JP2004526941A - 化学試料を分析するための装置および方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、診断および実験的手順のための装置および工程、ならびにそれに関連した方法に関する。
【0002】
多くの分子的な工程において、試料の組成を決定するため、または工程の成果または効果を決定するために、核酸または他の生物学的分子(たとえば、タンパク質または炭水化物)の特性化が必要となる。伝統的に、核酸は、ゲル電気泳動の工程によって特性化され、そこでは核酸が、その全体電荷および分子量にしたがって分離される。電気泳動分離は、時間がかかり、また、技術的に複雑な工程である。一般的に、核酸の可視化のために使用される蛍光色素は非常に毒性が高く、多くが発癌性である。したがって、かねてより、核酸の分析のために、電気泳動分離以外の方法を開発することに関する動機が存在してきた。
【0003】
したがって、溶液中の核酸の分子量を、UV分光計を用いて溶液中の核酸の溶融温度を観察することで分析することが知られている。そのような分析を自動化様式で実施するための装置がかねてより入手可能である。また、WO97/32039号より、たとえば分子量のような、溶液中の核酸の特定の特性を、溶液の電気伝導度を測定することで確認することが可能であることが知られている。
【0004】
上述した方法は、溶液中の核酸の分子量分布を示す曲線の形態で一組の結果を示す。核酸試料の分子量分布を示すトレースの例を図1に示す。本発明者らは、他の形態の表示が利用者にとってよいという結論に達した。
したがって、本発明は、以下を含む化学試料の分析のための装置を提供する。
【0005】
横座標の範囲にわたって、データの縦座標での1つまたはそれ以上の最大値、最小値、または肩を持つデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能なデータ組を得るために試料を測定する測定手段、および、
前記データ組シグナルを、前記最大値、最小値、または肩が、前記横座標にそった位置に相当する位置で、画像表示中の軸にそって位置し、その軸に略垂直に向く、それぞれ略平行な直線またはバーによって表される、イメージシグナルに変換するイメージング手段。
【0006】
したがって、本発明は、電気泳動およびクロマトグラフィーゲルの解釈において、科学コミュニティーで未だに残っている専門知識を使用する。本発明の実施において、データ読み取りの記録の様式にしたがって、最大値は最小値で表される可能性がある。本発明の装置は、いずれの記録の形式にも等しく適用可能である。肩ピークは、2つまたはそれ以上の重なったピークが、完全に分解されず、小さなピークが大きなピークに覆われる場合に観察される。
【0007】
測定手段は、試料中の核酸の溶融の示唆であるパラメータを測定するために設定可能である。測定方法は、試料の電気伝導度を測定するために設定可能である。測定方法は、試料のUV吸収を測定するために設定可能である。測定手段は、試料の蛍光を測定するために設定可能である。
【0008】
本発明はまた、以下の、
前記データ組シグナルを、前記最大値、最小値、または肩が、前記横座標にそったその位置に相当する位置で、画像表示中で軸にそって位置し、その軸に略垂直に向く、それぞれ略平行な線またはバーによって表される、イメージシグナルに変換するイメージング手段、
を含む、横座標の範囲にわたってデータの縦座標に1つまたはそれ以上の最大値、最小値または肩を持つ化学試料の測定を示すデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換されうるデータ組の分析のための装置を提供する。
【0009】
本発明は、前記イメージシグナルを表示するためのディスプレイを含みうる。
【0010】
ほとんどの環境において、最大値および最小値は、肩ピークの分析が必要ないように、十分に分解され、したがって、本発明の装置は好ましくは、データの縦座標に1つまたはそれ以上の最大値または最小値を持つデータ組シグナル、またはそのようなデータ組へ変換しうるデータ組を得るために試料を測定する測定手段を含む。同様に、本発明の方法およびコンピュータプログラム製品は好ましくは、最大値または最小値の同定に関与する。
【0011】
他の環境においては、主に肩ピークが観察されることが好ましく、したがって、本発明の装置は好ましくは、データの縦座標に1つまたはそれ以上の肩を持つデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能であるデータ組を得るために試料を測定する測定手段を含む。同様に、そのような環境では、本発明の方法およびコンピュータプログラムは好ましくは、肩の同定に関与する。
【0012】
本発明はさらに、
横座標の範囲にわたって、データの縦座標において1つまたはそれ以上の最大値、最小値または肩を持つ化学試料の測定を示しているデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能であるデータ組をインプットとし、および
データ組シグナルを、前記最大値、最小値、または肩が、前記横座標にそったその位置に相当する位置で、画像表示中の軸にそって位置し、その軸に略垂直に向く、それぞれ略平行な直線またはバーによって表されるイメージシグナルに変換するようにコンピュータを動作させる、コンピュータプログラム製品を含む。
【0013】
第一の実施形態において、変換は、前記軸に沿った表示の強度をデータ組の横座標に沿ったデータ組の縦座標において変化させることによって実施される。
【0014】
第二の実施形態において、変換は、データ組における最大値、最小値または肩の位置を同定し、前記軸に沿った相当する部位に前記線またはバーをプロットすることを含みうる。
【0015】
データ組における最大値、最小値または肩の位置を同定する工程には、データ組シグナルを、一連の連続データ点として使用するか、またはデータ組シグナルをそのようなシリーズに変換し、さらにこれらの連続点の値を比較することを含みうる。
【0016】
好ましい実施形態において、最大値は、(1より大きな)奇数nの連続データ点を比較し、中央データ点(すなわち(n+1)/2thデータ点)が、先に選択した量よりも多い量までで、外部データ点(すなわち1stおよびnth)に比べて強い強度であるかどうかを確認することで同定可能である。そのような状況が満たされる場合、最大値が、中央データ点であると同定可能である。データがノイジーである場合、中央点をさらに、たとえば2ndおよび(n−1)thデータ点、または3rdおよび(n−2)thデータ点のような隣接するデータ点の対と比較し、中央データ点がまた、先に選択した量よりも大きな量まで、それらのデータ点よりも強度が大きいかどうかを確認することが望ましい。
【0017】
好ましくは5、7、9、11または13のデータ点を使用しうる。データ点の数の選択は、横座標に沿ったデータ点の密度および必要とする感度に依存しうる。データ点が横座標に沿って密度的に群をなすか、または感度が低い方が望ましい場合、より多数のデータ点が好ましい。好ましくは5、7または9データ点が使用される。もっとも好ましくは7つのデータ点が使用される。最小値は、中心データ点が外部データ点と比較して先に選択した量低い必要があると規定することで、同様の様式で同定可能である。
【0018】
好ましい実施形態において、(3より大きな)任意の数の連続データ点mをとり、それらの各点を中央データ点(すなわち(m+1)/2thデータ点)に結んだ直線の傾きを比較することで、肩が同定可能である。すべてのm点に対する傾きが同じ符号である(すなわちデータ組が、転換点でではなく、曲線の増加または減少点である)場合、肩は中央データ点に存在すると考えられ、データ点の最初の半分(すなわち1st、2nd…〜(m+1)/2−1)thデータ点)と、中央データ点間の直線の絶対傾きは、1つのデータ点から次へ減少し、データ点の第二の半分(すなわち(m+1)/2+1)th、(m+1)/2+2)th…mthデータ点)と中央点間の直線の絶対傾きは、1つの点から次へ増加し、mデータ点の第二の半分での各データ点に対する傾きは、データ点の最初の半分における相当するデータ点に対する傾きよりも小さい(同じような意味で、本文脈では、問題の2つのデータ点は中央データ点から等しく除去する)。
【0019】
