JP2004526759A - 医薬品、その製造および使用 - Google Patents
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Abstract
医薬品が少なくとも1つの治療剤を含んでおり、この医薬品により供給される治療剤の単位投与量が、その治療剤の患者の胃腸管の通過中に、患者に投与されることができ、この治療剤は15〜25℃の範囲の温度で測定したとき、1/30〜1/100 (重量/容量)よりも高くない水溶解性を有することを特徴とする医薬品。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬品、その製造方法および使用に関する。特に、本発明は、患者の胃腸管に存在する生理的な体液中で低い溶解度を有する、1つ以上の治療剤を含む医薬品に関する。
【0002】
動物の患者、特にヒトの患者に対する経口投与用の医薬品は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ペレット等を含む、種々の経口投与形態で提供できる。錠剤は、任意に1つ以上の補助的な医薬的に許容される成分と一緒に、治療剤の圧縮、成形あるいは顆粒形成によって作ることができる。圧縮錠剤は、任意に結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、分散剤等と混合されていてもよい粉末や顆粒などの自由に流動する形態にある治療剤を、適当な機械中で圧縮して製造することができる。成形錠剤は、一般に不活性な液状の希釈剤で湿らされた粉末の形態にある治療剤の混合物を適当な機械中で成形することにより作ることができる。錠剤は、任意に被覆されていてもよい。硬または軟タイプであってもよいカプセルは、一般に、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはゼラチンから構成され得る外殻、および一般に顆粒、粉末または液状の形態で提供され得る治療剤からなる内心部を含む。
【0003】
経口投与による送達は、多くの治療剤にとって、特に望ましい。その上、経口投与はその非侵襲性の性質、および経口投与で一般的に達成され得る、実質的に正確な用量コントロールのため、好ましい。経口投与は、患者の受け入れ易さ、従って改善された患者の服薬遵守の点においても有利である。
【0004】
しかしながら、経口投与で直面し得る問題は、投与される治療剤が、患者の胃腸管に存在する生理的な体液中において低い溶解度を示すことである。そのような場合、完全なまたは実質的な溶解は、胃腸管中を治療剤が通過中(48時間程度の期間)に起こらないかもしれない。さらに、そのような溶解は、1回の投与から次の投与までに変化するであろうし、患者によって左右されるであろう。その結果、治療剤は患者の全循環への吸収には、十分に有効でないか、あるいは実質上、再現的に有効でないかもしれない。このことは治療剤の浪費という点でも問題となり得るが、それよりも正確な量での投与および事実上一定な生体利用効率を得るという点で問題になるであろう。さらに、これらの問題は、コンビナトリアルケミストリーなどの薬剤の発見方法による溶解度の低い化合物が作られることを増加し、治療剤の投与量減少という一般的傾向により、近年悪化している。
【0005】
このような溶解度が低く、変化しやすい治療剤の生体利用効率を改善する問題は、WO 00/09093に記載されている。WO 00/09093は固体剤形に処方されるであろう固体粒子に吸着される薬剤成分について記載している。WO 00/09093により教示される成分および剤形は、低い生体利用効率をもつことが知られているか、疑われている治療剤を含む、広い範囲の治療剤の生体利用効率を改善するものとして記載されている。WO 00/09093はまた、水に不溶性の治療剤を送達する技術としてどのように粉末化溶液の技術がこれまで提案されてきたかを記載している。Spireasら、"Powdered Solution Technology: Principles and Mechanisms, Pharm. Research, 第9巻、第10号(1992)およびSheth, A. Jaraowski, C.I. “Use of powder solutions to improve the dissolution rate of polythiazide tablets,”Drug development and Industrial Pharmacy, 16(5), 769-777 (1990)。
粉末溶液の概念は、液状治療剤または治療剤の溶液を選択キャリアと混合することにより、治療剤の溶液または液状治療剤を乾燥、非粘着性、かつ自由に流動する圧縮性粉末に変えることを含んでいた。治療剤は固形であったが、可溶性の液体状で保持されて湿潤性を増し、それにより、その溶解性を高めた。しかしながら、生じる混合粉末の流動性および圧縮性が一般的に低くかつ不規則であるため、粉末化溶解技術の応用には限界がある。
【0006】
しかしながら、本発明は、溶解度の低い治療剤にこれまで関連していた上記の問題点を、そのような治療剤の生体利用効率およびそのような生体利用効率の再現性を高めるという点で軽減し、同時に、前述の粉末化溶液技術でこれまで達成されなかった優れた流動特性および圧縮特性を示す医薬品を提供する。さらに、本発明により提供されるような医薬品は、投与後ある時間まで事実上、完全に治療剤を固体のままに保ち、それによって液状化合物としばしば関連のある化学的不安定性を事実上、未然に防ぐという点で有利であり得る。したがって、本発明により提供されるような医薬品は特に経口投与に適し得るが、それは本発明により提供されるような治療剤で得られる胃腸管の生理的な体液中での望ましい溶解速度によるものである。さらに、本発明の医薬品は、鼻、肺、または皮膚への適用を目的とし得るエーロゾル投与用システムに多くの場合望ましい有利な流動性も示すであろう。
【0007】
その結果、本発明により、少なくとも1つの治療剤を含んでおり、この医薬品により供給される治療剤の単位投与量が、その治療剤の患者の胃腸管の通過中に、患者に投与することができ、この治療剤は15〜25℃の範囲の温度で測定したとき、1/30〜1/100 (重量/容量)よりも高くない水溶解性を有することで特徴付けられる医薬品が提供される。
【0008】
ここで使用される用語「単位投与量」とは、望ましい治療効果を発揮するための薬剤の有効量を含み、一回の投与に適した治療剤の量を意味する。本発明により、治療剤が胃腸管を通過中の患者に対して、実質上以下に詳細に記載されるように、そのような単位投与量での水溶性の低い治療剤の投与が達成される。ここに使用される用語「投与」は、全身療法のため患者の血流中に治療剤を「投与」することを意味する。ここで用いられる用語「療法」は、確立された状態の治療ならびに予防を含み得る。
【0009】
一般に、本発明の医薬品は、実質上以下に詳細に示されるように治療剤の支持材料からなり、その支持材料は乳糖などの有機材料、炭酸カルシウム、燐酸カルシウムなどの無機物質、または網状微細構造を有する有機もしくは無機の支持材料であり得る。
【0010】
本発明の特に好ましい観点によれば、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられる実質的に相互に連結する壁のネットワークと、当該実質的に相互に連結する壁で画定された多数の細孔からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなり、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品が提供される。
【0011】
好ましくは、本発明の医薬品により提供されるような網状微細構造の壁は、厚さが0.01〜40μmの範囲である。特に好ましい壁の厚さは、実質上以下に詳細に記載されるように、網状微細構造の精密な多孔構造次第である。
【0012】
