JP2004526908A - スマートスキン構造体 - Google Patents
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Abstract
スマートスキン構造体は、振動エネルギの管理能力及び制御能力を有する。スキンは、システム、サブコンポーネント、デバイス、又は構造体のスキン又はシェルの振動を管理するのに使用される。スキンにはセンサが接続され、振動に対する応答が取得される。スキンに組み込まれたアクチュエータを選択的に駆動することによって力をスキンに付与し、振動エネルギを1つ以上の所定のスキンの領域に閉じ込めたり、誘導することができる。アクチュエータによって付与される力は、閉じ込めパワーフローを生じさせることによって制御される。また、スキンアクチュエータは、振動力の空間偏微分を用いて制御するようにしてもよい。この構造体は、限定するものではないが、船舶、航空機、宇宙船、自動車、海上装置、産業機械、工作機械、家電製品、ビル、橋、さらに、海洋石油プラットフォームに使用される。
Description
【0001】
政府の後援による研究開発に基づく権利に関する記載
米国政府は、本発明のライセンス権(ライセンス料支払い済)を有する。米国政府は、限られた状況において、弾道ミサイル防衛局(BMDO)によって定められた条件(契約番号No. DASG60-00-C-0077)に基づいて、合理的な条件で特許権者が他者に対してライセンスを与えるように求める権利を有する。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、主に、振動エネルギの管理性能及び誘導性能(vibration energy managing and steering capabilities)を有するスマートスキン構造体に関する。本発明は、特に、システム、サブコンポーネント、デバイス、又は構造体のスキン又はシェルにおける振動管理に関する。
【0003】
発明の背景
現在のパッシブ振動抑制方法は、主に、3つに分類される。これらは、エネルギ隔離、エネルギ吸収、さらに、減衰材料や減衰装置を用いたエネルギ散逸によって振動を抑制するものである。アブソーバは、その名の通り、1自由度又は多自由度のシステムに付加されて振動エネルギを吸収するものである。アイソレータは、対象となっているシステムに対する、又はシステムからの振動エネルギの流れを遮断し、振動エネルギの伝達を阻止するためのものである。前者においては、エネルギは、一次システムから取り出されてアブソーバに誘導される。後者においては、エネルギは、アイソレータの両側で遮断される。付加減衰を行う場合には、エネルギを音や熱にして散逸させる。このようなパッシブな方法には様々な利点がある。振動アイソレータ、アブソーバ、さらに、付加減衰要素は、理解の容易化のため、設計者や技術者は、100年以上にわたって、比較的簡単な数学的モデルを利用して、設計段階でこれらを組み込むことを行ってきた。これらは、製造が簡単であり、コストが低い。しかしながら、パッシブな方法は、若干の点において、重要な性能の低下を伴う。通常、アイソレータ及びアブソーバは、1つ又は少数の選択された共振周波数に同調され、この選択された共振周波数の周りの狭い帯域でのみ、大きな効果を生み出すことができる。指定された周波数の範囲から外れると、性能が低下する。場合によっては、所望しない振動を増幅させるようなこともある。
【0004】
振動アイソレータは、極めて大きなショックや振動による負荷が存在する場合には効果がない。構造体における付加減衰機構の主たる役割は、できるだけ大きなエネルギを迅速に除去することである。従って、減衰機構の性能は、構造体からこの減衰機構に伝達されるエネルギの効率、量に依存する。共振時において構造体の振動が最大となるため、減衰処理による方法は、共振周波数、又はその近傍でのみ大きな効果を生み出すことができる。アブソーバや付加減衰要素を低周波数の振動を低減させるために用いる場合には、重量による制約が懸念される。また、一般的な減衰材料は、温度範囲に制限があり、高周波数で良好な効果を生み出すものである。従って、広い周波数範囲でより効果的に振動を抑制する方法が望まれている。
【0005】
近年、アクティブに振動を抑制するための様々なアクティブ除振(AVC)方法が導入されている。これらのAVC技術の多くは、マイクロエレクトロニクス、信号処理、材料科学、さらに、制御方法の発展に伴って生じた振動コンセプトを組み合わせることによって実現されたものであり、より汎用的且つ効果的な振動抑制システムを作り上げることができる。現在実現されているフィードバックコントローラを備えるAVCシステムでは、振動源が測定されると、コントローラにフィードバックされ、アクチュエータによる適切な動作が行われる。この場合、アクチュエータは、現在発生している振動に対し、この振動を打ち消すように作用する力やモーメントを付与する。フィードフォワードコントローラを備えるAVCシステムの場合には、振動源が測定されると、コントローラにフィードフォワードされ、アクチュエータによる適切な動作が行われる。この場合、アクチュエータは、振動源、又は振動源の近傍で測定された信号に対し、適切に位相をずらした同一の外乱(disturbance)を送出する。両者のAVC方法のコンセプトは互いに異なるが、少なくとも2つの共通の特徴を有する。つまり、どちらの方法も、システムに対してエネルギを送出し、現在発生している所望しない振動やノイズを除去する。また、これらの方法は、リアクティブモード(つまり、検出、処理、及び応答)で実行される。現在のAVC方法は、構造体内部での振動エネルギの流れを変更することはできない。
【0006】
2000年9月12日付で発行された米国特許第6,116,389号公報(振動エネルギの閉じ込め及び減衰のための装置及び方法)、2000年3月7日付で発行された米国特許第6,032,552号公報(振動エネルギの閉じ込めによる振動制御)は、システムのすべての部分にわたって振動を完全に抑制することが不可能であるか、又は、現実的でないことに着目した上で、振動の問題を取り上げている。しかしながら、これらの特許は、振動を重要性の少ない部位、又は、より制御が容易な領域に誘導、又は、閉じ込めることが有用であることに着目している。これらの特許では、振動の閉じ込めは、構造部品又は機械部品の位置や剛性を制御するパッシブ、又は、セミアクティブな手段を用いて行われる。
【0007】
自動車の外板、建築に使用される壁、壁紙、さらに、コンピュータを囲繞する筐体等、金属製スキン、複合材料スキンは、極めて重要な、システムの一部を構成する部品である。特に、宇宙船、航空機、船、潜水艦は、耐荷重性能を有するスキンを利用している。このようなスキンは、大きな流体力学的(エアロダイナミック、ハイドロダイナミック)な荷重に耐え得ることを要求されるだけでなく、光学センサ、音響センサ、さらに、レーダセンサのアレイを備えていなければならない。スキンの重要な役割の1つは、積荷とセンサアレイを保護することである。
【0008】
現在利用されているすべてのスキン(即ち、航空機用、車用、各種器具用のスキンを含む)は、アイソトロピック金属(isotropic metal)、又は複層の合成物で形成された単純で比較的薄い層である。従来のスキンに求められている役割に加えて、スキンに対し、さらに、振動荷重の減衰に伴う影響を最小にするために、振動エネルギの管理及び誘導を行う役割を有することが望まれる。パワーフローの制御やエネルギ管理を行うことによってノイズや振動を制御するスキンは、ホストシステム(又は部品)の健全性を監視するのに最適である。つまり、このようなスキンを用いて、初期段階で損傷やクラックを発見することが可能であり、この損傷を局所的なものに抑えることを図ることが可能であり、システムの他の領域に問題が波及する前に迅速な点検及び修理を行うことが可能となるからである。
【0009】
上述した理由、以下に述べる他の理由により、本技術分野においては、構造体内部の振動エネルギをアクティブに変化させることが可能なインテリジェントスキンに対する要求が存在する。これらの理由については、当業者であれば、本明細書の記載に基づいて容易に理解することが可能である。
【0010】
発明の要旨
上述した構造振動の問題及びその他の問題は、本発明によってその解決が図られ、以下の明細書の記載を検討することによって理解できるであろう。
【0011】
本発明によって提供されるシステムは、外乱エネルギ(disturbing energy)の量、位置、タイプを検出し、余分な外乱エネルギの閉じ込め、方向転換、誘導を行うことによって、この余分な外乱エネルギのランダムな伝播による損傷が生ずることがないようにシステム自体とシステムに搭載された全ての部品を保護する。
【0012】
一実施の形態においては、スキン構造体は、スキンと、このスキンに接続され、スキンの振動を測定するセンサと、スキンに組み込まれたアクチュエータとを含む。このアクチュエータは、選択的に駆動され、スキンに力を付与することによって、1つ以上の所定のスキン領域に振動を閉じ込め、又は誘導する。その後、パッシブ要素を用いて閉じ込められた振動エネルギを散逸させるようにしてもよい。付与される力を振動システムの空間偏微分、又は、検出された振動の位相や大きさに基づいて決定するようにしてもよい。検出された外乱の大きさ及び位相を用いて、アクチュエータによって付与される力の適切な位相及び大きさが決定される。
【0013】
別の実施の形態においては、構造体は、外側層と、外側層に接続され、外側層内の振動を測定するセンサと、スキンに組み込まれたアクチュエータと、センサに接続され、アクチュエータに制御信号を供給するコントローラとを含む。
【0014】
別の実施の形態においては、スキン構造体における振動を制御する方法が提供される。この方法は、スキン構造体における振動を検出するステップと、スキンに組み込まれたアクチュエータにフィードバック力を付与し、スキン内にエネルギパワーフローパターンを生じさせることによって振動エネルギの閉じ込め又は誘導を行うステップとを含む。
【0015】
スキン構造体における振動を制御する別の方法も提供される。この方法は、スキン構造体における振動を検出するステップと、検出された振動を処理し、振動を閉じ込めるのに必要なフィードバック力を決定するステップとを含む。フィードバック力は、履歴データ及びベースラインデータと比較され、スキン構造体に欠陥が存在するかどうかが決定される。最後に、スキンに組み込まれたアクチュエータにフードバック力が付与され、振動エネルギの閉じ込め、又は誘導が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明の実施の形態に係る構造体スキンの平面図である。
【図1B】本発明の実施の形態に係る構造体スキンの斜視図である。
【図1C】本発明の実施の形態に係る構造体スキンの断面図である。
