JPH11118760A - 核酸断片の電気泳動パターンの解析法 - Google Patents
核酸断片の電気泳動パターンの解析法Info
- Publication number
- JPH11118760A JPH11118760A JP9280169A JP28016997A JPH11118760A JP H11118760 A JPH11118760 A JP H11118760A JP 9280169 A JP9280169 A JP 9280169A JP 28016997 A JP28016997 A JP 28016997A JP H11118760 A JPH11118760 A JP H11118760A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrophoresis
- peak
- nucleic acid
- base length
- analyzing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Information Retrieval, Db Structures And Fs Structures Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 データベース化し易い核酸断片の電気泳動パ
ターンの解析法を提供する。 【解決手段】 基準ピークを用いて、電気泳動データ5
0の泳動時間を擬似塩基長に変換する操作51、ピーク
判定を行なう擬似塩基長領域のデータを抽出する操作5
2、信号強度を基準ピークの信号強度で規格化する操作
53、規格化信号強度から信号強度の度数分布を計算す
る操作54、度数分布からピーク判定に使用するしきい
値を決定する操作55、規格化信号強度の中からしきい
値より大きな値を持つ信号強度を抽出する操作56、信
号強度の傾きから信号強度の極大値を求める操作57、
57で求めた信号強度の極大値のうち56で抽出した領
域に含まれる極大値を抽出する操作58、しきい値より
大きい極大値をピークと判定し、泳動時間を擬似塩基長
軸の最近接の擬似塩基長の値に割り当てる操作59を行
なう。 【効果】 大きな強度を持つピークが少ない電気泳動パ
ターンの場合にも、発現量の大小をデータとして保持す
るデータベースを実現できる。
ターンの解析法を提供する。 【解決手段】 基準ピークを用いて、電気泳動データ5
0の泳動時間を擬似塩基長に変換する操作51、ピーク
判定を行なう擬似塩基長領域のデータを抽出する操作5
2、信号強度を基準ピークの信号強度で規格化する操作
53、規格化信号強度から信号強度の度数分布を計算す
る操作54、度数分布からピーク判定に使用するしきい
値を決定する操作55、規格化信号強度の中からしきい
値より大きな値を持つ信号強度を抽出する操作56、信
号強度の傾きから信号強度の極大値を求める操作57、
57で求めた信号強度の極大値のうち56で抽出した領
域に含まれる極大値を抽出する操作58、しきい値より
大きい極大値をピークと判定し、泳動時間を擬似塩基長
軸の最近接の擬似塩基長の値に割り当てる操作59を行
なう。 【効果】 大きな強度を持つピークが少ない電気泳動パ
ターンの場合にも、発現量の大小をデータとして保持す
るデータベースを実現できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DNA、RNA等
の診断、特性評価法、分析方法、特にDNA、RNA断
片の電気泳動結果の解析方法及び解析結果の表示法に関
する。特に、種々のDNA又はRNA断片の混合物中の
断片全体の解析、特定断片の解析に有効な手法に関す
る。
の診断、特性評価法、分析方法、特にDNA、RNA断
片の電気泳動結果の解析方法及び解析結果の表示法に関
する。特に、種々のDNA又はRNA断片の混合物中の
断片全体の解析、特定断片の解析に有効な手法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】DNA、RNA等の分析技術は、遺伝子
解析、及び遺伝子診断を含む医学、生物学の分野でます
ます重要になってきている。DNA、RNAの塩基配列
決定、制限酵素断片、及び特定断片の解析は何れも電気
泳動による分子量分離を基本としている。予め断片、又
は断片群に放射性標識又は蛍光標識を施し、電気泳動し
た後、又は電気泳動しながら分子量分離パターンを計測
し、分離パターンを解析して試料の分析を行なってい
る。電気泳動による分子量分離の分解能は、電気泳動の
諸条件、即ち分離媒体の組成、電気泳動路長、電界強度
で決定される。電気泳動の分解能を高くするために、現
在までに様々な最適化が行なわれてきたが(Elect
rophoresis 1992、13、495−49
9、Electrophoresis 1992、1
3、616−619)、分離限界塩基長が最大で100
0塩基長であることが理論的にも説明されている(El
ectrophoresis 1992、13、574
−582)。電気泳動で分離できる断片の最大数は、電
気泳動の分離限界塩基長を超えないので、断片数が10
00以上のDNA断片混合物、又はRNA断片混合物は
単一の電気泳動路では解析できない。
解析、及び遺伝子診断を含む医学、生物学の分野でます
ます重要になってきている。DNA、RNAの塩基配列
決定、制限酵素断片、及び特定断片の解析は何れも電気
泳動による分子量分離を基本としている。予め断片、又
は断片群に放射性標識又は蛍光標識を施し、電気泳動し
た後、又は電気泳動しながら分子量分離パターンを計測
し、分離パターンを解析して試料の分析を行なってい
る。電気泳動による分子量分離の分解能は、電気泳動の
諸条件、即ち分離媒体の組成、電気泳動路長、電界強度
で決定される。電気泳動の分解能を高くするために、現
在までに様々な最適化が行なわれてきたが(Elect
rophoresis 1992、13、495−49
9、Electrophoresis 1992、1
3、616−619)、分離限界塩基長が最大で100
0塩基長であることが理論的にも説明されている(El
ectrophoresis 1992、13、574
−582)。電気泳動で分離できる断片の最大数は、電
気泳動の分離限界塩基長を超えないので、断片数が10
00以上のDNA断片混合物、又はRNA断片混合物は
単一の電気泳動路では解析できない。
【0003】多数のDNA断片からなる試料を解析する
試みとして、(1)泳動方向、及び泳動条件を変化させ
て電気泳動操作を2回繰り返して分離能を向上させる二
次元電気泳動法(DNA多型、1995、vol.3、
10−15)、(2)電気泳動する試料を予め試料調整
の段階でグループ分けして各電気泳動路当たりに含まれ
る断片数を減少させる方法(Nucleic Acid
s Research、1995、Vol.23、N
o.18、3685−3690、NucleicAci
ds Symposium Series、1996、
No.35、257−258)が報告されている。
試みとして、(1)泳動方向、及び泳動条件を変化させ
て電気泳動操作を2回繰り返して分離能を向上させる二
次元電気泳動法(DNA多型、1995、vol.3、
10−15)、(2)電気泳動する試料を予め試料調整
の段階でグループ分けして各電気泳動路当たりに含まれ
る断片数を減少させる方法(Nucleic Acid
s Research、1995、Vol.23、N
o.18、3685−3690、NucleicAci
ds Symposium Series、1996、
No.35、257−258)が報告されている。
【0004】上記の(1)、(2)に於ける技術では、
電気泳動パターンを他のデータと比較は目視によりなさ
れており、電気泳動パターンは、横軸と縦軸(信号強度
に相当)の何れもがアナログ量であり、横軸、及び縦軸
を伸び縮みさせながら比較を行なっていた。しかし、電
気泳動パターンの横軸は、分離媒体であるゲルの長さ、
温度、電界強度に依存して変化するので、電気泳動パタ
ーンの測定毎に横軸のずれが生じ、既に測定済みのデー
タと照合する時には問題を生じ易く、通常は、同じゲル
で同時に測定したデータ同士を比較していた。遺伝子発
現プロファイルの分析のように、得られるエレクトロフ