好ましくは、mは奇数である。好適には、5、7、9、11または13データ点を使用しうる。データ点の数の選択は、横座標に沿ったデータ点の密度、および必要とする感度に依存しうる。データ点が横座標に沿って密度的に群をなす場合、または感度が低い必要がある場合、より大きな数のデータ点が適切である。好ましくは、5、7または9データ点が使用される。もっとも好ましくは、7データ点が使用される。
【0020】
最大値または最小値を同定するため、または肩を同定するための方法は、データ組シグナルを、画像表示を示すイメージシグナルに変換するイメージング手段と独立して使用してよい。
【0021】
変換は、最大値、最小値または肩を特性化すること、および前記特性化を示す様式で直線にプロットすることを含みうる。
【0022】
試料の測定は、縦座標上の最大値、最小値または肩の大きさが、ピークを与える試料中の化学種の量を示すものであることが好ましい。
【0023】
イメージシグナルで表された画像表示中の線またはバーの強度は、線またはバーによって表される縦座標での最大値、最小値または肩の大きさに関連させることができる。イメージシグナルによって表される画像表示中の線またはバーの幅は、線またはバーによって表された縦座標における最大値、最小値または肩の大きさに関連させることができる。イメージシグナルで表される画像表示中の線またはバーの幅は、線で表されるデータ組中の最大値、最小値または肩の幅に関連させることができる。肩ピークの場合、イメージシグナルで表される画像表示中の線またはバーの幅は、肩ピークの強度に関連させることができる。上記方法によって同定された肩ピークの場合に、イメージシグナルで表される画像表示中の線またはバーの幅は、(n+1)/2thデータ点とnthデータ点の値の差、または1stデータ点と(n+1)/2thデータ点の値に関連させることができる。
【0024】
イメージシグナルで表される画像表示中の線またはバーのイメージは、実際のゲル中の実際の線またはバーのイメージであり得る。
【0025】
有利には、データ組は、横座標が試料中の化学種の質量を表すようなものである。
【0026】
化学試料を、核酸試料とすることができ、前記軸に添った線またはバーの置換により、最大値、最小値または肩を与える核酸の長さが表されうる。とりわけ、前記軸に添った線またはバーの置換により、最大値、最小値または肩を与える核酸の溶融温度が表されうる。
【0027】
前記軸に添った線またはバーの置換は、観察されたデータから経験的に誘導される関数によってスケール化される。スケーリングは、好ましくは、前記線またはバーが、同一の試料の電気泳動ゲルに関するのと同様の相対空間を持つようにする。
【0028】
本発明は、多数の試料またはそこからのデータ組を分析することが可能あり、イメージシグナルによって表される画像表示には、各試料に対して前記の実質的に平行な線の組が含まれる。組は、互いに平行に配置されうる。組は、互いに重なる可能性があるが、表示中では区別される。
【0029】
画像表示は、さらに、個々の線またはバーの位置または強度に関連した英数字指標を含む。
【0030】
画像表示シグナルは、さらに、いくつかの線性質にしたがって、線を区別しうる。
【0031】
本発明は、生物学的分子の試料、または生物学的分子から由来する測定、例えば核酸において使用しうる。測定は、試料中の核酸の溶融を示すものであってもよい。溶融は、この文脈で、互いから2つの相補鎖の変性として二本鎖核酸によって起こる溶融を意味する。
【0032】
本発明はさらに、上述したようなコンピュータプログラム製品を含むデータキャリアーを提供する。
【0033】
溶液中の核酸の特性化が、とりわけ重要である1つの分子の適用例は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。PCR核酸増幅技術の原理は、米国特許第4,683,195号(セタス コーポレーション/ロシュ(Cetus Corporation/Roche))で記述されている。PCR反応を実施するための装置は、例えば欧州特許出願EP 0 236 069号(セタス コーポレーション/ロシュ/PE)で記述されてきている。そのような装置は一般的に「温度循環器(サーモサイクラー(thermocyclers))と呼ばれる。
【0034】
本発明は、比較的単純で、安価な装置の可能性を提示し、これは、分子生物学、診断への応用、臨床分析または他の分析への応用、または化学または生化学的合成適用への応用に好適である。本発明にしたがった装置によって、試料の迅速な分析および簡単に解釈可能な様式でのデータの提示が可能になる。
【0035】
本発明の装置は、とりわけPCRへの応用に好適である。本発明に含まれるものが特定の利点を提供するその他の適用としては、合成への応用、制限消化手順、シークエンシング手順、ライゲーション手順およびDANまたはRNAサイジング手順があげられる。
【0036】
本発明は、本明細書にて、以下の図面に関連してさらに例示される。
【0037】
図2は、本発明によって実施される全工程を例示している。第一ステップ(ステップ10)は、例えば核酸試料上での物理学的測定を実施し、データ組11を得ることである。測定は、13にて示したようにプロットした場合、横座標15にそった範囲にわたって縦座標14においてピークを持つか、またはそのようなデータ組に変換可能であるデータ組を得るようなものである。横座標に添ってプロットした量が分子量を示す場合に(以下に示す理由により)有利である。
【0038】
(以下でさらに詳細に記述する)1つの例において、核酸試料の電気伝導度を温度に対して測定する。分子量の指標を与えることから、温度を横座標にそってプロットする。温度に対してプロットした電気伝導度は直接はピークを与えないけれども、試料成分が溶融するその傾きに変化があるので、ピークデータ組が微分または他の方法で産出されうる。そこではピークの大きさが、特定の質量を持つ試料の割合の指標である。
【0039】
(以下でさらに詳細に記述する)第二の例において、試料の蛍光を温度に対して測定する。分子量の指標が提供されるので、温度を横座標にそってプロットする。()の温度に対するプロットは、特定の温度における溶融を示すピークを与え、ピークの大きさが特定の温度で溶融する特定の分子量を持っている試料の割合を示している。
【0040】
ここでコンピュータプログラムを用いて、ピークに相当するバー17を持っている画像表示16にピークを有するデータ組を変換する。バーを、ピークデータ組の横座標を表している軸に対して垂直に配置される。同様のバーのパターンを持つ電気泳動ゲルの解釈に使用されるものにより簡単に解釈できることから、この型の表示は有用である。ピークを有するデータ組の横座標が、分子量を示すである場合、バーの位置が分子量の指標でもあるので、電気泳動ゲルで使用したものに対して、この表示がとりわけ有用である。
【0041】
図3は、本発明によって得られた典型的な表示である。
【0042】
本発明の第一実施形態において、コンピュータプログラムが、横座標にそった各点に関して線21をプロットすることによってバー20の表示を構築する(図4参照)。それぞれの線21は、ピークを有するデータ組中の横座標23を表している表示中の軸22に対して垂直であり、その点におけるピーク有するデータ組の縦座標24により与えられた強度を持つ。図4における実際の表示中の強度は、ハッチングの密度によって表される。本方法を用い、バーは(その空間に比例して)データ組中のピークと同一の幅を持つ。好ましくは、線は、表示の各ピクセルに関して軸にそってプロットする(すなわちギャップなしに)。上述したように、線は、25のようなデータ組の部分に対してのものを含む、横座標にそったすべての点に対してプロットされ、これに対しては、縦座標は小さいが、表示中非常に弱く26現れる。
【0043】
好ましくは、イメージは表示の前にプログラムによりガンマ補正がかけられる。これは、表示に対してやや平坦な表示を除去する効果がある。(ガンマ補正は、とりわけモニタの物理的特性を許容するために使用する。使用されるガンマ補正は、V=(I/C)^(1/G)の形であり、式中VはCRTガンに適用した電圧、Iは望む強度、GおよびCは特定のCRTの特性に依存する定数である(Gは「ガンマ」である)。)
