応条件を使用した:
a) 96℃ 3分間
b) 96℃ 30秒間変性
c) 70℃ 30秒間、プライマーアニーリング。この温度を1℃/サイクルで次第に低下させた
d) 72℃ 1分間伸長
工程(b)〜(d)を10回繰り返す
e) 96℃ 30秒間変性
f) 60℃ 30秒間アニーリング
g) 72℃ 1分間伸長
工程(e)〜(g)を25回繰り返す
h) 72℃ 5分間最終伸長。
【0432】
約300bpの単一の増幅産物を、アガロースゲル電気泳動により検出した。この産物を単離し、BamHI制限酵素およびSalI制限酵素で消化し、そしてpMelBac発現ベクターおよびpSecTag2発現ベクター(Invitrogen,Carlsbad CA)に直接連結した。クローニングされた挿入物のDNA配列を、102アミノ酸長ポリペプチドをコードするORFとして決定した。クローニングされた構築物を、それぞれpMelBac−cg3189601−S3およびpSecTag2−cg3189601−S5と呼ぶ。
【0433】
pMelBac−cg3189601−S3およびpSecTag2−cg3189601−S5中の挿入物のヌクレオチド配列は、互いに同一であることが見出されたが、配列番号7の配列とは異なっていた。この違いは、コードされたタンパク質の読み枠をそれぞれ破壊および修復する、ギャップおよび挿入を含む。この遺伝子フラグメントの配列(配列番号75)およびコードされたポリペプチドの配列(配列番号76)を以下に示す:
【0434】
【化24】
Figure 2004527202
(実施例4.NOV21核酸(クローン3211101.0.120)の分子クローニング)
クローン3211101.0.120中に存在するNOV21核酸の推定成熟細胞外ドメインをクローニングした。クローニングされたドメインは残基26〜残基149までをコードした。他のポリペプチドの領域は、推定シグナルペプチド(残基1〜25)および膜貫通ドメイン(残基150〜169)を含む。
【0435】
この細胞外ドメインを増幅するために使用するオリゴヌクレオチドプライマーには、BamHI制限部位を含む正方向プライマーおよびXhoI制限部位を含む逆方向プライマーが含まれる。これらのプライマーの配列を以下に示す:
3211101 Mat正方向:GGATCC GAA GTT GAG AAA TCC TCA GAT GGT(配列番号77)
3211101 Mat逆方向:CTCGAG AGG GTT GTA CTC TGT CAC CAT GTG(配列番号78)。
【0436】
PCR反応を、5ngのヒト膵臓cDNAテンプレート、各々1μMの3211101 Mat正方向プライマーおよび3211101 Mat逆方向プライマーを使用して設計した。残りの条件および工程は、実施例BAにおいて使用されるものと同じであった。
【0437】
約450bpの単一の増幅産物を、アガロースゲル電気泳動により検出した。この産物を単離し、そしてpCR2.1ベクター(Invitrogen,Carlsbad CA)に連結した。クローニングされた挿入物のDNA配列を、残基26〜残基149までのNOV21の成熟細胞外ドメインをコードするORFとして確認した。この構築物を、pCR2.1−3211101−S219−3Cと呼ぶ。この配列は、クローンNOV21のORFの配列と同一である。
【0438】
(実施例5.NOV6核酸(クローン3218715)の分子クローニング)
393残基の全長cgNOV6タンパク質をコードするDNAセグメントをPCR増幅するために、オリゴヌクレオチドプライマーを調製した。正方向プライマーは、BamHI制限部位を含み、そして逆方向プライマーはXhoI制限部位を含む。そのプライマーの配列は以下である:
3218715 F−TOPO−正方向:GGA TCC ACC ATG CGG ACA CTC TTC AAC CTC CTC TGG(配列番号79)
3218715 F−TOPO−逆方向:CTC GAG GAG CAG GTC GTA GAA GTA GTC CAG G(配列番号80)。
【0439】
PCR反応を、5ngのヒト精巣および胎児脳のcDNAテンプレート、各々1μMの3218715 F−TOPO−正方向プライマーおよび3218715 F−TOPO−逆方向プライマーを使用して設計した。残りの条件は、以下の工程以外は実施例3において使用されたものと同じであった:
d) 72℃ 2分間伸長;
g) 72℃ 2分間伸長。
【0440】
約1.2kbpの単一の増幅産物を、アガロースゲル電気泳動により検出した。この産物を単離し、そしてpcDNA3.1−TOPO−V5−His発現ベクター(Invitrogen,Carlsbad CA)に直接連結した。クローニングされた挿入物のDNA配列を、配列番号11の対応するセグメントの配列と同一であると決定した。この構築物を、pcDNA3.1−TOPO−cg−3218715と呼ぶ。
【0441】
(実施例6.NOV9核酸の細胞外ドメイン(クローン3540000)の分子クローニング)
残基138〜410のNOV9の細胞外ドメインをコードするDNAセグメントをPCR増幅するために、オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。正方向プライマーは、BamHI制限部位を含み、そして逆方向プライマーはXhoI制限部位を含む。そのプライマーの配列は以下である:
3540000 C−正方向:CGTC GGA TCC TAT GTC AAG TGC CGT CTC AAC GTG CTG CTC TGG TAC(配列番号81)