本発明の医薬品により提供されるような網状微細構造の細孔は、例えば、"Analytical Methods in Fine Particle Technology", Paul A. Webb, Clyde Orr.中に実質上詳細に記載されるように、空気透過法または水銀圧入法によって測定できるように、その開口の大きさによって特徴付けられる。したがって、ここでは「細孔の大きさ」という用語は本発明の医薬品により提供されるような網状微細構造の細孔を特徴づけるために用いられ、ここで使用されるように「細孔の大きさ」は細孔の開口の直径(そのような開口が実質的に円筒形であると仮定して)、または細孔の開口の幅(そのような開口が実質的に非円筒形であると仮定して)のいずれかを意味する。有利に、本発明の医薬品により与えられる網状微細構造の細孔は、細孔の大きさが0.01〜60μmの範囲である。
【0013】
本発明の好ましい観点によれば、前記のように、実質的に互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、厚さが約0.5μmより薄い、実質的に相互に連結している壁のネットワークと、当該壁により画定され、実質的にその全てが0.1〜1μmの範囲の孔径を有する多数の細孔からなる網状三次元微細構造からなり、少なくとも1つの治療剤を含む医薬品が提供される。
【0014】
一般に、本発明の前記観点によれば、実質的に全ての壁は0.01〜0.5μmの範囲の厚さを有し、好ましくは約0.1μm未満の厚さを有する。さらに、本発明の前記第一の観点によれば、実質的に全ての細孔は一般に、細孔の大きさが0.3〜0.6μmの範囲であり、より一般的には全ての細孔は細孔の大きさが約0.5μmである。
【0015】
本発明のさらに好ましい観点によれば、第一の網状三次元微細構造と、当該第一の網状微細構造の壁を画定している第二の網状三次元微細構造からなり、
当該第一の網状微細構造が:
第一の壁を当該第二の網状微細構造により与えられ、実質的に全ての当該第一の壁が10〜40μmの範囲の厚さを有する、実質的に相互に連結している当該第一の壁のネットワークと、当該第一の壁により画定され、実質的にその全てが40〜60μmの範囲の大きさを有する多数の第一の細孔からなり、
当該第二の網状三次元微細構造が:
互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、実質的にその全てが0.5〜5μmの範囲の厚さを有する、実質的に相互に連結している第二の壁のネットワークと、当該第二の壁によって画定され、実質的にその全てが0.1〜5μmの範囲の厚さを有する多数の第二の細孔からなる、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品が提供される。
【0016】
一般に、本発明の前記の更なる観点によれば、実質的に全ての第一の壁は20〜30μmの範囲の厚さを有する。さらに、本発明の前記の更なる観点によれば、実質的に全ての第一の細孔は、細孔の大きさが45〜55μmの範囲、例えば約50μmである。一般に、本発明の前記の更なる観点によれば、実質的に全ての第二の壁は0.5〜1.5μmの範囲の厚さを有する。さらに、本発明の前記の更なる観点によれば、実質的に全ての第二の細孔は、細孔の大きさが0.5〜1μmの範囲である。
【0017】
本発明の特に好ましい実施例によれば、本発明の医薬品により与えられるような網状微細構造の壁を画定している多数の結晶は、本質的に治療剤の結晶からなる。したがって、より詳しくは、本発明は、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が本質的に前記治療剤の結晶からなる壁を画定している、実質的に相互に連結している壁のネットワークと、実質的に相互に連結している当該壁によって画定されている多数の細孔からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなり、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品を提供する。
【0018】
本発明の別の特に好ましい実施例によれば、本発明の医薬品により与えられるような網状微細構造の壁を画定している多数の結晶は、本発明の医薬品において採用された治療剤用の生理的に許容される支持体の結晶からなる。適切に、生理的に許容される支持体は、患者の胃腸管内の生理的な体液中で分解可能であり、生理的に許容される分解物を生じる。
【0019】
したがって、より詳しくは、上述される本発明の別の特に好ましい実施例は、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が治療剤用に生理的に許容される支持体の結晶を含む壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなり、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品を提供する。
【0020】
上述される本発明の別の特に好ましい実施例によれば、網状三次元微細構造の相互に連結している壁を画定している結晶は:
(i) 前記の生理的に許容される支持体の結晶;および
(ii) 治療剤の結晶
を含む。
【0021】
実質的に上述されるように、前記の相互に連結している壁を画定している生理的に許容される支持体の結晶および治療剤の結晶は、適切に、密接な混合物として存在する。付加的に、さらに多くの治療剤の結晶を網状微細構造の細孔内に少なくとも部分的に位置していてもよい。
【0022】
上述される本発明の別の特に好ましい実施例のまた更なる観点は、網状三次元微細構造の相互に連結している壁を画定している結晶が、本質的に前記の生理的に許容される支持体の結晶からなり、治療剤の結晶が実質的に前記のように、網状微細構造の細孔内に少なくとも部分的に位置している、実質的に前記のような医薬品を提供する。
【0023】
またさらに、本発明により、網状微細構造が:
互いに少なくとも部分的に接触して配列される多数の結晶により与えられ、実質的に前記のように当該多数の結晶が生理的に許容される支持材料の結晶を含む壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、
実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔
からなる、治療剤の結晶用の生理的に許容される支持体としての、実質的に前記のような少なくとも一つの網状三次元微細構造の使用が提供される。
【0024】
実質的に前記のように、網状三次元微細構造の壁は、治療剤の結晶をさらに含んでいてもよい。またその代わりに、網状三次元微細構造の壁は、実質的に前記のように、生理的に許容される支持体の結晶で本質的に構成されていてもよい。治療剤の結晶は、さらに網状微細構造の細孔内に少なくとも部分的に位置されていてもよい。
【0025】
本発明の使用に供される支持体は、実質的に前記のように、一般に、結晶形の有機、無機あるいはポリマー材料からなり、網状三次元微細構造を本発明に従って用いる必要がある場合には、実質的に前記のように、そのような網状三次元微細構造を提供するために支持体を配置することができる。前記支持材料の結晶は、実質的に前記のように、少なくとも1つの網状三次元微細構造の壁を画定するように、互いに少なくとも部分的に接触して配列されるのが好ましい。一般に、本発明に従って使用される無機支持材料は、シリカを含んでいてもよく、より好ましくは燐酸カルシウムまたは炭酸カルシウム、特に燐酸カルシウムなどのアルカリ土類金属塩を含んでいてもよい。もちろん、そのようなアルカリ土類金属塩のあらゆる多形体が使用でき、選択されたそのような多形体が本発明の使用に特に有用であり得ることが理解されるであろう。
【0026】
本発明は、針状様晶癖を示す治療剤とともに使用されるのが特に好ましい。あるいはまた、本発明は、そのような針状様晶癖を示すよう促進される治療剤とともに使用することがきる。例えば、もともと針状様晶癖を示さない治療剤を、実質的に前記のように、支持体と共結晶化して、支持体が望ましい針状様結晶の性質を発揮し、それにより治療剤が針状様晶癖を示すのを促すことができる。
【0027】
