JP2004526733A - 強力な細胞接着阻害剤としての置換n−アリールスルホニル−プロリン誘導体 - Google Patents

強力な細胞接着阻害剤としての置換n−アリールスルホニル−プロリン誘導体 Download PDF

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Abstract

式(I)の化合物はVLA−4および/またはα4/β7の拮抗薬であることから、細胞接着および細胞接着が介在する病気の阻害または予防において有用である。これらの化合物は医薬組成物に製剤することができ、AIDS関連痴呆、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、アルツハイマー病、喘息、アテローム性動脈硬化、自己骨髄移植、ある種の中毒性神経炎および免疫に基づく神経炎、接触皮膚過敏症、潰瘍性大腸炎およびクローン病などの炎症性腸疾患、炎症性肺疾患、ウィルス感染の炎症性続発症、髄膜炎、多発性硬化症、多発性骨髄腫、心筋炎、臓器移植、乾癬、肺線維症、再狭窄、網膜炎、慢性関節リウマチ、敗血症性関節炎、卒中、腫瘍転移、ブドウ膜炎およびI型糖尿病の治療での使用に好適である。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明の化合物は、VLA−4インテグリン(「最晩期抗原−4」;CD49d/CD29;またはαβ)、αβインテグリン(LPAM−1およびαβ)および/またはらαβインテグリンの拮抗薬であり、VLA−4結合、αβ結合および/またはαβ結合ならびに細胞の接着および活性化が介在する疾患の治療、予防および抑制において有用である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、白血球接着および白血球接着介在の疾病の阻害および防止に有用な強力な置換N−アリールスルホニル化プロリン誘導体に関するものである。本発明はさらに、そのような化合物を含む組成物およびそのような化合物を用いる治療方法に関するものでもある。
【0003】
多くの生理プロセスにおいて、細胞が他の細胞および/または細胞外基質と近接することが必要である。そのような接着事象は、細胞の活性化、移動、増殖および分化に必要であると考えられる。細胞−細胞および細胞−基質の相互作用には、セレクチン類、インテグリン類、カドヘリン類(cadherins)および免疫グロブリン類などの細胞接着分子(CAM)のいくつかのファミリーが介在している。CAM類は、正常なプロセスおよび病態生理学的プロセスの両方で非常に重要な役割を果たす。従って、正常な細胞機能を障害することなく、ある種の疾患状態において、特定の関連するCAM類を標的とすることが、細胞−細胞相互作用および細胞−基質相互作用を阻害する有効かつ安全な治療薬には必須である。
【0004】
インテグリンスーパーファミリーは、ほとんど全ての哺乳動物細胞種において各種組み合わせで認められるaおよびbヘテロダイマーの膜貫通性受容体分子からなる構造的および機能的に関連する糖蛋白から構成されている。VLA−4インテグリン(「最晩期抗原−4;CD49d/CD29;またはαβ)は、樹状細胞および大食細胞様細胞など、血小板および成熟好中球を除く全ての白血球上で発現されるインテグリンであり、それら細胞種の細胞−細胞相互作用および細胞−基質相互作用の主要介在物質である。VLA−4のリガンドには、血管細胞接着分子−1(VCAM−1)およびフィブロネクチン(FN)のCS−1領域などがある。VCAM−1はIgスーパーファミリーに属し、in vivoで炎症部位の内皮細胞上で発現される。VCAM−1は、催炎サイトカイン類に対する応答で、血管内皮細胞によって産生される。CS−1領域は、フィブロネクチンの領域内での選択的スプライシングによって生じる25アミノ酸配列である。炎症状態におけるVLA/CS−1相互作用の役割が提唱されている(M.J.Elices,″The integrin α4β1(VLA-4) as a therapeutic target″ inCell Adhesion and Human Disease, Ciba Found.Symp., John Wiley & Sons, NY, 1995, p.79参照)。
【0005】
αβ(LPAM−1およびαβとも称される)は、白血球上で発現されるインテグリンであり、消化管で移動・帰巣する白血球の主要介在物質である。αβのリガンドには、粘膜場所指定(addressing)細胞接着分子−1(MadCAM−1)およびαβの活性化においてはVCAM−1およびフィブロネクチン(Fn)などがある。MadCAM−1はIgスーパーファミリーに属し、in vivoで小腸および大腸の腸関連の粘膜組織(「パイエル板」)ならびに哺乳期乳腺の内皮細胞上で発現される。MadCAM−1は、催炎刺激によってin vitroで誘発することができる。MadCAM−1は、リンパ球溢出の部位で選択的に発現され、インテグリンαβに特異的に結合する。
【0006】
αβインテグリンは、気道平滑筋細胞、非腸上皮細胞および好中球で、さらには相対的に少ないが、肝細胞および基底角質細胞で認められる。特に好中球は、急性炎症応答に密接に関与している。好中球の関与および/または活性化の低減は、炎症を減らす効果があると考えられる。そこで、αβのそれの個々のリガンドへの結合の阻害が、急性炎症状態の治療において良い効果を有することが期待されると考えられる。
【0007】
i)ニューロン性脱髄様多発性硬化症のモデルである実験的アレルギー性脳脊髄炎;ii)各種段階の喘息のモデルとしてのヒツジおよびモルモットでの気管支反応高進;iii)炎症性関節炎のモデルとしてのラットにおけるアジュバント誘発関節炎;iv)NODマウスにおける養子自己免疫性糖尿病;v)臓器移植のモデルとしてのマウスでの心臓同種移植生存率;vi)炎症性大腸疾患の1形態であるヒト潰瘍性大腸炎に似たワタボウシタマリン類での特発性慢性大腸炎;vii)皮膚アレルギー反応モデルとしての接触過敏モデル類;viii)急性神経毒性腎炎;ix)腫瘍転移;x)実験的自己免疫性甲状腺炎;xi)ラットにおける動脈閉塞後の虚血性組織損傷;およびxii)アレルギー応答を弱めると考えられるVLA−4抗体によるIL−4およびIL−5などのTH2T細胞サイトカイン産生の阻害(J. Clinical Investigation100, 3083 (1997))など、いくつかの動物疾患モデルにおいて、抗α抗体の中和あるいはVLA−4および/またはαβとそれらのリガンドとの間の相互作用を阻害するペプチドの遮断が、予防上および治療上の両方で有効であることが明らかになっている。そのような抗体の主要作用機序は、細胞外基質の成分に関連するCAMとリンパ球および単核球との相互作用の阻害による、血管外の創傷もしくは炎症部位への白血球移動の抑制および/または白血球の初回抗原刺激および/または活性化の抑制であるように思われる。これら疾患の動物モデルを用いて、小分子VLA−A拮抗薬の効力を示すこともできる。
【0008】
慢性関節リウマチ;各種のメラノーマ、癌腫および肉腫(多発性骨髄腫など);炎症性肺障害;急性呼吸不全症候群(ARDS);肺線維症;アテローム斑形成;再狭窄;ブドウ膜炎;および循環ショックなどの他の疾患において、VLA−4相互作用が何らかの役割を果たしている可能性を支持する別の証拠が得られている(例えば、A.A.Postigo et al., ″The α4β1/VCAM-1 adhesion pathway in physiology and disease.″,Res.Immunol.,144, 723 (1994)およびJ.-X.Gao and A.C.Issekutz, ″Expression of VCAM-1 and VLA-4 dependent T-lymphocyte adhesion to dermal fibroblasts stimulated with proinflammatory cytokines.″,Immunol.89, 375 (1996)参照)。
【0009】
現在、多発性硬化症およびクローン病治療のための臨床的開発において、VLA−4に対する人化モノクローナル抗体(Antegren(登録商標)Athena Neurosciences/Elan)ならびに炎症性腸疾患治療のための臨床的開発において、αβに対するヒト化モノクローナル抗体(ACT-1(登録商標)/LDP-02 LeukoSite)がある。喘息および関節炎の治療に関する早期臨床試験においても、いくつかのVLA−4拮抗薬がある。現在もなお、ヒト医薬としての使用に好適な薬物動態特性および薬力学特性を有するVLA−4依存性、αβ依存性および/またはαβ依存性の細胞接着に対する強力な低分子量阻害薬が必要とされている。
【0010】
PCT特許出願WO98/53818には、VCAM−1とVLA−4を発現する細胞との間の結合の阻害薬として活性を有し、下記式を有する化合物が開示されている。
【0011】
【化1】
【0012】
PCT特許出願WO98/53814には、VCAM−1とVLA−4を発現する細胞との間の結合の阻害薬として活性を有し、下記式を有する化合物が開示されている。
【0013】
【化2】
【0014】
PCT特許出願WO98/53814には、VCAM−1とVLA−4を発現する細胞との間の結合の阻害薬として活性を有し、下記式を有する化合物が開示されている。
【0015】
【化3】
【0016】
PCT特許出願WO99/06390、WO99/06431、WO99/06432、WO99/06433、WO99/06434、WO99/06435、WO99/06436およびWO99/06437には、VCAM−1とVLA−4を発現する細胞との間の結合の阻害薬として活性を有し、下記式を有する化合物が開示されている。
【0017】
【化4】
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、下記式Iの化合物またはその化合物の製薬上許容される塩を提供する。
【0019】
【化5】
式中、
Aは
1)N、
2)N−O
であり;
XおよびYは独立に、
1)ハロゲン、
2)C1−3アルキル、
3)C1−3アルコキシ
から選択され;
は、
1)水素、
2)C1−10アルキル、
3)アリール−C1−10アルキル
であり;
は、
1)水素または
2)C1−10アルキル
であり;
3aおよびR3bの一方は、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、−CO、アリールおよびヘテロアリールから選択され;他方は
1)水素、
2)C1−10アルキル、
3)C2−10アルケニル、
4)C2−10アルキニル、
5)C3−10シクロアルキル、
6)−OR
7)−CO
8)−C(O)NR
9)−NR
10)−NRS(O)
11)−NRC(O)R
12)−NRC(O)OR
13)−NRC(O)NR
14)アリールおよび
15)ヘテロアリール
から選択され、
その場合にアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、Rから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;アリールおよびヘテロアリールは、Rから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;
4aおよびR4bの一方が水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、CO、アリールおよびヘテロアリールであり、他方が
1)水素、
2)C1−10アルキル、
3)C2−10アルケニル、
4)C2−10アルキニル、
5)C3−10シクロアルキル、
6)−OR
7)−CO
8)−C(O)NR
9)−NR
10)−NRS(O)
11)−NRC(O)R
12)−NRC(O)OR
13)−NRC(O)NR
14)−CN、
15)アリールおよび
16)ヘテロアリール
から選択され、
その場合にアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、Rから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;、アリールおよびヘテロアリールは、Rから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;あるいは
4aとR4bが一体となってオキソであり;
は、
1)水素;
2)OH;
3)OCH;または
4)NH
であり;
は、
1)−OR
2)−NRS(O)
3)−NO
4)ハロゲン、
5)−S(O)
6)−SR
7)−S(O)OR
8)−S(O)NR
9)−NR
10)−O(CRNR
11)−C(O)R
12)−CO
13)−CO(CRCONR
14)−OC(O)R
15)−CN、
16)−C(O)NR
17)−NRC(O)R
18)−OC(O)NR
19)−NRC(O)OR
20)−NRC(O)NR
21)−CR(N−OR)、
22)CF
23)−OCF
24)C3−8シクロアルキルまたは
25)複素環
であり、
その場合に、シクロアルキルおよび複素環は、Rから独立に選択される1〜4個の基によって置換されていても良く;
は、
1)Rから選択される基、
2)C1−10アルキル、
3)C2−10アルケニル、
4)C2−10アルキニル、
5)Ar
6)C1−10アルキル−Ar
であり、
その場合にアルキル、アルケニル、アルキニルおよびArは、Rから独立に選択される基から選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;
は、
1)ハロゲン、
2)アミノ、
3)カルボキシ、
4)C1−4アルキル、
5)C1−4アルコキシ、
6)アリール、
7)アリールC1−4アルキル、
8)ヒドロキシ、
9)CF
10)OC(O)C1−4アルキル、
11)OC(O)NRまたは
12)アリールオキシ
であり;
およびRは独立に、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、CyおよびCyC1−10アルキルから選択され、その場合にアルキル、アルケニル、アルキニルおよびCyはRから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;あるいは
およびRは、それらが結合している原子と一体となって、酸素、硫黄およびN−Rから独立に選択される0〜2個の別のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環を形成しており;
およびRは独立に、水素、C1−10アルキル、CyおよびCyC1−10アルキルから選択され;あるいは
およびRは、それらが結合している炭素と一体となって、酸素、硫黄および窒素から独立に選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の複素環を形成しており;
は、Rおよび−C(O)Rから選択され;
Cyは、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択され;
Arは、それぞれRから独立に選択される1個もしくは2個の基によって置換されていても良いフェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルから選択され;
Arは、1,4−フェニレンまたは2,5−ピリジレンであり;
mは1または2であり;
nは0、1または2である。
【0020】
式Iの1実施形態ではArは、C1−3アルキルによって置換されていても良いピリ
ジル、またはハロゲン、C1−3アルキル、フェニル、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される1〜2個の基によって置換されていても良いフェニルである。この実施形態の1小群ではArは、4位もしくは5位に第2の置換基を有していても良い3−置換フェニルであり、その置換基は独立に、塩素、フッ素、臭素、メチル、フェニル、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選択される。別の小群ではArは、3−クロロフェニルまたは3,5−ジクロロフェニルである。Arの例には、フェニル、3−ブロモフェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、3−ビフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,5−ジメチル−フェニル、5−メチル−3−ピリジルなどがある。
【0021】
式Iの別の実施形態ではArは、1,4−フェニレンである。Arの例には、以下に示した1,4−フェニレンおよび2,5−ピリジレンなどがある。
【0022】
【化6】
式Iの別の実施形態では、XおよびYの一方がハロゲンであり、他方がハロゲン、C1−3アルキルおよびC1−3アルコキシから選択される。この実施形態の1小群では、XおよびYの一方が塩素であり、他方が塩素またはメトキシである。別の小群では、XおよびYはそれぞれ塩素である。
【0023】
式Iの別の実施形態では、R3aおよびR3bはそれぞれ水素であり、R4aおよびR4bの一方は水素またはC1−10アルキルであり、他方は水素、C3−10シクロアルキル、ピリジル、NR、OR、CN、COおよびCOHによって置換されていても良いフェニルから選択される。この実施形態の1小群では、R4aおよびR4bの一方が水素であり、他方が水素、フェニル、C3−6シクロアルキル、ピリジル、CN、ORおよびCOから選択される。別の小群では、R4aおよびR4bの一方が水素であり、他方がNRである。R4a/4bの例には、水素、メチル、フェニル、シクロヘキシル、アミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、シクロプロピルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、t−ブチルオキシ、4−カルボキシフェニル、t−ブトキシカルボニルおよび4−ピリジルなどがある。
【0024】
式Iの別の実施形態では、R4aおよびR4bはそれぞれ水素であり、R3aおよびR3bの一方が水素、C1−10アルキル、フェニルおよびC2−10アルケニルから選択され、他方が水素、OHによって置換されていても良いC1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、OHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、CO、OR、NRおよびNRC(O)から選択される。1小群においては、R3aおよびR3bの一方が水素であり、他方が水素、OHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、OHによって置換されていても良いC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、COR、OR、NRおよびNRC(O)Rから選択される。別の小群では、R3aおよびR3bの一方がC1−6アルキルであり、他方がC1−6アルキルおよびORから選択される。別の小群では、R3aおよびR3bはそれぞれC1−6アルキルまたはC2−6アルケニルである。R3a/3bの例には、水素、メチル、フェニル、ヒドロキシ、シクロヘキシル、カルボキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、4−ヒドロキシフェニル、4−カルボキシフェニル、ジメチルアミノ、アリルおよびアリルオキシカルボニルアミノなどがある。
【0025】
式Iの1実施形態は、下記式Iaの化合物またはその化合物の製薬上許容される塩を提供する。
【0026】
【化7】
式中、
Aは、NまたはNであり;
は、Hまたはメチルであり;
3aおよびR3bの一方はH、C1−6アルキル、C2−6アルケニルおよびフェニルから選択され、他方はH、OHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、OHによって置換されていても良いC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、CO、OR、NRおよびNRC(O)から選択され;
4aおよびR4bの一方は、HおよびC1−6アルキルから選択され、他方はH、フェニル、C3−6シクロアルキル、ピリジル、CN、OR、NRおよびCOから選択され;あるいは
4aとR4bが一体となってオキソである。
【0027】
式Iaの1小群では、R3aおよびR3bはそれぞれ水素であり;R4aおよびR4bの一方は水素であり、他方はフェニル、C3−6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−5アルコキシ、COH、ピリジル、シアノおよびNRから選択される。1実施形態では、R4aまたはR4bがフェニルである。別の実施形態では、R4aまたはR4bがNRであり;RおよびRは独立に、水素およびC1−10アルキルから選択される。別の実施形態では、R4aまたはR4bがNRであり;RとRはそれらが結合している原子と一体となって、0の別のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環を形成している。
【0028】
式Iaの別の小群では、R4aおよびR4bはそれぞれ水素であり;R3aおよびR3bの一方が水素であり、他方がOHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、OHによって置換されていても良いC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、CO、OR、NRおよびNRC(O)から選択される。
【0029】
式Iaの別の小群では、R3aおよびR3bの一方が水素であり、他方がOHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、OHによって置換されていても良いC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、CO、OR、NRおよびNRC(O)から選択され;R4aおよびR4bの一方が水素であり、他方がフェニル、C3−6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−5アルコキシ、COH、ピリジル、シアノおよびNRから選択される。
【0030】
式Iの代表的化合物は以下の通りである。
【0031】
【表1】
値がない場合は、変数は水素である。
【0032】
【化8】
【0033】
別の態様において本発明は、哺乳動物における細胞接着が介在する疾患、障害、状態または症状の予防または治療方法であって、前記哺乳動物に対して有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法を提供する。
【0034】
1実施形態において前記疾患または障害は、喘息、アレルギー性鼻炎、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチおよび臓器移植から選択される。
【0035】
別の態様において本発明は、哺乳動物におけるVLA−4の作用を防止する方法であって、前記哺乳動物に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法を提供する。
【0036】
本発明の別の態様は、式Iの化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0037】
「アルキル」ならびにアルコキシ、アルカノイルなどの接頭語「アルク」を有する他の基は、直鎖もしくは分岐あるいはそれらの組み合わせであっても良い炭素鎖を意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどがある。
【0038】
「アルケニル」とは、直鎖もしくは分岐あるいはそれらの組み合わせであっても良い、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素鎖を意味する。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどがある。
【0039】
「アルキニル」とは、直鎖もしくは分岐あるいはそれらの組み合わせであっても良い、1個以上の炭素−炭素三重結合を有する炭素鎖を意味する。アルキニルの例としては、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−へプチニルなどがある。
【0040】
「シクロアルキル」とは、それぞれ3〜10個の炭素原子を有する単環式または二環式の飽和炭素環を意味する。その用語には、結合点が非芳香族部分にある、アリール基に融合した単環式環も含まれる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニルなどがある。
【0041】
「アリール」とは、炭素原子のみを有する単環式または二環式の芳香環を意味する。その用語には、結合点が芳香族部分にある、単環式シクロアルキル基または単環式複素環基に融合したアリール基も含まれる。アリールの例としては、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、1,4−ベンゾジオキサニルなどがある。
【0042】
「ヘテロアリール」とは、各環が5〜6個の原子を有する、N、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子を有する単環式または二環式の芳香環を意味する。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリルなどがある。
【0043】
「複素環」とは、N、SおよびOから選択される1個以上のヘテロ原子を有する単環式または二環式の飽和環であって、各環が3〜10個の原子を有し、結合点が炭素または窒素であることができるものを意味する。その用語には、結合点が非芳香族部分にある、アリール基またはヘテロアリール基に融合した単環式複素環も含まれる。「複素環」の例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリルなどがある。その用語には、窒素を介して結合した2−もしくは4−ピリドン類あるいはN−置換−(1H,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン類(N−置換ウラシル類)などの非芳香族の部分不飽和単環式環も含まれる。
【0044】
「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などがある。
【0045】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iの化合物には、1個以上の不斉中心があることから、それらの化合物は、ラセミ体およびラセミ混合物、単独のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして得られる場合がある。本発明は、式Iの化合物のそのような異性体全てを包含するものとする。
【0046】
本明細書に記載の化合物の中には、オレフィン系二重結合を有するものがあり、別段の指定がない限り、それらはEおよびZの両方の幾何異性体を含むものとする。
【0047】
本明細書に記載の化合物の中には、互変異性体と称される、水素が異なった位置で結合した化合物として存在するものもある。そのような例としては、ケト−エノール互変異性体として知られるケトンとそれのエノール型が挙げられる。個々の互変異性体およびそれらの混合物は、式Iの化合物に含まれる。
【0048】
式Iの化合物は、例えば、MeOHもしくは酢酸エチルまたはそれらの混合液などの好適な溶媒からの分別結晶によって、エナンチオマーのジアステレオマー対に分離することができる。そうして得られるエナンチオマー対は、例えば分割剤としての光学活性アミン使用またはキラルHPLCカラムなどの従来の手段によって、個々の立体異性体に分離することができる。
【0049】
別法として、一般式IまたはIaの化合物のエナンチオマーを、立体配置が既知である光学的に純粋な原料または試薬を用いる立体特異的合成によって得ることができる。
【0050】

「製薬上許容される塩」という用語は、無機もしくは有機の塩基および無機もしくは有機の酸などの、製薬上許容される無毒性の塩基もしくは酸から製造される塩を指す。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などがある。特に好ましいものとしては、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩である。製薬上許容される有機無毒性塩基から誘導される塩には、1級、2級および3級アミン、天然の置換アミン類を含む置換アミン類、環状アミン類および塩基性イオン交換樹脂類などがあり、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂類、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどがある。
【0051】
本発明の化合物が塩基性の場合、無機酸もしくは有機酸などの製薬上許容される無毒性酸から塩を製造することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などがある。特に好ましいものは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0052】
本明細書での使用において、式Iについて言及する場合には、製薬上許容される塩も含まれることは明らかであろう。
【0053】
用途
式Iの化合物は、VLA−4および/またはα4β7インテグリンの作用に拮抗する能力を有することから、VLA−4および/またはα4β7インテグリンがそれぞれの各種リガンドに結合することで誘発される症状、障害または疾患を予防または退行させる上で有用である。そのように、その拮抗薬は、細胞の活性化、移動、増殖および分化などの細胞接着プロセスを阻害する。従って、本発明の別の態様は、VLA−4および/またはα4β7の結合ならびに細胞の接着および活性化が介在する疾患または障害または症状の治療(予防、緩和、改善または抑制を含む)方法において、有効量の式Iの化合物を哺乳動物に投与する段階を有することを特徴とする方法を提供するものである。そのような疾患、障害、状態または症状には、(1)多発性硬化症、(2)喘息、(3)アレルギー性鼻炎、(4)アレルギー性結膜炎、(5)炎症性肺疾患、(6)慢性関節リウマチ、(7)敗血症性関節炎、(8)I型糖尿病、(9)臓器移植拒絶、(10)再狭窄、(11)自家骨髄移植、(12)ウィルス感染の炎症性続発症、(13)心筋炎、(14)潰瘍性大腸炎およびクローン病などの炎症性腸疾患、(15)ある種の中毒性神経炎および免疫に基づく神経炎、(16)接触皮膚過敏症、(17)乾癬、(18)腫瘍転移、(19)アテローム性動脈硬化症および(20)肝炎などがある。
【0054】
これら疾患または障害における本発明の化合物の用途は、文献で報告されている動物疾患モデルで示すことができる。以下は、そのような動物疾患モデルの例である。
【0055】
i)多発性硬化症に似たニューロン性脱髄のモデルである実験アレルギー性脳脊髄炎(例えば、T. Yednock et al., ″Prevention of experimental autoimmune encephalomyelitis by antibodies against α4β1integrin.″Nature, 356,63(1993)およびE. Keszthelyi et al., ″Evidence for a prolonged role ofα4integrin throughout active experimental allergic encephalomyelitis.″Neurology,47, 1053 (1996)参照)。
【0056】
ii)喘息の各種相のモデルとしての、ヒツジおよびモルモットにおける気管支反応亢進(例えば、W. M. Abraham et al.,″α4-Integrins mediate antigen-induced late bronchial responses and prolonged airway hyperresponsiveness in sheep.″J. Clin. Invest.93, 776 (1993)およびA. A. Y. Milne and P. P. Piper, ″Role of VLA-4 integrin in leucocyte recruitment and bronchial hyperresponsiveness in the gunea-pig.″Eur. J. Pharmacol.,282, 243 (1995)参照)。
【0057】
iii)炎症性関節炎モデルとしてのラットにおけるアジュバント誘発関節炎(C. Barbadillo et al., ″Anti-VLA-4 mAb prevents adjuvant arthritis in Lewis rats.″Arthr. Rheuma. (Suppl.),36, 95 (1993)およびD. Seiffge, ″Protective effects of monoclonal antibody to VLA-4 on leukocyte adhesion and course of disease in adjuvant arthritis in rats.″J. Rheumatol.,23, 12 (1996)参照)。
【0058】
