JP2004526776A - 悪液質を治療するためのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、悪液質の治療のための医薬の製造のためのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、悪液質を治療するためのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
癌患者の50%以上が悪液質(生活の質を損ないかつ死亡率に寄与する体重減少およびるいそうの症候群)を経験する。さらなる症状は、食欲不振、慢性悪心、衰弱および身体像の変化を包含する。さらに、悪液質の癌患者は、匹敵する疾患の程度を伴う非悪液質の患者に比較して低下された生存を有するという証拠が存在する。体重減少は、筋タンパク質量および体脂肪の喪失を伴う宿主の異化作用の活性化を反映する。異化作用は、顕著な役割を演じると考えられるIL−6、TNF−αおよびインターフェロン−γを含む腫瘍に分泌されるおよび宿主の免疫のサイトカイン放出により活性化される。鉱質ステロイドおよびプロゲステロン薬物が悪液質を治療するために使用され、そして、食欲、食物摂取および多幸感を向上させることが示されており、また、それは体重増加を導き出す。サリドマイドおよびメラトニンのような新たな一群の薬物が腫瘍壊死因子−αに対するそれらの効果により、ならびにβ2−アドレナリン受容体アゴニストが筋代謝に対するそれらの効果により、ならびに他の薬物もまた示唆されている。しかしながら、悪液質の新たな治療に対する必要性がなお存在する。上の療法は常に診察室で有効であると判明してはいないからである。
【0003】
悪液質の新たな治療方法を提供することが本発明の一目的である。
【0004】
特許文献1は、式(I)、(II)および(III)のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害性の(イミダゾリ−5−イル)メチル−2−キノリノン誘導体の製造法、製剤および製薬学的特性、ならびにインビボで式(I)の化合物に代謝される式(II)および(III)の中間体を記述する。式(I)、(II)および(III)の化合物は、
【0005】
【化1】
【0006】
、それらの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および立体異性体
により表され、式中、
点線は任意の結合を表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1は、水素、C1−12アルキル、Ar1、Ar2C1−6アルキル、キノリニルC1−6アルキル、
ピリジルC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
または、式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基であり、
式中Alk1はC1−6アルカンジイルであり、
R9はヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、アミノ、C1−8アルキルアミノ、もしくはC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノであり、
R2、R3およびR16は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar2C1−6アルキル、Ar2オキシ、Ar2C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、4,4−ジメチルオキサゾリルであるか;または
隣接する位置の場合、R2およびR3は一緒になって、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O−CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を形成してよく;
R4およびR5は、それぞれ独立に水素、ハロ、Ar1、C1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R6およびR7は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシ、Ar2オキシ、トリハロメチル、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノであるか、または
隣接する位置の場合、R6およびR7は一緒になって式
−O−CH2−O− (c−1)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (c−2)
の二価の基を形成してよく;
R8は水素、C1−6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、カルボキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、イミダゾリル、ハロC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、または式
−O−R10(b−1)、
−S−R10(b−2)、
−N−R11R12(b−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1、
Ar2C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキルまたは基もしくは式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR14R15であり;
R11は水素、C1−12アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、C1−16アルキルカルボニル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar1、
Ar2C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、天然のアミノ酸、Ar1カルボニル、Ar2C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、または基もしくは式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR14R15であり;
式中、Alk2はC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R17は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、Ar1であり;
R18は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
R19は水素もしくはC1−6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルであり;および
Ar2は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルである。
【0007】
特許文献2は、式(IV)のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物の製造法、製剤および製薬学的特性、ならびにインビボで式(IV)の化合物に代謝される式(V)および(VI)の中間体に関する。式(IV)、(V)および(VI)の化合物は、
【0008】
【化2】
【0009】
、それらの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および立体異性体
により表され、式中、
点線は任意の結合を表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1は、水素、C1−12アルキル、Ar1、Ar2C1−6アルキル、キノリニルC1−6アルキル、ピリジルC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
または、式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基であり、
式中、Alk1はC1−6アルカンジイルであり、
R9は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、アミノ、C1−8アルキルアミノ、もしくはC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノであり;
R2およびR3は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar2C1−6アルキル、Ar2オキシ、Ar2C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニルであるか;または
隣接する位置の場合、R2およびR3は一緒になって、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O−CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2(a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を形成してよく;
R4およびR5は、それぞれ独立に水素、Ar1、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R6およびR7は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはAr2オキシであり;
R8は水素、C1−6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、Ar1、Ar2C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキルであり;
R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
R11は水素もしくはC1−6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルであり;
Ar2は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルである。
【0010】
特許文献3は、式(VII)
【0011】
【化3】
【0012】
のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、
それらの製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体の製造法、製剤および製薬学的特性に関し、式中
点線は任意の結合を表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
−A−は、式
−CH=CH− (a−1)、
−CH2−CH2− (a−2)、
−CH2−CH2−CH2− (a−3)、
−CH2−O− (a−4)、
−CH2−CH2−O− (a−5)、
−CH2−S− (a−6)、
−CH2−CH2−S− (a−7)、
−CH=N− (a−8)、
−N=N− (a−9)もしくは
−CO−NH− (a−10)
の二価の基であり;
式中、場合によっては1個の水素原子がC1−4アルキルもしくはAr1により置換されてよく;
R1およびR2は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar2、Ar2−C1−6アルキル、Ar2−オキシ、Ar2−C1−6アルキルオキシであるか;または、隣接する位置の場合、R1およびR2は一緒になって、式
−O−CH2−O− (b−1)、
−O−CH2−CH2−O− (b−2)、
−O−CH=CH− (b−3)、
−O−CH2−CH2− (b−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (b−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (b−6)
の二価の基を形成してよく;
R3およびR4は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシ、Ar3−オキシ、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、トリハロメチル、トリハロメトキシであるか、または
隣接する位置の場合、R3およびR4は一緒になって、式
−O−CH2−O− (c−1)、
−O−CH2−CH2−O− (c−2)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (c−3)
の二価の基を形成してよく;
R5は、式
【0013】
【化4】
【0014】
の基であり、
式中、R13は水素、ハロ、Ar4、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキルもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルであり;
R6は、水素、ヒドロキシ、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、Ar5、Ar5−C1−6アルキルオキシC1−6アルキル;または式
−O−R7(e−1)、
−S−R7(e−2)、
−N−R8R9(e−3)
の基であり、
式中、R7は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar6、Ar6−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR10もしくは−Alk−NR11R12の基であり;
R8は水素、C1−6アルキル、Ar7もしくはAr7−C1−6アルキルであり;
R9は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、
C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar8、Ar8−C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、Ar8−カルボニル、
Ar8−C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、
または基もしくは式−Alk−OR10もしくは−Alk−NR11R12であり;
式中、AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar9もしくはAr9−C1−6アルキルであり;
R11は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar10もしくはAr10−C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、Ar11もしくはAr11−C1−6アルキルであり;および
Ar1ないしAr11は、それぞれ独立に、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルで置換されるフェニルから選択される。
【0015】
特許文献4は、式(VIII)
【0016】
【化5】
【0017】
のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、
それらの製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体の製造法、製剤および製薬学的特性に関し、式中
点線は任意の結合を表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1およびR2は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar1C1−6アルキル、Ar1オキシもしくはAr1C1−6アルキルオキシであり;
R3およびR4は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシ、Ar1オキシ、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、トリハロメチルもしくはトリハロメトキシであり;
R5は、水素、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、
C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、Ar1、Ar1C1−6アルキルオキシC1−6アルキル;または式
−O−R10(a−1)、
−S−R10(a−2)、
−N−R11R12(a−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1、Ar1C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15の基であり、
R11は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar1、
Ar1C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、Ar1カルボニル、
Ar1C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、
または基もしくは式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15であり;
式中AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R6は、式
【0018】
【化6】
【0019】
の基であり、
式中、R16は、水素、ハロ、Ar1、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、
C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、
C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルまたはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R17は水素、C1−6アルキルもしくはジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルであり;
R7は水素もしくはC1−6アルキルであるが、但し点線は結合を表さず;
R8は水素、C1−6アルキルもしくはAr2CH2もしくはHet1CH2であり;
R9は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであるか;またはR8およびR9は一緒になって、式
−CH=CH− (c−1)、
−CH2−CH2− (c−2)、
−CH2−CH2−CH2− (c−3)、
−CH2−O− (c−4)もしくは
−CH2−CH2−O− (c−5)
の二価の基を形成し;
Ar1は、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるフェニルであり;
Ar2は、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるフェニルであり;および、
Het1は、ピリジニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるピリジニルである。
【0020】
前述の定義で、ならびに下で式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)および(VIII)の化合物について使用されるところのハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを定義し;C1−6アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのような1から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を定義し;C1−8アルキルは、C1−6アルキルで定義されるところの直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基、ならびに例えばヘプチルもしくはオクチルのような7もしくは8個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物を包含し;C1−12アルキルは、再度、C1−8アルキル、および例えばノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのような9ないし12個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物を包含し;C1−16アルキルは、再度、