事実的に前記のような網状三次元微細構造または本発明の医薬品に使用される結晶性支持体は、高い比表面積を示すのに特に有利である。ここで使用される「比表面積」という用語は、単位重量あたりの表面積を意味している。本発明の医薬品により提供されるそのような高い比表面積の微細構造または支持体は、そのような高い比表面積の微細構造または支持体が、患者の胃腸管の生理的な体液中で低い溶解度を示す治療剤の溶解を助けることができるので、実質的に前記のように、前記胃腸管の生理的な体液中での溶解度が低い治療剤とともに使用されるのが特に望ましい。特に、非網状形の治療剤または本発明で必要としたように高い比表面積の支持体を使用しない治療剤の相当量の溶解速度(そしてまた、その再現性)と比較して、本発明は、本発明の医薬品により提供されるような、網状三次元微細構造の治療剤、または高い比表面積の支持体と使用される治療剤の溶解速度を上げる(そして、その再現性を有利に最適化する)ことができる。
【0028】
一般に、本発明の医薬品によって提供されるような網状三次元微細構造または支持体は、有利に、少なくとも1m2g-1、好ましくは、少なくとも2m2g-1、そして特に、少なくとも5m2g-1の比表面積を有する。原則として、網状微細構造または支持体の比表面積は、その結晶で実際に得られる表面積と同程度であってよい。本発明に従って使用される網状三次元微細構造または支持体で得られる比表面積は望ましくは200m2g-1である。一般に、本発明に従って使用される網状三次元微細構造または支持体は、100m2g-1、または50m2g-1までの比表面積を有することができる。好ましい比表面積は5〜50m2g-1の範囲、さらに好ましくは10〜40m2g-1の範囲であり得る。
【0029】
したがって、本発明により、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられる実質的に相互に連結する壁のネットワークと、
当該実質的に相互に連結する壁で画定された多数の細孔
を含む少なくとも1つの網状三次元微細構造を含み、当該網状三次元微細構造が少なくとも1m2g-1の比表面積を有し、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品が提供される。
【0030】
実質的に上記に規定されるような網状三次元微細構造は、より一般的に、実質的に前記のように少なくとも2m2g-1および少なくとも5m2g-1の比表面積を有する。また、実質的に前記のように、そのような網状三次元微細構造は100m2g-1まで、または50m2g-1までの比表面積を有しているのが好ましく、比表面積の範囲は好ましくは5〜50m2g-1、より好ましくは10〜40m2g-1である。
【0031】
本発明の医薬品に使用されることにより恩恵を特に受けることのできる治療剤は、一般に、15〜25℃の範囲の温度で測定したときに、重量/体積で約1/30から1/100より高くない水溶解度を通常有する治療剤を含む。そのような治療剤は、例えば、グリセオフルビン、アセトアミノフェン(パラセタモール)、アスピリン、メフェナム酸、イブプロフェン、ケトプロフェン、トリアムテレン、ナプロキセン、テオフィリン、ニフェジピン、インドメタシン、フェニトイン、シクロスポリンなどを含む。本発明はアセタミノフェン(パラセタモール)と用いるのに特に適している。
【0032】
本発明がパラセタモールを含む医薬品を提供する場合、実質的に前記のような本発明の特に好ましい観点によれば、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が本質的にパラセタモールの結晶を含む壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔を含む少なくとも一つの網状三次元微細構造を含み、当該パラセタモールの多数の結晶を含む医薬品が提供される。
【0033】
実質的に前記のような、本発明の医薬品により与えられる網状微細構造の好ましい性質は、前記パラセタモールの結晶により与えられる網状微細構造にも同様に適用される。
【0034】
さらに、本発明の医薬品により与えられる網状微細構造の使用は、鼻、肺または皮膚への適用を目的とし得るエーロゾル投与として使用する際に利便性がある。本発明の医薬品により与えられる網状微細構造の使用は、少なくとも部分的にそのような網状微細構造の低質量密度により、そのようなエーロゾル投与に有利であり得る。低質量密度の粒子の提供は、比較的大きな粒子の肺への送達を容易にするものとして有利であると前述されている。
事実、より小さい非多孔性粒子と比較した場合、多孔性粒子は、剪断力下で、あまり凝集せず、より非凝集しやすいことが知られており、よって、吸入器からより効果的にエ−ロゾル化するのに有利であり得る、Pharmaceutical Research.、第16巻、第11号、1999 参照。
【0035】
エーロゾル投与用の本発明の医薬品に用いる治療剤に関しては、治療剤は、吸入による投与に適した1つ以上の生物活性材料を一般に含んでいてもよい。そのような生物活性材料は、β2作働薬、ステロイド、抗コリン作働薬、コルチコステロイド、抗ロイコトリエン、抗アレルギー薬、および吸入によって効果的に投与できる他の材料のような気管支拡張薬を含むため、活性材料の治療指数を増加させ、副作用を減少させる。特に、適切な生物活性材料はサルブタモール、ベクロメタゾン ジプロピオネ−ト、イプラトロピウムブロマイドなどを含む。
【0036】
本発明の医薬品はあらゆる適切な方法によって製造することができる。例えば、網状燐酸カルシウムまたは炭酸カルシウムの骨格の構成で知られている一般的な方法が「Science、第264巻、6月10日、1994」および「Adv Mater 1999, 11(4) 324-328」に記載されており、本発明により現在提供される医薬品の製造での使用に、同様に適用できるであろう。
【0037】
したがって、本発明の更なる観点によれば、
(i)第一の相、
(ii)この第一の相と実質上混和しない第二の相、および
(iii)少なくとも1つの界面活性剤
を含み、当該第一の相が、実質的に相互に連結したエマルジョンチャンネルを規定し、少なくとも1つの治療剤、および任意に、実質的に前記のような少なくとも1つの生理的に許容される支持材料を含む溶液を含むエマルジョンを形成し;
その少なくとも1つの治療剤の少なくとも結晶、および任意に当該少なくとも1つの生理的に許容される支持材料の結晶を当該エマルジョンチャンネル内で形成させ、それによって多数の結晶が互いに少なくとも部分的に接触するように形成され、実質的に前記のように、少なくとも1つの三次元網状微細構造の壁を形成することができるようにし;
そのエマルジョンから当該結晶を回収する
工程を含む、実質的に前記のような本発明の医薬品の製造方法がさらに提供される。
【0038】
好ましくは、本発明の方法は、一般に、少なくとも1つの治療剤の実質的に飽和した溶液と、任意に、実質的に前記のような少なくとも1つの生理的に受容される支持材料を調製することにより、第一の相を調製することをさらに含む。好ましくは、第一の相は水相からなる。一般に、水相は少なくとも1つの治療剤の実質的に飽和した溶液を含み、治療剤は1つ以上の共溶剤により、または熱、化合物質などの他の物理的方法により適切に溶解される。
【0039】
好ましくは、第二の相は疎水性の相を含み、適切な疎水性油の相は鉱物油、1つ以上のアルカン油、および/または落花生油、ごま油などの1つ以上の有機油を含むことができる。したがって、本発明の方法は、一般に、前記のような適切な油を混合することにより第二の相を調製することをさらに含むのが好ましい。
【0040】
一般に、界面活性剤は、第二の相を第一の相へ加える前に、第二の相に添加される。好ましくは、界面活性剤はジドデシルジメチルアンモニウムブロマイドなどのツウィン(twin)鎖型である。
【0041】
適切に、本発明によって調製されるエマルジョンは、任意に攪拌および/または加熱を一緒に行いながら、第一の相を第二の相へ連続的に添加することによって形成される。
【0042】