iv)NODマウスにおける養子自己免疫糖尿病(J. L. Baron et al., ″The pathogenesis of adoptive murine autoimmune diabetes requires an interaction between α4-integrins and vascular cell adhesion molecule-1.″,J. Clin. Invest.,93, 1700 (1994), A. Jakubowski et al., ″Vascular cell adhesion molecule-Ig fusion protein selectively targets activated α4-integrin receptors in vivo: Inhibition of autoimmune diabetes in an adoptive transfer model in nonobese diabetic mice.″J. Immunol.,155, 938 (1995)およびX. D. Yang et al., ″Involvement of beta 7 integrin and mucosal addressin cell adhesion molecule-1 (MadCAM-1) in the development of diabetes in nonobese diabetic mice″,Diabetes,46, 1542 (1997)参照)。
【0059】
v)臓器移植のモデルとしてのマウスにおける心臓異型移植生存率(M. Isobe et al., ″Effect of anti-VCAM-1 and anti-VLA-4 monoclonal antibodies on cardiac allograft survival and response to soluble antigens in mice.″,Tranplant. Proc.,26, 867 (1994) and S. Molossi et al., ″Blockade of very late antigen-4 integrin binding to fibronectin with connecting segment-1 peptide reduces accelerated coronary arteripathy in rabbit cardiac allografts.″J. Clin Invest.,95, 2601 (1995)参照)。
【0060】
vi)炎症性腸疾患の一つの形態であるヒト潰瘍性大腸炎に似たワタボウシタマリンでの自発慢性大腸炎(D. K. Podolsky et al., ″Attenuation of colitis in the Cotton-top tamarin by anti-α4integrin monoclonal antibody.″,J. Clin. Invest.,92, 372 (1993)参照)。
【0061】
vii)皮膚アレルギー反応のモデルとしての接触過敏モデル(T. A. Ferguson and T. S. Kupper, ″Antigen-independent processes in antigen-specific immunity.″,J. Immunol.,150, 1172 (1993)およびP. L. Chisholm et al., ″Monoclonal antibodies to the integrin a-4 subunit inhibit the murine contact hypersensitivity response.″Eur. J. Immunol.,23, 682 (1993)参照)。
【0062】
viii)急性腎毒性腎炎(M. S. Mulligan et al., ″Requirements for leukocyte adhesion molecules in nephrotoxic nephritis.″,J. Clin. Invest.,91, 577 (1993)参照)。
【0063】
ix)腫瘍転移(例えば、M. Edward, ″Integrins and other adhesion molecules involved in melanocytic tumor progression.″,Curr. Opin. Oncol.,7, 185 (1995)参照)。
【0064】
x)実験自己免疫甲状腺炎(R. W. McMurray et al., ″The role of α4 integrin and intercellular adhesion molecule-1 (ICAM-1) in murine experimental autoimmune thyroiditis.″Autoimmunity,23, 9 (1996)参照)。
【0065】
xi)ラットでの動脈閉塞後の虚血性組織損傷(F. Squadrito et al., ″Leukocyte integrin very late antigen-4/vascular cell adhesion molecule-1 adhesion pathway in splanchnic artery occlusion shock.″Eur. J. Pharmacol.,318, 153 (1996)参照)。
【0066】
xii)アレルギー応答を弱めると考えられるVLA−4抗体によるIL−4およびIL−5などのTH2 T細胞サイトカイン産生の阻害(J. Clinical Investigation100, 3083 (1997))。
【0067】
用量範囲
式Iの化合物の予防用量または治療用量の大きさは、当然のことながら、治療対象の状態の重度の性質ならびに特定の式Iの化合物およびそれの投与経路によって変わる。それはさらに、個々の患者の年齢、体重および応答によっても変わる。概して、1日用量範囲は、哺乳動物の体重1kg当たり約0.001mg〜約100mg、好ましくは0.01mg〜約50mg/kg、最も好ましくは0.1〜10mg/kgであって、単回投与または分割投与する。他方、上記の範囲外の用量を用いる必要がある場合もある。
【0068】
静脈投与用組成物を用いる場合、好適な用量範囲は、式Iの化合物約0.001mg〜約25mg(好ましくは0.01mg〜約1mg)/kg/日であり、細胞保護用には、式Iの化合物約0.1mg〜約100mg(好ましくは約1mg〜約100mg、より好ましくは約1mg〜約10mg)/kg/日である。
【0069】
経口組成物を用いる場合、好適な用量範囲は例えば、式Iの化合物約0.01mg〜約100mg/kg/日、好ましくは0.1mg〜約10mg/kgであり、細胞保護用には、式Iの化合物約0.1mg〜約100mg(好ましくは約1mg〜約100mg、より好ましくは約10mg〜約100mg)/kg/日である。
【0070】
眼球疾患の治療の場合、許容される眼科用剤型で式Iの化合物の0.001〜1重量%溶液もしくは懸濁液を含む点眼用眼科製剤を用いることができる。
【0071】
医薬組成物
本発明の別の態様は、式Iの化合物および製薬上許容される担体を含有する医薬組成物を提供するものである。医薬組成物などでの「組成物」という用語は、有効成分および担体を構成する不活性成分(製薬上許容される賦形剤)を含有する製品、ならびにいずれか2種類以上の成分の組み合わせ、複合体化または凝集、あるいは1以上の成分の解離、あるいは1以上の成分の他の種類の反応もしくは相互作用によって、直接もしくは間接的に生じる製品を包含するものとする。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物、別の有効成分および製薬上許容される賦形剤を混合することで得られる組成物を包含するものである。
【0072】
哺乳動物、特にヒトに対して、有効な用量の本発明の化合物を与えるのに、好適な投与経路を用いることができる。例えば、経口、経直腸、局所、非経口、眼球、肺、経鼻などの投与経路を用いることができる。製剤には、錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、液剤、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾルなどがある。
【0073】
本発明の医薬組成物は、有効成分としての式Iの化合物または該化合物の製薬上許容される塩を含有するものであり、製薬上許容される担体および適宜に他の治療成分を含有することもできる。「製薬上許容される塩」という用語は、無機の塩基もしくは酸および有機の塩基もしくは酸などの製薬上許容される無毒性の塩基もしくは酸から製造される塩を指す。
【0074】
上記組成物には、経口投与、経直腸投与、局所投与、非経口投与(皮下投与、筋肉投与および静脈投与など)、眼球投与(点眼)、肺投与(エアロゾル吸入)または経鼻投与に好適な組成物などがある。ただし、特定の場合に最も好適な経路は、治療対象の状態の性質および重度ならびに有効成分の性質によって決まる。それら組成物は簡便には、単位製剤で提供され、製薬業界で公知の方法によって製造することができる。
【0075】
吸入投与の場合、本発明の化合物は簡便には、加圧パックまたは噴霧器から出るエアロゾル噴霧剤の形で投与する。該化合物は、製剤可能な粉剤として投与することができ、該粉末組成物は、通気粉剤吸入装置を用いる吸入させることができる。吸入に好ましい投与システムは、フルオロカーボン類または炭化水素類などの好適な推進剤中での式Iの化合物の懸濁液もしくは溶液として製剤することができる用量計量吸入(MDI)エアロゾル、ならびに別の賦形剤を加えたまたは加えない、式Iの化合物の乾燥粉剤として製剤することができる乾燥粉剤吸入(DPI)エアロゾルである。
【0076】
式Iの化合物の好適な局所製剤には、経皮装置、エアロゾル、クリーム類、軟膏、ローション、散布剤などがある。
【0077】
実際の使用では、式Iの化合物を、従来の医薬品配合法に従って、医薬用担体と十分に混和された有効成分として組み合わせることができる。担体は、例えば経口投与または非経口投与(静脈投与など)などの投与に望ましい剤型に応じて、各種形態のものとすることができる。経口製剤用の組成物を調製する場合、例えば懸濁液、エリキシル剤および液剤などの液体経口製剤の場合には、例えば水、グリコール類、オイル類、アルコール類、芳香剤、保存剤、着色剤などの通常の医薬用媒体を、あるいは例えば粉剤、カプセルおよび錠剤などの固体経口製剤の場合には、スターチ類、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体を用いることができる。そして、液体製剤より固体製剤の方が好ましい。投与しやすさから、錠剤およびカプセルが最も有利な経口単位製剤であり、その場合は、固体医薬用担体を用いることは明らかである。所望に応じて、錠剤を、標準的な水系もしくは非水系の方法でコーティングすることができる。
【0078】
上記のような一般的な製剤以外に、米国特許3845770号、3916899号、3536809号、3598123号、3630200号および4008719号に記載のような徐放手段および/または投与装置によって、式Iの化合物を投与することもできる。
【0079】
経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、それぞれが所定量の有効成分を含有するカプセル、カシェ剤または錠剤などの別個の単位として;粉剤もしくは粒剤として;あるいは水系液体、非水系液体中の液剤もしくは懸濁液、水中油型乳濁液または油中水型乳濁液として提供することができる。そのような組成物は、いかなる製薬法によっても製造可能であるが、いずれの方法でも、有効成分と1以上の必要な成分を構成する担体とを組み合わせる段階が含まれる。通常、該組成物は、有効成分と、液体担体もしくは細かく粉砕した固体担体またはその両方とを均一かつ十分に混合し、その後必要に応じて、取得物を所望の形に成形することで製造される。例えば錠剤は、適宜に1以上の補助成分とともに、圧縮または成形によって製造することができる。圧縮錠は、好適な機械で、適宜に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合して、粉末もしくは顆粒などの自由に流動する形の有効成分を圧縮することで製造することができる。すりこみ錠は、好適な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することで製造することができる。望ましくは各錠剤には、有効成分約1mg〜約500mgを含有させ、各カシェ剤またはカプセルには、有効成分約1〜約500mgを含有させる。
【0080】
以下に、式Iの化合物についての代表的な医薬製剤の例を示す。
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
併用療法
式Iの化合物は、式Iの化合物が有用な疾患または状態の治療/予防/抑制または改善で使用される他の薬剤と併用することができる。そのような他薬剤は、それら薬剤に通常使用される経路および量で、式Iの化合物と同時または該化合物と順次に投与することができる。式Iの化合物を1以上の他薬剤と同時に使用する場合、そのような他薬剤と式Iの化合物とを含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物以外に、1以上の他の有効成分を含有するものが含まれる。別個に投与するかあるいは同じ医薬組成物に含有させて、式Iの化合物と併用することができる他の有効成分の例としては、
(a)米国特許5510332、WO97/03094、WO97/02289、WO96/40781、WO96/22966、WO96/20216、WO96/01644、WO96/06108、WO95/15973およびWO96/31206に記載のような他のVLA−4拮抗薬;(b)ベクロメタゾン、メチルプレドニソロン、ベタメタゾン、プレドニソン、デキサメタゾンおよびヒドロコルチゾンなどのステロイド類;(c)シクロスポリン、タクロリマス(tacrolimus)、ラパマイシン(rapamycin)および他のFK−506型免疫抑制剤などの免疫抑制剤;(d)ブロモフェニラミン(bromopheniramine)、クロルフェニラミン、デキスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェニルヒドラミン(diphenylhydramine)、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン(azatadine)、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン(terfenazine)、ロラタジン(loratadine)、セチリジン(cetirizine)、フェクソフェナジン(fexofenadine)、デスカルボエトキシロラタジン(descarboethoxyloratadine)などの抗ヒスタミン類(H1−ヒスタミン拮抗薬);(e)b2−作働薬(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、サルメテロール(salmeterol)およびピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエン拮抗薬(ザフィルルカスト(zafirlukast)、モンテルカスト(montelukast)、プランルカスト(pranlukast)、イラルカスト(iralukast)、ポビルカスト(pobilukast)、SKB−106203)、ロイコトリエン生合成阻害薬(ジロイトン(zileuton)、BAY−1005)などの非ステロイド系抗喘息薬;(f)プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン(alminoprofen)、ベノキサプロフェン、ブクロキシル酸(bucloxic acid)、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン(fluprofen)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン(miroprofen)、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオキソプロフェン(tioxaprofen))、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナック、フェンクロジン酸(fenclozic acid)、フェンチアザク、フロフェナク(furofenac)、イブフェナック、イソキセパック、オキシピナク(oxpinac)、スリンダク、チオピナク(tiopinac)、トルメチン、ジドメタシン(zidometacin)およびゾメピラク)、フェナム酸(fenamic acid)誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサル(flufenisal))、オキシカム類(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム(sudoxicam)およびテノキシカム)、サリチル酸類(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン類(アパゾン、ビズピペリロン(bezpiperylon)、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)などの非ステロイド系抗炎症剤(NSAID);(g)セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)およびパレコキシブ(parecoxib)などのシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害薬;(h)ホスホジエステラーゼIV型(PDE−IV)の阻害薬;(i)ケモカイン受容体、特にCCR−1、CCR−2およびCCR−3の拮抗薬;(j)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬(ロバスタチン、シンバスタチン(simvastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)および他のスタチン類)、金属封鎖剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸(fenofibric acid)誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレートおよびベンザフィブレート(benzafibrate))およびプロブコールなどのコレステロール低下剤;(k)インシュリン、スルホニル尿素類、ビグアニド類(メトホルミン)、a−グルコシダーゼ阻害薬(アカルボース)およびグリタゾン類(glitazones)(トログリタゾン(troglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、エングリタゾン(englitazone)、MCC−555、BRL49653など)などの抗糖尿病薬;(l)インターフェロンβ(インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b)の製剤;(m)ムスカリン拮抗薬(臭化イプラトロピウム)などの抗コリン作動薬;(n)5−アミノサリチル酸およびそれのプロドラッグ、アザチオプリンおよび6−メルカプトプリンなどの代謝拮抗剤ならびに細胞毒性癌化学療法薬などの他の化合物などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
第2の有効成分に対する式Iの化合物の重量比は変動し得るものであって、各成分の有効用量によって決まる。通常は、それぞれの有効用量を用いる。そこで例えば、式Iの化合物をNSAIDと併用する場合、NSAIDに対する式Iの化合物の重量比は、約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲である。式Iの化合物および他の有効成分の併用も、概して上記の範囲内であるが、各場合について、各有効成分の有効用量を用いるべきである。
【0087】
下記の図式および実施例で使用される略称
4−DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
AcO:無水酢酸
AcCN:アセトニトリル
AgO:酸化銀(I)
AIBN:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
BF−EtO:三フッ化ホウ素・エーテラート
BH−DMS:ボランジメチルスルフィド錯体
Bn:ベンジル
BOC:tert−ブトキシカルボニル
BOC−ON:2−(tert−ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
ブライン:飽和塩化ナトリウム溶液
CBZ:ベンジルオキシカルボニル
CyP:トリシクロヘキシルホスフィン
DBU:1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIBAL−H:水素化アルミニウムジイソブチル
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DME:1,2−ジメトキシエタン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMPU:1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩
Et:エチル
EtO:ジエチルエーテル
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
FMOC:9−フルオレニルメトキシルカルボニル
gまたはgm:グラム
hまたはhr:時間
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート
HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート
HOAc:酢酸
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
in vacuo:ロータリーエバポレーション
KOAc:酢酸カリウム
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
LiHMDS:リチウムヘキサメチルジシリルアミド
MCPBA:メタ−クロロ過安息香酸
Me:メチル
MeI:ヨウ化メチル
MeOH:メタノール
mg:ミリグラム
MHz:メガヘルツ
min:分
mL:ミリリットル
mmol:ミリモル
MPLC:中圧液体クロマトグラフィー
MSまたはms:質量スペクトラム
MSCI:メタンスルホニルクロライド
NBS:N−ブロモコハク酸イミド
NMO:4−メチル−モルホリン−N−オキサイド
Pddba:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Ph:フェニル
PhP:トリフェニルホスフィン
pTSA:パラ−トルエンスルホン酸
PyBOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート
rt:室温
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオライド
TBSCl:tert−ブチルジメチルシリルクロライド
t−BuP:トリ−tert−ブチルホスフィン
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:THF
TLC:薄層クロマトグラフィー
TMSCHN:トリメチルシリルジアゾメタン
TMSCl:トリメチルシリルクロライド
TMSI:トリメチルシリルヨージド
TPAP:過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム
TsCl:パラ−トルエンスルホニルクロライド。
【0088】
添付の図式に示した手順によって、本発明の化合物を製造することができる。第1の方法(図式1)では、置換ピリジル−4−カルボン酸誘導体を塩化チオニルで処理してカルボン酸クロライド誘導体とし、それを次に4−アミノ−(L)−フェニルアラニン誘導体と反応させて、アミドを得る。におけるN−BOC−保護基を強酸(TFAまたはHCl)で脱離させて、遊離のアミンを得る。適切に置換された2−アゼチジニル−、2−ピロリジニル−または2−ピペリジニル−カルボン酸エステルを塩基(DIPEAまたはNaCO)存在下に置換アリールスルホニルクロライドでスルホニル化してスルホンアミドを得る。エステル保護基が含まれている場合は、それを水酸化物で処理して、遊離酸を得る。アミンおよび酸を適切なカップリング剤(例:PyBOP、HBTU/HOAtによって、の酸塩化物を予め形成)の存在下に一緒に反応させて、アミドを得る。におけるエステルを水酸化物(Rがn−アルキルである場合)またはTFAもしくはHCl(Rがtert−ブチルである場合)で加水分解することができる。
【0089】
【化9】
【0090】
下記の実施例に詳細に記載の手順によって、本発明の化合物を製造することができる。これら実施例は本発明を説明するためのものであって、いかなる形態でも本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0091】
(参考例1)
3,5−ジクロロイソニコチン酸
3,5−ジクロロピリジン(10.00g、67.57mmol)のTHF(70mL)溶液に、LDAの2.0M THF溶液35.4mLを−78℃で加えた。反応液を1時間撹拌し、COガスを20分間溶液に吹き込んだ。反応液を1時間かけて昇温させて室温とし、1N NaOH(100mL)で反応停止し、EtO(50mL)で洗浄した。水層を濃HClで酸性とすることで、沈殿を形成させた。沈殿を濾取し、EtOHから再結晶して、標題化合物を淡黄色固体として得た(7.1g、36.97mmol、55%)。
【0092】
【化10】
【0093】
(参考例2)
4−((3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩
段階A
N−(BOC)−4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
3,5−ジクロロイソニコチン酸(3.1g、16.11mmol)のCHCl(10mL)中スラリーをDMF(50μL)および塩化チオニル(1.23mL、16.91mmol)で処理し、5時間加熱還流した。反応液を濃縮して、黄色油状物を得た。その油状物をCHCl5mLに溶かし、N−(BOC)−4−アミノ−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(4.00g、14.39mmol)および4−メチルモルホリン(2.7mL、24.21mmol)のCHCl(25mL)溶液に0℃で加えた。この温度で2時間撹拌後、水(50mL)で反応停止し、CHClで抽出した(100mLで3回)。合わせた有機層を混合し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して、黄色固体を得た。CHClでの磨砕によって、白色固体5.5gを得た。
【0094】
【化11】
【0095】
段階B
4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩
N−(BOC)−4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(2.50g、5.34mmol)をEtOAc(40mL)に溶かし、HCl(ガス)で処理した。減圧下に濃縮して、標題化合物を黄色固体として得た(2.05g、4.59mmol、86%)。
【0096】
【化12】
【0097】
(参考例3)
N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−(L)−プロリン
段階A
N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−(L)−プロリン・メチルエステル
(L)−プロリン・メチルエステル塩酸塩(838mg、5.06mmol)のCHCl(25mL)中混合物に0℃で、DIPEA(2.64mL、15.2mmol)および3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(1.49g、6.07mmol)のCHCl(5mL)溶液を加えた。冷却浴を外し、混合物を室温で終夜撹拌した。それをCHClで希釈し、1N塩酸、飽和NaHCO、飽和ブライン溶液で洗浄し、無水NaSOで脱水し、ロータリーエバポレーションを行った。生成物を、10%アセトン/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−(L)−プロリン・メチルエステルを得た。収量:1.49g。
【0098】
段階B
N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−(L)−プロリン
段階AからのN−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−(L)−プロリン・メチルエステルをエタノール(50mL)に溶かし、室温で1.5時間にわたり0.2N水酸化ナトリウム(26.6mL)で処理した。混合物を氷HOAcで酸性とし、ロータリーエバポレーションによって濃縮し、残留物をCHClに溶かし、水、飽和ブライン溶液で洗浄し、無水NaSOで脱水し、留去して標題化合物を得た。収量1.4g。
【0099】
【化13】
【0100】
(参考例4)
N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリン
段階A
2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル塩酸塩
脱水MeOH(65mL)溶液を0℃とし、それに塩化チオニル(9.03mL、124mmol)を5分間かけてゆっくり加えた。2−メチル−(L)−プロリン(BachemAG、カタログ番号F−3440、Bubendorf、Switzerland)(4.0g、31mmol)を1回で加えた。反応液を0℃で5分間撹拌し、昇温させて室温とした。次に、反応液を70℃で終夜加熱した。反応液を冷却し、溶媒を除去して、2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル塩酸塩を白色固体として得た(5.72g)。
【0101】
段階B
N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル塩酸塩(95g、52.9mmol)を脱水THFおよびCHClの混合液(1:1)(250mL)に溶かした。3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(13.0g、52.9mmol)の脱水CHCl(20mL)溶液を加えた。反応液を氷浴で冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(20.5g、158.6mmol)を加えた。氷浴を外し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、乾燥して黄褐色固体を得た(18.68g)。その固体を、10%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするバイオテージ(Biotage)40Mクロマトグラフィーシステムで精製して、N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルを純粋な白色固体として得た(16.8g、収率85%)。
質量スペクトラム(m/e)352(M+1)。
【実施例】
【0102】
(実施例1)
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−((3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
4−((3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩(参考例3;1.00g、2.23mmol)、PyBOP(1.16g、2.23mmol)およびN−((3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル)−2−メチル−(L)−プロリン(参考例4;0.70g、2.13mmol)のCHCl(10mL)懸濁液に、DIPEA(1.0mL、5.6mmol)を加えた。反応液を室温で20時間撹拌し、減圧下に濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって、白色固体1.41g(2.04mmol、96%)を得た。
【0103】
【化14】
【0104】
(実施例2)
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−((3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(実施例1)のMeOH(5mL)溶液に、1M NaOH溶液3mLを加えた。反応液を室温で1時間撹拌し、水25mLで希釈し、CHCl(25mL)で洗浄し、その洗浄液を廃棄した。水層を濃HClでpH=1の酸性とし、CHClで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して、標題化合物を白色固体として得た(1.10g、1.63mmol、80%)。
【0105】
【化15】
【0106】
(実施例3)
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−(L)−プロリル)−4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)−アミノ)−(L)−フェニルアラニン
(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルに代えて(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−(L)−プロリン・メチルエステル(参考例3)を用い、実施例2に記載の手順に従って、N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−(L)−プロリル)−4−((3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニンを製造した。
【0107】