C1−12アルキル、および例えばトリデシル、テトラデシル、ペンテデシルおよびヘキサデシルのような13ないし16個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物
を包含し;C2−6アルケニルは、例えばエテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニルなどのような、1個の二重結合を含有しかつ2から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の炭化水素基を定義し;C1−6アルカンジイルは、例えばメチレン、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイルおよびそれらの分枝状異性体のような1から6個までの炭素原子を有する二価の直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を定義する。「C(=O)」という用語はカルボニル基を指し、「S(O)」はスルホキシドを、および「S(O)2」はスルホンを指す。「天然のアミノ酸」という用語は、アミノ酸のカルボキシル基と該分子の残部のアミノ基との間で1分子の水の喪失により形成される共有アミド結合を介して結合される天然のアミノ酸を指す。天然のアミノ酸の例は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジンである。
【0021】
特許文献5は、式(IX)
【0022】
【化7】
【0023】
のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、もしくはそれらの製薬学的に許容できる塩付加塩および立体異性体の製造法、製剤および製薬学的特性に関し、式中=X1−X2−X3−は、式
=N−CR6=CR7− (x−1)、
=N−N=CR6− (x−2)、
=N−NH−C(=O)− (x−3)、
=N−N=N− (x−4)、
=N−CR6=N− (x−5)、
=CR6−CR7=CR8− (x−6)、
=CR6−N=CR7− (x−7)、
=CR6−NH−C(=O)− (x−8)もしくは
=CR6−N=N− (x−9)
の三価の基であり;
式中、各R6、R7およびR8は独立に水素、C1−4アルキル、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、アリールオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、
C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、シアノ、アミノ、チオ、C1−4アルキルチオ、アリールチオもしくはアリールであり;
>Y1−Y2−は、式
>CH−CHR9− (y−1)、
>C=N− (y−2)、
>CH−NR9− (y−3)もしくは
>C=CR9− (y−4)
の三価の基であり;
式中、各R9は独立に、水素、ハロ、ハロカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノ、カルボキシル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、モノもしくは
ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールであり;
rおよびsはそれぞれ独立に0、1、2、3、4もしくは5であり;
tは0、1、2もしくは3であり;
各R1およびR2は独立に、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、
C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくは
ジ(C1−6アルキル)アミノ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、アリール、アリールC1−6アルキル、アリールオキシもしくはアリールC1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、
アミノカルボニル、アミノC1−6アルキル、モノもしくは
ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルであるか;または
フェニル環上の相互に隣接する2個のR1もしくはR2置換基は、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O=CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を一緒に独立して形成してよく;
R3は、水素、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、アリール、
アリールC1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル;
または式
−O−R10(b−1)、
−S−R10(b−2)、
−NR11R12(b−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アリール、アリールC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15の基であり;
R11は水素、C1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R12は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシ、
C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、アリールC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アリールカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、アリールC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル(ここでアルキル部分はアリールもしくはC1−3アルキルオキシカルボニルから独立に選択される1個もしくはそれ以上の置換基により場合によっては置換されてよく)、アミノカルボニルカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、または基もしくは式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15であり;
式中、AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R4は式
【0024】
【化8】
【0025】
の基であり、
式中、R16は、水素、ハロ、アリール、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルまたはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R16はまた、式(c−1)もしくは(c−2)のイミダゾール環中の窒素原子の1つに結合されてもよく、その場合、窒素に結合される場合のR16の意味するところは、水素、アリール、C1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルに制限され;
R17は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アリールC1−6アルキル、トリフルオロメチルもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルであり;
R5はC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
アリールはフェニル、ナフタレニル、またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されるフェニルである。
【0026】
特許文献6は、上に挙げられた特許文献5で同定されるラセミ化合物、すなわち5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミンの(−)鏡像異性体、およびその製薬学的に許容できる付加塩に関する。
【0027】
前述の定義および下で式(IX)の化合物について使用されるところのハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードに包括的なものであり;C1−4アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピルなどのような1から4個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を定義し;C1−6アルキルはC1−4アルキルおよび例えばペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、2−メチルペンチルなどのような5ないし6個の炭素原子を有するそれらのより高級な相同物を包含し;C1−6アルカンジイルは、例えばメチレン、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイルおよびそれらの分枝状異性体のような1から6個までの炭素原子を有する二価の直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を定義し;C2−6アルケニルは、1個の二重結合を含有しかつ例えばエテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニルなどのような2から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の炭化水素基を定義する。「S(O)」はスルホキシドを、および「S(O)2」はスルホンを指す。
【0028】
他の有用なファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、特許文献7に記述されるアルグラビン(すなわち1(R)−10−エポキシ−5(S),7(S)−グアヤ−3(4),11(13)−ジエン−6,12−オリド);特許文献8に記述されるペリリルアルコール;特許文献9に記述されるSCH−66336、すなわち(+)−(R)−4−[2−[4−(3,10−ジブロモ−8−クロロ−5,6−ジヒドロ−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル)ピペリジン−1−イル]−2−オキソエチル]ピペリジン−1−カルボキサミド;特許文献10に記述されるL778123、すなわち1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン;特許文献11に記述される化合物2(S)−[2(S)−[2(R)−アミノ−3−メルカプト]プロピルアミノ−3(S)−メチル]−ペンチルオキシ−3−フェニルプロピオニル−メチオニンスルホン;ならびに、特許文献12に記述されるBMS 214662、すなわち(R)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1−(IH−イミダゾル−4−イルメチル)−3−(フェニルメチル)−4−(2−チエニルスルホニル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−7−カルボニトリル、ならびに、特許文献13および同14に記述されるファイザー(Pfizer)の化合物(A)および(B)を包含する:
【0029】
【化9】
【特許文献1】
第WO−97/21701号明細書
【特許文献2】
第WO−97/16443号明細書
【特許文献3】
第WO−98/40383号明細書
【特許文献4】
第WO−98/49157号明細書
【特許文献5】
第WO−00/39082号明細書
【特許文献6】
第WO−01/98302号明細書
【特許文献7】
第WO−98/28303号明細書(NuOncology Labs)
【特許文献8】
第WO−99/45912号明細書(Wisconsin Genetics)
【特許文献9】
米国特許第5874442号明細書(Schering)
【特許文献10】
第WO−00/01691号明細書(Merck)
【特許文献11】
第WO−94/10138号明細書(Merck)
【特許文献12】
第WO 97/30992号明細書(Bristol Myers Squibb)
【特許文献13】
第WO−00/12498号明細書
【特許文献14】
第WO−00/12499号明細書
【発明の開示】
【0030】
予期しないことに、われわれは、今や、上で同定されたものを包含するファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤(下で本発明の化合物と称するかもしれない)が悪液質の治療に有用であることを見出した。
【0031】
従って、本発明は、悪液質の治療のための医薬の製造におけるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明で使用してよいファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤の例は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物、とりわけ、式(II)および(III)の関連化合物を包含する式(I)の化合物、ならびに式(IX)の化合物である。
【0033】
本発明のさらなる一特徴は、悪液質の治療のための医薬の製造における、アルグラビン、ペリリルアルコール、SCH−66336、1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン(メルク(Merck));L778123、BMS 214662、ファイザー(Pfizer)の化合物AおよびBの使用を包含する。
【0034】
本発明はさらに、治療上有効な量の本発明の化合物を投与することによる、ヒトを包含する哺乳動物における悪液質の治療方法を包含する。
【0035】
上の式(I)、(II)および(III)の化合物に関して、R4もしくはR5はまたイミダゾール環中の窒素原子の1個に結合されてもよい。その場合、窒素上の水素原子がR4およびR5により置き換えられ、そして、窒素に結合される場合のR4およびR5の意味するところは、水素、Ar1、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキル、C1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルに制限される。
【0036】
好ましくは、置換基R18はキノリノン部分の5もしくは7位に位置し、また、置換基R19は、R18が7位にある場合に8位に位置する。
【0037】
興味深い化合物はXが酸素である式(I)のこれらの化合物である。
【0038】
また興味深い化合物は、二重結合を形成するように点線が1本の結合を表す式(I)のこれらの化合物である。
【0039】
興味深い化合物の別の群は、R1が水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、または式−Alk1−C(=O)−R9の基であり、式中Alk1がメチレンでありかつR9がC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノである式(I)の化合物である。
【0040】
興味深い化合物のなお別の群は、R3が水素もしくはハロであり;また、R2がハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、トリハロメトキシもしくはヒドロキシC1−6アルキルオキシである、式(I)の化合物である。
【0041】
興味深い化合物のさらなる一群は、R2およびR3が隣接する位置にありかつ一緒になって式(a−1)、(a−2)もしくは(a−3)の二価の基を形成する式(I)の化合物である。
【0042】
興味深い化合物のなおさらなる一群は、R5が水素でありかつR4が水素もしくはC1−6アルキルである、式(I)の化合物である。
【0043】
興味深い化合物のなお別の群は、R7が水素であり;かつ、R6がC1−6アルキルもしくはハロ、好ましくはクロロ、とりわけ4−クロロである、式(I)の化合物である。
【0044】
特定の一群の化合物は、R8が水素、ヒドロキシ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、イミダゾリル、もしくは式−NR11R12の基であり、式中R11は水素もしくはC1−12アルキルであり、また、R12は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、または式−Alk2−OR13の基であり、式中R13は水素もしくはC1−6アルキルである式(I)の化合物である。
【0045】
好ましい化合物は、R1が水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、または式―Alk1−C(=O)−R9の基であり、式中Alk1はメチレンでありかつR9はC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノであり;R2がハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、トリハロメトキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシもしくはAr1であり;R3が水素であり;R4がイミダゾールの3位の窒素に結合されるメチルであり;R5が水素であり;R6がクロロであり;R7が水素であり;R8が水素、ヒドロキシ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、イミダゾリルもしくは式−NR11R12の基であり、式中R11は水素もしくはC1−12アルキルであり、そしてR12は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニルもしくは式−Alk2−OR13の基であり、式中R13はC1−6アルキルであり;R17は水素でありかつR18は水素である化合物である。
【0046】
最も好ましい化合物は、
4−(3−クロロフェニル)−6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン、
6−[アミノ(4−クロロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾル−5−イルメチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン一塩酸塩一水和物;
6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシ−フェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン、
6−アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−4−(3−プロピルフェニル)−2(1H)−キノリノン;それらの立体異性体または製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩;および
(+)−6−アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
もしくはその製薬学的に許容できる酸付加塩である。後者の化合物がとりわけ好ましい。
【0047】
本発明のさらなる好ましい態様は、以下の制限、すなわち
