JP2004526012A - 輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分の調製 - Google Patents

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ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド
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    • C10G53/00Treatment of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, by two or more refining processes
    • C10G53/02Treatment of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, by two or more refining processes plural serial stages only
    • C10G53/14Treatment of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, by two or more refining processes plural serial stages only including at least one oxidation step

Abstract

炭化水素類、硫黄含有有機化合物及び窒素含有有機化合物の混合物を含む供給原料の選択的酸化による輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分の製造のための経済的なプロセスが開示される。酸化供給原料は、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上の酸化に適する条件下で、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まない状態に維持されている液相反応混合物中で、少なくとも1種の有機過酸又は有機過酸の前駆体を含む不混和性相と接触させる。酸化供給原料よりも少量の硫黄及び/又は窒素を含むブレンド成分が、反応混合物から回収される。有利なことに、不混和性酸含有相の少なくとも一部は、酸化に再循環される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、天然石油由来の輸送機関用燃料に関し、特に周囲条件下で液体である輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分の製造プロセスに関する。さらに詳細には、本発明は、石油留出物の選択的酸化を含み、こうして炭化水素化合物、硫黄含有有機化合物、及び/又は窒素含有有機化合物への酸素の組み込みが、輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分からの硫黄及び/又は窒素の酸化除去により推進される、環境に優しい一体化プロセスに関する。
【0002】
酸化供給原料を、液相反応混合物中に少なくとも1種の有機過酸又は有機過酸前駆体を含む不混和性相と接触させる。反応混合物を触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まない状態に維持することが、本発明の基本的要素である。酸化供給原料よりも硫黄及び/又は窒素が少ないブレンド成分は、反応混合物から回収される。有利なことに、不混和過酸含有相の少なくとも一部もまた反応混合物から回収され、酸化に再循環される。本発明の一体化プロセスは、さらに、例えば石油留出物を水素処理することにより、他の製油所ユニットに由来する本プロセス自身の高沸点酸化供給源をも提供することができる。
【0003】
有益なことに、本酸化プロセスは、非常に選択的である。すなわち、芳香族炭化水素類よりもむしろ、硫黄原子が立体障害されている化合物が優先的に酸化される。生成物は、直接、輸送機関用燃料として用いることも、ブレンド成分として用いることも、及び/又はさらなる蒸留によるなどして分画して、例えばディーゼル燃料にブレンドするためのより適切な成分を提供することもできる。
【背景技術】
【0004】
19世紀の最後の数十年間に、内燃機関の発明により輸送が革命的に変革されたことは周知である。Benz及びGottleib Wilhelm Daimlerはガソリンなどの燃料の電気着火を用いるエンジンを発明し開発した。一方、Rudolf C. K. Dieselは、低コストの有機燃料を利用するために、燃料の自動着火のために圧縮を用いる彼の名を冠したエンジンを発明し組み立てた。輸送に用いるために改良されたディーゼルエンジンの開発は、ディーゼル燃料の改良と緊密に提携して進められた。近年の高性能のディーゼルエンジンは、燃料組成物のよりいっそう進んだ規格を要求するが、コストが重要な懸案事項として残されている。
【0005】
現時点で、輸送機関用燃料のほとんどは、天然石油から派生するものである。実際、石油はいまだに、燃料及び石油化学供給原料として用いられる世界的に主要な炭化水素類源である。天然石油すなわち原油の組成は非常に変動するが、すべての原油は硫黄化合物を含み、ほとんどの原油は窒素化合物を含み、さらに酸素をも含み得るが、ほとんどの原油の酸素の含有量は低い。一般的に、原油中の硫黄濃度は約8%未満であり、ほとんどの原油は約0.5〜約1.5%の範囲の硫黄濃度を有する。窒素濃度は、通常、0.2%未満であるが、1.6%程度に高いこともある。
【0006】
原油は、油井にて産出された形態で用いられることはほとんどなく、製油所で広範囲の燃料及び石油供給原料に転化される。典型的には、輸送機関用燃料は、原油から蒸留された画分を特定の最終使用規格に合致するように処理しブレンドすることにより製造される。今日大量に入手可能な原油のほとんどは硫黄分が高いので、性能規格及び/又は環境基準に合致する生成物を得るために、蒸留された画分を脱硫黄しなければならない。燃料中の硫黄含有有機化合物は、環境汚染の主要源であり続ける。燃焼中に、硫黄含有有機化合物は、硫黄酸化物に転化し、硫黄酸素酸を引き起こし、さらに粒子状物質排出の原因ともなる。
【0007】
より新しい高性能ディーゼルエンジンでさえも、慣用の燃料を燃焼させると排気中にスモークを発生させる。酸素化化合物及びメタノールやジメチルエーテルなどの炭素−炭素化学結合が少ないか又は含まない化合物は、スモーク及びエンジン排気放出を減少させることが知られている。しかし、このような化合物のほとんどは、高い蒸気圧を有し、及び/又はディーゼル燃料中にほとんど不溶性であり、セタン価により示されるように着火品質が劣る。さらに、硫黄含有量及び芳香族含有量を減少させるための化学的水素添加によるディーゼルエンジンの他の改良方法は、燃料の潤滑性を減少させてしまう。低い潤滑性のディーゼル燃料は、高圧下で燃料と接触するようになる燃料インジェクター及び他の可動部品の過剰の摩耗を引き起こすかもしれない。
【0008】
圧縮着火内燃機関(ディーゼルエンジン)にて使用するための燃料又は燃料のブレンド成分に用いられる蒸留された画分は、通常約1〜3wt%の硫黄を含む中間画分である。これまで、典型的なディーゼル燃料規格は、最大0.5wt%であった。ヨーロッパ及び米国において、1993年規制により、ディーゼル燃料中の硫黄は0.3wt%まで制限された。ヨーロッパ及び米国において1996年までに、日本において1997年までに、ディーゼル燃料中の硫黄は最大0.05wt%以下まで減少された。この世界的な傾向は、硫黄のより低いレベルまで続くものと予測されるに違いない。
【0009】
一側面において、カリフォルニア州及び連邦市場における新しい排出規制の導入により、触媒排気処理に非常に関心が集まっている。ディーゼルエンジン、特に重負荷ディーゼルエンジンへの触媒排気制御適用の試みは、2つの因子ゆえに、スパーク着火内燃機関(ガソリンエンジン)とは大きく異なるものである。第一に、慣用のスリーウェイ触媒(TWC)はディーゼルエンジンからNOxを除去するには効果的ではなく、第二に、粒子制御の必要性がガソリンエンジンの場合よりも大幅に高い。
【0010】
数種類の排気処理技術が、ディーゼルエンジン排気の制御のために出現しており、すべてのセクターにおいて、燃料中の硫黄レベルは技術の効率に影響を与える。硫黄は、触媒活性を減少させる触媒毒である。さらに、ディーゼル排気の触媒制御において、燃料中の高レベルの硫黄は、硫黄の触媒酸化及び硫酸塩ミストを形成する水との反応に起因する粒子の放出という二次的な問題を呈する。このミストは、粒子放出の一部として集められる。
【0011】
圧縮着火エンジン排気は、燃焼を開始するために用いられる異なる方法に因り、スパーク着火エンジンの排気とは異なる。圧縮着火は、非常に希薄な空気/燃料混合物中の燃料滴の燃焼を必要とする。燃焼プロセスは、小さな炭素の粒子を残し、ガソリンエンジン中に存在するよりも非常に多くの粒子を放出させる。希薄運転に因り、CO及びガス状炭化水素放出は、ガソリンエンジンよりも非常に低くなる。しかし、多量の未燃焼炭化水素が炭素粒子に吸着される。これらの炭化水素は、SOF(可溶性有機画分)と呼ばれる。ゆえに、ディーゼル排気にかかる健康問題の根元は、これらの有害な炭化水素を含む非常に小さな炭素粒子を肺の奥深くまで吸い込むことによると考えられる。
【0012】
燃焼温度の上昇は粒子を減少させることができるが、これは周知のZeldovitch機構によるNOx放出を増加させてしまう。ゆえに、排出規制に合致するように、粒子及びNOxの放出を天秤にかける必要がある。
【0013】