3540000 C−逆方向:CGTC CTC GAG TTA ATG GTG ATG GTG ATG ATG CAT ATC ATC CTT GGA CAC CAG GCA G(配列番号82)。
【0442】
PCR反応を、5ngのヒト胎盤cDNAテンプレート、各々1μMの3540000 C−正方向プライマーおよび3540000 C−逆方向プライマーを使用して設計した。残りの条件および手順は、実施例3において使用されるものと同じであった。
【0443】
約800bpの単一の増幅産物を、アガロースゲル電気泳動により検出した。この産物を単離し、BamHI制限酵素およびXhoI制限酵素で消化し、そしてpSecTag2発現ベクター(Invitrogen,Carlsbad CA)に連結した。クローニングされた挿入物のDNA配列を、予測されたように273アミノ酸長ポリペプチドをコードするORFとして決定した。この構築物を、pSecTag2−cg3540000−S22Aと名付けた。このヌクレオチド配列は、配列番号17の対応するセグメントと同一である。
【0444】
(実施例7.NOV12核酸(クローン10219646.0.58)の分子クローニング)
本発明に従うNOV12核酸の予測されたオープンリーディングフレームは、新規な404残基のタンパク質をコードする。このコードされたタンパク質は、残基1〜残基25までのシグナルペプチドを有するI型膜貫通タンパク質であることが予測される。残基25〜333までの成熟形態の細胞外ドメインをコードするDNAセグメントをPCR増幅するために、オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。正方向プライマーは、BamHI制限部位を含み、そして逆方向プライマーはSalI制限部位を含む。そのプライマーの配列は以下である:
10219646 MatF:GGA TCC AAG AAT AAA GTT AAA GGC AGC(配列番号83)
10219646 逆方向:GTC GAC GCC AGC CAA AGC ATT AGG ATC ATG CAC(配列番号84)。
【0445】
PCR反応を、ヒト精巣、胎児脳、乳房、骨格筋由来のcDNAの等量の部分からなる5ngのcDNAテンプレート、ならびに各々1μMの10219646 MatFプライマーおよび10219646 逆方向プライマーを使用して設計した。残りの条件および手順は、実施例3において使用されるものと同じであった。
【0446】
約400bpの増幅産物を、アガロースゲル電気泳動により検出した。この産物を単離し、そしてpCR2.1ベクター(Invitrogen Corp,Carlsbad)に連結した。クローニングされた挿入物のDNA配列を、予測されたように309アミノ酸長ポリペプチドをコードするORFとして決定した。この構築物を、pCR2.1−cg10219646−S344−5Bと名付け、そしてこの配列は、配列番号23の対応するセグメントと同一である。
【0447】
(実施例8.NOV18核酸(クローン3726392)の分子クローニング)
137残基のNOV18タンパク質をコードするDNAセグメントをPCR増幅するために、オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。正方向プライマーは、BamHI制限部位およびコンセンサスKozak配列CCACCを含んだ。
逆方向プライマーはXhoI制限部位を含んだ。これらのプライマーは以下の配列を有した:
3726392 F−正方向:CGG GAT CCA CCA TGT CAA GCC CTG CTT CCA CCT GCA TAG(配列番号85)
3726392 F−逆方向:CGC TCG AGA CTG AAT GGA TAC ATG AAA AGA AAG GAA CAA AGA GGT G(配列番号86)。
【0448】
PCR反応を、ヒト精巣、胎児脳、乳房、骨格筋由来のcDNAの等量の部分からなる5ngのcDNAテンプレート、ならびに各々1μMの3726392 F−正方向プライマーおよび3726392 F−逆方向プライマーを使用して設計した。他の条件および工程は、実施例3において記載されたものと同じであった。
【0449】
約400bpの増幅産物を、アガロースゲル電気泳動により検出した。この産物を単離し、BamHI制限酵素およびXhoI制限酵素で消化し、そしてBIgHisバキュロウイルス発現ベクター(以下の実施例9を参照のこと)に連結した。クローニングされた挿入物のDNA配列を、137アミノ酸長ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームとして決定した。この構築物を、BIgHis−cg3726392−#2と名付けた。この構築物のヌクレオチド配列は、配列番号35のコード配列と同一であることが見出された。
【0450】
(実施例9.発現ベクターpBIgHisの構築)
pBIgHisと名付けられた発現ベクターを、NOVX核酸配列を発現するために構築した。pBIgHis発現ベクターを構築するために、オリゴヌクレオチドプライマーを、ヒト免疫グロブリン重鎖のFcフラグメントを増幅するように設計した。正方向プライマーは、
5’−CCG CTC GAG TGA GCC CAA ATC TTG TGA CAA A(配列番号87)
であり、そして逆方向プライマーは、
5’−GCT CTA GAC TTT TAC CCG GGG ACA GGG AG(配列番号88)
であった。
【0451】