・=X1−X2−X3が式(x−1)、(x−2)、(x−3)、(x−4)もしくは(x−9)の三価の基であり、式中各R6が独立に水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノもしくはアリールであり、かつ、R7が水素であり;
・>Y1−Y2が式(y−1)、(y−2)、(y−3)もしくは(y−4)の三価の基であり、式中各R9が独立に水素、ハロ、カルボキシル、C1−4アルキルもしくはC1−4アルキルオキシカルボニルであり;
・rが0、1もしくは2であり;
・sが0もしくは1であり;
・tが0であり;
・R1がハロ、C1−6アルキルであるか、またはフェニル環上の相互にオルトの2個のR1置換基が式(a−1)の二価の基を一緒に独立に形成してよく;
・R2がハロであり;
・R3がハロ、または式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、式中
R10は水素もしくは式−Alk−OR13の基である。
R11は水素であり;
R12は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、またはモノ
もしくは
ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニルであり;
AlkはC1−6アルカンジイルであり、かつ、R13は水素であり;
・R4が式(c−1)もしくは(c−2)の基であり、式中
R16は水素、ハロ、またはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノであり;
R17は水素もしくはC1−6アルキルであり;
・アリールがフェニルである、
の1個もしくはそれ以上が当てはまる式(IX)の化合物の使用を包含する。
【0048】
特定の一群の化合物は、=X1−X2−X3が式(x−1)、(x−2)、(x−3)、(x−4)もしくは(x−9)の三価の基であり、>Y1−Y2が式(y−2)、(y−3)もしくは(y−4)の三価の基であり、rが0もしくは1であり、sが1であり、tが0であり、R1がハロ、C(1−4)アルキルであるか、もしくは式(a−1)の二価の基を形成し、R2がハロもしくはC1−4アルキルであり、R3が水素または式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、R4が式(c−1)もしくは(c−2)の基であり、R6が水素、C1−4アルキルもしくはフェニルであり、R7が水素であり、R9が水素もしくはC1−4アルキルであり、R10が水素もしくは−Alk−OR13であり、R11が水素であり、かつ、R12が水素もしくはC1−6アルキルカルボニルであり、そしてR13が水素である式(IX)の化合物よりなり;
好ましい化合物は、=X1−X2−X3が式(x−1)もしくは(x−4)の三価の基であり、>Y1−Y2が式(y−1)の三価の基であり、rが0もしくは1であり、sが1であり、tが0であり、R1がハロ、好ましくはクロロ、および最も好ましくは3−クロロであり、R2がハロ、好ましくは4−クロロもしくは4−フルオロであり、R3が水素または式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、R4が式(c−1)もしくは(c−2)の基であり、R6が水素であり、R7が水素であり、R9が水素であり、R10が水素であり、R11が水素であり、そしてR12が水素である式(IX)の化合物であり;
他の好ましい化合物は、=X1−X2−X3が式(x−2)、(x−3)もしくは(x−4)の三価の基であり、>Y1−Y2が式(y−2)、(y−3)もしくは(y−4)の三価の基であり、rおよびsが1であり、tが0であり、R1がハロ、好ましくはクロロ、および最も好ましくは3−クロロであるか、もしくは、R1がC1−4アルキル、好ましくは3−メチルであり、R2がハロ、好ましくはクロロ、および最も好ましくは4−クロロであり、R3が式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、R4が式(c−2)の基であり、R6がC1−4アルキルであり、R9が水素であり、R10およびR11が水素であり、そしてR12が水素もしくはヒドロキシである式(IX)の化合物であり;
式(IX)の最も好ましい化合物は、
7−[(4−フルオロフェニル)(1H−イミダゾル−1−イル)メチル]−5−フェニルイミダゾ[1,2−a]キノリン;
α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−5−フェニルイミダゾ[1,2−a]キノリン−7−メタノール;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−イミダゾ[1,2−a]キノリン−7−メタノール;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)イミダゾ[1,2−a]キノリン−7−メタンアミン;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−1−メチル−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]キノリン−7−メタノール;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−7−メタノール;5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−7−メタノール;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−7−メタンアミン;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−N−ヒドロキシ−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラヒドロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン;
α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−5−(3−メチルフェニル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン;それらの製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体
である。
【0049】
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン、とりわけ(−)鏡像異性体、およびその製薬学的に許容できる付加塩がとりわけ好ましい。
【0050】
上で挙げられるところの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物が形成することが可能である治療上有効な非毒性の酸および非毒性の塩基付加塩の形態を含むことを意味する。塩基性の特性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物は、前記塩基の形態を適切な酸で処理することにより、それらの製薬学的に許容できる酸付加塩に転化することができる。適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸;硫酸;硝酸;リン酸および類似の酸のような無機酸;または例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸および類似の酸のような有機酸を含んで成る。
【0051】
酸性の特性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物は、前記酸の形態を適する有機もしくは無機塩基で処理することによりそれらの製薬学的に許容できる塩基付加塩に転化してよい。適切な塩基塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、ならびに例えばアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んで成る。
【0052】
酸もしくは塩基付加塩という用語はまた、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物が形成することが可能である水和物および溶媒付加物の形態も含んで成る。こうした形態の例は、例えば水和物、アルコール和物などである。
【0053】
下で使用されるところの式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物の立体異性体という用語は、結合の同一の連続により結合されるがしかし式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物が所有するかもしれない交換可能でない異なる三次元構造を有する同一原子から構成される全部の可能な化合物を定義する。別の方法で挙げられもしくは示されない限り、化合物の化学的呼称は、前記化合物が所有するかもしれない全部の可能な立体異性体の混合物を包含する。前記混合物は、前記化合物の基本的分子構造の全部のジアステレオマーおよび/もしくは鏡像異性体を含有してよい。純粋な形態もしくは相互との混合状態の双方の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物の全部の立体異性体が、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0054】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物のいくつかはそれらの互変異性体でもまた存在するかもしれない。こうした形態は、上の式中で明確に示されないとは言え、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0055】
下で使用される場合はいつでも、「式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物」という用語は、製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および全部の立体異性体もまた包含することを意味する。
【0056】
本発明により使用することができる他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、上述されたアルグラビン、ペリリルアルコール、SCH−66336、1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン(メルク(Merck));L778123、BMS 214662、ファイザー(Pfizer)の化合物AおよびBを包含する。これらの化合物は、例えば、上で同定される関連する特許出願(引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述される方法により製造することができる。
【0057】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、当該技術分野で既知の方法、およびとりわけ本明細書で挙げられかつ引用することにより組み込まれる特許公開明細書に記述される方法に従って、製造かつ製薬学的組成物に処方することができ;式(I)、(II)および(III)の化合物について、適する例は第WO−97/21701号明細書に見出すことができる。式(IV)、(V)および(VI)の化合物は、第WO 97/16443号明細書に記述される方法を使用して、式(VII)および(VIII)の化合物は第WO 98/40383号および同第WO 98/49157号明細書に記述される方法に従って、また、式(IX)の化合物は第WO 00/39082号明細書に記述される方法に従って、それぞれ製造かつ処方することができる。前述の医薬を製造するために、治療上有効な量の、有効成分としての場合によっては付加塩の形態の特定の化合物を、投与に望ましい製剤の形態に依存して広範な形態をとるかもしれない製薬学的に許容できる担体と緊密な混合状態で組み合わせる。該担体(1種もしくは複数)は、該製剤の他の成分と適合性でありかつそれの受領者に有害でないという意味において許容できなければならない。
【0058】
これらの製薬学的組成物は、望ましくは、好ましくは経口、直腸、経皮もしくは非経口投与のような全身投与;または吸入、鼻スプレー、点眼薬を介する、もしくはクリーム剤、ゲル剤、シャンプー剤などを介するような局所投与に適する単位投与剤形にある。例えば、経口の投薬形態の組成物の製造において、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤および溶液のような経口の液体製剤の場合は、例えば水、グリコール、油、アルコールなどのような通常の製薬学的媒体のいずれか;または、散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合にはデンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固体の担体を使用してよい。投与におけるそれらの容易さのため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口の投薬単位形態を表し、この場合には固体の製薬学的担体を明らかに使用する。
【0059】
非経口組成物について、担体は通常少なくとも大部分で滅菌水を含むことができるが、とは言え例えば溶解性を補助するための他の成分を包含してよい。例えば、担体が生理的食塩水溶液、ブドウ糖溶液もしくは生理的食塩水およびブドウ糖溶液の混合物を含んで成る注入可能な溶液を製造してよい。式(I)の化合物を含有する注入可能な溶液は持続性作用のために油中で処方してよい。この目的上適切な油は、例えばラッカセイ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、長鎖脂肪酸の合成グリセロールエステル、ならびにこれらおよび他の油の混合物である。注入可能な懸濁剤もまた製造してよく、この場合は、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用してよい。経皮投与に適する組成物中で、担体は、少ない比率のいずれかの性質の適する添加物と場合によっては組合せられる浸透増強剤および/もしくは適する湿潤剤を場合によっては含んで成り、これらの添加物は皮膚に対するいかなる有意の有害な影響も引き起こさない。前記添加物は皮膚への投与を助長するかもしれず、かつ/もしくは所望の組成物を製造するために役立つかもしれない。これらの組成物は多様な方法で、例えば経皮貼付剤として、スポットオン製剤として、もしくは軟膏剤として投与してよい。局所適用のための適切な組成物として、薬物を局所で投与するために通常使用される全部の組成物、例えばクリーム剤、ゼリー剤、包帯、シャンプー剤、チンキ剤、パスタ剤、軟膏剤(ointment)、軟膏剤(salve)、散剤などが引用されるかもしれない。前記組成物の適用は、エアゾル剤、例えば窒素、二酸化炭素、フレオンのような噴射剤を含む、もしくはポンプスプレー、点剤、ローション剤のような噴射剤を含まない、または綿球により適用することができる濃厚にされた組成物のような半固形物によってよい。とりわけ、軟膏剤(salve)、クリーム剤、ゼリー剤、軟膏剤(ointment)などのような半固形組成物を便宜的に使用することができる。
【0060】
直腸投与のためには、該製薬学的組成物は坐剤もしくは浣腸剤として提示されるかもしれない。担体が固形である直腸投与のためには単位用量の坐剤が好ましい。適する担体は、カカオバター、および当該技術分野で普遍的に使用される他の物質を包含する。
【0061】
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、前述の製薬学的組成物を投薬単位形態で処方することがとりわけ有利である。本明細および本明細書の請求の範囲で使用されるところの投薬単位形態は、単位投薬量として適する物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる製薬学的担体とともに所望の治療効果を生じるよう計算された予め決められた量の有効成分を含有する。こうした投薬単位形態の例は、錠剤(割線付きもしくはコーティング錠剤を包含する)、カプセル剤、丸剤、散剤包、カシェ剤、注入可能な溶液もしくは懸濁液、茶さじ一杯、テーブルスプーン一杯など、およびそれらの分離された倍数である。
【0062】
好ましくは、本発明の化合物を含んで成る治療上有効な量の医薬は、経口もしくは非経口で投与する。前記治療上有効な量は、悪液質の治療において有効である量である。治療効果を達成するのに必要とされる本発明の化合物の量は、もちろん、特定の化合物、投与経路、受領者の齢および状態、ならびに治療されている特定の障害とともに変動することができる。
【0063】
現在のデータに基づけば、有効成分としての、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)の化合物、およびとりわけ(+)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンもしくは5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン、とりわけ(−)の鏡像異性体を含んで成る製薬学的組成物は、単一用量もしくは1以上の用量に細分されたかのいずれかとして、1日10から1500mgまでの量で経口で投与することができるようである。好ましい量は1日50ないし1,000mgを包含する1日100から1,000mgまでの範囲にわたる。こうした化合物のついてのとりわけ好ましい投薬量は、1日2回投与される300mgである。この治療は、連続的に、もしくは周期あたり1〜21日間投与される治療を伴う3〜4週間の周期で間歇的にのいずれかで投与することができる。
【0064】
化合物アルグラビン(第WO98/28303号明細書)、ペリリルアルコール(第WO 99/45712号明細書)、SCH−66336(米国特許第5,874,442号明細書)、L778123(第WO 00/01691号明細書)、2(S)−[2(S)−[2(R)−アミノ−3−メルカプト]プロピルアミノ−3(S)−メチル]−ペンチルオキシ−3−フェニルプロピオニル−メチオニンスルホン(第WO94/10138号明細書)、BMS 214662(第WO 97/30992号明細書)、ファイザー(Pfizer)の化合物AおよびB(第WO 00/12499号および同第WO 00/12498号明細書)の適する投薬量は、引用することにより本明細書に組み込まれる前述の特許明細に示されるか、または当業者により既知であるかもしくは容易に決定することができる。
【0065】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の抗悪液質効果を示す以下の試験は本発明を具体的に説明する。試験されるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は(+)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンであり、これは該試験でR115777と同定される。
材料および方法
細胞培養
A375.S2ヒト黒色腫細胞をアメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)(メリーランド州ロックビル)から購入した。細胞は、ピルビン酸、非必須アミノ酸、10%ウシ胎児血清およびペニシリン−ストレプトマイシンを補充されたダルベッコの改変イーグル培地中で維持した。
動物
雌性nu/nu免疫不全ヌードマウス(42日齢)をチャールズ リバー ラボラトリーズ(Charles River Laboratories)(マサチューセッツ州ウィルミントン)から購入した。マウスは、無菌性を維持するために、層流棚に置かれたマイクロアイソレーター・ケージ中にケージあたり5匹を収容した。全部の床敷き、食餌、水およびケージをオートクレーブ滅菌した。動物は層流キャビネットの滅菌区画内で取り扱った。マウスは、それ以外は標準的な生態動物園の条件下で維持した。
ヌードマウスでの腫瘍試験