入手可能な証拠は、超低レベル硫黄燃料が放出制御に対するディーゼル排気の触媒処理を可能にする優れた技術であることを強く示唆する。15ppm未満の硫黄レベルの燃料が、0.01g/bhp−hr未満の粒子レベルを達成するために必要である。このようなレベルは、0.5g/bhp−hr程度のNOx放出を達成することができることを示す現存する排気処理用の触媒の組み合わせと非常に適合する。さらに、NOxトラップシステムは、燃料中硫黄に対して極度に感応性であり、入手可能な証拠は、活性を維持するために10ppm以下の硫黄レベルが必要となることを示唆する。
【0014】
輸送機関用燃料中のこれまでになく引き締められた硫黄規格の面において、石油供給原料及び製品からの硫黄除去は、これから数年の間にますます重要になるであろう。最近、ヨーロッパ、日本及び米国におけるディーゼル燃料中の硫黄規制は、0.05wt%(最大)まで規格が下げられているが、将来の規格は現行の0.05wt%レベルよりも遙かに低くなるであろうことが示されている。
【0015】
慣用の水添脱硫(HDS)触媒は、製油所輸送機関用燃料のブレンド用の石油留出物から硫黄の大部分を除去するために用いることができるが、硫黄原子が多環芳香族硫黄化合物におけるように立体障害されている化合物から硫黄を除去するには効果的ではない。これは、特に、硫黄ヘテロ原子が二重に立体障害されている場合(例えば、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン)に当てはまる。慣用の水添脱硫触媒を高温で用いると、收率損失、より早い触媒コーキング、及び生成物品質の劣化(例えば、色)をもたらすであろう。高圧を用いることは、多額の経費を必要とする。
【0016】
将来のより厳しい規格に適合させるために、このような障害されている硫黄化合物をも石油留出物供給原料及び製品から除去しなければならない。石油留出物及び他の炭化水素製品からの経済的な硫黄除去法が非常に必要とされている。
【0017】
従来技術は、石油留出物供給原料及び製品から硫黄を除去するプロセスばかりである。一つの公知の方法は、非常に高沸点の炭化水素物質よりも高温で沸騰する多量の物質を少なくとも含む石油画分(約550゜Fよりも高温で沸騰する多量の物質を少なくとも含む石油画分)の酸化、及び続いて、酸化された化合物を含む流出物を昇温された温度にて処理して硫化水素を形成し(500゜F〜1350゜F)、及び/又は炭化水素物質の硫黄含量を減少させるために水素処理することを含む。例えば、Jin Sun Yooの米国特許U.S. Patent No. 3,847,798及びVincent A. Duranteの米国特許U.S. Patent No. 5,288,390参照。このような方法は、むしろ低い脱硫が達成されるだけなので、実用性を制限するものとされている。加えて、これらの方法の実施中のクラッキング及び/又はコークス形成に因る有用な生成物の実質的な損失が生じるかもしれない。したがって、クラッキング又はコークス形成を減少させながら、脱硫の程度を増加させるプロセスの開発が有利である。
【0018】
燃料を改良するためのいくつかの異なる酸化方法はこれまでにも記述されている。例えば、米国特許U.S. Patent No. 2,521,698には、セタン価を改良するものとして、炭化水素燃料の部分酸化が記載されている。この特許は、燃料は、芳香族環含量が比較的低く、パラフィン含量が高いことを示唆する。米国特許U.S. Patent No. 2,912,313には、セタン価の増加は、過酸化物及びジハロ化合物の両者を中間留出燃料に添加することにより得られると述べられている。米国特許U.S. Patent No. 2,472,152には、中間留出物画分中の飽和環式炭化水素又はナフテン系炭化水素の酸化によりナフテン系過酸化物を形成する、中間留出燃料のセタン価を改良する方法が記載されている。この特許は、開始剤として油溶性金属塩の存在下で、酸化が促進され得るが、無機塩基の存在下で実施されることが好ましいことを示唆する。しかし、形成されたナフテン系過酸化物は、有害な粘性物質開始剤である。したがって、フェノール、クレゾール及びクレゾール酸などの粘性物質開始剤を酸化された物質に添加して、粘性物質形成を減少又は防止しなければならない。これらの化合物は、有害で発ガン性物質である。
【0019】
Chaya Venkat及びDennnis E. Walshの米国特許U.S. Patent No 4,494,961は、水素含量が低い原料未処理高芳香族性中間留出物画分のセタン価の改良に関し、50℃〜350℃の温度で、緩やかな酸化条件下、(i)アリカリ土類金属過マンガン酸塩、(ii)周期律表IB族、IIB族、IIIB族、IVB族、VB族、VIB族、VIIB族、又はVIIIB族の金属の酸化物のいずれか、又は(i)及び(ii)の混合物である触媒の存在下で、この画分を接触させる。欧州特許出願0 252 606 A2もまた、スズ、アンチモン、鉛、ビスマス及び周期律表IB族、IIB族、VB族、VIB族、VIIB族及びVIIIB族の遷移金属、好ましくは油溶性金属塩としての触媒金属の存在下で、この画分を酸素又は酸化物と接触させることにより、水素精製されてもよい中間留出燃料画分のセタン等級を改良することに関する。この出願には、触媒が、燃料中のベンジル基炭素原子をケトン類に選択的に酸化する、ことが述べられている。
【0020】
最近、Wiliam F. Traylorの米国特許U.S. Patent No 4,723,963は、160℃〜400℃の範囲で沸騰する中間留出物炭化水素燃料画分中に、少なくとも3wt%の酸化された芳香族化合物を含むことにより、セタン価が改良されることを示唆する。この特許には、酸素化されたアルキル芳香族及び/又は酸素化された芳香族水素がベンジル基炭素プロトンにて、好ましく酸化される、ことが述べられている。
【0021】
より最近では、リンタングステン酸及び相間移動試薬としてのトリ−n−オクチルメチルアンモニウムクロライドにより触媒される水性過酸化水素との反応による中間留出物の酸化脱硫及びその後の酸化された硫黄化合物のシリカ吸着が、Collins らにより記載されている(Journal of Molecular Catalysis (A): Chemical 117 (1997) 397-403)。Collinsらは、水素処理されなかった冬季用ディーゼルオイルの酸素化脱硫を記載している。Collinsらは、水添脱硫に耐性を有する硫黄種は、酸化脱硫されやすいことを示唆するが、Collinsらにより処理されたディーゼルオイルと比較して、水添脱硫されたディーゼル中のこのような耐性硫黄成分の濃度はすでに比較的低いであろう。
【0022】
Bruce R Cook、Paul J. Berlowitz及びRobert J. Wittenbrinkらの米国特許U.S. Patent No 5,814,109は、ディーゼル燃料添加剤の製造、特にフィッシャートロプシュ(Fischer-Tropsch)炭化水素合成プロセス、好ましくは非改質プロセスを介してのディーゼル燃料添加剤の製造に関する。添加剤を製造する際に、これらのフィッシャートロプシュプロセスの本質的に硫黄を含まない生成物は、高沸点画分と低沸点画分、例えば700゜F以下で沸騰する画分に分けられる。フィッシャートロプシュ反応生成物の高沸点画分は、高沸点画分を700゜F以下で沸騰するパラフィンとイソパラフィンとの混合物に転化するに十分な条件にて、水添異性化される。この混合物は、フィッシャートロプシュ反応生成物の低沸点画分とブレンドされて、中間留出物ディーゼル燃料のセタン価又は潤滑性、あるいはセタン価及び潤滑性の両方を改良するに有用であるべきディーゼル燃料添加剤を回収する。
【0023】
Robert J. Wittenbrink、Darryl P. Klein、Michele S Touvelle、Michel Daage及びPaul J. Berlowitzの米国特許U.S. Patent No 6,087,544は、留出物供給流以下の硫黄レベルを有する留出燃料を製造する留出物供給流の処理に関する。このような燃料は、留出物供給流を、約50〜100ppmの硫黄だけを含む軽質画分及び重質画分に分留することにより、製造される。軽質画分は、水素処理されて、硫黄の実質的に全量が除去される。脱硫された軽質画分は、次いで、重質画分の1/2とブレンドされて、例えば85wt%の脱硫された軽質画分と15wt%の未処理重質画分を含み、硫黄レベルが663ppmから310ppmに低下した低硫黄留出燃料を製造する。しかし、この低硫黄レベルを達成するために、留出物供給流の約85wt%だけがが低硫黄留出燃料生成物として回収される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、特に上述の欠点を持たない中間留出物炭化水素燃料中の酸化された芳香族化合物を調製する触媒プロセスが必要とされている。改良されたプロセスは、有利に、適切な酸素処理促進触媒系、好ましくは有機化合物の混合物への酸素の組み込みを強化することができ、及び/又は周囲条件にて製油所輸送機関用燃料液体用のブレンド成分として、適切な有機化合物の混合物からの硫黄又は窒素の酸化除去を補助することができる酸素化触媒を用いて液相中で行われるべきである。
【0025】
本発明は、環境に優しい輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分を提供するために、上述の問題を解決することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0026】