PCRを、25μlのMix1(75pモルのプライマー、4μgの成体精巣cDNA、5μモルのdNTP)および25μlのMix2(1ユニットのFidelity Expandポリメラーゼ(Boehringer Mannheim)、5μlの10×Fidelity Expand Buffer)を別々に96℃で20秒間加熱することによって開始した。次いで、Mix1およびMix2をプールし、以下のPCRサイクルパラメーターを使用した:96℃、3分間(1サイクル);96℃、30秒間、55℃、1分間、68℃、2分間(10サイクル);96℃、30秒間、60℃、1分間、68℃、2分間(20サイクル);72℃、7分間(1サイクル)。PCRの後、約0.75kbの単一のDNAフラグメントが得られた。このDNAフラグメントを、XhoIおよびXbaIの制限酵素で消化し、そしてpCDNA3.1V5His(B)発現ベクター(Invitrogen,Carlsbad,CA)にクローニングした。このベクターはpCDNA3.1 Igと名付けられ、そしてV5エピトープおよび6×Hisタグに融合されたFcフラグメントを含む。次の段階では、組換えTEVプロテアーゼ切断部位を、FcフラグメントのN末端に導入した。
最初に、2つのオリゴヌクレオチド:
5’−AAT TCT GCA GCG AAA ACC TGT ATT TTC AGG GT(配列番号89)および
5’−TCG AAC CCT GAA AAT ACA GGT TTT CGC TGC AG(配列番号90)
を設計した。
【0452】
これらの2つのオリゴヌクレオチドをアニーリングさせ、そして20%ポリアクリルアミドゲルを使用して精製し、そしてEcoRIおよびXhoIで消化したpCDNA3.1Igに連結した。次いで、得られるプラスミドをPstIおよびPmeIで切断して、約0.9kbのDNAフラグメントを遊離させた。このDNAフラグメントを、PstIおよびSmaIで消化したpBlueBac4.5(Invitrogen,Carlsbad,CA)に連結した。得られたプラスミド構築物を、pBIgHisと名付けた。Fcフラグメントを、配列分析によって確認した。
【0453】
(実施例10.哺乳動物発現ベクターpCEP4/Secの構築)
pCEP4/Secと名付けられた発現ベクターを、哺乳動物細胞中でNOVX核酸配列を発現するために構築した。
【0454】
pCEP4/Secを構築するために、オリゴヌクレオチドプライマー:
pSec−V5−His正方向:CTC GTC CTC GAG GGT AAG CCT ATC CCT AAC(配列番号91)および
pSec−V5−His逆方向:CTC GTC GGG CCC CTG ATC AGC GGG TTT AAA C(配列番号92)
を、pcDNA3.1−V5His発現ベクター(Invitrogen,Carlsbad,CA)からフラグメントを増幅するために設計した。PCR産物を、XhoIおよびApaIで消化し、そしてXhoI/ApaI消化したpSecTag Bベクター(Invitrogen,Carlsbad,CA)に連結した。得られたベクター、pSecV5Hisの正確な構造を、DNA配列分析によって確認した。ベクターpSecV5Hisを、PmeIおよびNheIで消化し、そしてPmeI−NheIフラグメントを、BamHI/KlenowおよびNheIで処理したベクターpCEP4(Invitrogen,Carlsbad,CA)に連結した。得られたベクターを、pCEP4/Sec発現ベクターと名付けた。このベクターは、Igκ鎖シグナルペプチドに任意のタンパク質を融合することによって、異種タンパク質の発現および分泌を可能にする。発現したタンパク質の検出および精製は、C末端におけるV5エピトープタグおよび6×Hisタグの存在によって補助される(Invitrogen,Carlsbad,CA)。
【0455】
(実施例11.ヒト胎児性腎臓293細胞におけるNOV5の発現)
NOV5配列を含むBamHI−XhoIフラグメントを、pCR2.1−3211101−S219−3C(実施例4に記載されている)から単離し、そしてベクターpCEP4/Secにサブクローニングして、発現ベクターpCEP4/Sec−3211101を生成した。pCEP4/Sec−3211101ベクターを、製造業者(Gibco/BRL/Lefe Technologies,Rockville,MD)の指示書に従ってLipofectaminePlus試薬を使用して、293細胞にトランスフェクトした。トランスフェクション72時間後に細胞ペレットおよび上清を収集し、そして抗V5抗体を用いるウェスタンブロッティング(還元条件)によってhNOV5発現について試験した。図1は、NOV5が293細胞によって分泌される30kDaおよび20kDaのタンパク質として発現されることを示す。これらのタンパク質は、グリコシル化の程度がより高いものおよびより低いものである、予測されるポリペプチド産物を表すようである。
【0456】
(実施例12.E.coliによるNOV5の発現および分泌)
ベクターpBADgIII(InVitrogen Inc.,Carlsbad,CA)を、BamHIおよびXhoIの制限酵素で消化した。NOV5配列を含むこのBamHI−XhoIフラグメントを、pCR2.1−3211101−S219−3Cから単離し、そしてベクターpBADgIIIにサブクローニングして、発現ベクターpBADgIII−3211101を生成した。得られたベクターを制限分析および配列決定によって確認し、そしてpBADgIII−3211101と名付けた。このベクター中で、hNOV5は、そのC末端で6×Hisタグに融合していた。次いで、プラスミドpBADgIII−3211101をE.coli発現宿主BL21(DE3、pLys)(Novagen,Madison,WI)に形質転換し、そしてタンパク質NOV5の発現誘導を、製造業者の指示書に従って実行した。誘導後、細胞全体を収集し、そしてタンパク質を、抗HisGly抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)を使用するウェスタンブロッティングによって分析した。図2は、hNOV5がE.coli細胞によって分泌される16kDaタンパク質として発現されたことを示す。この見かけの分子量は、配列番号10のアミノ酸配列によって予測されたポリペプチドのサイズと一致している。