T150組織培養フラスコ中で単層として成長する細胞を、フラスコあたり0.53mM EDTAを含む0.05%トリプシン10mlでのトリプシン処理により剥離させた。腫瘍細胞懸濁物をプールし、そして血清含有培地の添加(40mlのトリプシン細胞懸濁物あたり10ml)によりトリプシンを不活性化した。細胞を遠心分離により収集し、そして37℃に加温されたハンクス液(HBSS)に再懸濁した。細胞懸濁物の1.0mlの部分を20mlの希釈剤に添加し、そしてコールター粒子計数器で計数した。細胞懸濁物を再遠心分離し、そして0.10mlのHBSSあたり1×106個の細胞の濃度で再懸濁した。マウスに、鼠蹊部での0.10mlの腫瘍細胞懸濁物の単回皮下注入を接種した。マウスをケージあたり5匹で収容し、各治療群に15匹のマウスを割り当てた。マウスに、耳パンチにより標識を付けて、試験の経過の間の個々のマウスの監視を可能にした。体重、およびカリパス測定から決定される腫瘍の大きさを毎週測定した。長さおよび幅のカリパス測定値を掛けて腫瘍面積を得た。試験の終了時に、マウスをCO2窒息により殺した。腫瘍接種の3日後に、R115777での5日の治療を開始した。R115777は、体重10gmあたり0.10mlの溶液の容量として20%β−シクロデキストリンベヒクル中で経口強制栄養により1日1回投与した。対照群は、同一の投薬容量の20%β−シクロデキストリンベヒクルを受領した。
化合物
R115777は、該化合物を、最初に0.1N HCl中40%ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン中の2×濃縮ストックとして溶解することにより経口投与のために調製した。R115777は、およそ30分活発に攪拌すること、次いで10分間の超音波処理により溶解した。R115777溶液は0.1N HClで1:1希釈することにより最終濃度にした。最終薬物溶液を直ちに滅菌濾過しかつ滅菌管に移した。溶液は、試験の経過の間、冷蔵かつ光から保護されて保存し、また、滅菌層流条件下で溶液を開放することにより滅菌性を維持した。
データ分析
分散分析、治療群の平均値、およびインビボパラメータの平均の標準誤差を、VAXコンピュータでIMSLサブルーチンを使用して計算した。p<0.05の値を有意とみなした。体重減少を、各個々の動物について第1から第23日まで計算した。各治療群の平均体重減少を計算し、そして統計学的分析に使用した。
結果
2×106個のA375.S2腫瘍細胞の皮下埋込後に、14日の遅延期が測定可能な腫瘍の出現に先行した。その後、腫瘍の急速な成長が第15から21日まで観察された(図1)。R115777の投与は、2週間毎の腫瘍面積測定値から決定されるところの腫瘍の成長の最小の減少を生じた。第14日の腫瘍の成長の開始を伴い、ベヒクル処理された動物は重度の体重減少を提示した(図2)。該試験は、ベヒクル処理された動物で観察された死亡率および重度の体重減少のため第23日に中止した。R115777での治療は、体重減少を用量依存性の様式で予防もしくは遅延させるようであった。第1日から第23日までの各個々の動物の体重減少データを分析しかつ腫瘍負荷の体重の寄与について補正した場合に、体重減少の有意の用量依存性の低下が、R115777で治療されたマウスで観察された(図3)。ベヒクル処理された動物は、およそ7gもしくは出発体重のおよそ30%を喪失した。R115777での連日の経口治療は、50、100および200mg/kgの用量のそれぞれの用量で体重減少の28%、45%および67%低下を伴う、体重減少を予防した。R115777の効果は、腫瘍面積(図4)もしくは死後腫瘍重量(図5)のいずれかとして測定されるR115777の抗腫瘍効果を大きく上回った。最終腫瘍重量の27%の減少のみが、この試験での最高の試験された用量で観察された。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】ヌードマウスでのA375.S2ヒト黒色腫異種移植片の成長に対するR115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。腫瘍の大きさは腫瘍面積(長さ×幅)として表す。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物の平均である。図の明解さのため、誤差の棒は省略する。第23日に腫瘍面積についての統計学的分析を図2に示す。
【図2】A375.S2ヒト黒色腫異種移植片を担持するヌードマウスの体重に対するR
115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。体重(g)は週2回測定した。生存中の体重は腫瘍質量について補正できなかった。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物の平均である。図の明解さのため、誤差の棒を省略する。
【図3】A375.S2ヒト黒色腫異種移植片を担持するヌードマウスの体重に対するR115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。体重(g)は週2回測定した。第1日から第23日までの体重の変化を各動物について計算し、そして死後測定で得られた腫瘍重量について補正した(図5)。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物についての平均(±SEM)である。R115777の各用量で観察された体重減少の阻害%をヒストグラムの棒の上に示す。各棒の上に示される同一の文字での治療は、ANOVAにより統計学的に有意でない。
【図4】ヌードマウスでのA375.S2ヒト黒色腫異種移植片の最終(第23日)の腫瘍面積に対するR115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。カリパス測定から生じられる腫瘍面積(長さ×幅)を、第23日の安楽死直前に得た。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物のmm2として表される平均(±SEM)の腫瘍面積である。R115777の各用量で観察された腫瘍面積の減少のパーセントをヒストグラムの棒の上に示す。各棒の上に示される同一の文字での治療は、ANOVAにより統計学的に有意でない。
【図5】ヌードマウスでのA375.S2ヒト黒色腫異種移植片の死後腫瘍重量に対するR115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。動物を安楽死させた直後に腫瘍を摘出しかつ重量測定した。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物のgとして表される平均(±SEM)の腫瘍重量である。R115777の各用量で観察された腫瘍面積の減少のパーセントをヒストグラムの棒の上に示す。各棒の上に示される同一の文字での治療は、ANOVAにより統計学的に有意でない。
【0001】
本発明は、悪液質を治療するためのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
癌患者の50%以上が悪液質(生活の質を損ないかつ死亡率に寄与する体重減少およびるいそうの症候群)を経験する。さらなる症状は、食欲不振、慢性悪心、衰弱および身体像の変化を包含する。さらに、悪液質の癌患者は、匹敵する疾患の程度を伴う非悪液質の患者に比較して低下された生存を有するという証拠が存在する。体重減少は、筋タンパク質量および体脂肪の喪失を伴う宿主の異化作用の活性化を反映する。異化作用は、顕著な役割を演じると考えられるIL−6、TNF−αおよびインターフェロン−γを含む腫瘍に分泌されるおよび宿主の免疫のサイトカイン放出により活性化される。鉱質ステロイドおよびプロゲステロン薬物が悪液質を治療するために使用され、そして、食欲、食物摂取および多幸感を向上させることが示されており、また、それは体重増加を導き出す。サリドマイドおよびメラトニンのような新たな一群の薬物が腫瘍壊死因子−αに対するそれらの効果により、ならびにβ2−アドレナリン受容体アゴニストが筋代謝に対するそれらの効果により、ならびに他の薬物もまた示唆されている。しかしながら、悪液質の新たな治療に対する必要性がなお存在する。上の療法は常に診察室で有効であると判明してはいないからである。
【0003】
悪液質の新たな治療方法を提供することが本発明の一目的である。
【0004】
特許文献1は、式(I)、(II)および(III)のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害性の(イミダゾリ−5−イル)メチル−2−キノリノン誘導体の製造法、製剤および製薬学的特性、ならびにインビボで式(I)の化合物に代謝される式(II)および(III)の中間体を記述する。式(I)、(II)および(III)の化合物は、
【0005】
【化1】
【0006】
、それらの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および立体異性体
により表され、式中、
点線は任意の結合を表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1は、水素、C1−12アルキル、Ar1、Ar2C1−6アルキル、キノリニルC1−6アルキル、
ピリジルC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
または、式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基であり、
式中Alk1はC1−6アルカンジイルであり、
R9はヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、アミノ、C1−8アルキルアミノ、もしくはC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノであり、
R2、R3およびR16は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar2C1−6アルキル、Ar2オキシ、Ar2C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、4,4−ジメチルオキサゾリルであるか;または
隣接する位置の場合、R2およびR3は一緒になって、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O−CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を形成してよく;
R4およびR5は、それぞれ独立に水素、ハロ、Ar1、C1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R6およびR7は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシ、Ar2オキシ、トリハロメチル、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノであるか、または
隣接する位置の場合、R6およびR7は一緒になって式
−O−CH2−O− (c−1)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (c−2)
の二価の基を形成してよく;
R8は水素、C1−6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、カルボキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、イミダゾリル、ハロC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、または式
−O−R10(b−1)、
−S−R10(b−2)、
−N−R11R12(b−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1、
Ar2C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキルまたは基もしくは式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR14R15であり;
R11は水素、C1−12アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、C1−16アルキルカルボニル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar1、
Ar2C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、天然のアミノ酸、Ar1カルボニル、Ar2C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、または基もしくは式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR14R15であり;
式中、Alk2はC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R17は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、Ar1であり;
R18は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
R19は水素もしくはC1−6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルであり;および
Ar2は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルである。
【0007】
特許文献2は、式(IV)のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物の製造法、製剤および製薬学的特性、ならびにインビボで式(IV)の化合物に代謝される式(V)および(VI)の中間体に関する。式(IV)、(V)および(VI)の化合物は、
【0008】
【化2】
【0009】
、それらの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および立体異性体
により表され、式中、
点線は任意の結合を表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1は、水素、C1−12アルキル、Ar1、Ar2C1−6アルキル、キノリニルC1−6アルキル、ピリジルC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
または、式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基であり、
式中、Alk1はC1−6アルカンジイルであり、
R9は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、アミノ、C1−8アルキルアミノ、もしくはC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノであり;
R2およびR3は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar2C1−6アルキル、Ar2オキシ、Ar2C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニルであるか;または
隣接する位置の場合、R2およびR3は一緒になって、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O−CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2(a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を形成してよく;
R4およびR5は、それぞれ独立に水素、Ar1、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R6およびR7は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはAr2オキシであり;
R8は水素、C1−6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、Ar1、Ar2C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキルであり;
R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
R11は水素もしくはC1−6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルであり;
Ar2は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルである。
【0010】
特許文献3は、式(VII)
【0011】
【化3】
【0012】
のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、
それらの製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体の製造法、製剤および製薬学的特性に関し、式中
点線は任意の結合を表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
−A−は、式
−CH=CH− (a−1)、
−CH2−CH2− (a−2)、
−CH2−CH2−CH2− (a−3)、
−CH2−O− (a−4)、
−CH2−CH2−O− (a−5)、
−CH2−S− (a−6)、
−CH2−CH2−S− (a−7)、
−CH=N− (a−8)、
−N=N− (a−9)もしくは
−CO−NH− (a−10)
の二価の基であり;
式中、場合によっては1個の水素原子がC1−4アルキルもしくはAr1により置換されてよく;
R1およびR2は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar2、Ar2−C1−6アルキル、Ar2−オキシ、Ar2−C1−6アルキルオキシであるか;または、隣接する位置の場合、R1およびR2は一緒になって、式
−O−CH2−O− (b−1)、
−O−CH2−CH2−O− (b−2)、
−O−CH=CH− (b−3)、
−O−CH2−CH2− (b−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (b−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (b−6)
の二価の基を形成してよく;
R3およびR4は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシ、Ar3−オキシ、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、トリハロメチル、トリハロメトキシであるか、または
隣接する位置の場合、R3およびR4は一緒になって、式
−O−CH2−O− (c−1)、
−O−CH2−CH2−O− (c−2)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (c−3)
の二価の基を形成してよく;
R5は、式
【0013】
【化4】
【0014】
の基であり、
式中、R13は水素、ハロ、Ar4、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキルもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルであり;
R6は、水素、ヒドロキシ、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、Ar5、Ar5−C1−6アルキルオキシC1−6アルキル;または式
−O−R7(e−1)、
−S−R7(e−2)、
−N−R8R9(e−3)
の基であり、
式中、R7は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar6、Ar6−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR10もしくは−Alk−NR11R12の基であり;
R8は水素、C1−6アルキル、Ar7もしくはAr7−C1−6アルキルであり;
R9は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、