【図1D】パッシブ要素を有する本発明の実施の形態に係る扁平な構造体スキンの断面図である。
【図1E】パッシブ要素を有する本発明の実施の形態に係る湾曲した構造体スキンの断面図である。
【図2】本発明の実施の形態を用いて行われる循環閉じ込めを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態を用いて行われる渦状閉じ込めを示す図である。
【図4】図4A〜図4Cは、外乱力によって与えられる構造体内のエネルギを管理するための3つの想定可能なパワーフローパターンである。
【図5】図5A及び図5Bは、空間偏微分を用いて振動の閉じ込めを行うスキン構造体の一実施の形態を示す図である。
【図6】図6A及び図6Bは、本発明の一実施の形態に係るエネルギ制御システムを用いた方法と現在実施されているアクティブ振動閉じ込めによる方法との間の幾つかの差異を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る振動閉じ込め及び欠陥検出のフローチャートである。
【0017】
発明の詳細な説明
以下、好ましい実施の形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。図面は、本願の明細書を構成するものであり、本発明の好ましい実施の形態について具体的に例示している。これらの実施の形態は、当業者が発明を実施できるように充分に詳細に記載されているが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、論理的、機械的、電気的な変更を施した他の実施の形態を採用することも可能であることが理解できよう。従って、以下の詳細な説明は、限定的なものであると解釈されるべきではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0018】
本発明は、耐荷重性能を有するスキン構造体に関する。このスキン構造体は、集約型エネルギに基づくハイブリッドな振動及びノイズを制御するシステムを備える。振動制御は、振動エネルギ制御システムを利用して行われる。この振動制御システムは、パッシブ要素とアクティブ要素との両方を含み、これらの各々は2つの機能を有する。パッシブ要素は、スキン構造体の共振周波数でエネルギを吸収し、高周波数でエネルギを散逸させる。パッシブ要素には、拘束層ダンピングCLD(constrained layer damping)や同調質量ダンパーTMD(tunned-mass dampers)を利用してもよい。アクティブ要素は、低周波数でエネルギを散逸させ、振動エネルギを特定の領域に誘導する。この領域では、パッシブ要素やアクティブ要素によって余分なエネルギの吸収、散逸をより効率的に行うことができる。上述したように、スキン材料には、アクティブ要素が組み込まれる。一実施の形態においては、アクティブ要素として、圧電ロッドアクチュエータが使用される。これらのパッシブ要素及びアクティブ要素によって、耐荷重性能を有するスキン構造体におけるエネルギ管理が実現され、高い効率性を有するスマートスキン構造体を製造することが可能となる。スマートスキン構造体は、励起された振動エネルギを効率的且つ効果的に誘導し、損傷の発生や放射されたノイズによる振動の伝播を最小限に抑えることができる。
【0019】
本発明のスマートスキンにおけるセンサやアクチュエータには、様々な材料が使用される。圧電技術材料(PZT)は、スマートスキンの用途に適した材料の1つである。圧電技術材料は、アクティブ振動制御におけるアクチュエータとして用いられる。圧電材料は、電気エネルギを機械エネルギに変換したり、機械エネルギを電気エネルギに変換するために用いられる。圧電技術は、高周波数における反復性を有し、荷重範囲が広く、メンテナンスが不要である等、多くの有用な特性を有することから、精密な動作(ナノスケール)を必要する場合に広く使用される。チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を基材とするセラミック材料は、最もよく使用される。PZTアクチュエータによる基本的な設計としては、限定されるものではないが、ロッド設計、スタック設計、層状設計、チューブ設計、さらに、ベンダー型設計が挙げられる。スタック設計においては、アクチュエータは、薄い金属電極によって分けられたセラミックディスクスタックによって構成される。最大駆動電圧は、ディスクの厚さに比例して決定される。スタック設計のアクチュエータは、高圧力に耐えることができ、全ての圧電設計のアクチュエータの中で最も高い剛性を有する。セラミックは大きな引張力に耐えることができないので、予めスプリングが組み込まれたアクチュエータを使用することも考えられる。この設計は、静的な動作、動的な動作の双方を実現するために使用される。層状設計では、アクチュエータは、薄いセラミックストリップの積層体によって構成される。これらのアクチュエータは、分極方向及び電界方向に対して垂直に変位する。最大の変位量は、ストリップの長さを関数として決定され、パラレルストリップの数によって、要素の剛性及び安定性が決定される。チューブ設計においては、アクチュエータは、横方向の圧電効果に基づいて動作する。電圧が外径側と内径側との間に印加されると、チューブが軸方向及び半径方向に反作用する。チューブの外側電極は、4つのセグメントに分離される。異なる駆動電圧を印加することによって、一端部が屈曲する。ベンダー型設計においては、アクチュエータは、サーモスタットにおけるバイメタルストリップと同様に動作する。セラミックが付勢されると、金属基板は印加された電圧に比例して歪む。
【0020】
本発明の一実施の形態では、アクティブアクチュエータのスキン構造体に対して加えられた力の空間偏微分(即ち、張力、せん断力)に比例する力が誘起される。これに対し、従来のアクティブ制御システムに使用されるアクチュエータは、変位に基づく時間的な偏微分(即ち、速度、加速度)に比例した力を誘起させるものである。本発明の別の実施の形態では、アクチュエータのスキン構造体は、後述するような渦状パワーフロー(VPF)によって定義される力を誘起させる。つまり、本発明は、構造的な用途によって制限されることなく使用することができる「スマート」スキンを提供する。スマートスキンは、構造体の振動を管理するためのセンサ及びアクチュエータを含む。アクチュエータの制御は、エネルギフローに渦を発生させることによって行われたり、システムの変位における空間偏微分に応じて行われたりする。
【0021】
図1A、図1B、図1Cは、構造体のスキン(表面)100の部分的な平面図、斜視図、断面図をそれぞれ示している。図1Aに示す一実施の形態のスキンは、アクチュエータがそれぞれ組み込まれたセル101を多数有する。図1Bは、1つのセル101の斜視図である。スキンは、適切な材料によって製造されるが、通常は、金属製又は複合材料(composite)の外側層110によって形成される。このスキンは、絶縁体120の層を含むようにしてもよい。スキンは、アクチュエータ102が特定のパターンに配列され、スキン絶縁層103が設けられる場合には、このスキン絶縁層103に組み込まれる。アクチュエータは、外側層110に対して選択的に力を加えるように配置される。図示した実施の形態においては、圧電ロッドによってスキン構造体に対して力が加えられる。アクチュエータは、格子パターンに配列してもよいし、構造体の形状に合わせて他のパターンに配列してもよい。圧電ロッドは、電界が印加されると伸長する。また、圧電ロッドは、力を受けると電界を発生させる。従って、圧電ロッドの幾つかは、スキンに存在する振動を検出するセンサとして使用される。図1Cに示すセンサは、アクチュエータとして動作するロッドに対してアクティブフィードバックを行うコントローラ150に接続されている。センサやアクチュエータには他のタイプのものも考えられ、本発明は、圧電デバイスに限定されるものではない。アクチュエータは、スキン構造体とは別個に作成され、後から組み込み可能なアドオン部品であってもよい。ただし、アクチュエータがスキンに一体的に組み込まれるように設計を変更してもよい。後述するように、本発明は、輸送用又は消費者用のシステム、デバイス、サブシステム、サブコンポーネント、及び構造体のエネルギ管理を行うものである。例えば、自動車や航空機のスキンに本発明を適用することができる。本発明のスキン構造体を適用可能な消費者製品の例としては、冷蔵庫、エアコン、洗濯機等が挙げられる。
【0022】
図1Dは、一実施の形態における扁平なスキン構造体152の概略断面図である。スキン構造体には、スキンに接続されたパッシブ要素154が含まれる。振動エネルギは、このパッシブ要素を含むスキン領域に閉じ込めることによって散逸される。図1Eは、一実施の形態における湾曲したスキン構造体156の概略断面図である。スキン構造体には、スキンに接続されたパッシブ要素158が含まれる。振動エネルギは、このパッシブ要素を含むスキン領域に閉じ込めることによって散逸される。扁平なスキン要素や湾曲したスキン要素を用いることによって球状等、様々な形状のスキン構造体を製造することが可能であることが理解できよう。
【0023】
本発明の一実施の形態においては、スキンに対して付与されるフィードバック力の制御が渦状パワーフローによるエネルギ閉じ込め(EC−VPF)によって行われる。定常振動を受けて構造体内で発生した渦状の強度応答パターンは、構造体内の振動パワーフローを特定の領域に閉じ込めるのに威力を発揮する。図2は、取り付けられたアクチュエータアレイの大きさ及び位相を制御することによって引き起こされる循環閉じ込め160(即ち、渦状パワーフロー)を示している。アクティブ制御システムによって引き起こされたパワーフローにおける渦は、構造体180におけるクリティカルな部位170を避けるように振動パワーフローを方向転換させるのに効果的である。振動パワーフローを方向転換させる方法は、振動エネルギを抑制したり散逸させたりするために使用される従来の方法よりも効果的な場合がある。アクティブにエネルギを方向転換させるのに必要な力は、アクティブにエネルギを抑制するのに必要な力よりも大幅に小さい。図3は、本発明の実施の形態を用いて引き起こされる渦状閉じ込めを示している。スキンには、円形状のパワーフローを有する幾つかの領域310が形成され、スキンのクリティカルな領域320が隔離される。スキン構造体内部のアクチュエータ302は、閉じ込めパワーフローを引き起こすのに使用される。
【0024】