経済的プロセスは、炭化水素化合物、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物への酸素の組み込みが輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分からの硫黄及び/又は窒素の酸化除去を補助する石油留出物の選択酸化による、環境に優しい輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分を製造することを開示する。本発明は、種々のタイプの炭化水素物質、特に硫黄を含む石油由来の炭化水素油の処理を意図する。一般に、油の硫黄含量は1%を超える。
【0027】
本発明において、用語「酸素化」は、1種以上の硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物を酸化する、例えば、硫黄含有有機分子の硫黄原子をスルホキシド及び/又はスルホンに酸化する、など任意の手段として規定される。
【0028】
一側面において、本発明は、製油所輸送機関用燃料又は製油所輸送機関用燃料のブレンド成分の製造プロセスを提供する。本プロセスは、約10゜API〜約100゜APIの範囲の比重を有し、炭化水素類、硫黄含有有機化合物及び窒素含有有機化合物の混合物を含む酸化供給原料を準備する工程と;酸化供給原料を、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上を酸化するに適切な条件下で、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まない液相反応混合物中で、少なくとも1種の有機過酸又は有機過酸の前駆体を含む不混和性相と接触させる工程と;反応混合物から、不混和過酸含有相の少なくとも一部を分離する工程と;反応混合物から、酸化供給原料よりも少ない硫黄及び/又は少ない窒素を含む有機化合物の混合物を含む生成物を回収する工程と、を含む。酸素化条件としては、約25℃〜約250℃の範囲の温度、及び反応混合物を実質的に液相に維持する十分な圧力を挙げることができる。
【0029】
本発明の別の側面において、反応混合物の酸化された相から分離された不混和性過酸含有相の少なくとも一部は、反応混合物に再循環される。
本発明は、例えば多環芳香族硫黄化合物におけるように、硫黄原子が立体障害されている化合物を含む酸化供給原料中の硫黄含有有機化合物にとって特に有用である。典型的には、硫黄含有有機化合物は、少なくともスルフィド、複素環式芳香族スルフィド、及び/又は置換ベンゾチオフェン類及びジベンゾチオフェン類からなる群より選択される化合物を含む。
【0030】
一般に、本発明において使用するために、不混和性相は、過酸化水素及び/又はアルキルヒドロペルオキシドの源、1分子あたり1〜約8個の炭素原子を含む脂肪族モノカルボン酸の源、及び水を混合することにより形成される。過酸化物に対する酸の比率は、一般に、約1以上、好ましくは約1〜約10の範囲である。
【0031】
有利なことに、不混和性過酸含有相は、水、酢酸の源、過酸化水素の源を、過酸化水素の1モルあたり少なくとも1モルの酢酸を提供する量で混合することにより形成される。好ましくは、過酸化水素に対する酢酸の比率は、約1〜約10、より好ましくは約1.5〜約5の範囲である。酸化の条件は、約25℃〜約250℃の範囲の温度、反応混合物を実質的に液相に持するに十分な圧力を含む。
【0032】
本発明の一側面において、酸化供給原料の全部又は少なくとも一部は、約50℃〜約425℃の間で沸騰する物質から本質的になる石油留出物用の水素処理プロセスの生成物である。この水素処理プロセスは、水素処理された石油留出物からの硫黄及び/又は窒素の水添除去を補助する水素添加触媒の存在下で、水素添加条件にて、石油留出物を水素源と反応させることを含む。一般に、有用な水素添加触媒は、周期律表中d−遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の活性金属を含み、各々は、総触媒の約0.1〜30wt%の量で、不活性担体に組み込まれている。適切な活性金属としては、21〜30、39〜48、及び72〜78の原子数を有する周期律表中d−遷移元素を挙げることができる。
【0033】
水素添加触媒は、金属の組合せを含むことが有利である。コバルト、ニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも2種の金属を含む水素添加触媒が好ましい。より好ましくは、コバルト及びモリブデン、又はニッケル及びモリブデンの組合せである。有利には、水素添加触媒は、各々が、アルミナ等の金属酸化物担体上に、総触媒の約0.1wt%〜約20wt%の量で組み込まれている少なくとも2種の活性金属を含む。
【0034】
一側面において、本発明は、以下の工程を含む製油所輸送機関用燃料又は製油所輸送機関用燃料用ブレンド成分の製造を提供する。水素処理された石油留出物からの硫黄及び/又は窒素の水添除去を補助する水素添加触媒の存在下で、水添条件にて、石油留出物と水素源とを反応させることを含むプロセスにより、約200℃〜約425℃の間で沸騰する物質から本質的になる石油留出物を水素処理する工程と;水素処理された石油留出物を分留して、硫黄が少なく、単環芳香族が豊富な画分からなる少なくとも1種の低沸点ブレンド成分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分からなる高沸点供給原料と、を与える工程と;触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている液体反応混合物中で、硫黄含有化合物及び/又は窒素含有化合物の1種以上を酸化するに適する条件下で、少なくとも1の有機過酸又は有機過酸の前駆体を含む不混和性相と、高沸点供給原料の少なくとも一部とを接触させる工程と;反応混合物から、不混和性過酸含有相の少なくとも一部を分離して、反応混合物から本質的に有機相を回収する工程と;回収された有機相の少なくとも一部を固体收着剤、イオン交換樹脂及び/又は溶剤又は可溶性塩基化学化合物を含む適切な不混和性液体で処理して、供給原料よりも少ない硫黄及び/又は少ない窒素を含む生成物を得る工程と、を含む。
【0035】
酸化供給原料が、製油所流の水素処理から誘導された高沸点留出物画分である場合、製油所流は、約200℃〜約425℃の範囲で沸騰する物質から本質的になる。好ましくは、製油所流は、約250℃〜約400℃の間、より好ましくは約275℃〜約375℃の間で沸騰する物質から本質的になる。
【0036】
好ましくは、不混和性過酸含有相は、水、酢酸の源、過酸化水素の源を、過酸化水素の1モルあたり少なくとも1モルの酢酸を提供する量で混合することにより形成された水性液体である。有益なことに、分離された過酸含有相の少なくとも一部は、反応混合物に再循環される。
【0037】
本発明の別の側面において、回収された有機相の処理は、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩の形態であるナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選択される可溶性塩基化学化合物の水溶液を含む少なくとも1種の不混和性液体を用いる。水酸化ナトリウム又は重炭酸ナトリウムの水溶液が特に有用である。
【0038】
本発明の一側面において、回収された有機相の処理は、アルミナを含む少なくとも1種の固体收着剤を用いることを含む。
本発明の別の側面において、回収された有機相の処理は、酸化された硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有化合物を選択的に抽出するに適する誘電率を有する溶剤を含む少なくとも1の不混和性液体を用いることを含む。有利なことに、溶剤は、約24〜約80の範囲にある誘電率を有する。有用な溶剤としては、2〜約6個の炭素原子の一価又は二価のアルコール、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール及びこれらの水溶液を挙げることができる。溶剤が水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物を含む不混和性液体は、特に有用である。
【0039】
本発明のさらに別の側面において、可溶性塩基化学化合物は、重炭酸ナトリウムであり、有機相の処理は、メタノールを含む少なくとも1種の他の不混和性液体を続いて使用することを含む。
【0040】
本発明の他の側面において、酸化供給原料及び不混和性相を接触させる工程が、二相の向流、交流、又は並流で、連続的に行われる連続プロセスが提供される。
本発明の一側面において、反応混合物の回収された有機相は、続いて、(i)イオン交換樹脂及び(ii)不均一溶剤と接触して、適切な総酸価を有する生成物を得る。
【0041】
さて、本発明をより完全に理解するために、添付図面に詳細に説明されており本発明の実施例として以下に示される実施形態を参照する。
【0042】
[好ましい実施形態]
図1は、周囲条件にて液体である輸送機関用燃料のブレンド成分の連続製造の本発明の一側面を示す概略フローダイアグラムである。この概略フローダイアグラムにおける本発明の構成要素は、石油留出物を二水素(分子状水素)で水素処理すること、水素処理された石油を分留して、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分からなる低沸点ブレンド成分及び硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分からなる高沸点酸化供給原料を提供することを含む。この高沸点酸化供給原料は、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている液体反応混合物中で、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有化合物の1種以上を酸化させるに適切な条件下で、有機過酸又は有機過酸の前駆体の少なくとも1種を含む不混和性相と接触する。その後、不混和性相は、比重により分離されて、酸含有相の一部を再循環させるために回収する。反応混合物の他の部分は、固体收着剤及び/又はイオン交換樹脂と接触して、酸化供給原料よりも少ない硫黄及び/又は少ない窒素を含む有機生成物の混合物を回収する。