実質的に前記のように三次元網状微細構造の壁を画定することができるように、少なくとも1つの治療剤の少なくとも結晶、および任意に、実質的に前記のような少なくとも1つの生理的に許容される支持材料を形成できる経路をエマルジョンチャンネルに画定させるに、本発明によって調製されるエマルジョンそれ自体の性質は十分なものであり得る。あるいはまた、エマルジョンは、エマルジョンチャンネルを十分に固定して結晶化を促進し、実質的に前記のように、三次元網状微細構造の壁を形成するために、-25℃〜+4℃のような低い温度で保持することができる。
【0043】
治療剤の結晶および任意に少なくとも1つの生理的に許容される支持材料の結晶(後者が存在する場合)の回収は、実質的に前記のように後者が低温度で保持されている場合、エマルジョンの任意な実質上の解凍に続いて、遠心分離により行われる。回収された結晶はあらゆる残留界面活性剤を除去するために洗浄されてもよく、任意に少なくとも1つの生理的に許容される支持材料を使用する場合、支持材料の結晶を除去して、壁が本質的にまたは主に、事実上前記のような少なくとも1つの治療剤の結晶を含む少なくとも1つの網状微細構造を生じることができる。
【0044】
本発明の医薬品を製造する他の方法は、凍結乾燥もしくは他の純化方法、噴霧乾燥、ポリスチレンなどの1つ以上の骨格材料からの製造(1つ以上の骨格の除去に続く)もしくは溶解/蒸発による製造または他のあらゆる適切な方法を含む。
【0045】
本発明のまたさらなる観点によれば、治療で使用される、実質的に前記のような医薬品が提供される。またさらに、本発明により、薬剤の製造に用いられる、実質的に前記のような医薬品が提供される。特に、本発明の医薬品が実質的に前記のようにパラセタモールを含む場合には、痛みの治療用の薬剤の製造に使用される、実質的に前記のような医薬品が提供される。ここで使用される「治療」という用語は確立された状態の治療ならびに予防を含む。
【0046】
本発明の医薬品が実質的に純粋な化学物質として投与できる一方で、そのような製品は医薬製剤に含まれるのが好ましい。したがって、本発明により、少なくとも1つの許容されるキャリア、希釈剤、あるいは賦形剤、および任意に他の治療的に許容される成分と共に実質的に前記の製品を含む医薬製剤が、またさらに提供される。キャリアは、製剤の他の成分と適合性であり、その受容体に有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0047】
もっとも適切な投与経路は通常、患者の状態や治療される病気次第であるが、本発明の製剤は、特に、経口投与に適している。事実、本発明によって提供される製剤はまた、鼻、肺または皮膚投与用のどれであろうと、エーロゾルとして特に適切であり得る。採用される投与量は患者の年齢および性別、治療される個々の疾患、ならびに実質的に前記のような投与経路を含む多数の因子によるが、患者に投与される本発明の医薬品の正確な量は、担当医の責務である。
【0048】
最後に、本発明により、治療的に有効な量の本発明の医薬品を患者に投与することを含む病気の治療方法が提供される。
【0049】
本発明は、以下の実施例によりさらに示されるが、本発明の範囲はこれにより決して限定されるものではない。
【0050】
実例例1
パラセタモールは以下の乳化技術に従って本発明では網状で提供された。
【0051】
エマルジョンの水相は、パラセタモールの熱過飽和水溶液(>70℃)を提供するために、パラセタモールを熱蒸留水(>70℃)中で溶解することにより調製した。
【0052】
エマルジョンの油相は、90重量%のテトラデカンおよび10重量%のヘキサデカンからなる油を調製することによって得られた。
【0053】
DDAB15gおよび前記の油相9.4gを100cm3ガラスビーカーの中で合わせ、50から60℃で急速に攪拌した。急速な攪拌を続け、温度を50℃より上に保ちながら、パラセタモールの熱い過飽和溶液を含む前記の水相13cm3を3等分して添加した。この状態を視覚的に透明な混合物(マイクロエマルジョン)を形成するまで維持した。形成すると、透明な混和物を数分間放置して空泡を逃がした。
【0054】
50cm3ガラスビーカーを液体窒素で冷却し、透明な混和物をビーカーに移した。次いで、液体窒素を用いて混和物を急速に凍結し、4℃の冷蔵庫に3週間置いた。固体のマイクロエマルジョンを冷蔵庫から取り出し、透明な混和物を再び得るために温め、5分間4000rpmで遠心分離して、ゲル様ペレットを残した。ゲル様ペレットを真鍮/銅ホルダーに移し、次に熱い溶剤蒸気で洗浄して残留DDABを除去し、パラセタモールの結晶が走査電子顕微鏡を用いて見えるようにした。
【0001】
本発明は医薬品、その製造方法および使用に関する。特に、本発明は、患者の胃腸管に存在する生理的な体液中で低い溶解度を有する、1つ以上の治療剤を含む医薬品に関する。
【0002】
動物の患者、特にヒトの患者に対する経口投与用の医薬品は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ペレット等を含む、種々の経口投与形態で提供できる。錠剤は、任意に1つ以上の補助的な医薬的に許容される成分と一緒に、治療剤の圧縮、成形あるいは顆粒形成によって作ることができる。圧縮錠剤は、任意に結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、分散剤等と混合されていてもよい粉末や顆粒などの自由に流動する形態にある治療剤を、適当な機械中で圧縮して製造することができる。成形錠剤は、一般に不活性な液状の希釈剤で湿らされた粉末の形態にある治療剤の混合物を適当な機械中で成形することにより作ることができる。錠剤は、任意に被覆されていてもよい。硬または軟タイプであってもよいカプセルは、一般に、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはゼラチンから構成され得る外殻、および一般に顆粒、粉末または液状の形態で提供され得る治療剤からなる内心部を含む。
【0003】
経口投与による送達は、多くの治療剤にとって、特に望ましい。その上、経口投与はその非侵襲性の性質、および経口投与で一般的に達成され得る、実質的に正確な用量コントロールのため、好ましい。経口投与は、患者の受け入れ易さ、従って改善された患者の服薬遵守の点においても有利である。
【0004】
しかしながら、経口投与で直面し得る問題は、投与される治療剤が、患者の胃腸管に存在する生理的な体液中において低い溶解度を示すことである。そのような場合、完全なまたは実質的な溶解は、胃腸管中を治療剤が通過中(48時間程度の期間)に起こらないかもしれない。さらに、そのような溶解は、1回の投与から次の投与までに変化するであろうし、患者によって左右されるであろう。その結果、治療剤は患者の全循環への吸収には、十分に有効でないか、あるいは実質上、再現的に有効でないかもしれない。このことは治療剤の浪費という点でも問題となり得るが、それよりも正確な量での投与および事実上一定な生体利用効率を得るという点で問題になるであろう。さらに、これらの問題は、コンビナトリアルケミストリーなどの薬剤の発見方法による溶解度の低い化合物が作られることを増加し、治療剤の投与量減少という一般的傾向により、近年悪化している。
【0005】
このような溶解度が低く、変化しやすい治療剤の生体利用効率を改善する問題は、WO 00/09093に記載されている。WO 00/09093は固体剤形に処方されるであろう固体粒子に吸着される薬剤成分について記載している。WO 00/09093により教示される成分および剤形は、低い生体利用効率をもつことが知られているか、疑われている治療剤を含む、広い範囲の治療剤の生体利用効率を改善するものとして記載されている。WO 00/09093はまた、水に不溶性の治療剤を送達する技術としてどのように粉末化溶液の技術がこれまで提案されてきたかを記載している。Spireasら、"Powdered Solution Technology: Principles and Mechanisms, Pharm. Research, 第9巻、第10号(1992)およびSheth, A. Jaraowski, C.I. “Use of powder solutions to improve the dissolution rate of polythiazide tablets,”Drug development and Industrial Pharmacy, 16(5), 769-777 (1990)。