無損失構造体が外力を受けた場合には、構造体の自然振動モードは、瞬間的には励起されない。構造体に付与された外部エネルギは、構造体全体を進行波として境界に到達するまで伝播する。境界の特性に応じて、構造体内部には、反射波だけでなくエバネッセント波が発生する。これらのモードは、形成された定在波と同一の形状となる。従って、定在波の形成を阻止することによって、構造体の振動を低減することが可能である。進行波の制御は、その発生源、つまり、反射波を除去することによって振動を低減させるために利用される。後者のアプローチでは、全ての構造的な振動モードがアクティブでなくなる。つまり有限長構造体は、振動モードが形成されない無限長構造体と同様の特徴を有するようになる。一方、定在波の制御技術では、構造体の自然なモードに同調しない定在波を発生させることによって行われる。この場合、外部的に発生された定在波によって構造体の応答が左右され、パワーフローが抑制される。
【0025】
構造体内での振動強度の配向パターン(パワーフローパターンともいう)には、様々なパターンが考えられる。限定するものではないが、直線状パターン、S字状パターン、渦状パターンが挙げられる。これらのパワーフローパターンは、限定された領域に余分な振動エネルギを閉じ込めたり、パワーフローを構造体の特定の領域から別の領域に方向転換することができる。両方の場合においても、構造体のクリティカルな部位は、低い振動レベルに維持される。
【0026】
本発明の一実施の形態において使用されるアクチュエータの位置及び数は、エネルギ閉じ込めが引き起こされ、入力源の近傍で振動エネルギを捕捉できるように決定される。アクチュエータに付与される力の大きさ、さらに、外乱に対する力の位相は、渦状閉じ込めを引き起こすように決定される。従来の方法のような余分な振動エネルギを抑制、散逸、打消しをしようとする試みとは異なり、渦状パワーフローアプローチによって引き起こされる渦状閉じ込めは、外乱源の周りの振動エネルギを捕捉し、クリティカル領域からこのエネルギをそらし、この処理の間、エネルギの幾らかを散逸させる。
【0027】
図4A〜図4Cは、エネルギを管理するために使用される3つの想定可能なパワーフローパターンを示す。このエネルギは、外乱力によって引き起こされ、単一のアクチュエータによって制御される。パワーフローパターンには、直線状パターン、S字状パターン、渦状パターンが含まれる。第1のベンディングモードの近傍で構造体の励起及び制御が行われる場合には、外乱(ソース)200からアクチュエータ(シンク)202へのパワーフローは直線状である(図4A参照)。直線状フローパターンは、構造体内で最適な部位にエネルギをアクティブに誘導するのに使用される。第4のベンディングモードの近傍で構造体の励起及び制御を行うと、外乱(ソース)200からアクチュエータ(シンク)202へのパワーフローはS字状パターンになる(図4B参照)。小さな渦(vortices)が生ずる場合もある。S字状フローパターンは、構造体内の所望な部位に複雑な経路を通ってエネルギを誘導する場合に有用である。小さい鳥の巣状の渦とS字状フローパターンとを例えば、航空機のスキンや宇宙船のスキンのような構造体における複数のクリティカルな部品、即ち、感度の高い電子機器やセンサアレイを隔離するために利用することが可能である。さらに、第6のベンディングモードの近傍で構造体の励起及び制御を行うと、パワーフローは渦状パターンになる(図4C参照)。パワーは外乱(ソース)200とアクチュエータ202の周りの円形状パターンで捕捉される。外乱及びアクチュエータは、各渦の中心(目)には存在しないことが理解できる。渦状のパワーフローパターンは、ソースから離間するようにエネルギを伝播させることを阻止する。
【0028】
従来のスキンと比較して、本発明は、放射されたノイズの低減及び制御を大幅に向上させることができる。放射されたノイズの減衰(例えば、航空機の内部におけるノイズの低減)、放射されたノイズと音響信号の低減に関し、アクティブノイズ制御(ANC)及びアクティブ構造音響制御(ASAC)技術は、低周波数範囲で効果的である。ANCの場合、センサ及びアクチュエータ(即ち、マイクロフォン及びラウドスピーカ)が音場(acoustic field)に設けられる。しかしながら、ASACの場合、センサ及びアクチュエータ(即ち、加速度計及びPZTパッチ)は、通常、放射構造体(radiating structure)に組み込まれる。ASAC技術の場合のように、本発明では、スキン構造体内にセンサ及びアクチュエータを組み込んでいる。しかしながら、本発明によって提案される方法は、従来のASACのアプローチとは異なっており、優れている。アクチュエータは、スキン構造体の振動エネルギを誘導、管理するために使用され、構造体の特定の領域で振動エネルギを受けるように積極的に制限することによって放射パワーを低減する。
【0029】
上述したように、本発明のスマートスキンは、渦状パワーフローを使用して制御される。さらに、本発明は、構造体又は機械内の振動エネルギの配向を制御するために、システムの変位の空間偏微分、速度、及び/又は加速度に応じたフィードバック力を発生させる。適切な比率のフィードバック力が加えられると、構造体や部品における振動に対する応答の大きさを指数関数的に変化させることができる。従って、システムの応答は、特定の領域又は部品で振動を抑制又は増幅させるように調整されている。本発明の実施の形態では、センサ、信号処理、さらに、アクチュエータが使用され、構造体の応答の監視、システムの変位の空間偏微分、速度、加速度が計算され、必要なフィードバック力が付与される。2000年11月22日出願の米国特許第09/721,102号(アクティブ管理及び構造振動エネルギの誘導)を参照し、閉じ込めによるアクティブ振動制御(AVCC)の詳細な説明として、その内容が本明細書中に盛り込まれている。
【0030】
一実施の形態においては、本発明は、本明細書中で閉じ込めによるアクティブ振動制御(AVCC)として言及するシステムの振動特性を変更させる技術を用いてスキンの特定の領域に振動エネルギを閉じ込めるためにアクティブフィードバック駆動を利用する。このアプローチは、システム応答の時間依存特性だけでなく、空間依存特性を利用する点において、従来のアクティブ振動制御技術とは大きく異なる。システムの変位の空間部分偏微分(spatial partial derivatives)、速度、加速度に比例したフィードバック力を付与することにより、振動モードが変更され、空間領域における振動エネルギの閉じ込め又は再分配が効果的に行われる。従来の方法とは異なり、システムの振動応答等が外乱のタイプに依存することなく制御される。
【0031】
本発明は、幾つかのレベルにおいて、従来の振動制御方法との差異を有する。恐らく、最も大きな差異は、振動エネルギの閉じ込め自体であろう。従来の技術においては、振動の低減は、入ってきた振動に対して制御機構が応答することを前提としていた。即ち、システムは、リアクティブである。一方、本発明の方法では、システムの特定の領域で振動エネルギを受けることが阻止される。この意味で、本発明のアプローチは積極的である。
【0032】
現在利用されている振動制御の方法は全て、振動が制御領域に伝播していくのを前提としている。つまり、所望しない振動が伝播してクリティカル領域に入った後に対処することを前提としている。具体的には、隔離技術においては、システムにおいて、2つの部品の境界部分に振動が存在すると想定される。この境界部分において、入ってくる振動に対して反作用し、振動の伝播を低減するような隔離が行われる。吸収技術の場合には、振動が吸収機構に伝達されなければ効果がない。この制御方法は、他のシステム部品における振動エネルギを低減する。振動抑制技術は、減衰機構に対して大きなエネルギが伝達したときに最も大きな効果を生み出す。この場合、まず、システムに振動が発生した後、この振動が散逸される。従来のアクティブ振動制御技術は、システムに存在する振動に対して反作用し、打ち消すような力を付与するものである。このような制御機構は、まず最初に、所望しない領域に振動が伝達した後、この振動を打ち消すことを前提としたものである。これらの機構がリアクティブモードで動作することは明らかである。
【0033】
本発明の一実施の形態においては、システムの変位の空間偏微分、速度、及び/又は加速度に比例したフィードバックにより閉じ込めを引き起こす。従って、空間振動の閉じ込めは、構造体又はその部品の長さ方向に沿って、指数関数的に振動の大きさを減衰させる。結果として、振動は、システムにおいてクリティカルでない領域に閉じ込められ、システムにおける振動エネルギが付与されてはならない領域に振動エネルギが伝播することが阻止される。
【0034】
上述したように、本発明のスキン構造体を用いて実施される第1のタイプのエネルギの管理や閉じ込めは、本明細書において、閉じ込めによるアクティブ振動制御(AVCC)として言及される。振動エネルギの閉じ込めは、スキンアクチュエータを用いてアクティブな力を適切に付与することによって実現するようにしてもよい。このアプローチによって、構造設計の変更や閉じ込め要素を用いた閉じ込めの実施が支援されたり、又は、構造設計の変更や閉じ込め要素を用ることなく閉じ込めを実施することができる。図5A及び図5Bは、このタイプのエネルギ閉じ込めを示している。最大振動領域500と最小振動領域510が存在するスキン構造体の部分を図5Aに示している。最大振動用語「最大」、「最小」は、絶対的なものとして使用されているものではなく、スキンの領域間に大きな違いが存在することを示している。図5Bは、スキンの断面と、代表的な振動波520を示す。当業者であれば、本明細書の記載によって、スキン内のアクチュエータが特定の領域に振動を閉じ込めるのに使用されることが理解できるであろう。
【0035】
本発明のスキン構造体を用いて実施される第2のタイプのエネルギの管理又は閉じ込めは、本明細書において、渦状パワーフローによるエネルギ閉じ込め(EC−VPF)として言及される。渦状の強度応答パターンがスキン構造体に形成される。
【0036】
本発明のエネルギ管理システムと現在実施されているアクティブ振動閉じ込めシステムとの幾つかの違いを図6A及び図6Bに図示する。一般的な技術に基づいて行われる標準的なステップを図6Aに示し、本発明のシステムの実施の形態を図6Bに示す。図6Aにおいて、ステップ600は、開ループシステムの初期の段階を示す。構造体が振動する際、領域全体に渡ってエネルギが伝わっている。従来の振動制御方法では、ステップ612から分かるように、ステップ602において丸で示すパッシブ及び/又はアクティブな減衰要素610が構造体に組み込まれる。減衰要素が駆動された後、ステップ620において、構造体の振動全体が減衰される。
【0037】
本発明のエネルギに基づくスマート振動制御システムの一実施の形態を図6Bに示す。ステップ630は、構造体内のエネルギ振動625を示す。構造体には、上述したアクチュエータが含まれ、このアクチュエータは、エネルギを管理するために制御される。ステップ630に示される構造体のエネルギは、まず、構造体のクリティカル領域から、ステップ640において、よりクリティカルでない領域に移される。図示の例において、構造体の中間部は、クリティカル領域であると仮定される。クリティカル領域では、余分な振動が存在すると、構造体の性能、安全性、機能実現性全体に対して大きな影響が及ぼされる可能性がある。また、両側の部分は、余分な振動エネルギを捕捉するのにより適した領域であると仮定される。エネルギの閉じ込めは、上述したように、アクティブな力を付与する方法によって行ってもよいし、又は、渦状の誘導方法を用いて行ってもよい。