C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar8、Ar8−C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、Ar8−カルボニル、
Ar8−C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、
または基もしくは式−Alk−OR10もしくは−Alk−NR11R12であり;
式中、AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar9もしくはAr9−C1−6アルキルであり;
R11は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar10もしくはAr10−C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、Ar11もしくはAr11−C1−6アルキルであり;および
Ar1ないしAr11は、それぞれ独立に、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルで置換されるフェニルから選択される。
【0015】
特許文献4は、式(VIII)
【0016】
【化5】
【0017】
のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、
それらの製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体の製造法、製剤および製薬学的特性に関し、式中
点線は任意の結合を表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1およびR2は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar1C1−6アルキル、Ar1オキシもしくはAr1C1−6アルキルオキシであり;
R3およびR4は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシ、Ar1オキシ、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、トリハロメチルもしくはトリハロメトキシであり;
R5は、水素、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、
C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、Ar1、Ar1C1−6アルキルオキシC1−6アルキル;または式
−O−R10(a−1)、
−S−R10(a−2)、
−N−R11R12(a−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1、Ar1C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15の基であり、
R11は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar1、
Ar1C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、Ar1カルボニル、
Ar1C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、
または基もしくは式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15であり;
式中AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R6は、式
【0018】
【化6】
【0019】
の基であり、
式中、R16は、水素、ハロ、Ar1、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、
C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、
C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルまたはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R17は水素、C1−6アルキルもしくはジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルであり;
R7は水素もしくはC1−6アルキルであるが、但し点線は結合を表さず;
R8は水素、C1−6アルキルもしくはAr2CH2もしくはHet1CH2であり;
R9は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであるか;またはR8およびR9は一緒になって、式
−CH=CH− (c−1)、
−CH2−CH2− (c−2)、
−CH2−CH2−CH2− (c−3)、
−CH2−O− (c−4)もしくは
−CH2−CH2−O− (c−5)
の二価の基を形成し;
Ar1は、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるフェニルであり;
Ar2は、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるフェニルであり;および、
Het1は、ピリジニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるピリジニルである。
【0020】
前述の定義で、ならびに下で式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)および(VIII)の化合物について使用されるところのハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを定義し;C1−6アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのような1から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を定義し;C1−8アルキルは、C1−6アルキルで定義されるところの直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基、ならびに例えばヘプチルもしくはオクチルのような7もしくは8個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物を包含し;C1−12アルキルは、再度、C1−8アルキル、および例えばノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのような9ないし12個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物を包含し;C1−16アルキルは、再度、
C1−12アルキル、および例えばトリデシル、テトラデシル、ペンテデシルおよびヘキサデシルのような13ないし16個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物
を包含し;C2−6アルケニルは、例えばエテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニルなどのような、1個の二重結合を含有しかつ2から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の炭化水素基を定義し;C1−6アルカンジイルは、例えばメチレン、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイルおよびそれらの分枝状異性体のような1から6個までの炭素原子を有する二価の直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を定義する。「C(=O)」という用語はカルボニル基を指し、「S(O)」はスルホキシドを、および「S(O)2」はスルホンを指す。「天然のアミノ酸」という用語は、アミノ酸のカルボキシル基と該分子の残部のアミノ基との間で1分子の水の喪失により形成される共有アミド結合を介して結合される天然のアミノ酸を指す。天然のアミノ酸の例は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジンである。
【0021】
特許文献5は、式(IX)
【0022】
【化7】
【0023】
のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、もしくはそれらの製薬学的に許容できる塩付加塩および立体異性体の製造法、製剤および製薬学的特性に関し、式中=X1−X2−X3−は、式
=N−CR6=CR7− (x−1)、
=N−N=CR6− (x−2)、
=N−NH−C(=O)− (x−3)、
=N−N=N− (x−4)、
=N−CR6=N− (x−5)、
=CR6−CR7=CR8− (x−6)、
=CR6−N=CR7− (x−7)、
=CR6−NH−C(=O)− (x−8)もしくは
=CR6−N=N− (x−9)
の三価の基であり;
式中、各R6、R7およびR8は独立に水素、C1−4アルキル、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、アリールオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、
C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、シアノ、アミノ、チオ、C1−4アルキルチオ、アリールチオもしくはアリールであり;
>Y1−Y2−は、式
>CH−CHR9− (y−1)、
>C=N− (y−2)、
>CH−NR9− (y−3)もしくは
>C=CR9− (y−4)
の三価の基であり;
式中、各R9は独立に、水素、ハロ、ハロカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノ、カルボキシル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、モノもしくは
ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールであり;
rおよびsはそれぞれ独立に0、1、2、3、4もしくは5であり;
tは0、1、2もしくは3であり;
各R1およびR2は独立に、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、
C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくは
ジ(C1−6アルキル)アミノ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、アリール、アリールC1−6アルキル、アリールオキシもしくはアリールC1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、
アミノカルボニル、アミノC1−6アルキル、モノもしくは
ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルであるか;または
フェニル環上の相互に隣接する2個のR1もしくはR2置換基は、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O=CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を一緒に独立して形成してよく;
R3は、水素、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、アリール、
アリールC1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル;
または式
−O−R10(b−1)、
−S−R10(b−2)、
−NR11R12(b−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アリール、アリールC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15の基であり;
R11は水素、C1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R12は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシ、
C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、アリールC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アリールカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、アリールC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル(ここでアルキル部分はアリールもしくはC1−3アルキルオキシカルボニルから独立に選択される1個もしくはそれ以上の置換基により場合によっては置換されてよく)、アミノカルボニルカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、または基もしくは式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15であり;
式中、AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R4は式
【0024】
【化8】
【0025】
の基であり、
式中、R16は、水素、ハロ、アリール、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルまたはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R16はまた、式(c−1)もしくは(c−2)のイミダゾール環中の窒素原子の1つに結合されてもよく、その場合、窒素に結合される場合のR16の意味するところは、水素、アリール、C1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルに制限され;
R17は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アリールC1−6アルキル、トリフルオロメチルもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルであり;
R5はC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
アリールはフェニル、ナフタレニル、またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されるフェニルである。
【0026】
特許文献6は、上に挙げられた特許文献5で同定されるラセミ化合物、すなわち5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミンの(−)鏡像異性体、およびその製薬学的に許容できる付加塩に関する。
【0027】
前述の定義および下で式(IX)の化合物について使用されるところのハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードに包括的なものであり;C1−4アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピルなどのような1から4個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を定義し;C1−6アルキルはC1−4アルキルおよび例えばペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、2−メチルペンチルなどのような5ないし6個の炭素原子を有するそれらのより高級な相同物を包含し;C1−6アルカンジイルは、例えばメチレン、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイルおよびそれらの分枝状異性体のような1から6個までの炭素原子を有する二価の直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を定義し;C2−6アルケニルは、1個の二重結合を含有しかつ例えばエテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニルなどのような2から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の炭化水素基を定義する。「S(O)」はスルホキシドを、および「S(O)2」はスルホンを指す。
【0028】
他の有用なファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、特許文献7に記述されるアルグラビン(すなわち1(R)−10−エポキシ−5(S),7(S)−グアヤ−3(4),11(13)−ジエン−6,12−オリド);特許文献8に記述されるペリリルアルコール;特許文献9に記述されるSCH−66336、すなわち(+)−(R)−4−[2−[4−(3,10−ジブロモ−8−クロロ−5,6−ジヒドロ−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル)ピペリジン−1−イル]−2−オキソエチル]ピペリジン−1−カルボキサミド;特許文献10に記述されるL778123、すなわち1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン;特許文献11に記述される化合物2(S)−[2(S)−[2(R)−アミノ−3−メルカプト]プロピルアミノ−3(S)−メチル]−ペンチルオキシ−3−フェニルプロピオニル−メチオニンスルホン;ならびに、特許文献12に記述されるBMS 214662、すなわち(R)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1−(IH−イミダゾル−4−イルメチル)−3−(フェニルメチル)−4−(2−チエニルスルホニル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−7−カルボニトリル、ならびに、特許文献13および同14に記述されるファイザー(Pfizer)の化合物(A)および(B)を包含する:
【0029】
【化9】
【特許文献1】
第WO−97/21701号明細書
【特許文献2】
第WO−97/16443号明細書
【特許文献3】
第WO−98/40383号明細書
【特許文献4】
第WO−98/49157号明細書
【特許文献5】
第WO−00/39082号明細書
【特許文献6】
第WO−01/98302号明細書
【特許文献7】
第WO−98/28303号明細書(NuOncology Labs)
【特許文献8】
第WO−99/45912号明細書(Wisconsin Genetics)
【特許文献9】
米国特許第5874442号明細書(Schering)
【特許文献10】
第WO−00/01691号明細書(Merck)
【特許文献11】
第WO−94/10138号明細書(Merck)
【特許文献12】
第WO 97/30992号明細書(Bristol Myers Squibb)
【特許文献13】
第WO−00/12498号明細書
【特許文献14】
第WO−00/12499号明細書
【発明の開示】
【0030】
予期しないことに、われわれは、今や、上で同定されたものを包含するファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤(下で本発明の化合物と称するかもしれない)が悪液質の治療に有用であることを見出した。
【0031】
従って、本発明は、悪液質の治療のための医薬の製造におけるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明で使用してよいファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤の例は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物、とりわけ、式(II)および(III)の関連化合物を包含する式(I)の化合物、ならびに式(IX)の化合物である。
【0033】