粉末溶液の概念は、液状治療剤または治療剤の溶液を選択キャリアと混合することにより、治療剤の溶液または液状治療剤を乾燥、非粘着性、かつ自由に流動する圧縮性粉末に変えることを含んでいた。治療剤は固形であったが、可溶性の液体状で保持されて湿潤性を増し、それにより、その溶解性を高めた。しかしながら、生じる混合粉末の流動性および圧縮性が一般的に低くかつ不規則であるため、粉末化溶解技術の応用には限界がある。
【0006】
しかしながら、本発明は、溶解度の低い治療剤にこれまで関連していた上記の問題点を、そのような治療剤の生体利用効率およびそのような生体利用効率の再現性を高めるという点で軽減し、同時に、前述の粉末化溶液技術でこれまで達成されなかった優れた流動特性および圧縮特性を示す医薬品を提供する。さらに、本発明により提供されるような医薬品は、投与後ある時間まで事実上、完全に治療剤を固体のままに保ち、それによって液状化合物としばしば関連のある化学的不安定性を事実上、未然に防ぐという点で有利であり得る。したがって、本発明により提供されるような医薬品は特に経口投与に適し得るが、それは本発明により提供されるような治療剤で得られる胃腸管の生理的な体液中での望ましい溶解速度によるものである。さらに、本発明の医薬品は、鼻、肺、または皮膚への適用を目的とし得るエーロゾル投与用システムに多くの場合望ましい有利な流動性も示すであろう。
【0007】
その結果、本発明により、少なくとも1つの治療剤を含んでおり、この医薬品により供給される治療剤の単位投与量が、その治療剤の患者の胃腸管の通過中に、患者に投与することができ、この治療剤は15〜25℃の範囲の温度で測定したとき、1/30〜1/100 (重量/容量)よりも高くない水溶解性を有することで特徴付けられる医薬品が提供される。
【0008】
ここで使用される用語「単位投与量」とは、望ましい治療効果を発揮するための薬剤の有効量を含み、一回の投与に適した治療剤の量を意味する。本発明により、治療剤が胃腸管を通過中の患者に対して、実質上以下に詳細に記載されるように、そのような単位投与量での水溶性の低い治療剤の投与が達成される。ここに使用される用語「投与」は、全身療法のため患者の血流中に治療剤を「投与」することを意味する。ここで用いられる用語「療法」は、確立された状態の治療ならびに予防を含み得る。
【0009】
一般に、本発明の医薬品は、実質上以下に詳細に示されるように治療剤の支持材料からなり、その支持材料は乳糖などの有機材料、炭酸カルシウム、燐酸カルシウムなどの無機物質、または網状微細構造を有する有機もしくは無機の支持材料であり得る。
【0010】
本発明の特に好ましい観点によれば、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられる実質的に相互に連結する壁のネットワークと、当該実質的に相互に連結する壁で画定された多数の細孔からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなり、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品が提供される。
【0011】
好ましくは、本発明の医薬品により提供されるような網状微細構造の壁は、厚さが0.01〜40μmの範囲である。特に好ましい壁の厚さは、実質上以下に詳細に記載されるように、網状微細構造の精密な多孔構造次第である。
【0012】
本発明の医薬品により提供されるような網状微細構造の細孔は、例えば、"Analytical Methods in Fine Particle Technology", Paul A. Webb, Clyde Orr.中に実質上詳細に記載されるように、空気透過法または水銀圧入法によって測定できるように、その開口の大きさによって特徴付けられる。したがって、ここでは「細孔の大きさ」という用語は本発明の医薬品により提供されるような網状微細構造の細孔を特徴づけるために用いられ、ここで使用されるように「細孔の大きさ」は細孔の開口の直径(そのような開口が実質的に円筒形であると仮定して)、または細孔の開口の幅(そのような開口が実質的に非円筒形であると仮定して)のいずれかを意味する。有利に、本発明の医薬品により与えられる網状微細構造の細孔は、細孔の大きさが0.01〜60μmの範囲である。
【0013】
本発明の好ましい観点によれば、前記のように、実質的に互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、厚さが約0.5μmより薄い、実質的に相互に連結している壁のネットワークと、当該壁により画定され、実質的にその全てが0.1〜1μmの範囲の孔径を有する多数の細孔からなる網状三次元微細構造からなり、少なくとも1つの治療剤を含む医薬品が提供される。
【0014】
一般に、本発明の前記観点によれば、実質的に全ての壁は0.01〜0.5μmの範囲の厚さを有し、好ましくは約0.1μm未満の厚さを有する。さらに、本発明の前記第一の観点によれば、実質的に全ての細孔は一般に、細孔の大きさが0.3〜0.6μmの範囲であり、より一般的には全ての細孔は細孔の大きさが約0.5μmである。
【0015】
本発明のさらに好ましい観点によれば、第一の網状三次元微細構造と、当該第一の網状微細構造の壁を画定している第二の網状三次元微細構造からなり、
当該第一の網状微細構造が:
第一の壁を当該第二の網状微細構造により与えられ、実質的に全ての当該第一の壁が10〜40μmの範囲の厚さを有する、実質的に相互に連結している当該第一の壁のネットワークと、当該第一の壁により画定され、実質的にその全てが40〜60μmの範囲の大きさを有する多数の第一の細孔からなり、
当該第二の網状三次元微細構造が:
互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、実質的にその全てが0.5〜5μmの範囲の厚さを有する、実質的に相互に連結している第二の壁のネットワークと、当該第二の壁によって画定され、実質的にその全てが0.1〜5μmの範囲の厚さを有する多数の第二の細孔からなる、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品が提供される。
【0016】
一般に、本発明の前記の更なる観点によれば、実質的に全ての第一の壁は20〜30μmの範囲の厚さを有する。さらに、本発明の前記の更なる観点によれば、実質的に全ての第一の細孔は、細孔の大きさが45〜55μmの範囲、例えば約50μmである。一般に、本発明の前記の更なる観点によれば、実質的に全ての第二の壁は0.5〜1.5μmの範囲の厚さを有する。さらに、本発明の前記の更なる観点によれば、実質的に全ての第二の細孔は、細孔の大きさが0.5〜1μmの範囲である。
【0017】
本発明の特に好ましい実施例によれば、本発明の医薬品により与えられるような網状微細構造の壁を画定している多数の結晶は、本質的に治療剤の結晶からなる。したがって、より詳しくは、本発明は、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が本質的に前記治療剤の結晶からなる壁を画定している、実質的に相互に連結している壁のネットワークと、実質的に相互に連結している当該壁によって画定されている多数の細孔からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなり、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品を提供する。
【0018】
本発明の別の特に好ましい実施例によれば、本発明の医薬品により与えられるような網状微細構造の壁を画定している多数の結晶は、本発明の医薬品において採用された治療剤用の生理的に許容される支持体の結晶からなる。適切に、生理的に許容される支持体は、患者の胃腸管内の生理的な体液中で分解可能であり、生理的に許容される分解物を生じる。