【0043】
[一般的記載]
適切な供給原料は、一般に、周囲条件にて液体である炭化水素化合物から実質的になるほとんどの製油所流を含む。適切な酸化供給原料は、一般に、約10゜API〜約100゜APIの範囲、好ましくは約20゜API〜約80゜API又は100゜APIの範囲、より好ましくは最良の結果のために約30゜API〜約70゜API又は100゜APIの範囲のAPI比重を有する。これらの流としては、流動接触法ナフサ、流動又はディレィド(delayed)法ナフサ、軽質直留ナフサ、水素分解炉ナフサ、水素処理法ナフサ、アルキレート、異性化油、接触改質油、及びこれらの流の芳香族誘導体、例えばベンゼン、トルエン、キシレン及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。接触改質油及び接触分解法ナフサは、しばしば、より狭い沸騰範囲の流、例えば軽質接触ナフサ、重質接触ナフサ、軽質接触改質油、重質接触改質油に分けることができ、本発明による供給原料として使用するために特にカスタマイズされてもよい。好ましい流は、軽質直留ナフサ、軽質接触分解ユニットナフサ及び重質接触分解ナフサを含む接触分解ナフサ、軽質接触改質油及び重質接触改質油を含む接触改質油、及びこのような製油所炭化水素流の誘導体である。
【0044】
適切な酸化供給原料は、一般に、大気圧にて、約50℃〜約425℃の範囲の温度、好ましくは約150℃〜約400℃の範囲の温度、より好ましくは最良の結果のために約175℃〜約375℃の範囲の温度で沸騰する製油所留出物流を含む。これらの流は、直留軽質中間留出物、直留重質中間留出物、流体接触分解法軽質接触サイクル油、コークス化蒸留器留出物、水添分解器留出物、及びこれらの流を集合的に又は個別に水素処理した態様を挙げることができることがこれらに限定されるものではない。好ましい流は、流体接触分解法軽質接触サイクル油、コークス器蒸留器留出物、及び水素分解器留出物を集合的に又は個別に水素処理した態様である。
【0045】
酸化供給原料として用いるために、上述の留出物流の1種以上を組み合わせてもよい、ことも予測されるであろう。多くの場合、種々の代替供給原料から得た製油所輸送機関用燃料又は製油所輸送機関用燃料のブレンド成分の性能は同等であるかもしれない。これらの場合、流の有効容積、最も近い接続の位置、短期経済性などの戦略的物流管理が、どの流が有用であるかを決定し得る。
【0046】
典型的には、石油画分中の硫黄化合物は、置換ベンゾチオフェン類やジベンゾチオフェン類などの比較的非極性で複素環式芳香族スルフィドである。一見すると、複素環式芳香族硫黄化合物は、これらの複素環式芳香族にだけに起因するいくつかの特性に基づいて、選択的に抽出することができるように見えるかもしれない。これらの化合物中の硫黄原子は、ルイス塩基として分類される2個の非結合電子対を有するけれども、この特性はルイス酸により抽出されるまでには十分ではない。換言すれば、硫黄をより低いレベルにするための複素環式芳香族硫黄化合物の選択的抽出は、スルフィド類及び炭化水素類の間のより大きな極性の相違を必要とする。
【0047】
本発明による液相酸化によって、これらのスルフィド類をより極性の高いルイス塩基酸素添加硫黄化合物、例えばスルホキシド類やスルホン類などに選択的に転化することが可能となる。ジメチルスルフィドなどの化合物は、非常に非極性の分子であるが、酸化されると、分子は非常に極性になる。したがって、製油所流にみられるベンゾチオフェン類やジベンゾチオフェン類などの複素環式芳香族スルフィド類を選択的に酸化することにより、本発明のプロセスは、これらの複素環式芳香族化合物に対して、より高い極性を選択的に与えることができる。これらの望ましくない硫黄化合物の極性が本発明の液相酸化により増加する場合、これらは、極性溶剤及び/又はルイス酸收着剤により、選択的に抽出され得るが、炭化水素流の大半は影響を受けない。
【0048】
非結合電子対をも有する他の化合物としては、アミン類を挙げることができる。複素環式芳香族アミン類もまた、上述のスルフィド類が見られる同じ流内に見いだされる。アミン類は、スルフィド類よりも塩基性である。孤立電子対は、ブレンステッド−ローリィ(Bronsted-Lowry)塩基(プロトン受容体)並びにルイス塩基(電子供与体)として機能する。原子上のこの電子対は、スルフィド類に対すると同様の態様で、酸化されやすくする。
【0049】
本明細書に記載するように、酸化供給原料は、−OOH基本構造を含む少なくとも1種の有機過酸又は有機過酸の前駆体を含む不混和性相と接触し、液体反応混合物は、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上の酸化に適する条件下で、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持される。本発明において用いる有機過酸は、好ましくは、過酸化水素及びカルボン酸の組み合わせから作られる。
【0050】
有機過酸に関して、カルボニル炭素は、水素又は炭化水素ラジカルに取り付けられる。一般に、このような炭化水素ラジカルは、1個〜約12個の炭素原子、好ましくは約1個〜約8個の炭素原子を含む。より好ましくは、有機過酸は、過ギ酸、過酢酸、トリクロロ酢酸、過安息香酸、及び過フタル酸及びこれらの前駆体からなる群より選択される。最良の結果のために、本発明のプロセスは、過酢酸又は過酢酸の前駆体を用いる。
【0051】
大略的には、ここで用いられる有機過酸の適量は、酸化供給原料中の硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上の酸化に必要な化学量論量であり、選択された供給原料による直接実験により容易に決定される。より高濃度の有機過酸に関して、選択率は、一般に、有益なことにスルホキシドよりも遙かに極性であるより高度に酸化されたスルホンを好む傾向にある。
【0052】
本出願人は、酸化反応は、協調的な非ラジカル機構による二価硫黄原子との有機過酸の迅速反応を含み、こうして酸素原子が実際に硫黄原子に与えられる、と考える。前述のように、より多量の過酸の存在下にて、スルホキシドは、おそらく同じ機構によって、スルホンにさらに転化される。同様に、ヒドロペルオキシ化合物により同じ態様で、アミンの窒素原子も酸化されると予測される。
【0053】
本発明による液体反応混合物中での酸化は、酸素原子が二価硫黄原子に与えられる工程を含むという説明は、本発明によるプロセスがこのような反応機構を介して実際に進行することを必ずしも意味するものではない。
【0054】
触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている液体反応混合物中で、過酸含有不混和性相と酸化供給原料を接触させることにより、あったとしても単環芳香族の同時酸化は無視してもよい状態で、緻密に置換されたスルフィド類は、これらの対応するスルホキシド類及びスルホン類に酸化される。これらの高い極性故にこれらの酸化生成物は、吸着、抽出及び/又は蒸留などの分離技術により、容易に除去することができる。水素処理された流中の緻密に置換された少量のスルフィド類と組み合わせられた酸化剤の高い選択率により、本発明は、收率損失を最小化する特に有効なディープ(deep)脱硫手段となる。收率損失は、酸化された緻密に置換されたスルフィド類の量に対応する。水素処理された原油中に存在する緻密に置換されたスルフィド類の量がむしろ少量であるから、收率損失は対応して少なくなる。
【0055】
大略的には、液相酸化反応は、むしろ緩やかで、室温程度に低い温度でも行うことができる。特に、液相酸化は、合理的な速度で、緻密に置換されたスルフィド類を対応するスルホキシド類及びスルホン類に転化することができる任意の条件にて行われる。
【0056】
本発明によれば、有機過酸含有不混和性相と酸化供給原料との接触中に、酸化に適する液体混合物の条件は、所望の酸化反応が進行する任意の圧力を含む。典型的には、約10℃よりも高い温度及び反応混合物を実質的に液相に維持する十分な圧力が適切である。好ましい温度は、約25℃〜約250℃の間であり、約50℃〜約150℃の間の温度がより好ましい。最も好ましい温度は、約80℃〜約125℃の間である。
【0057】
本発明の一体化プロセスは、スルホキシド及びスルホンを除去することができる固体收着剤を用いる1種以上の選択分離工程を含み得る。このような收着剤としては、当業者に一般的に知られている活性炭、活性ボーキサイト、活性クレイ、活性コークス、アルミナ及びシリカゲルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。酸化された硫黄含有炭化水素物質は、炭化水素相の硫黄含量を減少させるに十分な時間だけ、固体收着剤と接触する。
【0058】
本発明の一体化プロセスは、可溶性塩基化学化合物を含む不混和性液体を用いる1種以上の選択分離工程を含み得る。酸化された硫黄含有炭化水素物質は、炭化水素相の酸含量を減少させるに十分な時間、一般的には約1秒〜約24時間、好ましくは1分〜60分、化学塩基溶液と接触する。反応温度は、一般には約10℃〜約230℃、好ましくは約40℃〜約150℃である。
【0059】