ェログラム(電気泳動パターン)中のピーク数が多数で
あり、ピーク強度が種々である場合には、エレクトロフ
ェログラムの解析が困難となり、数多くの試料セットを
測定し比較する必要があり、手間と忍耐のいる作業でも
あった。
電気泳動パターンを他のデータと比較は目視によりなさ
れており、電気泳動パターンは、横軸と縦軸(信号強度
に相当)の何れもがアナログ量であり、横軸、及び縦軸
を伸び縮みさせながら比較を行なっていた。しかし、電
気泳動パターンの横軸は、分離媒体であるゲルの長さ、
温度、電界強度に依存して変化するので、電気泳動パタ
ーンの測定毎に横軸のずれが生じ、既に測定済みのデー
タと照合する時には問題を生じ易く、通常は、同じゲル
で同時に測定したデータ同士を比較していた。遺伝子発
現プロファイルの分析のように、得られるエレクトロフ
ェログラム(電気泳動パターン)中のピーク数が多数で
あり、ピーク強度が種々である場合には、エレクトロフ
ェログラムの解析が困難となり、数多くの試料セットを
測定し比較する必要があり、手間と忍耐のいる作業でも
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電気泳動パターンの比
較は、病気の診断、病気の早期発見に重要であり、ます
ます用途が拡大しているのが現状である。更に、生体
内、細胞中での生化学現象を理解するにも使用され重要
であるため、データベース化して使いやすい電気泳動パ
ターンの解析法、又は電気泳動パターンのデータベース
化技術が望まれている。特に、電気泳動条件により変化
する横軸の量、即ち泳動時間というアナログ量を取り扱
いやすいデジタル量に変換し、比較し易いデータセット
にすることが必要である。更に、遺伝子発現プロファイ
ルに関連した電気泳動パターンでは、現れる多数のピー
クの強度も重要な情報である。ピークの強度とピークが
出現する泳働時間(デジタル量)を取り込んだデータベ
ースフォーマットと、ピークの強度とピークが出現する
泳働時間の取得方法の開発が望まれている。
較は、病気の診断、病気の早期発見に重要であり、ます
ます用途が拡大しているのが現状である。更に、生体
内、細胞中での生化学現象を理解するにも使用され重要
であるため、データベース化して使いやすい電気泳動パ
ターンの解析法、又は電気泳動パターンのデータベース
化技術が望まれている。特に、電気泳動条件により変化
する横軸の量、即ち泳動時間というアナログ量を取り扱
いやすいデジタル量に変換し、比較し易いデータセット
にすることが必要である。更に、遺伝子発現プロファイ
ルに関連した電気泳動パターンでは、現れる多数のピー
クの強度も重要な情報である。ピークの強度とピークが
出現する泳働時間(デジタル量)を取り込んだデータベ
ースフォーマットと、ピークの強度とピークが出現する
泳働時間の取得方法の開発が望まれている。
【0006】従来技術に於ける遺伝子発現プロファイル
の分析では、測定対象のDNA断片数は非常に多く、ま
た信号強度も種々であり、全ての信号強度をデータベー
スに取り入れると煩雑になるので、通常は一定強度以下
の信号を切り捨てていた。しかし、信号強度を切り捨て
るか否かを判断するしきい値を、常に一律に設定すると
重要な信号を落とす可能性があるという問題がある。例
えば、遺伝子発現プロファイルの分析では、断片群をグ
ループに分け別々の泳動路で泳動分離するが、あるグル
ープは発現量の高い遺伝子が多く含まれ、大きな信号強
度を持つピークを多数含む電気泳動パターンが得られ、
別のグループには発現量の高い遺伝子が少なく、大きな
信号強度を持つピークが少ない電気泳動パターンが得ら
れる場合があり、上記のしきい値を各グループの電気泳
動結果に於いて一律に設定すると重要な信号を落として
しまうという問題がある。
の分析では、測定対象のDNA断片数は非常に多く、ま
た信号強度も種々であり、全ての信号強度をデータベー
スに取り入れると煩雑になるので、通常は一定強度以下
の信号を切り捨てていた。しかし、信号強度を切り捨て
るか否かを判断するしきい値を、常に一律に設定すると
重要な信号を落とす可能性があるという問題がある。例
えば、遺伝子発現プロファイルの分析では、断片群をグ
ループに分け別々の泳動路で泳動分離するが、あるグル
ープは発現量の高い遺伝子が多く含まれ、大きな信号強
度を持つピークを多数含む電気泳動パターンが得られ、
別のグループには発現量の高い遺伝子が少なく、大きな
信号強度を持つピークが少ない電気泳動パターンが得ら
れる場合があり、上記のしきい値を各グループの電気泳
動結果に於いて一律に設定すると重要な信号を落として
しまうという問題がある。
【0007】本発明の目的は、上記問題点を解決し、大
きな信号強度を持つピークが少ない電気泳動パターンの
場合にも、相対的に発現量が大きい信号強度を持つピー
クを一定量データベースに取り込み、かつ発現量の大小
をデータとして保持する一般化されたデータベースを実
現し、データベース化し易い核酸断片の電気泳動パター
ンの解析法を提供することにある。
きな信号強度を持つピークが少ない電気泳動パターンの
場合にも、相対的に発現量が大きい信号強度を持つピー
クを一定量データベースに取り込み、かつ発現量の大小
をデータとして保持する一般化されたデータベースを実
現し、データベース化し易い核酸断片の電気泳動パター
ンの解析法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の核酸断片の電気
泳動パターンの解析法では、電気泳動の結果得られたエ
レクトロフェログラムのデータの信号強度及び電気泳動
時間をデジタル量に変換して、デジタル化されたエレク
トロフェログラムデータを得る。エレクトロフェログラ
ムデータを処理してピーク判定を行ない、種々の試料
(健康な正常な人、病気の人の臓器、器官から抽出した
各種試料)から得られる電気泳動結果を比較する。ゲル
電気泳動では、泳動時間は分子のゲル中での形態に依存
し、必ずしもDNA断片の長さに比例しない。そこで、
塩基長が既知である複数のDNA断片の塩基長を基準と
して使用し、エレクトロフェログラムの各ピーク位置
を、基準とする既知DNAの塩基長(複数)の中間又は
延長線上で内捜又は外捜して仮想的な塩基長として求め
る。以下の説明では、この仮想的な塩基長を「擬似塩基
長」と定義して使用する。実際の塩基長は整数である
が、擬似塩基長は小数点以下の数を含む実数である。擬
似塩基長が設定される擬似塩基長軸の精度(軸の刻み
幅)を、ゲル分離に於ける分解能を参考にしてエレクト
ロフェログラムの横軸の値に応じて変化させている。即
ち、擬似塩基長軸に、エレクトロフェログラムの横軸の
分解能に応じて、複数の擬似塩基長(デジタル量)の位
置が設定されている。エレクトロフェログラムに出現す
るピーク位置を求め、電気泳動時間を擬似塩基長に変換
し、変換された擬似塩基長が、擬似塩基長軸に設定され
た各擬似塩基長の値のうち最も近接する値にピークが存
在すると判定して、ピーク強度データをメモリに格納す
る。
泳動パターンの解析法では、電気泳動の結果得られたエ
レクトロフェログラムのデータの信号強度及び電気泳動
時間をデジタル量に変換して、デジタル化されたエレク
トロフェログラムデータを得る。エレクトロフェログラ
ムデータを処理してピーク判定を行ない、種々の試料
(健康な正常な人、病気の人の臓器、器官から抽出した
各種試料)から得られる電気泳動結果を比較する。ゲル
電気泳動では、泳動時間は分子のゲル中での形態に依存
し、必ずしもDNA断片の長さに比例しない。そこで、
塩基長が既知である複数のDNA断片の塩基長を基準と
して使用し、エレクトロフェログラムの各ピーク位置
を、基準とする既知DNAの塩基長(複数)の中間又は
延長線上で内捜又は外捜して仮想的な塩基長として求め
る。以下の説明では、この仮想的な塩基長を「擬似塩基
長」と定義して使用する。実際の塩基長は整数である
が、擬似塩基長は小数点以下の数を含む実数である。擬
似塩基長が設定される擬似塩基長軸の精度(軸の刻み
幅)を、ゲル分離に於ける分解能を参考にしてエレクト
ロフェログラムの横軸の値に応じて変化させている。即
ち、擬似塩基長軸に、エレクトロフェログラムの横軸の
分解能に応じて、複数の擬似塩基長(デジタル量)の位
置が設定されている。エレクトロフェログラムに出現す
るピーク位置を求め、電気泳動時間を擬似塩基長に変換