【0457】
(実施例13.ヒト胎児腎臓293細胞におけるNOV6の発現)
製造業者(Gibco/BRL)の指示書に従ってLipofectaminePlus試薬を使用して、pcDNA3.1−TOPO−cg−3218715ベクター(実施例5を参照のこと)を293細胞にトランスフェクトした。トランスフェクション72時間後に細胞ペレットおよび上清を収集し、そして抗V5抗体を用いるウェスタンブロッティング(還元条件)によってhNOV6発現について試験した。図3は、hNOV6が293細胞において60kDaのタンパク質として発現されることを示す。この見かけの分子量は、NOV6ポリペプチドのグリコシル化形態に対応すると考えられる。発現されたタンパク質は、細胞上清においては検出されなかった。
【0458】
(等価物)
本発明の特定の実施形態に関する前述の詳細な説明から、核酸、ポリペプチド、抗体、検出、および処置を含む、特定の新規な組成物および方法が記載されたことは、明らかであるはずである。これらの特定の実施形態が、本明細書中で詳細に開示されたが、これは例示目的のためのみに例としてなされ、そして上記の添付した特許請求の範囲に関して制限することを意図されない。特に、種々の置換、変更、および改変が、特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者にとって慣用的に本発明に対してなされ得ることは、本発明者らによって意図される。実際に、本明細書中に開示したものに加えて本発明の種々の改変が、前述の詳細な説明および添付の図面によって当業者には明らかとなる。このような改変は、添付の特許請求の範囲に収まることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、ヒト胎児腎臓293細胞による分泌NOV5タンパク質の発現を示す。
【図2】
図2は、E.coli細胞による分泌NOV5タンパク質の発現を示す。
【図3】
図3は、ヒト胎児腎臓293細胞におけるNOV6タンパク質の発現を示す。

Claims (38)

  1. 単離されたポリペプチドであって、以下:
    a)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態;
    b)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体が、該成熟形態のアミノ酸配列の15%未満のアミノ酸残基で異なる、改変体;
    c)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列;および
    d)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体が、該アミノ酸配列の15%未満のアミノ酸残基で異なる、改変体
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  2. 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列の天然に存在する対立遺伝子改変体のアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  3. 請求項2に記載のポリペプチドであって、前記対立遺伝子改変体が、配列番号1、3、5、7、9、13、15、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45からなる群より選択される核酸配列と単一のヌクレオチドで異なる核酸配列の翻訳産物であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  4. 前記改変体のアミノ酸配列が、保存的アミノ酸置換を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 単離された核酸分子であって、該核酸分子が、以下:
    a)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態;
    b)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体が、該成熟形態のアミノ酸配列の15%未満のアミノ酸残基で異なる、改変体;
    c)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列;
    d)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体が、該アミノ酸配列の15%未満のアミノ酸残基で異なる、改変体;
    e)配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドあるいは該ポリペプチドの改変体の少なくとも一部をコードする核酸フラグメントであって、ここで、該改変体中の1以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なり、ただし、該改変体が、該アミノ酸配列の15%未満のアミノ酸残基で異なる、核酸フラグメント;および