【化16】
【0108】
(実施例4)
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−アゼチジン−2(S)−カルボニル)−4−((3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−アゼチジン−2(S)−カルボン酸
(L)−プロリン・メチルエステルに代えてアゼチジン−2(S)−カルボン酸・メチルエステルを用い、参考例3に記載の手順に従って、N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−アゼチジン−2(S)−カルボン酸を製造した。
【0109】
【化17】
【0110】
段階B
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−アゼチジン−2(S)−カルボニル)−4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン
(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルに代えて(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−アゼチジン−2(S)−カルボン酸メチルエステルを用い、実施例2に記載の手順に従って、N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−アゼチジン−2(S)−カルボニル)−4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニンを製造した。
MSm/e647.2(M)。
【0111】
(実施例5)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′−クロロ−5′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−プロリル−(L)−4−ニトロフェニルアラニン・メチルエステル
N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリン(1.25g、3.85mmol)、(L)−4−ニトロフェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩(1.10g、4.24mmol)およびPyBOP(2.20g、4.21mmol)のCHCl(15mL)懸濁液に、DIPEA(1.8mL、9.64mmol)を加えた。20時間撹拌後、反応液を濃縮し、ヘキサン/EtOAc(2:1)を溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル−(L)−4−ニトロフェニルアラニン・メチルエステルを白色泡状物として得た(1.53g、73%)。
【0112】
段階B
(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル−4−アミノ−フェニルアラニン・メチルエステル
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル−(L)−4−ニトロフェニルアラニン・メチルエステル(1.53g、2.89mmol)のMeOH(25mL)溶液に、塩化スズ(II)・2水和物(6.4g、28.19mmol)を加え、反応液を55℃で6時間撹拌した。反応液を冷却し、1N NaOH水溶液(50mL)を加えることで反応停止したところ、沈殿が生成した。その沈殿を濾去し、得られた透明溶液を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して、標題化合物を白色泡状物として得た(1.23g、85%)。
【0113】
【化18】
【0114】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′−クロロ−5′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
3−クロロ−5−メトキシ−イソニコチン酸(0.020g、0.107mmol)、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−アミノ−(L)−フェニルアラニンメチルエステル(0.050g、0.097mmol)およびPyBOP(0.061g、0.1169mmol)のCHCl(0.250mL)懸濁液に、DIPEA(0.027mL、0.1461mmol)を加えた。反応液を5時間撹拌し、濃縮し、分取HPLCによって精製した。標題化合物を白色固体として単離した(0.020g)。MSm/e683.2(M)。
【0115】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′−クロロ−5′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′−クロロ−5′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルのMeOH(1mL)溶液に、1N NaOH(0.2mL)を加えた。反応液を1時間撹拌し、分取HPLCによって精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.015g)。MSm/e669.2(M)。
【0116】
(実施例6)
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロピル)−(L)−3−(6−((3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ)−3−ピリジル)アラニン
段階A
2−ブロモ−5−ブロモメチルピリジン
2−ブロモ−5−メチルピリジン(4.01g、23.31mmol)、NBS(5.19g、29.14mmol)およびAIBN(0.19g、1.17mmol)をCCl(46.6mL、23.31mmol)に溶かした。反応混合物を75℃で4時間加熱した。残留物を水で反応停止し、EtOAcで抽出した。有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗混合物を、溶離液として7%EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物2.65gを得た。MSm/e251.9(M)。
【0117】
段階B
N−(ジフェニルメチレン)グリシン酸2−ブロモ−5−tert−ブチルメチルピリジン
2−ブロモ−5−ブロモメチルピリジン(2.65g、10.65mmol)、N−(ジフェニルメチレン)グリシン酸tert−ブチル(3.15g、10.65mmol)、10%水酸化セシウム・1水和物(17.88g、106.5mmol)およびO−アリル−N−(9−アントラセニルメチル)シンコニジニウムブロマイド(0.645g、1.065mmol)をCHCl(31mL、10.65mmol)に溶かした。反応混合物を冷却して−78℃として4時間経過させ、次に−50℃で16時間経過させた。残留物を水で反応停止し、エーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。得られた粗混合物を次の段階で用いた。MSm/e411.2(M)。
【0118】
段階C
3−(6−ブロモ−3−ピリジン)アラニン・tert−ブチルエステル
N−(ジフェニルメチレン)−グリシン酸2−ブロモ−5−ブチルメチルピリジン(10.65mmol)を含む粗混合物をTHF(10mL)、蒸留水(10mL)およびHOAc(5mL)の混合物に溶かした。反応混合物を室温で1.5時間混和した。残留物を2N HClおよび水で反応停止した。得られた水層を濃NaOHで塩基性とし、EtOAcで抽出した。有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して所望の生成物1.5gを得た。
【0119】
MSm/e247.0(M)(質量スペクトラムは、所望の生成物からtert−ブチルの質量を引いたものを示している)。
【0120】
段階D
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−(L)−3−(6−ブロモ−3−ピリジル)アラニン・tert−ブチルエステル
3−(6−ブロモ−3−ピリジン)アラニン・tert−ブチルエステル(0.75g、2.5mmol)、N−3,5−ジクロロスルホニル−2−メチル−(L)−プロリン(0.93g、2.75mmol)およびPyBOP(1.43g、2.75mmol)をCHCl(2.5mL、2.5mmol)に溶かした。DIPEA(0.69mL、3.75mmol)を、反応混合物に加え、それを室温で20時間撹拌した。残留物を水で反応停止し、EtOAcで抽出した。得られた有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗混合物を、35%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物0.78gを得た。MSm/e622.2(M)。
【0121】
段階E
3,5−ジクロロピリジン−4−カルボン酸クロライド
3,5−ジクロロピリジン−4−カルボン酸(0.5g、2.6mmol;参考例1)をCHCl(1.75mL)およびDMF(50μL)に溶かした。塩化チオニル(0.21mL、2.86mL)を加え、反応混合物を50℃で20時間加熱した。残留物を減圧下に濃縮した。酸塩化物の形成をTLC(50%EtOAc/ヘキサン)によって観察し、粗生成物を次の段階で用いた。
【0122】
段階F
3,5−ジクロロピリジン−4−カルボキシアミド
3,5−ジクロロピリジン−4−カルボン酸クロライド(0.54g、2.6mmol
)をCHCl(2.6mL、2.6mmol)に溶かし、NH(2.0Mジオキサン溶液)(6.5mL)を加えた。反応混合物を冷却して0℃とし、30分間経過させた。残留物を水で反応停止し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗混合物を分取HPLCによって精製して、所望の生成物0.135gを得た。MSm/e190.9(M)。
【0123】
段階G
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−(L)−3−(6−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−3−ピリジル)アラニン・tert−ブチルエステル
3,5−ジクロロピリジン−4−カルボキサミド(0.019g、0.097mmol)、N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−(L)−3−(6−ブロモ−3−ピリジル)アラニン・tert−ブチルエステル(0.05g、0.081mmol)、炭酸セシウム(0.037g、0.113mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.003g、0.0032mmol)および9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.0056g、0.0098mmol)をTHF(0.5mL)に溶かした。反応混合物を50℃で20時間加熱した。残留物をEtOAcに溶かし、シリカゲル層で濾過し、減圧下に濃縮した。粗混合物を分取HPLCによって精製して、所望の生成物0.016gを得た。MSm/e732.2(M)。
【0124】
段階H
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−(L)−3−(6−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−3−ピリジル)アラニン
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−(L)−3−(6−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−3−ピリジル)アラニン・tert−ブチルエステル(0.016g、0.02mmol)をCHCl(2mL)に溶かし、TFA(1mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。残留物を減圧下に濃縮し、分取HPLCによって精製して、所望の生成物12mgを得た。それをEtO/ヘキサンから結晶化させた。分取HPLCによってさらに精製することで、エナンチオマー的に純粋な取得物を得た。
【0125】
【化19】
【0126】
(実施例7)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.105g、0.156mmol)およびMCPBA(0.135g、0.781mmol)をCHClに溶かした。反応混合物を室温で撹拌した。TLCでは反応完結が示されなかったことから、反応液を加熱して50℃とし、TLCによってモニタリングした。反応完結した時点で、残留物をNaHCO水溶液で反応停止し、生成物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄した。得られた有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗混合物を分取HPLCによって精製して、所望の生成物を得た。
MSm/e691.2(M)。
【0127】
段階B
N−(N−[(35−ジクロロベンゼン)スルホニル]−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.156mmol)をMeOHに溶かし、反応液が透明となるまで1N NaOHを加えた(約1mL)。反応混合物を室温で約30分間撹拌した。TLCで、反応完結したことが示された。TFA数滴を溶液に加え、得られた固体を分取HPLCによって精製して、標題化合物0.050g(収率47.6%)を得た。
MSm/e677.2(M)。
【0128】
(実施例8)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5ジクロロベンゼン)スルホニル]−グリシン・tert−ブチルエステル
t−ブチルグリシン塩酸塩(2.0g、11.9mmol)、DIPEA(3.1g、23.9mmol)のCHCl溶液に0℃で、3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(2.1g、11.9mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とし、減圧下に濃縮した。残留物をEtOAcで希釈し、1M HCl、NaHCO、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。淡黄色固体をヘキサンで磨砕した。粗混合物を次の段階で用いた。
【0129】
段階B
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−(L)−プロリン・tert−ブチルエステル
段階Aからの生成物(0.2g、0.59mmol)のCHCl(1mL)溶液に、メチルビニルケトン(0.04g、0.59mmol)および次にDBU(0.197g、1.29mmol)を加えた。反応液を終夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、1M HCl、NaHCOおよびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して橙赤色油状物を得た。粗混合物を次の段階で用いた。
【0130】
【化20】
【0131】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−(L)−プロリン 段階Bからの生成物のCHCl(2mL)溶液に、TFA(2mL)を加えた。溶液を4時間撹拌し、減圧下に濃縮し、トルエンと共沸させて、過剰のTFAを除去した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、粗生成物をそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0132】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
段階CからのN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−(L)−プロリン(0.1g、0.28mmol)、3,5−(ジクロロイソニコチノイル)アミノ−(L)−フェニルアラニン(0.114g、0.28mmol)、HOAt(0.06g、0.42mmol)のCHCl溶液に0℃で、DIPEA塩基(0.073g、0.56mmol)およびHATU(0.107g、0.28mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とした。反応液をEtOAcで希釈し、1M HCl、NaHCO、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗混合物を、75%ヘキサン/EtOから100%EtOへの勾配溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物0.1337gを得た。それを次の段階で用いた。
【0133】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階DからのN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.134g)のTHF溶液に、1M LiOHを加えた。反応液を室温で4時間撹拌した。次に、2N HClで反応停止し、EtOAcで抽出した。有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。
MSm/e691.2(M)。
【0134】
(実施例9)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(S)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
4−(S)−フェニル−(L)−プロリン
(4S,2S)N−BOC−4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸(1.0g、3.4mmol)のCHCl溶液に0℃で、TFA(15mL)を加えた。反応液を昇温させて室温とし、4時間経過させた。反応液を減圧下に濃縮し、トルエンと共沸させた。粗生成物を次の段階で用いた。
【0135】
段階B
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン
段階Aからの生成物(0.66g、3.43mmol)の飽和NaCO水溶液中の溶液に、3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(1.79g、6.86mmol)を加えた。反応液を室温で終夜撹拌した。反応液をEtOおよび水で希釈し、EtO層は廃棄した。水層を2N HClでpH=4の酸性とし、EtOAcで抽出した。有機層を回収し、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して淡橙赤色固体1.1gを得た。粗生成物を次の段階で用いた。
【0136】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(S)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
段階BからのN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン(0.1g、0.25mmol)、3,5−(ジクロロイソニコチノイル)アミノ−(L)−フェニルアラニン(0.102g、0.25mmol)およびHOAt(0.051g、0.375mmol)のCHCl溶液に0℃で、DIPEA(0.065g、0.5mmol)およびHATU(0.015g、0.275mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とした。反応をEtOAcで希釈し、1M HCl、NaHCOおよびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗混合物を、75%ヘキサン/EtOから100%EtOの勾配溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物66.2mgを得た。精製固体を次の段階で用いた。
MSm/e751.2(M)。
【0137】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(S)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階Cからの生成物(0.066g、0.088mmol)のTHF溶液に、1M LiOH(1mL)を加えた。反応液を室温で4時間撹拌した。反応液を2N HClでpH4の酸性とし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(S)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを得た。
MSm/e737.2(M)。
【0138】
(実施例10)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(R)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(R)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階Aで4(S)−フェニル−(L)−プロリンに代えて3(R)−フェニルピロリジン−2(S)−カルボン酸を用い、実施例9に記載の手順によって、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(R)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを製造した。
MSm/s737.2(M)。
【0139】
(実施例11)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−BOC−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル
BOC−4(S)−フェニル−ピロリジン−2(S)−カルボン酸(4.0g;13.73mmol)のMeOH(35mL)およびCHCl(35mL)溶液中の溶液に0℃で、10分間かけて1Mトリメチルシリルジアゾメタンのヘキサン溶液(13.73mL、27.46mmol)を加えた。反応液を3時間かけて昇温させて室温とした。HOAcで反応停止した。トルエンを加え、反応液を減圧下に濃縮した。粗生成物を次の反応で用いた。
【0140】
段階B
N−BOC−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン、メチルエステル
段階AからのN−BOC−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル(2.0g、6.56mmol)の脱水THF(20mL)溶液に−78℃で、30分間かけて1M LiHMDSのヘキサン溶液(9.83mL、9.83mmol)を加え、−78℃で30分間撹拌した。反応液を0℃で1時間撹拌した。反応液を冷却して−78℃とし、MeI(4.65g、32.79mmol)を滴下した。反応液を終夜で昇温させて室温とした。NHClで反応停止した。有機層を回収し、1M HCl、NaHCO、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗生成物を、75%EtO/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物1.85gを得た。
【0141】
【化21】
【0142】
段階C
2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル
段階BからのN−BOC−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル(1.85g、5.8mmol)のMeOH溶液に、HCl(ガス)を10分間かけて吹き込んだ。HCl飽和溶液を室温で5時間撹拌し、減圧下に濃縮し、トルエンと共沸させた。粗生成物を次の段階で用いた。
【0143】
段階D
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル
段階Cからの2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル(0.592g、1.42mmol)および3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(4.26g、17.3mmol)のCHCl溶液に0℃で、DIPEA(10g;57.9mmol)を加えた。反応液を3日間かけて昇温させて室温とした。反応液をEtOAcで希釈し、1M HCl、NaHCO、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗生成物を、50%EtO/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。2つのジアステレオマーの混合物が認められた。
【0144】
段階E
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン
段階DからのN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル(2.0g、5.4mmol)のMeOH溶液に、1M NaOHを加えた。反応液を終夜還流させた。反応液をEtOAcで希釈し、濃HClでpH4の酸性とし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。
【0145】
段階F
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
段階EからのN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリン(0.2g、0.483mmol)、4−(3,5−ジクロロイソニコチノイル)−アミノ−(L)−フェニルアラニン(0.195g、0.483mmol)およびHOAt(0.1g、0.725mmol)のCHCl(4mL)溶液に0℃で、DIPEA(0.125g、0.966mmol)およびHATU(0.184g、0.483mmol)を加えた。反応液を終夜で室温とした。反応液をEtOAcで希釈し、1M HCl、NaHCO、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。2つのジアステレオマーをキラルシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって分離して、所望の生成物0.1583gを得た。
【0146】
段階G
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリル)−4−(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階FからのN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−4−(S)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.1583g、0.21mmol)の一方の異性体のTHF溶液に、1M LiOH(1mL)を加えた。反応液を室温で4時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、2N HClでpH4の酸性とし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。
【0147】
【化22】
【0148】
(実施例12)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−(L)−プロリンメチルエステル
段階AでBOC−4(S)−フェニル−ピロリジン−2(S)−カルボン酸に代えてBOC−3(S)−フェニル−ピロリジン−2(S)−カルボン酸を用い、実施例11段階A〜Dに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−(L)−プロリンメチルエステルを製造した。
【0149】
段階B
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−(L)−プロリン
段階AからのN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−(L)−プロリンメチルエステル(0.601g)に、無希釈のTMSI(5mL)を加えた。反応液を95℃で終夜撹拌した。黒色溶液を減圧下に濃縮し、2N HClで酸性とし、EtOAcで抽出し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、25%EtO/ヘキサンから100%EtOへの勾配溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.180gを得た。
【0150】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−(L)−プロリンカルボン酸クロライド
段階BからのN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−(L)−プロリン(0180g、0.435mmol)のCHCl溶液に塩化チオニル(1.03g、8.7mmol)を加え、終夜撹拌還流した。反応液を減圧下に濃縮し、トルエンと共沸させた。粗酸塩化物を次の反応で用いた。
【0151】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
段階Cからの酸塩化物N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−(L)−プロリンカルボン酸クロライド(0.18g、0.4mmol)のCHCl溶液に0℃で、4−(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−(L)−フェニルアラニン(0.11g、0.27mmol)およびDIPEA(0.1g、0.80mmol)のCHCl溶液を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とした。反応液をEtOAcで希釈し、1M HCl、NaHCO、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗生成物を、75%EtO/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、次の反応で用いた。
【0152】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3(S)−フェニル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階DからのN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルのTHF溶液に、1M LiOHを加えた。反応液を室温で4時間撹拌した。反応液を2N HClでpH4の酸性とし、EtOAcで抽出し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−(N−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−2−メチル−3−(S)−フェニル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)−アミノ]−(L)−フェニルアラニンをピンク固体として得た。
MSm/e751.4(M)。
【0153】
(実施例13)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−BOC−3(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリン
BOC−3(R)−フェニル−ピロリジン−2(S)−カルボン酸(1.0g、0.30mmol)のMeOH溶液に、PtO(0.1g、0.44mmol)を加え、それをパール振盪装置で約0.34MPa(50psi)のH雰囲気下にて終夜振盪した。反応液をセライト層で濾過し、減圧下に濃縮した。粗生成物を次の反応で用いた。
【0154】
段階B
3(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリン
段階AからのN−BOC−3(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリン(1.0g、0.28mmol)のCHCl(3mL)溶液に0℃で、TFA(6mL)を加えた。反応液を昇温させて室温とし、4時間経過させた。反応液を減圧下に濃縮し、トルエンと共沸させた。粗生成物を次の反応で用いた。
【0155】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3[(R)−シクロヘキシル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例9段階B〜Dに記載の手順に従って、3(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリンからN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3[(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを製造した。