本発明のさらなる一特徴は、悪液質の治療のための医薬の製造における、アルグラビン、ペリリルアルコール、SCH−66336、1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン(メルク(Merck));L778123、BMS 214662、ファイザー(Pfizer)の化合物AおよびBの使用を包含する。
【0034】
本発明はさらに、治療上有効な量の本発明の化合物を投与することによる、ヒトを包含する哺乳動物における悪液質の治療方法を包含する。
【0035】
上の式(I)、(II)および(III)の化合物に関して、R4もしくはR5はまたイミダゾール環中の窒素原子の1個に結合されてもよい。その場合、窒素上の水素原子がR4およびR5により置き換えられ、そして、窒素に結合される場合のR4およびR5の意味するところは、水素、Ar1、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキル、C1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルに制限される。
【0036】
好ましくは、置換基R18はキノリノン部分の5もしくは7位に位置し、また、置換基R19は、R18が7位にある場合に8位に位置する。
【0037】
興味深い化合物はXが酸素である式(I)のこれらの化合物である。
【0038】
また興味深い化合物は、二重結合を形成するように点線が1本の結合を表す式(I)のこれらの化合物である。
【0039】
興味深い化合物の別の群は、R1が水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、または式−Alk1−C(=O)−R9の基であり、式中Alk1がメチレンでありかつR9がC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノである式(I)の化合物である。
【0040】
興味深い化合物のなお別の群は、R3が水素もしくはハロであり;また、R2がハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、トリハロメトキシもしくはヒドロキシC1−6アルキルオキシである、式(I)の化合物である。
【0041】
興味深い化合物のさらなる一群は、R2およびR3が隣接する位置にありかつ一緒になって式(a−1)、(a−2)もしくは(a−3)の二価の基を形成する式(I)の化合物である。
【0042】
興味深い化合物のなおさらなる一群は、R5が水素でありかつR4が水素もしくはC1−6アルキルである、式(I)の化合物である。
【0043】
興味深い化合物のなお別の群は、R7が水素であり;かつ、R6がC1−6アルキルもしくはハロ、好ましくはクロロ、とりわけ4−クロロである、式(I)の化合物である。
【0044】
特定の一群の化合物は、R8が水素、ヒドロキシ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、イミダゾリル、もしくは式−NR11R12の基であり、式中R11は水素もしくはC1−12アルキルであり、また、R12は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、または式−Alk2−OR13の基であり、式中R13は水素もしくはC1−6アルキルである式(I)の化合物である。
【0045】
好ましい化合物は、R1が水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、または式―Alk1−C(=O)−R9の基であり、式中Alk1はメチレンでありかつR9はC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノであり;R2がハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、トリハロメトキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシもしくはAr1であり;R3が水素であり;R4がイミダゾールの3位の窒素に結合されるメチルであり;R5が水素であり;R6がクロロであり;R7が水素であり;R8が水素、ヒドロキシ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、イミダゾリルもしくは式−NR11R12の基であり、式中R11は水素もしくはC1−12アルキルであり、そしてR12は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニルもしくは式−Alk2−OR13の基であり、式中R13はC1−6アルキルであり;R17は水素でありかつR18は水素である化合物である。
【0046】
最も好ましい化合物は、
4−(3−クロロフェニル)−6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン、
6−[アミノ(4−クロロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾル−5−イルメチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン一塩酸塩一水和物;
6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシ−フェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン、
6−アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−4−(3−プロピルフェニル)−2(1H)−キノリノン;それらの立体異性体または製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩;および
(+)−6−アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
もしくはその製薬学的に許容できる酸付加塩である。後者の化合物がとりわけ好ましい。
【0047】
本発明のさらなる好ましい態様は、以下の制限、すなわち
・=X1−X2−X3が式(x−1)、(x−2)、(x−3)、(x−4)もしくは(x−9)の三価の基であり、式中各R6が独立に水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノもしくはアリールであり、かつ、R7が水素であり;
・>Y1−Y2が式(y−1)、(y−2)、(y−3)もしくは(y−4)の三価の基であり、式中各R9が独立に水素、ハロ、カルボキシル、C1−4アルキルもしくはC1−4アルキルオキシカルボニルであり;
・rが0、1もしくは2であり;
・sが0もしくは1であり;
・tが0であり;
・R1がハロ、C1−6アルキルであるか、またはフェニル環上の相互にオルトの2個のR1置換基が式(a−1)の二価の基を一緒に独立に形成してよく;
・R2がハロであり;
・R3がハロ、または式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、式中
R10は水素もしくは式−Alk−OR13の基である。
R11は水素であり;
R12は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、またはモノ
もしくは
ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニルであり;
AlkはC1−6アルカンジイルであり、かつ、R13は水素であり;
・R4が式(c−1)もしくは(c−2)の基であり、式中
R16は水素、ハロ、またはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノであり;
R17は水素もしくはC1−6アルキルであり;
・アリールがフェニルである、
の1個もしくはそれ以上が当てはまる式(IX)の化合物の使用を包含する。
【0048】
特定の一群の化合物は、=X1−X2−X3が式(x−1)、(x−2)、(x−3)、(x−4)もしくは(x−9)の三価の基であり、>Y1−Y2が式(y−2)、(y−3)もしくは(y−4)の三価の基であり、rが0もしくは1であり、sが1であり、tが0であり、R1がハロ、C(1−4)アルキルであるか、もしくは式(a−1)の二価の基を形成し、R2がハロもしくはC1−4アルキルであり、R3が水素または式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、R4が式(c−1)もしくは(c−2)の基であり、R6が水素、C1−4アルキルもしくはフェニルであり、R7が水素であり、R9が水素もしくはC1−4アルキルであり、R10が水素もしくは−Alk−OR13であり、R11が水素であり、かつ、R12が水素もしくはC1−6アルキルカルボニルであり、そしてR13が水素である式(IX)の化合物よりなり;
好ましい化合物は、=X1−X2−X3が式(x−1)もしくは(x−4)の三価の基であり、>Y1−Y2が式(y−1)の三価の基であり、rが0もしくは1であり、sが1であり、tが0であり、R1がハロ、好ましくはクロロ、および最も好ましくは3−クロロであり、R2がハロ、好ましくは4−クロロもしくは4−フルオロであり、R3が水素または式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、R4が式(c−1)もしくは(c−2)の基であり、R6が水素であり、R7が水素であり、R9が水素であり、R10が水素であり、R11が水素であり、そしてR12が水素である式(IX)の化合物であり;
他の好ましい化合物は、=X1−X2−X3が式(x−2)、(x−3)もしくは(x−4)の三価の基であり、>Y1−Y2が式(y−2)、(y−3)もしくは(y−4)の三価の基であり、rおよびsが1であり、tが0であり、R1がハロ、好ましくはクロロ、および最も好ましくは3−クロロであるか、もしくは、R1がC1−4アルキル、好ましくは3−メチルであり、R2がハロ、好ましくはクロロ、および最も好ましくは4−クロロであり、R3が式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、R4が式(c−2)の基であり、R6がC1−4アルキルであり、R9が水素であり、R10およびR11が水素であり、そしてR12が水素もしくはヒドロキシである式(IX)の化合物であり;
式(IX)の最も好ましい化合物は、
7−[(4−フルオロフェニル)(1H−イミダゾル−1−イル)メチル]−5−フェニルイミダゾ[1,2−a]キノリン;
α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−5−フェニルイミダゾ[1,2−a]キノリン−7−メタノール;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−イミダゾ[1,2−a]キノリン−7−メタノール;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)イミダゾ[1,2−a]キノリン−7−メタンアミン;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−1−メチル−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]キノリン−7−メタノール;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−7−メタノール;5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−7−メタノール;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−7−メタンアミン;
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−N−ヒドロキシ−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラヒドロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン;
α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−5−(3−メチルフェニル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン;それらの製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体
である。
【0049】
5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン、とりわけ(−)鏡像異性体、およびその製薬学的に許容できる付加塩がとりわけ好ましい。
【0050】
上で挙げられるところの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物が形成することが可能である治療上有効な非毒性の酸および非毒性の塩基付加塩の形態を含むことを意味する。塩基性の特性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物は、前記塩基の形態を適切な酸で処理することにより、それらの製薬学的に許容できる酸付加塩に転化することができる。適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸;硫酸;硝酸;リン酸および類似の酸のような無機酸;または例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸および類似の酸のような有機酸を含んで成る。
【0051】
酸性の特性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物は、前記酸の形態を適する有機もしくは無機塩基で処理することによりそれらの製薬学的に許容できる塩基付加塩に転化してよい。適切な塩基塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、ならびに例えばアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んで成る。
【0052】
酸もしくは塩基付加塩という用語はまた、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物が形成することが可能である水和物および溶媒付加物の形態も含んで成る。こうした形態の例は、例えば水和物、アルコール和物などである。
【0053】
下で使用されるところの式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物の立体異性体という用語は、結合の同一の連続により結合されるがしかし式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物が所有するかもしれない交換可能でない異なる三次元構造を有する同一原子から構成される全部の可能な化合物を定義する。別の方法で挙げられもしくは示されない限り、化合物の化学的呼称は、前記化合物が所有するかもしれない全部の可能な立体異性体の混合物を包含する。前記混合物は、前記化合物の基本的分子構造の全部のジアステレオマーおよび/もしくは鏡像異性体を含有してよい。純粋な形態もしくは相互との混合状態の双方の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物の全部の立体異性体が、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0054】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物のいくつかはそれらの互変異性体でもまた存在するかもしれない。こうした形態は、上の式中で明確に示されないとは言え、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0055】
下で使用される場合はいつでも、「式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物」という用語は、製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および全部の立体異性体もまた包含することを意味する。
【0056】
本発明により使用することができる他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、上述されたアルグラビン、ペリリルアルコール、SCH−66336、1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン(メルク(Merck));L778123、BMS 214662、ファイザー(Pfizer)の化合物AおよびBを包含する。これらの化合物は、例えば、上で同定される関連する特許出願(引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述される方法により製造することができる。
【0057】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、当該技術分野で既知の方法、およびとりわけ本明細書で挙げられかつ引用することにより組み込まれる特許公開明細書に記述される方法に従って、製造かつ製薬学的組成物に処方することができ;式(I)、(II)および(III)の化合物について、適する例は第WO−97/21701号明細書に見出すことができる。式(IV)、(V)および(VI)の化合物は、第WO 97/16443号明細書に記述される方法を使用して、式(VII)および(VIII)の化合物は第WO 98/40383号および同第WO 98/49157号明細書に記述される方法に従って、また、式(IX)の化合物は第WO 00/39082号明細書に記述される方法に従って、それぞれ製造かつ処方することができる。前述の医薬を製造するために、治療上有効な量の、有効成分としての場合によっては付加塩の形態の特定の化合物を、投与に望ましい製剤の形態に依存して広範な形態をとるかもしれない製薬学的に許容できる担体と緊密な混合状態で組み合わせる。該担体(1種もしくは複数)は、該製剤の他の成分と適合性でありかつそれの受領者に有害でないという意味において許容できなければならない。
【0058】
これらの製薬学的組成物は、望ましくは、好ましくは経口、直腸、経皮もしくは非経口投与のような全身投与;または吸入、鼻スプレー、点眼薬を介する、もしくはクリーム剤、ゲル剤、シャンプー剤などを介するような局所投与に適する単位投与剤形にある。例えば、経口の投薬形態の組成物の製造において、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤および溶液のような経口の液体製剤の場合は、例えば水、グリコール、油、アルコールなどのような通常の製薬学的媒体のいずれか;または、散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合にはデンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固体の担体を使用してよい。投与におけるそれらの容易さのため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口の投薬単位形態を表し、この場合には固体の製薬学的担体を明らかに使用する。
【0059】