【0019】
したがって、より詳しくは、上述される本発明の別の特に好ましい実施例は、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が治療剤用に生理的に許容される支持体の結晶を含む壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなり、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品を提供する。
【0020】
上述される本発明の別の特に好ましい実施例によれば、網状三次元微細構造の相互に連結している壁を画定している結晶は:
(i) 前記の生理的に許容される支持体の結晶;および
(ii) 治療剤の結晶
を含む。
【0021】
実質的に上述されるように、前記の相互に連結している壁を画定している生理的に許容される支持体の結晶および治療剤の結晶は、適切に、密接な混合物として存在する。付加的に、さらに多くの治療剤の結晶を網状微細構造の細孔内に少なくとも部分的に位置していてもよい。
【0022】
上述される本発明の別の特に好ましい実施例のまた更なる観点は、網状三次元微細構造の相互に連結している壁を画定している結晶が、本質的に前記の生理的に許容される支持体の結晶からなり、治療剤の結晶が実質的に前記のように、網状微細構造の細孔内に少なくとも部分的に位置している、実質的に前記のような医薬品を提供する。
【0023】
またさらに、本発明により、網状微細構造が:
互いに少なくとも部分的に接触して配列される多数の結晶により与えられ、実質的に前記のように当該多数の結晶が生理的に許容される支持材料の結晶を含む壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、
実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔
からなる、治療剤の結晶用の生理的に許容される支持体としての、実質的に前記のような少なくとも一つの網状三次元微細構造の使用が提供される。
【0024】
実質的に前記のように、網状三次元微細構造の壁は、治療剤の結晶をさらに含んでいてもよい。またその代わりに、網状三次元微細構造の壁は、実質的に前記のように、生理的に許容される支持体の結晶で本質的に構成されていてもよい。治療剤の結晶は、さらに網状微細構造の細孔内に少なくとも部分的に位置されていてもよい。
【0025】
本発明の使用に供される支持体は、実質的に前記のように、一般に、結晶形の有機、無機あるいはポリマー材料からなり、網状三次元微細構造を本発明に従って用いる必要がある場合には、実質的に前記のように、そのような網状三次元微細構造を提供するために支持体を配置することができる。前記支持材料の結晶は、実質的に前記のように、少なくとも1つの網状三次元微細構造の壁を画定するように、互いに少なくとも部分的に接触して配列されるのが好ましい。一般に、本発明に従って使用される無機支持材料は、シリカを含んでいてもよく、より好ましくは燐酸カルシウムまたは炭酸カルシウム、特に燐酸カルシウムなどのアルカリ土類金属塩を含んでいてもよい。もちろん、そのようなアルカリ土類金属塩のあらゆる多形体が使用でき、選択されたそのような多形体が本発明の使用に特に有用であり得ることが理解されるであろう。
【0026】
本発明は、針状様晶癖を示す治療剤とともに使用されるのが特に好ましい。あるいはまた、本発明は、そのような針状様晶癖を示すよう促進される治療剤とともに使用することがきる。例えば、もともと針状様晶癖を示さない治療剤を、実質的に前記のように、支持体と共結晶化して、支持体が望ましい針状様結晶の性質を発揮し、それにより治療剤が針状様晶癖を示すのを促すことができる。
【0027】
事実的に前記のような網状三次元微細構造または本発明の医薬品に使用される結晶性支持体は、高い比表面積を示すのに特に有利である。ここで使用される「比表面積」という用語は、単位重量あたりの表面積を意味している。本発明の医薬品により提供されるそのような高い比表面積の微細構造または支持体は、そのような高い比表面積の微細構造または支持体が、患者の胃腸管の生理的な体液中で低い溶解度を示す治療剤の溶解を助けることができるので、実質的に前記のように、前記胃腸管の生理的な体液中での溶解度が低い治療剤とともに使用されるのが特に望ましい。特に、非網状形の治療剤または本発明で必要としたように高い比表面積の支持体を使用しない治療剤の相当量の溶解速度(そしてまた、その再現性)と比較して、本発明は、本発明の医薬品により提供されるような、網状三次元微細構造の治療剤、または高い比表面積の支持体と使用される治療剤の溶解速度を上げる(そして、その再現性を有利に最適化する)ことができる。
【0028】
一般に、本発明の医薬品によって提供されるような網状三次元微細構造または支持体は、有利に、少なくとも1m2g-1、好ましくは、少なくとも2m2g-1、そして特に、少なくとも5m2g-1の比表面積を有する。原則として、網状微細構造または支持体の比表面積は、その結晶で実際に得られる表面積と同程度であってよい。本発明に従って使用される網状三次元微細構造または支持体で得られる比表面積は望ましくは200m2g-1である。一般に、本発明に従って使用される網状三次元微細構造または支持体は、100m2g-1、または50m2g-1までの比表面積を有することができる。好ましい比表面積は5〜50m2g-1の範囲、さらに好ましくは10〜40m2g-1の範囲であり得る。
【0029】
したがって、本発明により、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられる実質的に相互に連結する壁のネットワークと、
当該実質的に相互に連結する壁で画定された多数の細孔
を含む少なくとも1つの網状三次元微細構造を含み、当該網状三次元微細構造が少なくとも1m2g-1の比表面積を有し、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品が提供される。
【0030】
実質的に上記に規定されるような網状三次元微細構造は、より一般的に、実質的に前記のように少なくとも2m2g-1および少なくとも5m2g-1の比表面積を有する。また、実質的に前記のように、そのような網状三次元微細構造は100m2g-1まで、または50m2g-1までの比表面積を有しているのが好ましく、比表面積の範囲は好ましくは5〜50m2g-1、より好ましくは10〜40m2g-1である。
【0031】
本発明の医薬品に使用されることにより恩恵を特に受けることのできる治療剤は、一般に、15〜25℃の範囲の温度で測定したときに、重量/体積で約1/30から1/100より高くない水溶解度を通常有する治療剤を含む。そのような治療剤は、例えば、グリセオフルビン、アセトアミノフェン(パラセタモール)、アスピリン、メフェナム酸、イブプロフェン、ケトプロフェン、トリアムテレン、ナプロキセン、テオフィリン、ニフェジピン、インドメタシン、フェニトイン、シクロスポリンなどを含む。本発明はアセタミノフェン(パラセタモール)と用いるのに特に適している。
【0032】
本発明がパラセタモールを含む医薬品を提供する場合、実質的に前記のような本発明の特に好ましい観点によれば、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が本質的にパラセタモールの結晶を含む壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔を含む少なくとも一つの網状三次元微細構造を含み、当該パラセタモールの多数の結晶を含む医薬品が提供される。
【0033】
実質的に前記のような、本発明の医薬品により与えられる網状微細構造の好ましい性質は、前記パラセタモールの結晶により与えられる網状微細構造にも同様に適用される。
【0034】