MSm/e743.2(M)。
【0156】
(実施例14)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(S)−シクロヘキシル−(L)−プロリル]−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階AでBOC−3(R)−フェニル−ピロリジン−2(S)−カルボン酸に代えてBOC−4(S)−フェニル−ピロリジン−2(S)−カルボン酸(1.0g、0.30mmol)を用い、実施例13に記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(S)−シクロヘキシル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを製造した。
MSm/s743.2(M)。
【0157】
(実施例15)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−シクロヘキシル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階AでBOC−3(R)−フェニル−ピロリジン−2(S)−カルボン酸に代えてラセミ体のBOC−3−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸(1.0g、0.30mmol)を用い、実施例13に記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3[(S)−シクロヘキシル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを製造した。3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロライドでスルホニル化した後、段階Cでシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによってシス(3S,2S)異性体を単離した。
MSm/s737.2(M)。
【0158】
(実施例16)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−カルボキシ−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
アラニン・tert−ブチルエステル・tert−ブチルイミン
アラニン・tert−ブチルエステル塩酸塩25.0g(0.14mol)、4Å粉末モレキュラーシーブス20.0g、TEA21mL(0.15mol)および脱水CHCl400mL中混合物に、ピバロアルデヒド(pivaldehyde)18mL(0.16mol)を加えた。混合物を室温で17時間撹拌し、EtO1リットルで希釈し、セライト層で濾過し、減圧下に濃縮してアラニン・tert−ブチルエステル・tert−ブチルイミン30g(約100%)を無色油状物として得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0159】
【化23】
【0160】
段階B
トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−5−オキソ−プロリンα−tert−ブチルエステル
段階Aからのイミン15g(70.4mmol)およびLiBr6.7g(77.5mmol)のTHF(300mL)溶液に−10℃で、フマル酸ジメチル10.1g(70.4mmol)のTHF(25mL)溶液と次にDBU10.5mL(70.4mmol)を加えた。−10℃で75分後、NHCl水溶液で反応停止し、EtOで希釈し、分液を行った。有機層をNaHCO(50mLで2回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗残留物をMeOH250mLおよびHO80mLに溶かし、HOAc0.1mLを加えた。反応液を16時間還流し、冷却し、濃縮した。粗生成物をEtOAcに溶かし、NaHCO(50mLで2回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して固体を得た。ヘキサンでの磨砕によって、トランス−3−メトキシ−カルボニル−2−メチル−5−オキソ−プロリン・tert−ブチルエステル7.7gをTLC分析によって均一な白色固体として得た。
【0161】
【化24】
【0162】
段階C
トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−5−チオカルボニル−プロリン・α−tert−ブチルエステル
の混合物段階Bからの2−メチル−3−メトキシカルボニル−5−オキソ−プロリン・tert−ブチルエステル7.5g(25.8mmol)およびローソン試薬6.2g(15.5mmol)のトルエン(100mL)中混合物を昇温させて70℃として1時間経過させ、冷却し、濃縮して固体を得た。EtO/ヘキサンでの磨砕によって、2−メチル−3−メトキシ−カルボニル−5−チオカルボニル−プロリン・tert−ブチルエステル6.6gをTLC分析によって均一な白色固体として得た。それをれ以上精製せずに次の反応で用いた。
【0163】
段階D
トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリン・α−tert−ブチルエステル
段階Cからの2−メチル−3−メトキシカルボニル−5−チオカルボニル−プロリン・tert−ブチルエステル6.6g(21.5mmol)のMeOH(150mL)溶液に、過剰のRaNiを加えた。TLC分析による判定で原料が消費されるまで、反応液を室温で撹拌した。混合物をセライト層で濾過し、減圧下に濃縮して無色油状物5gを得た。その油状物、Pd/CおよびEtOAc100mLの混合物を、H風船下に26時間撹拌した。混合物をセライト層で濾過し、濃縮して2−メチル−3−メトキシカルボニル−プロリン・tert−ブチルエステル(単一のジアステレオマー)4.5gをTLC分析によって均一な無色油状物として得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0164】
【化25】
【0165】
段階E
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリン・α−tert−ブチルエステル
段階Dからの2−メチル−3−メトキシカルボニルプロリン・tert−ブチルエステル(2.0g、7.3mmol)および3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド2.6g(14.5mmol)のCHCl(20mL)溶液に0℃で、DIPEA3.8mL(21.8mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とした。14時間後、反応液をEtO150mLで希釈し、1M HCl(50mLで2回)、飽和NaHCO(50mLで2回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリン・tert−ブチルエステル(3.8g)を明橙赤色固体として単離し、それをそれ以上精製せずに用いた。そのtert−ブチルエステルをCHClに溶かし、実施例8段階Cに記載の手順に従ってTFAで処理して、N−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリンを得た。
【0166】
段階F
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチルプロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−2−メチル−3−メトキシカルボニル−プロリン426mg(1.08mmol)、4−(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩435mg(1.08mmol)、HATU492mg(1.29mmol)、HOAt220mg(1.6mmol)およびDIPEA348mg(2.73mmol)のTHF(3mL)溶液を室温で終夜撹拌した。所望の生成物を、3:1ヘキサン−EtOそして3:1EtO−ヘキサン次に100%EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物900mgを無色油状物として得た。次に、分取キラルHPLC(ASカラム、15%EtOH/ヘキサン)による精製によって、極性が低い方のジアステレオマー400mgおよび極性が高い方のジアステレオマー386mgを得た。
【0167】
段階G
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階Fからの極性が低い方のジアステレオマー400mgのTHF(10mL)溶液に0℃で、1M LiOH8mLを加えた。反応液を0℃で2時間撹拌し、昇温させて室温とし、EtOAcで希釈し、pHが約4となるまで2M HClで酸性とした。分液を行い、水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン355mgを無色泡状物として得た。
HPLC:MS719.1(M+H)。
【0168】
(実施例17)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−フェニル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階Aで4(S)−フェニル−(L)−プロリンに代えてラセミ体の3−フェニルピロリジン−2−カルボン酸を用いて、実施例9に記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−フェニル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを製造した。シスおよびトランスの最終生成物を、EtO、EtO/EtOAc、EtO/EtOAc/MeOHによる順次複数回の展開を行う分取薄層クロマトグラフィーによって分離して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−フェニル−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンをジアステレオマーの1:1混合物として得た。 HPLC:MS737.3(M+H)。
【0169】
(実施例18)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−カルボキシ−2−メチル−プロリン・α−tert−ブチルエステル
実施例16段階EからのN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリン・tert−ブチルエステル(3.8g、9.5mmol)を、THF中1M LiOHによって加水分解して、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−カルボキシ−2−メチル−プロリン・α−tert−ブチルエステル3.3gを明黄褐色固体として得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0170】
段階B
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロリン・α−tert−ブチルエステル
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−カルボキシ−2−メチル−プロリン・α−tert−ブチルエステル(300mg、0.64mmolのTHF(4mL)溶液に、BH・DMS0.091mL(0.96mmol)を加えた。反応液を昇温させて45℃とし、TLC分析(5〜6時間)による判定で原料が消費されるまでその温度に維持した。MeOHを加えて過剰の還元剤を分解し、反応液を減圧下に濃縮して無色油状物を得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0171】
【化26】
【0172】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例16段階E〜Gに記載の手順に従って、段階BからのN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロリン・α−tert−ブチルエステル(175mg、0.38mmol)をN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−トランス−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンに変換した。
HPLC:MS659.2(M+H)。
【0173】
(実施例19)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−メトキシ−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−BOC−3(R)−メトキシ−(L)−プロリン・メチルエステル
N−BOC−3(R)−ヒドロキシ−(L)−プロリン・メチルエステル500mg(2.05mmol)およびMeI 1.7g(12.2mmol)のDMF(10mL)溶液に、AgO473mg(2.05mmol)を加えた。混合物を18時間撹拌し、セライト層で濾過し、濃縮した。粗残留物をEtOAcに溶かし、1M HCl(10mLで2回)、飽和NaHCO(10mLで2回)、ブライン(10mLで1回)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、濃縮してN−BOC−3(R)−メトキシ−(L)−プロリン・メチルエステル500mgを明黄色油状物として得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0174】
【化27】
【0175】
段階B
N−(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル−3(R)−メトキシ−(L)−プロリンメチルエステル
段階Aからの生成物であるN−BOC−3(R)−メトキシ−(L)−プロリン・メチルエステル(500mg、1.94mmol)のCHCl(5mL)溶液に、TFA5mLを加えた。TLC分析による判定で原料が消費されるまで、反応液を室温で熟成させた。反応液を濃縮し、トルエンと共沸させ、それ以上精製せずに用いた。
【0176】
粗アミンのCHCl(5mL)溶液に0℃で、3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド682mg(3.88mmol)および次にDIPEA1mL(9.7mmol)を加えた。反応液を12時間かけて昇温させて室温とし、EtOAcで希釈し、1M HCl(50mLで2回)、飽和NaHCO(50mLで2回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、3:1ヘキサン−EtOから1:1ヘキサン−EtOそして3:1ヘキサン−EtO次に100%EtOの順次勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル−3−(R)−メトキシ−(L)−プロリン・メチルエステル150mgをほぼ無色の油状物として得た。
【0177】
【化28】
【0178】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(R)−メトキシ−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例9に記載の手順(段階D(LiOH、MeOH)、段階C(3,5−(ジクロロイソニコチノイル)アミノ−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル、HOAt、DIPEAおよびHATU)、再度段階D(LiOH、MeOH))に従って、N−(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル−3(R)−メトキシ−(L)−プロリン・メチルエステル(150mg)からN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(R)−メトキシ−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを製造し、白色固体として得た。
HPLC:MS705.2(M+H)。
【0179】
(実施例20)
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4−(R)−イソプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
段階A
N−BOC−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
N−BOC−4(S)−ヒドロキシプロリン・メチルエステル(Bachem、10g、40mmol)およびMeI(10mL、160mmol)の脱水THF(150mL)溶液に−30℃で、LDA(Aldrich、1.5Mシクロヘキサン溶液、100mL、150mmol)を加えた。反応液を4時間かけて昇温させて室温とした。反応液を冷却して−30℃とし、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)で反応停止した。得られた混合物をEtOAcとブラインとの間で分配し、生成物をEtOAcで抽出した(100mLで3回)。合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、20:1から10:1CHCl/アセトンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(ジアステレオマー的に純粋な取得物を得るには、繰り返しクロマトグラフィーが必要であった。先に溶出する少量成分の異性体、2.2g、21%)。それは放置していると固化する。文献報告(Noe, CR et al Pharmazie 1996, 51, 800)とのNMR比較によって、その立体化学を割り当てた。
【0180】
【化29】
【0181】
段階B
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
N−BOC−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(段階A、2.2g、8.5mmol)、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(1.8g、12mmol)およびイミダゾール(1.1g、17mmol)の脱水DMF(40mL)溶液を室温で終夜撹拌した。反応混合物をEtOと水との間で分配し、生成物をEtOで抽出した(200mLで2回)。合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を脱水CHCl(15mL)に溶かし、2,6−ジメチルルチジン(3.0mL、26mmol)およびtert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(3.9mL、17mmol)を室温で加えた。2時間撹拌後、反応混合物を氷−水浴によって冷却し、フッ化カリウム(1.4g、24mmol)の水溶液(水20mL)を加えた。0℃で2時間撹拌後、反応混合物をエーテルと水との間で分配した。生成物をEtOで抽出し(50mLで3回)、有機抽出液を無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をトルエンと共沸させ、CHCl(10mL)およびTHF(10mL)に溶かした。溶液を氷水浴で冷却し、DIPEA(4.4mL、25mmol)、4−DMAP(0.10g、0.85mmol)および3−クロロベンゼンスルホニルクロライド(2.7g、12mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とした。反応混合物を濃縮乾固し、残留物を4:1ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物のtert−ブチルジメチルシリルエーテルを得た。それを直ちに使用した。そしてそのシリルエーテルのアセトニトリル(40mL)溶液に0℃で、HF水溶液(48%、4mL)を加え、反応液を終夜で昇温させて室温とした。反応混合物を5N NaOH水溶液、ブラインおよびEtOAcとの間で分配し、生成物をEtOAcで抽出した(100mLで3回)。合わせた抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮乾固して標題化合物を得た(3.0g、段階Aの生成物から96%)。
【0182】
【化30】
【0183】
段階C
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
段階Bの生成物(3.1g、9.0mmol)の脱水CHCl(20mL)溶液に、ピリジン(3.6mL、45mmol)およびメシルクロライド(1.4mL、18mmol)を0℃で加えた。室温で終夜撹拌後、反応混合物をEtOAcで希釈し、希硫酸第二銅(2回)およびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、濾過し、濃縮乾固して粗生成物を得た。それをそれ以上精製せずに用いた。そこで、残留物をDMF(20mL)に溶かし、アジ化ナトリウム(3.0g、46mmol)を加えた。50℃で終夜撹拌後、追加のアジ化ナトリウム(3.0g、46mmol)を加え、撹拌を70℃でさらに4時間続けた。反応液を冷却して室温とし、得られた混合物をEtOと水との間で分配した。生成物をEtOで抽出した(100mLで3回)。合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮し、残留物を4:1ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−アジゾ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルを得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0184】
そこで、上記アジド(0.90g、2.5mmol)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(0.70g、3.2mmol)のEtOAc(10mL)溶液を二酸化白金(90mg)のEtOAc(2mL)中スラリー(予め脱気し、水素充填したもの)に加えた。混合物を脱気し、風船の水素ガス雰囲気下にて室温で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、残留物を4:1ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(1.1g、段階Bの生成物から28%)を得た。
【0185】
【化31】
【0186】
段階D
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン
段階CからのN−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−カルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(1.1g、2.5mmol)の1:1:1THF/MeOH/水(計12mL)溶液に、LiOH・1水和物(1.1g、26mmol)を加えた。室温で終夜撹拌後、反応混合物をEtOAc/ブライン/0.5M硫酸水素ナトリウムの間で分配した。生成物をEtOAcで抽出し(20mLで3回)、有機抽出液を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固して生成物N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン(1.0g、91%)を得た。
【0187】
【化32】
【0188】
段階E
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4−(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン(段階D、0.75g、1.8mmol)を、4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせた(0.69g、50%)。
【0189】
【化33】
【0190】
段階F
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−カルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(段階E、0.69g、0.89mmol)のAcCN(5mL)および水(2mL)溶液に、LiOH・1水和物(0.15g、3.6mmol)を加えた。室温で2時間撹拌後、反応混合物をEtOAc/ブライン/05M硫酸水素ナトリウムの間で分配した。生成物をEtOAcで抽出し(50mLで2回)、有機抽出液を無水MgSOで脱水し、濾過し、濃縮して生成物N−[(N−(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(0.67g、99%)を得た。
【0191】
【化34】
【0192】
段階G
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・HCl
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−カルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンのサンプル(段階F、0.62mg、0.81mmol)を飽和塩化水素のEtOAc溶液7mLで5時間にわたり室温で処理した。減圧下に濃縮することで、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・塩酸塩を固体として得た(0.61g、100%)。
【0193】
【化35】
【0194】
段階H
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−イソプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン塩酸塩(段階G、0.10mg、0.14mmol)のアセトニトリル(1mL)中サンプルに、アセトン(0.010mL、0.14mmol)、DIPEA(0.048mL、0.27mmol)および水素化ホウ素ナトリウムトリアセトキシ(0.15g、0.70mmol)を加えた。室温で終夜撹拌後、ギ酸(96%、0.1mL)で反応停止し、DMSO(1mL)および水(1mL)で希釈した。得られた混合物を逆相分取HPLCカラムに負荷し、アセトニトリルおよび水(0.1%ギ酸含有)で溶離して、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−イソプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩(74mg、72%)を得た。
【0195】
【化36】
【0196】
(実施例21)
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ジメチルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
実施例20段階GからのN−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン塩酸塩(0.30mg、0.41mmol)のアセトニトリル(3mL)中サンプルに、ホルムアルデヒド水溶液(0.31mL、4.1mmol)、DIPEA(0.14mL、0.82mmol)および水素化ホウ素ナトリウムトリアセトキシ(0.44g、2.1mmol)を加えた。室温で終夜撹拌後、ギ酸(96%、0.2mL)で反応停止し、ジメチルスルホキシド(3mL)および水(3mL)で希釈した。得られた混合物を逆相分取HPLCカラムに負荷し、アセトニトリルおよび水(0.1%ギ酸含有)で溶離して、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ジメチルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩(0.21g、69%)を得た。
【0197】
【化37】
【0198】
(実施例22)
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
段階A
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
実施例20段階BからのN−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(1.2g、3.3mmol)およびDIPEA(1.4mL、8.3mmol)の脱水CHCl(10mL)溶液に−20℃で、無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.83mL、5.0mmol)を滴下した。−20℃で45分間撹拌後、反応混合物の半量を別のフラスコに移し、アゼチジン(1.0g、18mmol)を残りの溶液に加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とし、得られた混合物を1:1:0.02ヘキサン/EtOAc/2MアンモニアMeOH溶液を溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(0.54g、97%)を得た。
【0199】
【化38】
【0200】
段階B
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリン
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(段階A、0.54g、0.15mmol)のTHF/MeOH/水(各1mL)溶液に、LiOH・1水和物(0.27g、6.4mmol)を加えた。室温で終夜撹拌後、0.5M硫酸水素カリウムをpH=4となるまで加えることで反応停止した。生成した沈殿を濾取し、それを水およびエーテルで洗浄し、風乾してN−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリン(0.34g、64%)を得た。
【0201】
段階C
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリン(段階B、0.10g、0.28mmol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)−アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.13g、61%)を得た。
【0202】
【化39】
【0203】
段階D
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンメチルエステル(段階C、0.12g、0.17mmol)をLiOH・1水和物(28mg、0.68mmol)を含むアセトニトリル(1mL)および水(0.5mL)に溶かし、室温で3時間撹拌した。ギ酸(96%、0.2mL)で反応停止し、DMSO(1mL)および水(1mL)で希釈した。得られた混合物を逆相分取HPLCカラムに負荷し、アセトニトリルおよび水(0.1%ギ酸含有)で溶離して、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(55mg、47%)を得た。
【0204】
【化40】
【0205】
(実施例23)
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
段階A
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(実施例20段階B)(1.2g、3.3mmol)およびDIPEA(1.4mL、8.3mmol)の脱水CHCl(10mL)溶液に−20℃で、無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.83mL、5.0mmol)を滴下した。−20℃で45分間撹拌後、反応混合物の半量を別のフラスコ(予め−20℃に冷却したもの)に移し、ピロリジン(0.5mL、6.0mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とし、得られた混合物をシリカゲルカラムに負荷し、1:1:0から1:1:0.1ヘキサン/EtOAc/2MアンモニアMeOH溶液で溶離してN−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(74mg、12%)を得た。
【0206】
【化41】
【0207】
段階B
N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリン
実施例22段階Bに記載の手順によって、N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(74mg、0.19mmol)をN−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリンに変換した(35mg、50%)。
【0208】
段階C
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリン(段階B、35mg、0.094mmol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(54mg、79%)を得た。