し、変換された擬似塩基長が、擬似塩基長軸に設定され
た各擬似塩基長の値のうち最も近接する値にピークが存
在すると判定して、ピーク強度データをメモリに格納す
る。
【0009】エレクトロフェログラムの縦軸の信号強度
は、指標とする所定の基準ピーク(プライマーのピー
ク、エレクトロフェログラム中での最高強度を持つピー
ク、試料内マーカー又は試料中に加えた基準マーカーの
ピーク等)の強度により規格化されたデジタル量であ
る。ピーク強度の比較では相対的な変化が重要であり、
ピーク強度を必ずしもリニアスケールにする必要はな
い。規格化された信号強度(以下、規格化信号強度と略
記する)に対して、ピーク判定処理を行ない擬似塩基長
の領域(例えば、擬似塩基長100から200まで、擬
似塩基長1から500まで等)について、規格化信号強
度の度数分布を求める。規格化信号強度の度数分布から
累積度数分布(%)を計算し、累積度数分布からピーク
と判定するためのしきい値を決定する。度数分布から泳
動路毎の信号強度の分布状態が判明するので、ピーク判
定のためのしきい値を設定する際に、泳動路毎のエレク
トロフェログラムに出現する、PCR増幅に於ける増幅
効率のばらつきの影響が低減できる。
は、指標とする所定の基準ピーク(プライマーのピー
ク、エレクトロフェログラム中での最高強度を持つピー
ク、試料内マーカー又は試料中に加えた基準マーカーの
ピーク等)の強度により規格化されたデジタル量であ
る。ピーク強度の比較では相対的な変化が重要であり、
ピーク強度を必ずしもリニアスケールにする必要はな
い。規格化された信号強度(以下、規格化信号強度と略
記する)に対して、ピーク判定処理を行ない擬似塩基長
の領域(例えば、擬似塩基長100から200まで、擬
似塩基長1から500まで等)について、規格化信号強
度の度数分布を求める。規格化信号強度の度数分布から
累積度数分布(%)を計算し、累積度数分布からピーク
と判定するためのしきい値を決定する。度数分布から泳
動路毎の信号強度の分布状態が判明するので、ピーク判
定のためのしきい値を設定する際に、泳動路毎のエレク
トロフェログラムに出現する、PCR増幅に於ける増幅
効率のばらつきの影響が低減できる。
【0010】次に、規格化信号強度グラフからしきい値
以上の強度を持つ領域を抽出する処理と並行して、規格
化信号強度グラフに於ける極大点を与える擬似塩基長を
求める。具体的には、規格化信号強度グラフに於いて一
定の擬似塩基長毎に傾きを計算し、傾きの符号が正から
負へ変化する点、即ち極大点を与える擬似塩基長を求め
る。傾きを計算する際には、現在DNA断片を最も精度
良く分離できる変性ポリアクリルアミドゲルの分離能が
1塩基であることから、擬似塩基長0.5の間隔毎の傾
きを計算する。電気泳動の分離能よりも高い精度で傾き
を計算しても何ら意味がなく、せいぜい電気泳動の分離
能の1/2の間隔から1/10の間隔で、傾きを計算す
れば十分である。以上のようにして、設定したしきい値
以上の値を持つ領域に於ける規格化信号強度グラフの極
大点を抽出し、各電気泳動路から得たエレクトロフェロ
グラムに於けるピーク位置と判定する。
以上の強度を持つ領域を抽出する処理と並行して、規格
化信号強度グラフに於ける極大点を与える擬似塩基長を
求める。具体的には、規格化信号強度グラフに於いて一
定の擬似塩基長毎に傾きを計算し、傾きの符号が正から
負へ変化する点、即ち極大点を与える擬似塩基長を求め
る。傾きを計算する際には、現在DNA断片を最も精度
良く分離できる変性ポリアクリルアミドゲルの分離能が
1塩基であることから、擬似塩基長0.5の間隔毎の傾
きを計算する。電気泳動の分離能よりも高い精度で傾き
を計算しても何ら意味がなく、せいぜい電気泳動の分離
能の1/2の間隔から1/10の間隔で、傾きを計算す
れば十分である。以上のようにして、設定したしきい値
以上の値を持つ領域に於ける規格化信号強度グラフの極
大点を抽出し、各電気泳動路から得たエレクトロフェロ
グラムに於けるピーク位置と判定する。
【0011】核酸(DNA、RNA)断片のエレクトロ
フェログラムを解析する場合、解析装置の検出感度限界
のため、試料をPCR増幅した後解析を行なうことが多
いが、PCR増幅では、増幅する試料、増幅に使用する
プライマー毎によって増幅効率に差異が生じるので、異
なる試料、及び異なるプライマーをPCR増幅に用いた
試料のエレクトロフェログラムの厳密な比較を行なうに
は、ピーク判定のしきい値を変える必要がある。
フェログラムを解析する場合、解析装置の検出感度限界
のため、試料をPCR増幅した後解析を行なうことが多
いが、PCR増幅では、増幅する試料、増幅に使用する
プライマー毎によって増幅効率に差異が生じるので、異
なる試料、及び異なるプライマーをPCR増幅に用いた
試料のエレクトロフェログラムの厳密な比較を行なうに
は、ピーク判定のしきい値を変える必要がある。
【0012】本発明では、電気泳動路毎で得るエレクト
ロフェログラムに於いて、ピーク判定を行なうためのし
きい値を、エレクトロフェログラム毎に設定でき、厳密
な比較が可能になる。信号強度の比較を行なう場合、ピ
ーク判定に使用するしきい値を多段階に設定し、信号強
度の強さを2段階だけでなく、3、4、5段階等の数段
階に分類できる。また、標準検体と検査検体のピークを
多色で表示して、比較、判別が容易にできる。本発明の
ピーク判定操作により、エレクトロフェログラムのピー
ク数に関する情報が得られるので、異なる電気泳動路か
ら得たエレクトロフェログラムデータの比較も簡単にで
き、データベース化しやすいという利点がある。複数の
エレクトロフェログラムデータを比較するとき、電気泳
動の条件により、同じ擬似塩基長に帰属されるべき信号
が異なる擬似塩基長に帰属されてしまい、比較の際に間
違いが生じる可能性があるので、比較時の許容値をあわ
せて指定して比較を行なう。
ロフェログラムに於いて、ピーク判定を行なうためのし
きい値を、エレクトロフェログラム毎に設定でき、厳密
な比較が可能になる。信号強度の比較を行なう場合、ピ
ーク判定に使用するしきい値を多段階に設定し、信号強
度の強さを2段階だけでなく、3、4、5段階等の数段
階に分類できる。また、標準検体と検査検体のピークを
多色で表示して、比較、判別が容易にできる。本発明の
ピーク判定操作により、エレクトロフェログラムのピー
ク数に関する情報が得られるので、異なる電気泳動路か
ら得たエレクトロフェログラムデータの比較も簡単にで
き、データベース化しやすいという利点がある。複数の
エレクトロフェログラムデータを比較するとき、電気泳
動の条件により、同じ擬似塩基長に帰属されるべき信号
が異なる擬似塩基長に帰属されてしまい、比較の際に間
違いが生じる可能性があるので、比較時の許容値をあわ
せて指定して比較を行なう。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の核酸断片の電気泳
動パターン(エレクトロフェログラム)の解析法、及び
解析結果の表示方法、エレクトロフェログラムのデータ
ベース化、及びエレクトロフェログラムの比較法を、図
を参照して詳細に説明する。
動パターン(エレクトロフェログラム)の解析法、及び
解析結果の表示方法、エレクトロフェログラムのデータ
ベース化、及びエレクトロフェログラムの比較法を、図
を参照して詳細に説明する。
【0014】(第1の実施例)第1の実施例では、試料
としてヒト心室から抽出したmRNAから作製したcD
NAライブラリを用いた。種々の検体から抽出したmR
NA試料の比較を行なう場合、cDNA断片の電気泳動
パターンは、検体毎に泳動パターンのうちの一部が変化
しており、一部の変化したパターン以外は、ほぼ同じパ
ターンを示すことが殆どであり、このような場合に本発
明を適応し、検体毎の違いを簡単に比較する例が第1の
実施例である。
としてヒト心室から抽出したmRNAから作製したcD
NAライブラリを用いた。種々の検体から抽出したmR
NA試料の比較を行なう場合、cDNA断片の電気泳動
パターンは、検体毎に泳動パターンのうちの一部が変化
しており、一部の変化したパターン以外は、ほぼ同じパ
ターンを示すことが殆どであり、このような場合に本発
明を適応し、検体毎の違いを簡単に比較する例が第1の
実施例である。
【0015】図1から図5は、本実施例のエレクトロフ