好ましくはガウス畳み込みフィルターを適用する。これにより、電気泳動ゲル中で、試料がゲルを横切って水平に、またその厚みを通して垂直に拡散する事実、ピーク有するデータを得るために使用した例示的な溶融工程における対応物を持たない効果のシミュレートが行われる。
【0044】
好ましくは、ピークを有するデータ組を、表示の全範囲の強度を使用し、横座標にそってフィットさせてスケールを決定するように、標準化する。ピークが、データ組を誘導するために実施した実験の特性の結果として、実際の電気泳動ゲルで現れる場合と同様の相対的な空間でもって現れない場合に、非線形スケーリングが使用され得る。必要とする変換は、同一の核酸試料に対する実際の電気泳動ゲルでピークを有するデータを決定するのに使用した特定の実験の結果と比較することによって、経験的に決定可能である。
【0045】
図5は、表示を行うために、コンピュータプログラムによる他の実施形態で実行されるステップを示している。
【0046】
ステップ30において、物理的測定によって提供されたデータ組は、必要であれば、ピークを持つデータ組に変換される。上記の例おいて、変換は微分によって実施されたが、しかしもちろん他の環境では他の変換が適するであろう。
【0047】
ステップ31において、データ組中のピークの位置を決定する。このことは、多数の技術より実施されうる。これらは図6によって例示されている。まず、プログラムにより、データ組40が設定した閾値41よりも上か下かを決定し、データ組が閾値より上の領域の境界42を計算する。ついでプログラムにより、それぞれのピークをそれらの境界間の中間点に位置するように割り当てる。(あるいは、使用者が、データ組のプロット上で、眼による閾値のレベルを設定するように要求されうる。)第二に、ピークの頂上での最大値43は、プログラムによって、ピークの微分が陽性から陰性へのゼロに通過する場所を決定して位置決めされる。データ組が、一般的に平坦であるが、最大値の正しくない示唆をする小さなノイズピークを持つ領域44を持ちうることから、閾値と区分の組み合わせが使用されうる。
【0048】
第三の技術で、(すでにそのような形でない場合)データ組が、一連の分離したデータ点に変換される。典型的な例に関しては、200データ点が好適である。より多くのデータ点により、本方法の感度が上昇するが、また分析の期間が増加し、コンピュータハードウェアにより大きな要求をすることになる。分離したデータ点のシリーズ内で、n連続データ点の群が考慮される。好ましくは、nは奇数である。ピークは、中央データ点((n+1)/2thデータ点)を第一およびnthデータ点と比較することで同定される。中央点の差が、それぞれ第一およびnthデータ点のものよりも、先に選択した閾値よりも大きい場合、中央データ点をピークであると考える。データがノイジーである場合、さらに中央データ点を、さらなる隣接するデータ点の対、例えば2ndおよび(n−1)thデータ点、または3rdおよび(n−2)thデータ点と比較し、中央データ点がまた、先に選択した量よりも、それらのデータ点より強い強度であることを確かめることが望ましい。本方法は図7に例示されている。
【0049】
図7では、7つのデータ点、P1、P2〜P7について考察している。末端点P1およびP7それぞれについて、中心点であるP4との縦座標値の差を比較する。その差は、図7で示すようにD1およびD7である。曲線に沿って連続した7つのデータ点組を順番に考察する。既知の7つの点組について、中心データ点P4が最大点であると考えると、D1とD7どちらも前もって設定した値よりも大きい。前もって設定した値は絶対値または中心点の分数の値であってよい。典型的な蛍光溶融曲線実験では、閾値はほぼ0.1〜10dF/dTユニット程度のオーダー、好ましくは0.2〜5dF/dTユニット、例えば0.3〜2dF/dTユニットであってよい。分数の閾値は、中心データ点の値の10%、好ましくは中心データ点値の20%、例えば中心データ点値の50%であってよい。
【0050】
一連の離散したデータ点を考察することにより、(3以上の)任意数mの連続データ点をとり、それぞれを中心データ点(すなわち、(m+1)/2thデータ点)に結んだ直線の傾きを比較することによって肩ピークを割り出すことも可能になる。データ点の前半分(すなわち、1st、2nd〜(m+1)/2−1)thデータ点まで)と中心データ点間の直線の絶対傾きが、あるデータ点から次のデータ点で減少し、中心データ点と後の半分のデータ点(すなわち、(m+1)/2+1)th、(m+1)/2+2)th...mthデータ点)との間の直線の絶対傾きが、あるデータ点から次のデータ点で上昇し、さらにm個のデータ点の後半分のデータ点それぞれの傾きが、対応する前半分のデータ点の傾きよりも低いような場合においては、肩は中心データ点にあるとみなしてよい。
【0051】
考察に用いるのに適切なデータ点数は、3以上の奇数である。好ましいデータ点数は5、7、9、11または13である。さらに好ましくは5、7、または9個のデータ点を用いる。最も好ましくは7個のデータ点を用いる。
【0052】
肩ピークの同定を図8に図示する。図8では、7個の連続したデータ点、すなわちP1、P2等からP7までを考察した。データ点P1、P2、P3、P5、P6、P7それぞれと中心データ点P4間の直線を考察し、それらの傾きを計算した。図中ではそれぞれの傾きをG1、G2、G3、G5、G6、およびG7とした。以下の基準に合う場合には、肩は中心データ点P4にあるとみなしてよい。第一に、すべての傾きが同様の符号を示すこと、すなわち、肩は曲線の上昇または減少している部分にあり、転換点にはない。第二に、データ点の前半分(すなわちP1、P2、およびP3)と中心データ点P4間の線の絶対傾きが、あるデータ点から次のデータ点で減少し、中心データ点と後の半分のデータ点(すなわち、P5、P6、およびP7)間の直線の絶対傾きが、あるデータ点から次のデータ点で上昇すること、すなわち|G1|>|G2|>|G3|で、および|G5|<|G6|<|G7|であること。第三に、後半分のデータ点それぞれの傾きが、対応する前半分のデータ点の傾きよりも低いこと、すなわち、|G5|>|G3|、|G6|>|G2|、および|G7|>|G1|であること。
【0053】
ステップ31で得られたデータで、ピークに対して決定された位置に相当する軸に沿った点でバーをプロットすることで、単純な表示ができる。好ましくは、ピークを特性化するために、ステップ32をプログラムで実行すれば、より丁寧な表示が可能である。このプログラムで計算されたそれぞれのピークの主な特徴は、その強度である。領域42を決定するステップ31の閾値処理技術によりすでにピークの幅を測定できる領域の幅が得られている。閾値はそれぞれのピークで同じ割合では起こらず、したがってピーク間の比較はあまりできない。このプログラムでは、標準アルゴリズムを用いて(閾値41のような閾値より上の)ピーク下の領域を数値的に積分するのにより良い手法を用いている。この積分は図4において陰をつけた領域45で示した。しかし、本発明の画像表示の目的に関しては、ピークの高さとピークの半分の高さにおける幅とを乗じるような近似計算で十分でありえる。
【0054】
肩ピークの場合、上記の連続データ点法を用いて同定するが、中心データ点の値と外側のデータ点(すなわち、D1およびD7、D7は図8に図示している)の値間の差が肩ピークの強度の測定基準となる。
【0055】
ステップ32において、プログラムにより、ピークに対してステップ31で決定したものに相当する位置で、表示内でバーをプロットし、ピークの強さに相当してプロットしたバーの強度および/または幅をステップ32で決定した。プロットしたバーは、好ましくは実際の電気泳動ゲルによるものに似ており、したがってもしピークのデータ組を決定するために用いる実験が異なる比率を持つようならば、バーの分配の間隔をあけるように幅を修復して、ゲルとより同じになるようにする。プロットしたバーは、本プログラムで決定した位置および幅/強度に操作された現実のゲルにおける実際の線の画像であることが好ましい。
【0056】
バー自体をプロットするのに上記のどちらの手法を用いる場合でも、ピークの特性化をコンピュータプログラムで行なう際には、決定された特性を画像表示に英数字で表示するようにコンピュータプログラムを調整してもよい。
【0057】
また、バーを描くのに用いた手法に関係なく、コンピュータプログラムにより、異なる試料のデータ組に対してバーの組を表示するのが好ましい。そのような表示は、あるものでは互いに平行に表示され、またあるものでは重なっており、それぞれの組は異なる色で表示される。