【0209】
【化42】
【0210】
段階D
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
実施例22段階Dの手順に従って、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(58mg、0.080mmol)をN−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−ピロリジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩(30mg、53%)に変換した。
【0211】
【化43】
【0212】
(実施例24)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・塩酸塩
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
段階Bで3−クロロベンゼンスルホニルクロライドに代えて3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドを用い、実施例20に記載の手順に従って、実施例20段階AからのN−BOC−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(1.4g、5.4mmol)をN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(1.1g、55%)に変換した。
【0213】
【化44】
【0214】
段階B
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
実施例20段階Cに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(段階A、0.26g、0.70mmol)をN−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(0.12g、36%)に変換した。
【0215】
【化45】
【0216】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン
実施例20段階Dに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(0.12g、0.26mmol)をN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン(0.13g、100%)に変換した。
【0217】
【化46】
【0218】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン(段階C、0.13g、0.28mmol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.10g、45%)を得た。
【0219】
【化47】
【0220】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニル−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例20段階Fに記載の手順によって、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニル−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(段階D、0.10g、0.12mmol)をN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(98mg、99%)に変換した。
【0221】
【化48】
【0222】
段階F
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・塩酸塩
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−カルボニルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(83mg、0.10mmol)のサンプルを飽和HClのEtOAc溶液3mLで2時間にわたり室温で処理した。減圧下に濃縮することで、標題化合物を固体として得た(94mg、100%)。
【0223】
【化49】
【0224】
(実施例25)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン
N−[(3−クロロ−ベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルに代えてN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル(実施例24段階Aから)を用い、アゼチジンに代えてシクロプロピルアミンを用いて、実施例22段階Aに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン(0.27g、66%)を製造した。
【0225】
【化50】
【0226】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリン(0.026g、0.068mmol)を4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.020g、40%)を得た。
MS:計算値C313114S741;実測値m/e742(M+H)
【0227】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・トリフルオロ酢酸塩
HPLC溶離液中のギ酸を0.1%TFAに代えて、実施例22段階Dに記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.020g、0.027mmol)をN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロプロピルアミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・トリフルオロ酢酸塩(0.012g)に変換した。
【0228】
【化51】
【0229】
(実施例26)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階AでN−[(3−クロロ−ベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルに代えてN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルを用い、実施例22段階A〜Dに記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを製造した。
【0230】
中間体化合物および標題化合物の特性決定データを以下に示してある。
【0231】
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステル
【0232】
【化52】
【0233】
段階B
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリン
MS:計算値C1518ClS392、実測値:m/e393(M+H)
【0234】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
【0235】
【化53】
【0236】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
【0237】
【化54】
【0238】
(実施例27)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン
段階AでN−BOC−4(S)−ヒドロキシ−プロリン・メチルエステルに代えてN−BOC−4(R)−ヒドロキシプロリン・メチルエステルを用い、段階Bで3−クロロ−ベンゼンスルホニルクロライドに代えて3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドを用いて、実施例20に記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルを製造し、それ(0.50g、1.4mmol)を実施例20段階に記載の手順に従ってLiOHで処理して、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン(0.49g、100%)を加えた。
【0239】
【化55】
【0240】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン(0.080g、0.23mmol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.10g、64%)を得た。
【0241】
【化56】
【0242】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.23g、0.33mmol)を、実施例22段階Fに記載の手順に従ってLiOHと反応させて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(0.10g、44%)を得た。
【0243】
【化57】
【0244】
(実施例28)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−(L)−プロリン
3(S)−メチル−(L)−プロリン(Acros、0.50g、3.9mmol)およびNaCO(0.81g、7.8mmol)の水溶液(水10mL)に0℃で、3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(1.1g、4.5mmol)を加えた。室温で終夜撹拌後、反応混合物を濃HCl(pH=2)で酸性とし、生成物をEtOAcで抽出した(8mLで3回)。有機抽出液を無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮乾固してN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−(L)−プロリンを得た(粗取得物、1.9g)。
【0245】
【化58】
【0246】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−(L)−プロリン(0.080g、0.24mmol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.076g、47%)を得た。
【0247】
【化59】
【0248】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−2−メ チル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例22段階Fに記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(段階B、0.070g、0.10mmol)をLiOHと反応させた。反応混合物をブライン、0.5M硫酸水素ナトリウムおよび酢酸エチルの間で分配した。生成物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メチル−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを得た。
【0249】
【化60】
【0250】
(実施例29)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−ヒドロキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階BでN−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルに代えてN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルを用い、実施例20に記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−ヒドロキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを製造した。中間体化合物および標題化合物の特性決定データを以下に示す。
【0251】
段階A
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−ヒドロキシ−(L)−プロリン
【0252】
【化61】
【0253】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−ヒドロキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
【0254】
【化62】
【0255】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
【0256】
【化63】
【0257】
(実施例30)
N−(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シアノ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
4(R)−シアノ−(L)−プロリン塩酸塩
実施例20段階Gに記載の手順に従って、N−BOC−3(R)−シアノ−(L)−プロリン(RSP、2.0g、8.3mmol)をHClガス/EtOAcで処理して、4(R)−シアノ−(L)−プロリン塩酸塩(1.5g、100%)を得た。
【0258】
段階B
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シアノ−(L)−プロリン
実施例28段階Aに記載の手順に従って、4(R)−シアノ−(L)−プロリン塩酸塩(1.5g、8.5mmol)を3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドおよびNaCO(1.5当量)と反応させて、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−4(R)−シアノ−(L)−プロリン(2.6g、87%)を得た。
【0259】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シアノ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シアノ−(L)−プロリン(段階B、0.080g、0.26mmol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シアノ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.13g、70%)を得た。
【0260】
【化64】
【0261】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シアノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例20段階Fに記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シアノ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.13g、0.18mmol)をLiOHと反応させた。粗反応混合物をブライン、1M HClおよびEtOAcの間で分配した。生成物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シアノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(0.12g、100%)を得た。
【0262】
【化65】
【0263】
(実施例31)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−(L)−プロリン
実施例28段階Aに記載の手順に従って、4(R)−tert−ブトキシ−(L)−プロリン(Bachem、5.0g、27mmol)を3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドおよびNaCOと反応させて、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−(L)−プロリン(9.3g、88%)を得た。
【0264】
【化66】
【0265】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−(L)−プロリン(0.080g、0.20mmol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.11g、71%)を得た。
【0266】
【化67】
【0267】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
THFを共溶媒として加えて、実施例20段階Fに記載の手順に従ってmN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.11g、0.14mmol)をLiOHで処理した。反応混合物をブライン、0.5M硫酸水素ナトリウムおよび酢酸エチルの間で分配した。生成物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−4(R)−tert−ブトキシ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(99mg、95%)を得た。
【0268】
【化68】
【0269】
(実施例32および33)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−アセチル−2−エトキシカルボニル−3−(4−メトキシフェニル)プロリン・エチルエステル
チュンらの報告(Chung et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 270)に記載の手順によって、N−アセチル−2−エトキシカルボニル−3−(4−メトキシフェニル)プロリン・エチルエステル(13g、72%)を4−メトキシシンナムアルデヒド(Lancaster、8.1g、50mmol)およびアセトアミドマロン酸ジエチル(Aldrich、9.9g、45mmol)から製造した。
【0270】
【化69】
【0271】
段階B
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロリン・エチルエステル臭化水素酸塩
N−アセチル−2−エトキシカルボニル−3−(4−メトキシフェニル)プロリン・エチルエステル(10g、27mmol)のHBr水溶液(48%、40mL)およびHOAc(10mL)溶液を、窒素雰囲気下にて120℃で終夜加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をアセトニトリル(2回)およびEtO/トルエン(1回)と共沸させて、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロリン・エチルエステル臭化水素酸塩をジアステレオマーの混合物として得た。
【0272】
MS:計算値C1113NO207、実測値:m/e208(M+H)
【0273】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロリン
実施例28段階Aに記載の手順に従って、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロリン・エチルエステル臭化水素酸塩(段階B、3.3g、11mmol)を3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドおよびNaCO(1.5当量)と反応させて、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−(L)−プロリン(3.7g、79%)を得た。
【0274】
MS:計算値C1715ClNOS415、実測値:m/e416(M+H)
【0275】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−(L)−プロリン(0.4g、0.96mol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルを得た。4種類の可能な異性体を部分的に2つの成分に分離し、それらをさらに逆相HPLCによって精製した。各成分は、NMRによって2種類の異性体の約1:1混合物であることが明らかになった。
【0276】
MS:計算値C3328ClO7S764、実測値:m/e765(M+H)
【0277】
先に溶出した成分
【0278】
【化70】
【0279】
後で溶出した成分
【0280】
【化71】
【0281】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルの段階Dからの2つの成分のそれぞれを別個に、実施例20段階Fに記載の手順に従ってLiOHで処理した。反応混合物をブライン、1M HClおよびEtOAcの間で分配した。生成物をEtOAcで抽出し(3回)、抽出液を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを各成分ジアステレオマーの1:1混合物として得た。
【0282】
段階Dの先に溶出する成分からの異性体
【0283】
【化72】
【0284】
段階Dの後で溶出する成分からの異性体
【0285】
【化73】
【0286】
(実施例34および35)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−アセチル−2−エトキシカルボニル−3,3−ジメチルプロリン・エチルエステル
チュンらの報告(Chung et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 270)に記載の手順によって、N−アセチル−2−エトキシカルボニル−3,3−ジメチルプロリン・エチルエステル(6.4g、38%)を3−メチル−2−ブテナール(Aldrich、5.0g、59mmol)およびアセトアミドマロン酸ジエチル(Aldrich、12g、54mmol)から製造した。
【0287】
【化74】
【0288】
段階B
3,3−ジメチルプロリン・エチルエステル臭化水素酸塩
N−アセチル−2−エトキシカルボニル−3−(4−メトキシフェニル)プロリン・エチルエステル(6.4g、22mmol)のHBr水溶液(48%、35mL)およびHOAc(5mL)溶液を窒素下に120℃で65時間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をAcCN(2回)およびEtO/トルエン(1回)と恐共沸させて、3,3−ジメチルプロリン・エチルエステル臭化水素酸塩(48g、96%)を得た。
【0289】
MS:計算値C13NO143、実測値:m/e144(M+H)
【0290】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリン
実施例28段階Aに記載の手順に従って、3,3−ジメチルプロリン・エチルエステル臭化水素酸塩(2.4g、11mmol)を3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドおよびNaCO(1.5当量)と反応させて、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリンを得た(2.9g、76%)。
【0291】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順によって、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリン(0.080g、0.23mol)を4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルにカップリングさせて、N−(N−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルを異性体の1:1混合物として得た(0.13g、80%)。
【0292】
【化75】
【0293】
上記で得られたジアステレオマー混合物の一部を、15%エタノール/ヘキサンを溶離液とするキラルセル(Chiralcel)ODカラムで2つの純粋な異性体に分離した。
【0294】
先に溶出した異性体
【0295】
【化76】
【0296】
後で溶出した異性体
【0297】
【化77】
【0298】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルの段階Dからの異性体のそれぞれを別個に、実施例20段階Fに記載の手順に従ってLiOHで処理した。反応混合物をブライン、1M HClおよびEtOAcの間で分配した。生成物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを得た。
【0299】
段階Dの先に溶出する成分からの異性体
【0300】
【化78】
【0301】
段階Dの後で溶出する成分からの異性体
【0302】
【化79】
【0303】
(実施例36)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例2からのN−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ)−(L)−フェニルアラニン(0.050g、0.074mmol)のEtOAc(0.25mL)溶液に、溶液が生成するまでDMFを滴下した。mCPBA(100mg)を加え、反応液を50℃で18時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、AcCN/水70:30に溶かし、分取HPLCによって精製して、N−(N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−((3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ)−(L)−フェニルアラニンを白色固体として得た(0.041g、0.059mmol、80%)。
【0304】
【化80】
【0305】
段階Bで適切なアリールスルホニルクロライドに代え、実施例9に記載の手順に従って下記の化合物を製造した。
【0306】
【表6】
【0307】
(実施例50)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−ヒドロキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1からのN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(113mg、0.164mmol)を、実施例36に記載の手順に従ってmCPBAで処理して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(66mg、57%)を得た。
【0308】
【化81】
【0309】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アセトキシ−3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(24mg、0.0341mmol)の無水酢酸(0.5mL)溶液を100℃で3時間加熱した。冷却して室温とした後、反応混合物をEtOAc(25mL)で希釈し、飽和NHCI溶液(10mL)で洗浄し、EtOAcで抽出した(1回)。合わせた抽出液をブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して明黄色油状物182mgを得た。生成物を、15分間にわたり流量10mL/分の30%から95%AcCN/水(0.1%TFA)を溶離液とする分取HPLCによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アセトキシ−3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(20mg)を白色固体として得た。
【0310】
【化82】
【0311】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−ヒドロキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アセトキシ−3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(15mg、0.0201mmol)のMeOH(0.5mL)溶液に、1M KOH(0.060mL)を加えた。反応混合物を終夜にて室温で撹拌した。TFA(1滴)を加えることで反応停止した。生成物を、15分間にわたり流量10mL/分での30%から90%AcCN/水(0.1%TFA)を溶離液とする分取HPLCによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−ヒドロキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(9mg)を白色固体として得た。
【0312】
【化83】
【0313】
(実施例51)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン、メチルエステル
実施例50段階AからのN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(40mg、0.0577mmol)のMeOH(0.5mL)溶液を氷冷し、それに塩化アセチル(0.005mL、0.075mmol)およびTEA(0.016mL、0.115mmol)を加えた。クロルギ酸エチル(0.016mL、0.150mmol)およびTEA(0.016mL、0.115mmol)を加え、反応混合物を終夜撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残留物を、15分間かけて流量10mL/分で30%から90%AcCN/水(0.1%TFA)を溶離液とする分取HPLCによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(15mg、36%)を白色固体として得た。
【0314】
【化84】
【0315】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(15mg)を、実施例50段階Cに記載の手順に従ってMeOH性KOHで処理した。生成物を、15分間かけて流量10mL/分で30%から90%AcCN/水(0.1%TFA)を溶離液とする分取HPLCによって精製してN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−2′−メトキシ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(12mg、収率82%)を白色固体として得た。
【0316】
【化85】
【0317】
(実施例52)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アミノ−3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アミノ−3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例50段階AからのN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(40mg、0.0568mmol)のCHCl(1mL)溶液に0℃で、TsCl(12mg、0.0624mmol)を加えた。反応液を20分間撹拌した。10%NHOH溶液(1mL)を加え、氷浴を外した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、減圧下に濃縮して、粗生成物混合物44mgを得た。それを、15分間かけて流量10mL/分で30%から90%AcCN/水(0.1%TFA)を溶離液とする分取HPLCによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アミノ−3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(4.7mg、収率12%)を得た。
【0318】
【化86】
【0319】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アミノ−3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アミノ−3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(4.7mg)を、実施例50段階Cに記載の手順に従ってMeOH性NaOHで処理した。生成物を、15分間かけて流量10mL/分で30%から90%AcCN/水(0.1%TFA)を溶離液とする分取HPLCによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(2′−アミノ−3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(3mg、収率63%)を得た。
【0320】
【化87】
【0321】
(実施例53)
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(3−クロロベンゼン)スルホニル−3,3−ジメチルプロリン