ェログラム解析方法手順、結果の表示方法を説明する図
である。検体毎に調製された試料は、複数の泳動路で電
気泳動分離される。電気泳動によって得られるエレクト
ロフェログラムに、以下の手順でピーク判定処理が施さ
れる。(1):各エレクトロフェログラムのプライマー
のピークで、泳動時間を擬似塩基長に変換し蛍光強度信
号を規格化し、ピーク判定を行なう擬似塩基長領域の規
格化信号強度を抽出する。次に、抽出した擬似塩基長領
域の規格化信号強度の度数分布を計算し、度数分布を参
照して決定したしきい値により、信号を2段階に分類
し、しきい値より大きい信号強度を持つ信号を抽出す
る。(2):0.5塩基間隔で規格化信号強度の傾きを
計算し、信号強度の傾きの変化率から規格化信号強度の
変曲点のうち極大点を抽出する。(3):(1)の操作
で抽出した領域に於ける規格化信号強度の極大点
((2)で抽出)を抽出し、エレクトロフェログラムに
於けるピークと判定する。ピーク位置は、0.5塩基間
隔で各擬似塩基長が設定された擬似塩基長軸の各擬似塩
基長の値に最も近接する値とする。
ェログラム解析方法手順、結果の表示方法を説明する図
である。検体毎に調製された試料は、複数の泳動路で電
気泳動分離される。電気泳動によって得られるエレクト
ロフェログラムに、以下の手順でピーク判定処理が施さ
れる。(1):各エレクトロフェログラムのプライマー
のピークで、泳動時間を擬似塩基長に変換し蛍光強度信
号を規格化し、ピーク判定を行なう擬似塩基長領域の規
格化信号強度を抽出する。次に、抽出した擬似塩基長領
域の規格化信号強度の度数分布を計算し、度数分布を参
照して決定したしきい値により、信号を2段階に分類
し、しきい値より大きい信号強度を持つ信号を抽出す
る。(2):0.5塩基間隔で規格化信号強度の傾きを
計算し、信号強度の傾きの変化率から規格化信号強度の
変曲点のうち極大点を抽出する。(3):(1)の操作
で抽出した領域に於ける規格化信号強度の極大点
((2)で抽出)を抽出し、エレクトロフェログラムに
於けるピークと判定する。ピーク位置は、0.5塩基間
隔で各擬似塩基長が設定された擬似塩基長軸の各擬似塩
基長の値に最も近接する値とする。
【0016】上記の各操作を、以下により詳細に説明す
る。図1に示す、1は試料の電気泳動によって得られた
エレクトロフェログラムの一部であり、8は各電気泳動
路のエレクトロフェログラムの一部を示す。エレクトロ
フェログラムの横軸2は泳動時間を示す。ピーク判定処
理(1)に於いて、エレクトロフェログラムの蛍光信号
強度をプライマーの蛍光信号強度で規格化を行ない、泳
動時間を基準ピークとなるプライマーのピークを用いて
擬似塩基長に変換した。ピーク判定を行なう塩基長領域
は、検体毎に設定できるが、本実施例に於いてはDNA
断片の断片長100塩基から500塩基までの領域につ
いてピーク判定処理を行なう領域とした。図2に示す、
3は規格化されたエレクトロフェログラムの一部であ
り、横軸4は擬似塩基長を示す。規格化信号強度の累積
度数分布に於いて、80%となる信号強度をしきい値と
して、しきい値以上の信号強度を有する領域を抽出し
た。図3に示す、5は、しきい値以上の信号強度を有す
る領域と、しきい値未満の信号強度を有する領域と区分
けした結果を表示した例である。
る。図1に示す、1は試料の電気泳動によって得られた
エレクトロフェログラムの一部であり、8は各電気泳動
路のエレクトロフェログラムの一部を示す。エレクトロ
フェログラムの横軸2は泳動時間を示す。ピーク判定処
理(1)に於いて、エレクトロフェログラムの蛍光信号
強度をプライマーの蛍光信号強度で規格化を行ない、泳
動時間を基準ピークとなるプライマーのピークを用いて
擬似塩基長に変換した。ピーク判定を行なう塩基長領域
は、検体毎に設定できるが、本実施例に於いてはDNA
断片の断片長100塩基から500塩基までの領域につ
いてピーク判定処理を行なう領域とした。図2に示す、
3は規格化されたエレクトロフェログラムの一部であ
り、横軸4は擬似塩基長を示す。規格化信号強度の累積
度数分布に於いて、80%となる信号強度をしきい値と
して、しきい値以上の信号強度を有する領域を抽出し
た。図3に示す、5は、しきい値以上の信号強度を有す
る領域と、しきい値未満の信号強度を有する領域と区分
けした結果を表示した例である。
【0017】ピーク判定処理(2)に於いて、変性ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動の分離能(およそ1塩基)
よりも細かな領域(0.5塩基)でデータの区分けを行
なうために、規格化信号強度の傾きを擬似塩基長0.5
毎に求め、電気泳動の分離能よりも細かくエレクトロフ
ェログラムの極大点の位置を求めた。ピーク判定処理
(3)に於いて、(1)の操作で抽出した領域と(2)
の操作で求めた極大点の位置から、エレクトロフェログ
ラムに於けるピーク位置を求め、データの2進法表記化
を行なう。ピーク位置は、0.5塩基間隔で各擬似塩基
長が設定された擬似塩基長軸の各擬似塩基長の値に最も
近接する値とする。図4に示す、6はピーク判定処理の
結果の表示例であり、図5に示す、7はピーク判定処理
を行なった結果と、もとのエレクトロフェログラムとを
重ねて表示した例である。異なる電気泳動路から得たエ
レクトロフェログラムデータの比較をしやすくするた
め、またピーク位置の情報の形式を統一してデータベー
ス化しやすくするために、図4に示す6、図5に示す7
に於けるピーク位置は、擬似塩基長軸の各擬似塩基長値
のうち最も近接する値とする。
アクリルアミドゲル電気泳動の分離能(およそ1塩基)
よりも細かな領域(0.5塩基)でデータの区分けを行
なうために、規格化信号強度の傾きを擬似塩基長0.5
毎に求め、電気泳動の分離能よりも細かくエレクトロフ
ェログラムの極大点の位置を求めた。ピーク判定処理
(3)に於いて、(1)の操作で抽出した領域と(2)
の操作で求めた極大点の位置から、エレクトロフェログ
ラムに於けるピーク位置を求め、データの2進法表記化
を行なう。ピーク位置は、0.5塩基間隔で各擬似塩基
長が設定された擬似塩基長軸の各擬似塩基長の値に最も
近接する値とする。図4に示す、6はピーク判定処理の
結果の表示例であり、図5に示す、7はピーク判定処理
を行なった結果と、もとのエレクトロフェログラムとを
重ねて表示した例である。異なる電気泳動路から得たエ
レクトロフェログラムデータの比較をしやすくするた
め、またピーク位置の情報の形式を統一してデータベー
ス化しやすくするために、図4に示す6、図5に示す7
に於けるピーク位置は、擬似塩基長軸の各擬似塩基長値
のうち最も近接する値とする。
【0018】ピーク判定処理を行なう前のエレクトロフ
ェログラムは試料検体毎に固有であり、試料DNA断片
群が異なると異なるパターンを示すので、DNAの診断
等に広く使用できる。しかし、電気泳動の結果得られる
エレクトロフェログラムの膨大な情報を用いて診断等に
利用するためには、ピーク判定処理、及び比較基準を画
一的に行なう必要がある。本実施例では、電気泳動路毎
で得たエレクトロフェログラムの信号強度の度数分布を
求めて、しきい値を決定する。即ち、必要なパラメータ
ーを電気泳動路毎で得たエレクトロフェログラムに設定
できる。また、データベース化する際に、塩基長データ
を擬似塩基長、ピークの有無、及びピーク数の情報を2
進法表記するので、データは必要最小限のファイルサイ
ズで格納できるという利点がある。
ェログラムは試料検体毎に固有であり、試料DNA断片
群が異なると異なるパターンを示すので、DNAの診断
等に広く使用できる。しかし、電気泳動の結果得られる
エレクトロフェログラムの膨大な情報を用いて診断等に
利用するためには、ピーク判定処理、及び比較基準を画
一的に行なう必要がある。本実施例では、電気泳動路毎
で得たエレクトロフェログラムの信号強度の度数分布を
求めて、しきい値を決定する。即ち、必要なパラメータ
ーを電気泳動路毎で得たエレクトロフェログラムに設定
できる。また、データベース化する際に、塩基長データ
を擬似塩基長、ピークの有無、及びピーク数の情報を2
進法表記するので、データは必要最小限のファイルサイ
ズで格納できるという利点がある。
【0019】(第2の実施例)第2の実施例は、異なる