非経口組成物について、担体は通常少なくとも大部分で滅菌水を含むことができるが、とは言え例えば溶解性を補助するための他の成分を包含してよい。例えば、担体が生理的食塩水溶液、ブドウ糖溶液もしくは生理的食塩水およびブドウ糖溶液の混合物を含んで成る注入可能な溶液を製造してよい。式(I)の化合物を含有する注入可能な溶液は持続性作用のために油中で処方してよい。この目的上適切な油は、例えばラッカセイ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、長鎖脂肪酸の合成グリセロールエステル、ならびにこれらおよび他の油の混合物である。注入可能な懸濁剤もまた製造してよく、この場合は、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用してよい。経皮投与に適する組成物中で、担体は、少ない比率のいずれかの性質の適する添加物と場合によっては組合せられる浸透増強剤および/もしくは適する湿潤剤を場合によっては含んで成り、これらの添加物は皮膚に対するいかなる有意の有害な影響も引き起こさない。前記添加物は皮膚への投与を助長するかもしれず、かつ/もしくは所望の組成物を製造するために役立つかもしれない。これらの組成物は多様な方法で、例えば経皮貼付剤として、スポットオン製剤として、もしくは軟膏剤として投与してよい。局所適用のための適切な組成物として、薬物を局所で投与するために通常使用される全部の組成物、例えばクリーム剤、ゼリー剤、包帯、シャンプー剤、チンキ剤、パスタ剤、軟膏剤(ointment)、軟膏剤(salve)、散剤などが引用されるかもしれない。前記組成物の適用は、エアゾル剤、例えば窒素、二酸化炭素、フレオンのような噴射剤を含む、もしくはポンプスプレー、点剤、ローション剤のような噴射剤を含まない、または綿球により適用することができる濃厚にされた組成物のような半固形物によってよい。とりわけ、軟膏剤(salve)、クリーム剤、ゼリー剤、軟膏剤(ointment)などのような半固形組成物を便宜的に使用することができる。
【0060】
直腸投与のためには、該製薬学的組成物は坐剤もしくは浣腸剤として提示されるかもしれない。担体が固形である直腸投与のためには単位用量の坐剤が好ましい。適する担体は、カカオバター、および当該技術分野で普遍的に使用される他の物質を包含する。
【0061】
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、前述の製薬学的組成物を投薬単位形態で処方することがとりわけ有利である。本明細および本明細書の請求の範囲で使用されるところの投薬単位形態は、単位投薬量として適する物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる製薬学的担体とともに所望の治療効果を生じるよう計算された予め決められた量の有効成分を含有する。こうした投薬単位形態の例は、錠剤(割線付きもしくはコーティング錠剤を包含する)、カプセル剤、丸剤、散剤包、カシェ剤、注入可能な溶液もしくは懸濁液、茶さじ一杯、テーブルスプーン一杯など、およびそれらの分離された倍数である。
【0062】
好ましくは、本発明の化合物を含んで成る治療上有効な量の医薬は、経口もしくは非経口で投与する。前記治療上有効な量は、悪液質の治療において有効である量である。治療効果を達成するのに必要とされる本発明の化合物の量は、もちろん、特定の化合物、投与経路、受領者の齢および状態、ならびに治療されている特定の障害とともに変動することができる。
【0063】
現在のデータに基づけば、有効成分としての、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)の化合物、およびとりわけ(+)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンもしくは5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キノリン−7−メタンアミン、とりわけ(−)の鏡像異性体を含んで成る製薬学的組成物は、単一用量もしくは1以上の用量に細分されたかのいずれかとして、1日10から1500mgまでの量で経口で投与することができるようである。好ましい量は1日50ないし1,000mgを包含する1日100から1,000mgまでの範囲にわたる。こうした化合物のついてのとりわけ好ましい投薬量は、1日2回投与される300mgである。この治療は、連続的に、もしくは周期あたり1〜21日間投与される治療を伴う3〜4週間の周期で間歇的にのいずれかで投与することができる。
【0064】
化合物アルグラビン(第WO98/28303号明細書)、ペリリルアルコール(第WO 99/45712号明細書)、SCH−66336(米国特許第5,874,442号明細書)、L778123(第WO 00/01691号明細書)、2(S)−[2(S)−[2(R)−アミノ−3−メルカプト]プロピルアミノ−3(S)−メチル]−ペンチルオキシ−3−フェニルプロピオニル−メチオニンスルホン(第WO94/10138号明細書)、BMS 214662(第WO 97/30992号明細書)、ファイザー(Pfizer)の化合物AおよびB(第WO 00/12499号および同第WO 00/12498号明細書)の適する投薬量は、引用することにより本明細書に組み込まれる前述の特許明細に示されるか、または当業者により既知であるかもしくは容易に決定することができる。
【0065】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の抗悪液質効果を示す以下の試験は本発明を具体的に説明する。試験されるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は(+)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンであり、これは該試験でR115777と同定される。
材料および方法
細胞培養
A375.S2ヒト黒色腫細胞をアメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)(メリーランド州ロックビル)から購入した。細胞は、ピルビン酸、非必須アミノ酸、10%ウシ胎児血清およびペニシリン−ストレプトマイシンを補充されたダルベッコの改変イーグル培地中で維持した。
動物
雌性nu/nu免疫不全ヌードマウス(42日齢)をチャールズ リバー ラボラトリーズ(Charles River Laboratories)(マサチューセッツ州ウィルミントン)から購入した。マウスは、無菌性を維持するために、層流棚に置かれたマイクロアイソレーター・ケージ中にケージあたり5匹を収容した。全部の床敷き、食餌、水およびケージをオートクレーブ滅菌した。動物は層流キャビネットの滅菌区画内で取り扱った。マウスは、それ以外は標準的な生態動物園の条件下で維持した。
ヌードマウスでの腫瘍試験
T150組織培養フラスコ中で単層として成長する細胞を、フラスコあたり0.53mM EDTAを含む0.05%トリプシン10mlでのトリプシン処理により剥離させた。腫瘍細胞懸濁物をプールし、そして血清含有培地の添加(40mlのトリプシン細胞懸濁物あたり10ml)によりトリプシンを不活性化した。細胞を遠心分離により収集し、そして37℃に加温されたハンクス液(HBSS)に再懸濁した。細胞懸濁物の1.0mlの部分を20mlの希釈剤に添加し、そしてコールター粒子計数器で計数した。細胞懸濁物を再遠心分離し、そして0.10mlのHBSSあたり1×106個の細胞の濃度で再懸濁した。マウスに、鼠蹊部での0.10mlの腫瘍細胞懸濁物の単回皮下注入を接種した。マウスをケージあたり5匹で収容し、各治療群に15匹のマウスを割り当てた。マウスに、耳パンチにより標識を付けて、試験の経過の間の個々のマウスの監視を可能にした。体重、およびカリパス測定から決定される腫瘍の大きさを毎週測定した。長さおよび幅のカリパス測定値を掛けて腫瘍面積を得た。試験の終了時に、マウスをCO2窒息により殺した。腫瘍接種の3日後に、R115777での5日の治療を開始した。R115777は、体重10gmあたり0.10mlの溶液の容量として20%β−シクロデキストリンベヒクル中で経口強制栄養により1日1回投与した。対照群は、同一の投薬容量の20%β−シクロデキストリンベヒクルを受領した。
化合物
R115777は、該化合物を、最初に0.1N HCl中40%ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン中の2×濃縮ストックとして溶解することにより経口投与のために調製した。R115777は、およそ30分活発に攪拌すること、次いで10分間の超音波処理により溶解した。R115777溶液は0.1N HClで1:1希釈することにより最終濃度にした。最終薬物溶液を直ちに滅菌濾過しかつ滅菌管に移した。溶液は、試験の経過の間、冷蔵かつ光から保護されて保存し、また、滅菌層流条件下で溶液を開放することにより滅菌性を維持した。
データ分析
分散分析、治療群の平均値、およびインビボパラメータの平均の標準誤差を、VAXコンピュータでIMSLサブルーチンを使用して計算した。p<0.05の値を有意とみなした。体重減少を、各個々の動物について第1から第23日まで計算した。各治療群の平均体重減少を計算し、そして統計学的分析に使用した。
結果
2×106個のA375.S2腫瘍細胞の皮下埋込後に、14日の遅延期が測定可能な腫瘍の出現に先行した。その後、腫瘍の急速な成長が第15から21日まで観察された(図1)。R115777の投与は、2週間毎の腫瘍面積測定値から決定されるところの腫瘍の成長の最小の減少を生じた。第14日の腫瘍の成長の開始を伴い、ベヒクル処理された動物は重度の体重減少を提示した(図2)。該試験は、ベヒクル処理された動物で観察された死亡率および重度の体重減少のため第23日に中止した。R115777での治療は、体重減少を用量依存性の様式で予防もしくは遅延させるようであった。第1日から第23日までの各個々の動物の体重減少データを分析しかつ腫瘍負荷の体重の寄与について補正した場合に、体重減少の有意の用量依存性の低下が、R115777で治療されたマウスで観察された(図3)。ベヒクル処理された動物は、およそ7gもしくは出発体重のおよそ30%を喪失した。R115777での連日の経口治療は、50、100および200mg/kgの用量のそれぞれの用量で体重減少の28%、45%および67%低下を伴う、体重減少を予防した。R115777の効果は、腫瘍面積(図4)もしくは死後腫瘍重量(図5)のいずれかとして測定されるR115777の抗腫瘍効果を大きく上回った。最終腫瘍重量の27%の減少のみが、この試験での最高の試験された用量で観察された。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】ヌードマウスでのA375.S2ヒト黒色腫異種移植片の成長に対するR115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。腫瘍の大きさは腫瘍面積(長さ×幅)として表す。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物の平均である。図の明解さのため、誤差の棒は省略する。第23日に腫瘍面積についての統計学的分析を図2に示す。
【図2】A375.S2ヒト黒色腫異種移植片を担持するヌードマウスの体重に対するR
115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。体重(g)は週2回測定した。生存中の体重は腫瘍質量について補正できなかった。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物の平均である。図の明解さのため、誤差の棒を省略する。
【図3】A375.S2ヒト黒色腫異種移植片を担持するヌードマウスの体重に対するR115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。体重(g)は週2回測定した。第1日から第23日までの体重の変化を各動物について計算し、そして死後測定で得られた腫瘍重量について補正した(図5)。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物についての平均(±SEM)である。R115777の各用量で観察された体重減少の阻害%をヒストグラムの棒の上に示す。各棒の上に示される同一の文字での治療は、ANOVAにより統計学的に有意でない。
【図4】ヌードマウスでのA375.S2ヒト黒色腫異種移植片の最終(第23日)の腫瘍面積に対するR115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。カリパス測定から生じられる腫瘍面積(長さ×幅)を、第23日の安楽死直前に得た。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物のmm2として表される平均(±SEM)の腫瘍面積である。R115777の各用量で観察された腫瘍面積の減少のパーセントをヒストグラムの棒の上に示す。各棒の上に示される同一の文字での治療は、ANOVAにより統計学的に有意でない。
【図5】ヌードマウスでのA375.S2ヒト黒色腫異種移植片の死後腫瘍重量に対するR115777の効果。マウスに第0日に2×106個の腫瘍細胞を皮下で接種した。3日後に、経口強制栄養により投与されるβ−シクロデキストリンベヒクル(体重10gあたり100μl)もしくはR115777(50,100および200mg/kg)での治療を開始した。動物を安楽死させた直後に腫瘍を摘出しかつ重量測定した。値は治療群あたりN=10〜15匹の動物のgとして表される平均(±SEM)の腫瘍重量である。R115777の各用量で観察された腫瘍面積の減少のパーセントをヒストグラムの棒の上に示す。各棒の上に示される同一の文字での治療は、ANOVAにより統計学的に有意でない。
Claims (9)
- 悪液質の治療のための医薬の製造におけるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用。
- ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、下の式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXの化合物、ならびにそれらの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および立体異性体から選択される請求項1記載の使用。
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1は、水素、C1−12アルキル、Ar1、Ar2C1−6アルキル、キノリニルC1−6アルキル、ピリジルC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
または、式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基であり、
式中、Alk1はC1−6アルカンジイルであり、
R9はヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、アミノ、C1−8アルキルアミノ、もしくはC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノであり;
R2、R3およびR16は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar2C1−6アルキル、Ar2オキシ、Ar2C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、4,4−ジメチルオキサゾリルであるか;または
隣接する位置の場合、R2およびR3は一緒になって、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O−CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を形成してよく;
R4およびR5は、それぞれ独立に水素、ハロ、Ar1、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R6およびR7は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、Ar2オキシ、トリハロメチル、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノであるか、または
隣接する位置の場合、R6およびR7は一緒になって、式
−O−CH2−O− (c−1)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (c−2)
の二価の基を形成してよく;
R8は水素、C1−6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、カルボキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、イミダゾリル、ハロC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、または式
−O−R10(b−1)、
−S−R10(b−2)、
−N−R11R12(b−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1、
Ar2C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR14R15の基であり;
R11は水素、C1−12アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、C1−16アルキルカルボニル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar1、Ar2C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、天然のアミノ酸、Ar1カルボニル、Ar2C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、または基もしくは式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR14R15であり;
式中、Alk2はC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr2C1−6アルキルであり;
R17は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、Ar1であり;
R18は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
R19は水素もしくはC1−6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルであり;および
Ar2は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルである;
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1は、水素、C1−12アルキル、Ar1、Ar2C1−6アルキル、キノリニルC1−6アルキル、ピリジルC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
または、式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基であり、
ここで、Alk1はC1−6アルカンジイルであり、
R9は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、アミノ、C1−8アルキルアミノ、もしくはC1−6アルキルオキシカルボニルで置換されるC1−8アルキルアミノであり;
R2およびR3は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar2C1−6アルキル、Ar2オキシ、Ar2C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニルであるか;または隣接する位置の場合、R2およびR3は一緒になって、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O−CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を形成してよく;
R4およびR5は、それぞれ独立に水素、Ar1、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R6およびR7は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、
C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはAr2オキシであり;
R8は水素、C1−6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、Ar1、
Ar2C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキルであり;
R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