一般に、適切な塩基化合物としては、アンモニアもしくは周期律表I、II及び/又はIII族から選択された元素の任意の水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩を挙げることができるが、焼成ドロマイト材料及びアルカリ化アルミナを用いることもできる。加えて、異なる塩基の混合物も利用できる。好ましくは、塩基化合物は、周期律表I及び/又はII元素から選択された元素の水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩である。より好ましくは、塩基化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸バリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸マグネシウムからなる群より選択される。最良の結果のために、本発明のプロセスは、アルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択されるアルカリ金属水酸化物を含む水性溶剤を用いる。
【0060】
本発明による硫黄分離工程を実施するには、大気圧に近い圧力又はこれより高い圧力が適切である。100気圧までの圧力を用いることができるが、圧力は、一般に約15psi〜約500psiの範囲、好ましくは約25psi〜約400psiの範囲にある。
【0061】
本発明のプロセスは、有利なことに、液体供給原料から気体として分離することができ、固体收着剤上に集めることができ、及び/又は水性液体で洗浄することができる硫化水素を形成するための酸化供給原料の接触水添脱硫を含む。酸化供給原料が、水素処理された石油留出物からの硫黄及び/又は窒素の除去を促進するための石油留出物の水素添加プロセスの生成物である場合、本発明に必要な過酸の量は、本発明により処理される水素処理された流中に含まれている緻密に置換されたスルフィド類を酸化するに必要な化学量論量である。好ましくは、緻密に置換されたスルフィド類の全量を酸化する量が用いられる。
【0062】
本発明における水素添加のために有用な留出物画分は、大気圧にて、約50℃〜約425℃の範囲、好ましくは150℃〜約400℃の範囲、より好ましくは約175℃〜約375℃の範囲で沸騰する製油所流の任意の一部、いくらか又は全量から本質的になる。留出物生成物中の軽質炭化水素成分は、一般に、より有益にガソリンに回収され、留出燃料中のこれらの低沸点物質の存在は、しばしば留出燃料の引火点規格を制限する。400℃よりも高温で沸騰する重質炭化水素成分は、一般に、流動接触分解器供給物としてより有益に処理されて、ガソリンに転化される。留出燃料中の重質炭化水素成分の存在は、さらに、留出燃料終点規格を制限する。
【0063】
本発明における水素添加用の留出物画分は、高硫黄原油び低硫黄原油、コークス器留出物、接触分解器軽質接触サイクル油及び接触分解器重質接触サイクル油、水添分解器及び残油水素処理設備からの留出物沸騰範囲生成物から誘導される高硫黄直留留出物及び低硫黄直留留出物を含むことができる。一般に、コークス器留出物、軽質接触サイクル油及び重質接触サイクル油が、80wt%ほどに高い範囲である最多のより高級な芳香族供給原料成分である。コークス器留出物及びサイクル油芳香族の主要部分は、単環芳香族類及び二環芳香族類であり、少量の三環芳香族類を伴う。高硫黄直留留出物及び低硫黄直留留出物などの直留ストックは、高くても20wt%ほどの低い芳香族類含量である。一般に、組み合わせられた水素添加設備供給原料の芳香族類含量は、約5wt%〜約80wt%の範囲にあり、より典型的には約10wt%〜約70wt%、最も典型的には約20wt%〜約60wt%の範囲である。
【0064】
本発明における水素添加用の留出物画分中の硫黄濃度は、一般に、高硫黄原油及び低硫黄原油の混合物、原油容量1バレルあたりの製油所の水添容量、及び留出物水添供給原料成分の別の処理方法の関数である。硫黄分がより高い留出物供給原料成分は、一般に、高硫黄原油、コークス器留出物、及び硫黄分が比較的高い供給原料を処理する流体接触分解ユニットからの接触サイクル油から誘導された直留留出物である。これらの留出物供給原料成分は、硫黄元素が2wt%ほどに高い範囲であるが、一般に約0.1wt%〜約0.9wt%の範囲でもよい。
【0065】
本発明における水素添加用の留出物画分の窒素含量もまた、原油の窒素含量、原油容量1バレルあたりの製油所の水素添加容量、及び留出物供給原料成分の別の処理の関数である。窒素含量がより高い留出物供給原料は、一般に、コークス器留出物及び接触サイクル油である。これらの留出物供給原料成分は、2000ppmほどに高い総窒素濃度を有することもできるが、一般には約5ppm〜約900ppmの範囲である。
【0066】
接触水添プロセスは、触媒の固定床、移動流動床又は沸騰床内で、比較的緩やかな条件下で実施され得る。好ましくは、再生が必要になるまでに比較的長時間が経過するような緩やかな条件下、例えば約6気圧〜約160気圧の範囲内の圧力にて、反応ゾーンの平均温度が約200℃〜約450℃、好ましくは約250℃〜約400℃、最も好ましくは最良の結果のために約275℃〜約350℃で、触媒の固定床が用いられる。
【0067】
水素添加がきわめて良好な硫黄除去を提供するが、水添脱硫工程に必要な圧力及び水素の量が最小である特に好ましい圧力範囲は、20気圧〜60気圧の範囲内であり、より好ましくは約25気圧〜40気圧である。
【0068】
本発明によれば、適切な留出物画分は、好ましくは選択的に酸化される前に水添脱硫され、より好ましくは少なくとも1種の低沸点画分と1の高沸点画分の流出物を提供することができる設備を用いる。
【0069】
一般に、本発明に有用な水素添加プロセスは、留出物画分予備加熱工程で開始する。留出分画分は、目標の反応ゾーン入口温度まで最終的に予備加熱するため炉に入る前に、供給物/流出物熱交換機内で予備加熱される。留出分画分は、予備加熱前、予備加熱中及び/又は予備加熱後に、水素流と接触してもよい。
【0070】
水素流は、純粋水素でもよいし、炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、水、硫黄化合物などの希釈剤との混合物でもよい。水素流純度は、少なくとも約50容量%水素であり、好ましくは少なくとも約65容量%水素であり、より好ましくは最良の結果のために少なくとも約75容量%水素である。水素は、水素プラント、接触改質設備又は水素製造プロセスから供給されてもよい。
【0071】
反応ゾーンは、同一又は異なる触媒を含む1個以上の固定床反応器からなるものでもよい。固定床反応器はさらに、複数の触媒床を含むものでもよい。単一の固定床反応器内の複数の触媒床もまた、同一又は異なる触媒を含み得る。
【0072】
水素添加反応は、一般に発熱反応であるから、同じ反応器シェル内の固定床反応器の間又は触媒床の間の熱交換装置からなる段間冷却が用いられる。水素添加プロセスから発生した熱の少なくとも一部は、しばしば、水素添加プロセスにおいて用いるために有益に回収することができる。この熱回収オプションが使えない場合、冷却水や空気などの冷却ユーティリティを介して、もしくは反応器に直接注入される水素急冷流を用いて、冷却が行われてもよい。2ステージプロセスは、反応器シェルあたりの発熱を減少させ、より良好な水素添加反応器温度制御を行うことができる。
【0073】
反応ゾーン流出物は、一般に冷却され、流出流は分離装置に送られて、水素が除去される。回収された水素の幾分かはプロセスに再循環することができ、水素のいくらかはプラント又は製油所燃料などの外部システムにパージすることができる。水素パージ速度は、最小の水素純度を維持し、硫化水素を除去するように、制御されることが多い。再循環された水素は、一般に、圧縮され、「メーキャップ」水素で補充され、さらなる水素添加のためのプロセスに注入される。
【0074】
分離器装置の液体流出物は、ストリッパー装置内で処理することができ、ここで軽質炭化水素類が除去されて、より適当な炭化水素プールに送られてもよい。好ましくは、分離器及び/又はストリッパー装置は、少なくとも1の低沸点液体画分及び1の高沸点液体画分の流出物を提供することができる手段を含む。液体流出物及び/又はその1種以上の液体画分は、続いて、液体有機化合物中に酸素を組み込むように及び/又は液体生成物からの硫黄又は窒素の酸化除去を補助するように、処理される。液体生成物は、次いで、一般に最終的な留出物生成物の製造用のブレンド設備に搬送される。
【0075】
水素添加プロセスにおいて用いられるべき運転条件は、約200℃〜約450℃、より好ましくは約250℃〜約400℃、最も好ましくは最良の結果のために約275℃〜約350℃の反応ゾーン平均温度を含む。
【0076】
水素添加プロセスは、典型的には、約400psig〜約2000psig、好ましくは約500psig〜約1500psig、最も好ましくは最良の結果のために約600psig〜約1200psigの範囲にある反応ゾーン圧力にて運転される。水素循環速度は、一般に、約500SCF/Bbl〜約20,000SCF/Bbl、好ましくは約2,000SCF/Bbl〜約15,000SCF/Bbl、最も好ましくは最良の結果を得るために約3,000SCF/Bbl〜約13,000SCF/Bblの範囲にある。これらの範囲を下回る反応圧力及び水素循環速度は、より効果的でない脱硫、脱窒、及び脱芳香族化を引き起こすであろうより早い接触不活性化速度を生じさせ得る。過剰に高い反応圧力は、エネルギーコスト及び設備コストを上昇させ、限界収益を減少させる。
【0077】
水素添加プロセスは、典型的には、約0.2hr-1〜約10.0hr-1、好ましくは約0.5hr-1〜約3.0hr-1、最も好ましくは最良の結果のために約1.0hr-1〜約2.0hr-1の液体の時間あたり空間速度で運転される。過剰に高い空間速度は、全体の水素添加を減少させるであろう。
【0078】