    f)a)、b)、c)、d)またはe)の相補体を含む核酸分子
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列を含む、単離された核酸分子。
  6. 天然に存在する対立遺伝子核酸改変体のヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の核酸分子。
  7. 天然に存在するポリペプチド改変体のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項5に記載の核酸分子。
  8. 配列番号1、3、5、7、9、13、15、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45からなる群より選択される核酸配列と単一のヌクレオチドで異なる、請求項5に記載の核酸分子。
  9. 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が以下:
    a)配列番号1、3、5、7、9、13、15、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45からなる群より選択されるヌクレオチド配列;
    b)配列番号1、3、5、7、9、13、15、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45からなる群より選択されるヌクレオチド配列と1以上のヌクレオチドで異なるヌクレオチド配列であって、ただし、20%未満のヌクレオチドが、該ヌクレオチド配列と異なる、ヌクレオチド配列;
    c)a)の核酸フラグメント;および
    d)b)の核酸フラグメント
    からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  10. 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が、配列番号1、3、5、7、9、13、15、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43および45からなる群より選択されるヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、核酸分子。
  11. 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が、以下:
    a)第1のヌクレオチド配列であって、前記アミノ酸配列をコードするコード配列と1以上のヌクレオチド配列で異なるコード配列を含み、ただし、該第1のヌクレオチド配列のコード配列中の20%未満のヌクレオチドが、該コード配列と異なる、第1のヌクレオチド配列;
    b)該第1のポリヌクレオチドの相補体である、単離された第2のポリヌクレオチド;および
    c)a)またはb)の核酸フラグメント
    からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  12. 請求項11に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  13. 前記核酸分子に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、請求項12に記載のベクター。
  14. 請求項12に記載のベクターを含む、細胞。
  15. 請求項1に記載のポリペプチドに免疫特異的に結合する、抗体。
  16. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載の抗体。
  17. 前記抗体がヒト化抗体である、請求項15に記載の抗体。
  18. サンプル中の請求項1に記載のポリペプチドの存在または量を測定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該サンプルを提供する工程;
    (b)該サンプルに、該ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体を接触させる工程;および
    (c)該ポリペプチドに結合する抗体の存在または量を測定して、それによって該サンプル中のポリペプチドの存在または量を測定する工程
    を包含する、方法。
  19. サンプル中の請求項5に記載の核酸分子の存在または量を測定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該サンプルを提供する工程;
    (b)該サンプルに、該核酸分子に結合するプローブを接触させる工程;および
    (c)該核酸分子に結合する該プローブの存在または量を測定して、それによって該サンプル中の該核酸分子の存在または量を測定する工程
    を包含する、方法。
  20. 請求項1に記載のポリペプチドに結合する因子を同定する方法であって、該方法は、以下:
    (a)該ポリペプチドに、該因子を接触させる工程;および
    (b)該因子が該ポリペプチドに結合するか否かを決定する工程
    を包含する、方法。
  21. 請求項1に記載のポリペプチドの発現または活性を調節する因子を同定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該ポリペプチドを発現する細胞を提供する工程