さらに、本発明の医薬品により与えられる網状微細構造の使用は、鼻、肺または皮膚への適用を目的とし得るエーロゾル投与として使用する際に利便性がある。本発明の医薬品により与えられる網状微細構造の使用は、少なくとも部分的にそのような網状微細構造の低質量密度により、そのようなエーロゾル投与に有利であり得る。低質量密度の粒子の提供は、比較的大きな粒子の肺への送達を容易にするものとして有利であると前述されている。
事実、より小さい非多孔性粒子と比較した場合、多孔性粒子は、剪断力下で、あまり凝集せず、より非凝集しやすいことが知られており、よって、吸入器からより効果的にエ−ロゾル化するのに有利であり得る、Pharmaceutical Research.、第16巻、第11号、1999 参照。
【0035】
エーロゾル投与用の本発明の医薬品に用いる治療剤に関しては、治療剤は、吸入による投与に適した1つ以上の生物活性材料を一般に含んでいてもよい。そのような生物活性材料は、β2作働薬、ステロイド、抗コリン作働薬、コルチコステロイド、抗ロイコトリエン、抗アレルギー薬、および吸入によって効果的に投与できる他の材料のような気管支拡張薬を含むため、活性材料の治療指数を増加させ、副作用を減少させる。特に、適切な生物活性材料はサルブタモール、ベクロメタゾン ジプロピオネ−ト、イプラトロピウムブロマイドなどを含む。
【0036】
本発明の医薬品はあらゆる適切な方法によって製造することができる。例えば、網状燐酸カルシウムまたは炭酸カルシウムの骨格の構成で知られている一般的な方法が「Science、第264巻、6月10日、1994」および「Adv Mater 1999, 11(4) 324-328」に記載されており、本発明により現在提供される医薬品の製造での使用に、同様に適用できるであろう。
【0037】
したがって、本発明の更なる観点によれば、
(i)第一の相、
(ii)この第一の相と実質上混和しない第二の相、および
(iii)少なくとも1つの界面活性剤
を含み、当該第一の相が、実質的に相互に連結したエマルジョンチャンネルを規定し、少なくとも1つの治療剤、および任意に、実質的に前記のような少なくとも1つの生理的に許容される支持材料を含む溶液を含むエマルジョンを形成し;
その少なくとも1つの治療剤の少なくとも結晶、および任意に当該少なくとも1つの生理的に許容される支持材料の結晶を当該エマルジョンチャンネル内で形成させ、それによって多数の結晶が互いに少なくとも部分的に接触するように形成され、実質的に前記のように、少なくとも1つの三次元網状微細構造の壁を形成することができるようにし;
そのエマルジョンから当該結晶を回収する
工程を含む、実質的に前記のような本発明の医薬品の製造方法がさらに提供される。
【0038】
好ましくは、本発明の方法は、一般に、少なくとも1つの治療剤の実質的に飽和した溶液と、任意に、実質的に前記のような少なくとも1つの生理的に受容される支持材料を調製することにより、第一の相を調製することをさらに含む。好ましくは、第一の相は水相からなる。一般に、水相は少なくとも1つの治療剤の実質的に飽和した溶液を含み、治療剤は1つ以上の共溶剤により、または熱、化合物質などの他の物理的方法により適切に溶解される。
【0039】
好ましくは、第二の相は疎水性の相を含み、適切な疎水性油の相は鉱物油、1つ以上のアルカン油、および/または落花生油、ごま油などの1つ以上の有機油を含むことができる。したがって、本発明の方法は、一般に、前記のような適切な油を混合することにより第二の相を調製することをさらに含むのが好ましい。
【0040】
一般に、界面活性剤は、第二の相を第一の相へ加える前に、第二の相に添加される。好ましくは、界面活性剤はジドデシルジメチルアンモニウムブロマイドなどのツウィン(twin)鎖型である。
【0041】
適切に、本発明によって調製されるエマルジョンは、任意に攪拌および/または加熱を一緒に行いながら、第一の相を第二の相へ連続的に添加することによって形成される。
【0042】
実質的に前記のように三次元網状微細構造の壁を画定することができるように、少なくとも1つの治療剤の少なくとも結晶、および任意に、実質的に前記のような少なくとも1つの生理的に許容される支持材料を形成できる経路をエマルジョンチャンネルに画定させるに、本発明によって調製されるエマルジョンそれ自体の性質は十分なものであり得る。あるいはまた、エマルジョンは、エマルジョンチャンネルを十分に固定して結晶化を促進し、実質的に前記のように、三次元網状微細構造の壁を形成するために、-25℃〜+4℃のような低い温度で保持することができる。
【0043】
治療剤の結晶および任意に少なくとも1つの生理的に許容される支持材料の結晶(後者が存在する場合)の回収は、実質的に前記のように後者が低温度で保持されている場合、エマルジョンの任意な実質上の解凍に続いて、遠心分離により行われる。回収された結晶はあらゆる残留界面活性剤を除去するために洗浄されてもよく、任意に少なくとも1つの生理的に許容される支持材料を使用する場合、支持材料の結晶を除去して、壁が本質的にまたは主に、事実上前記のような少なくとも1つの治療剤の結晶を含む少なくとも1つの網状微細構造を生じることができる。
【0044】
本発明の医薬品を製造する他の方法は、凍結乾燥もしくは他の純化方法、噴霧乾燥、ポリスチレンなどの1つ以上の骨格材料からの製造(1つ以上の骨格の除去に続く)もしくは溶解/蒸発による製造または他のあらゆる適切な方法を含む。
【0045】
本発明のまたさらなる観点によれば、治療で使用される、実質的に前記のような医薬品が提供される。またさらに、本発明により、薬剤の製造に用いられる、実質的に前記のような医薬品が提供される。特に、本発明の医薬品が実質的に前記のようにパラセタモールを含む場合には、痛みの治療用の薬剤の製造に使用される、実質的に前記のような医薬品が提供される。ここで使用される「治療」という用語は確立された状態の治療ならびに予防を含む。
【0046】
本発明の医薬品が実質的に純粋な化学物質として投与できる一方で、そのような製品は医薬製剤に含まれるのが好ましい。したがって、本発明により、少なくとも1つの許容されるキャリア、希釈剤、あるいは賦形剤、および任意に他の治療的に許容される成分と共に実質的に前記の製品を含む医薬製剤が、またさらに提供される。キャリアは、製剤の他の成分と適合性であり、その受容体に有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0047】
もっとも適切な投与経路は通常、患者の状態や治療される病気次第であるが、本発明の製剤は、特に、経口投与に適している。事実、本発明によって提供される製剤はまた、鼻、肺または皮膚投与用のどれであろうと、エーロゾルとして特に適切であり得る。採用される投与量は患者の年齢および性別、治療される個々の疾患、ならびに実質的に前記のような投与経路を含む多数の因子によるが、患者に投与される本発明の医薬品の正確な量は、担当医の責務である。
【0048】
最後に、本発明により、治療的に有効な量の本発明の医薬品を患者に投与することを含む病気の治療方法が提供される。
【0049】
本発明は、以下の実施例によりさらに示されるが、本発明の範囲はこれにより決して限定されるものではない。
【0050】
実例例1
パラセタモールは以下の乳化技術に従って本発明では網状で提供された。
【0051】
エマルジョンの水相は、パラセタモールの熱過飽和水溶液(>70℃)を提供するために、パラセタモールを熱蒸留水(>70℃)中で溶解することにより調製した。
【0052】
エマルジョンの油相は、90重量%のテトラデカンおよび10重量%のヘキサデカンからなる油を調製することによって得られた。
【0053】
DDAB15gおよび前記の油相9.4gを100cm3ガラスビーカーの中で合わせ、50から60℃で急速に攪拌した。急速な攪拌を続け、温度を50℃より上に保ちながら、パラセタモールの熱い過飽和溶液を含む前記の水相13cm3を3等分して添加した。この状態を視覚的に透明な混合物(マイクロエマルジョン)を形成するまで維持した。形成すると、透明な混和物を数分間放置して空泡を逃がした。
【0054】