3,3−ジメチルプロリン臭化水素酸塩(0.050g、0.223mmol)の水溶液(水0.25mL)に、3−クロロベンゼンスルホニルクロライド(0.061g、0.291mmol)およびNaCO(0.060g、0.558mmol)を加えた。室温で5時間撹拌後、反応液をEtOAc(1mL)で洗浄し、その有機層を廃棄した。水層を2N HCl(5mL)で希釈し、生成物をEtOAc(5mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液(5mL)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−(3−クロロベンゼン)スルホニル−3,3−ジメチルプロリンを白色泡状物として得た。
【0322】
【化88】
【0323】
段階B
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順に従って、PyBOP(0.061g、0.117mmol)およびDIPEA(0.055mL、0.292mmol)の存在下にCHCl(0.3mL)中にて、N−(3−クロロベンゼン)スルホニル−3,3−ジメチルプロリン(0.031g、0.098mmol)を4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩(0.048g、0.107mmol)にカップリングさせて、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルを得た。それを精製せずに次の反応で用いた。
【0324】
段階C
N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階BからのN−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルをMeOH(0.3mL)に溶かし、1N NaOH(0.2mL)で処理した。室温で3時間撹拌後、反応液をTFAで酸性とし、減圧下に濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、N−(N−[(3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチルプロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを白色固体として得た。
MSm/e688.2(M)。
【0325】
(実施例54)
N−(N−[3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(BOC)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)−アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
N−(BOC)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(参考例2、0.3g、0.64mmol)およびmCPBA(0.22g、1.28mmol)をCHClに溶かした。反応混合物を室温で終夜撹拌した。TLCで原料が残っていることが示されたことから、追加のmCPBA(0.22g、1.28mmol)を加えた。反応液を45℃で2時間加熱した。溶液を減圧下に濃縮し、残留物を90%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(BOC)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル−N−オキサイド)−アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.34g)を得た。
【0326】
MSm/e428.0(質量スペクトラムは、親イオンピークとして、所望の生成物からBOCの質量を引いたものを示している)。
【0327】
段階B
4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)−アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩
N−(BOC)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)−アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.7mmol)をEtOAcに溶かした。HClガスを反応混合物に数分間吹き込んだ。得られた溶液を室温で15分間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して、4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)−アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩(0.25g)を得た。
【0328】
段階C
N−(N−[3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例1に記載の手順に従って、PyBOP(0.069g、0.132mmol)およびDIPEA(0.06mL、0.33mmol)の存在下にCHCl(1mL)中にて、4−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)−アミノ−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.48g、0.125mmol)および実施例53段階AからのN−(3−クロロベンゼン)スルホニル−3,3−ジメチル−プロリン(0.036g、0.11mmol)をカップリングさせて、分取HPLCによる精製後に、N−(N−[3−クロロ−ベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)−アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルを得た。
【0329】
段階D
N−(N−[3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4 −[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルをMeOH(0.5mL)に溶かし、1N NaOH(約1mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応液をTFAで酸性とし、分取HPLCによって精製して、N−(N−[3−クロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル−N−オキサイド)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(0.035g)を得た。
【0330】
MSm/e671.1。
【0331】
(実施例55)
N−(N−[3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−3−(6−(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)−アラニン
段階A
2−[(N−ジフェニルメチレン)アミノ]−3−(4−ブロモ−3−ピリジニル)プロパン酸エチルエステル
N−(ジフェニルメチレン)グリシンエチルエステル(4.30g、16.11mmol)のTHF(25mL)溶液に−78℃で、リチウムジイソプロピルアミドの2.0M THF溶液(8.0mL、16.0mmol)を滴下した。−78℃で30分間撹拌後、2−ブロモ−5−ブロモメチル−ピリジンのTHF(10mL)溶液を加え、反応液を昇温させて室温とした。1時間後、反応液をEtOAc(50mL)で希釈し、水(50mL)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して黄色油状物を得た。油状物を、ヘキサン/EtOAc(10:1)を溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−[(N−ジフェニルメチレン)アミノ]−3−(4−ブロモ−3−ピリジニル)プロパン酸エチルエステルを淡黄色油状物として得た。
【0332】
段階B
3−(6−[3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−3−ピリジニル)−2−[(N−ジフェニルメチレン)アミノ]プロパン酸エチルエステル
2−[(N−ジフェニルメチレン)アミノ]−3−(4−ブロモ−3−ピリジニル)プロパン酸エチルエステル(2.00g、4.57mmol)、3,5−ジクロロピリジン−4−カルボキサミド(0.96g、5.03mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.083g、0.091mmol)、CsCO(2.00g、6.40mmol)および9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)キサンテン(0.16g、0.27mmol)のTHF(10mL)溶液を、窒素下に75℃で加熱した。16時間後、反応液を冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水MgSOで脱水した。溶媒を減圧下に除去し、次にヘキサン/EtOAc(10:1)を溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製を行って、3−(6−[3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)−アミノ]−3−ピリジニル)−2−[(N−ジフェニルメチレン)アミノ]プロパン酸エチルエステルを無色油状物(2g)として得た。
MSm/e574.2(M)。
【0333】
段階C
3−(6−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)アラニン・エチルエステル
3−(6−[3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−3−ピリジニル)−2−[(N−ジフェニルメチレン)アミノ]プロパン酸エチルエステルのTHF(10mL)および水(5mL)溶液に、氷HOAc(5mL)を加えた。3時間後、反応液を2N HCl(25mL)で希釈し、EtOAcで抽出し(25mLで2回)、有機層を廃棄した。水層を1N NaOHで塩基性とし(pH=12)、生成物をEtOAcで抽出した(25mLで3回)。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して3−(6−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)−アラニン・エチルエステルを白色泡状物として得た。MSm/e383.1(M+)。
【0334】
【化89】
【0335】
段階D
N−(N−[3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−3−(6−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)−アラニン・エチルエステル
実施例1に記載の手順に従って、PyBOP(0.036g、0.085mmol)およびDIEA(0.020mL、0.106mmol)存在下にCHCl(0.25mL)中にて、3−(6−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)−アラニン・エチルエステル(0.027g、0.071mmol)および(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル−3,3−ジメチルプロリン(0.025g、0.071mmol)をカップリングさせた。粗生成物を分取HPLCによって精製して、N−(N−[3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−3−(6−(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)−アラニン・エチルエステルを油状物として得た。
【0336】
段階E
N−(N−[3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチルプロリル)−3−(6−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)−アラニン
N−(N−[3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチル−プロリル)−3−(6−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)−アラニン・エチルエステルをMeOH(1.0mL)に溶かし、1N NaOH(0.2mL)で処理した。室温で18時間撹拌後、反応液をTFAで酸性とした。溶媒を減圧下に除去し、残留物を分取HPLCによって精製して、N−(N−[3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジメチルプロリル)−3−(6−(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ−3−ピリジル)−アラニンを白色固体として得た。MSm/e688.2(M)。
【0337】
(実施例56)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(BOC)−4(R)−(1−アゼチジニルプロリン・メチルエステル
N−[(3−クロロ−ベンゼン)スルホニル]−4(S)−ヒドロキシ−2−メチル−(L)−プロリン・メチルエステルに代えてN−(BOC)−4(S)−ヒドロキシ−(L)−プロリン・メチルエステル(Bachem、2.5g、10mmol)を用い、実施例22段階Aに記載の手順に従って、N−(BOC)−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリン・メチルエステルを製造した。生成物はH−NMRによって回転異性体の混合物であり、それを次の段階で用いた。
【0338】
段階B
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリン・メチルエステル
N−(BOC)−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリン・メチルエステルを、室温で2時間にわたりHCl(ガス)のジオキサン溶液(Aldrich、4M、80mL)で処理した。反応混合物を減圧下に濃縮して乾固させ、残留物をEtO/ヘプタンと共沸させた。粗生成物を0℃でCHCl(10mL)およびTHF(10mL)に溶かし、4−DMAP(61mg、0.50mmol)、DIPEA(3.5mL、20mmol)および3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(1.8g、7.5mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とし、得られた混合物を減圧下に濃縮して乾固させた。残留物を、1:1ヘキサン/EtOAcから1:1:0.01ヘキサン/EtOAc/2M NHのMeOH溶液を溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリン・メチルエステル(2.5g)を得た。
【0339】
【化90】
【0340】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリン
実施例20段階Dに記載の手順によって、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリンをN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリン・メチルエステルから製造した。
【0341】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
PyBOPおよびDIPEA存在下に、実施例1に記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリンを4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩にカップリングさせた。
【0342】
【化91】
【0343】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・ギ酸塩
実施例20段階Fに従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルをLiOHで処理して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−4(R)−(1−アゼチジニル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを得た。
【0344】
【化92】
【0345】
(実施例57)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−ヨードフェニル)−(L)−プロリン
3(R)−フェニル−ピロリジン−2(S)−カルボン酸(Acros、0.50g、2.6mmol)、ヨウ素(0.27g、1.0mmol)、ヨウ素酸ナトリウム(0.10g、0.52mmol)および濃HSO(95%、0.32mL、5.7mmol)のHOAc(5mL)中混合物を、70℃で終夜加熱した。冷却して室温とした後、反応混合物を水(1mL)で希釈し、減圧下に濃縮乾固し、残留物をヘプタンと共沸させた(2回)。残留物を希NaCO水溶液(1.1g、10.4mmol、水30mL中)に懸濁させ、3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(0.96g、3.9mmol)を加えた。室温で終夜撹拌後、反応混合物をブライン/2M HCl/EtOAcに投入し、生成物をEtOAcで抽出した(50mLで2回)。有機抽出液を無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮乾固してN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−ヨードフェニル)−(L)−プロリンを得た。それをそのまま次の反応に用いた。
【0346】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−ヨードフェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ] −(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
PyBOPおよびDIPEA存在下に、実施例1に記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−ヨードフェニル)−(L)−プロリンを4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩にカップリングさせた。
【0347】
MS:計算値C3327ClINS874、実測値:m/e875(M+H)
【0348】
段階C
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−メトキシカルボニル−フェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−ヨードフェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.79g、0.90mmol)のDMF(5mL)溶液に、酢酸パラジウム(6.0mg、0.027mmol)および1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(22mg、0.041mmol)を加えた。一酸化酸素気流を反応液に5分間吹き込み、MeOH(0.73mL、18mmol)およびTEA(0.25mL、18mmol)を加え、得られた混合物に一酸化炭素風船を取り付け、60℃で18時間加熱した。反応混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮し、残留物を1:1ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−メトキシカルボニルフェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルを少量の原料とともに得た(0.77g)。
MS:計算値C3530ClS806、実測値:m/e807(M+H)
【0349】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例20段階Fに記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(4−メトキシカルボニル−フェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(0.77g)をLiOHで処理した。粗生成物を分取HPLC(YM−PacK ProC18カラム、150×2mm、12分間かけて50%から0%への0.1%ギ酸水溶液/アセトニトリル勾配で溶離;流量=20mL/分)によって精製した。NMRおよびLC−MSにより、分取HPLCで最も速く移動する成分が、所望の生成物N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−3(R)−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(0.18g)と確認された。
【0350】
【化93】
【0351】
2番目に溶出した化合物は、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−3(R)−フェニル−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(0.11g)であった。
【0352】
【化94】
【0353】
最後に溶出した化合物は、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−3(R)−(4−ヨードフェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(0.042g)であった。
【0354】
【化95】
【0355】
(実施例58)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−トリチル−3(S)−ヒドロキシ−(L)−プロリン・ベンジルエステル
ディーン−スターク装置を用いて水を除去しながら、トランス−3−ヒドロキシ−(L)−プロリン(Acros、5.0g、38mmol)、ベンジルアルコール(8.0mL、76mmol)およびpTSA(7.4g、38mmol)のベンゼン(30mL)中混合物を終夜還流した。反応混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮して乾固させた。残留物をCHCl(50mL)に溶かし、TEA(32mL、0.23mol)およびクロロトリメチルシラン(19mL、0.15mol)を加えた。溶液を70℃で1時間加熱後、反応混合物を冷却して0℃とし、MeOH(3.1mL、76mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、トリチルクロライド(16g、57mmol)のCHCl(50mL)溶液と次にTEA(8.0mL、57mmol)を加えた。室温で3日間撹拌後、反応混合物をEtOAc150mLで希釈し、沈殿をセライト濾過によって除去した。濾液を減圧下に濃縮乾固し、残留物をMeOH(100mL)中KCO(2.2g)とともに室温で5時間撹拌した。反応混合物をTHF(100mL)で希釈し、KF(8.8g)の水溶液(水40mL)を加えた。室温で終夜撹拌後、反応混合物を冷却して0℃とし、EtOAc(100mL)で希釈し、0.5M重硫酸ナトリウム水溶液を注意深く加えることで中和した。反応混合物を水とEtOAcに分配し、生成物をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮乾固した。残留物を、4:1から1:4ヘキサン/EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−トリチル−3(S)−ヒドロキシ−(L)−プロリン・ベンジルエステル(8.8g、49%)を得た。
【0356】
【化96】
【0357】
段階B
N−トリチル−3−ケト−(L)−プロリン・ベンジルエステル
N−トリチル−3−ヒドロキシ−(L)−プロリン・ベンジルエステル(8.8g、19mmol)のCHCl(50mL)溶液に、4−メチルモルホリンN−オキサイド(4.5g、38mmol)および3Åモレキュラーシーブス(3g)を加えた。室温で15分間撹拌後、反応混合物を冷却して0℃とし、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(1.0g、2.8mmol)を加えた。室温で15分間撹拌後、反応混合物をシリカゲル層で濾過し、濾液を減圧下に濃縮して乾固させた。残留物をEtO(100mL)に溶かし、シリカゲル層で濾過した。濾液を減圧下に濃縮乾固して、N−トリチル−3−ケト−(L)−プロリン・ベンジルエステル(6.5g、74%)を得た。
【0358】
【化97】
【0359】
段階C
N−トリチル−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,4−デヒドロ−(L)−プロリン・ベンジルエステル
N−トリチル−3−ケト−(L)−プロリン・ベンジルエステル(6.5g、14mmol)のTHF(30mL)溶液に−78℃で、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0M THF溶液14mL、14mmol)を加えた。−78℃で45分間撹拌後、N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(6.5g、18mmol)のTHF(20mL)溶液を加え、反応液を5時間かけて昇温させて−10℃とした。反応液を飽和NHCl溶液(50mL)で反応停止し、生成物をEtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた抽出液を無水NaSOで脱水し、減圧下に濃縮乾固した。残留物を、20:1ヘキサン/EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−トリチル−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,4−デヒドロ−(L)−プロリン・ベンジルエステル(0.99g、12%)を得た。
【0360】
【化98】
【0361】
段階D
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−メトキシカルボニルフェニル)−(L)−プロリン
N−トリチル−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,4−デヒドロ−(L)−プロリン・ベンジルエステル(0.76g、1.3mmol)のジメトキシエタン(15mL)溶液に、4−カルボキシフェニルボロン酸(0.42g、2.6mmol)、LiCl(0.27g、6.4mmol)、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.15g、0.13mmol)およびNaCO水溶液(2M、5.3mL、11mmol)を加えた。80℃で終夜撹拌後、反応混合物を冷却して室温とし、pH=4となるまで重硫酸ナトリウム水溶液を加えた。反応混合物をCHCl(20mL)で希釈し、TLCでカルボン酸中間体が完全に消費されたことが示されるまでトリメチルシリルジアゾメタン(2Mヘキサン溶液)で処理した。得られた混合物を水とEtOAcとの間で分配し、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮乾固した。残留物を10:1ヘキサン/EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−トリチル−3−(4−メトキシカルボニルフェニル)−3,4−デヒドロ−(L)−プロリン・ベンジルエステル(0.30g)を得た。それをそのまま次の反応で用いた。
【0362】
そうして、N−トリチル−3−(4−メトキシカルボニルフェニル)−3,4−デヒドロ−(L)−プロリン・ベンジルエステル(0.30g)のMeOH(5mL)溶液に、水酸化パラジウム/炭素(10%、0.10g)を加え、得られた混合物を水素を充填した風船下に室温で終夜水素化した。得られた混合物を減圧下に濃縮乾固し、残留物をNaCO水溶液(0.13g、水10mL中)に懸濁させ、それをセライト濾過し、セライトケーキを追加の水10mLで洗浄した。合わせた濾液に3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(1.2g、0.73mL)を加え、反応液を室温で終夜撹拌した。得られた混合物をEtO(15mL)で洗浄し、2M HClで酸性とした。生成物をEtOAcで抽出し(15mLで2回)、合わせた抽出液を無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮乾固してN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−メトキシカルボニルフェニル)−(L)−プロリン(80mg)を得た。
【0363】
【化99】
【0364】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−メトキシカルボニル−フェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−メトキシ−カルボニルフェニル)−(L)−プロリン(80mg)および塩化チオニル(0.5mL)のCHCl(1mL)中混合物を、40℃で3時間加熱した。冷却して室温とした後、反応混合物をトルエン(5mL)で希釈し、減圧下に濃縮して乾固させた。その残留物に3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩(75mg、0.17mmol)およびTEA(0.061mL、0.43mmol)のCHCl(1mL)中混合物を0℃で加えた。0℃で1時間および室温で1時間撹拌後、反応混合物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーに負荷し、1:1ヘキサン/酢酸エチルで溶離して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−メトキシ−カルボニルフェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(30mg)を得た。
【0365】
【化100】
【0366】
段階F
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例20段階Fに記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−メトキシカルボニル−フェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(30mg)をLiOHで処理して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(4−カルボキシ−フェニル)−(L)−プロリル)−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを得た。
【0367】
【化101】
【0368】
(実施例59)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
4−ヒドロキシ−(L)−プロリン・メチルエステル塩酸塩
4−ヒドロキシ−(L)−プロリン33.0g(0.25mol)およびMeOH 200mLの溶液に、塩化チオニル20mL(0.27mol)を加えた。反応液を16時間加熱還流し、冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。EtOでの磨砕によって、4−ヒドロキシ−(L)−プロリン・メチルエステル塩酸塩44g(97%)を白色固体として得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0369】
【化102】
【0370】
段階B
N−トリチル−4−ヒドロキシ−(L)−プロリン・メチルエステル
4−ヒドロキシ−(L)−プロリン・メチルエステル塩酸塩10g(55mmol)のCHCl(150mL)溶液に、TEA21mL(276mmol)と次にTMSCl 21mL(166mmol)を加えた。反応混合物を1時間還流し、冷却して0℃とし、MeOH4.5mL(110mmol)で処理した。反応液を昇温させて室温とし、1時間撹拌した。トリチルクロライド18.5g(66mmol)およびTEA 11mL(77mmol)のCHCl(30mL)溶液を加え、反応液を18時間撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、EtOAcで希釈し、セライト濾過し、濃縮して淡黄色油状物30andgを得た。
【0371】
その残留物のMeOH溶液にKCO(5g)を加え、得られたスラリー、TLCによる判定で完結するまで室温で撹拌した。反応液を減圧下に濃縮してMeOHを除去し、再度EtOAcに溶かし、ブラインで洗浄し(3回)、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して淡黄色油状物25gを得た。それはゆっくり結晶化した。その粗残留物をそれ以上精製せずに用いた。
【0372】