【0038】
次に、必要に応じ、この過度なエネルギを、パッシブな要素又はアクティブな要素(ステップ650に示す丸660)によって除去したり、減衰させるようにしてもよい。最終的にエネルギ管理された状態の構造体をステップ670に示す。集中減衰要素によって振動エネルギが除去された後、ステップ680において、選択されたクリティカル領域では、クリティカルでない領域に較べ、振動エネルギは非常に僅かになっている。クリティカルでない部分でさえも、一般的なパッシブ技術やアクティブ技術に較べて振動のレベルが小さくなっていることが理解できるであろう。本発明のエネルギ管理のアプローチの一実施の形態では、2つの独自の特徴、即ち、振動の空間的な閉じ込めと集中的なパッシブ減衰要素やアクティブ減衰要素を組み合わせて使用している。スキン構造体を用いた振動エネルギの空間的な閉じ込めにより、設計者、制御技術者が限られた数のパッシブ要素とアクティブアクチュエータを効率的に利用することができるため、これまで常に問題となってきた電力要求の問題を解決することができる。
【0039】
本発明は、既存の方法に対して大きな利点を有する。スキンシステムを振動させるのにAVCCを利用することによって、従来のアプローチよりも、スキンの特定の領域がより速やかに、許容される振動レベルに到達する。本発明は、スキンのクリティカル領域に振動エネルギが伝播するのを阻止するためだけの目的で実施してもよい。しかしながら、本発明では、従来技術と較べて、振動の絶対的なレベルをより低減することが可能である。本AVCCの発明によって実施される振動エネルギの再分配において、振動を誘導するのに必要なエネルギは、振動エネルギを打ち消すのに必要なエネルギよりも小さい。本発明では、必要な電力、アクチュエータの数を従来のアクティブ振動制御の場合よりも減らすことができる。従来の方法ではシステム全体に存在する振動を打ち消す必要があるからである。
【0040】
本発明は、現在一般に行われている方法とは異なり、構造体の空間偏微分に比例する力(即ち、張力、せん断力)を適用箇所に誘起させるものである。また、定常振動を受ける構造体内で渦状の強度応答パターンを発生させるため、振動のパワーフローを構造体の特定の領域に閉じ込めるのに威力を発揮する。
【0041】
軍事的用途、商業的用途では、効果的で且つ低コストの振動制御システムに対する要求が存在することは明らかである。スキン構造体は、商用の船舶、航空機、宇宙船、自動車、海上システム、機械装置、工作機械、家電製品に使用可能である。例えば、図5は、本発明のスキン構造体を用いた飛行機300を概略的に示している。スキン構造体を、飛行機の特定の部位に限って利用するようにしてもよい。
【0042】
本発明のスキン構造体は、耐荷重スキンを乗物のクリティカル部分に使用すること、つまり、耐荷重スキンによって乗物の機能及び性能に直接影響が及ぼされるような場合にも使用することもできる。乗用航空機、戦闘機、宇宙船、無人飛行機、無人海中乗物、潜水艦、水上船、自動車に本発明を利用すると、利点が得られるであろう。乗用航空機の場合には、この業界で大きな問題となっている客室ノイズを取り除くためにスキンを使用することもできる。本発明は、耐荷重スキンを用いないシステムにも使用することもできる。商業用途において、最も期待され、注目を集めているものの1つは、「壁紙(wallpaper)」つまり、極薄スキンである。本発明のスキンを使用した部屋、講堂では、音響特性の変更が可能である。また、本発明は、オフィス領域に放射されるノイズが低減されるようにコンピュータの筐体に使用したり、クリーンルームや、小さな外乱も許されない品質管理室に使用することもできる。アンテナシステムや空中システム、航空機、打ち上げ機、宇宙構造体、陸上乗物、水上乗物等、多くのシステムにおいては、振動やショックを抑制することが極めて重要である。また、本発明の別の実施の形態では、表面に発生する振動を管理するために、この表面に貼付されるテープとして形成されるスキン材料が含まれる。この実施の形態においては、テープは上述したスキンと同じようなものである。しかしながら、テープは概ね可撓性を有し、金属層等の外側層を含まない場合もある。テープのアクチュエータは、薄層を含むが、この薄層は、取り付け表面とアクチュエータとを分離するものである。
【0043】
本明細書で説明した実施の形態は、全て、電源内蔵タイプのものであってもよい。つまり、アクチュエータには幾らかの電源が必要である。電源は、センサによって発生する。例えば、圧電センサ/アクチュエータは、スキン構造体に存在するエネルギから電源を作り出すのに使用される。この電力は、システムやシステムの充電バッテリに対して電力を供給する。
【0044】
つまり、本発明は、商業的用途の水中クラフト、航空機、宇宙船、自動車、海上システム、機械装置、工作機械、家電製品、パーソナルコンピュータに適用することができる。本発明をビルや橋、さらに、海洋石油プラットフォームに使用してもよい。別の商業的用途としては、プラントの製造及び処理が挙げられる。エネルギ管理機能が組み込まれたスマート構造体は、プラントで使用される機械装置の余分なノイズ及び振動を低減し、生産性、品質、利益の向上を図ることができる。
【0045】
図7は、本発明のフローチャートを示す。処理の際、センサは、スキン構造体680に接続され、ステップ700において、振動を検出する。ステップ702において、外部プロセッサは、センサ出力を処理する。プロセッサは、ステップ706においてアクチュエータを用いてスキンに付与される適切なフィードバック力を決定する。このセンサは、振動を継続的に監視し、振動が変更されたかどうかを検出する。プロセッサによって、所望のレベルの閉じ込めが行われるまでアクチュエータを継続的に調節するようにしてもよい。代替的な実施の形態においては、プロセッサは、履歴データのルックアップデータに基づいて構造体に欠陥が発生したかどうかを検出する。つまり、スキンにおいて形成される他の欠陥、即ち、クラックは、システムの振動応答を変更する可能性がある。プロセッサはこのような変更を検出する。ステップ712において、プロセッサは、欠陥が発生している可能性があるため、検査が必要である旨の警告を発行する。次に、プロセッサは、該当するアクチュエータと、その周りのアクチュエータに対し、フィードバック力を付与し、欠陥が伝播する可能性を低減させる。
【0046】
結論
スマートスキン構造体における振動エネルギ管理能力及び誘導能力について説明した。このスキンは、システム、サブコンポーネント、デバイス、又は構造体のスキン又はシェルの振動を管理するのに使用される。スキンにはセンサが接続され、振動に対する応答が取得される。スキンに組み込まれたアクチュエータを選択的に駆動することによって力をスキンに付与し、振動エネルギを1つ以上の所定のスキンの領域に閉じ込めたり、誘導することができる。アクチュエータによって付与される力は、閉じ込めパワーフローを生じさせることによって制御される。また、スキンアクチュエータは、振動力の空間偏微分を用いて制御するようにしてもよい。この構造体は、限定するものではないが、船舶、航空機、宇宙船、自動車、海上装置、産業機械、工作機械、家電製品、ビル、橋、さらに、海洋石油プラットフォームに使用される。
【0047】
本明細書において、本発明の具体的な実施の形態について例示、説明したが、当業者であれば、同一の目的を達成するように計算することによって、図示した具体的な実施の形態の構成を変更することも可能であることが理解できよう。本明細書では、本発明を自由に改変、変形できることが意図されている。つまり、本発明の範囲が、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ制限されるように意図されていることは明らかである。
政府の後援による研究開発に基づく権利に関する記載
米国政府は、本発明のライセンス権(ライセンス料支払い済)を有する。米国政府は、限られた状況において、弾道ミサイル防衛局(BMDO)によって定められた条件(契約番号No. DASG60-00-C-0077)に基づいて、合理的な条件で特許権者が他者に対してライセンスを与えるように求める権利を有する。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、主に、振動エネルギの管理性能及び誘導性能(vibration energy managing and steering capabilities)を有するスマートスキン構造体に関する。本発明は、特に、システム、サブコンポーネント、デバイス、又は構造体のスキン又はシェルにおける振動管理に関する。
【0003】
発明の背景
現在のパッシブ振動抑制方法は、主に、3つに分類される。これらは、エネルギ隔離、エネルギ吸収、さらに、減衰材料や減衰装置を用いたエネルギ散逸によって振動を抑制するものである。アブソーバは、その名の通り、1自由度又は多自由度のシステムに付加されて振動エネルギを吸収するものである。アイソレータは、対象となっているシステムに対する、又はシステムからの振動エネルギの流れを遮断し、振動エネルギの伝達を阻止するためのものである。前者においては、エネルギは、一次システムから取り出されてアブソーバに誘導される。後者においては、エネルギは、アイソレータの両側で遮断される。付加減衰を行う場合には、エネルギを音や熱にして散逸させる。このようなパッシブな方法には様々な利点がある。振動アイソレータ、アブソーバ、さらに、付加減衰要素は、理解の容易化のため、設計者や技術者は、100年以上にわたって、比較的簡単な数学的モデルを利用して、設計段階でこれらを組み込むことを行ってきた。これらは、製造が簡単であり、コストが低い。しかしながら、パッシブな方法は、若干の点において、重要な性能の低下を伴う。通常、アイソレータ及びアブソーバは、1つ又は少数の選択された共振周波数に同調され、この選択された共振周波数の周りの狭い帯域でのみ、大きな効果を生み出すことができる。指定された周波数の範囲から外れると、性能が低下する。場合によっては、所望しない振動を増幅させるようなこともある。
【0004】
振動アイソレータは、極めて大きなショックや振動による負荷が存在する場合には効果がない。構造体における付加減衰機構の主たる役割は、できるだけ大きなエネルギを迅速に除去することである。従って、減衰機構の性能は、構造体からこの減衰機構に伝達されるエネルギの効率、量に依存する。共振時において構造体の振動が最大となるため、減衰処理による方法は、共振周波数、又はその近傍でのみ大きな効果を生み出すことができる。アブソーバや付加減衰要素を低周波数の振動を低減させるために用いる場合には、重量による制約が懸念される。また、一般的な減衰材料は、温度範囲に制限があり、高周波数で良好な効果を生み出すものである。従って、広い周波数範囲でより効果的に振動を抑制する方法が望まれている。