【0058】
上述したような分析可能なデータ組を提供するための核酸試料の測定、およびそのような目的のために本発明中に含まれうる装置の例を示す。
電気伝導度の測定を用いた研究の例
これらの例において、溶液中の核酸種の特性化は、核酸溶液の温度変性および同時伝導性測定および/またはインピーダンス分析の工程によって行う。溶液のインピーダンス測定における変化もまたモニタ可能であり、これらは、容量性およびイオン性成分の分散における変化を反映する。記述した工程は、異なる核酸または混合集団中の核酸の混合物を同定し、特性化するために使用可能である。装置
対象溶液のバルク伝導性を微少電極を用いて測定する。
【0059】
好ましいセンサーは、シリコン、ガラスまたはポリカーボネートのような好適な基質上で統合されたアレイとして製造された作用電極と対極からなる。参照電極を使用しても良いが必要ではない。電極は任意の好適な物質からできていて良い。白金、金および銀のような不活性金属、炭素、グラファイト、炭素ペーストおよび白金インク、電子移動が電子受容または電子供与化合物によって仲介されるような修飾電極もまた使用可能である。電極外形は、任意の都合良い対象性を含みうる。単一薄ワイヤ電極、スクリーン印刷、組み合わせ、または感受ユニットの多重アレイを形成する、球形、半球系、円盤形、平板型、環状および直線電極が使用可能である。電極は、マクロ、ミクロまたはウルトラミクロ寸法であり得る。
【0060】
伝導度測定の感度を最大化する外形が好ましい。
【0061】
好ましい実施形態において、マイクロ電極を、1mmの銀を曝露した、0.25mmの直径の銀ワイヤでコートした、PTEE(テフロン(RTM))から構築した。使用に際し、マイクロ電極集合を、曝露感受要素が完全に沈められるように、DNA溶液中に浸す。作用電極と対極間に適用した電気シグナルを調節することによって、温度の上昇にそって伝導度における得られた変化を分析して、試料中の核酸分子の分布を決定することが可能である。
【0062】
溶液の伝導度は、標準の伝導度測定器を用いて測定する。適用した交流電圧は、1〜100000Hzの周波数であり、好ましくは10〜10000Hz、典型的には1000Hzである。適用した電圧は、ピーク−ピーク間で、0.1mV〜100V、好ましくは10mV〜1Vであり得る。あるいは、直流電圧を使用して良い。
【0063】
伝導度測定器からの読みとり出力は、好ましくはアナログデジタル変換器を通して、例えば本発明のもののようなコンピュータ装置へ渡される。
【0064】
対象の溶液の温度は、加熱および/または冷却装置にて変化させる。典型的には、溶液の温度は、一定のランプ速度にて、約30℃〜約95℃増加させる。温度は測定して、任意にコンピュータ装置に渡される。温度の正確な制御および測定によって本方法の感度が改善される。
方法
温度に伴う核酸含有溶液のバルク伝導度の変化を測定する。温度変化の種々の速度および手順が使用可能である。時間にともなう温度の上昇または時間にともなう温度の下降を使用可能である。一般的に時間にともなう温度の上昇が使用される。温度変化の速度は、0.1〜50℃/秒の範囲であってよく、線形、非線型または段階的であって良い。相応の高い率でのデータ(伝導度および温度測定データ)獲得が、速い速度での温度変化のために必要である。典型的には、0.2〜20バルク伝導度測定データ点を、温度の℃変化あたりで記録する。好ましくは、0.5〜5データ点を温度の℃変化あたりで記録する。溶液のみの温度の増加に関連した通常のバックグラウンドに加えて、核酸溶液の伝導度における変化が存在することがわかる。特定の温度(特定の変化)におけるこの傾きの変化が、試験溶液中の特定の核酸種の溶融温度を示唆するものである。低分子量分子は、高分子量核酸分子と比較して、低い温度にて伝導度傾きの変化がある。さらに、加熱の間の伝導度傾きにおける多数の変化は、溶液内に多数の核酸種があることを示唆している。
【0065】
伝導度の不連続性が起こる温度を、連続するおおよそ直線の部分からの分離に関して、伝導度対温度データ組を分析することによって決定する。この分析は、上述した本発明の仮想化法によって実施可能である。
【0066】
(伝導度の不連続性が起こる温度として見られた)核酸の溶融温度より、核酸の分子量およびオリゴマー鎖の長さを推定可能である。これは、公知の式または表を用いて実施可能である。あるいは、これは、公知の鎖長のオリゴマーを用いた装置および溶液状態を較正することで実施可能である。
【0067】
特定の変化が、伝導度のバックグラウンド増加に加えて、増加または減少であり得る。特定の変化の程度は、存在する関連核酸の量に比例する。したがって、関連核酸は、本発明のこの方法を用いて定量可能である。
【0068】
本発明者らは、単一または多数の核酸種を含む溶液に関する分子量分布が、温度の増加に関連する、伝導度の通常のバックグラウンド増加に加えて、溶液のバルク伝導度の傾きの変化が存在する温度をモニタすることによって分析可能であることを発見した。さらに、本発明者らは、他の混在塩および電荷分子のバックグラウンド上のこれらの変化を測定することが可能であり、このことにより、本工程が、例えばポリメラーゼ連鎖反応のような分子反応からの産物の分布を決定するのに使用可能であることを発見した。
【0069】
これらの種類の測定はまた、例えばポリメラーゼ連鎖反応のような分子反応の間の核酸物質の分布の変化に関する診断ツールとしても使用可能である。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許番号4,683,195号(セタス コーポレーション(Cetus Corporation))は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による核酸の増幅工程を開示している。通常10〜40塩基対長の短いオリゴヌクレオチド配列を、増幅させる標的配列のいずれかの側の隣接する領域に相補的に設計する。これらのプライマーを標的配列DNAに過剰に加える。好適な緩衝液、塩化マグネシウムイオン、熱安定ポリメラーゼ、遊離ヌクレオチドも加える。温度サイクル工程を、一般的にDNAを典型的には数百万倍増幅するために使用する。標的DNAをまず95℃にて変性させ、ついで一般的に40℃〜60℃まで冷却して、分離した鎖へのプライマーのアニーリングを可能にする。ついで温度をポリメラーゼの最適温度、一般的には72℃にあげ、これで、プライマーが伸長し、標的配列がコピーされる。この連続事象を繰り返す(通常20〜40回)。最初に数サイクルの間は、コピーが標的配列より作られる。続くサイクルでは、コピーはコピーより作られ、標的増幅が指数関数的に増加する。温度サイクルを使用することにより多くの不具合がある。一般的に熱に不安定なより十分なポリメラーゼを使用することがないように、熱安定酵素の使用が要求される。本質的にゆっくりであり、広く信頼性のある、しかしそれ自身、工程の小型化を介して多数の処理を導かない、温度制御の工程に依存する。多くの熱安定性ポリメラーゼは、結果として誤った組み込みが高い率で起こる低い忠実性である。結果の分析に、さらなる試料の操作が必要であり、時間がかかる。
【0070】
本発明は、PCRをモニタリングするために使用可能であり、とりわけ反応工程の間、反応の終了時または反応中に増幅される核酸物質の特性化のモニタリングのために使用可能である。このことは、さらなる最終試料処理の必要性をなくし、PCRアッセイを実施するための時間を減少させるという利点を持つ。加えて、これにより、リアルタイムで多重増幅物の増幅をモニタ可能になり、例えばリアルタイムで、反応の特異性を変化させるためのような、反応のパフォーマンスに関する知的な決定を可能にする。
【0071】
PCR工程のモニタリングのために、PCRサイクル中の温度サイクルを、本方法の間の温度変化に関して使用可能である。このことにより、反応容器より試料を取り出す必要がないという利点がある。あるいは、分液を反応より取り出しても良い。(ほとんどのPCRプロトコールでのように)マグネシウムの存在が、核酸溶融温度を減少させ、核酸重量の正確な査定を得るために、較正サイクルが必要である可能性がある。
【0072】