50cm3ガラスビーカーを液体窒素で冷却し、透明な混和物をビーカーに移した。次いで、液体窒素を用いて混和物を急速に凍結し、4℃の冷蔵庫に3週間置いた。固体のマイクロエマルジョンを冷蔵庫から取り出し、透明な混和物を再び得るために温め、5分間4000rpmで遠心分離して、ゲル様ペレットを残した。ゲル様ペレットを真鍮/銅ホルダーに移し、次に熱い溶剤蒸気で洗浄して残留DDABを除去し、パラセタモールの結晶が走査電子顕微鏡を用いて見えるようにした。
Claims (32)
- 医薬品が少なくとも1つの治療剤を含んでおり、この医薬品により供給される治療剤の単位投与量が、その治療剤の患者の胃腸管の通過中に、患者に投与されることができ、この治療剤は15〜25℃の範囲の温度で測定したとき、1/30〜1/100 (重量/容量)よりも高くない水溶解性を有することを特徴とする医薬品。
- さらに治療剤用の支持材料を含む請求項1に記載の医薬品。
- 支持材料が乳糖、シリカ、炭酸カルシウムおよび燐酸カルシウムからなる群から選択される請求項2に記載の医薬品。
- 前記の支持体が網状である請求項2または請求項3に記載の医薬品。
- 互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられる実質的に相互に連結する壁のネットワークと、当該実質的に相互に連結する壁で画定された多数の細孔からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなり、結晶形の少なくとも1つの治療剤を含む医薬品。
- 前記の網状微細構造の壁が0.01〜40μmの範囲の厚さを有する請求項5に記載の医薬品。
- 前記の網状微細構造の細孔が0.01〜60μmの範囲の孔径を有する請求項5または6に記載の医薬品。
- 前記のように、実質的に互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、厚さが約0.5μmより薄い、実質的に相互に連結している壁のネットワークと、
当該壁により画定され、実質的にその全てが0.1〜1μmの範囲の孔径を有する多数の細孔
からなる請求項5〜7のいずれかに記載の医薬品。 - 実質的に全ての壁が0.01〜0.5μmの範囲の厚さを有する請求項8に記載の医薬品。
- 実質的に全ての壁が約0.1μmより薄い厚さを有する請求項9に記載の医薬品。
- 実質的に全ての細孔が一般に0.3〜0.6μmの範囲の孔径を有する請求項8〜10のいずれかに記載の医薬品。
- 実質的に全ての細孔が約0.5μmの孔径を有する請求項11に記載の医薬品。
- 医薬品が第一の網状三次元微細構造と、当該第一の網状微細構造の壁を画定している第二の網状三次元微細構造からなり、
当該第一の網状微細構造が:
第一の壁を当該第二の網状微細構造により与えられ、実質的に全ての当該第一の壁が10〜40μmの範囲の厚さを有する、実質的に相互に連結している当該第一の壁のネットワークと、
当該第一の壁により画定され、実質的にその全てが40〜60μmの範囲の大きさを有する多数の第一の細孔からなり、
当該第二の網状三次元微細構造が:
互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、実質的にその全てが0.5〜5μmの範囲の厚さを有する、実質的に相互に連結している第二の壁のネットワークと、
当該第二の壁によって画定され、実質的にその全てが0.1〜5μmの範囲の厚さを有する多数の第二の細孔
からなる請求項5に記載の医薬品。 - 実質的に全ての第一の壁が、20〜30μmの範囲の厚さを有する請求項13に記載の医薬品。
- 実質的に全ての第一の細孔が45〜55μmの範囲の孔径を有する請求項13または14に記載の医薬品。
- 実質的に全ての第二の壁が0.5〜1.5μmの範囲の厚さを有する請求項13〜15のいずれかに記載の医薬品。
- 実質的に全ての第二の細孔が0.5〜1μmの範囲の孔径を有する請求項13〜16のいずれかに記載の医薬品。
- 前記の網状微細構造の壁または微細構造を画定している多数の結晶が、本質的に治療剤の結晶からなる請求項5〜17のいずれかに記載の医薬品。
- 互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が本質的に前記治療剤の結晶からなる壁を画定している、実質的に相互に連結している壁のネットワークと、
実質的に相互に連結している当該壁によって画定されている多数の細孔
からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなる請求項18に記載の医薬品。 - 医薬品が、互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が治療剤用に生理的に許容される支持体の結晶を含む壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、
実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔
からなる少なくとも1つの網状三次元微細構造からなる、請求項5〜17のいずれかに記載の医薬品。 - 前記の網状微細構造が10〜40m2g-1の範囲の比表面積を有する請求項5〜20のいずれかに記載の医薬品。
- 前記の治療剤がグリセオフルビン、アセトアミノフェン、アスピリン、メフェナム酸、イブプロフェン、ケトプロフェン、トリアムテレン、ナプロキセン、テオフィリン、ニフェジピン、インドメタシン、フェニトイン、シクロスポリンからなる群から選択される請求項1〜21に記載の医薬品。
- アセトアミノフェンの多数の結晶からなる医薬品が:
互いに少なくとも部分的に接触して配列されている多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が本質的に該アセトアミノフェン結晶からなる壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、
実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔
からなる少なくとも一つの網状三次元微細構造からなる、請求項5〜21に従属する請求項22に記載の医薬品。 - 網状微細構造が:
互いに少なくとも部分的に接触して配列される多数の結晶により与えられ、当該多数の結晶が生理的に許容される支持材料の結晶を含む壁を画定している、実質的に相互に連結している当該壁のネットワークと、
実質的に相互に連結している当該壁により画定されている多数の細孔
からなる、治療剤の結晶用の生理的に許容される支持体としての、少なくとも一つの網状三次元微細構造の使用。 - (i)第一の相、
(ii)この第一の相と実質上混和しない第二の相、および
(iii)少なくとも1つの界面活性剤
を含み、当該第一の相が、実質的に相互に連結したエマルジョンチャンネルを規定し、少なくとも1つの治療剤を含む溶液を含むエマルジョンを形成し;
その少なくとも1つの治療剤の少なくとも結晶を当該エマルジョンチャンネル内で形成させ、それによって多数の結晶が互いに少なくとも部分的に接触するように形成され、少なくとも1つの三次元網状微細構造の壁を形成することができるようにし;
そのエマルジョンから当該結晶を回収する
工程からなる、請求項5〜23のいずれかに定義されている医薬品の製造方法。 - 前記の少なくとも1つの治療剤を含む前記溶液が、更に、少なくとも1つの生理的に許容される支持材料を含んでなる請求項25に記載の方法。
- 第一の相が水相を含む請求項25または26に記載の方法。
- 第二の相が疎水相を含む請求項25〜27に記載の方法。
- 第二の相を第一の相に加える前に、界面活性剤を第二の相に添加する請求25〜28のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜23のいずれかに記載の医薬品を、医薬的に許容される担持体、希釈剤、または賦形剤とともに含む医薬製剤。
- 治療に用いられる請求項1〜23のいずれかに記載の医薬品。
- 治療的に有効量の請求項1〜23のいずれかに記載の医薬品の患者への投与からなる病気の治療方法。
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