【0005】
近年、アクティブに振動を抑制するための様々なアクティブ除振(AVC)方法が導入されている。これらのAVC技術の多くは、マイクロエレクトロニクス、信号処理、材料科学、さらに、制御方法の発展に伴って生じた振動コンセプトを組み合わせることによって実現されたものであり、より汎用的且つ効果的な振動抑制システムを作り上げることができる。現在実現されているフィードバックコントローラを備えるAVCシステムでは、振動源が測定されると、コントローラにフィードバックされ、アクチュエータによる適切な動作が行われる。この場合、アクチュエータは、現在発生している振動に対し、この振動を打ち消すように作用する力やモーメントを付与する。フィードフォワードコントローラを備えるAVCシステムの場合には、振動源が測定されると、コントローラにフィードフォワードされ、アクチュエータによる適切な動作が行われる。この場合、アクチュエータは、振動源、又は振動源の近傍で測定された信号に対し、適切に位相をずらした同一の外乱(disturbance)を送出する。両者のAVC方法のコンセプトは互いに異なるが、少なくとも2つの共通の特徴を有する。つまり、どちらの方法も、システムに対してエネルギを送出し、現在発生している所望しない振動やノイズを除去する。また、これらの方法は、リアクティブモード(つまり、検出、処理、及び応答)で実行される。現在のAVC方法は、構造体内部での振動エネルギの流れを変更することはできない。
【0006】
2000年9月12日付で発行された米国特許第6,116,389号公報(振動エネルギの閉じ込め及び減衰のための装置及び方法)、2000年3月7日付で発行された米国特許第6,032,552号公報(振動エネルギの閉じ込めによる振動制御)は、システムのすべての部分にわたって振動を完全に抑制することが不可能であるか、又は、現実的でないことに着目した上で、振動の問題を取り上げている。しかしながら、これらの特許は、振動を重要性の少ない部位、又は、より制御が容易な領域に誘導、又は、閉じ込めることが有用であることに着目している。これらの特許では、振動の閉じ込めは、構造部品又は機械部品の位置や剛性を制御するパッシブ、又は、セミアクティブな手段を用いて行われる。
【0007】
自動車の外板、建築に使用される壁、壁紙、さらに、コンピュータを囲繞する筐体等、金属製スキン、複合材料スキンは、極めて重要な、システムの一部を構成する部品である。特に、宇宙船、航空機、船、潜水艦は、耐荷重性能を有するスキンを利用している。このようなスキンは、大きな流体力学的(エアロダイナミック、ハイドロダイナミック)な荷重に耐え得ることを要求されるだけでなく、光学センサ、音響センサ、さらに、レーダセンサのアレイを備えていなければならない。スキンの重要な役割の1つは、積荷とセンサアレイを保護することである。
【0008】
現在利用されているすべてのスキン(即ち、航空機用、車用、各種器具用のスキンを含む)は、アイソトロピック金属(isotropic metal)、又は複層の合成物で形成された単純で比較的薄い層である。従来のスキンに求められている役割に加えて、スキンに対し、さらに、振動荷重の減衰に伴う影響を最小にするために、振動エネルギの管理及び誘導を行う役割を有することが望まれる。パワーフローの制御やエネルギ管理を行うことによってノイズや振動を制御するスキンは、ホストシステム(又は部品)の健全性を監視するのに最適である。つまり、このようなスキンを用いて、初期段階で損傷やクラックを発見することが可能であり、この損傷を局所的なものに抑えることを図ることが可能であり、システムの他の領域に問題が波及する前に迅速な点検及び修理を行うことが可能となるからである。
【0009】
上述した理由、以下に述べる他の理由により、本技術分野においては、構造体内部の振動エネルギをアクティブに変化させることが可能なインテリジェントスキンに対する要求が存在する。これらの理由については、当業者であれば、本明細書の記載に基づいて容易に理解することが可能である。
【0010】
発明の要旨
上述した構造振動の問題及びその他の問題は、本発明によってその解決が図られ、以下の明細書の記載を検討することによって理解できるであろう。
【0011】
本発明によって提供されるシステムは、外乱エネルギ(disturbing energy)の量、位置、タイプを検出し、余分な外乱エネルギの閉じ込め、方向転換、誘導を行うことによって、この余分な外乱エネルギのランダムな伝播による損傷が生ずることがないようにシステム自体とシステムに搭載された全ての部品を保護する。
【0012】
一実施の形態においては、スキン構造体は、スキンと、このスキンに接続され、スキンの振動を測定するセンサと、スキンに組み込まれたアクチュエータとを含む。このアクチュエータは、選択的に駆動され、スキンに力を付与することによって、1つ以上の所定のスキン領域に振動を閉じ込め、又は誘導する。その後、パッシブ要素を用いて閉じ込められた振動エネルギを散逸させるようにしてもよい。付与される力を振動システムの空間偏微分、又は、検出された振動の位相や大きさに基づいて決定するようにしてもよい。検出された外乱の大きさ及び位相を用いて、アクチュエータによって付与される力の適切な位相及び大きさが決定される。
【0013】
別の実施の形態においては、構造体は、外側層と、外側層に接続され、外側層内の振動を測定するセンサと、スキンに組み込まれたアクチュエータと、センサに接続され、アクチュエータに制御信号を供給するコントローラとを含む。
【0014】
別の実施の形態においては、スキン構造体における振動を制御する方法が提供される。この方法は、スキン構造体における振動を検出するステップと、スキンに組み込まれたアクチュエータにフィードバック力を付与し、スキン内にエネルギパワーフローパターンを生じさせることによって振動エネルギの閉じ込め又は誘導を行うステップとを含む。
【0015】
スキン構造体における振動を制御する別の方法も提供される。この方法は、スキン構造体における振動を検出するステップと、検出された振動を処理し、振動を閉じ込めるのに必要なフィードバック力を決定するステップとを含む。フィードバック力は、履歴データ及びベースラインデータと比較され、スキン構造体に欠陥が存在するかどうかが決定される。最後に、スキンに組み込まれたアクチュエータにフードバック力が付与され、振動エネルギの閉じ込め、又は誘導が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明の実施の形態に係る構造体スキンの平面図である。
【図1B】本発明の実施の形態に係る構造体スキンの斜視図である。
【図1C】本発明の実施の形態に係る構造体スキンの断面図である。
【図1D】パッシブ要素を有する本発明の実施の形態に係る扁平な構造体スキンの断面図である。
【図1E】パッシブ要素を有する本発明の実施の形態に係る湾曲した構造体スキンの断面図である。
【図2】本発明の実施の形態を用いて行われる循環閉じ込めを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態を用いて行われる渦状閉じ込めを示す図である。
【図4】図4A〜図4Cは、外乱力によって与えられる構造体内のエネルギを管理するための3つの想定可能なパワーフローパターンである。
【図5】図5A及び図5Bは、空間偏微分を用いて振動の閉じ込めを行うスキン構造体の一実施の形態を示す図である。
【図6】図6A及び図6Bは、本発明の一実施の形態に係るエネルギ制御システムを用いた方法と現在実施されているアクティブ振動閉じ込めによる方法との間の幾つかの差異を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る振動閉じ込め及び欠陥検出のフローチャートである。
【0017】
発明の詳細な説明
以下、好ましい実施の形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。図面は、本願の明細書を構成するものであり、本発明の好ましい実施の形態について具体的に例示している。これらの実施の形態は、当業者が発明を実施できるように充分に詳細に記載されているが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、論理的、機械的、電気的な変更を施した他の実施の形態を採用することも可能であることが理解できよう。従って、以下の詳細な説明は、限定的なものであると解釈されるべきではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0018】
本発明は、耐荷重性能を有するスキン構造体に関する。このスキン構造体は、集約型エネルギに基づくハイブリッドな振動及びノイズを制御するシステムを備える。振動制御は、振動エネルギ制御システムを利用して行われる。この振動制御システムは、パッシブ要素とアクティブ要素との両方を含み、これらの各々は2つの機能を有する。パッシブ要素は、スキン構造体の共振周波数でエネルギを吸収し、高周波数でエネルギを散逸させる。パッシブ要素には、拘束層ダンピングCLD(constrained layer damping)や同調質量ダンパーTMD(tunned-mass dampers)を利用してもよい。アクティブ要素は、低周波数でエネルギを散逸させ、振動エネルギを特定の領域に誘導する。この領域では、パッシブ要素やアクティブ要素によって余分なエネルギの吸収、散逸をより効率的に行うことができる。上述したように、スキン材料には、アクティブ要素が組み込まれる。一実施の形態においては、アクティブ要素として、圧電ロッドアクチュエータが使用される。これらのパッシブ要素及びアクティブ要素によって、耐荷重性能を有するスキン構造体におけるエネルギ管理が実現され、高い効率性を有するスマートスキン構造体を製造することが可能となる。スマートスキン構造体は、励起された振動エネルギを効率的且つ効果的に誘導し、損傷の発生や放射されたノイズによる振動の伝播を最小限に抑えることができる。
【0019】