この検出工程はまた、定量的および定性的な情報を反応から抽出可能にする。定性的ツールとして、反応中の産物の分布に関する情報が得られ、作業者に単一の産物が増幅されたのか、または多数の産物が増幅されたのかを知らせる。さらに、これは、反応の時点での産物の大きさの分布に関する情報を提供する。温度変性の間に測定された、温度に伴う伝導度の変化の速度特定の変化が、分子量および核酸分子からのイオン性分子(例えばMg2+)の放出に比例するので、傾きにおける変化の程度は、溶液内に存在する特定の核酸分子の量に比例する可能性があることが導かれる。
【0073】
本工程は、PCRの間に作製された分子の分布(分子量および濃度)を同時に決定するために使用できる。従来の方法とは違い、本工程は各サイクルでリアルタイムで使用可能であり、PCRの異なるステージでのアプリコン合成のプロファイルを作製する。一般的に、アンプリコンは、反応の異なるステージで作製される。例えば、プライマーダイマー人工産物は、一般的には、反応の最終ステージの間にのみ合成される。使用者は、本発明を、正しいサイズの産物がいったん合成される初期の、反応の最後のサイクルの間に通常合成されるプライマーダイマーのようなPCR人工産物の産出の直前に、診断反応を終了させるために使用可能である。不正確な陽性を制限するか、または取り除くために、オンラインで反応を終了または改変することに関して、知的な選択を可能にするので、このことにより工程が改善される。さらに、リアルタイムで反応のパフォーマンスに関する情報を得ることで、特異的なアプリコンの合成を促進するために、サイクルコンディションを変更することが可能である。
【0074】
以下は測定の実施例である。
【0075】
(実施例)
実施例1
サルモネラ(Salmonella)標的DNAからの800塩基対DNA断片の標準PCR増幅を、MJ Thermalサイクラーを用いて実施した。溶液の伝導度を、データ取得のためにアナログデジタル変換器(Computer Boards PCL 812 Pts)を介して、PCに連結したJenway伝導度測定器を用いて測定した。単一の高分子量アプリコンを産出する好適な回数のサイクルの後の、本PCRに関する伝導度測定溶融曲線を図9に示している。この図中では、伝導度が、低温で温度にともなって、直線様式で増加していることが見て取れる(直線は式y=0.0017x+0.5267を持ち、R2=0.9987であり、式中yはmS/cmでのバルク伝導度であり、xは℃での温度である)。不連続性がおよそ74℃で起こり、この温度は、塩緩衝溶液中での800bp長のDNAの溶融温度に相当する。不連続点を越えると、伝導度は、温度にともなって再び直線様式で、ただし大きな傾きで上昇する(y=0.0021x+0.5011であり、R2=0.9979)。
【0076】
実施例2
実施例1でのものと同様の装置、物質、プライマーおよび標的DNAを用いて、PCR反応を実施した。多数のサイクルの後、反応により、800bpアプリコンに加えて、明らかなプライマーダイマーが産出された。好適な回数のサイクルの後の、このPCRに関する伝導度測定溶融曲線を図10に示している。この図で、低温にて温度にそって直線様式で伝導度が増加することがみてとれる(式y=0.0019x+0.514、R2=0.9945を持つ直線)。不連続性が、およそ49℃にて起こり、この温度は、塩緩衝溶液中の低分子量プライマーダイマー人工産物の溶融温度に相当する。49℃以上で、第二不連続性がおよそ70℃にて起こるまで、溶液の伝導度は温度にそって直線様式で増加する(式y=0.0026x+0.479、R2=0.9981を持つ直線)。第二の不連続が、800bpアプリコンの溶融温度に相当する温度で発生する。この不連続を越えると、溶液の伝導度は温度にそって直線様式で増加する(式y=0.0020x+0.520、R2=0.9842の直線)。
【0077】
およそ78℃でのさらなる不連続性が見られるが、この点で、高温での温度にともなった、溶液の伝導度のバックグラウンド増加によって支配される核酸の効果の結果として、曲線が式y=0.0013x+0.5776、R2=0.9923の式の直線になる。
【0078】
実施例3
実施例1と同様の装置を用いて、ヒト標的DNAの450bp断片を増幅した。好適な回数のサイクル後の、このPCRに関する伝導度測定溶融曲線を図11に示している。この図で、低温で温度にともなって、直線様式で伝導度が増加することがみてとれる(式y=0.0020x+0.4506、R2=0.9917の直線)。不連続性がおよそ47℃にて起こり、これは、塩緩衝溶液中の低分子量プライマーダイマーの溶融温度に相当する温度である。47℃以上で、およそ53℃にて第二の不連続性が起こるまで、温度にともなって、直線様式で増加する(式y=0.0032x+0.3951、R2=0.9984の直線)。第二の不連続性は、450bpアプリコンの溶融温度に相当する温度で起こる。この不連続を越えると、溶液の伝導度は、温度にともなって直線様式で増加する(式y=0.0025x+0.4376、R2=0.9969の直線)。
【0079】
およそ78℃にてさらなる不連続が見られ、この点は、高温で温度にともなう溶液の伝導度のバックグラウンド増加によって支配される核酸の効果の結果として、曲線が式y=0.0020x+0.4741、R2=0.996の直線となる点である。プライマーダイマーおよびアプリコン不連続両方が、グラフで見ることができる。450bp産物に関する第二の不連続点は、実施例1および2での800bp産物に関して観察されたものよりも低い温度で起こる。
【0080】
実施例4
PCRを実施し、異なる分子量の4つの産物を得た。伝導度測定溶融曲線を図12に示している。この図で、伝導度が、低温で、温度にともなって直線様式で増加することが見て取れる(式y=0.0019x+0.5267、R2=0.9942の直線)。およそ43℃で不連続が起こり、この温度は、塩緩衝溶液中の最も小さい分子量アプリコンの溶融温度に相当する温度である。43℃以上で、溶液の伝導度は、第二の不連続がおよそ63℃で起こるまで、温度にともなって直線様式で増加する(式y=0.0023x+0.5092、R2=0.9976の直線)。第二の不連続は、二番目に小さい分子量アプリコンの溶融温度に相当する温度で起こる。第二の不連続を越えると、溶液の伝導度は、およそ72℃で第三の不連続が起こるまで、温度にともなって、直線様式で増加する(式y=0.0018x+0.5422、R2=0.9912の直線)。第三の不連続性は、二番目に大きい分子量アプリコンの溶融温度に相当する温度で起こる。第二の不連続性を越えると、溶液の伝導度は、およそ87℃で第四の不連続性が起こるまで、温度にともなって直線様式で増加する(式y=0.0015x+0.5597、R2=0.9916の直線)。第四の不連続は、最も大きい分子量のアプリコンの溶融温度に相当する温度で起こる。この第四の不連続を越えると、溶液の伝導度は、温度にともなって直線様式で増加する(式y=0.0014x+0.5702、R2=0.9700の直線)。異なる分子量の4つの産物は明らかに区別可能である。それぞれの産物は、その分子量を示す温度での伝導率の変化に関連する。
【0081】
およそ87℃にてさらなる不連続がみられ、これは、高温での温度にともなう溶液の伝導度のバックグラウンド増加に支配される核酸の効果の結果として、曲線が、式y=0.00110x+0.5943、R2=0.9744の直線になる点である。
【0082】
上述したように、これらの測定のグラフ(図9〜12)は、傾きが変化している。これらのグラフは、微分によるピークを持つグラフに変換可能であり、次いでピーク化グラフを本発明にしたがった電気泳動ゲル様の表示に変換可能である。
試料蛍光測定を用いた研究の例
装置
産物の蛍光検出を伴うポリメラーゼ連鎖反応実験を、ロシュ社ライトサイクラー装置にて実施した。
方法
それぞれの反応に関する試薬量およびアッセイ温度循環条件を以下に示す。各場合に、増幅の完了の後、産物試料をゲル電気泳動、およびまた溶融分析によって分析した。溶融分析より得られたデータを、本発明の方法を用いて仮想ゲルイメージに変換した。ピーク同定は、考えられる7つの連続する点で、上述した連続データ点方法を用いて実施した。200データ点を、溶融曲線分析中の各試料に関して得た。ピークおよび/または肩を、上述した7連続データ点と比較する方法を用いて、(−dF/dT)溶融曲線中で同定した。中央データ点に関して、第一/第七データ点と中央データ点間の最小差異に関する閾値をピークとして考えられるように設定した。各場合において、実際のゲルイメージと仮想ゲルイメージを図に示している。