【化103】
【0373】
段階C
N−(L)−トリチル−4−オキソプロリン・メチルエステル
N−トリチル−4−ヒドロキシ−(L)−プロリン・メチルエステル5g(12.9mmol)、NMO2.3g(19.3mmol)、粉末3Åモレキュラーシーブス5gおよびCHCl100mLの混合物に0℃で、TPAP(約0.3g)を加えた。混合物を0℃で45分間、室温で1時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物をEtOに溶かし、シリカゲル層で濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、2:1ヘキサン:EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(L)−トリチル−4−オキソプロリン・メチルエステル3.5g(70%)を白色固体として得た。
【0374】
【化104】
【0375】
段階D
N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ−(L)−プロリン・メチルエステル
N−(L)−トリチル−4−オキソプロリン・メチルエステル5.5g(14.2mmol)のTHF(60mL)溶液に−78℃で、ナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(17.1mL)の1Mヘキサン溶液を20分間かけて滴下した。−78℃で1時間後、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンアミド6.6g(18.5mmol)のTHF(15mL)溶液を加えた。溶液を−78℃で2.5時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液で反応停止し、昇温させて室温とした。反応液をEtOで希釈し、分液を行った。水層をEtOで抽出し(3回)、合わせた有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、3:1ヘキサン:EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−[[(トリフルオロメチル)−スルホニル]オキシ]−(L)−プロリン・メチルエステル5.9gを白色泡状物として得た。
【0376】
【化105】
【0377】
段階E
N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル
N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]−(L)−プロリン・メチルエステル1.5g(2.9mmol)およびLiCl 0.62g(14.5mmol)のDME(20mL)溶液に、p−カルボキシフェニルボロン酸0.96g(5.8mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.33g(0.29mmol)および2M NaCO溶液6.0mLを加えた。反応液を昇温させて80℃として10時間経過させ、冷却した。混合物をEtOAcおよびブラインで希釈し、分液を行った。有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して淡黄色固体を得た。残留物を、3:1ヘキサン:EtO、3:1EtO:ヘキサン、100%EtO、100%EtOAc、10%MeOH/EtOAcの段階的勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−(4−[カルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル0.90gを淡黄色泡状物として得た。
【0378】
【化106】
【0379】
段階F
N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリンメチルエステル
N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル0.80g(1.64mmol)のCHCl溶液に、N,N′−ジイソプロピル−O−tert−ブチルイソ尿素(0.5mL)を加えた。12時間撹拌後、追加のN,N′−ジイソプロピル−O−tert−ブチルイソ尿素0.5mLを加え、反応液を室温でさらに48時間撹拌した。混合物をEtOで希釈し、シリカゲル層で濾過し、減圧下に濃縮した。残留物3:1ヘキサン:EtOを溶離液とするをシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリンメチルエステル0.30gをH−NMR分析で若干不純物を含んだ無色泡状物として得た。
【0380】
【化107】
【0381】
段階G
4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル
TLC分析による判定でトリチル脱離が完結するまで、N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル、10%Pd/CおよびEtOHの混合物を1気圧のH下に撹拌した。反応液をセライト層で濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を3:1ヘキサン:EtO、3:1EtO:ヘキサン、100%EtO、100%EtOAc、10%MeOH/EtOAcの段階的勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステルをほぼ無色油状物として得た。
【0382】
【化108】
【0383】
段階H
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル
4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシ−フェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル40mg(0.123mmol)および3,5−ジクロロベンゼン−スルホニルクロライド46mg(0.26mmol)のCHCl(3mL)溶液に、DIPEA0.07mL(0.39mmol)を加えた。室温で15時間撹拌後、トリアミン(Triamine)−3除去樹脂(Silicycle)を加え、さらに2時間撹拌を続けた。反応液を濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を3:1ヘキサン:EtO、3:1EtO:ヘキサン、100%EtOの段階的勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル(50mg)を得た。
【0384】
段階I
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン
実施例20段階Dに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン・メチルエステル(50mg、0.097mmol)を1M LiOHのTHF溶液で処理して、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン(47mg)を得た。
【0385】
段階J
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシ−フェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソ ニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル
実施例8段階Dに記載の手順に従って、HATU(44mg、1.2mmol)、HOAt(20mg、0.15mmol)およびDIPEA(31mg、0.24mmol)の存在下に、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリン(47mg、0.1mmol)を3,5−(ジクロロイソニコチノイル)アミノ−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル塩酸塩(51mg(0.13mmol)にカップリングさせた。粗生成物を3:1ヘキサン:EtO、3:1EtO:ヘキサン、100%EtO、100%EtOAcの段階的勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(約100mg)を無色油状物として得た。
【0386】
段階K
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシ−フェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(100mg)のTHF(3mL)溶液に0℃で、1M LiOH 3mLを加えた。反応液を0℃で2時間撹拌し、昇温させて室温とし、EtOAcで希釈し、pHが約4となるまで2M HClで酸性とした。分液を行い、水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−(N−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(70mg)を無色泡状物として得た。
HPLC:MS835.1(M+H)。
【0387】
段階L
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−tert−ブチルカルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(70mg)のCHCl(2mL)溶液に0℃で、TFA2mLを加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し、昇温させて室温とした。逆相HPLCによる判定で反応が完了した時点で、反応液を減圧下に濃縮した。EtOでの磨砕によって、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−カルボキシフェニル)−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンをオフホワイト固体として得た。
HPLC:MS779.1(M+H)。
【0388】
(実施例60)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブチルオキシカルボキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−カルボキシ−(L)−プロリン・メチルエステル
実施例59段階DからのN−トリチル−3,4−デヒドロ−4−[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]−(L)−プロリン・メチルエステル(1.5g、2.9mmol)、KOAc(1.1g、11.6mmol)、PhP(0.15g、0.58mmol)およびPd(OAc)(0.06g、0.29mmol)のDMF(20mL)中混合物に、無水COガスを25分間吹き込んだ。CO風船下に18時間にわたり、反応液を50℃で加熱した。反応液を冷却し、EtOAc、ブラインで希釈し、分液を行った。水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(5回)、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を3:1ヘキサン:EtO、3:1EtO:ヘキサン、100%EtO、100%EtOAc、10%MeOH/EtOAcの段階的勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−カルボキシ−(L)−プロリン・メチルエステル(0.60g)を得た。
【0389】
【化109】
【0390】
段階B
N−(N−(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブチルオキシカルボキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例59段階F〜Kに記載の手順によって、N−トリチル−3,4−デヒドロ−4−カルボキシ−(L)−プロリン・メチルエステル(450mg、1.1mmol)をN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−tert−ブチル−カルボキシ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンに変換した。生成物を白色固体として単離した。
HPLC:MS759.7(M+H)。
【0391】
(実施例61)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−BOC−3,4−デヒドロ−4−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル
N−BOC−3,4−デヒドロ−4−(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]−(L)−プロリン・メチルエステル(W. Lubell et al., Tet. Lett. (1998), 39(12), 1595-8)600mg(1.6mmol)、LiCl336mg(8.0mmol)のDME(20mL)溶液に、フェニルボロン酸390mg(3.2mmol)、Pd(PhP)184mg(0.16mmol)および2M NaCO溶液5.0mLを加えた。反応液を昇温させて80℃として8時間経過させ、冷却した。混合物をEtOAcおよびブラインで希釈し、分液を行った。水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をMgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を1:1ヘキサン:EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−BOC−3,4−デヒドロ−4−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステルを淡黄色油状物として得た。それは結晶化した。
【0392】
段階B
N−BOC−4(R)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル
N−BOC−3,4−デヒドロ−4−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル260mg(0.86mmol)、10%Pd/CおよびEtOHの混合物を1気圧のH下に24時間撹拌した。反応液をセライト層で濾過し、減圧下に濃縮した。粗生成物を、それ以上精製せずに次の反応で用いた。
【0393】
【化110】
【0394】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル
N−BOC−4(R)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル62mgのCHCl(2mL)溶液に0℃で、TFA2mLを加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し、昇温させて室温とした。TLC分析による評価で反応が完結した時点で、反応液を減圧下に濃縮した。その粗残留物のCHCl(4mL)溶液に0℃で、DIPEA0.18mL(1mmol)と次に3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニルクロライド72mg(0.41mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とした。16時間後、反応液をEtOAcで希釈し、1M HCl(3回)、ブライン(1回)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮してN−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−4(R)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステルを淡黄色油状物として得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0395】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例59段階I〜Kに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル(0.20mmol)を反応させて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−フェニル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを白色固体として得た。
HPLC:MS735.2(M+H)。
【0396】
(実施例62)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−ピリジル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階Aでフェニルボロン酸に代えて4−ピリジルボロン酸を用い、実施例61段階A〜Dに記載の手順に従って、実施例61段階AからのN−BOC−3,4−デヒドロ−4−[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]−(L)−プロリン・メチルエステル(440mg、1.2mmol)を反応させて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−(4−ピリジル)−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを得た。
HPLC:MS736.1(M+H)。
【0397】
(実施例63)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリン・tert−ブチルエステル
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−2−メチル−3(R)−カルボキシ−(L)−プロリン・tert−ブチルエステル(実施例16段階Eで製造したメチルエステルのLiOH加水分解から得たもの)1.0g(2.6mmol)およびTEA1.4mL(10.3mmol)のTHF(10mL)溶液に0℃で、ClCOEt0.74mL(7.7mmol)を加えた。反応混合物を昇温させて室温とし、さらに0.5時間撹拌し、再度冷却して0℃とし、NaN0.84g(12.9mmol)の水溶液で処理した。反応液を75分間かけて昇温させて室温とし、EtOAcおよびブラインで希釈した。分液を行い、水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して油状物を得た。それは結晶化した。
【0398】
その粗残留物のトルエン(10mL)溶液に、アリルアルコール(10mL)を加え、反応液を終夜加熱還流した。16時間後、反応液を減圧下に濃縮して、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリン・tert−ブチルエステルを淡黄色油状物として得た。それは結晶化した。得られた粗残留物を、それ以上精製せずに用いた。
【0399】
【化111】
【0400】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−3(R)−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリン・tert−ブチルエステル515mg(1.1mmol)のCHCl(5mL)溶液に0℃で、TFA5mLを加えた。反応を0℃で1時間撹拌し、昇温させて室温とした。TLC分析による判定で反応が完結した時点で、反応液を減圧下に濃縮した。粗酸を実施例59段階JおよびKに記載の手順に従って反応させて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(アリルオキシカルボニルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを明黄褐色固体として得た。
HPLC:MS772.1(M+H)。
【0401】
(実施例64)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−アミノ−2−メ チル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例63段階BからのN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−3(R)−(アリルオキシカルボニル−アミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステル(最終LiOH加水分解の前)650mg(0.83mmol)およびPd(PhP)(約20mg)のTHF(5mL)溶液に、PhSiH0.20mL(1.6mmol)を加えた。約90分間撹拌後、水0.20mLを加え、反応液を減圧下に濃縮してN−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−3(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルを得た。それをそれ以上精製せずに次の反応で用いた。
【0402】
実施例20段階Fに記載の手順に従って、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・メチルエステルをTHF中1M LiOHで加水分解して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを得た。
HPLC:MS688.1(M+H)。
【0403】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−3(R)−アミノ−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン100mg(0.15mmol)のCHCN(1mL)溶液に、HCHO水溶液(37%HO溶液)1mLと次にNaBH(OAc)154mg(0.73mmol)を加えた。混合物を室温で40時間撹拌し、EtOAcおよび1M NaOHで希釈し、10分間撹拌した。水層を2M HClで酸性とし、分液を行った。水相をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機層を無水MgSOで脱水し、濃縮した。粗残留物を分取逆相HPLCによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(R)−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを白色固体として得た。
HPLC:MS716.2(M+H)。
【0404】
(実施例65)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−フェニル−3−カルボキシ−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
2−アミノ−3−フェニル−コハク酸ジメチルエステル塩酸塩
2−アミノ−3−フェニル−コハク酸(J. Med. Chem. (1973), 1277)13g(0053mol)のMeOH(150mL)溶液に、塩化チオニル20mLを加えた。溶液を21時間還流し、冷却し、減圧下に濃縮した。粗残留物をトルエンと共沸させて、2−アミノ−3−フェニル−コハク酸ジメチルエステル塩酸塩を白色固体として得た。それをそれ以上精製せずに用いた。生成物は、H−NMR分析による判定でジアステレオマーの1:1混合物であった。
【0405】
段階B
2−(N−トリチル−アミノ)−3−フェニル−コハク酸ジメチルエステル
2−アミノ−3−フェニル−コハク酸ジメチルエステル塩酸塩5g(18.5mmol)のCHCl(100mL)溶液に、TEA7.7mL(56mmol)と次にトリチルクロライド6.2g(22.1mmol)を加えた。反応液を室温で2日間撹拌し、減圧下に濃縮した。粗残留物にEtOを加え、混合物をシリカゲル層で濾過し、減圧下に濃縮して無色油状物を得た。残留物を、3:1ヘキサン:EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(N−トリチルアミノ)−3−フェニル−コハク酸ジメチルエステル6gを白色固体として得た。生成物は、H−NMR分析による判定でジアステレオマーの1.3:1混合物であった。
【0406】
【化112】
【0407】
段階C
2−(N−トリチル−アミノ)−3−カルボキシ−3−フェニル−ヘキス−5−エン酸ジメチルエステル
2−(N−トリチル−アミノ)−3−フェニル−コハク酸ジメチルエステル4.0g(8.4mmol)のTHF(40mL)溶液に−78℃で、15分間かけてKHMDS(0.5Mトルエン溶液)40.0mL(20mmol)を加えた。添加終了後、得られたエノレートを−78℃で30分間撹拌した。臭化アリル(無希釈)2.2mL(25.1mmol)を加え、反応液を−78℃で0.5時間、−30℃で23時間撹拌した。飽和NHCl水溶液で反応停止し、EtOAcで希釈した。分液を行い、水層をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を無水MgSOで脱水し、濃縮した。その残留物を、1:1ヘキサン:EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(N−トリチル−アミノ)−3−カルボキシ−3−フェニル−ヘキス−5−エン酸ジメチルエステル3.8gをH NMR分析による判定でジアステレオマーの7:1混合物として得た。
【0408】
【化113】
【0409】
段階D
2−(N−ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−3−カルボキシ−3−フェニル−ヘキス−5−エン酸ジメチルエステル
2−(N−トリチル−アミノ)−3−カルボキシ−3−フェニル−ヘキス−5−エン酸ジメチルエステル3.7g(7.1mmol)のMeOH(100mL)溶液に0℃で、塩化チオニル3.0mLを加えた。反応液を昇温させて室温とした。TLC分析による判定で原料が消費された時点で、反応液を減圧下に濃縮し、トルエンと共沸させた(2回)。その粗残留物のCHCl(50mL)溶液に0℃で、ピリジン1.7mL(21.4mmol)と次にCbzCl1.6mL(10.7mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とし、20時間後に減圧下で濃縮した。残留物を再度EtOAcに溶かし、1M HClで洗浄し(3回)、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。その残留物を、1:1ヘキサン:EtOを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(N−ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−3−カルボキシ−3−フェニル−ヘキス−5−エン酸ジメチルエステルをH NMR分析による判定でジアステレオマーの7:1混合物として得た。
【0410】
段階E
N−(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−フェニル−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリン・メチルエステル
2−(N−ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−3−カルボキシ−3−フェニル−ヘキス−5−エン酸ジメチルエステル1.0g(2.4mmol)およびHOAc0.15g(2.4mmol)のCHCl/MeOH(1:1体積比、10mL)溶液に−78℃で、O気流を溶液が青色となるまで吹き込んだ。過剰のオゾンを、反応液が無色となるまでO気流でパージした。過剰のジメチルスルフィド(2mL)を加え、反応液を昇温させて室温とし、60時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、NaHCOで洗浄し(3回)、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。
【0411】
その粗残留物、10%Pd/CおよびMeOH(5mL)の混合物を、1気圧のH下に18時間撹拌した。混合物をセライト層で濾過し、濃縮して、アミン700mgをH NMR分析による判定でジアステレオマーの10:1混合物として得た。
【0412】
その粗取得物およびfDIPEA1.5mL(8.5mmol)のCHCl(5mL)溶液に0℃で、3,5−ジクロロベンゼン−スルホニルクロライド1.0g(5.7mmol)を加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とした。16時間後、反応液をEtOAcで希釈し、1M HClで洗浄し(3回)、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。その残留物を、3:1ヘキサン:EtOと次に1:1ヘキサン:EtOそして次に3:1EtO:ヘキサンの段階的勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色固体を得た。ヘキサンでの磨砕によって、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−フェニル−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリン・メチルエステル750mgを、H NMR分析による判定でジアステレオマーの>15:1混合物としての白色固体として得た。
【0413】
【化114】
【0414】
段階F
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−フェニル−3−カルボキシ−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−フェニル−3−メトキシカルボニル−2−メチル−プロリン・メチルエステル105mg(0.22mmol)のMeOH(2mL)、THF(2mL)および1M NaOHを80℃で終夜高撹拌した。反応液を冷却し、EtOAcで希釈し、2M HClで酸性とした。分液を行い、水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。粗N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−3−フェニル−3−カルボキシ−2−メチル−プロリンをそれ以上精製せずに用いた。
【0415】
【化115】
【0416】
実施例59段階JおよびKに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−フェニル−3−カルボキシ−2−メチル−プロリンを反応させて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−フェニル−3−カルボキシ−2−メチル−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを白色固体として得た。
HPLC:MS779.0(M+H)。
【0417】
(実施例66〜67)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−メチル−4−カルボキシ−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−ベンジル−4−メトキシカルボニル−4−メチル−プロリン・エチルエステル(A)およびN−ベンジル−3−メトキシカルボニル−3−メチル−プロリン・エチルエステル(B)
N−ベンジルグリシン・エチルエステル500mg(2.6mmol)、パラホルムアルデヒド388mg(13mmol)、メタクリル酸2−メチル390mg(3.9mmol)、KCO357mg(2.6mmol)およびトルエン10mLの混合物を、封管中180℃で14時間加熱し、冷却した。反応液をEtOAcおよびブラインで希釈し、分液を行った。有機層を無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。その残留物を、3:1ヘキサン:EtO、次に1:1ヘキサン:EtO、次に3:1EtO:ヘキサン、そして次にEtOという段階的勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色油状物325mgを得た。それはH NMR分析による判定で、N−ベンジル−4−メトキシカルボニル−4−メチル−プロリン・エチルエステル(A)およびN−ベンジル−3−メトキシカルボニル−3−メチル−プロリン・エチルエステル(B)の3:1混合物であった。HPLC:MS306.2(M+H)。
【0418】
段階B
4−メトキシカルボニル−4−メチル−プロリン・エチルエステル(A)および3−メトキシカルボニル−3−メチル−プロリン・エチルエステル(B)
N−ベンジル−4−メトキシカルボニル−4−メチルプロリン・エチルエステル(A)およびN−ベンジル−3−メトキシカルボニル−3−メチルプロリン・エチルエステル(B)325mg(1.1mmol)、10%Pd/CおよびMeOHの混合物を、1気圧のH下に17時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、減圧下に濃縮して無色油状物240mgを得た。それはH NMR分析による判定で、4−メトキシカルボニル−4−メチル−プロリン・エチルエステル(A)と3−メトキシカルボニル−3−メチル−プロリン・エチルエステル(B)の約4:1混合物であった。その粗混合物をそれ以上精製せずに用いた。