水素処理に有用な触媒は、有機化合物の混合物への水素の組み込みを強化することができ、こうして少なくとも硫化水素を形成することができる成分と、触媒担体成分と、を含む。触媒担体成分は、典型的には、シリカ、アルミナ又はシリカ−アルミナなどの耐火性無機酸化物を含む。本発明において用いるに適する耐火性無機酸化物は、好ましくは約50〜約200Åの範囲、より好ましくは最良の結果のために約80〜150Åの範囲の孔径を有する。触媒担体成分は、アルミナなどの耐火性無機酸化物を含むことが有利である。
【0079】
水素処理による石油留出物画分からのこのような複素環式スルフィドをさらに減少させるためには、これらの化合物を炭化水素類及び硫化水素(H2S)に転化するために、流を非常に厳しい接触水素添加に供することが必要になるだろう。典型的には、より大きな任意の炭化水素部位は、スルフィドを水素添加することがより困難である。したがって、水素処理後に残る残留有機硫黄化合物は、最も密に置換されたスルフィド類である。
【0080】
本明細書に開示されているように、接触水素添加による水素処理に続いて、酸素をこのような化合物に組み込んで酸化供給原料からの硫黄又は窒素の選択除去を補助することにより、硫黄又は窒素を含有する有機化合物をさらに選択除去することができる。
[好ましい実施形態の記載]
本発明をより良好に理解するために、本発明のまた別の好ましい側面を概略図示する。さて、概略フローダイアグラムを参照すれば、製油所供給源12からの中間留出物の実質的に液体である流は、導管14を通って、接触反応器20に装填される。二水素(分子状水素)を含有する気体状混合物は、貯蔵設備又は製油所供給源16から導管18を通って接触反応器20に供給される。接触反応器20は、中間留出物の脱硫、脱窒、及び脱芳香族化に対する水素添加促進作用を有する同一又は異なる触媒の1個以上の固定床を含む。反応器は、床を通過する液体及び気体の上昇流、下降流、又は向流で運転されてもよい。
【0081】
1個以上の触媒床及び続く分離及び蒸留は、統合水素処理及び分画システムとして一緒に運転する。このシステムは、流出流から、未反応二水素、硫化水素及び水素添加の他の非凝縮性生成物を分離して、得られる凝縮性化合物の液体混合物を、少量の残留硫黄を含有する低沸点画分と、多量の残留硫黄を含有する高沸点画分と、に分画する。
【0082】
接触反応器20からの混合された流出物は、導管22を通って分離ドラム24に搬送される。分離ドラム24からの未反応二水素、硫化水素、及び他の非凝縮性化合物は、導管28を通って、水素回収設備(図示せず)に流れる。有利なことに、未反応水素の全部又は一部は、接触反応器20に再循環されてもよいが、ただし硫化水素の少なくとも一部はそこから分離されている。
【0083】
水素添加された液体は、分離ドラム24から導管26を通って蒸留塔30に流れる。蒸留塔30の頂部からの気体及び凝縮性蒸気は、導管34及び42によりオーバーヘッド冷却器40を通過して、オーバーヘッドドラム46に送られる。分離した気体及び非凝縮性化合物は、オーバーヘッドドラム46から導管49を通って、廃棄又はさらなる回収設備(図示せず)に流れる。還流に適する凝縮された有機化合物の一部は、オーバーヘッドドラム46から導管48を通って蒸留塔30に戻される。凝縮物の他の部分は、有益なことに、オーバーヘッドドラム46から分離ドラム24に再循環され、及び/又は他の製油所用途(図示せず)に搬送される。
【0084】
少量の硫黄含有有機化合物を有する低沸点画分は、蒸留塔30の頂部近くから抜き出され、導管32を通って燃料ブレンド設備90に搬送される。接触水素添加からのこの低沸点画分は、それ自身有価値生成物である。
【0085】
有益なことに、実質的に液体である低沸点画分の全部又は一部は、導管32aを通って、空気又は酸素が豊富な空気などの気体状二酸素源による液相中での接触酸化用の任意の酸素化プロセスユニット100へと分流する。本発明の目的にとって、用語「酸素化」とは、1個以上の酸素原子を炭化水素分子に添加する任意の手段を意味する。特に適切な接触酸素化プロセスは、共に譲渡された米国特許出願No. 37,248A及びNo.37,248Bに開示されている。
【0086】
酸素化された有機化合物を含有する流は、続いて分離されて、例えば、燃料又は燃料のブレンド成分が回収され、導管32bを通って燃料ブレンド設備90に搬送される。あるいは、この流を化学品製造用の供給原料源として利用することもできる。
【0087】
蒸留塔30の底部における高沸点液体の一部は、導管35を通して再沸器36に搬送され、再沸器36からの蒸気流は導管35を通して蒸留塔30に戻される。
多量の硫黄含有有機化合物を有する高沸点液体画分の別の部分は、酸化供給原料として、蒸留塔30の底部から、導管38を通って酸化反応器60に供給される。
【0088】
少なくとも過酸及び/又は他の有機過酸を含む不混和性相は、マニフォールド50を通って、酸化反応器60に供給される。酸化反応器60内の液体反応混合物は、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上の酸化に適する条件下で、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まない状態に維持される。適切には、酸化反応器60は、約80℃〜約125℃の範囲の温度で且つ約15psi〜約400psi、好ましくは約15psi〜約150psiの範囲の圧力に、維持される。
【0089】
反応器60からの液体反応混合物は、導管62を通ってドラム64に供給される。不混和性相の少なくとも一部は、反応混合物の他の相から比重分離される。不混和性相の一部は反応器60に直接戻されてもよいが、概略フローダイアグラムに示された実施形態によれば、この相はドラム64から導管66を通って抜き出され、分離ユニット80に搬送される。
【0090】
不混和性相は、反応水、カルボン酸、及び今や不混和性相に可溶性である酸化された硫黄含有有機化合物及び/又は酸化された窒素含有有機化合物を含む。酢酸及び過剰の水は、高沸点硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物から、蒸留により分離される。回収された酢酸は、導管82及びマニフォールド50を通って酸化反応器60に戻される。過酸化水素は、導管54を通って、貯蔵設備52からマニフォールド50に供給される。必要に応じて、メークアップ酢酸溶液が貯蔵設備56から又は別の水性酢酸源から、導管58を通って供給される。過剰の水は、分離ユニット80から抜き出され、導管86を通って廃棄処理設備(図示せず)に搬送される。酸化された硫黄含有有機化合物及び/又は酸化された窒素含有有機化合物の少なくとも一部は、導管84を通って接触反応器20に搬送される。
【0091】
ドラム64から分離された反応混合物の相は、導管68を通って容器70に供給される。容器70は、酸素化に対する供給原料よりも少量の硫黄及び/又は窒素を含有する生成物を得るために、酸性及び/又は他の極性化合物を保持する性能を示す固体收着剤の床を含む。生成物は、容器70から導管72を通って燃料ブレンド設備90に搬送される。好ましくは、この態様において、平行流となるように構成された固体收着剤を含む2個以上の反応器からなるシステムを用いて、一方の收着剤床が再生又は交換中にも連続運転を可能とする。
【0092】
硫黄原子の方が芳香族炭化水素類よりも立体障害されている化合物を優先的に酸化するために、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている液相反応混合物中での選択された有機過酸を用いる本発明によるプロセスの特徴及び利点の観点から、従来用いられている公知の脱硫システムと比較しながら、以下の実施例を説明するが、以下の実施例は本発明を何ら制限するものではない。
[概要]
炭化水素生成物の酸素化は、供給物及び生成物の高精度な炭素及び水素分析の相違に基づいて決定した。
【0093】
【数1】
Figure 2004526012
【0094】
[実施例1]
本実施例において、約130ppmのレベルで硫黄を含有する水添脱硫留出物を製造するに適する条件下で、約500ppmのレベルで硫黄を含有する製油所留出物を水素処理し、水素処理留出物150として識別した。水素処理留出物150を、下記表に示す温度にて集めた4種の画分に分留した。
【0095】
【表1】
Figure 2004526012
【0096】
分留点のこの範囲での水素処理留出物150の分析をTable Iに示す。本発明によれば、約260℃〜約300℃の範囲の温度以下で集められた画分は、水素処理留出物150を硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分とに分割した。
【0097】
【表2】
Figure 2004526012
【0098】
[実施例2]
本実施例において、約15ppmのレベルで硫黄を含有する水添脱硫留出物を製造するに適する条件下で、約500ppmのレベルで硫黄を含有する製油所留出物を水素処理して、水素処理留出物15として識別した。
【0099】
分留点の範囲での水素処理留出物15の分析をTable IIに示す。本発明によれば、約260℃〜約300℃の範囲の温度以下で集められた画分は、水素処理留出物15を硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分とに、分割した。
【0100】
【表3】
Figure 2004526012
【0101】
[実施例3〜6]