    (b)該細胞に該因子を接触させる工程、および
    (c)該因子が該ポリペプチドの発現または活性を調節するか否かを決定する工程であって、これによって、該ペプチドの発現または活性における変化が、該因子が該ポリペプチドの発現または活性を調節することを示す、工程
    を包含する、方法。
  22. 請求項1に記載のポリペプチドの活性を調節するための方法であって、該方法は、請求項1に記載のポリペプチドを発現する細胞サンプルに、該ポリペプチドの活性を調節するのに十分な量の、該ポリペプチドに結合する化合物を接触させる工程を包含する、方法。
  23. NOVX関連障害を処置または予防する方法であって、該方法は、このような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するのに十分な量の、請求項1に記載のポリペプチドを投与する工程を包含する、方法。
  24. 前記被験体がヒトである、請求項23に記載の方法。
  25. NOVX関連障害を処置または予防する方法であって、該方法は、このような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するのに十分な量の、請求項5に記載の核酸を投与する工程を包含する、方法。
  26. 前記被験体がヒトである、請求項25に記載の方法。
  27. NOVX関連障害を処置または予防する方法であって、該方法は、このような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するのに十分な量の、請求項15に記載の抗体を投与する工程を包含する、方法。
  28. 前記被験体がヒトである、請求項27に記載の方法。
  29. 請求項1に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
  30. 請求項5に記載の核酸分子および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
  31. 請求項15に記載の抗体および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
  32. 請求項29に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。
  33. 請求項30に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。
  34. 請求項31に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。
  35. 第1の哺乳動物被験体における請求項1に記載のポリペプチドのレベルの変化に関連する疾患の存在または該疾患に対する素因を決定するための方法であって、該方法は、以下:
    a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプルにおける該ポリペプチドの発現のレベルを測定する工程;および
    b)工程(a)のサンプル中の該ポリペプチドの量を、第2の哺乳動物被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該ポリペプチドの量と比較する工程であって、該第2の哺乳動物被験体は、該疾患を有さないかまたは該疾患に対する素因を有さないことが既知である、工程
    を包含し、
    ここで、該コントロールサンプルと比較した該第1の被験体における該ポリペプチドの発現レベルの変化が、該疾患の存在または該疾患に対する素因を示す、方法。
  36. 第1の哺乳動物被験体における請求項5に記載の核酸のレベルの変化に関連する疾患の存在または該疾患に対する素因を決定するための方法であって、該方法は、以下:
    a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプルにおける該核酸の量を測定する工程;および
    b)工程(a)のサンプル中の該核酸の量を、第2の哺乳動物被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該核酸の量と比較する工程であって、該第2の哺乳動物被験体は、該疾患を有さないかまたは該疾患に対する素因を有さないことが既知である、工程
    を包含し、
    ここで、該コントロールサンプルと比較した該第1の被験体における該核酸のレベルの変化が、該疾患の存在または該疾患に対する素因を示す、
    方法。
  37. 哺乳動物における病理学的状態を処置する方法であって、該方法は、該病理学的状態を緩和するのに十分である量のポリペプチドを該哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、14、16、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44および46のうちの少なくとも1つのアミノ酸配列またはその生物学的に活性なフラグメントを含むポリペプチドに、少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドである、方法。
  38. 哺乳動物における病理学的状態を処置する方法であって、該方法は、該病理学的状態を緩和するのに十分な量の請求項15に記載の抗体を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
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