【0419】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−メトキシカルボニル−4−メチルプロリン・エチルエステル(A)およびN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−メトキシカルボニル−3−メチル−プロリン・エチルエステル(B)
実施例20段階Bに記載の手順に従って、4−メトキシカルボニル−4−メチルプロリン・エチルエステル(A)および3−メトキシカルボニル−3−メチル−プロリン・エチルエステル(B)の混合物230mg(1.07mmol)を、N−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドと反応させて、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−4−メトキシカルボニル−4−メチルプロリン・エチルエステル(A)およびN−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−3−メトキシカルボニル−3−メチル−プロリン・エチルエステル(B)310mgをH NMR分析による判定で約2.5:1の化合物混合物として得た。
【0420】
段階D
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−カルボキシ−4−メチル−プロリン(A)およびN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−カルボキシ−3−メチル−プロリン(B)
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−4−メトキシカルボニル−4−メチルプロリン・エチルエステル(A)およびN−[(3,5−ジクロロ−ベンゼン)スルホニル]−3−メトキシカルボニル−3−メチルプロリン・エチルエステル(B)の混合物315mg(0.74mmol)を、実施例20段階Dに記載の手順に従ってLiOHで加水分解することで、標題化合物約300mgをH−NMR分析による判定で約3:1の化合物混合物として得た。混合物を分取逆相HPLCによって精製して、白色固体63mgを得てそれをH−NMRおよびHPLC/MS分析による判定でN−[(3,5−ジクロロベンゼン)−スルホニル]−4−カルボキシ−4−メチルプロリン(A)と割り当て、無色油状物225mgを得てそれをN−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3−カルボキシ−3−メチル−プロリン(B)と割り当てた。化合物Aは単一のジアステレオマーであり、化合物Bはジアステレオマーの11:1混合物であった。
【0421】
【化116】
【0422】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−メチル−4−カルボキシ−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例59段階JおよびKに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−カルボキシ−4−メチル−プロリン(A)(63mg)を反応させて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4−メチル−4−カルボキシ−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを2種類の個々のジアステレオマーとして得た。それらはいずれも白色固体であった。
HPLC:MS717.0(M+H)。
【0423】
(実施例68)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロ−イソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−BOC−4(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリン・メチルエステル
実施例段階BからのN−BOC−4(R)−フェニル−(L)−プロリン・メチルエステル(0.165g、0.54mmol)、PtO(0.1g、0.44mmol)およびMeOHの混合物を、約0.34MPa(50psi)のH下に終夜振盪した。反応液をセライト層で濾過し、濃縮してN−BOC−4(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリン・メチルエステルを得た。それをそれ以上精製せずに用いた。
【0424】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
実施例61段階CおよびDに記載の手順に従って、N−BOC−4(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリン・メチルエステル(0.16g、0.54mmol)を反応させて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−4(R)−シクロヘキシル−(L)−プロリル)−4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを固体として得た。
MSm/e743.2(M+)。
【0425】
(実施例69)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(アリルオキシカルボニル−アミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メトキシカルボニル−2−メチル−(L)−プロリン・tert−ブチルエステル
実施例16段階Bでフマル酸ジメチルに代えてマレイン酸ジメチルを用いた以外、3(R)異性体について実施例63段階Aに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メトキシカルボニル−2−メチル−(L)−プロリン・tert−ブチルエステルを製造した。
【0426】
段階B
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(アリルオキシカルボニル−アミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
4(R)異性体について実施例63段階AおよびBに記載の手順に従って、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−メトキシカルボニル−2−メチル−(L)−プロリン・tert−ブチルエステル(1.63g、3.6mmol)を反応させて、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3(S)−(アリルオキシカルボニル−アミノ)−2−メチル−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニンを固体として得た。MSm/e772.5(M)。
【0427】
(実施例70)
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
段階A
N−(BOC)−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリン・メチルエステル
N−(BOC)−4−オキソ−(L)−プロリン・メチルエステル(0.197g)のTHF(3mL)およびDMPU(1mL)溶液に、臭化アリル0.28mLを加えた。反応混合物を冷却して−78℃とし、LiHMDS2.0mLを反応液に滴下した。混合物を−78℃で2時間撹拌し、昇温させて室温とし、窒素下に終夜撹拌した。飽和NHClで反応停止し、水で希釈した。混合物をEtOで抽出した(3回)。合わせたEtO層を水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水した。減圧下に濃縮後、粗生成物を5%から10%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(BOC)−3,3−ジアリル−4−オキソプロリン・メチルエステル0.099gを単離した。
【0428】
【化117】
【0429】
段階B
3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリン
N−(BOC)−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリン・メチルエステル0.099gの水(0.4mL)およびMeOH(1.6mL)溶液に、LiOH・1水和物25.7mgを加えた。反応混合物を2時間超音波処理した。混合物を1.2N HClでpH=2の酸性とし、減圧下に濃縮した。残留物をHCl/ジオキサン溶液1.5mLで1.5時間処理した。減圧下に濃縮後、3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリン0.12gを得た。それを精製せずに次の段階で用いた。
【0430】
【化118】
【0431】
段階C
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリン
3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリンの水(2mL)およびジオキサン(2mL)溶液に、NaCO110mgおよび3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド192mgを加えた。反応液を室温で終夜窒素下に撹拌した。混合物を水で希釈しmEtOで抽出した(3回)。水相をpH=2の酸性とし、EtOAcで抽出した(3回)。合わせたEtOAc層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、1%HOAc/50%EtOAc/ヘキサンを展開液とするシリカゲルでの分取TLCを溶離液とするによって精製して、N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリン(20mg)を得た。
【0432】
【化119】
【0433】
段階D
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オ キソ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・t−ブチルエステル
N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリン20mgのCHCl(1mL)溶液を、触媒量のDMF存在下にオキサリルクロライド0.01mLで処理した。1時間後、混合物を減圧下に濃縮した。残留物をCHCl0.5mLに溶かし、DIPEA0.025mL存在下に4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・t−ブチルエステルの溶液に加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。水で反応停止し、50%EtOAc/ヘキサンを展開液とする分取TLCによって精製して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・t−ブチルエステル(10mg)を得た。
HPLC−MS:m/e=810.9(M+1)。
【0434】
段階E
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン
N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン・t−ブチルエステル(10mg)を、TFA1mLで1時間処理した。混合物を減圧下に濃縮して、N−(N−[(3,5−ジクロロベンゼン)スルホニル]−3,3−ジアリル−4−オキソ−(L)−プロリル)−4−[(3′,5′−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]−(L)−フェニルアラニン(7mg)を得た。
HPLC−MS:保持時間=3.6分、m/e=754.9(M+1)。
【0435】
(実施例71)
VCAM−Ig融合蛋白へのVLA−4依存性結合の拮抗
段階A:VCAM−Igの取得
鋳型としてのヒトVCAM cDNA(R&D Systems)を用いるPCRによって、ヒトVCAM(GenBank Accession no.M30257)の信号ペプチドならびに領域1および2を増幅した。得られた650bpのPCR産生物を、EcoRIおよびBclIで消化し、EcoRIおよびBamHIで消化した発現ベクターpIg−Tail(R&D Systems, Minneapolis, MN)に連結した。pIg−Tailベクターは、ヒトIgG1(GenBank Accession no.Z17370)のヒンジ部、CH2およびCH3をコードするゲノム断片を有する。得られたVCAM断片のDNA配列をシーケナーゼ(Sequenase;US Biochemical, Cleveland, OH)を用いて確認した。VCAM−Ig融合物全体をコードする断片を、EcoRIおよびNotIの順でpIg−Tailから切り取り、EcoRIおよびNotIで消化したpCI−neo(Promega, Madison, WI)に連結させた。pCI−neo/VCAM−Igと称される得られたベクターを、カルシウム−リン酸DNA沈殿(Specialty Media, Lavalette, NJ)を用いてCHO−K1(ATCC CCL 61)細胞にトランスフェクションした。0.2〜0.8mg/mL活性G418(Gibco, Grand Island, NY)を用いる標準プロトコールに従って、安定なVCAM−Ig産生クローンを選択し、増殖させ、細胞上清について、1.5μg/mL(総蛋白)のヤギ抗ヒトIgG(Sigma, St.Louis, MO)で予めコーティングしておいたウェルへのジュルカット接着に介在する能力のスクリーニングを行った。次に、陽性のCHO−K1/VCAM−IgクローンをCHO−SFM無血清培地(Gibco)に使用し、VCAM−Igの安定発現についての選択下に維持した。メーカーの説明に従って、蛋白A/Gセファロース(Pierce, Rockford, IL)でのアフィニティクロマトグラフィーによって、粗培養上清からVCAM−Igを精製し、YM−30膜(Amicon, Beverly, MA)での限外濾過により、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)中に脱塩した。
【0436】
段階B: 125 I−VCAM−Igの取得
メーカーの説明に従って、125I−ボルトン・ハンター(Bolton Hunter)試薬(New England Nuclear, Boston, MA;カタログ番号NEX120−0142)により、VCAM−Igを、1000Ci/mmolより大きい比放射能まで標識した。紫外線検出および放射線検出を用いて、較正済みHPLCゲル濾過カラム(G2000SW;7.5×600mm;Tosoh、日本)によって、未取り込み同位体から、標識蛋白を分離した。
【0437】
段階C:VCAM−Ig結合アッセイ
本発明の化合物のDMSO溶液を、所望の最終アッセイ濃度の100倍濃度で調製した。最終濃度は、0.001nM〜100μMの範囲から選択した。ジュルカット細胞を400×gで5分間遠心し、結合緩衝液(25mM HEPES、150mM NaCl、3mM KCl、2mMグルコース、0.1%ウシ血清アルブミン、pH7.4)中に再懸濁させた。細胞を再度遠心し、MnClを補給した結合緩衝液に最終濃度1mMで再懸濁させた。二連のウェルに、(i)1mM MnClを含む結合緩衝液200μL;(ii)125I−VCAM−Igの1mM MnCl含有結合緩衝液溶液20μL(最終濃度:約100pM);(iii)化合物溶液もしくはDMSO2.5μL;および(iv)容量30μL中の細胞0.5×10個を加えることで、ミリポアMHVBマルチスクリーンプレート(Millipore MHVB multiscreen plate;カタログ番号MHVBN4550、Millipore Corp., MA)で化合物のアッセイを行った。プレートを室温で30分間インキュベートし、真空ボックスで濾過し、同装置にて、1mM MnClを含む結合緩衝液100μLを加えることで洗浄を行った。マルチスクリーンプレートをアダプタプレート(Packard, Meriden, CT;カタログ番号6005178)に挿入した後、マイクロシンチ−20(Microscint-20, Packard;カタログ番号6013621)100μLを各ウェルに加えた。プレートを封止し、30秒間振盪機にかけ、トップカウント(Topcount)マイクロプレート・シンチレーションカウンタ(Packard)でカウンティングした。DMSOのみを含む対照ウェルを用いて、0%阻害に相当するVCAM−Ig結合のレベルを求めた。細胞を省略した対照ウェルを用いて、100%阻害に相当する結合レベルを求めた。細胞非存在下での125I−VCAM−Igの結合は通常、媒体存在下で細胞を用いて認められる値の5%未満であった。各試験ウェルについて阻害パーセントを計算し、バリデーション済みの4パラメータ適合アルゴリズムを用いて、10ポイント力価測定から、IC50を求めた。
【0438】
(実施例72)
VCAM−Ig融合蛋白へのα β 依存性結合の拮抗
段階A:α β 細胞系
RPMI−8866細胞(ヒトB細胞系α β β;ウィルキンス博士(Prof.John Wilkins, University of Manitoba, Canada)から提供)を、37℃および5%二酸化炭素の条件で、RPMI/10%ウシ胎仔血清/ペニシリン100U/ストレプトマイシン100μg/2mM L−グルタミン中で成長させた。細胞を1000rpmで5分間遠心してペレット状とし、2回洗浄し、結合緩衝液(25mM Hepes、150mM NaCl、0.1%BSA、3mM KCl、2mMグルコース、pH7.4)に再懸濁させた。
【0439】
段階B:α β VCAM−Ig結合アッセイ
本発明の化合物のDMSO溶液を、所望の最終アッセイ濃度の100倍濃度で調製した。最終濃度は、0.001nM〜100μMの範囲から選択した。二連のウェルに、(i)1.5mM MnClを含む結合緩衝液100mL/ウェル;(ii)125I−VCAM−Igの結合緩衝液溶液10mL/ウェル(最終アッセイ濃度<500pM);(iii)被験化合物もしくはDMSOのみ1.5mL/ウェル;および(iv)RPMI−8866細胞懸濁液38mL/ウェル(細胞1.25×10個/ウェル)を加えることで、ミリポアMHVBマルチスクリーンプレート(カタログ番号MHVBN4550)で化合物のアッセイを行った。プレートを室温で、プレート振盪機にて200rpmで45分間インキュベートし、真空ボックスで濾過し、同装置にて、1mM MnClを含む結合緩衝液100mLを加えることで洗浄を行った。マルチスクリーンプレートをアダプタプレート(Packard, Meriden, CT;カタログ番号6005178)に挿入した後、マイクロシンチ−20(Packard;カタログ番号6013621)100mLを各ウェルに加えた。プレートを封止し、30秒間振盪機にかけ、トップカウントマイクロプレート・シンチレーションカウンタ(Packard)でカウンティングした。DMSOのみを含む対照ウェルを用いて、0%阻害に相当するVCAM−Ig結合のレベルを求めた。細胞を省略したウェルを用いて、100%阻害に相当する結合レベルを求めた。各試験ウェルについて阻害パーセントを計算し、バリデーション済みの4パラメータ適合アルゴリズムを用いて、10ポイント力価測定から、IC50を求めた。

Claims (30)

  1. 下記式Iの化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
    [式中、
    Aは
    1)N、
    2)N−O
    であり;
    XおよびYは独立に、
    1)ハロゲン、
    2)C1−3アルキル、
    3)C1−3アルコキシ
    から選択され;
    は、
    1)水素、
    2)C1−10アルキル、
    3)アリール−C1−10アルキル
    であり;
    は、
    1)水素または
    2)C1−10アルキル
    であり;
    3aおよびR3bの一方は、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、−CO、アリールおよびヘテロアリールから選択され;他方は
    1)水素、
    2)C1−10アルキル、
    3)C2−10アルケニル、
    4)C2−10アルキニル、
    5)C3−10シクロアルキル、
    6)−OR
    7)−CO
    8)−C(O)NR
    9)−NR
    10)−NRS(O)
    11)−NRC(O)R
    12)−NRC(O)OR
    13)−NRC(O)NR
    14)アリールおよび
    15)ヘテロアリール
    から選択され、
    その場合にアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、Rから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;アリールおよびヘテロアリールは、Rから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;
    4aおよびR4bの一方が水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、CO、アリールおよびヘテロアリールであり、他方が
    1)水素、
    2)C1−10アルキル、
    3)C2−10アルケニル、
    4)C2−10アルキニル、
    5)C3−10シクロアルキル、
    6)−OR
    7)−CO
    8)−C(O)NR
    9)−NR
    10)−NRS(O)
    11)−NRC(O)R
    12)−NRC(O)OR
    13)−NRC(O)NR
    14)−CN、
    15)アリールおよび
    16)ヘテロアリール
    から選択され、
    その場合にアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、Rから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;、アリールおよびヘテロアリールは、Rから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;あるいは
    4aとR4bが一体となってオキソであり;
    は、
    1)水素;
    2)OH;
    3)OCH;または
    4)NH
    であり;
    は、
    1)−OR
    2)−NRS(O)
    3)−NO
    4)ハロゲン、
    5)−S(O)
    6)−SR
    7)−S(O)OR
    8)−S(O)NR
    9)−NR
    10)−O(CRNR
    11)−C(O)R
    12)−CO
    13)−CO(CRCONR
    14)−OC(O)R
    15)−CN、
    16)−C(O)NR
    17)−NRC(O)R
    18)−OC(O)NR
    19)−NRC(O)OR
    20)−NRC(O)NR
    21)−CR(N−OR)、
    22)CF
    23)−OCF
    24)C3−8シクロアルキルまたは
    25)複素環
    であり、
    その場合に、シクロアルキルおよび複素環は、Rから独立に選択される1〜4個の基によって置換されていても良く;
    は、
    1)Rから選択される基、
    2)C1−10アルキル、
    3)C2−10アルケニル、
    4)C2−10アルキニル、
    5)Ar
    6)C1−10アルキル−Ar
    であり、
    その場合にアルキル、アルケニル、アルキニルおよびArは、Rから独立に選択される基から選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;
    は、
    1)ハロゲン、
    2)アミノ、
    3)カルボキシ、
    4)C1−4アルキル、
    5)C1−4アルコキシ、
    6)アリール、
    7)アリールC1−4アルキル、
    8)ヒドロキシ、
    9)CF
    10)OC(O)C1−4アルキル、
    11)OC(O)NRまたは
    12)アリールオキシ
    であり;
    およびRは独立に、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、CyおよびCyC1−10アルキルから選択され、その場合にアルキル、アルケニル、アルキニルおよびCyはRから独立に選択される1〜4個の置換基によって置換されていても良く;あるいは
    およびRは、それらが結合している原子と一体となって、酸素、硫黄およびN−Rから独立に選択される0〜2個の別のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環を形成しており;
    およびRは独立に、水素、C1−10アルキル、CyおよびCyC1−10アルキルから選択され;あるいは
    およびRは、それらが結合している炭素と一体となって、酸素、硫黄および窒素から独立に選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の複素環を形成しており;
    は、Rおよび−C(O)Rから選択され;
    Cyは、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択され;
    Arは、それぞれRから独立に選択される1個もしくは2個の基によって置換されていても良いフェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルから選択され;
    Arは、1,4−フェニレンまたは2,5−ピリジレンであり;
    mは1または2であり;
    nは0、1または2である。]
  2. Arが、C1−3アルキルによって置換されていても良いピリジル、またはハロゲン、C1−3アルキル、フェニル、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される1〜2個の基によって置換されていても良いフェニルである請求項1に記載の化合物。
  3. Arが、4位もしくは5位に第2の置換基を有していても良い3−置換フェニルであり、該置換基が独立に、塩素、フッ素、臭素、メチル、フェニル、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選択される請求項1に記載の化合物。
  4. Arが3,5−ジクロロフェニルである請求項1に記載の化合物。
  5. Arが1,4−フェニレンである請求項1に記載の化合物。
  6. XおよびYの一方がハロゲンであり、他方がハロゲン、C1−3アルキルおよびC1−3アルコキシから選択される請求項1に記載の化合物。
  7. XおよびYの一方が塩素であり、他方が塩素またはメトキシである請求項1に記載の化合物。
  8. XおよびYがそれぞれ塩素である請求項1に記載の化合物。
  9. 3aおよびR3bがそれぞれ水素であり、R4aおよびR4bの一方が水素またはC1−10アルキルであり、他方が水素、C3−10シクロアルキル、ピリジル、NR、OR、CN、COおよびCOHによって置換されていても良いフェニルから選択される請求項1に記載の化合物。
  10. 4aおよびR4bの一方が水素であり、他方が水素、フェニル、C3−6シクロアルキル、ピリジル、CN、ORおよびCOから選択される請求項9に記載の化合物。
  11. 4aおよびR4bの一方が水素であり、他方がNRである請求項9に記載の化合物。
  12. 4aおよびR4bがそれぞれ水素であり、R3aおよびR3bの一方が水素、C1−10アルキル、フェニルおよびC2−10アルケニルから選択され、他方が水素、OHによって置換されていても良いC1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、OHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、CO、OR、NRおよびNRC(O)から選択される請求項1に記載の化合物。
  13. 3aおよびR3bの一方が水素であり、他方が水素、OHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、OHによって置換されていても良いC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、COR、OR、NRおよびNRC(O)Rから選択される請求項12に記載の化合物。
  14. 3aおよびR3bの一方がC1−6アルキルであり、他方がC1−6アルキルおよびORから選択される請求項12に記載の化合物。
  15. 3aおよびR3bがそれぞれC1−6アルキルまたはC2−6アルケニルである請求項12に記載の化合物。
  16. 下記式Iaの化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
    [式中、
    Aは、NまたはNであり;
    は、Hまたはメチルであり;
    3aおよびR3bの一方はH、C1−6アルキル、C2−6アルケニルおよびフェニルから選択され、他方はH、OHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、OHによって置換されていても良いC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、CO、OR、NRおよびNRC(O)から選択され;
    4aおよびR4bの一方は、HおよびC1−6アルキルから選択され、他方はH、フェニル、C3−6シクロアルキル、ピリジル、CN、OR、NRおよびCOから選択され;あるいは
    4aとR4bが一体となってオキソである。]
  17. 3aおよびR3bがそれぞれ水素であり;R4aおよびR4bの一方が水素であり、他方がフェニル、C3−6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−5アルコキシ、COH、ピリジル、シアノおよびNRから選択される請求項16に記載の化合物。
  18. 4aまたはR4bがフェニルである請求項17に記載の化合物。
  19. 4aまたはR4bがNRであり;RおよびRが独立に、水素およびC1−10アルキルから選択される請求項17に記載の化合物。
  20. 4aまたはR4bがNRであり;RとRがそれらが結合している原子と一体となって、0の別のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環を形成している請求項17に記載の化合物。
  21. 4aおよびR4bがそれぞれ水素であり;R3aおよびR3bの一方が水素であり、他方がOHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、OHによって置換されていても良いC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、CO、OR、NRおよびNRC(O)から選択される請求項16に記載の化合物。
  22. 3aおよびR3bの一方が水素であり、他方がOHもしくはCOHによって置換されていても良いフェニル、OHによって置換されていても良いC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、CO、OR、NRおよびNRC(O)から選択され;R4aおよびR4bの一方が水素であり、他方がフェニル、C3−6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−5アルコキシ、COH、ピリジル、シアノおよびNRから選択される請求項16に記載の化合物。
  23. 哺乳動物における細胞接着を阻害する方法であって、該哺乳動物に対して有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  24. 哺乳動物における細胞接着が介在する疾患、障害、状態または症状を治療する方法であって、該哺乳動物に対して有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  25. 哺乳動物における喘息の治療方法であって、該哺乳動物に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  26. 哺乳動物におけるアレルギー性鼻炎の治療方法であって、該哺乳動物に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  27. 哺乳動物における多発性硬化症の治療方法であって、該哺乳動物に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  28. 哺乳動物における炎症の治療方法であって、該哺乳動物に対して有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  29. 哺乳動物における炎症性腸疾患の治療方法であって、該哺乳動物に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  30. 請求項1に記載の化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
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