本発明のスマートスキンにおけるセンサやアクチュエータには、様々な材料が使用される。圧電技術材料(PZT)は、スマートスキンの用途に適した材料の1つである。圧電技術材料は、アクティブ振動制御におけるアクチュエータとして用いられる。圧電材料は、電気エネルギを機械エネルギに変換したり、機械エネルギを電気エネルギに変換するために用いられる。圧電技術は、高周波数における反復性を有し、荷重範囲が広く、メンテナンスが不要である等、多くの有用な特性を有することから、精密な動作(ナノスケール)を必要する場合に広く使用される。チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を基材とするセラミック材料は、最もよく使用される。PZTアクチュエータによる基本的な設計としては、限定されるものではないが、ロッド設計、スタック設計、層状設計、チューブ設計、さらに、ベンダー型設計が挙げられる。スタック設計においては、アクチュエータは、薄い金属電極によって分けられたセラミックディスクスタックによって構成される。最大駆動電圧は、ディスクの厚さに比例して決定される。スタック設計のアクチュエータは、高圧力に耐えることができ、全ての圧電設計のアクチュエータの中で最も高い剛性を有する。セラミックは大きな引張力に耐えることができないので、予めスプリングが組み込まれたアクチュエータを使用することも考えられる。この設計は、静的な動作、動的な動作の双方を実現するために使用される。層状設計では、アクチュエータは、薄いセラミックストリップの積層体によって構成される。これらのアクチュエータは、分極方向及び電界方向に対して垂直に変位する。最大の変位量は、ストリップの長さを関数として決定され、パラレルストリップの数によって、要素の剛性及び安定性が決定される。チューブ設計においては、アクチュエータは、横方向の圧電効果に基づいて動作する。電圧が外径側と内径側との間に印加されると、チューブが軸方向及び半径方向に反作用する。チューブの外側電極は、4つのセグメントに分離される。異なる駆動電圧を印加することによって、一端部が屈曲する。ベンダー型設計においては、アクチュエータは、サーモスタットにおけるバイメタルストリップと同様に動作する。セラミックが付勢されると、金属基板は印加された電圧に比例して歪む。
【0020】
本発明の一実施の形態では、アクティブアクチュエータのスキン構造体に対して加えられた力の空間偏微分(即ち、張力、せん断力)に比例する力が誘起される。これに対し、従来のアクティブ制御システムに使用されるアクチュエータは、変位に基づく時間的な偏微分(即ち、速度、加速度)に比例した力を誘起させるものである。本発明の別の実施の形態では、アクチュエータのスキン構造体は、後述するような渦状パワーフロー(VPF)によって定義される力を誘起させる。つまり、本発明は、構造的な用途によって制限されることなく使用することができる「スマート」スキンを提供する。スマートスキンは、構造体の振動を管理するためのセンサ及びアクチュエータを含む。アクチュエータの制御は、エネルギフローに渦を発生させることによって行われたり、システムの変位における空間偏微分に応じて行われたりする。
【0021】
図1A、図1B、図1Cは、構造体のスキン(表面)100の部分的な平面図、斜視図、断面図をそれぞれ示している。図1Aに示す一実施の形態のスキンは、アクチュエータがそれぞれ組み込まれたセル101を多数有する。図1Bは、1つのセル101の斜視図である。スキンは、適切な材料によって製造されるが、通常は、金属製又は複合材料(composite)の外側層110によって形成される。このスキンは、絶縁体120の層を含むようにしてもよい。スキンは、アクチュエータ102が特定のパターンに配列され、スキン絶縁層103が設けられる場合には、このスキン絶縁層103に組み込まれる。アクチュエータは、外側層110に対して選択的に力を加えるように配置される。図示した実施の形態においては、圧電ロッドによってスキン構造体に対して力が加えられる。アクチュエータは、格子パターンに配列してもよいし、構造体の形状に合わせて他のパターンに配列してもよい。圧電ロッドは、電界が印加されると伸長する。また、圧電ロッドは、力を受けると電界を発生させる。従って、圧電ロッドの幾つかは、スキンに存在する振動を検出するセンサとして使用される。図1Cに示すセンサは、アクチュエータとして動作するロッドに対してアクティブフィードバックを行うコントローラ150に接続されている。センサやアクチュエータには他のタイプのものも考えられ、本発明は、圧電デバイスに限定されるものではない。アクチュエータは、スキン構造体とは別個に作成され、後から組み込み可能なアドオン部品であってもよい。ただし、アクチュエータがスキンに一体的に組み込まれるように設計を変更してもよい。後述するように、本発明は、輸送用又は消費者用のシステム、デバイス、サブシステム、サブコンポーネント、及び構造体のエネルギ管理を行うものである。例えば、自動車や航空機のスキンに本発明を適用することができる。本発明のスキン構造体を適用可能な消費者製品の例としては、冷蔵庫、エアコン、洗濯機等が挙げられる。
【0022】
図1Dは、一実施の形態における扁平なスキン構造体152の概略断面図である。スキン構造体には、スキンに接続されたパッシブ要素154が含まれる。振動エネルギは、このパッシブ要素を含むスキン領域に閉じ込めることによって散逸される。図1Eは、一実施の形態における湾曲したスキン構造体156の概略断面図である。スキン構造体には、スキンに接続されたパッシブ要素158が含まれる。振動エネルギは、このパッシブ要素を含むスキン領域に閉じ込めることによって散逸される。扁平なスキン要素や湾曲したスキン要素を用いることによって球状等、様々な形状のスキン構造体を製造することが可能であることが理解できよう。
【0023】
本発明の一実施の形態においては、スキンに対して付与されるフィードバック力の制御が渦状パワーフローによるエネルギ閉じ込め(EC−VPF)によって行われる。定常振動を受けて構造体内で発生した渦状の強度応答パターンは、構造体内の振動パワーフローを特定の領域に閉じ込めるのに威力を発揮する。図2は、取り付けられたアクチュエータアレイの大きさ及び位相を制御することによって引き起こされる循環閉じ込め160(即ち、渦状パワーフロー)を示している。アクティブ制御システムによって引き起こされたパワーフローにおける渦は、構造体180におけるクリティカルな部位170を避けるように振動パワーフローを方向転換させるのに効果的である。振動パワーフローを方向転換させる方法は、振動エネルギを抑制したり散逸させたりするために使用される従来の方法よりも効果的な場合がある。アクティブにエネルギを方向転換させるのに必要な力は、アクティブにエネルギを抑制するのに必要な力よりも大幅に小さい。図3は、本発明の実施の形態を用いて引き起こされる渦状閉じ込めを示している。スキンには、円形状のパワーフローを有する幾つかの領域310が形成され、スキンのクリティカルな領域320が隔離される。スキン構造体内部のアクチュエータ302は、閉じ込めパワーフローを引き起こすのに使用される。
【0024】
無損失構造体が外力を受けた場合には、構造体の自然振動モードは、瞬間的には励起されない。構造体に付与された外部エネルギは、構造体全体を進行波として境界に到達するまで伝播する。境界の特性に応じて、構造体内部には、反射波だけでなくエバネッセント波が発生する。これらのモードは、形成された定在波と同一の形状となる。従って、定在波の形成を阻止することによって、構造体の振動を低減することが可能である。進行波の制御は、その発生源、つまり、反射波を除去することによって振動を低減させるために利用される。後者のアプローチでは、全ての構造的な振動モードがアクティブでなくなる。つまり有限長構造体は、振動モードが形成されない無限長構造体と同様の特徴を有するようになる。一方、定在波の制御技術では、構造体の自然なモードに同調しない定在波を発生させることによって行われる。この場合、外部的に発生された定在波によって構造体の応答が左右され、パワーフローが抑制される。
【0025】
構造体内での振動強度の配向パターン(パワーフローパターンともいう)には、様々なパターンが考えられる。限定するものではないが、直線状パターン、S字状パターン、渦状パターンが挙げられる。これらのパワーフローパターンは、限定された領域に余分な振動エネルギを閉じ込めたり、パワーフローを構造体の特定の領域から別の領域に方向転換することができる。両方の場合においても、構造体のクリティカルな部位は、低い振動レベルに維持される。
【0026】
本発明の一実施の形態において使用されるアクチュエータの位置及び数は、エネルギ閉じ込めが引き起こされ、入力源の近傍で振動エネルギを捕捉できるように決定される。アクチュエータに付与される力の大きさ、さらに、外乱に対する力の位相は、渦状閉じ込めを引き起こすように決定される。従来の方法のような余分な振動エネルギを抑制、散逸、打消しをしようとする試みとは異なり、渦状パワーフローアプローチによって引き起こされる渦状閉じ込めは、外乱源の周りの振動エネルギを捕捉し、クリティカル領域からこのエネルギをそらし、この処理の間、エネルギの幾らかを散逸させる。
【0027】
図4A〜図4Cは、エネルギを管理するために使用される3つの想定可能なパワーフローパターンを示す。このエネルギは、外乱力によって引き起こされ、単一のアクチュエータによって制御される。パワーフローパターンには、直線状パターン、S字状パターン、渦状パターンが含まれる。第1のベンディングモードの近傍で構造体の励起及び制御が行われる場合には、外乱(ソース)200からアクチュエータ(シンク)202へのパワーフローは直線状である(図4A参照)。直線状フローパターンは、構造体内で最適な部位にエネルギをアクティブに誘導するのに使用される。第4のベンディングモードの近傍で構造体の励起及び制御を行うと、外乱(ソース)200からアクチュエータ(シンク)202へのパワーフローはS字状パターンになる(図4B参照)。小さな渦(vortices)が生ずる場合もある。S字状フローパターンは、構造体内の所望な部位に複雑な経路を通ってエネルギを誘導する場合に有用である。小さい鳥の巣状の渦とS字状フローパターンとを例えば、航空機のスキンや宇宙船のスキンのような構造体における複数のクリティカルな部品、即ち、感度の高い電子機器やセンサアレイを隔離するために利用することが可能である。さらに、第6のベンディングモードの近傍で構造体の励起及び制御を行うと、パワーフローは渦状パターンになる(図4C参照)。パワーは外乱(ソース)200とアクチュエータ202の周りの円形状パターンで捕捉される。外乱及びアクチュエータは、各渦の中心(目)には存在しないことが理解できる。渦状のパワーフローパターンは、ソースから離間するようにエネルギを伝播させることを阻止する。
【0028】