検体から抽出したヒト神経芽細胞腫のmRNAを分析し
た例である。ピーク判定処理は、第1の実施例と同様
に、電気泳動分離された相補鎖合成反応産物のエレクト
ロフェログラムについて行なう。図6に示す、10はピ
ーク判定処理を行なう前の試料のエレクトロフェログラ
ムの一部である。横軸は泳動時間13であり、各電気泳
動路から得たエレクトロフェログラム14は、異なる検
体から抽出した試料に基づく。11は健康なヒトから抽
出した試料を泳動した電気泳動路から得たエレクトロフ
ェログラム(スタンダード)の一部であり、12は健康
でないヒトから抽出した試料を泳動した電気泳動路から
得たエレクトロフェログラム(テスト)の一部である。
図7に示す、15はピーク判定処理の結果の表示例であ
り、横軸は擬似塩基長20である。16は、スタンダー
ド試料についてのピーク判定処理の結果、17は、テス
ト試料についてのピーク判定処理結果である。エレクト
ロフェログラムのピーク判定処理の後、16(スタンダ
ード)と17(テスト)との差分を表示した例である。
図8に示す、18は16と17との差の表示例である。
図8の下から出るバーは、17にだけ出現するピークを
表し、図8の上から出るバーは、16にだけ出現するピ
ークを表す。
検体から抽出したヒト神経芽細胞腫のmRNAを分析し
た例である。ピーク判定処理は、第1の実施例と同様
に、電気泳動分離された相補鎖合成反応産物のエレクト
ロフェログラムについて行なう。図6に示す、10はピ
ーク判定処理を行なう前の試料のエレクトロフェログラ
ムの一部である。横軸は泳動時間13であり、各電気泳
動路から得たエレクトロフェログラム14は、異なる検
体から抽出した試料に基づく。11は健康なヒトから抽
出した試料を泳動した電気泳動路から得たエレクトロフ
ェログラム(スタンダード)の一部であり、12は健康
でないヒトから抽出した試料を泳動した電気泳動路から
得たエレクトロフェログラム(テスト)の一部である。
図7に示す、15はピーク判定処理の結果の表示例であ
り、横軸は擬似塩基長20である。16は、スタンダー
ド試料についてのピーク判定処理の結果、17は、テス
ト試料についてのピーク判定処理結果である。エレクト
ロフェログラムのピーク判定処理の後、16(スタンダ
ード)と17(テスト)との差分を表示した例である。
図8に示す、18は16と17との差の表示例である。
図8の下から出るバーは、17にだけ出現するピークを
表し、図8の上から出るバーは、16にだけ出現するピ
ークを表す。
【0020】種々の検体の比較を行なう際には、電気泳
動路毎の泳動速度のばらつきが問題となる。各電気泳動
路での泳動速度は、分子量マーカーの泳動速度を基準と
して補正を行なうが、電気泳動分離されたマーカーによ
る補正であるため、電気泳動の分離能より細かい補正は
不可能である。従って、異なる電気泳動路から得たエレ
クトロフェログラムの比較を行なうには、分離能かそれ
以上の領域で比較を行なう。本実施例では、16と17
の比較を行なう際、2塩基以内の泳動速度のずれを許容
して比較を行なった。
動路毎の泳動速度のばらつきが問題となる。各電気泳動
路での泳動速度は、分子量マーカーの泳動速度を基準と
して補正を行なうが、電気泳動分離されたマーカーによ
る補正であるため、電気泳動の分離能より細かい補正は
不可能である。従って、異なる電気泳動路から得たエレ
クトロフェログラムの比較を行なうには、分離能かそれ
以上の領域で比較を行なう。本実施例では、16と17
の比較を行なう際、2塩基以内の泳動速度のずれを許容
して比較を行なった。
【0021】図9に示す、19は信号強度の度数分布か
らしきい値を数個決定し、信号強度を数段階に分ける処
理を行ない、各段階の信号強度に対してピーク判定処理
を行ない、ピーク判定処理結果を、ピーク位置を表す線
(バー)の長さを変えて、信号強度の段階に応じて表示
し、しきい値によって段階化された信号強度を表示した
例である。図9では、バーの長さを変えて表示している
が、長さでなくバーの太さ、色を変えて表示してもよ
い。図9に示すように、信号強度の度数分布からしきい
値を数個決定し、信号強度を数段階に分けて各段階の信
号強度に対してピーク判定処理を行ない、信号強度を段
階、塩基長データを擬似塩基長、ピークの有無、及びピ
ーク数の情報を格納データとすることにより、データベ
ース化する際により詳細な遺伝子の発現状況の情報を蓄
積できる。
らしきい値を数個決定し、信号強度を数段階に分ける処
理を行ない、各段階の信号強度に対してピーク判定処理
を行ない、ピーク判定処理結果を、ピーク位置を表す線
(バー)の長さを変えて、信号強度の段階に応じて表示
し、しきい値によって段階化された信号強度を表示した
例である。図9では、バーの長さを変えて表示している
が、長さでなくバーの太さ、色を変えて表示してもよ
い。図9に示すように、信号強度の度数分布からしきい
値を数個決定し、信号強度を数段階に分けて各段階の信
号強度に対してピーク判定処理を行ない、信号強度を段
階、塩基長データを擬似塩基長、ピークの有無、及びピ
ーク数の情報を格納データとすることにより、データベ
ース化する際により詳細な遺伝子の発現状況の情報を蓄
積できる。
【0022】本実施例によれば、画一的に多数のエレク
トロフェログラムの比較処理ができ、比較の結果も確認
しやすくなる。また、異なる電気泳動路から得たエレク
トロフェログラムの比較に於いては、電気泳動の分離能
以下に区分けしてピーク判定した後、分離能又はそれ以
上の区分けで比較を行なうため、電気泳動路毎の泳動速
度のばらつきの影響を低減でき、厳密な比較が可能にな
る。
トロフェログラムの比較処理ができ、比較の結果も確認
しやすくなる。また、異なる電気泳動路から得たエレク
トロフェログラムの比較に於いては、電気泳動の分離能
以下に区分けしてピーク判定した後、分離能又はそれ以
上の区分けで比較を行なうため、電気泳動路毎の泳動速
度のばらつきの影響を低減でき、厳密な比較が可能にな
る。
【0023】図10は、本発明が適用されるDNAシー
ケンサーの構成例を示す図である、30は蛍光検出方式
のDNAシーケンサー、31はDNAシーケンサー30
を操作し、DNAシーケンサー30からの信号を記録す
るメモリを有するコンピュータ、32は表示モニターで
ある。DNAシーケンサー30は、泳動分離部のゲル4
0、レーザー光源41、CCDカメラ43から構成され
る。ゲル40で電気泳動分離されたDNA断片44は、
ゲル40の上部から下部へ分子量の小さいDNA断片か
ら順次移動してくる。DNA断片44は蛍光体で標識さ
れており、ゲル40中でレーザー光源41からのレーザ
ービーム42にり照射され蛍光を発する。蛍光はCCD
カメラ43で検出されコンピュータ31に送信され記憶
される。送信された電気泳動データはリアルタイム、又
は電気泳動が終了した後にモニター32に表示される。
コンピュータ31に記憶された電気泳動データは、電気
泳動が終了した後に、ピーク判定処理がなされ、結果が
モニター32に表示される。
ケンサーの構成例を示す図である、30は蛍光検出方式
のDNAシーケンサー、31はDNAシーケンサー30
を操作し、DNAシーケンサー30からの信号を記録す
るメモリを有するコンピュータ、32は表示モニターで
ある。DNAシーケンサー30は、泳動分離部のゲル4
0、レーザー光源41、CCDカメラ43から構成され
る。ゲル40で電気泳動分離されたDNA断片44は、
ゲル40の上部から下部へ分子量の小さいDNA断片か
ら順次移動してくる。DNA断片44は蛍光体で標識さ
れており、ゲル40中でレーザー光源41からのレーザ
ービーム42にり照射され蛍光を発する。蛍光はCCD
カメラ43で検出されコンピュータ31に送信され記憶
される。送信された電気泳動データはリアルタイム、又
は電気泳動が終了した後にモニター32に表示される。
コンピュータ31に記憶された電気泳動データは、電気
泳動が終了した後に、ピーク判定処理がなされ、結果が
モニター32に表示される。
【0024】図11は、本発明の核酸断片の電気泳動パ
ターンの解析法のフローを示す図である。まず、基準ピ
ーク(基準とする既知DNAの複数の塩基長のピーク)
を用いて、電気泳動データ50の泳動時間を擬似塩基長
に変換する操作51を行ない、泳動時間が擬似塩基長に
変換されたデータを得る。51で得られたデータから、