【0083】
実施例5 HLA−B27アッセイ
(プライマー5’ggg tct cac acc ctc cag aat3’および5’cgg cgg tcc agg agc t3’を用いた)標準のHLA−B27アッセイを用い、ヒトゲノム標的DNAからの135bp産物を得た。試薬の濃度は表1に示しているようであり、温度循環条件は表2で示したようであった。
【表1】
【表2】
【0084】
すべてのランプ速度は、他に言及しない限り20℃/sに設定した。*本インキュベーション期間の最後の時点での単一検出点。 65〜95℃の0.1℃/sランプ速度および本溶融曲線分析段階の間の連続蛍光データ検出。
【0085】
アッセイを(鋳型が存在しない)単一の陰性対照アッセイとともに、三重に行った。増幅反応の間の蛍光獲得の結果を図13aに示している。およそ92℃の溶融温度を持つ単一の主産物が見られる。産物の分離を示している実際の電気泳動ゲルを図13bに示しており、溶融曲線分析から導いた仮想ゲルを図13cに示している。図13bおよび13cにおいて、レーン1、2および3のシグナルはHLA−B27実験からのものである。レーン4のシグナルは陰性対照からのものであり、図13bにおいて、レーン1の左側のラダーは分子量マーカーを示している。
【0086】
図13bの実際のゲルと、図13cの仮想ゲルを比較することで、イメージがいくつかの同じ特徴を持つことが分かる。反応3により最も明確な産物(単一の幅が狭いバンド)が得られる。反応1ではいくつかの不純物(幅広いバンド)が得られ、反応2は特定の不純物(2つの分離したバンドが見られる)が得られる。データを評価する者に、図13cより図13bと本質的に同様の情報が提供される。
【0087】
実施例6 多重HLA−B27およびβ−グロビンアッセイ
多重PCRアッセイを、HLA−B27とβ−グロビンに対するプライマーを用いて、単一反応混合液中で実施した。HLA−B27アッセイに対する試薬を以下に示した。(プライマー5’caa ctt cat cca cgt tca cc3’および5’gaa gag cca agg aca ggt ac3’を用いた)標準のβ−グロビン267bp PCRアッセイを用い、ヒトゲノム標的DNAより267bpの産物を得た。使用した種々の試薬の量は表3に示しており、温度循環条件は表4に示している。PCR温度循環は、MJ PTC 200ペルチャー温度循環器上で、0.2mlの超薄壁エッペンドルフ中で実施した。溶融サイクルは、ロシュ社ライトサイクラー装置中で実施した。反応混合液に1.25μlの(ロシュ・ダイアグノスティックス、UKより得た)20×Sybr Greenストックおよび1.0μlの1mg/mlウシ血清アルブミン溶液(シグマ(Shigma、UK))を加え、ライトサイクラーガラスキャピラリー内に移した。溶融サイクル条件を表5に示している。
【表3】
【表4】
【表5】
【0088】
60〜95℃で、0.1℃/秒のランプ率、および本インキュベーション段階間の連続蛍光データ検出。
【0089】
多重アッセイを、(鋳型の存在しない)単一の陰性対照アッセイとともに、三重で実施した。増幅反応中の蛍光獲得の結果を図14aに示している。2つの主要産物が見られ、1つはおよそ89℃の溶融温度を持ち(267bp β−グロビン産物)、他はおよそ92℃の溶融温度を持つ(135bp HLA−B27産物、GC含量が高いので、267bp β−グロビン産物よりも高い溶融温度を持つ)。産物の分離を示している実際の電気泳動ゲルを図14bに示し、また溶融曲線分析より導いた仮想ゲルを図14cに示している。図14bおよび図14cにおいて、レーン1、2および3のシグナルは、HLA/β−グロビン実験からのものである。レーン4のシグナルは陰性対照からのものであり、図14bにおけるレーン1の左側のラダーは、分子量マーカーを示している。
【0090】
図14bの実際のゲルと図14cの仮想ゲルを比較することで、イメージがいくつかの特徴を持つことがわかる。それぞれの場合で、2つの反応産物がみられ、反応2および3は、反応1よりも、より小さな、高温で溶融し、より移動している産物を大量に産出する。データを評価した者に、図14bと本質的に同じ情報が、図14cで提供される。
【0091】
実施例7 コピー数PCRアッセイ
コピー数PCRアッセイを、Amplifer Direct Gene System Kit(インタージェン(Intergen、UK))を用いて実施した。このキットを利用して、ヒトβ−アクチン遺伝子の450bpアプリコンを増幅した。インタージェン社によって供給された多数のコピーを含む鋳型混合物もまた使用した。使用した各試薬の量は表6で示している。最終容量25μl中、存在する鋳型のコピー数は、1、101、102、103、104、105および106であり、反応を、コピー数の昇順に、1〜7でラベルした。
【表6】
*鋳型ストック:5×101、5×102、5×103、5×104、5×105、5×106コピー/μl
【0092】
PCR反応を、表7で示しているようなサイクル条件で、MJ PTC200ペルチャーサーモサイクラーにて、0.2ml超薄壁エッペンドルフ中で実施した。溶融サイクルを、表8で示した条件を用いてロシュ社ライトサイクラー中で実施した。溶融分析を実施する前に、反応混合液に、1.25μlの(ロシュ・ダイアグノスティックス、UKからの)20×Sybr Greenストック、および1.0μlの(シグマ、UKからの)1mg/mlウシ血清アルブミン溶液を加え、ライトサイクラーガラスキャピラリー内に移した。
【表7】
【表8】
【0093】
60〜95℃で、0.1℃/秒のランプ率、および本インキュベーション段階間の連続蛍光データ検出。
【0094】
溶融分析の間の蛍光獲得の結果を図15aに示している。産物の分離を示している実際の電気泳動ゲルを図15bに、溶融曲線分析から導いた仮想ゲルを図15cに示している。図15bおよび図15cにおいて、レーン1、2、3、4、5、6および7のシグナルは、存在する鋳型のコピー数がそれぞれ、1、101、102、103、104、105および106である、ヒトβ−アクチン遺伝子増幅実験からのものである。図15bで、レーン1の左のラダーは、分子量マーカーを示している。
【0095】
図15bの実際のゲルと、図15cの仮想ゲルを比較すると、イメージが幾つかの特徴を持っていることがわかる。有意な増幅産物(およそ92℃の溶融温度を持つ)が、反応混合液5、6および7でのみ見られ、そのシグナル強度は、反応混合液5での産物からものは、反応混合液6および7からのものよりもいくらか低かった。当業者には、図15bからの情報が図15cからの情報と同様であることが示される。
【0096】
実施例8 制限エンドヌクレアーゼ消化アッセイ
制限エンドヌクレアーゼ消化実験を、(プロメガ(Promega)からの)PvuII制限酵素と、(プロメガからの)pUC−18 DNAの試料を用いて実施した。使用した各試薬の量は表9に示している。pUC−18 DNAの制限消化は、MJ PTC 200ペルチャーブロック上で実施し、ロシュライトサイクラーに移して、溶融曲線データを蓄積した。
【表9】
【0097】
反応は、それぞれ二重に30分間および45分間で、37℃にて、0.2ml超薄壁エッペンドルフチューブ中で実施した。酵素を含まない2つの陰性対照も実施した。
【0098】
溶融曲線データをロシュ社ライトサイクラーで作成した。溶融曲線実験を実施する前に、各反応混合液に、非アセチル化BSA(50μg/ml f.c)およびSybr Greeen(1×f.c)を加えた。添加した反応混合物をガラスキャピラリーに移し、表10で示したように、ライトサイクラー中で溶融曲線プログラムにかけた。
【表10】
【0099】
60〜95℃で、0.1℃/秒のランプ率、および本インキュベーション段階間の連続蛍光データ検出。
【0100】
本実験の結果は図16で示している。図16aは、試料の溶融に関する蛍光データであり、温度にそった蛍光のネガティブな第一微分を図16bに示している。図16aおよび16bより、30分間(レーン3、4)および45分間(レーン5、6)インキュベートした反応混合液が、93℃またはそれ以上の温度までで完全に溶融した産物(1つの産物はおよそ89℃で溶融し、他はおよそ92℃で溶融する)を含むことがわかる。酵素を含まない反応混合液は、より大きなDNA断片で、溶融しないものしか含まない(レーン1および2)。