従来のスキンと比較して、本発明は、放射されたノイズの低減及び制御を大幅に向上させることができる。放射されたノイズの減衰(例えば、航空機の内部におけるノイズの低減)、放射されたノイズと音響信号の低減に関し、アクティブノイズ制御(ANC)及びアクティブ構造音響制御(ASAC)技術は、低周波数範囲で効果的である。ANCの場合、センサ及びアクチュエータ(即ち、マイクロフォン及びラウドスピーカ)が音場(acoustic field)に設けられる。しかしながら、ASACの場合、センサ及びアクチュエータ(即ち、加速度計及びPZTパッチ)は、通常、放射構造体(radiating structure)に組み込まれる。ASAC技術の場合のように、本発明では、スキン構造体内にセンサ及びアクチュエータを組み込んでいる。しかしながら、本発明によって提案される方法は、従来のASACのアプローチとは異なっており、優れている。アクチュエータは、スキン構造体の振動エネルギを誘導、管理するために使用され、構造体の特定の領域で振動エネルギを受けるように積極的に制限することによって放射パワーを低減する。
【0029】
上述したように、本発明のスマートスキンは、渦状パワーフローを使用して制御される。さらに、本発明は、構造体又は機械内の振動エネルギの配向を制御するために、システムの変位の空間偏微分、速度、及び/又は加速度に応じたフィードバック力を発生させる。適切な比率のフィードバック力が加えられると、構造体や部品における振動に対する応答の大きさを指数関数的に変化させることができる。従って、システムの応答は、特定の領域又は部品で振動を抑制又は増幅させるように調整されている。本発明の実施の形態では、センサ、信号処理、さらに、アクチュエータが使用され、構造体の応答の監視、システムの変位の空間偏微分、速度、加速度が計算され、必要なフィードバック力が付与される。2000年11月22日出願の米国特許第09/721,102号(アクティブ管理及び構造振動エネルギの誘導)を参照し、閉じ込めによるアクティブ振動制御(AVCC)の詳細な説明として、その内容が本明細書中に盛り込まれている。
【0030】
一実施の形態においては、本発明は、本明細書中で閉じ込めによるアクティブ振動制御(AVCC)として言及するシステムの振動特性を変更させる技術を用いてスキンの特定の領域に振動エネルギを閉じ込めるためにアクティブフィードバック駆動を利用する。このアプローチは、システム応答の時間依存特性だけでなく、空間依存特性を利用する点において、従来のアクティブ振動制御技術とは大きく異なる。システムの変位の空間部分偏微分(spatial partial derivatives)、速度、加速度に比例したフィードバック力を付与することにより、振動モードが変更され、空間領域における振動エネルギの閉じ込め又は再分配が効果的に行われる。従来の方法とは異なり、システムの振動応答等が外乱のタイプに依存することなく制御される。
【0031】
本発明は、幾つかのレベルにおいて、従来の振動制御方法との差異を有する。恐らく、最も大きな差異は、振動エネルギの閉じ込め自体であろう。従来の技術においては、振動の低減は、入ってきた振動に対して制御機構が応答することを前提としていた。即ち、システムは、リアクティブである。一方、本発明の方法では、システムの特定の領域で振動エネルギを受けることが阻止される。この意味で、本発明のアプローチは積極的である。
【0032】
現在利用されている振動制御の方法は全て、振動が制御領域に伝播していくのを前提としている。つまり、所望しない振動が伝播してクリティカル領域に入った後に対処することを前提としている。具体的には、隔離技術においては、システムにおいて、2つの部品の境界部分に振動が存在すると想定される。この境界部分において、入ってくる振動に対して反作用し、振動の伝播を低減するような隔離が行われる。吸収技術の場合には、振動が吸収機構に伝達されなければ効果がない。この制御方法は、他のシステム部品における振動エネルギを低減する。振動抑制技術は、減衰機構に対して大きなエネルギが伝達したときに最も大きな効果を生み出す。この場合、まず、システムに振動が発生した後、この振動が散逸される。従来のアクティブ振動制御技術は、システムに存在する振動に対して反作用し、打ち消すような力を付与するものである。このような制御機構は、まず最初に、所望しない領域に振動が伝達した後、この振動を打ち消すことを前提としたものである。これらの機構がリアクティブモードで動作することは明らかである。
【0033】
本発明の一実施の形態においては、システムの変位の空間偏微分、速度、及び/又は加速度に比例したフィードバックにより閉じ込めを引き起こす。従って、空間振動の閉じ込めは、構造体又はその部品の長さ方向に沿って、指数関数的に振動の大きさを減衰させる。結果として、振動は、システムにおいてクリティカルでない領域に閉じ込められ、システムにおける振動エネルギが付与されてはならない領域に振動エネルギが伝播することが阻止される。
【0034】
上述したように、本発明のスキン構造体を用いて実施される第1のタイプのエネルギの管理や閉じ込めは、本明細書において、閉じ込めによるアクティブ振動制御(AVCC)として言及される。振動エネルギの閉じ込めは、スキンアクチュエータを用いてアクティブな力を適切に付与することによって実現するようにしてもよい。このアプローチによって、構造設計の変更や閉じ込め要素を用いた閉じ込めの実施が支援されたり、又は、構造設計の変更や閉じ込め要素を用ることなく閉じ込めを実施することができる。図5A及び図5Bは、このタイプのエネルギ閉じ込めを示している。最大振動領域500と最小振動領域510が存在するスキン構造体の部分を図5Aに示している。最大振動用語「最大」、「最小」は、絶対的なものとして使用されているものではなく、スキンの領域間に大きな違いが存在することを示している。図5Bは、スキンの断面と、代表的な振動波520を示す。当業者であれば、本明細書の記載によって、スキン内のアクチュエータが特定の領域に振動を閉じ込めるのに使用されることが理解できるであろう。
【0035】
本発明のスキン構造体を用いて実施される第2のタイプのエネルギの管理又は閉じ込めは、本明細書において、渦状パワーフローによるエネルギ閉じ込め(EC−VPF)として言及される。渦状の強度応答パターンがスキン構造体に形成される。
【0036】
本発明のエネルギ管理システムと現在実施されているアクティブ振動閉じ込めシステムとの幾つかの違いを図6A及び図6Bに図示する。一般的な技術に基づいて行われる標準的なステップを図6Aに示し、本発明のシステムの実施の形態を図6Bに示す。図6Aにおいて、ステップ600は、開ループシステムの初期の段階を示す。構造体が振動する際、領域全体に渡ってエネルギが伝わっている。従来の振動制御方法では、ステップ612から分かるように、ステップ602において丸で示すパッシブ及び/又はアクティブな減衰要素610が構造体に組み込まれる。減衰要素が駆動された後、ステップ620において、構造体の振動全体が減衰される。
【0037】
本発明のエネルギに基づくスマート振動制御システムの一実施の形態を図6Bに示す。ステップ630は、構造体内のエネルギ振動625を示す。構造体には、上述したアクチュエータが含まれ、このアクチュエータは、エネルギを管理するために制御される。ステップ630に示される構造体のエネルギは、まず、構造体のクリティカル領域から、ステップ640において、よりクリティカルでない領域に移される。図示の例において、構造体の中間部は、クリティカル領域であると仮定される。クリティカル領域では、余分な振動が存在すると、構造体の性能、安全性、機能実現性全体に対して大きな影響が及ぼされる可能性がある。また、両側の部分は、余分な振動エネルギを捕捉するのにより適した領域であると仮定される。エネルギの閉じ込めは、上述したように、アクティブな力を付与する方法によって行ってもよいし、又は、渦状の誘導方法を用いて行ってもよい。
【0038】
次に、必要に応じ、この過度なエネルギを、パッシブな要素又はアクティブな要素(ステップ650に示す丸660)によって除去したり、減衰させるようにしてもよい。最終的にエネルギ管理された状態の構造体をステップ670に示す。集中減衰要素によって振動エネルギが除去された後、ステップ680において、選択されたクリティカル領域では、クリティカルでない領域に較べ、振動エネルギは非常に僅かになっている。クリティカルでない部分でさえも、一般的なパッシブ技術やアクティブ技術に較べて振動のレベルが小さくなっていることが理解できるであろう。本発明のエネルギ管理のアプローチの一実施の形態では、2つの独自の特徴、即ち、振動の空間的な閉じ込めと集中的なパッシブ減衰要素やアクティブ減衰要素を組み合わせて使用している。スキン構造体を用いた振動エネルギの空間的な閉じ込めにより、設計者、制御技術者が限られた数のパッシブ要素とアクティブアクチュエータを効率的に利用することができるため、これまで常に問題となってきた電力要求の問題を解決することができる。
【0039】
本発明は、既存の方法に対して大きな利点を有する。スキンシステムを振動させるのにAVCCを利用することによって、従来のアプローチよりも、スキンの特定の領域がより速やかに、許容される振動レベルに到達する。本発明は、スキンのクリティカル領域に振動エネルギが伝播するのを阻止するためだけの目的で実施してもよい。しかしながら、本発明では、従来技術と較べて、振動の絶対的なレベルをより低減することが可能である。本AVCCの発明によって実施される振動エネルギの再分配において、振動を誘導するのに必要なエネルギは、振動エネルギを打ち消すのに必要なエネルギよりも小さい。本発明では、必要な電力、アクチュエータの数を従来のアクティブ振動制御の場合よりも減らすことができる。従来の方法ではシステム全体に存在する振動を打ち消す必要があるからである。
【0040】
本発明は、現在一般に行われている方法とは異なり、構造体の空間偏微分に比例する力(即ち、張力、せん断力)を適用箇所に誘起させるものである。また、定常振動を受ける構造体内で渦状の強度応答パターンを発生させるため、振動のパワーフローを構造体の特定の領域に閉じ込めるのに威力を発揮する。
【0041】
軍事的用途、商業的用途では、効果的で且つ低コストの振動制御システムに対する要求が存在することは明らかである。スキン構造体は、商用の船舶、航空機、宇宙船、自動車、海上システム、機械装置、工作機械、家電製品に使用可能である。例えば、図5は、本発明のスキン構造体を用いた飛行機300を概略的に示している。スキン構造体を、飛行機の特定の部位に限って利用するようにしてもよい。
【0042】