ピーク判定を行なう擬似塩基長領域のデータを抽出する
操作52を行なう。次に、電気泳動データの信号強度を
基準ピークの信号強度で規格化する操作53を行なう。
規格化信号強度について信号強度の度数分布を計算する
操作54を行ない、度数分布からピーク判定に使用する
しきい値を決定する操作55を行なう。55で決定した
しきい値と規格化信号強度を比較し、規格化信号強度の
中からしきい値より大きな値を持つ信号強度を抽出する
操作56を行ない、しきい値より大きな信号強度を持つ
領域を得る。また、規格化信号強度の傾きを0.5擬似
塩基長毎に計算し、信号強度の傾きの変化率から信号強
度の極大値を求める操作57を行なう。57で求めた信
号強度の極大値のうち56で抽出した領域に含まれる極
大値を抽出する操作58を行ない、55で決定したしき
い値より信号強度の大きい極大値を抽出し、ピークと判
定する。ピークと判定された信号強度を与える泳動時間
を、擬似塩基長軸の各擬似塩基長の値のうち最も近い値
に割り当てる操作59を行ない、擬似塩基長に対するピ
ークの有無の情報を得る。電気泳動により、複数の電気
泳動路からエレクトロフェログラムが得られる場合に
は、操作52、53、54、55、56、57、58、
59を繰り返してピーク判定処理を行なう。
ターンの解析法のフローを示す図である。まず、基準ピ
ーク(基準とする既知DNAの複数の塩基長のピーク)
を用いて、電気泳動データ50の泳動時間を擬似塩基長
に変換する操作51を行ない、泳動時間が擬似塩基長に
変換されたデータを得る。51で得られたデータから、
ピーク判定を行なう擬似塩基長領域のデータを抽出する
操作52を行なう。次に、電気泳動データの信号強度を
基準ピークの信号強度で規格化する操作53を行なう。
規格化信号強度について信号強度の度数分布を計算する
操作54を行ない、度数分布からピーク判定に使用する
しきい値を決定する操作55を行なう。55で決定した
しきい値と規格化信号強度を比較し、規格化信号強度の
中からしきい値より大きな値を持つ信号強度を抽出する
操作56を行ない、しきい値より大きな信号強度を持つ
領域を得る。また、規格化信号強度の傾きを0.5擬似
塩基長毎に計算し、信号強度の傾きの変化率から信号強
度の極大値を求める操作57を行なう。57で求めた信
号強度の極大値のうち56で抽出した領域に含まれる極
大値を抽出する操作58を行ない、55で決定したしき
い値より信号強度の大きい極大値を抽出し、ピークと判
定する。ピークと判定された信号強度を与える泳動時間
を、擬似塩基長軸の各擬似塩基長の値のうち最も近い値
に割り当てる操作59を行ない、擬似塩基長に対するピ
ークの有無の情報を得る。電気泳動により、複数の電気
泳動路からエレクトロフェログラムが得られる場合に
は、操作52、53、54、55、56、57、58、
59を繰り返してピーク判定処理を行なう。
【0025】本発明の核酸断片の電気泳動パターンの解
析法では、電気泳動分離されたDNA断片あるいはRN
A断片の電気泳動エレクトロフェログラムをピーク判定
処理する際に、電気泳動の各レーンについて各々信号強
度の度数分布からピーク判定処理に使用するしきい値を
決定してピーク判定を行なうが、電気泳動の分離能と同
等かそれより高分離能のデータ区分でピーク判定処理を
行ない、各レーン間での比較を行う際には電気泳動の分
離能と同等かそれより低分離能のデータ区分で比較を行
なう。ピーク判定を行った結果を塩基長に対するピーク
存在有無の情報として統合しデータベースとし、データ
ベースを複数作成し、それらを比較することで電気泳動
エレクトロフェログラムの比較、即ちDNAあるいはR
NA断片の比較を行なう。上記データベースから比較基
準を定め、試料データと比較する際に基準との差分を抽
出して比較を行ない結果を表示する。また、ピーク判定
を行った結果と比較を行なうレーンに対する差分を同時
に表示する。更に、上記解析法に於いて、ピーク判定を
行なうためのしきい値をエレクトロフェログラムの信号
強度の度数分布から多数設定し、信号強度に応じて数段
階にピーク強度を分類しつつ、ピーク判定を行なう。更
に、上記解析法に於いて、ピーク判定を行なうための基
準となるピークを用いて泳動時間を擬似塩基長に変換
し、変換された擬似塩基長を、ピークが存在する泳動時
間軸と擬似塩基長軸に於いても最もずれの少ない擬似塩
基長軸の点に振りわける。
析法では、電気泳動分離されたDNA断片あるいはRN
A断片の電気泳動エレクトロフェログラムをピーク判定
処理する際に、電気泳動の各レーンについて各々信号強
度の度数分布からピーク判定処理に使用するしきい値を
決定してピーク判定を行なうが、電気泳動の分離能と同
等かそれより高分離能のデータ区分でピーク判定処理を
行ない、各レーン間での比較を行う際には電気泳動の分
離能と同等かそれより低分離能のデータ区分で比較を行
なう。ピーク判定を行った結果を塩基長に対するピーク
存在有無の情報として統合しデータベースとし、データ
ベースを複数作成し、それらを比較することで電気泳動
エレクトロフェログラムの比較、即ちDNAあるいはR
NA断片の比較を行なう。上記データベースから比較基
準を定め、試料データと比較する際に基準との差分を抽
出して比較を行ない結果を表示する。また、ピーク判定
を行った結果と比較を行なうレーンに対する差分を同時
に表示する。更に、上記解析法に於いて、ピーク判定を
行なうためのしきい値をエレクトロフェログラムの信号
強度の度数分布から多数設定し、信号強度に応じて数段
階にピーク強度を分類しつつ、ピーク判定を行なう。更
に、上記解析法に於いて、ピーク判定を行なうための基
準となるピークを用いて泳動時間を擬似塩基長に変換
し、変換された擬似塩基長を、ピークが存在する泳動時
間軸と擬似塩基長軸に於いても最もずれの少ない擬似塩
基長軸の点に振りわける。
【0026】
【発明の効果】大きな信号強度を持つピークが少ない電
気泳動パターンの場合にも、相対的にに大きい信号強度
を持つピークを一定量データベースに取り込み、かつ発
現量の大小をデータとして保持するデータベースを実現
し、データベース化し易い核酸断片の電気泳動パターン
の解析法を提供できる。従来技術では、1000以上の
核酸断片からなる試料DNAの電気泳動分離結果を、精
度よく比較、検査することは困難であったが、本発明に
よれば、画一的にエレクトロフェログラムを処理し、泳
動時間を擬似塩基長としてデジタル化、信号強度を2進
法又は数段階に分けてデジタル化するため、複数試料の
結果が容易に比較できる。ピーク判定処理のためのしき
い値をレーン毎に設定できるので厳密な比較が可能にな
る。また従来技術では、電気泳動結果のデータベース化
は困難であったが、本発明によれば、データベース化が
容易である。
気泳動パターンの場合にも、相対的にに大きい信号強度
を持つピークを一定量データベースに取り込み、かつ発
現量の大小をデータとして保持するデータベースを実現
し、データベース化し易い核酸断片の電気泳動パターン
の解析法を提供できる。従来技術では、1000以上の
核酸断片からなる試料DNAの電気泳動分離結果を、精
度よく比較、検査することは困難であったが、本発明に
よれば、画一的にエレクトロフェログラムを処理し、泳
動時間を擬似塩基長としてデジタル化、信号強度を2進
法又は数段階に分けてデジタル化するため、複数試料の
結果が容易に比較できる。ピーク判定処理のためのしき
い値をレーン毎に設定できるので厳密な比較が可能にな
る。また従来技術では、電気泳動結果のデータベース化
は困難であったが、本発明によれば、データベース化が
容易である。
【図1】本発明の第1の実施例に於いて、電気泳動によ
って得られたエレクトロフェログラムの一部を示す図。
って得られたエレクトロフェログラムの一部を示す図。
【図2】本発明の第1の実施例に於いて、規格化された
エレクトロフェログラムの一部を示す図。
エレクトロフェログラムの一部を示す図。
【図3】本発明の第1の実施例に於いて、しきい値以上
の信号強度を有する領域と、しきい値未満の信号強度を
有する領域と区分けした結果の表示例を示す図。
の信号強度を有する領域と、しきい値未満の信号強度を
有する領域と区分けした結果の表示例を示す図。
【図4】本発明の第1の実施例に於いて、ピーク判定処
理の結果の表示例を示す図。
理の結果の表示例を示す図。