【0101】
反応産物をゲル電気泳動にかけ、出力を図16cに示している。pUC−18のPvuII制限消化により、c.350bpとc.2500bpの産物が産出され、これらはゲル中、レーン3および4(30分間消化実験)およびレーン5および6(45分間消化実験)でみられる。酵素を含まない混合液には、高分子量の断片が含まれ、ゲルのレーン1および2で見られる。
【0102】
図16dで示した仮想ゲルイメージは、本発明の方法にしたがって図16bの溶融ピークデータより作製した。仮想ゲルにおいて、2つの分離した産物が、その異なる溶融温度によって分離されて観察された(図4)。仮想ゲルイメージには、プラスミドは溶融せず、したがって溶融ピークは産出されないので、酵素を含まない反応に関しては、レーン1および2でシグナルは含まれない(レーン1で観察された低い感度での不純物をのぞく)。
【0103】
したがって、当業者には、図16cの実際のゲル中と同様の情報が図16dの仮想ゲルで与えられ、2つの消化産物が観察された。さらに、消化されないDNAの溶融温度以下に溶融曲線生成温度を制限することによって、単純化された表示がつくられうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】核酸試料混合物の溶融温度分析によって得られたDNAサイズプロファイル曲線である。
【図2】本発明の装置によって実施された工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明にしたがった装置によって実現された画像表示である。
【図4】本発明の第一実施形態における表示をプロットする工程を示している。
【図5】本発明の第二実施形態における表示をプロットする段階を示しているフローチャートである。
【図6】第二実施形態におけるピークの特性化を示している。
【図7】本発明の実施形態におけるピークの同定を示している。
【図8】本発明の実施形態の肩ピークの同定を示している。
【図9】単一の高分子量アプリコン(800bp)を産出するPCR(実施例1)に関する伝導度測定溶融曲線である。
【図10】プライマーダイマー人工物をともなって、高分子量アプリコンを産出するPCR(実施例2)に関する伝導度測定溶融曲線である。
【図11】プライマーダイマー人工物をともなって、低分子量アプリコン(450bp)を産出するPCR(実施例3)に関する伝導度測定溶融曲線である。
【図12】PCR反応から由来する異なる分子量の4つの産物(実施例4)に対する伝導度溶融曲線である。
【図13】蛍光モニタリングをともなうHLA−B27 PCR増幅アッセイで得られたデータを示している。図13aは増幅産物の蛍光溶融曲線を示しており、図13bは増幅産物の実際の電気泳動ゲルを、図13cは同一の産物の仮想ゲルを示している。これらは本発明にしたがった方法を用いて得られた(実施例5)。
【図14】蛍光モニタリングをともなうHLA−B27およびβ−グロビン多重PCR増幅アッセイで得られたデータを示している。図14aは増幅産物の蛍光溶融曲線を示しており、図14bは実際の増幅産物の実際の電気泳動ゲルを示し、図14cは同一の産物の仮想ゲルを示している。これらは、本発明にしたがった方法を用いて得られた(実施例6)。
【図15】蛍光モニタリングをともなう増幅β−アクチンコピー数PCR増幅アッセイで得られたデータを示している。図15aは増幅産物の蛍光溶融曲線を示しており、図15bは増幅産物の実際の電気泳動ゲルを示し、図15cは、同一の産物の仮想ゲルを示している。これらは、本発明にしたがった方法を用いて得られた(実施例7)。
【図16】制限酵素消化実験にて得られたデータを示している。図16aは、種々の温度での消化産物の絶対吸光を示し、図16bは関連蛍光溶融曲線(すなわち−dF1/dT)を示しており、図16cは消化産物の実際の電気泳動ゲルを示し、図16dは同一の産物の仮想ゲルを示している。これらは、本発明にしたがった方法を用いて得られた(実施例8)。
Claims (49)
- 化学試料の分析のための装置であって、
横座標の範囲にわたってデータの縦座標に、1つまたはそれ以上の最大値、最小値または肩を持つデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能なデータ組を得るために試料を測定する測定手段と、
前記データ組シグナルを、前記横座標にそった最大値、最小値又は肩の位置に相当する位置で、画像表示中の軸にそって位置し、その軸に対して略垂直な方向である、それぞれ略平行な線またはバーによって、前記最大値、最小値または肩が表される画像表示を表すイメージシグナルに変換するイメージング手段と、
を含む装置。 - 前記測定手段が、前記試料中の核酸の溶融を示すパラメータを測定するように設定される、請求項1に記載の装置。
- 前記測定手段が、前記試料の電気伝導度を測定するように設定される、請求項1または請求項2に記載の装置。
- 前記測定手段が、前記試料のUV吸収を測定するように設定される、請求項1または請求項2に記載の装置。
- 前記測定手段が、前記試料の蛍光を測定するように設定される、請求項1または請求項2に記載の装置。
- 横座標の範囲にわたってデータの縦座標に、1つまたはそれ以上の最大値、最小値または肩を持つ化学試料の測定を表すデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能なデータ組の分析のための装置であって、
前記データ組シグナルを、前記横座標にそった最大値、最小値又は肩の位置に相当する位置で、画像表示中の軸にそって位置し、その軸に対して略垂直な方向である、それぞれ略平行な線またはバーによって、前記最大値、最小値または肩が表される画像表示を表すイメージシグナルに変換するイメージング手段と、
を含む装置。 - 前記イメージシグナルを表示するためのディスプレイを含む、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 前記変換が、前記軸にそった表示の強度を、データ組の横座標にそったデータ組の縦座標で変化させることによる、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 前記変換が、データ組の最大値、最小値または肩の位置を同定すること、および前記画像表示中の軸にそった相当する位置にて前記線またはバーをプロットすることを含む前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 前記変換が、前記最大値、最小値または肩を特性化すること、および前記特性化を示す様式で線をプロットすること、を含む請求項9に記載の装置。
- 前記試料の測定は、前記縦座標における最大値、最小値または肩の大きさがピークを与える試料中の化学種の量を示すようにされる、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- イメージシグナルによって表される画像表示中の線またはバーの強度が、前記線またはバーによって表される前記縦座標における最大値、最小値または肩の大きさに関連付けられている、請求項11に記載の器具。
- イメージシグナルによって表される画像表示中の線またはバーの幅が、前記線またはバーによって表される前記縦座標における前記最大値、最小値または肩の大きさに関連付けられている、請求項11に記載の装置。
- イメージシグナルによって表される画像表示中の線またはバーの幅が、前記線またはバーによって表される前記データ組中の最大値、最小値または肩の幅に関連付けられている、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 前記データ組が、前記横座標が前記試料中の化学種の質量を表すようにされている、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 前記化学試料が核酸試料であり、前記軸にそった線またはバーの置換が、最大値、最小値または肩を与える核酸の長さを表すものである、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 前記軸にそった直線またはバーの置換が、観察されたデータから経験的に得られる関数によってスケールされる、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 前記スケーリングが、前記線またはバーが、同一の試料の電気泳動ゲルに関しての場合と同様の相対的空間を持つようにされる、請求項17に記載の装置。