本発明のスキン構造体は、耐荷重スキンを乗物のクリティカル部分に使用すること、つまり、耐荷重スキンによって乗物の機能及び性能に直接影響が及ぼされるような場合にも使用することもできる。乗用航空機、戦闘機、宇宙船、無人飛行機、無人海中乗物、潜水艦、水上船、自動車に本発明を利用すると、利点が得られるであろう。乗用航空機の場合には、この業界で大きな問題となっている客室ノイズを取り除くためにスキンを使用することもできる。本発明は、耐荷重スキンを用いないシステムにも使用することもできる。商業用途において、最も期待され、注目を集めているものの1つは、「壁紙(wallpaper)」つまり、極薄スキンである。本発明のスキンを使用した部屋、講堂では、音響特性の変更が可能である。また、本発明は、オフィス領域に放射されるノイズが低減されるようにコンピュータの筐体に使用したり、クリーンルームや、小さな外乱も許されない品質管理室に使用することもできる。アンテナシステムや空中システム、航空機、打ち上げ機、宇宙構造体、陸上乗物、水上乗物等、多くのシステムにおいては、振動やショックを抑制することが極めて重要である。また、本発明の別の実施の形態では、表面に発生する振動を管理するために、この表面に貼付されるテープとして形成されるスキン材料が含まれる。この実施の形態においては、テープは上述したスキンと同じようなものである。しかしながら、テープは概ね可撓性を有し、金属層等の外側層を含まない場合もある。テープのアクチュエータは、薄層を含むが、この薄層は、取り付け表面とアクチュエータとを分離するものである。
【0043】
本明細書で説明した実施の形態は、全て、電源内蔵タイプのものであってもよい。つまり、アクチュエータには幾らかの電源が必要である。電源は、センサによって発生する。例えば、圧電センサ/アクチュエータは、スキン構造体に存在するエネルギから電源を作り出すのに使用される。この電力は、システムやシステムの充電バッテリに対して電力を供給する。
【0044】
つまり、本発明は、商業的用途の水中クラフト、航空機、宇宙船、自動車、海上システム、機械装置、工作機械、家電製品、パーソナルコンピュータに適用することができる。本発明をビルや橋、さらに、海洋石油プラットフォームに使用してもよい。別の商業的用途としては、プラントの製造及び処理が挙げられる。エネルギ管理機能が組み込まれたスマート構造体は、プラントで使用される機械装置の余分なノイズ及び振動を低減し、生産性、品質、利益の向上を図ることができる。
【0045】
図7は、本発明のフローチャートを示す。処理の際、センサは、スキン構造体680に接続され、ステップ700において、振動を検出する。ステップ702において、外部プロセッサは、センサ出力を処理する。プロセッサは、ステップ706においてアクチュエータを用いてスキンに付与される適切なフィードバック力を決定する。このセンサは、振動を継続的に監視し、振動が変更されたかどうかを検出する。プロセッサによって、所望のレベルの閉じ込めが行われるまでアクチュエータを継続的に調節するようにしてもよい。代替的な実施の形態においては、プロセッサは、履歴データのルックアップデータに基づいて構造体に欠陥が発生したかどうかを検出する。つまり、スキンにおいて形成される他の欠陥、即ち、クラックは、システムの振動応答を変更する可能性がある。プロセッサはこのような変更を検出する。ステップ712において、プロセッサは、欠陥が発生している可能性があるため、検査が必要である旨の警告を発行する。次に、プロセッサは、該当するアクチュエータと、その周りのアクチュエータに対し、フィードバック力を付与し、欠陥が伝播する可能性を低減させる。
【0046】
結論
スマートスキン構造体における振動エネルギ管理能力及び誘導能力について説明した。このスキンは、システム、サブコンポーネント、デバイス、又は構造体のスキン又はシェルの振動を管理するのに使用される。スキンにはセンサが接続され、振動に対する応答が取得される。スキンに組み込まれたアクチュエータを選択的に駆動することによって力をスキンに付与し、振動エネルギを1つ以上の所定のスキンの領域に閉じ込めたり、誘導することができる。アクチュエータによって付与される力は、閉じ込めパワーフローを生じさせることによって制御される。また、スキンアクチュエータは、振動力の空間偏微分を用いて制御するようにしてもよい。この構造体は、限定するものではないが、船舶、航空機、宇宙船、自動車、海上装置、産業機械、工作機械、家電製品、ビル、橋、さらに、海洋石油プラットフォームに使用される。
【0047】
本明細書において、本発明の具体的な実施の形態について例示、説明したが、当業者であれば、同一の目的を達成するように計算することによって、図示した具体的な実施の形態の構成を変更することも可能であることが理解できよう。本明細書では、本発明を自由に改変、変形できることが意図されている。つまり、本発明の範囲が、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ制限されるように意図されていることは明らかである。
Claims (29)
- スキンと、
前記スキンに接続され、当該スキンの振動を測定するセンサと、
前記スキンに組み込まれるアクチュエータとを含み、
前記アクチュエータを選択的に駆動することによって前記スキンに力を付与し、1つ以上の所定のスキン領域に振動エネルギを閉じ込め、又は誘導することを特徴とするスキン構造体。 - 請求項1記載のスキン構造体において、輸送装置において実施されることを特徴とするスキン構造体。
- 請求項1記載のスキン構造体において、消費者製品において実施されることを特徴とするスキン構造体。
- 請求項1記載のスキン構造体において、製造設備において実施されることを特徴とするスキン構造体。
- 請求項1記載のスキン構造体において、前記アクチュエータは、圧電ロッドを含むことを特徴とするスキン構造体。
- 請求項1記載のスキン構造体において、前記センサは、前記スキンに組み込まれた圧電ロッドを含むことを特徴とするスキン構造体。
- 請求項1記載のスキン構造体において、前記センサは、振動力を検出し、制御信号を前記アクチュエータに供給するプロセッサに接続されることを特徴とするスキン構造体。
- 請求項7記載のスキン構造体において、前記制御信号は、前記アクチュエータを駆動して、前記スキン内に直線状のパワーフロー、S字状のパワーフロー、渦状のパワーフローのいずれかを発生させることを特徴とするスキン構造体。
- 請求項7記載のスキン構造体において、前記制御信号は、前記検出された振動力の空間偏微分に基づいて前記アクチュエータを駆動することを特徴とするスキン構造体。
- 請求項1記載のスキン構造体において、扁平であるか、湾曲していることを特徴とするスキン構造体。
- 請求項1記載のスキン構造体において、さらに、前記スキンに接続されたパッシブ減衰要素を含むことを特徴とするスキン構造体。
- 外側層と、
前記外側層に組み込まれ、当該外側層の振動を測定するセンサと、
前記外側層に組み込まれるアクチュエータとを含み、
前記アクチュエータを選択的に駆動することによって前記外側層に力を付与し、1つ以上の所定のスキン領域に振動エネルギを閉じ込め、又は誘導することを特徴とするスキン材料。 - 請求項12記載のスキン材料において、前記スキン材料の前記センサは、振動力を検出し、制御信号を前記アクチュエータに供給するコントローラに接続されることを特徴とするスキン材料。
- 請求項13記載のスキン材料において、前記制御信号は、前記アクチュエータを駆動して、前記スキン内に直線状のパワーフロー、S字状のパワーフロー、渦状のパワーフローのいずれかを発生させることによって、1つ以上の所定のスキン材料領域に振動エネルギを閉じ込め、又は誘導することを特徴とするスキン材料。
- 請求項13記載のスキン材料において、前記制御信号は、前記アクチュエータを駆動し、当該アクチュエータに前記スキン材料の前記検出された振動力の空間偏微分に比例したフィードバック力を付与することを特徴とするスキン材料。
- 請求項12記載のスキン材料において、前記外側層が金属で構成されることを特徴とするスキン材料。
- 請求項12記載のスキン材料において、前記アクチュエータ及び前記センサの各々が圧電デバイスを含むことを特徴とするスキン材料。
- 請求項12記載のスキン材料において、さらに、振動を散逸させるパッシブ減衰要素を含むことを特徴とするスキン材料。
- 外側層と、
前記外側層に接続され、当該外側層の振動を測定するセンサと、
前記スキンに組み込まれたアクチュエータと、
前記センサに接続され、前記アクチュエータに制御信号を供給するコントローラとを含むスキン材料を備えることを特徴とする構造体。 - 請求項19記載の構造体において、前記センサ及び前記アクチュエータは、圧電デバイスを含むことを特徴とする構造体。
- 請求項19記載の構造体において、船舶、航空機、宇宙船、自動車、海上機器、産業機械、工作機械、家電製品、ビル、橋、さらに、海洋石油プラットフォームを含む群から選択されることを特徴とする構造体。
- 請求項19記載の構造体において、さらに、振動を散逸させるパッシブ減衰要素を含むことを特徴とする構造体。
- スキン構造体における振動を制御する方法において、
前記スキン構造体における振動を検出するステップと、
前記スキンに組み込まれたアクチュエータに対してフィードバック力を付与し、前記スキン内にエネルギパワーフローパターンを生じさせることによって、振動エネルギを閉じ込め、又は誘導することを特徴とするスキン構造体における振動を制御する方法。 - 請求項23記載の方法において、前記エネルギパワーフローパターンは、直線状のパワーフロー、S字状のパワーフロー、渦状のパワーフローのいずれかであることを特徴とするスキン構造体における振動を制御する方法。
- 請求項23記載の方法において、前記スキン構造体は、船舶、航空機、宇宙船、自動車、海上機器、産業機械、工作機械、家電製品、ビル、橋、さらに、海洋石油プラットフォームを含む群から選択される構造体において実施されることを特徴とするスキン構造体における振動を制御する方法。
- 請求項23記載の方法において、前記アクチュエータは、圧電デバイスを含むことを特徴とするスキン構造体における振動を制御する方法。
- 請求項23記載の方法において、さらに、
前記スキン構造体に接続されたセンサを用いて前記スキン構造体内の振動エネルギに応じた電源電圧を発生させるステップと、
前記電源電圧をアクチュエータに印加するステップとを含むことを特徴とするスキン構造体における振動を制御する方法。 - スキン構造体における振動を制御する方法において、
前記スキン構造体における振動を検出するステップと、
前記スキンに組み込まれたアクチュエータにフィードバック力を付与し、振動エネルギを閉じ込めるステップと、
パッシブ散逸要素を用いて前記閉じ込められた振動エネルギを散逸させるステップとを含むことを特徴とするスキン構造体における振動を制御する方法。 - スキン構造体における振動を制御する方法において、
前記スキン構造体における振動を検出するステップと、
前記検出された振動を処理し、前記振動を閉じ込めるのに必要なフィードバック力を決定するステップと、
前記決定されたフィードバック力と履歴データとを比較するステップと、
前記スキン構造体に欠陥が存在するかどうかを決定するステップと、
前記スキンに組み込まれたアクチュエータにフードバック力を付与し、振動エネルギを閉じ込め、又は誘導するステップとを含むことを特徴とするスキン構造体における振動を制御する方法。
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