【図5】本発明の第1の実施例に於いて、ピーク判定処
理結果と、もとのエレクトロフェログラムとを重ねた表
示例を示す図。
理結果と、もとのエレクトロフェログラムとを重ねた表
示例を示す図。
【図6】本発明の第2の実施例に於いて、ピーク判定処
理を行なう前のエレクトロフェログラムの一部を示す
図。
理を行なう前のエレクトロフェログラムの一部を示す
図。
【図7】本発明の第2の実施例に於いて、ピーク判定処
理結果の表示例を示す図。
理結果の表示例を示す図。
【図8】本発明の第2の実施例に於いて、ピーク判定処
理後の、スタンダード及びテスト試料のエレクトロフェ
ログラムの差分の表示例を示す図。
理後の、スタンダード及びテスト試料のエレクトロフェ
ログラムの差分の表示例を示す図。
【図9】本発明の第2の実施例に於いて、複数のしきい
値を使用して信号強度を数段階に分けて各段階の信号強
度に対してピーク判定処理を行なった結果の表示例を示
す図。
値を使用して信号強度を数段階に分けて各段階の信号強
度に対してピーク判定処理を行なった結果の表示例を示
す図。
【図10】本発明が適用されるDNAシーケンサーの構
成例を示す図。
成例を示す図。
【図11】本発明の核酸断片の電気泳動パターンの解析
法のフローを示す図。
法のフローを示す図。
1…試料DNA断片のエレクトロフェログラムの一部、
2…泳動時間、3…信号強度を規格化したエレクトロフ
ェログラムの一部、4…擬似塩基長、5…エレクトロフ
ェログラムに於いてしきい値により信号強度を領域区分
けした結果、6…ピーク判定処理を行なった結果、7…
エレクトロフェログラムとピーク判定処理を行なった結
果を重ねた表示、8…各電気泳動路のエレクトロフェロ
グラムの一部、10…試料のエレクトロフェログラムの
一部、11…スタンダード試料のエレクトロフェログラ
ムの一部、12…テスト試料(検体)のエレクトロフェ
ログラムの一部、13…泳動時間、14…各電気泳動路
のエレクトロフェログラムの一部、15…エレクトロフ
ェログラムのピーク判定処理結果、16…スタンダード
試料のエレクトロフェログラムのピーク判定処理結果、
17…テスト試料のエレクトロフェログラムのピーク判
定処理結果、18…スタンダード試料、テスト試料のエ
レクトロフェログラムのピーク判定処理結果の差分、1
9…ピーク判定処理を複数のしきい値を用いて行ない、
信号強度に応じてピーク位置を表すバーの長さを変えた
表示、20…擬似塩基長、30…蛍光式DNAシーケン
サー、31…コンピューター、32…モニター、40…
ゲル、41…レーザー光源、42…レーザービーム、4
3…CCDカメラ、44…電気泳動分離されたDNA断
片、50…電気泳動データ、51…基準ピークで泳動時
間を擬似塩基長に変換する操作、52…ピーク判定を行
なう擬似塩基長領域のデータを抽出する操作、53…電
気泳動データの信号強度を基準ピークの信号強度で規格
化する操作、54…規格化信号強度の度数分布を計算す
る操作、55…ピーク判定に使用するしきい値を決定す
る操作、56…しきい値より大きな値を持つ信号強度を
抽出する操作、57…規格化信号強度の極大値を求める
操作、58…しきい値より大きな値を持つ信号強度の領
域に含まれる極大値を抽出する操作、59…ピークと判
定された信号強度の泳動時間を最近接の擬似塩基長に割
り当てる操作。
2…泳動時間、3…信号強度を規格化したエレクトロフ
ェログラムの一部、4…擬似塩基長、5…エレクトロフ
ェログラムに於いてしきい値により信号強度を領域区分
けした結果、6…ピーク判定処理を行なった結果、7…
エレクトロフェログラムとピーク判定処理を行なった結
果を重ねた表示、8…各電気泳動路のエレクトロフェロ
グラムの一部、10…試料のエレクトロフェログラムの
一部、11…スタンダード試料のエレクトロフェログラ
ムの一部、12…テスト試料(検体)のエレクトロフェ
ログラムの一部、13…泳動時間、14…各電気泳動路
のエレクトロフェログラムの一部、15…エレクトロフ
ェログラムのピーク判定処理結果、16…スタンダード
試料のエレクトロフェログラムのピーク判定処理結果、
17…テスト試料のエレクトロフェログラムのピーク判
定処理結果、18…スタンダード試料、テスト試料のエ
レクトロフェログラムのピーク判定処理結果の差分、1
9…ピーク判定処理を複数のしきい値を用いて行ない、
信号強度に応じてピーク位置を表すバーの長さを変えた
表示、20…擬似塩基長、30…蛍光式DNAシーケン
サー、31…コンピューター、32…モニター、40…
ゲル、41…レーザー光源、42…レーザービーム、4
3…CCDカメラ、44…電気泳動分離されたDNA断
片、50…電気泳動データ、51…基準ピークで泳動時
間を擬似塩基長に変換する操作、52…ピーク判定を行
なう擬似塩基長領域のデータを抽出する操作、53…電
気泳動データの信号強度を基準ピークの信号強度で規格
化する操作、54…規格化信号強度の度数分布を計算す
る操作、55…ピーク判定に使用するしきい値を決定す
る操作、56…しきい値より大きな値を持つ信号強度を
抽出する操作、57…規格化信号強度の極大値を求める
操作、58…しきい値より大きな値を持つ信号強度の領
域に含まれる極大値を抽出する操作、59…ピークと判
定された信号強度の泳動時間を最近接の擬似塩基長に割
り当てる操作。
Claims (8)
- 【請求項1】複数の電気泳動路で電気泳動分離された核
酸断片のエレクトロフェログラムの強度を所定の基準ピ
ークの強度で規格化された規格化信号強度を得る工程
と、前記各電気泳動路から得た前記エレクトロフェログ
ラムの前記規格化信号強度の度数分布からピーク判定処
理に使用するしきい値を決定して、前記ピーク判定処理
を行なうことを特徴とする核酸断片の電気泳動パターン
の解析法。 - 【請求項2】請求項1に記載の核酸断片の電気泳動パタ
ーンの解析法に於いて、電気泳動の分離能の幅以下の分
解能で前記ピーク判定処理を行ない、前記幅以上の分離
能の領域で、異なる前記電気泳動路から得た前記エレク
トロフェログラムの比較を行なう行なうことを特徴とす
る核酸断片の電気泳動パターンの解析法。 - 【請求項3】請求項1に記載の核酸断片の電気泳動パタ
ーンの解析法に於いて、前記ピーク判定処理の結果得た
ピークが存在する塩基長の値をデータベースに格納する
ことを特徴とする核酸断片の電気泳動パターンの解析
法。 - 【請求項4】請求項1に記載の核酸断片の電気泳動パタ
ーンの解析法に於いて、前記エレクトロフェログラムの
前記ピーク判定処理の結果を、請求項3に記載の前記デ
ータベースと比較することを特徴とする核酸断片の電気
泳動パターンの解析法。 - 【請求項5】請求項1に記載の核酸断片の電気泳動パタ
ーンの解析法に於いて、前記エレクトロフェログラムの
前記ピーク判定処理の結果と、請求項3に記載の前記デ
ータベースが表わすエレクトロフェログラムとの差分を
求めて表示する核酸断片の電気泳動パターンの解析法。 - 【請求項6】請求項1に記載の核酸断片の電気泳動パタ
ーンの解析法に於いて、異なる前記電気泳動路から得た
前記エレクトロフェログラムに関する前記ピーク判定処
理の結果の間で差分を求めて表示することを特徴とする
核酸断片の電気泳動パターンの解析法。 - 【請求項7】請求項1に記載の核酸断片の電気泳動パタ
ーンの解析法に於いて、前記度数分布に基づいて前記し
きい値を複数設定し、前記規格化信号強度に応じて複数
群に前記規格化信号強度を分類して、前記各群毎に前記
ピーク判定処理を行なうことを特徴とする核酸断片の電
気泳動パターンの解析法。 - 【請求項8】請求項1に記載の核酸断片の電気泳動パタ
ーンの解析法に於いて、塩基長が既知である複数のDN
A断片の塩基長を基準として使用して、前記エレクトロ
フェログラムの各ピーク位置の泳動時間を、内挿又は外
挿により求めた仮想的な塩基長である擬似塩基長に変換
し、変換された擬似塩基長が、擬似塩基長軸に設定され
た各擬似塩基長の値のうち最も近接する値にピークが存
在することを特徴とする核酸断片の電気泳動パターンの