- 多数の試料またはそこからのデータ組を分析することが可能であり、イメージシグナルで表される画像表示が、それぞれの試料に対する前記実質的に平行な線の組を含む、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 前記組が互いに平行に配置される、請求項19に記載の装置。
- 前記組が、互いに重なるが、表示中では区別される、請求項19に記載の装置。
- イメージシグナルによって表される画像表示がさらに、個々の線またはバーの位置または強度に関連する英数字の表示を含む前記請求項のいずれかに記載の装置。
- イメージシグナルによって表される画像表示がさらに、いくつかの線またはバーの特性にしたがって、線またはバーを区別する、前記請求項のいずれかに記載の装置。
- 実質的に付随する図面に関連して本明細書にて記述された装置。
- 前記装置は、データの縦座標に1つまたはそれ以上の最大値または最小値を持つデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能なデータ組を得るために試料を測定する測定手段を含む、前記請求項のいずれか一つ又は請求項1〜24に記載の装置。
- 前記装置は、データの縦座標に1つまたはそれ以上の肩を持つデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能なデータ組を得るために試料を測定する測定手段を含む、前記請求項のいずれか一つ又は請求項1〜24に記載の装置。
- コンピュータを動かすコンピュータプログラム製品であって、
横座標の範囲にわたってデータの縦座標に、1つまたはそれ以上の最大値、最小値または肩を持つ化学試料の測定を表すデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能なデータ組をインプットとし、
前記データ組シグナルを、前記横座標にそった最大値、最小値又は肩の位置に相当する位置で、画像表示中の軸にそって位置し、その軸に対して略垂直な方向である、それぞれ略平行な線またはバーによって前記最大値、最小値または肩が表される画像表示を表すイメージシグナルに変換するように、
コンピュータを動作させるコンピュータプログラム製品。 - 前記変換が、前記軸にそった表示の強度を、データ組の前記横座標にそったデータの前記縦座標で変化させることによる、請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記変換は、前記データ組中の最大値、最小値または肩の位置を同定し、前記軸にそった相当する位置にて前記線またはバーをプロットすることを含む請求項27または請求項28に記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記変換は、最大値、最小値または肩を特性化すること、および前記特性化を示す様式で線をプロットすることを含む請求項27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記試料の測定が、縦座標における最大値、最小値または肩の大きさが、ピークを与える前記試料中の化学種の量を示すようにされている請求項27乃至30のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- イメージシグナルによって表される画像表示中の線またはバーの強度が、線またはバーによって表される前記縦座標における前記最大値、最小値または肩の大きさに関連付けられている請求項27乃至31のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記イメージシグナルによって表される画像表示中の線またはバーの幅が、線またはバーによって表される前記縦座標における最大値、最小値または肩の大きさに関連付けられている請求項27乃至32のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記イメージシグナルによって表される画像表示中の線またはバーの幅が、前記線によって表される前記データ組中の前記最大値、最小値または肩の幅に関連付けられている請求項27〜33のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記データ組が、前記横座標が前記試料中の化学種の質量を表すようにされている、請求項27乃至34のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記化学試料が核酸試料であり、前記軸にそった線またはバーの置換が、最大値、最小値または肩を与える核酸の長さを表すものである、請求項27乃至35のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記画像表示中の軸にそった線またはバーの置換が、観察されたデータから経験的にえられる関数によってスケールされる、請求項27乃至36のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記スケーリングが、前記線またはバーが、同一の試料の電気泳動ゲルに関しての場合と同様の相対的空間を持つようにされる、請求項27乃至37のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 多数の試料またはそこからのデータ組を分析することが可能であり、イメージシグナルで表される画像表示が、それぞれの試料に対する前記実質的に平行な直線の組を含む、請求項27乃至38のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記組が互いに平行に配置される、請求項27〜39の任意の1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記組が、互いに重なるが、表示中では区別される請求項27乃至40のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- イメージシグナルによって表される画像表示がさらに、個々の線またはバーの位置または強度に関連する英数字の表示を含む請求項27乃至41のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- イメージシグナルによって表される画像表示がさらに、いくつかの線またはバーの特性にしたがって、線またはバーを区別する請求項27乃至42のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 実質的に付随する図面に関連して本明細書にて記述されたような、請求項27乃至43のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 横座標の範囲にわたってデータの縦座標に、1つまたはそれ以上の最大値または最小値を持つ化学試料の測定を表しているデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能であるデータ組をインプットとする請求項27乃至44のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 横座標の範囲にわたってデータの縦座標に、1つまたはそれ以上の肩を持つ化学試料の測定を表しているデータ組シグナル、またはそのようなデータ組に変換可能であるデータ組をインプットとする請求項27乃至44のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
- 生物学的分子の試料、または生物学的分子からの測定データ組シグナルに対する、前記請求項のいずれかに記載の装置またはコンピュータプログラム製品の使用。
- 前記生物学的分子が核酸である請求項47に記載の使用。
- 請求項27乃至46のいずれか1つに記載されたコンピュータプログラム製品を含むデータキャリアー。
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