水素処理した製油所留出物S−25を分留して、過酸化水素及び酢酸を用いる酸化用の供給原料を準備した。約300℃以下の温度で集められた画分は、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分であり、S−25−B300として識別した。S−25−B300の分析結果は、硫黄含量3ppm、窒素含量2ppm、単環芳香族36.2%、二環芳香族1.8%、総芳香族37.9%であった。約300℃よりも高い温度で集められた画分は、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分であり、S−25−A300として識別した。S−25−A300の分析結果は、硫黄含量35ppm、窒素含量31ppm、単環芳香族15.7%、二環芳香族5.8%、三環芳香族1.4%、総芳香族22.9%であった。
【0102】
還流コンデンサ、機械的攪拌装置、窒素入口及び出口を具備する250mLの三首丸底フラスコに、S−25−A300を100g装填した。反応器には、さらに、種々の量の氷酢酸、蒸留脱イオン水、過酸化水素30%水溶液を装填した。窒素の僅かなフロー下で混合物を攪拌しながら、約93℃〜99℃にて約2時間加熱した。反応の終期に、攪拌を止めると、フラスコの内容物は迅速に2層の液層を形成した。頂部層(有機物)のサンプルを抜き出して、無水硫化ナトリウムで脱水した。フラスコの内容物を攪拌し、室温まで冷却した後、約0.1gの二酸化マンガンを添加して、残留過酸化水素を分解した。このとき、混合物をさらに10分間攪拌して、その後反応器内容物全体を集めた。
【0103】
【表4】
Figure 2004526012
【0104】
Table IIIは、酢酸の濃度が増加すると水層中の総硫黄の濃度が増加することを示す変数及び分析データを与える。酢酸のレベルの増加は、有機層中の硫黄を35ppmから減少させた。これらのデータは、本発明の本質的な構成要素は、カルボニル炭素が水素又は炭化水素ラジカルに付いている有機過酸の使用にあることを明らかに示す。一般に、このような炭化水素ラジカルは、1〜約12個の炭素原子、好ましくは約1〜約8個の炭素原子を含む。酢酸は、酸素化された硫黄化合物を有機層から水層中に抽出することが示されている。酢酸を用いない場合には、水層への顕著な硫黄移動は観察されなかった。
【0105】
[実施例7]
水素処理製油所留出物S−25を分留して、過酸化水素及び酢酸を含有する不混和性水溶液を用いる酸化用の供給原料を準備した。約316℃を超える温度で集めたS−25の画分は、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分であり、S−25−A316として識別した。S−25−A316の分析結果は、硫黄含量80ppm、窒素含量102ppmであった。
【0106】
還流コンデンサ、磁気攪拌棒又は機械的攪拌装置、窒素入口及び出口を具備する250mLの三首丸底フラスコに、S−98−25−A316を100gと、氷酢酸75mLと、水25mLと、過酸化水素(30%)17mLと、を装填した。混合物を100℃まで加熱して、ハウス窒素の非常に僅かなフロー下で2時間激しく攪拌した。
【0107】
反応の終期にて、頂部層(有機物)の分析をしたところ、硫黄54ppm、窒素5ppmであった。フラスコの内容物を再び攪拌して、室温まで冷却した、室温にて、約0.1gの二酸化マンガン(MnO2)を添加して、過剰の過酸化水素を分解し、さらに10分間攪拌を続けた。次いで、フラスコの内容物全体を通気孔付きの蓋を有するボトルに注いだ。底部層(水層)の分析結果は、総硫黄が44ppmであった。
【0108】
[実施例8]
氷酢酸100mLを装填したが水は装填せずに、水素処理製油所留出物S−25−A316の第2の酸化を実施例7に記載したように行った。有機層は、硫黄27ppm及び窒素3ppmを含んでいた。水層は、硫黄81ppmを含んでいた。
【0109】
[実施例9]
実施例7及び8の両者におけるフラスコの内容物を組み合わせた。次いで、底部層を取り除いて、両方の実験からの組み合わされた有機層を残した。無水硫化ナトリウムで有機層を乾燥して、プロセスからの残留水を取り除いた。真空濾過により使用済み硫化水素を取り除いた後、濾過物:アルミナの比率が7:1〜10:1となるように十分なアルミナを通して、濾過物をパーコレート濾過した。アルミナから出てくる有機層の分析結果は、総硫黄32ppm、総窒素5ppmであった。
【0110】
[実施例10]
S−150として識別された水素処理製油所留出物を分留して、過酸化水素及び酢酸で形成された過酸を用いる酸化用の供給原料を準備した。S−150の分析結果は、硫黄含量113ppm、窒素含量36ppmであった。約316℃を超える温度で集められたS−150の画分は、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分であり、S−150−A316として識別した。S−150−A316の分析結果は、硫黄含量580ppm、窒素含量147ppmであった。
【0111】
水ジャケット還流コンデンサ、機械的攪拌装置、窒素入口及び出口、及びバリアック(商標)スライダックを通して制御される加熱マントルを具備する3リットルの三首丸底フラスコに、S−98−A316を1kgと、氷酢酸1リットルと、過酸化水素(30%)170mLとを装填した。
【0112】
窒素の僅かなフローを開始して、次いで、このガスを反応器内容物の表面上を掃くように緩やかに流した。攪拌装置を始動させて、十分に混合して、内容物を加熱した。温度が93℃に達したならば、120分間の反応時間にわたり、内容物をこの温度に保持した。
【0113】
反応時間の経過後、攪拌は続けたが、加熱マントルは停止させて取り除いた。約77℃にて、攪拌装置を瞬間的に停止させて、丸底フラスコの1つの首から約1gの二酸化マンガン(MnO2)を二相混合物に添加して、未反応過酸化水素を分解させた。次いで、攪拌装置による内容物の混合を再開して、混合物の温度を約49℃まで冷却させた。攪拌を停止して、有機物(頂部)層及び水性(底部)層の両方を分離させたところ、速やかに分離が起こった。
【0114】
底部層を取り除いて、さらなる分析のために、軽く蓋をしたボトル内に保持して、未分解過酸化水素から酸素を蒸発させた。底部層の分析結果は、硫黄225ppmであった。
反応器に、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液500mLを慎重に装填して、有機層を中和した。重炭酸ナトリウムを添加した後、混合物を10分間迅速に攪拌して、残留酢酸を中和した。有機物質を無水3Aモレキュラーシーブ上で乾燥させた。PS−150−A316として識別された乾燥有機層の分析結果は、硫黄143ppm、窒素4ppm、総酸価0.11mgKOH/gであった。
【0115】
[実施例11]
500mLの分液漏斗に、PS−150−A316を150mLと、メタノール150mLと、を装填した、漏斗を振って、混合物を分離させた。底部のメタノール層を集めて、分析試験のために保存した。次に、生成物の一部50mLを分析試験のために集めて、サンプルME11−1として識別した。
【0116】
生成物の残り100mLを含む漏斗に、新しいメタノールの部分100mLを添加した。漏斗を再び振って、混合物を分離させた。底部のメタノール層を集めて、分析試験用に保存した。メタノール抽出した生成物の一部50mLを分析試験用に集めて、サンプルME11−2として識別した。
【0117】
漏斗中の残りの生成物50mlに、新しいメタノール50mLを添加した。漏斗を再び振って、2層に分離させた。底部のメタノール層を集めて、分析試験用として保存した。生成物の50mLを分析試験用に集めて、サンプルME11−3として識別した。この実施例から得られた分析結果をTable IVに示す。
【0118】
【表5】
Figure 2004526012
【0119】
これらの結果は、メタノールが酸化された硫黄化合物を選択的に除去可能であることを明らかに示す。加えて、酸性不純物もまた、メタノール抽出により除去される。
【0120】
[実施例12]
分液漏斗に、PS−150B316を50mLと、水を50mLと、を装填した。漏斗を振って、層を分離させた。底部の水層を集めて、分析試験用に保存した。炭化水素層を分析試験用に集めて、E12−1Wとして識別した。Table Vは、これらの結果を示す。
【0121】
【表6】
Figure 2004526012
【0122】
水抽出結果は、留出物層中の酸化された硫黄化合物を除去するに水が有用であることを示す。
【0123】
[実施例13]
PS−150−A316の500gを無水酢酸アルミナ50gを通してパーコレート濾過した。集めた生成物をE13−1Aとして識別して、分析した。データをTable VIにし示す。
【0124】
【表7】
Figure 2004526012
【0125】
これらのデータは、留出物から残留酸化硫黄化合物及び窒素化合物の除去において、アルミナ処理もまた効果的であることを示す。
分析は、アルミナ処理された物質E13−1Aで行われ、PS−150−A316と比較した。分析は、供給物は約3,000ppmの不純物(ジベンゾチオフェン又は置換ジベンゾチオフェン)を含んでいたが、生成物中には、ジベンゾチオフェン又は置換ジベンゾチオフェンが含まれていないことを示した。
【0126】
[実施例14]
S−DFとして識別された別の水素処理製油所留出物を分留して、過酸化水素及び酢酸で形成された過酸を用いる酸化用の供給原料を準備した。約288℃以下の温度で集められた画分S−DFは、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分であり、S−DF−B288として識別した。S−DF−B288の分析結果は、硫黄含量30ppmであった。
【0127】
一連の酸化実験を実施例10に記載したように行い、生成物を組み合わせて、セタン評定及び化学分析に必要な多量の物質を準備した。実施例10と同様の設備のフラスコに、S−DF−A288を1kgと、氷酢酸を1リットルと、脱イオン蒸留水を85mLと、30%過酸化水素を85mLと、を装填した。