解析法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280169A JPH11118760A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 核酸断片の電気泳動パターンの解析法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280169A JPH11118760A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 核酸断片の電気泳動パターンの解析法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11118760A true JPH11118760A (ja) | 1999-04-30 |
Family
ID=17621273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9280169A Pending JPH11118760A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 核酸断片の電気泳動パターンの解析法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11118760A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007119779A1 (ja) | 2006-04-14 | 2007-10-25 | Nec Corporation | 個体識別方法および装置 |
CN111380941A (zh) * | 2018-12-27 | 2020-07-07 | 株式会社岛津制作所 | 电泳分离数据的解析装置 |
JP2022524172A (ja) * | 2018-08-31 | 2022-04-28 | ライフ テクノロジーズ コーポレーション | 毛細管電気泳動における単回曝露からの拡張ダイナミックレンジのための方法および装置 |
CN118427758A (zh) * | 2024-06-27 | 2024-08-02 | 杭州杰毅麦特医疗器械有限公司 | 一种基于软件分析的str母源污染检测系统 |
-
1997
- 1997-10-14 JP JP9280169A patent/JPH11118760A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007119779A1 (ja) | 2006-04-14 | 2007-10-25 | Nec Corporation | 個体識別方法および装置 |
JP2022524172A (ja) * | 2018-08-31 | 2022-04-28 | ライフ テクノロジーズ コーポレーション | 毛細管電気泳動における単回曝露からの拡張ダイナミックレンジのための方法および装置 |
CN111380941A (zh) * | 2018-12-27 | 2020-07-07 | 株式会社岛津制作所 | 电泳分离数据的解析装置 |
JP2020106351A (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-09 | 株式会社島津製作所 | 電気泳動分離データの解析装置 |
US11791015B2 (en) | 2018-12-27 | 2023-10-17 | Shimadzu Corporation | Electrophoresis separation data analyzer |
CN111380941B (zh) * | 2018-12-27 | 2023-12-01 | 株式会社岛津制作所 | 电泳分离数据的解析装置 |
CN118427758A (zh) * | 2024-06-27 | 2024-08-02 | 杭州杰毅麦特医疗器械有限公司 | 一种基于软件分析的str母源污染检测系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6681186B1 (en) | System and method for improving the accuracy of DNA sequencing and error probability estimation through application of a mathematical model to the analysis of electropherograms | |
US5981186A (en) | Method and apparatus for DNA-sequencing using reduced number of sequencing mixtures | |
US6090550A (en) | Automated DNA sequencing comparing predicted and actual measurements | |
Takahashi et al. | Automated identification of single nucleotide polymorphisms from sequencing data | |
US7617054B2 (en) | Method and apparatus for analysing nucleic acid sequence | |
WO2010039553A1 (en) | Method and system for determining the accuracy of dna base identifications | |
US6195449B1 (en) | Method and apparatus for analyzing data files derived from emission spectra from fluorophore tagged nucleotides | |
JP4360479B2 (ja) | 生化学分離の品質の評価に品質評価基準を用いる方法 | |
KR101936933B1 (ko) | 염기서열의 변이 검출방법 및 이를 이용한 염기서열의 변이 검출 디바이스 | |
JP2002505442A5 (ja) | ||
US6203990B1 (en) | Method and system for pattern analysis, such as for analyzing oligonucleotide primer extension assay products | |
JPH11118760A (ja) | 核酸断片の電気泳動パターンの解析法 | |
KR20170125278A (ko) | 변이 검출 표지의 신뢰도 결정 방법 및 장치 | |
JP5403563B2 (ja) | 網羅的フラグメント解析における遺伝子同定方法および発現解析方法 | |
JP5213009B2 (ja) | 遺伝子発現変動解析方法及びシステム、並びにプログラム | |
US7031843B1 (en) | Computer methods and systems for displaying information relating to gene expression data | |
JP3975663B2 (ja) | 遺伝子多型解析方法 | |
JP3878503B2 (ja) | 核酸塩基配列決定方法 | |
KR100435833B1 (ko) | 바이오칩 이미지 분석 시스템 및 그 방법 | |
Adiga et al. | An efficient tool for genetic experiments: Agarose gel image analysis | |
EP2203744A1 (en) | A method for measuring the biological diversity of a sample | |
US20050176007A1 (en) | Discriminative analysis of clone signature | |
JP2004177290A (ja) | 遺伝子解析データの処理方法 | |
JP3783315B2 (ja) | 核酸分析方法 | |
EP1202049A1 (en) | Method and apparatus for analyzing data files derived from emission spectra from fluorophore tagged nucleotides |