R11は水素もしくはC1−6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルであり;
Ar2は、フェニル、またはC1−6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシもしくはハロで置換されるフェニルである;
Xは酸素もしくはイオウであり;
−A−は、式
−CH=CH− (a−1)、
−CH2−CH2− (a−2)、
−CH2−CH2−CH2− (a−3)、
−CH2−O− (a−4)、
−CH2−CH2−O− (a−5)、
−CH2−S− (a−6)、
−CH2−CH2−S− (a−7)、
−CH=N− (a−8)、
−N=N− (a−9)もしくは
−CO−NH− (a−10)
の二価の基であり;
式中、場合によっては1個の水素原子がC1−4アルキルもしくはAr1により置換されてよく;
R1およびR2は、それぞれ独立に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar2、Ar2−C1−6アルキル、Ar2−オキシ、Ar2−C1−6アルキルオキシであるか;または、隣接する位置の場合、R1およびR2は一緒になって、式
−O−CH2−O− (b−1)、
−O−CH2−CH2−O− (b−2)、
−O−CH=CH− (b−3)、
−O−CH2−CH2(b−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (b−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (b−6)
の二価の基を形成してよく;
R3およびR4は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、Ar3−オキシ、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、トリハロメチル、トリハロメトキシであるか、または
隣接する位置の場合、R3およびR4は一緒になって、式
−O−CH2−O− (c−1)、
−O−CH2−CH2−O− (c−2)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (c−3)
の二価の基を形成してよく;
R5は、式
式中、R13は水素、ハロ、Ar4、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキルもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルであり;
R6は、水素、ヒドロキシ、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、Ar5、Ar5−C1−6アルキルオキシC1−6アルキル;または式
−O−R7(e−1)、
−S−R7(e−2)、
−N−R8R9(e−3)
の基であり、
式中、R7は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar6、
Ar6−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR10もしくは−Alk−NR11R12の基であり;
R8は水素、C1−6アルキル、Ar7もしくはAr7−C1−6アルキルであり;
R9は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、
C1−6アルキルオキシカルボニル、
C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar8、Ar8−C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、Ar8−カルボニル、
Ar8−C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、
または基もしくは式−Alk−OR10もしくは−Alk−NR11R12であり;
式中、AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar9もしくはAr9−C1−6アルキルであり;
R11は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar10もしくはAr10−C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、Ar11もしくはAr11−C1−6アルキルであり;および
Ar1ないしAr11は、それぞれ独立に、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルで置換されるフェニルから選択される;
Xは酸素もしくはイオウであり;
R1およびR2は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、Ar1、Ar1C1−6アルキル、Ar1オキシもしくはAr1C1−6アルキルオキシであり;
R3およびR4は、それぞれ独立に水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシ、Ar1オキシ、C1−6アルキルチオ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、トリハロメチルもしくはトリハロメトキシであり;
R5は、水素、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、
C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、Ar1、Ar1C1−6アルキルオキシC1−6アルキル;または式
−O−R10(a−1)、
−S−R10(a−2)、
−N−R11R12(a−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1、
Ar1C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15の基であり、
R11は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R12は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、Ar1、
Ar1C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル−C1−6アルキル、Ar1カルボニル、Ar1C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、
または基もしくは式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15であり;
式中AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr1C1−6アルキルであり;
R6は、式
式中、R16は、水素、ハロ、Ar1、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、
C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルまたはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R17は水素、C1−6アルキルもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルであり;
R7は水素もしくはC1−6アルキルであるが、但し点線は結合を表さず;
R8は水素、C1−6アルキルもしくはAr2CH2もしくはHet1CH2であり;
R9は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであるか;またはR8およびR9は一緒になって、式
−CH=CH− (c−1)、
−CH2−CH2− (c−2)、
−CH2−CH2−CH2− (c−3)、
−CH2−O− (c−4)もしくは
−CH2−CH2−O− (c−5)
の二価の基を形成し;
Ar1は、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるフェニルであり;
Ar2は、フェニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるフェニルであり;および
Het1は、ピリジニル;またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されるピリジニルである;
ならびに
=X1−X2−X3−は、式
=N−CR6=CR7− (x−1)、
=N−N=CR6− (x−2)、
=N−NH−C(=O)− (x−3)、
=N−N=N− (x−4)、
=N−CR6=N− (x−5)、
=CR6−CR7=CR8− (x−6)、
=CR6−N=CR7− (x−7)、
=CR6−NH−C(=O)− (x−8)もしくは
=CR6−N=N− (x−9)
の三価の基であり;
式中、各R6、R7およびR8は独立に水素、C1−4アルキル、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、アリールオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、
C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、シアノ、アミノ、チオ、C1−4アルキルチオ、アリールチオもしくはアリールであり;
>Y1−Y2−は、式
>CH−CHR9− (y−1)、
>C=N− (y−2)、
>CH−NR9− (y−3)もしくは
>C=CR9− (y−4)
の三価の基であり;
式中、各R9は独立に、水素、ハロ、ハロカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノ、カルボキシル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールであり;
rおよびsはそれぞれ独立に0、1、2、3、4もしくは5であり;
tは0、1、2もしくは3であり;
各R1およびR2は独立に、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2−6アルケニル、C1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルオキシ、
C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノC1−6アルキルオキシ、モノもしくは
ジ(C1−6アルキル)アミノ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルオキシ、アリール、アリールC1−6アルキル、アリールオキシもしくはアリールC1−6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、
アミノカルボニル、アミノC1−6アルキル、モノもしくは
ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルであるか;または
フェニル環上の相互に隣接する2個のR1もしくはR2置換基は、式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O=CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を一緒に独立して形成してよく;
R3は、水素、ハロ、C1−6アルキル、シアノ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、アリール、
アリールC1−6アルキルオキシC1−6アルキル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル;
または式
−O−R10(b−1)、
−S−R10(b−2)、
−NR11R12(b−3)
の基であり、
式中、R10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アリール、アリールC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、または式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15の基であり;
R11は水素、C1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R12は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシ、
C1−6アルキルカルボニルC1−6アルキル、アリールC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アリールカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、アリールC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、
C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル(ここでアルキル部分はアリールもしくはC1−3アルキルオキシカルボニルから独立に選択される1個もしくはそれ以上の置換基により場合によっては置換されてよく)、アミノカルボニルカルボニル、モノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルカルボニル、または基もしくは式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR14R15であり;
式中、AlkはC1−6アルカンジイルであり;
R13は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R14は水素、C1−6アルキル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R15は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アリールもしくはアリールC1−6アルキルであり;
R4は式
式中、R16は、水素、ハロ、アリール、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキルチオC1−6アルキル、C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルまたはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルであり;
R16はまた、式(c−1)もしくは(c−2)のイミダゾール環中の窒素原子の1つに結合されてもよく、その場合、窒素に結合される場合のR16の意味するところは、水素、アリール、C1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、
C1−6アルキルS(O)C1−6アルキルもしくはC1−6アルキルS(O)2C1−6アルキルに制限され;
R17は水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アリールC1−6アルキル、トリフルオロメチルもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルであり;
R5はC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはハロであり;
アリールはフェニル、ナフタレニル、またはハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されるフェニルである。 - 前記ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が式(I)の化合物であり、かつ、式中、R8が、水素、ヒドロキシ、
ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、
C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキル、イミダゾリル、もしくは式−NR11R12の基であり、式中R11は水素もしくはC1−12アルキルであり、また、R12は、水素、
C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、または式−Alk2−OR13の基であり、式中R13は水素もしくはC1−6アルキルである、請求項2記載の使用。 - ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が、4−(3−クロロフェニル)−6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)−メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン、
6−[アミノ(4−クロロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾル−5−イルメチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシ−フェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン一塩酸塩一水和物;
6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシ−フェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン、および6−アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−4−(3−プロピルフェニル)−2(1H)−キノリノン;それらの立体異性体、あるいはそれらの立体異性体または製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩である、請求項1記載の使用。 - ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が、(+)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;もしくはその製薬学的に許容できる酸付加塩である、請求項1記載の使用。
- ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が、=X1−X2−X3が式(x−2)、(x−3)もしくは(x−4)の三価の基であり、>Y1−Y2が式(y−2)、(y−3)もしくは(y−4)の三価の基であり、rおよびsが1であり、tが0であり、R1がハロ、好ましくはクロロ、および最も好ましくは3−クロロであるか、もしくは、R1がC1−4アルキル、好ましくは3−メチルであり、R2がハロ、好ましくはクロロ、および最も好ましくは4−クロロであり、R3が式(b−1)もしくは(b−3)の基であり、R4が式(c−2)の基であり、R6がC1−4アルキルであり、R9が水素であり、R10およびR11が水素であり、ならびに、R12が水素もしくはヒドロキシである式(IX)の化合物である、請求項1記載の使用。
- ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が、5−(3−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−α−(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−7−メタンアミンもしくはその製薬学的に許容できる酸付加塩である、請求項6記載の使用。
- 医薬が経口、直腸もしくは非経口投与に適合される、請求項1ないし7のいずれか記載の使用。
- 治療上有効な量の請求項1ないし7のいずれかに記載されるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を哺乳動物に投与することを含んで成る、前記哺乳動物における悪液質の治療方法。
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