【0128】
一手順において、乾燥した酸化留出物の1バッチを、乾燥酢酸アルミナ(150メッシュ)の250mLで充填された第2の塔を通してパーコレート濾過した。留出物:アルミナの比率は、約4:1(v/v)であった。アルミナは、1,000mLの約4バッチに用いて、交換した。
【0129】
別の手順において、アルミナ約100gをフリットディスク(ファイン)を具備する600mLのブフナー漏斗内に置いた。乾燥留出物をアルミナの上から注いで、留出物を短時間でアルミナを通して真空引きして、より迅速に処理した。
【0130】
ポストアルミナ処理した物質の各バッチを総硫黄分析にかけて、供給物から効果的に除かれた硫黄を定量した。アルミナ処理された物質は全部、3ppmwよりも少ない硫黄濃度、一般的には1ppmwの硫黄濃度を有していた。ポストアルミナ処理された物質の32バッチのブレンドをBA−DF−A288として識別した。
【0131】
本発明の目的のために、「主として」とは、約50%よりも多いことを意味する。「実質的に」とは、十分な頻度で生じるものとして、又は関連する化合物又は系の巨視的特性に測定可能な影響を与える程度の割合で存在するものとして定義される。そのような頻度又は影響の割合が明らかではない場合には、「実質的に」とは約20%以上と考えることができる。「から本質的になる供給原料」とは、供給原料の少なくとも95容量%として定義される。「本質的に含まない」とは、巨視的な品質及び最終製品に無視できる影響以上のものを与えない小さな変動、典型的には約1%以下が許されることを除いて絶対的なものとして定義される。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】図1は、本発明の好ましい側面を示す概略フローダイアグラムである。

Claims (20)

  1. 製油所輸送機関用燃料又は製油所輸送機関用燃料のブレンド成分の製造方法であって、
    炭化水素類、硫黄含有有機化合物、及び窒素含有有機化合物の混合物であって、約10゜API〜約100゜APIの比重を有する混合物を含む酸化供給原料を準備する工程と、
    該酸化供給原料を、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている液体反応混合物中で、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有化合物の1種以上の酸化に適する条件下で、少なくとも1種の有機過酸又は有機過酸の前駆体を含む不混和性相と接触させる工程と、
    該反応混合物から、該不混和性過酸含有相の少なくとも一部を分離する工程と、
    該反応混合物から、酸化供給原料よりも少量の硫黄及び/又は窒素を含有する有機化合物の混合物を含む生成物を回収する工程と、
    を含む方法。
  2. 前記不混和性相は、過酸化水素及び/又はアルキルヒドロパーオキサイドの源と、1〜約8個の炭素原子の脂肪族モノカルボン酸と、水とを、混合させることにより形成されたものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記不混和性相は、過酸化水素源と、酢酸源と、水とを混合することにより形成されたものである、請求項1に記載の方法。
  4. 分離された前記過酸含有相の少なくとも一部は、前記反応混合物に再循環される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記酸化供給原料の全部又は少なくとも一部は、約50℃〜約425℃の間で沸騰する物質から本質的になる石油留出物に対する水素処理プロセスの生成物であり、該水素処理プロセスは、水素添加条件にて、水素処理された石油留出物からの硫黄及び/又は窒素の水添除去を補助する水素添加触媒の存在下で、石油留出物を水素源と反応させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記水素添加触媒は、総触媒の約0.1wt%〜約20wt%の量で不活性担体上に組み込まれているd−遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の活性金属を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記水素処理プロセスは、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分からなる少なくとも1種の低沸点ブレンド成分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分からなる高沸点液体と、を提供する蒸留による水素処理石油留出物の分留をさらに含み、前記酸化供給原料は主として高沸点液体である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記低沸点画分の少なくとも一部を、酸化供給原料よりも少量の硫黄及び/又は窒素を含む生成物とブレンドして、輸送機関用の製油所ブレンド成分を得る工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記高沸点酸化供給原料は、約200℃〜約425℃の間で沸騰する物質から本質的になる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記酸化条件は、約25℃〜約250℃の範囲の温度と、前記反応混合物を実質的に液相に維持するに十分な圧力と、を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 製油所輸送機関用燃料又は製油所輸送機関用燃料のブレンド成分の製造方法であって、
    水素処理された石油留出物からの硫黄及び/又は窒素の水添除去を補助する水素添加触媒の存在下、水素添加条件にて、水素源と石油留出物とを反応させる工程を含むプロセスにより、約50℃〜約425℃の間で沸騰する物質から本質的になる石油留出物を水素処理する工程と、
    該水素処理された石油留出物を蒸留により分画して、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分からなる少なくとも1種の低沸点ブレンド成分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分からなる高沸点供給原料と、を提供する工程と、
    該高沸点供給原料の少なくとも一部を、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まない状態に維持されている液体反応混合物中で、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上の酸化に適する条件下で、少なくとも1種の有機過酸又は有機過酸の前駆体を含む不混和性相と接触させる工程と、
    該反応混合物から、該不混和性過酸含有相の少なくとも一部を分離して、本質的に有機相を該反応混合物から回収する工程と、
    回収された該有機相の少なくとも一部を固体收着剤、イオン交換樹脂及び/又は溶剤又は可溶性塩基化学化合物を含む適切な不混和性液体で処理して、該供給原料よりも少量の硫黄及び/又は窒素を含む生成物を得る工程と、
    を含む方法。
  12. 前記不混和性過酸含有相は、水と、酢酸源と、過酸化水素源とを、過酸化水素の各モルあたり少なくとも1モルの酢酸を提供するような量で、混合することにより形成された水性液体である、請求項11に記載の方法。
  13. 分離された前記過酸含有相の少なくとも一部は、反応混合物に再循環される、請求項12に記載の方法。
  14. 回収された前記有機相の処理は、アルミナを含む少なくとも1種の固体收着剤の使用を含む、請求項12に記載の方法。
  15. 回収された前記有機相の処理は、酸化された硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物を選択的に抽出するに適する誘電率を有する溶剤を含む少なくとも1種の不混和性液体を用いることを含む、請求項12に記載の方法。
  16. 前記溶剤は、約24〜約80の範囲の誘電率を有する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記溶剤は、水、メタノール、エタノール、及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物を含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記低沸点画分の少なくとも一部を、酸化供給原料よりも少量の硫黄及び/又は窒素を含む生成物とブレンドして、輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分を得る工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 回収された前記有機相の処理は、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩の形態でのナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選択される可溶性塩基化学化合物の水溶液を含む少なくとも1種の不混和性液体を用いることを含む、請求項12に記載の方法。
  20. 前記可溶性塩基化学化合物は、重炭酸ナトリウムであり、前記有機相の処理は、メタノールを含む少なくとも1種の他の不混和性液体の連続使用をさらに含む、請求項19に記載の方法。
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